(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】データ処理方法、装置、デバイス及び媒体
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20231124BHJP
G06N 5/04 20230101ALI20231124BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20231124BHJP
【FI】
G06N20/00
G06N5/04
G06F21/60 320
(21)【出願番号】P 2023520024
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2022034138
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】202210211921.7
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523115483
【氏名又は名称】恒林日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 九廷
(72)【発明者】
【氏名】連 源
(72)【発明者】
【氏名】黄 天奇
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0044918(US,A1)
【文献】特開2019-219813(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0133577(US,A1)
【文献】特開2019-153216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00-99/00
G06F 21/00-21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モデル処理ルールを読み取り、且つ前記モデル処理ルールに従ってモデルに対して処理を行うためのモデル処理ユニットと、
データ処理ルールを読み取り、且つ前記データ処理ルールに従って入力データに対して処理を行うためのデータ処理ユニットと、
前記データ処理ユニットから前記データ処理ユニットにより生成された処理後入力データを読み取り、前記モデル処理ユニットによる処理により取得されたモデルを読み取り、且つこの前記モデルを使用して、処理後入力データを計算して中間データを取得するための計算ユニットと、
処理計算により取得された検証用中間データを
実際の結果と照
合計算し
て誤差値を取得し、
取得した誤差値に基づく判定結果を出力するためのモデル判別ユニットと、
前記モデル処理ユニット、前記データ処理ユニット及び前記モデル判別ユニットのパラメータに対してパラメータ調整を行うためのパラメータ調整ユニットと、を含むことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記パラメータ調整ユニットは、
モデル処理ユニット、データ処理ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための総合的パラメータ調整モジュールと、
前記モデル判別ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールと、
前記モデルに基づいてパラメータ生成モデルの処理ルールを整理するための
パラメータ生成モデル処理ルール生成モジュールと、
入力データに基づいてパラメータ生成用入出力データの処理ルールを処理するための
パラメータ生成用入出力データ処理ルール生成モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パラメータ生成モデルの処理ルール及び/又はパラメータ生成用入出力データの処理のルールは、
モデル及び入力データに対して変換処理を行うことを含み、
データの値の増加/減少、入力データに含まれる値の数量の増加/減少、入力データにおけるパラメータに対する変位調整、入力データにおける値の変更を独立で又は幾つかを組み合わせて使用する方法を含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記データ処理ユニットは、
読み取り入力データを読み取るための入力データ読み取りモジュールと、
入力データの処理ルールを読み取るための入力データ処理ルール読み取りモジュールと、
前記入力データの処理ルールを使用して格納されている前記入力データに対して処理を行って、処理後入力データを取得するための入力データ処理モジュールと、
処理後入力データを出力するための処理後入力データ出力モジュールと、
処理後入力データを格納するための処理後入力データ記憶モジュールと、を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記モデル処理ユニットは、
モデル処理ユニット
に入力されたモデルを読み取るためのモデル読み取りモジュールと、
モデル処理ルールを読み取るためのモデル処理ルール読み取りモジュールと、
読み取られたモデルをモデル処理ルールに従って処理を行って、処理後のモデルを生成するためのモデル処理モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された前記処理後のモデルを出力するための処理後モデル出力モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された前記処理後のモデルを格納するための処理後モデル記憶モジュールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記計算ユニットは、
前記モデル処理ユニットから処理後のモデルを読み取る処理後モデル読み取りモジュールと、
前記入力データ処理モジュールが処理を行った後のデータを読み取るための処理後データ読み取りモジュールと、
前記処理後モデル読み取りモジュールにより読み取られたモデルにより前記処理後入力データを計算して、中間データを取得するための中間データ計算モジュールと、
前記中間データを格納するための中間データ記憶モジュールと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記モデル判別ユニットは、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールにより読み取られた前記中間データを計算して、推定データを取得するための判別モデル計算モジュールと、
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
前記推定データを実際の結果と照合し、分析計算を行って誤差を取得するための判別結果照合モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理を経ていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記モデル判別ユニットは、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールに読み取られた前記中間データ及び生の出力データと照合し計算して、照合結果を取得するための判別モデル計算モジュールと
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理を経ていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記誤差は、標準偏差、平均二乗誤差又は01誤差を前記モデル判別ユニットの判別の標準として使用することを含むが、これに限定されず、
前記誤差を前記モデル処理ルール生成モジュール、前記モデル処理ユニットパラメータ調整モジュール及び前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにフィードバックすることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
請求項1から
3のいずれか一項に記載のデータ処理装置に作用するデータ処理方法であって、
入力データ処理ユニットを使用して、複数の値で構成される入力データ及び前記パラメータ調整ユニットにより生成された入力データ処理ルールを取得し、且つ前記入力データ処理ルールに基づいて入力データに対して変換処理を行うステップと、
前記モデル処理ユニットを使用して、生のモデル及び前記パラメータ調整ユニットにより生成されたモデル処理ルールを取得し、且つ前記モデル処理ルールに基づいてモデルに対して変換処理を行うステップと、
前記計算ユニットを使用して、前記モデル処理ルールに従って処理した後の前記モデルにより、前記入力データ処理ルールに従って処理した後の前記入力データを計算し、複数の値で構成され且つ複数行複数列のデータで構成された中間データを出力するステップと、
前記モデル判別ユニットを使用して、計算して取得された推定データを読み取って取得された実際の結果と照合して計算し、誤差を取得して判別結果に戻るステップと、を含むことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項11】
前記データ処理方法は、
前記モデル判別ユニットを使用して、判別終了条件を満たすことを判断し、YESであれば判別過程を終了し、トレーニング後のモデルを出力し、NOであればパラメータ調整を継続して循環し、中間データを生成して照合するステップを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにおいて運行できるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、請求項
10に記載のデータ処理方法に対応するステップが実現される電子デバイス。
【請求項13】
コンピュータプログラム命令が格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサにより前記プログラム命令を実行する際に、請求項
10に記載のデータ処理方法に対応するステップを実現することを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理技術分野に関し、より具体的には、本発明は、データ処理方法、装置、デバイス及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機械学習により生成されたモデルは、複数の分野に広く適用されている。従来の技術は、ニューラルネットワークの学習により、二次電池の状態を予測する。このようなニューラルネットワークモデルの使用の増加及びこのようなモデルが載置されている装置がネットワークに接続される状況の増加に従って、第三者がモデルに接続できる状況も増加している。
【0003】
このような場合、第三者がモデルに入力データを送信することにより出力データを取得する可能性がある。このような入出力データの組み合わせを多く取得することにより、第三者が出力モデルの構造を推定できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術がユーザの電池出力モデルの機密性に対する要求を満たすことができない技術課題を解決し、正規のユーザ以外に対してはモデルの価値を発揮できないデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術目的を実現するために、本発明は、データ処理装置を提供し、データ処理装置は、
モデル処理ルールを読み取り、且つ前記モデル処理ルールに従ってモデルに対して処理を行うためのモデル処理ユニットと、
データ処理ルールを読み取り、且つ前記データ処理ルールに従って入力データに対して処理を行うためのデータ処理ユニットと、
前記データ処理ユニットから前記データ処理ユニットにより生成された処理後入力データを読み取り、前記モデル処理ユニットによる処理により取得されたモデルを読み取り、且つこの前記モデルを使用して処理後入力データを計算して中間データを取得するための計算ユニットと、
処理計算により取得された検証用中間データを実数値と照合して計算し、誤差値を取得し、判別結果に戻るためのモデル判別ユニットと、
前記モデル処理ユニット、前記データ処理ユニット及び前記モデル判別ユニットのパラメータに対してパラメータ調整を行うためのパラメータ調整ユニットと、を含む。
ここで、「データ処理ルール」には、何らデータに変更がない場合も含むものである。
【0006】
更に、
前記パラメータ調整ユニットは、
モデル処理ユニット、データ処理ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための総合的パラメータ調整モジュールと、
前記モデル判別ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールと、
前記モデルに基づいてパラメータ生成モデルの処理ルールを整理するためのモデル処理ルール生成モジュールと、
入力データに基づいてパラメータ生成用入出力データの処理ルールを処理するための入力データ処理ルール生成モジュールと、を含む。
更に、
前記パラメータ生成モデルの処理ルール及び/又はパラメータ生成用入出力データの処理のルールは、
モデル及び入力データに対して変換処理を行うことを含み、
データの値の増加/減少、入力データに含まれる値の数量の増加/減少、入力データにおけるパラメータに対する変位調整、入力データにおける値の変更等を独立で又は幾つかを組み合わせて使用する方法を含むことを特徴とする。
【0007】
更に、前記データ処理ユニットは、
読み取り入力データを読み取るための入力データ読み取りモジュールと、
入力データの処理ルールを読み取るための入力データ処理ルール読み取りモジュールと、
前記入力データの処理ルールを使用して格納されている前記入力データに対して処理を行って、処理後入力データを取得するための入力データ処理モジュールと、
処理後入力データを出力するための処理後入力データ出力モジュールと、
処理後入力データを格納するための処理後入力データ記憶モジュールと、を含む。
【0008】
更に、前記モデル処理ユニットは、
入力モデル処理ユニットのモデルを読み取るためのモデル読み取りモジュールと、
モデル処理ルールを読み取るためのモデル処理ルール読み取りモジュールと、
読み取られたモデルをモデル処理ルールに従って処理を行って、処理後のモデルを生成するためのモデル処理モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された前記処理後のモデルを出力するための処理後モデル出力モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された前記処理後のモデルを格納するための処理後モデル記憶モジュールと、を含む。
【0009】
更に、前記計算ユニットは、
前記モデル処理ユニットから処理後のモデルを読み取る処理後モデル読み取りモジュールと、
前記入力データ処理モジュールが処理を行った後のデータを読み取るための処理後データ読み取りモジュールと、
前記処理後モデル読み取りモジュールにより読み取られたモデルにより前記処理後入力データを計算して、中間データを取得するための中間データ計算モジュールと、
前記中間データを格納するための中間データ記憶モジュールと、を含む。
【0010】
更に、前記モデル判別ユニットは、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールにより読み取られた前記中間データを計算して、推定データを取得するための判別モデル計算モジュールと、
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
前記推定データを実際の結果と照合し、分析計算を行って誤差を取得するための判別結果照合モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理されていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含む。
【0011】
更に、前記モデル判別ユニットは、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールに読み取られた前記中間データ及び生の出力データと照合し計算して、照合結果を取得するための判別モデル計算モジュールと
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理されていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含む。
【0012】
更に、誤差は、標準偏差、平均二乗誤差又は01誤差を前記モデル判別ユニットの判別の標準として使用することを含むが、これらに限定されず、
前記誤差を前記モデル処理ルール生成モジュール、前記モデル処理ユニットパラメータ調整モジュール及び前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにフィードバックする。
【0013】
上記の技術目的を実現するために、本発明は、上記のデータ処理装置に作用するデータ処理方法を提供し、前記データ処理方法は、
入力データ処理ユニットを使用して、複数の値で構成される入力データ及び前記パラメータ調整ユニットにより生成された入力データ処理ルールを取得し、且つ前記入力データ処理ルールに基づいて入力データに対して変換処理を行うステップと、
前記モデル処理ユニットを使用して、生のモデル及び前記パラメータ調整ユニットにより生成されたモデル処理ルールを取得し、且つ前記モデル処理ルールに基づいてモデルに対して変換処理を行うステップと、
前記計算ユニットを使用して、前記モデル処理ルールに従って処理した後の前記モデルにより、前記入力データ処理ルールに従って処理した後の前記入力データを計算し、複数の値で構成され且つ複数行複数列のデータで構成された中間データを出力するステップと、
前記モデル判別ユニットを使用して、計算して取得された推定データを読み取って取得された実際の結果と照合して計算し、誤差を取得して判別結果に戻るステップと、を含む。
【0014】
更に、前記データ処理方法は、
前記モデル判別ユニットを使用して、判別終了条件を満たすことを判断し、YESであれば判別過程を終了し、トレーニング後のモデルを出力し、NOであればパラメータ調整を継続して循環し、中間データを生成して照合するステップを含む。
【0015】
上記の技術目的を実現するために、本発明は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによりコンピュータプログラムを実行する際に、上記のデータ処理方法に対応するステップを実現するために用いられるコンピュータ記憶媒体を更に提供できる。
【0016】
上記の技術目的を実現するために、本発明は、メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにおいて運行できるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、上記のデータ処理方法に対応するステップが実現される電子デバイスを更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1の装置の構造模式図を示す。
【
図2】本発明の実施例1のルールユニットにより生成された変換ルール模式図を示す。
【
図3】本発明の実施例1のルールユニットにより生成された変換ルール模式図を示す。
【
図4】本発明の実施例1のルールユニットにより生成された変換ルール模式図を示す。
【
図5】本発明の実施例1のルールユニットにより生成された変換ルール模式図を示す。
【
図6】本発明の実施例1のルールユニットにより生成された変換ルール模式図を示す。
【
図7】本発明の実施例1の装置のデータ処理ユニットの構造模式図を示す。
【
図8】本発明の実施例1の装置のモデル処理ユニットの構造模式図を示す。
【
図9】本発明の実施例1の装置のパラメータ調整ユニットの構造模式図を示す。
【
図10】本発明の実施例1の装置の計算ユニットの構造模式図を示す。
【
図11】本発明の実施例1の装置のモデル判別ユニットの構造模式図を示す。
【
図12】本発明の実施例1の装置のモデル判別ユニットの構造模式図を示す。
【
図13】本発明の実施例2のフローチャートを示す。
【
図14】本発明の実施例2のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。ただし、理解すべきことは、これらの説明は、例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の説明において、本発明の概念に対する不要な混同を回避するために、公知の構造及び技術に対する説明を省略した。
【0019】
図面において、本発明の実施例による各構造模式図を示す。これらの図面は比例して描いたものではなく、目的を明確に表現するために、ある細部は拡大し、且つある細部は省略した可能性がある。図に示す各種の領域、層の形状及びそれらの間の相対的な大きさ、位置関係は、例示的なものにすぎず、実際において、製造公差又は技術的制限により差異が発生する可能性があり、且つ当業者は実際の要求に応じて、異なる形状、大きさ、相対位置を有する領域/層を別途設計したり、実際の状況に応じて、図面における論理関係及び/又はトポロジー構造に対して調整を行ってもよい。
実施例1
【0020】
図1(a)に示すように、
本発明はデータ処理装置を提供し、データ処理装置は、
モデル処理ルールを読み取り、且つ前記モデル処理ルールに従ってモデルに対して処理を行うためのモデル処理ユニット101と、
出力データ処理ルールを読み取り、且つ前記データ処理ルールに従って入力データに対して処理を行うためのデータ処理ユニット102と、
前記データ処理ユニットからルールによる処理後入力データを読み取り、前記モデル処理ユニットによるトレーニングにより取得されたモデルを読み取り、且つこのモデルを使用して処理後入力データを計算し、中間データを取得するための計算ユニット103と、
処理計算により取得された検証用中間データを実数値と照合して計算し、誤差値を取得し、判別結果に戻るためのモデル判別ユニット104と、
前記モデル処理ユニット、前記データ処理ユニット及び前記モデル判別ユニットのパラメータに対してパラメータ調整を行うためのパラメータ調整ユニット105と、を含む。
図1(a)に示されるデータ処理装置で得られた中間データは、有意でない、つまり、無意味なデータである。しかし、処理ルールを理解している正規のユーザであれば、中間データに逆算(処理ルールの逆演算)を施すことによって、正しい結果を取得することができる。
図2(b)は、このことを概念として示すものであり、計算ユニットの出力に対して逆算を行う逆算ユニットが接続され、正しい結果を取得するようにされている。ただし、飽くまで、概念として示したものであって、必ずしも、計算ユニットと逆算ユニットのハードウェア構成が物理的に接続されるものとは限らない。むしろ、背景技術や課題で説明したことからすれば、例えば、SaaSの形態において、サーバー側に計算ユニットが配置され、クライアント側に、逆算ユニットが配置されるというような形態が想定される。
【0021】
更に、
図9に示すように、
前記パラメータ調整ユニット105は、
モデル処理、データ処理ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための総合的パラメータ調整モジュールと、
前記モデル判別ユニット内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化のための前記モデル判別装置のパラメータ調整モジュールと、
前記モデルに基づいてパラメータ生成モデルの処理ルールを整理するためのモデル処理ルール生成モジュール
(パラメータ生成モデル処理ルール生成モジュール)と、
入力データに基づいてパラメータ生成用入出力データの処理ルールを処理するための入力データ処理ルール生成モジュール
(パラメータ生成用入出力データ処理ルール生成モジュール)と、を含む。
更に、
前記パラメータ生成モデルの処理ルール及び/又はパラメータ生成用入出力データの処理のルールは、
モデル及び入力データに対して変換処理を行うことを含み、
データの値の増加/減少、入力データに含まれる値の数量の増加/減少、入力データにおけるパラメータに対する変位調整、入力データにおける値の変更等を独立で又は幾つかを組み合わせて使用する方法を含むことを特徴とする。
【0022】
図2に示すように、計算ユニットは、読み取られた処理後のモデルにより、(データに何らの変更を及ぼさないデータ処理ルールが適用された)処理後入力データ、すなわち、生の入力データと同一のデータを計算して検証用中間データを取得し、ここで、モデルの暗号化処理ルールは特定のマトリックス列交換を例として、処理後入力データ(1 2 3)が処理された後のモデルにより計算した後に検証用中間データ(29 23 35)を取得し、ユーザがこの特定のマトリックス列交換ルールを使用して、前記中間データに対して逆演算(ここでは即ち中間データの1番目の位置データ及び2番目の位置データを交換)しなければ、実際の出力データ(23 29 35)を取得できない。
処理ルールを理解している正規のユーザだけが、図示されない逆算ユニットを接続することによって、正しい結果を取得することができる。
【0023】
図3に示すように、計算ユニットは、読み取られた処理後のモデルにより、(データに何らの変更を及ぼさないデータ処理ルールが適用された)処理後入力データ、すなわち、生の入力データを計算して検証用中間データを取得し、ここで、モデルの暗号化処理ルールは特定のマトリックス行交換を例として、処理後入力データ(1 2 3)が処理された後のモデルにより計算した後に検証用中間データ(25 31 35)を取得し、ユーザがこの特定のマトリックス行交換ルールを使用して、前記中間データに対して逆演算しなければ、実際の出力データ(23 29 35)を取得できない。
処理ルールを理解している正規のユーザだけが、図示されない逆算ユニットを接続することによって、正しい結果を取得することができる。
【0024】
図4に示すように、計算ユニットは、読み取られた処理後のモデルにより、(データに何らの変更を及ぼさないデータ処理ルールが適用された)処理後入力データ、すなわち、生の入力データを計算して検証用中間データを取得し、ここで、モデルの暗号化処理ルールは特定したマトリックス内のある数の位置を互いに交換することを例として、処理後入力データ(1 2 3)が処理された後のモデルにより計算した後に検証用中間データ(23 31 35)を取得し、ユーザがこの特定のマトリックス行交換ルールを使用して、前記中間データに対して逆演算しなければ、実際の出力データ(23 29 35)を取得できない。
処理ルールを理解している正規のユーザだけが、図示されない逆算ユニットを接続することによって、正しい結果を取得することができる。
【0025】
図5に示すように、計算ユニットは、読み取られた処理後のモデルにより読み取られた処理後入力データを計算して、検証用中間データを取得し、ここで、入力データ処理ルールは特定の増設データを例として、同時にモデルも対応する変換を行って、生の入力データ(1 2 3)はルールにより変換して処理後入力データ(1 0 2 0 3)を取得し、処理後入力データは処理後のモデルにより計算して検証用中間データ(23 0 29 0 35)を取得する。
【0026】
ユーザがこの特定の変換ルールを使用して、前記中間データに対して逆演算(ここでは即ち中間データのうちの0値を無視し、中間データのベクトルのサイズを縮小)しなければ、実際の出力データ(23 29 35)を取得できない。
処理ルールを理解している正規のユーザだけが、図示されない逆算ユニットを接続することによって、正しい結果を取得することができる。
【0027】
データ処理方法の例としては、
図6に示すように、
生の入力データは生のモデルの計算後、生の出力データを取得し;
生の入力データに2つの数字を追加し、処理後入力データを得て、
生のモデルをモデル処理ルールで処理することで、処理後のモデルを得る。
処理後入力データは処理後モデルの計算後、中間データを取得した上で、
生の出力データ及び検証用中間データに後の判別モデルを入力すると、処理ルールが暗号化の役割を良好に果たしているか否かを判断できる。
【0028】
また、本方法を使用して、暗号化した後に、ユーザが処理ルールを理解している場合に限り、中間データに対する処理ルールの逆演算処理が可能になり、正しい結果を取得できる。悪意のあるユーザがモデル全体を窃盗したとしても、処理ルールが分からないため、無意味の中間データだけを取得でき、モデルの価値を発揮できない。モデルを保護し、悪意のある窃盗を防止する役割を果たす。
【0029】
更に、
図7に示すように、前記データ処理ユニット102は、
読み取り入力データを読み取るための入力データ読み取りモジュールと、
入力データの処理ルールを読み取るための入力データ処理ルール読み取りモジュールと、
前記入力データ処理ルールを使用して格納されている前記入力データに対して処理を行って、処理後入力データを取得するための入力データ処理モジュールと、
処理後入力データを出力するための処理後入力データ出力モジュールと、
処理後入力データを格納するための処理後入力データ記憶モジュールと、を含む。
【0030】
更に、
図8に示すように、前記モデル処理ユニット101は、
入力モデル処理ユニットのモデルを読み取るためのモデル読み取りモジュールと、
モデル処理ルールを読み取るためのモデル処理ルール読み取りモジュールと、
読み取られたモデルをモデル処理ルールに従って処理を行って、処理後のモデルを生成するためのモデル処理モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された処理後のモデルを格納するための処理後モデル出力モジュールと、
前記モデル処理モジュールにより生成された処理後のモデルを出力するための処理後モデル記憶モジュールと、を含む。
【0031】
更に、
図10に示すように、前記計算ユニット103は、
モデル処理ユニットから処理後のモデルを読み取る処理後モデル読み取りモジュールと、
前記入力データ処理モジュールが処理を行った後のデータを読み取るための処理後データ読み取りモジュールと、
処理後モデル読み取りモジュールにより読み取られたモデルにより前記処理後入力データを計算して、中間データを取得するための中間データ計算モジュールと、
前記中間データを格納するための中間データ記憶モジュールと、を含む。
【0032】
更に、
図11に示すように、前記モデル判別ユニット104は、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールにより読み取られた前記中間データを計算して、推定データを取得するための判別モデル計算モジュールと、
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
前記推定データを実際の結果と照合し、分析計算を行って誤差を取得するための判別結果照合モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理されていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含む。
【0033】
更に、
図12に示すように、別の実施形態において、前記モデル判別ユニット104は、
前記計算ユニットにより生成された中間データを読み取るための中間データ読み取りモジュールと、
前記モデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取るためのモデルパラメータ読み取りモジュールと、
前記中間データ読み取りモジュールに読み取られた前記中間データ及び生の出力データと照合し計算して、照合結果を取得するための判別モデル計算モジュールと
前記モデル判別ユニットの判別結果を格納するための判別結果記憶モジュールと、
判別終了条件を満たすか否かを判定し、YESであれば判別過程を終了し、NOであればパラメータ調整を継続して循環する終了条件判別モジュールと、
特別な処理されていない出力データを読み取るための生の出力データ読み取りモジュールと、を含む。
【0034】
更に、前記誤差は、標準偏差、平均二乗誤差又は01誤差をモデル判別ユニットの判別の標準として使用することを含むが、これらに限定されず、
前記誤差をモデル処理ルール生成モジュール、モデル処理ユニットパラメータ調整モジュール及びモデル判別ユニットのパラメータ調整モジュールにフィードバックする。
実施例2
【0035】
図13に示すように、
データ処理方法は、上記のデータ処理装置に作用し、前記データ処理方法は、以下を含む。
S201:前記データ処理ユニットを使用して、複数の値で構成される入力データ及び前記モデル処理ユニットにより生成された処理ルールを取得し、且つ前記処理ルールに基づいて入力データに対して変換処理を行うステップ。
S202:前記計算ユニットを使用して、処理後の前記入力データに対して処理を行うことによって、複数の値で構成され且つ複数行又は複数列のデータで構成される中間データを出力するステップ。
S203:前記モデル判別ユニットを使用して、計算して取得された推定データを読み取って取得された実際の結果と照合して計算し、誤差を取得して判別結果に戻るステップ。
【0036】
更に、前記データ処理方法は、
前記モデル判別ユニットを使用して、判別終了条件を満たすことを判断し、YESであれば判別過程を終了し、トレーニングを行った後のモデルを出力し、NOであればパラメータ調整を継続して循環するステップを含む。
【0037】
パラメータ調整ユニットに作用するデータ処理方法であって、前記パラメータ調整方法は、以下を含む。
総合的パラメータ調整モジュールにより計算結果を読み取り、計算結果のフィードバックに基づいて各モデルモジュールのパラメータを調整するステップ。
モデル処理装置のパラメータ調整モジュールにより、モデル処理装置内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化を行うステップ。
モデル判別装置のパラメータ調整モジュールにより、モデル判別装置内の各モジュールの各パラメータの生成、調整、最適化を行うステップ。
モデル処理ルール生成モジュールにより、モデル処理のルールの生成、調整、最適化を行うとともに、入出力データ処理ルールを生成するステップ。ここで、前記処理とは、モデルに対する変換処理を意味し、変換処理方法は、データの増加/減少による入力データに含まれる値の数量の増加/減少、入力データに含まれる値の数量の増加/減少、入力データにおけるパラメータに対する変位調整、入力データにおける値の変更等を独立で又は幾つかを組み合わせて使用する方法を含むが、これに限定されない。
【0038】
データ処理方法は、前記モデル処理ユニットに作用し、前記モデル処理方式は、入力されたモデル及びモデル処理ルールを取得し、モデル処理ルールに従ってモデルを調整し且つトレーニングして、調整加工後のモデルを出力するステップを含む。
具体的には、
モデル読み取りモジュールにより生のモデルを読み取るステップと、
モデル処理ルール読み取りモジュールによりモデル処理ルールを読み取るステップと、
モデル処理モジュールにより、読み取られたモデルをモデル処理ルールの方法で処理し、新たな処理後のモデルを生成するステップと、を含む。
モデル記憶モジュールにより、前記モデル処理モデルにより生成された処理後のモデルを格納する。
入力データ読み取りモジュールにより生の入力データを読み取り、
入力データ処理ルール読み取りモジュールにより入力データ処理ルールを読み取り、
入力データ処理モジュールより、読み取られた入力データを入力データ処理ルールの方法で処理し、新たな処理後入力データを生成する。
入力データ記憶モジュールにより、前記入力データ処理モデルにより生成された処理後入力データを格納する。
中間データ計算モジュールにより、処理後入力データ記憶モジュールに保存された処理後入力データを、処理後モデル記憶モジュールに保存された処理後モデルにより計算し、中間データを取得する。
【0039】
データ処理方法は、前記計算ユニットに作用し、前記計算方式は、
前記入力データ処理ユニットから入力データ処理ルールに従って処理した後の入力データを読み取り、前記モデル処理ユニットからモデル処理ルールに従って処理した後のモデルを読み取り、このモデルを使用して、前記処理後入力データを計算し、中間データを取得することを含む。具体的には、以下を含む。
処理後モデルによりモジュール読み取り、モデル処理装置から処理後のモデルを読み取る。
処理後データによりモジュールを読み取り、下記のデータ処理装置が処理した後の入力データを読み取る。
中間データ計算モジュールにより、前記処理後入力データを、モデル読み取りモジュールが読み取ったモデルにより計算し、中間データを取得する。
中間データ記憶モジュールにより、属するモデル計算モジュールが計算した後に生成された中間データを保存する。
【0040】
データ処理方法は、モデル判別ユニットに使用され、前記モデル判別方式は、
前記モデル判別モデルを使用して、前記モデル処理装置により計算して取得された中間データを計算し、推定出力データを取得し、実際の出力データと照合して計算し、誤差値を取得することを含む。具体的には、
中間データ読み取りモジュールにより、前記モデル処理装置により生成された中間データを読み取る。
モデルパラメータ取得モジュールにより、モデル判別装置のパラメータ調整モジュールにより生成されたモデルパラメータを読み取る。
モデル記憶モジュールによりモデル判別装置のモデルを格納する。
モデル計算モジュールにより、中間データ読み取りモジュールにより取得された中間データを、モデル判別装置のモデルにより計算し、推定結果を取得する。
結果照合モジュールにより、前記推定結果を実際の結果と照合し、計算して誤差を取得する。具体的には、ここでの誤差は、標準偏差、平均二乗誤差、01誤差等を使用することを含むが、これらに限定されない。誤差をモデル処理ルール生成モジュール、モデル処理装置のパラメータ調整モジュール及びモデル判別装置のパラメータ調整モジュールにフィードバックする。
終了条件判別モジュールにより、フロー全体が終了の条件を達成したか否かを判定する。終了条件は、一定のトレーニング回数に達すること、暗号化後データ全体の分布が一定範囲にあることを含むが、これらに限定されない。
人工識別の誤り率はある閾値を超える。終了条件を満たすとフローを終了し、満たさなければ次のフローを循環する。
【0041】
図14に示すように、
まず、予め設定した総合的パラメータ(モデル処理ルール及び入力データ処理ルールを含む)により、入力データ処理ルール及びモデル処理ルールをそれぞれ生成し、その後、入力データ処理及びモデル処理をそれぞれ行って、入力された処理後入力データ及び処理後モデルにより計算して、検証用中間データを取得する。検証用中間データを判別モデルにより計算して判別結果を取得し、判別結果及び計算におけるパラメータ等の条件に基づいて処理終了条件を満たすか否かを判断する。満たす場合、各パラメータを保存した後に装置の運行を終了する。満たさない場合、モデル判別装置のパラメータを調整した後、再び総合的パラメータ調整を行って、循環を開始する。
実施例3
【0042】
本発明は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによりコンピュータプログラムを実行する際に、上記のデータ処理方法のステップを実現するために用いられるコンピュータ記憶媒体を更に提供できる。
【0043】
本発明のコンピュータ記憶媒体は、半導体メモリ、磁気コアメモリ、磁気ドラムメモリ又は磁気ディスクメモリを採用して実現できる。
【0044】
半導体メモリは、主にコンピュータの半導体記憶素子に使用され、主にMOS及びバイポーラ型の2つがある。MOS素子は、集積度が高く、プロセスが簡単であるが、スピードが遅い。バイポーラ型素子は、プロセスが複雑で、電力消費が大きく、集積度が低いが、スピードが速い。NMOS及びCMOSが出現した後、MOSメモリが半導体メモリにおいて主要な位置を占め始めた。NMOSはスピードが速く、例えばインテル社の1Kビットのスタティックランダムメモリのアクセスタイムは45nsである。CMOSは消費電力が少なく、4KビットのCMOSスタティックメモリのアクセスタイムは300nsである。上記の半導体メモリは、いずれもランダムアクセスメモリ(RAM)であり、即ち作業過程において、新たな内容の読み書きをランダムに行うことができる。半導体読み取り専用メモリ(ROM)は、作業過程においてランダムに読み取ることができるが、書き込むことができず、これは、固定済みのプログラム及びデータの保存に用いられる。
【0045】
ROMはまた、書き換え不可能なヒューズ式の読み取り専用メモリ──PROMと、書き換え可能な読み取り専用メモリEPROMの2つに分けられる。
【0046】
磁気コアメモリは、コストが低く、信頼性が高い特徴を有し、且つ20年以上の実用経験がある。70年代半ばまでは、磁気コアメモリが主メモリとして広く使用された。そのストレージ容量は10ビット以上に達することが可能で、最速のアクセスタイムは300nsである。世界で代表的な磁気コアメモリ容量は4MS~8MBであり、アクセスサイクルは1.0~1.5μsである。半導体メモリが急速に発展して磁気コアメモリの代わりに主メモリとなった後も、磁気コアメモリは、大容量増設メモリとして適用できる。
【0047】
磁気ドラムメモリは、磁気記録用の外部メモリである。これは、情報のアクセススピードが速く、作業が安定的で確実であるため、その容量が比較的小さく、徐々に磁気ディスクメモリに置き換わっているが、リアルタイム過程の制御用コンピュータ及び中型、大型コンピュータの外部メモリとして用いられる。小型及びミニコンピュータの需要に適応するために、体積が小さく、軽量で、信頼性が高く、使用が便利な超小型磁気ドラムが出現した。
【0048】
磁気ディスクメモリは、磁気記録用の外部メモリである。これは、磁気ドラム及び磁気テープメモリの利点を兼ね備え、即ちそのストレージ容量は磁気ドラム容量より大きく、アクセススピードは磁気テープメモリより速く、またオフラインでも保存できるので、各種のコンピュータシステムにおいて、磁気ディスクは大容量の外部メモリとして広く用いられる。磁気ディスクは、通常、ハードディスク及びフロッピーディスクメモリの2種類に分けられる。
【0049】
ハードディスクメモリの種類は多様である。構造的には、リムーバブル式及び固定式の2つに分けられる。リムーバブル式磁気ディスクのプラッタは交換可能であり、固定式磁気ディスクのプラッタは固定されている。リムーバブル式及び固定式磁気ディスクはいずれもマルチピースの組み合わせ及びシングルピースの構成の2種類を有し、またそれぞれ固定磁気ヘッド型及び可動磁気ヘッド型に分けられる。固定磁気ヘッド型磁気ディスクは、容量が小さく、記録密度が低く、アクセススピードが速いが、生産コストが高い。可動磁気ヘッド型磁気ディスクは、記録密度が高い(1000~6250ビット/インチ)ので、容量が大きいが、アクセススピードは固定磁気ヘッド型磁気ディスクより低い。磁気ディスク製品のストレージ容量は数百メガバイトに達することができ、ビット密度は6250ビット/インチであり、トラック密度は475トラック/インチである。ここで、マルチピースのリムーバブル式磁気ディスクメモリは、ディスクの組み合わせが交換可能で、大きなオフライン容量を有し、且つ容量が大きく、スピードが速く、大容量の情報資料を格納できるので、オンライン情報検索システム、データベース管理システムに広く適用されている。
実施例4
【0050】
本発明は、メモリ、プロセッサ及びメモリに格納され且つプロセッサにおいて運行できるコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行する際に、上記のデータ処理方法のステップが実現される電子デバイスを更に提供する。
【0051】
図15は、一実施例における電子デバイスの内部構造の模式図である。
図15に示すように、この電子デバイスは、システムバスを介して接続されたプロセッサ、記憶媒体、メモリ及びネットワークインターフェースを含む。ここで、このコンピュータデバイスの記憶媒体には、オペレーティングシステム、データベース及びコンピュータ可読命令が格納されており、データベースにはウィジェット情報シーケンスを格納することができ、プロセッサによりこのコンピュータ可読命令を実行する際に、プロセッサにデータ処理方法を実現させることができる。この電子デバイスのプロセッサは、計算及びコントロール能力を提供し、コンピュータデバイス全体の運行を支持するために用いられる。このコンピュータデバイスのメモリにはコンピュータ可読命令を格納することができ、プロセッサによりこのコンピュータ可読命令を実行する際に、プロセッサにデータ処理方法を実行させることができる。このコンピュータデバイスのネットワークインターフェースは、端末との接続通信のために用いられる。
図15に示す構造は、本出願の態様に関連する一部の構造のブロック図にすぎず、本出願の態様が適用されるコンピュータデバイスを限定するものではなく、具体的なコンピュータデバイスは、図面に示すものより多くの部材又は少ない部材を含んでもよく、或いはある部材と組み合わせたり、異なる部材の配置を有してもよいことを当業者は理解できる。
【0052】
この電子デバイスには、スマートフォン、コンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルスマートデバイス、人工知能デバイス、パワーバンク等が含まれるが、これに限定されない。
【0053】
ある実施例において、前記プロセッサは、集積回路で構成されることができ、例えば単一パッケージの集積回路で構成されてよく、複数の同じ機能又は異なる機能のパッケージの集積回路で構成されてよく、1つ又は複数の中央処理装置(Central Processing unit:CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル処理チップ、図形プロセッサ及び各種のコントロールチップの組み合わせ等を含む。前記プロセッサは、前記電子デバイスのコントロールユニット(Control Unit)であり、各種のインターフェース及び回路を使用して電子デバイス全体の各部材を接続し、前記メモリ内に格納されているプログラム又はモジュール(例えば、リモートデータの読み書きを実行するプログラム等)を運行又は実行し、且つ前記メモリ内に格納されているデータを呼び出すことによって、電子デバイスの各種の機能を実行し、データを処理する。
【0054】
前記バスは、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(peripheral component interconnect、PCIと略される)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(extended industry standard architecture、EISAと略される)バス等であってよい。このバスは、アドレスバス、データバス、コントロールバス等に分けられる。前記バスは、前記メモリと少なくとも1つのプロセッサ等の間との接続通信を実現するために設けられる。
【0055】
図15は、部材を有する電子デバイスのみを示し、
図15に示す構造は前記電子デバイスを限定するものではなく、図面に示すものより少ない又は多い部材を含んでもよく、或いはある部材と組み合わせたり、異なる部材の配置を有してもよいことを当業者は理解できる。
【0056】
例えば、示していないが、前記電子デバイスは、各部材に給電する電源(例えば電池)を更に含んでもよく、好ましくは、電源は、電源管理装置を介して前記少なくとも1つのプロセッサと論理的に接続されることで、電源管理装置により充電管理、放電管理、及び電力消費管理等の機能を実現する。電源は、1つ以上の直流又は交流電源、再充電装置、電源故障検出回路、電力変換器又はインバータ、電源状態指示器等の任意の部品を更に含んでよい。前記電子デバイスは、複数のセンサ、ブルートゥースモジュール、Wi-Fiモジュール等を含んでよく、ここでは説明を省略する。
【0057】
更に、前記電子デバイスは、ネットワークインターフェースを更に含んでよく、選択的に、前記ネットワークインターフェースは、有線インターフェース及び/又は無線インターフェース(例えば、WI-FIインターフェース、ブルートゥースインターフェース等)を含んでよく、通常、この電子デバイスと他の電子デバイスとの間に通信接続を構築するために用いられる。
【0058】
選択的に、この電子デバイスはユーザインターフェースを更に含んでよく、ユーザインターフェースはディスプレイ(Display)、入力ユニット(例えば、キーボード(Keyboard))であってもよく、選択的に、ユーザインターフェースは、標準的な有線インターフェース、無線インターフェースであってもよい。選択的に、ある実施例において、ディスプレイは、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチ液晶ディスプレイ及びOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)タッチデバイス等であってもよい。ここで、ディスプレイは、適当にディスプレイパネル又はディスプレイユニットと称してもよく、電子デバイスにおいて処理された情報を表示するために用いられ、且つ可視化されたユーザインターフェースを表示するために用いられる。
【0059】
更に、前記コンピュータが使用可能な記憶媒体には、主に記憶プログラムゾーン及び記憶データゾーンを含むことができ、ここで、記憶プログラムゾーンにはオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要な適用プログラム等を含むことができ、記憶データゾーンにはブロックチェーンノードに基づいて作成したデータ等を格納することができる。
【0060】
本発明で提供された幾つかの実施例において、開示されたデバイス、装置及び方法は、他の形態により実現してもよいことを理解すべきである。例えば、以上で説明した装置の実施例は例示的なものにすぎず、例えば、前記モジュールの区画は、論理的機能の区画にすぎず、実際に実施する場合は、他の区画形態があり得る。
【0061】
前述の分離部材として説明したモジュールは、物理的に分離されたものであってもよく、又は物理的に分離されていないものであってもよく、モジュールとして表示した部材は、物理的なユニットであってもよく、又は物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニット上に分布されていてもよい。実際の必要に基づいて、一部又は全てのモジュールを選択して本実施例態様の目的を実現してもよい。
【0062】
なお、本発明の各実施例における各機能モジュールは1つの処理ユニットに集積されていてもよく、各ユニットが物理的に独立に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つの処理ユニットに集積されていてもよい。上記の集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを兼ね備える機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施例を説明した。ただし、これらの実施例は、説明の目的のためのものにすぎず、本発明の範囲の制限を意図するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲及びその同等物により限定される。本発明の範囲を逸脱しない限り、当業者は、種々の置き換え及び修正を行うことができ、これらの置き換え及び修正は、いずれも本発明の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0064】
101 モデル処理ユニット
102 データ処理ユニット
103 計算ユニット
104 モデル判別ユニット
105 パラメータ調整ユニット
【要約】
本発明は、データ処理方法、装置、デバイス及び媒体に関し、前記装置は、モデル処理ルールを読み取り、且つルールに従って前記モデルに対して処理を行うためのモデル処理ユニットと、データ処理ルールを読み取り、且つルールに従って前記入力データに対して処理を行うためのデータ処理ユニットと、前記データ処理ユニットから前記データ処理ユニットにより生成された後の入力データを読み取り、前記モデル処理ユニットによる処理により取得されたモデルを読み取り、且つこのモデルを使用して、処理後入力データを計算して中間データを取得するための計算ユニットと、処理計算により取得された検証用中間データを実数値と照合して計算し、誤差値を取得し、判別結果に戻るためのモデル判別ユニットと、前記モデル処理ユニット、前記データ処理ユニット及びモデル判別ユニットのパラメータに対してパラメータ調整を行うためのパラメータ調整ユニットと、を含む。