(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】滅菌ユニット、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20231127BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20231127BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/24
A61L9/20
(21)【出願番号】P 2022149200
(22)【出願日】2022-09-20
(62)【分割の表示】P 2020172372の分割
【原出願日】2013-12-19
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2012-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522371662
【氏名又は名称】レヴィアント, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ルイス フェルナンド ロモ
(72)【発明者】
【氏名】アルト シノグル
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド モーセス
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0201910(US,A1)
【文献】国際公開第2012/142427(WO,A1)
【文献】実開平04-091794(JP,U)
【文献】特開2001-327590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L2/00-12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周を有する標的ゾーンにおいて物体を殺菌するためのシステムであって、前記システムは、
UV-C放射を放出するように構成された複数のUV-C光放出源であって、前記複数のUV-C光放出源は、ハウジング上に配置され、前記複数のUV-C光放出源の第1の部分は、前記ハウジングの第1のパネル上に位置し、前記複数のUV-C光放出源の第2の部分は、前記ハウジングの第2のパネル上に位置し、前記第2のパネルおよび前記第1のパネルは、前記複数のUV-C光放出源が前記標的ゾーンの前記外周の少なくとも一部分に沿って配置されるように、角度を形成する、複数のUV-C光放出源と、
前記複数のUV-C光放出源と通信する制御システムであって、前記制御システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記標的ゾーンにおける収束されたマルチベクトルUV-C光の標的にされた増幅のために、前記複数のUV-C光放出源のうちの少なくとも一部が複数の方向から前記UV-C放射を用いて前記標的ゾーンを照射するように起動されるように、前記複数のUV-C光放出源を選択的に制御するように構成される、制御システムと
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間の角度は、調整可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記角度は、5度より小さい第1の角度から170度より大きい第2の角度まで調整可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウジングは、2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の間で選択可能に構成可能である部屋のパーティションを備え、前記部屋のパーティションは、前記2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の各々において、(a)部屋の床空間を前記標的ゾーンと非標的ゾーンとに物理的に分離し、(b)前記UV-C放射から前記非標的ゾーンを保護しながら、少なくとも2つの異なる方向から前記UV-C放射を前記標的ゾーンに方向付けるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルは、前記標的ゾーンと前記非標的ゾーンとの間にUV-C障壁を形成するように構成され、それぞれ、前記非標的ゾーンに向かって対面するように構成された第1の面と、前記標的ゾーンに向かって対面するように構成された第2の面とを有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記部屋のパーティションは、前記部屋のパーティションが複数の構成の間で転がされることが可能であるようにキャスタを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第3のパネルをさらに備え、前記反対の第2の側面は、前記UV-C放射の第3の部分を前記反対の第2の側面から外向きに方向付けるように構成され、前記第3のパネルは、前記UV-Cが前記第3のパネルの前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成され、前記第3のパネルは、前記第1のパネルに連結され、近位位置と遠位位置との間で前記第1のパネルの幅に沿ってスライド可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
スライド機構をさらに備え、前記第3のパネルは、前記スライド機構を介して前記第1のパネルに連結され、前記スライド機構は、トラックと、前記トラックに沿って移動するように構成されたスライドブロックとを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記スライドブロックは、前記トラックに対して回転して、前記第3のパネルを含む面内で前記第1のパネルに対して前記第3のパネルが回転することを可能にするように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のパネルは、前記第1のパネルに対して3度より大きい回転の範囲を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第4のパネルをさらに備え、前記反対の第2の側面は、前記UV-C放射の第4の部分を前記第2の側面から外向きに方向付けるように構成され、前記第4のパネルは、前記UV-C放射が前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記ハウジングは、4つの壁を有する複数の壁による囲いに構成可能であり、前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々は、前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々の前記第2の側面が前記複数の壁による囲いの内部に方向付けられるように、前記4つの壁のうちのそれぞれの1つに対応する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御システムは、前記UV-C放射のために前記UV-C光放出源の強度および持続時間を調整するように構成された少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記UV-C光放出源からのUV-C強度の一貫性を提供するために、前記UV-C光放出源の経年劣化に基づいて前記UV-C光放出源に供給される電力を調整するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記標的ゾーンにおけるUV-Cばく露を測定するように構成された1つ以上のセンサから信号を受信するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御システムは、通信ネットワークを経由して情報を送信および受信するように構成された送受信機をさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御システムは、(a)前記標的ゾーン中の物品、および(b)前記標的ゾーンの場所のうちの少なくとも1つの識別を提供する情報を伝送するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記伝送された情報は、前記物品または標的ゾーン場所が前記UV-C光放出源による前記UV-C放射にばく露されたことを示す、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記UV-C放射に対するばく露を必要とするとしてフラグを付けられた物品または前記標的ゾーンを識別する情報を前記送受信機を介して受信し、処理するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのうちの少なくとも1つは、窓を含み、前記窓は、UV-C放射を用いて照射されるべき領域の、前記UV-C光放出源によって生成される前記UV-C放射にばく露されない位置からの目視点検を可能にするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
標的ゾーンを殺菌する方法であって、前記方法は、
複数のUV光放出源から放出されるUV光を用いて複数の方向から標的ゾーンを照射することと、
前記標的ゾーンにおいて前記UV光のうちの少なくとも一部を収束させることと、
前記複数のUV光放出源の数および/または強度を制御して前記複数の方向からのUV光を収束することにより、収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅を達成することと
を含む、方法。
【請求項22】
前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅は、複数の異なる平面に配置された前記複数のUV光放出源から由来する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅は、前記標的ゾーンから同等の距離を離れる単一の源から放出されるUV光の強度に対して増加された強度を伴う増幅されたUV光を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のUV光放出源のうちの少なくとも一部から放出される前記UV光は、前記標的ゾーンの全体を通してUV光と重複するグリッドを形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅は、前記UV光放出源から由来するマルチベクトルUVエネルギーを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記標的ゾーンは、前記複数のUV光放出源に隣接する第1の領域と、前記第1の領域より前記複数のUV光放出源からさらに離れる第2の領域とを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の領域における前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅は、前記第1の領域におけるUV光の強度と同等の強度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の領域における前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅は、前記第1の領域におけるUV光の強度を上回る強度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記UV光放出源は、平面内に互いに横断して配置されている少なくとも2つの源を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも2つの源からの前記UV光は、収束して、前記標的ゾーンにわたって収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅を提供する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のUV光放出源は、前記標的ゾーンの複数の側に沿って配置されている、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記標的ゾーンの内部に少なくとも1つのUV光放出源を配置することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
UV光放出デバイスを前記標的ゾーンに近接して位置付けることをさらに含み、前記複数のUV光放出源は、前記UV光放出デバイス上の異なる位置に配置される、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記UV光放出デバイスは、複数の支持構造を備え、前記複数の支持構造は、互いに対して移動可能であり、前記UV光放出源は、前記複数の支持構造上の異なる位置に配置される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記収束されたマルチベクトルUV光の標的にされた増幅を用いて前記標的ゾーンを殺菌することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/739,098号(2012年12月19日出願、その全体が、参照により本明細書に引用される)、米国仮特許出願第61/776,914号(2013年3月12日出願、その全体が、参照により本明細書に引用される)を基礎とする優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明のいくつかの例示的実施形態は、概して、滅菌デバイスと、滅菌するための方法とに関する。より具体的には、本発明のいくつかの例示的実施形態は、空間、表面、または構造の滅菌のためのデバイスと、デバイスを利用して空間、表面、または構造を滅菌する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
微生物汚染は、多くの業界内で、特に医療業界では、世界的懸念である。これは、1年に何十億ドルもの負担を国にかけ、より重要なことには、汚染病原体は、私的および公的(例えば、医療)設定および周辺環境を悪化させる。最終的に、これらの汚染された周辺環境は、感染症につながり、最終的に死亡につながり得る。
【0004】
さらに、多くの伝染性疾患が、汚染領域との接触を通して伝播される。このようにして伝播される伝染性疾患の種類および重篤性は、様々である。例えば、ウイルス性および細菌性疾患が、同様に、感染因子が常駐する表面との物理的接触によって伝染され得る。さらに、伝染性疾患の大発生またはさらに蔓延の可能性の意識および懸念が世界中で高まっている。これらの懸念は、部分的に、インフルエンザおよび他のウイルスの起こり得る自然突然変異、ならびに従来的および新たに開発された強力な抗生物質に対する細菌の菌株の増大する抵抗から生じる。
【0005】
したがって、とりわけ、滅菌空間、表面、および/または構造を提供すること、および感染領域との物理的接触を介して伝染され得る疾患の蔓延に対抗することに役立ち得る、改良型滅菌デバイスおよび滅菌のための方法の必要性が存在する。
【0006】
知識に関する文書、作用、または物品が参照または議論される、本明細書では、本参照または議論は、知識に関する文書、作用、または物品、あるいはそれらの任意の組み合わせが、優先的日付にある、公的に利用可能である、公衆に知られている、共通一般知識の一部である、または別様に適用可能な法規条項の下で従来技術を構成すること、あるいは本明細書が関係する任意の問題を解決する試行に関連することが知られているという承認ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的実施形態によると、改良型滅菌デバイスおよび方法の必要性が満たされる。例示的実施形態は、上で議論される技術の問題および欠陥のうちの1つ以上に対処し得る。しかしながら、例示的実施形態は、加えて、または代替として、いくつかの技術分野で他の問題および欠陥に対処する際に有用であることが判明し得る。したがって、本発明の実施形態の範囲は、必ずしも本明細書で議論される特定の問題または欠陥のうちのいずれかに対処することに限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0008】
本開示される滅菌デバイスおよび方法のいくつかの実施形態は、いくつかの特徴を有し、そのうちの1つもそれらの望ましい属性に単独で関与しない。以下に続く請求項によって定義されるようなこれらのデバイスおよび方法の範囲を限定することなく、ここで、それらのより顕著な特徴を簡潔に議論する。本議論を考慮した後、具体的には、「発明を実施するための形態」と題された本明細書の節を熟読した後、本明細書で開示される種々の実施形態の特徴が、どのようにして現在の最先端技術に優るいくつかの利点を提供するかが理解されるであろう。いくつかの実施形態によると、これらの利点は、限定ではないが、とりわけ、滅菌空間、表面、および/または構造を提供することに役立ち得る、改良型滅菌デバイスおよび滅菌のための方法を提供することと、カスタマイズ可能な滅菌ばく露領域を提供することと、滅菌を必要としている任意の空間、表面、および/または構造の適切なばく露、線量、滅菌プロセスを可能にすることと、感染領域との物理的接触を介して伝染され得る疾患の蔓延に対抗することと、滅菌のために高度に効果的なUV-Cを有するデバイスおよび方法を提供することと、例えば、医療業務内で容易に統合可能であるデバイスおよび方法を提供することと、高速で安全かつ効果的に滅菌を可能にすることとを含み得る。本発明のいくつかの実施形態の付加的で非限定的な独特の能力は、自己滅菌可能であること、滅菌野を最大限化するように構築可能かつ積層可能であること、ユーザが同一の部屋の中で本発明とともに存在している間に滅菌デバイスを動作させる能力、微生物の99.9%の根絶、部屋を区切り、直接滅菌を受けていない部屋の区分の使用を可能にするために本デバイスを使用する能力、それ自体内に囲い(例えば、格納滅菌領域)を形成する本デバイスの能力、拡張可能および収縮可能であること、運搬可能、ユーザのUV-C汚染/ばく露を防止する能力、多数のばく露角度に適応する能力、開放領域(例えば、広い部屋または病棟)またはより格納された領域(例えば、隅、廊下等)で機能する能力を含む。
【0009】
例示的実施形態によると、滅菌デバイスは、UV-C放射を放出するように構成されているUV-C放射源と、2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の間で選択可能に構成可能であり、2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の各々において、(a)部屋の床空間を滅菌標的領域と非標的領域とに物理的に分離し、(b)UV-C放射から非標的領域を保護しながら、少なくとも2つの異なる方向からUV-C放射を標的領域に方向付けるように構成されている、部屋のパーティションとを含む。
【0010】
UV-C放射源は、複数のUV-C放射放出デバイスを含み得る。
【0011】
UV-C放射放出デバイスの各々は、UV-C放射を生成するように構成される、1つ以上の光要素を含み得る。
【0012】
UV-C放射放出デバイスは、部屋のパーティションに据え付けられ得る。
【0013】
滅菌デバイスは、部屋のパーティションが直立位置にあるときに、平坦な床面上で安定して自立するように構成されている独立ユニットであり得る。
【0014】
部屋のパーティションは、部屋のパーティションが複数の構成の間で転がされることを可能にするキャスタを含み得る。
【0015】
部屋のパーティションは、標的領域と非標的領域との間の異なる線引きに対応する複数の形状の間で選択可能に再構成可能であり得る。
【0016】
部屋のパーティションは、それぞれ、標的領域と非標的領域との間にUV-C放射障壁を形成するように構成され、それぞれ、非標的領域に向かって対面するように構成されている第1の面と、標的領域に向かって対面するように構成されている第2の面とを有する、第1および第2のパネルを含み得る。
【0017】
滅菌デバイスはさらに、コンピュータ読み取り可能な命令を実行して少なくとも1回の滅菌動作を行うように構成されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサを含む、電子制御システムを含み得る。
【0018】
プロセッサは、滅菌動作のために放射源の放射強度および持続時間を選択的に制御するように構成され得る。
【0019】
プロセッサは、放射源からのUV-C光強度の一貫性を提供するために、放射源の経年劣化に基づいて放射源に供給される電力を調整するように構成され得る。
【0020】
プロセッサは、パーティションが複数の形状のうちのどれを有するように構成されるかに依存して、複数のUV-C放射放出デバイスを選択的に制御するように構成され得る。
【0021】
プロセッサは、他のUV-C放射放出デバイスのうちの1つ以上の電源が切られている間に、UV-C放射放出デバイスの一部の電源を入れるように構成され得る。
【0022】
プロセッサは、標的領域におけるUV-C露光量を測定するように構成されている1つ以上のセンサから信号を受信するように構成され得る。
【0023】
プロセッサは、(a)標的領域中の物品、および(b)標的領域の物理的場所のうちの少なくとも1つを識別するように構成されているセンサから、少なくとも1つの信号を受信するように構成され得る。
【0024】
少なくとも1つの信号は、標的領域中の物品上および/または標的領域の物理的場所に配置されている少なくとも1つのRFIDタグに基づいて生成され得る。
【0025】
プロセッサは、複数の基礎的なプロセッサから成る、請求項9~16のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
【0026】
制御システムは、部屋のパーティションの一部として物理的に構成され得る。
【0027】
制御システムはさらに、通信ネットワークを経由して情報を送信および受信するように構成されている送受信機を含み得る。
【0028】
制御システムは、(a)標的領域中の物品、および(b)標的領域の場所のうちの少なくとも1つの識別を提供する情報を伝送するように構成され得る。
【0029】
情報伝送は、物品または標的領域場所が滅菌ユニットによって滅菌されていることを示し得る。
【0030】
プロセッサは、滅菌を必要とするとしてラグを付けられている標的領域および/または物品を識別する情報を、送受信機を介して受信し、処理するように構成され得る。
【0031】
例示的実施形態によると、方法は、コンピュータプロセッサによって、医療施設内の一組のベッドを識別することと、コンピュータプロセッサによって、それぞれのベッドに割り当てられたRFIDチップに基づいて、それぞれのベッドの滅菌状態を決定することと、ベッドのうちの少なくとも1つの決定された滅菌状態に基づいて、ベッドのうちの少なくとも1つを滅菌することとを含む。
【0032】
識別することおよび決定することは、同一のコンピュータプロセッサまたは異なるコンピュータプロセッサによって行われ得る。
【0033】
例示的実施形態によると、滅菌デバイスまたはユニットは、UV-C放射を放出するように構成されているUV-C源と、第1の側面と、UV-C放射の第1の部分を第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成される、反対の第2の側面とを含む、第1のパネルであって、UV-C放射が第1のパネルの第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第1のパネルと、第1の側面と、UV-C放射の第2の部分を第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成される、反対の第2の側面とを含む、第2のパネルであって、UV-C放射が第2のパネルの第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第2のパネルとを含み、第2のパネルは、第1のパネルおよび第2のパネルが独立滅菌ユニットを形成するように、第1のパネルに連結され、第1のパネルと第2のパネルとの間の角度は、滅菌デバイスが滅菌されるべき異なる空間に適合することを可能にするように、調整可能である。
【0034】
UV-C源は、複数のUV-C放射エミッタを含み得る。
【0035】
UV-C放射エミッタのうちの1つ以上が、第1のパネルおよび/または第2のパネルの各々に据え付けられ得る。
【0036】
第1のパネルと第2のパネルとの間の角度は、5度より小さい第1の角度から40度より大きい第2の角度まで調整可能であり得る。
【0037】
第1のパネルと第2のパネルとの間の角度は、5度より小さい第1の角度から170度より大きい第2の角度まで調整可能であり得る。
【0038】
第1のパネルおよび第2のパネルのうちの少なくとも1つは、UV-C放射源によって生成されるUV-C放射にばく露されない位置からの滅菌されるべき領域の目視点検を可能にするように構成される、窓を含む。
【0039】
滅菌デバイスはさらに、第1の側面と、UV-C放射の第3の部分を第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成される、反対の第2の側面とを含む、第3のパネルであって、UV-C放射がパネルの第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第3のパネルを含み得、第3のパネルは、第1のパネルに連結され、近位位置と遠位位置との間で第1のパネルの幅に沿ってスライド可能である。
【0040】
滅菌デバイスはさらに、それを介して第3のパネルが第1のパネルに連結される、スライド機構であって、トラックと、トラックに沿って移動するように構成されているスライドブロックとを備えている、スライド機構を含み得る。
【0041】
スライドブロックは、トラックに対して回転して、第3のパネルが、第3のパネルを含む面内で第1のパネルに対して回転することを可能にするように構成され得る。
【0042】
第3のパネルは、例えば、第1のパネルに対して3度より大きい回転の範囲を有し得る。例えば、第3のパネルは、第1のパネルに対して5度より大きい回転の範囲を有し得る。
【0043】
スライドブロックは、スライドブロックとトラックの1つ以上の誘導レールとの間の隙間により、トラックに対して回転可能であり得る。
【0044】
第3のパネルは、遠位位置にあるときに、第1のパネルに対して平行な向きと第1のパネルに対して角度付けられた向きとの間で回転するように構成され得る。
【0045】
第3のパネルは、角度付けられた向きにあるときに、例えば、第1のパネルに対して直角を形成し得る。
【0046】
滅菌デバイスはさらに、それを介して第3のパネルが第1のパネルに連結される、スライド機構であって、トラックと、トラックに沿って移動するように構成されているスライドブロックとを備えている、スライド機構と、スライドブロックに連結され、その周囲で第3のパネルが平行な向きと横の向きとの間で第1のパネルに対して回転するように構成されている、枢動接合部とを含み得る。
【0047】
枢動接合部は、第1のパネルに対して第3のパネルの回転の角度を解放可能に係止するように、係止機構を含み得る。
【0048】
第3のパネルは、第3のパネルが近位位置にあるときに平行な位置から回転することを制約され得る。
【0049】
滅菌デバイスは、第3のパネルおよび第2のパネルが第1のパネルに対して直角にあるU字形構成に構成可能であり得る。
【0050】
滅菌デバイスはさらに、第1の側面と、UV-C放射の第4の部分を第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成される、反対の第2の側面とを含む、第4のパネルであって、UV-C放射が第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第4のパネルを含み得る。
【0051】
滅菌デバイスは、複数の壁による囲いに構成可能であり得、第1のパネル、第2のパネル、第3のパネル、および第4のパネルの各々は、第1のパネル、第2のパネル、第3のパネル、および第4のパネルの各々の第2の側面が、複数の壁による囲いの内部に方向付けられるように、4つの壁のうちのそれぞれの1つを構成する。
【0052】
第4のパネルは、第2のパネルにスライド可能かつ回転可能に連結され得る。
【0053】
滅菌デバイスはさらに、拡張アームを含み得、滅菌デバイスは、ベッドの第1の縦側面に沿って第1および第2のパネル、ベッドの端部に沿って第3および第4のパネルを伴って、病院のベッドを受け取るようにC字形構成に構成可能であり、拡張アームは、拡張アームが第1および第2のパネルの反対側にあるベッドの縦側面からUV-C放射を放出するように構成されるように、ベッドを横断して下向きに拡張される。
【0054】
例示的実施形態によると、滅菌ユニットまたはデバイスは、第1のパネルと、第1のパネルに連結されている第2のパネルと、第1のパネルに連結されている第3のパネルと、第2のパネルに連結されている第4のパネルとを含み、第1のパネル、第2のパネル、第3のパネル、および第4のパネルの各々は、第1の側面と、反対の第2の側面と、第2の側面から外向きにUV-C放射を放射するように構成されているUV-C放射源とを含み、第1のパネル、第2のパネル、第3のパネル、および第4のパネルの各々は、UV-C放射がそれぞれの第1の側面から離れて外向きに通過することを阻止するように構成され、第3のパネルは、第1のパネルに対して近位位置と遠位位置との間でスライド可能であり、遠位位置において、第1のパネルに対して枢動可能であり、第4のパネルは、第2のパネルに対して近位位置と遠位位置との間でスライド可能であり、遠位位置において、第2のパネルに対して枢動可能であり、滅菌デバイスは、第1のパネルの第2の側面が第2のパネルの第2の側面に対面する、第1の構成と、第2のパネルが第1のパネルに対して直角以上にある、第2の構成とを含む、複数の構成の間で選択可能に構成可能である。
【0055】
第1のパネルは、本デバイスの第1の構成において、第2のパネルと平行であり得る。
【0056】
本デバイスの第2の構成において、第3のパネルは、第1のパネルと平行であり得、第4のパネルは、第2のパネルと平行であり得る。
【0057】
滅菌デバイスはさらに、第3のパネルが第1のパネルに対して30度以上の角度で方向付けられている第3の構成を含み得る。
【0058】
滅菌デバイスは、部屋の他の部分からUV-C放射を遮断しながら、部屋の隅にUV-C放射を放出するように、部屋のパーティションとして位置付け可能であり得る。
【0059】
第3の構成において、第4のパネルは、例えば、第2のパネルに対して30度以上の角度で方向付けられ得る。
【0060】
第3の構成において、本デバイスは、UV-C放射が真っ直ぐな壁とデバイスとの間の空間から離れて放出されることを阻止しながら、デバイスがUV-C放射を空間の中へ放出するように、空間を封入するよう壁に隣接して位置付け可能であり得る。
【0061】
第2の構成において、第3のパネルは、第1のパネルと平行であり得、第4のパネルは、第2のパネルと平行であり得、本デバイスは、部屋の他の部分からUV-C放射を遮断しながら、部屋の隅にUV-C放射を放出するように、部屋のパーティションとして位置付け可能であり得る。
【0062】
滅菌デバイスはさらに、UV-C放射を放出するように構成されている放射源を備えているカンチレバー状アームであって、折り畳み位置と拡張位置との間で移動可能なカンチレバー状アームを含み得る。
【0063】
本デバイスの第2の構成において、第1のパネルは、第2のパネルと平行であり得、第3のパネルは、第1のパネルと垂直であり得、第4のパネルは、第2のパネルと垂直であり得、カンチレバー状アームは、拡張位置にあり得る。
【0064】
第2の構成において、本デバイスは、病院のベッドが、それぞれ、(a)第1および第2のパネル、(b)第3のパネル、(c)第4のパネル、および(d)カンチレバー状アームに対応する、4つの異なる側面からUV-C光で照射されるように、病院のベッドを受け取る空間を画定し得る。
【0065】
滅菌デバイスは、第3のパネルの自由端が同様のデバイスの第4のパネルの自由端と嵌合するように構成され、第4のパネルの自由端が同様のデバイスの第3のパネルの自由端と嵌合するように構成されるように、モジュール式であり得る。
【0066】
滅菌デバイスはさらに、パネルの構成に少なくとも部分的に基づいて、パネルのうちの少なくとも1つから放出されるUV-C放射の量を選択的に制御するように構成されている電子制御システムを含み得る。
【0067】
例示的実施形態によると、方法は、部屋の中で区切られた床空間を形成するように、複数のUV-C放射放出パネルを提供することと、区切られた床空間の外側の床空間からUV-C放射を遮断しながら、区切られた床空間を滅菌するように、パネルからUV-C放射を放出することとを含む。
【0068】
区切られた床空間は、病室の一部であり得る。
【0069】
分割された床空間は、病院のベッドを含み得る。
【0070】
複数のUV-C放射放出パネルは、病院から遠隔の一時的医療現場作業を滅菌するように構成されている移動式ユニットの一部であり得る。
【0071】
本発明の例示的実施形態のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の請求項および添付図面と併せて解釈される、本発明の種々の側面の以下の詳細な説明から明白となるであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
滅菌デバイスであって、前記滅菌デバイスは、
UV-C放射を放出するように構成されているUV-C放射源と、
2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の間で選択可能に構成可能な部屋のパーティションと
を備え、
前記部屋のパーティションは、前記2つ以上の異なるパーティション幾何学形状の各々において、
(a)部屋の床空間を滅菌標的領域と非標的領域とに物理的に分離し、
(b)前記UV-C放射から前記非標的領域を保護しながら、少なくとも2つの異なる方向から前記UV-C放射を前記標的領域に方向付ける
ように構成されている、滅菌デバイス。
(項目2)
前記UV-C放射源は、複数のUV-C放射放出デバイスを含む、項目1に記載の滅菌デバイス。
(項目3)
前記UV-C放射放出デバイスの各々は、UV-C放射を生成するように構成されている光要素から成る、項目2のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目4)
前記UV-C放射放出デバイスは、前記部屋のパーティションに据え付けられている、項目2または3のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目5)
前記滅菌デバイスは、平坦な床面上で安定して自立するように構成されている独立ユニットである、項目1~4のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目6)
前記部屋のパーティションは、前記部屋のパーティションが複数の構成の間で転がされることを可能にするキャスタを含む、項目1~5のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目7)
前記部屋のパーティションは、前記標的領域と前記非標的領域との間の異なる線引きに対応する複数の形状の間で選択可能に再構成可能である、項目1~5のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目8)
前記部屋のパーティションは、第1および第2のパネルを含み、前記第1および第2のパネルの各々は、前記標的領域と前記非標的領域との間にUV-C放射障壁を形成するように構成され、前記第1および第2のパネルの各々は、前記非標的領域に向かって対面するように構成されている第1の面と、前記標的領域に向かって対面するように構成されている第2の面とを有する、項目1~7のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目9)
コンピュータ読み取り可能な命令を実行して少なくとも1回の滅菌動作を行うように構成されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサを含む電子制御システムをさらに備えている、項目1~8のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目10)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記滅菌動作のために前記放射源の放射強度および持続時間を選択的に制御するように構成されている、項目9に記載の滅菌デバイス。
(項目11)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記放射源からのUV-C光強度の一貫性を提供するために、前記放射源の経年劣化に基づいて前記放射源に供給される電力を調整するように構成されている、項目10に記載の滅菌デバイス。
(項目12)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記パーティションが前記複数の形状のうちのどれを有するように構成されるかに依存して、前記複数のUV-C放射放出デバイスを選択的に制御するように構成されている、項目9~11のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目13)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、他のUV-C放射放出デバイスのうちの1つ以上の電源が切られている間に、前記UV-C放射放出デバイスの一部の電源を入れるように構成されている、項目12に記載の滅菌デバイス。
(項目14)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、前記標的領域におけるUV-C露光量を測定するように構成されている1つ以上のセンサから信号を受信するように構成されている、項目9~13のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目15)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、(a)前記標的領域中の物品、および(b)前記標的領域の物理的場所のうちの少なくとも1つを識別するように構成されているセンサから、少なくとも1つの信号を受信するように構成されている、項目9~14のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目16)
前記少なくとも1つの信号は、前記標的領域中の前記物品上、および/または前記標的領域の前記物理的場所に配置されている少なくとも1つのRFIDタグに基づいて生成されている、項目15に記載の滅菌デバイス。
(項目17)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、複数のプロセッサから成る、項目9~16のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目18)
前記制御システムは、前記部屋のパーティションの一部として物理的に構成されている、項目9~17のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目19)
前記制御システムは、通信ネットワークを経由して情報を送信および受信するように構成されている送受信機をさらに備えている、項目9~18のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。
(項目20)
前記制御システムは、(a)前記標的領域中の物品、および(b)前記標的領域の場所のうちの少なくとも1つの識別を提供する情報を伝送するように構成されている、項目19に記載の滅菌デバイス。
(項目21)
前記伝送は、前記物品または標的領域場所が前記滅菌ユニットによって滅菌されたことを示す、項目20に記載の滅菌デバイス。
(項目22)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、滅菌を必要とするとしてラグを付けられている標的領域および/または物品を識別する情報を前記送受信機を介して受信し、処理するように構成されている、項目19~21のいずれか1項に記載の滅菌デバイス。(項目23)
コンピュータプロセッサによって、医療施設内の一組のベッドを識別することと、
コンピュータプロセッサによって、それぞれのベッドに割り当てられたRFIDチップに基づいて、それぞれのベッドの滅菌状態を決定することと、
前記ベッドのうちの少なくとも1つの決定された滅菌状態に基づいて、前記ベッドのうちの前記少なくとも1つを滅菌することと
を含む、方法。
(項目24)
前記識別することおよび前記決定することは、同じコンピュータプロセッサによって行われる、項目23に記載の方法。
(項目25)
滅菌デバイスであって、前記滅菌デバイスは、
UV-C放射を放出するように構成されているUV-C源と、
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第1のパネルであって、前記第2の側面は、前記UV-C放射の第1の部分を前記第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成され、前記前記第1のパネルは、UV-C放射が前記第1のパネルの前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第1のパネルと、
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第2のパネルであって、前記第2の側面は、前記UV-C放射の第2の部分を前記第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成され、前記第2のパネルは、UV-C放射が前記第2のパネルの前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、第2のパネルと
を備え、
前記第2のパネルは、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルが独立滅菌ユニットを形成するように、前記第1のパネルに連結され、
前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間の角度は、調整可能であり、前記滅菌デバイスが滅菌されるべき異なる空間に適合することを可能にする、
滅菌デバイス。
(項目26)
前記UV-C源は、複数のUV-C放射エミッタを備えている、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目27)
前記UV-C放射エミッタのうちの1つ以上が、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルの各々に据え付けられている、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目28)
前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間の前記角度は、5度より小さい第1の角度から40度より大きい第2の角度まで調整可能である、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目29)
前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間の前記角度は、5度より小さい第1の角度から170度より大きい第2の角度まで調整可能である、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目30)
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのうちの少なくとも1つは、窓を含み、前記窓は、前記UV-C放射源によって生成されるUV-C放射にばく露されない位置からの滅菌されるべき領域の目視点検を可能にするように構成されている、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目31)
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第3のパネルをさらに備え、前記第2の側面は、前記UV-C放射の第3の部分を前記第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成され、前記第3のパネルは、UV-C放射が前記第3のパネルの前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成され、前記第3のパネルは、前記第1のパネルに連結され、近位位置と遠位位置との間で前記第1のパネルの幅に沿ってスライド可能である、項目25に記載の滅菌デバイス。
(項目32)
スライド機構をさらに備え、前記第3のパネルは、前記スライド機構を介して前記第1のパネルに連結され、前記スライド機構は、トラックと、前記トラックに沿って移動するように構成されているスライドブロックとを備えている、項目31に記載の滅菌デバイス。
(項目33)
前記スライドブロックは、前記トラックに対して回転して、前記第3のパネルが、前記第3のパネルを含む面内で前記第1のパネルに対して回転することを可能にするように構成されている、項目32に記載の滅菌デバイス。
(項目34)
前記第3のパネルは、前記第1のパネルに対して3度より大きい回転の範囲を有する、項目33に記載の滅菌デバイス。
(項目35)
前記第3のパネルは、前記第1のパネルに対して5度より大きい回転の範囲を有する、項目33に記載の滅菌デバイス。
(項目36)
前記スライドブロックは、前記スライドブロックと前記トラックの1つ以上の誘導レールとの間の隙間により、前記トラックに対して回転可能である、項目33に記載の滅菌デバイス。
(項目37)
前記第3のパネルは、前記遠位位置にある場合、前記第1のパネルに対して平行な向きと前記第1のパネルに対して角度付けられた向きとの間で回転するように構成されている、項目32に記載の滅菌デバイス。
(項目38)
前記第3のパネルは、前記角度付けられた向きにある場合、前記第1のパネルに対して直角を形成する、項目37に記載の滅菌デバイス。
(項目39)
スライド機構であって、前記第3のパネルは、前記スライド機構を介して前記第1のパネルに連結され、前記スライド機構は、トラックと、前記トラックに沿って移動するように構成されているスライドブロックとを備えている、スライド機構と、
前記スライドブロックに連結されている枢動接合部と
をさらに備え、
前記第3のパネルは、前記枢動接合部の周囲で前記平行な向きと前記横の向きとの間で前記第1のパネルに対して回転するように構成されている、項目37に記載の滅菌デバイス。
(項目40)
前記枢動接合部は、前記第1のパネルに対して前記第3のパネルの回転の角度を解放可能に係止するための係止機構を備えている、項目39に記載の滅菌デバイス。
(項目41)
前記第3のパネルは、前記第3のパネルが前記近位位置にある場合、前記平行な位置から回転することを制約される、項目39に記載の滅菌デバイス。
(項目42)
前記デバイスは、前記第3のパネルおよび前記第2のパネルが前記第1のパネルに対して直角にあるU字形構成に構成可能である、項目37に記載の滅菌デバイス。
(項目43)
第1の側面と、反対の第2の側面とを含む第4のパネルをさらに備え、前記第2の側面は、前記UV-C放射の第4の部分を前記第2の側面から離れて外向きに方向付けるように構成され、前記第4のパネルは、UV-C放射が前記パネルの前記第1の側面から外向きに通過することを阻止するように構成されている、項目42に記載の滅菌デバイス。
(項目44)
前記デバイスは、複数の壁による囲いに構成可能であり、前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々は、前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々の前記第2の側面が前記複数の壁による囲いの内部に方向付けられるように、前記4つの壁のうちのそれぞれの1つを構成する、項目43に記載の滅菌デバイス。
(項目45)
前記第4のパネルは、前記第2のパネルにスライド可能かつ回転可能に連結されている、項目44に記載の滅菌デバイス。
(項目46)
拡張アームをさらに備え、前記滅菌デバイスは、病院のベッドを受け取るようにC字形構成に構成可能であり、前記第1および第2のパネルは、前記ベッドの第1の縦側面に沿い、前記第3および第4のパネルは、前記ベッドの端部に沿っており、前記拡張アームは、前記ベッドを横断して下向きに拡張されることによって、前記拡張アームは、前記第1および第2のパネルの反対側にある前記ベッドの前記縦側面からUV-C放射を放出するように構成される、項目43に記載の滅菌デバイス。
(項目47)
滅菌デバイスであって、前記滅菌デバイスは、
第1のパネルと、
前記第1のパネルに連結されている第2のパネルと、
前記第1のパネルに連結されている第3のパネルと、
前記第2のパネルに連結されている第4のパネルと
を備え、
前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々は、第1の側面と、反対の第2の側面と、前記第2の側面から外向きにUV-C放射を放射するように構成されているUV-C放射源とを含み、前記第1のパネル、前記第2のパネル、前記第3のパネル、および前記第4のパネルの各々は、UV-C放射がそれぞれの第1の側面から離れて外向きに通過することを阻止するように構成され、
前記第3のパネルは、前記第1のパネルに対して近位位置と遠位位置との間でスライド可能であり、前記遠位位置において、前記第1のパネルに対して枢動可能であり、
前記第4のパネルは、前記第2のパネルに対して近位位置と遠位位置との間でスライド可能であり、前記遠位位置において、前記第2のパネルに対して枢動可能であり、
前記滅菌デバイスは、前記第1のパネルの前記第2の側面が前記第2のパネルの前記第2の側面に対面する第1の構成と、前記第2のパネルが前記第1のパネルに対して直角以上にある第2の構成とを含む複数の構成の間で選択可能に構成可能である、
滅菌デバイス。
(項目48)
前記第1のパネルは、前記第1の構成において前記第2のパネルと平行である、項目47に記載の滅菌デバイス。
(項目49)
前記第2の構成において、前記第3のパネルは、前記第1のパネルと平行であり、前記第4のパネルは、前記第2のパネルと平行である、項目48に記載の滅菌デバイス。
(項目50)
前記第3のパネルが前記第1のパネルに対して30度以上の角度で方向付けられている第3の構成をさらに備えている、項目49に記載の滅菌デバイス。
(項目51)
前記デバイスは、部屋の他の部分からUV-C放射を遮断しながら、前記部屋の隅にUV-C放射を放出するように、部屋のパーティションとして位置付け可能である、項目50に記載の滅菌デバイス。
(項目52)
前記第3の構成において、前記第4のパネルは、前記第2のパネルに対して30度以上の角度で方向付けられている、項目50に記載の滅菌デバイス。
(項目53)
前記第3の構成において、前記デバイスは、真っ直ぐな壁に隣接して位置付け可能であり、前記壁と前記デバイスとの間の空間を囲い、それによって、前記デバイスは、UV-C放射が前記空間から離れて放出されることを阻止しながら、UV-C放射を前記空間の中へ放出する、項目52に記載の滅菌デバイス。
(項目54)
前記第2の構成において、前記第3のパネルは、前記第1のパネルと平行であり、前記第4のパネルは、前記第2のパネルと平行であり、前記デバイスは、部屋の他の部分からUV-C放射を遮断しながら、前記部屋の隅にUV-C放射を放出するように、部屋のパーティションとして位置付け可能である、項目47に記載の滅菌デバイス。
(項目55)
UV-C放射を放出するように構成されている放射源を備えているカンチレバー状アームをさらに備え、前記カンチレバー状アームは、折り畳み位置と拡張位置との間で移動可能である、項目47に記載の滅菌デバイス。
(項目56)
前記第2の構成において、前記第1のパネルは、前記第2のパネルと平行であり、前記第3のパネルは、前記第1のパネルと垂直であり、前記第4のパネルは、前記第2のパネルと垂直であり、前記カンチレバー状アームは、前記拡張位置にある、項目55に記載の滅菌デバイス。
(項目57)
前記第2の構成において、前記デバイスは、病院のベッドが、(a)前記第1および第2のパネル、(b)前記第3のパネル、(c)前記第4のパネル、および(d)前記カンチレバー状アームにそれぞれ対応する4つの異なる側面からUV-C光で照射されるように、前記病院のベッドを受け取る空間を画定する、項目56に記載の滅菌デバイス。
(項目58)
前記デバイスは、モジュール式であり、前記第3のパネルの自由端が同様のデバイスの第4のパネルの自由端と嵌合するように構成され、前記第4のパネルの自由端が同様のデバイスの第3のパネルの自由端と嵌合するように構成されている、項目47に記載の滅菌デバイス。
(項目59)
前記パネルの前記構成に少なくとも部分的に基づいて、前記パネルのうちの少なくとも1つから放出されるUV-C放射の量を選択可能に制御するように構成されている電子制御システムをさらに備えている、項目47に記載の滅菌デバイス。
(項目60)
部屋の中に区切られた床空間を形成するように複数のUV-C放射放出パネルを提供することと、
前記区切られた床空間の外側の床空間からUV-C放射を遮断しながら、前記パネルから前記UV-C放射を放出し、前記区切られた床空間を滅菌することと
を含む、方法。
(項目61)
前記区切られた床空間は、病室の一部である、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記区切られた床空間は、病院のベッドを含む、項目60に記載の方法。
(項目63)
前記複数のUV-C放射放出パネルは、病院から遠隔の一時的医療現場作業を滅菌するように構成されている移動式ユニットの一部である、項目60に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】
図1は、例示的実施形態による、滅菌ユニットの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の滅菌ユニットのいくつかの例示的構成を示す。
【
図3】
図3は、拡張線形構成での
図1の滅菌ユニットの活性側面の図である。
【
図4】
図4は、拡張遠位パネルを伴わない線形構成での
図1の滅菌ユニットの活性側面の図である。
【
図5】
図5は、拡張アームの形態の枢動機構の側面図である。
【
図6】
図6は、拡張線形構成での
図1の滅菌ユニットの斜視図である。
【
図7】
図7は、拡張線形構成での
図1の滅菌ユニットの上面図である。
【
図8】
図8は、医療施設の2つのベッドがある部屋の隅における直交拡張構成での
図1の滅菌ユニットの斜視図である。
【
図10】
図10は、拡張アームが拡張位置にあるときのC字形構成での
図1の滅菌ユニットの斜視図である。
【
図19】
図19は、パネルのうちの1つが上方傾斜にある、
図17の線A-Aに沿って得られた断面図である。
【
図20】
図20は、パネルのうちの1つが下方傾斜にある、
図17の線A-Aに沿って得られた断面図である。
【
図21】
図21は、パネルのうちの1つが降下平行表面上で支持される、
図17の線A-Aに沿って得られた断面図である。
【
図22A】
図22A-22Eは、
図1の滅菌ユニットのコンピュータインターフェースのスクリーンショットを示す。
【
図22B】
図22A-22Eは、
図1の滅菌ユニットのコンピュータインターフェースのスクリーンショットを示す。
【
図22C】
図22A-22Eは、
図1の滅菌ユニットのコンピュータインターフェースのスクリーンショットを示す。
【
図22D】
図22A-22Eは、
図1の滅菌ユニットのコンピュータインターフェースのスクリーンショットを示す。
【
図22E】
図22A-22Eは、
図1の滅菌ユニットのコンピュータインターフェースのスクリーンショットを示す。
【
図23】
図23A-23Cは、構成可能滅菌ユニットの変形例を概略的に図示する。
【
図24A】
図24Aは、例示的実装による滅菌デバイスの斜視図であり、具現化されたデバイスの中心滅菌構造の外側図を描写する。
【
図24B】
図24Bおよび24Cは、
図24Bおよび24Cに示されるデバイスが、本質的に後退位置に示されて、中心滅菌構造に取り付けられた2つの追加のパネルを備えていることを除いて、
図24Aに示されるデバイスの中心滅菌構造を備えている、滅菌デバイスの斜視図である。
【
図24C】
図24Bおよび24Cは、
図24Bおよび24Cに示されるデバイスが、本質的に後退位置に示されて、中心滅菌構造に取り付けられた2つの追加のパネルを備えていることを除いて、
図24Aに示されるデバイスの中心滅菌構造を備えている、滅菌デバイスの斜視図である。
【
図25】
図25は、中心滅菌構造が、拡張位置に示されて、それに取り付けられた2つの追加のパネルを有する、例示的実装による、滅菌デバイスの中心滅菌構造の外面の図である。
【
図26】
図26は、例示的実装による、滅菌デバイスの中心滅菌構造の内面の図である。2つの追加のパネルは、実質的に後退位置に示されて、それに取り付けられる。
【
図27】
図27は、例示的実装による、滅菌デバイスの中心滅菌構造の内面の図である。2つの追加のパネルは、拡張位置に示されて、それに取り付けられる。
【
図28】
図28Aおよび28Bは、それぞれ、例示的実装の左右の外形の図である。
【
図30】
図30Aおよび30Bは、実施形態によるデバイスの上面図であり、デバイスの回転能力を描写する。
【
図31】
図31は、それ自体内に囲い(例えば、格納滅菌領域)を形成する本デバイスの能力を実証する、格納構成での実施形態によるデバイスの図である。
【
図32】
図32は、病院のベッドがその中に描写された、格納構成での例示的実施形態による2つのデバイスの上面図である。本発明による2つのデバイスは、一緒に連結される。1つは、左側に位置付けられ、1つは、右側に位置付けられて、より大きい囲いおよび滅菌容積を形成する。
【
図33】
図33は、線形構成で示される、本発明の実施形態による複数のデバイスを描写する。
【
図34】
図34は、例示的実施形態による、例示的なクラウドコンピューティング環境のブロック図を示す。
【
図35】
図35は、例示的実装に関連して、コンピュータデバイスおよびモバイルコンピュータデバイスの実施例を示す。
【
図36】
図36は、実施例に関連して、例示的実装の滅菌ユニットによって包囲される汚染野を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明のいくつかの例示的実施形態は、概して、とりわけ、滅菌デバイスと、滅菌するための方法とを対象とする。
【0074】
本発明は、多くの異なる実施形態を伴うが、本発明のある実施形態が示されて説明される。しかしながら、本開示は、本発明を図示される実施形態に限定することを目的としていない。
【0075】
参照数字は、別様に示される程度を除いて、種々の図面の全体を通して、同一または類似あるいは同様の要素のための指定および意味を保持する。
【0076】
一側面では、本発明の例示的実施形態は、空間、表面、または構造の滅菌のためのデバイスに関する。本デバイスは、外側の第1の面および内側の第2の面を有する、滅菌構造を含み得、内面は、1つ以上のUV-C放射源を備えている。
【0077】
いくつかの実施形態では、中心滅菌構造は、第1のパネルと、第2のパネルとを備え、第1および第2のパネルは、中心滅菌構造を形成するように互に取り付けられる。
【0078】
いくつかの実施形態では、中心滅菌構造は、第1のパネルと、第2のパネルとを備えている、構造であり、第1および第2のパネルは、中心滅菌構造を形成するように互に取り付けられる。本明細書で示される場合、「取り付けられる」という用語は、直接的および間接的取り付けの両方を指す。したがって、例えば、本発明のデバイスの中心滅菌構造の第1および第2のパネルの場合、「互に取り付けられる」とは、(例えば、任意の容認可能な接合構造を通して、例えば、中心ビームまたは基礎部分等の中心構造を通して)第1および第2のパネルが、直接的または間接的のいずれかで互に取り付けられることを意味する。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1および第2のパネルは、互に固定して取り付けられ得、それは、パネルが(例えば、中心ビーム等の構造を通して)直接的または間接的のいずれかで取り付けられ、互に関して移動するように構成されないことを意味する。いくつかの実施形態では、第1および第2のパネルは、互に移動可能に取り付けられ得、それは、パネルが直接的または間接的に取り付けられ、互に関して移動することができるように構成されることを意味する。本明細書で使用される場合、「移動可能に取り付けられる」とは、物品が、直接的または間接的に取り付けられる物品に関して、任意の所望される、または当技術で容認された様式で(例えば、スライド可能に、平行移動可能に、ヒンジ連結されて、および/または回転可能に等)移動することができることを意味する(例えば、移動可能に取り付けられる場合、第1および第2のパネルは、互に関して、任意の所望される、または当技術で容認された様式で移動することができる)。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスのパネルおよび/または他の要素は、ヒンジ連結されて取り付けられ、それは、例えば、少なくとも1つの要素が互に対して旋回または枢動することができるように、要素が取り付けられ、および/または要素(または要素のうちの少なくとも1つ)を互に対して回転させることができるように、要素が位置付けられることを意味する。例えば、ヒンジ連結されて取り付けられたパネルに関して、パネルは、パネルのうちの少なくとも1つが(例えば、任意の容認可能な取り付け手段を通して)互に対して旋回または枢動することができるように、取り付けられ、および/またはパネルは、それら(またはパネルのうちの少なくとも1つ)を互に対して回転させることができるように位置付けられる。いくつかの実施形態では、ヒンジ連結されて取り付けられるとは、デバイスのパネルが、例えば、ブラケットヒンジ、嵌め込みヒンジ、玉軸受ヒンジ、枢動ヒンジ等を用いて取り付けられ、運動の方向または程度と垂直な枢動軸を識別することができる、取り付けの機構を指す。
【0081】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスのパネルおよび/または他の要素は、スライド可能に取り付けられ、例えば、少なくとも1つの要素が他の要素に関して(例えば、線形および/または平行方向に)前後にスライドすることができるように、要素が取り付けられることを意味する。例えば、スライド可能に取り付けられたパネルに関して、パネルは、パネルのうちの少なくとも1つが他方のパネルに関して前後にスライドすることができるように、取り付けられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスのパネルおよび/または他の要素は、平行移動可能に取り付けられ、例えば、少なくとも1つの要素が別の要素に関して少なくとも1つの線形方向に移動することができるように、要素が取り付けられることを意味する。本明細書で使用される場合、「平行移動可能に」とは、1つより多くの方向へ、例えば、2つ、3つ、4つ、5つの方向等への移動を含む。平行移動の方向は、任意の所望の方向であり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、滅菌デバイスまたはユニットの構造は、例えば、滅菌デバイスの内面および/または外面が床と比較的垂直であるように、動作中に滅菌デバイスが安定して直立するための(例えば、L字形構成による)十分な支持を提供する。
【0084】
いくつかの実施形態では、滅菌デバイスは、1つ以上の支持構造を備えている。支持構造は、デバイスを増進させる任意の所望の構造(例えば、安定化増進構造)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、滅菌デバイスは、支持付属品および/または基部を備えている。いくつかの実施形態では、滅菌デバイスは、滅菌デバイスの外面から延びる支持付属品を備えている。
【0085】
いくつかの実施例では、本発明の滅菌デバイスの滅菌構造は、外面と、内面とを含み、内面は、1つ以上のUV-C放射源を含む。
【0086】
例示的実施形態によると、UV-C光または放射源は、約100nm~280nmの波長を有する紫外線(UV)電磁放射を放出する、1つ以上の好適な放射原であり得る。UV-C放射源は、例えば、任意の空間、表面、および/または構造を滅菌するように構成され得る。
【0087】
UV-C放射源は、任意の好適な放射源であり得る。いくつかの実装では、1つ以上の放射源は、1つ以上の殺菌蛍光灯を含み得る。いくつかの実施例では、ランプは、15Wより大きい、例えば、20Wより大きい、例えば、30Wより大きい、例えば、40Wより大きい、例えば、41W以上のワット数を有し得、ランプは、任意の好適な電圧回路、例えば、120Vの交流電源上で動作し得る。いくつかの実施例では、ランプは、15Wより大きい、例えば、20ワットより大きい、例えば、21ワット以上で、UV-C光(例えば、253.7nm波長)を出力し得る。いくつかの実施例では、ランプは、電球から3メートルの距離で、15マイクロワット/平方センチメートル以上、例えば、17マイクロワット/平方センチメートル以上のUV-C光強度を提供し得る。特定の実施例では、ランプは、(公称値で)425mA電流、113V電圧、21WのUV-C出力、3メートルで17マイクロワット/平方センチメートル、および16,000時間の平均電球寿命を伴う42Wランプである。
【0088】
いくつかの実施形態では、UV放射源は、1つ以上の紫外線ランプ、例えば、3ワット10.5ボルトのモデルである、T6中間ねじ(E17)ベース殺菌予熱白熱灯(EIKO)、またはその均等物である。いくつかの実施形態では、UV-C放射源は、水銀系または非水銀系UVランプ等の従来のUVランプのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、UV-C放射源は、1つ以上のUV-C発光ダイオード(LED)ランプである。いくつかの実施形態では、UV-C放射源(例えば、電球)は、デバイスの安全性を増進させることができる、耐破損性である。いくつかの実施形態では、1つ以上のUV-C放射源は、少なくとも2つの異なる種類のUV-C放射源を備えている。いくつかの実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、UV LEDを除外するものである(UV-C放射源は1つ以上のLEDではない)。本発明で使用されるUV-C放射源は、所望される任意のサイズ、形状、および数で存在し得る。
【0089】
ある実施形態では、本発明の1つ以上のUV-C放射源は、連続放射を放出する。ある実施形態では、本発明の1つ以上のUV-C放射源は、放射の異なるパターンを生成することができる。パターンは、例えば、UV-C放射の十分な伝搬を確保するように、パルス状、フラクショナル、コリメート、または散乱性であり得る。いくつかの実施例では、パターンは、滅菌デバイスの制御システムのコンピュータプロセッサによって、またはそれを介して選択および/または制御され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、滅菌デバイスの滅菌構造の内面は、第1のパネルと、第2のパネルとを含み、第1および第2のパネルのうちの少なくとも1つは、1つ以上のUV-C放射源を備えている。いくつかの実施形態では、第1および第2のパネルの両方は、1つ以上のUV-C放射源を備えている。パネルの面が1つ以上のUV-C放射源を備えている場合、その面は、「活性面」と呼ばれ得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上の)UV-C放射源を備えている。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、UV-C放射源のアレイのうちの1つ以上を備えている。
【0093】
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、制御または管理機構を含む。本明細書で使用される場合、「管理機構」とは、単独で、またはある機構とともに、滅菌デバイスを制御すること、および/またはそれに電力供給することに寄与する、機構を指す。いくつかの実施形態では、管理機構は、例えば、デバイスの一部を制御するための(例えば、滅菌デバイスの1つ以上のUV-C放射源を制御するための)起動スイッチを含み得る。いくつかの実施形態では、管理機構は、電源を含む。電源は、例えば、1つ以上のUV-C放射源に電気的に電力供給するために適し得る。任意の容認可能な電源が使用され得る。いくつかの実施形態では、電源は、AC電源コード、例えば、変圧器またはバッテリパックからのDC電源コード、(DC)電源USBまたはIEEE 1394デバイスに差し込むためのUSBまたはIEEE 1394レセプタクル、バッテリまたは一式のバッテリ、あるいは燃料電池を含む。いくつかの実施形態では、管理機構は、1つ以上のUV-C放射源への標的のばく露の持続時間を制御するように、タイミングユニットまたは回路を含み得る。いくつかの実施形態では、管理機構は、制御ボックスを備えている。いくつかの実施形態では、管理機構は、本デバイスが完全または部分的に転倒する場合に本発明のデバイスを自動的にオフにする、「安全トリガ」とも本明細書で称される、スイッチ(例えば、ジャイロスコープベースのスイッチ)を備えている。スイッチまたは安全トリガは、本デバイスが滅菌プロセス中に倒れ、および/または滅菌プロセス中に揺さぶられて方向転換され、ユーザへの偶発的ばく露をもたらし得る場合において、ユーザへの偶発的UVばく露を防止することを目標とする、予防物品として実装され得る。いくつかの実施形態では、管理機構は、複雑な医療環境内でデバイスの統合可能性の有利な側面としての機能を果たす。種々の実施形態では、管理機構は、日付、時間、ユーザID、患者の部屋番号、滅菌表面または空間の種類(例えば、病院のベッド)、滅菌の持続時間、光学強度、および/または滅菌有効性等のパラメータを認識、記録、および/または報告することができる。そのような実施形態では、管理機構は、滅菌プロセスのためのロジスティック構造を提供することに有益に寄与し得、それによって、医療機関内の感染率を低減させ得る。
【0094】
種々の実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、いくつかの目的を果たし得る、1つ以上のフィールドマーカを利用する。いくつかの実施形態では、フィールドマーカは、管理機構と通信するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のフィールドマーカ(任意の望ましい構造、例えば、小型ブイ様構造であり得る)は、UV(例えば、UV-C)検出器と、管理機構と通信するソフトウェア機構とを有する。本発明のデバイスが1つ以上のフィールドマーカを備えている、実施形態では、フィールドマーカは、本発明のデバイスに取り付けられ得るか、または本発明のデバイスから別個の物理的エンティティ(または複数のエンティティ)として存在し得るかのいずれかである。ある実施形態では、フィールドマーカは、滅菌サイクル中にフィールドマーカが色を変化させることを可能にし、それによって、所望の滅菌が行われているという定性的肯定をユーザに与える、UV感受性色素を含有するポリマーを含む(例えば、そのコーティングを有する)。いくつかの実施形態では、滅菌手順の開始時に、1つ以上のフィールドマーカは、滅菌されている物体(例えば、表面または構造)または空間の上または付近に配置され得、次いで、滅菌プロセスが開始され得、フィールドマーカは、いったん滅菌されている物体または空間への十分なUV-Cばく露に達すると、管理機構に通信する。この通信は、滅菌プロセスが完了して成功したという定性的肯定として機能することができる。このパラメータは、例えば、単独で、または任意の組み合わせで、強度、近接性、およびばく露時間によって決定されることができる。いくつかの実施形態では、本発明はまた、ユーザまたは他の個人が、滅菌プロセス中に偶然に滅菌野を通って歩こうとした場合に、安全機構の役割も果たし得る、パネルまたは他の構造の面に沿ってセンサ機構を含むこともできる。このセンサは、例えば、光、振動、赤外線、および/または超音波センサであり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、制御または管理システムまたは機構は、直接的であろうと間接的であろうと、滅菌デバイスと電気的に通信している。いくつかの実施形態では、管理機構は、滅菌デバイスの滅菌構造の外面から物理的に分離される。例えば、いくつかの実装では、管理機構は、独立し得、いくつかの実装では、管理機構は、自立型デバイスであり得る。いくつかの実施例では、管理機構は、本発明のデバイスに物理的に接続される。いくつかの実施例では、管理機構は、本発明のデバイス上に位置する。例えば、いくつかの実装では、管理機構は、本発明の滅菌デバイスの滅菌構造上に、例えば、滅菌構造の1つ以上のパネルの外面上に位置する。いくつかの実施例では、管理機構のいくつかの側面は、管理機構の他の側面とは別個に位置する。例えば、電源スイッチは、電源とは別個に離れて物理的に位置し得る。
【0096】
図1は、例示的実施形態による滅菌デバイス1000の斜視図であり、滅菌構造の外側図を描写する。種々の実施形態では、滅菌構造の外面は、本発明のデバイスのための動作点またはユーザインターフェースであることを目的としている。
【0097】
図1に示される滅菌デバイスは、独立滅菌構造を形成するように互にヒンジ連結して取り付けられる、第1のパネル1200および第2のパネル1300を含む。より具体的には、第1のパネル1200は、基礎本体1100を通して第2のパネル1300に間接的にヒンジ連結して取り付けられる。基礎本体1100は、基部1105に接続される。図示した実施形態では、基礎本体1100は、本質的に、パネル1200および1300が、集合的に継手1120と称される、継手1120a、1120b、1120c、および1120dを介して接続する、中空管状構造である。継手1120は、パネル1200および1300が、
図2の左部分で図示されるような閉鎖構成と、
図2の上、右、および底部分に示されるような開放構成との間で、互に対して回転することを可能にする。
【0098】
第1のパネル1200および第2のパネル1300は、
図1に示されるように、2つの別個の平行な垂直の回転または枢動軸AおよびBを介して、基礎本体に対して枢動する。第1の枢動軸Aは、継手1120aおよび1120bによって画定され、第2の枢動軸Bは、継手1120cおよび1120dによって画定される。しかしながら、単一の継手を含む、任意の数の継手が、各枢動軸のために提供され得ることを理解されたい。さらに、他の構成は、例えば、第1のパネル1200が第2のパネル1300に直接ヒンジ連結されるか、または別様に据え付けられる構成で、第1のパネル1200と第2のパネル1300との間に単一の枢動軸のみを含み得ることを理解されたい。また、パネル1200および1300の1つ以上の枢動軸は、互いに対して、および/または周辺環境、例えば、デバイス1000が支持される床に対して、任意の好適な向きで提供され得る。
【0099】
第1のパネル1200は、第1の面1210および第2の面1220を有する。同様に、第2のパネル1300は、第1の面1310および第2の面1320を有する。
【0100】
第3および第4のパネル1400および1500が、それぞれ、第1および第2のパネル1200および1300にスライド可能に接続される。第3のパネル1400が、第1の組の平行誘導機構1600aおよび1600bを介して第1のパネル1200に対してスライドするように据え付けられる一方で、第4のパネル1500は、第2の組の平行誘導機構1600cおよび1600dを介して第2のパネル1300に対してスライドするように据え付けられる。これらの機構1600a、1600b、1600c、および1600dは、図示した実施例で同様に動作するため、概して、誘導機構1600として表され、誘導機構1600aおよび1600bが誘導機構1600cおよび1600dに対する鏡像であることを除いて、これらの要素が同一の特徴を有することが理解される。
【0101】
第3および第4のパネル1400および1500の各が、それぞれの近位位置(例えば、
図1、および
図2の左側部分を参照)と遠位位置(例えば、
図6および7、ならびに
図2の上部分を参照)との間でスライド可能であるに加えて、第4および第5のパネル1400および1500は、それらの遠位位置に移動した後、それぞれの第1および第2のパネル1200および1300に対して回転可能である。第4および第5のパネル1400および1500は、
図2の底および右部分において、ならびに
図10において、回転された向きで示されている。
【0102】
図3を参照すると、第3および第4のパネル1400および1500は、図示した実施例では、垂直であり、それぞれの第1および第2のパネル1200および1300の枢動軸AおよびBと平行である回転または枢動軸CおよびDの周囲で第1および第2のパネル1200および1300に対して回転可能である。しかしながら、いくつかの実施例では、枢動軸は、非垂直および/または互と非平行であり得ることを理解されたい。軸A、B、C、およびDの周囲の隣接要素(例えば、パネル)の回転の角度は、任意の好適な範囲内であり得、任意の数の角度、例えば、45度、90度、135度、180度、225度、270度、または360度を含み得る。
【0103】
第1および第2の連結区分またはパネル1480および1580が、それぞれ、第3および第4のパネル1400および1500の遠位端にある。連結区分1480および1580は、
図3で図示される回転または枢動軸EおよびFの周囲で第3および第4のパネル1400および1500に対して回転可能である。これらの軸EおよびFは、軸A、B、C、およびDと平行であるが、任意の好適な回転軸が提供され得る。連結パネル1480および1580は、任意の好適な角度で、および/または任意の好適な方向にそれぞれの軸EおよびFの周囲で折り畳まれ、または回転させられ得、いくつかの実装では、ユニット1000の縁の周囲での光反射および/または光漏出を低減させるように構成される、艶消しの黒い、または他の好適な表面を含み得る。
【0104】
連結区分1480および1580は、それらがラッチおよび/または係止機構を介してそれぞれの遠位端で互に解放可能に取り付けられるように構成されるという点で、相補的である。これは、滅菌ユニット1000が、
図2の底部分および
図11に示される向きに折り畳まれて固定されることを可能にするとともに、例えば、
図2の左側部分に示されるように、ユニット1000をその閉鎖された向きで固定する。
【0105】
連結区分1480および1580の相補的性質はまた、滅菌ユニット1000の複数の事例が互に端と端とで連結されることも可能にする。いくつかのそのような実施例では、連結された滅菌ユニットのうちの1つの制御システムは、マスタ・スレーブ配列で他の連結されたユニット1000の全てを制御し得る。
【0106】
図3および4を参照すると、UV-C光は、本明細書では一般的および/または集合的に1つまたは複数のUV-C光源1060と称され、別様に指示されない限り本明細書で説明されるUV-C光源の特徴を含み得る、UV-C光源1060a、1060b、1060c、1060d、1060e、1060f、1060g、1060h、1060i、1060j、1060k、1060m、1060n、1060p、1060q、1060r、および1060tから放出される。UV-C光源の各々は、蛍光UV-C放出電球と、電球の後ろに据え付けられた曲面反射パネルとを含む。反射パネルは、滅菌標的から離れる方に最初に放出された光を再び標的に向かって反射することによって、さらなる光強度を提供する。湾曲は、丸い、放物線、または任意の他の好適な幾何学形状であり得る。いくつかの実施例は、例えば、方向性のある発光要素が提供される場合、反射器を含まないこともある。
【0107】
例えば、
図4および5を参照すると、UV-C光源1060tは、基礎本体1100に比較的近い場所における回転または枢動軸Gの周囲で枢動する、カンチレバー状枢動機構1700上に据え付けられるが、枢動軸Gの場所は、いくつかの実施例では、任意の他の好適な場所にあり得る。枢動機構1700は第2のパネル1300に据え付けられるが、枢動機構1700は、任意のパネルまたは基礎本体、あるいは滅菌ユニット1000の任意の他の好適な構成要素に据え付けられ得ることを理解されたい。枢動軸Gは、他の軸A、B、C、D、E、およびFと平行であるが、いくつかの実施例では、非平行および/または非垂直であるように選択され得る。さらに、枢動機構1700は、図示した実施例では、下向きの延長部1710上に据え付けられた単一のUV-C光源1060tを含むが、任意の数のUV-C光源が任意の好適な場所で提供され得ることを理解されたい。例えば、1つ以上の追加のUV-C源が、枢動機構1700の枢動アーム1705上で提供され得る。これは、いくつかの実施例では、UV-C光が枢動アーム1705の下方の場所における1つまたは複数の滅菌標的へ下向きに投射されることを可能にするであろう。
【0108】
枢動機構1700は、
図4に示されるような後退位置から
図10に示されるような拡張位置まで光源1060tを移動させるように作動可能である。枢動機構は、例えば、手動作動および/または自動作動、例えば、いくつかの実施例では、全体的なユニットの制御システムおよび/または専用制御システムによって電力供給および/または制御され得る、電気機械アクチュエータによって、作動させられ得る。枢動機構1700はまた、1つ以上のUV-C放出デバイスから成り得る。
【0109】
UV-C光源1060のUV-C放出構成要素は、線形蛍光灯であるが、任意の好適なUV-C光源、例えば、非線形および/または非蛍光要素が提供され得ることを理解されたい。
【0110】
種々のパネル1200、1300、1400、および1500、ならびに基礎本体1100および連結区分1480および1580は、UV-C光放射がそれを通過することを阻止するように構成される。
【0111】
パネル1200、1300、1400、および1500が、それぞれの第2の面1220、1320、1420、および1520上に据え付けられたUV-C光源を含み、パネル1200、1300、1400、および1500が、高度に構成可能であるため、滅菌ユニット1000は、多くの異なる滅菌用途に極めて適応可能である。特定の用途に基づいてUV-C光源を選択的に制御するユニット1000の能力が、この融通性に追加されている。
【0112】
さらに、種々のパネル1200、1300、1400、および1500、ならびに基礎本体1100および連結区分1480および1580は、UV-C光放射がそれを通過することを阻止するように構成されるため、滅菌ユニット1000は、UV-C光から人々および/または動物を含む周辺環境を保護しながら、複数の角度から所望の滅菌標的を照射する様式で、選択可能に構成可能である。
【0113】
図3で図示されるようないくつかの実施例では、1つ以上の窓1080が提供される。図示した実施例では、パネル1200、1300、1400、および1500の各々は、本明細書では一般的および/または集合的に窓または複数の窓1080と称され得る、それぞれの窓1080a、1080b、1080c、および1080dを含む。
【0114】
窓1080は、可視光が照射滅菌領域から通過することを可能にするが、UV-C光を遮断する。これは、人間のオペレータがUV-C光にばく露されることなく滅菌ゾーンを視認することを可能にする。窓は、例えば、ガラスおよび/または1つ以上のポリマー材料であり得る。窓は、いくつかのUV-C光源から副生成物として生成され得る、UV-AおよびUV-B光に対する保護障壁を含む場合もあり、含まない場合もある。そのような保護は、例えば、いくつかの実施例では、近くにいる人のために光源1060の輝度を抑制する働きもし得る、保護フィルムおよび/または色合いとして提供され得る。
【0115】
パネル1200、1300、1400、および1500は、例えば、ユニット1000の所望の可動化、特定の滅菌用途、および/または特定の環境内の空間制約に応じて、多数の選択可能なパネルの向きの間で再構成可能である。いくつかの向きでは、パネル1200、1300、1400、および1500は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、ユニット1000がUV-C光を方向付けるように構成されている、空間、表面、および/または物体を滅菌するように制御される。
【0116】
図3を参照すると、デバイス1000は、本明細書で集合的または一般的にキャスタまたは複数のキャスタ1050と称され得る、キャスタ1050a、1050b、1050c、1050d、1050e、1050f、1050g、1050h、および1050iを含む。キャスタ1050a、1050b、および1050cは、基礎本体1100の基部1105に据え付けられ、キャスタ1050dおよび1050eは、第1および第2のパネル1200および1300のそれぞれの遠位部分に据え付けられ、キャスタ1050fおよび1050hは、第3および第4のパネル1400および1500上のそれぞれの近位場所に据え付けられ、キャスタ1050gおよび1050iは、第3および第4のパネル1400および1500上のそれぞれの遠位場所に据え付けられる。したがって、キャスタ1050は、ユニット1000が、異なる場所まで転がされ、例えば、本明細書で説明される種々の例示的構成等の複数の構成に再配置されることを可能にしながら、滅菌ユニット1000を完全に支持する。
【0117】
ユニット1000は、任意の所望のパネルの向きにある間に移動または輸送され得るが、
図2の左側部分で図示されるような閉鎖パネルの向きにユニット1000を構成することが特に有益であり得る。コンパクトな寸法が、標準ドア開口部(例えば、幅32インチ×高さ82.5インチであるドア開口部)を通してユニットを移動させること等、ユニット1000がより容易に操作されることを可能にし得るからである。
【0118】
いったんユニット1000が部屋の中の所望の位置に来ると、第1および第2のパネル1200および1300は、任意の好適な角度で互に対して開放され得(例えば、閉鎖平行位置が0度であると仮定して、選択された角度は、0度~360度の任意の角度、例えば、45度、90度、135度、180度、225度、270度、または360度であり得る)、第3および第4のパネル1400および1500の各々は、それらの遠位位置に完全または部分的にスライドし、スライド経路に沿って平行なまま、またはそれぞれの枢動軸CおよびDの周囲で回転させられ得る。
【0119】
非意図的な転がりに対して滅菌ユニット1000を固定するために、第1のパネル1200および第2のパネル1300は、例えば、
図3で図示されるように、固定足部1230および1330を含む。固定足部1230および1330の各々は、キャスタ1050を介した転がりに抵抗するために、足部1230および1330がユニット1000を支持する表面に接触しない後退位置と、足部1230および1330がユニット1000を支持する表面に接触する拡張位置との間で作動可能である。
図3で図示される状態では、固定足部1230は、後退位置にあり、固定足部1330は、拡張位置にある。図示した実施例は固定足部を含むが、一時的係止機構の任意の形態が提供され得、いくつかの実施例は転がりに抵抗するいかなる機構も含まないこともあることを理解されたい。
【0120】
図6および7は、例えば、病室または廊下の壁等の引き伸ばされた表面を滅菌するために有利であり得る、構成を示す。この構成では、第1のパネル1200、第2のパネル1300、第3のパネル1400、および第4のパネル1500のそれぞれが、平行であり、同一の方向にUV-C光を放出するために方向付けられたそれらのUV-C源1060を有するように、第1および第2のパネル1200および1300は、180度の角度まで回転させられており、実質的に同一平面上にあり、第3および第4のパネル1400および1500は、さらなる回転を伴わずに、それらの遠位位置に拡張されている。この例示的ユニット1000について、この構成は、部屋または廊下の長い壁等のより長い表面のより効率的な滅菌を提供し得る、ユニット1000の有効長を最大限化する。
【0121】
さらに、複数のUV-C源1060の存在により、標的表面(例えば、壁)は、各場所において複数の角度からの光で衝打され、それは、特に、標的表面に不規則性がある場合、有効光強度を増加させ、光被覆を促進する。対照的に、
図12に示されるような代替的なシステムは、滅菌標的の各場所が、単一の光源に対応する単一の方向からのUV-C放射で衝打されることのみを可能にし、UV-C光強度は、光が光源20からさらに離れて進行するにつれて著しく減少する。別の問題は、
図12に示されるようなシステムでの結果が、標的表面により、疫学的結果を達成するために決して反復可能ではないことであり、本発明による例示的実装では、既知の量の空間(例えば、表面積および/または体積)内で再現可能な結果(例えば、種々の場所での光強度)を可能にする、既知の量の空間がある。
図12で図示されるような代替的なシステムは、対照的に、部屋のサイズ変動および/または不規則性を受ける。
【0122】
図6および7の実施例では、連結区分1480および1580は、滅菌標的領域から通過するUV-C光からの遮蔽を提供するように回転させられる。他の実施例では、連結パネル1480および1580は、それぞれ、1つ以上の他の滅菌ユニット1000の対応する連結区分1580および1480に連結され得る。このモジュール式構造は、同時滅菌のために、さらに長い有効長を可能にする。
【0123】
図8および9は、2つベッドがある病室の一部分を滅菌するための例示的構成を示す。これらの構成では、滅菌ユニット1100は、例えば、標準的なドアの出入り口を通して、部屋の中へ転がされ、図示した構成に拡張されている。この構成は、第3および第4のパネル1400および1500が、さらなる回転を伴わずに、それらの完全拡張遠位位置にあるという点で、
図6および7の構成に類似するが、第1および第2のパネル1200および1300が、180度未満の角度、具体的には、実質的に直角まで回転させられているという点で異なる。例えば、
図8および9を参照すると、基礎本体1100がパネル1200および1300に対して異なる角度で方向付けられ得ることに留意されたい。このようにして、基礎本体1100は、滅菌ユニット1000の構造で追加の連結部として機能し得、それは、追加の融通性を提供し、基礎本体1100上に位置する制御が所望の方向に方向付けられることを可能にする。
【0124】
図示されるように、
図8および9の構成、ならびに多くの他の可能な構成は、領域の他の部分からUV-C光を同時に遮断しながら、より広い領域(本実施例では部屋)の選択された標的部分のみが滅菌されることを可能にする。これは、例えば、同時に、UV-C光への実質的なばく露を伴わずに、第2のベッドが患者によって居住され、医療従事者が部屋の中に存在することを可能にされている間に、部屋の1つのベッド領域を滅菌する能力を含む、多くの潜在的な利点を有する。これはまた、医療施設の緊急性および迅速な必要性を考慮して、便利な医療作業フローための利点を提供し、滅菌ユニットを包囲する空間の使用を可能にする。
【0125】
図8および9で図示されるような部屋のパーティション設定は、特に接触予防滅菌のために極めて効果的であり得る。この位置では、外側パネルが、図示されるように完全に拡張され、壁に対して配置される。第1および第2の、または内側パネル1200および1300は、互に対して90°の角度を形成し、部屋の隅に隣接する壁部分と組み合わせられた囲いを作成する。本構成は、本明細書でさらに詳細に説明されるような係止機構を介して係止され得る。
【0126】
さらに、第2および第4のパネル1300および1500に対する第1および第3のパネル1200および1400の直交した向きにより、UV-C光源1060は、標的領域全体にわたって増進したUV-C照射を提供する。4つのパネル1200、1300、1400、および1500からの光出力は、滅菌標的ゾーンに示される矢印によって
図9で概略的に図示される。矢印は、例証目的で、4つの異なるパネルからの出力を区別することに役立つために、異なる形式の鎖線を使用し、種々のパネル1200、1300、1400、および1500に由来するUV-C光の強度のいかなる差異も表さない。図示されるように、光路が標的ゾーン中で重複し、これは、有効強度、被覆範囲、および、表面または物体がUV-C光で衝打される角度の数を増加させる。複数の方向からのこのUV-Cエネルギーの集束は、標的表面および病原体上の集中した増幅をもたらす。特定の構成については、光源と滅菌標的領域内の種々の場所との間の距離が既知であり、UV-C源1060の出力強度が既知であるので、システム1000は、いくつかの実装では、滅菌される場所で十分なUV-C光強度を達成するために、本構成に基づいてUV-C源の数および/または強度を選択的に制御し得る。
【0127】
上で示されるように、
図12に示されるような代替的なシステムは、滅菌標的の各場所が、単一の光源に対応する単一の方向からのUV-C放射で衝打されることのみを可能にし、UV-C光強度は、光が光源20からさらに離れて進行するにつれて著しく減少する。少なくとも、単一の物体または領域のために同一の部屋内で光源20を複数回再配置することなしには、標的領域を効果的に滅菌しないことに加えて、
図12のシステムはまた、標的領域の外側の領域がUV-C放射を受け取ることを防止するいかなる機構も含まない。
【0128】
図10は、滅菌ユニット1000のさらなる構成を示す。この構成は、
図6および7の構成に類似するが、第3および第4のパネル1400および1500が、第1および第2のパネル1200および1300に対して実質的に直角であるように、それぞれの軸CおよびDの周囲でさらに回転させられており、枢動機構1700が、第1および第2のパネル1200および1300に対して完全拡張位置に枢動させられているという点で異なる。この構成は、例えば、
図10で図示されるもの等の患者のベッドまたは手術台30等の細長い、例えば、長方形の滅菌標的に特に有用であり得る。光源1060tは、滅菌ユニット1000が、例えば、表面、物体、または空間に対して真の360度UV-C露光量を用いて標的30を照射することを可能にする。いくつかの実施例では、枢動機構1700が複数のUV-C光源を含み、および/またはユニットが複数の枢動機構1700を含むことに留意されたい。
【0129】
図10の配列は、いくつかの実施例では、複数の標的30が連続して滅菌されることを可能にする。これは、例えば、それぞれの滅菌の前および後にそれぞれの標的30を挿入および除去するためのアクセスを提供するように、第3または第4のパネル1400または1500をスイングさせて開くことによって、促進され得る。
【0130】
図11は、滅菌ユニットが1つまたは複数の滅菌標的の周囲で連続的囲いを形成する、さらなる構成を示す。この構成では、第1および第2のパネル1200および1300は、互に対して直角であるように回転させられ、第3および第4のパネル1400および1500は、完全に遠位に拡張され、それぞれ、第1および第2のパネル1200および1300に対して直角であるようにさらに回転させられている。囲いを完成させて固定するために、第1の連結区分1480は、第2の連結区分1580とともに掛止される。この配列は、周辺領域からUV-C光を遮断しながら、4つ全ての側面から1つまたは複数の滅菌標的に影響を与えるようにUV-C光を提供する。
【0131】
滅菌ユニット1000は、有利なことには、患者が医療施設から解放されているときに起こる滅菌手順である、患者の部屋の退院滅菌に利用され得る。いくつかの実施例では、医療従事者が、患者の部屋の機械的清掃後に滅菌ユニット1000を実装するであろう。滅菌ユニット1000によって行うことができる滅菌を必要とする、例示的な物品は以下である。
【0132】
患者のベッド(全てのシーツおよびリネンをベッドから外す)
寝室用ランプ
シンク/シンク領域
浴室
椅子
ベッドテーブル/食事トレイ
壁/患者ゾーン
患者ベッドは、効果的な360°滅菌を確保するように、全ての他の物品から独立して滅菌される必要があり得る。部屋のレイアウトに応じて、いくつかの他の物品、例えば、椅子、寝室用ランプ、および食事トレイは、組み合わせられ、同時に効果的に滅菌され得る。いくつかの他の例示的実装では、全ての物品が同時に滅菌され得る。
【0133】
図13-21は、誘導機構1600をさらに詳細に示し、誘導機構1600によって、第3および第4のパネル1400および1500は、それぞれの第1および第2のパネル1200および1300に対してスライドおよび回転する。図示される実施例は、具体的には、第2および第4のパネル1300および1500を連結する機構1600cまたは1600dのうちの1つであり、誘導機構1600aおよび1600bは、
図13-21で図示されるものの鏡像であることが理解される。誘導機構1600の各々は、線形C字形誘導チャネル1610と、誘導チャネル1610の中で受け取られるように構成される誘導キャリッジ1640とを含む。
図16を参照すると、誘導チャネル1610は、C字形であり、第1または第2のパネル1200または1300に直接取り付く、バックプレート1630を含む。誘導チャネル1610はまた、それぞれの上下の空間または陥凹1616および1626を形成するように、それぞれ、上ブロック1614および下ブロック1624を介してバックプレート1630から離間されて支持される、上フランジ1612および下フランジ1622も含む。
【0134】
図15を参照すると、誘導キャリッジは、誘導プレート1645と、据え付けプレート1660とを含む。誘導プレート1645は、上拡張部1646と、下拡張部1647とを含む。それぞれの
図15および16の誘導キャリッジおよびチャネルが、例えば、
図13で図示されるように組み立てられたとき、誘導キャリッジ1640の上拡張部1646が、誘導チャネル1610の上陥凹1616の中で受け取られて横方向に拘束され、誘導キャリッジ1640の下拡張部1647が、誘導チャネル1610の下陥凹1626の中で受け取られて横方向に拘束される。この嵌合は、誘導キャリッジ1640が、
図13に示される軸Gに沿ってスライドすることを可能にする。軸Gは、図示した実施例では水平かつ線形であるが、例えば、曲線、非線形、および/または非水平経路を含む、任意の好適なスライド経路が提供され得ることを理解されたい。
【0135】
誘導チャネル1610に対する誘導キャリッジ1640のスライド中に横方向支持力を与えるために、誘導キャリッジ1640は、本明細書では集合的に軸受表面1648と称され得る、軸受表面1648a、1648b、1648c、および1648dを含む。軸受表面1648a、1648b、1648c、および1648dは、誘導チャネル1610によって画定される経路に沿ってスライドする場合、誘導キャリッジ1640を横方向に拘束するために、
図16で図示される誘導チャネル1610のそれぞれの軸受表面1611a、1611b、1611c、および1611dに接触し、それに沿ってスライド可能であるように構成される。これらの界面は、滑り軸受を構成するが、任意の他の好適な誘導機構、例えば、1つ以上の線形軸受または他の誘導が提供され得ることを理解されたい。
【0136】
軸受表面1648は、例えば、PTFE等の低摩擦材料で形成され得るが、任意の好適な材料が提供され得る。
【0137】
上で示されるように、誘導キャリッジ1640および誘導チャネル1610は、第1および第2のパネル1200および1300に据え付けられる、誘導キャリッジ1640と誘導チャネル1610との間に横方向拘束を提供する。
図1を参照すると、これらの誘導界面は、各パネル1200、1300、1400、1500上で、1つは上、1つは下に、2つの場所で提供される。誘導チャネル1610が、第1および第2のパネル1200および1300の長さに沿って延びる一方で、誘導キャリッジ1640は、第3および第4のパネル1400および1500のそれぞれの近位端に沿って取り付く。
【0138】
図13-15を参照すると、第3および第4のパネル1400および1500の各々は、据え付けプレート1660内の開口部1661を通過する枢動または回転シャフト1680を介して、誘導キャリッジ1640の据え付けプレート1660に据え付けられ、パネルに応じて、それぞれの回転軸CまたDを形成し、軸Dが
図15の図示した実施例で示されている。
図13を参照すると、第3および第4のパネル1400および1500は、据え付けプレート1660の下方および上方で枢動シャフト1680を受け取るように、据え付けプレート1660の下方および上方に延びるU字形金具構造を有する。
【0139】
第3または第4のパネル1400または1500を回転させた後、回転の角度が、いくつかの実施例では、一時的に定位置で設定または係止され得る。
図13-21の図示した実施例では、角度は、パネル1400または1500内の陥凹または穴と、開口部1661の周囲の種々の角度における複数の陥凹または穴1663のうちの1つとに、係止ピンを選択可能に押し込むことによって一時的に係止される。しかしながら、任意の好適な機構が提供され得ることを理解されたい。
【0140】
同様に、第1および第2のパネル1200および1300の各々の角度が、同様の係止システムによって係止される。
【0141】
各パネル1200、1300、1400、および1500の回転角度の係止は、例えば、それぞれのパネルの各々の上で、レバーまたはスイッチによって起動され得る。さらに、本明細書で説明される係止または任意の他の作動は、手動で、またはアクチュエータ(例えば、モータ、主ねじ、油圧ピストン、空気圧ピストン、および/または任意の他の好適なアクチュエータ)によって自動的に行われ得る。
【0142】
第3および第4のパネル1400および1500の近位部分は、誘導機構1600によって横方向に支持されるが、第3および第4のパネル1400および1500の重量は、第3のパネル1400のためのキャスタ1050fおよび1050g、ならびに第4のパネル1500のためのキャスタ1050hおよび1050iを含む、キャスタのそれぞれの組によって支持される。したがって、平坦で均等な表面上で、誘導キャリッジ1640の誘導プレート1645は、
図17および18で図示されるように、上下の隙間および間隙1635aおよび1635bを残して、水平、かつ上下のチャネル表面1611eおよび1611fに対して略中心に置かれた距離で維持される。
【0143】
実質的な隙間1635aおよび1635bを提供することは、復元許容性を提供し、不均等な表面上で機構1600の結合を防止することに役立つ。例えば、
図19は、第4のパネル1500が、基部1100および第2のパネル1300を支持する平坦な水平面に対してわずかに上方傾斜にある、状況を図示する。上方傾斜支持表面と接触している第4のパネル1500の両方のキャスタ1050hおよび1050iを有することは、誘導チャネル1610に対して誘導プレート1645が回転させられることを引き起こす。これは、
図18ではチャネルまたは経路軸Gと整列している誘導プレート1645の縦軸Hが、軸Gに対して角度θで傾斜させられることをもたらす。
【0144】
同様に、
図20は、第4のプレート1500が、基部1100および第2のパネル1300を支持する平坦な水平面に対してわずかに下方傾斜にある、状況を図示する。下方傾斜支持表面と接触している第4のパネル1500の両方のキャスタ1050hおよび1050iを有することは、誘導チャネル1610に対して誘導プレート1645が回転させられることを引き起こす。これは、角度θが負であるように、誘導プレート1645の縦軸Hが軸Gに対して傾斜させられることをもたらす。
【0145】
角度θの最大および最小値は、本実施例では、誘導プレート1645の上または下面1649aまたは1649bが誘導チャネル1610の上または下面1611eまたは1611fに接触する前に、誘導プレート1645が各方向に回転することができる程度によって決定される。誘導プレート1645の任意の好適な回転の範囲が提供され得るが、いくつかの実装では、可動域は、例えば、(a)30度~マイナス30度、(b)25度~マイナス25度、(c)20度~マイナス20度、(d)15度~マイナス15度、(e)10度~マイナス10度、(f)8度~マイナス8度、(g)5度~マイナス5度、または(h)3度~マイナス3度まで変動し得る、角度θを含み得る。いくつかの実装では、角度θの許容範囲は、意図された用途に基づいて選択される。例えば、比較的平坦な床を伴う病院設定では、例えば、基部1100への地面/支持表面がはるかに不規則であろう、交戦地帯または災害救援設定等の現場用途での表面と比較して、はるかに小さい角度の範囲が必要とされ得る。
【0146】
図21は、第4のプレート1500が、平行であるが、基部1100および第2のパネル1300を支持する表面より低い表面上にある状況を図示する。下平行表面と接触している第4のパネル1500の両方のキャスタ1050hおよび1050iを有することは、誘導プレート1645の下面1649bとチャネル1610の下面1611fとの間の接触によって設定される限界まで、誘導チャネル1610に対して誘導プレート1645が下方に平行移動させられることを引き起こる。同様に、平行であるが基部1100および第2のパネル1300を支持する表面より高い表面上にある、第4のプレート1500を有することは、誘導プレート1645の上面1649aとチャネル1610の上面1611eとの間の接触によって設定される限界まで、誘導チャネル1610に対して誘導プレート1645が上方に平行移動させられることを引き起こすであろう。
【0147】
上で示されるように、滅菌ユニットは、とりわけ、複数のUV-C源を選択的に制御することを含む、滅菌ユニット1000の種々の側面および機能を管理する制御システムを含む。いくつかの実施例では、制御システムは、ユニット1000がどの向きにあるかを決定し、1つまたは複数の起動されたUV-C源の間で同一であり得るか、または異なり得る、計算された、または所定の期間にわたって1つ以上のUV-C源1060を起動するであろう(例えば、光源毎に、またはパネル毎に)(例えば、ユニット配向に基づいて制御システムによって決定されるように)。
【0148】
制御システムは、図示した実施例では、ディスプレイおよび入力デバイスの両方としての機能を果たす、タッチスクリーン1810を含む。任意の既知のディスプレイ、例えば、非タッチスクリーンディスプレイ、ユーザ入力デバイス、例えば、キーボード、トラックパッド、および/またはマウスが、タッチスクリーンに加えて、またはその代わりに提供され得ることを理解されたい。
【0149】
図22A-22Dは、例示的実施形態による、例示的ソフトウェアのスクリーンショットを含む。
【0150】
図22Aは、ユニット1000の電源を入れた後、例えば、レセプタクルに差し込んだ後、および/またはバッテリベースの電力供給部を起動した後の初期開始画面であり、設定が、データ記憶デバイスから(例えば、インターネット/ウェブ接続および通信を可能にするデータ記憶コンピュータに物理的に、または無線で接続された、任意の既知のコンピュータデータ記憶装置から)、コンピュータプロセッサによってロードされている。この画面が出現すると、
図22Bで図示される次の画面に移動するように、底部のボタンが押され得る。
【0151】
図22Bは、滅菌ユニット1000のための主要画面である、制御画面である。本実施例では、これは、初期開始画面後に出現する。この画面は、滅菌ユニット1000の滅菌サイクルを制御するために利用される。この画面から、ユーザは、滅菌プロセスに必要とされるであろうパネル(すなわち、図示した実施例では、第1のパネル1200、第2のパネル1300、第3のパネル1400、および/または第4のパネル1500)を選択または選択解除することができる。タイマは、ユーザが秒単位の適切なばく露時間を選択することを可能にし、開始ボタンは、滅菌サイクルを開始する。ユーザは、所望の動作、例えば、本明細書で説明される実施例のために、1つまたは複数の適切なボタンをクリックすることができる。図示した実施例での主要画面制御のボタンは、以下である。
【0152】
(1811)-左拡張パネル。このボタンは、滅菌ユニット1000の第3のパネル1400に対応する。
【0153】
(1812)-左内側パネル。このボタンは、滅菌ユニット1000の第1のパネル1200に対応する。
【0154】
(1813)-右内側パネル。このボタンは、滅菌ユニット1000の第2のパネル1300に対応する。
【0155】
(1814)-右拡張パネル。このボタンは、滅菌ユニット1000の第4のパネル1500に対応する。
【0156】
(1815)-拡張アーム。このボタンは、滅菌ユニット1000のカンチレバー状枢動機構1700に対応する。
【0157】
(1816)-開始ボタン。このボタンは、滅菌サイクルを行うように1つ以上の選択された滅菌プログラムを開始する。
【0158】
(1817)-タイマボタン。本実施例では、時間が秒単位で入力され、所望の滅菌時間に対応する。
【0159】
パネルボタンが選択されると、ボタンアイコンの周囲の境界が、例えば、パネルが選択されたことを示すように変化し、例えば、緑に変わる。デバイスの位置付けおよび具体的構成に従って、どのようなパネルが必要とされるか、または必要とされないかに基づいて、いずれか1つ以上のパネルが選択または選択解除され得る。
【0160】
図22Dのスクリーンショットを参照すると、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)のタイマボタン1817は、それを介してオペレータが、行われるある種類の滅菌のための所望の滅菌時間を入力し得る、数字キーパッドを起動する。例えば、必要滅菌時間が60秒である場合、ユーザは、選択されたパネルから放出される60秒のUV-C放射に対応する、「60」をタイプするであろう。
【0161】
図22Eを参照すると、図示した画面は、左ヒンジ1120aおよび/または1120b、および/または右ヒンジ1120cおよび/または1120dが係止されていないときに出現し得る。さらに、誘導機構1600に関連する係止システムが監視される。この点に関して、第3または第4のパネル1300または1400が、遠位に拡張されず、それぞれの第1または第2のパネル1200または1300に対してその回転位置で係止されていない場合には、それぞれの第3または第4のパネル1300(またはいずれも拡張および係止されない場合は両方)が画面上に示されないか、または別様に起動されないとして指示される。
【0162】
本実施例では、画面は、第1および第2のパネル1200および1300の両方のためのヒンジロックが係合させられていないことをオペレータに示し、したがって、2つの赤色指標が2つの最外位置にある。それらが両方とも係合させられると、画面は、通常の制御画面に戻るであろう。
【0163】
いくつかの実施例では、コンピュータプロセッサは、事前定義された滅菌プログラムのメニューをユーザに提示し得、メニューは、ユーザから特定のパラメータを求める場合もあり、求めない場合もある。これらのプログラムは、とりわけ、利用されるべきパネル、UV-C光源、および/または滅菌時間を自動的に決定し得る。いくつかの実施例では、ユニット1000自体が選択されたプログラムに必要とされる向きにパネルを自動的に作動させる(例えば、スライドさせる、回転させる、係止する等)ように、滅菌ユニットは、完全または実質的に自動化される。いくつかの実施例では、プロセッサは、選択されたプログラムのためにパネルの向きを手動で構成するための命令をユーザに提供する。いくつかの実施例では、滅菌ユニット1000は、パネルが特定のプログラムのための正しい向きにあることを検証する、センサを含む。いくつかの実施例では、プロセッサは、パネルが必要な向きにあり、いくつかの実施例では係止されるまで、選択されたプログラムが進むことを防止する。
【0164】
いくつかの実施例では、ユニット1000は、例えば、制御システムを介して、ユニット1000が、ユニット1000の動作状態に関する任意の問題があるかどうかを決定するために、例えば、UV-C光強度等のパラメータについて自己報告する。
【0165】
いくつかの実施例では、プロセッサは、光源、例えば、蛍光灯の出力強度の経年劣化に基づいて、1つ以上の特定のUV-C源に印加される電力を調整し得る。これは、例えば、滅菌ユニットの全体的機能性および健全性の内部フィードバックを提供するスマートセンサシステムに応答し得る。
【0166】
プロセッサはまた、特定の物品または場所が滅菌されていることを示し、および/または滅菌を必要としている物品または場所を示すように、例えば、無線で、信号を送信および受信することも可能であり得る。
【0167】
いくつかの実施例では、プロセッサは、選択された滅菌プログラムまたは構成に基づいて、光強度および持続時間を調整する。
【0168】
いくつかの実施例では、制御システムは、例えば、RFIDタグ、バーコード、または任意の他の好適な機構等の識別子に基づいて、特定の領域および/または物品を識別するように構成される。
【0169】
本明細書で説明されるいくつかの例示的実装は、4つのパネルを含むが、他の実施例は、単一のパネルを含む、任意の好適な数のパネルを含み得ることを理解されたい。上面図である
図23A-23Cの概略図を参照すると、他の実施例は、屈曲可能パネルおよび/またはコネクタ(
図23Aおよび23C参照)、および/または複数の非常に幅の狭いパネル(
図23B参照)を含み得る。
【0170】
他の例示的実装の
図24A-33Aは、滅菌ユニット100および200の形態である。本明細書で示され、説明される滅菌ユニット1000、100、および200は、概して、別様に指示される程度を除いて、共通する全ての特徴を共有する。
【0171】
本明細書で議論される場合、「L字形」または中心滅菌構造とは、いくつかの実装では、構造の中心部分または頂点から延びる2つの付属品を備えている構造(すなわち、2つの付属品の直接的または間接的合流点、または2つの付属品の切片または頂点における構造、例えば、中心ビーム、付属品の直接合流点等)を指し得る。間接取り付けの実施形態について、2つの付属品は、任意の容認可能な方法で中心部分または頂点に接続され得る。いくつかの実施形態では、付属品は、支持ビームに直接取り付けられ得、支持ビームは、中心部分または頂点に取り付けられ、それによって、中心部分または頂点構造を通して付属品を互に間接的に取り付け得る。中心滅菌構造は、いくつかの実装では、直接的に取り付けられるか、間接的に取り付けられるかにかかわらず、2つの付属品が互と実質的に直角(すなわち、90°±10°)を形成することを可能にするように構成され得る。中心滅菌構造が種々の形態で動作可能であり、そのうちのいくつかが本明細書で説明されているが、中心滅菌構造は、例えば、実質的に直角で、または任意の他の好適な角度で、開放構成に構成されるとき、および本発明のパネルの面が垂直に方向付けられる(すなわち、床と垂直である)ときに、空間、表面、または構造を滅菌することを目的としており、かつ滅菌するように動作可能である。いくつかの実装は、「L字形」として説明され得るが、本発明の例示的実装は、L字形ユニット以外の多くの異なる形状を成し得ることを理解されたい。
【0172】
いくつかの実施形態では、2つの付属品、例えば、中心滅菌構造のパネルは、例えば、90°±45°、40°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、または5°の角度、ならびに本明細書に記載されるようなこの範囲外の多くの他の角度を形成することが可能である。
【0173】
いくつかの実施形態では、中心滅菌構造は、2つの付属品が連続的な単一構造を表すように、単一の一体構造である。単一の構造は、付属品が互に関して比較的非移動可能であるように剛、または付属品が互に関して移動することができるように柔軟であり得る。
【0174】
図24Aは、例示的実施形態による滅菌デバイスまたはユニット100の斜視図であり、中心滅菌構造の外側図を描写する。種々の実施形態では、中心滅菌構造の外面は、本発明のデバイスのための動作点またはユーザインターフェースであることを目的としている。
【0175】
図24Aに示される滅菌デバイスは、中心滅菌構造を形成するように互にヒンジ連結して取り付けられる、第1のパネル10と、第2のパネル12とを備えている。より具体的には、第1のパネル10は、中心ビーム8を通して第2のパネル12に間接的にヒンジ連結して取り付けられる。中心ビーム8は、基部2に接続される。描写した実施形態では、中心ビーム8は、本質的には、支持ビーム6が接続するように構成される、中空管構造である。具体的には、第1のパネル10は、パネル10の最上部および底部に位置付けられる支持ビーム6に接続され、第2のパネル12は、パネル12の最上部および底部に位置付けられる支持ビーム6に接続される。パネル10および12に接続される支持ビーム6は、中心ビーム8に接続され、中心ビーム8は、それによって、パネル10および12のための取り付け点または頂点構造として機能する。したがって、描写した実施形態では、第1のパネル10および第2のパネル12は、たとえパネルが必ずしも中心ビーム8に直接触れなくても、中心ビーム8を介して互に取り付けられる。支持ビーム6はまた、描写した中心滅菌構造の構造および安定性を増進させる。
【0176】
第1のパネル10は、第1の面(描写されている)および第2の面(図示せず)を有し、第1の面は、中心滅菌構造の外面の一部を形成し、第2の面は、中心滅菌構造の内面の一部を形成する。第2のパネル12は、第1の面(描写されている)および第2の面(図示せず)を有し、第1の面は、中心滅菌構造の外面の一部を形成し、第2の面は、中心滅菌構造の内面の一部を形成する。描写した実施形態では、(示されるような)中心ビーム8の外側部分もまた、中心滅菌構造の外面の一部を形成し、枢動運動を可能にするヒンジ連結して取り付けられた接合部を作成する枢動軸としての役割を果たす。第1のパネル10の第1の面、中心ビーム8の描写した部分、および第2のパネル12の第1の面は、
図24Aのデバイス100の中心滅菌構造の外面を形成する主要な構成要素である。
【0177】
いくつかの実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、例えば、滅菌されることを目的としているデバイスおよび物体(例えば、空間、表面、または構造)を正確に位置付けるよう、ユーザが本発明の滅菌デバイスを通して見ることを可能にする、1つ以上の(例えば、2つ、3つ、4つ等の)窓を備えている。好ましい実施形態では、窓は、有害なUV放射の浸透を可能にしない、UV保護窓である。
図24Aの滅菌デバイス100は、2つのUV保護窓26を含む。
【0178】
図24Aは、中心滅菌構造の外面上の基礎または中心ビーム8上に位置する、制御または管理機構20を有する、滅菌デバイス100を描写する。描写したデバイスでは、管理機構20は、とりわけ、1つ以上のUV-C放射源を動作させるための制御パネルと、制御画面とを備えている。
【0179】
種々の実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、中心滅菌構造に取り付けられた(例えば、隣接し、典型的には、任意の当技術分野で容認可能な様式で接続された)、1つ以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ等の)追加のパネルを備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のパネルは、例えば、L字形中心滅菌構造に固定して取り付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のパネルは、任意の所望の、または任意の当技術分野で容認可能な様式で、中心滅菌構造に移動可能に取り付けられる。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のパネルの各々は、個々にスライド可能に、平行移動可能に、ヒンジ連結されて、および/または回転可能に中心滅菌構造に取り付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のパネルは、中心滅菌構造に固定して取り付けられ、1つ以上の追加のパネルは、中心滅菌構造に移動可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、中心滅菌構造に取り付けられた2つ以上の追加のパネルがある。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のパネルは、少なくともスライド可能に中心滅菌構造に取り付けられる。
【0180】
図24Bおよび24Cは、
図24Bおよび24Cに示されるデバイス200が、中心滅菌構造にスライド可能に取り付けられた2つの追加のパネル14および16を備えていることを除いて、
図24Aに示されるデバイス100の中心滅菌構造を備えている、滅菌デバイス200の斜視図である。2つの追加のパネル14および16は、パネル10および12の大部分が、それぞれ、パネル14および16の後ろに隠れている、実質的に後退位置に示されている。パネル14および16は、滅菌デバイス200の追加のパネルが、完全に後退させられ、ある程度後退させられ、または完全に、あるいは任意の所望の程度に拡張され得るように、それぞれ、中心滅菌構造のパネル10および12に隣接して平行にスライドする。パネル14および16は、例えば、第1のパネル10および第2のパネル12上に位置するトラック4に沿って、任意の容認可能な手段により、中心ビーム8から離れて外向きにスライドすることによって、中心滅菌構造から延びる。パネルのスライドを可能にするためにトラックを利用する他の実施形態では、トラックは、例えば、第1のパネル10および第2のパネル12の各々の第1の面の最上部および底部において、滅菌デバイス200上の任意の他の望ましい位置/場所に位置し得る。
【0181】
図24Bおよび24Cのデバイス200は、4つのUV保護窓26を含む。
【0182】
図24Bおよび24Cのデバイス200は、
図24Aのように、とりわけ、1つ以上のUV-C放射源を動作させるための制御パネルと、制御画面とを備えている、管理機構20を備えている。管理機構20は、自己滅菌プロセスで自己滅菌機構52を制御する、ソフトウェアを組み込む。管理機構20はまた、UV-C放射源40の動作(例えば、強度およびばく露時間を含む)を制御することも可能にする。
【0183】
いくつかの実施形態では、滅菌デバイスのパネルは、少なくとも1つの他のパネルへの1つのパネルの取り付け(例えば、接続、接合等)を可能にするように構成される、連結機構を備えている。本発明のいくつかの実施形態では、滅菌デバイスが、連結機構を利用することなく動作可能である一方で、他の実施形態では、連結機構は、本デバイスの動作中に使用される。連結機構は、取り付けを可能にするという意図された目的を果たすことができる、任意の機構であり得る。例えば、連結機構は、例えば、磁気、締結具(例えば、織物、プラスチック等である、例えば、面ファスナ)、連結ヒンジおよびピン、または他の好適なカウンター結合機構であり得る。種々の実施形態では、連結柱内の連結ピンは、連結ヒンジとの「ボールおよびソケット」(描写した実施形態で使用されるような「ピンおよびソケット」)接続の役割を果たす。ピンおよびヒンジは、種々の格納構成を形成するときに相互係止されるが、ピンソケット接続はまた、いくつかの枢動能力を本発明のデバイスのパネルに提供する。いくつかの実施形態では、中心滅菌構造に取り付けられた1つ以上の追加のパネルは、連結機構を備えている。
【0184】
図24Bおよび24Cに示される滅菌デバイス200では、追加のパネル14および16は、連結機構として、連結ヒンジ30と、連結ピン32(
図24Bおよび24Cでは描写されていない、例えば、
図26を参照)と、連結柱34と、連結制御36とを備えている。滅菌デバイス200では、追加のパネル14は、2つの連結ヒンジ30を有するが、他の実施形態は、連結ヒンジを有さないこともあり、1つだけの連結ヒンジ、または2つより多くの連結ヒンジを有し得る。連結ヒンジ30は、所望されるときに追加のパネル14および16が取り付けられ得るように、追加のパネル16上の連結柱34上の連結ピン(図示せず)と整列し、かつそれと一体化することができるように構成される。連結(パネルの取り付け)は、連結制御36を介して起こる。種々の実施形態では、存在する場合、連結制御36を電気的または機械的に開始させられることができる。描写した実施形態の機械的バージョンでは、連結制御36は、レバーアームとして機能し、(例えば、ユーザの足によって)押されたときに連結ピンを後退させる。制御レバーの解放時に、ピンは、連結ヒンジと係合し、接合部を形成する。電気制御の場合、このプロセスは、管理機構によって開始させられることができ、機械接合部を有する代わりに、例えば、磁気接合部に置換されることができる。
【0185】
種々の実施形態では、滅菌デバイスは、運搬可能(例えば、移動可能、輸送可能)である。いくつかの実施形態では、本デバイスは、容易に運搬可能である。例えば、いくつかの実施形態では、本デバイスは、1つの場所から別の場所へ容易に移動させられるように構成される。例えば、
図24Cに示されるようなデバイス200は、1つの場所から別の場所へデバイスを容易に運搬可能にする、車輪またはキャスタ24を備えている。車輪24によって、デバイス200は、描写される垂直位置(本デバイスが動作できることを目的としている構成)で構成されたままである間でさえも、容易に運搬可能である。これは、それらの意図された動作構成で構成されたときに運搬可能ではない、種々の従来技術のデバイスに優る利点である。
【0186】
ある実施形態では、滅菌デバイスは、1つ以上の接触点を備えている。本明細書で使用される場合、「接触点」は、ユーザが本デバイスを操作するように接触するであろう、本デバイス上の場所を表すことを目的としている、滅菌デバイス上の指定領域または構造である。接触点の一般的な非限定的実施例は、ハンドルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの接触点は、本発明によるデバイスの中心滅菌構造の外面上に位置する。
【0187】
ある実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、1つ以上の自己滅菌機構を備えている。本明細書で使用される場合、「自己滅菌機構」は、概して、空間、表面、または構造を滅菌するように構成されるUV-C放射源からのUV-C放射を別様に受けない、デバイスの一部分を滅菌するように機能する、本発明のデバイスの機構である。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の自己滅菌機構は、中心滅菌構造の外面上に位置する。種々の実施形態では、自己滅菌機構は、いくつかの実施形態では、1つ以上の接触点を備えている、チャンバを含む。チャンバ自己滅菌機構は、1つ以上の接触点を滅菌するように構成され得る。
【0188】
図24Cに示されるように、デバイス200は、ユーザがデバイス200を操作することを可能にするように構成されるハンドルである、接触点50を含む。デバイス200では、接触点50および管理機構20は、それらの内容物(すなわち、デバイス200内の管理機構20および接触点50)を自己滅菌するように構成されるチャンバである、自己滅菌機構52の中に位置する。自己滅菌機構52は、任意の所望の、または当技術分野で容認された手段を使用して、例えば、殺菌スプレーまたはUV-C放射を使用して、滅菌することができる。種々の実施形態では、自己滅菌機構52は、自己滅菌の期間中にユーザを遮蔽するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、自己滅菌機構52は、チャンバの内部およびその内容物を覆うように構成される円筒部分を有する、チャンバであり、それによって、チャンバを含み、チャンバおよびその内容物をユーザから分離し、滅菌(例えば、UV照射)は、格納チャンバ内で行われる。種々の実施形態では、自己滅菌機構52の動作は、管理機構20によって制御される。いくつかの実施形態では、自己滅菌機構は、本発明のデバイスの各滅菌使用/サイクルの間に使用される。存在する場合、自己滅菌機構は、本発明のデバイスが病原体のキャリアになることを防止する働きをすることができる。そのような実施形態では、自己滅菌機構は、環境と医療従事者または患者との間の二次汚染を最小限化および/または防止することによって、多数の従来技術の方法およびデバイスに優る利点を証明する。自己滅菌機構は、滅菌プロセスの間および後に、本発明のデバイス自体が病原体のための別の移送体になるリスクを低減させ、したがって、本発明のデバイスは、自己滅菌機構を組み込む実施形態を有する、今までに類を見ないものである。
【0189】
図25は、本発明の実施形態による、滅菌デバイス200の中心滅菌構造の外面の図である。具体的には、
図25は、中心滅菌構造に取り付けられた2つの追加のパネル14および16が拡張位置に示されている、
図24Bおよび24Cのデバイス200を描写する。追加のパネル14および16の両方が
図25の拡張位置に示されているが、いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、追加のパネルのうちのいずれも拡張位置にない(例えば、
図24B参照)か、または1つだけが拡張位置にあるように構成される。本発明のデバイスのパネルを拡張することは、例えば、より大きい物またはその一部分(例えば、より広い空間、表面、または構造)を滅菌するときに役立ち得る。
【0190】
図26は、例示的実施形態による、滅菌デバイス200の中心滅菌構造の内面の図である。具体的には、
図26は、中心滅菌構造に取り付けられた2つの追加のパネル14および16が実質的に後退位置に示されている、
図24B、24Cのデバイス200を描写する。中心滅菌構造の内面は、UV-C放射源40を備えている。示されるように、中心滅菌構造の内面は、第1のパネル10の第2の面と、第2のパネル12の第2の面と、中心ビーム8の描写した部分とを備えている。第1のパネル10の第2の面は、第1のパネル10の第2の面上の合計12個のUV-C放射源について、各グループ内に3つのUV-C放射源40を伴って、UV-C放射源の4つのグループを有する。第2のパネル12の第2の面は、第2のパネル12の第2の面上の合計12個のUV-C放射源について、各グループ内に3つのUV-C放射源40を伴って、UV-C放射源の4つのグループを有する。したがって、描写した中心滅菌構造の内面は、24個のUV-C放射源を有する。
【0191】
図26は、柱34の最上部および底部に位置する2つの連結ピン32を備えている、連結柱34の内側部分を図示する。連結ピン32は、連結ヒンジ30と交わり、取り付くことが可能であるように構成され、それによって、滅菌デバイス200が格納構成で構成されることを可能にする(例えば、
図31および32参照)。
【0192】
いくつかの実施形態では、本発明による滅菌デバイスは、最適な滅菌のためのさらなる角度位置付けを提供するように構成される構造である、1つ以上の角度機構を備えている。本発明の実施形態の角度機構は、本デバイスから放出されるUV-C放射の角度を向上または最適化することに役立つように機能する、任意の構造であり得る。いくつかの実施形態では、角度機構は、反射構造である。いくつかの実施形態では、角度機構は、所望に応じてUV-C放射に角度を付けるように任意の様式で成形される。例えば、いくつかの実施形態では、角度機構は、凸状構造、例えば、その一部分の円筒である。いくつかの実施形態では、角度機構は、静止しているように構成される一方で、いくつかの実施形態では、角度機構は、任意の所望の様式で移動可能であるように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、角度機構は、滅菌デバイスから外へ延び、複数の異なる位置に操作されることができる。いくつかの実施形態では、角度機構は、例えば、ロボットアームである。種々の実施形態では、ロボットアームは、滅菌されている構造の上方、下方、右、左、および反対側で、UV-C光の分布を可能にする。例えば、病院のベッドを滅菌するために、例えば、いくつかの実施形態では、ベッドは、左右に長く、例えば、壁に近く位置付けられ得るが、部屋内の壁に接触しない。次いで、本発明のデバイスをユーザとベッドとの間に位置付けることができ、それによって、障壁を生成し、滅菌野を生成する。所望に応じて位置付けられると、ロボットアームは、病院のベッドに向かって外向きに延びることができ、いくつかのアームを、例えば、上方および下方に位置付けることができ、他のアームを、左右に位置付けることができ、アームのうちのいくつかまたは全ては、UV-C源にばく露されていない病院のベッドの側面のみの周囲で部分的に湾曲するよう、ベッドの幅を越えて延びることができ、それによって、UV-Cばく露を受けるであろうベッドの表面積を増大させる。
【0193】
図26で描写される滅菌デバイス200は、描写したデバイス200ではロボットアームである、4つの角度機構22を備えている。
【0194】
図27は、本発明の実施形態による、滅菌デバイス200の中心滅菌構造の内面の図である。2つの追加のパネル14および16は、拡張位置に示されて、それに取り付けられる。具体的には、
図27は、外側図が
図25に示される、デバイス200の内側図を描写する。示されるように、パネル10および12上のUV-C放射源40に加えて、追加のパネル14および16はまた、パネルの内側の第2の面上で、その上に配置されたUV-C放射源40も有する。デバイス200は、本デバイスのパネルのそれぞれの上にUV-C放射源を有するが、本発明の他の実施形態は、デバイスの全てより少ないパネルの上に(例えば、1つ、2つ、または3つのパネルの上に)UV-C放射源を有する。本発明のパネルは、任意の望ましい材料を含み得る。デバイス200のパネル10、12、14、および16の第2の内面(描写されている)の表面は、研磨されたアルミニウム等のUV-C放射を反射する反射材料を含む。しかしながら、ある実施形態では、本発明で使用されるパネルの1つ以上の第2の内面の縁を境界する材料は、UV-C放射を吸収する材料、例えば、プレスされた酸化亜鉛、黒色塗料、または陶土を含む。そのような実施形態では、本デバイスの縁およびその周囲におけるUV-Cスプラッシュが、低減および/または防止される。種々の実施形態では、本発明のデバイスは、パネルの周囲でUV-C放射へのユーザのばく露を低減および/または防止するように構成される、1つ以上のスプラッシュガード28を備えている。連結柱34はまた、UV-C放射へのユーザばく露を低減および/または防止するように機能し得る。
【0195】
種々の好ましい実施形態では、本発明の滅菌デバイスは、ユーザが有害なUV-C放射から保護され、および/またはそれにばく露されないように構成される。
【0196】
図28Aおよび28Bは、それぞれ、例示的実施形態の左右の外形の図である。具体的には、
図28Aおよび28Bは、
図24Bおよび24Cに示されるデバイス200の外形の図である。
【0197】
図29A-Dは、異なる構成で例示的実施形態の上面図を描写する。具体的には、
図29A-Dは、
図24Bおよび24Cに示されるデバイス200の異なる回転構成の種々の上面図を描写する。
図29Aは、第1のパネル10(図示せず)および第2のパネル12(図示せず)が、描写した支持ビーム6の位置付けによって示されるように、互に折り畳まれている、
図24Bおよび24Cのデバイス200を示す。
図29Bは、パネル10および12(図示せず)が90°角度で構成される構成で、
図24Bおよび24Cのデバイス200を示す。
図29Cは、パネル10および12(図示せず)が270°角度で構成される構成で、
図24Bおよび24Cのデバイス200を示す。
図29Dは、パネル10および12(図示せず)が180°角度で構成される構成で、
図24Bおよび24Cのデバイス200を示す。
【0198】
図30Aおよび30Bは、例示的実施形態によるデバイス200の上面図であり、本デバイスの回転能力を描写する。
図30Aおよび30Bは、
図25および27のように追加のパネル14および16が拡張された、
図24Bおよび24Cに示されるデバイス200を描写する。
図30Aに示される実施形態では、追加のパネル14および16は、外向きにスライドし、矢印の方向に沿って第1のパネル10および第2のパネル12から延びる。
図30に示される実施形態では、追加のパネル14および16は、
図30Aの実施形態のように、パネル10および12にスライド可能に取り付けられる。しかしながら、
図30Bの実施形態では、追加のパネル14および16は、それらの完全拡張位置に達すると、それぞれ、パネル10および12への取り付けの末端点の周囲で枢動することができるように構成される。
【0199】
図31は、格納構成での実施形態によるデバイス200の図である。具体的には、
図8は、追加のパネル14および16が拡張位置にある、
図25のデバイス200の実施形態を描写する。パネル14の内面上の連結ヒンジ30(図示せず)は、追加のパネル16上の連結柱34上の連結ピン32(図示せず)と整列し、かつそれに取り付けられ、それによって、デバイス200が格納構成で構成されるように、パネル14および16を互に取り付ける。
【0200】
図32は、病院のベッドがその中に描写された、格納構成での実施形態によるデバイス300の上面図である。デバイス300は、
図25のデバイスのうちの1つのパネル、連結ピン、および連結ヒンジが、本明細書の上で説明されるように標識され、
図25の第2のデバイスのパネル、連結ピン、および連結ヒンジが、10’、12’、14’、16’、30’、および32’として標識される、
図25に示されるような2つのデバイス200を備えている。描写されるように、2つのデバイス200は、それぞれ、第1および第2のデバイス200の連結ピン32および連結ヒンジ30’を介して、かつそれぞれ、第2および第1のデバイス200の連結ピン32’および連結ヒンジ30を介して、取り付けられる(1つだけのピンおよびヒンジが1つのデバイス200につき示されている)。
【0201】
図33は、例示的実装によるデバイス400を描写する。デバイス400は、3つのデバイスが互に取り付けられ、線形構成で示されている、
図25に示されるような3つのデバイス200を備えている。
【0202】
別の側面では、例示的実装は、空間、表面、または構造を滅菌する方法を提供するか、またはそれに関する。本方法は、本発明によるデバイスの1つ以上のUV-C放射源から放出される紫外線(UV)放射に空間、表面、または構造をばく露することを含み得る。
【0203】
種々の実施形態では、本発明のデバイスおよび方法は、UV-C放射を含む放射で1つまたは複数の標的を照射することによって、1つ以上の空間、1つ以上の表面、および/または1つ以上の構造を滅菌するか、または滅菌するように構成される(例えば、構造上のウイルスおよび/または細菌および/または他の病原体等の病原体の少なくとも85%、または少なくとも88%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または少なくとも99.2%、または少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%を死滅させる)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の標的の3次元UV-C照射、つまり、2つ以上の方向、例えば、2つ以上の直交方向からの照射が提供される。
【0204】
いくつかの実装は、空間、表面、または構造から約10フィート以下(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10フィート)以内に本発明のデバイスを位置付け、UV-C放射で空間、表面、または構造を照射することによって、空間、表面、または構造を滅菌する方法を提供するか、またはそれに関する。
【0205】
以下は、UV-C放射を放出する本発明の例示的実施形態によって死滅させられる病原体、およびそれらが引き起こす疾患のうちのいくつかの部分的リストであり、すなわち、バクテリオファージ(大腸菌)、HIV、感染性肝炎、インフルエンザ(インフル)、ポリオウイルス感染症、タバコモザイク病、ロタウイルス、炭疽菌(炭疽)、バシラスメガテリウム属(胞子)、バシラスメガテリウム属(Veg)、パラチフス菌、枯草菌胞子、枯草菌、破傷風菌(破傷風/開口障害)、クロストリジウムディフィシル、ジフテリア菌(ジフテリア)、チフス菌、大腸菌(E.Coli)、イヌレプトスピラ感染症(黄疸)、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ミクロコッカスカンディドゥス、ミクロコッカススフェロイド、ヒト型結核菌(結核)、ナイセリアカタラーリス、フィトモナスエルギノーサ、シュードモナスフルオレッセンス、サルモネラ腸炎菌、パラチフス菌(腸チフス)、腸チフス菌(腸チフス)、ネズミチフス菌、サルシナルテア、セラチアマルセッセンス、シゲラディゼンテリエ(赤痢)、シゲラフレキシネリ(赤痢)、シゲラパラディゼンテリエ、スピリルムラブラム、スタフィロコッカスアルバス(ブドウ球菌)、黄色ブドウ球菌(ブドウ球菌)、溶血性連鎖球菌、乳連鎖球菌、緑色連鎖球菌、コレラ菌(コレラ)、ならびにアスペルギルスフラーブス、アスペルギルスグラウクス、アスペルギルスニガー、ムコールラセモサスA、ムコールラセモサスB、オースポララクティス、ペニシリウムエクスパンサム、ペニシリウムロックフォルティ、ペニシリウムジギタタム、およびリゾプスニグリカンスを含む、カビ胞子である。他の病原体を死滅させる本発明の側面の有効性が、当業者に明白となるであろう。
【0206】
図34に示されるように、1つ以上の滅菌ユニットを制御および動作させる際に使用するためのネットワーク環境3400の実装が示され、説明されている。この環境の構成要素のうちのいずれかは、1つ以上の滅菌ユニット自体に組み込まれ得、または1つあるいは複数の滅菌ユニットとは別個の1つ以上の実体として提供され得る。簡潔な概観では、ここで
図34を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境3400のブロック図が示され、説明されている。クラウドコンピューティング環境3400は、1つ以上のリソースプロバイダ3402a、3402b、3402c(集合的に、3402)を含み得る。各リソースプロバイダ3402は、コンピューティングリソースを含み得る。いくつかの実装では、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、および/またはコンピュータアプリケーションを実行することが可能なハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。いくつかの実装では、例示的なコンピューティングリソースは、記憶および検索能力を伴うアプリケーションサーバおよび/またはデータベースを含み得る。各リソースプロバイダ3402は、クラウドコンピューティング環境3400内の任意の他のリソースプロバイダ3402に接続され得る。いくつかの実装では、リソースプロバイダ3402は、コンピュータネットワーク3408を経由して接続され得る。各リソースプロバイダ3402は、コンピュータネットワーク3408を経由して1つ以上のコンピュータデバイス3404a、3404b、3404c(集合的に3404)に接続され得る。
【0207】
クラウドコンピューティング環境3400は、リソースマネージャ3406を含み得る。リソースマネージャ3406は、コンピュータネットワーク3408を経由して、リソースプロバイダ3402およびコンピュータデバイス3404に接続され得る。いくつかの実装では、リソースマネージャ3406は、1つ以上のコンピュータデバイス3404への1つ以上のリソースプロバイダ3402によるコンピューティングリソースの提供を促進し得る。リソースマネージャ3406は、特定のコンピュータデバイス3404からコンピューティングリソースの要求を受信し得る。リソースマネージャ3406は、コンピュータデバイス3404によって要求されるコンピューティングリソースを提供することが可能である、1つ以上のリソースプロバイダ3402を識別し得る。リソースマネージャ3406は、コンピューティングリソースを提供するようにリソースプロバイダ3402を選択し得る。リソースマネージャ3406は、リソースプロバイダ3402と特定のコンピュータデバイス3404との間の接続を促進し得る。いくつかの実装では、リソースマネージャ3406は、特定のリソースプロバイダ3402と特定のコンピュータデバイス3404との間の接続を確立し得る。いくつかの実装では、リソースマネージャ3406は、特定のコンピュータデバイス3404を、要求されたコンピューティングリソースを伴う特定のリソースプロバイダ3402にリダイレクトし得る。
【0208】
図35は、本開示で説明される技法を実装するために使用することができる、コンピュータデバイス3500およびモバイルコンピュータデバイス3550の実施例を示す。コンピュータデバイス3500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータ等の種々の形態のデジタルコンピュータを表すことを目的としている。モバイルコンピュータデバイス3550は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の類似コンピュータデバイス等の種々の形態のモバイルデバイスを表すことを目的としている。ここで示される構成要素、それらの接続および関係、およびそれらの機能は、実施例であるように意図されているにすぎず、限定的となるように意図されていない。
図35のコンピュータデバイスは、例えば、本明細書で説明される滅菌ユニットの制御システムの一部であり得る。
【0209】
コンピュータデバイス3500は、プロセッサ3502と、メモリ3504と、記憶デバイス3506と、メモリ3504および複数の高速拡張ポート3510に接続する高速インターフェース3508と、低速拡張ポート3514および記憶デバイス3506に接続する低速インターフェース3512とを含む。プロセッサ3502、メモリ3504、記憶デバイス3506、高速インターフェース3508、高速拡張ポート3510、および低速インターフェース3512の各々は、種々のバスを使用して相互接続され得、共通マザーボード上に、または適宜他の様式で据え付けられ得る。プロセッサ3502は、高速インターフェース3508に連結されたディスプレイ3516等の外部入出力デバイス上のGUIのためにグラフィカル情報を表示するように、メモリ3504の中に、または記憶デバイス3506上に記憶された命令を含む、コンピュータデバイス3500内で実行するための命令を処理することができる。他の実装では、複数のメモリおよびタイプのメモリとともに、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが適宜使用され得る。また、複数のコンピュータデバイスが接続され得、各デバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバ群、またはマルチプロセッサシステムとして)必要な動作の部分を提供する。
【0210】
メモリ3504は、コンピュータデバイス3500内に情報を記憶する。いくつかの実装では、メモリ3504は、1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。いくつかの実装では、メモリ3504は、1つまたは複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ3504はまた、磁気または光ディスク等の別の形態のコンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。
【0211】
記憶デバイス3506は、コンピュータデバイス3500用の大容量記憶装置を提供することが可能である。いくつかの実装では、記憶デバイス3506は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリまたは他の同様の固体メモリデバイス、または記憶領域ネットワークあるいは他の構成にデバイスを含むデバイスのアレイ等のコンピュータ読み取り可能な媒体であり得るか、またはそれを含み得る。命令を情報キャリアに記憶することができる。命令は、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ3502)によって実行されたとき、本明細書で説明される方法のうちのいずれか等の1つ以上の方法を行ってもよい。命令はまた、コンピュータまたは機械読み取り可能な媒体(例えば、メモリ3504、記憶デバイス3506、またはプロセッサ3502上のメモリ)等の1つ以上の記憶デバイスによって記憶することもできる。
【0212】
高速インターフェース3508が、コンピュータデバイス3500の帯域幅集中動作を管理する一方で、低速インターフェース3512は、より低帯域幅集中動作を管理する。そのような機能の割付は、一例にすぎない。いくつかの実装では、高速インターフェース3508は、メモリ3504、(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通して)ディスプレイ3516、および種々の拡張カード(図示せず)を受け入れ得る高速拡張ポート3510に連結される。本実装では、低速インターフェース3512は、記憶デバイス3506および低速拡張ポート3514に連結される。種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)、無線Ethernet(登録商標))を含み得る、低速拡張ポート3514は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、または、例えば、ネットワークアダプタを通したスイッチまたはルータ等のネットワーキングデバイス等の1つ以上の入出力デバイスに連結され得る。
【0213】
コンピュータデバイス3500は、図に示されるように、いくつかの異なる形態で実装され得る。例えば、標準サーバ3520として、またはそのようなサーバ群の中で複数回実装され得る。加えて、それは、ラップトップコンピュータ3522等のパーソナルコンピュータで実装され得る。それはまた、ラックサーバシステム3524の一部として実装され得る。代替として、コンピュータデバイス3500からの構成要素は、モバイルコンピュータデバイス3550等のモバイルデバイス(図示せず)の中の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピュータデバイス3500およびモバイルコンピュータデバイス3550のうちの1つ以上を含み得、システム全体が、互に通信する複数のコンピュータデバイスで構成され得る。
【0214】
モバイルコンピュータデバイス3550は、いくつかある構成要素の中でも特に、プロセッサ3552と、メモリ3564と、ディスプレイ3554等の入出力デバイスと、通信インターフェース3566と、送受信機3568とを含む。モバイルコンピュータデバイス3550はまた、追加の記憶装置を提供するように、マイクロドライブまたは他のデバイス等の記憶デバイスを提供され得る。プロセッサ3552、メモリ3564、ディスプレイ3554、通信インターフェース3566、および送受信機3568の各々は、種々のバスを使用して相互接続され、構成要素のうちのいくつかは、共通マザーボード上に、または適宜他の様式で据え付けられ得る。
【0215】
プロセッサ3552は、メモリ3564に記憶された命令を含む、命令をモバイルコンピュータデバイス3550内で実行することができる。プロセッサ3552は、別個かつ複数のアナログおよびデジタルプロセッサを含む、チップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ3552は、例えば、ユーザインターフェースの制御、モバイルコンピュータデバイス3550によって実行されるアプリケーション、およびモバイルコンピュータデバイス3550による無線通信等のモバイルコンピュータデバイス3550の他の構成要素の協調を提供し得る。
【0216】
プロセッサ3552は、制御インターフェース3558およびディスプレイ3554に連結されたディスプレイインターフェース3556を通して、ユーザと通信し得る。ディスプレイ3554は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイ、またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、あるいは他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインターフェース3556は、グラフィカルおよび他の情報をユーザに提示するようにディスプレイ3554を駆動するための適切な回路を備え得る。制御インターフェース3558は、ユーザからコマンドを受信し、それらをプロセッサ3552に提出するために変換し得る。加えて、外部インターフェース3562が、他のデバイスとのモバイルコンピュータデバイス3550の近距離通信を可能にするよう、プロセッサ3552との通信を提供し得る。外部インターフェース3562は、例えば、いくつかの実装では有線通信、または他の実装では無線通信を提供し得、複数のインターフェースも使用され得る。
【0217】
メモリ3564は、モバイルコンピュータデバイス3550内に情報を記憶する。メモリ3564は、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な媒体、1つまたは複数の揮発性メモリユニット、あるいは1つまたは複数の不揮発性メモリユニットのうちの1つ以上として実装することができる。拡張メモリ3574もまた、提供され、例えば、SIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースを含み得る、拡張インターフェース3572を通してモバイルコンピュータデバイス3550に接続され得る。拡張メモリ3574は、モバイルコンピュータデバイス3550用の余分な記憶空間を提供し得、またはモバイルコンピュータデバイス3550用のアプリケーションまたは他の情報も記憶し得る。具体的には、拡張メモリ3574は、上で説明されるプロセスを実行または補完する命令を含み得、かつ安全な情報も含み得る。したがって、例えば、拡張メモリ3574は、モバイルコンピュータデバイス3550用のセキュリティモジュールとして提供され得、かつモバイルコンピュータデバイス3550の安全な使用を可能にする命令でプログラムされ得る。加えて、ハッキング不可能な様式でSIMMカード上に識別情報を置くこと等の追加の情報とともに、安全なアプリケーションがSIMMカードを介して提供され得る。
【0218】
メモリは、例えば、以下で議論されるようなフラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。いくつかの実装では、命令は、情報キャリアに記憶され、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ3552)によって実行されたとき、上で説明されるもの等の1つ以上の方法を行う。命令はまた、1つ以上のコンピュータまたは機械読み取り可能な媒体(例えば、メモリ3564、拡張メモリ3574、またはプロセッサ3552上のメモリ)等の1つ以上の記憶デバイスによって記憶され得る。いくつかの実装では、命令は、例えば、送受信機3568または外部インターフェース3562を経由して、伝搬信号の中で受信することができる。
【0219】
モバイルコンピュータデバイス3550は、必要な場合にデジタル信号処理回路を含み得る、通信インターフェース3566を通して無線で通信し得る。通信インターフェース3566は、とりわけ、GSM(登録商標)音声電話(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域符号分割多重アクセス)、CDMA2000、またはGPRS(汎用パケット無線サービス)等の種々のモードまたはプロトコルの下で通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、高周波を使用して、送受信機3568を通して起こってもよい。加えて、短距離通信が、Bluetooth(登録商標)、Wi-FiTM、または他の送受信機(図示せず)等を使用して起こってもよい。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール3570が、モバイルコンピュータデバイス3550上で作動するアプリケーションによって適宜使用され得る、追加のナビゲーションおよび場所関連無線データをモバイルコンピュータデバイス3550に提供し得る。
【0220】
モバイルコンピュータデバイス3550はまた、ユーザから口頭の情報を受信し、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る、音声コーデック3560を使用して、聞こえるように通信し得る。音声コーデック3560は、同様に、例えば、モバイルコンピュータデバイス3550のハンドセットの中で、スピーカ等を通してユーザのための可聴音を生成し得る。そのような音は、音声電話からの音を含み得、録音された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイル等)を含み得、また、モバイルコンピュータデバイス3550上で動作するアプリケーションによって生成される音を含み得る。
【0221】
モバイルコンピュータデバイス3550は、図に示されるように、いくつかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、携帯電話3580として実装され得る。それはまた、スマートフォン3582、携帯情報端末、または他の類似モバイルデバイスの一部として実装され得る。
【0222】
本明細書で説明されるシステムおよび技法の種々の実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらの種々の実装は、専用または汎用であり、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、かつそこへデータおよび命令を伝送するように連結され得る、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含む、プログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。
【0223】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)は、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高次プロシージャおよび/またはオブジェクト指向プログラミング言語で、および/またはアセンブリ/機械言語で実装することができる。本明細書で使用される場合、機械読み取り可能な媒体およびコンピュータ読み取り可能な媒体という用語は、機械読み取り可能な信号として機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。機械読み取り可能な信号という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意の信号を指す。
【0224】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書で説明されるシステムおよび技法は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、それによってユーザが入力をコンピュータに提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有する、コンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用を提供するために使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、発話、または触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。
【0225】
本明細書で説明されるシステムおよび技法は、(例えば、データサーバとしての)バックエンド構成要素を含む、またはミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータ、またはそれを通してユーザが本明細書で説明されるシステムおよび技法の実施形態と相互作用することができるウェブブラウザ)を含む、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピュータシステムで実装することができる。本システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、およびインターネットを含む。
【0226】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、相互から遠隔にあり、典型的には、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で作動し、互にクライアント・サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。
【0227】
本明細書で説明されるシステムおよび方法の構造、機能、および装置を考慮して、いくつかの実装では、1つ以上の滅菌ユニットを制御および動作させる際に使用するためのシステムおよび方法が提供される。1つ以上の滅菌ユニットを制御および動作させる際に使用するための方法および装置のある実装を説明しているため、本開示の概念を組み込む他の実装が使用され得ることが、当業者に明白となるであろう。したがって、本開示は、ある実装に限定されるべきではないが、むしろ以下の請求項の精神および範囲のみによって限定されるべきである。
【0228】
装置およびシステムが、特定の構成要素を有する、含む、または備えているものとして説明される、またはプロセスおよび方法が、特定のステップを有する、含む、または備えているものとして説明される、本説明の全体を通して、加えて、記載された構成要素から本質的に成る、またはそれらから成る、開示される技術の装置およびシステムがあり、記載された処理ステムから本質的になる、またはそれらから成る、開示される技術によるプロセスおよび方法があることが考慮される。
【0229】
ステップの順序、またはある動作を行うための順番は、開示される技術が動作可能なままである限り重要ではないことを理解されたい。また、2つ以上のステップまたは動作が同時に行われ得る。
【0230】
本明細書で使用される技術は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、本発明を限定することを目的としていない。本明細書で使用される場合、「1つの(a、an)」、および「該(the)」という単数形は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数形も含むことを目的としている。「備えている(comprise)」(ならびに「comprises」および「comprising」等のcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「has」および「having」等のhaveの任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「includes」および「including」等のincludeの任意の形態)、および「含有する(contain)」(ならびに「contains」および「containing」等のcontainの任意の形態)は、非制約的な連結動詞であることが、さらに理解されるであろう。結果として、1つ以上のステップまたは要素を「備えている」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法またはデバイスは、これらの1つ以上のステップまたは要素を保有するが、これらの1つ以上のステップまたは要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備えている」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法のステップまたはデバイスの要素は、1つ以上の特徴を保有するが、これらの1つ以上の特徴のみを保有することに限定されない。さらに、ある方法で構成されるデバイスまたは構造は、少なくともその方法で構成されるが、また、記載されていない方法で構成され得る。
【0231】
1つ以上の範囲が本明細書の全体を通して参照される場合、各範囲は、情報を提示するための簡潔な形式であることを目的としており、範囲は、同一のことが本明細書で完全に記載されたように、範囲内の各離散点を包含すると理解される。
【0232】
本発明のいくつかの側面および実施形態が本明細書で説明および描写されているが、代替的な側面および実施形態が、同一の目的を達成するために当業者による影響を受けてもよい。したがって、本開示および添付の請求項は、本発明の真の精神および範囲内に入るような全てのさらなる代替的側面および実施形態を対象とすることを目的としている。また、本明細書で説明される特定の実施例および実施形態の特徴は、任意の組み合わせで使用され得る。したがって、本発明は、当業者に明白となるように、本明細書で説明される種々の実施例および実施形態からの変形例を含む。
【0233】
(実施例1)医学的に重要な細菌および真菌の根絶に及ぼすマルチベクトルUVエネルギーの効果
本実施例は、とりわけ、有意な医学的関心である細菌および/または真菌を根絶するために、本発明の実施形態がどのようにして臨床的に関連する様式で使用され得るかを示す。
【0234】
(研究設計)
本実施例では、耐性細菌性病原体および病原性真菌の分離株が、以下の設計に従った所与の実験において、(秒単位の)種々の時間量にわたって滅菌ユニット内のUV源から異なる距離で、UVエネルギーにばく露された。
【0235】
図36を参照すると、「UV」というテキストを伴うフィールドは、
図10に示される本発明の実装に従って構成される、滅菌ユニットを累積的に構成し、滅菌ユニットの一部分を備えている、UV源のおおよその場所を示し、「P1」-「P6」と印付けられたフィールドは、P1-P6と印付けられたセルのそれぞれが汚染野上の区分を表す、細菌または真菌の定量的培養皿で汚染野を累積的に構成した。培養皿の調製は、以下で説明される。各区分P1-P6は、特定の期間にわたってUVエネルギーにばく露された2つの培養皿を含有した。本実施例では、時点は、5秒、15秒、30秒、60秒、90秒、120秒、または180秒であった。
【0236】
各皿上で成長するコロニーの数を数え、(1)UVばく露の時間、(2)UVエネルギー要素からの距離、(3)推定されたばく露のエネルギー、および(4)時間・エネルギー積、の関数として描画した。本ユニットに対する時間が1秒にわたるUV強度範囲は、本実施例では、1,000マイクロワット/cm2~2,500マイクロワット/cm2に及び、秒単位の時間の積とともにこの値を使用して、約26,000マイクロワット/cm2*秒の値に達する。特定の理論にとらわれることを希望するわけではないが、これらのレベルは、極めて耐性のある有機体、例えば、炭疽菌胞子の死滅を達成するために十分であり得る可能性がある。
【0237】
(有機体)
本実施例では、各区分P1-P6は、それぞれ以下の病原体、すなわち、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、ESBL大腸菌、カルバペネマーゼ耐性肺炎桿菌(KPC)、多剤耐性緑膿菌、アシネトバクターバウマンニ、カンジダアルビカンス、カンジダグラブラタ、カンジダパラプシロシス、カンジダクルセイ、アスペルギルスフミガーツス、フザリウムソラニ、およびスケドスポリウムアピオスペルムムの3つの分離株を含んだ。
【0238】
(接種の調製)
ミューラー・ヒントン寒天培地(MHA)上で37℃にて24時間にわたって分離株を成長させ、RPMI培養液の2つの50ml三角フラスコの始動培養液の中へ3つのコロニーのサンプルを接種し、37℃にて旋回水浴中で2時間にわたって培養液を培養することによって、定量的培養検定のための接種を調製した。100マイクロリットル(0.1ml)のこの培養液を、2つの250ml三角フラスコの各々の中の50mlの新鮮RPMI培養液の中に移した。対数期成長を生成するために、これらのフラスコを旋回水浴中で16時間にわたって37℃にて一晩培養した。次いで、懸濁液を遠心分離し、ペレットを生理食塩水で洗浄し、濃度を血球計で調整し、3,000CFU/ml~2,000CFU/mlの懸濁液を得るように連続希釈を行った。次いで、100マイクロリットル(0.1ml)を接種し、細菌については5%ヒツジ血液を伴うMHAプレート、真菌についてはポテトデキストロースプレート上に塗布した。
【0239】
次いで、プレートを標識し、UVエネルギー場の中に配置し、前述の期間のうちの1つにわたってUVエネルギーにばく露し、次いで、18時間にわたって37℃で培養した。次いで、所与のプレート上のコロニーの数を数え、表1に示されるように記録した。
【0240】
(統計分析)
全ての実験を所与の種について3通りに実行した。値は、平均±SEMとして表される。UVエネルギーにばく露された全ての群は、分散分析(ANOVA)によってばく露されていない対照群に対して比較された。ボンフェローニの方法によって複数の比較のためにすでに調整されている、<0.05の両側P値が、統計的に有意と見なされる。
【0241】
値は、UVエネルギーへのばく露の特定の時間でのグリッドの6つの異なる場所からのLOG(Cfu/ml)の平均±SEM(標準偏差)として表される。
以下の表1を参照すると、影付きのセルは、有機体がプレートから完全に取り除かれるばく露の時間を表す。
【0242】