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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】配管構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/02 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
F16L23/02 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021055578
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152712
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】富永 靖人
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/076228(WO,A1)
【文献】特開2005-030247(JP,A)
【文献】実開平02-143590(JP,U)
【文献】実開平01-148189(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0296562(KR,Y1)
【文献】中国実用新案第210687417(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第01724509(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部にその外周面から管径方向外側に張り出したフランジを有する二本の配管が、各々の前記フランジどうしが締結されてV字に連結する配管構造において、前記二本の配管は、連結される開口端における内周の中心が外周の中心から前記二本の配管のそれぞれの外周面の連なりが管径方向外側から内側に向かって凹む部位に向かう方向にずれて偏心し、前記内周の軸線が前記外周の軸線に対して傾いた偏心部を有し、前記二本の配管の各々の前記偏心部における前記内周の軸線どうしが一致し、かつ、各々の前記偏心部における内周面の下端どうしが直線状になることを特徴とする配管構造。
【請求項2】
対象物に組み付けられた状態で、前記二本の配管の各々は前記開口端に向かって鉛直下方向に傾斜し、前記向かう方向は鉛直上方向である請求項に記載の配管構造。
【請求項3】
各々の前記偏心部における内周面の下端が水平となる請求項1または2に記載の配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造に関し、より詳細には、二本の配管がV字に連結する配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
互いのフランジを締結して二本の配管どうしを連結する技術は周知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-150322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フランジは配管の外周面から管径方向外側に張り出しており、他の部材と干渉することがある。この干渉を避けるために配管どうしをV字に連結できれば、全体的な設計の変更を回避することができる。しかしながら、配管どうしをV字に連結すると内部を流れる流体の流れが阻害されるおそれがある。また、V字の連結で生じたV字の溝が鉛直下方に配置されると、その溝に流体が溜まって配管が腐食するおそれがある。結果、配管どうしをV字に連結することができず、干渉を避けるために全体的な設計の変更が必要となり、多大なコストや作業時間が掛かることになる。
【0005】
本開示の目的は、設計の自由度の高い配管構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の一態様の配管構造は、端部にその外周面から管径方向外側に張り出したフランジを有する二本の配管が、各々の前記フランジどうしが締結されてV字に連結する配管構造において、前記二本の配管は、連結される開口端における内周の中心が外周の中心から前記二本の配管のそれぞれの外周面の連なりが管径方向外側から内側に向かって凹む部位に向かう方向にずれて偏心し、前記二本の配管の各々の前記内周の中心が一致することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記の目的を達成する本発明の一態様の配管構造は、端部にその外周面から管径方向外側に張り出したフランジを有する二本の配管が、各々の前記フランジどうしが締結されてV字に連結する配管構造において、前記二本の配管は、連結される開口端における内周の中心が外周の中心から前記二本の配管のそれぞれの外周面の連なりが管径方向外側から内側に向かって凹む部位に向かう方向にずれて偏心し、前記内周の軸線が前記外周の軸線に対して傾いた偏心部を有し、前記二本の配管の各々の前記偏心部における前記内周の軸線どうしが一致し、かつ、各々の前記偏心部における内周面の下端が直線状になることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の配管構造を例示する縦断面図である。
図2】従来技術の配管構造を例示する縦断面図である。
図3図1の上流開口端の正面図である。
図4図1の配管構造の第一変形例を例示する縦断面図である。
図5図1の配管構造の第二変形例を例示する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示における配管構造の実施形態について説明する。図中において、Z方向は鉛直方向を示し、X方向およびY方向は鉛直方向に垂直な平面において直交する方向を示す。図中の白抜き矢印は再循環排気の流れを示す。図中では、構成が分かり易いように部材の寸法を変化させており、必ずしも実際に製造するものとは一致させていない。
【0010】
図1に例示するように、実施形態の配管構造1は図示しないエンジンの側方の壁面に組み付けられた二本の配管(10、20)から成り、図示しないエンジンの排気再循環通路の一部を構成し、インテークマニホールド2に連結される。排気再循環通路は図示しない排気通路から吸気通路に排気を再循環する通路である。排気再循環通路を流通する再循環排気は、図示しない排気通路から分岐して、二本の配管を介してインテークマニホールド2へ流れる。
【0011】
本実施形態において、二本の配管は再循環排気の流れに関して上流側に配置された上流配管10と下流側に配置された下流配管20とを区別するものとし、それらを構成する部位も上流、下流を付して区別することにする。また、各々の配管の基準となる管厚は共通であり、管厚D1とする。下流配管20はインテークマニホールド2と一体的に連結しており、インテークマニホールド2の図示しない気筒に向かってY方向に延在して連通する連通配管3と接する箇所を末端とし、図中において符号を付さない点線で示す。
【0012】
上流配管10は上流開口端11に向かってZ方向下方に傾斜した直線円管である。下流配管20はインテークマニホールド2に直結されており、下流開口端21に向かってZ方向下方に傾斜した直線円管である。本開示において傾斜とは上流配管10の上流外周14および下流配管20の下流外周24を基準とし、上流外周14の軸線L10および下流外周24の軸線L20がZ方向に垂直なXY平面に対して傾斜している、すなわち、水平面H1に対して傾斜していることを示す。直線円管とは中途位置で屈曲せず、その横断面が円環形状を成す配管を示す。上流開口端11および下流開口端21は互いに連通する部位である。
【0013】
上流配管10は上流開口端11が存在する端部に上流フランジ12を有する。下流配管20は下流開口端21が存在する端部に下流フランジ22を有する。上流フランジ12および下流フランジ22のそれぞれは、それぞれの配管の端部の外周面の全周から管径方向外側に張り出す。上流フランジ12および下流フランジ22は特に限定されるものではなく、溶接フランジやねじ込みフランジが例示される。上流フランジ12および下流フランジ22はボルトおよびナットなどの締結具により互いに締結される。
【0014】
二本の配管は各々のフランジどうしが締結されて、Y方向視でV字に連結し、上流開口端11および下流開口端21が互いに連通する。本開示において、二本の配管がV字に連結するとは連結した二本の配管がアルファベットの「V」の字形を成すように配置されて連結することを示す。二本の配管がV字に連結するとは、各々の開口端から他方の端に向かって二本の配管どうしの間の離間距離が徐々に広がる状態を示す。また、上流配管10の上流外周14の軸線L10と下流配管20の下流外周24の軸線L20とが交差する状態も示す。二本の配管がV字に連結することで、二本の配管のそれぞれの外周面の連なりには、管径方向外側から内側に向かって凹む部位4と、管径方向内側から外側に向かって凸む部位とが形成される。
【0015】
二本の配管はV字に連結されることで、各々のフランジが干渉部位5に接触しないようになっている。干渉部位5は図示しないエンジンの側方の壁面から突出したボス部が例示される。
【0016】
上流配管10は上流開口端11における上流内周13の中心P1が上流外周14の中心P2から凹む部位4に向かう方向であるZ方向上方にずれて偏心する。偏心とは直線円管において一致するはずの上流内周13の中心P1と上流外周14の中心P2とが一致しないことを示す。
【0017】
上流配管10は境界15で区分される偏心部16と一致部17とを有する。境界15は上流配管10の上流フランジ12に覆われた部分に配置される。偏心部16は中心P1が中心P2から偏心して上流内周13の軸線L1および上流外周14の軸線L10が互いに一致せずに交差した部位である。偏心部16はZ方向下方の部位の管厚が境界15から上流開口端11に向かうに従って管厚D1から徐々に厚くなり、Z方向上方の部位の管厚が境界15から上流開口端11に向かうに従って管厚D1から徐々に薄くなる。偏心部16の内周面の下端は水平である。一致部17は上流内周13および上流外周14のそれぞれの軸線が軸線L10に一致した部位である。一致部17は全域で一定の管厚D1である。
【0018】
偏心部16および一致部17の開口断面積は全域に亘って一定に保持される。本開示において開口断面積とは上流内周13の軸線に垂直な平面で切断した断面における開口面積である。偏心部16の開口断面積は軸線L1に垂直な平面で切断した断面における開口面積であり、一致部17の開口断面積は軸線L10に垂直な平面で切断した断面における開口面積である。
【0019】
下流配管20は下流開口端21における下流内周23の中心P1が下流外周24の中心P2から凹む部位4に向かう方向であるZ方向上方にずれて偏心する。下流開口端21における下流内周23の中心P1は上流開口端11の上流内周13の中心P1と一致する。同様に、下流開口端21における下流内周23の軸線L1も上流開口端11の上流内周13の軸線L1と一致する。
【0020】
下流配管20はその全域が偏心部である。下流配管20は中心P1が中心P2から偏心して下流内周23の軸線L1および下流外周24の軸線L20が互いに一致せずに交差する。下流配管20はZ方向下方の部位の管厚が下流開口端21に向かうに従って管厚D1から徐々に厚くなり、Z方向上方の部位の管厚が下流開口端21に向かうに従って管厚D1から徐々に薄くなる。下流配管20の内周面の下端は水平である。下流配管20の開口断面積は全域に亘って一定に保持される。下流配管20の開口断面積は軸線L1に垂直な平面で切断した断面における開口面積である。
【0021】
上流開口端11あるいは下流開口端21における中心P1と中心P2との間の距離D2は上流配管10の偏心部16あるいは下流配管20の軸線L1が水平になる値である。距離D2は上流開口端11あるいは下流開口端21における中心P1と中心P2とが一致したと仮定した状態で求められる。
【0022】
図2に例示するように、仮想配管30は上流配管10が上流開口端11における中心P1と中心P2とが一致した状態であると仮定した場合の配管を示す。仮想配管40は下流配管20が下流開口端21における中心P1と中心P2とが一致した状態であると仮定した場合の配管を示す。
【0023】
仮想配管30と仮想配管40とをV字に連結せずに、かつ、仮想配管30から仮想配管40に向かって流れる凝縮水が中途位置で溜まらないようにするには、図中の点線で示すように、内周面の下端が水平となる仮想配管40に対して、仮想配管30を中途位置で屈曲させて連結する必要がある。この場合に、各々のフランジが干渉部位5に重なることになる。そこで、仮想配管30と仮想配管40とをV字に連結することで、干渉部位5と各々のフランジとの干渉を回避する。仮想配管30と仮想配管40とをV字に連結すると、配管の内部に水平面H1に対してZ方向下方に向かって凹む溝が形成される。この溝は縦断面形状がV字で、管周方向に向かって溝の幅が徐々に狭くなる。このV字の溝が無くなり、仮想配管30および仮想配管40のそれぞれの内周面の下端が水平になれば、中途位置で凝縮水が溜まることが回避される。
【0024】
仮想内周33と仮想外周34とのそれぞれの軸線が互いに一致した軸線L30と水平面H1とのなす角をθ3とし、仮想開口端31から仮想配管30の内周面および水平面H1の交点35までの垂線の距離をD3とする。距離D2は距離D3になす角θ3に対する正接を乗算して求められる。この距離D2が、上流開口端11あるいは下流開口端21における中心P1と中心P2との間の距離D2となる。同様に、仮想開口端から仮想配管40の内周面および水平面H1の交点までの垂線の距離に、仮想配管40における軸線L40および水平面H1のなす角に対する正接を乗算しても距離D2が求められる。
【0025】
図3に例示するように、中心P1が中心P2のZ方向上方にずれて偏心すると、直線円管において管周方向で均一であった管厚は、上流配管10のZ方向下方の管厚が最も厚くなり、Z方向上方の管厚が最も薄くなる。上流配管10の管厚は管周方向にZ方向下方からZ方向上方に向かって徐々に薄くなる。なお、下流配管20も同様であるため、その説明は省略する。
【0026】
以上のように、本開示の配管構造1によれば、V字に連結された二つの配管の各々の内周の中心P1が外周の中心P2からずれて内周が外周に対して偏心することで二本の配管がV字に連結して生じる内部のV字の溝を無くすことができる。これにより、二本の配管をV字に連結することで生じる諸問題を解消するには有利になり、二本の配管をV字に連結可能にして設計の自由度を高めることができる。結果、干渉部位5との干渉を避けるための設計変更を回避して、設計変更に要するコストや作業時間を削減できる。
【0027】
例えば、二本の配管に流れる再循環排気から生じた凝縮水は上流配管10の傾斜により上流配管10の上流開口端11に向かって流れ落ちる。流れ落ちた凝縮水は偏心により水平となった偏心部16、下流配管20を通過する。このように、二本の配管に凝縮水が溜まる部位が無くなることで、一箇所に留まる凝縮水による腐食を回避することができる。
【0028】
配管構造1は、内周が外周に対し偏心することで二つの配管のZ方向上方の管厚が薄くなるが、その外周部分に配置されたフランジにより管厚が薄くなったことで低下する強度を補うことができる。それ故、内周を外周に対して偏心させても耐久性が低下することはない。
【0029】
配管構造1は、上流配管10が偏心部16を有し、下流配管20の全域が偏心部で構成され、上流配管10が一致部17から偏心部16を経由して上流開口端11に至るまで開口断面積が一定に保持され、下流配管20が下流開口端21に至るまでの開口断面積が一定に保持される。このように、配管構造1は内周を外周に対して偏心させても二本の配管の内部を流通する流体の流れを阻害しない構成であることが望ましい。
【0030】
配管構造1は、二本の配管の各々が各々の開口端に向かってZ方向下方に傾斜した場合に、各々の偏心部の内周面の下端が水平となることが望ましい。さらに、配管構造1は、二本の配管が図示しないエンジンに組み付けられ、かつ、そのエンジンが車両に搭載された状態で、各々の偏心部の内周面の下端が水平となることが望ましい。例えば、図1において、車両に搭載された状態で、X方向右側が左側に対して下方に傾くようなエンジン搭載角の場合は、中心P1がより中心P2から遠ざかり、かつ、上流配管10の偏心部16と一致部17の境界15がX方向右側に遠ざかり、偏心部16の軸方向の長さが延びる。このように、配管構造1の中心P1の中心P2からの偏心は配管構造1が組み付けられて使用される状態で、各々の偏心部の内周面の下端が水平となることが望ましい。
【0031】
配管構造1は、二本の配管の各々が各々の開口端に向かってZ方向下方に傾斜した場合に、開口端における中心P1が中心P2に対してZ方向上方にずれて偏心する。本開示の配管構造1は中心P1が中心P2に対してずれる方向は、二本の配管の連結に応じて適宜、変更してもよい。例えば、二本の配管の各々が各々の開口端に向かってY方向一方に傾斜した場合に、開口端における中心P1が中心P2に対してY方向他方にずれて偏心してもよい。二本の配管の連結したときの二本の配管のなす角が大きい場合に、二本の配管の内部を流通する流体の流れが連結部で急激に変化し、不要な配管抵抗が作用したり、渦流が生じたりすることで流体の流れを阻害する場合がある。本開示の配管構造1によれば、二本の配管がV字に連結されても、開口端における中心P1が中心P2に対してずれて偏心することで、流体の流れの急激な変化を緩和することが可能となり、流体の流れが阻害されることを抑制することができる。
【0032】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の配管構造10は特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0033】
配管構造1は、フランジにより管厚が薄くなったことで低下する強度を補うことが可能な範囲で、かつ、フランジに覆われていない部分の強度が十分である場合に以下のような変形が可能である。また、フランジに覆われていない部分に配管を壁面に組み付けるためのボス部が形成される場合にそのボス部により強度を補うことが可能な場合もある。
【0034】
図4に例示するように、配管構造1は、上流配管10における開口断面積よりも下流配管20における開口断面積が広い場合に、偏心部16における開口断面積を変化させる構成にしてもよい。上流開口端11に向かって、偏心部16の開口断面積は上流配管10における開口断面積から下流配管20における開口断面積に向かって徐々に広がる。これにより、上流配管10と下流配管20との管径が異なる場合でも、上流配管10と下流配管20との間に共通摺合せ連結管などの異径を組み合わせた継ぎ手管を介さずに直に連結可能となる。なお、この変形例では偏心部16における上流内周13の径のみを上流開口端11に向かって徐々に拡大する構成を例示したが、上流内周13の径の拡大に合わせて、偏心部16における上流外周14の径も上流開口端11に向かって徐々に拡大する構成としてもよい。
【0035】
図5に例示するように、配管構造1は、中心P1がより中心P2から遠ざかるように偏心し、二本の配管の各々の偏心部の内周面の下端が再循環排気の流れる方向に向かって下方に傾斜する構成にしてもよい。上流配管10の偏心部16と一致部17との境界15はX方向右側にずれた位置となり、上流フランジ12に覆われていない部分に配置される。上流配管10から下流配管20に向かって、配管の内部には下り勾配のみが存在することになり、凝縮水が中途位置で止まることなく流れることになる。なお、この変形例は、図1において、車両に搭載された状態で、X方向右側が左側に対して下方に傾くようなエンジン搭載角の場合に対処可能な構造でもある。
【0036】
本開示の配管構造10は、二本の配管が排気再循環通路の一部を構成する配管に限定されずに、二本の配管の内部が腐食する要因となる流体が流れる配管に適用することが可能である。例えば、そのような配管としてはエキゾーストマニホールド、排気浄化システムの配管が例示される。なお、配管構造10は車両に搭載されるものに限定されるものではなく、二本の配管がV字に連結する構造であれば適用可能である。
【0037】
配管構造10を構成する二本の配管の各々は管厚が異なるものでもよく、円管以外の形状の配管でもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 配管構造
10 上流配管
11 上流開口端
12 上流フランジ
13 上流内周
14 上流外周
20 下流配管
21 下流開口端
22 下流フランジ
23 下流内周
24 下流外周
P1 開口端における内周の中心
P2 開口端における外周の中心
図1
図2
図3
図4
図5