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特許7392964基板の接着テープ貼り替え装置及び貼り替え方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】基板の接着テープ貼り替え装置及び貼り替え方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231129BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/78 P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018156885
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020031165
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000132954
【氏名又は名称】株式会社タカトリ
(72)【発明者】
【氏名】南 佳見
(72)【発明者】
【氏名】吉村 善孝
(72)【発明者】
【氏名】池端 謙
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-244012(JP,A)
【文献】特開2012-182342(JP,A)
【文献】特開2005-332931(JP,A)
【文献】特開2007-173770(JP,A)
【文献】特開2012-104514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接着テープに第1支持フレームを介して貼り付けられた基板を第2接着テープに貼り替える基板の接着テープ貼り替え装置において、
第1接着テープを介して前記基板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、前記第1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、エキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを前記切断手段により、前記基板の外側で切断して、フレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置。
【請求項2】
第1接着テープを介して基板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、第1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第1接着テープをエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記基板の表面高さと前記第2フレーの表面高さとが一致した状態で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置。
【請求項3】
第1接着テープを介して板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープが非エキスパンド状態、またはエキスパンド状態の拡張比率5%未満であって挟持手段の下降距離が短く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する、もしくは、接する恐れがあるときは、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを前記切断手段により、前記基板の外側で切断して、フレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープのエキスパンド状態の拡張比率5%以上であって挟持手段の下降距離が長く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する恐れがないときは、
前記第1接着テープを前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置。
【請求項4】
非エキスパンド状態とした後、第1接着テープに剥離テープを貼り付けて前記第1接着テープを剥離テープと一体に剥離させる剥離手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接着テープ貼り替え装置。
【請求項5】
前記第1接着テープを前記切断手段で前記基板の外側で切断する前に、第1接着テープの剥離始端側にV字形状の剥離きっかけを形成するよう剥離きっかけ形成手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の接着テープ貼り替え装置。
【請求項6】
前記第1接着テープに剥離テープを貼り付け、前記第1接着テープを前記剥離テープと一体に剥離する際に、前記剥離きっかけ上に前記剥離テープを押圧する剥離きっかけ押圧手段をさらに設けたことを特徴とする請求項5記載の接着テープ貼り替え装置。
【請求項7】
第1接着テープに第1支持フレームを介して貼り付けられた基板を第2接着テープに貼り替える基板の接着テープ貼り替え方法において、
吸着テーブルに前記第1接着テープを介して前記基板を吸着保持し、
前記吸着テーブルの外周に設けたフレーム台に前記第1支持フレームを載置し、
前記フレーム台の上方に位置する支持テーブル上に第2支持フレームを載置し、
予め設定された拡張比率に応じて前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持手段で挟持して、非エキスパンド状態、または、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させて、第1接着テープをエキスパンド状態とし、
第1接着テープが非エキスパンド状態、またはエキスパンド状態の拡張比率5%未満であって挟持手段の下降距離が短く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する、もしくは、接する恐れがあるときは、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、前記拡張比率に応じたエキスパンド状態で、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを切断手段により、前記基板の外側で切断して、フレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2支持フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープのエキスパンド状態の拡張比率が高く5%以上であって挟持手段の下降距離が長く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する恐れがないときは、
第1接着テープを前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記第2支持フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の基板に貼り付けられた各種の接着テープを別の接着テープに貼り替える基板の接着テープ貼り替え装置及び貼り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般的な半導体の製造工程においては、まず、半導体ウエハ(以下、ウエハという。)の回路形成面に保護テープが貼り付けられた後、前記ウエハの裏面が研削されて薄厚化される。その後、保護テープに貼り付けられた状態のウエハが、ダイシングテープを介してダイシングフレーム(以下、単にフレームという。)にマウントされ、前記保護テープが剥離テープ等で剥離される。続いて、前記ウエハが、ダイシングにより、チップ化される。
【0003】
上記ダイシング後のチップ化されたウエハにおいては、その前工程でのパターン形成の関係上、その後のダイボンド時にチップの表裏を反転させる必要がある。また、ダイシング時にパターンを汚染しないためにパターン形成面をダイシングテープに貼り付けてマウントすることがあり、この場合も、ダイボンド時にチップの表裏を反転させる必要が生じる。
【0004】
さらに、ダイボンド時にダイシングされたチップ同士が干渉することを防止するためにチップ間を拡張させるエキスパンドを行なう場合があり、一度拡張したチップ間を維持した状態で次の工程に搬送する必要がある。このチップ間を維持させるためにダイシングテープを貼り替える必要が生じる。
【0005】
上記のようなダイシングテープを貼り替える方法として、第1の支持体(フレームに相当)に支持されたウエハを、引き伸ばしリングを用いて第1の支持体の第1UVテープを引き伸ばしてエキスパンド状態とし、チップ間隔を所定量広げた状態で、第2の支持体である第2UVテープをウエハに貼り付けている(例えば特許文献1)。その後、第1の支持体のエキスパンド状態を解放してから、第1の支持体の第1UVテープを剥離して貼り替えが完了する。
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法は、第1の支持体のエキスパンド状態を解放する際に第1の支持体の第1UVテープが収縮し、チップが倒れ込む問題があった。このような状態で貼り替えを行うと、貼り替え不良となる問題があった。
【0007】
そこで、上記問題を解決すべく、第1の支持体をエキスパンド状態とした後、チップの外周部分の第1の支持体と第2の支持体とを貼り合わせて、チップの外周部分を封止した後、エキスパンドを解放することで、チップの倒れ込みを防止する貼り替え装置が開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第3064979号公報
【文献】特許第4643514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献2の貼り替え装置においては、第1の支持体と第2の支持体をチップの外周部分で貼り合わせており、第2の支持体にチップを貼り替えた後、第1の支持体の接着シートをチップから剥離させている。
【0010】
しかしながら、第1の支持体と第2の支持体の貼り合わせ部分を剥離することが困難であり、必要な第2支持体の接着シートを破損する問題があった。また、貼り合わせ部分近傍のチップが剥離の際の衝撃で、ずれたりする問題もあった。
【0011】
特にエキスパンド量が少ない場合は、特許文献1及び特許文献2の方法では、第1の支持体と第2の支持体の間隔が少なくなり、第1の支持体と第2の支持体との接着面積が大きくなって第1の支持体から第2の支持体を剥離させることが、より困難になる問題があった。そのため、エキスパンド量を少なくし、チップ間の拡張率を下げることができない問題があった。また、各種のチップ間隔に対応することが困難であり、汎用性に欠ける問題があった。
【0012】
また、特許文献1において、エキスパンドでチップ間の拡張率を変更するためには、引き伸ばしリングの形状を変更する必要があり、汎用性に欠ける問題があった。
【0013】
また、特許文献2においては、エキスパンドでチップ間の拡張率を下げた場合、第1の支持体と第2の支持体の間隔が狭くなるため、その後の第1の支持体の剥離の際に、へらを第1の支持体と第2の支持体の間に挿入することが困難になる問題があり、第1の支持体の剥離を的確に行うことができない問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、第1の支持体の接着テープに貼り付けられたチップを第2の支持体の接着テープに貼り替える際にチップの倒れ込みがなく、さらに、チップ間隔を自由に設定できる基板の接着テープ貼り替え装置及び貼り替え方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、請求項1の発明は、第1接着テープに第1支持フレームを介して貼り付けられた基板を第2接着テープに貼り替える基板の接着テープ貼り替え装置において、
第1接着テープを介して前記基板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、前記第1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、エキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを前記切断手段により、前記基板の外側で切断しフレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置。
【0016】
また、請求項2の発明は、第1接着テープを介して基板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、第1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第1接着テープをエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記基板の表面高さと前記第2フレーの表面高さとが一致した状態で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置である。
【0017】
また、請求項3の発明は、第1接着テープを介して板を吸着保持する吸着テーブルと、
前記吸着テーブルの外周を取り囲むように開口が形成され、1支持フレームを載置すると共に前記吸着テーブルに対して相対的に昇降動するフレーム台と、
前記基板の外周で前記第1接着テープを切断する切断手段と、
前記フレーム台の上方に設けられ、前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持して、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させることで第1接着テープを引き伸ばして拡張比率0%ないし30%のエキスパンド状態とする挟持手段と、
前記挟持手段の上方に設けられ、第2フレームが載置されると共に該第2フレームの内側に開口が形成された支持テーブルと、
前記第2フレーム及び前記基板に第2接着テープを貼り付ける接着テープ貼り付け手段と、を備え、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープが非エキスパンド状態、またはエキスパンド状態の拡張比率5%未満であって挟持手段の下降距離が短く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する、もしくは、接する恐れがあるときは、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを前記切断手段により、前記基板の外側で切断して、フレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープのエキスパンド状態の拡張比率5%以上であって挟持手段の下降距離が長く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する恐れがないときは、
前記第1接着テープを前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記第2フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え装置である。
【0018】
また、請求項4の発明は、非エキスパンド状態とした後、第1接着テープに剥離テープを貼り付けて前記第1接着テープを剥離テープと一体に剥離させる剥離手段をさらに設けた構成を採用する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接着テープ貼り替え装置である。
【0019】
また、請求項5の発明は、前記第1接着テープを前記切断手段で前記基板の外側で切断する前に、第1接着テープの剥離始端側にV字形状の剥離きっかけを形成するよう剥離きっかけ形成手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の接着テープ貼り替え装置。
【0020】
また、請求項6の発明は、前記第1接着テープに剥離テープを貼り付け、前記第1接着テープを前記剥離テープと一体に剥離する際に、前記剥離きっかけ上に前記剥離テープを押圧する剥離きっかけ押圧手段をさらに設けたことを特徴とする請求項5記載の接着テープ貼り替え装置。
【0021】
また、請求項7の発明は、第1接着テープに第1支持フレームを介して貼り付けられた基板を第2接着テープに貼り替える基板の接着テープ貼り替え方法において、
吸着テーブルに前記第1接着テープを介して前記基板を吸着保持し、
前記吸着テーブルの外周に設けたフレーム台に前記第1支持フレームを載置し、
前記フレーム台の上方に位置する支持テーブル上に第2支持フレームを載置し、
予め設定された拡張比率に応じて前記フレーム台に載置された第1フレームを挟持手段で挟持して、非エキスパンド状態、または、前記フレーム台を前記吸着テーブルに対して相対的に下降させて、第1接着テープをエキスパンド状態とし、
第1接着テープが非エキスパンド状態、またはエキスパンド状態の拡張比率5%未満であって挟持手段の下降距離が短く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する、もしくは、接する恐れがあるときは、
前記第1接着テープを非エキスパンド状態、または、前記拡張比率に応じたエキスパンド状態で、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、第1接着テープを切断手段により、前記基板の外側で切断して、フレーム台を下降させて第1接着テープの切断縁を分離した後、前記貼り付け手段で前記第2支持フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けし、
前記第2接着テープの貼り付けの際の前記第1接着テープのエキスパンド状態の拡張比率が高く5%以上であって挟持手段の下降距離が長く前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する恐れがないときは、
第1接着テープを前記拡張比率に応じたエキスパンド状態にし、前記吸着テーブルに第1接着テープを介して基板を吸着保持した状態で、前記貼り付け手段により、前記第2支持フレーム及び基板上に第2接着テープを貼り付けした後、第1接着テープのエキスパンドによって吸着テーブルから挟持手段に向かって下方に傾斜した傾斜部を前記切断手段で前記基板の外側を切断し、第1接着テープでの拡張比率を維持したまま前記基板を第2接着テープに貼り替えるようにしたことを特徴とする接着テープ貼り替え方法である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、3及び7の発明によれば、拡張比率が低く第2接着テープの貼り付けの際に前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する、または、接する恐れがあるときは、吸着テーブルで第1接着テープを介して基板を保持し、その状態で第1接着テープを基板の外周で切断した後、第2接着テープに基板を貼り替えるので、エキスパンドによる第1接着テープの収縮による影響を受けず、貼り替え後のチップが倒れこんだり、基板が反ったりしない。
【0023】
また、請求項2及び7の発明によれば、拡張比率が高く第2接着テープの貼り付けの際に前記第1接着テープと前記第2接着テープとが接する恐れがないときは、第1接着テープが傾斜して第2接着テープと間隔を保った状態で、前記第1接着テープの傾斜部分で前記基板の外周部分を切断するので、第1接着テープと第2接着テープの接着を回避でき、貼り替え後に第1接着テープを容易に剥離できる。また、チップ間隔を維持した状態で第2接着テープに基板を貼り替え、エキスパンドの解放前にエキスパンドされた第1接着テープを切断して、第1接着テープのエキスパンドを解放するので、第1接着テープの収縮による影響を受けず、貼り替え後のチップの倒れ込みが発生しない。
【0024】
また、請求項7の発明によれば、エキスパンドの拡張比率に関わらず各種の拡張比率に対応できる汎用性の高い接着テープの貼り替えに対応が可能となる。
【0025】
また、請求項4の発明によれば、非エキスパンド状態とした後、第1接着テープに剥離テープを貼り付けて前記第1接着テープを剥離テープと一体に剥離させる剥離手段をさらに設けたので、不要となった第1接着テープを別途の剥離装置を用いずに剥離することができる。また、エキスパンド状態解放後に剥離するので第2接着テープに応力が残らず、チップの破損や倒れ込みが発生しない。
【0026】
また、請求項5の発明によれば、第1接着テープに剥離きっかけを形成するので、第2接着テープと第1接着テープが接着しても、接着面積が狭い部分から第1接着テープを剥離でき、基板を破損することがない。
【0027】
また、請求項6の発明によれば、さらに剥離きっかけ形成部分において第1接着テープと剥離テープを密着させることができ、剥離ミスを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】は、本発明の接着テープ貼り替え装置の概略全体平面図である。
図2】は、図1のA-A方向矢視図である。
図3】は、本発明の接着テープ貼り替え装置に係る貼り替え部の平面図である。
図4】は、本発明の接着テープ貼り替え装置に係る貼り替え部の正面図である。
図5】は、図3のB-B方向矢視断面図である。
図6】は、図4の一部を切欠いたC-C方向矢視図である。
図7】は、本発明の接着テープ貼り替え装置に係る貼り替え部の右側面図である。
図8】は、本発明の接着テープ貼り替え装置に係る位置決め・ノッチ形成部の平面図である。
図9】は、図8のD-D方向矢視断面図である。
図10】(a)及び(b)は、第1の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図11】(c)及び(d)は、第1の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図12】(e)及び(f)は、第1の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図13】(a)及び(b)は、第2の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図14】(c)及び(d)は、第2の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図15】(e)及び(f)は、第2の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図16】(a)及び(b)は、第3の実施形態に係る接着テープ貼り替え動作の説明図である。
図17】は、位置決め・ノッチ形成部におけるノッチ形成の説明図である。
図18】は、ノッチ形成後の接着テープ貼り替え部における第1接着テープ切断動作の説明図である。
図19】は、第1接着テープの剥離動作の説明図である。
図20】(a)及び(b)は、第1接着テープの剥離動作の要部拡大説明図である。
図21】は、剥離きっかけ形成部の一部省略平面図である。
図22】は、剥離きっかけ形成部の概略動作説明図である。
図23】(a)及び(b)は、フレームにマウント済みの拡張比率が0%の基板の説明図である。
図24】(a)及び(b)は、フレームにマウント済みのチップ間が拡張された基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図1から図9に基づいて説明する。
【0030】
図1は、本発明の接着テープ貼り替え装置1の概略全体平面図である。前記接着テープ貼り替え装置1は、ほぼ矩形状の機台2上に形成されている。また前記接着テープ貼り替え装置1は、接着テープの貼り替え前の第1支持体S1が多段収納された第1支持体供給部aと、第1支持体S1を位置決めすると共に第1接着テープT1に鋭角状の切込み(以下、ノッチNという。)を形成する位置決め・ノッチ形成部bと、第1支持体S1に支持された基板Wを第2接着テープT2に貼り替える貼り替え部cと、貼り替え後の第2支持体S2を形成する第2フレームF2が多段収納されるフレーム供給部dと、前記貼り替え部dに第2フレームを搬送するフレーム搬送部eと、貼り替えが完了し、不要となった第1フレームF1を回収するフレーム回収部fと、貼り替え後の第2支持体S2から不要となった第1接着テープT1を剥離する接着テープ剥離部gと、前記接着テープ剥離部gで第1接着テープT1が剥離された貼り替え済みの第2支持体S2を多段収納する第2支持体収納部h等を備えて構成されている。
【0031】
前記第1支持体S1は、ダイシングによりチップ化された基板Wが第1フレームF1に第1接着テープT1を介して貼り付けられることにより形成されている。また、第1フレームF1は、位置決めの基準となる切欠き部3が設けられている。前記第1支持体供給部aは、第1支持体S1が多段収納される供給カセット49が設けられ、該供給カセット49は、適宜の昇降手段(図示しない)により昇降して、収納された前記第1支持体S1を1枚ずつ順次供給するようになっている。
【0032】
前記第1支持体供給部aから供給された第1支持体S1は、図示しない適宜の搬送機構で前記位置決め・ノッチ形成部bへと搬送されるようになっている。前記位置決め・ノッチ形成部bは、図8及び図9のように供給された第1支持体S1の基板Wを上面として載置固定する保持テーブル47と、前記第1支持体S1の位置決めを行うセンサ48と、前記第1支持体S1の第1接着テープT1に剥離きっかけとなるノッチN(図17参照。)を形成するノッチ形成ユニット80等を備えて構成されている。前記ノッチ形成ユニット80については、第2の実施形態として後述する。
【0033】
図8及び図9のように前記保持テーブル47は、ほぼ円形状に形成され、機台2上に立設されたモーター12と接続されて回転自在となっている。また、前記保持テーブル47は、その上面にフレームFを挟持等によって固定する固定手段47aが設けられている。また、前記保持テーブル47は、開口47bが設けられ、前記開口47bの下方には、ノッチNを形成する際に第1接着テープT1を裏面から支持するバックアップ81が設けられている。
【0034】
また、前記保持テーブル47の近傍にはセンサ48が設けられている。前記センサ48は、例えば光センサであり、前記保持テーブル47上に載置された第1支持体S1の切欠き部3を検出するようになっている。なお、第1支持体S1を所定位置で位置決めできるものであれば、各種のセンサや物理的なピン等の手段を用いることができる。前記保持テーブル47上に第1支持体S1が載置されると、前記固定手段47aで第1支持体S1が固定された後、前記保持テーブル47が第1支持体S1と一体に回転する。そして、前記センサ48で前記フレームF1の切欠き部3が検出されると、所定位置で前記保持テーブル47が停止して、前記第1支持体S1が位置決めされるようになっている。
【0035】
また、機台2上には、後述する貼り替え部cに貼り代え用となる第2フレームF2を供給するフレーム供給部dが設けられている。前記フレーム供給部dは、多段状にフレームFを収納可能な供給カセット49を有し、該供給カセット49が適宜な昇降手段(図示しない)によって昇降しながら、1枚ずつフレームFを供給するようになっている。また、前記供給カセット49には、本実施形態において、第2フレームF2が多段収納される。
【0036】
前記フレーム供給部dの近傍には第2フレームF2を吸着保持して、前記フレーム搬送部eへと搬送する適宜の搬送ハンド(図示しない)が設けられている。前記フレーム搬送部eは、前記貼り替え部cに沿って間隔を空けて立設された機枠5、5の間に設けられた搬送テーブル40を備える。両機枠5、5の内側上方には、フレーム供給部dから貼り替え部cまで、それぞれレール5a、5aが敷設されている。
【0037】
前記搬送テーブル40は、載置されるフレームFを吸着等の固定手段(図示しない)で固定するようになっており、本発明の支持テーブルに相当する。また、前記搬送テーブル40は、フレームFの内径とほぼ同径の開口40a(図3参照)が形成され、フレームFは、前記開口40aを取り囲むように載置されるようになっている。
【0038】
また、前記搬送テーブル40は、両側にスライダ41、41が設けられ、前記レール5a、5aに移動可能に嵌合している。前記搬送テーブル40は、適宜の駆動源(図示しない)によって、レール5a、5aに沿ってフレーム供給部d側から貼り替え部c上まで水平動自在になっている。従って、フレーム供給部dから取り出された第2フレームF2は、搬送テーブル40上に載置され、貼り替え部c上へと搬送されるようになっている。
【0039】
次に位置決めされた第1支持体S1から基板Wを第2支持体S2に貼り替える貼り替え部cについて、図2から図7に基づいて以下に説明する。なお、基板W、フレームF、第1接着テープT1及び第2接着テープT2は、理解が容易なように全図の厚みにおいて誇張して描いてある。
【0040】
図2図1のA-A方向矢視図であり、図3は貼り替え部cの平面図、図4は貼り替え部cの正面図、図5図3のB-B方向矢視断面図、図6図4の一部を切り欠いたC-C方向矢視図、図7は貼り替え部の右側面図である。
【0041】
前記貼り替え部cには、貼り替えユニット4が昇降自在に立設されている。前記貼り替えユニット4は、第1支持体S1の基板Wを、第1接着テープT1を介して吸着保持する吸着テーブル12と、前記吸着テーブル12の外周で第1フレームF1を支持するフレーム台13と、前記吸着テーブル12の下方に設けられ、昇降及び回転自在のカッターユニット14と、前記フレーム台13上に載置された第1支持体S1の第1フレームF1を挟持するフレーム押さえ15と、貼り替え用の第2接着テープT2を供給する接着テープ貼り付けユニット50等を備えて構成されている。
【0042】
前記貼り替え部cの機台2上には、支持板6が立設され、前記支持板6にレール6aが敷設されている。前記貼り替えユニット4は、底部の支持枠7に全体が支持されている。前記支持枠7は、前記支持板6に沿って鉛直方向に設けられた支持台8が固定されている。また、支持枠7上に支持板16が立設され、前記支持板16上端に下板10が水平に設けられている。そして、前記支持台8の裏面にはスライダ8aが設けられ、前記スライダ8aは、前記レール6aと移動可能に嵌合している。従って、前記支持台8は、適宜の駆動源(図示しない)により昇降することで、前記貼り替えユニット4が一体に昇降自在になっている。また、前記貼り替えユニット4の中央付近には、前記下板10と間隔を空けて上板9が水平に設けられ、前記上板9と下板10は、複数の支柱11(図4図7参照)で支持されている。
【0043】
前記吸着テーブル12は、前記下板10の中心に立設された支柱17の上端に固定されている。前記吸着テーブル12は、吸着部となる多孔質体12aと該多孔質体12aを保持する外枠12b等から形成される。前記多孔質体12aは、後述するエキスパンドの際に第1接着テープT1を介してチップ化された基板Wを保持し、チップがずれないようにする。なお、前記吸着テーブル12は、チップ化された基板Wのチップずれが発生しないものであれば、多孔質体以外の例えば吸着穴方式のテーブルを用いることも可能であるが、確実にチップを保持する上で、多孔質体が好ましく使用できる。気孔径、気孔率についてもチップの大きさや形状に合わせて適宜のものが使用できる。また、前記吸着テーブル12は、図示しない適宜のヒーターが内蔵され、エキスパンドの際に第1接着テープT1を加熱して、軟化させることも可能である。
【0044】
前記フレーム台13は、矩形状に形成され中央にフレームFの内径とほぼ同径の円形の開口13aが形成されている。また、前記フレーム台13は、前記吸着テーブル12を取り囲むように設けられている。前記フレーム台13は、前記下板10に立設されたバネ等の弾性体18の上端に固定され、前記弾性体18は、前記フレーム台13を上方に付勢するようになっている。従って、前記フレーム台13を上方から押圧することで前記フレーム台13が弾性体18に抗して下降するようになっている。前記フレーム台13の下降量は、予め設定されたチップWa間の拡張比率に応じて、決定されるようになっている。
【0045】
前記カッターユニット14は、第1接着テープT1を切断するカッター刃19と、前記カッター刃19を旋回させるモーター21と、前記カッター刃19を昇降させる昇降手段25等を備える。
【0046】
前記カッター刃19はカッターホルダー20に交換可能に保持されている。前記カッターホルダー20は、スライダ20aとレール20bによって、回転半径を変更し、適宜の位置で固定できるようになっている。また、前記カッターホルダー20は、ドーナッツ形状の回転盤22上に立設されている。また、前記回転盤22の外周にはギア22aが設けられている。詳細は後述するが、前記カッター刃19によって、第1接着テープT1が基板Wの外周で切断されるようになっている。
【0047】
前記昇降手段25は、昇降盤26と、前記昇降盤26を前記下板10に対して昇降自在に支持するガイド27と、前記昇降盤26を昇降駆動するモーター28と、前記モーター28の駆動力を伝達するボールネジ29等を備える。
【0048】
前記昇降盤26は、前記吸着テーブル12の下方に設けられ、その中心に貫通穴が設けられている。また、前記昇降盤26は、前記貫通穴に前記吸着テーブル12の支柱17が挿通され、該支柱17に対して昇降自在になっている。また、前記昇降盤26は、前記下板10に貫通して設けられたガイド27のガイド軸上端に接続され、前記ガイド軸の下端は、支持板30に接続されている。
【0049】
前記ボールネジ29は、上端が下板10に軸支され下端は、前記支持枠7に軸支されている。また、前記ボールネジ29の下端は、前記支持枠7の下方で従動プーリ31が設けられている。また、前記モーター28は、前記支持枠7を介して駆動プーリ32が設けられ、該駆動プーリ32と従動プーリ31との間に無端ベルト33が張設されている。従って、前記モーター28を駆動することで、前記ボールネジ29が回転駆動されるようになっている。
【0050】
前記支持板30は、ナット部材34が設けられ、該ナット部材34は、前記ボールネジ29に螺合している。従って、前記モーター28が回転駆動されると、前記昇降盤26が昇降動するようになっている。
【0051】
前記昇降盤26には、前記回転盤22が軸受26aを介して軸支されている。前記回転盤22は、その外周にギア22aが形成されている。また、前記昇降盤26の下方には、モーター枠26bが固定され、該モーター枠26bを介して前記モーター21が設けられている。前記モーター21は、上方に向けてギア35が接続され、該ギア35は、前記回転盤22の外周に設けられたギア22aと係合している。従って、前記カッターユニット14は、前記モーター21の回転駆動による旋回と、前記モーター28の回転駆動による昇降動とが自在になっている。
【0052】
前記フレーム押さえ15は、前記フレーム台13と前記搬送テーブル40の間に水平に設けられている。前記フレーム押さえ15は、矩形状に形成され、フレームFの内径とほぼ同等の開口15aが形成されている。前記フレーム押さえ15の四隅は、それぞれガイド軸36aの上端に支持されている。前記ガイド軸36aは、前記上板9に設けられたガイド36を介して昇降自在に支持されており、前記ガイド軸36aの下端は、昇降板37に接続されている。前記昇降板37は、左右対称に2連設けられ、それぞれの下面にナット部材37aが固定されている。また、前記下板10と前記上板9との間には、2本のボールネジ38、38が吸着テーブル12を中心に左右対称に立設され、前記下板10と前記上板9にそれぞれ軸支されている。そして、両ナット部材37a、37aがそれぞれボールネジ38、38に螺合している。
【0053】
前記ボールネジ38の一方は、その下端に前記下板10を介してモーター39が接続されることにより、回転自在になっている。また、前記モーター39には、駆動プーリ42が設けられ、無端ベルト43を介してその回転を従動プーリ44に伝達するようになっている。また、前記従動プーリ44には、もう一方の前記ボールネジ38の下端が接続されており、前記両ボールネジ38が同期して回転するようになっている。従って、前記モーター39を回転駆動することで、前記昇降板37が昇降し、ガイド軸36aを介して前記フレーム押さえ15が水平状態で昇降動するようになっている。
【0054】
前記フレーム押さえ15は、下降の際、前記フレーム台13上に載置された第1支持体S1の第1フレームF1を前記フレーム台13との間で挟持しながら下降させるようになっている。前記フレーム台13の下降の際、第1支持体S1の基板W部分は固定された吸着テーブル12に第1接着テープT1を介して吸着保持されているので、前記第1フレームF1の押下げにより、前記第1接着テープT1が引っ張られてエキスパンドされる。
【0055】
前記フレーム押さえ15の下降量は制御可能になっており、前記第1支持体S1の第1接着テープT1の引き伸ばし量を制御することで、第1支持体S1上の基板Wのチップの拡張比率を任意に設定することができる。この拡張比率は、特に制限はないが、例えば0~30%の範囲で好ましく設定できる。
【0056】
次に、貼り替える第2接着テープT2を供給し、基板W及び第2フレームF2に貼り付ける接着テープ貼り付けユニット50について以下に説明する。
【0057】
前記接着テープ貼り付けユニット50は、貼り替え部c上に位置し、第2接着テープT2を供給する供給ロール51と、前記第2接着テープT2に仮着されたセパレータ52を分離して巻き取る回収ロール53と、前記第2接着テープT2の不要部分を巻取る巻取りロール54と、前記第2接着テープT2を第2フレームF2と基板Wに押圧して貼り付ける貼り付けローラ55と、前記第2接着テープT2に所定の張力を付す張力ユニット56と、前記第2接着テープT2を第2フレームF2形状に切断するカッターユニット57等を備えて構成される。
【0058】
前記供給ロール51は、前記第2フレームF2を介して前記基板Wを保持する第2接着テープT2が巻き回されている。なお、第2接着テープT2は、前述の第1接着テープT1と同じものであっても構わない。前記第2接着テープT2は、一方面に粘着層が形成され、該粘着層の表面にセパレータ52が仮着された構成となっている。前記セパレータ52が形成されていないタイプの接着テープを用いることも可能である。
【0059】
前記供給ロール51から供給された第2接着テープT2は、複数のガイドローラ58を経由し、ピンチローラ59で前記セパレータ52が剥離されて、粘着層を下面としながら供給される。前記第2接着テープT2は、その後、張力ユニット56を経由し、ガイドローラ60とピンチローラ61を経由して巻取りロール54に巻き取られるようになっている。前記セパレータ52は、ピンチローラ59で前記第2接着テープT2から分離された後、回収ロール53に巻き取られるようになっている。
【0060】
前記貼り付けローラ55は、前記第2接着テープT2上に設けられ、前記機枠5に支持された支持枠46に軸支されている。また、前記支持枠46には、シリンダ63が設けられ前記貼り付けローラ55を上下動させるようになっている。前記貼り付けローラ55は、図示しない駆動源により、前記第2接着テープT2上を水平動し、第2接着テープT2上を押圧転動して第2フレームF2と基板Wに前記第2接着テープT2を貼り付けるようになっている。また、前記接着テープ貼り付けユニット50の上方には、前記第2接着テープT2が貼り付けられた第2フレームF2に沿って、該第2接着テープT2を円形にくり抜くカッターユニット57が設けられている。
【0061】
前記カッターユニット57は、その全体を昇降させる昇降シリンダ65と、貼り付けられた第2接着テープT2を切断するカッター刃68と、該カッター刃68で切断された第2接着テープT2を第2フレームF2に押し付ける押さえローラ69等を備えて構成されている。
【0062】
前記昇降シリンダ65は、機枠5に立設固定されており、前記昇降シリンダ65のシリンダ軸には、前記カッターユニット57の全体を支持する支持枠64が接続されている。前記支持枠64は、その上面にモーター66が設けられ、該モーター66の軸にカッターホルダー67が旋回可能に設けられている。前記カッターホルダー67の一端は、円形のカッター刃68が設けられ、他端に押さえローラ69が軸支されている。
【0063】
前記昇降シリンダ65を作動させることで、前記カッターユニット57は昇降し、前記カッター刃68及び押さえローラ69が、第2フレームF2に接着された第2接着テープT2に接するようになっている。この状態で、モーター66を回転駆動することで、第2接着テープT2が円形に切断されると共にその切断縁の内側が押さえローラ69によって第2フレームF2に押圧貼り付けされるようになっている。
【0064】
前記張力ユニット56は、複数のガイドローラ62で構成され、第2接着テープT2を傾斜保持しながら、貼り付けローラ56の前方を水平移動して貼り付け時に第2接着テープT2に適宜の張力を付与するようになっている。また、前記張力ユニット56は、第2接着テープT2を貼り付けた後、後退する際にカッターユニット57で切り抜かれた不要の第2接着テープT2を搬送テーブル40から引き剥がすようになっている。
【0065】
前記貼り替え部cは、以上のような構成になっている。次にフレーム回収部f、接着テープ剥離部g及び第2支持体収納部hについて、以下に説明する。
【0066】
前記フレーム回収部fは、貼り替え部cで第1支持体S1の第1接着テープT1が切断されて不要となった第1フレームF1を回収し、収納カセット45に収納するようになっている。前記収納カセット45は、適宜の昇降機構(図示しない)で昇降し、第1フレームF1を多段収納するようになっている。また、前記第1フレームF1は、適宜の搬送機構(図示しない)でフレーム台13上から取り出されて、前記収納カセット45に収納されるようになっている。
【0067】
図1及び図19のように、前記接着テープ剥離部gは、前記機枠5、5を介して、前記フレーム供給部dの反対側に位置し、前記貼り替え部cで貼り替えが完了した第2支持体S2を受け取るようになっている。そして、前記接着テープ剥離部gは、前記第2支持体S2から、不要となった貼り替え前の第1接着テープT1を剥離するようになっている。
【0068】
前記接着テープ剥離部gは、水平動自在の剥離テーブル71と、該剥離テーブル71上に設けられた剥離ユニット72等を備えて構成されている。
【0069】
前記剥離テーブル71は、その上面で前記第2支持体S2を適宜の固定機構(図示しない)で保持するようになっている。また、前記剥離テーブル71の剥離テープRTに沿った前後にマスクM、Mが設けられ、両マスクM、Mは、それぞれ剥離テーブル71に立設された支持枠71aに軸支されている。また、前記マスクMは、表面がフッ素加工等で被粘着処理されており、前記マスクMの先端部は、基板Wの外周に沿う円弧状に形成されてその先端が基板Wに向けて傾斜している。
【0070】
前記マスクMは、前記第2支持体S2が載置固定されると、退避位置から回動して前記第2支持体S2の第2フレームF2を挟持すると共に先端で第2接着テープT2を押さえて覆うようになっている。従って、剥離テープRTを第1接着テープT1上に貼り付ける際に、前記剥離テープRTが第2接着テープT2と貼り付かないようになっている。
【0071】
前記貼り替え部cで貼り替えが完了した前記第2支持体S2は、前記搬送テーブル40上に保持されながら、前記接着テープ剥離部gの側近まで搬送される。搬送された前記第2支持体S2は、機枠5の開口部から適宜の吸着ハンド(図示しない)で取り出され、表裏反転して前記剥離テーブル71上に載置固定されるようになっている。前記反転により、前記第1接着テープT1が貼り付いた基板Wが上面となる。
【0072】
前記機台2上の機枠5と第2支持体S2収納部hの間には、レール70が敷設されている。前記レール70上に、前記剥離テーブル71が設けられ、該剥離テーブル71は、その下面に設けられたスライダ73が、前記レール70に移動自在に嵌合している。そして、前記剥離テーブル71は、適宜の駆動源(図示しない)により、前記レール70に沿って、水平動自在になっている。
【0073】
また、前記レール70の中央付近側方には、前記剥離ユニット72が機台2上に適宜の駆動機構により、昇降自在に立設されている。前記剥離ユニット72は、機台2上に立設された機枠74と、該機枠74に軸支された剥離テープRTの供給ロール75と、前記剥離テープRTを第1接着テープT1に貼り付ける貼り付けローラ77等を備えて構成されている。
【0074】
前記剥離テープRTは、供給ロール75から繰り出され、ガイドローラ76で案内された後、貼り付けローラ77を経由して回収ロール78に巻き取られるようになっている。前記剥離ユニット72の下方に、前記第2支持体S2が剥離テーブル71で搬送されて来ると、前記剥離ユニット72が下降する。そして、前記剥離テープRTが、前記貼り付けローラ77で、前記第1接着テープT1の剥離始端部に押圧される。続いて、前記剥離テーブル71が前進(図示左方向)することで、前記剥離テープRTが、前記第1接着テープT1に貼り付けされるようになっている。
【0075】
前記第1接着テープT1に前記剥離テープRTが接着されると、図20(b)のように、剥離テープRTが供給されながら、前記剥離テーブル71が後退(図示右方向)に移動することで、前記第1接着テープT1が前記剥離テープRTと一体となって剥離され、回収ロール78に巻き取られるようになっている。なお、前記貼り付けローラ77の前方には折り返しローラ82が設けられており、前記剥離テープRTと一体となった第1接着テープT1を鋭角に折り返すようになっている。従って、基板Wに持ち上がりの力が働かないので、基板Wに負荷を掛けることなく第1接着テープT1を剥離できる。
【0076】
前記不要な第1接着テープT1が剥離された貼り替え済みの第2支持体S2は、適宜の搬送機構(図示しない)によって、第2支持体収納部hに搬送される。前記第2支持体収納部hは、複数の第2支持体S2を多段収納する収納カセット79が設けられ、該収納カセット79は、適宜の昇降手段(図示しない)で昇降しながら、1枚ずつ前記第2支持体S2が収納されるようになっている。
【0077】
以上が、本発明の第1の実施形態に係る接着テープ貼り替え装置1の構成であり、次に図10から図17に基づいて、前記接着テープ貼り替え装置1の動作について説明する。図10から図13は、チップWa同士の間隔が比較的大きい拡張比率(例えば5%以上)のときの貼り替え動作を表したものである。
【0078】
図10(a)のように、初期状態では、図示二点鎖線のように吸着テーブル12とフレーム台13が水平状態となるように位置している。この状態で、フレーム台13上に位置決めされた第1支持体S1が載置固定されると共に基板Wを、第1接着テープT1を介して吸着保持する。このとき、必要に応じて吸着テーブル12を加熱し、第1接着テープT1を軟化させるようにしても良い。続いて、図示実線のようにフレーム押さえ15が下降して、第1フレームF1を前記フレーム台13との間で挟持する。さらに、フレーム押さえ15が所定量下降することで、所定の拡張比率で第1接着テープT1が引っ張られて、所定のチップ間隔となるようにエキスパンドされる。なお、吸着テーブル12の上面外周部分は、エキスパンド時に第1接着テープT1を傷付けないように面取りしておくことが好ましい。
【0079】
図10(b)のように、前記第1支持体S1がエキスパンドされた状態で、貼り替えユニット4全体が前記モーター28(図7参照)の駆動により上昇する。そして、前記第1支持体S1のチップWaの表面が、前記搬送テーブル40上の第2フレームF2の第2接着テープT2の貼り付け面と一致する。また、接着テープ貼り付けユニット50の貼り付けローラ55及び張力ユニット56が第2フレームF2の貼り付け始端側に臨む。
【0080】
次に図11(c)のように、前記張力ユニット56が複数のガイドローラ62によって前記第2接着テープT2に所定の張力を付与しながら前進(図示右方向)しながら、貼り付けローラ55が前記第2接着テープT2を押圧転動することで、該第2接着テープT2が第2フレームF2とチップWa上に貼り付けられる。
【0081】
次に図11(d)のように、モーター28を駆動することで、カッターユニット14が上昇し、エキスパンドされた第1接着テープT1の傾斜部分にカッター刃19が突き刺さる。その後、モーター21を駆動することで、カッターユニット14を旋回させ、第1接着テープT1を円形に切断する。続いて、カッターユニット14が、下降して退避するようになっている。上記のように、エキスパンド時に第1接着テープT1の傾斜部分を切断するので、第1接着テープT1の外周は下方に垂れ下がり、貼り替え後の第2接着テープT2へ貼り付かない。
【0082】
また、チップWaを、第1接着テープT1を介して吸着テーブル12の吸着することにより、エキスパンド状態を維持しながら、第1接着テープT1を切断する。これにより、第1接着テープT1に残存する応力が解放された状態で貼り替えが完了する。従って、第1接着テープT1の収縮による貼り替え後のチップWaの倒れ込みが発生しない。
【0083】
次に図12(e)のように、第2接着テープT2を切断するカッターユニット57が昇降シリンダ65の作用で下降する。続いて、モーター66の駆動によりカッター刃68が旋回して、第2接着テープT2が第2フレームF2の形状に沿って円形に切断されると共に押さえローラ69が切断縁を押圧することで、第2接着テープT2が第2フレームF2及びチップWaに貼り付けられる。次にカッターユニット57が上昇して、上方に退避することで、チップWaが第2接着テープT2に貼り替えられる。
【0084】
次に図12(f)のように、貼り付けローラ55及び張力ユニット56が初期位置に退避する。このとき張力ユニット56のガイドローラ62が第2接着テープT2の下面を通過することで、不要となった第2接着テープT2を吸着テーブル12や搬送テーブル40から引き剥がすようになっている。その後、前記貼り替えユニット4全体が下降し、第1接着テープT1から第2接着テープT2への基板Wの貼り替えが完了する。次に、貼り替えが完了した前記第2支持体S2は、搬送テーブル40に保持された状態で、前記接着テープ剥離部gの側方まで搬送される。
【0085】
前記接着テープ剥離部gの側方まで搬送された第2支持体S2は、前記チップWaの貼り付け面が下側の状態となっており、このチップWaの下面には不要となった第1接着テープT1が残存している。従って、この後、前記搬送テーブル40上の第2支持体S2は、機枠5の開口部から適宜の搬送機構(図示しない)によって取り出され、該搬送機構の回転によって、第1接着テープT1側が上面となるように反転された後、剥離テーブル71上に載置される。
【0086】
図19のように、図示二点鎖線位置で、剥離テーブル71上に第1接着テープT1が貼り付いた第2支持体S2が載置され、固定される。続いて、図示実線位置まで前記剥離テーブル71が前進(図示左方向)することにより、剥離テープRTが第2支持体S2表面の第1接着テープT1上に貼り付けられる。
【0087】
前記剥離テープRTが貼り付けられた第2支持体S2は、剥離テーブル71が後退(図示右方向)しながら、剥離テープRTを巻き取ることで、該剥離テープRTと一体に第1接着テープT1が剥離される。なお、剥離の際、図20(b)のように剥離始端側の剥離テープRT及び第1接着テープT1が、折り返しローラ82の下側で鋭角方向(図示左方向)に折り返されることにより、第2支持体S2に上方向の力が作用しないので、該第2支持体S2が持ち上がることがない。また、チップWaにも負荷がかからないので、チップWaの脱落や、チッピング等のチップWaの破損が起こらない。
【0088】
不要な第1接着テープT1が剥離された貼り替え完了済みの第2支持体S2は、前記剥離テーブル71が前進することで、前記第2支持体収納部hの手前まで搬送され、その後、図示しない適宜の搬送機構で前記第2支持体収納部hの収納カセット79に収納される。
【0089】
以上が、拡張比率が5%以上あるときに好ましく使用できる実施形態である。次に拡張比率が0~5%未満のときに好ましく使用できる実施形態について、まず、図1並びに図8及び図9に基づいて説明する。なお、拡張比率が0%のことを非エキスパンド状態とする。
【0090】
本実施形態において、先の第1実施形態と同様の部分は説明を一部省略する。図1において、第1支持体供給部aから取り出された第1支持体S1が、位置決め・ノッチ形成部bの保持テーブル47に載置固定されるところまでは、第1の実施形態と同様である。
【0091】
図8は、前記位置決め・ノッチ形成部bの平面図であり、図9は、図8のD-D方向矢視断面図である。前記位置決め・ノッチ形成部bは、前述の保持テーブル47と、該保持テーブル47に形成された開口47bと対向する下方に設けられたバックアップ81と、前記保持テーブル47の上方に設けられたノッチ形成ユニット80等(位置決め機構については前述のとおりであり、説明を省略する。)から構成されている。
【0092】
前記バックアップ81は、第1支持体S1の基板Wの外周部分に位置する第1接着テープT1の下方に位置している。また、前記バックアップ81は、機台2上に立設されたシリンダ83のシリンダ軸に接続されており、該シリンダ軸の伸長により、前記バックアップ81が上昇して、前記開口47bを介して第1接着テープT1の裏面と接するようになっている。前記バックアップ81は、後述するノッチカッター84で第1接着テープT1にノッチNを形成する際に、第1接着テープT1を裏面から支持するようになっている。なお、バックアップ81は、基板Wの外径に合わせて、位置変更可能としたり、複数設けて選択的に使用したりするようにしても良い。
【0093】
前記ノッチ形成ユニット80は、前記ノッチカッター84と、該ノッチカッター84を昇降させる昇降シリンダ85と、前記ノッチカッター84を水平動させるモーター86等を備えて構成されている。
【0094】
前記ノッチ形成ユニット80は、前記保持テーブル47の側方で機台2上に立設された支柱87aと、前記保持テーブル47の上方に向けて前記支柱87a上に懸架された支持板87bと、前記第1支持体S1中心から外周方向に沿って前記支持板87b上に懸架された支持枠87cとで支持されている。
【0095】
前記支持枠87cに沿ってボールネジ88が軸支され、該ボールネジ88の一端にはモーター86が前記支持枠87cを介して接続されている。また、前記ボールネジ88には、ナット部材89が螺合し、該ナット部材89にノッチカッター84を支持する支持枠90が固定されている。また、前記支持枠90に前記昇降シリンダ85が立設されている。従って、前記モーター86を駆動することで、前記ノッチカッター84が、基板WとフレームF2との間の第1接着テープT1上を移動するようになっている。また、前記昇降シリンダ85を作動させることで、前記バックアップ81と対向する位置で前記ノッチカッター84が昇降するようになっている。
【0096】
前記ノッチカッター84は刃先がV字状に形成されており、前記昇降動作で、第1接着テープT1の剥離始端部にV字状のノッチNを形成するようになっている。前記ノッチNは、本実施形態ではV字状の切込みであるが、先端が鋭角状であれば、形状は限定されない。図17のように前記ノッチNの形成は、ノッチNを形成するごとに、前記保持テーブル47を所定量回転させて、剥離始端部に円周方向に沿って複数の連続したノッチNを形成するようになっている。このノッチNの形成数やノッチNの大きさは、剥離する第1接着テープT1の粘着力や、テープの剛性によって適宜選択できる。
【0097】
前記ノッチNが形成された第1支持体S1は、貼り替え部cの吸着テーブル12及びフレーム台13に載置固定される。次に貼り替え部cに搬送された第1支持体S1の第2接着テープT2への貼り替え動作について図13から図15に基づいて説明する。
【0098】
図13(a)のように、前記フレーム台13に第1支持体S1の第1フレームF1が固定されると共に前記吸着テーブル12によって基板W(チップWa)が吸着保持される。そして、カッター刃19が上昇して第1支持体S1の第1接着テープT1が、図18のように基板Wの外周部分で円形に切断される。このとき、前記ノッチN形成部の切断始端部と切断終端部とが接続されるように切断する。
【0099】
次に図13(b)のように、フレーム押さえ15がモーター39の駆動により下降し、第1フレームF1を挟持すると共にフレーム台13を吸着テーブル12の吸着面より押下げて第1接着テープT1の切断縁を分離する。
【0100】
次に図14(c)のように、貼り替えユニット4を全体で上昇させて、前記基板Wの表面を第2接着テープT2の貼り付け面と一致させるようにする。
【0101】
次に図14(d)のように、貼り付けローラ55で第2接着テープT2が押圧されて、第2フレームF2及び基板Wに第2接着テープT2が一体に貼り付けられる。なお、貼り付け方法は、第1の実施形態と同様である。
【0102】
次に図15(e)のように、カッターユニット57が下降して、旋回することで第2接着テープT2が第2フレームF2に沿って円形に切断されると共に押さえローラ69で第2接着テープT2の切断縁が第2フレームF2に押圧貼り付けされる。その後、カッターユニット57が上昇して退去する。続いて、第1の実施形態のときと同様に前記第2支持体S2が搬送テーブル40によって搬送され、前記接着テープ剥離部gの剥離テーブル71上に載置固定される。
【0103】
前記剥離テーブル71上に第2支持体S2が載置固定されると、前述の第1の実施形態と同様に剥離ユニット72が作用して、第2支持体S2上の不要となった第1接着テープT1に剥離テープRTが貼り付けられる。なお、前記第1接着テープT1の剥離始端部は、基板Wより少しはみ出した状態であるので、そのはみ出し部分が、第2接着テープT2と接して貼り付く場合がある。そこで、前記接着テープ剥離部gには、第1の実施形態に加えて、剥離きっかけ押圧部91が設けられている。該剥離きっかけ押圧部91について、図19から図22に基づいて以下に説明する。
【0104】
前記剥離きっかけ押圧部91は、前記ノッチ形成ユニット80で形成されたV字形状のノッチNの部分に剥離テープRTを押圧して接着するようになっている。前記剥離きっかけ押圧部91は、前記機枠74に支持された支持枠95に形成され、前記剥離テープRTを押圧する押圧ローラ92と、前記押圧ローラ92を昇降させる昇降シリンダ93と、基板Wの剥離始端側の円弧に沿って設けられた円弧状レール94と、前記円弧状レール94に沿って前記押圧ローラ92を走行させる駆動させるシリンダ96等を備えて構成される。
【0105】
前記昇降シリンダ93は、前記支持枠95上に立設され、前記昇降シリンダ93のシリンダ軸下端に昇降枠97が昇降自在に設けられている。前記昇降枠97には、基板Wの剥離始端の円弧に沿うように円弧状レール94が懸架されている。
【0106】
前記押圧ローラ92は、その上部に設けられた揺動枠98に軸支されている。該揺動枠98は、その上部に複数のガイドローラ99が設けられ、前記ガイドローラ99が、前記円弧状レール94を挟持することで該円弧状レール94に沿って前記揺動枠98が前記押圧ローラ92と一体に円弧状に移動するようになっている。
【0107】
図21のように前記円弧状レール94の奥側にシリンダ96が設けられ、該シリンダ96の上端が前記昇降枠97に固定された支持板97aに揺動可能に軸支されている。前記シリンダ96のシリンダ軸の先端は、前記揺動枠98の一端に軸支されており、前記シリンダ軸の伸縮により、前記揺動枠98は、前記円弧状レール94に沿って、円弧運動するようになっている。前記揺動枠98の円弧運動に伴って、図22のように前記押圧ローラ92が、第2支持体S2の第1接着テープT1におけるノッチN上に剥離テープRTを押圧して、貼り付けするようになっている。これにより、第1接着テープT1の剥離始端となるノッチNの部分に剥離テープRTを密着させることができ、前記第1接着テープT1の剥離きっかけが形成される。
【0108】
次に、第2の実施形態における第1接着テープT1の剥離動作について以下に説明する。なお、剥離テープRTを第2支持体S2上の第1接着テープT1に貼り付ける動作までは、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0109】
図20(a)のように、前記第1接着テープT1に剥離テープRTが貼り付けられると、剥離テーブル71が停止し、前記昇降枠97が下降する。そして、図21及び図22のように押圧ローラ92が円弧状に移動することで前記第1接着テープT1のノッチN部分に剥離テープRTを円弧状に押圧し、前記ノッチN部分全体に剥離テープRTが密着される。このノッチN部分への剥離テープRTの密着動作は、前記押圧ローラ92を円弧状に往復駆動するか一方向駆動することで行なうことができる。
【0110】
上記のようにノッチN部分に剥離テープRTが密着されると、第1の実施形態と同様、図20(b)のように剥離テーブル71が後退しながら、剥離テープRTが巻き取られ、折り返しローラ82で剥離テープRTと第1接着テープT1が鋭角に折り返されながら、前記第1接着テープT1が剥離される。このとき、前記ノッチN部分と剥離テープRTが密着しているので、ノッチN部分のV字状の切込みの鋭角部分をきっかけとして第1接着テープT1が剥離されることになる。従って、第1接着テープT1が基板Wの外周にはみ出して、第2接着テープT2と貼り付いていても、両者の貼り付き面積が少ない部分を剥離きっかけとして剥離するので、第1接着テープT1が円滑に剥離され、基板Wが持ち上がってチッピングしたり、破損したりすることがない。
【0111】
以降は、第1の実施形態と同様に、貼り替え後の第2支持体S2が第2支持体収納部hに収納される。以上が、第2の実施形態における貼り替え動作であるが、第1の実施形態及び第2の実施形態は、上記拡張比率に限定されず、適宜その実施形態に合わせて、使い分けすることができる。また、動作機構は、本実施形態に限定されず、発明の範囲内で公知な手段を採用できる。
【符号の説明】
【0112】
N ノッチ
RT 剥離テープ
T1 第1接着テープ
T2 第2接着テープ
F フレーム
F1 第1フレーム
F2 第2フレーム
M マスク
W 基板(ウエハ)
Wa チップ
S1 第1支持体
S2 第2支持体
a 第1支持体供給部
b 位置決め・ノッチ形成部
c 貼り替え部
d フレーム供給部
e フレーム搬送部
f フレーム回収部
g 接着テープ剥離部
h 第2支持体収納部
1 接着テープ貼り替え装置
2 機台
3 切欠き部
4 貼り替えユニット
5 機枠
5a レール
6 支持板
7 支持枠
8 支持台
9 上板
10 下板
11 支柱
12 吸着テーブル
13 フレーム台
13a 開口
14 カッターユニット
15 フレーム押さえ
15a 開口
16 支持板
17 支柱
18 弾性体
19 カッター刃
20 カッターホルダー
20a スライダ
20b レール
21 モーター
22 回転盤
22a ギア
25 昇降手段
26 昇降盤
26a 軸受
26b モーター枠
27 ガイド
28 モーター
29 ボールネジ
30 支持板
31 従動プーリ
32 駆動プーリ
33 無端ベルト
34 ナット部材
35 ギア
36 ガイド
36a ガイド軸
37 昇降板
37a ナット部材
38 ボールネジ
39 モーター
40 搬送テーブル(支持テーブル)
40a 開口
41 スライダ
42 駆動プーリ
43 無端ベルト
44 従動プーリ
45 収納カセット
46 支持枠
47 保持テーブル
47a 固定手段
47b 開口
48 センサ
49 供給カセット
50 接着テープ貼り付けユニット
51 供給ロール
52 セパレータ
53 回収ロール
54 巻取りロール
55 貼り付けローラ
56 張力ユニット
56a ガイドローラ
57 カッターユニット
58 ガイドローラ
59 ピンチローラ
60 ガイドローラ
61 ピンチローラ
62 ガイドローラ
63 シリンダ
64 支持枠
65 昇降シリンダ
66 モーター
67 カッターホルダー
68 カッター刃
69 押さえローラ
70 レール
71 剥離テーブル
71a 支持枠
72 剥離ユニット
73 スライダ
74 機枠
75 供給ロール
76 回収ロール
77 貼り付けローラ
78 回収ロール
79 収納カセット
80 ノッチ形成ユニット
81 バックアップ
82 折り返しローラ
83 シリンダ
84 ノッチカッター
85 昇降シリンダ
86 モーター
87a 支柱
87b 支持板
87c 支持枠
88 ボールネジ
89 ナット部材
90 支持枠
91 剥離きっかけ押圧部
92 押圧ローラ
93 昇降シリンダ
94 円弧状レール
95 支持枠
96 シリンダ
97 昇降枠
98 揺動枠
99 ガイドローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24