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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】測定装置のアラインメント手段
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/16 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61B3/16 300
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021510718
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 FI2019050627
(87)【国際公開番号】W WO2020053476
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】20185754
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】514056252
【氏名又は名称】アイケア フィンランド オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】サルコラ ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーティネン アンッティ
(72)【発明者】
【氏名】ストラニウス カティ
(72)【発明者】
【氏名】ハーパライネン メルテシ
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0064337(US,A1)
【文献】特表2007-513703(JP,A)
【文献】特開2011-036273(JP,A)
【文献】特開2000-014643(JP,A)
【文献】特開平03-176023(JP,A)
【文献】特表2016-524935(JP,A)
【文献】特開2002-119483(JP,A)
【文献】特開2001-017394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置のアラインメント手段であって、前記アラインメント手段は、
・ ハウジング、
・ 所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品であって、ユーザの眼が前記光学部品の前記主軸にアラインされるように構成された、前記光学部品、
・ 前記光学部品から第1の距離S1に、および前記主軸から第1の高さh1に置かれた第1の光源、
・ 前記光学部品から第2の距離S2に、および前記主軸から第2の高さh2に置かれた第2の光源、
・ 角度バリア手段
を備え、
前記光学部品は、焦点を備え、前記第1および第2の光源は、前記光学部品と前記焦点との間に置かれることを特徴とし、
前記ハウジング、前記光学部品、および前記角度バリア手段は、
・ 前記主軸に沿ってd1'を上回る距離において前記第1の光源の可視性をブロックし、
・ 前記主軸に沿ってd2より小さい距離において前記第2の光源の可視性をブロックするように配置され、d2は、d1'より小さく、
d1'およびd2は、前記光学部品からの距離である、
アラインメント手段において、
前記角度バリア手段は、前記光学部品と、前記第1および第2の光源との間に配置されたアラインメント手段。
【請求項2】
測定装置のアラインメント手段であって、前記アラインメント手段は、
・ ハウジング、
・ 所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品であって、ユーザの眼が前記光学部品の前記主軸にアラインされるように構成された、前記光学部品、
・ 前記光学部品から第1の距離S1に、および前記主軸から第1の高さh1に置かれた第1の光源、
・ 前記光学部品から第2の距離S2に、および前記主軸から第2の高さh2に置かれた第2の光源、
・ 角度バリア手段
を備え、
前記光学部品は、焦点を備え、前記第1および第2の光源は、前記光学部品と前記焦点との間に置かれることを特徴とし、
前記ハウジング、前記光学部品、および前記角度バリア手段は、
・ 前記主軸に沿ってd1'を上回る距離において前記第1の光源の可視性をブロックし、
・ 前記主軸に沿ってd2より小さい距離において前記第2の光源の可視性をブロックするように配置され、d2は、d1'より小さく、
d1'およびd2は、前記光学部品からの距離である、
アラインメント手段において、
前記角度バリア手段は、角度バリアディスクであるアラインメント手段。
【請求項3】
前記ハウジング、前記光学部品、および前記角度バリア手段は、前記主軸に沿ってd2'を上回る距離において前記第2の光源の可視性をブロックするように配置され、d2'は、d1'より大きい、請求項1又は2に記載のアラインメント手段。
【請求項4】
前記光学部品から第3の距離S3に、および前記主軸から第3の高さh3に配置された第3の光源をさらに備え、前記ハウジング、前記光学部品、および前記角度バリア手段は、前記主軸に沿ってd3より小さい距離において前記第3の光源の可視性をブロックするように配置され、d3は、d1'より大きくd2'より小さい、請求項に記載のアラインメント手段。
【請求項5】
前記第1、第2および第3の光源の各々は、異なる有色光を提供するように配置された、請求項1~のいずれか一項に記載のアラインメント手段。
【請求項6】
前記第1、第2および第3の光源のうちの少なくとも1つは、点滅光源である、請求項1~のいずれか一項に記載のアラインメント手段。
【請求項7】
前記第1、第2および第3の光源のうちの少なくとも1つは、環状光源である、請求項1~のいずれか一項に記載のアラインメント手段。
【請求項8】
前記第1、第2および第3の光源の各々は、発光体およびライトガイドによって実装される、請求項1~のいずれか一項に記載のアラインメント手段。
【請求項9】
前記発光体は、発光ダイオードである、請求項に記載のアラインメント手段。
【請求項10】
前記ライトガイドは、環状ライトガイド、三角形ライトガイド、楕円形ライトガイド、正方形ライトガイド、ライン型ライトガイドのうちの1つである、請求項またはに記載のアラインメント手段。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のアラインメント手段を備える測定装置。
【請求項12】
眼の圧力を測定するための装置である、請求項11に記載の測定装置。
【請求項13】
前記眼の前記圧力を測定するために前記眼の方へ押し出されるように構成されたプローブを備える、請求項12に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、光学系に関し、より具体的には、測定装置のアラインメント手段に関する。
【背景】
【0002】
眼は、ヒトの体の最も敏感な部位の1つであり、細心の注意および用心を必要とする。しかしながら、かかる細心の注意および用心を以てしても、眼は、老化、汚染、偶発的損傷など様々な要因に起因して様々な病気に罹りやすい。かかる事例では、眼は、その検査および適切な処置のために検眼および/または眼科手技、例えば、網膜検査、眼圧測定、眼の手術などを経験する。かかる検眼および眼科手技は、測定装置を用いて行われる。さらに、検眼および眼科手技に用いられる測定装置は、正確な結果を達成するために眼に対する所望のアラインメントを必要とする。
【0003】
現在、眼と測定装置との所望のアラインメントは、装置を手動で動かすことによって、および/または眼の位置を変更することによって達成される。所望のアラインメントを達成するために、装置および/または眼は、互いに近づく、および/または遠ざかる方向に動かされる。測定装置の多くは、ハンドヘルドであり、個人が所望のアラインメントを自身によって達成することを必要とする。代わりに、測定装置が支持部と関連付けられて、所望のアラインメントを達成するために個人からのフィードバックに基づいて動かされる。
【0004】
しかしながら、測定装置のために現在用いられているアラインメント手段(すなわち、手順)は、いくつかの課題に直面する。かかる手段は、個人からの複数のフィードバック(すなわち、入力)および手動労力を必要とするので、ユーザフレンドリーではない。加えて、フィードバックは、誤りがちであり、装置のミスアラインメントにつながりうる。さらに、かかるアラインメント手段は、時間がかかり、非効率的であり、遅延し、実質的に不正確な結果につながる。さらに、かかるアラインメント手段は、所望のアラインメントを十分に確保できない。言い換えれば、測定装置のセルフアラインメントが難しい。
【0005】
それゆえに、先の考察の観点から、従来の測定装置のためのアラインメント手段と関連付けられた前述の欠点を克服する必要がある。
【摘要】
【0006】
本開示は、測定装置のアラインメント手段を提供することを目指す。本開示は、アラインメント手段を備える測定装置を提供することも目指す。本開示は、ユーザの眼と前記測定装置とのアラインメントの手動で時間がかかるプロセスの既存の問題への解決策を提供することを目指す。本開示の目的は、先行技術において遭遇する問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供すること、および前記測定装置との所望のアラインメントを達成するために実装しやすく、効率的、ロバストで、より速いアラインメント手段を提供することである。
【0007】
一側面において、本開示のある実施形態は、測定装置のアラインメント手段を提供し、前記アラインメント手段は、
・ ハウジング、
・ 所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品であって、前記ユーザの眼が前記光学部品の主軸にアラインされるように構成された前記光学部品、
・ 前記光学部品から第1の距離S1に、および前記主軸から第1の高さh1に置かれた第1の光源、
・ 前記光学部品から第2の距離S2に、および前記主軸から第2の高さh2に置かれた第2の光源、ならびに
・ 角度バリア手段
を備え、
前記光学部品は、焦点を備え、前記第1および第2の光源は、前記光学部品と前記焦点との間に置かれて、
前記ハウジング、前記光学部品、および前記角度バリア手段は、
・ 前記主軸に沿ってd1'を上回る距離において前記第1の光源の可視性をブロックし、
・ 前記主軸に沿ってd2より小さい距離において前記第2の光源の可視性をブロックする
ように配置され、
d2は、d1'より小さく、
d1'およびd2は、前記光学部品からの距離である。
【0008】
別の側面では、本開示のある実施形態は、アラインメント手段を備える測定装置を提供する。
【0009】
本開示の実施形態は、先行技術における前述の問題を実質的になくし、またはそれらに少なくとも部分的に対処して、ユーザと測定装置との所望のアラインメントを達成する、労力を要しない、実質的に正確、ロバストで効率的なアラインメント手段を可能にする。
【0010】
本開示の追加的な側面、利点、特徴および目的は、添付の特許請求の範囲と併せて解釈される説明的な実施形態の図面および詳細な記載から明らかにされるであろう。
【0011】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく様々な組み合わせに組み合わされやすいことがわかるであろう。
【0012】
上記の摘要、ならびに説明的な実施形態の以下の詳細な記載は、添付図面と併せて読まれたときにさらによく理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構造が図面に示される。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法および手段には限定されない。そのうえ、当業者は、図面が縮尺通りではないことを理解するであろう。可能な限り、同様の要素は、同一の番号によって示されている。
【0013】
次に、本開示の実施形態が以下の図を参照して、例としてのみ、記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示のある実施形態による、測定装置のアラインメント手段の概略説明図である。
図2】本開示のある実施形態による、アラインメント手段の実装の概略説明図である。
図3】本開示のある実施形態による、アラインメント手段の例示的な実装の概略説明図である。
図4図4A, 図4B, 図4Cはそれぞれ、本開示のある実施形態による、ユーザの眼に対するアラインメント手段の例示的な動作である。
図5図5A, 図5B, 図5Cはそれぞれ、本開示のある実施形態による、ユーザの眼に対するアラインメント手段の例示的な動作である。
図6図6A, 図6Bはそれぞれ、本開示のある実施形態によるアラインメント手段の実装の概略説明図である。
【実施形態の詳細説明】
【0015】
添付図面では、下線付き番号は、下線付き番号がその上にある項目、または下線付き番号と隣接する項目を表すために用いられている。下線のない番号は、下線のない番号と項目を線で繋げることによって識別される項目に関係する。番号に下線がなく関連する矢印を伴うときには、下線のない番号は、矢印が指し示す一般的な項目を識別するために用いられる。
【0016】
以下の詳細な記載は、本開示の実施形態およびそれらを実装できる方法を説明する。本開示を実施するいくつかのモードが開示されたが、本開示を実施または実行するために他の実施形態も可能であることを当業者は認識するであろう。
【0017】
一側面において、測定装置のアラインメント手段であって、アラインメント手段は、
・ ハウジング、
・ 所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品であって、ユーザの眼が光学部品の主軸にアラインされるように構成された光学部品、
・ 光学部品から第1の距離S1に、および主軸から第1の高さh1に置かれた第1の光源、
・ 光学部品から第2の距離S2に、および主軸から第2の高さh2に置かれた第2の光源、ならびに
・ 角度バリア手段
を備え、
光学部品は、焦点を備え、第1および第2の光源は、光学部品と焦点との間に置かれて、
ハウジング、光学部品、および角度バリア手段は、
・ 主軸に沿ってd1'を上回る距離において第1の光源の可視性をブロックし、
・ 主軸に沿ってd2より小さい距離において第2の光源の可視性をブロックする
ように配置され、
d2は、d1'より小さく、
d1'およびd2は、光学部品からの距離である。
【0018】
本開示は、測定装置と、そのユーザとの間の所望のアラインメントを達成するためのアラインメント手段を提供する。本明細書に開示されるアラインメント手段は、所望のアラインメントを達成するための効率的、シームレス、ロバストで、より速く、最適化されたアラインメント手段を提供する。そのうえ、本明細書に開示されるアラインメント手段は、実装しやすい。加えて、既存の光学および非光学部品を用いて本開示を実装できる。さらに、アラインメント手段は、測定装置と、そのユーザとの間の所望のアラインメントを達成するためのユーザのフィードバックへの依存度を実質的に低減する。とりわけ、本明細書に開示されるアラインメント手段は、所望のアラインメントを達成するためにユーザが必要とする手動労力を低減する。それゆえに、ユーザによるフィードバックおよび手動労力の要件の低減が、所望のアラインメントを達成する際の誤差の確率を実質的に低減する。さらに、本開示に開示されるようなアラインメント手段を備える測定装置は、ユーザが理解して実装しやすい所望のアラインメントを達成するためのアプローチを提供する。
【0019】
本開示の実施形態に準じて、アラインメント手段は、ユーザに対する測定装置の所望のアラインメントを達成しやすくするように構成される。具体的には、所望のアラインメントは、測定装置の適切な機能のために測定装置に対してユーザの眼を実質的に正確に位置決めすることを指す。とりわけ、アラインメント手段は、ユーザの視る方向、ユーザ(具体的にはユーザの眼)の測定装置からの距離、ユーザの傾き角、ならびにユーザの眼の垂直および水平アラインメントのうちの少なくとも1つを調整することによって、測定装置に対するユーザの眼の実質的に正確な位置決めを達成しやすくする。
【0020】
さらに、測定装置は、眼のパラメータを測定する、像および/またはオブジェクトを視る、光波を解析するなどのために動作可能なデバイスを指す。ある例では、測定装置は、眼の圧力を測定するために動作可能であり、すなわち、測定装置は、眼の圧力を測定するための装置である。そのうえ、ユーザは、眼の手術、圧力測定などのようなタスクのために測定装置からの出力が必要なエンティティ(例えば、個人、装置、処理デバイスなど)であってよい。ユーザは、測定装置との所望のアラインメントをその正しい機能のために必要とする。具体的には、測定装置の正しい機能は、眼のパラメータを測定する、像を視る、光波を解析するなどの特定のタスクを行い、ユーザに正確な出力を提供する測定装置の能力に関係する。ユーザは、測定装置によって行われるタスクの正しい出力を得るために測定装置に対する正確な位置決めを必要とする。そのうえ、ユーザは、測定装置との所望のアラインメントを達成するためにアラインメント手段を用いる。
【0021】
光学部品は、所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有し、すなわち、光学部品の主軸は、ユーザの眼の光軸と平行である。従って、測定装置が用いられているときに、光学部品は、ユーザの眼が光学部品の主軸にアラインされるように構成される。
【0022】
光学素子の主軸が測定装置の該当する軸と一致するような方法で本アラインメント手段を測定装置へ接続可能である。例えば、測定装置がトノメータであれば、光学素子の主軸は、トノメータ・プローブの押し出し方向(軸)と一致する。アラインメント手段を取り外し可能かまたは測定装置の一体的部分とすることができる。
【0023】
任意に、アラインメント手段は、支持手段によって測定装置と作動的に連結される。支持手段は、アラインメント手段に支持を提供する円筒またはほぼ立方体構造である。
【0024】
任意に、アラインメント手段に測定装置が永続的に取り付けられて、測定装置からそれを取り外すことはできない。別の事例では、アラインメント手段を測定装置に取り外し可能に連結でき、従って、アラインメント手段は、リムーバブルである。かかる事例では、アラインメント手段と測定装置の取り外し可能な連結により、アラインメント手段を別の測定装置に取り付けて使用することができる。
【0025】
本開示を通して、「アラインメント手段」という用語は、測定装置と関連付けられた配置に関係する。アラインメント手段は、所望のアラインメントを達成するために複数の光学および非光学部品を備える。測定装置とユーザの眼との相互の正確な位置決めがそれらの間の所望のアラインメントを提供する。
【0026】
前述のように、測定装置のアラインメント手段は、ハウジングを備える。加えて、ハウジングは、アラインメント手段の光学および非光学部品を収容するように構成される。ハウジングは、アラインメント手段の部品をアラインメント手段内のそれらの各位置に保持するようにさらに構成される。加えて、ハウジングは、外部干渉からの保護をアラインメント手段に提供する。さらに、ハウジングは、偶発的な損傷などの外因によって生じる損傷からアラインメント手段の部品を保護するようにも構成される。ハウジングは、第1端および第2端を有し、第1端は、ユーザの眼に面し、第2端は、測定装置の方にある。
【0027】
任意に、ハウジングの本体は、本質的に光を通さず、または不透明である。ハウジングの本体を金属もしくは非金属材料から製造できる。加えて、ハウジングは、中空の立方体、ほぼ立方体、球などの規則的な幾何学的形状を有する。代わりに、ハウジングは、不規則な幾何学的形状を有する。
【0028】
アラインメント手段は、光学部品を備える。光学部品は、光がそれを通過することをできるようにする屈折媒質である。屈折媒質である光学部品は、それを通過する光の経路を変更する。そのうえ、光学レンズは、ハウジングの第1端に置かれる。加えて、光学レンズは、所望のアラインメントに平行な方向に主軸(すなわち、光軸)を有する。主軸は、光学部品の光心(すなわち、幾何学的中心)を通過して光学部品の2つの曲率中心を結ぶ軸を指す。
【0029】
さらに、アラインメント手段は、第1の光源および第2の光源を備える。第1および第2の光源は、光学部品の方へ光を発するように構成される。第1の光源は、光学部品から第1の距離S1に、および主軸から第1の高さh1に置かれる。ハウジングは、第1の光源をその中空構造内に取り囲む。加えて、第1の光源は、ハウジングの第2端の方に置かれる。第1の光源および光学部品のかかる位置決めは、第1の光源からの光線が光学部品上に投射されて、それを通過することを可能にする。
【0030】
そのうえ、アラインメント手段は、第2の光源を備え、第2の光源は、光学部品から第2の距離S2に、および主軸から第2の高さh2に置かれる。加えて、第2の光源は、ハウジングの第2端の方に置かれる。第2の光源および光学部品のかかる位置決めは、第2の光源からの光線が光学部品上に投射されて、それを通過することを可能にする。
【0031】
任意に、第1および第2の光源は、主軸より高く、それぞれ高さh1およびh2に置かれる。代わりに、任意に、第1および第2の光源は、主軸より低く置かれる。
【0032】
任意に、第1の距離S1および第2の距離S2は、等しい。それゆえに、第1の光源および第2の光源は、光学部品から等しい距離に置かれる。
【0033】
第1の高さh1および第2の距離h2は、等しくないことがわかるであろう。言い換えれば、第1の光源および第2の光源は、互いに対して異なる高さに置かれる。とりわけ、第1の高さh1および第2の高さh2が等しくないので、それゆえに、第1の光源および第2の光源のいずれも他方の可視性をブロックしない。それゆえに、第1の光源および第2の光源の両方の可視性がアラインメント手段の正しい機能を可能にする。具体的には、第1の高さh1は、第2の距離h2より小さいかまたは大きい。しかしながら、本開示を通して、簡潔かつ明確にするために、第1の高さh1が第2の距離h2より大きいと見なされる。
【0034】
任意に、アラインメント手段は、光学部品から距離S3に、および主軸から第3の高さh3に配置された第3の光源をさらに備える。ハウジングは、第3の光源をさらに取り囲む。加えて、第3の光源は、ハウジングの第2端の方に置かれる。第3の光源および光学部品のかかる位置決めは、第3の光源からの光線が光学部品上に投射されて、それを通過することを可能にする。
【0035】
任意に、第3の光源は、第1および第2の光源より上、第1および第2の光源より下、または第1および第2の光源の間のいずれかに置かれる。
【0036】
任意に、第1、第2および任意的な第3の光源のうちの少なくとも1つは、環状光源である。第1、第2および任意的な第3の光源は、リング、円形ディスクの形状である。加えて、第1、第2および任意的な第3の光源は、連続順に置かれる。この任意的な実施形態では、高さ(h1,h2,h3)が主軸に対する環状光源の半径に対応し、すなわち、第1の環状光源がh1の半径を有し、第2の環状光源がh2の半径を有し、第3の環状光源がh3の半径を有する。
【0037】
さらに、任意に、第1、第2および任意的な第3の光源の各々は、異なる有色光を提供するように配置される。第1、第2および任意的な第3の光源の各々の異なる色がそれらに固有の識別情報を提供する。そのうえ、第1、第2および任意的な第3の光源の異なる色により、ユーザは第1、第2および任意的な第3の光源のいずれかから来る光源をより容易に識別することができる。ある例では、第1の光源は、青色光を発してよく、第2の光源は、緑色光を発してよく、第3の光源は、黄色光を発してよい。
【0038】
任意に、第1、第2および任意的な第3の光源のうちの少なくとも1つは、点滅光源である。加えて、第1、第2および任意的な第3の光源のいずれかの点滅により、ユーザは正しい光源を識別することができる。有益には、第1、第2および任意的な第3の光源のかかる点滅が、より容易でより速い所望のアラインメントの達成を可能にする。
【0039】
より任意に、第1、第2および任意的な第3の光源は、発光体およびライトガイドによって実装される。発光体は、少なくとも1つの光線を光学部品の方へ発するように構成された光の源である。加えて、発光体は、その状態(ON/OFF)を変更するように構成されたスイッチと関連付けられる。さらに、発光体はその機能のための電力を発光体に提供するように構成された電源に取り付けられる。ある例では、発光体は、発光ダイオードである。発光ダイオード(LED:light emitting diode)は、2リード半導体光源である。有益には、第1、第2および任意的な第3の光源のそのような高輝度は、視覚障害のあるユーザが第1、第2および任意的な第3の光源を識別することを可能にする。
【0040】
さらに任意に、発光体は、第1、第2および任意的な第3の光源の適切な機能を達成することを可能にする、ライトガイドと関連付けられる。加えて、ライトガイドは、光を発光体から光学部品の方へ向けるように構成される。ライトガイドは、発光体からの光の初期の散乱を防止する。ある例では、ライトガイドは、環状ライトガイド、三角形ライトガイド、楕円形ライトガイド、正方形ライトガイド、ライン型ライトガイドのうちの1つである。前述の測定装置のユーザによる要件に基づいて発光体と関連付けられたライトガイドの形状を選ぶことができる。加えて、ライトガイドは、発光体から光学部品の方へ発せられた光の走行経路を制御するために動作可能である。
【0041】
任意に、光学部品は、レンズ、例えば、収束レンズ、発散レンズ、組み合わせレンズ、フレネルレンズ、および同様のものである。光学部品は、光心をその幾何学的中心に有する。加えて、光学部品は、その光心を通り抜ける主軸を有する。さらに、光学部品の主軸は、少なくとも1つの焦点をその上に含む。そのうえ、光学部品は、少なくとも1つの焦点に対するそれらの位置に基づいて第1、第2および任意的な第3の光源の虚像を形成する。とりわけ、レンズによって形成される虚像は、第1および第2の光源から来る光線が交差しないときに形成される像に関係しているが、後方に伸ばされると交差するように見える。形成されるこれらの像は、本質的に見かけ上である。
【0042】
光学部品は、第1および第2の光源の虚像を生成するために動作可能ないずれかのレンズであることがわかるであろう。しかしながら、本開示を通して、簡潔にかつ理解しやすくするために、光学部品は、収束レンズであると想定されてきた。
【0043】
本開示を通して、「第1の光源を視ること」は、光学部品を通して第1の光源の虚像を視ることと関係し、「第2の光源を視ること」は、光学部品を通して第2の光源の虚像を視ることと関係することがわかるであろう。
【0044】
任意に、第1の光源の第1の距離S1および第2の光源の第2の距離S2は、光学部品の光心と焦点との間の距離より小さい。さらに、第1の距離S1および第2の距離S2は、光学部品のタイプに応じて変動してよい。具体的は、虚像を生成するための光学部品の特性に基づいて第1および第2の光源の位置が変えられる。
【0045】
任意に、本開示のある実装では、光学部品が収束レンズである。収束レンズは、焦点と光心との間にオブジェクトが配置されるときに虚像を生成するために動作可能である。収束レンズは、薄肉レンズ公式(すなわち、レンズ方程式)を適用することによって構成される。具体的には、薄肉レンズ公式は、物体距離の逆数と像距離の逆数との和が焦点距離の逆数に等しいことを示し、焦点距離は、光学部品の光心とその焦点との間の距離を指す。前述のように、第1および第2の光源は、光学部品の光心と焦点との間に置かれる。それゆえに、光学部品は、第1および第2の光源の虚像を焦点の背後に生成する。第1の光源の虚像は、ユーザによって光学部品を通して見ることができる。第1の光源の虚像は、主軸に沿って光心から距離d1'まで視え、距離d1'は、光学部品からの距離である。同様に、第2の光源の虚像をユーザによって光学部品を通して見ることができる。第2の光源の虚像は、主軸に沿って距離d2以降に距離d2'まで光学部品を通して視え、距離d2は、光学部品からの距離である。とりわけ、第1および第2の光源の虚像がユーザによって光学部品を通して視られるときに、それらの虚像は、ハウジングの第1端から視られる。
【0046】
光学部品は、焦点を備え、第1、第2および任意的な第3の光源は、光学部品と焦点との間に置かれる。光学部品の焦点(すなわち、フォーカス)は、主軸上に位置する。第1の距離S1、第2の距離S2および第3の距離S3は、光学部品の光心と焦点との間の距離より小さいことが理解されるべきである。具体的には、光学部品の光心と焦点との間の距離が光学部品の焦点距離を形成する。とりわけ、第1、第2および任意的な第3の光源の虚像は、ハウジングの第2端の方に形成される。結果として、第1、第2および任意的な第3の光源の虚像が光学部品を通してユーザに視える。この技術的効果は、たとえユーザの眼が装置に極めて接近していても、光学部品と焦点との間の第1および第2の光源のかかる位置決めが、ユーザに対する光源の明確な可視性を促進することである。そのうえ、ボケ効果を生じることがない。ボケ効果は、ユーザの眼に対する測定装置の不正確な位置決めにつながる。測定装置が不正確に置かれた場合、測定デバイスが誤った結果を生じることになり、ユーザにとって有害であろう。実際に、光学部品と焦点との間の光源の位置決めがユーザの眼に対する測定装置の正確な位置決めを可能にする。
【0047】
前述のように、アラインメント手段は、角度バリア手段をさらに備える。角度バリア手段は、金属もしくは非金属媒体の不透明片である。さらに、角度バリア手段は、第1、第2および任意的な第3の光源から来る光の経路をブロックする、許容する、および/または変更するように構成される。
【0048】
任意に、角度バリア手段は、光学部品と、第1および第2の光源との間に配置される。代わりに、光学部品が角度バリア手段と、第1および第2の光源との間に配置される。全体として、角度バリア手段は、光源から、測定装置のユーザの眼への光路をブロックできるように配置される。本質的に、角度バリアは、光学部品のいずれの側にもありうる。加えて、光学部品が2つ以上のレンズを備える場合、2つのレンズの間に角度バリアを配置できる。
【0049】
任意に、角度バリア手段は、第1、第2および任意的な第3の光源の虚像の可視性を可能にする、光学部品より小さい高さを有する。角度バリア手段は、環状、矩形、多角形のうちの少なくとも1つを備える。角度バリア手段を角度バリアディスクとすることができる。角度バリア手段を光源(単数または複数)とユーザの眼との間の光路に配置された他の構造部品とすることもできる。一例として、ハウジングの一部が角度バリア手段として機能してよい。任意に/加えて、支持構造が角度バリア手段として機能してもよい。
【0050】
代わりに、任意に、角度バリア手段は、光学部品以上の高さを有する。かかる事例では、角度バリア手段は、第1、第2および任意的な第3の光源から発する光がそれを通過することを可能にする切り込みをその中に有する。加えて、角度バリア手段上のかかる切り込みは、ユーザによって光学部品を通して視られる光のパターンを生成する。ある例では、ユーザは、所望のアラインメントをアラインメント手段によって達成するための特定の光パターンの虚像を視てよい。
【0051】
任意に、アラインメント手段は、支持構造に取り付けられたプローブを備える。支持構造は、ハウジングに動作可能に取り付けられて、アラインメント手段のための支持構造を提供する。加えて、支持構造に取り付けられたプローブは、ハウジングの外部に置かれる。加えて、プローブは、光学部品の次にハウジングの第1端の方に置かれる。プローブは、ユーザの眼の特性を測定するために支持構造の内部で前後方向に移動するように配置される。ある実装例では、プローブがユーザの眼に当たる(それを衝撃する)ように配置されて、衝撃前、中および/または後のプローブの移動が測定される。測定結果は、眼の圧力を導き出すために解析される。前記測定例では、測定装置に(従って、プローブに)対してユーザの眼からの適切なアラインメントおよび適切な距離が必要である。追加の実施形態では、プローブを取り付けるための支持構造(または支持構造の一部)が角度バリア手段として機能してよい。別の実装例では、眼の特性を測定するために、プローブの代わりに、例えば、水パルスをユーザの眼に向けて提供できる。さらに別の例では、測定デバイスがアラインされた距離から眼/眼の網膜の写真をキャプチャするために用いられる。かかる例では、プローブの代わりにカメラ光学系/カメラが支持構造に取り付けられるとよい。
【0052】
任意に、ハウジング、光学部品および角度バリア手段は、主軸に沿ってd2'を上回る距離において第2の光源の可視性をブロックするように配置され、d2'は、d1'より大きい。第2の光源の虚像は、距離d2'まで視え、距離d2'は有限距離である。距離d2を上回り、距離d2'より小さい距離が第2の光源の虚像の可視性範囲を形成し、可視性範囲は、光学部品の主軸に沿って位置する。
【0053】
第1および第2の光源の可視性範囲は、一定(すなわち、固定)ではなく、ユーザおよび/または測定装置の使用による要件に従って変動しうることがわかるであろう。
【0054】
前述のように、光学部品は、ハウジングの第1端に置かれる。加えて、ハウジングは、角度バリア手段をその中空構造内に取り囲む。そのうえ、ハウジングは、測定装置および/またはそのユーザの要件と互換性のある構造を有する。
【0055】
さらにハウジング、光学部品、および角度バリア手段は、
・ 主軸に沿ってd1'を上回る距離において第1の光源の可視性をブロックし、
・ 主軸に沿ってd2より小さい距離において第2の光源の可視性をブロックする
ように配置され、
d2は、d1'より小さい。
【0056】
とりわけ、ハウジングは、ユーザと関連付けられた光学部品を通して見るための視角、傾き角などを制限するように構造化される。角度バリア手段は、主軸上の距離d1'まで第1の光源の可視性を可能にするように構成される。また、角度バリア手段は、距離d2を上回る距離において第2の光源の可視性を可能にするように構成され、d2は、d1'より小さい。それゆえに、第1および第2の光源は、d2を上回り、d1'より小さい距離において重なる可視性範囲を有する。
【0057】
そのうえ、第1の光源は、d1'を上回る距離では視えず、第2の光源は、d2より小さい距離では視えない。加えて、d1は、d2より小さく、d2は、d1'より小さい。それゆえに、第1および第2の光源は、主軸に沿って距離d2を上回り、距離d1'より小さい距離において視える。ある例では、第1の光源および第2の光源の可視性が測定装置との所望のアラインメントを示す。かかる例では、第1の光源のみの可視性は、ユーザが測定装置に近すぎることを示す。そのうえ、第2の光源のみの可視性は、ユーザがアラインメント手段から遠すぎることを示す。かかる事例では、所望のアラインメントを達成するために測定装置および/またはユーザの位置が変えられる。
【0058】
任意に、所望のアラインメントが達成される距離が測定装置のための動作距離である。より任意に、異なる測定装置では、それらの動作および/または測定装置を用いるユーザの要件に応じて動作距離が異なる。
【0059】
ある例では、測定装置は、第1の光のみが視えるときにその所望のアラインメントのための動作距離を有しうる。別の例では、測定装置は、第2の光のみが視えるときに所望のアラインメントのための動作距離を有しうる。
【0060】
ある例示的な実装では、測定装置のアラインメント手段に2つの光源、具体的には第1の光源および第2の光源が実装されてよい。光学部品は、第1の光源および第2の光源の虚像を形成するように構成されてよい。測定装置のユーザは、第1および第2の光源の虚像を光学部品を通して視てよい。加えて、ユーザは、第1および第2の光源の虚像をそれらの可視性範囲内においてのみ視てよい。そのうえ、角度バリア手段は、ユーザの視経路をブロックすることによって光学部品を通る第1および第2の光源のビューを制限するように構成される。ハウジング、光学部品および角度バリア手段は、距離d1'を上回る距離において、光学部品を通して、第1の光源の可視性をブロックするように配置されてよい。加えて、アラインメント手段は、d2を上回る距離において第2の光源の可視性を可能にしてよく、d2は、d1'より小さい。ユーザは、所望のアラインメントを達成するために、第1および第2の光源の両方の虚像を視る必要がある場合がある。結果として、第1および第2の光源の視域の重なり部分がアラインメント手段のための動作距離を形成しうる。
【0061】
別の例示的な実装では、測定装置のためのアラインメント手段に2つの有色光源、具体的には赤色光であってよい第1の有色光源および緑色であってよい第2の有色光源が実装されてよい。光学部品は、第1および第2の有色光源の虚像を形成するように構成されてよい。測定装置のユーザは、第1および第2の有色光源の虚像を光学部品を通して視てよい。加えて、ユーザは、第1および第2の有色光源の虚像をそれらの可視性範囲内においてのみ視てよい。加えて、ハウジング、光学部品および角度バリア手段は、距離d1'を上回る距離において、光学部品を通して、第1の有色光源の可視性をブロックするように配置されてよい。そのうえ、角度バリア手段は、距離d2'を上回る距離において第2の有色光源の可視性をブロックするように構成されてよく、d2'は、距離d1'より小さい。第1の有色光源および第2の有色光源は、重なる可視性範囲を有しえない。また、第1の有色光源および第2の有色光源の可視性範囲は、第1および第2の光源がいずれも視えない暗域をそれらの間に有しうる。それゆえに、いずれの事例においても、第1および第2の有色光源は、光学部品を通してユーザに視えないか、またはいずれかが視えてよい。加えて、第2の有色光源の可視性は、ユーザがアラインメント手段から遠すぎることを示してよく、第1の有色光源の可視性は、ユーザがアラインメント手段に近すぎることを示してよい。それゆえに、第1および第2の有色光源の可視性領域の間の暗域が測定装置の正しい機能のための動作距離を形成する。
【0062】
ある例では、第1および第2の光源の虚像が重なっているか、またはユーザに視えないように思われることがある。かかる例では、所望のアラインメントからの収差がユーザによって観察されうる。
【0063】
任意に、動作距離内の光の重なりまたは不可視性が所望のアラインメントからの収差(すなわち、ずれ)を示す。ある事例では、水平方向の収差があるときに、第2の光源が第1の光源の上部の背後に部分的に視られ、第1の光源と第2の光源との間の暗域がユーザによって観察される。別の事例では、垂直方向の収差があるときに、第2の光源が第1の光源の側(すなわち、左、または右)部の背後に部分的に視られ、第1の光源と第2の光源との間の暗域がユーザによって観察される。
【0064】
ある例では、所望のアラインメントが達成されるときに、第1および第2の光源の虚像が光学部品を通してユーザに視える。加えて、暗域がユーザによって観察される。
【0065】
任意に、所望のアラインメントは、第1、第2および任意的な第3の光源を用いて達成される。第3の光源の虚像は、光学部品によって焦点の背後に生成される。第3の光源の虚像は、距離d3を上回る距離以降に距離d3'まで視える。より任意に、距離d3'は有限である。
【0066】
任意に、ハウジング、光学部品、および角度バリア手段は、主軸に沿ってd3より小さい距離において第3の光源の可視性をブロックするように配置され、d3は、d1'より大きくd2'より小さい。角度バリア手段は、主軸に沿ってその可視性範囲内において第3の光源の可視性を可能にする。第3の光源は、距離d3より前では視えない。加えて、第1、第2および任意的な第3の光源は、d3を上回りd2'より小さい距離において視える。d3を上回りd2'より小さい距離が第1、第2,および第3の光源を備える測定装置のための動作距離である。しかしながら、測定装置の動作および/またはそのユーザに基づいて動作距離を変更することができる。
【0067】
ある例では、動作距離は、第1、第2の光源が視える、d2とd1'との間の距離であってよい。別の例では、動作距離は、第2の光源のみが視える距離であってよい。
【0068】
ある例示的な実装では、測定装置のためのアラインメント手段に3つの光源、具体的には第1の光源、第2の光源および第3の光源が実装されてよい。アラインメント手段の光学部品は、第1、第2および任意的な第3の光源の虚像を形成するように構成されてよい。測定装置のユーザは、第1、第2および任意的な第3の光源の虚像を光学部品を通して視てよい。加えて、ユーザは、第1、第2および第3の光源の虚像をそれらの可視性範囲内においてのみ視てよい。そのうえ、ハウジング、光学部品および角度バリア手段は、ユーザの視経路をブロックすることによって、光学部品を通る第1、第2および第3の光源のビューを制限するように配置される。具体的には、第1の光源の可視性は、距離d1'を上回る距離においてブロックされてよい。加えて、d2より小さい、およびd2'を上回る距離において、光学部品を通して、第2の光源の可視性がブロックされてよく、d2は、d1'より小さく、d1'は、d2'より小さい。それゆえに、第1および第2の光源は、重なる視域を有する。さらに、光学バリアディスクは、距離d3を上回る距離において第3の光源の可視性を可能にするように構成され、d3は、d2'より大きい。ユーザは、所望のアラインメントを達成するために、第2の光源の虚像を視る必要がある場合がある。結果として、第2の光源のみの可視性範囲を含むd1'を上回りd3より小さい距離がアラインメント手段のための動作距離を形成しうる。
【0069】
さらに、本開示は、アラインメント手段を備える測定装置に関する。測定装置は、所望のアラインメントをアラインメント手段によって達成するように構成される。具体的には、アラインメント手段は、測定装置に作動的に連結される。任意に、所望のアラインメントを達成するために測定装置および/またはユーザの位置が変更される。
【0070】
本開示は、第1の光源の可視性範囲を光学部品から第1の距離S1まで調整することを含む、アラインメント手段を用いて測定装置をアラインする方法に関する。アラインメント手段を用いて測定装置をアラインする方法は、第2の光源の可視性範囲が光学部品から第2の距離S2から始まるように調整することをさらに含み、第2の距離S2は、第1の距離S1より小さい。さらに、第1および第2の光源は、ユーザの眼の測定装置からの所望の距離を達成するように測定装置を配置するために用いられる。さらに、第1および第2の光源は、所望のアラインメントを達成するように眼の水平および/または垂直位置を調整するために用いられる。
【0071】
さらに、本開示は、先に記載されたようなアラインメント手段を備える測定装置を提供する。任意に、測定装置は、眼の圧力を測定するための装置である。さらに任意に、測定装置は、眼の圧力を測定するために眼の方へ押し出されるように構成されたプローブを備える。
【図面の詳細説明】
【0072】
図1を参照すると、本開示のある実施形態による、測定装置102のアラインメント手段100の概略説明図が示される。アラインメント手段100は、ハウジング104を備える。アラインメント手段100は、所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品106を備える。アラインメント手段100は、第1の光源108および第2の光源110を備える。第1の光源108は、光学部品106から第1の距離S1に置かれ、第2の光源110は、光学部品106から第2の距離S2に置かれる。第1の光源108および第2の光源110は、光学部品106の方へ光を提供するように配置される。アラインメント手段100は、光学部品106と、それぞれ第1および第2の光源108および110との間に配置された角度バリア手段112を備える。アラインメント手段は、支持構造を含む。支持構造は、内側支持構造部114および外側支持構造部118を備える。任意的なプローブ116は、眼120の特性を測定するために内側および外側支持構造114、118の内部で前後方向に移動するように配置される。
【0073】
図1は、例に過ぎず、本出願の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。アラインメント手段100の特定の名称は、例として提供され、アラインメント手段100を光学部品、光源、およびの角度バリア手段の特定の数、タイプ、または配置に限定すると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。当業者は、本開示の実施形態の多くの変形、代替物、および変更を認識するであろう。
【0074】
図2を参照すると、本開示のある実施形態による、アラインメント手段(例えば、図1のアラインメント手段100)の実装の概略説明図が示される。示されるように、アラインメント手段は、所望のアラインメントに平行な方向に主軸204を有する光学部品202を含む。さらに、第1の光源206は、主軸204から第1の高さh1に置かれる。加えて、第2の光源208は、主軸204から第2の高さh2に置かれる。第1の光源206および第2の光源208は、それぞれ光学部品202から距離S1およびS2において光学部品202と光学部品202の焦点Fとの間に置かれる。図ではS1およびS2が等しい。さらに、角度バリア手段210は、光学部品202と、第1の光源206および第2の光源208との間に置かれる。
【0075】
第1の光源206からの光は、光学部品202を通過して、第1の光源206の虚像212を生成することがわかるであろう。同様に、第2の光源208からの光は、光学部品202を通過して、第2の光源208の虚像214を生成する。さらに、ハウジング(例えば、図1に示されるようなハウジング104)、光学部品202、および角度バリア手段210は、主軸204に沿って距離d1'を上回る距離において第1の光源206の可視性をブロックするように配置される。そのうえ、ハウジング、光学部品202、および角度バリア手段210は、主軸204に沿ってd2より小さい距離において第2の光源208の可視性をブロックするように配置される。
【0076】
説明のために、第1の光源206の虚像212から主軸204へ延びる第1のラインマーカ216は、第1の光源206がそれまでは視える距離d1'を示す。同様に、第2の光源208の虚像214から主軸204へ延びる第2のラインマーカ218は、第2の光源208がそれ以降は視える距離d2を示す。
【0077】
図2は、例に過ぎず、本出願の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。アラインメント手段の実装のための特定の名称は、例として提供され、アラインメント100を光学部品、光源、および角度バリア手段の特定の数、タイプ、または配置に限定すると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。さらに、図2では、第1の光源206および第2の光源208が光学部品202から等しい距離に置かれると見なされる。当業者は、本開示の実施形態の多くの変形、代替物、および変更を認識するであろう。
【0078】
図3を参照すると、本開示のある実施形態による、アラインメント手段の例示的な実装の概略説明図が示される。示されるように、アラインメント手段は、所望のアラインメントに平行な方向に主軸304を有する光学部品302を含む。さらに、第1の光源306は、主軸304から第1の高さh1(示されない)に置かれる。加えて、第2の光源308は、主軸304から第2の高さh2(示されない)に置かれる。さらに、第3の光源310は、主軸304から第3の高さh3(示されない)に置かれる。第1の光源306、第2の光源308および第3の光源310は、光学部品302と、光学部品302の焦点Fとの間に置かれる。さらに、角度バリア手段312は、光学部品302と、第1の光源306、第2の光源308および第3の光源310との間に置かれる。
【0079】
第1の光源306からの光は、光学部品302を通過して、第1の光源306の虚像314を生成することがわかるであろう。同様に、第2の光源308からの光は、光学部品302を通過して、第2の光源308の虚像316を生成する。また、第3の光源310からの光は、光学部品302を通過して、第3の光源310の虚像318を生成する。さらに、ハウジング(例えば、図1に示されるようなハウジング104)、光学部品302、および角度バリア手段312は、主軸304に沿って距離d1'を上回る距離において第1の光源306の可視性をブロックするように配置される。そのうえ、ハウジング、光学部品302、および角度バリア手段312は、主軸304に沿ってd2より小さい距離、およびd2'を上回る距離において第2の光源308の可視性をブロックするように配置される。さらに、ハウジング、光学部品302、および角度バリア手段312は、d3より小さい距離において第3の光源310の可視性をブロックするように配置される。
【0080】
説明のために、第1の光源306の虚像314から主軸304へ延びる第1のラインマーカ320は、第1の光源306がそれまでは視える距離d1'を示す。同様に、第2の光源308の虚像316から主軸304へ延びる第2のラインマーカ322および第3のラインマーカ324は、それぞれ、第2の光源308がそれ以降は視える距離d2、および第2の光源308がそれまでは視える距離d2'を示す。また、第3の光源310の虚像318から主軸304へ延びる第4のラインマーカ326は、第3の光源310がそれ以降は視える距離d3を示す。
【0081】
図4A、4Bおよび4Cを参照すると、本開示のある実施形態による、ユーザの眼に対するアラインメント手段(例えば、図1のアラインメント手段100)の例示的な動作が示される。アラインメント手段は、図2に記載されるのと同様の仕方で実装される。とりわけ、ユーザの眼は、光学部品の主軸(例えば、図2の光学部品202の主軸204)にアラインされる。それぞれ、(図2の)第1の光源206および(図2の)第2の光源208の虚像212および214は、任意にプローブ402(例えば、図1のプローブ116)に中心が揃えられる。さらに、アラインメント手段は、測定装置102と、ユーザの眼との間の所望のアラインメント(具体的には、眼の測定装置102からの所望の距離)を達成しやすくするように構成される。
【0082】
図4Aでは、ユーザの眼がd1'を上回る距離に置かれている。それゆえに、第2の光源208の虚像214のみが光学部品を通してユーザの眼に視える。
【0083】
図4Bでは、ユーザの眼がd2を上回りd1'より小さい距離に置かれている。それゆえに、それぞれ第1の光源206および第2の光源208の虚像212および214が光学部品を通してユーザの眼に視える。
【0084】
図4Cでは、ユーザの眼がd2より小さい距離に置かれている。それゆえに、第1の光源206の虚像212のみが光学部品を通してユーザの眼に視える。
【0085】
図4Bに示されるように)それぞれ第1の光源206および第2の光源208の虚像212および214がユーザの眼に視えるときに、ユーザの眼は、測定装置に対して所望の距離に置かれていることがわかるであろう。しかしながら、(図4Aに示されるように)第2の光源208の虚像214のみがユーザの眼に視えるときには、ユーザは、測定装置に対して遠くに位置している。同様に、(図4Cに示されるように)第1の光源206の虚像212のみがユーザの眼に視えるときには、ユーザは、測定装置の近くに位置している。
【0086】
図5A、5Bおよび5Cを参照すると、本開示のある実施形態による、ユーザの眼に対するアラインメント手段(例えば、図1のアラインメント手段100)の例示的な動作が示される。アラインメント手段は、図2に記載されるのと同様の仕方で実装される。とりわけ、ユーザの眼は、測定装置(例えば、図1の測定装置102)から所望の距離に置かれる。それぞれ、(図2の)第1の光源206および(図2の)第2の光源208の虚像212および214は、任意にプローブ402(例えば、図1のプローブ116)に中心が揃えられる。さらに、アラインメント手段は、測定装置102と、ユーザの眼との間の所望のアラインメント(具体的には、測定装置102に対する眼の所望の垂直および水平アラインメント)を達成しやすくするように構成される。
【0087】
図5Aでは、ユーザの眼は、測定装置102に対して水平方向にずれている。それゆえに、第2の光源208の虚像214は、第1の光源206の虚像212と水平方向に部分的に重なる。
【0088】
図5Bでは、ユーザの眼は、測定装置102に対して所望の垂直および水平アラインメントにある。それゆえに、第2の光源208の虚像214および第1の光源206の虚像212は、実質的に中心が揃えられている。
【0089】
図5Cでは、ユーザの眼は、測定装置102に対して垂直方向にずれている。それゆえに、第2の光源208の虚像214は、第1の光源206の虚像212と垂直方向に部分的に重なる。
【0090】
図6Aは、本開示のある実施形態による、前方から見られるようなアラインメント手段の斜視説明図であり、図6Bは、背後から見られるようなアラインメント手段の斜視説明図である。アラインメント手段は、所望のアラインメントに平行な方向に主軸を有する光学部品606を備える。アラインメント手段は、第1の光源620、第2の光源622および第3の光源624を備える。光源は、本例では環状光源である。光源は、光学部品606から等しい距離に配置される。環状光源は、環状ライトガイドおよびそれぞれのライトガイドに光を提供するLED(示されない)を備える。第1の光源620の第1の環状ライトガイドは、h1の半径を有する。第2の光源622の第2の環状ライトガイドは、h2の半径を有する。第3の光源624の第3の環状ライトガイドは、h3の半径を有する。半径h1は、半径h2より小さい。半径h2は、半径h3より小さい。ライトガイドは、異なる色の光(または代わりに、例えば、ライトガイド間を識別するために人への専用パターンをもつ閃光)を発する。光源620、622、624および光学部品606は、内側支持構造部614の周りに配置される。内側支持構造は、与えられた例では中空管である。眼の特性を測定するためにアラインメント手段を有する測定装置が用いられるときには、任意的なプローブ616がユーザの眼の方へ押し出されるように構成される。プローブ616は、外側支持構造618で部分的に覆われる。プローブ616は、内側支持構造部614の周りに配置された任意的なコイル配置630を用いて押し出される/制御される/保持される。角度バリア手段612は、光学部品606と光源との間に配置される。図6Aおよび6Bの例の角度バリア手段612は、角度バリアディスクである。
【0091】
上に記載された本開示の実施形態の変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく可能である。本開示を記載し、請求するために用いられる「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「有する(have)」、「である(is)」のような表現は、非排他的なように解釈することが意図され、すなわち、明示的に記載されない項目、構成要素または要素も存在することを許容する。単数への言及は、複数にも関係すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6