IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0232 20210101AFI20240105BHJP
   H01S 5/02208 20210101ALI20240105BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01S5/0232
H01S5/02208
H01S5/042 612
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019181316
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021057515
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】田尻 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田中 良宜
(72)【発明者】
【氏名】内海 秀之
(72)【発明者】
【氏名】木村 大志
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-134790(JP,A)
【文献】特開昭62-150796(JP,A)
【文献】特開昭63-136684(JP,A)
【文献】特開平11-186662(JP,A)
【文献】特開平10-135519(JP,A)
【文献】国際公開第2006/095834(WO,A1)
【文献】特開2015-019066(JP,A)
【文献】米国特許第05993075(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104733999(CN,A)
【文献】特開2019-165119(JP,A)
【文献】特開2019-129218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、厚さ方向において前記第1面と反対側を向く第2面と、を備えた半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子と電気的に接続された1以上のリードと、
前記半導体レーザ素子から出射される光を透過させ、前記半導体レーザ素子の前記第1面の少なくとも一部を覆い、前記リードの少なくとも一部を覆い且つ少なくとも一部を露出させる樹脂と、
を備え、
前記半導体レーザ素子の前記第2面は、前記樹脂から露出しており、
前記樹脂は、第3面、第4面、第5面および第6面を有し、
前記第3面および前記第4面は、前記厚さ方向と直角である第2方向において互いに反対側に位置し、
前記第5面は、前記第3面の前記厚さ方向における前記第2面が位置する側に繋がっており、且つ前記厚さ方向と直角である第1方向一方側に延びており、
前記第6面は、前記第4面の前記厚さ方向における前記第2面が位置する側に繋がっており、且つ前記厚さ方向と直角である第1方向他方側に延びている、半導体レーザ装置。
【請求項2】
記第3面が前記厚さ方向となす角度は、前記第4面が前記厚さ方向となす角度よりも小さい、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記半導体レーザ素子は、前記半導体レーザ素子の前記厚さ方向から見た平面視において互いに異なる方向を向く4辺としての第1辺、第2辺、第3辺および第4辺を少なくとも備え、
前記半導体レーザ素子の前記第1辺は、前記厚さ方向と直角である第1方向に延びており、
前記半導体レーザ素子の前記第2辺は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と反対側を向き、
前記半導体レーザ素子の前記第3辺は、前記第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と前記半導体レーザ素子の前記第2辺との間に位置し且つ前記第2方向に延びており、
前記半導体レーザ素子の前記第4辺は、前記第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と前記半導体レーザ素子の前記第2辺との間に位置し且つ前記第1方向において前記半導体レーザ素子の前記第3辺と反対側を向き、
前記樹脂は、前記平面視において互いに異なる方向を向く4辺としての第1辺、第2辺、第3辺および第4辺を少なくとも備え、
出射される光が最も強い前記半導体レーザ素子の前記第1辺は、平面視において前記樹脂の前記第1辺と対向している、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記半導体レーザ素子の前記第1面には、第1電極と第2電極とが形成されている、請求項3に記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記半導体レーザ素子は、前記第1方向視において前記リードと重なっている、請求項4に記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記1以上のリードは、前記平面視において前記半導体レーザ素子の前記第3辺と対向する第1リードを備えている、請求項5に記載の半導体レーザ装置。
【請求項7】
前記1以上のリードは、前記平面視において前記半導体レーザ素子の前記第4辺と対向する第2リードを備えている、請求項6に記載の半導体レーザ装置。
【請求項8】
前記半導体レーザ素子の前記第1電極は、第1ワイヤにより前記第1リードと接続されている、請求項6に記載の半導体レーザ装置。
【請求項9】
前記第1ワイヤは、前記第1方向に延びている、請求項8に記載の半導体レーザ装置。
【請求項10】
前記半導体レーザ素子の前記第1電極は、第1ワイヤにより前記第1リードと接続されている、請求項7に記載の半導体レーザ装置。
【請求項11】
前記第1ワイヤは、前記第1方向に延びている、請求項10に記載の半導体レーザ装置。
【請求項12】
前記半導体レーザ素子の前記第2電極は、第2ワイヤにより前記第2リードと接続されている、請求項11に記載の半導体レーザ装置。
【請求項13】
前記第2ワイヤは、前記第1方向において前記第1ワイヤとは反対側に延びている、請求項12に記載の半導体レーザ装置。
【請求項14】
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1方向視において重なっている、請求項4ないし13のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項15】
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第2方向視において重なっている、請求項4ないし13のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項16】
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1方向視において重なっており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとは前記第1方向視において重なっている、請求項13に記載の半導体レーザ装置。
【請求項17】
前記半導体レーザ素子の前記第2面側に、第1絶縁膜が設けられており、
前記第1絶縁膜は、前記樹脂から露出している、請求項1ないし16のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項18】
前記第1リードは、前記第5面から露出する部分を有する、請求項6ないし13のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
【請求項19】
前記第1リードは、前記第6面から露出する部分を有する、請求項18に記載の半導体レーザ装置。
【請求項20】
前記第2リードは、前記第5面から露出する部分を有する、請求項7に記載の半導体レーザ装置。
【請求項21】
前記第2リードは、前記第6面から露出する部分を有する、請求項20に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ素子を光源として備えた半導体レーザ装置が広く提案されている。特許文献1には、従来の半導体レーザ装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子が搭載された基板と、半導体レーザ素子を囲むケースと、ケースを塞ぐ透光カバーとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-122378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体レーザ装置は、電子機器等に搭載される場合、より小型であることが好ましい。
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型化を図ることが可能な半導体レーザ装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体レーザ装置は、第1面と、厚さ方向において前記第1面と反対側を向く第2面と、を備えた半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子と電気的に接続された1以上のリードと、前記半導体レーザ素子から出射される光を透過させ、前記半導体レーザ素子の前記第1面の少なくとも一部を覆い、前記リードの少なくとも一部を覆い且つ少なくとも一部を露出させる樹脂と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体レーザ装置によれば、小型化を図ることができる。
【0008】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示す正面図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示す側面図である。
図5図2のV-V線に沿う断面図である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図2のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図10図9のX-X線に沿う要部断面図である。
図11】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図12図11のXII-XII線に沿う要部断面図である。
図13】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部拡大断面図である。
図14図11のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
図16】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
図17】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図18】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図19図18のXIX-XIX線に沿う要部断面図である。
図20】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の第1変形例を示す断面図である。
図21】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の第2変形例を示す断面図である。
図22】本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置の第3変形例を示す断面図である。
図23】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図24】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す正面図である。
図25図23のXXV-XXV線に沿う断面図である。
図26】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す要部拡大断面図である。
図27】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す要部拡大断面図である。
図28図23のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
図29】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図30】本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法の他の例を示す要部平面図である。
図31】本開示の第3実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図32図31のXXXII-XXXII線に沿う断面図である。
図33図31のXXXIII-XXXIII線に沿う断面図である。
図34図31のXXXIV-XXXIV線に沿う断面図である。
図35】本開示の第3実施形態に係る半導体レーザ装置の第1変形例を示す断面図である。
図36】本開示の第3実施形態に係る半導体レーザ装置の第2変形例を示す断面図である。
図37】本開示の第4実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図38図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。
図39図37のXXXIX-XXXIX線に沿う断面図である。
図40】本開示の第4実施形態に係る半導体レーザ装置の第1変形例を示す平面図である。
図41】本開示の第5実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図42図41のXLII-XLII線に沿う断面図である。
図43】本開示の第6実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図44図43のXLIV-XLIV線に沿う断面図である。
図45】本開示の第7実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図46図45のXLVI-XLVI線に沿う断面図である。
図47】本開示の第8実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図48図47のXLVIII-XLVIII線に沿う断面図である。
図49図47のXLIX-XLIX線に沿う断面図である。
図50】本開示の第8実施形態に係る半導体レーザ装置の第1変形例を示す平面図である。
図51】本開示の第9実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。
図52図51のLII-LII線に沿う断面図である。
図53】本開示の第9実施形態に係る半導体レーザ装置の第1変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
<第1実施形態>
図1図9は、本開示の第1実施形態に係る半導体レーザ装置を示している。本実施形態の半導体レーザ装置A1は、複数のリード1、半導体レーザ素子2、複数のワイヤ3、第1絶縁膜41および樹脂6を備えている。
【0013】
図1は、半導体レーザ装置A1を示す斜視図である。図2は、半導体レーザ装置A1を示す平面図である。図3は、半導体レーザ装置A1を示す正面図である。図4は、半導体レーザ装置A1を示す側面図である。図5は、図2のV-V線に沿う断面図である。図6は、図2のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図2のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図2のVIII-VIII線に沿う断面図である。図9は、半導体レーザ装置A1の半導体レーザ素子を示す要部拡大断面図である。なお、x方向は、本開示の第1方向に相当し、y方向は、本開示の第2方向に相当し、z方向は、本開示の厚さ方向に相当する。また、z方向から見た場合の状態を、平面視と称する場合がある。
【0014】
複数のリード1は、本実施形態においては、第1リード1Aおよび第2リード1Bを含む。なお、本開示におけるリード1の個数は特に限定されず、1以上であればよい。第1リード1Aおよび第2リード1Bの材質は特に限定されず、たとえばCu、Fe、Ni等の金属からなる。また、第1リード1Aおよび第2リード1Bの表面の一部または全体には、めっき層が設けられていてもよい。めっき層としては、たとえばAu、Ti、Ni、Ag、Sn等の金属からなる単層または複層のめっき層が挙げられる。第1リード1Aおよび第2リード1Bの寸法は特に限定されず、図示された例においては、z方向寸法(厚さ)がたとえば50μm程度である。
【0015】
第1リード1Aは、本実施形態においては、第1面11A、第2面12A、第1辺13A、第2辺14A、第3辺15A、第4辺16A、延出部111A、延出部112Aおよび延出部113Aを有する。
【0016】
第1面11Aは、z方向一方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。第2面12Aは、第1面11Aとは反対側のz方向他方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。第1面11Aおよび第2面12Aの形状は特に限定されず、図示された例においては、y方向に長く延びる形状である。
【0017】
第1辺13A、第2辺14A、第3辺15Aおよび第4辺16Aは、平面視において互いに異なる方向を向く。平面視において第1辺13A、第2辺14A、第3辺15Aおよび第4辺16Aを構成する具体的部位は、たとえば、第1面11Aの外端縁が挙げられる。本実施形態においては、第1辺13A、第2辺14A、第3辺15Aおよび第4辺16Aは、第1面11Aの外端縁および当該外端縁に繋がり且つz方向沿った面によって構成されている。以降の説明においては、第1辺13A、第2辺14A、第3辺15Aおよび第4辺16Aは、それらを構成する面の説明を兼ねている。他の変形例や実施形態においても、特に説明する場合を除き、同様である。
【0018】
第1辺13Aは、x方向に延びており、y方向一方側に位置している。第2辺14Aは、y方向において第1辺13Aと反対側の他方側を向き、x方向に延びている。第3辺15Aは、y方向において第1辺13Aと第2辺14Aとの間に位置し且つy方向に延びている。第4辺16Aは、y方向において第1辺13Aと第2辺14Aとの間に位置し且つx方向において第3辺15Aと反対側を向き、y方向に延びている。
【0019】
延出部111Aは、第1辺13Aからy方向一方側に延出する部位である。延出部111Aは、第1面11Aの一部を有している。また、延出部111Aは、第2面12Aよりもz方向一方側(第1面11Aが向く側)に位置している。
【0020】
延出部112Aは、第2辺14Aからy方向他方側に延出する部位である。延出部112Aは、第1面11Aの一部を有している。また、延出部112Aは、第2面12Aよりもz方向一方側(第1面11Aが向く側)に位置している。
【0021】
延出部113Aは、第3辺15Aからx方向他方側に延出する部位である。延出部113Aは、第1面11Aの一部を有している。また、延出部113Aは、第2面12Aよりもz方向一方側(第1面11Aが向く側)に位置している。
【0022】
第2リード1Bは、第1リード1Aに対して、x方向一方側に離間して配置されている。第2リード1Bは、x方向視において第1リード1Aと重なる。第2リード1Bは、本実施形態においては、第1面11B、第2面12B、第1辺13B、第2辺14B、第3辺15B、第4辺16B、延出部111B、延出部112Bおよび延出部113Bを有する。
【0023】
第1面11Bは、z方向一方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。第2面12Bは、第1面11Bとは反対側のz方向他方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。第1面11Bおよび第2面12Bの形状は特に限定されず、図示された例においては、y方向に長く延びる形状である。
【0024】
第1辺13B、第2辺14B、第3辺15Bおよび第4辺16Bは、平面視において互いに異なる方向を向く。平面視において第1辺13B、第2辺14B、第3辺15Bおよび第4辺16Bを構成する具体的部位は、たとえば、第1面11Bの外端縁が挙げられる。本実施形態においては、第1辺13B、第2辺14B、第3辺15Bおよび第4辺16Bは、第1面11Bの外端縁および当該外端縁に繋がり且つz方向沿った面によって構成されている。以降の説明においては、第1辺13B、第2辺14B、第3辺15Bおよび第4辺16Bは、それらを構成する面の説明を兼ねている。他の変形例や実施形態においても、特に説明する場合を除き、同様である。
【0025】
第1辺13Bは、x方向に延びており、y方向一方側に位置している。第2辺14Bは、y方向において第1辺13Bと反対側の他方側を向き、x方向に延びている。第3辺15Bは、y方向において第1辺13Bと第2辺14Bとの間に位置し且つy方向に延びている。第4辺16Bは、y方向において第1辺13Bと第2辺14Bとの間に位置し且つx方向において第3辺15Bと反対側を向き、y方向に延びている。
【0026】
延出部111Bは、第1辺13Bからy方向一方側に延出する部位である。延出部111Bは、第1面11Bの一部を有している。また、延出部111Bは、第2面12Bよりもz方向一方側(第1面11Bが向く側)に位置している。
【0027】
延出部112Bは、第2辺14Bからy方向他方側に延出する部位である。延出部112Bは、第1面11Bの一部を有している。また、延出部112Bは、第2面12Bよりもz方向一方側(第1面11Bが向く側)に位置している。
【0028】
延出部113Bは、第3辺15Bからx方向一方側に延出する部位である。延出部113Bは、第1面11Bの一部を有している。また、延出部113Bは、第2面12Bよりもz方向一方側(第1面11Bが向く側)に位置している。
【0029】
半導体レーザ素子2は、半導体レーザ装置A1の光源であり、本実施形態においては、平面視において第1リード1Aと第2リード1Bとの間に配置されている。半導体レーザ素子2は、x方向視において第1リード1Aおよび第2リード1Bと重なる。
【0030】
半導体レーザ素子2の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、半導体レーザ素子2は、基板201、半導体層202、第1面21、第2面22、第1辺23、第2辺24、第3辺25、第4辺26、第1電極27および第2電極28を有する。
【0031】
基板201は、半導体レーザ素子2の土台となる部材であり、たとえばn-GaAsからなる。基板201の厚さは特に限定されず、たとえば90μm程度であり、第1リード1Aおよび第2リード1Bよりも厚い。x方向視において、基板201は、第1リード1Aおよび第2リード1Bに対してz方向一方側に突出している。
【0032】
半導体層202は、基板201のz方向一方側に形成されており、複数の半導体からなる層が積層されたものである。半導体層202からは、y方向一方側にレーザ光Lが出射される。半導体層202の厚さは特に限定されず、たとえば10μm程度である。また、本実施形態においては、半導体層202は、基板201のx方向他方側部分(第1リード1A側の部分)に配置されている。半導体層202は、x方向視において第1リード1Aおよび第2リード1Bよりもz方向一方側に位置している。
【0033】
第1面21は、z方向一方側を向く面である。図示された例においては、第1面21は、基板201および半導体層202によって構成された部位を含む。第2面22は、z方向において第1面21とは反対側を向く面であり、図示された例においては、基板201によって構成されている。
【0034】
第1辺23、第2辺24、第3辺25および第4辺26は、平面視において互いに異なる方向を向く。平面視において第1辺23、第2辺24、第3辺25および第4辺26を構成する具体的部位は、たとえば、第1面21の外端縁が挙げられる。本実施形態においては、第1辺23、第2辺24、第3辺25および第4辺26は、第1面21の外端縁および当該外端縁に繋がり且つz方向沿った面によって構成されている。以降の説明においては、第1辺23、第2辺24、第3辺25および第4辺26は、それらを構成する面の説明を兼ねている。他の変形例や実施形態においても、特に説明する場合を除き、同様である。
【0035】
第1辺23は、x方向に延びており、y方向一方側に位置している。第2辺24は、y方向において第1辺23と反対側の他方側を向き、x方向に延びている。第3辺25は、y方向において第1辺23と第2辺24との間に位置し且つy方向に延びている。第4辺26は、y方向において第1辺23と第2辺24との間に位置し且つx方向において第3辺25と反対側を向き、y方向に延びている。本実施形態においては、第1辺23から出射されるレーザ光Lが最も強い光度を有する。
【0036】
第1電極27は、第1面21上に形成されている。図示された例においては、第1電極27は、平面視において半導体層202のキャップ層250と重なっており、キャップ層250と導通している。
【0037】
第2電極28は、第1面21上に形成されている。図示された例においては、第2電極28は、基板201上に配置されている。
【0038】
図示された例においては、第1電極27および第2電極28は、x方向に離間して配置されている。第1電極27および第2電極28は、x方向視において重なっている。また、第1電極27おおび第2電極28は、x方向視において延出部113Aおよび延出部113Bと重なっている。
【0039】
第1電極27および第2電極28の電気的極性は特に限定されず、図示された例においては、第1電極27は、アノード電極であり、第2電極28は、カソード電極である。
【0040】
第1ワイヤ3Aは、第1面21上に配置された第1電極27と第1リード1Aとに接続されている。第1ワイヤ3Aの構成は特に限定されず、図示された例においては、ファーストボンディング部31A、セカンドボンディング部32Aおよび屈曲部33Aを有する。
【0041】
ファーストボンディング部31Aは、第1電極27上に配置されている。セカンドボンディング部32Aは、第1リード1Aの第1面11A上に配置されている。屈曲部33Aは、ファーストボンディング部31Aのz方向一方側に位置しており、第1ワイヤ3Aの一部が屈曲形状とされた部位である。図示された例においては、第1ワイヤ3Aは、x方向に延びている。また、第1ワイヤ3Aは、x方向視において延出部113Aと重なっている。
【0042】
第2ワイヤ3Bは、第1面21上に配置された第2電極28と第2リード1Bとに接続されている。第2ワイヤ3Bの構成は特に限定されず、図示された例においては、ファーストボンディング部31B、セカンドボンディング部32Bおよび屈曲部33Bを有する。
【0043】
ファーストボンディング部31Bは、第2電極28上に配置されている。セカンドボンディング部32Bは、第2リード1Bの第1面11B上に配置されている。屈曲部33Bは、ファーストボンディング部31Bのz方向一方側に位置しており、第2ワイヤ3Bの一部が屈曲形状とされた部位である。図示された例においては、第2ワイヤ3Bは、x方向に延びている。また、第2ワイヤ3Bは、x方向視において第1ワイヤ3Aと重なっている。第2ワイヤ3Bは、x方向視において延出部113Bと重なっている。
【0044】
第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bの材質は特に限定されず、たとえばAu、Cu、Al、Ag等からなる。図示された例においては、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bは、Auからなる。また、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bの本数は、図示された例の本数に限定されず、たとえば複数本であってもよい。
【0045】
第1絶縁膜41は、半導体レーザ素子2の第2面22上に配置されている。第1絶縁膜41は、たとえばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁材料からなる。図示された例においては、第1絶縁膜41は、平面視において半導体レーザ素子2よりも大きく、半導体レーザ素子2から延出している。第1絶縁膜41のz方向他方側の面は、第1リード1Aの第2面12Aおよび第2リード1Bの第2面12Bと面一である。
【0046】
樹脂6は、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光Lを透過させる。樹脂6の材質は特に限定されず、たとえば透明なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等からなる。樹脂6は、半導体レーザ素子2の第1面21の少なくとも一部を覆い、第1リード1Aおよび第2リード1Bの少なくとも一部ずつを覆い且つ少なくとも一部ずつを露出させる。本実施形態においては、樹脂6は、第1面21、第1辺23を構成する面、第2辺24を構成する面、第3辺25を構成する面および第4辺26を構成する面を覆っている。
【0047】
樹脂6の形状は特に限定されず、本実施形態においては、第1面61、第2面62、第3面63、第4面64、第5面65、第6面66、第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604を有する。樹脂6は、第1リード1Aのうち第1面11Aの一部、第1辺13Aを構成する面、第2辺14Aを構成する面、第3辺15Aを構成する面、第4辺16Aを構成する面、延出部111Aの一部、延出部112Aの一部および延出部113Aの一部を覆っている。樹脂6は、第2リード1Bのうち第1面11Bの一部、第1辺13Bを構成する面、第2辺14Bを構成する面、第3辺15Bを構成する面、第4辺16Bを構成する面、延出部111Bの一部、延出部112Bの一部および延出部113Bの一部を覆っている。樹脂6は、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bを覆っている。
【0048】
第1面61は、z方向一方側を向く面である。第2面62は、z方向において第1面61とは反対側を向く面であり、図示された例においては、基板201によって構成されている。本実施形態においては、第1面61は、平面視において第2面62よりも小さい。第2面62は、z方向視において第1面61からy方向両側に延出している。
【0049】
第3面63は、第1面61のy方向一方側端に繋がっており、第1面61に対してz方向他方側に位置している。図7に示すように、第3面63は、第2面62よりもz方向一方側に位置している。図示された例においては、第3面63は、z方向に対して角度α1をなして傾いている。図示された例においては、半導体レーザ素子2から発せられたレーザ光Lは、第3面63から出射される。
【0050】
第4面64は、第1面61のy方向他方側端に繋がっており、第1面61に対してz方向他方側に位置している。図7に示すように、第4面64は、第2面62よりもz方向一方側に位置している。図示された例においては、第4面64は、z方向に対して角度α2をなして傾いている。角度α2は、角度α1よりも大きい。
【0051】
第5面65は、第3面63のz方向他方側端(図中下端)に繋がっており、y方向一方側に延びている。図示された例においては、第5面65は、z方向に対して直角である平面である。図示された例においては、第1リード1Aの第1面11Aおよび第2リード1Bの第1面11Bの一部は、第5面65と面一である状態で、樹脂6から露出している。
【0052】
第6面66は、第4面64のz方向他方側端(図中下端)に繋がっており、y方向他方側に延びている。図示された例においては、第6面66は、z方向に対して直角である平面である。図示された例においては、第1リード1Aの第1面11Aおよび第2リード1Bの第1面11Bの一部は、第6面66と面一である状態で、樹脂6から露出している。
【0053】
第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604は、平面視において互いに異なる方向を向く。平面視において第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604を構成する具体的部位は、たとえば、第1面61、第5面65および第6面66の外端縁が挙げられる。本実施形態においては、第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604は、第1面61、第5面65および第6面66の外端縁および当該外端縁に繋がり且つz方向沿った面によって構成されている。以降の説明においては、第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604は、それらを構成する面の説明を兼ねている。他の変形例や実施形態においても、特に説明する場合を除き、同様である。
【0054】
第1辺601は、x方向に延びており、y方向一方側に位置している。第2辺602は、y方向において第1辺601と反対側の他方側を向き、x方向に延びている。第3辺603は、y方向において第1辺601と第2辺602との間に位置し且つy方向に延びている。第4辺604は、y方向において第1辺601と第2辺602との間に位置し且つx方向において第3辺603と反対側を向き、y方向に延びている。
【0055】
第1リード1Aの第2面12A、第2リード1Bの第2面12Bおよび第1絶縁膜41のz方向他方側面は、第2面62と面一の状態で樹脂6から露出している。
【0056】
延出部111Aおよび延出部111Bのそれぞれの先端面は、第1辺601を構成する面と面一の状態で樹脂6から露出している。
【0057】
延出部112Aおよび延出部112Bのそれぞれの先端面は、第2辺602を構成する面と面一の状態で樹脂6から露出している。
【0058】
延出部113Aの先端面は、第3辺603を構成する面と面一の状態で樹脂6から露出している。延出部114Aの先端面は、第4辺604を構成する面と面一の状態で樹脂6から露出している。
【0059】
次に、半導体レーザ装置A1の製造方法の一例について、図9図19を参照しつつ以下に説明する。
【0060】
まず、図9および図10に示すように、支持部材S1を用意する。支持部材S1は、平坦な表面を有する板状部材である。また、リードフレーム10を用意する。リードフレーム10は、複数個の半導体レーザ装置A1を製造可能な複数の第1リード1Aおよび複数の第2リード1Bが、フレーム101に支持されたものである。フレーム101は、たとえば複数の帯状部101xおよび複数の帯状部101yを含む。複数の帯状部101xは、それぞれがx方向に延びており、y方向に互いに離間して配置されている。複数の帯状部101yは、それぞれがy方向に延びており、x方向視においてに互いに離間して配置されている。複数の帯状部101xおよび複数の帯状部101yは、互いが交差する位置において連結されている。複数の第1リード1Aの延出部111A、延出部112Aおよび延出部113Aと複数の第2リード1Bの延出部111B、延出部112Bおよび延出部113Bとが、フレーム101に連結されている。
【0061】
リードフレーム10は、支持部材S1によって支持される。リードフレーム10の支持は、たとえば支持部材S1への接着等の手法によって適宜なされる。
【0062】
次いで、図11図14に示すように、支持部材S1上に半導体レーザ素子2を配置する。半導体レーザ素子2は、第1リード1Aと第2リード1Bとの間に配置される。本実施形態においては、半導体レーザ素子2は、第1絶縁膜41を介して支持部材S1に配置される。これにより、第1リード1Aの第2面12Aおよび第2リード1Bの第2面12Bと第1絶縁膜41のz方向下面とが面一となる。また、第1電極27と第1リード1Aとに第1ワイヤ3Aを接続し、第2電極28と第2リード1Bとに第2ワイヤ3Bを接続する。第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bの接続は、たとえばキャピラリが用いられる。
【0063】
次いで、図15に示すように、支持部材S1、リードフレーム10、複数の半導体レーザ素子2等を、金型M1および金型M2によって挟む。金型M2は、支持部材S1をz方向他方側から支持しており、たとえば平坦な面を有する。金型M1は、支持部材S1に対してz方向一方側に配置され、複数のキャビティM11を有する。キャビティM11は、たとえばx方向視においてに長く延びる凹部であり、複数の半導体レーザ素子2、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bを収容する空間を規定する。図示された例においては、キャビティM11は、第1面M111および第2面M112を有する。第1面M111は、半導体レーザ素子2に対してy方向一方側に位置する面であり、z方向に対して角度α1傾いている。第2面M112は、半導体レーザ素子2に対してy方向他方側に位置する面であり、z方向に対して角度α2傾いている。金型M1のz方向下面は、第1リード1Aの第1面11Aおよび第2リード1Bの第1面11Bと当接する。
【0064】
次いで、図16に示すように、金型M1と金型M2との間に、樹脂材料を注入し、これを硬化させる。これにより、図17に示す樹脂60が得られる。樹脂60は、複数の樹脂6を含む中間部材である。本例においては、第1面M111によって規定された面が第3面63となり、第2面M112によって規定された面が第4面64となる。また、金型M1のz方向下面によって規定された面が、第5面65および第6面66となる。
【0065】
次いで、図18および図19に示すように、複数の切断線CLxおよび複数の切断線CLyに沿って、リードフレーム10および樹脂60を切断する。この切断は、リードフレーム10および樹脂60とともに支持部材S1を切断する手法であってもよいし、切断に先立ってリードフレーム10および樹脂60から支持部材S1を除去した後に切断する手法であってもよい。また、隣り合う半導体レーザ素子2に挟まれた2つの切断線CLxに沿った切断は、それぞれの切断線CLxに沿って2回の切断を行う手法でもよいし、2つの切断線CLxに挟まれた領域を一括して除去するように切断する手法であってもよい。同様に、また、隣り合う半導体レーザ素子2に挟まれた2つの切断線CLyに沿った切断は、それぞれの切断線CLyに沿って2回の切断を行う手法でもよいし、2つの切断線CLyに挟まれた領域を一括して除去するように切断する手法であってもよい。
【0066】
以上の工程を経ることにより、複数の半導体レーザ装置A1が得られる。
【0067】
次に、半導体レーザ装置A1の作用について説明する。
【0068】
本実施形態によれば、たとえば、半導体レーザ素子2を支持する基材と、半導体レーザ素子2への導通経路となる配線パターンと、を有する基板を備えていない。第1リード1Aおよび第2リード1Bの体積は、前記基材の体積よりも小さくすることが可能である。したがって、半導体レーザ装置A1の小型化を図ることができる。
【0069】
半導体レーザ素子2は、x方向視において第1リード1Aおよび第2リード1Bと重なる。すなわち、半導体レーザ素子2と第1リード1Aおよび第2リード1Bとは、z方向において離間しておらず、z方向において占める領域が互いに重なる位置関係である。これにより、半導体レーザ装置A1のz方向寸法を縮小することができる。
【0070】
基板201の厚さは、第1リード1Aおよび第2リード1Bの厚さよりも厚い。このため、図3および図7に示すように、半導体層202は、第1リード1Aおよび第2リード1Bに対してz方向一方側(図中上側)に位置している。樹脂6の第3面63は、第1リード1Aの第1面11Aおよび第2リード1Bの第1面11Bよりもz方向一方側に位置しており、y方向視において半導体層202と重なる。これにより、半導体層202からのレーザ光Lを第3面63から出射させることができる。図15および図16に示すように、第3面63は、金型M1の第1面M111によって形成される。このため、第3面63は、比較的平滑で表面粗さが顕著に小さい面に仕上げることが可能である。これは、レーザ光Lの出射効率を高めるのに適している。
【0071】
第3面63の角度α1は、第4面64の角度α2よりも小さい。これにより、半導体レーザ素子2からのレーザ光Lが、第3面63によって不当に屈折されることを抑制することができる。また、半導体レーザ素子2からy方向他方側に微弱な光が出射される場合に、第4面64が傾いていることによって、y方向一方側へと反射されることを抑制することができる。
【0072】
第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bが、屈曲部33Aおよび屈曲部33Bを有することにより、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bのz方向寸法を縮小することが可能である。これは、半導体レーザ装置A1のz方向における小型化に有利である。
【0073】
図20図53は、本開示の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0074】
<第1実施形態 第1変形例>
図20は、半導体レーザ装置A1の第1変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A11は、第1絶縁膜41を備えない点が、上述した半導体レーザ装置A1と異なっている。半導体レーザ装置A11においては、半導体レーザ素子2の第2面22が、樹脂6の第2面62と面一である状態で、樹脂6から露出している。
【0075】
本変形例によっても、半導体レーザ装置A1と同様の効果を奏する。また、以降の実施形態において特段の説明がない場合、第1絶縁膜41を備えた構成および第1絶縁膜41を備えない構成のいずれかを適宜採用可能である。
【0076】
<第1実施形態 第2変形例>
図21は、半導体レーザ装置A1の第2変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A12は、樹脂6の構成が、上述した例と異なる。
【0077】
半導体レーザ装置A12においては、第3面63がz方向となす角度である角度α1は、第4面64がz方向となす角度である角度α2よりも大きく、たとえば、45°である。このような第3面63は、半導体レーザ素子2から進行してきたレーザ光Lを反射可能であり、z方向他方側(図中下側)に向けて進行させることができる。
【0078】
なお、第3面63によるレーザ光Lの反射は、樹脂6と空気との屈折率の差に起因する全反射であってもよい。あるいは、図示された例のように、第3面63に反射膜631を設けることにより、レーザ光Lを反射する構成であってもよい。反射膜631の構成は特に限定されず、たとえば蒸着法によって形成されたAlからなる薄膜である。
【0079】
半導体レーザ装置A12によれば、レーザ光Lをz方向他方側(図中下側)に出射することができる。たとえば、半導体レーザ装置A12が実装される回路基板(図示略)のうち、平面視において第3面63と重なる位置に貫通孔を設けておく。この貫通孔を通じてレーザ光Lを出射することができる。
【0080】
<第1実施形態 第3変形例>
図22は、半導体レーザ装置A1の第3変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A13においては、第1ワイヤ3Aのファーストボンディング部31Aが、第1リード1Aの第1面11A上に配置されており、セカンドボンディング部32Aが、半導体レーザ素子2の第1電極27上に配置されている。また、第2ワイヤ3Bの31Bが、第2リード1Bの第1面11B上に配置されており、セカンドボンディング部32Bが半導体レーザ素子2の第2電極28上に配置されている。
【0081】
本変形例によれば、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bのz方向寸法をさらに縮小することが可能であり、半導体レーザ装置A13のz方向における小型化を図るのに有利である。
【0082】
<第2実施形態>
図23は、本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図24は、本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す正面図である。図25は、図23のXXV-XXV線に沿う断面図である。図26は、本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す要部拡大断面図である。図27本開示の第2実施形態に係る半導体レーザ装置を示す要部拡大断面図である。図28は、図23のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【0083】
本実施形態の半導体レーザ装置A2は、主に樹脂6の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の樹脂6は、第1面61、第2面62、第1辺601、第2辺602、第3辺603および第4辺604を有しており、全体として直方体形状である。
【0084】
第1辺601は、第1面61と第2面62とを繋ぎ且つz方向に沿う平面によって構成されている。第2辺602は、第1面61と第2面62とを繋ぎ且つz方向に沿う平面によって構成されている。第3辺603は、第1面61と第2面62とを繋ぎ且つz方向に沿う平面によって構成されている。第4辺604は、第1面61と第2面62とを繋ぎ且つz方向に沿う平面によって構成されている。
【0085】
図24に示すように、半導体層202は、y方向視において第3面63と重なっている。図25に示すように、半導体レーザ素子2から発せられるレーザ光Lは、第1辺601を構成する面から出射される。
【0086】
図26および図27に示すように、第1辺601を構成する面の表面粗さは、第2辺602を構成する面の表面粗さよりも小さい。第1辺601を構成する面の表面粗さは、たとえばレーザ光Lを不当に散乱することなく通過させる程度である。また、第2辺602を構成する面の表面粗さは、半導体レーザ素子2の半導体層202からy方向他方側に進行する比較的微弱な光を、適度に散乱させることが可能な程度である。
【0087】
本実施形態によっても、半導体レーザ装置A2の小型化を図ることができる。また、本開示においては、半導体レーザ装置A1のように樹脂6が第3面63、第4面64、第5面65および第6面66を有する構成と、半導体レーザ装置A2のように樹脂6が第3面63、第4面64、第5面65および第6面66を有さない構成とを、適宜採用可能である。
【0088】
半導体レーザ装置A2によれば、y方向において小型化を図るのに有利である。また、第4面64によって半導体レーザ素子2からの微弱な光を散乱させることにより、この微弱な光が誤ってy方向一方側に進行し、レーザ光Lの出射に対してノイズ光となることを抑制することができる。
【0089】
図29は、半導体レーザ装置A2の製造方法の一例を示す要部平面図である。本例においては、樹脂60は、第1面61および第2面62を有する平坦で凹凸を有さない形状に形成されている。第1面61は、樹脂60の全面にわたって広がっている。リードフレーム10および樹脂60を、切断線CL1x、切断線CL2xおよび切断線Clyに沿って切断する。
【0090】
切断線CL1xは、半導体レーザ素子2のy方向一方側(レーザ光Lが出射される側)に位置している。切断線CL2xは、半導体レーザ素子2のy方向他方側に位置している。切断線CL1xに沿った切断は、たとえば切断に用いるダイシングブレードの進行速度を相対的に遅く設定する。一方、切断線CL2xに沿った切断は、たとえばダイシングブレードの進行速度を相対的に速く設定する。これにより、切断線CL1xに沿った切断によって形成される第1辺601を構成する面の表面粗さは、切断線CL2xに沿った切断によって形成される第2辺602を構成する面の表面粗さよりも小さくなる。
【0091】
図30は、半導体レーザ装置A2の製造方法の他の例を示す要部平面図である。本例においては、y方向において隣り合う半導体レーザ素子2の配置が、上述した例と異なる。本例では、y方向において隣り合う半導体レーザ素子2の第1辺23同士が、互いに対向するように配置されている。2つの切断線CL1xは、y方向において隣り合っている。本例においては、2つの切断線CL1xに挟まれたハッチング領域を一括して削除するように、たとえば、当該ハッチング領域のy方向寸法と厚さがほぼ同じであるダイシングブレードを用いた切断を行う。これにより、y方向において隣り合って互いに対向する2つの第3面63を形成することができる。
【0092】
<第3実施形態>
図31は、本開示の第3実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図32は、図31のXXXII-XXXII線に沿う断面図である。図33は、図31のXXXIII-XXXIII線に沿う断面図である。図34は、図31のXXXIV-XXXIV線に沿う断面図である。
【0093】
本実施形態の半導体レーザ装置A3は、半導体レーザ素子2の構成が、上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、半導体層202は、基板201のy方向一方側部分に形成されている。第1電極27と第2電極28とは、y方向に互いに離間してあ並べられている。第1ワイヤ3Aと第2ワイヤ3Bとは、各々がx方向に延びており、y方向に離間して配置されている。
【0094】
本実施形態によれば、半導体レーザ装置A3のx方向寸法を縮小するのに有利である。
【0095】
<第3実施形態 第1変形例>
図35は、半導体レーザ装置A3の第1変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A31においては、第2ワイヤ3Bのファーストボンディング部31Bが、樹脂部39によって覆われている。樹脂部39は、半導体レーザ素子2からの光を反射しにくい、たとえば黒色等の樹脂からなる。樹脂部39が設けられていることにより、半導体レーザ素子2からy方向他方側に微弱な光が発せられても、この光は、樹脂部39によって吸収され、顕著に反射されることを抑制することができる。
【0096】
<第3実施形態 第2変形例>
図36は、半導体レーザ装置A3の第2変形例を示す断面図である。本変形例の半導体レーザ装置A32においては、第1リード1Aおよび第2リード1Bが、半導体レーザ素子2に対してx方向他方側に配置されている。第1リード1Aと第2リード1Bとは、y方向に互いに離間して並べられている。
【0097】
第1リード1Aは、延出部111Aおよび延出部113Bを有する。第2リード1Bは、延出部112Bおよび延出部113Bを有する。延出部111Aの先端は、第1辺601と面一の状態で樹脂6から露出している。延出部112Bの先端は第2辺602と面一の状態で樹脂6から露出している。延出部113Aおよび延出部113Bの先端は、第3辺603と面一の状態で樹脂6から露出している。
【0098】
第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bは、それぞれがx方向に延びており、y方向に離間して配置されている。本変形例においては、セカンドボンディング部32Aおよびセカンドボンディング部32Bは、ファーストボンディング部31Aおよびファーストボンディング部31Bに対してx方向他方側に配置されている。
【0099】
本変形例によれば、半導体レーザ装置A32のx方向寸法を縮小するのに有利である。
【0100】
<第4実施形態>
図37は、本開示の第4実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図38は、図37のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。図39は、図37のXXXIX-XXXIX線に沿う断面図である。
【0101】
本実施形態の半導体レーザ装置A4は、半導体レーザ素子2の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の半導体レーザ素子2は、2つの半導体層202,203を有している。2つの半導体層202,203は、基板201上においてx方向に互いに離間して配置されている。また、半導体レーザ素子2は、第1電極27、第2電極28および第3電極29を有する。第1電極27は、x方向他方側(図37における図中左側)の半導体層202上に配置されている。第3電極29は、x方向一方側(図中右側)の半導体層203上に配置されている。第2電極28は、第1電極27と第3電極29との間において、基板201上に配置されている。
【0102】
半導体レーザ装置A4は、第1ワイヤ3A、第2ワイヤ3Bおよび第3ワイヤ3Cを有する。第1ワイヤ3Aは、第1電極27と第1リード1Aの第1面11Aとに接続されている。第2ワイヤ3Bは、第2電極28と第2リード1Bの第1面11Bとに接続されている。第3ワイヤ3Cは、第3電極29と第1リード1Aの第1面11Aとに接続されている。第3ワイヤ3Cは、ファーストボンディング部31C、セカンドボンディング部32Cおよび屈曲部33Cを有する。ファーストボンディング部31Cは、第3電極29上に配置されている。セカンドボンディング部32Aは、第1リード1Aの第1面11A上に配置されている。屈曲部33Cは、ファーストボンディング部31Cのz方向一方側に位置しており、第3ワイヤ3Cの一部が屈曲形状とされた部位である。
【0103】
第1ワイヤ3A、第2ワイヤ3Bおよび第3ワイヤ3Cは、各々がx方向に延びている図示された例においては、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bは、x方向視において重なっている。第3ワイヤ3Cは、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bに対してy方向他方側に位置している。第3ワイヤ3Cは、y方向視において第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3Bと重なっている。
【0104】
本実施形態によっても、半導体レーザ装置A4の小型化を図ることができる。また、2つの半導体層202,203からレーザ光L1およびレーザ光L2を発することにより、高輝度化を図ることができる。
【0105】
<第4実施形態>
図40は、半導体レーザ装置A4の第1変形例を示す平面図である。本変形例の半導体レーザ装置A41は、第1リード1A、第2リード1Bおよび第3リード1Cを有する。第1リード1Aおよび第3リード1Cと第2リード1Bとは、半導体レーザ素子2を挟んでx方向に離間して配置されている。第1リード1Aと第3リード1Cとは、y方向に離間して並べられている。
【0106】
第3リード1Cは、本実施形態においては、第1面11C、第2面12C(図示略)、第1辺13C、第2辺14C、第3辺15C、第4辺16C、延出部112Cおよび延出部113Cを有する。
【0107】
第1面11Cは、z方向一方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。第2面12Cは、第1面11Cとは反対側のz方向他方側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。
【0108】
第1辺13C、第2辺14C、第3辺15Cおよび第4辺16Cは、平面視において互いに異なる方向を向く。平面視において第1辺13C、第2辺14C、第3辺15Cおよび第4辺16Cを構成する具体的部位は、たとえば、第1面11Cの外端縁が挙げられる。本実施形態においては、第1辺13C、第2辺14C、第3辺15Cおよび第4辺16Cは、第1面11Cの外端縁および当該外端縁に繋がり且つz方向沿った面によって構成されている。以降の説明においては、第1辺13C、第2辺14C、第3辺15Cおよび第4辺16Cは、それらを構成する面の説明を兼ねている。他の変形例や実施形態においても、特に説明する場合を除き、同様である。
【0109】
第1辺13Cは、x方向に延びており、y方向一方側に位置している。第2辺14Cは、y方向において第1辺13Cと反対側の他方側を向き、x方向に延びている。第3辺15Cは、y方向において第1辺13Cと第2辺14Cとの間に位置し且つy方向に延びている。第4辺16Cは、y方向において第1辺13Cと第2辺14Cとの間に位置し且つx方向において第3辺15Cと反対側を向き、y方向に延びている。
【0110】
延出部112Cは、第2辺14Cからy方向他方側に延出する部位である。延出部112Cは、第1面11Cの一部を有している。また、延出部112Cは、第2面12Cよりもz方向一方側(第1面11Cが向く側)に位置している。
【0111】
延出部113Cは、第3辺15Cからx方向他方側に延出する部位である。延出部113Cは、第1面11Cの一部を有している。また、延出部113Cは、第2面12Cよりもz方向一方側(第1面11Cが向く側)に位置している。
【0112】
第1ワイヤ3Aは、第1電極27と第1リード1Aの第1面11Aとに接続されている。第2ワイヤ3Bは、第1電極27と第2リード1Bの第1面11Bとに接続されている。第3ワイヤ3Cは、第3電極29と第3リード1Cの第1面11Cとに接続されている。
【0113】
本実施形態によれば、第1電極27と第3電極29とは、第1リード1Aと第3リード1Cとに各別に接続されている。これにより、半導体層202と半導体層203とを、それぞれ個別に発光させることが可能である。
【0114】
<第5実施形態>
図41は、本開示の第5実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図42は、図41のXLII-XLII線に沿う断面図である。
【0115】
本実施形態の半導体レーザ装置A5においては、半導体レーザ素子2が第2リード1B上に配置されている。
【0116】
第2リード1Bは、第1リード1Aに対してy方向一方側に離間して配置されている。第2リード1Bは、延出部111B、延出部113Bおよび延出部114Bを有する。延出部111Bは、第1辺13Bからy方向一方側に延出している。延出部113Bは、第3辺15Bからx方向他方側に延出している。延出部114Bは、第4辺16Bからx方向一方側に延出している。
【0117】
第1電極27は、半導体層202によって構成された第1面21上に配置されている。第2電極28は、第2面22上に配置されている。第2電極28と第2リード1Bの第1面11Bとは、第1導電部291によって導通接合されている。第1導電部291は、たとえばはんだやAgペーストが固化したものである。
【0118】
半導体レーザ装置A4は、第1ワイヤ3Aを備える。第1ワイヤ3Aは、第1電極27と第1リード1Aの第1面11Aとに接続されている。
【0119】
本実施形態によれば、半導体レーザ装置A5のx方向寸法およびy方向寸法を縮小するのに有利である。
【0120】
<第6実施形態>
図43は、本開示の第6実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図44は、図43のXLIV-XLIV線に沿う断面図である。
【0121】
本実施形態の半導体レーザ装置A6は、半導体レーザ装置A5の半導体レーザ素子2と同様の構成の半導体レーザ素子2を有する。本実施形態においては、半導体レーザ素子2の第2電極28が、第2面62と面一の状態で樹脂6から露出している。第1ワイヤ3Aは、半導体レーザ装置A5と同様に、第1電極27と第1リード1Aの第1面11Aとに接続されている。
【0122】
本実施形態によれば、たとえば半導体レーザ装置A5と比べてz方向寸法をさらに縮小することができる。
【0123】
<第7実施形態>
図45は、本開示の第7実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図46は、図45のXLVI-XLVI線に沿う断面図である。
【0124】
本実施形態の半導体レーザ装置A7においては、半導体レーザ素子2の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態の半導体レーザ素子2は、半導体層202が、基板201のz方向他方側において、y方向一方側部分に配置されている。第1面21は、基板201によって構成されており、第2面22は、基板201および半導体層202によって構成されている。
【0125】
第1電極27は、第2面22のうち半導体層202によって構成された部分に配置されており、第2電極28は、第2面22のうち基板201によって構成された部分に配置されている。
【0126】
第1リード1Aおよび第2リード1Bは、y方向に互いに離間して並んでいる。半導体レーザ素子2は、平面視において第1リード1Aおよび第2リード1Bに重なっており、第1リード1Aおよび第2リード1Bに跨るように配置されている。第1電極27は、第1リード1Aの第1面11Aに対向しており、第1導電部291によって第1リード1Aに導通接合されている。第2電極28は、第2リード1Bの第1面11Bに対向しており、第2導電部292によって第2リード1Bに導通接合されている。
【0127】
本実施形態によれば、第1ワイヤ3Aおよび第2ワイヤ3B等を備えないことにより、半導体レーザ装置A7のz方向寸法をさらに縮小することができる。
【0128】
<第8実施形態>
図47は、本開示の第8実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図48は、図47のXLVIII-XLVIII線に沿う断面図である。図49は、図47のXLIX-XLIX線に沿う断面図である。
【0129】
本実施形態の半導体レーザ装置A8は、たとえば半導体レーザ装置A2と同様に半導体レーザ素子2のx方向両側に第1リード1Aおよび第2リード1Bが離間して配置されている。
【0130】
本実施形態の第1リード1Aは、第1面11A、第2面12A、第1辺13A、第2辺14A、第3辺15A、第4辺16Aおよび第3面17Aを有する。第1面11Aは、平面視において第2面12Aよりもx方向寸法が小さい。第1面11Aのx方向他方側端と第2面12Aのx方向他方側端とは、平面視において略一致している。第1面11Aは、61と面一となるように樹脂6から露出している。第2面12Aは、第2面62と面一となるように樹脂6から露出している。第3辺15Aは、樹脂6から露出している。
【0131】
第3面17Aは、z方向において第1面11Aと第2面12Aとの間に位置している。図示された例においては、第3面17Aは、第1面11Aと第2面12Aとに繋がっている。また、図示された例においては、第3面17Aは、第1辺13Aを構成する面と第2辺14Aを構成する面とに繋がっている。図48に示すように、第3面17Aは、y方向視において曲線をなす形状である。第3面17Aのうち第2面12A側の部分は、凸曲面をなしており、第1面11A側の部分は、凹曲面をなしている。第1ワイヤ3Aは、第3面17Aのうち、たとえばz方向一方側を向く部分に接続されている。
【0132】
本実施形態の第2リード1Bは、第1面11B、第2面12B、第1辺13B、第2辺14B、第3辺15B、第4辺16Bおよび第3面17Bを有する。第1面11Bは、平面視において第2面12Bよりもx方向寸法が小さい。第1面11Bのx方向一方側端と第2面12Bのx方向一方側端とは、平面視において略一致している。第1面11Bは、61と面一となるように樹脂6から露出している。第2面12Bは、第2面62と面一となるように樹脂6から露出している。第3辺15Bは、樹脂6から露出している。
【0133】
第3面17Bは、z方向において第1面11Bと第2面12Bとの間に位置している。図示された例においては、第3面17Bは、第1面11Bと第2面12Bとに繋がっている。また、図示された例においては、第3面17Bは、第1辺13Bを構成する面と第2辺14Bを構成する面とに繋がっている。図48に示すように、第3面17Bは、y方向視において曲線をなす形状である。第3面17Bのうち第2面12B側の部分は、凸曲面をなしており、第1面11B側の部分は、凹曲面をなしている。第2ワイヤ3Bは、第3面17Bのうち、たとえばz方向一方側を向く部分に接続されている。
【0134】
本実施形態によっても、半導体レーザ装置A8の小型化を図ることができる。また、第1面11Aおよび第1面11Bと第2面12Aおよび第2面12Bとが、樹脂6からz方向両側に露出している。これにより、半導体レーザ装置A8は、たとえば第1面11Aおよび第1面11Bを用いた実装姿勢と、第2面12Aおよび第2面12Bを用いた実装姿勢との、2つの実装姿勢を任意に選択することが可能である。
【0135】
<第8実施形態 第1変形例>
図50は、半導体レーザ装置A8の第1変形例を示す平面図である。本変形例の半導体レーザ装置A81においては、第1リード1Aが、第4面18Aを有する。第4面18Aは、第2面12Aおよび第3辺15Aを構成する面に繋がっており、y方向視において凹曲面をなしている。第2リード1Bは、第4面18Bを有する。第4面18Bは、第2面12Bおよび第3辺15Aに繋がっており、y方向視において凹曲面をなしている。
【0136】
本変形例によっても、半導体レーザ装置A81の小型化を図ることができる。また、図示された例とは異なり、第4面18A,18Bにめっき層を設けること等により、第4面18A,18Bを実装電極として形成してもよい。この場合、半導体レーザ装置A81を縦置きに実装することができる。本変形例から理解されるように、第1リード1Aおよび第2リード1Bの具体的な形状等は適宜設定可能である。
【0137】
<第9実施形態>
図51は、本開示の第9実施形態に係る半導体レーザ装置を示す平面図である。図52は、図51のLII-LII線に沿う断面図である。
【0138】
本実施形態の半導体レーザ装置A9は、第1リード1A、複数の第5リード1E、半導体レーザ素子2、第1ワイヤ3A、第2ワイヤ3B、複数の第5ワイヤ3E、制御素子71および樹脂6を備える。
【0139】
第1リード1Aは、たとえば平面視において矩形状である。複数の第5リード1Eは、各々がたとえば平面視において矩形状であり、y方向に並べられている。複数の第5リード1Eは、第1リード1Aに対してx方向他方側に配置されている。
【0140】
半導体レーザ素子2および制御素子71は、第1リード1A上に配置されている。半導体レーザ素子2は、制御素子71に対してx方向一方側に配置されている。半導体レーザ素子2は、第1面21上に第1電極27および第2電極28が配置されている。
【0141】
制御素子71は、たとえば半導体レーザ素子2の発光制御機能を有する集積回路素子である。制御素子71は、たとえば複数のパッド711を有する。複数のパッド711は、y方向に沿った2列に配置されている。
【0142】
第1ワイヤ3Aは、第1電極27とパッド711とに接続されている。第2ワイヤ3Bは、第2電極28とパッド711に接続されている。複数の第5ワイヤ3Eは、複数の711と複数の第5リード1Eとに各別に接続されている。
【0143】
樹脂6は、半導体レーザ素子2からのレーザ光Lと透過させる材質からなり、半導体レーザ素子2および制御素子71と、第1リード1Aおよび複数の第5リード1Eの一部ずつとを覆っている。
【0144】
本実施形態によっても、半導体レーザ装置A9の小型化を図ることができる。また、半導体レーザ素子2の発光制御を行う制御素子71を備えることにより、半導体レーザ装置A9が実装される回路基板(図示略)において、半導体レーザ素子2と制御素子71とを接続するための配線パターンを設けることが不要である。これにより、当該回路基板の小型化を図ることができる。
【0145】
<第9実施形態 第1変形例>
図53は、半導体レーザ装置A9の第1変形例を示す平面図である。本変形例の半導体レーザ装置A91は、いわゆるQFN(Quad Flat No-Leads)タイプのパッケージ構造であり、第1リード1A、第2リード1B、複数の第3リード1C、複数の第4リード1D、複数の第5リード1Eおよび第6リード1F、半導体レーザ素子2、第1ワイヤ3A、第2ワイヤ3B、複数の第4ワイヤ3Dおよび樹脂6を備える。
【0146】
第1リード1Aおよび第2リード1Bは、たとえばx方向に概ね沿って延びる帯状であり、y方向に互いに離間して並べられている。複数の第3リード1Cは、第1リード1Aおよび第2リード1Bとともにy方向に互いに離間して並べられている。
【0147】
複数の第4リード1Dは、x方向に沿って2列に並べられたものと、第1リード1Aおよび第2リード1Bとは、x方向における反対側において、y方向に並べられたものとを含む。
【0148】
複数の第5リード1Eは、半導体レーザ装置A91の四隅に配置されている。第6リード1Fは、複数の第4リード1Dに囲まれた領域に配置されている。第6リード1Fと複数の第5リード1Eとは、互いに連結されている。
【0149】
半導体レーザ素子2は、第1リード1A、第2リード1Bおよび複数の第3リード1Cに跨って配置されている。半導体レーザ素子2の第1面21には、第1電極27および第2電極28が配置されている。第1電極27は、第1ワイヤ3Aによって第1リード1Aに接続されている。第2電極28は、第2ワイヤ3Bによって第2リード1Bに接続されている。
【0150】
制御素子71は、第6リード1F上に配置されている。制御素子71は、複数のパッド711を有する。複数のパッド711は、複数の第4ワイヤ3Dによって複数の第4リード1Dに各別に接続されている。
【0151】
本実施形態によっても、半導体レーザ装置A91の小型化を図ることができる。
【0152】
本開示に係る半導体レーザ装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体レーザ装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0153】
〔付記1〕
第1面と、厚さ方向において前記第1面と反対側を向く第2面と、を備えた半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子と電気的に接続された1以上のリードと、
前記半導体レーザ素子から出射される光を透過させ、前記半導体レーザ素子の前記第1面の少なくとも一部を覆い、前記リードの少なくとも一部を覆い且つ少なくとも一部を露出させる樹脂と、
を備える、半導体レーザ装置。
〔付記2〕
前記半導体レーザ素子は、前記半導体レーザ素子の前記厚さ方向から見た平面視において互いに異なる方向を向く4辺としての第1辺、第2辺、第3辺および第4辺を少なくとも備え、
前記半導体レーザ素子の前記第1辺は、前記厚さ方向と直角である第1方向に延びており、
前記半導体レーザ素子の前記第2辺は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と反対側を向き、
前記半導体レーザ素子の前記第3辺は、前記第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と前記半導体レーザ素子の前記第2辺との間に位置し且つ前記第2方向に延びており、
前記半導体レーザ素子の前記第4辺は、前記第2方向において前記半導体レーザ素子の前記第1辺と前記半導体レーザ素子の前記第2辺との間に位置し且つ前記第1方向において前記半導体レーザ素子の前記第3辺と反対側を向き、
前記樹脂は、前記平面視において互いに異なる方向を向く4辺としての第1辺、第2辺、第3辺および第4辺を少なくとも備え、
出射される光が最も強い前記半導体レーザ素子の前記第1辺は、平面視において前記樹脂の前記第1辺と対向している、付記1に記載の半導体レーザ装置。
〔付記3〕
前記半導体レーザ素子の前記第1面には、第1電極と第2電極とが形成されている、付記2に記載の半導体レーザ装置。
〔付記4〕
前記半導体レーザ素子は、前記第1方向視において前記リードと重なっている、付記3に記載の半導体レーザ装置。
〔付記5〕
前記1以上のリードは、前記平面視において前記半導体レーザ素子の前記第3辺と対向する第1リードを備えている、付記4に記載の半導体レーザ装置。
〔付記6〕
前記1以上のリードは、前記平面視において前記半導体レーザ素子の前記第4辺と対向する第2リードを備えている、付記5に記載の半導体レーザ装置。
〔付記7〕
前記半導体レーザ素子の前記第1電極は、第1ワイヤにより前記第1リードと接続されている、付記5に記載の半導体レーザ装置。
〔付記8〕
前記第1ワイヤは、前記第1方向に延びている、付記7に記載の半導体レーザ装置。
〔付記9〕
前記半導体レーザ素子の前記第1電極は、第1ワイヤにより前記第1リードと接続されている、付記6に記載の半導体レーザ装置。
〔付記10〕
前記第1ワイヤは、前記第1方向に延びている、付記9に記載の半導体レーザ装置。
〔付記11〕
前記半導体レーザ素子の前記第2電極は、第2ワイヤにより前記第2リードと接続されている、付記10に記載の半導体レーザ装置。
〔付記12〕
前記第2ワイヤは、前記第1方向において前記第1ワイヤとは反対側に延びている、付記11に記載の半導体レーザ装置。
〔付記13〕
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1方向視において重なっている、付記3ないし12のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記14〕
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第2方向視において重なっている、付記3ないし12のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記15〕
前記第1電極と前記第2電極とは、前記第1方向視において重なっており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとは前記第1方向視において重なっている、付記12に記載の半導体レーザ装置。
〔付記16〕
前記半導体レーザ素子の前記第2面側に、第1絶縁膜が設けられており、
前記第1絶縁膜は、前記樹脂から露出している、付記1ないし15のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記17〕
前記半導体レーザ素子の前記第2面は、前記樹脂から露出している、付記1ないし15のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記18〕
前記1以上のリードは、第1リードと、前記第1リードと離間する第2リードとを含み、
前記半導体レーザ素子は、少なくとも前記第2リード上に配置されている、付記2に記載の半導体レーザ装置。
〔付記19〕
前記半導体レーザ素子の前記第2面は、前記第2リードと対向し且つ第1導電部によって前記第2リードに接合されている、付記18に記載の半導体レーザ装置。
〔付記20〕
前記第1リードは、前記平面視において前記第2辺と対向している、付記18または19に記載の半導体レーザ装置。
〔付記21〕
前記半導体レーザ素子の前記第1面には、第1電極が形成されており、
前記第1電極と前記第1リードとは、第1ワイヤにより接続されている、付記18ないし20のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記22〕
前記第1ワイヤは、前記平面視において、前記半導体レーザ素子の前記第2辺と交差している、付記21に記載の半導体レーザ装置。
〔付記23〕
前記半導体レーザ素子の前記第2面には、第2電極が形成されている、付記18ないし22のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
〔付記24〕
前記半導体レーザ素子は、前記第1リードおよび前記第2リード上に跨って配置されている、付記18に記載の半導体レーザ装置。
〔付記25〕
前記半導体レーザ素子の前記第2面には、第1電極および第2電極が形成されおり、
前記第1電極は、前記第1リードと対向し且つ第1導電部によって前記第1リードに接合されており、
前記第2電極は、前記第2リードと対向し且つ第2導電部によって前記第2リードに接合されている、付記24に記載の半導体レーザ装置。
【符号の説明】
【0154】
A1,A11,A12,A13,A2,A3,A31,A32,A4,A41,A5,A6,A7,A8,A81,A9,A91:半導体レーザ装置
1 :リード
1A :第1リード
1B :第2リード
1C :第3リード
1D :第4リード
1E :第5リード
1F :第6リード
2 :半導体レーザ素子
3 :ワイヤ
3A :第1ワイヤ
3B :第2ワイヤ
3C :第3ワイヤ
3D :第4ワイヤ
3E :第5ワイヤ
10 :リードフレーム
11A :第1面
11B :第1面
11C :第1面
12A :第2面
12B :第2面
12C :第2面
13A :第1辺
13B :第1辺
13C :第1辺
14A :第2辺
14B :第2辺
14C :第2辺
15A :第3辺
15B :第3辺
15C :第3辺
16A :第4辺
16B :第4辺
16C :第4辺
17A :第3面
17B :第3面
18A :第4面
18B :第4面
21 :第1面
22 :第2面
23 :第1辺
24 :第2辺
25 :第3辺
26 :第4辺
27 :第1電極
28 :第2電極
29 :第3電極
31A,31B,31C:ファーストボンディング部
32A,32B,32C:セカンドボンディング部
33A,33B,33C:屈曲部
39 :樹脂部
41 :第1絶縁膜
61 :第1面
62 :第2面
63 :第3面
64 :第4面
65 :第5面
66 :第6面
71 :制御素子
101 :フレーム
101x :帯状部
101y :帯状部
111A :延出部
111B :延出部
112A :延出部
112B :延出部
112C :延出部
113A :延出部
113B :延出部
113C :延出部
114A :延出部
114B :延出部
201 :基板
202,203 :半導体層
210 :第1層
291 :第1導電部
292 :第2導電部
601 :第1辺
602 :第2辺
603 :第3辺
604 :第4辺
631 :反射膜
711 :パッド
CL1x,CL2x,CLx,CLy,Cly:切断線
L,L1,L2:レーザ光
M1 :金型
M11 :キャビティ
M111 :第1面
M112 :第2面
M2 :金型
S1 :支持部材
α1,α2:角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53