(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】航路標識管理システム、航路標識管理プログラム、及び航路標識管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 3/00 20060101AFI20231205BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231205BHJP
【FI】
G08G3/00 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023053204
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515177778
【氏名又は名称】インフカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】今 吏靖
(72)【発明者】
【氏名】高盛 哲実
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-513779(JP,A)
【文献】特開2019-204396(JP,A)
【文献】特開2021-144751(JP,A)
【文献】特開平11-160411(JP,A)
【文献】特開2011-170769(JP,A)
【文献】国際公開第2022/137952(WO,A1)
【文献】特開2004-303255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/30
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上に標識を配置管理する為の航路標識管理システムであって、
前記航路標識管理システムは、
水上
を航行する為
に水上マップに配置される指標
を表示する為の指標情報であって、該指標の位置情
報を含む指標情報を
、港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けて、該管理者と紐づけて登録する登録部と、
港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けた前記指標情報に基づいて、前記指標
が配置された水上マップを表示処理
し、表示処理結果を利用者に表示させる表示処理部とを有する、航路標識管理システム。
【請求項2】
前記登録部は、船の入出港経路を一意に特定する為の複数の経由地点を示す指標を登録する、請求項1に記載の航路標識管理システム。
【請求項3】
前記指標情報は、前記水上マップ上における前記指標の
公開条件を有し、
前記表示処理部は、
前記利用者に紐づく情報と前記公開条件に基づいて、
前記指標を表示処理する、請求項1
又は請求項2に記載の航路標識管理システム。
【請求項4】
前記航路標識管理システムは、利用者端末装置、管理者端末装置、及び判定部を更に有し、
前記指標は、航路標識及び/又は指定水域を示す指標を含み、
前記登録部は、
前記管理者から、前記航路標識及び/又は前記指定水域の入力を受け付け、
利用者から、航行予定水域の入力を受け付けて登録し、
前記判定部は、前記航行予定水域に前記航路標識又は前記指定水域が含まれる否かを判定する、請求項1
又は請求項2に記載の航路標識管理システム。
【請求項5】
前記指標は、水上競技が開催される水域である競技水域を示す指標を含み、
前記登録部は、水上競技を利用者と紐づけて登録し、
前記表示処理部は、利用者と紐づく水上競技の前記競技水域及び該利用者の位置情報を含む水上マップを表示処理する、請求項1
又は請求項2に記載の航路標識管理システム。
【請求項6】
前記航路標識管理システムは、判定部を更に備え、
前記判定部は、
利用者端末装置の位置情報に基づいて、前記水上競技と紐づかない利用者が前記競技水域の近傍に位置するか否か、又は
前記水上競技を主催する管理者が前記競技水域の近傍に位置するか否かを判定する、請求項
5に記載の航路標識管理システム。
【請求項7】
前記航路標識管理システムは、判定部を更に備え、
前記指標は、船舶が停留すべき領域である指定領域を示す指標を含み、
前記登録部は、前記指定領域の入力として、緯度経度の入力を受け付けると共に、該指定領域に船舶を停留させる利用者と紐づけて該指定領域を登録し、
前記判定部は、利用者端末装置の位置情報に基づいて、前記指定領域と紐づく利用者が該指定領域の境界近傍に位置するか否かを判定する、請求項1
又は請求項2に記載の航路標識管理システム。
【請求項8】
水上に標識を配置管理する為の航路標識管理プログラムであって、
前記航路標識管理プログラムは、
水上
を航行する為
に水上マップに配置される指標
を表示する為の指標情報であって、該指標の位置情
報を含む指標情報を
、港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けて、該管理者と紐づけて登録する登録部と、
港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けた前記指標情報に基づいて、前記指標
が配置された水上マップを表示処理
し、表示処理結果を利用者に表示させる表示処理部として、コンピュータを機能させる、航路標識管理プログラム。
【請求項9】
水上に標識を配置管理する為の航路標識管理方法であって、
水上
を航行する為
に水上マップに配置される指標
を表示する為の指標情報であって、該指標の位置情
報を含む指標情報を
、港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けて、該管理者と紐づけて登録するステップと、
港湾施設の管理者、係留施設の管理者、又は水上競技の主催者を含む複数の管理者から受け付けた前記指標情報に基づいて、前記指標
が配置された水上マップを表示処理
し、表示処理結果を利用者に表示させるステップと、をコンピュータが実行する、航路標識管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航路標識管理システム、航路標識管理プログラム、及び航路標識管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中型・大型の商用船等を対象として、一般的な船舶や航路や灯標、灯浮標等の航路標識や漁業エリア等の情報を水上マップ等上に表示する技術の一例が、例えば、特許文献1、2及び非特許文献1において提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、オペレータは、魚探用送付受波装置4の反響波情報から好適な漁礁等を発見した場合には、当該地点の位置情報を記憶させることができ、このように位置情報を記憶した地点を目標地点に設定することで地図上に表示することができることが開示されている。
【0004】
また例えば、特許文献2には、Chart情報DB101に格納されている灯台、灯標及び灯浮標を含む航路標識(標識情報)を読み取り、この航路標識を図示化して標識画像を生成する機能を有すること、Chart情報DB101には、灯浮標30の情報が格納されていて、海図表示部105に表示されることが開示されている。
【0005】
また例えば、非特許文献1には、港湾付近に位置する灯台等の灯や、海交法航路等の航路等を指定することで、地図上に表示されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-18538号公報
【文献】特開2018-200416号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】「海洋状況表示システム」、[令和5年2月21日検索日]、インターネット<URL:https://www.msil.go.jp/msil/Htm/main.html?Lang=0>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし上記先行技術は、小型船舶での沿岸漁業及びマリンレジャー艇、シーカヤック等の艇に対して航路や標識等を表示することを前提としておらず、小型船舶等を利用する利用者にとっては、自身が注意すべき水域、安全に航行できる水域を明確に知ることができないという問題があった。また、気象条件の悪化等によりそれらの危険場所を目視できないことによる事故・遭難も多発してしまっていた。そして、小型船舶等を利用する利用者にとっても安全な航行を可能にするような技術が求められていた。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、デジタルの水上マップに標識を配置管理することを可能にする新たな技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、水上に標識を配置管理する為の航路標識管理システムであって、前記航路標識管理システムは、水上に配置され、水上における航路を決定する為の指標となる位置情報、及び該指標の地域情報を含む指標情報を登録する、登録部と、前記指標情報に基づいて、前記指標を含む水上マップを表示処理する表示処理部とを有する。
【0011】
また、本発明は、水上に標識を配置管理する為の航路標識管理プログラムであって、前記航路標識管理プログラムは、水上に配置され、水上における航路を決定する為の指標となる位置情報、及び該指標の地域情報を含む指標情報を登録する、登録部と、前記指標情報に基づいて、前記指標を含む水上マップを表示処理する表示処理部として、コンピュータを機能させる。
【0012】
また、本発明は、水上に標識を配置管理する為の航路標識管理方法であって、水上に配置され、水上における航路を決定する為の指標となる位置情報、及び該指標の地域情報を含む指標情報を登録するステップと、前記指標情報に基づいて、前記指標を含む水上マップを表示処理するステップと、をコンピュータが実行する。
【0013】
このような構成とすることで、航路を決定する為の指標と属性情報を紐づけて登録し、水上マップに指標を表示させることができる。これにより、地域特有の情報と紐づけて指標要素を管理することができ、指標要素を表示することができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記指標は、指定水域を示す指標を含み、前記登録部は、前記指定水域の入力として、複数の緯度経度の入力を受け付け、前記表示処理部は、該複数の緯度経度に基づいて、平面又は曲面として前記指定水域を表示処理する。
【0015】
このような構成とすることで、緯度経度を入力することで、航行を決定する為の指標として指定水域を表示することができる。これにより、領域を有する指標であっても指標要素として設定することができ、水上マップに表示させることができる。
【0016】
より好ましい形態では、前記指標情報は、前記水上マップ上における前記指標の表示期間を有し、前記表示処理部は、前記指定水域の表示期間に基づいて、前記指定水域を含む水上マップを表示処理する。
【0017】
このような構成とすることで、指標要素に表示期間を設定することができ、該表示期間に基づいて、水上マップ上に指標を表示させることができる。これにより、例えば、短期的に設定された漁網等の設置物や、期間を限定した警戒水域に対応して、より正確に水上マップに指標を表示させることができる。
【0018】
より好ましい形態では、前記航路標識管理システムは、利用者端末装置、管理者端末装置、及び判定部を更に有し、前記指標は、航路標識及び/又は指定水域を示す指標を含み、前記登録部は、水上の状況を管理する管理者から、前記航路標識及び/又は前記指定水域の入力を受け付け、利用者から、航行予定水域の入力を受け付けて登録し、前記判定部は、前記航行予定水域に前記航路標識又は前記指定水域が含まれか否かを判定する。
【0019】
このような構成とすることで、利用者が設定した航行予定水域に、管理者が設定した指標が含まれる場合に、該航行予定水域を設定した利用者に対してアラートをすることができる。これにより、利用者は、航行により注意を払うことができ、事故を防止することができる。
【0020】
より好ましい形態では、前記登録部は、前記航路標識の登録を行う管理者から、前記指標として1又は複数の航行経由地の設定入力を受け付け、前記表示処理部は、利用者の位置と、前記1又は複数の航行経由地とを通過する航行予定航路を含む水上マップを表示処理する。
【0021】
このような構成とすることで、管理者が設定した指標と、利用者が設定した目標地点を結んだ航行予定航路を設定し、水上マップ上に表示させることができる。これにより、利用者が目標地点を設定するだけで、目標地点までの航行予定航路を表示させることができ、安全かつ容易に航行をすることができる。
【0022】
より好ましい形態では、前記指標は、水上競技が開催される水域である競技水域を示す指標を含み、前記登録部は、水上競技を利用者と紐づけて登録し、前記表示処理部は、利用者と紐づく水上競技の前記競技水域及び該利用者の位置情報を含む水上マップを表示処理する。
【0023】
このような構成とすることで、水上競技に参加する利用者に対して、参加情報を登録した水上競技の競技水域を水上マップ上に表示させることができる。これにより、利用者は自身が参加する水上競技の競技範囲を知ることができる。
【0024】
より好ましい形態では、前記航路標識管理システムは、判定部を更に備え、前記判定部は、前記水上競技を主催する管理者が前記水上競技水域の近傍に位置するか否か、又は利用者端末装置の位置情報に基づいて、前記水上競技と紐づかない利用者が前記競技水域の近傍に位置するか否かを判定する。
【0025】
このような構成とすることで、水上競技に参加しない利用者に対して、競技水域の範囲内に侵入しないようにアラートすることができる。これにより、水上競技の部外者が競技水域に侵入することを防ぎ、部外者と競技者との接触事故を防止することができる。
【0026】
より好ましい形態では、前記航路標識管理システムは、判定部を更に備え、前記指標は、船舶が停留すべき領域である指定領域を示す指標を含み、前記登録部は、前記指定領域の入力として、緯度経度の入力を受け付けると共に、該指定領域に船舶を停留させる利用者と紐づけて該指定領域を登録し、前記判定部は、利用者端末装置の位置情報に基づいて、前記指定領域と紐づく利用者が該指定領域の境界近傍に位置するか否かを判定する。
【0027】
このような構成とすることで、船舶が停留すべき領域毎に船舶を停留させる利用者を指定して登録することができ、指定した領域から利用者が離脱しそうになると該利用者に対して注意を促すことができる。これにより、水上に領域を特定する物体を設置することなく、停留すべき領域を設定することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、水上に標識を配置管理することを可能にする新たな技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明における一実施形態に係るシステム構成図である。
【
図2】本発明における一実施形態に係るハードウェア構成図である。
【
図3】本発明における一実施形態に係る機能ブロック図である。
【
図4】本発明における処理フローチャートの一例である。
【
図5】本発明における表示画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明における表示画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明における表示画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明における表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0031】
例えば、本実施形態では航路標識管理システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより航路標識管理装置、航路標識管理システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0032】
本発明は、水上に標識を配置管理する為の航路標識管理システムに関する。本発明において標識とは、水上における航路を決定する為の指標(指標要素)であって、指標の区分として、注意すべき指標と、安全な地点を示す指標を含む。注意すべき指標としては、区画漁業権の区域、定置漁業権の区域、工事等の危険要因による警戒区域、及び水上競技の競技水域等の領域を示す指定水域と、浅瀬となっている場所、灯台、灯浮標、暗礁、航路標識等の航行の障害となる指定地点を含む。また、安全な地点を示す指標としては、水上の状況を管理する管理者が安全だと認定した航行経由地点、及びマリン競技の通過ブイ(マーク)である競技地点を含む。なお、本実施形態における水上は海上であるが、湖上や河川上であってもよい。
【0033】
本実施形態においては、航路標識管理システムを利用する者を利用者と呼ぶ。具体的に利用者としては、小型船舶等を利用して海を航行する航海者、マリン競技に参加する競技者、マリン競技に参加せず海を航行する部外者、マリン競技の競技海域の境界に停留する競技スタッフを含む。
【0034】
<1.システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、航路標識管理システム0は、情報管理装置1(サーバ)、利用者端末装置3、及び管理者端末装置4を備え、これらがネットワークNWを介して通信可能に構成される。
【0035】
情報管理装置1として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ、汎用端末等を利用することが可能である。利用者端末装置3として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。利用者端末装置3は、情報管理装置1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為の情報管理装置利用プログラムを有する。
【0036】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0037】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。
図2(a)に示すように、情報管理装置1は、処理部101、記憶部102及び、通信部103を備える。
【0038】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、本発明に係るデータ提供プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、情報管理装置1の動作処理全体を制御する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及びデータ提供プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに接続する為の通信インターフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0039】
図2(b)に示すように端末装置90(利用者端末装置3及び管理者端末装置4)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904、表示部905、及び位置情報インターフェース906を有する。
【0040】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、情報管理装置1を利用する為の情報管理装置利用プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、利用者端末装置3及び管理者端末装置4の動作処理全体を制御する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及び情報管理装置利用プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに接続する為の通信インターフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、キーボードやタッチパネルなどの入力処理が可能な入力デバイスを有する。
表示部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイスを有する。
位置情報インターフェース906は、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)等の周知技術を用いて、端末装置90のその場所における位置情報を取得する。
【0041】
<1.2.情報管理装置の機能構成>
図3は、航路標識管理システム0の機能ブロック図である。
図3に示すように情報管理装置1は、配信部11、登録部12、判定部13、通知部14、特定部15、及びデータベース2を備える。また、利用者端末装置3(管理者端末装置4)は、表示処理部31及びデータ格納部32を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102/記憶部902に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(処理部101/901等)によって具体的に実現されたものである。
【0042】
なお、情報管理装置1が備える各機能構成要素(部)の一部又は全部がクライアントである利用者端末装置3(管理者端末装置4)に備えられてもよい。例えば、利用者端末装置3が登録部12、判定部13、通知部14、及び特定部15等を備え、情報管理装置1は指標要素等の種々のデータを記録管理するクラウドストレージであってもよい。本実施形態では、航路標識管理システム0は、情報管理装置利用プログラムを実行した利用者端末装置3(管理者端末装置4)を介して利用されるが、利用者端末装置3(管理者端末装置4)に対してデータ提供プログラムをインストールすることで、情報管理装置1を構成してもよい。なお、装置は、ネットワークNW又は別のネットワークにより情報の送受信が可能になされた複数のコンピュータにより構成されてもよい。
【0043】
<1.2.1.データベース2>
データベース2は、管理者情報21、指標情報22、利用者情報23、出港情報24、及び参加情報25を格納する。
【0044】
配信部11はデータベース2に格納された種々の情報を利用者端末装置3又は管理者端末装置4に対して配信し、データ格納部32は配信された種々の情報を記憶部902に格納する。また、配信部11は、データベース2に格納された種々の情報を外部システムに配信する外部配信部を有しても良い。表示処理部31は、配信された種々の情報を表示処理し、表示処理結果を表示部905に送信することで、種々の画面を利用者端末装置3又は管理者端末装置4において表示させる。ここで、表示処理部31は、後述の航行予定航路を決定する為の航路決定部を有してもよい。
【0045】
なお、情報管理装置1において、データベース2に格納された種々の情報が表示処理されてもよく、利用者端末装置3では、送信された表示処理結果を受け取って表示部905に種々の画面を表示させてもよい。以降は説明の簡略化の為、不明にならない範囲で、配信部11、表示処理部31及びデータ格納部32の介在を省略して説明する。
【0046】
<1.2.3.管理者情報21>
管理者情報21は、海上の状況を管理する管理者に関する情報である。管理者情報21は、管理者を一意に特定する管理者ID、氏名、所属団体を有する。本実施形態において所属団体は、海上保安庁、港湾施設、係留施設、マリン競技の主催者、工事事業者等を含む。
【0047】
<1.2.4.指標情報22の登録>
登録部12は、海上マップに表示する指標に関する指標情報22の入力を受け付けて、データベース2に登録する。本実施形態において指標情報22は、指標要素を一意に特定する指標ID、指標要素及び属性情報を有し、管理者情報21と紐づけてデータベース2に登録される。ここで、指標要素は、指標区分、指標内容、設置者、注意事項、及び位置情報を含む。また属性情報とは、どの利用者に指標要素を表示するかを示す公開条件、指標要素の表示期間、及び指標要素が配置された地域に関する地域情報を有する。ここで公開条件としては、無制限、利用者が港湾施設又は係留施設に紐づく場合、利用者がマリン競技等と紐づく場合が含まれる。
【0048】
ここで地域情報は、地域に特有な情報である。本実施形態において地域情報は、係留施設又は港湾施設に関する情報(係留施設又は港湾施設の利用方法、及び係留の際の注意事項等)であるが、気象等の影響による地域的海況変化の注意情報であってもよい。また地域情報は、上記情報の複数を含む情報であってもよい。また、地域情報は、地域の所定の領域を示す情報であってもよく、この場合、所定の領域を決定する為の区分マスタが登録されており、該区分マスタに基づいて地域情報の所定の領域が設定されてもよい。なお、地域情報の領域は、緯度経度、緯度経度に基づく位置情報を中心とする円周であってもよい。また、本実施形態において登録部12は、管理者から指標情報22の入力を受け付けるが、実際に航行している利用者から受け付けてもよい。
【0049】
また本実施形態において表示処理部31は、API等により、外部サーバから海上マップを取得するが、海上マップが記憶部102に格納されていてもよい。
【0050】
<1.2.5.利用者情報23の登録>
登録部12は、航行を行う利用者の利用者情報23をデータベース2に登録する。利用者情報23は、利用者を一意に特定する利用者ID、利用者名、連絡先、及び連絡者等を含む。
【0051】
<1.2.6.出港情報24の登録>
登録部12は、利用者から、出港に関する出港情報24の入力を受け付け、データベース2に登録する。出港情報24は、出港情報24を一意に特定する出港ID、出港・帰港日時、出港する船艇、出港地、帰港地、乗船者数、及び航行予定水域等を有し、利用者情報23、グループ情報及び航行軌跡と紐づけて登録される。ここでグループ情報は、航行を行うグループに関する情報であって、グループを一意に特定するグループID、グループ名を有し、利用者情報23と紐づけて登録される。また航行軌跡は、位置情報インターフェース906によって取得される位置情報の履歴に基づいて、出港情報24毎に登録される。
【0052】
<1.2.7.参加情報25の登録>
登録部12は、利用者から、マリン競技の参加に関する情報の入力を受け付け、データベース2に登録する。参加情報25は、参加情報25を一意に特定する参加ID、利用者ID、を有し、マリン競技の大会に関する大会情報と紐づけて登録される。ここで、大会情報は、マリン競技の大会を一意に特定する大会ID、大会名、大会内容、大会位置情報、開催期間、指標ID、及び管理者IDを有する。
【0053】
<1.2.8.判定部13>
判定部13は、所定の条件を満たしか否かを判定する。判定部13は、所定の条件として、航行予定水域に航路標識又は指定水域が含まれる否かを判定する。また、判定部13は、所定の条件として、利用者端末装置3の位置情報に基づいて、指定海域の近傍に位置する利用者がいるか否かを判定する。そして、判定部13は、判定結果に応じて通知部14に対して通知を行う命令を送信する。
【0054】
<1.2.9.通知部14>
通知部14は、利用者に通知を行う。通知部14は、判定部13から通知を行う命令を受け付けると、特定の利用者に対して通知を行う。
【0055】
<1.2.10.特定部15>
特定部15は、地域情報に基づいて目標地点を特定する。特定部15は、利用者から帰港に係る入力(以下、帰港指示)を受け付けると、地域情報として港に関する情報を用いて、目標地点となる港を特定する。
【0056】
<2.実施例>
次いで、
図4~
図9を参照して、航路標識の管理方法について説明する。また、
図4~
図7は、利用者が指定した海域を利用者自身が航行する場合の実施例1について示す図であり、
図8~9は、利用者がマリン競技に参加する場合の実施例2について示す図である。
【0057】
<2.1.実施例1:利用者が航行を行う場合>
図4は、管理者が指標情報22を登録し、指標情報22を利用者端末装置3に表示する為の処理フローチャートである。
【0058】
<2.1.1.指標情報22の登録>
まず、ステップS1(以下、「ステップSX」を「SX」とする)において、登録部12は、管理者から、指標情報22の入力を受け付けて登録する。本実施形態において登録部12は、指標情報22として、指標要素の緯度経度、指標内容及び指標区分と、表示期間と、港に関する情報との入力を受け付ける。
【0059】
具体的には、指標区分が航行経由地点、競技地点、及び指定地点の場合には、登録部12は、1点の緯度経度の入力を受け付ける。また、指標区分が指定海域の場合には、登録部12は、1又は複数の緯度経度の入力を受け付ける。例えば、1点の緯度経度が入力される場合には、該1点を中心とする円;2点の緯度経度の入力がされる場合には、該2点を直径とする円、該円の直径を斜辺とする任意の三角形、又は該直径を対角線とする円に内接する任意の長方形;3点以上の複数点の緯度経度が入力される場合には、該複数点を頂点とする多角形、該複数点の重心を中心とする円が指定海域として登録される。
なお、本実施形態において登録部12は、利用者端末装置3から緯度経度の入力を受け付けてもよく、利用者端末装置3の位置情報を用いて緯度経度の入力を受け付けてもよい。
【0060】
<2.1.2.出港情報24の入力>
次いで、S2において、登録部12は、利用者から出港情報24として、出港・帰港日時、出港する船艇、出港地、帰港地、乗船者数、航行予定海域、寄港地、及びグループ情報の入力を受け付ける。
【0061】
<2.1.3.利用者端末装置3における表示例>
図5は、航行予定海域を登録する為の利用者端末装置3の操作画面W1の画面表示例である。
図5(a)は、操作画面W1を表示した時の表示画面の一例を示す図である。操作画面W1は、指標要素IE及び航行経由地点VPを含む海上マップMMを、スクロール操作可能に表示する。
【0062】
図示例では、指定地点として、暗礁や浅瀬を示す指標要素IE1、及び航路標識を示す指標要素IE2、及び灯台や灯浮標を示す指標要素IE3;指定海域として、定置漁業権の区域を示す指標要素IE4、及び区画漁業権の区域を示す指標要素IE5;航行経由地点として、安全な地点を示す指標要素VPを含む。また、本実施形態においては、属性情報の表示期間に基づいて、S2において入力された出港地の港に紐づく指標要素IEが表示される。また、指標要素IEにカーソルを重畳させることで、指標要素IEの指標区分、指標内容、位置情報、表示期間(無期限又は指定期間)等が吹き出し形式で表示される(不図示)。そして、操作画面W1の「範囲選択」の選択入力を受け付けると、航行予定海域の入力を受け付け可能に操作画面W1が表示される。なお、本実施形態において指定地点は点を示すが、指定地点から所定の半径を有する正円であってもよい。
【0063】
図5(b)は、航行予定海域SSAの領域を入力する場合の図示例である。本実施形態において登録部12は、ドラッグ操作によって航行予定海域SSAの領域の入力を受け付けるが、指標要素の登録方法(S1)と同様の方法で航行予定海域SSAの入力を受け付け、航行予定海域SSAを登録してもよい。また、
図5(c)は、航行の目標地点GLの入力を受け付けることで、航行予定航路の入力を受け付ける場合の図示例である。本実施形態において表示処理部16は、目標地点GLの入力を受け付けると、目標地点GL及び航行経由地点VPを通過する航行予定航路を表示処理する。
【0064】
<2.1.4.通知部14による通知>
次いで、S3において判定部13は、登録された航行予定海域SSA内に、航路標識等の指標要素が含まれているか否かを判定する。そして、航行予定海域SSA内に指標要素が含まれている場合に(S3でYES)、判定部13は、航行予定海域SSAを登録した利用者を特定して、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に注意を促す通知を行う(S4)。一方、航行予定海域SSA内に指標要素が含まれない場合には(S3でNO)、通知は行われずS5に進む。
【0065】
<2.1.5.航行開始指示の受け付け>
S5において、表示処理部31は、利用者から、航行開始の指示を受け付けたか否かを判断する。そして、航行開始指示を受け付けた場合には(S5でYES)、S2で受け付けた航行予定海域SSAを表示する(S6)。一方、航行開始指示を受け付けない場合には(S5でNO)、航行開始指示を受け付けるまで待機する。
【0066】
図6は、S2において登録された航行予定海域SSAを表示する利用者端末装置3の操作画面W2の画面表示例である。
図6(a)は、航行予定海域SSAとして領域の入力を受け付け、航行開始指示を受け付けた後しばらく航行した時の操作画面W2の画面表示例である。操作画面W2は、指標要素IE1~5及び航行経由地点VPに加え、利用者位置ML及びグループ表示部GDを含む海上マップMMを、スクロール操作可能に表示する。グループ表示部GDが選択入力されることで、利用者と紐づく他の利用者の利用者位置MLが表示される。
【0067】
また、図示例では、利用者の船舶の前方には、指定海域(IE4)が表示されている。この場合、AR(Augmented Reality)等の拡張現実技術を用いて、利用者端末装置3に指定海域(IE4)を表示する。
【0068】
図6(b)は、利用者端末装置3に指標要素がAR表示された場合のAR表示画面の表示例である。AR表示画面は、指定海域(IE4)、指定地点(IE3)、直進航路SR及び推薦航路RRをレンダリングした風景が表示される。ここで、推薦航路RRは、管理者によって登録された航行経由地点(VP)及び現在の利用者の位置情報を直線で結ぶように、直進航路SRと異なる態様で同時に表示される。なお、本実施形態においては、平面の指定海域が表示されるが、地球表面の曲率を考慮した曲面であってもよい。
【0069】
また
図6(c)は、帰港する際に表示される操作画面W2の画面表示例である。帰港指示を受け付けると、利用者の現在地点(利用者位置ML)、及び航行経由地点VPを通過し、S2において登録された港情報の港を直線で結んだ航行予定航路が操作画面W2において表示される。なお、本実施形態では、特定部15は、港情報に基づいて目標地点の港を特定するが、利用者の位置情報に基づいて、港を特定してもよい。
【0070】
<2.1.6.管理者端末装置4における利用者の位置情報の表示>
また、出港情報24の出港地に紐づく管理者の管理者端末装置4(表示処理部31)は、利用者端末装置3の位置情報を表示処理し、管理者端末装置4の表示部905に表示させる。これにより、管理者は、出港した利用者が危険に遭遇していないか等を確認することができる。
【0071】
<2.1.7.通知部14による通知>
次いで、S7において判定部13は、登録された航行予定海域SSAから外れた地点に位置する利用者又は航行予定海域SSAから外れそうな利用者がいるかどうかを判定する。そして、該利用者がいると判定した場合には(S7でYES)、判定部13は、該利用者を特定し、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に通知を行う(S8)。例えば
図6(a)では、航行予定海域SSAの領域の境界近傍に位置する利用者が特定され、該利用者に対して注意を促す旨の通知がされる。また、
図6(c)では、航行予定航路の航路上から外れた利用者が特定され、該利用者に対して注意を促す旨の通知がされる。なお、該利用者が特定されない場合には(S7でNO)、通知が行われずS9に進む。
【0072】
次いで、S9において判定部13は、航路標識等の指標要素の近傍に位置する利用者がいるかどうかを判定する。そして、該利用者がいると判定した場合には(S9でYES)、判定部13は、該利用者を特定し、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に通知を行う(S10)。例えば
図6(a)、(c)では、指定海域(IE4)の近傍に位置する利用者が特定され、該利用者に対して注意を促す旨の通知がされる。より好ましい形態では、判定部13は、利用者端末装置3の進行方向の航行予定海域に指標要素が含まれるか否かを判定する。具体的には、判定部13は、出港情報24の航行軌跡に基づいて利用者端末装置3の進行方向を特定し、航行予定海域又は航行予定航路のうち、利用者の位置から進行方向側の航行予定海域又は航行予定航路に指標要素が含まれるか否かを判定する。なお、該利用者がいると判定されない場合には(S9でNO)、通知が行われずS11に進む。
【0073】
そして、S11において、利用者から、航行終了の指示を受け付けたか否かを判断する。そして、航行終了指示を受け付けた場合には(S11でYES)、処理を終了する。一方、航行終了指示を受け付けない場合には(S11でNO)、処理を継続する。
【0074】
以上S1~S11の処理によって、小型船舶等の利用者でも安全な航行を行うことができる。
【0075】
<2.2.実施例2:利用者がマリン競技を行う場合>
以下、
図7~8を参照して、利用者がマリン競技の参加情報25を登録し、マリン競技を行う場合の実施例について説明する。
【0076】
<2.2.1.競技海域の表示例>
図7は、管理者が指定海域としてマリン競技の競技海域を登録し、利用者端末装置3又は管理者端末装置4に該競技海域を表示する操作画面W3の画面表示例である。
【0077】
操作画面W3は、境界位置BL、競技海域CB、個別競技海域ICB、及び利用者位置ML1~3を含む海上マップMMを表示する。競技海域CBは、複数の個別競技海域ICBを包含するように設定され、表示される。本実施形態において登録部12は、管理者から、複数の境界位置BLの位置情報の入力を受け付け、該境界位置BLを直線で連結して競技海域CBを登録する。
【0078】
なお、境界位置BLは、利用者端末装置3の位置情報を用いて入力されてもよい。また、競技海域CBは、境界位置BLの入力に代えて、ドラッグ操作によって入力されてもよい。また、個別競技海域ICBが、競技海域CBとして設定されてもよい。
【0079】
本実施形態において登録部12は、マリン競技への参加情報25を、マリン競技を主催する管理者と紐づけて、利用者毎に登録する。好ましい形態では、利用者端末装置3の表示処理部31は、利用者と紐づくマリン競技の個別競技海域ICBを含む海上マップMMを表示処理し、表示処理結果を該利用者の利用者端末装置3の表示部905に表示させる。また、管理者端末装置4の表示処理部31は、管理者自身が主催するマリン競技と紐づく利用者の位置情報を含む海上マップMMを表示処理し、表示処理結果を該管理者の管理者端末装置4の表示部905に表示させる。
【0080】
なお、本実施形態において表示処理部31は、マリン競技毎に所定の範囲が設定されており、該範囲に基づいて個別競技海域ICBを表示処理する。一方、航路標識管理システムは、決定部を更に備え、決定部は、マリン競技に紐づく参加情報25に基づいて参加者数を集計して、該参加者数に応じた範囲を決定し、表示処理部31は該範囲に基づいて個別競技海域ICBを表示処理してもよい。
【0081】
<2.2.2.通知部14による通知>
判定部13は、競技海域CBの境界近傍に位置する利用者がいるかどうかを判定する。そして、該利用者がいると判定した場合には、判定部13は、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に通知を行う。本実施形態において判定部13は、マリン競技と紐づく利用者であって、該マリン競技の個別競技海域ICBの境界近傍に位置する利用者がいるかどうかを判定する。そして、該利用者がいると判定した場合には、判定部13は、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に対して注意を促す通知を行う。また、判定部13は、マリン競技の参加情報25が登録されていない利用者であって、該マリン競技の競技海域CBの近傍に位置する利用者がいるかどうかを判定する。そして、該利用者がいると判定した場合には、判定部13は、通知部14に該利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該利用者に対して注意を促す通知を行う。即ち、競技水域から外れそうな利用者、又は競技水域から外れてしまった利用者に対して通知を行うことができる。
【0082】
<2.2.3.指定領域の表示>
図8は、競技海域CBに沿うように船舶が停留すべき領域である指定領域と、該指定領域に停留する船舶を、管理者端末装置4又は船舶を停留させる利用者の利用者端末装置3の操作画面W4の画面表示例である。
【0083】
操作画面W4は、競技海域CB、個別競技海域ICBに加え、指定領域DA及び停留利用者位置SULを含む。指定領域DA及び停留利用者位置SULは、位置情報に基づいて、表示される。本実施形態において登録部12は、管理者から、指定領域DAの登録に係る入力として緯度経度の入力を受け付けると共に、該指定領域DAと停留利用者を紐づけて該指定領域DAを登録する。具体的には、指定領域DAと停留利用者は共通の識別番号を介して紐づけられる。そして、該識別番号が指定領域DA毎、停留利用者位置SUL毎に表示される。なお、本実施形態において指定領域DAの範囲は、任意の半径を有する正円であるが、始点と終点が一致する任意の図形であっても良い。
【0084】
<2.2.4.通知部14による通知>
判定部13は、指定領域DAと紐づく停留利用者であって、該指定領域DAの境界近傍に位置する停留利用者がいるか否かを判定する。そして、該停留利用者がいると判定した場合には、判定部13は、通知部14に該停留利用者に対して通知を行う命令を送信し、通知部14は該停留利用者に対して通知を行う。図示例では、停留利用者位置SUL「F6」が指定領域DA「F6」の境界近傍に位置する為、該指定領域DAから外れないように注意を促す通知を行う。また、表示処理部31は、位置情報が所定時間以上取得されない停留利用者を他の停留利用者と区別して表示処理してもよい。
【0085】
以上のように、マリン競技に参加する利用者や、マリン競技の競技海域の境界に船舶を停泊させる停泊利用者の位置情報を表示し、所定の範囲を逸脱する場合に通知を行うことができる。これにより、指標が立てられない海上であっても、正確に位置を把握することができ、安全にマリン競技を行うことができる。
【符号の説明】
【0086】
0 :航路標識管理システム
1 :情報管理装置
2 :データベース
3 :利用者端末装置
4 :管理者端末装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :処理部
90 :端末
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :出力部
906 :位置情報インターフェース
11 :配信部
12 :登録部
13 :判定部
14 :通知部
15 :特定部
31 :表示処理部
32 :データ格納部
W1 :操作画面
MM :海上マップ
IE :指標要素
IE1 :暗礁や浅瀬を示す指標(指定地点)
IE2 :航路標識を示す指標(指定地点)
IE3 :灯台や灯浮標を示す指標(指定地点)
IE4 :定置漁業権の区域を示す指標(指定海域)
IE5 :区画漁業権の区域を示す指標(指定海域)
VP :安全な地点を示す指標(航行経由地点)
SSA :航行予定海域
GL :目標地点
W2 :操作画面
ML :利用者位置
GD :グループ表示部
SR :直進航路
RR :推薦航路
W3 :操作画面
CB :競技海域
ICB :個別競技海域
BL :境界位置
W3 :操作画面
SUL :停留利用者位置
DA :指定領域
【要約】
【課題】
水上に標識を配置管理することを可能にする新たな技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
デジタルの水上マップに小型船舶等の小型艇の安全対策に寄与する標識を配置管理する為の航路標識管理システムであって、前記航路標識管理システムは、水上に配置され、水上における航路を決定する為の指標となる位置情報、及び該指標の地域情報を含む指標情報を登録する、登録部と、前記指標情報に基づいて、前記指標を含む水上マップを表示処理する表示処理部とを有する。
【選択図】
図1