(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】RFID電子タグ及び加工方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20231226BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G06K19/077 212
G06K19/077 232
G06K19/077 280
H01Q9/16
(21)【出願番号】P 2021500716
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2019095394
(87)【国際公開番号】W WO2020011188
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】201810752286.7
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520167634
【氏名又は名称】青▲島▼海威物▲聯▼科技有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】517095962
【氏名又は名称】▲軟▼控股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】董▲蘭▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】姚永
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼海▲軍▼
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0356396(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105320984(CN,A)
【文献】中国実用新案第204204004(CN,U)
【文献】特開2006-160243(JP,A)
【文献】特表2011-519247(JP,A)
【文献】特表2013-514230(JP,A)
【文献】国際公開第2018/036038(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に半田付けされた無線周波数モジュールとアンテナと、を備えるRFID電子タグであって、
前記基板の両端には、それぞれ前記アンテナを収容するU字型の係合溝が設けられ、前記U字型係合溝の両側の前記基板には、それぞれ前記アンテナの半田付けに用いられるボンディングパッドが設置されて
おり、
前記アンテナは、前記U字型係合溝内に圧入されると共に、前記U字型係合溝内で半田付けにより固定されている、ことを特徴とするRFID電子タグ。
【請求項2】
前記U字型の係合溝の幅は、前記アンテナの幅以上であることを特徴とする請求項1に記載のRFID電子タグ。
【請求項3】
前記U字型係合溝に配置される前記アンテナのピッチ区間は、前記U字型係合溝の外の前記アンテナのピッチ区間以下であることを特徴とする請求項1に記載のRFID電子タグ。
【請求項4】
RFID電子タグの加工方法であって、
以下のステップを含む、即ち、
(1)印刷された基板上に半田ペーストを塗るステップと、
(2)チップは、SMTチップマウンターによって自動的に装着され、即ち、無線周波数モジュールは、前記基板上に装着されるステップと、
(3)アンテナを前記基板のU字型係合溝に載置した後、下方へ圧入する方法で前記アンテナを前記基板の前記U字型係合溝に圧入するステップと、
(4) 噴流式半田付けまたはリフロー半田付けにより前記基板と、前記無線周波数モジュールと、前記アンテナと、を半田付けするステップ
であって、前記U字型係合溝内に圧入された前記アンテナを、前記U字型係合溝内で半田付けにより固定するステップ、を含む
ことを特徴とするRFID電子タグ加工方法。
【請求項5】
前記ステップ(3)では、前記アンテナを前記基板の前記U字型係合溝の側端部に配置し、側端からのプッシュ方法によって前記基板の前記U字型係合溝に押し込まれる
ことを特徴とする請求項4に記載のRFID電子タグの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年7月10日に中国特許庁に提出され、出願番号は201810752286.7であり、発明名称は「RFID電子タグ及び加工方法」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、本出願に引用して結合されている。
【0002】
本発明は、RFID装置の技術分野に属し、特に、タイヤ内部を移植するための新規のRFID電子タグ及び加工方法に関する。
【背景技術】
【0003】
RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)は非接触自動識別技術であり、無線周波数信号を介して目標対象物が自動的に識別され、関連データが得られ、識別作業は手動の介入を必要とせず、様々な厳しい環境で作業することができる。RFID技術は、高速移動物体を識別することができ、複数のタグを同時に識別することができ、操作は迅速で便利である。RFIDシステムは、カップリングエレメント及びチップからなるラベルと、ラベル情報の読み取り及び書き込み装置であるリーダと、アンテナタグとリーダとの間で無線周波数信号を送受信するアンテナとの3つの部分からなる。
【0004】
タイヤの内部にRFID電子タグを移植する工程はタイヤ成形段階中に行われ、高温加硫後、タイヤと完全に組み合わされ、タイヤのライフサイクル全体に伴って使用され、特定の情報を記録するために使用され、タイヤの販売や使用工程における偽造防止、シリアル商品、請求決済等の問題が解決される。RFID電子タグは、アンテナと無線周波数モジュールとの接続によってデータの送受信を実現し、タイヤの製造工程や従来の使用に起因するタイヤの撓みや変形は、アンテナや電子機器の破裂、損傷または老化により分離となり、従って、電子タグ構造を最適化することにより、電子タグのロバスト性を効果的に向上させることができる。
【0005】
中国特許文献では、公開番号はCN103068598Aであり、発明名称は「スプリング指向型RFIDボード」であり、プリント回路基板(PCB)に一対の非対称アームが配置されることによって、PCBの相対の端部にノッチが形成される技術的解決策が公開された。渦巻き状のアンテナ素子は、ノッチ内に配置され、非対称アームの端部は個々の渦巻き型アンテナ素子の最も近い経路に隣接して位置決めされる。この技術的解決策によれば、渦巻き状のアンテナは、基板内に係合される必要があり、プロセスは複雑であり、手動操作が必要であり、大量の自動化生産が達成できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、RFID電子タグ及び加工方法を提供して、その目的は、タグの全体的な厚さが減少され、タグの厚さがアンテナの直径に近似し、実装過程における気泡発生のリスクが低減されることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術的解決策は以下の通りである、即ち、
基板と、前記基板に半田付けされた無線周波数モジュールとアンテナと、を備えるRFID電子タグであって、前記基板の両端には、それぞれ前記アンテナを収容するU字型の係合溝が設けられ、前記U字型係合溝の両側の基板には、それぞれ前記アンテナの半田付けに用いられるボンディングパッドが設置されている。
【0008】
従来技術と比較して、本発明は、電子タグの全体的な厚さを減少させる概念に基づいて設計された新規な電子タグである。現在、従来の電子タグでは、アンテナは基板の表面に装着され、半田厚さを加えると、タグの厚みが高くなり、タイヤに移植する工程において気泡が発生するおそれがある。本技術的解決策によれば、基板の両端にU字型の係合溝が設置され、アンテナを係合するために使用され、タグの全体的な厚さが減少され、実装工程における気泡のリスクが低減される。
【0009】
このような構造の電子タグの複数の表面構造は異なり、バッチ方式で自動的に移植されると、問題が発生しやすい。
【0010】
上記の技術的解決策に基づいて、本発明は、以下の改良を行う。
【0011】
さらに、前記U字型係合溝の幅は、前記アンテナの幅以上である。本改良方式では、U字型係合溝の幅は、アンテナの幅よりも僅かに大きくすることができ、RFID電子タグが加工工程において、半田ペーストは最初にブラッシングされ、半田ペーストはU字型の係合溝の側壁に入ることができ、U字型係合溝の幅が僅かに小さくなっている。従って、U字型の係合溝の幅は、アンテナの幅よりも僅かに大きくても、アンテナと無線周波数モジュールや基板との半田付けを実現することもできる。
【0012】
さらに、前記U字型係合溝に配置されるアンテナのピッチ区間は、U字型係合溝の外のアンテナのピッチ区間以下である。本改良方式では、アンテナの溶接端のピッチ区間が小さく、溶接面積を増大させるこれによって、アンテナ溶接の丈夫さが確保される。
【0013】
本発明は、RFID電子タグ加工方法に関するものであり、以下のステップを含む。
【0014】
(1) 印刷された基板上に半田ペーストを塗るステップと、
(2)チップは、SMTチップマウンターによって自動的に装着され、即ち、無線周波数モジュールは、基板上に装着されるステップと、
(3)アンテナを前記基板のU字型係合溝に載置した後、下方へ圧入する方法でアンテナを基板のU字型係合溝に圧入するステップと、
(4) 噴流式半田付けまたはリフロー半田付けにより基板と、無線周波数モジュールと、アンテナと、を半田付けするステップと、を含む。
【0015】
前記ステップ(3)では、前記アンテナを前記基板の前記U字型係合溝の側端部に配置し、側端からのプッシュ方法によって前記基板の前記U字型係合溝に押し込まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、タグの全体的な厚さが減少され、タグの厚さがアンテナの直径に近似するようにし、実装工程における気泡のリスクが低減されることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るシステムの上面構造を示す概略図である。
【
図4】本発明の非半田付け時の構造を示す概略図である。
【発明の詳細な説明】
【0018】
図1に示すように、RFID電子タグは、基板1と、基板1に半田付けされた無線周波数モジュール2とアンテナ3と、を備え、前記基板1の両端には、それぞれU字型係合溝6が設けられ、前記U字型係合溝6は、アンテナ3を載置するためのものであり、前記U字型の係合溝6の両側の基板1上には、アンテナを半田付けするために用いられるボンディングパッドが設置されている。前記U字型係合溝6の幅は、アンテナ3の幅以上である。前記U字型係合溝6のアンテナのピッチ区間(ピッチ間隔)は、U字型係合溝の外のアンテナのピッチ区間(ピッチ間隔)以下である。
図2及び
図4に示すU字型係合溝のアンテナのピッチ区間は、U字型係合溝の外のアンテナのピッチ区間よりも小さいものである。
【0019】
本発明は、RFID電子タグ加工方法に関するものであり、以下のステップを含む。
【0020】
(1) 印刷された基板上に半田ペーストを塗るステップと、
(2)チップは、SMTチップマウンター(チップ装着機)によって自動的に装着され、即ち、無線周波数モジュールは、基板上に装着されるステップと、
(3)アンテナを前記基板のU字型係合溝に載置した後、下方へ圧入する方法でアンテナを基板のU字型係合溝に圧入さするステップと、
(4) 噴流式半田付けまたはリフロー半田付けにより基板と、無線周波数モジュールと、アンテナと、を半田付けするステップと、を含む。
【0021】
前記ステップ(3)では、前記アンテナを前記基板の前記U字型係合溝の側端部に配置し、側端からのプッシュ方法によって前記基板の前記U字型係合溝に押し込まれる。
【0022】
図2及び
図3は、本出願の構造および先行技術のタグ接続箇所の構造が示され、図からわかるように、本発明のアンテナと無線周波数モジュールとの接続部5は、半田付け後の厚さは従来技術の厚さよりも明らかに小さく、従来技術よりも1つの基板の厚さを小さくする。
【符号の説明】
【0023】
1 基板
2 無線周波数モジュール
3 アンテナ
5 アンテナと無線周波数モジュールとの接続部
6 U型係合溝