(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】照明装置及び浴室
(51)【国際特許分類】
F21V 31/00 20060101AFI20231228BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20231228BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231228BHJP
F21V 31/03 20060101ALI20231228BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231228BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231228BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231228BHJP
【FI】
F21V31/00 100
F21S8/02 100
F21S2/00 230
F21V31/03 400
F21V19/00 210
F21V19/00 450
F21V31/00 200
F21V31/00 300
F21V17/00 154
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019159212
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-258476(JP,A)
【文献】特開2018-018820(JP,A)
【文献】特開2017-091827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 17/00-17/20
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光源ユニットが収容され、軸線方向に延びる筒状のケースと、
前記ケースの軸線方向の端部に形成された開口から前記ケースの内部に挿入される挿入部を有し、前記開口を塞ぐキャップと、
前記挿入部の外面と前記ケースの内面との間に設けられ、前記挿入部の外面と前記ケースの内面とに密着する止水部材とを備え
、
前記ケースは、表面側が開放された筐体と、前記筐体の表面側に取り付けられる透光カバーとを有し、
前記止水部材は、前記挿入部の外面と前記透光カバーの内面とに密着するものであり、前記筐体と前記キャップとの間をシールするシール部材と別体である照明装置。
【請求項2】
前記止水部材の全体は、
前記ケースの軸線方向の端面から軸線方向の内方に離れて前記ケースの内部に位置し、
前記ケースの軸線方向の端部には、前記挿入部の外面と前記ケースの内面との間に隙間が形成され
、
前記隙間は前記止水部材よりも軸線方向の端面側に形成されている請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記挿入部は、前記ケースの内部への挿入方向における先端面に、前記光源ユニットの前記軸線方向の位置を決める軸線方向位置決め部を備える請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の照明装置。
【請求項4】
前記挿入部は、前記光源ユニットと前記透光カバーとの間の間隔を確保するように前記光源ユニットの位置を決める間隔位置決め部を備える請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の照明装置を備えた浴室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方向に長い照明装置が知られている。例えば下記特許文献1には、浴室に取り付けられる一方向に長い照明装置が記載されている。この照明装置は、一方向に長いケーシング部材を有している。ケーシング部材の長さ方向の端部には端部開口部が形成されている。端部開口部は端部キャップ部材によって塞がれている。端部キャップ部材は、ケーシング部材の端部の外面に沿って延出する表面板部を有している。表面板部とケーシング部材との間に、止水部材が取り付けられている。止水部材は、ケーシング部材の端部の外面と端部キャップ部材の表面板部の板面とに接触した状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の照明装置は、ケーシング部材の外面に止水部材及び端部キャップ部材の表面板部が重なって段差ができるため見た目が良くない。このため、止水部材によって止水性を確保でき、かつ見た目がよい照明装置が望まれた。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、止水部材によって止水性を確保でき、見た目が良い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の照明装置は、内部に光源ユニットが収容され、軸線方向に延びる筒状のケースと、前記ケースの長さ方向の端部に形成された開口から前記ケースの内部に挿入される挿入部を有し、前記開口を塞ぐキャップと、前記挿入部の外面と前記ケースの内面との間に設けられ、前記挿入部の外面と前記ケースの内面とに密着する止水部材とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】浴室ユニットの一部拡大断面図であって、照明装置を取り付けた状態を示す断面図
【
図3】照明装置及び照明固定用フレームの係止構造を示す斜視図
【
図4】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付ける前の状態を示す斜視図
【
図5】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【
図6】浴室ユニットの下端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【
図10】照明装置の下端部を示す一部拡大断面図であって、
図9のA-A位置における断面に相当する断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
照明装置Lは、一方向に長い照明装置Lである。照明装置Lは、
図1に示すように、浴室ユニット10に取り付けられる。浴室ユニット10は、シャワー装置Mを備えたシャワーユニットである。浴室ユニット10は、上下方向に長い縦長の室内空間を有する。浴室ユニット10は、床部材11、壁パネル12及び天井パネル13を備えている。床部材11は、浴室ユニット10の床面を形成する。壁パネル12は、床部材11の上方に立ち、浴室ユニット10の側面を形成する。天井パネル13は、浴室ユニット10の上方を覆う。天井パネル13は、浴室ユニット10の天上面を形成する。浴室ユニット10の四方の側面のうち一つの側面(側面17と称する)には、浴室ドアDが設けられている。以下、各構成部材において、
図1の上側を上側、下側を下側、浴室ユニット10の室内側を表側、浴室ユニット10の室内と反対側を裏側として説明する。
【0009】
浴室ユニット10は、
図2に示すように、柱部材14、照明固定用フレーム20及び照明装置Lを備えている。柱部材14は、浴室ユニット10の角部に立つ。照明固定用フレーム20は、浴室ユニット10の角部において柱部材14と壁パネル12との間に立つ。照明装置Lは、照明固定用フレーム20に固定される。
【0010】
照明固定用フレーム20は、金属板(溶融亜鉛めっき鋼板など)を曲げ加工等して形成されている。照明固定用フレーム20は、床から天井まで延びている。照明固定用フレーム20の下端は床部材11に固定されている。
【0011】
照明固定用フレーム20は、
図2に示すように、照明装置Lの裏面側に配置されるフレーム裏面部21と、フレーム裏面部21から表側に立つ左右一対のフレーム側面部22とを有している。一対のフレーム側面部22の間に、照明装置Lが取り付けられる。
【0012】
フレーム裏面部21には、照明装置Lの配線(図示せず)を通す配線通し部25が形成されている(
図3参照)。フレーム裏面部21には、照明装置Lに係止するフレーム側係止部26が設けられている。フレーム側係止部26は、フレーム裏面部21の一部を表面に切り起こして形成された係止爪27の上縁である。照明固定用フレーム20の上端部には、天井パネル13と照明装置Lとの間の隙間を塞ぐスペーサSが取り付けられる(
図4及び
図5参照)。
【0013】
照明装置Lは、光源ユニット30と、ケース40と、キャップ61,62とを備えている。光源ユニット30は、一方向に長い。ケース40は、内部に光源ユニット30が収容される一方向に長い筒状をなす。キャップ61,62は、ケース40の軸線方向の両端部に形成された開口のそれぞれを塞ぐ。
【0014】
照明装置Lが浴室ユニット10に取り付けられた状態において、照明装置Lの軸線方向は上下方向と一致する。照明装置Lは、
図2に示すように、照明固定用フレーム20の表面に配置される。照明装置Lの幅寸法(左右方向の寸法)は、照明固定用フレーム20の一対のフレーム側面部22の間に入ることができる寸法である。照明装置Lの厚さ寸法(表裏方向の寸法)は、壁パネル12の厚さ寸法と同等である。照明装置Lは、幅寸法が厚さ寸法よりも大きい横長の方形断面を有している。照明装置Lの長さ寸法は、スペーサSの上下方向の寸法分だけ照明固定用フレーム20の長さ寸法よりも短い。
【0015】
光源ユニット30は、多数の光源(LED等)が実装された基板31と、基板31を内部に収容する枠体32と、枠体32に収容された基板31を封止する樹脂材33とを有している。光源ユニット30は、細長い角柱状をなしている。光源ユニット30の表面は発光面である。光源ユニット30は、全長にわたり表方向に光を照射する。光源ユニット30の上端部に、照明装置Lの配線が接続されるコネクタ部Cが設けられている。
【0016】
ケース40は、
図10に示すように、表面が開放された形態の筐体41と、筐体41の開放部を塞ぐように取り付けられる透光カバー42とを有している。透光カバー42は、透光部に対応する。筐体41に透光カバー42が取り付けられた状態においてケース40は筒状をなし、軸線方向の両端部は開口している。
【0017】
筐体41は、例えばアルミ等の金属材によって形成されている。筐体41は、
図10に示すように、光源ユニット30の裏面に配置されるケース裏面部43と、ケース裏面部43から表側に立つ左右一対のケース側面部44とを有している。一対のケース側面部44は略平行をなす。一対のケース側面部44はケース裏面部43と略直交する。
【0018】
一対のケース側面部44は、一対の第1ケース側面部44Fと、一対の第2ケース側面部44Sとを有している。一対の第2ケース側面部44Sは、一対の第1ケース側面部44Fよりも左右方向の間隔が大きい。第2ケース側面部44Sは第1ケース側面部44Fよりも表側に位置している。第1ケース側面部44Fの表側の縁と第2ケース側面部44Sの裏側の縁とはケース段差部45によって連結されている。
【0019】
一対の第1ケース側面部44Fの間は、光源ユニット30が取り付けられる光源ユニット取付部46である。光源ユニット取付部46は表側に開放されている。第1ケース側面部44Fの内面には、保持部材54が係止する係止リブ47が突出して設けられている(
図2参照)。
【0020】
保持部材54は、金属板材によって形成されている。保持部材54は、光源ユニット取付部46に収容された光源ユニット30に当接する。これによって、光源ユニット30は、ケース裏面部43から表側に離れることを制限される。
【0021】
一対の第2ケース側面部44Sの外面には、
図2に示すように、照明固定用フレーム20のフレーム側面部22の表側の縁に当接する当接部53が突出して設けられている。当接部53は、筐体41の全長に延びて形成されている。
【0022】
ケース裏面部43は、
図3に示すように、ケース側面部44から左側及び右側に張り出したフランジ部49を有している。
【0023】
ケース裏面部43には、
図3に示すように、照明固定用フレーム20に係止するケース側係止部51が設けられている。ケース側係止部51は、フランジ部49に形成された切欠き52の上縁である。切欠き52は、左右のいずれかが開放された上下方向に長い方形状である。
【0024】
ケース裏面部43の表面には、
図10に示すように、一対のリブ59が突出している。一対のリブ59の間に、光源ユニット30が配置される。一対のリブ59は、光源ユニット30の左右両側面に沿って立つ。これによって、ケース40に対して光源ユニット30の左右方向の位置が決まる。
【0025】
ケース段差部45の表面には、透光カバー42の係止片57が係止する係止壁55が設けられている。係止壁55は、ケース段差部45から表側に突出している。係止壁55は第2ケース側面部44Sと略平行をなしている。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間は表側に開放されている。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に、透光カバー42の係止片57が挿入される。透光カバー42の係止片57は、係止壁55の先端に係止する。
【0026】
透光カバー42は、筐体41の開放側に取り付けられて開放部を覆う。透光カバー42は、合成樹脂製であって、
図10に示すように、カバー本体56と、左右一対の係止片57とを有している。カバー本体56は、平板状をなす。カバー本体56は、筐体41の第2ケース側面部44Sの表側の縁の間にわたっている。カバー本体56は、筐体41に取り付けられた状態において筐体41のケース裏面部43と略平行である。
【0027】
係止片57は、カバー本体56の左右両縁部から裏側に突出している。係止片57は、係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に挿入される。係止片57の先端は係止壁55に係止する。係止片57と第2ケース側面部44Sとの間には、筐体41と透光カバー42との間を止水する止水部材58が装着されている。
【0028】
照明装置Lは、ケース40の軸線方向の両端部に形成された開口を塞ぐ上キャップ61及び下キャップ62を備えている。上キャップ61は、ケース40の軸線方向の一端(浴室ユニット10に固定された状態における上端)に取り付けられる。下キャップ62は、ケース40の軸線方向の他端(浴室ユニット10に固定された状態における下端)に取り付けられる。
【0029】
上キャップ61は、
図4に示すように、上キャップ部63と、挿入部(上挿入部64と称する)とを有している。上キャップ部63は、ケース40の上端面と上下方向に対向する面を有する。上挿入部64は、ケース40の内部に挿入される。上挿入部64は筒状である。上挿入部64の内部に光源ユニット30の電線W及びコネクタCが挿入される(
図7参照)。
【0030】
上キャップ61とケース40との間は、
図4及び
図5に示すように、止水部材(上止水部材70Uと称する)によって止水されている。上止水部材70Uは、上挿入部64の外面と透光カバー42の内面とに密着する。上止水部材70Uは、上挿入部64の表面に密着する第1止水部71と、上挿入部64の左右両面に密着する第2止水部72とを有している。第2止水部72は、第1止水部71の左右両端から略直角に同じ方向に屈曲している。上止水部材70Uは、上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも小さい帯状である。第1止水部71の上下方向の寸法と第2止水部72の上下方向の寸法とは同じである。上止水部材70Uは、上挿入部64の下端部に装着される(
図7参照)。上止水部材70Uの下縁は、
図7に示すように、上挿入部64の下縁と高さ方向の位置が同じである。上止水部材70Uの上下方向の寸法は、上挿入部64の上下方向の寸法の半分よりも小さい寸法である。
【0031】
上キャップ61をケース40に取り付けた状態では、
図7に示すように、上止水部材70Uは、ケース40の上端面(軸線方向の端面)から下方に離れて位置する。この状態では、ケース40の上端部(軸線方向の端部)には、上挿入部64の外面と透光カバー42のカバー本体56の内面との間に隙間73が形成されている。隙間73は、透光カバー42の上端よりも上方において表側に開放されている。
【0032】
上キャップ61をケース40に取り付けた状態では、
図7に示すように、筐体41の上端面と上キャップ部63の下面との間にはシール部材81が挟まれている。上キャップ61をケース40に取り付けた状態では、透光カバー42の上端面は、筐体41の上端面よりも下方に位置する。
【0033】
下キャップ62は、
図9に示すように、下キャップ部65と、挿入部(下挿入部66と称する)とを有している。下キャップ部65の上面には、下挿入部66が設けられている。下キャップ部65は、ケース40の下端面と軸線方向に対向する面を有する。下挿入部66は、ケース40の内部に挿入される。
【0034】
下キャップ部65は、
図8に示すように、上下方向に長い柱状をなしている。下キャップ部65は、ケース40の下端と床面との間の隙間を埋める(
図6参照)。下キャップ部65の上端には、傾斜面74が形成されている。傾斜面74は、ケース40の内側から外側に向かって下がる傾斜である。傾斜面74は、下キャップ部65の表側の上縁に形成されている。傾斜面74は、下キャップ部65の上縁を切り欠いて形成されている。傾斜面74の左右方向の寸法は、下挿入部66の左右方向の寸法よりも大きい。傾斜面74に沿って、ケース40内から外に水滴が排出される。
【0035】
下挿入部66には、
図9に示すように、止水部材(下止水部材70Sと称する)が装着されるシール装着部75が設けられている。シール装着部75は、下止水部材70Sの上端部に設けられている。シール装着部75は、下止水部材70Sが密着するシール面75Aを有している。シール面75Aは、照明装置Lが浴室ユニット10に取り付けられた状態において鉛直に立つ平らな面である。
【0036】
下挿入部66には、
図9に示すように、下キャップ部65の傾斜面74に連なる窪み部76が形成されている。窪み部76は、シール装着部75の下側に設けられている。窪み部76は、シール面75Aよりも裏側に位置する窪み面76Aを有している。窪み面76Aの下端は傾斜面74の上端に連なっている。窪み面76Aは、照明装置Lが浴室ユニット10に取り付けられた状態において鉛直に立つ。
【0037】
下挿入部66の先端面67は、光源ユニット30のケース40の軸線方向における位置を決める位置決め部である。下挿入部66の先端面67は、軸線方向位置決め部に対応する。下キャップ62がケース40の下端部に取り付けられた状態では、下挿入部66の先端面67は、ケース40の下端面よりも上方に位置する(
図9参照)。
【0038】
下挿入部66の先端面67は、ケース40の軸線方向に直交する面である。下挿入部66の先端面67は、
図10に示すように、第1ケース側面部44Fの間の空間の下端に位置する第1先端面67Fと、第2ケース側面部44Sの間の空間の下端に位置する第2先端面67Sとを有している。第1先端面67Fの左右方向の幅寸法は、第2先端面67Sの左右方向の幅寸法よりも小さい。
【0039】
下挿入部66の先端面67には、
図8に示すように、突出部68が設けられている。突出部68は、下挿入部66の先端面67から上方に突出している。突出部68は、左右に一対設けられている。左右の突出部68は同形状である。左右の突出部68は、
図10に示すように、光源ユニット30の左右両端部に位置する。光源ユニット30の左右両端部には枠体32が配置されている。
【0040】
突出部68は、左右方向から見ると、
図9に示すように、下端の表裏方向の寸法が上端の表裏方向の寸法よりも大きい台形状をなしている。突出部68の裏面68Rは、下挿入部66の先端面67と直交する面である。突出部68の裏面68Rは、照明装置Lを浴室ユニット10に固定した状態では鉛直に立つ面である。突出部68の裏面68Rは、光源ユニット30の表面に沿う。これによって、光源ユニット30の表側への変位が制限される。突出部68の裏面68Rは、光源ユニット30の表裏方向における位置を決める。突出部68の裏面68Rは、間隔位置決め部に対応する。突出部68の表面は、上端から下端に向かって斜めに下る傾斜面である。
【0041】
下キャップ62とケース40との間は、
図6に示すように、止水部材(下止水部材70Sと称する)によって止水されている。下止水部材70Sは、上止水部材70Uと概ね同形状である。下止水部材70Sは、下挿入部66の外面と透光カバー42の内面とに密着する。
【0042】
下止水部材70Sは、
図10に示すように、下挿入部66の表面に密着する第1止水部71と、下挿入部66の左右両面に密着する第2止水部72とを有している。第2止水部72は、第1止水部71の左右両端から略直角に同じ方向に屈曲している。下止水部材70Sは、上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも小さい帯状である。第1止水部71の上下方向の寸法と第2止水部72の上下方向の寸法とは同じである。下止水部材70Sは、下挿入部66の上端部に装着される(
図6参照)。下止水部材70Sの上縁は、下挿入部66の上縁と高さ方向の位置が同じである。下止水部材70Sの上下方向の寸法は、下挿入部66の上下方向の寸法の半分よりも小さい寸法である(
図9参照)。
【0043】
下キャップ62をケース40に取り付けた状態では、
図9に示すように、下止水部材70Sは、ケース40の下端面(軸線方向の端面)から上方に離れて位置する。この状態では、ケース40の下端部(軸線方向の端部)には、下挿入部66の外面と透光カバー42のカバー本体56の内面との間に隙間73が形成されている。隙間73は、透光カバー42の下端より下方において表側に開放されている。
【0044】
下キャップ62をケース40に取り付けた状態では、筐体41の下端面と下キャップ部65の上端面との間に、シール部材82が挟まれている。下キャップ62をケース40に取り付けた状態では、透光カバー42の下端面は、筐体41の下端面よりも上方に位置する。
【0045】
照明装置Lを組み立てる作業手順の一例を説明する。
【0046】
光源ユニット30を筐体41に取り付ける。詳しくは、発光面を表にして筐体41の一対のリブ59の間に光源ユニット30を嵌め込む。これによって、光源ユニット30の筐体41に対する左右方向の位置が決まる。保持部材54を筐体41に装着する。保持部材54によって、光源ユニット30の筐体41からの離脱が制限される。
【0047】
透光カバー42を筐体41に取り付ける。詳しくは、透光カバー42の係止片57を筐体41の係止壁55に係止させる。ケース40の上下両端に上キャップ61及び下キャップ62を装着する。上挿入部64は、光源ユニット30の上方に位置する。下挿入部66の先端面67は、光源ユニット30の下端面と対向する。下挿入部66の突出部68の裏面68Rは、光源ユニット30の表面と対向する。
【0048】
以上によって、照明装置Lを組み立てる作業が完了する。照明装置Lを浴室ユニット10に取り付けると、光源ユニット30の下端面は、下挿入部66の先端面67に当接する。これによって、光源ユニット30は、下挿入部66に支持される。
【0049】
上記のように構成された照明装置Lの作用および効果について説明する。
【0050】
照明装置Lは、内部に光源ユニット30が収容されるケース40と、ケース40の軸線方向の両端部に形成された開口を塞ぐ上下のキャップ61,62と、を備えている。ケース40は、一方向に長い筒状をなす。上下のキャップ61,62は、開口からケース40の内部に挿入される上挿入部64及び下挿入部66を有している。上下の挿入部64,66の外面と透光カバー42の内面との間に、上下の挿入部64,66の外面と透光カバー42の内面とに密着する上下の止水部材70U,70Sが備えられている。一方向に長いケース40は、熱膨張、熱収縮による軸線方向の伸縮量が大きい。照明装置Lによれば、一方向に長いケース40が軸線方向に収縮しても、上下の止水部材70U,70Sはケース40の内側に収まっているから、止水性を確保できる。上下の止水部材70U,70Sはケース40の内側に収まっているから、ケース40の外面に段差が形成されない。したがって、照明装置Lの見た目を良くできる。
【0051】
照明装置Lは、上下の止水部材70U,70Sの全体が、ケース40の内部に位置している。ケース40の軸線方向の端部には、上下の挿入部64,66の外面と透光カバー42の内面との間に隙間73が形成されている。この構成によれば、一方向に長い透光カバー42が軸線方向に伸縮しても、上下の止水部材70U,70Sが透光カバー42から外側にはみ出さないから、より確実に止水性を確保できる。照明装置Lの下端部に隙間73が形成されているから、ケース40の内部に生じた結露を照明装置Lの下端部の隙間73から排水できる。
【0052】
照明装置Lは、下挿入部66の先端面67に、光源ユニット30の上下方向の位置を決める軸線方向位置決め部が設けられている。この構成によれば、光源ユニット30は、ケース40の上下方向において下挿入部66よりも上側に配置されるから、仮にケース40の下端部の開口からケース40の内部に水が浸入しても、光源ユニット30に到達しにくくできる。
【0053】
照明装置Lのケース40は、表側に透光カバー42を有している。下挿入部66の先端面67に、光源ユニット30の表裏方向の位置を決める突出部68の裏面68Rが設けられている。この構成によれば、光源ユニット30は、突出部68の裏面68Rによって表裏方向の位置が決められるから、光源ユニット30と透光カバー42との距離を一定に保つことができる。
【0054】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、本開示をシャワーユニットに適用した場合を例示した。これに限らず、本開示は浴槽及び洗い場を有する浴室ユニットにも適用できる。
(2)上記実施形態では、上キャップ61及び下キャップ62がそれぞれに挿入部64,66を有している。これに限らず、いずれか一方のキャップのみが挿入部を有してもよい。
(3)上記実施形態では、上キャップ61及び下キャップ62に概ね同形状の止水部材70U,70Sが備えられている。これに限らず、上下の止水部材の形状は異なっていてもよいし、いずれか一方のキャップのみに上記実施形態で示した形状の止水部材を設けてもよい。
(4)上記実施形態では、ケース40の軸線方向の両端部に隙間73が形成されている。これに限らず、ケースの端面の位置まで止水部材が配置されていてもよい。
(5)上記実施形態では、下挿入部66の先端面67の一部が軸線方向位置決め部を構成する。これに限らず、軸線方向位置決め部として下挿入部の先端面に一段突出した部分を設けたり、一段窪んだ部分を設けたりしてもよい。
(6)上記実施形態では、間隔位置決め部の具体的な形状を例示した。これに限らず、間隔位置決め部の形状は適宜変更できる。間隔位置決め部は、例えば一の突出部のみを有してもよいし、突出部は台形状ではなくブロック状や柱状などであってもよい。
(7)上記実施形態では、光源ユニット30が細長い角柱状であるが、光源ユニットの形状はこれに限らない。照明装置は、例えば複数の光源ユニットがケースの内部に収容されるものであってもよい。
(8)上記実施形態では、ケース40が、金属製の筐体41と合成樹脂製の透光カバー42とを組み付けてなる。これに限らず、筐体及び透光カバーはともに合成樹脂製であってもよい。例えば筐体及び透光カバーを二色成形してもよい。
【符号の説明】
【0055】
L…照明装置、30…光源ユニット、40…ケース、42…透光カバー(透光部)、61,62…キャップ、64…上挿入部(挿入部)、66…下挿入部(挿入部)、67…下挿入部の先端面(軸線方向位置決め部)、68R…突出部の裏面(間隔位置決め部)、70S…上止水部材(止水部材)、70U…上止水部材(止水部材)、73…隙間