(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】セラミック光樹脂配合物
(51)【国際特許分類】
B29C 64/314 20170101AFI20231204BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20231204BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231204BHJP
B33Y 70/10 20200101ALI20231204BHJP
【FI】
B29C64/314
B29C64/106
B33Y10/00
B33Y70/10
(21)【出願番号】P 2020569942
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(86)【国際出願番号】 US2019037351
(87)【国際公開番号】W WO2019241731
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-21
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ステシコワ,エルヴィラ
(72)【発明者】
【氏名】ゲッチュ,マーク アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,ナサン デーン
(72)【発明者】
【氏名】ボーム,サラ ジェイ
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-143247(JP,A)
【文献】特開2017-132092(JP,A)
【文献】特表2019-525967(JP,A)
【文献】国際公開第2017/207366(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106007671(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/10,64/106,64/20,64/30,
64/314,64/40
B33Y 10/00,30/00,40/00,50/00,70/00,
70/10,80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック光樹脂組成物であって、エチレン性不飽和UV硬化性組成物と、全組成物に基づいて少なくと
も70重量%のセラミック組成物と、を含み、且つ
前記セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて
、85重量%
~99重量%のシリカおよ
び1重量%
~15重量%のジルコンを含む
、セラミック光樹脂組成物。
【請求項2】
前記組成物が、全組成物に基づいて
、70重量%
~95重量%の前記セラミック組成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、全組成物に基づいて、少なくと
も75重量%の前記セラミック組成物を含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記セラミック組成物が、シリカおよび任意選択でジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、イットリア、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて、少なくと
も50重量%のシリカを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記シリカが
、100μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含む、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
前記シリカが
、50μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記シリカ粒子が
、0.5μm
~15μmのサイズを有する第1の粒子と
、50μm未満のサイズを有する第2の粒子と、を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記セラミック組成物が
、60重量%
~84重量%の前記第1の粒子と
、15重量%
~35重量%の前記第2の粒子と
、1重量%
~5重量%のジルコンと、を含む、請求項7または請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記エチレン性不飽和UV硬化性組成物が、1つ以上の官能基を含むエチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーが、第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーが、ジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーが、式Aの1つ以上の化合物を含み、
【化1】
式中、
R
1が、HまたはC
1~C
6アルキルであり、
R
2が、Hまたは
【化2】
であり、
R
3、R
4、およびR
5が、独立して、HまたはCH
3であり、
X、Y、およびZが、独立して、存在しないか、またはC
1~C
6アルキレン基であり、
pが、0または1であり、
各出現時のwが、独立して、1、2、または3であり、
qが、0または1~100の整数であり、
tが、0または1~100の整数であり、
r、s、u、およびvが、独立して、0、1、2、3、または4であり、
但し、q+tが、100以下である、請求項11または請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーが、1つ以上の官能基を含む第2のモノマーまたはオリゴマーをさらに含む、請求項10~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記第2のモノマーまたはオリゴマーが
、4000g/モル未満の分子量を有する第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、ジ(メタ)アクリレートを含み、前記(メタ)アクリレートが、C、N、O、Si、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む6個以上の原子のリンカーによって接続されている、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記第1のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項10~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項14~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、全組成物に基づいて
、5重量%
~30重量%の前記エチレン性不飽和UV硬化性組成物を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、光開始剤をさらに含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、配合添加剤をさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記配合添加剤が、尿素-ポリオール-脂肪族コポリマー、ポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、アルコキシル化ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ベンジルピリジニウム-3-カルボキシレート、第四級アンモニウム化合物、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性トリブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、脂肪族ジカルボン酸の混合物、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、水中のアクリルコポリマーエマルジョン、アクリルブロックコポリマー、高分子量の不飽和カルボン酸、変性硬化ヒマシ油、脂肪酸変性ポリエステル、アルコールアルコキシレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記配合添加剤が
、7以下の親水性-親油性バランス(HLB)を有する、請求項21または請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、UV吸収剤をさらに含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、全組成物に基づいて、0より大き
く0.2重量%未満の前記UV吸収剤を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
硬化中のUV光の透過深さが
、0.1mm
~0.2mmである、請求項24または請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が
、3500cP
~5000cPの粘度を有する、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、3D印刷組成物である、請求項1~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
セラミック光樹脂組成物であって、
5重量%
~30重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物と、
70重量%
~95重量%のセラミック組成物と、
0.05重量%
~5重量%の光開始剤と、
0.2重量%
~3重量%の配合添加剤と、
0より大き
く0.2重量%未満のUV吸収剤と、を含み、
前記組成物が
、3500cP
~5000cPの粘度を有し、
前記エチレン性不飽和UV硬化性組成物が、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み、
セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて
、85重量%
~99重量%のシリカおよ
び1重量%
~15重量%のジルコンを含み、前記シリカが
、100μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含
む、セラミック光樹脂組成物。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか1項に記載の組成物のUV硬化連続層を含む、3D印刷物品。
【請求項31】
請求項30に記載の3D印刷物品を使用して金属部品を鋳造するための方法。
【請求項32】
請求項1~29のいずれか1項に記載の組成物を生成するための方法であって、
前記エチレン性不飽和UV硬化性組成物、ならびに任意選択で前記光開始剤、前記配合添加剤、および/または前記UV吸収剤を提供して、第1の混合物を提供することと、
前記第1の混合物を混合および加熱することと、
任意選択で、前記第1の混合物に光開始剤を添加することと、
前記セラミック組成物を前記第1の混合物に添加して第2の混合物を提供することと、
前記第2の混合物を混合することと、を含む、方法。
【請求項33】
三次元印刷物品を生成するための方法であって、請求項1~29のいずれか1項に記載のUV硬化性組成物のうちの1つ以上の連続層を塗布して三次元物品を製作することと、UV照射で前記連続層を照射することと、を含む、方法。
【請求項34】
前記UV照射が
、300nm
~500nmの波長を含
む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記照射が
、0.5秒未満行われ
る、請求項33または請求項34に記載の方法。
【請求項36】
2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール及びヒドロキシフェニル-s-トリアジンから成る群から選ばれる、少なくとも1種のUV吸収剤を含む、請求項1~29の何れか1項に記載のセラミック光樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/815,885号および2018年6月15日に出願された同第62/685,686号に対する優先権の利益を主張する国際特許出願である。これらの出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、セラミック光樹脂組成物に関し、より具体的には、デジタル光処理技術の利用を含む3D(三次元)印刷での使用に適したセラミック光樹脂組成物に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、セラミック物品を生成するための改善された機能性を有するセラミック光樹脂組成物を提供する。組成物は、大判プリンターならびに小判プリンターでの使用に有利である可能性がある。
【背景技術】
【0003】
3D印刷とも呼ばれる付加製造は、設計と製造に関して創造性、創意工夫、斬新な成果を約束する。この技術は、ユーザーが正確に高レベルの複雑さを有する物品を設計および生成できるという点で魅力的である。この技術は、ユーザーに様々な物品を作成するように促すことに成功しているが、アウトプットは通常、プロトタイプ、交換部品、および装身具に限定されている。多くの場合、付加製造によって生成されたセラミック物品は、壊れやすく、解像度が低く、ミクロまたはマクロレベルで生成するには費用がかかる。3D印刷材料に関連するその他の問題には、黄変をもたらす環境安定性の低さ、湿気に対する耐性の低さ、およびオブジェクトの膨張と可塑化に寄与する溶剤が含まれる。
【0004】
現在利用可能なセラミック光樹脂組成物の1つの重大な欠点は、硬化中の圧倒的な光散乱および深い光透過であり、これは、構築された部品のより低い精度および精密さをもたらす。さらなる問題には、沈降に対する不十分な安定性および層間剥離につながる不十分な層間接着が含まれる。UV光の透過のより良い制御、沈降の低減、層間の接着、および印刷精度を有する改良された組成物が必要である。
【0005】
したがって、付加製造および/または3D印刷に関連して使用するために、樹脂などの改良されたセラミック光樹脂組成材料を提供する機会が残っている。大判オブジェクトの製造を可能にする改良された材料を提供する機会も残っている。さらに、費用効果が高く、実用性が向上し、材料の機能性が強化された、斬新で生産性の高い組成物を提供する機会が残っている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、本技術は、エチレン性不飽和UV硬化性組成物と、全組成物に基づいて少なくとも約70重量%のセラミック組成物とを含むセラミック光樹脂組成物を提供する。いずれかの実施形態では、組成物は、3D印刷組成物であり得る。別の態様では、本技術は、セラミック光樹脂組成物を作製するための方法およびそれから3D印刷物品を作製するための方法を提供する。
【0007】
セラミック光樹脂組成物を使用して生成された物品(例えば、3D印刷物品)は、限定されないが、沈降に対する安定性の向上、高いセラミック負荷で比較的低い粘度、良好な層間接着、過硬化の減少、ひび割れの減少、茶色の状態(つまり、焼結後)での適切な密度と多孔性、および/またはより正確な3D印刷物品を含む改善された特性を有し得る。例えば、本技術のセラミック光樹脂組成物は、およそ100μm未満の所望の表面解像度を有する物品の製造を可能にし得る。セラミック光樹脂組成物を使用して製造するための物品には、インベストメント鋳造用のセラミックモールド、コアおよび部品、ならびに航空宇宙、歯科、電子機器および消費者用途のための交換部品の製造を含む他の用途が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例による、フォーミュラAの3Dプリントタワーの異なるタワー高さ(インチ)でのセラミック含有量(重量%)を示すグラフである。
【
図2】実施例による、フォーミュラBの3Dプリントタワーの異なるタワー高さ(インチ)でのセラミック含有量(重量%)を示すグラフである。
【
図3】実施例による、フォーミュラCの3Dプリントタワーの異なるタワー高さ(インチ)でのセラミック含有量(重量%)を示すグラフである。
【
図4】実施例によるフォーミュラB、C、およびDの層間接着を示す写真である。
【
図5】実施例による、配合物中のUV吸収剤の濃度(重量%)と比較した硬化の深さ(D
p、mm)のグラフである。
【
図6A】硬化時の紫外線吸収剤の添加を示す写真である。
図6Aは、実施例による、UV吸収剤を含まない配合物から作製された3D印刷物品を示し、
図6Bは、UV吸収剤を含む配合物から作製された同様の物品を示す。
【
図6B】硬化時の紫外線吸収剤の添加を示す写真である。
図6Aは、実施例による、UV吸収剤を含まない配合物から作製された3D印刷物品を示し、
図6Bは、UV吸収剤を含む配合物から作製された同様の物品を示す。
【
図7】実施例による、様々な濃度(重量%)で様々なUV吸収剤を含む配合物の硬化の深さ(D
p、mm)を示す散布図である。
【
図8】実施例による、様々なUV硬化剤量(mJ/cm
2)での硬化樹脂組成物9-1、9-2、および9-4の貯蔵弾性率(Pa)を示すグラフである。
【
図9】実施例による、様々なUV硬化剤量(mJ/cm
2)での硬化樹脂組成物9-4および9-5の貯蔵弾性率(Pa)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な実施形態を以下に記載する。具体的な実施形態は、網羅的な説明として、または本明細書で論じられるより広範な態様への限定として意図されていないことに留意されたい。特定の実施形態に関連して説明される一態様は、必ずしもその実施形態に限定されず、任意の他の実施形態で実施することができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、「約(about)」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化するであろう。当業者に明らかでない用語の使用がある場合、それが使用される文脈を前提として、「約」は、特定の用語の最大±10%を意味する。
【0011】
要素を説明する文脈において(特に以下の請求項の文脈において)「1つの(a)」および「1つの(an)」ならびに「その(the)」という用語ならびに同様の指示語の使用は、本明細書で特に明記しない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形のどちらも包含すると解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で別途指示がない限り、範囲内に含まれる各個別の値を個別に参照する簡略法として機能することのみを意図し、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されているのと同様に本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書で別途指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に明記しない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、請求されていないあらゆる要素を、必須として示すものと解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で使用される場合、「アルキル」または「アルカン」基は、1~約20個の炭素原子、典型的には1~12個の炭素、またはいくつかの実施形態では1~8もしくは1~6個の炭素原子を有する直鎖(straight chain)および分岐アルキル基を含む。本明細書で採用される場合、「アルキル基」には、以下に定義されるようなシクロアルキル基が含まれる。アルキル基は、置換または非置換であり得る。直鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチル基が含まれる。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、およびイソペンチル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、例えば、アミノ、チオ、ヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、ならびに/またはF、Cl、Br、およびI基などのハロ基で1回以上置換され得る。本明細書で使用される場合、ハロアルキルという用語は、1つ以上のハロ基を有するアルキル基である。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、ハロアルキルあたりの基を指す。一般に、アルキル基は、上記のものに加えて、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1.3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3.3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルヘプチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、ノニル、デシル、n-ウンデカノール、n-ドデシル、n-トリデシル、イソトリデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0013】
本技術の化合物内に2つ以上の結合点(すなわち、二価、三価、または多価)を有する本明細書に記載の基は、接尾辞「エン」の使用によって示される。例えば、二価のアルキル基は、アルキレン基であり、二価のアリール基は、アリーレン基であり、二価のヘテロアリール基は、二価のヘテロアリーレン基などである。本技術の化合物への単一の付着点を有する置換基は、「エン」指定を使用して言及されない。
【0014】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」は典型的には、2~20個の炭素原子、または2~12個の炭素原子、またはいくつかの実施形態では2~8個の炭素原子を有する二価アルキル基を指す。アルキレン基は、置換または非置換であり得る。直鎖アルキレン基の例には、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン、n-ヘプチレン、およびn-オクチレン基が含まれる。代表的なアルキル基は、例えば、アミノ、チオ、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、ならびに/またはF、Cl、Br、およびIなどのハロ基で1回以上置換され得る。
【0015】
一般に、「置換された」という用語は、特に異なって定義されない限り、内部に含有される水素原子への1つ以上の結合が、非水素または非炭素原子への結合によって置き換えられる、以下に定義されるようなアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはエーテル基(例えば、アルキル基)を指す。置換基には、炭素原子または水素原子への1つ以上の結合が、ヘテロ原子への二重結合または三重結合を含む1つ以上の結合で置き換えられている基も含まれる。したがって、置換基は、特に明記しない限り、1つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、置換基は、1、2、3、4、5、または6個の置換基で置換されている。置換基の例は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、およびI)、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基、カルボニル(オキソ)、カルボキシル、エステル、ウレタン、オキシム、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、アラルコキシアミン、チオール、硫化物、スルホキシド、スルホン、スルホニル、スルホンアミド、アミン、N-オキシド、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アミド、尿素、アミジン、グアニジン、エナミン、イミド、イソシアネート、イソチオシアネート、シアネート、チオシアン酸塩、イミン、ニトロ基、ニトリル(すなわち、CN)などを含む。いくつかの基について、置換は、シクロアルキル基などの別の定義された基へのアルキル基の結合を提供し得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、(メタ)アクリルまたは(メタ)アクリレートという用語は、アクリルまたはメタクリル酸、アクリルまたはメタクリル酸のエステル、ならびにアクリルまたはメタクリル酸の塩、アミド、および他の好適な誘導体、ならびにそれらの混合物を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「アクリル含有基」または「メタクリレート含有基」という用語は、重合可能なアクリレートまたはメタクリレート基を有する化合物を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「付加製造」という用語は、デジタル3D設計データを使用して、材料を堆積することによって物品を層状に構築するプロセスを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「3D印刷」という用語は、材料が一緒に加えられる(一緒に硬化または成形される)三次元物品を作成するためにコンピュータ制御下で材料が接合または固化される様々なプロセスのいずれかを指す。従来の機械加工プロセスでストックから除去される材料とは異なり、3D印刷は、3Dモデルのデジタルモデルデータ、またはコンピュータ支援設計(CAD)モデルまたはAdditive Manufacturing File(AMF)などの別の電子データソースを使用して、通常は材料を層ごとに連続して追加することにより、3次元の物品を構築する。3D印刷は、ラピッドプロトタイピングと付加製造(AM)の両方に関連している。3D印刷物品は、ほぼすべての形状または幾何形状にすることができる。本明細書で使用される場合、3D印刷は、ステレオリソグラフィー(SLA)、デジタル光処理(DLP)、およびバット光重合(例えば、連続液体界面生成(CLIP))を含む。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、パターンをトレースする光源を制御するか、またはバット内の液体放射線硬化性樹脂組成物を通して断面の画像を投影するコンピュータにデータをロードし、断面に対応する樹脂組成物の薄層を固化することを含む、当業者に知られている任意の手段によって生成することができる。固化した層は液体樹脂組成物で再コーティングされ、光源は、別の断面をトレースするか、層またはその部分の画像を投影して、前の層に隣接する樹脂組成物の別の層を硬化させる(例えば、バットの上または下のSLAおよびDLPを含む光重合)。このプロセスは、3D物品が完成するまで層ごとに繰り返される。最初に形成されたとき、3D物品は一般に完全にまたは部分的に硬化され、「グリーンモデル」と呼ばれる。いずれかの実施形態では、グリーンモデルは、印刷後の電磁放射、超音波処理、振動、水洗、洗浄、破片管理、支持体の除去、後硬化、ベーキング、焼結、アニーリング、またはそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む後処理ステップを通じて操作することができる。UV光(例えば、LEDまたは電球)、レーザー、および/またはデジタル光プロジェクター(DLP)(すなわち、画像投影)を含むがこれらに限定されない様々な光源を3D印刷で使用することができる。
【0020】
現在利用可能なセラミック光樹脂組成物の1つの重大な欠点は、硬化中の圧倒的な量の光散乱であり、深い光の透過は、より低い精度および精密さの物品をもたらす。さらなる問題には、沈降に対する不十分な安定性および層間剥離につながる不十分な層間接着が含まれる。現在利用可能な技術は、容易に破砕/破損しやすい部品、亀裂を示す部品、および部品の不安定性の他の兆候を含む、過剰硬化を蒙る部品を生み出すことが多い。
【0021】
3D印刷用の組成物を開発する際の課題は、上記の要件の多くが相互に依存しているか、相対していることである。例えば、高いセラミック負荷を有するセラミック光樹脂組成物は、通常、高い粘度および沈降に対する安定性をもたらすが、高い粘度を有すると、流動性が低くなる。
【0022】
3D印刷用のセラミック組成物の開発に特有の課題は、光開始ラジカル重合が、UV露光時に材料の硬化を引き起こし、層ごとの方法で3D印刷を可能にする一般的なメカニズムであるが、但し、セラミック粒子とUV光との相互作用により、かなりの光散乱が生成することである。次に、光散乱は一般に、精密度の低いUV光パターンをもたらす。その結果、生成された3D物品の形状は、精密性および精度が低くなり、過硬化になる可能性がある。セラミック光樹脂組成物の過硬化は、一般に、UV光の散乱の結果である可能性があり、これは、UV光のより深い透過またはUV光に曝された領域を超える領域での重合を引き起こす。過度の硬化は、機械的強度の低下、亀裂、および/または層間剥離を伴う3D印刷物品をもたらす可能性がある。機械的強度の低下、亀裂、および/または層間剥離は、収縮を伴う重合によっても発生する可能性があり、これにより内部応力が発生する。亀裂は周囲条件で形成される可能性があり、焼結プロセス(高温処理)中およびプロセス後に特に顕著になる。
【0023】
一態様では、本技術は、エチレン性不飽和UV硬化性組成物と、全組成物に基づいて少なくとも約70重量%のセラミック組成物とを含むセラミック光樹脂組成物を提供する。いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、以下の3D印刷仕様のうちの1つ以上を満たすことができる。
流動性:いずれかの実施形態では、本組成物は、材料が流動し、水平になることを可能にする比較的低い粘度を有し得る;
高粘度:いずれかの実施形態では、本組成物は、粒子の安定性を維持し、沈降が制限されるか、または全くない可能性がある(シリカは、2.2g/cm3の比重を有し、ジルコンは、4.6~4.8g/cm3の比重を有し、光樹脂組成物は、典型的に、約1.0~1.1g/cm3の比重を有する);
迅速な硬化と過剰硬化の低減:いずれかの実施形態では、本組成物は、UV光(または他の電磁放射)に曝されると急速に硬化して、良好な機械的強度、より高い精度、および低減された過硬化を物品に提供し得る;および/または
良好な層間接着:いずれかの実施形態では、本組成物は、限定された亀裂および層間剥離を有し得るが、そうでなければ、後処理および金属鋳造中に部品の故障をもたらす可能性がある。
【0024】
いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、全組成物に基づいて、少なくとも約70重量%のセラミック組成物を含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、全組成物に基づいて、少なくとも約72重量%のセラミック組成物を含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、全組成物に基づいて、少なくとも約75重量%のセラミック組成物を含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、約70重量%~約90重量%、約72重量%~約95重量%、約72重量%~約90重量%、約75重量%~約90重量%、約75重量%~約95重量%、または約75重量%~約85重量%を含む約70重量%~約95重量%のセラミック組成物を含み得る。
【0025】
いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、シリカ(すなわち、二酸化ケイ素)を含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、全セラミック組成物に基づいて、少なくとも約50重量%のシリカ、少なくとも約55重量%のシリカ、少なくとも約60重量%のシリカ、少なくとも約65重量%のシリカ、少なくとも約72重量%のシリカ、または少なくとも約75重量%のシリカを含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、全セラミック組成物に基づいて、約50重量%~約100重量%のシリカ、約55重量%~約100重量%のシリカ、約60重量%~約100重量%のシリカ、約65重量%~約100重量%のシリカ、約70重量%~約100重量%のシリカ、または約75重量%~約100重量%のシリカを含み得る。
【0026】
いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、ジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、イットリア、またはそれらの2つ以上の組み合わせをさらに含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、ジルコンをさらに含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、シリカおよびジルコンを含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、全セラミック組成物に基づいて、約85重量%~約99重量%のシリカおよび約1重量%~約15重量%のジルコン、約90重量%~約99重量%のシリカおよび約1重量%~約10重量%のジルコン、または約95重量%~約99重量%のシリカおよび約1重量%~約5重量%のジルコンを含み得る。
【0027】
いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、約100μm未満の粒子サイズを有するシリカ、ジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、および/またはイットリアの粒子を含み得る。いずれかの実施形態では、粒子は、約0.1μm~約100μmの粒子サイズを有し得る。いずれかの実施形態では、粒子は、約0.1μm~約90μm、約0.1μm~約80μm、約0.1μm~約70μm、約0.5μm~約60μm、約0.5μm~約50μm、約0.5μm~約40μm、約1.0μm~約30μm、約1.0μm~約20μm、または約1.0μm~約10μmの粒子サイズを有し得る。いずれかの実施形態では、粒子は、約90μm未満、約80μm未満、約70μm未満、約60μm未満、約55μm未満、約50μm未満、約45μm未満、約40μm未満、約35μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、または約5μm未満の粒子サイズを有し得る。いずれかの実施形態では、粒子は、球形粒子、非球形粒子、またはそれらの組み合わせであり得る。いずれかの実施形態では、いくつかの粒子は、球形粒子であり得、他の粒子は非球形粒子であり得る。いずれかの実施形態では、シリカは、約0.1μm~約30μm、約0.25μm~約20μm、または約0.5μm~約15μmのサイズを有する第1の粒子を含み得る。いずれかの実施形態では、シリカは、約90μm未満、約70μm未満、または約50μm未満のサイズを有する第2の粒子を含み得る。いずれかの実施形態では、第1の粒子は。球形であり得、第2の粒子は非球形であり得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、約60重量%~約84重量%の第1の粒子、約15重量%~約35重量%の第2の粒子、および約1重量%~約5重量%のジルコンを含み得る。
【0028】
いずれかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性組成物は、1つ以上の官能基を含むエチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーを含み得る。いずれかの実施形態では、1つ以上の官能基は、(メタ)アクリレートを含み得る。いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、アルキル(メタ)アクリレートなど(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート)、および/またはラウリルメタクリレートなどのC1~C12アルキル(メタ)アクリレート)の単官能性モノマーまたはオリゴマー、アクリロニトリル、スチレン、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、単官能性モノマーまたはオリゴマーは、ヒドロキシエチルアクリレートおよび/またはヒドロキシブチルアクリレートを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、第1の二官能性または三官能性モノマーまたはオリゴマーを含み得る。第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーは、ジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーは、式Aの1つ以上の化合物を含み得、
【化1】
式中、
R
1は、HまたはC
1~C
6アルキルであり、
R
2は、Hまたは
【化2】
であり、
R
3、R
4、およびR
5は、独立して、HまたはCH
3であり、
X、Y、およびZは、独立して、存在しないか、またはC
1~C
6アルキレン基であり、
pは、0または1であり、
各出現時のwは、独立して、1、2、または3であり、
qは、0または1~100の整数であり、
tは、0または1~100の整数であり、
r、s、u、およびvは、独立して、0、1、2、3、または4である。
【0030】
いくつかの実施形態では、式Aで表される化合物は、q+tが、100以下であるという条件に従う。
【0031】
いくつかの実施形態では、pは、1であり得、R1およびR2は、Hであり得る。いくつかの実施形態では、q、r、s、t、およびwは、0であり得、XおよびYは、独立して、C2~C5アルキレンであり得る。いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、Hであり得る。いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、CH3であり得る。いくつかの実施形態では、式Aの化合物は、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートであり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、pは、1であってもよく、R
1は、C
1~C
6アルキルであってもよく、R
2は、
【化3】
であってもよい。いくつかの実施形態では、X、Y、およびZは、存在しない場合があり、wは、2であり得、q、r、s、t、u、およびvは、1であり得る。いくつかの実施形態では、X、Y、およびZは、独立して、C
1~C
3アルキレンであり得、wは、1であり得、q、r、s、t、u、およびvは、1であり得る。いくつかの実施形態では、R
3、R
4、およびR
5は、Hであり得る。いくつかの実施形態では、R
3、R
4、およびR
5は、CH
3であり得る。いくつかの実施形態では、式Aの化合物は、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステルであり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、r、p、およびsは、0であり得、XおよびYは、存在し得ず、wは、2であり得る、uおよびvは、独立して、0、1、2、3、または4であり得る。いくつかの実施形態では、q+tは、50以下、40以下、30以下、20以下、または15以下であり得る。いくつかの実施形態では、qは、0または1~15の整数であり得る。いくつかの実施形態では、tは、0または1~15の整数であり得る。いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、Hであり得る。いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、CH3であり得る。いくつかの実施形態では、式Aの化合物は、約10~15グリコール単位を有するポリエチレングリコールジアクリレートであり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、Hであり得る。いくつかの実施形態では、R3、R4、およびR5は、CH3であり得る。
【0035】
いずれかの実施形態では、第1のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0036】
いずれかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、1つ以上の官能基を含む第2のモノマーまたはオリゴマーをさらに含み得る。いずれかの実施形態では、第2のモノマーまたはオリゴマーは、第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含み得る。いずれかの実施形態では、第2のモノマーまたはオリゴマーは、約5000g/モル未満、約4000g/モル未満、約3000g/モル未満、または約2000g/モル未満の分子量を有し得る。いずれかの実施形態では、第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、ジ(メタ)アクリレートを含み得、(メタ)アクリレートが、C、N、O、Siを含む6個以上の原子のリンカーによって接続されている。
【0037】
いずれかの実施形態では、第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、オリゴマーウレタンアクリレートは、ウレタンおよびアクリル酸エステルに基づくポリマーを含み得る。いずれかの実施形態では、オリゴマーウレタンアクリレートは、Laromer(登録商標)UA 9072を含み得る。いずれかの実施形態では、オリゴマーウレタンアクリレートは、アクリレート化脂肪族ウレタンを含み得る。いずれかの実施形態では、オリゴマーウレタンアクリレートは、1,1-メチレンビス4-イソシアナトシクロヘキサンおよび2-オキセパノンを含み得る。いずれかの実施形態では、オリゴマーウレタンアクリレートは、1,4-ブタンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]ジアクリレートに基づく樹脂を含み得る。
【0038】
いずれかの実施形態では、第1および/または第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、約60℃未満または約50℃未満を含む約75℃未満のガラス転移温度(Tg)を有し得る。いずれかの実施形態では、第1および/または第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、約-50℃~約75℃のTgを有し得る。いずれかの実施形態では、第1および/または第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、約-45℃~約20℃のTgを有し得る。いずれかの実施形態では、第1および/または第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、約35℃~約50℃のTgを有し得る。いずれかの実施形態では、第1および/または第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーは、約10℃~約30℃のTgを有し得る。いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、約35℃~約50℃、約-45℃~約20℃、および/または約10℃~約30℃のTgを有する2つ以上のモノマーまたはオリゴマーを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサン-1,6-ジオールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、ヘキサングリコールジアクリレート、ヘキサン-1,6-ジイルジアクリレート、1,6-ビス(アクリロイルオキシ)ヘキサン、2-プロペン酸1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、エトキシル化トリメチロールプロパンアクリル酸エステル、ポリエーテル修飾アクリレートオリゴマー、低粘度の三官能性反応性モノマー、ポリエチレングリコールジアクリレート、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、高分子ウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0040】
いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約5重量%~約30重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約10重量%~約25重量%または約15重量%~約20重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物を含み得る。
【0041】
いずれかの実施形態では、組成物は、光開始剤を含み得る。光開始剤は、電磁放射が照射されたときに重合性モノマー、オリゴマー、およびプレポリマーのラジカル重合を開始することができる任意の重合開始剤であり得る。いずれかの実施形態では、光開始剤は、フェニルグリオキシレート、a-ヒドロキシケトン、α-アミノケトン、ベンジルジメチルケタール、モノアシルホスフィノキシド、ビスアシルホスフィノキシド、ベンゾフェノン、フェニルベンゾフェノン、オキシムエステル、チタノセン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、光開始剤は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、エチル(2,4,6-チメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、光開始剤は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、エチル(2,4,6-チメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0042】
いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の光開始剤または約0.05重量%~約5重量%の光開始剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、0.1~9重量%、0.1~8重量%、0.1~7重量%、0.1~6重量%、0.1~5重量%、0.1~4重量%、0.1~3重量%、0.1~2重量%、0.1~1重量%の全光開始剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、0.08重量%~約3重量%の全光開始剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、0.08重量%~約1.75重量%の全光開始剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、0.2重量%~約2.5重量%の全光開始剤を含み得る。
【0043】
いずれかの実施形態では、組成物は、配合添加剤を含み得る。いずれかの実施形態では、配合添加剤は、分散剤、レオロジー調整剤、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、配合添加剤は、尿素-ポリオール-脂肪族コポリマー(例えば、ビス(2-(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(((((1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(アザネジイル))ビス(4-メチル-3,1-フェニレン))ジカルバメート)、ポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、アルコキシル化ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ベンジルピリジニウム-3-カルボキシレート、第四級アンモニウム化合物、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性トリブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、脂肪族ジカルボン酸の混合物、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、水中のアクリルコポリマーエマルジョン、アクリルブロックコポリマー、高分子量の不飽和カルボン酸、変性硬化ヒマシ油、脂肪酸変性ポリエステル、アルコールアルコキシレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、配合添加剤は、少なくとも1つの窒素原子を含み得る。いくつかの実施形態では、配合添加剤は、約7以下の親水性-親油性バランス(HLB)を有し得る。いくつかの実施形態では、配合添加剤は、約1~約7の親水性-親油性バランス(HLB)を有し得る。いくつかの実施形態では、配合添加剤は、約1~約3および約3~約5を含む約1~約5の親水性-親油性バランス(HLB)を有し得る。いくつかの実施形態では、配合添加剤は、約3~約5および約5~約7を含む約3~約7の親水性-親油性バランス(HLB)を有し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、配合添加剤は、a)約1:1~約1:5の重量比の尿素-ポリオール-脂肪族コポリマーおよびポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、b)アルコキシル化ポリエチレンイミン、c)第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー、d)第一級および第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマーの約0.5:1~約1:0.5重量比の混合物、e)アクリルブロックコポリマー、またはf)それらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0047】
いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約0.2重量%~約3重量%の配合添加剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約1.5重量%~約2.5重量%の配合添加剤を含み得る。
【0048】
いずれかの実施形態では、組成物は、UV吸収剤を含み得る。いずれかの実施形態では、UV吸収剤は、ヒドロキシフェニルベンゾトリアジン、ネンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、ヒドロキシフェニル-s-トリアジン、スチルベンまたはそれらの誘導体、およびそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、UV吸収剤は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール、2,5-チオフェネジイル-ビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)、β-[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸-ポリ(エチレングリコール)300-エステルおよびビス{β[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸}-ポリ(エチレングリコール)300-エステル、分岐および/または直鎖状(linear)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、分岐および/または直鎖状C7~C9アルキル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートおよびtert-ブチル-ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチルエステル、ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンおよび2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール誘導体)、ヒドロキシ-フェニル-s-トリアジン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、UV吸収剤は、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール、2,5-チオフェネジイル-ビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)、分岐および/または直鎖状2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、分岐および/または直鎖状C7~C9アルキル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートおよびtert-ブチル-ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチルエステル、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、ヒドロキシ-フェニル-s-トリアジン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0049】
いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、0より大きく約0.2重量%未満のUV吸収剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約0.001重量%~約0.1重量%のUV吸収剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約10~60ppm、20~60ppm、30~60ppm、40~60ppm、50~60ppm、または50~70ppm、70ppm~0.1%のUV吸収剤を含み得る。
【0050】
いずれかの実施形態では、硬化中のUV光の透過深さは、約0.1mm~約0.2mmの間であり得る。
【0051】
いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、5000cPs未満の粘度を有し得る。いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、4000cPs未満、3500cPs未満、3000cPs未満、または2500cPs未満の粘度を有し得る。
【0052】
いずれかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物は、約5重量%~約30重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物、約70重量%~約95重量%のセラミック組成物、約0.05重量%~約5重量%の光開始剤、約0.2重量%~約3重量%の配合添加剤、および0より大きく約0.2重量%未満のUV吸収剤を含み得る。いずれかの実施形態では、組成物は、約3500cP~約5000cPの粘度を有し得る。いずれかの実施形態では、エチレン性不飽和UV硬化性組成物は、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、セラミック組成物は、シリカ、および任意選択でジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、イットリア、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。いずれかの実施形態では、シリカは、約100μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含む。いずれかの実施形態では、セラミック組成物、光開始剤、配合添加剤、およびUV吸収剤は、本明細書に開示される様々な重量パーセントで本明細書に開示されるセラミック組成物、光開始剤、配合添加剤、および/またはUV吸収剤のいずれかであり得る。
【0053】
別の態様では、本技術は、エチレン性不飽和UV硬化性組成物と、全組成物に基づいて約70重量%未満のセラミック組成物とを含むセラミック光樹脂組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約5重量%~約70重量%のセラミック組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約10重量%~約60重量%のセラミック組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約20重量%~約50重量%のセラミック組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約30重量%~約90重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、全組成物に基づいて、約40重量%~約90重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物を含み得る。セラミック光樹脂組成物は、光開始剤、配合添加剤、および/またはUV吸収剤を記載された量で含む、本明細書に開示される他の成分のいずれかを含み得る。
【0054】
別の態様では、本技術は、本明細書に開示される任意のセラミック光樹脂組成物のUV硬化連続層を含む3D印刷物品を提供する。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、インベストメント鋳造などの複雑な金属部品を鋳造するために使用され得る、幾何学的に複雑で入り組んだセラミック型およびコアであり得る。別の実施形態では、本技術は、3D印刷物品を使用して金属部品を鋳造するための方法を提供する。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、滑らかな表面(セラミック粒子の小さな粒子サイズと一致)、低密度、高度の気孔率、約10MPa~約30MPaおよび約20MPa~約40MPaを含む約10MPa~約40MPa(破壊係数で測定)の機械的強度、および/または鋳造後の鋳造金属部品からの取り外しの容易さを有し得る。いずれかの実施形態では、グリーン3D印刷物品(すなわち、焼結前)は、約1.65g/cm3~約1.99g/cm3(約1.75g/cm3~約1.95g/cm3または約1.82g/cm3~約1.90g/cm3を含む)の密度を有し得る。いずれかの実施形態では、ブラウン3D印刷物品(すなわち、焼結後)は、約1.35g/cm3~約1.64g/cm3(約1.40g/cm3~約1.60g/cm3または約1.45g/cm3~約1.55g/cm3を含む)の密度を有し得る。いずれかの実施形態では、ブラウン3D印刷物品は、約25%~約40%(約27%~約35%または約29%~約32%を含む)の多孔性を有し得る。いずれかの実施形態では、ブラウン3D印刷物品は、約1.45g/cm3~約1.55g/cm3の密度、約29%~約32%の多孔性、またはそれらの組み合わせを有し得る。
【0055】
別の態様では、本技術は、エチレン性不飽和UV硬化性組成物を含む光樹脂組成物を提供する。光樹脂組成物は、光開始剤、配合添加剤、および/またはUV吸収剤を記載された量で含む、本明細書に開示される他の成分のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、光樹脂組成物は、セラミック組成物を含まない。
【0056】
本技術はまた、光樹脂組成物のUV硬化連続層を含む3D印刷樹脂を提供する。機械的強度は、3D印刷材料のもう1つの重要な特性である。3D印刷物品は、層ごとに構築されるため、後続の層を支持するには、素材をすばやく強力に硬化させる必要がある。いくつかの実施形態では、セラミック光樹脂組成物の機械的特性は、光樹脂組成物(すなわち、セラミック組成物を含まないセラミック光樹脂組成物)の機械的強度によって予測することができる。いくつかの実施形態では、3D印刷樹脂は、260mW/cm2放射の0.15秒の後(すなわち、39mJ/cm2線量)に約1×103Pa~約1×106Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷樹脂は、39mJ/cm2のUV放射を放射した後に、約1×104Pa~約1×105Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷樹脂は、UV放射260mW/cm2放射の0.20秒後(52mJ/cm2線量)に約1×102Pa~約1×106Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷樹脂は、放射の0.20秒後に約1×103Pa~約1×106Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷物品は、UV放射260mW/cm2の0.25秒後(65mJ/cm2線量)に約1×103Pa~約1×107Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷物品は、放射0.25秒後(65mJ/cm2線量)に約1×104Pa~約1×107Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、3D印刷樹脂は、硬化後に少なくとも約2.5×103Paの最大貯蔵弾性率を有し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、光樹脂組成物は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、エチル(2,4,6-チメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタン、またはそれらの2つ以上の組み合わせなどの光開始剤を含み得る。いくつかの実施形態では、光開始剤は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、エチル(2,4,6-チメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【0058】
別の態様では、本技術は、本明細書に開示されるセラミック光樹脂組成物を製造するための方法を提供する。本方法は、エチレン性不飽和UV硬化性組成物、および任意選択で光開始剤、配合添加剤、および/またはUV吸収剤を提供して、第1の混合物を提供することと、第1の混合物を混合および加熱することと、任意選択で、第1の混合物に光開始剤を添加することと、セラミック組成物を第1の混合物に添加して第2の混合物を提供すことと、第2の混合物を混合することと、を含む。
【0059】
別の態様では、本技術は、3D印刷物品を製造するための方法を提供する。この方法は、本明細書に開示されるセラミック光樹脂組成物の連続層を塗布して三次元物品を製作することと、UV照射で連続する層を照射することと、を含む。いずれかの実施形態では、塗布することは、セラミック光樹脂組成物の第1の層を基板に堆積し、セラミック光樹脂組成物の第2の層を第1の層に塗布し、その後連続する層を適用することを含み得る。いずれかの実施形態では、UV放射は、約300nm~約500nmの波長を含み得る。いずれかの実施形態では、UV放射は、約325nm~約450nm、約340nm~約425nm、約355nm~約375nm、約360nm~約370nm、約395nm~約415nm、約400nm~約410nmの波長を含み得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約5.0秒未満、約2.0秒、約1.8秒未満、約1.5秒未満、約1.0秒未満、約0.5秒未満、または約0.25秒未満行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約10mW/cm2~約80mW/cm2の電力であってもよい。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、CeraRay、Prodways L5000、Origin MDK、Miicraft、および/またはFormlabs 2を使用して印刷され得る。
【0060】
いずれかの実施形態では、UV照射は、約5.0秒未満、約2.0秒、約1.8秒未満、約1.5秒未満、または約1.0秒未満行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約0.8秒~約5秒行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約1.5秒~約2.0秒、または約1.1秒~約1.5秒行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約10mW/cm2~約20mW/cm2の電力であり得る(約12mW/cm2~約18mW/cm2または約14mW/cm2~約17 mW/cm2を含む。いずれかの実施形態では、UV放射は、約325nm~約450nm、約340nm~約425nm、約360nm~約410nm、約370nm~約405nm、約375nm~約395nm、約380nm~約390nmの波長を含み得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、385nmの波長であり得る。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、Origin MDKを使用して印刷され得る。
【0061】
いずれかの実施形態では、UV照射は、約0.5秒未満、約0.4秒未満、約0.3秒未満、または約0.25秒未満行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約0.1秒~約0.5秒行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約0.1秒~約0.3秒、または約0.1秒~約0.2秒行われ得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、約40mW/cm2~約80mW/cm2の電力であり得る(約50mW/cm2~約70mW/cm2または約55mW/cm2~約65mW/cm2を含む。いずれかの実施形態では、UV放射は、約325nm~約450nm、約340nm~約415nm、約350nm~約385nm、または約360nm~約370nmの波長を含み得る。いずれかの実施形態では、UV照射は、365nmの波長であり得る。いずれかの実施形態では、3D印刷物品は、Prodway L5000を使用して印刷され得る。
【0062】
したがって、一般的に説明される本技術は、実例として提供され、本技術を限定することを意図しない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0063】
実施例1A.セラミック光樹脂組成物の調製のための一般的な手順。樹脂組成物を生成するために、モノマーおよびオリゴマーを混合容器に導入した。存在する場合、分散剤、レオロジー調整剤、および/またはUV吸収化合物も混合容器に添加された。混合物を炉に入れ、ゆっくりと攪拌しながら30℃から35℃に加熱した。次に、フリーラジカル光開始剤を組成物に添加し、続いてセラミック粉末の個々の比率を徐々に添加した(例えば、好ましくは、全セラミック粉末の10~15%を個々の比率ごとに添加して、均質なブレンドを提供する)。セラミック粉末の最初の部分を添加した後、攪拌機のトルクが減少して平衡に達するまで(およそ10分以上)、混合物を十分に混合させた。セラミック粉末の各部分は、すべてのセラミック粉末が添加されるまで、同じ段階的な方法で添加された。次に、トルクを監視しながら、配合物を1~2時間混合した。トルクが低下して一定に保たれたら、組成物を均一になるまでさらに2~3時間(またはそれ以上)混合した。
【0064】
実施例1B.セラミック光樹脂組成物の硬化の深さを決定するための一般的な手順。3DプリンターProdways L5000を使用して、硬化した3D印刷物品の厚さを測定し(C
d)、硬化の深さ(D
p)を次の式を使用して計算した。D
p値は、UV照射波長、露光時間、およびセラミック光樹脂組成物中に存在するUV吸収剤の量に基づいて変化し得る。より大きなD
p値は、一般に、深い光の透過、光開始剤による吸収、UV吸収添加剤による吸収、および/またはセラミック粒子への光の散乱の組み合わせによるものである。特に指定のない限り、E
cおよびD
p値は、365nm照射で測定され、365nm光源を使用して個別に検証された。
【数1】
式中、
C
dは測定された硬化深さ(mm)である
D
pは、計算された透過深さ(mm)である
Eは、制御された照射強度である(mJ/cm
2またはmW/cm
2)
E
cは、計算臨界エネルギー量である(mJ/cm
2またはmW/cm
2)。
【0065】
実施例1C.レオロジーおよび粘度を決定するための一般的な手順。特に指定のない限り、レオロジー測定は、TA Instrument DHR-2レオメータを使用して、50mmのステンレス鋼平行プレート上部形状と25℃に設定されたペルチェプレート下部形状を使用して実行された。特に指定のない限り、粘度は、せん断速度の関数として測定され、せん断速度は、10分間で100(1/秒)~0.01(1/秒)に掃引された。再現性のある結果を保証するために開発された混合プロトコルに従って、各サンプルを2回測定した。典型的に、各測定の間隔は、10分未満であり、これは、測定間の時間が長くなると、測定に一貫性がなくなり、粘度が高くなる方向にシフトするためである。
【0066】
実施例2.セラミック光樹脂組成物フォーミュラA、B、およびC。実施例1の手順に従って、フォーミュラA、B、およびCを生成した。フォーミュラA、B、およびCの構成要素は、以下の表1に示されている。フォーミュラA、B、C、およびDは、Prodways L5000マシンを使用して、レーザー波長365nm、層厚100ミクロンで3D印刷された。次に、3D印刷グリーン部品を、およそ1150℃の温度で熱焼結して、ブラウン部品を生成することができる。
【表1】
【0067】
実施例3.沈降に対するセラミック光樹脂フォーミュラA、B、およびCの安定性の比較。フォーミュラA、B、およびCの安定性は、セラミック粒子の沈降の程度に基づいて決定された。物品を3D印刷するのに数時間かかることが多いため、印刷中の沈降は、3D印刷組成物では問題になる可能性がある。フォーミュラの沈降を測定するために、Prodways L5000 3D印刷機を使用して、高さがおよび5インチの中空の長方形のタワーを生成した。タワーの構築には約10時間を要した。構築後、3D印刷されたタワーを、高さ1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、および5インチのセグメントでスライスし、セラミック含有量を分析して、同時沈降の結果としての構築時間中の組成物の違いを観察および比較した。収集した各サンプルを1000℃まで加熱して、有機含有物を燃焼させた。残りのセラミック含有物を秤量し、サンプルの初期重量と比較して、サンプル中のセラミック含有物重量%を計算した。以下の表2および
図1~3に示すように、フォーミュラCは、配合物AおよびBと比較して、3D印刷された5インチタワー全体で組成物の相違が最小限で、沈降が大幅に減少した。
【表2】
【0068】
実施例4.セラミック光樹脂フォーミュラB、C、およびDの層間接着の比較。フォーミュラB、C、およびDの層間接着を測定した。より良い接着は、層間剥離と亀裂の減少によって証明される。表3および
図4に示されるように、フォーミュラCは、亀裂の実質的な減少を提供した。フォーミュラCで作製された部品にはまだ非常に小さな亀裂が見られるが、亀裂は、部品の故障を引き起こさず、金属鋳造中に問題を引き起こさない。
【表3】
【0069】
実施例5.UV吸収化合物の添加によるUV硬化と過硬化の比較低減。UV吸収剤の添加は、UV硬化を制御し、3D印刷中の過硬化を低減し、および/またはUV光の透過と散乱の深さを制御することによって印刷物品の精度を向上させるために使用することができる。上記の表1に示すように、2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)をフォーミュラCに添加したが、フォーミュラA、B、およびDにはUV吸収剤は含まれていなかった。UV吸収剤を加えることの効果を研究するために、フォーミュラCは、2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)の量を増加または減少させることによって修正された(フォーミュラ5-1~5~9)。フォーミュラは、実施例1に従って、365nmでのUV照射を使用して印刷および硬化された。3D印刷のための最適なDp値は、0.2~0.1mmである。
【0070】
表4および
図5に示されるように、硬化の深さ(D
p)は、配合物中のUV吸収剤の濃度に強く依存する。UV吸収剤の非存在下で、フォーミュラ5-1の0.25mmのD
pは過剰過剰硬化および反りを引き起こした。組成物に50ppmの2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)を添加した後、過硬化は実質的に減少し、D
pは、0.1269に減少した(フォーミュラ5-2)。200ppm以上の濃度およびより大きい2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)では、組成物は、0.1mm未満のD
p値を示し、硬化が不十分なためにUV硬化時に柔らかい材料を生成した(フォーミュラ5-4~5-9)。
【表4】
【0071】
UV吸収剤を添加して過硬化を防ぐもう1つの利点は、3D硬化物品の応力を減らすことである。応力は、構築された物品のカール、反り、および/または歪みとして現れる可能性がある。
図6Aは、フォーミュラD(UV吸収剤を含まない)を使用して作成された3D印刷物品を示し、
図6Bは、フォーミュラC(UV吸収剤を含む)を使用して作成された同様の物品を示す。フォーミュラCを使用して構築された物品は、フォーミュラDを使用して構築された物品(
図6A)よりも著しく少ないカールおよび反り(
図6B)を示した。
【0072】
実施例6.代替UV吸収剤。多くのUV吸収化合物は、実施例5に示されるように、2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)と同様の方法で3D印刷物品の品質を改善するのに有用であり得る。対照Dpと過剰硬化が、この実施例で評価された他のUV吸収剤。フォーミュラCの変動は、0.005重量%~0.02重量%の範囲の様々な量で様々なUV吸収化合物(表5)を添加することによって形成され、フォーミュラ6-1~6-16を提供した。UV吸収剤Aは、2,5-チオフェネジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール、2,5-チオフェネジイル-ビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)であり、UV吸収剤Bは、β-[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸-ポリ(エチレングリコール)300-エステルおよびビス{β[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸}-ポリ(エチレングリコール)300-エステルであり、UV吸収剤Cは、分岐および/または直鎖状2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノールであり、UV吸収剤Dは、分岐および/または直鎖状C7~C9アルキル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸およびtert-ブチル-ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチルエステルであり、UV吸収剤Eは、ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンおよび2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンであり、UV吸収剤Fは、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノールであり、UV吸収剤Gは、2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール誘導体であり、UV吸収剤Hは、ヒドロキシ-フェニル-s-トリアジンである。
【0073】
当業者には明らかであるように、本明細書で提供される教示に基づいて、他のUV吸収剤も使用することができる。表5および
図7に示されるように、フォーミュラ6-2、6-5、6-7、6-12、6-15、および6-16は、0.1mm~0.2mmの最適なD
p値を提供する。最適なD
p値は、より低い濃度のUV吸収剤で達成され、それにより、UV吸収剤FおよびUV吸収剤Hのそれらの優れた有効性を実証するため、フォーミュラ6~12および6~16が好ましい。
【表5】
【0074】
実施例7.セラミック光樹脂組成物中のセラミック粉末組成物の比較。セラミック光樹脂組成物に対するセラミック粉末の効果を研究するために、セラミック粉末を表6のものに置き換えることによってフォーミュラDを修正して、フォーミュラ7-1~7-3を提供した。97%のシリカおよび3%のジルコンからなるセラミック粉末組成物は、インベストメント鋳造のために当技術分野で知られているが、本技術のセラミック粉末組成物は、異なる粒子サイズ分布を有する2つのシリカグレードの独特のブレンドを含む。これらのセラミック粉末組成物は、3D印刷セラミック光樹脂組成物に最適なレオロジーと沈降安定性を提供する。
【表6】
【0075】
表6に示す結果は、セラミック粉末の粒度分布がセラミック光樹脂組成物の粘度と沈降に影響を与えることを示す。Teco-Sphere マイクロダストとTeco-Sil-325を様々な比率で混合すると、セラミックブレンドの全体的な粒度分布を変更することができる。フォーミュラ7-1は、粘度が高すぎて3D印刷できないペーストである。フォーミュラ7-1とは異なり、フォーミュラ7-2および7-3はスラリーである。フォーミュラ7-3は、3D印刷に役立つ粘度が低いため、フォーミュラ7-2よりもより好ましい。フォーミュラ7-1および7-3は、24時間および14日後にサンプルの上部に形成された透明な液体の量によって証明される最小の沈降を示している。フォーミュラ7-1のような高粘度ペーストでは沈降が少ないと予想されるが、フォーミュラ7-3のような低粘度スラリーで同様の非常に低いレベルの沈降が見られることはまったく予想外である。中程度の粘度のフォーミュラ7-2は、観察された期間中にサンプルの上部に形成されたより顕著な沈降とより多くの透明な液体を示している。
【0076】
実施例8.比較樹脂組成物。樹脂の光硬化性と機械的安定性を研究するために、表7のモノマーを含む様々な樹脂組成物を調製した。付加的に、2重量%の光開始剤1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンを混合物に添加した。各組成物に、26mW/cm2の強度の365nmのUV光を0.15秒間照射した。TAレオメータDHR-2を使用して、各組成物の硬化前後の貯蔵弾性率を測定した。
【0077】
UV照射後、液体組成物は光重合し、硬化した。UV照射後に測定された最大貯蔵弾性率を各樹脂組成物について表7に示す。2.76×10
3Paの貯蔵弾性率を持つフォーミュラ8-1は、3D印刷での機械的安定性と有用性が分かっているため、ベンチマークとして使用された。フォーミュラ8-2から8-6には、高分子量でガラス転移温度が低いモノマーまたはオリゴマーが含まれている。したがって、より柔軟な材料とより優れた応力緩和が可能になる。これらの樹脂組成物について測定された貯蔵弾性率の値に基づくと、ほとんどはフォーミュラ8-1と比較して同等またはそれ以上の機械的安定性を有している。したがって、評価されたすべての樹脂フォーミュラを3D印刷に使用して、フォーミュラ8-1を置き換え、フォーミュラ8-5を除くフォーミュラ8-1よりも優れた機械的特性を備えた3D印刷物品を作製することができる。理論に縛られることを望まないが、より長く柔軟な鎖を有するモノマーは、架橋の程度を低下させ、それにより、より剛性の低い材料を提供し、その結果、重合および3D印刷中の収縮の影響に耐えることができる材料を提供すると仮定される。
【表7-1】
【表7-2】
【0078】
実施例9.比較光開始剤およびUV硬化性樹脂。樹脂組成物および光開始剤の光硬化および機械的安定性を研究するために、光開始剤を含む様々な樹脂組成物を作製した(表8)。フォーミュラは、0.15秒、0.20秒、0.25秒TAレオメータDHR-2を用いて、強度26mW/cm2の365nmのUV光を用いて硬化させた。硬化時間に基づく放射線量を表9に示す。実施例8のように、2.76×103Paの最大貯蔵弾性率を有するフォーミュラ8-1をベンチマークとして使用した。
【0079】
1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンと同様に、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネートは、優れた光開始剤であることが知られている。しかし、フォーミュラ9-3は、フォーミュラ8-1と同じUV照射および時間(365nm UV光で0.15秒間)に曝された後、硬化の兆候を示さなかった。0.20秒に時間を増加させることは、フォーミュラ9-3を部分的に硬化させることを助け(2.33×10
2Paの最大貯蔵弾性率)、それははるかにフォーミュラ8-1ベンチマーク性能2.76×10
3Paより下であった。フォーミュラ9-1の最大貯蔵弾性率は、0.15秒の放射後3.04×10
5Paであり、これはフォーミュラ8-1よりも2桁高く、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート光開始剤は、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンと比較して改善された硬化をもたらすことを示している。同時に、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート光開始剤により、フォーミュラ9-4は0.15秒の照射後に8.34×10
3Paの最大貯蔵弾性率を示すことができ、これは、同じ露光でフォーミュラ8-1の最大貯蔵弾性率を上回り、3D印刷に適しているとみなされる。したがって、異なる光開始剤は、同じ波長(365nm)でモノマーフォーミュラを光硬化させるのに好適である。1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンは、試験されたモノマーフォーミュラの大部分でうまく機能するが、より長いUV露光時間または異なる光開始剤(例えば、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート)のいずれかを使用することは、他のモノマーフォーミュラに有益である可能性がある。
【表8】
【表9】
【0080】
樹脂組成物9-1、9-2、および9-4は、選択した樹脂の固有の特性が3D印刷用途に追加の利点を提供できることを示している。表8に報告されているUV露光またはUV線量の関数としての硬化樹脂の貯蔵弾性率を、樹脂組成物9-1、9-2、および9-4について
図8にプロットする。部分的に硬化した樹脂システムの場合、未完成の硬化プロセスの指標として、線量の増加に伴って貯蔵弾性率が増加すると予想されるのが一般的である。これは、樹脂組成物9-2および9-4の場合であるように思われる。しかし、樹脂組成9-1は、逆の傾向を示し、貯蔵弾性率は、露光時間とUV線量の増加とともに減少する。測定中、樹脂組成物9-1の貯蔵弾性率が低下することが観察されており、これは樹脂がより速く硬化し、短い露光時間(ここで試験された最低線量3.9mJ/cm
2)でも非常に脆くなるためである。0.25秒と0.50秒の曝露時間で、サンプルは急速に重合し、脆い性質のために目に見える亀裂があり、弾性値が低くなった。
【0081】
樹脂組成物9-1の高度の硬化は、モノマーの重合時に、より体積収縮を伴った。このような収縮は、応力、体積の歪み、および印刷部品の変形を引き起こすため、3D印刷用途では望ましくない。したがって、これらの結果に基づいて、樹脂組成物9-2および9-4は、樹脂組成物9-1と比較して、それらの高い機械的強度および並外れた靭性のためにより有利な製品を提供した。
【0082】
アクリレート末端ポリジメチルシロキサン、3-アシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端PDMSが反応して樹脂組成物に組み込まれるかどうかを決定するために、樹脂組成物9-4および9-5を比較した。両方の樹脂組成物は、重合性アクリル基を有するPDMS分子を含む樹脂組成物9-4を有するPDMSオリゴマーと、重合性基を有さないシラノール末端PDMS分子を含む樹脂組成物9-5を含んでいた。貯蔵弾性率の値は、樹脂組成物9-4および9-5の両方でUV線量とともに増加したが、9-4では高いままであり(表8および
図9)、これは、樹脂組成物9-5がより低い機械的強度の材料を生成したことを示している。樹脂組成物9-5は、重合性基のないPDMSを含んでいたため、かつ樹脂組成物9-5は、樹脂組成物9-4(重合性基を有するPDMS)と比較して、より低い機械的強度を有する材料を提供したため、これは、重合性基を有するPDMS分子が硬化時に重合し、貯蔵値が増加し、優れた機械的特性を備えた材料を有利に提供するという理論を支持し、同時に、鎖の柔軟性および架橋度の低下により柔軟性を提供する。
【0083】
実施例10.セラミック光樹脂組成物およびそれらの特性。セラミック光樹脂組成物の粘度に対する樹脂組成物の影響を研究するために、様々な樹脂組成物を用いていくつかのセラミック光樹脂組成物を作製した(表10)。粘度値は、ブルックフィールド粘度計を使用して、25℃、スピンドル#3、30rpm、30秒の遅延で測定した。すべての組成物が同じセラミック粉末負荷を有するので、粘度の相違は、樹脂組成物に起因すると考えるのが合理的である。3D印刷に満足するには、組成物の粘度が5000cPs未満である必要がある。粘度が10,000cPsを超えるフォーミュラ10-5を除いて、表10で測定された粘度を持つすべてのセラミック樹脂組成物はこの基準を満たす。おそらく、フォーミュラ10-5の高粘度は、60℃で約2000~15000cPsの粘度を持つウレタンアクリレートLaromer(登録商標)UA 9072が含まれているためである。表10の他のすべてのセラミック光樹脂組成物は、4000g /モル未満の分子量を有するモノマーおよびオリゴマーを含む。
【表10】
【表11-1】
【表11-2】
【0084】
0.2mmより大きいおよび場合によっては0.17mmより大きいDp値は、100μmの層厚の材料を硬化させるためには大きすぎると考えられる。表10のセラミック光樹脂組成物は、0.17mm(または少なくとも0.2mm)を超えるDp値を有し、微細部品の印刷を成功させるために「そのまま」使用することはできない。表10は、2つのセラミック光樹脂組成物が0.17mm未満のDpを有することを示している(フォーミュラ10-7および10-9)。フォーミュラ10-7および10-9はどちらも、SLAおよびDLP3D印刷の優れた候補である。そのフォーミュラ10-8は、0.23mmのDp値を有し(または評価方法に応じて0.30mm)、これは、UV吸収性化合物(フォーミュラ10-7)の添加により0.12mmに低減されることは注目すべきことである。同様に、フォーミュラ10-8は、光開始剤(フォーミュラ10-9)を変更することにより0.11mmに減少された0.34mmのDp値を有する。
【0085】
実施例11.セラミック光樹脂組成物中の分散剤の比較研究。実施例3に記載されているように、3D印刷用途では、セラミック光樹脂組成物がセラミック粒子の沈降を最小限に抑えるか、または全く沈降させないことが望ましく、これは、印刷プロセスが何時間にもわたっており、印刷部分の比較的一定の組成物が必要な場合に特に重要である。分散剤やレオロジー調整剤など、配合物の安定性を高める添加剤(つまり、沈降が遅い)を利用して、セラミック光樹脂組成物の性能を向上させることができる。フォーミュラは、17重量%の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(モノマー)と2重量%の1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(光開始剤)とを組み合わせ、続いてすべての固体が溶解するまで(少なくとも10分)超音波処理することによって調製した。超音波処理した混合物に2重量%の分散剤(すなわち、尿素-ポリオール-脂肪族コポリマー、レオロジー調整剤、およびポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリドの組み合わせ)を添加した後、組成物をFlack Tekスピードミキサーで2回混合した。次に、79重量%のセラミック粉末を添加し、サンプルを混合するまでスピードミキサーで少なくとも2回さらに混合した。せん断速度の関数としての粘度は、TA Instrument DHR-2レオメータを使用して評価し、対応する粘度値を低せん断速度(1(1/秒))で測定し、これらを表11に示す。
【0086】
表11に示すように、2つの添加剤の相対比は、セラミック光樹脂組成物全体に大きな影響を及ぼす。分散剤は、シリカ粒子と相互作用し、流動性のあるスラリーの生成を助ける(例えば、0:1の比率のサンプルは、沈降しやすい1366cPの低粘度の非常に薄いスラリーを生成する)。レオロジー調整剤は、粘度を上げて沈降を遅くするのに役立つ(例えば、1:4の比率のサンプルの粘度は、4680cPである)。レオロジー調整剤:分散剤の1:4の比率のサンプルは、この例全体でベンチマークとして使用されている。分散剤がない場合、サンプルは、非常に高い粘度を示し、流動性がなく、濃いペーストになる(例えば、1:0の比率)。レオロジー調整剤および分散剤の両方の存在は、好ましいセラミック光樹脂組成物を提供する。
【表12】
【0087】
セラミック光樹脂組成物に対する様々な分散剤の影響を研究するために、尿素-ポリオール-脂肪族コポリマーおよびポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド(重量比1:5.4)のベンチマーク分散フォーミュラを含む40の異なる分散剤を研究した(表12)。添加剤は、上記と同様の方法で2重量%の濃度で使用された。各セラミック光樹脂組成物は、視覚的流動性基準(物理的特性および物理的外観)に基づいて評価された。流動性のあるスラリー配合物を生成する分散剤は、SLAおよびDLP3D印刷用途に最適である。研究されたもののうち、6つはSLAおよびDLP印刷用途に好適な流動性のある均質なセラミック光樹脂組成物スラリーを形成するために特定された(表12の添加剤1、2、15、16、20、および33)。この研究から、窒素含有分散剤(または同様の機能性)がより良いシリカ粒子分散および適切な流動性を提供することが決定された。
【0088】
添加剤2~14:すべてのポリビニルピロリドン(PVP)ベースの添加剤は、ペーストを生成した(おそらくそれらの高い親水性のため)。同様に、ほとんどのポリエチレンイミン(PEI)ベースの添加剤は、セラミック光樹脂組成物と混和性がないか、ペースト状の組成物を生成しなかった(おそらく親水性のため)。但し、PEI(添加剤2)のアルコキシル化により、均一で流動性のあるスラリーが生成された(親水性が低下し、疎水性樹脂との適合性が向上したためと考えられる)。
【0089】
添加剤15-21:次に、第一級または第二級アルコール末端基のいずれかを持つ四官能性ブロックコポリマーを含むアミンを研究した。第二級アルコールで終端された添加剤(15、16)は良好に機能し、スラリーの流動性を備えたセラミック光樹脂組成物を生成した(SLAおよびDLP 3D印刷用途に望ましい)。ポリ(エチレンオキシド)(EO)およびポリ(プロピレンオキシド)(PO)は、疎水性と親水性(HLB値で表される)を変化させるための「調整ノブ」として使用することができる。添加剤15および16は、親水性コアおよび疎水性末端ポリマーブロックを有する。これらの添加剤の二重の性質により、親水性セラミック粒子と疎水性樹脂マトリックス間の相互作用が可能になり、均一な懸濁液が得られる。比較すると、第一級アルコール(17~19)で終端された添加剤は、性能が低く、3D印刷に好適ではないペースト状のセラミック光樹脂組成物を生成した。おそらく、性能の低下は、添加剤の末端ポリマーブロックの親水性の増加に起因する可能性があり、疎水性樹脂との適合性が低下する。さらに、第一級および第二級アルコール末端ブロックコポリマーの混合物を1:1の比率で調査した(添加剤20、21)。添加剤20は、添加剤21(ペーストを生成)よりも優れた性能(スラリーを生成)を有したが、両方とも、第一級および第二級アルコール末端テトラブロックコポリマーの1:1混合物であった。HLBと分散剤の分子量の両方が、シリカ粒子の分散と配合物のレオロジーの制御に役割を果たすと推測される。例えば、サンプル20よりも全体的に高分子量であるサンプル21は、サンプル21の粘度が増加した理由である可能性がある。
【0090】
添加剤22~29:トリブロックPO/EOコポリマー(アミンまたは同様の官能基を含まない)はすべて、第一級または第二級アルコールの末端に関係なくペーストを形成した。添加剤30~32:すべて形成されたペーストの水溶液である(親水性が高すぎる可能性がある)。添加剤34および36:すべて酸性官能基を含み、十分に分散したスラリーを生成することができなかった(親水性が高すぎる可能性がある)。添加剤35は、ペーストを形成した(アミンまたは同様の機能がなく、親水性が高すぎる可能性がある)。添加剤37~40:アルコールアルコキシレートであり、すべての形成されたペーストである(アミンまたは同様の機能がなく、親水性が高すぎる可能性がある)。
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【0091】
実施例12A.セラミック光樹脂組成物中の分散剤重量パーセントの比較研究。実施例11で特定された6つの添加剤に好ましい分散剤をさらに研究して、沈降に対する安定性および3D印刷用途への適合性に関して、セラミック光樹脂組成物に対する添加剤濃度の影響を調査した。実施例2のフォーミュラCは、物品を印刷するときの組成物の相違が最小であったため(実施例3を参照)、フォーミュラCを、6つの添加剤を試験するための基本配合物として使用した。この実施例のすべてのセラミック光樹脂組成物は、フォーミュラCと同じであり(同じ樹脂、セラミック粉末、光開始剤、UV吸収化合物)、唯一の変動は、分散剤の添加剤および濃度である。フォーミュラには、次の表記法を使用して名前が付けられ、最初の文字は、フォーミュラC(例1)を指し、2番目の文字は、分散剤添加剤を指し(表12の文字体系)(つまり、添加剤1、2、15、16、20、および33は、それぞれA、B、C、D、E、およびFと呼ばれる)、数値は、分散剤の濃度に対応する(1→0.40重量%、2→0.79重量%、3→1.19重量%、4→1.59重量%、5→1.98重量%、および6→2.38重量%)。すべてのフォーミュラは、実施例11に記載されているように調製された。分散剤添加剤の重量%の変更は、すべてのフォーミュラでセラミック粒子の一定の重量%を維持するために、すべてのフォーミュラの全樹脂重量%の変更によってバランスがとられた。実施例11で行われたように粘度を測定した。
【0092】
調査した分散剤の0.4~2.4重量%のすべての濃度、つまりA、B、C、D、E、およびFは、十分に分散した流動性のスラリーを生成し、3D印刷に適しているように見えた(表13)。有利には、単一の添加剤(添加剤B、C、DおよびF)が、2つの化合物(添加剤A)を同量で有する基本配合物に匹敵する形態で、2つの機能-分散剤およびレオロジー調整剤-を実行できることが決定された。
【表14-1】
【表14-2】
【0093】
実施例12B.セラミック光樹脂組成物の貯蔵寿命と印刷速度に及ぼす分散剤の影響表13の36のフォーミュラは、印刷適性(つまり、粘度が低いほど印刷が速くなる)と樹脂の安定性(高い粘度に相関することが多い)について評価された。セラミック光樹脂組成物のずり流動化挙動を使用して、配合物の潜在的な印刷対安定性性能を測定することができる。ずり流動化挙動を決定するために、各配合物のレオロジー測定値を収集した。レオロジーデータに基づいて、0.1(1/秒)の低せん断速度での粘度を貯蔵安定性の指標として分析し、10(1/秒)の中せん断速度での粘度を3D印刷適性の指標として分析した。配合物にほとんど攪拌とせん断が加えられない低せん断速度では、粘度値を高くすると、沈降が効果的に防止され、サンプルの安定性が確保される。それに比べて、中程度のせん断速度で粘度が低いと、材料の取り扱いが容易になり、ならびに3D印刷が高速になり、市場に出回っている様々な3Dプリンターとの互換性が得られる。上で説明したように、粘度が5000cP未満のセラミック光樹脂組成物(ブルックフィールド粘度計で30RPM、スピンドル3、30秒で測定)は、用途に受け入れられ、3D印刷を成功させることができる。但し、印刷速度を上げるには、材料の粘度を3500cP未満にすることが望ましい。
【0094】
推奨粘度として3500cPを使用し、およそ1~10(1/秒)(印刷適性)の中程度のせん断速度を使用して、次のフォーミュラが粘度限界を超えると特定された:CB-5、CC-4、CC-6、CD-4、CD-6およびCF-1、CF-5およびCF-6(表13)。フォーミュラCB-6、CC-5、およびCD-5は限界の端にあり、それでも許容できるとみなすことができた(表13)。
【0095】
棚の保管条件の近似値として低せん断速度を使用すると、0.1(1/秒)のせん断速度で粘度が最も高いフォーミュラが、沈降に対して最も安定しているとみなされる。但し、3D印刷用途の現実化には、非常に低いせん断速度でもある程度の流動性が要求される。したがって、5000cPの同じ基準をカットオフ粘度として使用して、低せん断速度で高粘度の配合物を不適格とした。同時に、0.1(1/秒)で粘度値が3500cP未満の配合物は、薄すぎて沈降しやすいとみなされる。低せん断速度0.1(1/秒)での粘度の分析から、沈降に抵抗する3D印刷に最適なセラミック光樹脂として、3500~5000cPの範囲の低せん断粘度の配合物を特定することができる。そのような配合物には以下が含まれる:
CA-1、CA-2-少量(<1重量%)の2成分系尿素-ポリオール-脂肪族コポリマーおよびポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、1:5-1:4比率、
CB-3、CB-4、CB-6、-1~2.4重量%のアルコキシル化ポリエチレンイミン、
CC-5-7240分子量およびHLB7の第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく約2重量%の四官能性ブロックコポリマー、
CE-4-第二級アルコール末端基および第一級アルコール末端基が1:1の比率のポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマーの混合物の約1.5重量%、
CF-3およびCF-4、-脂肪酸修飾ポリエステルの約1~1.5重量%、
添加剤D(分子量8000の2級アルコール末端基と1の低HLBを持つポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー)を含有するすべてのフォーミュラは、閾値5000cPsよりはるかに高い粘度を有する、
CC-6、CF-1、およびCF-6は、添加剤の濃度が非常に低いか非常に高いため、最適粘度をはるかに上回っている、
CB-5、CC-4、およびCF-5は、粘度範囲の上端にある、
フォーミュラCC-3、CE-1、およびCE-6は粘度範囲の下端にあり、3D印刷用途でまだかなり役立つ可能性がある。
【0096】
分散剤を比較するために使用される配合物のレオロジーに基づいて、フォーミュラCA-1、CA-2、CB-3、CB-4、CB-6、CC-3、CC-5、CE-1、CE-4、CE-6、CF-3、およびCF-4が最も推奨される。
【0097】
実施例12C.セラミック光樹脂組成物の沈降に及ぼす分散剤の影響沈降測定は、卓上遠心分離機LUMiSizer(登録商標)6502-140(12チャンネルを装備)を使用して実施した。LUMiSizer(登録商標)は、サンプルが定義された期間にわたって遠心分離されるときに、キュベットウィンドウの長さ全体にわたってサンプルキュベットを通過する光透過率(865nm)を測定する。この測定技術は、透過率データに時間情報と空間情報の両方を提供し、沈降速度の計算を可能にする。すべての測定で、測定パラメータは次のとおりである。25℃、2500RPM、1000スキャン、スキャン間7秒。沈降速度データは、フォーミュラCに類似したフォーミュラCA-5(2重量%の界面活性剤を含む)と比較した各値の相対的な品質評価とともに表13に示されている。高い沈降速度値は、速い沈降に対応し、低い沈降速度値は、遅い沈降プロセスを示す。
【0098】
沈降速度の多くは、フォーミュラCA-5(ベンチマーク)の沈降速度と同等または同等に匹敵するが、フォーミュラCA-1およびCA-2は、沈降速度が高く、組成物の安定性が低いため、好ましくない。粘度と沈降速度を組み合わせて考慮すると、フォーミュラCB-3、CB-4、およびCF-4が最高の全体的な性能を示し、フォーミュラCB-1、CB-6、CC-5、CC-3、CE-1、CE-4、CE-5、CE-6、およびCF-3は優れた性能を発揮し、3D印刷にも有用である(つまり、粘度と安定性の基準を満たす)。
【0099】
実施例12D.セラミック光樹脂組成物の長期沈降に及ぼす分散剤の影響3D印刷用のセラミック光樹脂組成物の商品化を成功させるには、長期の配合物安定性と、輸送または保管に長時間費やした後のセラミック粒子を再分散させる能力が重要であるため、表13のセラミック光樹脂組成物の再分散性が研究された。各フォーミュラについて、Flack Tekスピードミキサーで2サイクルを使用してサンプルを混合し、続いてサンプルを40℃の炉に1週間置くことにより、加速された貯蔵寿命を決定した。炉から取り出した後、各サンプルの透明な相分離の量(高さ)を視覚的に検査し、金属ヘラで探り、容器の底の固形分量を定性的に決定した。次に、サンプルをFlack Tekでの1回の混合ステップと、サンプルの1回の目視検査を繰り返して、流動性を判断し、固形塊を特定した。サンプル中の固体が完全に再分散するまで、混合シーケンスを繰り返した。混合サイクル数と最初のサンプル検査を使用して、各フォーミュラの再分散性を不良、普通、または良好のいずれかに分類した(表13)。すべての配合物を再分散させることができるが、一部は、すべてのセラミック固体を均質化する前に≧5回の混合サイクルが必要である。特に、フォーミュラCA-1、CA-2、CA-4、CA-5、CB-2、およびCC-1は、最悪の再分散性能(「不良」)を示した。十分に機能した(「良好」)配合物は、2回以下の混合サイクルを必要とした。
【0100】
多くの配合物にはいくつかの有用な特性があるが、それらは、低および中程度のせん断速度、沈降速度、および加速された貯蔵寿命試験後の再分散性において、粘度の全体的に最高の性能を有するため、この例は、フォーミュラCB-1、CB-3、CB-4、CC-2、CC-3、CC-5、CE-1、CE-4、CE-5、CE-6、CF-3、およびCF-4が好ましい。フォーミュラCB-3、CB-4、CB-6、CC-5、CF-3、およびCF-4が最も好ましい。
【0101】
実例の実施形態
段落1.セラミック光樹脂組成物であって、エチレン性不飽和UV硬化性組成物と、全組成物に基づいて少なくとも約70重量%のセラミック組成物と、を含むセラミック光樹脂組成物。
【0102】
段落2.組成物が、全組成物に基づいて、少なくとも約72重量%のセラミック組成物を含む、段落1に記載の組成物。
【0103】
段落3.組成物が、全組成物に基づいて、少なくとも約75重量%のセラミック組成物を含む、段落1または段落2に記載の組成物。
【0104】
段落4.組成物が、全組成物に基づいて、約70重量%~約95重量%のセラミック組成物を含む、段落1に記載の組成物。
【0105】
段落5.組成物が、全組成物に基づいて、約72重量%~約90重量%のセラミック組成物を含む、段落1、2、または4のいずれか1項に記載の組成物。
【0106】
段落6.組成物が、全組成物に基づいて、約75重量%~約85重量%のセラミック組成物を含む、段落1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【0107】
段落7.セラミック組成物が、シリカおよび任意選択でジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、イットリア、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【0108】
段落8.セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて、少なくとも約50重量%のシリカを含む、段落1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【0109】
段落9.セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて、少なくとも約75重量%のシリカを含む、段落1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【0110】
段落10.セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて、少なくとも約75重量%~約100重量%のシリカを含む、段落1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【0111】
段落11.セラミック組成物が、全セラミック組成物に基づいて、約85重量%~約99重量%のシリカおよび約1重量%~約15重量%のジルコンを含む、段落1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【0112】
段落12.シリカが、約100μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含む、段落7~11のいずれか1項に記載の組成物。
【0113】
段落13.シリカが、約0.1μm~約100μmの粒子サイズを有するシリカ粒子を含む、段落7~12のいずれか1項に記載の組成物。
【0114】
段落14.シリカ粒子が、約0.5μm~約15μmのサイズを有する第1の粒子と、約50μm未満のサイズを有する第2の粒子と、を含む、段落12または段落13に記載の組成物。
【0115】
段落15.第1の粒子が球形であり、第2の粒子が非球形である、段落14に記載の組成物。
【0116】
段落16.セラミック組成物が、第1の粒子の約60重量%~約84重量%、第2の粒子の約15重量%~約35重量%、および約1重量%~約5重量%のジルコンを含む、段落14または段落15に記載の組成物。
【0117】
段落17.エチレン性不飽和UV硬化性組成物が、1つ以上の官能基を含むエチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーを含む、段落1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【0118】
段落18.エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーが、第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーを含む、段落17に記載の組成物。
【0119】
段落19.第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーが、ジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む、段落18に記載の組成物。
【0120】
段落20.第1の二官能性もしくは三官能性モノマーまたはオリゴマーが、式Aの1つ以上の化合物を含み、
【化4】
式中、
R
1が、HまたはC
1~C
6アルキルであり、
R
2が、Hまたは
【化5】
であり、
R
3、R
4、およびR
5が、独立して、HまたはCH
3であり、
X、Y、およびZが、独立して、存在しないか、またはC
1~C
6アルキレン基であり、
pが、0または1であり、
各出現時のwが、独立して、1、2、または3であり、
qが、0または1~100の整数であり、
tが、0または1~100の整数であり、
r、s、u、およびvが、独立して、0、1、2、3、または4であり、
但し、q+tが、100以下である、段落17~19に記載の組成物。
【0121】
段落21.pが、1であり、R1およびR2が、Hである、段落20に記載の組成物。
【0122】
段落22.q、r、s、t、およびwが、0であり、XおよびYが、独立して、C2~C5アルキレンである、段落20または段落21に記載の組成物。
【0123】
段落23.pが、1であり、R
1が、C
1~C
6アルキルであり、R
2が、
【化6】
である、段落20に記載の組成物。
【0124】
段落24.X、Y、およびZが、存在せず、wが、2であり、q、r、s、t、u、およびvが、1である、段落23に記載の組成物。
【0125】
段落25.X、Y、およびZが、独立して、C1~C3であり、wが、1であり、q、r、s、t、u、およびvが、1である、段落23に記載の組成物。
【0126】
段落26.r、p、およびsが、0であり、XおよびYが、存在せず、wが、2であり、qが、0または1~15の整数であり、tが、0または1~15の整数であり、uおよびvが、独立して、0、1、2、3、または4であり、q+tが、20以下である、段落20に記載の組成物。
【0127】
段落27.R3、R4、およびR5が、Hである、段落20~26のいずれか1項に記載の組成物。
【0128】
段落28.エチレン性不飽和UV硬化性モノマーまたはオリゴマーが、1つ以上の官能基を含む第2のモノマーまたはオリゴマーをさらに含む、段落19~27のいずれか1項に記載の組成物。
【0129】
段落29.第2のモノマーまたはオリゴマーが、約4000g/モル未満の分子量を有する第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む、段落28に記載の組成物。
【0130】
段落30.第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、ジ(メタ)アクリレートを含み、(メタ)アクリレートが、C、N、O、Siを含む6個以上の原子のリンカーによって接続されている、段落29に記載の組成物。
【0131】
段落31.第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、約2000g/モル未満の分子量を有する、段落29または段落30に記載の組成物。
【0132】
段落32.第1のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落17~31のいずれか1項に記載の組成物。
【0133】
段落33.第2のジ-もしくはトリ-(メタ)アクリレートモノマーまたはオリゴマーが、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落29~32のいずれか1項に記載の組成物。
【0134】
段落34.組成物が、全組成物に基づいて、約5重量%~約30重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物を含む、段落1~33のいずれか1項に記載の組成物。
【0135】
段落35.組成物が、光開始剤をさらに含む、段落1~34のいずれか1項に記載の組成物。
【0136】
段落36.光開始剤が、フェニルグリオキシレート、α-ヒドロキシケトン、α-アミノケトン、ベンジルジメチルケタール、モノアシルホスフィノキシド、ビスアシルホスフィノキシド、ベンゾフェノン、フェニルベンゾフェノン、オキシムエステル、チタノセン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落35に記載の組成物。
【0137】
段落37.光開始剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、エチル(2,4,6-チメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落35または段落36に記載の組成物。
【0138】
段落38.組成物が、全組成物に基づいて、約0.05重量%~約5重量%の光開始剤を含む、段落35~37のいずれか1項に記載の組成物。
【0139】
段落39.組成物が、配合添加剤をさらに含む、段落1~38のいずれか1項に記載の組成物。
【0140】
段落40.配合添加剤が、分散剤、レオロジー調整剤、またはそれらの組み合わせを含む、段落39に記載の組成物。
【0141】
段落41.配合添加剤が、尿素-ポリオール-脂肪族コポリマー、ポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、アルコキシル化ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ベンジルピリジニウム-3-カルボキシレート、第四級アンモニウム化合物、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性トリブロックコポリマー、第一級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、第二級アルコール末端基を有するポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、脂肪族ジカルボン酸の混合物、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、水中のアクリルコポリマーエマルジョン、アクリルブロックコポリマー、高分子量の不飽和カルボン酸、変性硬化ヒマシ油、脂肪酸変性ポリエステル、アルコールアルコキシレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落39または段落40に記載の組成物。
【0142】
段落42.配合添加剤が、少なくとも1個の窒素原子を含む、段落39または段落40に記載の組成物。
【0143】
段落43.配合添加剤が、約7以下の親水性-親油性バランス(HLB)を有する、段落39~42のいずれか1項に記載の組成物。
【0144】
段落44.配合添加剤が、
a)約1:1~約1:5の重量比の尿素-ポリオール-脂肪族コポリマーおよびポリプロポキシジエチルメチルアンモニウムクロリド、
b)アルコキシル化ポリエチレンイミン、
c)第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマー、
d)第一級および第二級アルコール末端基を有するポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)に基づく四官能性ブロックコポリマーの約0.5:1~約1:0.5の重量比の混合物、
e)アクリルブロックコポリマー、または
f)その2つ以上の組み合わせを含む、段落39~40のいずれか1項に記載の組成物。
【0145】
段落45.組成物が、全組成物に基づいて、約0.2重量%~約3重量%の配合添加剤を含む、段落39~44のいずれか1項に記載の組成物。
【0146】
段落46.組成物が、UV吸収剤をさらに含む、段落1~45のいずれか1項に記載の組成物。
【0147】
段落47.UV吸収剤が、ヒドロキシフェニルベンゾトリアジン、ネンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、ヒドロキシフェニル-s-トリアジン、スチルベンまたはそれらの誘導体、およびそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落46に記載の組成物。
【0148】
段落48.UV吸収剤が、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール、2,5-チオフェネジイル-ビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)、β-[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸-ポリ(エチレングリコール)300-エステルおよびビス{β[3-(2-H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル]-プロピオン酸}-ポリ(エチレングリコール)300-エステル、分岐および/または直鎖状2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、分岐および/または直鎖状C7~C9アルキル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートおよびtert-ブチル-ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチルエステル、ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンおよび2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール誘導体)、ヒドロキシ-フェニル-s-トリアジン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落46または段落47に記載の組成物。
【0149】
段落49.UV吸収剤が、2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール、2,5-チオフェネジイル-ビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)、分岐および/または直鎖状2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、分岐および/または直鎖状C7~C9アルキル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートおよびtert-ブチル-ヒドロキシフェニルプロピオン酸イソオクチルエステル、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール、ヒドロキシ-フェニル-s-トリアジン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、段落46~48のいずれか1項に記載の組成物。
【0150】
段落50.組成物が、全組成物に基づいて、0より大きく約0.2重量%未満のUV吸収剤を含む、段落46~49のいずれか1項に記載の組成物。
【0151】
段落51.組成物が、全組成物に基づいて、約0.001重量%~約0.1重量%のUV吸収剤を含む、段落46~50のいずれか1項に記載の組成物。
【0152】
段落52.硬化中のUV光の透過深さが、約0.1mm~約0.2mmである、段落46~51のいずれか1項に記載の組成物。
【0153】
段落53.組成物が、約3500cP~約5000cPの粘度を有する、段落1~52のいずれか1項に記載の組成物。
【0154】
段落54.組成物が、3D印刷組成物である、段落1~53のいずれか1項に記載の組成物。
【0155】
段落55.段落1~54のいずれか1項に記載の組成物のUV硬化連続層を含む、3D印刷物品。
【0156】
段落56.段落55に記載の3D印刷物品を使用して金属部品を鋳造するための方法。
【0157】
段落57.段落1~54のいずれか1項に記載の組成物を生成するための方法であって、
エチレン性不飽和UV硬化性組成物、および任意選択で光開始剤、配合添加剤、および/またはUV吸収剤を提供して、第1の混合物を提供することと、
第1の混合物を混合および加熱することと、
任意選択で、第1の混合物に光開始剤を添加することと、
セラミック組成物を第1の混合物に添加して第2の混合物を提供することと、
第2の混合物を混合することと、を含む、方法。
【0158】
段落58.三次元印刷物品を生成するための方法であって、段落1~54のいずれか1項に記載のUV硬化性組成物の1つ以上の連続層を塗布して三次元物品を製作することと、UV照射で連続する層を照射することと、を含む、方法。
【0159】
段落59.塗布することが、組成物の第1の層を基板に堆積し、組成物の第2の層を第1の層に塗布し、その後連続する層を適用することを含む、段落58に記載の方法。
【0160】
段落60.UV照射が、約300nm~約500nmの波長を含む、段落58または段落59に記載の方法。
【0161】
段落61.照射が、約10mW/cm2~約20mW/cm2の電力で約5秒未満行われる、段落58~60のいずれか1項に記載の方法。
【0162】
段落62.照射が、約40mW/cm2~約80mW/cm2の電力で約0.5秒未満行われる、段落58~60のいずれか1項に記載の方法。
【0163】
段落63.セラミック光樹脂組成物であって、
約5重量%~約30重量%のエチレン性不飽和UV硬化性組成物と、
約70重量%~約95重量%のセラミック組成物と、
約0.05重量%~約5重量%の光開始剤と、
約0.2重量%~約3重量%の配合添加剤と、
0より大きく約0.2重量%未満のUV吸収剤と、を含み、
組成物が、約3500cP~約5000cPの粘度を有し、
エチレン性不飽和UV硬化性組成物が、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパン-アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリレート、2-プロペン酸-1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル、1,6-ヘキサンジオールジ-2-プロペノエート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-アクリロールモルホリン、3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、2-プロペン酸1,4-ブタンジイル-ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]エステル、4-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリレート、オリゴマーウレタンアクリレート、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み、
セラミック組成物が、シリカ、および任意選択でジルコン、アルミナ、ジルコニア、ムライト、鉱物材料、イットリア、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含み、シリカが、約100μm未満の粒子サイズを有するシリカ粒子を含む、セラミック光樹脂組成物。
【0164】
段落64.組成物が、3D印刷組成物である、段落63に記載の組成物。
【0165】
段落65.段落63または段落64に記載の組成物のUV硬化連続層を含む、3D印刷物品。
【0166】
ある実施形態を図示し説明してきたが、以下の特許請求の範囲で定義される、そのより広い態様の技術から逸脱することなく、そこに当業者によって変更および修正を行うことができることを理解すべきである。
【0167】
本明細書に例示的に記載されている実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の1つまたは複数の要素、任意の1つまたは複数の限定がなくても適切に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、限定的ではなく、拡張的に読まれるべきである。さらに、本明細書で用いられる用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、このような用語および表現を使用して、示され説明された機能またはその部分のいかなる同等物を除外する意図はないが、請求された技術の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。さらに、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素および請求された技術の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を与えない、それらの追加の要素を含むことが理解されるであろう。「からなる」という語句は、指定されていないいかなる要素も除外する。
【0168】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかなように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことができる。本明細書に挙げているものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および組成物は、前述の説明から当業者には明らかであろう。このような修正および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。本開示は、このような請求項が権利を与えられる同等物の全範囲と共に、添付の請求項の用語によってのみ制限されるべきである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物学的システムに限定されず、言うまでもなく、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。
【0169】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群の観点から説明される場合、開示がまた、それによってマーカッシュ群の任意の個々の要素または要素の下位群の観点から説明されることを、当業者は認識するであろう。
【0170】
当業者に理解されるように、ありとあらゆる目的のために、特に書面による説明を提供するという観点から、本明細書に開示されるすべての範囲は、ありとあらゆる可能な部分範囲およびこれらの部分範囲の組み合わせも包含する。リストされた範囲は、十分に説明し、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分類できると容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下部3分の1、中部3分の1および上部3分の1に容易に分類できる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのすべての言語は、列挙された数を含み、上で説明したように、後で部分範囲に分類できる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、ある範囲は各個々の要素を含む。
【0171】
本明細書で指すすべての出版物、特許出願、発行済み特許、およびその他の文書は、あたかも各個々の出版物、特許出願、発行済み特許、またはその他の文書が、参照によりその全体が組み込まれると具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれたテキストに含まれる定義は、それらが本開示の定義と矛盾する限りにおいて除外される。
【0172】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に記載されている。