(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】医療用ポンプ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20231215BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A61M5/142 500
A61M39/22
(21)【出願番号】P 2021509847
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 IL2019050949
(87)【国際公開番号】W WO2020039448
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518021780
【氏名又は名称】アート メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ART MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】5 HaMelacha Street, P.O. Box 16147 Kiryat HaSharon,Netanya, ISRAEL
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリア リロン
(72)【発明者】
【氏名】イダン ガブリエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェニスラフスキー エフゲニ
(72)【発明者】
【氏名】リラハ ニール
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/096534(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0112164(US,A1)
【文献】特表2010-504783(JP,A)
【文献】特開2011-087970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの管に流体的に接続された少なくとも2つの入口開口部
であって、前記少なくとも2つの管のそれぞれが、前記少なくとも2つの入口開口部のうちの1つに供給流体または水を提供するように構成された、少なくとも2つの入口開口部と、
出口弁によって封止された出口開口部
と、
流体チャンバを封入
するピストンと、
を有する流体チャンバを含む、
使い捨てシステム部分と、
前記流体チャンバを取り付けるように構成されたハウジングと、
前記ピストンを引っ張って前記少なくとも2つの入口開口部のうちの1つから流体を引き出し、前記ピストンを押して前記流体を前記出口開口部に排出す
る、駆動機構と、
前記少なくとも2つの管を取り囲む
ように構成された選択弁
または複数の切換弁と、を含み、
前記選択弁
または前記複数の切換弁は
、前記少なくとも2つの管のうちの1つの管を閉じ、一方、前記少なくとも2つの管のうちの別の管を開く
ように構成され、
前記選択弁
または前記複数の切換弁は、前記少なくとも
2つ
の管内の流体と接触しない、
非使い捨て
システム部分と、
を備える、医療用ポンプシステム。
【請求項2】
前記駆動機構は、電子制御ユニットによって制御される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項3】
前記選択弁
または前記複数の切換弁は、電子制御ユニットによって制御される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項4】
前記選択弁
または前記複数の切換弁のうちの少なくとも1つは
、一方向弁である、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項5】
前記選択弁
または前記複数の切換弁は、前記少なくとも2つの管を交互に開閉するように電子制御ユニットによって命令される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、表示装置に接続され、前記医療用ポンプシステムの動作に関連するデータをグラフィック表示する、請求項5に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項7】
前記電子制御ユニットは、電子健康記録(EHR)に接続される、請求項5に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項8】
前記電子制御ユニットは、胃残量(GRV)および逆流供給休止による食物損失を補償する命令を提供する、請求項5に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項9】
前記選択弁は、パルス幅変調(PWM)アルゴリズムを使用して制御される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項10】
ポンプおよび前記少なくとも2つの管は使い捨てである、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項11】
前記選択弁
または前記複数の切換弁は、ピンチ弁である、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項12】
前記流体チャンバはシリンダを含む、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項13】
前記ピストンは、前記駆動機構の往復駆動ブラケットを保持し、前記駆動機構の往復運動を伝達するスリットを有するプランジャロッドを介して前記駆動機構に接続される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項14】
前記往復駆動ブラケットは、前記スリットを保持するフォーク型ホルダを含む、請求項13に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項15】
前記駆動機構は、前記少なくとも2つの入口開口部のうちの1つに接続された流体ディスペンサから薬剤を投与するように電子制御ユニットによって調整される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項16】
前記少なくとも2つの管のうちの1つは、着脱可能な流体容器を有する流体ディスペンサを含む、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項17】
前記少なくとも2つの入口開口部は、入口チャネルに接続される、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの入口弁および
前記選択弁または前記複数の切換弁は、弁ボックスに組み込まれている、請求項1に記載の医療用ポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月23日に出願された米国特許出願第16/110,016号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、医療用ポンプに関し、より詳細には、複数の流体を連続的に選択し、排出するための医療用ポンプの構造、動作方法、および対応するアルゴリズムに関するが、これらに限定されるものではない。
【0003】
医療用ポンプは、病院および診療所の環境で長期間集中的に使用され、患者への栄養補給の補助、薬剤の投与、およびリンスなどの様々なタスクを実行する。
【0004】
これらの適用のいくつかでは、正確な計量(正確な流れレート制御)は重要ではなく、一方、他の場合では正確な流れレートは重要であり、薬剤投与の場合のように、総量は極めて重要である。仕様の広いスペクトラムの結果、多種多様な医療用ポンプが発明され、生産されている。
【0005】
供給ポンプを扱う場合、ほとんどは、多角形の回転子が流体を柔軟な管に押し込んでいるぜん動原理に基づいている。この現在のアプローチは、目詰まりに対する感度および十分な精度の欠如などのいくつかの欠点を有するが、許容可能な性能を提供し、患者と接触する低コストの使い捨て部品を組み込み、したがってポンプを滅菌する必要性を回避するため、使用されている。
【0006】
食物の分配に加えて、上述したように、ポンプは、例えば、水の希釈によるナトリウム(Na+)の濃度を減少させること、および詰まりが生じたときに供給管を洗浄することのような、いくつかの理由のために、水を被験者に分配するためにも使用される。
【0007】
必要な場合、薬剤は、固体薬剤を粉砕して粉末にし、それを水と混合して液相を作り出すことによってポンプを介して投与することができ、または場合によっては、薬剤は最初に液体として供給される。
【発明の概要】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の一態様にしたがうと、少なくとも1つの入口弁によって封止された少なくとも2つの入口開口部と、出口弁によって封止された出口開口部とを有する流体チャンバと、流体チャンバを封入し、駆動機構に接続されたピストンであって、駆動機構がピストンを引っ張って少なくとも2つの入口開口部のうちの1つから流体を引き出し、ピストンを押して流体を前記出口開口部に排出するピストンと、それぞれが少なくとも2つの入口開口部のうちの1つに流体を供給する少なくとも2つの管を取り囲む選択弁であって、選択弁は少なくとも2つの管のうちの1つの管を閉じ、一方、少なくとも2つの管のうちの別の管を開く、選択弁と、を備える、医療用ポンプシステムが提供される。
【0009】
任意選択的に、駆動機構は、電子制御ユニットによって制御される。
【0010】
任意選択的に、選択弁は、電子制御ユニットによって制御される。
【0011】
任意選択的に、選択弁は、少なくとも1つの入口弁および出口弁のうちの少なくとも1つが、一方向弁である。
【0012】
任意選択的に、選択弁は、少なくとも2つの管を交互に開閉するように電子制御ユニットによって命令される。
【0013】
より任意選択的に、電子制御ユニットは、表示装置に接続され、医療用ポンプシステムの動作に関連するデータをグラフィック表示する。
【0014】
より任意選択的に、電子制御ユニットは、電子健康記録(EHR)に接続される。
【0015】
より任意選択的に、電子制御ユニットは、胃残量(GRV)および逆流給餌休止による食物損失を補償する命令を提供する。
【0016】
任意選択的に、選択弁はパルス幅変調(PWM)アルゴリズムを使用して制御される。
【0017】
任意選択的に、ポンプおよび少なくとも2つの管は使い捨てである。
【0018】
任意選択的に、選択弁はピンチ弁である。
【0019】
任意選択的に、流体チャンバはシリンダを含む。
【0020】
任意選択的に、ピストンは駆動機構の往復駆動ブラケットを保持し、駆動機構の往復運動を伝達するスリットを有するプランジャロッドを介して駆動機構に接続される。
【0021】
より任意選択的に、往復動駆動ブラケットはスリットを保持するフォーク型ホルダを含む。
【0022】
任意選択的に、駆動機構は少なくとも2つの入口開口部のうちの1つに接続された流体ディスペンサから薬剤を投与するように、電子制御ユニットによって調整される。
【0023】
任意選択的に、少なくとも2つの管のうちの1つは、着脱可能な流体容器を有する流体ディスペンサを含む。
【0024】
任意選択的に、少なくとも2つの入口開口部は、入口チャネルに接続される。
【0025】
任意選択的に、少なくとも1つの入口弁および出口弁は、弁ボックス内に組み込まれている。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、入口管に取り付けられていてもよい医療用ポンプのための流体ディスペンサであって、入口開口部と、医療用ポンプの入口開口部に接続された出口開口部とを有するハウジングと、ハウジング内に封入されたピストンであって、ピストンは入口チャネルおよび分配チャネルを有し、ピストンが解放位置にあるとき、流体は入口開口部から入口チャネルを介して出口開口部に流れる、ピストンと、着脱可能な流体容器であって、着脱可能な流体容器がピストンに取り付けられると、ピストンが押された位置に移動し、流体が着脱可能な流体容器から分配チャネルを介して出口開口部に流れる、着脱可能な流体容器と、を備える、流体ディスペンサが提供される。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態の一態様にしたがうと、それぞれが流体ハウジングの複数の入口開口部のうちの1つに流体を供給する少なくとも2つの管を囲む選択弁に、少なくとも2つの管のうちの1つの管を閉じ、一方、少なくとも2つの管のうちの別の管を開くように指示することと、少なくとも2つの入口開口部および出口開口部を有する流体チャンバを封入するピストンを引っ張り、少なくとも2つの管のうちの開いた1つから流体を引き出すように駆動機構に指示することと、プランジャを押して流体を出口開口部に放出するように駆動機構に指示することと、を含む、医療用ポンプの制御方法が提供される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、少なくとも1つのストロークの軟化流体を供給管にポンプで送り込み、少なくとも1つのストロークの軟化流体は供給管の所定の長さを満たす、送り込むことと、少なくとも1つの充填ストロークの供給流体を供給管にポンプで送り込み、少なくとも1つのストロークの軟化流体が供給管の遠位端に押されることと、少なくとも1回のストロークの軟化流体によって、遠位端の詰まりを軟化させるために、所定の時間、ポンプで送り込むことを一時停止することと、詰まりを除去するために、より速いレートで少なくとも1回のフラッシングストロークの供給流体を供給管にポンプで送り込むことと、を含む、医療用ポンプを用いた供給中の供給管の目詰まりを防止する方法が提供される。
【0029】
任意選択で、この方法は、複数のストロークの供給流体を前記供給管にポンプで送り込むことであって、それにより、供給サイクル中の前記複数のストロークの供給流体、前記少なくとも1つの充填ストロークの供給流体、および前記少なくとも1つのフラッシングストロークの供給流体の合計量は前記供給サイクルのための供給流体の規定量に等しい、送り込むことをさらに含む。
【0030】
任意選択で、この方法は、供給管に複数のストロークの軟化流体をポンプで送り込むことであって、それにより、供給サイクル中の複数のストロークの軟化流体および少なくとも1つのストロークの軟化流体の合計量は、供給サイクルのための軟化流体の規定量に等しい、送り込むことをさらに含む。
【0031】
任意選択で、この方法は、医療用ポンプの電力消費の上昇を検出し、供給管内の供給流体の詰まりを示すことをさらに含む。
【0032】
より任意選択的に、この方法は、詰まりを除去するために、より速いレートで複数のストロークの流体を供給管内にポンプで送り込むことをさらに含む。
【0033】
任意選択的に、軟化流体は水である。
【0034】
任意選択で、所定の長さは、5~15センチメートルである。
【0035】
任意選択的に、所定の時間は、少なくとも1分である。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、患者に関連する端末によって保存された患者に対する薬剤の処方データを、薬剤部によって発行された薬剤に関連する高周波識別(RFID)装置上に保存された処方データと比較することと、合致が見出された場合、データに従って患者に前記薬剤の投与を指示することと、を含む、薬剤の安全な投与のための方法が提供される。
【0037】
任意選択的に、データは、薬剤の種類、用量、投与、および患者IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0038】
任意選択的に、端末は、患者のベッドサイドに保管される。
【0039】
任意選択的に、RFID装置は、薬剤の容器に取り付けられる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、少なくとも1つの入口弁によって封止された少なくとも2つの入口開口部と、出口弁によって封止された出口開口部とを有する流体チャンバと、出口弁に接続された出口管と、それぞれが少なくとも2つの入口開口部のうちの1つに接続された、少なくとも2つの入口管と、それぞれが少なくとも2つの入口管のうちの1つに接続された、少なくとも2つの流体バッグと、駆動機構に接続された流体チャンバを封入するピストンであって、駆動機構はピストンを引っ張って、少なくとも2つの入口開口部のうちの1つから流体を引き出し、ピストンを押し出して、流体を出口開口部に排出する、ピストンと、少なくとも2つの入口管を取り囲む選択弁と、を備え、選択弁は、少なくとも2つの入口管のうちの1つを閉じ、一方、少なくとも2つの入口管のうちの別の管を開く、医療用ポンプシステムのための使い捨て供給セットが提供される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、食物、水、および薬剤を分配するための医療用ポンプが提供される。ポンプは、第1の一方向弁および第1の供給管を介して食物を収容する容器に接続された第1の入口と、第2の一方向弁および第2の供給管を介して水を収容する容器に接続された第2の入口とを有するハウジングと、出口と、を備える。薬剤シリンジが前記第1および第2の供給管のうちの一方に取り付けられる。シリンジは、ロッドの押し下げに対して抵抗を加え、それによって、予荷重圧力下でシリンジを維持するように構成された荷重ばねを備える。装填された前記シリンジは、第1または第2の供給管のうちの一方からの流れを遮断するYコネクタを介して、シリンジの内部が第1または第2の供給管のうちの一方に流体的に接続されたときに、第1または第2の供給管のうちの一方に接続される。ポンプは、シリンジを介して薬剤を吸引するように構成される。ロッドが完全に押し下げられ、シリンジ内に薬剤が残っていないときに、ポンプは、第1または第2の供給管の一方から出口を通って、食物または水を分配するように構成される。
【0042】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単に例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に明確に参照すると、示される詳細は、例として、および本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を参照した説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプの概略基本ブロック図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、再使用可能なコンソール内および再使用可能なコンソールの外側にそれぞれ収容された、関連する管を有する、使い捨て医療用往復ポンプを備えるシステムの概略図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、再使用可能なコンソール内および再使用可能なコンソールの外側にそれぞれ収容された、関連する管を有する、使い捨て医療用往復ポンプを備えるシステムの概略図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、コンソールのハウジング内に取り付けられた使い捨て医療用ポンプ、管、および容器バッグを含むシステムのいくつかの態様の概略図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、薬剤ポートを含む
図3Aのシステムの概略図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、入口管1を遮断するときおよび入口管2を遮断するときの使い捨てでないセレクタピンチスイッチの概略図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、入口管1を遮断するときおよび入口管2を遮断するときの使い捨てでないセレクタピンチスイッチの概略図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、吸引作用および排出作用における医療用ポンプの概略図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、吸引作用および排出作用における医療用ポンプの概略図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、使い捨て供給バッグセットの概略図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを制御するための方法を概略的に表す全体ブロック図である。
【
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、食物、水、および薬のストローク(7B)のための例示的なポンプ駆動パルス列タイミング図である。
【
図8B】本発明のいくつかの実施形態による、食物、水、および薬のストローク(7B)のための例示的なポンプ駆動パルス列タイミング図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、ポンプ制御装置の典型的な入出力を示すブロック図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による、1サイクルにつき2つのウォータースクイットを有する数値例示的ポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による、休止セッションを含むポンピングおよび弁パルス列の計算に使用される例示的な数値を組み込んだ典型的なアルゴリズムを示すブロック図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による、ポンピングパルス列に使用されるパラメータを有する1サイクルの詳細なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13A】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13B】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13C】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13D】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13E】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図13F】本発明のいくつかの実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である。
【
図14A】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図14B】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図14C】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図14D】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図14E】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図14F】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して栄養補給している間に供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的なストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による、モータ過電流または過圧によって感知され、アクティブ化されるフローオブスキュレーション論理管理を示すブロック図である。
【
図16A】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプ用のシリンジ型ディスペンサ用のプラグ、シリンジ型ディスペンサの容器、およびプラグを介して管に接続されたシリンジ型ディスペンサをそれぞれ有する供給管の概略図である。
【
図16B】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプ用のシリンジ型ディスペンサ用のプラグ、シリンジ型ディスペンサの容器、およびプラグを介して管に接続されたシリンジ型ディスペンサをそれぞれ有する供給管の概略図である。
【
図16C】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプ用のシリンジ型ディスペンサ用のプラグ、シリンジ型ディスペンサの容器、およびプラグを介して管に接続されたシリンジ型ディスペンサをそれぞれ有する供給管の概略図である。
【
図17A】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプのための2部分流体ディスペンサに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図17B】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプのための2部分流体ディスペンサに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図17C】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプのための2部分流体ディスペンサに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図17D】本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプのための2部分流体ディスペンサに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図18A】本発明のいくつかの実施形態による、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【
図18B】本発明のいくつかの実施形態による、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【
図18C】本発明のいくつかの実施形態よる、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【
図18D】本発明のいくつかの実施形態による、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【
図18E】本発明のいくつかの実施形態による、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【
図19A】本発明のいくつかの実施形態による、医療チームによる医療用ポンプ使用の安全サイクルを概略的に表すブロック図である。
【
図19B】本発明のいくつかの実施形態による、医療チームによる医療用ポンプ使用の安全サイクルを概略的に表すブロック図である。
【
図20A】本発明のいくつかの実施形態による、ポンプおよび供給システムの薬剤ポートへのばね式薬剤シリンジの取り付けに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図20B】本発明のいくつかの実施形態による、ポンプおよび供給システムの薬剤ポートへのばね式薬剤シリンジの取り付けに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図20C】本発明のいくつかの実施形態による、ポンプおよび供給システムの薬剤ポートへのばね式薬剤シリンジの取り付けに基づく別の実施形態の概略図である。
【
図20D】
図20A、20B、および20Cの実施形態で薬剤を投与するためのステップを示すブロック図である。
【
図20E】
図20Aおよび20Bの実施形態で薬剤を投与する間のグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、医療用ポンプに関し、より詳細には、複数の流体を連続的に選択し、排出するための医療用ポンプの構造、動作方法、および対応するアルゴリズムに関するが、これらに限定されるものではない。
【0045】
食物および/または他の流体の経腸投与の間に、患者に水を投与すること、供給ラインをリンスすること、および余分な水を必要とする医療処置のためにも必要とされることがある。今日の一般的な慣行は、患者の長期医療ニーズのために、例えば、1時間以上毎に、250ミリリットルの水のボーラスを添加することを含む。大きなボーラス投与のこの実施は、非常に望ましくない突然の胃負荷のために、患者の逆流をもたらし得ることが観察された。
【0046】
数時間毎に数分以内に分注され得る250mlのボーラスは、例えば、高ナトリウム血症の場合には、誤嚥性肺炎を導くので常に回避されるべきである目立たない大量の逆流をもたらし得る。センサを備えた供給管は、望ましくない逆流を検出することができる。
【0047】
管の目詰まりを防止するための日常的な水洗に関して、多くの場合、この水分配の実施は水洗の間の時間隔が障害物の硬化をもたらすので、目詰まりを洗い流すことができず、管は数日毎に交換される。
【0048】
薬剤投与はまた、例えば50ccまたは100ccのシリンジで投与され得、そして再び逆流事象を作り出し得るので、望ましくない逆流を作り出すことが示される。
【0049】
最近では栄養目標を達成するためには供給の正確性を向上させることが不可欠であり、特定の供給原料(カロリーおよび蛋白質)の摂取はより速い回復、より短い入院期間および死亡率の低下に直接関係することが示されている。
【0050】
また、単一の食物選択は患者の栄養補給のための最良の選択ではなく、場合によっては2つ以上の食物剤の混合食がより良い患者回復をもたらすことが示されている。
【0051】
提案された新規な発明は、医師によって指示されるように、はるかに良好な患者供給をもたらす新規なポンプシステムおよび方法を提供することによって、また、医師によって指示されるような実際の供給レートを提供することができない現在のシステムに関連する欠点を排除することによって、現在実施のこれらの欠点を克服する方法を教示する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、バッグまたは容器などの異なる供給源から2つ以上の流体を受け取り、ポンプに取り付けられたコントローラプロセッサによって処理されるプログラムされた投与計画および感覚読み取りに従って流体を連続的に投与する医療用ポンプが提供される。これは、流体バッグのような異なる流体源に接続された管からの流れを選択し、流体流のために管の別のものを開いている間に管のいくつか(通常は1つ)をブロックする選択弁によって行われる。選択された弁は、ポンプの制御ユニットに実装されるソフトウェアによって制御され、ソフトウェアを介してオペレータによって調整されてもよい。
【0053】
提案された医療用ポンプを使用して、少量の各流体を、例えば数秒、正確に投与し、次いで別の流体に変更し、異なる流体の混合物の連続流を達成するためにプロセスを繰り返すことが可能である。例えば、これは、必要とされる水をより遅いレートで添加し、望ましくない突然の大きなボーラスを回避し、従って、逆流の危険性を防止することによって、供給中の水の添加に対するはるかに安全なアプローチを可能にする。
【0054】
ポンプの動作はソフトウェアによって制御されるので、これはまた、感覚読み取りに基づいて各流体の正確な部分を投与することを可能にし、医師によって指示されるような毎日の栄養補給の完了を可能にする。
【0055】
任意選択的に、ポンプは入口管の使い捨てマニホルドを含み、各管は、ハウジングに取り付けられ、流体および患者と接触しないピンチスイッチ(ピンチ弁)などの使い捨てでない切換弁によってオンまたはオフに切り換えることができ、洗浄または滅菌の必要性を回避する。使い捨てマニホルドは容易に交換でき、低コストであるように設計することができる。
【0056】
任意選択的に、ポンプは現在選択されている入口管に接続されている入口開口部から流体を引っ張り、使い捨てポンプの一部を形成する対応する吸引弁および排出弁を介して管によって患者に接続されている出口開口部に流体を押し込む往復プランジャを含む。これは、常に同じ正確な量の流体、すなわちプランジャストロークを移送することによって、流体の正確な投与を可能にする。また、容積変位は、プランジャが堅く、詰まりを克服するために必要な圧力蓄積(容積変位)を生じさせるので、管内の詰まりが開くことを保証する。この詰まりは、例えば、モータまたは圧力センサの電流変化によっても監視することができる。残留蓄積がある場合、完全な詰まりが生成される前であっても、ソフトウェアは消費電流の増加を検出し、完全な詰まりが生成される前に対策を講じることができる。
【0057】
患者に経腸供給する場合、一般に投与される食物および水に加えて、薬剤を投与することがしばしば必要とされる。破砕された薬剤または溶液と共に水をボーラス投与する一般的な慣行は上記のように、望ましくない逆流を生じ得る。したがって、薬剤を一度に少量ずつ投与することが有利である。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態によれば、流体バッグ、管、プランジャ付きシリンダ、ピストン、および弁ボックスを含む供給バッグセットが提供される。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態によれば、例えば、供給バッグキットの一部として、ポンプに流体を供給している管のうちの1つに接続されたディスペンサが提供される。次いで、薬剤は、ポンプの動作によってディスペンサの流体容器から分配される。ポンプの制御ユニットは、薬剤を投与するために所望される特定のサイクルにポンプを調節する。投薬セッションが終了すると、ポンプは、通常の供給および給水動作を再開する。別の実施形態は、追加の切り替え弁によって制御される追加の薬剤バッグおよび管を追加することに基づく。
【0060】
徐々にかつ断続的なスケジュールでの供給、給水、および薬剤投与のソフトウェア制御された切り替えは、逆流を回避するために重要であり、介護者によって手動で取り扱われ得ない。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、水などの軟化流体のストロークを供給管内にポンピングし、軟化流体を供給管の遠位端に移動させる供給流体のストロークをポンピングし、ポンピングを一時停止して軟化流体に詰まりを軟化させ、次いで供給流体の高速ストロークをポンピングして詰まりおよび軟化流体を洗い流すことによって、供給管の遠位端における詰まりを回避する方法が提供される。これは例えば、各供給サイクル中に行われ、流体の量は医師によって処方された各流体の総量に適合するように計算される。
【0062】
本発明は、複数の選択可能な流体入力を有する精密計量ポンプ(往復式および使い捨て式)を提供する。これらの流体入力は、切換弁を用いてソフトウェア選択可能である。薬剤は、スイッチによって制御される、アタッチメント、容器によって、または供給バッグキット中の追加のバッグを介して追加され得る。取り付けが容易な機構は、使い捨てポンプユニットのためのコントローラプロセッサと一体化されてもよい。
【0063】
さらに、このソフトウェアは胃残量(GRV)排出および逆流が感知されたときのポンプ停止に起因する供給損失の補償を可能にし、これらの両方は、システムによって検出される。システムは全ての逆流データ(すなわち、遮断された供給の期間、ならびにGRV/水および食物損失)を有し、これは、医師によって指示されるように、所望の所定のレート(休止エネルギー消費(REE)またはハリス-ベネディクト方程式に基づいて、および/または任意の新たな規則によって計算される)に毎日の供給を補償するためのソフトウェアの入力として使用される。補償は、次の時間レートを増加させることによって、または妨害されない供給の下で非アクティブ期間を有することに基づいて、毎日の供給方針を設計することによって、構成されてもよく、一方、非アクティブ期間は毎日の食物摂取補償のために使用されてもよい。
【0064】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その出願において、以下の説明に記載され、および/または図面および/または実施例に示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0065】
ここで図面を参照すると、
図1は本発明のいくつかの実施形態による医療用ポンプの概略基本ブロック図であり、使い捨てシステム部分および非使い捨て(再使用可能)部分への分離を強調している。本発明のいくつかの実施形態による、それぞれ、再使用可能なコンソール内および再使用可能なコンソールの外側に収容された、関連する吸引および排出弁ブロックを伴う、使い捨て医療往復ポンプを備えるシステムの概略図である、
図2Aおよび2Bも参照される。
【0066】
このシステムは、医療チャンバ11と、入口弁および出口弁を含む弁ボックス25と、駆動機構14と、制御ユニット15と、供給選択ピンチスイッチ26(選択弁)とを含む。
【0067】
チャンバ11は、例えば、シリンダ形状であってもよい。ポンプ24のサイズは、例えば、10ミリメートルとすることができる。入口供給管1および2は、選択ピンチスイッチ26によって開かれる。
【0068】
コンソール10は、コンソール制御部15、駆動機構14、ハウジング35および選択ピンチスイッチ26を含む。使い捨て可能なチャンバ11がコンソール10のハウジング35内に装着されると、駆動ブラケット37はプランジャ22を引っ張り、押し込むことができ、したがって、コマンドに続いて所望のポンプ作用(後述するレート、ストロークおよびデューティサイクルなど)を実行する。
【0069】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、コンソール10のハウジング35の内側に取り付けられた使い捨て医療チャンバ11、食物41および水42の管および容器バッグを含むシステムのいくつかの態様の概略図が示されている、
図3Aを参照する。本発明のいくつかの実施形態による、薬剤ポート49を含む
図3Aのシステムの概略図である
図3Bも参照する。
【0070】
チャンバ11は、入口ピンチ弁26によって選択された少なくとも2つの流体バッグおよび管41、42によって供給され、その結果、選択された流体のみが選択された流体バッグから入口ポート12を介してチャンバ11に入ることができる。例えば、流体バッグ41は供給材料を含み、管31に接続され、流体バッグ42は水を含み、管32に接続される。次いで、流体は、チャンバ11の出口開口部13を通って、管を介して患者に圧送される。流体は、販売業者に応じて、バッグまたは特別な容器に入れて供給することができる。
【0071】
任意選択的に、管の1つ、例えば管32は、例えば患者に薬剤を投与するために、流体ディスペンサに接続される。
図3Bは、オプションとしての薬剤ポート49の追加を示す。
【0072】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に従う、入口管31を遮断するとき(
図4A)、および入口管32を遮断するとき(
図4B)の非使い捨ての選択ピンチスイッチ26の概略図である、
図4Aおよび4Bを参照する。非使い捨ての選択ピンチスイッチ26は、コンソール10の一部である。
【0073】
ここで、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態による、吸引作用および排出作用における医療用ポンプの概略図である、
図5Aおよび5Bを参照する。
【0074】
任意選択的に、入口弁および/または出口弁は、弁ボックス25に組み込まれる。弁ボックス25は、例えば、傘型、ダックビル型、ポペット型および/または任意の他の型であり得る。
【0075】
チャンバ11の流体ハウジング、例えばシリンダ21は、プランジャ22(ピストンロッド)と、シリンダ21をシールし、往復運動を行うピストン23とを含む。プランジャ22は、制御ユニット15によって制御される駆動機構14に接続されている。駆動機構14はプランジャ22およびピストン23を引っ張り、駆動ブラケット37を使用して、入口管31または32のうちの1つから流体を引き出し、弁ボックス25を介して流体を強制的に排出口13に押し出す。
【0076】
任意選択的に、プランジャ22は、駆動機構14の往復駆動ブラケット(又はアーム)37を介して駆動機構14に接続される。任意選択的に、プランジャ22は、例えばフォーク形状のホルダを介して、往復運動を駆動ブラケット37に伝達するスリットを含む。このフォークタイプの設計は、コンソール10からのチャンバ11の迅速な取り付けおよび着脱を可能にする。駆動機構14は、当技術分野で公知のように、電気駆動モータ及びクランクで構成することができる。
【0077】
任意選択的に、チャンバ11およびその関連する管は、使い捨て供給バッグセットの一部であり、コンソールハウジング35から着脱可能である。任意選択的に、チャンバ11および管は、使い捨て部品の低コストを可能にするポリマー材料で作られる。
【0078】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による使い捨て供給バッグセット(アセンブリ)の概略図である、
図6を参照する。使い捨て供給バッグセットは、バッグ41および42と、管31、32および33と、プランジャ22およびピストン23を有するシリンダ21と、弁ボックス25と、任意選択で薬剤ポート49とを含む。
【0079】
例示的なアンブレラ型弁ボックス25が示されている。プランジャが上昇すると、アンブレラ弁がフリップアップし、アンブレラ弁の内部ポートが閉じる。アンブレラ弁の下を流体が流れ、アクティブな入口から吸引が実行される。プランジャが下降すると、アンブレラ弁がフリップダウンし、アンブレラ弁の内部ポートが開く。
【0080】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを制御するための方法を概略的に表す全体ブロック図である、
図7を参照する。この実施形態では、3つの流体源(食物、水、薬剤)が対応するソフトウェア制御選択ピンチ弁76を使用して提供される。
【0081】
コマンドセット71は、食物レート、水分レート、および投薬レート設定を含む。コマンドは、ソフトウェア73によって操作され、そのドライバ74を介してポンプ75を作動させるコントローラ72に転送される。このシステムは、逆流センサを備えたスマート供給管と、ソフトウェアへの入力として使用され、GRV排出による供給損失の補償を可能にし、逆流が感知されたときの供給阻止による供給損失の補償を可能にするGRVセンサとを含んでもよい。
【0082】
食物、水、および薬剤を収容する流体バッグ77は、弁76(V1、V2、V3)を介してポンプに接続される。78に、ポンプ制御信号の合成の一部としてポンプ制御装置にデータを供給する圧力および流れセンサを示す。
【0083】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なポンプ駆動パルス列タイミング図である、
図8Aおよび8Bを参照する。図は、単一の水の吸引および排出段階と、単一の食物の吸引および排出段階とを含む6分間のサイクルを示す。このポンピングパルス列は、短い水リンスパルスおよびより長い供給パルスを有する。
図8Aはまた、薬剤投与段階を示す。
【0084】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、ポンプ制御装置の典型的な入出力を示すブロック図である、
図9を参照する。コントローラは、システムに命令を提供するソフトウェアを組み込んでいる。入力セットは、食物レートQf[ミリリットル/時(ml/hr)]、水レートQw[ml/hr]、および投薬レートQm[ml/hr]を含む。出力セットは、コントローラ計算、ポンプレートR[サイクル/秒]、ストローク[ml]、デューティサイクル[%]および弁状態(V1,V2,V3)から得られる。任意選択的に、逆流センサによって感知されるような逆流のために供給がある間隔の間停止したとき、またはGRVのために食物が失われた場合に、対応するデータは、補償を計算するためにソフトウェアに送達され、したがって、医師の決定ごとに適切な毎日の供給を保証する。
【0085】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に従う、1サイクルにつき2つの水スクイットを有する数値例示的なポンプ制御パルス列タイミング図である、
図10を参照する。本発明のいくつかの実施形態による、休止セッションを含むポンピングおよび弁パルス列の計算に使用される例示的数値を組み込んだ典型的なアルゴリズムを示すブロック図で
図11も参照される。また、本発明のいくつかの実施形態による、ポンピングパルス列に使用されるパラメータを有する1サイクルの詳細なポンプ制御パルス列タイミング図である、
図12を参照する。このアルゴリズムは、サイクルあたりのポンプパルス列と弁の状態を示す出力パラメータにつながる計算を実行するために使用される。2つのケースを
図11に示す。第1のケースでは薬剤は必要とされず、第2のケースでは1ml/hrの薬剤が必要とされる。この例は、各サイクルが2回の水スクイット(各第2サイクル)と、それに続くゆっくりとした供給プロセスから構成されることを示す。薬剤が必要とされる場合、それは、例えば、水なしサイクルの間に投与され得る。各水スクイットは吸引のために2秒、分配のために2秒を要し、続いて、4秒の休止、および30秒の吸引を要する供給、続いて、食物の分配のために5分を要する。全体として、示される例示的なサイクルは6分間継続する。この実施例におけるポンプストロークは1.8ミリリットル(ml)であるので、実施例において必要とされるように60ml/hrの供給レートをもたらす。これらの図は一例として示されているが、ストローク量などのシステムパラメータが異なる場合には他の数値が生じることがある。
【0086】
本発明のある実施形態による、アルゴリズムによって制御される変数(ストローク、周波数およびデューティサイクル)を示す概略的なポンプ制御パルス列タイミング図である、
図13A、13B、13C、13D、13E、および13Fも参照される。
図13Aおよび
図13Bは、それぞれ、小ストローク対大ストロークを示す。
図13Cおよび
図13Dは、それぞれ、高速ポンピングレート対低速ポンピングレートを実証する。
図13Eおよび
図13Fは、それぞれ、高デューティサイクル対低デューティサイクルを示す。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプを使用して供給している間の供給管内の詰まりを防止するための例示的な典型的ストロークおよびフロースケジュールを示す概略図である、
図14A,14B、14C、14D、14E、および14Fも参照される。
【0088】
図14Aおよび
図14Bは、流体が入口管の1つからチャンバ内に引き出され、次いでチャンバから出口管(供給管)内に押し出されるときの典型的なストロークを示す。例えば、各ストロークは、1.8mlの流体からなる。
図14Cは、流体の典型的なより速いストロークを示す。
【0089】
図14Dは、1時間の供給サイクル中の例示的なストロークのセットを示す。
【0090】
最初に、1401に示すように、任意選択で、供給流体のストロークが、患者への供給管内に送り込まれる。
【0091】
次に、1402に示すように、軟化流体、例えば水のストロークが供給管内にポンプで送り込まれ、供給管の所定の長さ(例えば5ストローク)を満たす。所定の長さは、供給管詰まり形成の構造に応じて決定される。所定の長さは、例えば、10センチメートル、5~10センチメートル、または任意の他の長さであってもよい。
【0092】
次に、1403に示すように、供給流体の充填ストロークが供給管内にポンプで送り込まれ、その結果、軟化流体のストロークは供給管の遠位端に押し出され、そこでは通常、詰まりが形成される。供給流体の充填ストロークの量は、供給管の長さによって決定され、軟化流体のストロークと共に供給管を充填すべきである。
【0093】
次に、1404に示すように、ポンピングを所定時間中断して、軟化流体によって供給管の遠位端の詰まりを軟化させる。所定の時間は例えば、1分、5分、10分、または任意の他のより短い、より長い、もしくは中間の時間であり得る。
【0094】
最後に、1405に示されるように、供給流体のフラッシングストロークは軟化流体および軟化流体によって軟化された後の詰まりを除去するために、より速いレートで供給管内にポンプで送り込まれる。
【0095】
第1段階で供給管にポンプで送り込まれる供給流体(および任意選択で水)の量は、供給サイクル中の供給流体の総量が例えば医師による医療指示に従って、供給サイクルのための供給流体の規定量に等しくなるように計算される。この例では、60ml/hrの供給流体レートおよび9ml/hrの水レート、(1.8mlストロークに対して)1時間サイクルで合計38ストロークを有することが必要である。
【0096】
図14Eは、1時間の供給サイクル中の別の例示的なストロークのセットを示す。記載された例では、60ml/hrの供給流体のレート(33.3ストローク)および60ml/hrの水のレート(33.3ストローク)(水の流れレートは例えば、医師による医療処方に従って決定され得る)を有することが必要である。栄養レートで、供給管が栄養から空になるまで、水をポンプで送り込む。栄養は、供給管が流体から空になるまで、水レートでポンプを使用して送り込まれる。
【0097】
図14Fは、1時間の供給サイクル中の別の例示的なストロークのセットを示す。図示の例では、1.8mlの30回の食物ストローク、1.8mlの27回の水ストローク、および1.8mlの5回の高速水フラッシュストロークがある。すべてのストロークは60分で行われる。例示的なサイクルは、54ml/hrの供給レートおよび約57ml/hrの水レートを生じる。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態によれば、モータ過電流または過圧によって検知および作動される流れの不明瞭化ロジック管理を示すブロック図である、
図15を参照する。管内の流れが不明瞭になると、ポンプ背圧が増加し、および/または駆動流が増加する。これが検出され、例えば、流体のストロークを高速化し、より多くの水ストロークを追加し、または管交換のためのアラートを設定する作用が行われる。
【0099】
さらに、制御アルゴリズムは、図示しないアラームロジックを設定する。
【0100】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、それぞれ、医療用ポンプ用のシリンジ型ディスペンサ、シリンジ型ディスペンサ、およびプラグを介して管に接続された、シリンジ型ディスペンサのためのプラグを有する供給管の概略図である、
図16A、
図16B、および
図16Cを参照する。
【0101】
管32は、管32を閉じ、液体バッグからの液体の流れを阻止する、スライド弁1601のような弁を含む。管32はまた、分配開口部1602を含む。任意選択的に、通常の供給プロセスにあるとき、開口部1602は保護プラグ1603によって覆われる。流体容器1604、例えば、シリンジ型流体容器は、ポンプ吸引から生じる流体の流れを可能にするコネクタ1605によって、開口部1602に取り付けられ得る(そして、空の場合、後に取り外され得る)。シリンジは、例えば、ルアー型カップリングまたはENFit型カップリングによって接続される。
【0102】
弁型ディスペンサを介して薬剤を投与する例示的なプロセスは、以下の通りである。
1.スライド弁1601は、オペレータによる液体の流れを防止するために閉じられる。
2.ポンピングを停止する。例えば、流動抵抗の変化は、ポンピングを停止する制御ユニット15によって識別される。
3.流体容器1604は、オペレータによって適切な量の薬剤で満たされる。
4.保護プラグは、オペレータによって取り外される。
5.流体容器1604は、オペレータによってコネクタ1605によって分配装置に結合される。
6.対話型スクリーン上の所望の分配レートは、オペレータによって選択され、制御ユニット15に入力される。
7.ポンピングは、例えば、分配レートがオペレータによって選択されたときに自動的に再開される。
8.ディスペンサが空になったとき、ポンピングは停止される。例えば、流動抵抗の変化は、ポンピングを停止する制御ユニット15によって識別される。
9.シリンジを取り外し、カップをオペレータが取り付ける。
10.スライド弁はオペレータによって再び開かれ、流体の流れを可能にする。
11.ポンピングは、次の投薬スケジュールまで再開される。
【0103】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、医療用ポンプのための2部分の流体ディスペンサに基づく別の実施形態の概略図である、
図17A、
図17B、
図17C、および
図17Dを参照する。
【0104】
ディスペンサ1700(
図3Bにも示される)は、流体を供給する入口管に接続される入口開口部1711を有するハウジング1710と、管32などの管を介して、例えば、入口開口部などの医療用ポンプの入口開口部に接続される出口開口部1712とを含む。
【0105】
ピストン1720は、ハウジング1710に封入される。ピストン1720は、入口チャネル1721と、分配チャネル1722とを含む。ハウジング1710はピストン1720がハウジング1710から摺動しないように、ストッパピン1715を含んでもよい。
【0106】
ピストン1720が解放位置にあるとき、流体は、入口開口部1711から入口チャネル1721を介して出口開口部1712に流れる。
【0107】
ディスペンサはまた、着脱可能な流体容器1730、例えば薬剤の容器を含む。着脱可能な流体容器1730は、例えば、ルアー型カップリングまたはENFit型カップリングなどの流体の流れを可能にするコネクタ1731を介して、ピストン1720に取り付けられてもよい。着脱可能な流体容器1730がピストン1720に取り付けられると、ピストン1720は押された位置に移動され、流体は分配チャネル1722を介して、着脱可能な流体容器1730から出口開口部1712に流動する。押された位置では、ピストン1720がスプリング1714に押し付けられ、したがって、入口チャネル1721を通る流体バッグからの流れを遮断し、分配チャネル1722を通る着脱可能な流体容器1730からの流れを可能にする。任意選択的に、通常の供給プロセスにあるとき、ハウジング1710は保護プラグ1713によって封入され、したがって、分配チャネル1722は閉じられる。
【0108】
着脱可能な流体容器1730がピストン1720から取り外されると、スプリング1714はピストン1720を解放位置に押し戻し、したがって、入口チャネル1721を介して流体バッグから流動を可能にする。
【0109】
着脱可能な流体容器1730は、
図17Cに示すように、シリンジを充填するのと同様の方法で、オペレータが容器ピストン1731を引っ張ることによって着脱可能な流体容器1730に流体を充填することを可能にする容器ピストン1731を含むことができる。2部分を取り付けることによって、プランジャは左に移動し、したがって、
図17Dに示すように、流体を遮断し、ポンプへの薬剤分配ポートを開く。
【0110】
弁型ディスペンサを介して薬剤を投与する例示的なプロセスは、以下の通りである。
1.着脱可能な流体容器1730は、オペレータによって薬剤で満たされる。
2.システムは、オペレータによって、例えば対話型スクリーンを押すことによって、投薬モードに設定される。
3.薬剤の流れレートはオペレータによって選択され、チャンバ11の動作は制御ユニット15によって調整される。
4.任意選択的に、薬剤の総量もオペレータによって選択される。
5.保護プラグ1713は、オペレータによって取り外される。
6.着脱可能な流体容器1730は、オペレータによってハウジング1710に取り付けられる。
7.任意選択的に、総量も選択されると、オペレータは着脱可能な流体容器1730が取り付けられていることを確認し、その後にのみ、チャンバ11の動作が制御ユニット15によって調整される。
8.任意選択的に、着脱可能な流体容器1730が空になると、対話型スクリーン上でオペレータにメッセージが提示される。
9.着脱可能な流体容器1730が空になると、それはオペレータによって取り外される。
10.保護プラグ1713は、オペレータによって交換される。
11.通常の流れレートは、オペレータによって、例えば対話型スクリーンを介して所望に応じて設定される。
【0111】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、コンソールを操作する際に使用される例示的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である、
図18A、
図18B、
図18C、
図18D、および
図18Eを参照する。コマンド画面のプロセスと、薬剤投与の制御コンソール起動が示されている。
【0112】
様々な理由による患者への調剤ミスは、その悲劇的な結果のため最小限にすべきである。今日の設計におけるIOT(internet of things)の普及は、本明細書に記載されるようなクローズドサイクル認証システムの機会を提供する。医師の処方箋から患者への薬剤投与までの閉ループフローサイクルを制御することによって、すべてのエラーを所望に応じて最小限に抑えることができる。
【0113】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、医療チームによる医療用ポンプ使用の安全サイクルを概略的に表すブロック図である、
図19Aおよび19Bを参照する。
【0114】
無線周波数識別装置(RFID)は大量のデータ(>8000バイト)を含むことができるので、患者への投与前に薬剤を制御し認証し、電子健康記録(EHR)に挿入された医師の指示に従うことをチェックするために後に示される、投薬された薬剤に完全な薬剤および治療プロファイルを追加するために、大容量を利用することができる。
【0115】
図示のように、閉ループは医師の指示から始まり、例えば、看護師による患者への投薬投与で終わる。
【0116】
医師は自分の治療下にある特定の患者のために、自分の処方および使用の指示をEHRに打ち抜くことによって、サイクルを開始する。
【0117】
次いで、データは、サーバおよび患者コンソール(患者に関連付けられ、任意選択で患者のベッドサイドに記憶される端末)ならびに薬局に送達される。データは例えば、薬剤の種類、用量、投与および/または患者識別(ID)を含んでもよい。
【0118】
薬局は、患者IDデータならびに薬剤データおよび投薬量を含むRFIDを装備した、シリンジなどの容器内に薬剤を調製する。RFIDは例えば、薬剤の容器に取り付けることができる。
【0119】
薬剤容器は、ポイントオブケア(POC)に送達される。
【0120】
投薬RFIDは、患者コンソールの情報と照合される。
【0121】
合致した場合、患者に薬剤を投与し、ミスマッチした場合、すべてのサイクルを再チェックする。
【0122】
次に、スプリングロードシリンジ付き薬剤ポートを用いた薬剤投与の別のメカニズムを概念的に描写した、
図20A~Eを参照する。ポンプおよび制御コンソールのような、他の実施形態に関連して詳細に説明された要素は、
図20A~20Eの実施形態に関連して同様に動作し、したがって、それらの機能は、詳細には説明されない。
【0123】
図20Aを参照すると、薬剤200が充填されたシリンジ201が、接続管208に取り付けられたハウジング202内に配置される。接続管208は、食物または水の供給源のための入口205に接続するための第1の逆止弁(一方向弁としても知られている)207と、シリンジ201に流体的に接続された第2の逆止弁とを有するハウジングである。逆止弁207は、逆流および漏れを防止する。接続管208はY型コネクタであり、
図20Cに見られるように、ポンプ機構に流体的に接続可能な出口206も含む。シリンジ201は、ばね203によってばね付勢されたガイドロッド204を含む。
【0124】
薬剤200の投与が必要とされる場合、薬剤200を含むシリンジ201は、ハウジング202に挿入される。
図20Aに示すこの位置では、シリンジ201は逆止弁207に流体的に接続されている。ガイドロッド204とばね203もハウジング202に挿入される。ガイドロッド204及びばね203の挿入に続いて、シリンジ201はハウジング202内の所定位置にロックされる。その結果、薬剤200は予圧下に置かれる。
【0125】
図20Cに見られるように、使い捨てポンプ224は、ポンプ駆動機構を組み込んだ制御コンソール223に組み込まれる。ポンプ224は、第1の一方向弁および第1の供給管(222で一緒に概略的に示される)を介して食物容器221に接続された第1の入口と、第2の一方向弁および第2の供給管(206で一緒に概略的に示される)を介して水容器220に接続された第2の入口とを有するハウジングを備える。図示の実施形態では、シリンジ201がYコネクタ208を介して水容器220の入口206にも接続されているが、薬剤ディスペンサ201は食物容器221の入口222にも接続することができる。ポンプ出口管225は流体、薬剤、および/または食物を患者に送達するために、ポンプ224の出口に取り付けられる。
【0126】
ポンプ224は、管理者によって制御コンソール223を介して設定された予め割り当てられたレートで薬剤200をポンプで送り出す。ポンプ224は、吸引を介してシリンジ201から薬剤200を吸引する。逆止弁207および入口206、222に関連する一方向弁は薬剤が漏れるのを防止し、薬剤が水容器220または食物容器221に流入するのを防止する。このように、薬剤200はばね203によって引き起こされる予荷重下にあるので、薬剤は出口206を介して患者に送り込まれる。
【0127】
コンソール223が、薬剤投与が完了したことを示すと(ロッド204が完全に押し下げられた状態によっても示される)、ばね203がシリンジ端部フランジによって遮断されるので、(第1の一方向弁207を介した)供給入口205を通る水の送達が自動的に再開される。一旦シリンジ201が空になると、システムは自動的に水のポンピングを開始するので、実際にはシリンジ201を取り外す必要はない。予めプログラムされたソフトウェアは、投薬セッションを終了すると、通常の供給レートに切り替わる。
【0128】
図20Bは、シリンジハウジング202Aを接続管208Aに取り付けるための代替の機構を示す。他の点では、
図20Bの装置は
図20Aの装置と同一である。
図20Bに示すように、ハウジング202Aと接続管208Aとの接続は、差込み型カップリングまたはENFit型の接続によって行われる。投薬セッションが完了すると、ハウジング202Aは分離され、ブラインドカップカバー(図示せず)と交換される。残りの手順は、
図20Aに関連して説明したものと同じである。
【0129】
図20Dは
図20A、20B、及び20Cのシステムを介して食物及び薬剤を投与する工程を示すブロック図であり、
図20Eは、
図20A及び20Bのポンプシステムで薬剤セッションを操作する際に使用される典型的なグラフィックユーザインターフェース(GUI)の概略図である。
【0130】
図20Dおよび
図20Eを参照すると、ステップ210において、ユーザは投薬セッションを開始する。ステップ211において、ユーザは、GUIにおいて、投薬量(例えば、ml単位)および投与時間(例えば、秒単位)をパンチインする。ステップ212において、ユーザは、
図20Aおよび20Bに関連して上述したように、薬剤シリンジ201をポンプシステムに取り付ける。ステップ213において、ユーザは、例えば、GUI上のボタンを押すことによって、薬剤投与を開始する。ステップ214において、薬剤が送達される。ステップ215において、GUIコンソールは、投薬セッションが終了したことを示す。任意選択的に、ステップ216で、シリンジが取り外される。最後に、ステップ217において、通常の供給が再開され、GUI上に示される。
【0131】
本発明の様々な実施形態の説明は例示の目的で提示されているが、排他的であることも、開示された実施形態に限定されることも意図されていない。記載された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の適用または技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選択されている。
【0132】
本出願からの特許の存続期間中に、多くの関連する医療用ポンプが開発されることが予想され、医療用ポンプという用語の範囲は、このような新しい技術の全てを先験的に含むことが意図される。
【0133】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」およびそれらの複合体は「含むが、これに限定されない」を意味する。この用語は「構成される(consisting of)」および「本質的に構成される(consisting essentially of)」という用語を包含する。
【0134】
「から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は組成物または方法が追加の成分および/またはステップを含んでもよいことを意味するが、追加の成分および/またはステップが特許請求される組成物または方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限る。
【0135】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0136】
「例示的」という語は、本明細書では「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために使用される。「例示的」として説明される任意の実施形態は必ずしも、他の実施形態よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを排除するように解釈されるべきではない。
【0137】
用語「任意選択的に」は、本明細書では「いくつかの実施形態で提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するために使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が矛盾しない限り、複数の「任意選択の」特徴を含むことができる。
【0138】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲フォーマットで提示されてもよい。範囲形式での説明は単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6などを具体的に開示した部分範囲を有すると考えるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0139】
数値範囲が本明細書で示されるときはいつでも、それは、示された範囲内の任意の引用された数字(小数または整数)を含むことを意味する。語句「範囲(ranging)/範囲(ranfing between)」第1の示された数および第2の示された数、「範囲(ranging)/範囲(ranging from)」第1の示された数「to」第2の示された数は、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の示された数、ならびにそれらの間のすべての小数および整数を含むことを意味する。
【0140】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または本発明の任意の他の説明された実施形態で適切なものとして提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0141】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にある、そのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図される。
【0142】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれるように具体的および個別に示されたのと同範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを自認するものとして解釈されるべきではない。節の見出しが使用される範囲において、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【0143】
さらに、本出願の任意の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。