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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】粉粒体処理容器および乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 3/02 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
F26B3/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019185367
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2021060163
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000129183
【氏名又は名称】株式会社カワタ
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】帆山 克明
(72)【発明者】
【氏名】野 龍平
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-028151(JP,A)
【文献】特開2002-225981(JP,A)
【文献】特開2017-190921(JP,A)
【文献】特開昭62-051958(JP,A)
【文献】実開平05-046767(JP,U)
【文献】実開昭63-008841(JP,U)
【文献】実開昭62-078696(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を内部空間に貯留する粉粒体処理容器であって、
処理容器本体と、
前記処理容器本体の側壁部に設けられた開口と、
前記側壁部の外面側から、前記開口を閉塞可能な開閉扉と、
前記開閉扉の閉鎖時に、前記側壁部の外面における前記開口の周縁部と前記開閉扉との間に挟まれる、変形可能なシール部材と、
前記側壁部と前記シール部材との間に少なくとも一部が位置し、前記開閉扉に沿って板状に拡がるシールプレートと、
を有し、
前記開閉扉の閉鎖時に、前記シールプレートの少なくとも一部は、前記側壁部の外面における前記開口の縁部のうちの少なくとも一部と前記シール部材との間に挟まれ、これにより、前記シール部材は、前記シールプレートを介して押圧されて径方向に凹む、粉粒体処理容器。
【請求項2】
請求項1に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートの端辺は、前記開口の周縁部の全周に亘って、前記側壁部の外面と前記シール部材との間に挟まれる、粉粒体処理容器。
【請求項3】
請求項2に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シール部材の前記側壁部側の面は、
前記シールプレートに接触する環状の第1領域と、
前記第1領域の外側において前記側壁部に接触する環状の第2領域と、
を有する、粉粒体処理容器。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートは、前記開閉扉の内面にボルトを介して固定される、粉粒体処理容器。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シール部材は前記開閉扉の内面に接着剤を介して固定される、粉粒体処理容器。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
前記側壁部は円筒状の立体形状を有する、粉粒体処理容器。
【請求項7】
請求項6に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートは前記側壁部に沿って薄板状に拡がる、粉粒体処理容器。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートは径方向に弾性変形可能である、粉粒体処理容器。
【請求項9】
請求項8に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートの左辺部および右辺部は、前記左辺部と前記右辺部との間の部位よりも、径方向内側へ傾斜する、粉粒体処理容器。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
前記シールプレートは金属製である、粉粒体処理容器。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
粉粒体は、樹脂成形品の原料となる樹脂ペレットである、粉粒体処理容器。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の粉粒体処理容器であって、
粉粒体処理容器は、内部空間において粉粒体を乾燥させて後続の装置へ供給する乾燥ホッパである、粉粒体処理容器。
【請求項13】
請求項12に記載の粉粒体処理容器と、
粉粒体処理容器の内部空間に連通する吸引口と、
粉粒体処理容器の内部空間へ気体を導入する吹出口と、
前記吸引口と前記吹出口とを繋ぐ配管と、
前記配管内に、前記吸引口から前記吹出口へ向かう気流を発生させる気流発生手段と、
前記配管内を流れる気体を加熱する加熱部と、
粉粒体処理容器から下方へ粉粒体を排出する排出管と、
を有する、乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体または粒体からなる材料(以下「粉粒体」と称する)を内部に貯留する粉粒体処理容器と、当該粉粒体処理容器を有する乾燥装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック製品の成形工程においては、処理対象物である粉粒体に乾燥等の処理を施すために、内部に一時的に粉粒体を貯留する、粉粒体処理容器が用いられる。また、粉粒体処理容器には、内部の視認および内部空間へのアクセスを可能にするための覗窓を含む開閉扉が設けられることがある。例えば、特許文献1には、覗窓(92)を有し、乾燥すべき粉粒体材料等を収容する処理部(90)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-4272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粉粒体処理容器に設けられる開閉扉の多くは、粉粒体処理容器本体の外面または開閉扉の内面に配置された、内部空間の密閉性を確保するための弾性体のシール部材(例えば、ゴム製のパッキン)を介して、取り付けられる。このため、パッキンの厚みに応じた段差部が形成される。段差部は、粉粒体処理容器の内部空間と連続する。このため、粉粒体処理容器の内部空間に存在する粉粒体の一部が段差部へ到達し、パッキンに接触し、または段差部に長時間留まる場合がある。プラスチック製品の成形に用いられる粉粒体は硬度が高いため、パッキンに接触すると、パッキンが削れて粉粒体処理容器の内部へ落下し、製品に混入する虞がある。また、粉粒体が長時間留まると、乾燥等の処理が過度に進むことにより、品質が劣化し、本来の乾燥時間経過後に異物として混入する虞がある。さらに、開閉扉を開閉する際に、段差部に留まっていた粉粒体が粉粒体処理容器の外側へ落下し、余計な清掃作業が必要となり、作業効率が低下する虞がある。
【0005】
そこで、これらの問題を解決するために、パッキンの厚みを薄くすることも考えられる。しかしながら、仮に、パッキンの厚みを薄くすると、粉粒体処理容器本体の外面と開閉扉との間に寸法誤差や歪みがある場合に、内部空間の密閉性を確保することが難しくなるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、粉粒体処理容器の内部空間の密閉性を確保しつつ異物混入を抑制できる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、粉粒体を内部空間に貯留する粉粒体処理容器であって、処理容器本体と、前記処理容器本体の側壁部に設けられた開口と、前記側壁部の外面側から、前記開口を閉塞可能な開閉扉と、前記開閉扉の閉鎖時に、前記側壁部の外面における前記開口の周縁部と前記開閉扉との間に挟まれる、変形可能なシール部材と、前記側壁部と前記シール部材との間に少なくとも一部が位置し、前記開閉扉に沿って板状に拡がるシールプレートと、を有し、前記開閉扉の閉鎖時に、前記シールプレートの少なくとも一部は、前記側壁部の外面における前記開口の縁部のうちの少なくとも一部と前記シール部材との間に挟まれ、これにより、前記シール部材は、前記シールプレートを介して押圧されて径方向に凹む
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートの端辺は、前記開口の周縁部の全周に亘って、前記側壁部の外面と前記シール部材との間に挟まれる。
【0009】
本願の第3発明は、第2発明の粉粒体処理容器であって、前記シール部材の前記側壁部側の面は、前記シールプレートに接触する環状の第1領域と、前記第1領域の外側において前記側壁部に接触する環状の第2領域と、を有する。
【0010】
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートは、前記開閉扉の内面にボルトを介して固定される。
【0011】
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、前記シール部材は前記開閉扉の内面に接着剤を介して固定される。
【0012】
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、前記側壁部は円筒状の立体形状を有する。
【0013】
本願の第7発明は、第6発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートは前記側壁部に沿って薄板状に拡がる。
【0014】
本願の第8発明は、第6発明または第7発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートは径方向に弾性変形可能である。
【0015】
本願の第9発明は、第8発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートの左辺部および右辺部は、前記左辺部と前記右辺部との間の部位よりも、径方向内側へ傾斜する。
【0016】
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、前記シールプレートは金属製である。
【0017】
本願の第11発明は、第1発明から第10発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、粉粒体は、樹脂成形品の原料となる樹脂ペレットである。
【0018】
本願の第12発明は、第1発明から第11発明までのいずれか1発明の粉粒体処理容器であって、前記粉粒体処理容器は、内部空間において粉粒体を乾燥させて後続の装置へ供給する乾燥ホッパである。
【0019】
本願の第13発明は、第12発明の粉粒体処理容器と、前記粉粒体処理容器の内部空間に連通する吸引口と、前記粉粒体処理容器の内部空間へ気体を導入する吹出口と、前記吸引口と前記吹出口とを繋ぐ配管と、前記配管内に、前記吸引口から前記吹出口へ向かう気流を発生させる気流発生手段と、前記配管内を流れる気体を加熱する加熱部と、前記粉粒体処理容器から下方へ粉粒体を排出する排出管と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本願の第1発明~第13発明によれば、粉粒体処理容器の側壁部と、開閉扉の内側のシール部材との間に、板状のシールプレートが挟まれる。これにより、側壁部の開口と開閉扉との間に生じる段差を、容易かつ低コストに低減でき、粉粒体処理容器における密閉性を保ちつつ異物混入を抑制することができる。また、開閉時の粉粒体の漏洩を防止できる。
【0021】
特に、本願の第3発明によれば、シール部材における粉粒体処理容器の側壁部側の面において、当該側壁部に接触する環状の第2領域が形成されることによって、粉粒体処理容器の内部空間の密閉性を確保することができる。
【0022】
特に、本願の第8発明によれば、開閉扉の閉鎖時に、シールプレートが粉粒体処理容器の側壁部に沿って変形することによって、側壁部の開口と開閉扉との間に生じる段差をさらに低減できる。
【0023】
特に、本願の第9発明によれば、シール部材に対してシールプレートの左右の端部が刺さることによる損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】粉粒体処理装置の構成を概念的に示した図である。
図2】制御部と各部との接続を示したブロック図である。
図3】貯留槽の側面図である。
図4】貯留槽の横断面図である。
図5】貯留槽の横断面図である。
図6】開閉扉の側面図である。
図7】開閉扉を閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。
図8】開閉扉を閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。
図9】開閉扉を閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。
図10】変形例に係る開閉扉を閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、後述する貯留槽の記載において、鉛直方向に延びる貯留槽の中心軸と平行な方向を「軸方向」、中心軸に直交する方向を「径方向」、中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。
【0026】
<1.第1実施形態>
<1-1.粉粒体処理装置の全体的な構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置である粉粒体処理装置1の構成を概念的に示した図である。この粉粒体処理装置1は、例えば、プラスチック製品の成形工程において、処理対象物となる粉粒体を処理するために用いられる。ここで、粉粒体とは、例えば、プラスチック等の樹脂成形品の原料となる樹脂ペレット9である。粉粒体処理装置1は、樹脂ペレット9を、後続の装置へ投入する前に予め乾燥させる。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の粉粒体処理装置1は、貯留槽10と、材料供給機構20と、気流循環機構30と、制御部40とを備えている。粉粒体処理装置1は、材料供給機構20から貯留槽10へ原料となる樹脂ペレット9を供給し、貯留槽10の内部において樹脂ペレット9を乾燥させた後、乾燥後の樹脂ペレット9を後続の射出成形機へ排出する。ただし、後続の装置は射出成形機には限られず、例えば、押出成形機、ブロー成形機、または圧縮成形機等の他の装置であってもよい。
【0028】
貯留槽10は、樹脂ペレット9を内部空間に貯留して乾燥させる容器である。貯留槽10は、工場の床面等に配置されてもよく、または床面等に設置された射出成形機の上方に配置されてもよい。貯留槽10の材料には、例えば、ステンレス等の金属が用いられる。貯留槽10の外形を形成する本体部(以下「貯留槽本体100と称する」)は、側壁部11と、底部12と、天板部13とを含む。側壁部11は、中心軸8(後述する図3参照)に沿って延びる略円筒状の立体形状を有する。底部12は、側壁部11の下端部から下方へ向かうにつれて徐々に径方向内側へ収束する漏斗状の部位である。天板部13は、貯留槽10の上部を覆う。なお、貯留槽10の形状は、他の形状であってもよい。例えば、側壁部11の形状は矩形の筒状であってもよい。
【0029】
貯留槽10の内部には、樹脂ペレット9を貯留して乾燥させるための空間が、設けられている。また、本実施形態の貯留槽10には、粉粒体処理装置1の外部からの内部空間の視認および内部空間へのアクセスを可能とする覗窓54を含む開閉扉50(後述する図3参照)が設けられている。貯留槽10における開閉扉50付近の詳細な構造については、後述する。
【0030】
天板部13の上方には、後述する供給ホッパ21が設置されている。供給ホッパ21は、貯留槽10の天板部13に設けられた投入口14を介して、貯留槽10と接続されている。なお、投入口14は、作業者の手動または自動による開閉が可能となっている。また、供給ホッパ21には、後述する供給管22の下流側の端部が接続されている。貯留槽10への樹脂ペレット9の供給時には、供給管22から供給ホッパ21を介して貯留槽10の内部へ、樹脂ペレット9が供給される。
【0031】
また、底部12の下方には、乾燥後の樹脂ペレット9を貯留槽10から下方の射出成形機へ排出する排出管(図示省略)が設置されている。すなわち、本実施形態の貯留槽10は、内部空間において乾燥させた後の樹脂ペレット9を後続の射出成形機へ供給する乾燥ホッパとしての役割を有する。排出管は、底部12に設けられた排出口15を介して、貯留槽10と接続される。また、排出管には、排出口15を、開放状態と閉鎖状態との間で切り替えるバルブが設置される。バルブを開放すると、貯留槽10内の樹脂ペレット9が、排出口15を通って、射出成形機へ排出される。一方、バルブを閉鎖すると、貯留槽10からの樹脂ペレット9の排出が停止される。
【0032】
材料供給機構20は、乾燥処理前の樹脂ペレット9を貯留槽10内へ供給するための機構である。本実施形態の材料供給機構20は、供給ホッパ21と、供給管22と、供給タンク23と、輸送ブロワ24とを有する。
【0033】
供給ホッパ21は、貯留槽10へ供給される前の樹脂ペレット9を、一時的に収容する容器である。上述のとおり、供給ホッパ21は、貯留槽10の天板部13に設けられた投入口14を介して、貯留槽10と接続されている。また、供給ホッパ21の側部には、供給管22の下流側の端部が接続されている。供給管22の上流側の端部は、供給タンク23に接続されている。供給タンク23には、原料となる未乾燥の樹脂ペレット9が収容されている。
【0034】
輸送ブロワ24には、例えば、複数の羽根を有する公知のブロワが用いられる。輸送ブロワ24は、供給ホッパ21と、配管25を介して接続されている。輸送ブロワ24を駆動させると、複数の羽根が回転することにより、配管25側から気体を吸い込み、外部へと排出する気流が発生する。これにより、原料の供給源である供給タンク23内の樹脂ペレット9が、供給管22を経由して供給ホッパ21へ、気力搬送される(図1中の矢印D1参照)。また、投入口14を開放状態にして、気流を停止すると、重力により、供給ホッパ21内の樹脂ペレット9が、投入口14を通って貯留槽10の内部へ落下する。このように、材料供給機構20は、気流の発生と停止とを繰り返すことにより、貯留槽10の内部に、樹脂ペレット9を断続的に供給(バッチ供給)する。
【0035】
ただし、貯留槽10への樹脂ペレット9の供給方法は、必ずしもこのようなバッチ供給でなくてもよい。例えば、負圧による吸引によって、貯留槽10内に樹脂ペレット9を連続的に供給してもよい。また、作業者が、貯留槽10内に樹脂ペレット9を直接投入してもよい。
【0036】
気流循環機構30は、貯留槽10内に乾燥用の熱風を供給するために、気体を循環させる機構である。本実施形態の気流循環機構30は、貯留槽10内へ乾いた気体を供給し、さらに貯留槽10から排出された気体を、再度加熱乾燥させて貯留槽10へ供給することによって、循環させる。図1に示すように、気流循環機構30は、気流循環路31と、フィルタ32と、冷却器33と、乾燥ブロワ34と、水分吸着ユニット35と、加熱部36とを有する。
【0037】
気流循環路31は、上述の循環経路を形成する配管である。気流循環路31の上流側の端部は、貯留槽10の側壁部11の上部に設けられた吸引口16に、接続されている。吸引口16は、貯留槽10の内部空間に連通する。また、気流循環路31の下流側の端部は、貯留槽10の側壁部11を貫通して、貯留槽10の内部空間において開口し、吹出口17を形成している。すなわち、気流循環路31は、吸引口16と吹出口17とを繋ぐ。なお、吹出口17は、樹脂ペレット9が貯留槽10から後続の射出成形機へ排出される前段階における、貯留槽10の内部空間に堆積する樹脂ペレット9によって埋もれる高さに位置する。また、気流循環路31の経路上には、上流側から下流側へ向かって、フィルタ32、冷却器33、乾燥ブロワ34、水分吸着ユニット35、および加熱部36が、設けられている。
【0038】
乾燥ブロワ34には、例えば、複数の羽根を有する公知のブロワが用いられる。乾燥ブロワ34を駆動させると、複数の羽根が回転することにより、気流循環路31内に、吸引口16から吹出口17へ向かう気流が発生する(図1中の矢印D2参照)。これにより、貯留槽10内の気体が、吸引口16から気流循環路31内へ吸引される。
【0039】
その際、貯留槽10から気流循環路31内へ吸引された微細な粉塵は、フィルタ32に捕集される。これにより、フィルタ32の下流側に配置されている機器に粉塵が取り込まれて故障の原因となることが防止される。
【0040】
冷却器33は、貯留槽10から気流循環路31内へ吸引された気体を、例えば、熱交換等の公知の方法によって冷却する。これにより、冷却器33を通過した気体は、水分を除去しやすい状態となる。
【0041】
水分吸着ユニット35は、冷却器33において冷却された後の気体に含まれる水分を吸着(除湿)する装置である。水分吸着ユニット35には、例えば、ハニカム形状のセラミック体等を用いた様々な公知の装置が用いられる。なお、ハニカム形状のセラミック体を用いる場合、セラミック体としては、水分を吸着する性質を有するゼオライトを含むものを用いればよい。
【0042】
加熱部36は、水分吸着ユニット35において除湿された後の気体を、例えば、電熱ヒータ等の公知の装置を用いて加熱する。これにより、加熱部36を通過した気体は、熱風となる。そして、水分吸着ユニット35および加熱部36を通過することによって、乾いた熱風となった気体が、吹出口17から貯留槽10の内部空間へ吹き出される。すなわち、乾いた熱風となった気体が、吹出口17から貯留槽10の内部空間へ導入される。
【0043】
吹出口17から吹き出された、乾いた熱風は、貯留槽10の内部に貯留された樹脂ペレット9の隙間を通って、貯留槽10内に拡散される。これにより、樹脂ペレット9に含まれていた水分が、乾いた熱風へと受け渡される。この結果、樹脂ペレット9が乾燥する。
【0044】
樹脂ペレット9から水分を吸い取った気体は、吸引口16を介して再び気流循環路31内へ吸引された後、冷却器33において冷却され、水分吸着ユニット35において除湿され、さらに加熱部36において加熱された後、貯留槽10内へ送られる。このような気体の循環によって、貯留槽10内において樹脂ペレット9の乾燥処理が進行する。ただし、樹脂ペレット9から水分を吸い取った気体は、吸引口16を介して気流循環路31内へ吸引された後、循環されず、外部へ排出されるようにしてもよい。すなわち、気流循環路31は、循環路としてではなく排気管路として用いられてもよい。この場合、冷却器33や水分吸着ユニット35を省略することもできる。
【0045】
樹脂ペレット9の乾燥処理が終了すると、乾いた樹脂ペレット9は、貯留槽10から後続の射出成形機へと排出される。その後、次の未乾燥の樹脂ペレット9が、供給タンク23内から供給管22を経由して供給ホッパ21へ気力搬送され、貯留槽10の内部へ落下することによって、堆積する。そして、貯留槽10内において、再び乾燥処理が行われる。
【0046】
制御部40は、粉粒体処理装置1の各部を動作制御するための手段である。図2は、制御部40と、粉粒体処理装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図2に示すように、制御部40は、上述した輸送ブロワ24、冷却器33、乾燥ブロワ34、水分吸着ユニット35、および加熱部36と、それぞれ電気的に接続されている。制御部40は、CPU等の演算処理部やメモリを有するコンピュータにより構成されていてもよく、あるいは、電気回路により構成されていてもよい。制御部40は、予め設定されたプログラムや外部からの入力信号に基づき、上述の各部を動作制御する。すなわち、上述のハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、粉粒体処理装置1の各部が機能する。これにより、粉粒体処理装置1における樹脂ペレット9の処理が進行する。ただし、輸送ブロワ24および乾燥ブロワ34については、制御部40から切り離して、作業者が手動で操作するようにしてもよい。
【0047】
<1-2.開閉扉付近の詳細な構造>
続いて、貯留槽10における開閉扉50付近の詳細な構造について、説明する。図3は、貯留槽10の側面図である。図4は、図3のI-I位置を上方から見たときの貯留槽10の横断面図である。図3および図4に示すように、本実施形態の側壁部11は、内側側壁部111と外側側壁部112との2層構造を有する。内側側壁部111および外側側壁部112はそれぞれ、中心軸8に沿って延びる略円筒状の立体形状を有する。なお、貯留槽10の構造はこのような構造には限定されない。例えば、側壁部11は、1層構造であってもよく、3層以上の構造であってもよい。
【0048】
内側側壁部111には、内側開口110が設けられている。内側開口110は、内側側壁部111の径方向内側の空間(貯留槽10の内部空間)に繋がる開口である。外側側壁部112には、外側開口120が設けられている。外側開口120は、外側側壁部112の径方向内側の空間に繋がる開口である。開閉扉50は、当該開閉扉50のうち径方向外側の部位が外側開口120に嵌まるように、側壁部11に保持されている。具体的には、図3および図4における開閉扉50の左側の端部は、外側側壁部112の外面に、ヒンジ51を介して接続されている。また、開閉扉50の右側の端部は、側壁部11の外面に固定された係合部52に係合可能な構造を有している。
【0049】
これにより、開閉扉50は、右側の端部が開閉方向D3に移動可能となり、側壁部11の外面側から内側開口110を閉塞することが可能となる。一方で、貯留槽10の内部空間の清掃を行う場合や、貯留槽10の内部空間にある樹脂ペレット9の様子を直接確認したい場合等に、開閉扉50を開放することによって、内部空間へのアクセスが可能になる。ただし、開閉扉50は、図3および図4における右側の端部においてヒンジ51を介して接続され、左側の端部において径方向に移動可能な構造であってもよい。すなわち、開閉扉50は、左右の一方の端部が、側壁部11の外面にヒンジ51を介して接続され、左右の他方の端部が、径方向に移動可能な構造であればよい。
【0050】
なお、図4に示すように、開閉扉50の横断面は、側壁部11の湾曲に沿う円弧形状である。開閉扉50は、内側板501と外側板502との2層構造を有する。また、図3に示すように、開閉扉50の周方向(左右方向)の中央部付近には、貫通孔53が設けられている。貫通孔53は、内側板501および外側板502をそれぞれ貫通しつつ、軸方向に延びる。貫通孔53には、無色透明の板状の部材(例えばガラス板)が隙間なく嵌合されることによって、覗窓54が形成されている。この結果、開閉扉50を閉鎖して内部空間の密閉性を確保しつつ、さらに、覗窓54を介して外部から内部空間の様子を、視認することができる。
【0051】
図5は、図3のI-I位置を上方から見たときの貯留槽10の横断面図である。なお、図5は、開閉扉50を閉鎖した状態を図示している。図5中の拡大図に示すように、開閉扉50の内側板501の内面には、パッキンであるシール部材60が固定されている。シール部材60の材料には、例えば、シリコンスポンジやフッ素スポンジ等の、変形しやすい素材が用いられる。図6は、開閉扉50の側面図である。図6では、図5の開閉扉50の径方向D4内側に位置する内側開口110およびシール部材60を破線およびハッチングにて図示している。図6に示すように、シール部材60は、開閉扉50を閉鎖したときに、側壁部11の内側開口110の周縁部付近の全周に亘って位置するように、開閉扉50の内側に接着剤を介して固定される。また、図5に示すように、シール部材60は、開閉扉50の閉鎖時に、内側側壁部111の外面のうちの内側開口110の周縁部と、開閉扉50との間に、径方向D4に挟まれる。
【0052】
さらに、本実施形態の開閉扉50には、シールプレート55が固定されている。貯留槽10を側方から見たときに、シールプレート55は、側壁部11の内側開口110よりもやや大きく、シール部材60が囲う領域よりもやや小さい。シールプレート55の材料には、例えば、ステンレス等の金属が用いられる。ただし、シールプレート55の材料には、樹脂等の、開閉扉50の閉鎖時の押圧力で変形可能な他の部材が用いられてもよい。シールプレート55は、開閉扉50の内側板501の内面(覗窓54の上側および下側)に、ボルト56を用いたボルト止めによって固定される。これにより、シールプレート55は、ボルト56の右側および左側において、径方向D4に弾性変形可能となっている。
【0053】
なお、後述のとおり、開閉扉50の閉鎖時において、シールプレート55の端辺(上辺部、下辺部、右辺部553、および左辺部554)は、内側側壁部111とシール部材60との間に位置し、内側側壁部111および開閉扉50に沿って薄板状に拡がる。ただし、開閉扉50の開放時においては、シールプレート55は、必ずしも内側側壁部111および開閉扉50に沿った形状となっていなくてもよい。また、シールプレート55は、開閉扉50の内側板501の内面に、ボルト止め以外の方法によって固定されてもよく、または開閉扉50の一部に別部材(板や紐等)を介して接続されるのみでもよい。或いは、シールプレート55は、シール部材60に接着剤等で貼り付けられていてもよい。さらに、シールプレート55は、開閉扉50の閉鎖時にシール部材60と内側側壁部111との間に挟まれてさえいれば、開閉扉50の閉鎖時以外にはある程度自由な状態でも問題はなく、完全に固定されていなくてもよい。なお、シールプレート55のうち上述の開閉扉50の覗窓54と径方向D4に重なる位置には、覗窓54と同等の構造を有する覗窓(図示省略)が形成されている。また、シールプレート55と開閉扉50との間に、さらに断熱材が配置されてもよい。
【0054】
図7図9はそれぞれ、開閉扉50を閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。なお、図7図9では、各部材の形状を簡略化して図示している。例えば、開閉扉50の左側端部の付近は、実際にはヒンジ51を介して側壁部11の外面に接続されているため移動せず、一方で右側端部の付近は大きく移動する構造を有しているが、図7図9では、左側端部の付近と右側端部の付近とが同等の距離を移動するように図示している。なお、図7は、開閉扉50によって側壁部11の内側開口110が閉塞される直前の状態を示している。図8は、開閉扉50によって側壁部11の内側開口110が閉塞される途中の状態を示している。図9は、開閉扉50によって側壁部11の内側開口110が閉塞された後の状態を示している。上述のとおり、シールプレート55は、開閉扉50の内面にボルト56を介して固定されているが、シール部材60とは固定されていない。このため、シールプレート55は、シール部材60および内側側壁部111に対して相対移動が可能となっている。
【0055】
図7および図8に示すように、開閉扉50の閉鎖時には、シール部材60よりも先に、シールプレート55の端辺である上辺部、下辺部、右辺部553、および左辺部554が、内側側壁部111の外面に接触する。これにより、シールプレート55は押圧され、径方向D4および周方向D5へ変位し、内側側壁部111の湾曲形状に沿った形状となる。また、シール部材60がシールプレート55を介して押圧されることにより、シールプレート55の上辺部よりも下側、下辺部よりも上側、右辺部553よりも左側、および左辺部554よりも右側において、シール部材60が径方向D4の外側へ凹む。
【0056】
図9に示すように、開閉扉50が完全に閉鎖されると、シールプレート55の上辺部よりも上側、下辺部よりも下側、右辺部553よりも右側、および左辺部554よりも左側において、シール部材60が、内側側壁部111に接触する。すなわち、シール部材60の径方向内側(内側側壁部111側)の面には、シールプレート55に接触する環状の第1領域A1と、第1領域A1の外側において、シールプレート55の周縁部の全周に亘って、内側側壁部111の外面に接触する環状の第2領域A2とが形成される。当該環状の第2領域A2が形成されることによって、貯留槽10の内部空間の密閉性が十分に確保される。
【0057】
また、シールプレート55の端辺である上辺部、下辺部、右辺部553、および左辺部554が、内側開口110の周縁部の全周に亘って、内側側壁部111の外面とシール部材60との間に径方向D4に挟まれる。これにより、内側開口110とシール部材60と開閉扉50との間に生じる段差を、容易かつ低コストに低減できる。この結果、樹脂ペレット9が当該段差部へ到達してシール部材60に接触してシール部材60が削れて貯留槽本体100の内部空間へ落下し、製品に混入することを抑制できる。また、樹脂ペレット9が段差部に長時間留まって乾燥処理が過度に進むことにより品質が劣化し、本来の乾燥時間経過後に、当該劣化した樹脂ペレット9が異物として混入することを抑制できる。さらに、開閉扉50を開閉する際に、段差部に留まっていた樹脂ペレット9が貯留槽10の外側へ落下し、余計な清掃作業が発生することを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、金属製の貯留槽本体100に対して、薄板状に拡がる金属製のシールプレート55を接触させる。これにより、仮にシール部材60を貯留槽本体100に接触させる場合と比べて、シールプレート55を内側側壁部111の表面に沿ってより滑らかに滑らせることができ、内側側壁部111の湾曲形状に沿った形状となるように変形させることができる。この結果、内側開口110がより隙間なく覆われるため、内側開口110とシール部材60と開閉扉50との間に生じる段差がさらに低減される。
【0059】
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0060】
上述の実施形態では、シール部材60は、開閉扉50の内側に接着剤を介して固定されていた。しかしながら、シール部材60は、シールプレート55の上辺部付近、下辺部付近、右辺部553付近、および左辺部554付近の外面に接着剤を介して固定されてもよい。この場合、シール部材60は、シールプレート55の上辺部付近の部位、下辺部付近の部位、右辺部553付近の部位、および左辺部554付近の部位とともに、開閉扉50に対しての相対移動が可能になる。また、この場合でも、開閉扉50の閉鎖時において、シールプレート55の上辺部よりも上側、下辺部よりも下側、右辺部553よりも右側、および左辺部554よりも左側において、シール部材60が、内側側壁部111に接触する。この結果、貯留槽10の内部空間の密閉性が十分に確保される。
【0061】
図10は、変形例に係る開閉扉50Bを閉鎖する様子を模式的に示す部分上面図である。本変形例のシールプレート55Bの右辺部553Bおよび左辺部554Bはそれぞれ、右辺部553Bと左辺部554Bとの間の部位よりも、径方向内側へ傾斜する。これにより、開閉扉50Bの閉鎖時にシール部材60Bがシールプレート55Bから押圧される際に、シール部材60Bに対してシールプレート55Bの右辺部553Bと左辺部554Bが刺さることによるシール部材60Bの損傷を防止できる。なお、本変形例においても、シールプレート55Bは内側側壁部111Bの外面に接触して押圧され、径方向D4および周方向D5へ変位し、内側側壁部111Bの湾曲形状に沿った形状となる。さらに、シールプレート55Bの右辺部553Bおよび左辺部554Bはそれぞれ、右辺部553Bと左辺部554Bとの間の部位よりも径方向内側へ湾曲するような構造であってもよい。
【0062】
上述の実施形態および変形例では、シールプレートは、内側側壁部の内側開口よりもやや大きく、シール部材が囲う領域よりもやや小さい構成であった。そして、開閉扉の閉鎖時には、シールプレートの端辺である上辺部、下辺部、右辺部、および左辺部が、内側側壁部の開口の周縁部の全周に亘って、内側側壁部の外面とシール部材との間に径方向に挟まれるように構成されていた。しかしながら、シールプレートの端辺は、必ずしも側壁部の開口の周縁部の全周に亘って、内側側壁部の外面とシール部材との間に径方向に挟まれる構成でなくてもよい。上述のとおり、樹脂ペレットは、貯留槽の上部の投入口から貯留槽本体の内部へ落下し、堆積する。このため、仮にシールプレートが設けられない場合、内側側壁部の開口とシール部材と開閉扉との間に生じる段差のうち、当該開口の下縁部の付近において、樹脂ペレットが最も堆積する。このため、当該開口の下縁部の付近の段差を低減すればよい。つまり、この場合、開閉扉の閉鎖時に、シールプレートの少なくとも下辺部が、側壁部の外面における開口の下縁部とシール部材との間に径方向に挟まれる構成であればよい。さらに、貯留槽の形状や投入口の位置を変更する場合には、変更後の樹脂ペレットの投入方向や堆積しやすい箇所に合わせて、シール部材およびシールプレートを配置すればよい。つまり、本発明は、開閉扉の閉鎖時に、シールプレートの少なくとも一部が、側壁部の外面における開口の縁部とシール部材との間に挟まれる構成を有していればよい。さらに、シールプレートの下辺部付近以外の部位は、シール部材が囲う領域より大きくてもよい。例えば、シールプレートの上辺部は、シール部材よりも上側まで拡がっていてもよい。
【0063】
上述の実施形態および変形例では、側壁部は、略円筒状の立体形状を有していた。また、開閉扉の横断面およびシールプレートの横断面はそれぞれ、側壁部の湾曲に沿う円弧形状を有していた。しかしながら、側壁部は、矩形の筒状であってもよい。また、開閉扉の横断面およびシールプレートの横断面はそれぞれ、側壁部に沿う長方形状を有していてもよい。さらに、側壁部の開口の形状は、上述の実施形態および変形例に開示された長方形状でなくてもよい。この場合、シールプレートの形状を、開口の形状に合わせて変更すればよい。
【0064】
上述の実施形態および変形例では、貯留槽の内部に貯留された樹脂ペレットを乾燥させるために、乾いた熱風を供給していた。しかしながら、乾いた熱風の代わりに、窒素ガスまたはアルゴンガス等の他の不活性ガスを供給してもよい。また、乾燥させずに加熱のみを行った通常の熱風を貯留槽の内部に供給することによって樹脂ペレットを加熱し、樹脂ペレットに含まれる水分を蒸発させることによって、樹脂ペレットを乾燥させてもよい。さらに、貯留槽の内部空間を減圧することによって、樹脂ペレットに含まれる水分を蒸発させることにより、樹脂ペレットを乾燥させてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態および変形例では、気力発生源として輸送ブロワおよび乾燥ブロワを用いていた。しかしながら、これらに代えて、例えば、圧縮エアやガスボンベ等を用いて気流を発生させてもよい。
【0066】
また、粉粒体処理装置の細部の構成については、本願の図1に示された構成と、相違していてもよい。例えば、気流循環路の経路途中に設けられる各機器の配置の順序が、図示したものとは異なっていてもよいし、水分吸着ユニット等の一部の機器を省略してもよい。また、気流循環路は、必ずしも、貯留槽からの気流を再び貯留槽へと戻す循環路でなくてもよく、気流循環路の途中に、貯留槽が配置されていればよい。
【0067】
また、上述の実施形態および変形例に開示された貯留槽は、内部空間において粉粒体を乾燥させて後続の装置へ供給する乾燥ホッパであった。しかしながら、本発明の貯留槽は、内部空間において粉粒体に対して乾燥以外の処理を行った後に後続の装置へ供給する装置であってもよい。また、本発明の貯留槽は、内部空間において粉粒体を単に貯留または保存しつつ、何らかの処理を行う容器であってもよい。すなわち、上述の実施形態または変形例における「貯留槽」は「粉粒体処理容器」と読み替えられるものとし、上述の実施形態または変形例における「貯留槽本体」は「処理容器本体」と読み替えられるものとする。
【0068】
また、本発明の粉粒体処理装置は、樹脂ペレット以外の粉粒体を処理対象とするものであってもよい。例えば、樹脂ペレットに代えて、医薬品、化学製品、食品、建材等の様々の分野で用いられる粉粒体を処理対象としてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 粉粒体処理装置
8 中心軸
9 樹脂ペレット
10 貯留槽(粉粒体処理容器)
11 側壁部
12 底部
13 天板部
14 投入口
15 排出口
16 吸引口
17 吹出口
20 材料供給機構
21 供給ホッパ
22 供給管
23 供給タンク
24 輸送ブロワ
30 気流循環機構
31 気流循環路
32 フィルタ
33 冷却器
34 乾燥ブロワ
35 水分吸着ユニット
36 加熱部
40 制御部
50,50B 開閉扉
51 ヒンジ
52 係合部
53 貫通孔
54 覗窓
55,55B シールプレート
56 ボルト
60,60B シール部材
100 貯留槽本体(処理容器本体)
110 内側開口
111,111B 内側側壁部
112 外側側壁部
553,553B 右辺部
554,554B 左辺部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10