(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】印刷情報処理システム、印刷情報処理方法、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20231212BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F3/12 332
H04N1/00 127A
B41J3/36 T
G06F3/12 303
G06F3/12 342
G06F3/12 373
G06F3/12 392
H04L67/02
(21)【出願番号】P 2019232719
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】石橋 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】吉村 千里
(72)【発明者】
【氏名】伴野 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 元規
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-193113(JP,A)
【文献】特開2008-033637(JP,A)
【文献】特開2015-043538(JP,A)
【文献】特開2005-215922(JP,A)
【文献】特開2006-272895(JP,A)
【文献】特表2008-535684(JP,A)
【文献】特開2007-316690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 3/01- 3/54
B41J 3/62
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、サーバとを備える印刷情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、
撮影部と、
前記サーバと、印刷装置と通信可能な端末通信部と、
前記撮影部と、前記端末通信部とを制御可能な端末制御部と、
前記端末制御部を制御するための端末指示を記憶する端末記憶部とを備え、
前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、
前記撮影部を制御して画像を取得する処理を実行し、
前記サーバは、
前記端末装置と通信可能なサーバ通信部と、
前記サーバ通信部を制御可能なサーバ制御部と、
印刷データ及び前記印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報と、前記サーバ制御部を制御するためのサーバ指示とを記憶するサーバ記憶部とを備え、
前記印刷情報処理システムは、
前記画像を解析して、前記撮影部によって撮影された、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する検出処理と、
前記検出された前記カセットが特定条件を満たすかを判断する判断処理と
を実行し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、
前記判断処理において、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たすと判断された場合に、前記サーバ記憶部が記憶する特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記サーバ記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信しない情報送信処理を実行し、
前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、
前記サーバから送信された前記特定のコンテンツに関する情報を受信する処理を実行
し、
前記検出処理は、前記撮影部によって撮影された前記画像を解析して、前記画像中のロゴマーク、ロゴタイプ、及びシンボルマークの少なくとも何れかを含むロゴを検出し、検出された前記ロゴに基づき、前記画像中の前記カセットを検出し、
前記検出処理は、前記撮影部によって撮影された一つの前記画像を解析して、前記画像中の前記ロゴに加え、前記印刷媒体の識別情報を検出し、検出された前記ロゴと前記識別情報とに基づき、前記画像中の前記カセットを検出し、
前記サーバ記憶部は、前記カセットの前記識別情報と、前記カセットを管理するための管理情報とを対応付けて記憶し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、
前記検出処理で検出された前記印刷媒体の前記識別情報を前記印刷媒体の前記管理情報と対応付けて前記サーバ記憶部に記憶させる処理と、
前記カセットに収容された前記印刷媒体の使用履歴を前記管理情報として、前記カセットの前記識別情報と対応付けて前記サーバ記憶部に記憶させる処理とを実行させ、
前記特定条件は、前記検出された前記カセットの前記識別情報と対応付けられた前記使用履歴が所定条件を満たす条件を含み、
前記使用履歴は、少なくとも前記識別情報で特定される前記カセットについて前記検出処理が実行された回数であるアクセス回数を含み、
前記所定条件は、前記アクセス回数が所定回数より小さい条件を含むことを特徴とする印刷情報処理システム。
【請求項2】
前記検出処理は、前記画像中のマトリックス型二次元コードの検出結果に基づき、前記カセットの前記識別情報を検出することを特徴とする請求項
1に記載の印刷情報処理システム。
【請求項3】
前記カセットは、テープ状の前記印刷媒体を収容し、
前記カセットの前記管理情報は、前記カセットが収容する前記印刷媒体の種類と、前記印刷媒体の未使用時の長手方向の長さと、前記印刷媒体の前記長手方向に直交する幅方向の長さであるテープ幅とを含むことを特徴とする請求項
1又は2に記載の印刷情報処理システム。
【請求項4】
前記使用履歴は、少なくとも前記識別情報で特定される前記カセットについて前記検出処理が最初に行われた日付である初回アクセス日を含み、
前記所定条件は、前記初回アクセス日から所定日数以内に前記判断処理が実行される条件を含むことを特徴とする請求項
1から3の何れかに記載の印刷情報処理システム。
【請求項5】
前記使用履歴は、前記カセットが収容する前記印刷媒体の残り長さであるテープ残量を含み、
前記所定条件は、前記使用履歴に記憶された前記テープ残量が所定量よりも大きい条件を含み、
前記印刷情報処理システムは、
前記端末装置が前記印刷装置に送信した前記印刷データに応じて、前記サーバ記憶部が記憶する前記使用履歴が含む前記テープ残量を更新する更新処理を実行することを特徴とする請求項
1から
4の何れかに記載の印刷情報処理システム。
【請求項6】
前記印刷情報処理システムは、
前記サーバに記憶された前記コンテンツに関する情報に基づき、前記印刷データを編集する編集処理を実行することを特徴とする請求項1から
5の何れかに記載の印刷情報処理システム。
【請求項7】
前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、
前記編集処理と、
前記端末通信部を介して前記印刷装置に前記印刷データを送信する処理と
を実行することを特徴とする請求項
6に記載の印刷情報処理システム。
【請求項8】
前記特定のコンテンツに関する情報は、テンプレート、フォント、及び外字の少なくとも何れかを含み、
前記編集処理は、前記特定のコンテンツ情報を使用して、前記印刷データを編集可能であることを特徴とする請求項
6又は
7に記載の印刷情報処理システム。
【請求項9】
前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、
前記判断処理と、
前記判断処理において、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たすと判断された場合に、前記サーバ記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報を前記端末装置に送信する送信要求を前記サーバに送信し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記送信要求を前記サーバに送信しない要求送信処理とを実行し、
前記情報送信処理は、前記端末装置から前記送信要求を受信した場合に、前記端末装置に前記特定のコンテンツに関する情報を送信し、前記送信要求を受信しない場合に前記端末装置に前記特定のコンテンツに関する情報を送信しないことを特徴とする請求項1から
8の何れかに記載の印刷情報処理システム。
【請求項10】
前記検出処理は、前記撮影部によって撮影された前記画像を解析して、前記画像中の前記カセットの形状を検出し、検出された前記形状に基づき、前記画像中の前記カセットを検出し、
前記特定条件は、前記検出処理で特定された前記カセットの前記形状が所定の形状であることを含むことを特徴とする請求項1から
9の何れかに記載の印刷情報処理システム。
【請求項11】
撮影部と、記憶部とを備える印刷情報処理システムにおいて実行される印刷情報処理方法であって、
前記撮影部を制御して画像を撮影する撮影ステップと、
前記画像を解析して、前記画像に含まれる、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された前記カセットが特定条件を満たすかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たすと判断された場合に、
前記記憶部が記憶する複数のコンテンツに関する情報の内、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報の使用を許可しない情報送信ステップと
を備え
、
前記検出ステップでは、前記撮影部によって撮影された前記画像が解析され、前記画像中のロゴマーク、ロゴタイプ、及びシンボルマークの少なくとも何れかを含むロゴを検出し、検出された前記ロゴに基づき、前記画像中の前記カセットが検出され、
前記検出ステップでは、前記撮影部によって撮影された一つの前記画像が解析され、前記画像中の前記ロゴに加え、前記印刷媒体の識別情報が検出され、検出された前記ロゴと前記識別情報とに基づき、前記画像中の前記カセットが検出され、
前記記憶部は、前記カセットの前記識別情報と、前記カセットを管理するための管理情報とを対応付けて記憶し、
前記検出ステップで検出された前記印刷媒体の前記識別情報を前記印刷媒体の前記管理情報と対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記カセットに収容された前記印刷媒体の使用履歴を前記管理情報として、前記カセットの前記識別情報と対応付けて前記記憶部に記憶させるステップとを更に備え、
前記特定条件は、前記検出された前記カセットの前記識別情報と対応付けられた前記使用履歴が所定条件を満たす条件を含み、
前記使用履歴は、少なくとも前記識別情報で特定される前記カセットについて前記検出ステップが実行された回数であるアクセス回数を含み、
前記所定条件は、前記アクセス回数が所定回数より小さい条件を含むことを特徴とする印刷情報処理方法。
【請求項12】
前記特定のコンテンツに関する情報は、テンプレート、フォント、及び外字の少なくとも何れかを含み、
前記印刷情報処理方法は、
前記特定のコンテンツに関する情報を使用して印刷データを編集する編集ステップと、
前記編集ステップで編集された前記印刷データを印刷装置に送信する通信ステップと
を更に備えることを特徴とする請求項1
1に記載の印刷情報処理方法。
【請求項13】
前記特定のコンテンツに関する情報は特定の印刷データであり、
前記通信ステップは、前記特定の印刷データを前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする請求項1
2に記載の印刷情報処理方法。
【請求項14】
前記カセットは、テープ状の前記印刷媒体を収容し、
前記記憶部は、前記カセットの前記識別情報と、前記カセットが収容する前記印刷媒体のテープ残量とを対応付けて記憶し、
前記特定条件は、前記記憶部に記憶された前記テープ残量が所定量よりも大きい条件を含み、
前記印刷情報処理方法は、
前記編集ステップで編集された前記印刷データを
前記印刷装置に送信することに応じて、前記カセットの前記識別情報に対応付けられたテープ残量を更新する更新ステップを更に備えることを特徴とする請求項
12又は13に記載の印刷情報処理方法。
【請求項15】
端末装置と通信可能なサーバ通信部と、
前記サーバ通信部を制御可能なサーバ制御部と、
印刷データ及び前記印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報と、前記サーバ制御部を制御するためのサーバ指示とを記憶するサーバ記憶部とを備え、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、
前記端末装置から送信された画像を受信する処理と、
受信された前記画像を解析して、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを前記画像から検出する検出処理と、
前記検出された前記カセットが特定条件を満たす場合に、前記サーバ記憶部が記憶する特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記サーバ記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信しない処理とを実行
し、
前記検出処理は、受信された前記画像を解析して、前記画像中のロゴマーク、ロゴタイプ、及びシンボルマークの少なくとも何れかを含むロゴを検出し、検出された前記ロゴに基づき、前記画像中の前記カセットを検出し、
前記検出処理は、受信された一つの前記画像を解析して、前記画像中の前記ロゴに加え、前記印刷媒体の識別情報を検出し、検出された前記ロゴと前記識別情報とに基づき、前記画像中の前記カセットを検出し、
前記サーバ記憶部は、前記カセットの前記識別情報と、前記カセットを管理するための管理情報とを対応付けて記憶し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、
前記検出処理で検出された前記印刷媒体の前記識別情報を前記印刷媒体の前記管理情報と対応付けて前記サーバ記憶部に記憶させる処理と、
前記カセットに収容された前記印刷媒体の使用履歴を前記管理情報として、前記カセットの前記識別情報と対応付けて前記サーバ記憶部に記憶させる処理とを実行させ、
前記特定条件は、前記検出された前記カセットの前記識別情報と対応付けられた前記使用履歴が所定条件を満たす条件を含み、
前記使用履歴は、少なくとも前記識別情報で特定される前記カセットについて前記検出処理が実行された回数であるアクセス回数を含み、
前記所定条件は、前記アクセス回数が所定回数より小さい条件を含むことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置と、サーバとを備える印刷情報処理システム、印刷情報処理方法、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状に巻回された印刷媒体を収容するカセットの種類を検出し、検出されたカセットの種類に応じて、印刷データの編集に利用可能なフォント、テンプレート、及び印刷データ等の使用を許可する印刷装置が公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の印刷装置は、カセットの種類を検出するために、印刷装置本体に印刷媒体を装着する必要があり煩雑である。
【0005】
本発明は印刷媒体を収容するカセットを印刷装置本体に装着することなく、カセットが特定条件を満たす場合に、印刷データの編集に利用可能なコンテンツの使用を許可する印刷情報処理システム、印刷情報処理方法、及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る印刷情報処理システムは、端末装置と、サーバとを備える印刷情報処理システムにおいて、前記端末装置は、撮影部と、前記サーバと、印刷装置と通信可能な端末通信部と、前記撮影部と、前記端末通信部とを制御可能な端末制御部と、前記端末制御部を制御するための端末指示を記憶する端末記憶部とを備え、前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、前記撮影部を制御して画像を取得する処理を実行し、前記サーバは、前記端末装置と通信可能なサーバ通信部と、前記サーバ通信部を制御可能なサーバ制御部と、印刷データ及び前記印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報と、前記サーバ制御部を制御するためのサーバ指示とを記憶するサーバ記憶部とを備え、前記印刷情報処理システムは、前記画像を解析して、前記撮影部によって撮影された、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する検出処理と、前記検出された前記カセットが特定条件を満たすかを判断する判断処理とを実行し、前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、前記判断処理において、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たすと判断された場合に、前記サーバ記憶部が記憶する特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記サーバ記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信しない情報送信処理を実行し、前記端末制御部は、前記端末記憶部が記憶する前記端末指示に従って、前記サーバから送信された前記特定のコンテンツに関する情報を受信する処理を実行する。
【0007】
本発明の第二態様に係る印刷情報処理方法は、撮影部を制御して撮影する撮影ステップと、前記画像を解析して、前記画像に含まれる、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出された前記カセットが特定条件を満たすかを判断する判断ステップと、前記判断ステップで、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たすと判断された場合に、記憶部が記憶する複数のコンテンツに関する情報の内、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報の使用を許可しない情報送信ステップとを備える。
【0008】
第三態様のサーバは、端末装置と通信可能なサーバ通信部と、前記サーバ通信部を制御可能なサーバ制御部と、印刷データ及び前記印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報と、前記サーバ制御部を制御するためのサーバ指示とを記憶するサーバ記憶部とを備え、前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部が記憶する前記サーバ指示に従って、前記端末装置から送信された画像を受信する処理と、受信された前記画像を解析して、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを前記画像から検出する検出処理と、前記検出された前記カセットが特定条件を満たす場合に、前記サーバ記憶部が記憶する特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信し、前記検出された前記カセットが前記特定条件を満たさない場合に、前記サーバ記憶部が記憶する前記特定のコンテンツに関する情報を前記サーバ通信部を介して前記端末装置に送信しない処理とを実行する。
【0009】
第一態様の印刷情報処理システム、第二態様の印刷情報処理方法、及び第三態様のサーバは各々、端末装置で撮影された画像を解析することで、印刷媒体を収容するカセットを印刷装置本体に装着することなく、カセットを検出し、検出されたカセットが特定条件を満たす場合に、印刷データの編集に利用可能な所定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】印刷情報処理システム1が備える端末装置2、媒体管理サーバ5、及びコンテンツ管理サーバ6の電気的構成を示すブロック図である。
【
図2】印刷装置7に装着されて使用されるテープカセット9の平面図である。
【
図3】媒体管理サーバ5の記憶部54に記憶されたテーブル59の説明図である。
【
図4】コンテンツ管理サーバ6の記憶部64に記憶されたコンテンツデータベース69の説明図である。
【
図5】印刷情報処理システム1及び印刷装置7で実行される処理のフローチャートの一部である。
【
図6】印刷情報処理システム1及び印刷装置7で実行される処理のフローチャートの一部である。
【
図7】印刷情報処理システム1及び印刷装置7で実行される処理のフローチャートの一部である。
【
図8】具体例1について、端末装置2のLCD28に表示される画面の推移を示す説明図である。
【
図9】具体例2について、端末装置2のLCD28に表示される画面の推移を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して順に説明する。以下の説明では、画像を表示するための画像データを単に画像とも言う。
【0012】
図1に示すように、印刷情報処理システム1は、端末装置2、媒体管理サーバ5、及びコンテンツ管理サーバ6を備える。印刷情報処理システム1は、端末装置2により撮影した画像に基づき、端末装置2と通信可能な印刷装置7で使用予定のテープカセットを検出するよう構成されている。印刷情報処理システム1は、検出されたテープカセットの種類が特定条件を満たす場合に、コンテンツ管理サーバ6が記憶する、印刷データの編集に利用可能な複数のコンテンツに関する情報の内の、特定のコンテンツに関する情報の使用を、端末装置2に対して、許可するよう構成されている。
【0013】
端末装置2は、公知のスマートフォンであり、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、タッチパネル25、マイク26、スピーカ27、LCD28、カメラ29、及び通信I/F30を備える。CPU21は、端末装置2の制御を司り、非図示のインターフェース回路を介して他の構成要素と電気的に接続する。ROM22は、ブートプログラム等を記憶する。RAM23は、タイマ、カウンタ、フラグデータ、一時的なデータを記憶する。記憶部24は、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成する。記憶部24は、CPU21が実行する処理のプログラムを記憶する。記憶部24は、OS、及びOS上で実行されるアプリケーション等の各種プログラムを記憶する。タッチパネル25は、タッチ操作がされた位置を検出する。マイク26は、周囲の音を音データに変換して出力する。スピーカ27は、入力された音データに基づいて音を出力する。LCD28は、画像データに基づき画像を表示する。カメラ29は、撮影範囲を撮影した撮影画像を生成して出力する。通信I/F30は、アクセスポイント8を介してLAN3及び公衆回線網4に接続するための通信モジュールと、公衆回線網4に直接接続するための通信モジュールとを含む。
【0014】
媒体管理サーバ5は、媒体管理サーバ5の制御を司るCPU51を備える。CPU51は、ROM52、RAM53、記憶部54、及び通信I/F55と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。ROM52は、ブートプログラム等を記憶する。RAM53は、タイマ、カウンタ、フラグデータ、一時的なデータを記憶する。記憶部54は、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成する。記憶部54は、CPU51が実行する処理のプログラムを記憶する。通信I/F55は、公衆回線網4と接続するための通信モジュールである。
【0015】
コンテンツ管理サーバ6は、コンテンツ管理サーバ6の制御を司るCPU61を備える。CPU61は、ROM62、RAM63、記憶部64、及び通信I/F65と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。ROM62は、ブートプログラム等を記憶する。RAM63は、タイマ、カウンタ、フラグデータ、一時的なデータを記憶する。記憶部64は、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成される。記憶部64は、CPU61が実行する処理のプログラムを記憶する。通信I/F65は、公衆回線網4と接続するための通信モジュールである。
【0016】
印刷装置7は、テープ状の印刷媒体であって剥離紙付きの無定長の粘着テープであるテープ104に、キャラクタ(文字、記号及び数字等)を印刷可能な小型のラベルプリンタである。印刷装置7は、端末装置2から送信される印刷データに基づき、印刷を実行可能である。印刷装置7は、CPU71、ROM72、CGROM73、RAM74、記憶部75、及び通信I/F76を備える。ROM72、CGROM73、RAM74、記憶部75、及び通信I/F76は、それぞれCPU71に電気的に接続されている。
【0017】
ROM72には、印刷装置7の制御上必要な各種のプログラム等が記憶されている。CPU71は、これらのプログラムに基づいて各種演算を行う。CGROM73には、各種キャラクタを印刷するための印刷用ドットパターンデータが、書式及びサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。RAM74には、テキストメモリ、及びプリントバッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。テキストメモリには、印刷対象のデータが格納される。プリントバッファには、印刷対象の印刷用ドットパターンが格納される。その他記憶エリアには、各種演算データ等が記憶される。通信I/F76は、アクセスポイント8を介してLAN3及び公衆回線網4に接続するための通信モジュールである。
【0018】
印刷装置7は更に、検出部77、搬送モータ79、サーマルヘッド80、カッターモータ81、及び駆動回路82~84を備える。検出部77、及び駆動回路82~84は各々、CPU71に電気的に接続されている。検出部77は、印刷装置7に装着されたテープ104の種類を検出し、CPU71に出力する公知のセンサである。駆動回路82は、テープ104を搬送経路に沿って搬送する搬送モータ79を駆動するための電子回路である。駆動回路83は、サーマルヘッド80を駆動するための電子回路である。駆動回路84は、印刷装置7の外部に排出される印刷済みのテープ104を切断する移動刃(図示略)を動作させるカッターモータ81を駆動するための電子回路である。
【0019】
図2を参照して、印刷装置7に装着可能なテープカセット(以下、単に「カセット」と言う。)9の説明をする。カセット9は、カセットケース91を有し、カセットケース91の内部にテープ状の印刷媒体を収容する。カセット9は複数種類の印刷媒体の内の一種類を収容する。印刷媒体の種類は、例えば、ラミネート及びレセプタがある。「ラミネート」は、樹脂製の透明フィルムテープ101に印刷がなされた後、印刷装置7内で、印刷面に両面粘着テープ102が貼り合わせられる態様を示す。印刷媒体の種類がラミネートである場合、カセット9は、カセットケース91の内部に、フィルムテープ101、両面粘着テープ102、及びインクリボン103を備える。「レセプタ」は、樹脂製の基材の片面にのみ粘着剤層が形成されている片面粘着テープに印刷が行われる態様を示す。印刷媒体の種類がラミネートである場合、カセット9は、カセットケース91の内部に、片面粘着テープ、及びインクリボン103を備える。印刷媒体の種類は、更に、印刷媒体の幅方向の長さW、印刷媒体の色、インクリボン103の色、及び印刷媒体の材質等に応じて分類される。以下、印刷媒体の種類がラミネートである場合を例に、カセット9の構成を説明する。
【0020】
図2に示すように、カセットケース91は、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略直方体状(箱型)の筐体である。カセットケース91は、支持部92~96、孔97、アーム部98、ヘッド挿入部99、テープ排出口89、及び窓部100を備える。支持部92~96は各々、平面視円状の筒状である。支持部92は、カセットケース91の左前隅部(
図2では左下隅部)に設けられ、テープ駆動ローラ86を回転可能に支持する。テープ駆動ローラ86は、印刷媒体であるフィルムテープ101と、両面粘着テープ102とを搬送する。支持部93は、カセットケース91内の左側後部(
図2では左上部)に設けられ、両面粘着テープ102が巻回されたスプールを回動可能に支持する。両面粘着テープ102は、一面に剥離紙が貼着された長尺状の両面粘着テープである。
【0021】
支持部94は、カセットケース91内の右側後部(
図2では右上部)に設けられ、フィルムテープ101が巻回されたスプールを回動可能に支持する。フィルムテープ101は、印刷面を有する長尺状の透明樹脂製テープである。サーマルヘッド80は、フィルムテープ101に重ね合わされたインクリボン103を使用し、フィルムテープ101に印刷を行う。フィルムテープ101の印刷面には両面粘着テープ102が貼り合わされる。支持部96は、カセットケース91の右前部に設けられ、インクリボン103が巻回されたスプールを回動可能に支持する。支持部95は、支持部94の左前部、且つ支持部96の左後部に設けられ、支持部96が支持するスプールから繰り出されたインクリボン103を巻き取るスプール85を回動可能に支持する。孔97は、支持部94の右後部に設けられた、カセットケース91を上下方向に貫通する平面視楕円状の孔である。アーム部98は、カセットケース91の右前部から左方に延びる。アーム部98の左後端部は、上下方向に延びる開口87を備える。ヘッド挿入部99は、印刷装置7のサーマルヘッド80が挿入される部位である。テープ排出口89は、カセットケース91の左面前部に設けられた、上下方向に延びる孔である。窓部100は、カセットケース91の上面88の内、支持部93の右方に設けられた左右方向に延びる長孔である。ユーザは、窓部100によりカセットケース91に収容されたフィルムテープ101、両面粘着テープ102の残量を確認できる。
【0022】
カセットケース91は、カセットケース91の上面88の後部に貼付された標識部111、112を備える。標識部111は、カセットケース91の上面88の後端部の内左右方向の中央部に貼り付けられる。標識部111には、カセット9のロゴマーク、ロゴタイプ、及びシンボルマークの少なくとも何れかを含むロゴ113が印刷されている。ロゴ113は、例えば、カセット9が備える印刷媒体の種類を示す。標識部111は、例えば、カセット9の商品名、カセット9の製品番号、印刷媒体の種類等を含む文字を表してもよいし、図形、イラスト等の画像を表してもよい。標識部112は、カセットケース91の上面88の後端部の内、標識部111の左方に貼り付けられる。標識部112には、マトリックス型二次元コード114が印刷されている。二次元コード114は、例えば、カセット9の識別番号を示す。カセット9の識別番号は、例えば、カセット9の製造番号である。
【0023】
印刷装置7にカセット9が装着されて印刷動作が実行されると、印刷装置7のCPU71は、印刷データに基づき、搬送モータ79、サーマルヘッド80、及びカッターモータ81を駆動し、印刷を実行する、具体的には、印刷装置7の搬送モータ79の駆動軸(図示略)を介してテープ駆動ローラ86が回転駆動される。テープ駆動ローラ86は、搬送ローラ(図示略)との協働によって、フィルムテープ101と、両面粘着テープ102とを引き出す。テープ駆動ローラ86の駆動と同期して、印刷装置7のリボン巻取軸(図示略)が回転駆動され、インクリボン103が引き出される。
【0024】
フィルムテープ101と、インクリボン103とは、アーム部98の内部で共に案内される。アーム部98の先端側に形成された開口87では、フィルムテープ101とインクリボン103とが重ね合わされ、アーム部98の外部に排出される。サーマルヘッド80は、フィルムテープ101と重ね合っているインクリボン103を使用して、開口87から排出されたフィルムテープ101に印刷する。印刷済みのインクリボン103は、支持部95が支持するスプール85に巻き取られる。印刷済みのフィルムテープ101は、テープ駆動ローラ86に向けて搬送される。両面粘着テープ102は、テープ駆動ローラ86と可動搬送ローラとの間に案内され、両面粘着テープ102が、印字済みのフィルムテープ101の印刷面面に重ねられて貼着される。両面粘着テープ102が貼着された印字済みのフィルムテープ101(つまり、印刷済みのテープ104)は、テープ排出口89に向かって搬送され、印刷装置7の切断機構(図示略)によって切断される。
【0025】
図3を参照し、媒体管理サーバ5の記憶部54が記憶するテーブル59を説明する。記憶部54は、カセット9の識別情報と、カセット9を管理するための管理情報とを対応付けたテーブル59を記憶する。カセット9の識別情報は、例えば、カセット9の製造番号である。カセット9の識別情報は、例えば、アルファベットと数字とを組み合わせた文字列によって表される。本実施形態の管理情報は、カセット9が収容する印刷媒体の種類と、印刷媒体の未使用時の長手方向の長さと、印刷媒体の長手方向に直交する幅方向の長さであるテープ幅Wとを含む。本実施形態の管理情報は更に、印刷媒体の使用履歴を含む。使用履歴は、初回アクセス日、アクセス回数、及びテープ残量を含む。初回アクセス日は、識別情報で特定されるカセットについて検出処理が最初に行われた日付である。初回アクセス日は、例えば、西暦の年月日(YYYY/MM/DD)で表される。アクセス回数は、少なくとも識別情報で特定されるカセットについて、カセットを撮影した画像に基づきカセットを検出する検出処理が実行された回数である。
【0026】
図4を参照し、コンテンツ管理サーバ6の記憶部64が記憶するコンテンツデータベース69について説明する。記憶部64は、印刷データ及び印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報をコンテンツデータベース69に記憶する。コンテンツは、テンプレート(背景画像、レイアウト、書式)、フォント、及び外字の少なくとも何れかを含む。外字は、印刷装置7及び端末装置2の少なくとも何れかに登録されていない文字である。コンテンツは印刷データでもよい。コンテンツに関する情報は、コンテンツそのものであってもよいし、コンテンツに関わる情報、例えば、コンテンツのタイトル、コンテンツの説明、コンテンツの使用例、コンテンツのサムネイル画像等を示す情報であってもよい。本実施形態のコンテンツデータベース69は、ID、種類、コンテンツ情報、及びコンテンツファイルを含む。IDは、コンテンツに関する情報の識別情報であり、例えば、アルファベットと数字とを組み合わせた文字列によって表される。種類は、コンテンツに関する情報の種類を示し、本実施形態では特定と、通常とがある。特定は、端末装置2から送信された画像に基づき、カセットの種類が特定された場合に、端末装置2に対する使用が許可されるコンテンツである。通常は、端末装置2から送信された画像に基づき、カセットの種類が特定されたか否かに関わらず、端末装置2に対する使用が許可されるコンテンツである。
【0027】
図5~
図9を参照し、
図8に示す具体例1及び
図9に示す具体例2を用い、印刷情報処理システム1及び印刷装置7で実行される処理を説明する。端末装置2が実行する処理は、端末装置2のCPU21がROM22の記憶されたプログラムをRAM23に読み出して実行する。媒体管理サーバ5が実行する処理は、媒体管理サーバ5のCPU51がROM52に記憶されたプログラムをRAM53に読み出して実行する。コンテンツ管理サーバ6が実行する処理は、コンテンツ管理サーバ6のCPU61がROM62に記憶されたプログラムをRAM63に読み出して実行する。印刷装置7が実行する処理は、印刷装置7のCPU71がROM72に記憶されたプログラムをRAM73に読み出して実行する。以下の説明においてステップをSと略記する。具体例1は、端末装置2が上方からカセット9を撮影した場合である。具体例2は、端末装置2がカセット9とは異なる旧型のカセット10を上方から撮影した場合である。旧型のカセット10は、平面視において外側の輪郭がカセット9と共通するが、カセット9が備える孔97を有さず、印刷装置7に装着することができない。具体例1の処理と、具体例2の処理とは、各々異なるタイミングで実行されるが、以下では、説明を簡単にするために、並列に説明する。
【0028】
端末装置2のCPU21は、撮影画面をLCD28に表示する(S1)。具体例1ではCPU21は、
図8の画面E1をLCD28に表示する。具体例2ではCPU21は、
図9の画面H1をLCD28に表示する。画面E1と画面H1とは各々、表示部J1と入力キーJ2を備える。表示部J1は、カメラ29で撮影された画像を表示する。入力キーJ2は撮影の指示を入力する場合に選択される。ユーザは、例えば、表示部J1により、カセット全体を上方から撮影した画像を確認後、入力キーJ2を選択する。CPU21は画像が取得されたかを判断する(S2)。CPU21は、画像が取得されるまでS2の判断を継続する(S2:NO)。
【0029】
入力キーJ2の選択が検出された場合、CPU21は、カメラ29から出力される画像データに基づき、画像を取得する(S2:YES)。CPU21は具体例1ではカセット9全体を上方から撮影した一枚の画像の画像データを取得する。CPU21は具体例2ではカセット10全体を上方から撮影した一枚の画像の画像データを取得する。CPU21は取得された一の画像を媒体管理サーバ5に送信し(S3)、
図8及び
図9に示す画面E2をLCD28に表示する(S4)。画面E2は、処理中であることを示すメッセージJ3を含む。媒体管理サーバ5のCPU51は、S3で送信された一つの画像を受信する(S41)。
【0030】
CPU51は、S41で受信された画像を解析し、画像中のカセットを検出する(S42)。具体的にはCPU51は、撮影された一つの画像を解析して、画像中の図形の輪郭に基づき、画像中のカセット9を検出する。画像からカセット9を検出する方法は公知の方法が適宜採用されればよい。CPU51は、例えば画像を二値化処理して、二値化処理された画像から輪郭線を抽出し、カセット9の形状を検出する。CPU51は記憶部54に記憶されたカセット9の輪郭線と、画像から抽出された輪郭線との比較結果に基づき、両者の類似度が所定範囲内であった場合に、画像から検出されたカセットの種類を特定する。本実施形態のCPU51は、画像から検出されるカセットの外側輪郭に対する孔97の位置に基づき、カセット9と旧型のカセット10とを区別してもよい。CPU51は、画像中の標識部111の内のロゴ113を検出し、標識部112の内の二次元コード114を検出する。画像から、ロゴ113及び二次元コード114を検出する方法は公知の方法が適宜採用されればよい。CPU51は、検出されたロゴ113に基づき、画像中のカセットの種類を特定し、検出された二次元コード114に基づき、カセットの識別情報を取得する(S42)。CPU51は記憶部54に記憶されたカセット(印刷媒体)の種類とロゴとの対応関係と、画像から抽出されたロゴ113との比較結果に基づき、カセット(印刷媒体)の種類を検出する。CPU51は二次元コード114が表す文字列を、カセットの識別情報として検出する。
【0031】
CPU51はS42での検出結果に基づき、媒体情報を設定する(S43)。媒体情報は、S42で特定されたカセットの識別情報、S42で検出されたカセットが特定媒体であるか否かに関する情報、及びS42で特定されたカセット9の管理情報を含む。S42で特定されたカセットが特定媒体である場合は、例えば、画像中の図形の輪郭に基づき、画像から記憶部54に記憶された種類のカセット(つまり、カセット9)が検出された場合である。特定媒体は、例えば、標識部111、112の検出結果に基づき、カセットの種類が検出された場合であってもよい。媒体情報は、S42で特定されなかった情報がある場合、設定されなくてもよいし、S42で特定された情報のみを含んでもよい。
【0032】
CPU51はS43で設定された媒体情報に基づき、S42で検出されたカセットが特定媒体であるかを判断する(S44)。具体例1では、S42で検出されたカセットは特定媒体であると判断され(S44:YES)、S43で設定された媒体情報に基づき、S42で特定されたカセット9が記憶部54に記憶されたカセット9であるかを判断する(S45)。S42で検出されたカセット9の識別情報が、記憶部54に記憶されていない場合(S45:NO)、CPU51は、S43で設定された媒体情報を記憶部54のテーブル59に記憶し(S47)、後述のS48の処理を実行する。具体例2では、S42で特定されたカセットは特定媒体であると判断されず(S44:NO)、CPU51は、S43で設定された媒体情報に警告を追加する(S46)。警告は、例えば、「種類を特定できませんでした。」である。具体例2についての警告は、例えば、「旧型のカセットが特定されました。印刷装置には装着できませんのでご注意下さい。」であってもよい。具体例1においてS42で特定されたカセット9の識別情報がB001である場合、記憶部54に記憶されていると判断され(S45:YES)、CPU51は識別情報がB001に対応するアクセス回数に1加算した後、S43で設定された媒体情報を、S41で受信された画像を送信した端末装置2に送信する(S48)。S46又はS47の次に、CPU51はS43で設定された媒体情報を、S41で受信された画像を送信した端末装置2に送信する(S48)。
【0033】
CPU21は媒体管理サーバ5から送信された媒体情報を受信し(S5)、記憶部24に記憶する(S6)。CPU21はS5で受信された媒体情報に警告が含まれるかを判断する(S7)。具体例2では、媒体情報に警告が含まれるので(S7:YES)、CPU21は、LCD28を制御して警告をLCD28に表示する(S8)。CPU21は例えば、画面H3のように、「カセットを特定できませんでした。」を表す警告メッセージJ4をLCD28に表示する。CPU21は後述のS10の処理を実行する。具体例1では、媒体情報に警告が含まれないので(S7:NO)、CPU21は、S42で検出されたカセットが特定条件を満たすかを判断する(S10)。本実施形態の特定条件は複数の条件を含む。CPU21は、複数の条件全てを満たす場合に、特定条件を満たすと判断する。特定条件は、S42で特定されたカセットの形状に関する条件を含み、具体的には、S42で特定されたカセットの形状が記憶部54に記憶されたカセット9の形状と一致又は類似する条件を含む。S42で特定されたカセットの形状が記憶部54に記憶されたカセット9の形状と一致又は類似する場合は、例えば、S42で特定されたカセットの形状と記憶部54に記憶されたカセット9の形状との類似率が所定範囲内におさまる場合である。CPU21は、媒体情報に警告が設定されているかに基づき、S42で特定されたカセットの形状が記憶部54に記憶されたカセット9の形状と一致又は類似するかを判断する。本実施形態の特定条件は更に、検出されたカセットの識別情報と対応付けられた使用履歴が所定条件を満たす条件を含む。本実施形態の所定条件は複数の条件を含む。所定条件は、使用履歴に含まれる初回アクセス日から所定日数以内にS10の判断処理が実行される条件、使用履歴に含まれるアクセス回数が所定回数より小さい条件、及び使用履歴に含まれるテープ残量が所定量よりも大きい条件を含む。所定日数、所定回数、及び所定量は各々、カセットが収容する印刷媒体の種類、初期長さ等に応じて、適宜定められればよい。
【0034】
所定日数が半年、所定回数が30回、所定量が0.2mである場合、CPU21は、具体例1について、S5で受信された媒体情報に基づき、S42で検出されたカセットが特定条件が含む全ての条件を満たすと判断し(S10:YES)、特定コンテンツ情報取得要求をコンテンツ管理サーバ6に送信する(S11)。特定コンテンツ情報取得要求は、コンテンツ管理サーバ6に対してコンテンツ管理サーバ6が記憶するコンテンツ情報の内の、種類が「特定」である特定コンテンツ情報を端末装置2に送信すること指示する要求である。コンテンツ管理サーバ6のCPU61は、端末装置2から送信された特定コンテンツ情報取得要求を受信し(S61)、コンテンツデータベース69から、特定コンテンツ情報を取得する(S62)。コンテンツデータベース69がカセット(印刷媒体)の種類に応じたコンテンツに関する情報を記憶する場合、CPU61はS62で、コンテンツデータベース69から、特定コンテンツ情報の内の、特定コンテンツ情報取得要求が示す、カセット(印刷媒体)の種類に応じた特定コンテンツ情報を取得してもよい。CPU61は、S62で取得された特定コンテンツ情報を、S61で受信された特定コンテンツ情報を送信した端末装置2に送信する(S63)。端末装置2のCPU21は、コンテンツ管理サーバ6から送信された特定コンテンツ情報を受信し(S12)、S13の処理を実行する。具体例2は、媒体情報に警告が含まれ、S42で特定されたカセットの形状が記憶部54に記憶されたカセット9と形状である条件を満たさないので(S10:NO)、CPU21は通常コンテンツ情報取得要求をコンテンツ管理サーバ6に送信する(S13)。通常コンテンツ情報取得要求は、コンテンツ管理サーバ6に対してコンテンツ管理サーバ6が記憶するコンテンツ情報の内の、種類が「通常」である通常コンテンツ情報を端末装置2に送信すること指示する要求である。
【0035】
コンテンツ管理サーバ6のCPU61は端末装置2から送信された通常コンテンツ情報取得要求を受信し(S64)、コンテンツデータベース69から、通常コンテンツ情報を取得する(S65)。S62と同様に、コンテンツデータベース69がカセット(印刷媒体)の種類に応じたコンテンツに関する情報を記憶する場合、CPU61はS65で、コンテンツデータベース69から、通常コンテンツ情報の内の、通常コンテンツ情報取得要求が示す、カセット(印刷媒体)の種類に応じた通常コンテンツ情報を取得してもよい。CPU61は、S65で取得された特定コンテンツ情報を、S64で受信された通常コンテンツ情報を送信した端末装置2に送信する(S66)。端末装置2のCPU21は、コンテンツ管理サーバ6から送信された通常コンテンツ情報を受信し(S14)、コンテンツ情報一覧をLCD28に表示する(S15)。
図8の画面E3に示すように具体例1では、CPU21は、S12で受信された特定コンテンツ情報J5と、S14で受信された通常コンテンツ情報J6とを一覧にして表示する。特定コンテンツ情報J5は、コンテンツA~Cを含む。通常コンテンツ情報J6は、コンテンツA~cを含む。
図9の画面H4に示すように具体例2では、CPU21は、通常コンテンツ情報J6を一覧にして表示する。
【0036】
CPU21はS15でLCD28に表示されたコンテンツ情報の内の一つの選択を検出したかを判断する(S16)。ユーザはLCD28を参照し、所望のコンテンツ情報を選択する。CPU21はS15でLCD28に表示されたコンテンツ情報の内の一つの選択を検出するまでS16の判断を継続する(S16:NO)。具体例1においてコンテンツAの選択が検出された時(S16:YES)、CPU21は選択されたコンテンツAのコンテンツファイルを取得することを要求するコンテンツファイル取得要求をコンテンツ管理サーバ6に送信する(S17)。具体例2においてコンテンツaの選択が検出された時(S16:YES)、CPU21は選択されたコンテンツaのコンテンツファイルを取得することを要求するコンテンツファイル取得要求をコンテンツ管理サーバ6に送信する(S17)。
【0037】
コンテンツ管理サーバ6のCPU61は、コンテンツファイル取得要求を受信し(S67)、コンテンツデータベース69から、コンテンツファイル取得要求が指示するコンテンツファイルを取得する(S68)。CPU61は、S68で取得されたコンテンツファイルを、S61で受信されたコンテンツファイル取得要求を送信した端末装置2に送信する(S69)。端末装置2のCPU21は、コンテンツ管理サーバ6から送信されたコンテンツファイルを受信し(S18)、S18で受信されたコンテンツファイルが、特定コンテンツ情報に対応する特定コンテンツファイル(特定コンテンツ)であるかを判断する(S19)。CPU21は、S19の処理をS16で選択されたコンテンツ情報に基づき行ってもよいし、S18で受信されたコンテンツファイルに基づき行ってもよい。
【0038】
本実施形態の特定コンテンツは、背景装飾等の図柄を表す画像データを含み、特定コンテンツではない通常コンテンツは、図柄を表す画像データを含まない。故にS18で受信されたコンテンツファイルが特定コンテンツである場合(S19:YES)、CPU21はコンテンツファイルに含まれる画像データに基づき、LCD28に柄情報を表示するための処理を実行する(S20)。S18で受信されたコンテンツファイルが特定コンテンツではない場合(S19:NO)、又はS20の次に、S19で受信されたコンテンツファイルを表し、且つコンテンツファイルに基づき印刷データを編集するための編集画面をLCD28に表示する(S21)。印刷データの編集は、印刷データの新規作成、印刷対象のレイアウト変更、印刷データの変更に伴うLCD28の表示内容変更等を含む概念である。
【0039】
CPU21は具体例1では、
図8の画面E4をLCD28に表示する。画面E4は、表示欄J7、及び入力キーJ8、J9を含む。表示欄J7はS18で受信されたコンテンツファイルに基づき表される画像を表示する。具体例1の表示欄J7は、コンテンツAに対応するコンテンツファイルF1に基づき表される画像G1を表示する。画像G1は、アルファベット文字と、S20で描画処理された図柄を組み合わせた画像である。入力キーJ8は、表示欄J7に表示されたコンテンツファイルを編集する指示を入力する際に選択される。コンテンツファイルの編集は、例えば、文字及び図形等のオブジェクトの追加、オブジェクトの回転、拡大又は縮小等が挙げられる。入力キーJ9は、表示欄J7に表示されたコンテンツファイルに基づき印刷データを生成し、生成された印刷データを印刷装置7に送信する指示を入力する際に選択される。CPU21は具体例2では、
図9の画面H5をLCD28に表示する。画面H5は、表示欄J7、及び入力キーJ8、J9を含む。具体例2の表示欄J7は、コンテンツaに対応するコンテンツファイルf1に基づき表される画像g1を表示する。画像g1は、アルファベット文字を含み、図柄を含まない。
【0040】
CPU21は、入力キーJ8の選択が検出されたかを判断する(S23)。入力キーJ8の選択が検出された場合(S23:YES)、CPU21は、編集処理を実行する(S24)。CPU21は、例えば、文字及び図形等のオブジェクトの追加、オブジェクトの回転、拡大又は縮小等の編集メニューを表示し、選択された編集メニューに応じた処理を実行する。入力キーJ8の選択が検出されない場合(S23:NO)、又はS24の次に、CPU21は、入力キーJ9の選択が検出されたかを判断する(S25)。入力キーJ9の選択が検出されない場合(S25:NO)、CPU21は処理をS23に戻す。ユーザはコンテンツファイルの編集を終了し、表示欄J7に表示されたコンテンツファイルに基づき印刷を実行する場合、入力キーJ9を選択する。入力キーJ9の選択が検出された場合(S25:YES)、CPU21は、印刷装置7と通信可能かを判断する(S26)。
【0041】
CPU21は、例えば、印刷装置7に所定の通信開始信号を送信し、印刷装置7から該通信開始信号に対する返信を受信した場合に、印刷装置7と通信可能であると判断する。印刷装置7と通信可能ではない場合(S26:NO)、CPU21は、LCD28に通信エラーを表示し(S27)、ユーザに印刷装置7と通信可能とするために必要な操作を促す。CPU21は処理をS26に戻す。印刷装置7と通信可能である場合(S26:YES)、CPU21は、LCD28に
図8又は
図9の画面E6のように、処理中画面にメッセージJ3を表示する(S28)。CPU21は、表示欄J7に表示されたコンテンツファイルに基づき印刷データを生成し、生成された印刷データを印刷装置7に送信する(S29)。印刷装置7のCPU71は、端末装置2から送信された印刷データを受信し(S81)、受信された印刷データに基づき、駆動回路82~84を制御して、印刷処理を実行する(S82)。CPU71は印刷の結果を、S81で受信された印刷データを送信した端末装置2に送信する(S83)。印刷結果は、印刷成功又は印刷失敗で表される印刷処理の結果と、印刷に使用されたカセット(印刷媒体)が特定媒体であるか否かと、使用された印刷媒体の長さとを含む。
【0042】
端末装置2のCPU21は、印刷結果を受信し(S30)、受信された印刷結果が印刷成功であるかを判断する(S31)。受信された印刷結果が印刷成功であった場合(S31:YES)、印刷結果に基づき、印刷に使用されたカセット(印刷媒体)が特定媒体であるかを判断する(S32)。具体例2では、印刷に使用された印刷媒体が特定媒体ではないと判断され(S32:NO)、
図9の画面E6に示すように、「印刷完了」のメッセージJ10をS30で受信された印刷結果としてLCD28に表示する(S35)。具体例1では、印刷に使用された印刷媒体が特定媒体であると判断され(S32:YES)、CPU21は印刷情報を媒体管理サーバ5に送信する(S33)。印刷情報は、カセットの識別情報と、印刷媒体の印刷で使用された長さとを含む。媒体管理サーバ5のCPU51は、端末装置2から送信された印刷情報を受信する(S51)。CPU51は、受信された印刷情報に基づき、テーブル59に記憶されたテープ残量の内、S51で受信された印刷情報の内の識別情報に対応する管理情報の内のテープ残量を、当該テープ残量から印刷情報に含まれる使用された長さを差し引いて更新し(S52)、S51で受信された印刷情報を送信した端末装置2に、処理完了情報を送信する(S53)。端末装置2のCPU21は、処理完了情報を受信し(S34)、
図8の画面E6に示すように、「印刷完了」のメッセージJ10をS30で受信された印刷結果としてLCD28に表示する(S35)。印刷結果が失敗である場合(S31:NO)、CPU21は、例えば、「印刷失敗」のメッセージをLCD28に表示する(S35)。印刷情報処理システム1と印刷装置7とは以上で処理を終了する。
【0043】
上記実施形態の端末装置2と、サーバ5、6とを備える印刷情報処理システム1において、端末装置2、カメラ29、通信I/F30、CPU21、及び記憶部24は各々、本発明の端末装置、撮影部、端末通信部、端末制御部、及び端末記憶部の一例である。S2の処理は、本発明の画像を取得する処理、及び撮影ステップの一例である。コンテンツ管理サーバ6、通信I/F65、CPU61、及び記憶部64は各々、本発明のサーバ、サーバ通信部、サーバ制御部、及びサーバ記憶部の一例である。媒体管理サーバ5、通信I/F55、CPU51、及び記憶部54は各々、本発明のサーバ、サーバ通信部、サーバ制御部、及びサーバ記憶部の一例である。S42の処理は、本発明の検出処理、及び検出ステップの一例である。S10の処理は、本発明の判断処理、及び判断ステップの一例である。S63の処理は、本発明の情報送信処理、及び情報送信ステップの一例である。S12の処理は、本発明の特定のコンテンツに関する情報を受信する処理の一例である。S24の処理は、本発明の編集処理、及び編集ステップの一例である。S29の処理は、本発明の印刷データを送信する処理、及び通信ステップの一例である。S10、S11の処理は、本発明の要求送信処理の一例である。S52の処理は、本発明の更新処理、及び更新ステップの一例である。
【0044】
上記実施形態の端末装置2と、サーバ5、6とを備える印刷情報処理システム1において、端末装置2は、カメラ29と、サーバ5、6と、印刷装置7と通信可能な通信I/F30、カメラ29と通信I/F30とを制御可能なCPU21、CPU21を制御するための指示を記憶する記憶部24を備える。CPU21は、記憶部24が記憶する指示に従って、カメラ29を制御して画像を取得する(S2)。媒体管理サーバ5は、端末装置2と通信可能な通信I/F55、通信I/F55を制御可能なCPU51、及び記憶部54を備える。記憶部54は、CPU51を制御するための指示を記憶する。コンテンツ管理サーバ6は、端末装置2と通信可能な通信I/F65、通信I/F65を制御可能なCPU61、及び記憶部64を備える。記憶部64は、CPU61を制御するための指示、並びに印刷データ及び印刷データの編集に利用可能な情報の少なくとも何れかを含むコンテンツに関する情報を記憶する。印刷情報処理システム1は、S2で取得された画像を解析して、カメラ29によって撮影された、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する検出処理(S42)と、検出されたカセットが特定条件を満たすかを判断する判断処理(S10)とを実行する。
【0045】
コンテンツ管理サーバ6は、記憶部64が記憶する指示に従って、S10の判断処理において、検出されたカセットが特定条件を満たすと判断された場合に(S10:YES)、記憶部64が記憶する特定のコンテンツに関する情報を通信I/F65を介して端末装置2に送信し(S63、S66、S69)、検出されたカセットが特定条件を満たさない場合に(S10:NO)、記憶部64が記憶する特定のコンテンツに関する情報を通信I/F65を介して端末装置2に送信しない。端末装置2のCPU21は、記憶部24が記憶する指示に従って、コンテンツ管理サーバ6から送信された特定のコンテンツに関する情報を受信する処理を実行する(S12、S18)。故に上記実施形態の印刷情報処理システム1は、端末装置2で撮影された画像を解析することで、印刷媒体を収容するカセット9を印刷装置7本体に装着することなく、カセット9を検出し、検出されたカセット9が特定条件を満たす場合に、印刷データの編集に利用可能な特定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。
【0046】
媒体管理サーバ5のCPU51は、カメラ29によって撮影された画像を解析して、画像中のロゴマーク、ロゴタイプ、及びシンボルマークの少なくとも何れかを含むロゴ113を検出し、検出されたロゴ113に基づき、画像中のカセット9を検出する(S43)。印刷装置7に装着して使用されるカセット9には、カセット9が収容する印刷媒体の種類(例えば、テープ幅W、色、材質、モデル等)を識別するためのロゴ113が印刷された標識部111が貼付されている。印刷情報処理システム1は、端末装置2で撮影された画像を解析することで、画像中のロゴ113を検出し、検出されたロゴ113に基づき、画像中のカセット9を検出できる。
【0047】
媒体管理サーバ5のCPU51は、カメラ29によって撮影された一つの画像を解析して、画像中のロゴ113に加え、印刷媒体の識別情報を検出し、検出されたロゴ113と識別情報とに基づき、画像中のカセットを検出する。印刷装置7に装着して使用されるカセット9には、カセット9の識別情報(例えば、製品番号、製造番号等)が貼付されている場合がある。印刷情報処理システム1は、端末装置2で撮影された画像を解析することで、画像中のロゴ113に加え、カセット9の識別情報を検出し、検出されたロゴ113と識別情報とに基づき、画像中のカセット9を検出できる。印刷情報処理システム1は、二以上の画像を解析して画像中のロゴ113と識別情報とを検出する場合に比べ、カセット9を検出するのに必要な画像の枚数を少なくできる。
【0048】
媒体管理サーバ5のCPU51は、画像中のマトリックス型二次元コード114の検出結果に基づき、カセット9の識別情報を検出する。故に印刷情報処理システム1は、端末装置で撮影された画像を解析することで、画像中の二次元コード114(例えば、QRコード(登録商標))の検出結果に基づき、カセット9の識別情報を検出できる。
【0049】
媒体管理サーバ5の記憶部54は、カセットの識別情報と、カセットを管理するための管理情報とを対応付けて記憶する。媒体管理サーバ5のCPU51は、記憶部54が記憶する指示に従って、S42の処理で検出された印刷媒体の識別情報を印刷媒体の管理情報と対応付けて記憶部54に記憶させる(S47)。故に印刷情報処理システム1は、記憶部54に記憶した、カセットの識別情報と、管理情報とに基づき、媒体管理サーバ5に撮影画像が送信されたカセットに関する情報を管理できる。
【0050】
カセット9は、テープ状の印刷媒体を収容する。カセットの管理情報は、カセットが収容する印刷媒体の種類と、印刷媒体の未使用時の長手方向の長さと、印刷媒体の長手方向に直交する幅方向の長さであるテープ幅Wとを含む。故に印刷情報処理システム1は、管理情報として、印刷媒体の種類と、印刷媒体の未使用時の長さと、テープ幅Wとを管理できる。
【0051】
CPU51は、記憶部54が記憶する指示に従って、画像から検出されたカセットに収容された印刷媒体の使用履歴を管理情報として、カセットの識別情報と対応付けて記憶部54に記憶させる(S47)。特定条件は、検出されたカセットの識別情報と対応付けられた使用履歴が所定条件を満たす条件を含む。故に印刷情報処理システム1は、管理情報として、使用履歴を管理できる。印刷情報処理システム1は、検出されたカセットの識別情報に対応付けられた使用履歴が特定条件を満たす場合に、印刷データの編集に利用可能な特定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。
【0052】
使用履歴は、少なくとも識別情報で特定されるカセットについて検出処理が最初に行われた日付である初回アクセス日を含み、所定条件は、初回アクセス日から所定日数以内に判断処理が実行される条件を含む。故に印刷情報処理システム1は、初回アクセス日を記憶できる。印刷情報処理システム1は、検出されたカセットの識別情報に対応付けられた使用履歴の初回アクセス日が所定日数以内を満たす場合に、印刷データの編集に利用可能な所定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。印刷情報処理システム1は、例えば、端末装置2を操作するユーザに、初回アクセス日から所定日数以内に処理を実行させるよう促すことができる。
【0053】
使用履歴は、少なくとも識別情報で特定されるカセットについて検出処理が実行された回数であるアクセス回数を含み、所定条件は、アクセス回数が所定回数より小さい条件を含む。印刷情報処理システム1の媒体管理サーバ5は、端末装置2が同一のカセット9を撮影した画像を、媒体管理サーバ5に送信した回数をアクセス回数として記憶できる。印刷情報処理システム1は、画像に基づき検出されたカセット9の識別情報に対応付けられた使用履歴のアクセス回数が所定回数以内の場合に、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。印刷情報処理システム1は、印刷に使用されるカセット9を撮影した画像の検出結果に基づき、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可するかを適切に判断する確率を高めることができる。即ち、印刷情報処理システム1は、アクセス回数によらず、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可する場合に比べ、端末装置2で撮影された画像から検出されたカセット9が収容する印刷媒体に適したコンテンツを端末装置2に送信する可能性を高めることができる。
【0054】
使用履歴は、カセットが収容する印刷媒体の残り長さであるテープ残量を含み、所定条件は、使用履歴に記憶されたテープ残量が所定量よりも大きい条件を含む。印刷情報処理システム1は、端末装置2が印刷装置7に送信した印刷データに応じて、サーバ記憶部が記憶する使用履歴が含むテープ残量を更新する更新処理を実行する(S52)。印刷情報処理システム1は、テープ残量を記憶できる。印刷情報処理システム1は、画像に基づき検出されたカセットの識別情報に対応付けられた使用履歴のテープ残量が所定量よりも大きい場合に、所定のコンテンツに関する情報の使用を許可できる。印刷情報処理システム1は、テープ残量が所定量以下の場合に、特定のコンテンツに関する情報の使用を制限する。故に印刷情報処理システム1は、印刷に使用されるカセット9を撮影した画像の検出結果に基づき、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可するかを適切に判断する確率を高めることができる。即ち、印刷情報処理システム1は、テープ残量によらず、特定のコンテンツに関する情報の使用を許可する場合に比べ、端末装置2で撮影された画像から検出されたカセット9が収容する印刷媒体に適したコンテンツを端末装置2に送信する可能性を高めることができる。
【0055】
印刷情報処理システム1は、コンテンツ管理サーバ6に記憶されたコンテンツに関する情報に基づき、印刷データを編集する編集処理を実行する(S24)。印刷情報処理システム1は、特定のコンテンツに関する情報に基づき、印刷データを編集できる。印刷情報処理システム1は、白紙の状態から印刷データを編集する場合に比べ、ユーザが印刷データを編集する際の利便性を向上できる。
【0056】
端末装置2のCPU21は、記憶部24が記憶する指示に従って、編集処理を実行する(S24)。印刷情報処理システム1は、特定のコンテンツに関する情報に基づき、端末装置2で、印刷データを編集できる。つまり端末装置2は、カセットを撮影する処理と、特定のコンテンツに関する情報に基づき、印刷データを編集する処理と、編集された印刷データを印刷装置7に送信する処理とを実行することができる。印刷情報処理システム1において、編集処理が端末装置2以外の装置で実行される場合に比べ、印刷データの編集処理を行うユーザの利便性を向上できる。印刷情報処理システム1は、編集処理がサーバ5、6で実行される場合に比べ、サーバ5、6の負荷を低減できる。
【0057】
特定のコンテンツに関する情報は、テンプレート、フォント、及び外字の少なくとも何れかを含む。S24の編集処理は、特定のコンテンツ情報を使用して、印刷データを編集可能である。印刷情報処理システム1は、所定のコンテンツに関する情報が含むテンプレート、フォント、及び外字に基づき、印刷データを編集できる。
【0058】
媒体管理サーバ5のCPU51は、S42の処理では、カメラ29によって撮影された画像を解析して、画像中のカセットの形状を検出し、検出された形状に基づき、画像中のカセットを検出する(S42)。特定条件は、検出処理で特定されたカセットの形状が所定の形状であることを含む。印刷装置7に用いられるカセットには、カセットが収容する印刷媒体の種類(例えば、テープ幅W、色、材質、モデル等)を識別するためのロゴ等が貼付されていない場合がある。このような場合でも、印刷情報処理システム1は、画像中のカセットの形状に基づきカセットを検出できる。印刷情報処理システム1は、上記実施形態の具体例2の旧型のカセット10のように、印刷装置7に使用されるのは適していないカセットが、印刷装置7で使用される可能性を低減できる。
【0059】
印刷情報処理システム1は、特定のコンテンツに関する情報が特定の印刷データである場合、CPU21は、コンテンツ管理サーバ6から受信された特定の印刷データ、又は編集済みの当該特定の印刷データを印刷装置7に送信する(S29)。故に印刷情報処理システム1は、画像から検出されたカセットが特定条件を満たす場合に、特定の印刷データを印刷装置7に送信できる。印刷装置7は、特定の印刷データに基づき、印刷を実行できる。
【0060】
本発明の印刷情報処理システム、印刷情報処理方法、及びサーバは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。以下の変形は適宜組み合わされてもよい。
【0061】
(A)印刷情報処理システム1の構成は適宜変更してよい。媒体管理サーバ5とコンテンツ管理サーバ6とは1つのサーバであってもよい。印刷情報処理システム1は、印刷装置7を含んでもよいし、含まなくてもよい。印刷情報処理システム1は一以上の端末装置2を備えればよい。
【0062】
(B)印刷情報処理システム1での処理を実行させるための指令を含むプログラムは、印刷情報処理システム1の各装置がプログラムを実行するまでに、当該装置の記憶機器に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。印刷情報処理システム1で実行されるプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0063】
(C)印刷情報処理システム1での処理の各ステップは、各装置のCPUによって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。印刷情報処理システム1での処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。印刷情報処理システム1での処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。印刷情報処理システム1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、印刷情報処理システム1が有する制御部からの指令に基づき処理の一部又は全部を行う態様も、本開示の範囲に含まれる。例えば、印刷情報処理システム1での処理に以下の変更が適宜加えられてもよい。
【0064】
媒体管理サーバ5が実行していた、画像を解析して、撮影部によって撮影された、印刷媒体を収容する筐体であるカセットを検出する処理は、端末装置2で実行されてもよく、この場合検出結果に基づき、特定コンテンツ情報取得要求が送信されてもよい。特定コンテンツ情報取得要求及び通常コンテンツ情報取得要求の少なくとも何れかは、S43で設定された媒体情報に基づき、媒体管理サーバ5からコンテンツ管理サーバ6に送信されてもよい。S42で検出されたカセットが特定条件を満たすかを判断する処理は、端末装置2で実行されてもよいし、サーバ5、6の何れかで実行されてもよい。印刷情報処理システム1は、端末装置2が撮影した画像に基づき、検出されたカセットが特定条件を満たさない場合に、通常のコンテンツに関する情報を送信しなくてもよい。印刷情報処理システム1は、管理情報の一部又は全部を記憶しなくてもよく、管理情報に基づき、検出されたカセットが特定条件を満たすかを判断する処理の一部又は全部は省略してもよい。管理情報は、カセットの使用履歴を含まなくてもよい。管理情報がカセットの使用履歴を含まない場合、印刷情報処理システム1は、使用履歴を更新するための処理を適宜省略してもよい。
【0065】
印刷装置7に装着されるカセットの形状、大きさ、種類は適宜変更されてもよい。カセットに貼付された標識部111、112の種類、図柄、配置、数等は適宜変更されてもよい。端末装置2で撮影する、カセットを検出するための画像は、2枚以上であってもよい。端末装置2で撮影する画像は、カセットを検出可能な画像であればよく、任意のアングルでカセット全体を撮影した画像であってもよいし、カセットの特徴的な部分を撮影した画像であってもよい。カセットの特徴的な部分は、例えば、標識部であってもよく、この場合印刷情報処理システム1は、端末装置2が撮影した画像に基づき標識部を検出することで、カセットを検出すればよい。特定条件は、カセットの種類等に応じて適宜変更されてもよい。特定条件は1つの条件であってもよいし、複数の条件の内の所定数を満たす条件であってもよい。コンテンツ管理サーバ6がコンテンツに関する情報として印刷データを記憶する場合、コンテンツ管理サーバ6は、端末装置2からの指示に応じて、端末装置2が指定する特定の印刷データを直接印刷装置7に送付して、印刷装置7に送付された印刷データに基づく印刷処理を実行させてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1:印刷情報処理システム、2:端末装置、4:公衆回線網、5:媒体管理サーバ、6:コンテンツ管理サーバ、7:印刷装置、9:テープカセット、21、51、61、71:CPU、22、52、62、72:ROM、23、53、63、74:RAM、24、54、64、75:記憶部、25:タッチパネル、28:LCD、29:カメラ、30、55、65、76:通信I/F、59:テーブル、69:コンテンツデータベース