(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
A47K 1/02 20060101AFI20231228BHJP
A47B 67/02 20060101ALI20231228BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20231228BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A47K1/02 C
A47B67/02 503A
A47B67/02 502K
A47K1/02 G
E03C1/05
A47K1/00 V
(21)【出願番号】P 2019208371
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】三井 敦
(72)【発明者】
【氏名】成海 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】中野 太久馬
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120648(JP,A)
【文献】特開2017-164314(JP,A)
【文献】特開2019-103760(JP,A)
【文献】特開2017-133179(JP,A)
【文献】特開2018-050795(JP,A)
【文献】特開2008-125634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00-1/02
A47B 67/02
E03C 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面ボウルの上方に配置されたキャビネットと、
前記キャビネットの下部に設けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水部と、
前記キャビネットの下部に設けられ、前記キャビネットの下方に向けて照明光を照射する照明部と、
を備え、
前記吐水部は、前記キャビネットの下部から前方斜め下方に延びており、
前記吐水口から吐出される湯水の吐出状態を切り替える吐水用の第1センサと、
前記照明部から照射される照明光の照射状態を切り替える照明用の第2センサと、
を更に備え、
前記第1センサ及び前記第2センサは、正面視において左右方向に隣接して配置されており、
前記第1センサは、前記吐水部に設けられ、前記吐水部の延伸方向前方の所定距離を検知範囲とし、
前記第2センサは、正面視において前記吐水部に隣接し且つ側面視において前記吐水部の延伸方向後方に設けられ、前記吐水部の先端よりも手前側を検知範囲とする、洗面化粧台。
【請求項2】
洗面ボウルの上方に配置されたキャビネットと、
前記キャビネットの下部に設けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水部と、
前記キャビネットの下部に設けられ、前記キャビネットの下方に向けて照明光を照射する照明部と、
前記キャビネットの下部に取り付けられたベース部材と、
を備え、
前記吐水部及び前記照明部は、前記ベース部材に取り付けられており、
前記吐水部は、前記キャビネットの下部から前方斜め下方に直線状に延伸し、前記吐水口を先端に有し、
前記照明部は、前記キャビネットの下部から、前記吐水部の延伸方向前方に、照明光を照射する、洗面化粧台。
【請求項3】
洗面ボウルの上方に配置されたキャビネットと、
前記キャビネットの下部に設けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水部と、
前記キャビネットの下部に設けられ、前記キャビネットの下方に向けて照明光を照射する照明部と、
前記キャビネットの下部に取り付けられたベース部材と、
を備え、
前記吐水部及び前記照明部は、前記ベース部材に取り付けられており、
前記照明部の下面は、前記照明部の周囲の前記ベース部材の下面よりも下方に位置している、洗面化粧台。
【請求項4】
前記キャビネットの下部に取り付けられたベース部材を更に備え、
前記吐水部及び前記照明部は、前記ベース部材に取り付けられている請求項
1に記載の洗面化粧台。
【請求項5】
前記ベース部材には、前記照明部から照射される照明光の照射状態の切り替え操作を行う照明操作部、前記洗面ボウルに設けられる排水栓を開閉する排水操作部、前記吐水口から吐出される湯水の混合比及び流量の少なくとも一方を調整する操作を行う吐水操作部、前記吐水部に接続される水栓本体、及び前記吐水口から吐出される湯水の吐出制御を実行する吐水制御部のうちの少なくとも1つが取り付けられている
、請求項2及び請求項4
のいずれか一項に記載の洗面化粧台。
【請求項6】
前記照明部の下面は、前記照明部の周囲の前記ベース部材の下面と略面一にされている請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載の洗面化粧台。
【請求項7】
前記照明部の下面は、前記照明部の周囲の前記ベース部材の下面よりも下方に位置している請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載の洗面化粧台。
【請求項8】
前記吐水口から吐出される湯水の吐出状態を切り替える吐水用の第1センサと、
前記照明部から照射される照明光の照射状態を切り替える照明用の第2センサと、を更に備え、
前記第1センサの検知範囲と前記第2センサの検知範囲とは異なっている請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には従来の洗面化粧台が開示されている。この洗面化粧台は、ミラーキャビネット、水栓部、及び照明部を備えている。ミラーキャビネットはボウル部の上方に配置されている。水栓部はボウル部へ水を吐出する。照明部は光を照射する。水栓部及び照明部は、ボウル部とミラーキャビネットとの間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、水栓部及び照明部は、箱状のケースに設けられている。ケースは、ボウル部とミラーキャビネットの間に配置されたバックガード部前面に取り付けられている。ケースは、バックガード部の前面から前方に張り出して取り付けられているため、意匠的に洗練されているとは言い難い。
【0005】
本開示は、意匠性の向上を図ることができる洗面化粧台を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る洗面化粧台は、洗面ボウルの上方に配置されたキャビネットと、前記キャビネットの下部に設けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水部と、前記キャビネットの下部に設けられ、前記キャビネットの下方に向けて照明光を照射する照明部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る洗面化粧台を示す正面図である。
【
図2】実施形態1に係る洗面化粧台を概略的に示す側面断面図である。
【
図3】実施形態1に係るキャビネット及び水栓ユニットを一部省略して示す正面図である。
【
図4】実施形態1に係るキャビネット及び水栓ユニットを一部省略して示す斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る水栓ユニットを示す斜視図である。
【
図6】実施形態1に係る水栓ユニットの要部を拡大して示す斜視図である。
【
図7】実施形態1に係る水栓ユニットの要部を拡大して示す斜視図である。
【
図8】実施形態1に係る水栓ユニットを一部省略して示す平面図である。
【
図9】実施形態1に係る水栓ユニットを一部省略して示す斜視図である。
【
図10】実施形態1に係る水栓ユニットにおいて、キャビネットに取り付けた状態を一部省略して示す正面図である。
【
図11】
図10のXI-XI線断面に相当する洗面化粧台の要部拡大断面図である。
【
図12】
図10のXII-XII線断面に相当する洗面化粧台の要部拡大断面図である。
【
図13】実施形態2に係る水栓ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
図1及び
図2に示すように、洗面化粧台1は、洗面台2、洗面ボウル3、バックパネル4、ミラーキャビネット10(キャビネットとして例示する)、及び水栓ユニット20を備えている。洗面化粧台1は、洗面台2、バックパネル4、及びミラーキャビネット10の左右幅が同じである。以下の説明において、上下左右の方向とは、
図1及び
図2における上下左右の方向であり、前後方向とは、
図2における左右方向である。
【0009】
図1及び
図2に示すように、洗面台2は、床面F上に載置されるとともに、釘やビス等の固定手段によって建物躯体の壁面Wに固定されて設置される。洗面台2は、板状のカウンター2Aと、このカウンター2Aを上部に固定した箱体2Bとを有して構成されており、全体として箱状に形成されている。洗面台2の内部空間は、引き出し式の収納空間及び給排水用の配管スペースとされている。
【0010】
図2及び
図3に示すように、洗面ボウル3は洗面台2の上部に載置される。具体的には、洗面ボウル3は鉢状に形成されている。洗面ボウル3は、周縁部3Aが洗面台2のカウンター2Aの上面に載置され、中心部のボウル部3Bがカウンター2Aに形成された切り欠きを貫通する形態で、カウンター2Aに嵌め込まれている。洗面ボウル3は平面視略矩形状をなしている。洗面ボウル3の上端縁の高さは、後端から前端に向かうにつれて緩やかに低くなっている。洗面ボウル3の底部後端寄りの位置には排水口3Cが形成されている。排水口3Cには排水栓3Dが取り付けられている。
【0011】
図2及び
図3に示すように、バックパネル4は、フレーム4A及び前パネル4Bを有している。フレーム4Aは、左右一対設けられている。一対のフレーム4Aは、洗面台2の上面後端の左右両端部に載置される。一対のフレーム4Aは、洗面化粧台1が設置状態にある時には、洗面台2と同様に、洗面化粧台1が設置された建物躯体の壁面Wに釘やビス等の固定手段によって固定される。この状態で、一対のフレーム4Aの間には空間が形成される。この空間は配管スペースとされる。前パネル4Bは、カウンター2Aの左右幅と略同等の左右幅を有する正面視略矩形状の板状に形成されている。前パネル4Bの前面には図示しない多数のタイルが上下左右に整列して張られている。前パネル4Bは、後面を一対のフレーム4Aの前面に対向させてフレーム4Aの前面に取り付けられる。前パネル4Bは、シール部材(図示せず)等を介してカウンター2A上に下端部が載置される。
【0012】
図1及び
図2に示すように、ミラーキャビネット10は、洗面ボウル3の上方に配置される。ミラーキャビネット10は、洗面台2と同様に、洗面化粧台1が設置された建物躯体の壁面Wに釘やビス等の固定手段によって固定される。この状態において、ミラーキャビネット10の下端部は一対のフレーム4Aの上端部に載置される。
【0013】
ミラーキャビネット10は、
図3及び
図4に示すように、箱状のキャビネット本体11と、左右方向に並んだ複数(
図3では、3つ)の鏡扉12,13,14と、鏡扉12,13の間及び鏡扉12,14の間に配置された縦長のミラー照明部15と、を有して構成されている。キャビネット本体11は、各鏡扉12,13,14の後方に収納部12A,13A,14Aをそれぞれ形成している。各収納部12A,13A,14Aの空間は、それぞれ縦長に形成されている。
【0014】
図4に示すように、キャビネット本体11は、天板11A、側板11B、背板11C、及び仕切板11Dを具備して構成されている。天板11Aは左右方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。側板11Bは天板11Aの左右両端からそれぞれ下方に延びて設けられている。各側板11Bは、側面視略矩形状に形成されている。背板11Cは、上端部が天板11Aの後端部に接続され、左右側端部が左右の側板11Bの後端部にそれぞれ接続されている。背板11Cの下端は、側板11Bの下端よりも上方に位置しており、設置状態においてバックパネル4の上端との間に配管用の隙間を形成している。
【0015】
仕切板11Dは左右の側板11Bの間に配置されている。仕切板11Dは、キャビネット本体11の内部の空間を左右に仕切り、収納部12A,13A,14Aを形成している。各仕切板11Dは、左右の側板11Bと略平行に、上下方向に延びて配置されている。各仕切板11Dの下端の位置は、側板11Bの下端の位置と略同等の位置まで延びている。仕切板11Dはアルミ押し出し成形等によって内部が空洞に形成されている。このように形成された仕切板11Dの内部空間は、後述するミラー照明部15の制御ユニット(図示せず)等を配置する空間として利用される。
【0016】
収納部12Aには棚板12Bが着脱自在に取り付けられる。棚板12Bは複数配置することができる。各棚板12Bは、高さを段階的に選択して配置可能である。収納部12Aの下部には底板12Cが配置されている。底板12Cは、着脱自在ではあるものの、高さの選択は不能である。底板12Cは、側板11B及び仕切板11Dの下端よりも上方に取り付けられる。底板12Cの下方の空間には後述する水栓ユニット20が取り付けられる。底板12Cの下面には、後述する水栓ユニット20に設けられた照明部70を制御する照明制御部73が取り付けられる。
【0017】
収納部13A,14Aには、それぞれ棚板13B,14Bが着脱自在に取り付けられる。棚板13B,14Bは複数配置することができる。各棚板13B,14Bは、高さを段階的に選択して配置可能である。収納部13A,14Aの下端部には、固定的に配置される底板13C,14Cがそれぞれ取り付けられている。底板13C,14Cは、側板11B及び仕切板11Dの下端よりも上方に固定的に取り付けられている。底板13Cの下方の空間には電源コンセント11Eが設けられている。底板14Cの下方の空間には、タオル掛け用のバー11Fが側板11Bと仕切板11Dの間で左右方向に架け渡されている。
【0018】
鏡扉12,13,14は、板材の表面にミラーを張り付けてそれぞれ形成されている。
図1に示すように、鏡扉12,13,14は、上下方向に長い正面視略矩形状をなしている。各鏡扉12,13,14の上下方向の長さは略同等である。各鏡扉12,13,14の上下方向の長さは、キャビネット本体11の側板11B及び仕切板11Dの上下方向の長さよりも僅かに短い(
図11、
図12参照)。鏡扉12は、左右に位置する鏡扉13,14に比べて左右方向の幅が広い。鏡扉12は、鉛直線方向に延びる右側の一辺の後側を回転軸にして、収納部12Aの前面を開閉自在に取り付けられている。鏡扉12の左右に位置する鏡扉13,14は、左右方向の幅が略同等に形成されている。また、鏡扉13,14は、鉛直方向に延びる内側(中央の鏡扉12側)の一辺の後側を回転軸にして、収納部13A,14Aの前面を開閉自在に取り付けられている。
【0019】
ミラー照明部15は、後述する水栓ユニット20の照明部70とは別に設けられた照明部である。ミラー照明部15は、複数のLED光源(図示せず)を上下方向に並べることによって照射範囲が上下方向に長い照明光を照射するように構成されている。ミラー照明部15は、各仕切板11Dの前端のそれぞれに取り付けられている。各ミラー照明部15は、仕切板11Dの上下長さ全体に渡って延びて設けられている。
【0020】
図3及び
図4に示すように、水栓ユニット20は、ミラーキャビネット10の下部に設けられている。具体的には、水栓ユニット20は、収納部12Aの下部であって、鏡扉12の後方に配置されている。水栓ユニット20は、収納部12Aの下部に配置された状態において、カバー部材21によってその前面が覆われる。水栓ユニット20は、このカバー部材21によって、鏡扉12を開いた状態において後述する内部の機能部が視認不能とされている。カバー部材21は、水栓ユニット20上方の底板12Cから立ち下がる形態で取り付けられる。
【0021】
図5及び
図6に示すように、水栓ユニット20は、ベース部材30、吐水部40、水栓本体50、吐水レバー60(吐水操作部として例示する)、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80を有している。水栓ユニット20は、ベース部材30に対して、吐水部40、水栓本体50、吐水レバー60、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80の各機能部が取り付けられてユニット化されている。
【0022】
図6、
図7、
図8、及び
図9に示すように、ベース部材30は、底壁31、前壁32、後壁33、左側壁34、右側壁35、及び隔壁36を有して構成されている。ベース部材30は、平面視略矩形状の箱形状をなしている。詳細には、
図7及び
図8に示すように、ベース部材30は、底壁31の前後左右の四方の端縁から、前壁32、後壁33、左側壁34、及び右側壁35がそれぞれ立ち上がり、上方に開口する箱形状である。
図8に示すように、隔壁36は、箱形状をなすベース部材30の内側空間を複数区画に仕切るように、底壁31から立ち上がって形成されている。
図8に示すように、隔壁36は、隣接してベース部材30に取り付けられる各機能部の間に介在するように設けられている。
【0023】
図8に示すように、底壁31は、左右方向を長手方向とする平面視略矩形状をなしている。
図6に示すように、底壁31は、左右方向中央部の平坦面部31Aと、平坦面部31Aの左右両側に設けられた傾斜面部31B,31Cと、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端から後方に延びる後面部31Dと、を有している。平坦面部31Aは、洗面化粧台1の設置状態において床面F(設置面)に略平行となるように、その下面が平坦に形成されている。傾斜面部31B,31Cは前後方向に傾斜して形成されている。詳細には、傾斜面部31B,31Cは、後端が平坦面部31Aと略同等の高さであり、前端が平坦面部31Aの高さよりも高い位置まで延びる形態で、後方から前方に向かって斜め上方に傾斜して形成されている。
図10に示すように、ベース部材30は、水栓ユニット20がミラーキャビネット10に組み付けられた状態において、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端部が鏡扉12の下端よりも下方に位置し、傾斜面部31B,31Cの前端部が鏡扉12の下端よりも上方に位置する。
【0024】
図6に示すように、平坦面部31Aには突出部40Aが連結されている。突出部40Aは、後述する吐水部40の基端部となる。突出部40Aは、断面略楕円形状をなし、平坦面部31Aに一体に形成されている。突出部40Aは、平坦面部31Aから前方斜め下方に突出して設けられている。突出部40Aの平坦面部31Aとの連結部40Bは、鏡扉12の下端よりも下方に位置している。左側の傾斜面部31Bには、後述する照明操作部71が取り付けられる凹部71Aと、後述する排水操作部80が取り付けられる貫通孔が形成された取付部80Aと、が平坦面部31A側から左方に向かって並んで形成されている。右側の傾斜面部31Cには、後述する吐水レバー60が挿通される平面視略矩形状の挿通孔60Aが形成されている。挿通孔60Aの内周縁部には、上方に立ち上がった立壁60Bが形成されている。
【0025】
図6に示すように、後面部31Dは、平坦面部31A及び左右の傾斜面部31Bの各後端縁に連なるとともに、ベース部材30の左右幅の略全体に渡って延びる平坦状に形成されている。後面部31Dの左右中央部には、後述する照明部70が取り付けられる凹溝70Aが形成されている。凹溝70Aは、後面部31Dの下面が上方に陥没し、左右方向に延びた溝状に形成されている。
図11に示すように、凹溝70Aの底壁は後端から前端に向かって斜め上方に傾斜して形成されている。凹溝70Aの右方には複数の長孔が形成されている。複数の長孔は水抜き用の孔であり、後述する水栓本体50の下方に対応する位置に設けられている。
【0026】
図6及び
図7に示すように、前壁32は、底壁31の前縁から上方に立ち上がって形成されている。前壁32は、左右方向中央部の平坦面部31Aに対応する位置において切欠き32Aが形成されている。切欠き32Aの左右側方には、カバー部材21を取り付けるためのねじ穴32Bが形成されている。
【0027】
図7、
図8、及び
図9に示すように、後壁33は、底壁31の後縁から上方に立ち上がって形成されている。詳細には、後壁33は、下部において後方に傾斜しつつ立ち上がり、上部において上方に略垂直に立ち上がって形成されている。後壁33の上端縁は、前壁32の上端縁よりも上方に位置している。後壁33には、開口33A,33Bと、貫通孔33Cと、水栓本体50の取付部50Aとが形成されている。開口33Aは、
図8及び
図9に示すように、後壁33下部に略矩形状に開口して形成されている。開口33Aは、後壁33の左右中央部から左方に延びて形成されている。開口33Aには、後述するホースガイド45及び操作ワイヤ81が挿通される。
【0028】
開口33Bには後述する吐水制御部61に接続される外部からの電気配線(図示せず)が挿通される。開口33Bは、後壁33の左右中央部よりも右側に開口して形成されている。
図9に示すように、開口33Bは開口33Aよりも上方に形成されている。貫通孔33Cは複数(
図7中3つ)形成されている。複数の貫通孔33Cは、後壁33の上部に左右方向に並んで形成されている。各貫通孔33Cにはビス等の固定手段が挿通される。これにより、ベース部材30は、後壁33後方のミラーキャビネット10が固定されている壁面Wに固定される。
【0029】
水栓本体50の取付部50Aは、後壁33の右側端部に設けられている。取付部50Aには水栓本体50が挿通される貫通孔(図示せず)が形成されている。取付部50Aは、後壁33を前方側に凹状に陥没させて形成されている。これにより、取付部50Aに取り付けられた状態における水栓本体50の後端部は、後壁33よりも前方に位置する。
【0030】
図6、
図7、及び
図9に示すように、左側壁34及び右側壁35は、底壁31の左右の端縁から上方に立ち上がってそれぞれ形成されている。左側壁34及び右側壁35の前後の端縁は、前壁32及び後壁33にそれぞれ連結されている。左側壁34及び右側壁35の下端部にはダボ受け部34A,35Aがそれぞれ形成されている。ダボ受け部34A,35Aは、ミラーキャビネット10の仕切板11Dから収納部12A側に突出して設けられるダボ(図示せず)に着脱自在に係止される。ダボ受け部34A,35Aは、それぞれ下側及び左右外側が開放された溝状に形成されている。ダボ受け部34A,35Aは、左右側壁34,35の壁面に沿って前後に複数並んで形成されている。
【0031】
図9、
図10、及び
図11に示すように、吐水部40は、ベース部材30の平坦面部31Aに形成された突出部40Aに取り付けられている。吐水部40は、短径が左右方向に延びる形態の断面略楕円形状に形成されており、突出部40Aの突出方向に沿って前方斜め下方に延びている。吐水部40の外周面は突出部40Aの外周面と連続するように形成されている。吐水部40は、吐水ヘッド41及びヘッドホルダー42を有して構成されている。吐水ヘッド41及びヘッドホルダー42は、断面略楕円形状をなす吐水部40の長径方向に対して直交する面で分割された形態でそれぞれ設けられている。
【0032】
吐水ヘッド41はヘッドホルダー42に着脱自在に保持される。吐水ヘッド41は、吐水口41A及び切替つまみ41Bを有している。吐水口41Aは、吐水ヘッド41の先端に設けられている。吐水ヘッド41はこの吐水口41Aから湯水を吐出する。切替つまみ41Bは、吐水ヘッド41の先端には、吐水口41A周りに回動自在に、吐水ヘッド41の先端に設けられている。吐水ヘッド41は、この切替つまみ41Bを手動で回動操作することによって、吐水口41Aから吐出する水の吐出形態をシャワー吐水と整流吐水に随意に切り替えることができる。
【0033】
ヘッドホルダー42は突出部40Aに固定されている。
図10に示すように、ヘッドホルダー42には吐水操作用の非接触式のセンサ43(第1センサとして例示する)と表示部44とが設けられている。センサ43はヘッドホルダー42の先端に取り付けられている。センサ43は、例えば、赤外線センサ等の光電センサを採用することができる。センサ43は、吐水部40の延伸方向前方の所定距離を検知範囲A
43として(
図12参照)、この範囲内に進入した使用者の手等の物体を検知する。センサ43は、手等の物体を検知した場合に検知信号を後述する吐水制御部61に送信することによって、吐水口41Aから吐出される湯水の吐出状態を止水から吐水に切り替える。表示部44は、吐水制御部61から送信される制御信号に基づいて、吐水部40から吐出された水の状態や温度を表示する。表示部44は、例えばLED等の光源を有して構成され、点灯色、連続点灯、間欠点灯等の光り方の違いによって、吐水状態を表示する。
【0034】
図11及び
図12に示すように、吐水部40の一部は、ミラーキャビネット10の前面である鏡扉12の前面よりも前方に位置している。吐水部40の他の一部は、鏡扉12の前面よりも後方に位置している。換言すると、吐水部40は、側面視において、ミラーキャビネット10における吐水部40の直上部分である鏡扉12の前面に対して、前後に跨って設けられている。吐水部40は、先端部の僅かな部分が鏡扉12の前面よりも前方に位置し、他の大部分が鏡扉12の前面よりも後方に位置している。なお、
図11及び
図12に示すように、吐水部40は、ミラー照明部15の前端は、吐水部40の最も前端よりも前方に位置している。すなわち、吐水部40の最も前端の部分は、ミラー照明部15の前端よりも後方であって、鏡扉12の前面よりも前方に位置している。
【0035】
図11に示すように、吐水ヘッド41の後端には、可撓性を有する給水ホース41Cの一端が接続される。給水ホース41Cの他端は後述する電気駆動弁55に接続されている。給水ホース41Cはホースガイド45に摺動自在に挿通されている。ホースガイド45はベース部材30に固定されている。ホースガイド45は、一端が吐水部40の後端から所定の間隔をあけて開口しており、他端が後壁33の開口33Aを貫通して下方に延びる形態で、アーチ状に湾曲した筒状に形成されている。ホースガイド45は、吐水ヘッド41がヘッドホルダー42から取り外された際に引き出される給水ホース41Cの出入りをガイドする。
【0036】
図5、
図6、
図7、及び
図8に示すように、水栓本体50は、ベース部材30の後壁33の右側端部寄りの位置に取り付けられている。水栓本体50は、固定ディスクや可動ディスク等を内蔵したディスクバルブとして構成されている。
図7及び
図8に示すように、水栓本体50の前部には後述する吐水レバー60が連結されている。
図9に示すように、水栓本体50の後部は後壁33を貫通して後方に露出している。水栓本体50の後部には温水管51及び冷水管52が接続されている。水栓本体50の後部には手動用給水管53及び自動用給水管54の各一端が接続されている。水栓本体50は、吐水レバー60の操作によって、温水管51から供給された湯(加温水)と、冷水管52から供給された水(常温水)との混合比を調整することができる。すなわち、水栓本体50は、湯水混合弁として機能する。
【0037】
図5に示すように、手動用給水管53及び自動用給水管54の各他端は電気駆動弁55にそれぞれ接続されている。すなわち、水栓本体50と電気駆動弁55の間には、手動用給水管53及び自動用給水管54が並列に接続されている。水栓本体50は、吐水レバー60の操作に応じた混合比の湯水を、手動用給水管53及び自動用給水管54のそれぞれに供給する。水栓本体50は、手動用給水管53に供給する水の吐水量を調整する。
【0038】
電気駆動弁55は、電磁弁や電動弁等によって構成され、吐水制御部61から送信されるセンサ43の検知に基づく制御信号を受信することによって、自動用給水管54と給水ホース41Cとを連通する流路を開閉することができる。電気駆動弁55は、手動用給水管53と給水ホース41Cとを連通する流路については常時開放している。すなわち、吐水部40からの吐水は、吐水レバー60が吐水操作されることによって水栓本体50が開放される手動吐水と、センサ43による手等の物体の検知に基づいて電気駆動弁55が開放される自動吐水と、の2種類の形態で吐水される。
【0039】
吐水レバー60はレバー式の吐水操作部である。
図10に示すように、吐水レバー60は正面視略逆J字状に形成されている。具体的には、吐水レバー60は、正面視において、一端側の水栓本体50との連結部から右方向上方に半円弧状に湾曲し、下方に向かって略直線状に延び、底壁31の挿通孔60Aを貫通して下方に延びている。これにより、吐水レバー60の他端側は、一端側の高さよりも下方に位置し、正面視においてベース部材30の下方に露出している。吐水レバー60の他端側は、側面視において、下方に向かうにつれて前方に向かうように傾斜して形成されている(
図6、
図7参照)。吐水レバー60の他端側は、側面視において吐水部40の延伸方向に沿って延びているとも言える。吐水レバー60は、水栓本体50との連結部における前後方向に延びる所定の軸周りに回動されることによって、水栓本体50における湯水の混合比が調整される。吐水レバー60は、前後方向に傾動されることによって水栓本体50の手動用給水管53に連通する流路が開閉され、手動吐水における吐止水操作、及び手動吐水時の流量調整操作が行われる。
【0040】
図8に示すように、吐水制御部61は、ベース部材30の平面視における吐水部40と水栓本体50の取付部位の間に配置されている。吐水制御部61は、例えば、基板、制御回路等(図示せず)を有して構成される。吐水制御部61は、例えば、これら基板等の電子部品がベース部材30の底壁31上に固定されるとともに、基板等を蓋部材61Aによって上方から水密に覆う構成等を採用することができる。吐水制御部61は、センサ43による手等の物体の検知によって送信される検知信号に基づいて、表示部44の表示制御や電気駆動弁55の開閉制御を実行する。吐水制御部61には、ベース部材30の後壁33に形成された開口33Bから挿通される外部電源の配線が接続されている。
【0041】
照明部70は、ベース部材30の下部に取り付けられて下方に向けて照明光を照射する。
図9及び
図11に示すように、照明部70は、吐水部40の後方に配置されている。より詳細には、
図11に示すように、水栓ユニット20がミラーキャビネット10の下部に配置された状態において、照明部70は、下面を発光面として配置される。照明部70は、前方の吐水部40と後方のバックパネル4との間の前後方向に狭小なスペースに配置される。照明部70は、左右方向を長手方向とする長尺状をなしている。照明部70は、ベース部材30の底壁31の後面部31Dに形成された凹溝70Aの左右方向の長さの略全体に渡って嵌め込まれる。照明部70の下面は、照明部70の周囲におけるベース部材30の下面と略面一にされている。
【0042】
図11及び
図12に示すように、照明部70は、ケース70B、カバー70C、及び光源ユニット70Dを有している。ケース70Bは長手方向の一面が開口する断面凹状をなしている。カバー70Cは、ケース70Bの開口を覆うようにして嵌め込まれる断面凹状をなしている。照明部70は、ケース70Bとカバー70Cとを組み合わせることによって筒状をなし、その内部に光源ユニット70Dを収納している。ケース70Bは凹溝70Aに嵌め込まれる部分であり、凹溝70Aの内面に倣った形状の外形形状を有している。ケース70Bの底壁は、凹溝70Aの底壁と同様に、凹溝70Aに嵌め込まれた状態で後端から前端に向かって上方に傾斜して形成されている。
【0043】
カバー70Cは透光性を有している。カバー70Cは、光源ユニット70Dからの光を透過する。カバー70Cは、下面が発光面とされる形態でケース70Bに取り付けられる。光源ユニット70Dは、LED等の光源を複数長手方向に並べて構成され、一方方向に長い照明光を照射可能なユニットである。光源ユニット70Dは、ケース70B上部の底壁に取り付けられる。光源ユニット70Dの光軸Cは、ケース70B上部の底壁面に略直交する方向を向いている。
【0044】
図11に示すように、照明部70は、凹溝70Aに取り付けられた状態において、照射する照明光の光軸Cを前方斜め下方に向けた状態とされる。光軸Cの鉛直方向に対する角度θ
Cは、鉛直方向に対する吐水部40の延伸方向とのなす角度θ
40よりも小さい。照明部70は、下方の洗面ボウル3を好適に照らすことができるとともに、吐水部40の延伸方向前方やバックパネル4の表面等の照明部70の前後方向にも十分な照明光を照射可能である。
【0045】
図8、
図9、及び
図10に示すように、照明操作部71は、吐水部40の左方に隣接して配置されている。照明操作部71は、ベース部材30の底壁31の傾斜面部31Bに形成された凹部71Aに設けられている。照明操作部71は、吐水操作用のセンサ43と同様の赤外線センサ等の非接触式のセンサ72(第2センサとして例示する)を有して構成される。
【0046】
図12に示すように、センサ72は、前方斜め下方の所定距離を検知範囲A
72として、この範囲内に進入した使用者の手等の物体を検知する。センサ72は、手等の物体を検知した場合に検知信号を照明制御部73に送信する。照明制御部73は、センサ72による手等の物体の検知によって送信される検知信号に基づいて、照明部70の点灯、消灯等の切替制御を実行する。
【0047】
センサ72の検知範囲A
72は、吐水操作用のセンサ43の検知範囲A
43とは異なっている。上述のように、照明操作部71は、正面視において吐水部40の左方に隣接して配置されている。吐水操作用のセンサ43は、吐水部40の先端部に設けられている。照明操作部71のセンサ72は、
図12に示すように、側面視における吐水部40の延伸方向後方に配置されている。すなわち、センサ72及び吐水操作用のセンサ43は、正面視において左右に隣接し且つ側面視における吐水部40の延伸方向に沿って並んでおり、互いに近接して配置されている。吐水操作用のセンサ43の検知範囲A
43は、側面視における吐水部40の延伸方向前方の所定領域に設定されている。センサ72の検知範囲A
72は、側面視における吐水操作用のセンサ43の配置された方向に設定されている。しかし、センサ72の側面視における最大検出距離は、吐水部40の先端よりも手前側に設定されている。水栓ユニット20は、近接させて配置した2つのセンサ43,72の各検知範囲A
43,A
72を異ならせることによって、誤操作の防止が図られている。
【0048】
排水操作部80は洗面ボウル3の底部に設けられた排水栓3Dの操作部である。
図8、
図9、及び
図10に示すように、排水操作部80は、照明操作部71の左方に隣接して配置されている。排水操作部80は、ベース部材30の底壁31の傾斜面部31Bに形成された排水操作部80の取付部80Aに取り付けられている。
【0049】
排水操作部80は、棒状の部材であり、一端が底壁31の下面よりも下側に突出し、他端が底壁31を上方に貫通して上側に突出している。排水操作部80は、取り付け面となる傾斜面部31Bの下面に対して略直交するように取り付けられている。換言すると、排水操作部80は、排水操作部80の取付部80Aに取り付けられた状態において、下方に向かうにつれて前方に向かうように、前方斜め下方に向かって斜めに延びている。排水操作部80は、下端のつまみをつまんで引き出す操作をすることによって排水栓3Dを開放する。排水操作部80は、下端部のつまみをつまんで押し込む操作をすることによって排水栓3Dを閉塞する。排水操作部80の上端には操作ワイヤ81の一端が接続されている。
【0050】
図5に示すように、操作ワイヤ81の他端にはテールピース82が予め取り付けられている。テールピース82は、施工時に排水栓3Dに接続される部位である。テールピース82には、排水栓3Dを上下動させる機構部82Aが設けられている。操作ワイヤ81の他端はこの機構部82Aに接続されている。排水操作部80は、施工時には、操作ワイヤ81をベース部材30の後壁33の開口33Aに挿通してバックパネル4及び洗面台2の内部を配索し、テールピース82を排水栓3Dに接続することで取り付けられる。テールピース82は、ワンタッチクリップ82Bによって排水栓3Dに接続される。
【0051】
上記構成の洗面化粧台1の作用効果について説明する。
【0052】
洗面化粧台1は、吐水部40、水栓本体50、吐水レバー60、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80を、ベース部材30にそれぞれ取り付けて水栓ユニット20としてユニット化し、この水栓ユニット20をミラーキャビネット10の下部に取り付けている。このような洗面化粧台1は、
図1に示す正面視において、ミラーキャビネット10の下部から、吐水部40、吐水レバー60、及び排水操作部80がそれぞれ下方に突出して露出するのみであるため、すっきりと洗練された外観を呈する。
【0053】
水栓ユニット20は、ミラーキャビネット10の下部から下方に突出して露出する吐水部40、吐水レバー60、及び排水操作部80が左右方向に略等間隔に並んで配置されているとともに、それぞれ前方斜め下方に向かって傾斜して延びている。このように、洗面化粧台1は、ミラーキャビネット10の下部における統一感が演出される。
【0054】
洗面化粧台1は、ユニット化した水栓ユニット20を備えている。このため、各要素を別々に取り付ける場合と比較して、部品点数の低減が図られる。水栓ユニット20は、ユニット化され、部品点数が低減されることにより、施工時の工数を低減でき、現場作業が簡易になる。
【0055】
水栓ユニット20は、左右方向の中央部に吐水部40が配置されている。水栓ユニット20は、左右中央部の吐水部40から左右方向に間隔をあけた両端部に、排水栓3Dを操作する排水操作部80と、水栓本体50を操作する吐水操作部としての吐水レバー60と、の各操作部を配置している。すなわち、排水操作部80及び吐水レバー60を吐水部40が取り付けられた部材であるベース部材30に取り付けながら、吐水部40から可能な限り離した位置に配置している。このため、吐水レバー60及び排水操作部80の各々の操作時の、吐水部40や他の操作部との干渉が防止される。
【0056】
照明部70は、ベース部材30の底壁31に形成された凹溝70Aに嵌め込まれ、周囲の底壁31の下面と略面一とされている。このように、水栓ユニット20は、底壁31の下面からの出っ張りを極力回避したすっきりとしたデザインとしている。
【0057】
水栓ユニット20は、電子部品を有して構成されている吐水制御部61、照明部70、及び照明操作部71を、吐水部40の右方、左方、及び後方にそれぞれ隣接させて配置している。特に、吐水制御部61は、吐水部40及び水栓本体50の間に配置されている。吐水部40、水栓本体50、吐水レバー60、吐水制御部61、照明部70、照明操作部71、及び排水操作部80は、隔壁36によって仕切った区画毎に、ベース部材30に個別に取り付けられている。水栓ユニット20は、ベース部材30の内側において漏水が発生した場合でも、隔壁36によって仕切られた他の区画に水が浸入するのを抑制している。
【0058】
以上のように、洗面化粧台1は、洗面ボウル3の上方に配置されたミラーキャビネット10と、ミラーキャビネット10の下部に設けられ、湯水を吐出する吐水口41Aが形成された吐水部40と、ミラーキャビネット10の下部に設けられ、ミラーキャビネット10の下方に向けて照明光を照射する照明部70と、を備えている。このように、洗面化粧台1は、ミラーキャビネット10の下部に吐水部40及び照明部70を配置したので、従来の洗面化粧台と比較してすっきりとした美観が得られる。その結果、意匠性の向上を図ることができる。
【0059】
洗面化粧台1は、ミラーキャビネット10の下部に取り付けられる水栓ユニット20のベース部材30を更に備えている。吐水部40及び照明部70は、このベース部材30に取り付けられている。このように、洗面化粧台1は、吐水部40及び照明部70をベース部材30に取り付けてユニット化したことによって、更にすっきりとした美観を得ることができる。その結果、更なる意匠性の向上を図ることができる。
【0060】
ベース部材30には、照明部70から照射される照明光の照射状態の切り替え操作を行う照明操作部71、洗面ボウル3に設けられる排水栓3Dを開閉する排水操作部80、吐水口41Aから吐出される湯水の混合比及び流量を調整する操作を行う吐水レバー60、吐水部40に接続される水栓本体50、及び吐水口41Aから吐出される湯水の吐出制御を実行する吐水制御部61がそれぞれ取り付けられている。このように、洗面化粧台1は、吐水部40及び照明部70に加えて、照明操作部71、排水操作部80、吐水レバー60、水栓本体50、及び吐水制御部61をベース部材30に取り付けてユニット化したので、更にすっきりとした美観を得ることができる。その結果、更なる意匠性の向上をはかることができる。
【0061】
照明部70の下面は、照明部70の周囲のベース部材30の下面と略面一にされている。このため、照明部70及びその周囲のベース部材30の意匠性の向上を図ることができる。
【0062】
照明部70は吐水部40の後方に隣接して配置されている。照明部70は左右方向を長手方向とする長尺状に設けられている。照明部70の光軸Cは、側面視において前方斜め下方を向いている。このため、照明部70は、左右方向に所定幅を有し、前後方向に所定の角度幅を有する照明光を照射することができる。その結果、照明部70は、吐水部40の前方に差し出された手等の物体と、照明部70の後方に位置するバックパネル4の表面と、のそれぞれを好適に照らすことができる。
【0063】
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る洗面化粧台について、
図13等を参照しつつ説明する。実施形態2において、上記実施形態1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0064】
実施形態2の洗面化粧台は、
図13に示す水栓ユニット220を備えている。実施形態2の洗面化粧台は、この水栓ユニット220に設けられた照明部のベース部材への取付形態の点において、実施形態1と相違している。
【0065】
図13に示すように、水栓ユニット220はベース部材230及び照明部270を備えている。ベース部材230は、底壁231を有している。底壁231は凸部231Eを有している。凸部231Eは、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端に連なって、平坦面部31A及び傾斜面部31B,31Cの後端の高さよりも下方に突出して設けられている。凸部231Eは、ベース部材230の左右方向の略全体に渡って延びて形成されている。
【0066】
凸部231Eには照明部270が嵌め込まれる凹溝270Aが形成されている。凹溝270Aは、凸部231Eの下端が開口する形態で形成されている。凹溝270Aは、凸部231Eの左右方向の略全体に渡って形成されている。照明部270は、凹溝270Aの左右方向の長さと略同等の長さで設けられている。照明部270は、実施形態1の照明部70よりも左右方向に長く、ベース部材230の左右方向の略全体に渡る長さを有している。
【0067】
このような構成の実施形態2の洗面化粧台は、実施形態1の照明部70よりも左右方向に長い照明部270を有しているので、左右方向において更に広範囲に照明光を照射することができる。
【0068】
上述の実施形態1の照明部70は、ベース部材30の底壁31の下面に略面一に設けるために、底壁31の下面を上方に陥没させた凹溝70Aに嵌め込まれる構成を採用した。この場合、凹溝がベース部材内部に収納される他の部品の配置に対して影響を及ぼしてしまうおそれがある。これに対し、実施形態2の照明部270は、ベース部材230の底壁231の下面から下方に突出させた凸部231Eを形成し、この凸部231Eの下面を上方に陥没させた凹溝270Aに嵌め込む構成とした。このため、ベース部材内部に収納された他の部品の配置に及ぼす影響を考慮することなく凹溝を形成する構成を採用することができるので、照明部の大きさ、長さ等の設計自由度を向上させることができる。
【0069】
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1及び2の開示に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も含まれる。
【0070】
(1)キャビネットは上記実施形態の構成に限定されない。キャビネットは、例えば、前面に鏡のないものであってもよい。キャビネットの収納部は、例えば、1つ、2つ、及び4つ以上のいずれかであってもよい。
【0071】
(2)吐水部は上記実施形態の構成に限定されない。吐水部は、例えば、キャビネットに直接取り付けられる等、ベース部材以外の部材に取り付けられていてもよい。
【0072】
(3)照明部は上記実施形態の構成に限定されない。照明部は、例えば、キャビネットに直接取り付けられる等、ベース部材以外の部材に取り付けられていてもよい。
【0073】
(4)吐水部が水栓ユニットを構成することは必須でない。吐水部は、例えば、水栓ユニットや水栓ユニットを構成する他の機能部等から離れて単独で設けられていてもよい。
【0074】
(5)照明部が水栓ユニットを構成することは必須でない。照明部は、例えば、水栓ユニットや水栓ユニットを構成する他の機能部等から離れて単独で設けられていてもよい。
【0075】
(6)ベース部は上記実施形態の構成に限定されない。ベース部は、例えば、下面が一様な平坦面であってもよい。
【0076】
(7)水栓ユニットは、上記実施形態の構成に限定されない。水栓ユニットは、例えば、吐水部、水栓本体、吐水操作部、吐水制御部、照明部、照明操作部、及び排水操作部のうちの少なくとも1つを備えた構成であることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…洗面化粧台、3…洗面ボウル、3D…排水栓、10…ミラーキャビネット(キャビネット)、30,230…ベース部材、40…吐水部、41A…吐水口、43…センサ(第1センサ)、50…水栓本体、60…吐水レバー(吐水操作部)、61…吐水制御部、70,270…照明部、71…照明操作部、72…センサ(第2センサ)、80…排水操作部、A43,A72…センサの検知範囲