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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-06
(45)【発行日】2023-12-14
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/18 20060101AFI20231207BHJP
   E02F 9/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
E02F9/18
E02F9/08 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021197393
(22)【出願日】2021-12-03
(65)【公開番号】P2023083171
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】持丸 裕洋
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-044948(JP,A)
【文献】特開2017-008514(JP,A)
【文献】特開2012-057299(JP,A)
【文献】特開2016-055935(JP,A)
【文献】特開平11-001940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00-9/28
B66C 23/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体と、
前記車両本体の後部のフレーム部に着脱可能なカウンタウエイトと、
前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトが載置される載置状態と、前記カウンタウエイトを前記車両本体から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能に前記フレーム部に配置されたマウントブラケットと、
前記フレーム部において前記カウンタウエイトとは車体前後方向でみて反対側に配置され、前記マウントブラケットが前記載置状態または前記取り外し状態となるように操作する操作部と、を備え
前記操作部は、前記マウントブラケットに接続されており、
前記マウントブラケットは、前記操作部の操作によって動かされ、前記載置状態と前記取り外し状態との間で変更される、
作業機械。
【請求項2】
前記マウントブラケットは、前記車体前後方向を軸として回転可能に前記フレーム部に配置されており、前記回転によって、前記載置状態と前記取り外し状態との間を変更可能であり、
前記マウントブラケットは前記操作部の前記車体前後方向を軸とする回転操作によって回転する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
車両本体と、
前記車両本体の後部のフレーム部に着脱可能なカウンタウエイトと、
前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトが載置される載置状態と、前記カウンタウエイトを前記車両本体から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能に前記フレーム部に配置されたマウントブラケットと、
前記フレーム部において前記カウンタウエイトとは車体前後方向でみて反対側に配置され、前記マウントブラケットが前記載置状態または前記取り外し状態となるように操作する操作部と、を備え、
前記操作部は、前記カウンタウエイトとは、前記車体前後方向でみて反対側の面に形成され、前記操作を行うための工具が挿入される挿入孔を有する、
業機械。
【請求項4】
車両本体と、
前記車両本体の後部のフレーム部に着脱可能なカウンタウエイトと、
前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトが載置される載置状態と、前記カウンタウエイトを前記車両本体から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能に前記フレーム部に配置されたマウントブラケットと、
前記フレーム部において前記カウンタウエイトとは車体前後方向でみて反対側に配置され、前記マウントブラケットが前記載置状態または前記取り外し状態となるように操作する操作部と、を備え、
前記マウントブラケットは、前記車体前後方向を軸として回転可能に前記フレーム部に配置されており、前記回転によって、前記載置状態と前記取り外し状態との間を変更可能であり、
前記操作部は、前記マウントブラケットに接続されており、
前記マウントブラケットは前記操作部の前記車体前後方向を軸とする回転操作によって回転し、
前記マウントブラケットは、前記載置状態から第1方向に所定角度回転させることによって前記取り外し状態となり、前記取り外し状態から前記第1方向と反対の第2方向に前記所定角度回転させることによって前記載置状態となり、
前記マウントブラケットが前記所定角度の範囲内で回転するように前記操作部の回転を規制する規制部を更に備えた、
業機械。
【請求項5】
前記規制部は、前記フレーム部の前記操作部側の面に形成された突起を有し、
前記操作部は、周方向に沿った切り欠き部を有し、
前記突起は、前記マウントブラケットが前記載置状態となるように前記操作部を回転したときに前記切り欠き部の前記周方向における第1縁に当接し、前記マウントブラケットが前記取り外し状態となるように前記操作部を回転したときに前記切り欠き部の前記第1縁と前記周方向において対向する第2縁に当接する、
請求項4に記載の作業機械。
【請求項6】
車両本体と、
前記車両本体の後部のフレーム部に着脱可能なカウンタウエイトと、
前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトが載置される載置状態と、前記カウンタウエイトを前記車両本体から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能に前記フレーム部に配置されたマウントブラケットと、
前記フレーム部において前記カウンタウエイトとは車体前後方向でみて反対側に配置され、前記マウントブラケットが前記載置状態または前記取り外し状態となるように操作する操作部と、を備え、
前記カウンタウエイトは、前記フレーム部側の面に上下方向に沿って形成された溝部を有し、
前記マウントブラケットは、前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトが載置される載置部を有し、
前記載置部は、前記載置状態において、前後方向に沿って視て長手方向が左右方向に沿い、短手方向が上下方向に沿うように配置され、前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態では前記溝部の下端の周囲部分が載置され、
前記載置部は、前記取り外し状態において、前記長手方向が上下方向に沿い、前記短手方向が前記左右方向に沿うように配置され、前記車両本体から前記カウンタウエイトを取り外す際に前記溝部を通過する、
業機械。
【請求項7】
前記車両本体は、前後方向に沿って形成されたメインビームを有し、
前記メインビームは、後端において上方向に立ち上がる立ち上がり部を有し、
前記フレーム部は、前記立ち上がり部に取り付けられている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項8】
前記車両本体は、走行体と、前記走行体の上側に配置された旋回体と、を有し、
前記旋回体の下端から地面までの高さは、前記カウンタウエイトの上下方向の高さよりも小さい、
請求項1~7のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項9】
前記車両本体に前記カウンタウエイトが装着された状態において前記カウンタウエイトに形成された収納部に配置され、前記車両本体に前記カウンタウエイトを着脱する際に前記収納部の上方の開口を通して上下方向に伸縮する着脱装置を更に備えた、
請求項1~8のいずれか1項に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械の一例である油圧ショベルには、カウンタウエイトが装着されている。大型の油圧ショベルでは、輸送規制にあわせるためにカウンタウエイトが車両本体に対して着脱可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
カウンタウエイトは、車両本体の後部にボルトによって締結されている。車両本体には、カウンタウエイトの重量を支えるためのマウントブラケットが配置されている。車両本体からカウンタウエイトを取り外す際にカウンタウエイトと干渉しないように、操作可能な構成のマウントブラケットが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-8513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マウントブラケットの操作がカウンタウエイト側から行われるため、長尺の器具を用いる必要があり、作業が行い難かった。
【0006】
本開示は、カウンタウエイト着脱の際のマウントブラケットの操作を容易に行うことが可能な作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様の作業機械は、車両本体と、カウンタウエイトと、マウントブラケットと、操作部と、を備える。カウンタウエイトは、車両本体の後部のフレーム部に着脱可能である。マウントブラケットは、車両本体にカウンタウエイトが装着された状態においてカウンタウエイトが載置される載置状態と、カウンタウエイトを車両本体から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能にフレーム部に配置されている。操作部は、フレーム部においてカウンタウエイトとは車体前後方向でみて反対側に配置され、マウントブラケットが載置状態または取り外し状態となるように操作する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の態様によれば、カウンタウエイト着脱の際のマウントブラケットの操作を容易に行うことが可能な作業機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルを示す斜視図である。
図2】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいて旋回体のフレーム、カウンタウエイト、および着脱装置を前方から視た斜視図平面図である。
図3】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいてカウンタウエイトを旋回体のフレームから離間した状態を示す斜視図である。
図4】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいてカウンタウエイトを旋回体のフレームから離間した状態を示す斜視図である。
図5A】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルのカウンタウエイトを上方から視た斜視図である。
図5B】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルのカウンタウエイトを下方から視た斜視図である。
図6】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルの着脱装置および上面カバーを示す斜視図である。
図7図2の状態からシリンダを伸長した状態を示す斜視図である。
図8】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおける旋回体とカウンタウエイトへのチェーンの接続を説明するための斜視図である
図9】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおける旋回体のフレームを後方から視た斜視図である。
図10】(a)図9のA部拡大図である、(b)図10(a)のマウントブラケットを矢印B方向に回転させて取り外し状態にした図である。
図11図9のCC´間の矢視断面を含む断面図である。
図12A】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいて車両本体にカウンタウエイトを取り付けた状態を下方から視た図である。
図12B図12Aの矢印Dに沿った断面図である。
図12C図12Aにおける左側面側のマウントブラケットの近傍を前側から視た斜視図である。
図12D図12Aにおける左側面側のマウントブラケットの近傍を前上方から視た斜視図である。
図13A】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおけるフレーム部近傍を前下方から視た図である。
図13B図13Aにおける操作部を回転操作した状態を示す図である。
図14】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいてカウンタウエイトが車両本体に取り付けられた状態を示す断面図である。
図15A図14に示す状態からシリンダを伸長した状態を示す断面図である。
図15B図10Aの状態の旋回体全体を示す斜視図である。
図15C】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいてカウンタウエイトをマウントブラケットから上方に離間させた状態を示す図である。
図15D】本開示の実施形態にかかる油圧ショベルにおいてマウントブラケットを載置状態から取り外し状態に変更したことを示す図である。
図16A図15Aに示す状態からシリンダを収縮してカウンタウエイトを下方に移動させた状態を示す断面図である。
図16B】カウンタウエイトを下方に移動させるときのカウンタウエイトに対する載置部の相対的な位置関係を示す図である。
図16C図16Aの状態の旋回体全体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示にかかる作業機械の一例としての油圧ショベルについて図面を参照しながら以下に説明する。
【0011】
<構成>
(油圧ショベル1の概要)
図1は、本実施の形態の油圧ショベル1の構成を示す模式図である。
【0012】
油圧ショベル1(作業機械の一例)は、車両本体2と、カウンタウエイト3と、着脱装置4(図2参照)と、上面カバー5と、マウントブラケット6(図3参照)と、操作部7(図2参照)と、を有する。車両本体2は、図1に示すように、走行体11と、旋回体12と、作業機13と、を有している。走行体11は、一対の走行装置11a、11bを有する。各走行装置11a、11bは、履帯11c、11dを有している。エンジンからの駆動力によって走行モータが回転して履帯11c、11dが駆動されることによって油圧ショベル1が走行する。
【0013】
旋回体12は、走行体11上に載置されている。旋回体12は、図示しない旋回装置によって上下方向に沿った軸を中心として走行体11に対して旋回可能に構成されている。旋回体12の前部左側位置には、オペレータが運転時に着座する運転席としてのキャブ14が設けられている。キャブ14の内部には、運転席、作業機13を操作するためのレバー、各種の表示装置等が配置されている。キャブ14の後方には、エンジンを収納するエンジンルーム15が配置されている。
【0014】
尚、本実施の形態において断りなき場合、前後左右はキャブ14内の運転席を基準として説明する。運転席が正面に正対する方向を前方向(矢印Xf参照)とし、前方向に対向する方向を後方向(矢印Xb参照)とする。運転席が正面に正対したときの側方方向の右側、左側をそれぞれ右方向(矢印Yr参照)、左方向(矢印Yl参照)とする。また、本明細書において「上下方向」は、特段記載のない限り、油圧ショベル1が傾斜せずに水平な状態での方向を示している。前方向Xfまたは後方向Xbは、車体前後方向の一例である。
【0015】
作業機13は、旋回体12の前部中央位置に取り付けられている。作業機13は、図1に示すように、ブーム21、アーム22、掘削バケット23を有する。ブーム21の基端部は、旋回体12に回動可能に連結されている。また、ブーム21の先端部はアーム22の基端部に回動可能に連結されている。アーム22の先端部は、掘削バケット23に回動可能に連結されている。掘削バケット23は、その開口が旋回体12の方向(後方)を向くことができるようにアーム22に取り付けられている。掘削バケット23が、このような向きに取り付けられた油圧ショベル1は、バックホウと呼ばれている。
【0016】
ブーム21、アーム22および掘削バケット23のそれぞれに対応するように油圧シリンダ24~26(ブームシリンダ24、アームシリンダ25およびバケットシリンダ26)が配置されている。これらの油圧シリンダ24~26が駆動されることによって作業機13が駆動される。これにより、掘削等の作業が行われる。
【0017】
カウンタウエイト3は、車両本体2の後側に装着されている。カウンタウエイト3は、車両本体2に対して着脱可能である。詳しくは後述するが、着脱装置4は、カウンタウエイト3を車両本体2に着脱する。
【0018】
(カウンタウエイト3)
図2は、旋回体12のフレーム12aとカウンタウエイト3と着脱装置4を前方から視た斜視図である。図3は、カウンタウエイト3を旋回体12のフレーム12aから離間した状態を左後方から視た斜視図である。図4は、フレーム12aからカウンタウエイト3を離間した状態を前上方から視た斜視図である。図5Aは、カウンタウエイト3を上方から視た斜視図である。図5Bは、カウンタウエイト3を下方から視た斜視図である。
【0019】
カウンタウエイト3は、旋回体12のフレーム12aのうち後部のフレーム部12bに取り付けられる。フレーム部12bは、前後方向に対して垂直な板状の部分である。
【0020】
旋回体12のフレーム12aは、図4に示すように、左右方向に並んで配置されたメインビーム12eを有している。各々のメインビーム12eは、前後方向に沿って配置されている。各々のメインビーム12eは、立ち上がり部12fを有している。立ち上がり部12fは、メインビーム12eの後部の上方に向かって立ち上がった部分である。フレーム部12bは、一対のメインビーム12eの立ち上がり部12fの後側に取り付けられている。
【0021】
カウンタウエイト3には、図3に示すように、前後方向に貫通した貫通孔31が複数個形成されている。図3に示すように、本実施の形態では、6つの貫通孔31がカウンタウエイト3に形成されている。6つの貫通孔31は、上下方向に沿って並んだ3つの貫通孔31の組が左右方向に並んで2組設けられている。フレーム部12bには、各々の貫通孔31に対応する位置にボルトの挿入孔12cが形成されている。後方から貫通孔31を通して挿入孔12cにボルトを挿入することによって、カウンタウエイト3はフレーム部12bに固定されている。なお、図3では、挿入孔12cは、左側面側の3つのみ図示されており、右側面側の3つの挿入孔12cは、着脱装置4によって隠れているため図示されていない。
【0022】
図4に示すように、カウンタウエイト3には、上下方向に沿って凹部32(収納部の一例)が形成されている。凹部32によって、カウンタウエイト3に切り欠き形状部分が形成される。カウンタウエイト3を車両本体2に装着した状態では、図2に示すように、凹部32に、着脱装置4が配置される。図5Aおよび図5Bに示すように、凹部32は、カウンタウエイト3の上面33から下面35まで形成されている。上面33には、図5Aに示すように、凹部32による開口32aが形成されている。開口32aは、上面カバー5によって塞がれる。
【0023】
また、図5Aに示すように、カウンタウエイト3の前側の面のうち凹部32の最後部に対応する面部分32bには、上下方向に沿った板状のブラケット34が2つ配置されている。ブラケット34には、後述するチェーン44の端部44bが接続される。
【0024】
図5Aに示すように、カウンタウエイト3の凹部32の左右方向の両側には、溝部36が形成されている。図5Aおよび図5Bに示すように、各々の溝部36は、凹部32に隣接して形成されている。
【0025】
各々の溝部36は、図5Aに示すように左右方向の幅が一定の第1部分36aと、第1部分36aの上側において第1部分36aと繋がった第2部分36bと、を有する。第2部分36bの幅は、上方に向かうに従って左右方向の幅が広くなるように形成されている。
【0026】
図5Aおよび図5Bに示すように、各々の溝部36の第1部分36aの下端には、プレート状の当接部37(溝部の下端の周囲部分の一例)が配置されている。当接部37には、切り欠き37aが形成されている。切り欠き37aは、溝部36の下側に形成されている。切り欠き37aは、図5Aに示すように、当接部37の前端に開口部37bを有し、前端から後方に向かって形成されている。切り欠き37aは、第1部分36aの幅よりも若干狭く形成されている。詳しくは後述するが、車両本体2にカウンタウエイト3を取り付けた状態では、当接部37にマウントブラケット6が当接する。
【0027】
(着脱装置4)
着脱装置4は、図2に示すように車両本体2の後側に配置されている。着脱装置4の上側に上面カバー5は配置されている。
【0028】
図6は、着脱装置4を示す斜視図である。
【0029】
着脱装置4は、図6に示すように、シリンダ41と、軸部材42と、スプロケット43と、チェーン44と、支持台45と、スプロケットカバー46と、を備える。
【0030】
シリンダ41は、図3に示すように、旋回体12の後部のフレーム部12bに取り付けられている。フレーム部12bは、前後方向に対して垂直な板状の部分である。フレーム部12bの後面にシリンダ41が固定されている。シリンダ41は、上下方向に沿って配置されている。
【0031】
詳細には、シリンダ41は、図6に示すように、シリンダチューブ41aと、シリンダロッド41bと、を有する。シリンダチューブ41aは、上下方向に沿って配置されている。シリンダチューブ41aは、フレーム部12bの後面に固定されている。シリンダロッド41bの下端には、図示しないピストンが配置されている。ピストンは、シリンダチューブ41a内に移動可能に配置されている。シリンダロッド41bの上端は、シリンダチューブ41aから上方に突出している。ピストンによってシリンダチューブ41aの内部空間は、ボトム側の空間とロッド側の空間に分けられる。
【0032】
図7は、図2の状態からシリンダ41を伸長した状態を示す図である。図示しないポンプによってシリンダチューブ41aのボトム側の空間に作動油を供給し、ロッド側の空間から作動油を排出することによってシリンダロッド41bがシリンダチューブ41aに対して上方に移動する。これによって、図7に示すようにシリンダ41が伸長する。
【0033】
また、シリンダチューブ41aのボトム側の空間から作動油を排出し、ロッド側の空間に作動油を供給することによってシリンダロッド41bがシリンダチューブ41aに対して下方に移動する。これによって、図2に示すようにシリンダ41が収縮する。
【0034】
軸部材42は、図6に示すように、シリンダロッド41bの先端41cに固定されている。軸部材42は、左右方向に沿って配置されている。軸部材42は、先端41cから左方向側に突出し、先端41cから右方向側に突出している。
【0035】
図6に示すように、スプロケット43は、シリンダロッド41bの先端41cの左側と右側の双方に配置されている。スプロケット43は、軸部材42に回転可能に配置されている。なお、本実施の形態では、スプロケット43には左右方向に沿って貫通孔が形成されており、その貫通孔に軸部材42が挿入されている。スプロケット43が軸部材42に対して回転すると、軸部材42の外周面とスプロケット43の貫通孔の内周面が摺動する。
【0036】
チェーン44は、スプロケット43に巻き掛けられている。チェーン44は、旋回体12とカウンタウエイト3に接続されている。左右方向におけるシリンダロッド41bの先端41cの両側にスプロケット43が配置されているため、チェーン44もシリンダロッド41bの先端41cの左右両側に配置されている。
【0037】
図8は、旋回体12とカウンタウエイト3へのチェーン44の接続を説明するための斜視図である。図8では、チェーン44の両端を見やすくするためにシリンダ41を伸ばした状態を示す。また、チェーン44の紙面奥側の構造を示し、チェーン44は二点鎖線で示されている。
【0038】
左右の各々のチェーン44の一方の端部44aは、フレーム部12bに接続されている。フレーム部12bの後方側の面には、2つのブラケット12dが配置されている。各々のブラケット12dは後方に向かって突出した板状部分を有し、その板状部分は上下方向に沿って配置されている。各々のチェーン44の端部44aは、各々のブラケット12dの板状部分に左右方向に沿った軸を中心に回転可能に取り付けられている。
【0039】
各々のチェーン44の他方の端部44bは、カウンタウエイト3の前側の面に接続されている。各々のチェーン44の端部44bは、上述した面部分32bに配置された各々のブラケット34に左右方向に沿った軸を中心に回転可能に取り付けられている。
【0040】
支持台45は、図6に示すように、シリンダ41の先端41cに固定されている。支持台45は、先端41cの上側に配置されている。支持台45は、スプロケットカバー46を支持するために設けられている。
【0041】
スプロケットカバー46は、スプロケット43の上方を覆うように配置されている。スプロケットカバー46は、図6に示すように、支持台45の上側にボルト101によって固定されている。
【0042】
ショルダーボルト47は、スプロケットカバー46の上側に配置されている。ショルダーボルト47は、例えば4つ配置されている。各々のショルダーボルト47は、上下方向に沿って配置されている。4つのショルダーボルト47の上側に上面カバー5が配置されている。
【0043】
(上面カバー5)
上面カバー5は、上述したように着脱装置4の上側に配置されている。上面カバー5は、シリンダ41の伸縮とともに上下方向に移動する。図2および図7に示すように、上面カバー5は、シリンダ41が収縮した際にカウンタウエイト3の上面33に当接し、凹部32の開口32aを塞ぐ。
【0044】
(マウントブラケット6)
図9は、旋回体12のフレーム12aを後方から視た斜視図である。本実施の形態では、2つのマウントブラケット6が、図9に示すように、フレーム12aのフレーム部12bに配置されている。2つのマウントブラケット6は、フレーム部12bの下部に配置されている。2つのマウントブラケット6は、左右方向に並んで配置されている。
【0045】
図10(a)は、図9のA部拡大図である。マウントブラケット6は、前後方向に沿った軸Aを中心に回転可能(矢印B参照)に、フレーム部12bに取り付けられている。マウントブラケット6は、回転によって、カウンタウエイト3が載置される載置状態と、カウンタウエイト3を取り外す際の取り外し状態をとることができる。図10(a)は、マウントブラケット6の載置状態を示す。図10(b)は、図10(a)のマウントブラケット6を矢印B方向に回転させて取り外し状態にした図である。
【0046】
図11は、図9のCC´間の矢視断面を含む断面図である。マウントブラケット6は、載置部61と、円盤形状部62と、軸部63とを有する。
【0047】
載置部61は、図10(a)および図10(b)に示すように略直方体形状である。図10(a)に示すように、後方から視て載置部61は矩形状であり、長手方向と短手方向を有している。載置部61の長手方向に沿った長辺61aと、短手方向に沿った短辺61bと、を有する。マウントブラケット6が載置状態のとき、載置部61の長辺61aは左右方向に沿っており、短辺61bは上下方向に沿っている。また、図10(b)に示すように、取り外し状態では、載置部61の長辺61aは上下方向に沿っており、短辺61bは左右方向に沿っている。
【0048】
円盤形状部62は、マウントブラケット6のうち円盤形状の部分である。円盤形状部62は、その中心軸が前後方向に沿うように配置されている。円盤形状部62は、フレーム部12bの後側に配置されている。円盤形状部62は、載置部61の前側に配置されており、載置部61の前側と繋がっている。円盤形状部62の直径に沿うように、載置部61が配置されている。
【0049】
軸部63は、図11に示すように、フレーム部12bに回転可能に配置されている。軸部63は、円柱形状であり、円盤形状部62の前側に繋がっている。軸部63は、前後方向に沿って配置されている。フレーム部12bには、前後方向に筒状部12gが通されている。軸部63は、筒状部12gに回転可能に挿入されている。軸部63の後端が円盤形状部62に繋がっており、軸部63の前端は、後述する操作部7に接続されている。軸部63の周囲には、ブッシュ64が配置されている。ブッシュ64の内面には、グリス溝が形成されており、グリスを補充することができる。
【0050】
図12Aは、車両本体2にカウンタウエイト3を取り付けた状態を下方から視た図である。図12Bは、図12Aの矢印Dに沿った断面図である。図12Bでは、フレーム部12bは、二点鎖線で示し、フレーム部12bで隠れる構成を実線で示す。図12Cは、図12Aにおける左側方側のマウントブラケット6の近傍を前下方から視た斜視図である。図12Dは、図12Aにおける左側方側のマウントブラケット6の近傍を前上方から視た斜視図である。図12Dでは、マウントブラケット6を示すためにフレーム部12bは省略している。
【0051】
図12A図12Cに示すように、載置状態のマウントブラケット6では、載置部61の長辺61aが左右方向に沿っており、短辺61bが上下方向に沿っている。載置部61にカウンタウエイト3の当接部37が載置されている。図12Cおよび図12Dに示すように、載置部61の長辺61aの長さ(長手方向の長さ)は、当接部37の切り欠き37aの左右方向の幅よりも長くなっている。このため、載置部61を左右方向に長手方向が沿うように配置することで、カウンタウエイト3の当接部37を載置することができる。
【0052】
また、図10(b)に示すように、取り外し状態において、載置部61は左右方向に短手方向が沿うように配置されている。取り外し状態では、車両本体2に対してカウンタウエイト3を下方に移動させた際に載置部61が切り欠き37aを介して溝部36に挿入される。そのため、車両本体2からカウンタウエイト3を取り外す際には、載置部61が溝部36を通り抜け可能なように、載置部61の短辺61bの長さ(短手方向の長さ)は、切り欠き37aおよび溝部36の左右方向の幅よりも小さく形成されている。
【0053】
(操作部7)
図13Aは、フレーム部12b近傍を前下方から視た図である。図13Bは、フレーム部12bを前下方から視た図である。図13Aおよび図13Bは、蓋121を下方に回動させて開いた状態を表している。
【0054】
操作部7は、図13Aおよび図13Bに示すように、フレーム部12bの前側の面に配置されている。操作部7は、図11に示すように、フレーム部12bに溶接された筒状部12gの前側に配置されている。操作部7は、軸部63の前端に複数のボルト102によって固定されている。操作部7は、略円盤状の部材である。操作部7は、円盤状の中心軸が前後方向に沿うように配置されている。
【0055】
操作部7を回転させることによって、軸部63および円盤形状部62が回転し、載置部61も回転する。操作部7を回転操作することによって、マウントブラケット6を載置状態と取り外し状態の間で状態を変更することができる。
【0056】
操作部7の前側の面71には、図11に示すように、操作部7を回転させるための工具8を挿入する挿入孔71aが形成されている。挿入孔71aは、内側面が多角形状に形成されている。図11に示すように、工具8は、挿入部81と、回転部82と、を有する。挿入部81は、棒状であって、その先端の断面が多角柱形状に形成されており、挿入孔71aに挿入可能である。回転部82は、棒状であって、挿入部81の先端とは反対側の基端に取り付けられている。回転部82は、挿入部81の基端から挿入部81に対して垂直な方向に沿って配置されている。
【0057】
図11に示すように、工具8の挿入部81の先端を挿入孔71aに挿し込んで、挿入部81を軸として回転部82を回転することによって、操作部7が前後方向を軸として回転する。例えば、図11の左側面側の操作部7に示すように、回転部82が略右方向Yrを向くように挿入部81を挿入孔71aに挿し込み、回転部82が略下方に向くまで後方を向いて90度左回転することによって、マウントブラケット6が載置状態から取り外し状態(図10(b)参照)に変更される。回転部82が下方に向いた状態が二点鎖線で示されている。
【0058】
また、図11の右側面側の操作部7に示すように、回転部82が略左方向Yrを向くように挿入部81を挿入孔71aに挿し込み、回転部82が略下方に向くまで後方を向いて90度右回転することによって、マウントブラケット6が載置状態から取り外し状態(図10(b)参照)に変更される。回転部82が下方に向いた状態が二点鎖線で示されている(図11参照)。
【0059】
操作部7の回転は、上記90度範囲に規制されている。図13Aに示すようにフレーム部12bの操作部7側の面には突起70が配置されている。また、操作部7には、円周に沿って切り欠き部72が形成されている。切り欠き部72は、周方向における第1縁72aと第2縁72bとを有する。第1縁72aと第2縁72bは、周方向において対向している。第1縁72aと第2縁72bの間の角度は90度に形成されている。左側の操作部7では、第1縁72aは、切り欠き部72の右回周り側の縁であり、第2縁72bは左周り側の縁である。また、右側の操作部7では、第1縁72aは、切り欠き部72の左回周り側の縁であり、第2縁72bは右周り側の縁である。
【0060】
突起70は、第1縁72aと第2縁72bの間に配置されており、突起70が第1縁72aに当接した状態でマウントブラケット6が載置状態となり、突起70が第2縁72bに当接した状態でマウントブラケット6が取り外し状態となる。このように、突起70が第1縁72aと第2縁72bに当接する範囲内で操作部7の回転が規制されている。図13Bは、図13Aの状態から左側面側の操作部7を矢印E方向に回転して突起70が第2縁72bに当接し、右側面側の操作部7を矢印F方向に回転して突起70が第2縁72bに当接した状態を示す図である。
【0061】
上述したように、フレーム部12bの前側の面に操作部7が配置されているため、作業者は、エンジンルーム15側から操作部7の回転操作を行うことができる。図4に示すように、一対のメインビーム12eの間には、開口12hが形成されている。作業者は、開口12hから頭と手を上側に出すことによって工具8を用いて操作部7を回転操作できる。なお、開口12hは、通常作業時には、図13Aに示す蓋121によって閉じられており、蓋121を後側のヒンジ部122を中心に前端側を下方に回動する(矢印参照)ことによって、開口12hを介して作業を行うことができる。
【0062】
<動作>
次に、本実施の形態の油圧ショベル1におけるカウンタウエイト3の着脱動作について説明する。
【0063】
図14図15A図15D図16A図16Cは、車両本体2からのカウンタウエイト3の取り外し動作を説明するための図である。
【0064】
図14は、カウンタウエイト3が車両本体2に取り付けられており、カウンタウエイト3の上面33の開口32aが上面カバー5によって閉じられている状態を示す断面図である。図14に示す状態で、油圧ショベル1は駆動して作業等を行う。この状態では、チェーン44の余った部分は、フレーム部12bの前側の面に配置されている収納ボックス49に収納されている。
【0065】
カウンタウエイト3を車両本体2から取り外す際には、図15Aに示すように、シリンダ41が伸長される。シリンダチューブ41aのボトム側の空間に作動油を供給し、ロッド側の空間から作動油を排出することによって、シリンダロッド41bがシリンダチューブ41aに対して上方に移動する。シリンダ41の伸長とともに、スプロケット43が回転しながらチェーン44が収納ボックス49から引き出される。図15Bは、シリンダ41が伸長した状態の車両本体2を示す斜視図である。
【0066】
この状態で、カウンタウエイト3に設けられている貫通孔31に挿入されているボルトが取り外されて、カウンタウエイト3のフレーム部12bとの締結が解除される。
【0067】
次に、更にシリンダ41を伸長することによって、図15Cに示すように、マウントブラケット6からカウンタウエイト3の当接部37を上方に離間させる。
【0068】
次に、作業者が、図13Aに示す蓋121を下方に回動させて、開口12hから工具8を用いて操作部7を載置状態から取り外し状態に回転操作する。具体的には、作業者は、図13Aの状態から左側面側の操作部7を矢印E方向に回転して、図13Bに示すように突起70に第2縁72bに当接させる。また、作業者は、図13Aの状態から右側面側の操作部7を矢印F方向に回転して図13Bに示すように突起70が第2縁72bに当接させる。
【0069】
これにより、図15Dに示すように、2つのマウントブラケット6は載置状態から取り外し状態になる。すなわち、図10(b)に示すように、載置部61が、その長辺61aが上下方向に沿い、短辺61bが左右方向に沿うように配置される。
【0070】
次に、図16Aに示すように、シリンダ41を収縮させる。シリンダチューブ41aのロッド側の空間に作動油を供給し、ボトム側の空間から作動油を排出することによって、シリンダロッド41bがシリンダチューブ41aに対して下方に移動する。シリンダ41の収縮とともに、スプロケット43が回転しながら、チェーン44の端部44bに接続されているカウンタウエイト3が下方に移動する。図16Bは、カウンタウエイト3に対する載置部61の相対的な位置関係を示す図である。このとき、図16Bに示すように、載置部61は、図15Dに示す切り欠き37aを介して溝部36に挿入される。図16Bに示すように、カウンタウエイト3の下方への移動とともに、載置部61は、カウンタウエイト3に対して溝部36の内側を上方に移動する。
【0071】
図16Cは、カウンタウエイト3が下方に移動して地面に接した状態の車両本体2を示す斜視図である。旋回体12の下端から地面までの高さH1(図4参照)は、カウンタウエイト3の上下方向の高さH2よりも小さくなっている。このため、図16Cに示すように、カウンタウエイト3を地面に降ろした状態において、カウンタウエイト3の上面33の高さは、旋回体12の下端12jよりも高く位置している。
【0072】
次に、チェーン44の他方の端部44bとブラケット34の接続が解除される。これによって、カウンタウエイト3を車両本体2から取り外すことができる。
【0073】
なお、車両本体2にカウンタウエイト3を装着する際の動作は、概ね上記と逆の手順で行われる。
【0074】
図16Cに示すように、車両本体2の後側にカウンタウエイト3が配置される。そして、チェーン44の端部44bがカウンタウエイト3のブラケット34に接続される。
【0075】
次に、図16Aに示すように、シリンダ41が伸長されて、カウンタウエイト3が上方に引き上げられる。このとき、載置部61は、カウンタウエイト3に対して溝部36を移動し、切り欠き37aから溝部36の下側に出る。
【0076】
次に、作業者が開口12hから工具8を用いて操作部7を取り外し状態から載置状態に回転操作する。具体的には、作業者は、図13Bの状態から左側面側の操作部7を回転して、図13Aに示すように突起70に第1縁72aを当接させる。また、作業者は、右側面側の操作部7を回転して、図13Aに示すように第1縁72aを突起70に当接させる。
【0077】
次に、シリンダ41を少し縮めることによって、カウンタウエイト3をマウントブラケット6の載置部61に載置させる。
【0078】
次に、後方から6つの貫通孔31の夫々を通して挿入孔12cにボルトを挿入し、カウンタウエイト3がフレーム部12bに固定される。
【0079】
次に、図14に示すように、シリンダ41が収縮され、余ったチェーン44が自重によって収納ボックス49に収納され、上面カバー5がカウンタウエイト3の開口32aを塞ぐ。
【0080】
<特徴等>
(1)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)は、車両本体2と、カウンタウエイト3と、マウントブラケット6と、操作部7と、を備える。カウンタウエイト3は、車両本体の後部のフレーム部12bに着脱可能である。マウントブラケット6は、車両本体2にカウンタウエイト3が装着された状態においてカウンタウエイト3が載置される載置状態と、カウンタウエイト3を車両本体2から取り外す際の取り外し状態との間を変更可能にフレーム部12bに配置されている。操作部7は、フレーム部12bにおいてカウンタウエイト3とは車体前後方向でみて反対側に配置され、マウントブラケット6が載置状態または取り外し状態となるように操作する。
【0081】
このように、マウントブラケット6を操作する操作部7がフレーム部12bのカウンタウエイト3とは反対側に配置されている。そのため、作業者はカウンタウエイト3越しにマウントブラケット6の操作を行わなくてもよく、操作部7の操作を行い易い。これにより、作業者は、載置状態と取り外し状態の間でマウントブラケット6を容易に操作することが可能となる。
【0082】
(2)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、マウントブラケット6は、車体前後方向を軸として回転可能にフレーム部12bに配置されており、回転によって、載置状態と取り外し状態との間を変更可能である。操作部7は、マウントブラケット6に接続されている。マウントブラケット6は操作部7の車体前後方向を軸とする回転操作によって回転する。
【0083】
これにより、前後方向を軸として操作部7を回転操作することによって、マウントブラケット6を回転して載置状態または取り外し状態にすることができる。
【0084】
(3)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、操作部7は、カウンタウエイト3とは車体前後方向でみて反対側の面71に形成され、操作を行うための工具が挿入される挿入孔71aを有する。
【0085】
これにより、フレーム部12bのカウンタウエイト3と反対側から挿入孔71aに工具8を挿し込んで、操作部7を操作することができる。
【0086】
(4)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、マウントブラケット6は、載置状態から第1方向に90度(所定角度の一例)回転させることによって取り外し状態となり、取り外し状態から第1方向と反対の第2方向に90度(所定角度の一例)回転させることによって載置状態となる。油圧ショベル1は、マウントブラケット6が所定角度の範囲内で回転するように操作部7の回転を規制する突起70(規制部の一例)を更に備える。
【0087】
これにより、マウントブラケット6が載置状態または取り外し状態になるように操作部7の回転を規制することができる。
【0088】
(5)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、突起70は、フレーム部12bの操作部7側の面に形成されている。操作部7は、周方向に沿った切り欠き部72を有する。突起70は、マウントブラケット6が載置状態となるように操作部7を回転したときに切り欠き部72の周方向における第1縁72aに当接し、マウントブラケット6が取り外し状態となるように操作部7を回転したときに切り欠き部72の第1縁72aと周方向において対向する第2縁72bに当接する。
【0089】
これにより、第1縁72aが突起70に当接するまで操作部7を回転することによってマウントブラケット6を載置状態に位置決めし、第2縁72bが突起70に当接するまで操作部7を回転することによってマウントブラケット6を取り外し状態に位置決めすることができる。
【0090】
(6)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、カウンタウエイト3は、フレーム部12b側の面に上下方向に沿って形成された溝部36を有する。マウントブラケット6は、車両本体2にカウンタウエイト3が装着された状態においてカウンタウエイト3が載置される載置部61を有する。載置部61は、載置状態において、前後方向に沿って視て長手方向が左右方向に沿い、短手方向が上下方向に沿うように配置され、車両本体2にカウンタウエイト3が装着された状態では溝部36の下端の当接部37(周囲部分の一例)が載置される。載置部61は、取り外し状態において、長手方向が上下方向に沿い、短手方向が左右方向に沿うように配置され、車両本体2からカウンタウエイトを取り外す際に溝部36を通過する。
【0091】
これにより、載置状態においてマウントブラケット6でカウンタウエイト3を支持し、マウントブラケット6を取り外し状態にすることによって、溝部36の内側に載置部61を通過させてカウンタウエイト3を取り外すことができる。また、カウンタウエイト3をマウントブラケット6に載置することで、カウンタウエイト3をフレーム部12bにボルトで取り付ける際の挿入孔12cと貫通孔31の位置合わせを容易に行うことができる。
【0092】
(7)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、車両本体2は、前後方向に沿って形成されたメインビーム12eを有する。メインビーム12eは、後端において上方向に立ち上がる立ち上がり部12fを有する。フレーム部12bは、立ち上がり部12fに取り付けられている。
【0093】
このようにメインビーム12eの立ち上がり部12fにカウンタウエイト3が装着されるフレーム部12bが取り付けられている。
【0094】
(8)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、車両本体2は、走行体11と、走行体11の上側に配置された旋回体12と、を有する。旋回体12の下端から地面までの高さH1は、カウンタウエイト3の上下方向の高さH2よりも小さい。
【0095】
これにより、車両本体2からカウンタウエイト3を取り外して地面に載置した際にカウンタウエイト3が倒れそうな場合であっても車両本体2によって支えることができる。
【0096】
(9)
本実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)は、着脱装置4を更に備える。着脱装置4は、車両本体2にカウンタウエイト3が装着された状態においてカウンタウエイト3に形成された凹部32(収納部の一例)に配置され、車両本体2にカウンタウエイト3を着脱する際に凹部32の上方の開口32aを通して上下方向に伸縮する。
【0097】
これにより、クレーン車等を帯同させなくても車両本体2へのカウンタウエイト3の着脱を行うことができる。
【0098】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0099】
(A)
上記実施の形態では、マウントブラケット6は、左右方向に並んで2つ配置されているが、2つに限らなくてもよく、カウンタウエイト3を支持可能であれば1つだけ設けられていてもよい。また、マウントブラケット6は3つ以上配置されていてもよい。
【0100】
(B)
上記実施の形態では、マウントブラケット6の軸部63の外側にブッシュ64が配置されているが、ブッシュ64が配置されていなくてもよい。
【0101】
(C)
上記実施の形態では、操作部7に切り欠き部72が形成され、切り欠き部72の縁に突起70が当接することによって操作部7の回転範囲が規制されているが、これに限らなくてもよい。例えば、円盤状の操作部7から外側に向かって所定の間隔を空けた2つの突出部が形成され、これらの突出部の間に突起70が配置されていてもよい。いずれか一方の突出部がフレーム部12bに形成された突起70に当接することによって、操作部の回転が規制される。また、逆に、操作部7に1つの突出部が設けられ、突出部を周方向に挟むように2つの突起70が配置されていてもよい。
【0102】
(E)
上記実施の形態では、着脱装置4の伸縮機構としてシリンダ41が用いられており、シリンダ41として油圧シリンダを例に挙げて説明しているが、これに限らなくてもよく、電動シリンダが用いられていてもよい。また、シリンダにかぎらなくてもよく、スライドして伸縮するようなアクチュエータが用いられてもよい。
【0103】
(F)
上記実施の形態では、着脱装置4にスプロケット43およびチェーン44が用いられているが、これに限らなくてもよく、例えば滑車とワイヤー等が用いられてもよい。
【0104】
(G)
上記実施の形態では、作業機械の一例として油圧ショベルを用いて説明したが、これに限らなくてもよく、ホイールローダ等のカウンタウエイトが設けられている作業機械に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示によれば、カウンタウエイト着脱の際のマウントブラケットの操作を容易に行うことが可能な作業機械を提供することができ、油圧ショベル等に有用である。
【符号の説明】
【0106】
1:油圧ショベル、2:車両本体、3:カウンタウエイト、4:着脱装置、5:上面カバー、6:マウントブラケット、7:操作部、8:工具、11:走行体、11a:走行装置、11b:走行装置、11c:履帯、11d:履帯、12:旋回体、12a:フレーム、12b:フレーム部、12c:挿入孔、12d:ブラケット、12e:メインビーム、12f:立ち上がり部、12g:筒状部、12h:開口、13:作業機、14:キャブ、15エンジンルーム、21:ブーム、22:アーム、23:掘削バケット、24:ブームシリンダ、25:アームシリンダ、26:バケットシリンダ、31:貫通孔、32:凹部、32a:開口、32b:面部分、33:上面、34:ブラケット、35:下面、36:溝部、36a:第1部分、36b:第2部分、37:当接部、37a:切り欠き、37b:開口部、41:シリンダ、41a:シリンダチューブ、41b:シリンダロッド、41c:先端、42:軸部材、43:スプロケット、44:チェーン、44a:端部、44b:端部、45:支持台、46:スプロケットカバー、47:ショルダーボルト、49:収納ボックス、61:載置部、61a:長辺、61b:短辺、62:円盤形状部、63:軸部、64:ブッシュ、70:突起、71:面、71a:挿入孔、72:切り欠き部、72a:第1縁、72b:第2縁、81:挿入部、82:回転部、101:ボルト、102:ボルト、121:蓋、122:ヒンジ部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C