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特許7413574症状を医学的状態に関連付けるためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】症状を医学的状態に関連付けるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240105BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240105BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G16H50/00
A61B5/11 230
A61B10/00 H
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022578687
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 IB2021055666
(87)【国際公開番号】W WO2021260640
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2020/056091
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521550943
【氏名又は名称】シャーコ ニューロテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHARCO NEUROTECH LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】君塚 絵美
(72)【発明者】
【氏名】ソミン チョン
(72)【発明者】
【氏名】フロイド ピエール
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0206775(US,A1)
【文献】国際公開第2018/050763(WO,A1)
【文献】特開2019-153123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/11
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
症状を医学的状態に関連付けるためのシステム(200)であって、該システムは、ユーザデバイス(204)に関連付けられたサーバ構成を備え、前記サーバ構成が、
(a)前記ユーザデバイス(204)にユーザ活動のセットを提供する、
(b)前記ユーザデバイス(204)から、前記ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報を受信する、
(c)前記ユーザデバイス(204)から、前記選択されたユーザ活動に関連するユーザ入力を受信する、
(d)前記ユーザ入力を分析し、前記ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)前記パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)前記症状を医学的状態に関連付けるために前記症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作可能であり、前記パフォーマンススコアに基づく前記1つまたは複数の症状の特定は、少なくとも2つのパフォーマンススコアを比較することを含み、前記少なくとも2つのパフォーマンススコアは、前記選択されたユーザ活動に関連する新しいユーザ入力と過去のユーザ入力に対応することを特徴とするシステム(200)。
【請求項2】
前記サーバ構成は、さらに、
前記ステップ(a)の前に、前記ユーザデバイス(204)から、ユーザ(208)が経験した症状の自己評価を受信する、
ように操作可能である、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項3】
前記サーバ構成は、さらに、
(g)前記パフォーマンススコアに基づいて、後続のユーザ活動を前記ユーザデバイス(204)に推奨する、および
(h)前記パフォーマンススコアが少なくとも1つのユーザ活動に関連するユーザ入力の最も低い閾値として判定されるまで、ステップ(b)から(d)および(g)を繰り返す、
ように操作可能である、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項4】
前記サーバ構成は、前記少なくとも1つのユーザ入力の分析、前記1つまたは複数の症状の特定、および後続のユーザ活動の推奨のために、機械学習および人工知能を使用してトレーニングされる、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項5】
前記選択されたユーザ活動は、運動の動きとしてユーザ入力を必要とする運動ゲームタスクであり、前記運動ゲームタスクは、スピードタッピングゲーム、バランスゲーム、迷路ゲーム、パズルゲーム、対話型認知ゲーム、認知タスクのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項6】
前記選択されたユーザ活動は、音声入力、運動の動きのうちの少なくとも1つとして前記ユーザ入力を必要とする音声制御ゲームタスクである、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記選択されたユーザ活動は自己評価アンケートフォームであり、前記ユーザ入力は健康関連情報である、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記選択されたユーザ活動はチャート作成タスクであり、前記ユーザ入力は、投薬データ、ライフスタイルデータ、併用療法データ、予約ログ、服薬遵守ログのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項9】
前記医学的状態が、神経障害、筋肉障害、神経筋障害のうちの少なくとも1つに関連する、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項10】
前記医学的状態がパーキンソン病である、請求項1から9のいずれかに一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記医学的状態に関連する症状が、動作緩慢、ジスキネジア、振戦、無動症、運動低下症、小字症、発声不全、発語速迫のうちの少なくとも1つである、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項12】
前記ユーザ入力は、指先の位置、指タップの強さ、横方向の指の動き、角度のある指の動き、指の動きの振幅、指の動きの規則性、指の動きの速度、指の動きの制御、指の動きの自発性、加速度計のデータ、ジェスチャ、凝視、発話、発話の振幅の少なくとも1つについて分析される、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項13】
前記サーバ構成は、さらに、少なくとも2つの成績スコアに基づいて、医学的状態に関連する症状の進行を判定するように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項14】
前記ユーザデバイス(204)はウェアラブルデバイス(700)に通信可能に結合され、前記ウェアラブルデバイス(700)は、動作時に、ユーザと接しているように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイス(700)は刺激要素を備え、前記刺激要素が前記症状を制御するように構成されている、請求項14に記載のシステム(200)。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイス(700)は、前記ユーザデバイス(204)を介して、前記刺激要素に関連付けられた動作パラメータをカスタマイズするためのユーザ命令を受信するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のシステムを使用して症状を医学的状態に関連付ける方法(100)であって、該方法は、ユーザデバイス(204)に関連付けられたサーバ構成を、
(a)前記ユーザデバイス(204)にユーザ活動のセットを提供する、
(b)前記ユーザデバイス(204)から、前記ユーザ活動のセットからのユーザ活動の
選択に関する情報を受信する、
(c)前記ユーザデバイス(204)から、前記選択されたユーザ活動に関連するユーザ
入力を受信する、
(d)前記ユーザ入力を分析し、前記ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)前記パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)前記症状を医学的状態に関連付けるために前記症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作することを含み、前記パフォーマンススコアに基づく前記1つまたは複数の症状の特定は、少なくとも2つのパフォーマンススコアを比較することを含み、前記少なくとも2つのパフォーマンススコアは、前記選択されたユーザ活動に関連する新しいユーザ入力と過去のユーザ入力に対応することを特徴とする、方法(100)。
【請求項18】
前記方法は、ステップ(a)の前に、前記ユーザデバイスから、ユーザが経験した症状の自己評価を受信することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、さらに、前記サーバ構成を、
(g)前記パフォーマンススコアに基づいて、後続のユーザ活動を前記ユーザデバイス(204)に推奨する、および
(h)前記パフォーマンススコアが前記少なくとも1つのユーザ活動に関連するユーザ入力の最も低い閾値として判定されるまで、ステップ(b)から(d)および(g)を繰り返す、
ように操作することを含む、請求項17に記載の方法(100)。
【請求項20】
前記方法は、前記少なくとも1つのユーザ入力の分析、前記1つまたは複数の症状の特定、および後続のユーザ活動の推奨のために、機械学習および人工知能を使用して前記サーバ構成をトレーニングすることを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項21】
少なくとも2つのパフォーマンススコアに基づいて、医学的状態に関連する症状の進行を判定するために、前記サーバ構成を操作することをさらに含む、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項22】
コンピュータ可読命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、請求項17から21のいずれか一項に記載の方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ化されたデバイスによって実行可能である、非一時的コンピュータ可読記憶媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に監視システムに関する。特に、本開示は、症状を医学的状態に関連付けるためのシステムに関する。さらに、本開示は、症状を医学的状態に関連付ける方法に関する。さらに、本開示は、前述の方法を実行するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術の進歩とともに、病気の進行の監視と管理が容易になっている。通常、さまざまな医療機器(ウェアラブル機器やハンドヘルド機器など)が、症状の進行の追跡および相互のコミュニケーションのために、患者や医療専門家に配置される。このような監視装置が利用できるにもかかわらず、人々は症状を特定できず、症状を特定の医学的状態に関連付けることができない。1つまたは複数の症状を特定の医学的状態に関連付けることができないのは、複数の医学的状態の間で共有される無数の共通の症状に起因する可能性がある。具体的には、神経障害(パーキンソン病など)または老齢、禁断症状などの他の状態に苦しんでいる人々の症状を特定し、症状を特定の医学的状態と関連付けることは困難である。特に、症状が本質的に一般的なものに見え、正しい医学的状態ではなく類似の医学的状態に関連している可能性がある。例えば、振戦は、パーキンソン病、本態性振戦症、またはてんかんに関連している可能性がある。
【0003】
従来、臨床的に検証された評価ツールを使用して、症状を特定し、医学的状態と関連付けることができる。その際、医療専門家は、被験者、すなわち患者または症状を経験している人に、その評価のための入力の提供を要求している。しかし、このような評価ツールは労力がかかり、ほとんどの被験者にとって快適な診断方法ではあり得ない。さらに、たとえ従来の評価ツールが被験者の症状および関連する医学的状態の効率的な特定を可能にするとしても、そのような被験者は、被験者の管理のために、被験者の要件に合わせて調整されたツールにアクセスできない。パーキンソン病に罹患している患者は、特に、頻度が低く簡単な検査であるため、症状の進行状況を追跡することおよび医療専門家とコミュニケーションをとることが困難である。さらに、患者は時間通りに薬を服用し、薬の摂取量を記録するのに苦労することがよくある。さらに、病気の衰弱性のために、小さな間違いが生活の質に大きな影響を受ける期間につながる可能性があり、時には大きな生活の質の悪化をたらす。したがって、患者がより高い自立と生活の質を維持できるようにするためのツールを提供しながら、現在の治療戦略があらゆる革新によってサポートできるようにする必要がある。
【0004】
したがって、上述の議論に照らして、症状を特定して医学的状態に関連付ける従来の技術と関連する上記の欠点を克服する必要があり、患者が自身の症状および疾患を管理でき且つより良い生活の質のために医療専門家と通信できる方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、症状を医学的状態に関連付けるためのシステムを提供しようとするものである。本開示はまた、症状を医学的状態と関連付ける方法を提供しようとするものである。本発開示さらに、コンピュータ化されたデバイスの処理ハードウェアによって実行されるコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品を提供しようとするものである。本開示は、正しい症状を特定し、特定された症状を正しい医学的状態と関連付けるという既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。本開示の目的は、従来技術で遭遇した問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供し、ユーザが経験した症状を医学的状態に関連付けるための効率的で堅牢な解決策を提供することにある。
【0006】
一態様では、本開示は、症状を医学的状態に関連付けるためのシステムを提供する。このシステムは、ユーザデバイスに関連付けられたサーバ構成を備え、前記サーバ構成が、
(a)前記ユーザデバイスにユーザ活動のセットを提供する、
(b)前記ユーザデバイスから、前記ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報を受信する、
(c)前記選択されたユーザ活動に関連するユーザ入力を前記ユーザデバイスから受信する、
(d)前記ユーザ入力を分析し、前記ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)前記パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)前記症状を医学的状態に関連付けるために前記症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作可能である。
【0007】
別の態様では、本開示は、システムを使用して症状を医学的状態に関連付ける方法を提供する。この方法は、ユーザデバイスと関連付けられたサーバ構成を、
(a)前記ユーザデバイスにユーザ活動のセットを提供する、
(b)前記ユーザデバイスから、前記ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報を受信する、
(c)前記選択されたユーザ活動に関連するユーザ入力を前記ユーザデバイスから受信する、
(d)前記ユーザ入力を分析し、前記ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)前記パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)症状を医学的状態に関連付けるために前記症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作することを含む。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、コンピュータ可読命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品を提供し、そのコンピュータ可読命令は、前述の方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ化されたデバイスによって実行可能である。
【0009】
本開示の実施形態は、先行技術における前述の問題を実質的に排除するか、または少なくとも部分的に対処し、症状を特定して医学的状態と関連付けること、およびユーザを様々な活動に関与させることによって症状の進行を監視すること、およびユーザデータを臨床医と定期的に共有することでユーザの臨床医とのやり取りの頻度を増加させることを可能にする。
【0010】
本開示のさらなる態様、利点、特徴、および目的は、添付の特許請求の範囲と併せて解釈される図面および例示的な実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな組み合わせで組み合わせることができることが理解されよう。
【0012】
上記の概要、および例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解される。本開示を説明するために、本開示の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法および手段に限定されない。さらに、当業者なら、図面が一定の縮尺ではないことは理解されよう。可能な限り、同様の要素は同じ番号で示されている。
【0013】
次に、本開示の実施形態を、以下の図を参照して、単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施形態による、症状を医学的状態に関連付ける方法のステップのフローチャートである。
図2】本開示の一実施形態による、症状を医学的状態に関連付けるためのシステムの例示的な図である。
図3】本開示の一実施形態による、ユーザデバイスの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図4A】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図4B】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図4C】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図5A】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図5B】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図5C】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図6A】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図6B】本開示の一実施形態による、ユーザデバイス上の例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図7A】本開示の一実施形態による例示的なウェアラブルデバイスの断面図である。
図7B】本開示の一実施形態による例示的なウェアラブルデバイスの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面において、下線付き番号は、その下線付き番号が位置するアイテムまたはその下線付き番号が隣接するアイテムを表すために使用される。下線のない番号は、その下線のない番号とアイテムとを結ぶ線によって識別されるアイテムに関連する。番号に下線が引かれておらず、関連する矢印が付いている場合、その下線が引かれていない番号は、矢印が指し示す一般アイテムを識別するために使用される。
【0016】
以下の詳細な説明は、本開示の実施形態、およびそれらを実施できる方法を示す。本開示を実施するいくつかのモードが開示されているが、当業者は、本開示を実施または実行するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0017】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、ウェアラブルデバイスは、動作中、アプリケーションソフトウェアによって追跡するように構成される。ウェアラブルデバイスは、外部デバイス(以後、「ユーザデバイス」と称する)と一体化されたto-useアプリケーションソフトウェアを有する。少なくとも1つの互換ユーザデバイスに統合されたそのようなto-useアプリケーションソフトウェアは、デバイス統合アプリケーションと呼ばれる。互換ユーザデバイスは、該互換ユーザデバイス上のデバイス統合アプリケーションを実行するように構成される。ユーザデバイスは、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、パームトップコンピュータおよびスマートウォッチを含むが、これらに限定されるものではない。「デバイス統合アプリケーション」という用語は、該ユーザデバイスのプロセッサを使用することによって、ユーザデバイスにより実行するためのソフトウェアプログラムを指す。特に、デバイス統合アプリケーションは、ユーザデバイスのハードウェア要素および/またはソフトウェア要素に命令を提供するようにプログラムされた所定の機能のセットを含む。更に、デバイス統合アプリケーションは、ユーザデバイスのディスプレイにユーザインタフェースを提供するように構成されることで、ユーザが特定の関連タスクを実行することを可能にする。一実施例では、デバイス統合アプリケーションは、アプリケーションプログラミングインタフェースである。一実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、組織に関係している。従って、デバイス統合アプリケーションは、組織によって提供される予めプログラムされたガイドラインに従って機能する。デバイス統合アプリケーションは、その設置時に予めプログラムされたガイドラインに従って機能するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ウェアラブルデバイスがユーザに装着またはユーザに接着されているとき(即ち、動作中)、ユーザ入力部にアクセスするためのキューとして、ユーザが接触または軽い圧力を加えることができる。ユーザ入力部へのユーザによる接触または軽い圧力の印加は、ウェアラブルデバイスのコントローラに命令を提供して、受信したユーザ入力に基づく出力を提供するように、少なくとも1つの刺激要素に命令するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションによって、ユーザは、いつ処方薬を服用するかを思い出すために、ユーザデバイスに指示することができる。この場合、デバイス統合アプリケーションは、例えば、薬剤の名称、薬剤の投与量、薬剤の服用時期等に関する処方情報を含む。更に、デバイス統合アプリケーションは、ウェアラブルデバイスをユーザの要求に基づいて構成する(換言すると、特定の要件を満たすように調整する)ことを可能にする。このような実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、刺激アラートに加えて識別可能なアラートを生成することを可能にする。有利には、識別可能なアラートは、普通の生活ができないユーザを助けるために、ユーザの家族または介護者に対する、視覚的、聴覚的、またはそれらの組み合わせのようなアラートパターンを含む。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、医師との予約をスケジューリングし、そのための事前の通知(またはリマインダ)を送信することを可能にする。事前の通知は、所定の期間前、例えば、予約期日の2日前、1日前、6時間前、および2時間前等に基づいて発生させることができることは理解されよう。
【0019】
いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ウェアラブルデバイスの常用、症状、症状の変化および進行、ウェアラブルデバイスの有効性、並びに症状の治療(薬剤、治療等を含む)を追跡および記録することを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ユーザによって記録されたデータを収集かつ分析し、それを使用して改善をグラフとして測定し提供するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは(例えば、電子メールまたは他のデバイス統合アプリケーションを介して)、通信ネットワークを介してユーザの医師または内科医にウェアラブルデバイスの日々の分析を報告する。付加的または代替的に、デバイス統合アプリケーションは、読み取り値が所定の閾値を超えたときに、自動アラートをトリガする。代替的な実施形態では、ウェアラブルデバイスは、何らかのBluetooth(登録商標)接続なしで使用可能である。ウェアラブルデバイスは、第1のコマンド、即ち、5分間の刺激に対して1回の接触または圧力の印加と、連続的な刺激のための第2のコマンドとを含む。このような実施形態では、ウェアラブルデバイスは、デバイス統合アプリケーションを介して、投薬アラートを提供するとともに、アラートシステム、振動振幅、デューティ比、振動波形、バッテリステータス、およびウェアラブルデバイスのオン/オフを管理するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、例えば、緊急事態にウェアラブルデバイスへのアクセスする権限を与えられたユーザの医師、介護者、または家族によって、ウェアラブルデバイスを遠隔位置からトリガするために使用される。ウェアラブルデバイスはスタンドアロンデバイスであり、その機能のために新しいソフトウェアまたはハードウェアを必要としないことは理解されよう。
【0020】
図3は、スマートフォン等のユーザデバイスへのデバイス統合アプリケーションの成功したインストールの例示的な実装である。図示のように、デバイス統合アプリケーションのロゴまたはアイコンがスマートフォンディスプレイの上に視認可能である。デバイス統合アプリケーションは、(図4A図4B図4C図5A図5B図5C図6Aおよび図6Bに詳細に示すように)例えば、様々なゲーム、自己評価、投薬アラート等の複数のオプションを有するメインメニューを含む。デバイス統合アプリケーションは、1つのオプションからメインメニューに戻り、別のオプションを選択することによって、メインメニュー上の様々なオプション間のトグリングを可能にする。種々のゲームは、パーキンソン病に罹患している患者等のユーザの速さ度および正確さを試験するように設計されている。一実施例において、種々のゲームのうちの1つに、スクリーン上に示された2つの点の間に、指を使って螺旋および/または直線を描くものを含む。ユーザは、運動を改善するのに役立つ複数の試みを行うことができる。別の実施例では、種々のゲームのうちの1つに、ディスプレイ内の変化を特定し追跡するもの、例えば、指を使用して制限時間内に可能な限り多くのバルーンをポッピングするものや、スクリーン上の交互のドットを、指を使用して制限時間内に可能な限り速くタップするもの等を含む。自己評価は、ユーザに対するアンケートを含む。ユーザは、ユーザの健康を追跡して医師または介護者に追跡および通知するために、定期的に、例えば週毎、自己評価アンケートを記入する必要がある。アンケートは、「歩行に伴う問題」、「入浴または着替えに伴う問題」、「日常生活に伴う問題」、「痛み/不快」、「不安/うつ」等の質問に対して回答するために、例えば、「なし、軽度、中程度、重度および不可能」の範囲の所定の尺度の応答からユーザが選択することを必要とし得る。デバイス統合アプリケーションは、ユーザが現在の質問に対する回答を登録した後に新たな質問に移動することを可能にする。更に、デバイス統合アプリケーションは、ユーザが0~100の尺度で総合的な健康(生活の質(QOL))を評価することを可能にし、ここで0はユーザがイメージできる最悪の健康状態で、100は最良の健康状態である。更に、デバイス統合アプリケーションは、次回の投薬の期限および12時間または24時間内の投薬のフォーマットのような投薬アラートを提供する。更に、前記アラートが対処され、その時間に対する投薬が行われた場合には、ユーザにログを提供して、回答(はい、または、いいえ)を登録する。更に、設定アイコンは、ユーザがアラームを設定することを可能にし、処方の詳細(即ち、薬剤および用量)および各投薬の頻度を提供する。有利には、デバイス統合アプリケーションは、ユーザにより記録されたデータを、ユーザの進行を追跡するためにそれぞれの医師に送信することを可能にする。
【0021】
一態様では、本開示は、症状を医学的状態に関連付けるためのシステムを提供する。このシステムは、ユーザに関連付けられたサーバ構成を備え、このサーバ構成が、
(a)ユーザデバイスにユーザ活動のセットを提供する、
(b)ユーザデバイスから、ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報を受信する、
(c)ユーザデバイスから、選択したユーザ活動に関連するユーザ入力を受信する、
(d)ユーザ入力を分析し、ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)症状を医学的状態に関連付けるために症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作可能である。
【0022】
別の態様では、本開示は、システムを使用して症状を医学的状態に関連付ける方法を提供する。この方法は、ユーザに関連付けられたサーバ構成を、
(a)ユーザ活動のセットをユーザデバイスに提供する、
(b)ユーザデバイスから、ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報を受信する、
(c)選択されたユーザ活動に関するユーザ入力をユーザデバイスから受信する、
(d)ユーザ入力を分析し、ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てる、
(e)パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定する、および
(f)その症状を医学的状態に関連付けるためにその症状に重症度スコアを割り当てる、
ように操作することを含む。
【0023】
さらに別の態様では、本開示は、コンピュータ可読命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品を提供し、そのコンピュータ可読命令は上記の方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ化されたデバイス(即ち、上記のサーバ構成)によって実行可能である。
【0024】
本開示は、症状を医学的状態に関連付ける上記のシステムおよび方法を提供する。この点に関して、この方法は、このシステムを使用して、自己評価テスト、ゲームなどの、ユーザ活動のセットを提供して、症状を経験しているユーザ(または患者)に、健康関連データの入力またはゲームなどのプレイを勧めて、健康関連のデータやゲームのプレイなどのユーザ入力を分析して、症状を特定し、特定した症状を医学定状態に関連付ける。この方法は、たとえばアプリケーションソフトウェアまたはアプリを使用して実施され、症状を医学的状態に関連付け、医学的状態に関連する症状の進行を定期的に監視するために、健康関連データの提供および/または身体的関与をユーザに促す。この方法はさらに、ヘルスケアの専門家、介護者または研究者などによる症状の進行およびその評価を記録して、ユーザの全体的な健康(生活の質)を管理することを可能にする。さらに、この方法は、医学的状態に関連する症状を緩和するためのウェアラブルデバイスが使用されていない場合、または追加の専用ツールを必要としない場合でも、ユーザが所定の措置に従うように支援する。この方法は、症状の追跡を可能にし、ユーザ(またはその介護者)が、投薬アラート、通知などの関連デバイス(つまり、ユーザまたはユーザに結合されたウェアラブルデバイス)の設定を調整して、ユーザが利用可能な長期サポートの現在の不足を緩和することができる。本開示はまた、上記の方法を、複雑な構成を必要とせず、ユーザの要求に基づいて構成可能なスタンドアロンソリューションとして使用する上記のシステムを提供する。有益なことに、ユーザ中心の設計により、社会参加の改善や、パーキンソン病患者などの生活の質の向上など、ユーザに最大の利益がもたらされる。
【0025】
本開示を通じて、本明細書で使用される「医学的状態」という用語は、人、すなわち被験者の構造またはそれに関連する機能の一部または全体に悪影響を与える異常な状態を指す。 任意選択で、医学的状態は、神経障害、筋肉障害、神経筋障害、心臓障害、肺障害、視覚関連障害、発話関連障害などのうちの少なくとも1つに関連する。医学的状態は、典型的には、例えば病原体などの外的要因によって、または例えば免疫不全などの内部機能不全によって引き起こされる可能性がある。任意選択で、医学的状態は、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、神経感染症、ショック、脳卒中、神経変性疾患、または任意の他の神経障害である。医学的状態は通常、特定の症状に関連している。医学的状態は症状のセットに関連している可能性があることを理解されたい。任意選択で、症状のセットのうちの2つ以上の症状は、相互に関連するか、または多様であり得る。一例では、パーキンソン病患者は、振戦、こわばり、動きの鈍さ、小声のまたは不明瞭な発話などの症状を経験し得る。
【0026】
任意選択で、医学的状態に関連する症状は、動作緩慢、ジスキネジア、振戦、無動症、運動低下症、小字症、発声不全、発語速迫、震え、緩慢、歩行フリーズ、痛み、機能不全、苦痛、社会的問題、うつ病、不安などのうちの少なくとも1つである。本明細書で使用される「動作緩慢」という用語は、動きの遅さを指し、パーキンソン病の主要症状の1つである。本明細書で使用される「ジスキネジア」という用語は、被験者の1つまたは複数の身体部分(顔、腕、脚、体幹など)の不随意で不規則な身もだえ運動を指す。ジスキネジアは、急速なけいれんやゆっくりとした長い筋肉のけいれんを引き起こす可能性がある。本明細書で使用される「振戦」という用語は、1つまたは複数の身体部分の不随意のリズミカルな振動運動を指す。振戦はまた、年齢、薬物またはアルコールの乱用および離脱、低血糖、甲状腺機能亢進症、ストレスの増加などと関連している可能性がある。振戦は通常、筋肉の収縮と弛緩に関連している 本明細書で使用される用語「無運動症」は、随意運動の力の喪失または障害を指す。本明細書で使用される「運動機能低下症」という用語は、正常な運動と比較して運動が「振幅の減少」を有する運動障害を指す。小字症とは、筆跡サイズが小さくなることを指す。発声不全は音量の減少を指し、発語速迫は音声セグメントの加速を指す。さらに、症状を医学的状態に関連付け、症状を経験している人の生理学的状態、心理的状態、行動状態、およびライフスタイルのうちの少なくとも1つを分析することによって監視することができる。
【0027】
本開示を通じて、本明細書で使用される用語「サーバ構成」は、情報を保存、処理、および/または共有するように構成されたプログラム可能および/またはプログラム不可能な構成要素を含む構造および/またはモジュールを指す。具体的には、サーバ構成は、さまざまな計算タスクを実行するために情報を強化できる任意の構成の物理的または仮想的な計算エンティティを含む。さらに、サーバ構成は、単一のハードウェアサーバおよび/または並列または分散アーキテクチャで動作する複数のハードウェアサーバの両方であり得ることを理解されたい。一例では、サーバ構成は、メモリ、プロセッサ、ネットワークアダプタなどのコンポーネントを含み、ユーザデバイスまたは他のコンピューティングコンポーネントと情報を保存、処理、および/または共有することができる。
【0028】
さらに、サーバ構成は、患者などのユーザ、またはユーザデバイスを使用する他の人に関連付けられたユーザデバイスと通信可能に結合される。具体的には、サーバ構成は、有線および/または無線データ通信ネットワークを使用してユーザデバイスと通信可能に結合され得る。一例では、通信ネットワークは、セルラーネットワーク、短距離無線(例えば、Bluetooth(登録商標)など)、インターネット、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、および赤外線ローカルエリアネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。任意選択で、サーバ構成はユーザデバイス内にあってもよい。任意選択で、ユーザデバイスは携帯用の電話またはスマートフォンである。
【0029】
一例では、本開示の方法は、実装レベルにおいてアプリケーションソフトウェアによって実行され得る。アプリケーションソフトウェアは、ユーザに関連付けられたユーザデバイス上で(ローカルまたはWebブラウザを介して)実行するように設計されたコンピュータプログラムまたはプログラムのグループである。任意選択で、アプリケーションソフトウェアは、組織、たとえば病院や医療提供者サービスと提携していてもよい。したがって、アプリケーションソフトウェアは、組織が提供する事前にプログラムされたガイドラインに従って機能する。アプリケーションソフトウェアは、そのインストール時に事前にプログラムされたガイドラインに従って機能するように構成されている。アプリケーションソフトウェアは、androidやiOSなどの対応デバイスに合わせて設計されている。さらに、アプリケーションソフトウェアは、健康管理、エンターテイメント、またはスポーツへの参加などのアクティビティをユーザが実行するのを支援するように設計され、そのためにアプリケーションソフトウェアは、テキスト、数字、オーディオ、グラフィックスまたはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを操作することができる。この点に関して、ユーザデバイスは、アプリケーションソフトウェアを実行するために、そのディスプレイにユーザインタフェースを提供する。任意選択で、ユーザインタフェースはモバイルまたはWebアプリケーションによって駆動される。具体的には、モバイルまたはウェブアプリケーションは、ユーザデバイスのディスプレイにログインして、ユーザインタフェースにアクセスする。さらに、モバイルまたはウェブアプリケーションは、コマンドをサーバ構成に送信してユーザデバイスの1つまたは複数の機能を達成するユーザデバイスを構成することができる。
【0030】
この方法は、ユーザデバイスにユーザ活動のセットを提供するためにサーバ構成を操作することを含む。ユーザ活動のセットは、ユーザデバイスのディスプレイにリストとして提供される。通常、ユーザ活動のセットにより、器用さ、集中力、移動性、話、ライフスタイル、場所などのうちの少なくとも1つから選択された1つまたは複数のユーザパラメータを評価することができる。ユーザ活動のセットは楽しいもので、ユーザの生活の質を測定することができる。これに関して、ユーザ活動のセットは、それに応じて1つまたは複数のユーザパラメータを評価し、1つまたは複数のパラメータに対応する症状を特定し、症状を医学的状態に関連付け、ユーザの症状の進行を判断する。任意選択で、ユーザ活動のセットは、自己評価アンケートフォーム、運動ゲームタスク、音声制御ゲームタスク、チャート作成タスクなどのうちの少なくとも1つである。さらに、ユーザ活動のセットを使用して情報を収集して、グラフ、レポート、日々の分析などの形でデータを生成し、そこから医療専門家、家族、または研究者が分析して症状、医学的状態を特定し、および/またはユーザの症状の進行を監視することができる。
【0031】
さらに、この方法は、ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関連するデータをユーザデバイスから受信するためにサーバ構成を操作することを含む。ユーザは、ユーザデバイスのディスプレイに提供されたユーザ活動のセットから、ユーザの関心または処方計画に基づいてユーザ活動を選択する必要がある。ユーザは、表示されたユーザ活動のセットを切り替えて、ユーザ活動を選択することができる。選択されたユーザ活動は、選択されたユーザ活動に関連付けられたデータをロードするために、アプリケーションホスティングサーバ(およびそのサーバ構成)に通信される。「選択に関連するデータ」という用語は、ユーザ活動の選択に関連し、選択はタッチ(指タップ、スタイラスペン、またはユーザデバイスに関連付けられたエルゴノミクスペンなどを使用する)、音声制御、ジェスチャ、凝視などで行うことができることを理解されたい。任意選択で、選択は、ユーザデバイスのディスプレイへの指タップにより行われる。
【0032】
さらに、この方法は、選択されたユーザ活動に関連するユーザ入力をユーザデバイスから受信するためにサーバ構成を操作することを含む。ユーザ入力は、タッチ(たとえば、ユーザの人差し指、スタイラスペン、またはユーザデバイスに関連付けられたエルゴノミクスペンの使用による)、マイクロフォン、イメージセンサ(ユーザデバイスのカメラに関連付けられている)などの入力手段を使用して、ユーザインタフェースに提供される。さらなるオプションとして、ユーザ入力はテキスト情報として提供され、オーディオ、ビデオ、グラフィックス、ジェスチャ、またはそれらの組み合わせなどの利用可能なオプションリストから適切なオプションを選択することができる。任意選択で、ユーザ入力は、選択されたユーザ活動に基づいて提供される。任意選択で、ユーザ入力は、ユーザの健康関連情報、ユーザからの慣性情報、ユーザに提供される投薬データなどのうちの少なくとも1つである。
【0033】
任意選択で、選択されたユーザ活動は、運動の動きとしてユーザ入力を必要とする運動ゲームタスクであり、運動ゲームタスクは、スピードタッピングゲーム、バランスゲーム、迷路ゲーム、パズルゲーム、インタラクティブ認知ゲーム、認知タスクである。本明細書で使用される「運動ゲームタスク」という用語は、選択されたユーザ活動に応じて、1つまたは複数の運動の動き、つまりタッチベースのユーザ入力を必要とする1つまたは複数のゲームを指す。一例では、運動の動きは、指のタップ、指のスワイプ、指の角運動、指の変位、1本または複数の指を使用したドラッグ、またはそれらの組み合わせから選択される。運動の動きは、選択されたユーザの活動に基づいて、手、腕、脚、首、目、または任意の他の体の部分を単独または組み合わせて使用して生成される動きであると理解されたい。任意選択で、ユーザ入力は視覚運動フィードバックである。任意選択で、運動ゲームタスクは、ユーザの速度と精度をテストするために特別に設計された典型的なエンゲージメントアクティビティである。さらに、運動ゲームタスクは、ユーザ参加のための複数のスキルレベルを含んでいる。
【0034】
一例では、運動ゲームタスクは、スクリーン上に示される2点間にらせんおよび/または直線を描くことなどの認知タスクである。この点に関して、ユーザ入力は、指またはスタイラスペンまたはエルゴノミクスペンの使用である。らせん描画は、患者などの被験者の手の運動を分析するための臨床的に有効な方法であることを理解されたい。従来、パーキンソン病や本態性振戦などの患者の診断では、紙にらせんを描かせていた。
【0035】
別の例では、運動ゲームタスクはスピードタッピングであり、ユーザデバイスのディスプレイの変化を指またはスタイラスペンを使用して制限時間内に特定および追跡すること、例えばバルーンをポッピングする、交互ドットをタッピングする、複数のアイテムを直線(水平または垂直)に沿って整列させること、などが要求される。さらに別の例では、運動ゲームタスクは、無限(エンドレス)ランナーゲーム、戦略ゲーム(アクションまたはアドベンチャーゲームなど)、スポーツベースゲーム(チェスなど)などの対話型認知ゲームである。さらに別の例では、運動ゲームタスクは、ユーザデバイスバランステストを含むバランスゲームである。通常、バランスゲームでは、デバイスの加速度計を使用して、デバイスを保持している間にユーザの器用さまたは集中力の1つ以上を判断する。任意選択で、バランスゲームは、ユーザデバイスがユーザの手のひら、手、脚、および他の身体部分でバランスをとる物理的なバランスゲームであってもよい。あるいは、バランスゲームは、ユーザがタッチベースの入力を使用してユーザデバイスのディスプレイ上でウェイトのバランスをとる仮想バランスゲームであってもよい。有益なことに、本開示は、臨床的に検証された評価ツールのゲーム化されたバージョンを提供し、さまざまな運動関連の症状およびそれに関連する医学的状態を特定して、ユーザの対話を促進する。さらに、他の認知タスクとして、書字タスク、要素マッチングタスク、フリーハンド描画、決められた速度でのガイドポイント追跡などを含めることができる。さらに、有益なことに、さまざまな評価ツールをゲーム化することは、ユーザを楽しませ、心理的孤立と戦うのに役立つ。
【0036】
任意選択で、選択されたユーザ活動は、ユーザ入力を音声入力、運動の動きのうちの少なくとも1つとして必要とする音声制御ゲームタスクである。本明細書で使用される「音声制御ゲームタスク」という用語は、選択されたユーザ活動に応答して、音声ベースのユーザ入力を必要とする、1つまたは複数のゲームを指す。任意選択で、音声制御ゲームタスクは、視覚的なフィードバック、運動の動きなどと組み合わせた音声入力を必要とすることがある。一例では、音声制御ゲームタスクは、音声入力における音声変調を使用してガイドポイントを制御している。音声入力は、ハミング音、ホイッスル、コマンド、またはそれらの組み合わせであってもよいことを理解されたい。任意選択で、音声制御ゲームタスクは、ユーザの発話および発声制御をテストするために特別に設計された典型的なエンゲージメントアクティビティである。さらに、音声制御ゲームタスクは、ユーザ参加のための複数のスキルレベルを備えている。
【0037】
ユーザが参加し、症状およびその進行を監視することを促すために、異なるタイプのゲームがユーザデバイスに提供されてもよいことが理解されよう。さらに、異なるタイプのゲームは治療ゲームであり、臨床的(または治療的)に検証された評価ツールのゲーム化されたバージョンである。異なるタイプのゲームは、上記の例を含むが、これらに限定されず、背景ビュー、背景スコア、速度、スキルレベル、合計時間、アバター(つまり、キャラクター)のタイプ、ハードルのタイプなど変えることができる。さらに、異なるタイプのゲームが異なるタイプのユーザ入力に関連付けられることも理解されよう。たとえば、らせん描画テストでは、ユーザは人差し指、スタイラスペン、またはエルゴノミクスペンを使用してアルキメデスのらせんをたどる必要がある。さらに、ユーザは、精度の向上を支援するために、選択された少なくとも1つのユーザ活動で複数の試行を行うことができる。任意選択で、ユーザの参加と関与を高めるために、ゲームを、3、4、5、7、10などの複数のスキルレベルで、異なる背景画像を使用してプレイすることができる。さらに、ターゲットが画面上に滞在する時間と、同時に表示されるターゲットの数がレベルごとに変化する。ゲームはまた、ユーザによる各試行に対応する自己評価のためのリーダーボードも提供する。
【0038】
任意選択で、選択されたユーザ活動は自己評価アンケートフォームであり、ユーザ入力は健康関連情報である。任意選択で、自己評価アンケートフォームは、例えば、ユーザが経験した運動症状および非運動症状など、ユーザの全体的な健康に関する質問を含む。運動症状には、例えば、可動性、器用さ、運動に伴う痛みまたは不快感などが含まれる。非運動症状には、例えば、ユーザの年齢、身長、体重、体格指数(BMI)、食事、睡眠レベル、休息レベル、またはストレスレベルなどのリアルタイム情報または履歴情報が含まれる。有利には、自己評価アンケートフォームにより、ユーザは、症状およびその進行に関連する健康関連情報を一定期間にわたって提供することができる。さらに、前記の健康関連情報は、ヘルスケアの専門家またはユーザの介護者によって分析され、現在の治療レジメンのメリットを特定し、および/または代替治療レジメンを提案することができる。さらに、利用可能なオプションのリストから適切なオプションを選択するか、またはテキスト情報を提供することによって、健康関連情報が提供される。この点に関して、自己評価アンケートフォームは、例えば「歩行の問題」、「洗濯や着替えの問題」、「日常生活の問題」、「痛み/不快感」、「不安/抑うつ」などの質問に答えるために、例えば「なし、軽度、中等度、重度および不可能」の事前定義された回答尺度から選択することをユーザに要求することができる。アプリケーションソフトウェアは、現在の質問に対する回答を登録した後に、ユーザを新しい質問に移動させることができる。さらに、ユーザインタフェースにより、ユーザは全体的な健康状態(生活の質(QOL))を0から100のスケールで評価することができる。ここで、0はユーザの最悪の健康状態であり、100はユーザの健康状態が最良の健康状態である。
【0039】
任意選択で、選択されたユーザ活動はチャート作成タスクであり、ユーザ入力は、投薬データ、ライフスタイルデータ、併用療法データ、予約ログ、服薬遵守ログのうちの少なくとも1つである。任意選択で、チャート作成タスクは、投薬データ、その用量および頻度、ライフスタイルデータ(歩行、休息、睡眠、食事などの活動の実施など)、併用療法データ(対症療法、ヨガ、瞑想、自然療法、ホメオパシー療法など)とその頻度、医療専門家との今後の予定の詳細などの処方されたレジメンの状態を記録することができる。さらに、チャート作成タスクにより、ユーザは、ヘルスケア専門家またはユーザの介護者による分析のために毎日のログを登録することができる。さらに、ユーザ入力は、通常、利用可能なオプションのリストから適切なオプションを選択するか、テキスト情報を提供する。カルテ作成タスクに対するユーザ入力は、薬の投与量と頻度、身体活動の期間、予定などの関連する詳細とともに、処方された投薬計画をユーザデバイスに送り込むこと、およびユーザに処方されたレジメンに従うよう警告するための適切な通知を設定することを含む。この場合、アプリケーションソフトウェアは、例えば、薬の名前、薬の用量、薬の服用時間、次の薬の期限、予定のスケジューリングなどに関連する処方情報を供給するための入力領域を提供する。さらに、前述のアラートが対処された場合、ユーザが回答(はいまたはいいえ)を登録するためのログが提供される。チャート作成タスクはユーザに警告システムを提供することが理解されよう。具体的には、アラートシステムは、次回の投薬予定および/またはスケジュールされた予約に対応する警報を開始するように構成されている。その際、アラートシステムにより、ユーザはアラームを設定し、処方箋の詳細(つまり、薬と用量)と各薬の頻度を提供することができる。さらに、アラートシステムは、前記アラームが認識され、および/または対処されたかどうかについて、ユーザからフィードバックを受信するように動作し得る。
【0040】
さらに、この方法は、ユーザ入力を分析し、ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てるためにサーバ構成を操作することを含む。任意選択で、ユーザ入力は、指先の位置、指のタップの強さ、横方向の指の動き、角度のある指の動き、指の動きの振幅、指の動きの規則性、指の動きの速度、指の動きの制御、指の動きの自発性、加速度計のデータ、ジェスチャ、凝視、発話、発話の振幅のうちの少なくとも1つについて分析される。医学的状態がユーザに与える影響のレベルを評価するために、指先の位置、指先の強さ、ユーザの全体的な動き、音声入力または発話、および加速度計データが分析される。「全体的な動き」という用語は、動きのさまざまな側面、例えば指、手、首、脚、胴体、またはその他の体の部分に関連する振幅、速度、スイング、規則性、制御、自発性(または口ごもりまたはこわばり)、角度および横方向の動きなど、に関連することを理解されたい。さらに、ユーザの発話は、発話療法などの併用療法をユーザに提案するために、ユーザの信頼レベルおよび/または口ごもりを評価するために使用され得る。任意選択で、サーバ構成は、ユーザ入力の分析に基づいて、パフォーマンススコアを各ユーザ入力に割り当てる。
【0041】
本明細書で使用される「パフォーマンススコア」という用語は、ユーザ入力を提供している間のコントロールを表す数量詞を指す。通常、パフォーマンススコアは、数値の分数、10進数、パーセンテージなどで表される数値ある。所与のユーザ入力に割り当てられるパフォーマンススコアは、ユーザ入力の分析から計算される。上述のように、ユーザ入力は、ユーザの健康関連情報(すなわち、運動症状および非運動症状)、ユーザの慣性データ(すなわち、器用さ、ゲーム中の動きの速さおよび正確さ)、視覚運動フィードバック、視覚フィードバック、音声入力、および/または認知値のうちの少なくとも1つに関連する。さらに、自己評価アンケートフォームに対応する健康関連情報に関連するユーザ入力には、所定の期間中のユーザ入力について記録された履歴データに基づいてパフォーマンススコアが割り当てられる。さらに、ユーザの慣性データ、視覚運動フィードバック、視覚フィードバック、音声入力、および/または認知値に関連するユーザ入力には、ガイドポイントまたはラインへの平均偏差など、いくつかの記録されたパラメータに基づいてパフォーマンススコアが割り当てられる。一例では、らせん描画テストを使用して、分析用の描画軌跡を取得することができ、パフォーマンススコアは、半径方向の加速度と速度ピークの数を通じてそれに基づいて生成することができる(Azulay et. Al.,2019で論じられれている)。別の例では、線画テストにより、総移動距離と速度を取得することで、より即時のパフォーマンススコアリングを可能にする。通常、より高いパフォーマンススコアが、選択されたユーザ活動に対応する前記ユーザ入力のより高いレベルの制御(つまり、完全性)に関連する。その結果、より高いパフォーマンススコアを持つユーザ入力は、所与のユーザ入力に対応するより低いパフォーマンススコアと比較して、運動の動き、視覚運動フィードバック、視覚フィードバック、音声入力、および/または認知値のいずれかのより良い制御に対応する。一実施形態では、サーバ構成は、参加頻度、すなわち、ユーザが所定のユーザ活動を選択し、それに対するユーザ入力を登録する回数に基づいて、パフォーマンススコアをユーザ入力に割り当てる。
【0042】
さらに、この方法は、パフォーマンススコアに基づいて、1つまたは複数の症状を特定するためにサーバ構成を操作することを含む。この点に関して、最も低い閾値を有する性能スコアに対応する症状は、ユーザが経験する症状として特定される。パフォーマンススコアの最も低い閾値は、所与のユーザ入力に対応する運動の動き、視覚運動フィードバック、視覚フィードバック、音声入力、および/または認知値のいずれかの最も弱い制御に対応する。 最も低い閾値は、医学的状態の進行レベルに関連する症状と関連することが理解されるであろう。有益なことに、その最も低い閾値に対して性能スコアを分析することにより、ユーザが経験した所定の症状を検証することができる。
【0043】
任意選択で、パフォーマンススコアに基づく1つまたは複数の症状の特定は、少なくとも 2つのパフォーマンススコアを比較することを含み、少なくとも2つのパフォーマンススコアは、選択されたユーザクティビティに関連付けられた新しいユーザ入力と過去のユーザ入力に対応する。これに関して、新しいユーザ入力は、ユーザ活動に対してリアルタイムで受信され、同じユーザ活動に対応する過去のユーザ入力のパフォーマンススコアに基づいてパフォーマンススコアが割り当てられる。一実施形態では、パフォーマンススコアに基づいて症状を特定するために、複数のユーザ活動を分析することができる。
【0044】
任意選択で、サーバ構成は、ユーザ入力を収集、照合、および分析し、選択されたユーザ活動に対応するユーザ入力に対応するパフォーマンススコアを割り当てるように構成される。任意選択で、選択されたユーザ活動に対応して生成された複数のパフォーマンススコアが照合され、さらなる処理および/または分析のために、そのまま、または報告用のグラフの形式で、(インターネット、Bluetooth(登録商標)接続などの通信ネットワークを介して)ユーザ、ユーザの医療専門家、またはリモートサーバに提供される。この点に関して、サーバ構成は、生の加速度計からまたは描画記録などから一定期間にわたってデータを収集し、データをサーバ構成のメモリユニットに格納するためのツールを提供する。任意選択で、ユーザ入力を使用してモデルを確立することができ、たとえば、機械学習方法を使用して、パフォーマンススコアをユーザ入力に提供し、さまざまなユーザ活動からのデータを集約することによって、ユーザが経験した症状を特定することができる。必要に応じて、処理が必要な渦巻きの描画や加速度計測定などのユーザクティビティも関連付けることができる。さらに、または代わりに、サーバ構成は、読み取り値が事前定義されたしきい値を超えたときに自動アラートをトリガする。パフォーマンススコアには、それに基づいて症状を特定し、ユーザの症状の進行を管理し、医学的状態に対するさまざまなバイオマーカー、投薬計画、または環境要因の影響を理解するための潜在的な尺度を確立するなど、多数の潜在的な用途がある。
【0045】
さらに、この方法は、症状を医学的状態と関連付けるために、重症度スコアを医学的状態に関連付けるようにサーバ構成を操作することを含む。これに関して、重症度スコアは、医学的状態に関連する症状の確率に対応する。症状は、1つまたは複数の医学的状態に共通している可能性があることを理解されたい。したがって、所定の医学的状態に関連する症状に対応する高い重症度スコアは、前記症状と医学的状態との関連を検証する。
【0046】
任意選択で、この方法は、ユーザ活動のセットをユーザデバイスに提供する前に、ユーザが経験した症状の自己評価をユーザデバイスから受信するようにサーバ構成を操作することを含む。その際、ユーザは、テキスト情報を提供するか、利用可能なオプションのリストから適切なオプション、オーディオ入力、ビデオ入力、グラフィック入力、ジェスチャ、またはそれらの組み合わせを選択することができる。任意選択で、症状の自己評価に対応する入力により、サーバ構成は、特定のタイプの症状を検証するユーザ活動のセットのみをユーザデバイスに提供することができる。有益なことに、精査されたユーザ活動のセットは、1つまたは複数のユーザ入力の分析に関連する計算能力と時間を減少させる。
【0047】
任意選択で、この方法は、パフォーマンススコアに基づいて、後続のユーザ活動をユーザデバイスに推奨するようにサーバ構成を操作することを含む。任意選択で、サーバ構成は、機械学習アルゴリズムを実装して、選択されたユーザ活動の好みに対応する情報を抽出し、パフォーマンススコアに基づいて後続のユーザ活動を推奨する。これに関して、機械学習アルゴリズムは、症状評価のための臨床検証ツール、市場調査、心理調査、オンライン情報源、対面インタビュー、横断調査、顧客調査テンプレートのうちの少なくとも1つから情報を抽出する。この点に関して、後続のユーザ活動は、一度に1つずつユーザデバイスに推奨される。任意選択で、後続のユーザ活動はランダムに推奨され、後続の各ユーザ活動は、選択されたユーザ活動または異なるユーザ活動に類似してよい。より任意選択では、後続のユーザ活動は、選択された活動の複数のスキルレベルから選択された高度なレベル、または選択されたユーザ活動とは異なる新しいユーザ活動である。さらに、この方法は、サーバ構成を、この方法の上述したステップ、すなわち、ユーザ活動の選択に関する情報を受信するステップ、それに関連するユーザ入力を受信するステップ、ユーザ入力を分析し、ユーザ入力にパフォーマンススコアを割り当てるステップ、およびパフォーマンススコアが少なくとも1つのユーザ活動に関連するユーザ入力に対して最も低い閾値として判定されるまで、パフォーマンススコアに基づいて後続のユーザ活動を推奨するステップ、を繰り返すように操作することを含む。
【0048】
任意選択的に、この方法は、少なくとも2つの成績スコアに基づいて、医学的状態に関連する症状の進行を判定するようにサーバ構成を操作することを含む。任意選択で、パフォーマンススコアは、ユーザの症状の進行に関連付けられる。一例では、高いパフォーマンススコアは、症状の進行の減少、すなわち生活の質の向上に関連している可能性があり、パフォーマンススコアが低いことは、ユーザの健康状態の悪化に関連している可能性がある。任意選択で、パフォーマンススコアに基づいて症状の進行を判定することは、少なくとも2つのパフォーマンススコアを比較することを含み、少なくとも2つのパフォーマンススコアは、ユーザ活動に関連する新しいユーザ入力と過去のユーザ入力に対応する。この点に関して、ユーザ入力はユーザ活動に関してリアルタイムに受信され、同じユーザ活動に対応する以前の記録または過去のユーザ入力からの症状の進行に基づくパフォーマンススコアが割り当てられる。一実施形態では、複数のユーザ活動を分析して、それらのパフォーマンススコアに基づいて症状の進行を判定することができる。
【0049】
任意選択で、この方法は、判定された症状の進行に基づいてフィードバックを提供することをさらに含む。このフィードバックには、医療専門家によるフォローアップ、ユーザ活動のセットへのユーザの参加、現在の身体活動の変化などが含まれるが、これらに限定されない。このフィードバックは、概して、ユーザの現在のレジメンとは異なり、それに基づき症状の進行に関連する新しい情報が判定されるであろう、改善された潜在的なパフォーマンススコアに向けられる。
【0050】
任意選択で、この方法は、少なくとも1つのユーザ入力の分析、1つまたは複数の症状の特定、および後続のユーザ活動の推奨のために、機械学習および人工知能を使用してサーバ構成をトレーニングすることを含む。ここで、サーバ構成のトレーニングは、1つまたは複数のユーザ活動および/または後続のユーザ活動、1つまたは複数のユーザ入力、1つまたは複数のパフォーマンススコア、1つまたは複数の症状、1つまたは複数の重症度スコア、および複数の医学的状態に対応するデータベースのうちの1つまたは複数を利用する。
【0051】
任意選択で、本開示の方法は、投薬、脳深部刺激、および他の医療機器、ならびに補助およびリハビリ機器を使用する治療方法など、利用可能ないくつかの併用療法オプションの1つとして使用することができる。さらに、本開示の方法は、臨床診断の前または後に、患者が自分の症状を独立して評価し、その進行を監視しながら、高い生活の質を維持するために最善を尽くすことができる。さらに、前述のシステムおよび対応する方法の目的は、ビデオ通話ソフトウェア、口述ソフトウェア、仮想フィットネスコーチ、カレンダーおよびアラームアプリケーション、およびピルボックスなどの機能を含めることによって、たとえばパーキンソン病患者などの被験者の日常生活を改善することにある。前述のシステムおよび方法は、このようなツールが臨床医およびシステムのユーザに焦点を当てて開発され、ユーザのフィードバックを迅速かつ正確に受け取り処理する能力を向上させることを保証することが理解されよう。さらに、臨床的に検証された評価ツールのゲーム化されたバージョンは、臨床医とのまれな予約の合間のユーザの参加の強化を助長する。さらに、その後の予約の間に、ユーザが症状と日常活動を記録し、家族や介護者が関与することなく、処方された投薬スケジュールを守ることが奨励され、したがって患者が自立することになる。
【0052】
本開示の方法は、症状を医学的状態に関連付け、症状の進行を監視するための独立した解決策であることを理解されたい。さらに、ユーザは、高い生活の質を維持するために、症状の経験中(震えや緩慢さ、衰弱症状の経験など)、投薬スケジュールの変更など、日常的にユーザ活動のセットに従事することがある。あるいは、この方法は、症状を医学的状態と関連付けるための従来の治療法(薬、瞑想などを含む)とともに使用することもできる。
【0053】
本開示は、上記のシステムにも関する。上記で開示された様々な実施形態および変形は、必要な変更を加えてこのシステムに適用される。
【0054】
任意選択的に、ユーザデバイスはウェアラブルデバイスに通信可能に結合され、ウェアラブルデバイスは動作時にユーザと接しているように構成される。任意選択的に、ウェアラブルデバイスは、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、Wi-Fi(登録商標)のうちのいずれか1つを介してユーザデバイスに通信可能に結合される。任意選択的に、ウェアラブルデバイスは、その近位表面を介してユーザの身体部分に装着可能、脱着可能および/または再装着可能であるように構成される。任意選択で、身体部分は、頭、胸骨、腕、肩、手首、手、首、体幹、足首、脚、太もも、足、こめかみ、顔、首、肘、手首、指、脊椎、膝の皮膚などである。代替として、任意選択で、ウェアラブルデバイスは、ハンドヘルドデバイスであるか、または近位面を介して、ユーザーの服地または履物に装着可能、脱着可能および/または再脱着可能であるように構成されてもよい。任意選択的に、ユーザとの物理的接触は、接着剤、ストラップ、ロケット、ブレスレット、バンド、ベルト、真空カップ、磁石、およびフックとループのファスナーのうちの少なくとも1つから選択される機械的係合手段によるものである。ウェアラブルデバイスは、ユーザの体のどの部分にも装着可能であり、スリッポン式ではなく、シャツ、履物、ヘッドバンドなどの適切な場所に配置できることを認識されたい。例えば、ウェアラブルデバイスは、(例えば、接着剤、真空カップなどを使用して)皮膚上に直接配置するか、ブレスレット、ペンダント、アンクレット、アームバンド、リストバンド、衣類、履物、またはその他の物品内に、その近位面が使用者の皮膚に面するように配置されるように組み込むことができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザが経験する少なくとも1つの症状を感知し、および/または症状からの症状緩和を提供するように設計される。 任意選択で、ウェアラブルデバイスは、処方薬の服用に加えて使用され、ユーザが経験する症状を監視および/または軽減するのに役立つ。あるいは、オプションとして、ウェアラブルデバイスは、ユーザが経験する症状を監視および/または軽減するのに役立つ独立した解決策である。
【0055】
任意選択で、ウェアラブルデバイスは刺激要素を含み、刺激要素は症状を制御するように構成される。任意選択で、刺激要素は、ユーザの異常な不随意運動などの症状を管理するために、電気刺激、機械的刺激、および電気機械的刺激のうちの少なくとも1つを送信する。任意選択で、刺激は、周期的出力、連続出力、またはパルス出力であるか、またはそれらを含む。任意選択で、ウェアラブルデバイスは、ユーザへの刺激を消散させる刺激要素の有効面積を増加させるように構成された消散部分を備える。任意選択で、ウェアラブルデバイスは、消散部分を介してユーザと接している。任意選択で、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスを給電するオンボードバッテリを供給するための充電部分を備える。 任意選択で、充電部分は、無線または有線接続、例えば無線共振誘導接続によって外部電源から電力(例えば電力)を受け取るように構成される。任意選択で、ウェアラブルデバイスは、刺激要素に関連する動作パラメータを変調するように構成された変調手段を備える。刺激要素に関連する動作パラメータは、刺激の強度、周波数、振幅、および位相などを含み得る。任意選択で、ウェアラブルデバイスは、警告モジュール、LEDモジュール、およびサウンドモジュールを備える。任意選択で、ウェアラブル デバイスは、ウェアラブル デバイスの出力を制御するように構成されたコントローラを備える。
【0056】
任意選択で、ウェアラブルデバイスは、刺激要素に関連する動作パラメータをカスタマイズするためのユーザ命令を、ユーザデバイスを介して受信するように構成される。任意選択で、ユーザ命令は、刺激要素、バッテリ、変調手段、警告モジュール、LEDモジュール、サウンドモジュール、センサなどのウェアラブルデバイスの少なくとも1つの構成要素に命令するための1つまたは複数のコマンドを含み、ウェアラブル デバイスの操作を制御する。
【0057】
任意選択で、ウェアラブルデバイスは、ユーザが経験した症状を検出するように動作可能なセンサを備える。このセンサは、典型的には、異常な不随意運動、例えば振戦、震えなどの症状を検出する。任意選択で、このセンサは、ジャイロスコープセンサ、加速度計センサ、磁力計センサ、筋電図センサ、曲げセンサ、ストレッチセンサ、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つから選択される。
【0058】
任意選択で、ユーザデバイスに関連するサーバ構成は、ウェアラブルデバイスからセンサデータを受信するように構成され、ウェアラブルデバイスの動作の変化を分析し、分析したデータに基づいてウェアラブルデバイスの動作を制御する命令をウェアラブルデバイスに提供する。サーバ構成は、そのメモリユニットに履歴データを格納し、使用するように動作可能である。履歴データは通常、類似のイベントでウェアラブルデバイスの動作を調整するために過去に提供された命令のログである。履歴データは通常、刺激の変化など、ウェアラブルデバイスの動作の変化に関連する。
【0059】
任意選択で、ユーザデバイスのユーザインタフェースは、ユーザがウェアラブルデバイスの動作パラメータを調整することを可能にする。任意選択で、ユーザインタフェースは、動作中にユーザがユーザインタフェースにタッチまたは軽い圧力を加えることによりウェアラブルデバイスにアクセスすることを可能にする。ユーザによるユーザインタフェースへのタッチまたは軽い圧力の印加は、ウェアラブルデバイスの1つまたは複数の構成要素がユーザの応答に基づいてウェアラブルデバイスの動作を制御する出力を提供するように命令するようコントローラまたは変調手段のいずれかに命令を提供するように構成される。一例では、ユーザの応答は、刺激の強度の範囲を選択して、ユーザが経験する症状の管理に向けられる。別の例では、ユーザーの応答は、投薬アラート、医師との予約をスケジュールするための事前通知、ウェアラブルデバイスを定期的に使用するためのリマインダーなどに向けられる。
【0060】
別の実施形態では、ウェアラブルデバイスは、Bluetooth(登録商標)接続なしで使用可能である。いくつかの実施形態では、サーバ構成は、例えば、ユーザ、もしくは緊急時にウェアラブルデバイスにアクセスする権限を与えられたユーザの医師、介護者、また家族によって、遠隔地からウェアラブルデバイスをトリガするために使用される。
【0061】
本開示は、上述したようなコンピュータプログラム製品にも関する。上述した様々な実施形態および変形は、必要な変更を加えて、コンピュータプログラム製品に適用される。
【0062】
コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読命令が格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み、コンピュータ可読命令は、前述の方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ化されたデバイスによって実行可能である。
【0063】
図面の詳細な説明
図1を参照すると、症状を医学的状態に関連付ける方法のステップのフローチャート100が示されている。ステップ102において、ユーザ活動のセットがユーザデバイスに提供される。 ステップ104において、ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択に関する情報が、ユーザデバイスから受信される。ステップ106において、選択されたユーザ活動に関連するユーザ入力がユーザデバイスから受信される。ステップ108において、ユーザ入力が分析され、パフォーマンススコアがユーザ入力に割り当てられる。ステップ110において、パフォーマンススコアに基づいて1つまたは複数の症状が特定される。ステップ112において、症状を医学的状態に関連付けるために、重症度スコアが症状に割り当てられる。
【0064】
ステップ102、104、106、108、110、および112は単なる例示であり、他の代替案も提供され得、その場合には、1つまたは複数のステップが追加されるか、1つまたは複数のステップが削除されるか、または1つまたは複数のステップが本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく異なる順序で行われ得る。
【0065】
図2を参照すると、症状を医学的状態に関連付けるためのシステム200の例示的な図が示されている。図示されているように、アプリケーションソフトウェアは、ユーザデバイス204のディスプレイにユーザインタフェース202として首尾よくインストールされる。ユーザインタフェース202は、ユーザによる使用中に、(表示することで)ユーザ活動のセットを提供すること、および/またはウェアラブルデバイス206の動作を制御することを可能にする。ユーザインタフェース202は、ユーザ208から、ユーザ活動のセットからのユーザ活動の選択を受信する。ユーザデバイス204およびウェアラブルデバイス206は、通信ネットワーク210を介して通信可能に結合される。ユーザインタフェース202は、医師、介護者、またはサーバによるさらなる分析、およびユーザ208の進行状況の追跡のために、ユーザ208によって記録されたデータの送信を可能にする。
【0066】
図3図4A図4B図4C図5A図5B図5C図6Aおよび図6Bを参照すると、ユーザデバイス204の例示的なユーザインタフェース202が示されている。
【0067】
図3に示すように、ユーザインタフェース202のロゴまたはアイコン302が、ユーザデバイス204のディスプレイ上に見える。ユーザインタフェース202は、複数のオプションを有するメインメニュー304、例えば304A、304B(例えば様々なゲーム(運動ゲームタスク、音声制御ゲームタスクなど)、自己評価アンケートフォーム、グラフ作成タスクなど)などを含む。ユーザインタフェース202は、304Aなどの1つのオプションからメインメニュー304に戻り、304Bなどの別のオプションを選択することによって、メインメニュー304上の304A、304Bなどの様々なオプションを切り替えることができる。
【0068】
図4Aに示すように、ユーザインタフェース202により、ユーザは、自己評価アンケートフォームなどを介して、質問のセットを含むフォームに記入することにより、疾患の進行を監視すること、または、さらなる分析のために、例えば医師、介護者、またはサーバに提示することができる。図4Bに示すように、自己評価アンケートフォームは、例えば、「歩行に伴う問題」、「洗濯または着替えに伴う問題」、「日常活動に伴う問題」、「痛み/不快感」、「不安/抑うつ」などの質問に答えるために、「なし、軽度、中等度、重度、および不可能」の範囲の事前定義された回答尺度を提供するため、ユーザはユーザのリアルタイムの状態に対応する回答を選択することができる。さらに、ユーザインタフェース202により、ユーザは、現在の質問に対する回答を登録した後、新しい質問に移動することができる。図4Cに示すように、ユーザインタフェース202により、ユーザは0~100のスケールで全体的な健康状態(生活の質(QOL))を評価することができる。ここで、0はユーザが想像できる最悪の健康状態であり、100は最良の健康状態である。
【0069】
図5Aに示すように、ユーザインタフェース202により、ユーザは、ユーザの器用さと速さをテストするように設計された様々なゲームを選択することができる。図5Bに示すように、様々なゲームの1つは、指またはスタイラスペンを使用して、画面上に示される2点間にらせんおよび/または直線を描くことを含む。図5Cに示すように、様々なゲームの1つは、ユーザデバイス204のディスプレイにおける変化を特定し、追跡すること、例えば、制限時間内に風船を割るなどのターゲットを打つことを含む。ユーザは、器用さと集中力を向上させるのに役立つ複数回の試行を行うことができ、孤立と戦うことができる。
【0070】
図6Aに示すように、ユーザインタフェース202は、次回の投薬などのチャート作成タスクを提供する。さらに、アラートが対処され、時間通りに薬が服用された場合、ユーザが回答(はいまたはいいえ)を登録するためのログを提供する。図6Bに示されるように、設定アイコンにより、ユーザはアラームを設定し、処方箋の詳細(すなわち、薬と用量)および各薬の頻度を提供することができる。
【0071】
次に図7Aおよび7Bを参照すると、本開示の一実施形態による例示的なウェアラブルデバイス700の断面図および分解図がそれぞれ示されている。図7Aに示されるように、ウェアラブルデバイスは、センサ(図示せず)と、刺激要素702と、近位端704Aおよび遠位端704Bを有する消散部分704とを備える。消散部分704は、刺激要素702、充電部分708、およびコントローラ710を受容するように構成された凹部706を備える。消散部分704は、ユーザに刺激を提供するための表面712の少なくとも一部分並びにユーザと接するための表面を形成する。リング状の領域が接着剤714を受容するように構成され、接着剤がウェアラブルデバイス700をユーザに接着可能にする。図示の実施形態では、接着剤714は、消散部分704の近位端704Aおよび表面712を形成する刺激要素702と実質的に同じ高さである。ウェアラブルデバイスは、ハウジング716をさらに備える。図7Bに示されるように、ウェアラブルデバイス700の分解図は、刺激を提供するための刺激要素702、消散部分704、充電部分708、コントローラ710、および表面712、並びにハウジング716を備える。
【0072】
上述した本開示の実施形態に対する変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱しないかぎり可能である。本開示を説明および特許請求するために使用されている「含む」、「備える」、「組み込む」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的に解釈されることを意図しており、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素または要素も含むことを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B