(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】シート給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B65H3/06 340D
B65H3/06 330G
(21)【出願番号】P 2019174454
(22)【出願日】2019-09-25
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 真理子
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-209191(JP,A)
【文献】特開2000-229737(JP,A)
【文献】特開2014-040327(JP,A)
【文献】特開2009-067558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観の一部を構成する外観面を有するフレームと、
シートを給送する給送ローラを有し、前記フレームに着脱可能なローラホルダと、
前記ローラホルダを前記フレームに装着された装着位置に規制する規制位置と、前記フレームに対する前記ローラホルダの移動を許容する許容位置とに移動可能なホルダストッパと、を備え、
前記ローラホルダ及び前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面の一部を構成
し、
前記ローラホルダはスライド可能であり、
前記ホルダストッパは、前記ローラホルダのスライド方向において前記ローラホルダに隣接して配置され、前記スライド方向と直交する方向を回動軸線として前記規制位置と前記許容位置とに回動可能に設けられることを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記フレームは、水平方向に延びるレール部を有し、
前記レール部は、前記ローラホルダが前記装着位置にあるときに前記ローラホルダを上下方向に規制するとともに、前記ホルダストッパが前記許容位置にあるときに前記ローラホルダを水平方向にスライド可能とする形状を有することを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記ローラホルダは、前記給送ローラのシート搬送方向下流側に配置され、前記給送ローラから給送されるシートを分離する分離ローラを有し、
前記分離ローラは、回転軸線と同軸の連結部を有し、
前記フレームに、前記連結部に連結して前記分離ローラを回転させるシャフトが設けられ、
前記ローラホルダのスライド方向は前記分離ローラの回転軸線と平行であって、前記ローラホルダが前記装着位置に装着されるときに、前記連結部が前記シャフトに連結されることを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記ローラホルダは、前記給送ローラの回転軸線と同軸の係合部を有し、
前記フレームは、前記係合部と係合可能な被係合部を有し、
前記ローラホルダが前記装着位置に装着されるときに、前記係合部が前記被係合部に係合することを特徴とする請求項3に記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記ホルダストッパは、前記規制位置にあるとき前記ローラホルダに当接して前記ローラホルダを装着位置に規制する当接部を有し、
前記当接部は、前記許容位置から前記規制位置に向かう方向において、前記ホルダストッパの回動軸線に近づく
円弧形状を有することを特徴とする
請求項1~請求項4の何れか一項に記載のシート給送装置。
【請求項6】
外観の一部を構成する外観面を有するフレームと、
シートを給送する給送ローラを有し、前記フレームに着脱可能なローラホルダと、
前記ローラホルダを前記フレームに装着された装着位置に規制する規制位置と、前記フレームに対する前記ローラホルダの移動を許容する許容位置とに移動可能なホルダストッパと、を備え、
前記ローラホルダ及び前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面の一部を構成し、
前記ローラホルダはスライド可能であり、
前記ホルダストッパは、前記ローラホルダのスライド方向において前記ローラホルダに隣接して配置され、前記スライド方向と直交する方向に沿って前記規制位置と前記許容位置とにスライド可能に設けられることを特徴とするシート給送装置。
【請求項7】
前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面における上面及び側面の一部を構成することを特徴とする
請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項8】
前記ホルダストッパは、前記規制位置において前記ローラホルダを下方向に押圧する押圧部を有することを特徴とする
請求項6または請求項7に記載のシート給送装置。
【請求項9】
外観の一部を構成する外観面を有するフレームと、
シートを給送する給送ローラを有し、前記フレームに着脱可能なローラホルダと、
前記ローラホルダを前記フレームに装着された装着位置に規制する規制位置と、前記フレームに対する前記ローラホルダの移動を許容する許容位置とに移動可能なホルダストッパと、を備え、
前記ローラホルダ及び前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面の一部を構成し、
前記ローラホルダが前記フレームから取り外された状態で、前記フレームは、前記許容位置にある前記ホルダストッパを支持していることを特徴とするシート給送装置。
【請求項10】
請求項1から
請求項9の何れか一項に記載のシート給送装置と、
搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート給送装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からレーザプリンタ等の画像形成装置において、シートトレイからシートを給送するために、給送ローラを有するシート給送装置が設けられている。一般的にこの給送ローラは、消耗時に交換することができるように、ローラホルダを介して装置本体のフレームに取り付けられている。
【0003】
例えば特許文献1には、ローラホルダが装置本体の外観の一部を構成する画像形成装置が開示されている。この構成によれば、ローラホルダを覆うカバーが不要となり、給送ローラの交換作業が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において、ローラホルダに装置本体との係合部を設けた構成とした場合に、当該係合部が破損してしまうと、ローラホルダを交換する必要がある。その場合、給送ローラ自体は交換の必要がないにも関わらず、給送ローラも交換されてしまう。
【0006】
本発明は、ローラホルダが外観の一部を構成することでカバーを不要にするとともに、給送ローラの不必要な交換を防止できるシート給送装置を提供することを目的とする。また、そのシート給送装置を備えた画像形成装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート給送装置は、外観の一部を構成する外観面を有するフレームと、シートを給送する給送ローラを有し、前記フレームに着脱可能なローラホルダと、前記ローラホルダを前記フレームに装着された装着位置に規制する規制位置と、前記フレームに対する前記ローラホルダの移動を許容する許容位置とに移動可能なホルダストッパと、を備えている。前記ローラホルダ及び前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面の一部を構成する。
【0008】
上記の構成によれば、ローラホルダ及びホルダストッパが外観面の一部を構成することで、カバーが不要となり、ローラホルダの交換作業が容易になる。また、ローラホルダとホルダストッパとが別部材であるため、給送ローラの不必要な交換が防止される。
【0009】
上記の構成において、前記フレームは、水平方向に延びるレール部を有していてもよい。前記レール部は、前記ローラホルダが前記装着位置にあるときに前記ローラホルダを上下方向に規制するとともに、前記ホルダストッパが前記許容位置にあるときに前記ローラホルダを水平方向にスライド可能とする形状を有する。
【0010】
上記の構成によれば、フレームに装着されたローラホルダはレール部によって上下方向に規制されるため、シート給送時の負荷による給送ローラの上下移動を抑制することができる。その結果、シートの給送不良を抑制できる。
【0011】
また上記の構成において、前記ローラホルダは、前記給送ローラのシート搬送方向下流側に配置され、前記給送ローラから給送されるシートを分離する分離ローラを有し、前記分離ローラは、回転軸線と同軸の連結部を有していてもよい。さらに、前記フレームに、前記連結部に連結して前記分離ローラを回転させるシャフトが設けられ、前記ローラホルダのスライド方向は前記分離ローラの回転軸線と平行であって、前記ローラホルダが前記装着位置に装着されるときに、前記連結部が前記シャフトに連結されてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、連結部とシャフトとの連結によってローラホルダを固定することができる。また、分離ローラの回転軸線と同軸で固定するため、シート分離時の負荷による分離ローラの移動を効率良く抑制できる。
【0013】
また上記の構成において、前記ローラホルダは、前記給送ローラの回転軸線と同軸の係合部を有していてもよい。前記フレームは、前記係合部と係合可能な被係合部を有していてもよい。そして、前記ローラホルダが前記装着位置に装着されるときに、前記係合部が前記被係合部に係合する。
【0014】
上記の構成によれば、係合部と被係合部との係合によってローラホルダを固定することができる。また、給送ローラの回転軸線と同軸で固定するため、シート給送時の負荷による給送ローラの移動を効率良く抑制できる。
【0015】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記ローラホルダのスライド方向において前記ローラホルダに隣接して配置され、前記スライド方向と直交する方向を回動軸線として前記規制位置と前記許容位置とに回動可能に設けられてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ホルダストッパを回動する構成とすることにより、規制位置にあるホルダストッパはローラホルダによってスライド方向に押されても許容位置へ移動しにくいため、使用中にホルダストッパが意図せず外れることを抑制できる。
【0017】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記規制位置にあるとき前記ローラホルダに当接して前記ローラホルダを装着位置に規制する当接部を有していてもよい。前記当接部は、前記許容位置から前記規制位置に向かう方向において、前記ホルダストッパの回動軸線に近づく形状を有する。
【0018】
上記の構成によれば、ホルダストッパを規制位置へ回動させることで、当接部が装着位置の手前に位置しているローラホルダに当接し、ローラホルダを装着位置へ押し込むことができる。
【0019】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記ローラホルダのスライド方向において前記ローラホルダに隣接して配置され、前記スライド方向に沿って前記規制位置と前記許容位置とにスライド可能に設けられてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、ホルダストッパを規制位置へスライドさせることで、装着位置の手前に位置しているローラホルダに当接し、ローラホルダを装着位置へ押し込むことができる。
【0021】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記ローラホルダのスライド方向において前記ローラホルダに隣接して配置され、前記スライド方向と直交する方向に沿って前記規制位置と前記許容位置とにスライド可能に設けられてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、ローラホルダのスライド方向とホルダストッパのスライド方向とが直交するため、規制位置にあるホルダストッパはローラホルダによってローラホルダのスライド方向に押されても許容位置へ移動しにくいため、使用中にホルダストッパが意図せず外れることを抑制できる。
【0023】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記フレームの前記外観面における上面及び側面の一部を構成してもよい。
【0024】
上記の構成によれば、ホルダストッパを側方からスライドさせてフレームから引き出す構成となるため、ユーザが操作し易い。
【0025】
また上記の構成において、前記ホルダストッパは、前記規制位置において前記ローラホルダを下方向に押圧する押圧部を有していてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、ホルダストッパの押圧部がローラホルダを下方向に押圧するため、ローラホルダが上方へ外れることを抑制できる。
【0027】
本発明の画像形成装置は、上記のシート給送装置と、搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えている。
【0028】
上記の構成によれば、上記のシート給送装置を画像形成装置に適用できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ローラホルダ及びホルダストッパが外観面の一部を構成することで、カバーが不要となり、ローラホルダの交換作業が容易になる。また、ローラホルダとホルダストッパとが別部材であるため、給送ローラの不必要な交換が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】一実施形態の画像形成装置の中央断面図である。
【
図5】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図6】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図7】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図8】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図9】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図10】ローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す底面図である。
【
図11】変形例1のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図12】変形例1のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図13】変形例1のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図14】変形例1のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図15】変形例1のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図16】変形例2のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図17】変形例2のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図18】変形例2のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図19】変形例2のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【
図20】変形例2のローラホルダ、ホルダストッパ及びフレームの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[画像形成装置の外観構成]
図1から
図3は一実施形態の画像形成装置1の斜視図である。
図1は前面カバー90が閉じた状態を示し、
図2は前面カバー90が開いた状態を示し、
図3はマルチパーパストレイ(以下、MPトレイと記す)27が開いた状態を示している。以下の説明では、
図1から
図3に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、前面カバー90を設けた側を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前面カバー90側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1の排出トレイ82側を上、その反対を下とし、各方向を定める。
【0032】
図1に示すように、画像形成装置1は略直方体の筐体2で形成されている。筐体2は、シート給送装置を構成する部材の一例であって、内部に配置される各ユニットを支持するとともに外観の一部を構成するフレーム2A(
図2参照)と、フレーム2Aを覆い外観を構成するカバー2Bとを有している。筐体2の上面には印刷を終えて筐体2から排出されるシートが堆積される排出トレイ82が設けられている。排出トレイ82は後方に向かって下がる傾斜面を有し、傾斜面の後方にはシートが排出される排出口83が設けられている。
【0033】
図2に示すように、筐体2の一側面である前面にはシートのジャム処理のため、あるいは画像形成ユニットを交換するために第1開口部2Cが形成されている。第1開口部2Cには開閉可能な前面カバー90が取り付けられている。前面カバー90は、第1開口部2Cを覆う閉位置(
図1の状態)と第1開口部2Cを開放する開位置(
図2の状態)との間で上端部が揺動するように回動する。
【0034】
図1に示すように、閉位置にある前面カバー90の上面の右端付近には前面カバー90を開くための押下可能なボタン91が設けられている。前面カバー90が閉位置にある状態でボタン91が押下されると、前面カバー90に収容されたロック機構(不図示)が解除され、前面カバー90は開方向へ回動可能となる。よって、ユーザは前面カバー90を前方へ回動させ、
図2に示す開位置まで開くことができる。
【0035】
図3に示すように、前面カバー90の前面にはシートを手差しするための第2開口部90Aが形成されている。第2開口部90Aには手差し用シートを支持するための開閉可能なMPトレイ27が取り付けられている。MPトレイ27は、第2開口部90Aを覆う収納位置(
図1の状態)と第2開口部90Aを開放する使用位置(
図3の状態)との間で上端部が揺動するように回動する。
【0036】
画像形成装置1の下部にはシートカセット10が配置されている。シートカセット10は、MPトレイ27の下方の筐体2内に装着される装着位置(
図1の状態)と、筐体2から前方へ引き出された引出位置(不図示)との間でスライド可能である。
【0037】
[画像形成装置の内部構成]
図4は画像形成装置1の中央断面図である。画像形成装置1は、筐体2と、シート給送装置を構成する部材の一例としての供給ユニット3と、モータ4と、画像形成部の一例としての画像形成ユニット5と、排出ユニット8とを備えている。
【0038】
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部及び前部に配置され、供給ユニット3に保持されるシートSを画像形成ユニット5に搬送するものである。画像形成ユニット5は、供給ユニット3よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、供給ユニット3から搬送されてきたシートSに画像を形成するものである。排出ユニット8は、画像形成ユニット5よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、画像形成ユニット5により画像が形成されたシートSを画像形成装置1の外部へ排出するものである。
【0039】
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部にシートカセット10と、給送機構20と、搬送ローラ24と、レジストローラ25とを備え、画像形成装置1の前部にMPトレイ27と、給送機構26とを備えている。
【0040】
シートカセット10は筐体2の下部に形成されるシートカセット装着部2Dに着脱可能に装着されている。シートカセット10は、シートカセット装着部2Dに対して、前方から後方へ向けて挿入することによりシートカセット装着部2Dに装着され、装着位置に位置することとなる。また、シートカセット10は、シートカセット装着部2Dに対して、後方から前方へ向けて引き出すことにより、装着位置から引出位置に位置することとなる。
【0041】
シートカセット10は、複数枚のシートSを支持可能なカセット本体11と、カセット本体11に配置されシートSが積載されるとともにシートSを上下方向に変位可能な圧板12と、圧板12を上昇させるための圧板上昇部材13とを有する。
【0042】
圧板12は回動支点1で回動可能に支持されており、上下方向に変位することが可能となっている。圧板上昇部材13はモータ4により駆動されることで先端部が上昇する。圧板上昇部材13の上昇によって圧板12が持ち上げられ、圧板12上に積載されているシートSが
図4に示すような給送可能位置まで上昇させられる。
【0043】
給送機構20はシートカセット10に積載されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、搬送ローラ24へ向けて搬送する機構である。給送機構20は、ピックアップローラ21と、分離ローラ22と、分離パッド23とを備えている。
【0044】
ピックアップローラ21は圧板12により給送可能位置まで上昇されたシートSを取り出すためのローラであり、圧板12の上方に配置されている。分離ローラ22はピックアップローラ21よりもシートSの搬送方向下流側に配置されており、分離パッド23は分離ローラ22に対向配置されるとともに分離ローラ22に向けて付勢されている。
【0045】
ピックアップローラ21により取り出されたシートSは分離ローラ22側へ送り出され、分離ローラ22と分離パッド23との間で1枚ずつに分離され、搬送ローラ24に向けて搬送される。
【0046】
搬送ローラ24はシートSに搬送力を付与するローラであり、給送機構20よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。給送機構20から搬送ローラ24に搬送されてきたシートSは、レジストローラ25へ向けて搬送される。
【0047】
レジストローラ25は搬送ローラ24よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。レジストローラ25は搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、所定のタイミングにて転写位置に向けて搬送する。
【0048】
MPトレイ27は複数枚のシートSを支持可能である。給送機構26は、MPトレイ27に支持されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、レジストローラ25へ向けて搬送する機構である。給送機構26は、圧板31と、給送ローラの一例としてのピックアップローラ28と、分離ローラ29と、リタードローラ30とを備えている。
【0049】
圧板31は、MPトレイ27に設けられ、MPトレイ27が使用位置にあるときに複数枚のシートSを支持可能な板状部材である。圧板31の左右前端部には、MPトレイ27に回動可能に支持される圧板回動軸部31A(
図3参照)が形成されている。また、圧板31の左右後端部には、筐体2に設けられたリンク部材201によって揺動可能に支持される圧板揺動軸部31Bが形成されている。これにより、圧板31は、リンク部材201の上下動により圧板揺動軸部31Bが上昇してピックアップローラ28に対してシートSを圧接させる供給位置と、圧板揺動軸部31Bが下降してピックアップローラ28からシートSを離間させる非供給位置との間で変位可能である。
【0050】
ピックアップローラ28はMPトレイ27に支持されるシートSを取り出すためのローラである。分離ローラ29はピックアップローラ28よりもシート搬送方向下流側に配置されており、リタードローラ30は分離ローラ29に対向配置されるとともに分離ローラ29に向けて付勢されている。
【0051】
ピックアップローラ28により取り出されたシートSは分離ローラ29側へ送り出され、分離ローラ29とリタードローラ30との間で1枚ずつに分離され、レジストローラ25に向けて搬送される。
【0052】
画像形成ユニット5は、供給ユニット3から搬送されてきたシートSの表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光体ドラム54の表面を露光する露光ユニット60と、プロセスカートリッジ50によりシートSに転写された画像を定着させる定着ユニット70とを備えている。
【0053】
プロセスカートリッジ50は筐体2におけるシートカセット装着部2Dよりも上方に配置されている。プロセスカートリッジ50は、現像剤収容室51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光体ドラム54と、転写ローラ55とを備えている。
【0054】
現像剤収容室51には現像剤となるトナーが収容されている。現像剤収容室51に収容されたトナーは、撹拌部材(不図示)により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は現像剤収容室51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。
【0055】
現像ローラ53は供給ローラ52に密着して配置されており、供給ローラ52から供給されたトナーを担持する。また、現像ローラ53には、バイアス印加手段(不図示)により現像バイアスが印加される。
【0056】
感光体ドラム54は現像ローラ53に隣接して配置されている。感光体ドラム54の表面は帯電器(不図示)により一様に帯電された後、露光ユニット60により露光される。感光体ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光体ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム54の表面に、帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されて現像剤像となる。
【0057】
転写ローラ55は感光体ドラム54に対向配置され、バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、現像剤像が形成された感光体ドラム54と転写ローラ55との間(転写位置)でシートSを挟持しなから搬送することにより、感光体ドラム54の表面に形成された現像剤像がシートSの表面に転写される。
【0058】
露光ユニット60は、レーザダイオードと、ポリゴンミラーと、レンズと、反射鏡とを備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム54へ向けて照射することにより、感光体ドラム54の表面を露光する。
【0059】
定着ユニット70は、加熱ローラ71と、押圧ローラ72とを備えている。加熱ローラ71はモータ4からの駆動力により回転駆動され、加熱ローラ71は電源(不図示)から電力を供給することで加熱される。押圧ローラ72は加熱ローラ71に対向配置されており、加熱ローラ71に密着して従動回転する。現像剤像が転写されたシートSが定着ユニット70に搬送されてくると、加熱ローラ71と押圧ローラ72との間でシートSを挟持しながら搬送し、シートSに現像剤像を定着させる。
【0060】
排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出トレイ82と、排出口83とを備えている。排出ローラ81は一対のローラであり、定着ユニット70から搬送されてくるシートSを筐体2の外部へ向けて排出する。排出トレイ82は筐体2の上面に形成されており、排出トレイ82には排出ローラ81により排出口83から筐体2の外部に排出されたシートSが堆積される。
【0061】
[給送機構及びフレーム]
図5から
図9は、ローラホルダ32、ホルダストッパ33及びフレーム2Aの一部を示す斜視図、
図10は、その底面図である。給送機構26は、ピックアップローラ28及び分離ローラ29を支持するローラホルダ32と、ローラホルダ32を規制するホルダストッパ33とを備えている。
【0062】
フレーム2Aは、第1開口部2Cに臨む位置にローラホルダ32及びホルダストッパ33を収容する孔部2Eを有している。フレーム2Aには、分離ローラ29を回転させるシャフト41が取り付けられている。シャフト41はモータ4からの駆動力により回転駆動される。シャフト41は、フレーム2Aの孔部2Eに隣接する位置まで延びている。分離ローラ29は、その回転軸線と同軸の連結部291(
図10参照)を有し、連結部291にシャフト41が連結される。
【0063】
ローラホルダ32は、フレーム2Aの孔部2Eに着脱可能であり、ピックアップローラ28及び分離ローラ29が駆動可能にフレーム2Aに装着される装着位置(
図5に示す位置)と、フレーム2Aから取り外し可能な取り外し可能位置(
図7に示す位置)との間で移動可能に構成される。本実施形態において、ローラホルダ32は、装着位置と取り外し可能位置とを左右方向にスライド可能に構成されている。
【0064】
ホルダストッパ33は、ローラホルダ32のスライド方向においてローラホルダ32に隣接して配置される。ホルダストッパ33は、スライド方向と直交する方向を回動軸線R1としてフレーム2Aの孔部2Eに回動可能に支持され、ローラホルダ32を装着位置に規制する規制位置(
図5に示す位置)と、フレーム2Aに対するローラホルダ32の移動を許容する許容位置(
図6から
図10に示す位置)とに移動可能に構成される。
【0065】
<ローラホルダ>
具体的に、ローラホルダ32は、上板部32Aと、左板部32Bと、4つの突起部32C、32D、32E、32Fと、孔部32Gと、係合部32Hとを有している。上板部32Aは、ピックアップローラ28及び分離ローラ29の上方を覆う略矩形の部材である。左板部32Bは、上板部32Aの左端から下方へ延び、ピックアップローラ28及び分離ローラ29の左端を支持する部材である。
【0066】
突起部32Cは、上板部32Aの前端から下方へ突出し、後述するフレーム2Aのレール部2Fの上面に摺接する部材である。突起部32Dは、突起部32Cより右方において上板部32Aの前端から下方へ突出して左へ屈曲し、後述するフレーム2Aのレール部2Fの右端に係合する部材である。突起部32Eは上板部32Aの後端から下方へ突出し、フレーム2Aのレール部2Gの上面に摺接する部材である。突起部32Fは、突起部32Eより右方において上板部32Aの後端から下方へ突出して左へ屈曲し、フレーム2Aのレール部2Gの右端に係合する部材である。
【0067】
孔部32Gは、左板部32Bを左右方向に貫通する円形の穴であり、分離ローラ29の連結部291を支持する。係合部32Hは、左板部32Bから左方に突出する円柱状の凸起であり、ピックアップローラ28の回転軸線と同軸上に形成され、後述するフレーム2Aの被係合部2Hと係合する。
【0068】
<ホルダストッパ>
ホルダストッパ33は、上板部33Aと、前後一対の孔部33Bと、当接部33Cとを有している。上板部33Aは、略矩形の部材である。孔部33Bは、上板部33Aの右端を前後方向に貫通する円形の穴であり、後述するフレーム2Aの突起部2Jに回動可能に支持される。当接部33Cは、上板部33Aの左端に設けられ、ホルダストッパ33が規制位置にあるときにローラホルダ32の右端に当接してローラホルダ32を装着位置に規制する部材である。
【0069】
当接部33Cは、ホルダストッパ33が許容位置から規制位置に向かう方向において、ホルダストッパ33の回動軸線R1に近づく円弧形状等の形状を有している。これにより、ホルダストッパ33を規制位置へ回動させることで、当接部33Cが装着位置の手前に位置しているローラホルダ32の右端に当接し、ローラホルダ32を装着位置へ押し込むことができる。
【0070】
<フレーム>
フレーム2Aの孔部2Eには、2つのレール部2F、2Gと、被係合部2Hと、前後一対の突起部2Jとが設けられている。レール部2Fは、
図9に示すように、孔部2Eの内周面における前面に設けられ、左右方向に延びるレールである。レール部2Fの中央付近から左側の水平部分は、ローラホルダ32の突起部32Cを左右方向にスライド可能に下方から支持する。レール部2Fの右端部は、ローラホルダ32が装着位置にあるときに突起部32Dに係合してローラホルダ32を上下方向に規制する。
【0071】
一方、レール部2Gは、
図8に示すように、レール部2Fと前後対称に設けられたレールである。レール部2Gは、ローラホルダ32の突起部32Eを左右方向にスライド可能に下方から支持し、突起部32Fに係合してローラホルダ32を上下方向に規制する。
【0072】
このように、レール部2F、2Gは、ローラホルダ32が装着位置にあるときにローラホルダ32を上下方向に規制するとともに、ホルダストッパ33が許容位置にあるときにローラホルダ32を水平方向にスライド可能とする形状を有する。よって、フレーム2Aに装着されたローラホルダ32はレール部2F、2Gによって上下方向に規制されるため、シート給送時の負荷によるピックアップローラ28及び分離ローラ29の上下移動を抑制することができる。その結果、シートの給送不良を抑制できる。
<ローラホルダ及びホルダストッパの動作>
ローラホルダ32をフレーム2Aに装着する場合、
図8に示すようにホルダストッパ33が許容位置にある状態から、
図7に示すようにローラホルダ32をフレーム2Aの孔部2Eの取り外し可能位置に載置する。これにより、ローラホルダ32の突起部32C、32Eがそれぞれフレーム2Aのレール部2F、2Gの上面に当接して支持される。
【0073】
次に、ローラホルダ32を左方へスライドさせ、
図6に示す装着位置まで移動させる。このとき、ローラホルダ32のスライド方向が分離ローラ29の回転軸線と平行であるため、分離ローラ29の連結部291がシャフト41に連結され、係合部32Hが被係合部2Hに係合する。
【0074】
その結果、連結部291とシャフト41との連結によってローラホルダ32を固定することができる。そして、分離ローラ29の回転軸線と同軸で固定するため、シート分離時の負荷による分離ローラ29の移動を効率良く抑制できる。また、係合部32Hと被係合部2Hとの係合によってローラホルダ32を固定することができる。そして、ピックアップローラ28の回転軸線と同軸で固定するため、シート給送時の負荷によるピックアップローラ28の移動を効率良く抑制できる。
【0075】
次に、ホルダストッパ33を下方へ回動させ、
図5に示す規制位置まで移動させる。このとき、ローラホルダ32が装着位置に到達していなくても、当接部33Cがローラホルダ32の右端に当接し、ローラホルダ32を装着位置へ押し込むことができる。
【0076】
このように、ホルダストッパ33を回動する構成とすることにより、規制位置にあるホルダストッパ33はローラホルダ32によってスライド方向に押されても許容位置へ移動しにくいため、使用中にホルダストッパ33が意図せず外れることを抑制できる。
【0077】
図5に示すように、ローラホルダ32が装着位置にあり、ホルダストッパ33が規制位置にあるとき、ローラホルダ32の上板部32Aの上面及びホルダストッパ33の上板部33Aの上面がフレーム2Aの上面と面一となる。この状態において、ローラホルダ32及びホルダストッパ33は、フレーム2Aの外観面の一部を構成する。ここでいうフレーム2Aの外観面の一部とは、
図2に示すように、第1開口部2Cに臨む面を指し、前面カバー90が閉位置にあるときに覆い隠され、開位置にあるときに外部に露出する面である。
【0078】
このように、ローラホルダ32及びホルダストッパ33が外観面の一部を構成することで、ローラホルダ32及びホルダストッパ33を覆うカバーが不要となり、ローラホルダ32の交換作業が容易になる。また、ローラホルダ32とホルダストッパ33とが別部材であるため、ピックアップローラ28及び分離ローラ29の不必要な交換が防止される。
【0079】
また、筐体2におけるローラホルダ32の上部の空間はトナー交換時等のドロア(不図示)の引き出しに使用される。ローラホルダ32及びホルダストッパ33が外観面を構成することでドロアの引き出しの空間を広く確保できるので、筐体2の大型化を抑制できる。
【0080】
[変形例1]
上記実施形態のローラホルダ32、ホルダストッパ33及びフレーム2Aの孔部2Eに替えて、変形例1のローラホルダ34、ホルダストッパ35及びフレーム2Aの孔部2Kを用いることもできる。
図11から
図15は、変形例1のローラホルダ34、ホルダストッパ35及びフレーム2Aの一部を示す斜視図である。以下の説明では、上記の実施形態と同様の部材に同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0081】
ローラホルダ34は、フレーム2Aの孔部2Kに着脱可能であり、ピックアップローラ28及び分離ローラ29が駆動可能にフレーム2Aに装着される装着位置(
図11に示す位置)と、フレーム2Aから取り外し可能な取り外し可能位置(
図13に示す位置)との間で移動可能に構成される。変形例1において、ローラホルダ34は、装着位置と取り外し可能位置とを左右方向にスライド可能に構成されている。
【0082】
ホルダストッパ35は、ローラホルダ34のスライド方向においてローラホルダ34に隣接して配置される。ホルダストッパ35は、ローラホルダ34のスライド方向に沿ってスライド可能にフレーム2Aの孔部2Kに支持され、ローラホルダ34を装着位置に規制する規制位置(
図11に示す位置)と、フレーム2Aに対するローラホルダ34の移動を許容する許容位置(
図12から
図15に示す位置)とに移動可能に構成される。
【0083】
<ローラホルダ>
具体的に、ローラホルダ34は、上板部34Aと、左板部34Bと、5つの突起部34C、34D、34E、34F、34Gと、孔部34Hと、係合部34Jと、長孔部34Kとを有している。上板部34A、左板部34B、突起部34C、34D、孔部34H、係合部34Jは、それぞれ上記実施形態の上板部32A、左板部32B、突起部32C、32D、孔部32G、係合部32Hと同構成である。
【0084】
突起部34Eは、上板部34Aの後端から下方へ突出し、フレーム2Aの後述するレール部2Mの上面に摺接する部材である。突起部34F、34Gは、突起部34Eより左方において上板部34Aの後端から後方へ突出し、それぞれフレーム2Aの後述するレール部2Mの上面に摺接するとともに、フレーム2Aの後述する突起部2N、2Pの下面に当接する部材である。長孔部34Kは、ローラホルダ34の右端に形成された左右方向に貫通する穴であり、ホルダストッパ35の後述する突起部35Bを挿嵌する。
【0085】
<ホルダストッパ>
ホルダストッパ35は、上板部35Aと、押圧部の一例としての突起部35Bと、当接部35Cとを有している。上板部35Aは、略矩形の部材である。突起部35Bは、上板部35Aの左端から左方へ突出し、ホルダストッパ33が規制位置にあるときにローラホルダ34の長孔部34Kに挿嵌されてローラホルダ34を装着位置に規制する部材である。突起部35Bが長孔部34Kに挿嵌されることにより、突起部35Bは長孔部34Kを下方向へ押圧するため、ローラホルダ34が上方へ外れることを抑制できる。
【0086】
当接部35Cは、上板部35Aの左端面である。ホルダストッパ33を規制位置へスライドさせることで、当接部35Cが装着位置の手前に位置しているローラホルダ34の右端に当接し、ローラホルダ34を装着位置へ押し込むことができる。
【0087】
<フレーム>
フレーム2Aの孔部2Kには、2つのレール部2L、2Mと、被係合部2Hと、2つの突起部2N、2Pとが設けられている。レール部2Lは、
図15に示すように、孔部2Kの内周面における前面に設けられ、左右方向に延びるレールである。レール部2Lの水平部分は、ローラホルダ34の突起部34Cを左右方向にスライド可能に下方から支持する。レール部2Lの右端部は、ローラホルダ34が装着位置にあるときに突起部34Dに係合してローラホルダ34を上下方向に規制する。
【0088】
一方、レール部2Mは、
図14に示すように、孔部2Kの内周面における後面に設けられ、左右方向に延びるレールである。レール部2Mは、ローラホルダ34の突起部34Eを左右方向にスライド可能に下方から支持する。突起部2N、2Pは孔部2Kの後端から前方へ突出し、ローラホルダ34の突起部34F、34Gの上面に当接する部材である。
【0089】
このように、レール部2L、2M及び突起部2N、2Pは、ローラホルダ34が装着位置にあるときにローラホルダ34を上下方向に規制するとともに、ホルダストッパ35が許容位置にあるときにローラホルダ34を水平方向にスライド可能とする形状を有する。よって、フレーム2Aに装着されたローラホルダ34はレール部2L、2M及び突起部2N、2Pによって上下方向に規制されるため、シート給送時の負荷によるピックアップローラ28及び分離ローラ29の上下移動を抑制することができる。その結果、シートの給送不良を抑制できる。
<ローラホルダ及びホルダストッパの動作>
ローラホルダ34をフレーム2Aに装着する場合、
図14に示すようにホルダストッパ35が許容位置にある状態から、
図13に示すようにローラホルダ34をフレーム2Aの孔部2Kの取り外し可能位置に載置する。これにより、ローラホルダ34の突起部34C、34Eがそれぞれフレーム2Aのレール部2L、2Mの上面に当接して支持される。
【0090】
次に、ローラホルダ34を左方へスライドさせ、
図12に示す装着位置まで移動させる。このとき、上記実施形態と同様に、分離ローラ29の連結部291がシャフト41に連結され、係合部34Jが被係合部2Hに係合する。
【0091】
次に、ホルダストッパ35を左方へスライドさせ、
図11に示す規制位置まで移動させる。このとき、ローラホルダ34が装着位置に到達していなくても、当接部35Cがローラホルダ34の右端に当接し、ローラホルダ34を装着位置へ押し込むことができる。
【0092】
図11に示すように、ローラホルダ34が装着位置にあり、ホルダストッパ35が規制位置にあるとき、上記実施形態と同様に、ローラホルダ34の上板部34Aの上面及びホルダストッパ35の上板部35Aの上面がフレーム2Aの上面と面一となる。よって、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0093】
[変形例2]
上記実施形態のローラホルダ32、ホルダストッパ33及びフレーム2Aの孔部2Eに替えて、変形例2のローラホルダ36、ホルダストッパ37及びフレーム2Aの切欠部2Qを用いることもできる。
図16から
図20は、変形例2のローラホルダ36、ホルダストッパ37及びフレーム2Aの一部を示す斜視図である。
【0094】
ローラホルダ36は、フレーム2Aの切欠部2Qに着脱可能であり、ピックアップローラ28及び分離ローラ29が駆動可能にフレーム2Aに装着される装着位置(
図16に示す位置)と、フレーム2Aから取り外し可能な取り外し可能位置(
図18に示す位置)との間で移動可能に構成される。変形例2において、ローラホルダ36は、装着位置と取り外し可能位置とを左右方向にスライド可能に構成されている。
【0095】
ホルダストッパ37は、ローラホルダ36のスライド方向においてローラホルダ36に隣接して配置される。ホルダストッパ37は、ローラホルダ36のスライド方向と直交する方向に沿ってスライド可能にフレーム2Aの切欠部2Q及びローラホルダ36に支持され、ローラホルダ36を装着位置に規制する規制位置(
図16に示す位置)と、フレーム2Aに対するローラホルダ36の移動を許容する許容位置(
図17から
図20に示す位置)とに移動可能に構成される。
【0096】
<ローラホルダ>
具体的に、ローラホルダ36は、上板部36Aと、前板部36Bと、左板部36Cと、右板部36Dと、2つの突起部36E、36Fと、孔部36Gと、係合部36Hと、レール部36Jとを有している。上板部36A、左板部36C、孔部36G、係合部36Hは、それぞれ上記実施形態の上板部32A、左板部32B、孔部32G、係合部32Hと同構成である。
【0097】
前板部36Bは、上板部36Aの前端から下方へ延び、フレーム2Aの前面と面一となる部材である。よって、前板部36Bは、フレーム2Aの外観面の一部を構成する。右板部36Dは、上板部36Aの右端から下方へ延びる部材である。突起部36E、36Fは、上板部36Aの後端から後方へ突出し、それぞれフレーム2Aのレール部2Mの上面に摺接するとともに、フレーム2Aの突起部2N、2Pの下面に当接する部材である。レール部36Jは、右板部36Dの右面に設けられ、前後方向に延びるレールである。レール部36Jの水平部分は、ホルダストッパ37の突起部37Cを前後方向にスライド可能に下方から支持する。
【0098】
<ホルダストッパ>
ホルダストッパ37は、上板部37Aと、前板部37Bと、押圧部の一例としての突起部37Cと、突起部37Dと、下板部37Eとを有している。上板部37Aは、略矩形の部材である。前板部37Bは、上板部37Aの前端から下方へ延び、フレーム2Aの前面と面一となる部材である。よって、前板部37Bは、フレーム2Aの外観面の一部を構成する。また、前板部37Bの下端の左右両端部は左右方向それぞれ突出しており、フレーム2Aの前面の切り欠き部分に係合することで、ホルダストッパ37が上方へ外れることを抑制する。
【0099】
突起部37Cは、上板部37Aの左端から下方へ突出し、ローラホルダ36のレール部36Jの上面に摺接する部材である。ローラホルダ36が規制位置にあるとき、突起部37Cはローラホルダ36のレール部36Jを下方向へ押圧するため、ローラホルダ36が上方へ外れることを抑制できる。また、突起部37Cの左面は、装着位置にあるローラホルダ36の右板部36Dに当接してローラホルダ36を装着位置に規制する。
【0100】
突起部37Dは、上板部37A右端から下方へ突出し、フレーム2Aの後述するレール部2Rの上面に摺接する部材である。下板部37Eは、上板部37の下方に上板部37Aと平行に設けられ、ローラホルダ36のレール部36Jの下面及びフレーム2Aの後述するレール部2Rの下面に摺接する部材である。このように、ホルダストッパ37は前方から手前にスライドさせてフレーム2Aから引き出す構成となるため、ユーザが操作し易い。
【0101】
<フレーム>
フレーム2Aの切欠部2Qには、2つのレール部2M、突起部2N、2P、被係合部2Hに加え、レール部2Rが設けられている。レール部2Rは、切欠部2Qの内周面における右面に設けられ、前後方向に延びるレールである。レール部2Rは、ホルダストッパ37の突起部36Jと下板部37Eとに挟まれ、ホルダストッパ37を上下方向に規制しつつ前後方向にスライド可能に支持する。
【0102】
フレーム2Aに装着されたローラホルダ36はレール部2M及び突起部2N、2Pによって上下方向に規制されるため、シート給送時の負荷によるピックアップローラ28及び分離ローラ29の上下移動を抑制することができる。その結果、シートの給送不良を抑制できる。
<ローラホルダ及びホルダストッパの動作>
ローラホルダ36をフレーム2Aに装着する場合、
図19に示すようにホルダストッパ37が許容位置にある状態から、
図18に示すようにローラホルダ36をフレーム2Aの切欠部2Qの取り外し可能位置に載置する。これにより、ローラホルダ36の突起部36E、36Fがそれぞれフレーム2Aのレール部2Mの上面に当接して支持される。
【0103】
次に、ローラホルダ36を左方へスライドさせ、
図17に示す装着位置まで移動させる。このとき、上記実施形態と同様に、分離ローラ29の連結部291がシャフト41に連結され、係合部36Hが被係合部2Hに係合する。
【0104】
次に、ホルダストッパ37をレール部36J、2Rに沿って後方へスライドさせ、
図16に示す規制位置まで移動させる。ここで、ローラホルダ36のスライド方向とホルダストッパ37のスライド方向とが直交するため、規制位置にあるホルダストッパ37はローラホルダ36によってローラホルダ36のスライド方向に押されても許容位置へ移動しにくいため、使用中にホルダストッパ37が意図せず外れることを抑制できる。
【0105】
図16に示すように、ローラホルダ36が装着位置にあり、ホルダストッパ37が規制位置にあるとき、上記実施形態と同様に、ローラホルダ36の上板部36Aの上面及びホルダストッパ37の上板部37Aの上面がフレーム2Aの上面と面一となる。また、ローラホルダ36の前板部36Bの前面及びホルダストッパ37の前板部37Bの前面がフレーム2Aの前面と面一となる。よって、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
2A フレーム
28 ピックアップローラ(給送ローラ)
32、34、36 ローラホルダ
33、35、37 ホルダストッパ
2F、2G、2L、2M、2R レール部
29 分離ローラ
291 連結部
41 シャフト
32H、34J、36H 係合部
2H 被係合部
33C、35C 当接部
35B、37C 押圧部
5 画像形成ユニット(画像形成部)
S シート