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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】排水システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/282 20060101AFI20240109BHJP
   E03C 1/28 20060101ALI20240109BHJP
   E03C 1/308 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
E03C1/282
E03C1/28 A
E03C1/28 B
E03C1/308
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020006628
(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公開番号】P2021113446
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 晴生
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-229734(JP,A)
【文献】特開2012-237153(JP,A)
【文献】特開2010-059769(JP,A)
【文献】特開2013-163916(JP,A)
【文献】特開2011-226196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/282
E03C 1/28
E03C 1/308
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水の貯留が可能な封水部と、該封水部の上方に配置されたヘアーキャッチャーと、を有する排水トラップと、
浴槽に設けられた吸込み口と前記封水部とを接続する接続路と、
該接続路に設けられたポンプと、
前記浴槽に設けられた浴槽排水口と前記封水部とを接続する浴槽排水路と、を備え
前記封水部には、前記接続路の排水及び前記浴槽排水路の排水が合流して流入してくる合流路が設けられている排水システム。
【請求項2】
前記接続路の下流端は、前記合流路の内部に配置されている請求項に記載の排水システム。
【請求項3】
前記排水トラップには、前記封水部を迂回した迂回路が設けられ、
前記接続路には、前記封水部を流通する排水の流量及び前記迂回路を流通する排水の流量を調節する流量調節部を備える請求項1または2に記載の排水システム。
【請求項4】
排水の貯留が可能な封水部と、該封水部の上方に配置されたヘアーキャッチャーと、を有する排水トラップと、
浴槽に設けられた吸込み口と前記封水部とを接続する接続路と、
該接続路に設けられたポンプと、を備え
前記排水トラップには、前記封水部を迂回した迂回路が設けられ、
前記接続路には、前記封水部を流通する排水の流量及び前記迂回路を流通する排水の流量を調節する流量調節部を備える排水システム。
【請求項5】
前記封水部は、第1封水部であり、
該迂回路には、排水の貯留が可能な第2封水部が設けられ、
前記接続路の排水は、前記第1封水部及び前記迂回路を流通可能とされている請求項3または4に記載の排水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室には浴槽や洗い場の湯水を排水するための排水システムが設置されている。特許文献1には、浴室排水口と排水トラップとを接続する浴槽排水路と、ジェットバスの吸込み口と浴槽排水路とを接続する分岐路と、分岐路に設けられたポンプと、を備えた排水システムが開示されている。この排水システムでは、ポンプの動力によって、吸込み口から吸い込まれた浴槽内の湯水は排水トラップ側に排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-229734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、浴室排水口と排水トラップとを接続する浴槽排水路にポンプの二次側(ポンプから吐水される側)が接続されているため、浴槽排水路に圧力損失が生じてしまい、ポンプから吐水される水流の流量及び流速が低下して、排水トラップのヘアーキャッチャー内の渦流が弱まってしまうという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ヘアーキャッチャー内に強い渦流を生成させることができる排水システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る排水システムは、排水の貯留が可能な封水部と、該封水部の上方に配置されたヘアーキャッチャーと、を有する排水トラップと、浴槽に設けられた吸込み口と前記封水部とを接続する接続路と、該接続路に設けられたポンプと、前記浴槽に設けられた浴槽排水口と前記封水部とを接続する浴槽排水路と、を備え、前記封水部には、前記接続路の排水及び前記浴槽排水路の排水が合流して流入してくる合流路が設けられているを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る排水システムを示す模式図である。
図2】一実施形態に係る排水システムの排水トラップを示す斜視図である。
図3】排水トラップの縦断面図(図4のIII-III線断面図)である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5図4のV-V線断面図である。
図6】一実施形態の変形例1に係る排水システムを示す模式図である。
図7】一実施形態の変形例2に係る排水システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る排水システムについて、図面に基づいて説明する。本実施形態に係る排水システムは、例えば浴室等に設置されるものである。
【0009】
図1に示すように、排水システム100が設置される浴室101には、浴槽11及び洗い場16が隣接して配置されている。
【0010】
排水システム100は、浴槽11に設けられた吸込み口13と、排水トラップ2と、接続配管(接続路)5と、ポンプ6と、を備える。
【0011】
浴槽11の底面11dには、排水栓装置(不図示)の浴槽排水口12が設置されている。例えば、排水栓装置は、開閉スイッチ(不図示)等を操作することによって、制御部(不図示)を介して浴槽排水口12の開閉を可能としている。
【0012】
浴槽11の側面11sには、吸込み口13が設けられている。吸込み口13は、浴槽11の内部に向かって開口している。吸込み口13から、浴槽11の内部の排水を吸い込むことが可能である。例えば、浴槽11にジェットノズル(不図示)が設置され、ジェットノズルの吸込み口が本実施形態の吸込み口13を兼ねていてもよい。吸込み口13は、浴槽11の側面11sに限らず、浴槽11の底面11d等に設けられていてもよい。
【0013】
図3に示すように、洗い場16の底面16dには、排水桝17が設置されている。排水桝17には、洗い場16の排水が集水される。排水桝17は、洗い場16の底面16dから下方に凹むように形成されている。排水桝17の下部には、上下方向に貫通する洗い場排水口18が形成されている。排水桝17の上部の開口には、カバー19が着脱可能に設けられている。洗い場16の排水は、カバー19の周縁部から排水桝17の内部へ流下可能とされている。
【0014】
排水トラップ2は、浴槽11の浴槽排水口12の下部及び洗い場16の排水桝17の下部に連結されている。
【0015】
図2に示すように、排水トラップ2は、浴槽側部材20と、接続部材30と、洗い場側部材40と、を有している。排水トラップ2の詳細な構成については、後述する。
【0016】
図3に示すように、浴槽側部材20の内部に流入した排水は、洗い場側部材40に向かって流れる。洗い場16の排水は、後述するヘアーキャッチャー71(図2参照。以下同じ。)を通過して受入室41の上部開口42から洗い場側部材40の内部に流入する。これらの排水は、排水流出口65から流出する。
【0017】
図1に示すように、接続配管5は、浴槽11の吸込み口13と排水トラップ2の後述する第1接続管32(図2参照)とを接続している。
【0018】
ポンプ6は、接続配管5の途中に設けられている。ポンプ6は、接続配管5の内部を流通する排水を下流側(排水トラップ2側)に圧送する。
【0019】
排水トラップ2の構成について詳細に説明する。図2に示すように。排水トラップ2は、浴槽11側から洗い場16側に向かって延びている。
【0020】
図4に示すように、浴槽側部材20の平面視における延在方向をX1方向とする。X1方向のうち、排水の上流側を+X1側として、排水の下流側を-X1側とする。洗い場側部材40の平面視における延在方向をX2方向とする。X2方向のうち、排水の上流側を+X2側として、排水の下流側を-X2側とする。浴槽側部材20の延在方向(X1方向)と洗い場側部材40の延在方向(X2方向)とは、交差している。
【0021】
図2に示すように、浴槽側部材20は、浴槽排水流入管21を有している。浴槽排水流入管21は、X1方向に延在している。浴槽排水流入管21は、直管状に形成されている。
【0022】
浴槽排水流入管21における+X1側の端部の上部には、上方に向かって開口する上部接続口22が設けられている。上部接続口22は、浴槽11の浴槽排水口12(図3参照。以下同じ。)の下部に、浴槽排水口12と連通して設けられている。
【0023】
接続部材30は、浴槽側部材20と洗い場側部材40とを接続している。接続部材30は、取付プレート31と、第1接続管32と、第2接続管36と、を有している。
【0024】
取付プレート31は、洗い場側部材40の後述する浴槽排水流入室45の端部45aに取り付けられている。
【0025】
図3に示すように、第1接続管32は、取付プレート31を貫通するように設けられている。第1接続管32は、X2方向に延びる直管状に形成されている。
【0026】
第1接続管32における取付プレート31よりも+X2側に突出する部分の外周面には、雄ねじ32aが設けられている。第1接続管32の雄ねじ32aには、接続配管5が接続されている。
【0027】
第2接続管36は、取付プレート31から+X1側に延びるように設けられている。第2接続管36における+X1側の端部36aは、浴槽側部材20の浴槽排水流入管21の下流端21aの内側に嵌め込まれている。第2接続管36の径は、第1接続管32の径よりも大きい。
【0028】
洗い場側部材40には、受入室(封水部、第1封水部)41と、バイパス流路59(図5参照。以下同じ。)と、流出室61と、ヘアーキャッチャー71(図2参照。以下同じ。)と、を有している。
【0029】
受入室41は、有底円筒状をなしている。受入室41の上部には、上方に向かって開口する上部開口42が設けられている。上部開口42は、洗い場16の洗い場排水口18の下部に、洗い場排水口18と連通して設けられている。受入室41は、一時的に排水(封水)を貯留することが可能である。
【0030】
受入室41の周壁43における+X2側の端部には、径方向に開口する側部開口44が設けられている。側部開口44には、浴槽排水流入室45が設けられている。浴槽排水流入室45は、側部開口44から+X2側に向かって延びている。
【0031】
浴槽排水流入室45の+X2側の端部45aは、開口している。浴槽排水流入室45の端部45aには、接続部材30の取付プレート31が取り付けられている。
【0032】
受入室41の側部開口44から浴槽排水流入室45にまたがって、分岐部材50が設けられている。分岐部材50は、浴槽排水流入室45の内部の排水を、受入室41とバイパス流路(迂回路)(図5参照。以下同じ。)59とに分岐するためのものである。
【0033】
分岐部材50における+X2側の端部には、上部流入口51及び下部流入口56が設けられている。分岐部材50における-X2側の端部には、上部流出口52及び下部流出口57(図5参照。以下同じ。)が設けられている。
【0034】
上部流入口51と上部流出口52とは、連通している。上部流入口51には、接続部材30の第1接続管32の排水及び第2接続管36の排水が流通可能とされている。
【0035】
上部流出口52は、受入室41に向かって開口している。上部流入口51から上部流出口52までは、受入室流路(合流路)53が形成されている。第1接続管32の下流端32bは、受入室流路53の内側(内部)に配置されている。
【0036】
接続配管5、接続部材30の第1接続管32及び分岐部材50の受入室流路53により、浴槽11の吸込み口13と受入室41とを接続する吸込み口排水路S11が形成されている。
【0037】
浴槽排水流入管21、接続部材30の第2接続管36及び分岐部材50の受入室流路53により、浴槽11の浴槽排水口12と受入室41とを接続する浴槽排水路S12が形成されている。
【0038】
接続配管5を流通した排水及び浴槽排水流入管21を流通して排水は、分岐部材50の上部流入口51と上部流出口52とを接続する受入室流路53で合流して受入室41の内部に流入可能である。
【0039】
図5に示すように、下部流入口56と下部流出口57とは、連通している。下部流入口56は、第2接続管36の下流端36bに対向配置されている。下部流出口57は、バイパス流路59の上流端59aに向かって開口している。下部流入口56から下部流出口57までは、バイパス連通流路58が形成されている。
【0040】
バイパス流路59の上流端59aは、分岐部材50の下部流出口57に連通されている。バイパス流路59の下流端59cは、後述する排水流出口65に連通している。バイパス流路59の下部には、一時的に排水(封水)を貯留することが可能な貯留部(第2封水部)59bが設けられている。
【0041】
浴槽排水流入管21を流通した排水は、バイパス連通流路58を流通して、バイパス流路59の内部に流入可能である。
【0042】
図3に示すように、流出室61は、受入室41よりも-X2側に配置されている。流出室61と受入室41との間を区画する壁部63には、X2方向に貫通する連通孔63aが形成されている。受入室41の内部の排水は、連通孔63aを通過して流出室61に流入する。
【0043】
流出室61における-X2側の端部には、排水流出口65が設けられている。排水流出口65は、X2方向に延びる直管状に形成されている。
【0044】
図4に示すように、バイパス流路59と受入室41及び流出室61との間は、区画壁60で区画されている。バイパス流路59は、受入室41を迂回するように形成されている。
【0045】
図2に示すヘアーキャッチャー71は、受入室41の上部開口42(図3参照。以下同じ。)に着脱自在に設けられている。ヘアーキャッチャー71は、網部72が形成されている。髪は、網部72に沿って集約される。排水は、網部72上で過流となって、下方に排水される。
【0046】
上記の排水システム100における排水の流れについて説明する。浴槽11の内部の湯水は、浴槽排水口12及び吸込み口13から排水される。
【0047】
浴槽排水口12から流下した排水は、排水トラップ2の上部接続口22から浴槽排水流入管21に流入する。浴槽排水流入管21と流通した排水は、第2接続管36から浴槽排水流入室45の内部に流入する。第2接続管36から流出した排水は、分岐部材50の上部流入口51及び下部流入口56の両方に分岐していく。
【0048】
吸込み口13から接続配管5を流通した排水は、ポンプ6から圧送され、排水トラップ2の第1接続管32から浴槽排水流入室45の内部に流入する。第1接続管32から流入した排水は、分岐部材50の上部流入口51に流入していく。第1接続管32の下流端32bは受入室流路53の内側に配置されていて、第1接続管32の下流端32bから流出した排水が分岐部材50の下部流入口56に流入していくことはほとんどない。
【0049】
分岐部材50の上部流入口51から受入室流路53を流通した排水は、上部流出口52から受入室41に流入する。受入室41に流入した排水は、連通孔63aから流出室61に流入する。流出室61の内部の排水は、排水流出口65から外部配管(不図示)に排出される。
【0050】
分岐部材50の下部流入口56からバイパス連通流路58を流通した排水は、バイパス流路59に流入する。バイパス流路59を流通した排水は、排水流出口65から外部配管(不図示)に排出される。
【0051】
このように構成された排水システム100では、接続配管5におけるポンプ6の二次側(ポンプ6から吐出される側)の部分が、接続部材30の第1接続管32及び分岐部材50の受入室流路53を介して、受入室41に接続されている。よって、ポンプ6からの吐水される水流は、その流量(体積流量及び質量流量)及び流速が低下せずに受入室41に放出されるため、ヘアーキャッチャー71の内部に強い渦流を生成することができる。
【0052】
浴槽11の浴槽排水口12から排水される排水も、浴槽排水流入管21、第2接続管36、浴槽排水流入室45及び受入室流路53を流通して、受入室41に導入可能とされている。よって、ヘアーキャッチャー71の内部により強い渦流を生成することができる。
【0053】
第1接続管32の下流端32bは、受入室流路53の内側に配置されている。よって、第1接続管32の下流端32bから流出する排水は受入室流路53の周壁部にぶつかったりして流速が低下することがないため、第1接続管32の内部を流通する排水を勢いよく受入室41に流入させることができる。
【0054】
(変形例1)
上記に示す実施形態の変形例1に係る排水システムについて、主に図6を用いて説明する。下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
図6に示すように、本変形例では、接続配管5には、分岐管54が設けられている。分岐管54は、バイパス流路59に接続されている。接続配管5を流通する排水は、受入室41及びバイパス流路59の両方に流通可能とされている。例えば、接続部材30の第1接続管32の下流端32bが分岐していて、分岐した管が下部流入口56の方を向いているように構成されていてもよい。
【0056】
接続配管5と分岐管54との分岐部分に、流量調節部54aが設けられていてもよい。流量調節部54aは、接続配管5から受入室41に流入する排水の流量と接続配管5から分岐管54を流通してバイパス流路59に流入する排水の流量とを調節するものである。例えば、流量調節部54aは、当該管を流通する流量を調節可能な弁等により構成されている。
【0057】
このように構成された排水システム100では、接続配管5におけるポンプ6の二次側(ポンプ6から吐出される側)の部分が、接続部材30の第1接続管32及び分岐部材50の受入室流路53を介して、受入室41に接続されている。よって、ポンプ6からの吐水される水流は、その流量(体積流量及び質量流量)及び流速が低下せずに受入室41に放出されるため、ヘアーキャッチャー71の内部に強い渦流を生成することができる。
【0058】
接続配管5の排水は、受入室41及びバイパス流路59の両方を流通可能とされている。接続配管5の排水をバイパス流路59に分岐させて、受入室41に流入する排水の水量を抑制して、ヘアーキャッチャー71から洗い場16の底面16dへの排水の溢れを抑制することができる。
【0059】
流量調節部54aによって、接続配管5から流入して受入室41を流通する排水の流量と接続配管5から流入して連通管を流通する排水の流量とを調節することができる。よって、状況に応じて、適切に排水することができる。
【0060】
(変形例2)
上記に示す実施形態の変形例2に係る排水システムについて、主に図7を用いて説明する。
【0061】
図7に示すように、本変形例では、接続配管5の途中部分55は、浴槽11の上端部11uよりも上方に配置されている。接続配管5の上端部(途中部分55)には、通気弁55aが設けられている。
【0062】
このように構成された排水システム100では、接続配管5におけるポンプ6の二次側(ポンプ6から吐出される側)の部分が、接続部材30の第1接続管32及び分岐部材50の受入室流路53を介して、受入室41に接続されている。よって、ポンプ6からの吐水される水流は、その流量(体積流量及び質量流量)及び流速が低下せずに受入室41に放出されるため、ヘアーキャッチャー71の内部に強い渦流を生成することができる。
【0063】
通気弁55aから接続配管5の内部に空気を導入して、排水性能を高めることができる。
【0064】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0065】
例えば、実施形態では、浴槽11に設けられた浴槽排水口12と受入室41とを接続する浴槽排水路S12を備えている。これに限られず、浴槽排水口12からの排水が受入室41に流入しない構成であってもよい。
【0066】
第1接続管32の下流端32bは、受入室流路53の内側に配置されている。これに限られず、第1接続管32の下流端32bは、受入室流路53の外側等に配置されていてもよい。
【0067】
変形例では、流量調節部54aが設けられている。これに限られず、第1封水部を流通する排水の流量及び迂回路を流通する排水の流量を調節する流量調節部が設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0068】
2…排水トラップ、5…接続配管(接続路)、6…ポンプ、11…浴槽、12…浴槽排水口、13…吸込み口、16…洗い場、17…排水桝、18…洗い場排水口、20…浴槽側部材、21…浴槽排水流入管、30…接続部材、32…第1接続管、36…第2接続管、40…洗い場側部材、41…受入室(封水部、第1封水部)、45…浴槽排水流入室、50…分岐部材、51…上部流入口、52…上部流出口、53…受入室流路(合流路)、56…下部流入口、57…下部流出口、58…バイパス連通流路、59…バイパス流路(迂回路)、59b…貯留部(第2封水部)、61…流出室、63a…連通孔、65…排水流出口、71…ヘアーキャッチャー、100…排水システム、101…浴室、S11…吸込み口排水路、S12…浴槽排水路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7