(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】ベースプレート、便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
E03D9/08 A
(21)【出願番号】P 2020030662
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】尾田 颯太郎
(72)【発明者】
【氏名】小池 英也
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-313921(JP,A)
【文献】特開平08-120733(JP,A)
【文献】特開2017-002502(JP,A)
【文献】特開2007-315110(JP,A)
【文献】特開2010-65455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体の上部に配置され、機能部品が取り付けられるベースプレートであって、
前記機能部品のうちの電気機器部品が配置される電気系区域及び洗浄水を供給する配管が配置される水系区域が配置される底面部と、
前記底面部における前記便器本体の前後方向に延び、前記電気系区域及び前記水系区域の間を
前記便器本体の左右方向に区画する
第1リブ部と、を有
し、
前記水系区域には、前記機能部品のうちユーザの臀部を洗浄する臀部洗浄機構のノズル部と、前記ノズル部に接続される給水ホースと、が設けられ、
前記電気系区域には、前記機能部品の各機構を動作させる制御を行う電気回路基板が設けられる、ベースプレート。
【請求項2】
前記水系区域を、前記配管が配置される配管区域と、その他の前記機能部品が配置されるその他区域と、に区画する第2リブ部
をさらに有する、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項3】
前記底面部の後方側において、前記第1リブ部の方が、前記第2リブ部よりも、高く形成される請求項2に記載のベースプレート。
【請求項4】
前記底面部には、前方側に排水される排水勾配が設けられており、
前記底面部の前方側には、上部に開口した前記便器本体の便鉢部が配置され、
前記
第1リブ部
及び前記第2リブ部は、前記底面部が後方側に低く傾斜した場合、及び前記便器本体の幅方向に傾斜した場合の少なくともいずれかの場合に、前記底面部に存在する水が前記便鉢部の外側へ漏れない高さを有する、請求項
2又は3に記載のベースプレート。
【請求項5】
前記
第1リブ部
及び前記第2リブ部は、前記底面部の前端側から後端側まで連続して設けられる、請求項
2~4のいずれか1項に記載のベースプレート。
【請求項6】
前記
第1リブ部
及び前記第2リブ部は、前記底面部の前端から後端までの間に、複数のリブ壁が接続されて形成される、請求項
2~5のいずれか1項に記載のベースプレート。
【請求項7】
前記水系区域に配置される前記複数のリブ壁のうち、前記底面部の後端に位置するリブ壁は、前記複数のリブ壁のうち、最も前記底面部の幅方向中央側に位置する、請求項6に記載のベースプレート。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のベースプレートが設けられる便器装
置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベースプレート及び便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器装置には、便座及び便蓋の開閉機構やユーザの臀部を洗浄する洗浄機構等の各種の機構が設けられ、これらを構成する機能部品がベースプレートに取り付けられている。機能部品の中には、水がかかることを回避することが望ましい電気機器部品がある。
【0003】
機能部品は、洗浄機構や便器本体への洗浄水の給水機構等、洗浄水を給水するホースやバルブユニット等も含んでおり、バルブやホースの接続部から漏れる水滴がベースプレート上に漏れる可能性がある。そこで、ベースプレートに、水を導く排水溝を形成し、ベースプレートから水を排出する排水勾配を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排水溝の位置によっては、電気機器部品が配置されている領域に水が流入する恐れがある。ベースプレートに配置される電気機器部品に、水が確実にかからないようにすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、器本体の上部に配置され、機能部品が取り付けられるベースプレートであって、前記機能部品のうちの電気機器部品が配置される電気系区域及び洗浄水を供給する配管が配置される水系区域が配置される底面部と、前記底面部における前記便器本体の前後方向に延び、前記電気系区域及び前記水系区域の間を区画するリブ部と、を有するベースプレートに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本実施形態の機能部品を配置したフロントベース部を示す上面図である。
【
図3】本実施形態のフロントベース部を示す上面図である。
【
図4】本実施形態のフロントベース部の斜視図である。
【
図5】本実施形態のフロントベース部が傾いた場合の洗浄水の高さを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、便器装置1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便器装置1の便座21に座った人から視た場合の前後の方向を前後方向と定義する。前後方向に交差する左右を結ぶ方向を幅方向と定義する。鉛直方向を上下方向と定義する。図中、Fは便器装置1の前方を、Rは後方を示す。
【0009】
図1に示すように、便器装置1は、便器本体10と、便座21と、便蓋22と、ベース部3と、洗浄機構としての臀部洗浄機構4と、を有する。便器装置1は、例えばトイレルーム(図示省略)に配置され、汚物を下水へ流して洗浄する水洗式の装置である。便器本体10は、上部が開口した便鉢部11を有する容器であり、下部に排水口が形成されている。便座21は、中央が便器本体10の開口に連通するように開口した略環状で平坦な部材であり、便器本体10の上面に載置され、開閉可能に取り付けられている。便蓋22は、便座21の上に開閉可能に取り付けられて、便座21及び便器本体10の便鉢部11を覆っている。
【0010】
臀部洗浄機構4は、
図2に示すように、以下に説明するベース部3に取り付けられ、便器本体10側へ吐水してユーザの臀部を洗浄する。臀部洗浄機構4は、ノズル部41と、配管としての給水ホース42と、バルブユニット43と、カバー44と、を有する。ノズル部41は、便器本体10側へ突出して洗浄水を吐水する。ノズル部41は前後に進退可能な略円筒状の管である。カバー44は、ノズル部41を覆っており、
図2では、カバー44の下にノズル部41が2本並んで配置されている。給水ホース42は、ノズル部41に接続され、洗浄水や温水を供給する管である。バルブユニット43は、給水ホース42に接続され、給水及び止水の際に水量や水圧等を調整する。
【0011】
ベース部3は、
図1に示すように、便器本体10の後部の上部に配置される。ベース部3は、本開示のベースプレートとしてのフロントベース部31と、リアベース部32と、カバー部33と、を有し、フロントベース部31及びリアベース部32の上に後述する機能部品9が取り付けられる。機能部品9は、便座21及び便蓋22の開閉機構や、温度センサ、着座センサ、(いずれも図示省略)、臀部洗浄機構4、電気回路基板901、空気清浄機構903、脱臭機構902、ヒーター904、ポンプ905、温水生成機構906、これらを接続する各種電気配線や配管等であり、例示の各機構のうち、1以上を備えていればよい。
【0012】
カバー部33は、以下に説明するリアベース部32及びフロントベース部31の上部を覆う樹脂製の蓋である。
【0013】
リアベース部32は、
図1に示すように、フロントベース部31の後方の空間に配置される。
図2に示すように、リアベース部32には、各機構を構成する機能部品9の外形形状に合わせた凹凸が形成されている。
【0014】
フロントベース部31は、
図1に示すように、便器本体10の後部の上方において、リアベース部32の前方に配置される。
図2に示すように、フロントベース部31は、その上に設置される機能部品9の機能によって区画されている。フロントベース部31は、電気系区域Aと、水系区域Bと、に分けられる。水系区域Bは、配管区域B1と、その他区域B2と、に分けられている。フロントベース部31は、これら三つに区画されている。
【0015】
電気系区域Aは、フロントベース部31の幅方向の一方側で、空気清浄機構903、脱臭機構902及び電気回路基板901等の電気機器部品が配置された区域である。空気清浄機構903は、プラズマ放電によって活性酸素を発生させるプラズマ方式や、電気集塵式等の方法で、悪臭の原因を除去する機構である。脱臭機構902は、吸引ファン及びフィルタを有し、便器本体10の使用に伴い発生する悪臭の源を吸引する機構である。電気回路基板901は、機能部品9の各機構を動作させる制御部である。電気回路基板901は、空気清浄機構903の上に配置されている。これらの機能部品9は、高圧電流が内部を流れていたり、導電性の部品が露出していたりするため、水を極力回避することが望ましい。
【0016】
水系区域Bは、フロントベース部31の幅方向の他方側に配置され、臀部洗浄機構4等に給水する洗浄水の給水ホース42等が配置される区域である。
【0017】
水系区域Bのうちの配管区域B1は、フロントベース部31の幅方向の中央側で、ユーザの臀部を洗浄する臀部洗浄機構4が配置され、洗浄水を給水する配管が配置される区域である。配管区域B1には、臀部洗浄機構4のノズル部41、給水ホース42及びバルブユニット43、カバー44が配置され、各部が接続されるので、接続された部分から水が漏れたり、結露により水が底面部310へ落ちたりする可能性がある。
【0018】
水系区域Bのうちのその他区域B2は、フロントベース部31の幅方向の他方側で、その他の機能部品9として、ヒーター904、ポンプ905、温水生成機構906等が配置される区域である。ヒーター904は、空気を温めて便器本体10側のユーザに送風する機構である。温水生成機構906は、水を加熱して、温水を生成する機構である。ポンプ905は、温水生成機構906で生成した温水を臀部洗浄機構4へ送る。これらの機構は、電気系区域Aに配置される機構ほど、電圧が高かったたり水に脆弱な配線が露出しているということはないが、安定的に動作させるために水を回避することが望ましい機構である。
【0019】
フロントベース部31は、長手方向が便器本体10の幅方向に沿う縦長の形状を有する。フロントベース部31の幅方向が、便器本体10の前後方向に沿うように配置される。フロントベース部31は、その上に機能部品9を取付け可能なプレートであり、
図3に示すように、底面部310と、リブ部320と、を有する。
【0020】
底面部310は、上記の機能部品9を支持可能な面であり、便器本体10の上面に載る所定の面積を有する。底面部310には、電気系区域A及び水系区域Bが配置され、水系区域Bのうちの配管区域B1とその他区域B2とが配置される。底面部310は、後方でリアベース部32の前端側と接続され、底面部310の前方側には、便鉢部11の開口部が配置されている。底面部310は、リアベース部32と接続される部分が、リアベース部32の形状と適合するように上方へ盛り上がって高くなっている。底面部310の前方の便器本体10側は、後方よりも低くなっており、後方と前方との間に段差310aが形成されている。段差310aから底面部310の前縁側へかけて後方から前方へ行くほど低くなるように、底面部310に傾斜が設けられている。すなわち、底面部310の前縁のうち、特に幅方向中央部側が便器本体10の便鉢部11の後端に位置するため、底面部310は、後方から前方の幅方向中央部側へ向けて排水されるように、排水勾配が設けられている。底面部310の排水勾配を伝い落ちた水は、便鉢部11へ排水される。
【0021】
底面部310の段差310aの手前側で、底面部310の裏面側には、底面部310の長手方向に沿って止水パッキン310bが配置されている。この止水パッキン310b及び段差310aのよりも後方において、幅方向の中央側には、排水のための孔が形成されていない。底面部310の後方に排水孔を形成しないことで、配管区域B1から漏れるかもしれない水が、便鉢部11の外側へ漏れてしまうことを防止している。
【0022】
リブ部320は、底面部310の前後方向に延び、底面部310から上方へ立設する。リブ部320は、各区域A及びB、B1及びB2の間を区切る壁である。リブ部320は、複数設けられ、第1リブ部321と及び第2リブ部322と、を有する。
【0023】
リブ部320は、フロントベース部31が施工誤差や設置環境等によって後方側が低くなるように傾いた場合、及び便器本体10の幅方向に傾斜した場合の少なくともいずれかの場合に、底面部310の上に存在する水が便鉢部11の外側へ漏れない高さを有するように設計される。
【0024】
図5はフロントベース部31が後方に5度傾斜し、左側に5度傾斜した状態を示す。灰色で示した部分は、漏れた水を表している。この状態で、フロントベース31の内部に水漏れが生じた場合を想定する。水漏れ時の臀部洗浄機構4の最大流量は、1分あたり1.2リットル、最大洗浄時間2分と想定する。この場合、傾いた状態のフロントベース部31に溜まる水は、フロントベース部31の機能部品9を搭載する面から計測して、前方側で最大高さ4mm、フロントベース部31の後方側で最大高さ14mmである。この値を考慮すると、リブ部320の高さは、前方側が4mm以上、後方側が14mm以上であることが好ましい。上記の値は最大の想定値であり、高さは適宜変更可能である。
【0025】
第1リブ部321は、電気系区域A及び水系区域Bを区画する。第1リブ部321は、底面部310の幅方向の一方側に配置され、底面部310の前端から後端まで連続的して設けられる。第1リブ部321は、底面部310の前端から後端までの間に、複数のリブ壁321a、321bが前後方向に並んで接続されることで形成されている。リブ壁321aは、底面部310から上方に起立する板状の部分である。
図2に示すように、リブ壁321aは、底面部310の前方側では、幅方向中央部から後方へ向かうにしたがって幅方向外側に傾斜している。底面部310の後端側に位置しているリブ壁321bは、幅方向外側に傾斜したリブ壁321aの後方側から、後方へ向けて、底面部310の前後方向に沿う側縁312と平行に延びている。
【0026】
第2リブ部322は、水系区域Bを、配管区域B1と、その他区域B2とに区画する。第2リブ部322は、底面部310の幅方向の他方側に配置され、底面部310の前端から後端に向けて連続的して設けられる。第2リブ部322は、複数のリブ壁322a、322b、322c、322dが前後方向に並んで接続されることで形成されている。リブ壁322a~322dは、底面部310から上方に起立する板状の部分及び板状の面を有する部分である。
【0027】
リブ壁322aは、底面部310の前方側では、幅方向中央部から後方へ向かうにしたがって幅方向外側に傾斜している。リブ壁322bは、底面部310における前後方向半ばに位置する前方側と後方側の間の段差から、後方へ向けて、底面部310の前後方向に沿う側縁312と平行に延びている。リブ壁322cは、機能部品9のポンプ905を配置する台座322eの幅方向内側の面により構成される。リブ壁322dは、底面部310の後端に位置し、台座322eの後端から底面部310への後端まで、底面部310の前後方向に沿う側縁312と平行に延びている。リブ壁322dは、リブ壁322a~322dのうち、最も底面部310の幅方向中央側に位置している。
【0028】
リブ壁322dは、
図4に示すように、台座322eの後方で電気配線を配管区域B1からその他区域B2へ配置する際に、電気配線を底面部310から持ち上げて配線させることができるように低くなっている。リブ壁322dを底面部310の幅方向の中央側寄りに配置すると、幅方向外側寄りに配置する場合と比べて、リブ壁322dの高さを低くしても、水がリブ壁322dを越えにくく構成することができる。
【0029】
図4に示すように、第1リブ部321と第2リブ部322とを比較すると、底面部310の後方側において、電気系区域Aと水系区域Bとを区画する第1リブ部321の方が、配管区域B1及びその他区域B2を区画する第2リブ部322よりも高く形成されている。このため、水系区域Bと電気系区域Aとの間に確実な障壁が形成され、水系区域Bから電気系区域Aへ水が浸入することが防止される。
【0030】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。フロントベース部31を、便器本体10の上部に配置し、機能部品9を取り付けた。フロントベース部31を、機能部品9のうちの電気機器部品が配置される電気系区域A及び洗浄水を供給する給水ホース42が配置される水系区域Bが配置される底面部310と、底面部310における便器本体10の前後方向に延び、電気系区域A及び水系区域Bの間を区画するリブ部320と、を含んで構成した。電気系区域Aと水系区域Bとを区画するリブ部320の第1リブ部321を設けたので、水系区域Bで仮に水が漏れた場合でも、水が電気系区域Aへ侵入することを確実に防止することができる。したがって、電気系部品を安全に配置することができる。
【0031】
本実施形態によれば、リブ部320を、電気系区域A及び水系区域Bを区画する第1リブ部321を含んで構成した。リブ部320を、水系区域Bを、給水ホース42が配置される配管区域B1と、その他の機能部品9が配置されるその他区域B2と、に区画する第2リブ部322と、を含んで構成した。これにより、配管区域B1から電気系区域Aに水が浸入する可能性を低減するとともに、配管区域B1から、その他の機能部品9が配置されるその他区域B2にも水が浸入する可能性を低減することができる。よって、上記と同様の効果を奏する。
【0032】
本実施形態によれば、底面部310の後方側において、第1リブ部321の方が、第2リブ部322よりも、高く形成されているので、少なくとも電気系区域Aに水が浸入することを確実に防止することができる。
【0033】
本実施形態によれば、底面部310に、前方側に排水される排水勾配を設けた。底面部310の前方側に、上部に開口した便器本体10の便鉢部11を配置し、リブ部320を、底面部310が後方側に低く傾斜した場合、及び便器本体10の幅方向に傾斜した場合の少なくともいずれかの場合に、底面部310に存在する水が便鉢部11の外側へ漏れない高さを有するように構成した。便器装置1の設置環境や施工誤差等の影響でフロントベース部31が傾くと、給水ホース42等から漏れ出た水は、傾斜の低い方へ流れる。底面部310に、前方側に排水される排水勾配が設けられ、ベースプレート31が後ろに低く傾いた場合や、便器本体10の幅方向の一方又は他方に傾いた場合でも、リブ部320が便鉢部11の外側へ漏れないような高さに設定されている。このため、底面部310内に水が漏れ出ても、便鉢部11へ排水され、便鉢部11の外側へ漏れることが防止される。
【0034】
本実施形態によれば、リブ部320を、底面部310の前端側から後端側まで連続して設けた。リブ部320が底面部310の前端側から後端側まで途切れることなく連続していることにより、水系区域Bのうちの配管区域B1から、その両脇の電気系区域Aやその他区域B2へ水が浸入することを確実に防止することができる。
【0035】
本実施形態によれば、リブ部320を、底面部310の前端から後端までの間に、複数のリブ壁321a、321b、322a~322dを接続して形成した。これにより、底面部310に配置する機能部品9の形状や電気配線及び配管等の配置に合わせてリブ壁321a、321b、322a~322dの方向や形状を構成することができる。よって底面部310上の機能部品9の配置を効率的に行うとともに、水が電気系区域Aやその他区域B2へ侵入することを防止することができる。
【0036】
本実施形態によれば、水系区域Bに配置される複数のリブ壁322a~322dのうち、底面部310の後端に位置するリブ壁322dを、複数のリブ壁322a~322dのうち、最も底面部310の幅方向中央側に位置させた。これにより、底面部310の後端に位置するリブ壁322dの高さを低くしても、底面部310の外側に配置した場合と同様の止水効果が得られる。このため、リブ壁322dの高さを低くして配線を通すことができる。
【0037】
本実施形態によれば、便器装置1に、上述のフロントベース部31を設け、水系区域Bに、臀部洗浄機構4を配置した。臀部洗浄機構4を有する便器装置1において、フロントベース部31にリブ部320が設けられているので、臀部洗浄機構4に供給される洗浄水等の水漏れを防ぐことができる。
【0038】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。ベースプレートとしてフロントベース部31を例示して説明した。ベースプレートは、前側と後側が分かれた構成でなく、一体に形成されたものでもよい。フロントベース部31に配置される機能部品9の具体的な機能、構成及び配置は、必要に応じて変更されてよく、例示した実施形態に限定されない。リブ部320を構成するリブ壁の数や傾き等も、変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 便器装置、 4 臀部洗浄機構(洗浄機構)、 9 機能部品、 10 便器本体、 11 便鉢部、 31 フロントベース部(ベースプレート)、 310 底面部、 320 リブ部、 321 第1リブ部、 322 第2リブ部、 321a、321b、322a、322b、322c、322d リブ壁、 A 電気系区域、 B 水系区域、 B1 配管区域、 B2 その他区域