(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240116BHJP
G07D 11/235 20190101ALI20240116BHJP
G07D 11/26 20190101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q20/38 360
G07D11/235
G07D11/26
(21)【出願番号】P 2020013231
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】相良 雅宏
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219934(JP,A)
【文献】特開2018-136591(JP,A)
【文献】特開2017-199435(JP,A)
【文献】特開2009-245272(JP,A)
【文献】特開2010-049387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0016047(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124544(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07D 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、および自動取引装置に接続される金融サーバと通信する通信部と、
前記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記対話型サービスサーバへ送信させる通信制御部と、
前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、
を備え、
前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置。
【請求項2】
情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、自動取引装置に接続される金融サーバ、およびメッセージサーバと通信する通信部と、
前記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記メッセージサーバへ送信させる通信制御部と、
前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、
を備え、
前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置。
【請求項3】
前記取引内容情報は、取引種別または指定金額の少なくとも一方を示す、請求項1または2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記取引キーは、時限式のキー情報である、請求項1~3までのいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、および自動取引装置に接続される金融サーバと通信する通信部と、
前記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記対話型サービスサーバへ送信させる通信制御部と、
前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、
を備え、
前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置、として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、プログラムおよび情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ATM(Automatic Teller Machine)のような自動取引装置を用いた取引が広く普及している。例えば、自動取引装置の利用者は、キャッシュカードを自動取引装置に挿入し、取引種別および取引金額などを指定することにより、取引を実行する。
【0003】
また、自動取引装置でのキャッシュカードを用いない取引であるカードレス取引も知られている。例えば、自動取引装置が二次元コードを表示し、当該二次元コードを利用者が自身の情報端末で読取り、情報端末に表示された番号を利用者が自動取引装置に入力する取引態様が存在する。
【0004】
また、特許文献1には、利用者が携帯端末を用いて金融機関のWEBページにアクセスして取引番号を取得し、当該取引番号を自動取引装置に入力することで取引を実行する技術が開示されている。また、特許文献2には、SNSおよびブログなどで入力されたテキストに基づいて残高照会および振込などの金融取引を行う技術が開示されている。その他、特許文献3には、対話が雑談であるかコマンド実行であるかを判断し、判断結果に応じた処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-123126号公報
【文献】特開2012-185672号公報
【文献】特開2015-81971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、既知のカードレス取引では利用者が不便を感じることがあった。例えば、特許文献1に開示された技術では、各入出金のために、金融機関のWEBページへのアクセス、金融機関のWEBページ上でのユーザID、パスワードおよび取引内容の入力が行われる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より利便性が高いカードレス取引を実現することが可能な、新規かつ改良された情報管理装置、プログラムおよび情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、および自動取引装置に接続される金融サーバと通信する通信部と、前記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記対話型サービスサーバへ送信させる通信制御部と、前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、を備え、前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、自動取引装置に接続される金融サーバ、およびメッセージサーバと通信する通信部と、記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記メッセージサーバへ送信させる通信制御部と、前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、を備え、前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置が提供される。
【0010】
前記取引内容情報は、取引種別または指定金額の少なくとも一方を示してもよい。
【0011】
前記取引キーは、時限式のキー情報であってもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、情報端末を介して前記情報端末の利用者に対話型のコミュニケーションサービスを提供する対話型サービスサーバ、および自動取引装置に接続される金融サーバと通信する通信部と、前記対話型のコミュニケーションサービスにおける前記利用者の識別情報、および前記利用者の口座情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記通信部により前記対話型サービスサーバから前記利用者の識別情報および取引の内容を示す取引内容情報が受信されると、前記通信部に取引キーを前記対話型サービスサーバへ送信させる通信制御部と、前記記憶部を参照して、前記利用者の識別情報に対応する前記利用者の口座情報を特定する特定部と、を備え、前記通信制御部は、前記通信部により前記金融サーバから前記取引キーが受信されると、前記特定部により特定された前記利用者の前記口座情報、および前記取引キーに対応する前記取引内容情報を前記通信部に前記金融サーバへ送信させる、情報管理装置、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した本発明によれば、より利便性が高いカードレス取引を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態による情報端末10の構成を示す説明図である。
【
図3】カードレス取引の利用登録のための対話画面を示す説明図である。
【
図4】カードレス取引の利用登録のための認証画面を示す説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30の構成を示す説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態による中継サーバ20の構成を示す説明図である。
【
図7】記憶部250が記憶する口座情報DBの具体例を示す説明図である。
【
図8】記憶部250が記憶する取引DBの具体例を示す説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるATM40の構成を示す説明図である。
【
図10】メニュー画面90の具体例を示す説明図である。
【
図11】取引キーの入力画面95の具体例を示す説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるATM管理サーバ50の構成を示す説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態による勘定系サーバ60の構成を示す説明図である。
【
図14】カードレス取引の利用登録のための動作を示す説明図である。
【
図15】カードレスでの出金取引の動作を示す説明図である。
【
図16】カードレスでの出金取引の動作を示す説明図である。
【
図17】カードレスでの出金取引の動作を示す説明図である。
【
図20】中継サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。
【
図21】変形例による情報処理システムの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0019】
<0.情報処理システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の一実施形態による情報処理システムは、情報端末10と、中継サーバ20と、対話型サービスサーバ30と、ATM40と、ATM管理サーバ50と、勘定系サーバ60と、を有する。
【0020】
情報端末10、中継サーバ20および対話型サービスサーバ30は、ネットワーク8Aを介して接続されている。ネットワーク8Aは、インターネットであってもよい。また、中継サーバ20、ATM40、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60は、ネットワーク8Bを介して接続されている。ネットワーク8Bは、銀行の内部ネットワークであってもよい。
【0021】
(情報端末)
情報端末10は、利用者が利用する情報処理装置である。本発明の一実施形態による情報端末10は、対話型アプリケーションをダウンロードし、当該対話型アプリケーションをインストールする。対話型アプリケーションは、対話型サービスサーバ30が提供する対話型コミュニケーションサービスを利用するためのアプリケーションである。なお、
図1においては、情報端末10の一例として携帯端末を示しているが、情報端末10は、PC(Personal Computer)、およびウェアラブル機器などの情報処理装置であってもよい。
【0022】
(中継サーバ)
中継サーバ20は、対話型サービスサーバ30とATM管理サーバ50との間に介在する。本発明の一実施形態による中継サーバ20は、特に、ATM40においてキャッシュカードを用いない取引であるカードレス取引を支援するための情報管理装置として機能する。当該中継サーバ20は、例えば銀行やシステムベンダのデータセンタに設置される。
【0023】
(対話型サービスサーバ)
対話型サービスサーバ30は、対話型コミュニケーションサービスを提供する情報処理装置である。具体的には、対話型サービスサーバ30は、対話型コミュニケーションサービスのインターフェースとして、情報端末10に通信相手との対話画面を提供し、情報端末10から送信された情報および通信相手から送信された情報を上記対話画面に逐次追加する。特に、本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30は、情報端末10と中継サーバ20との対話画面を情報端末10に提供し、情報端末10および中継サーバ20から送信されたATM40におけるカードレス取引のための情報を上記対話画面に追加する。
【0024】
(ATM)
ATM(Automatic Teller Machine)40は、現金の入金取引および出金取引などの多様な取引を自動で行う自動取引装置である。ATM40は、キャッシュカードが挿入されると、当該キャッシュカードから読み取られる情報に基づいて取引を進めることが可能である。さらに、本発明の一実施形態によるATM40は、キャッシュカードを用いないカードレス取引にも対応している。このため、ATM40は、利用者による後述の取引キーの入力に基づき、カードレス取引を実行することも可能である。
【0025】
(ATM管理サーバ)
ATM管理サーバ50は、複数台のATM40を束ねる金融サーバの一例であり、ATM40と勘定系サーバ60との間で多様な情報および通知などを中継する。例えば、ATM管理サーバ50は、出金取引においてATM40に入力された暗証番号および指定金額などを勘定系サーバ60に送信し、勘定系サーバ60から出金処理終了通知を受信すると、当該出金処理終了通知をATM40に送信する。
【0026】
(勘定系サーバ)
勘定系サーバ60は、預金勘定元帳を処理し、為替およびATM40との接続などを制御する装置である。本発明の一実施形態おいては、勘定系サーバ60は、ATM40に後述の取引キーが入力された場合、当該取引キーに対応する銀行口座の預金に基づいて出金処理を行う。
【0027】
(システム動作概要)
上述した情報処理システムにおいて、利用者は、対話型サービスサーバ30が提供する対話画面上で情報端末10からATM40における出金取引を要求し、当該対話画面に追加される取引キーをATM40に入力する。ATM40は、正当な取引キーが入力された場合、キャッシュカードの挿入無しに出金処理を実行する。ここで、対話型コミュニケーションサービスは、近年、多くの利用者により慣れ親しんで利用されている。本発明の一実施形態による情報処理システムでは、このような対話型コミュニケーションサービスの利用によりカードレス取引が実現されるので、利用者の利便性を向上することが可能である。以下、このような本発明の一実施形態による情報処理システムの構成および動作について順次詳細に説明する。
【0028】
<1.情報端末の構成>
図2は、本発明の一実施形態による情報端末10の構成を示す説明図である。
図2に示したように、本発明の一実施形態による情報端末10は、通信部120、表示部130、操作部140、および制御部170を有する。
【0029】
(通信部)
通信部120は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部120は、対話型サービスサーバ30に、カードレス取引の利用登録のためのトリガ情報、カードレスでの出金取引のためのトリガ情報などを送信する。
【0030】
(表示部)
表示部130は、制御部170により生成された表示画面を表示する。例えば、表示部130は、対話型コミュニケーションサービスで提供される対話画面、および多様なWEBページなどを表示する。なお、表示部130は、液晶ディスプレイであってもよいし、OLED(Organic Light Emitting Diode)であってもよい。
【0031】
(操作部)
操作部140は、利用者が操作により情報端末10に情報および指示などを入力するための構成である。利用者は、例えば、カードレス取引の利用登録のための認証画面において、利用者の銀行口座の店番、科目、口座番号および暗証番号など、銀行認証情報を入力する。
【0032】
(制御部)
制御部170は、情報端末10の動作全般を制御する。例えば、制御部170は、通信部120と対話型サービスサーバ30との通信を制御する機能、表示部130に表示される多様な表示画面を生成する機能などを有する。特に、本発明の一実施形態による制御部170は、対話型アプリケーション172の機能、およびブラウザアプリケーション174の機能を有する。
【0033】
対話型アプリケーション172は、対話型サービスサーバ30が提供するサービスの情報端末10における利用のために用いられるアプリケーションである。対話型アプリケーション172は、対話型コミュニケーションサービスのためのメッセージの通信部120による送信、および対話画面の表示部130による表示を制御する。対話型アプリケーション172には、対話型のコミュニケーションサービスにおける利用者の識別情報であり、対話型アプリケーション172がインストールされた情報端末10ごとに異なる利用者IDが設定される。
【0034】
ブラウザアプリケーション174は、WEBページの取得、およびWEBページの表示部130による表示を制御する。ここで、
図3を参照し、表示部130に表示される対話画面およびWEBページの具体例を説明する。
【0035】
図3は、カードレス取引の利用登録のための対話画面を示す説明図である。まず、利用者がカードレス取引の利用登録のためのトリガ情報となる所定のスタンプを対話画面において選択すると、
図3の左図に示したように、対話画面に当該スタンプM1が追加される。すると、中継サーバ20から利用登録のための認証画面にアクセスするためのURL情報が送信され、当該URL情報を含むメッセージM2が対話画面に追加される。利用者が当該URL情報を選択することで、ブラウザアプリケーション174が起動され、ブラウザアプリケーション174が利用登録のための認証画面(WEBページ)を表示部130に表示させる。
【0036】
図4は、カードレス取引の利用登録のための認証画面80を示す説明図である。
図4に示したように、認証画面80は、店番の入力欄82、口座番号の入力欄84、暗証番号の入力欄86および登録ボタン88を含む。利用者は、利用者が有する金融機関の口座の店番(または店舗名)、口座番号、および暗証番号などを、店番の入力欄82、口座番号の入力欄84および暗証番号の入力欄86に各々入力し、登録ボタン88を押圧する。当該認証画面80に入力された情報に基づいて勘定系サーバ60において認証処理が行われる。認証処理が成功した場合、中継サーバ20に、対話型サービスにおける利用者ID、および利用者の口座情報が関連付けて格納され、カードレス取引のための利用登録が完了する。
【0037】
このように、対話画面からWEBページへの遷移を誘導することにより、口座情報の通信経路に対話型サービスサーバ30を介在させることなく、利用登録を実現することができる。なお、
図4においては店番の入力欄82、口座番号の入力欄84、暗証番号の入力欄86が同一画面に表示される例を示したが、セキュリティの観点から、暗証番号の入力欄86は別画面に表示されてもよい。
【0038】
<2.対話型サービスサーバの構成>
以上、本発明の一実施形態による情報端末10の構成を説明した。続いて、
図5を参照し、本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30の構成を説明する。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30の構成を示す説明図である。
図5に示したように、本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30は、通信部320と、記憶部350と、制御部370と、を有する。
【0040】
(通信部)
通信部320は、情報端末10および中継サーバ20とのインターフェースである。例えば、通信部320は、情報端末10から送信される情報を受信し、当該情報を中継サーバ20に送信する。情報端末10から送信される情報としては、カードレス取引の利用登録のためのトリガ情報、およびカードレスでの出金取引のためのトリガ情報などが挙げられる。
【0041】
また、通信部320は、中継サーバ20から送信される情報を受信し、当該情報を情報端末10に送信する。中継サーバ20から送信される情報としては、取引キー、および出金処理の終了を示す情報などが挙げられる。
【0042】
(記憶部)
記憶部350は、対話型のコミュニケーションサービスの各利用者に設定された利用者IDを記憶する。
【0043】
(制御部)
制御部370は、対話型サービスサーバ30の動作全般を制御する。例えば、制御部370は、通信部320により情報端末10または中継サーバ20の一方から情報が受信されると、情報端末10と中継サーバ20との対話画面に当該情報を追加し、当該情報が追加された対話画面を通信部320に情報端末10または中継サーバ20の他方へ送信させる。特に、制御部370は、出金取引のためのトリガ情報および指定金額が情報端末10から受信されると、当該トリガ情報および指定金額を情報端末10と中継サーバ20との対話画面に追加する。なお、指定金額は、取引の内容を示す取引内容情報の一例である。
【0044】
<3.中継サーバの構成>
以上、本発明の一実施形態による対話型サービスサーバ30の構成を説明した。続いて、
図6を参照し、本発明の一実施形態による中継サーバ20の構成を説明する。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態による中継サーバ20の構成を示す説明図である。
図6に示したように、本発明の一実施形態による中継サーバ20は、通信部220と、記憶部250と、制御部270と、を有する。
【0046】
(通信部)
通信部220は、情報端末10、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60とのインターフェースであり、情報端末10、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60との間で通信を行う送信部としての機能および受信部としての機能を有する。例えば、通信部220は、対話型サービスサーバ30から情報を受信し、制御部270により生成された情報を対話型サービスサーバ30に送信する。
【0047】
(記憶部)
記憶部250は、中継サーバ20の動作に用いられる情報を記憶する。例えば、本発明の一実施形態による記憶部250は、カードレス取引の利用登録の処理により、利用者の対話型コミュニケーションサービスにおける利用者ID、および利用者の口座情報を関連付けて記憶する。
【0048】
図7は、記憶部250が記憶する口座情報DBの具体例を示す説明図である。
図7に示したように、口座情報DBは、利用者IDと、店番、科目および口座番号などの口座情報とを含む。
【0049】
(制御部)
制御部270は、中継サーバ20の動作全般を制御する。特に、本発明の一実施形態による制御部270は、
図6に示したように、通信制御部271、利用登録部272、取引キー発行部273および口座特定部274の機能を有する。
【0050】
通信制御部271は、通信部220が行う通信を制御する。例えば、通信制御部271は、通信部220により対話型サービスサーバ30から利用者の対話型コミュニケーションサービスにおける利用者IDが受信され、取引キー発行部273により取引キーが発行されると、当該取引キーを通信部220に対話型サービスサーバ30へ送信させる。
【0051】
また、通信制御部271は、通信部220によりATM管理サーバ50から取引キーが受信され、口座特定部274により当該取引キーに対応する利用者の口座情報が特定されると、当該利用者の口座情報を通信部220にATM管理サーバ50へ送信させる。また、通信制御部271は、ATM40におけるカードレスでの出金取引の終了を示す通知が通信部220により受信されると、出金終了を示すプッシュ通知の実行の指示を通信部220に対話型サービスサーバ30へ送信させる。
【0052】
利用登録部272は、カードレス取引の利用登録のためのトリガ情報が情報端末10から対話型サービスサーバ30へ送信され、当該情報端末10の利用者の利用者IDが対話型サービスサーバ30から通信部220により受信されると、利用者IDを記憶部250に一時的に記憶させ、
図4を参照して説明した認証画面にアクセスするためのURLを発行する。そして、認証画面に入力された利用者の口座情報について勘定系サーバ60により実行される認証処理が成功すると、利用登録部272は、
図7を参照して説明したように、記憶部250に一時的に記憶していた利用者IDと、店番、科目および口座番号などの口座情報とを関連付けて記憶部250の口座情報DBに記憶させる。
【0053】
取引キー発行部273は、出金取引のためのトリガ情報および指定金額が情報端末10から対話型サービスサーバ30へ送信され、当該情報端末10の利用者の利用者IDおよび指定金額が対話型サービスサーバ30から通信部220により受信されると、取引キーを発行する。当該取引キーは、ATM40におけるカードレスでの出金取引のために用いられる情報である。当該取引キーは、発行から所定の時間内(例えば、1分以内)で有効である時限式のキー情報、またはワンタイムパスワードであってもよい。
【0054】
取引キー発行部273は、発行した取引キーを、利用者IDおよび指定金額に関連付けて記憶部250に記憶させる。
図8は、記憶部250が記憶する取引DBの具体例を示す説明図である。
図8に示した例では、取引DBにおいて、取引キー「123456」が、利用者ID「0001」および指定金額「10000」に関連付けて記憶されている。
【0055】
なお、取引キーの発行とは、取引キーを利用者に割り当てることを意味する。取引キー発行部273は、利用者IDおよび指定金額の受信に基づいて取引キーを生成し、生成した取引キーを利用者に割り当ててもよい。または、取引キー発行部273は、複数の取引キーを有しており、利用者IDおよび指定金額の受信に基づいて複数の取引キーからいずれかの取引キーを選択し、選択した取引キーを利用者に割り当ててもよい。
【0056】
口座特定部274は、ATM40において取引キーが入力され、当該取引キーを含む口座特定依頼がATM管理サーバ50から通信部220により受信されると、
図8を参照して説明した取引DBにおいて当該取引キーに関連付けて記憶されている利用者IDおよび指定金額を特定する。さらに、口座特定部274は、
図7を参照して説明した口座情報DBを参照し、特定した利用者IDに関連付けられている店番、科目および口座番号などの口座情報を特定する。こうして特定された口座情報は、取引DBから特定された指定金額と共に、通信部220からATM管理サーバ50に送信される。
【0057】
なお、上記では取引DBにおいて取引キーに利用者IDが関連付けられる例を説明したが、取引DBの構成はかかる例に限定されない。他の例として、利用者IDの受信に基づいて取引キー発行部273が取引キーを発行した場合、口座特定部274が口座情報DBを参照して当該利用者IDに関連付けられている口座情報を特定し、記憶部250が、取引キーと、口座特定部274により特定された口座情報とを取引DBにおいて関連付けて記憶してもよい。
【0058】
<4.ATMの構成>
以上、本発明の一実施形態による中継サーバ20の構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態によるATM40の構成を説明する。
【0059】
図9は、本発明の一実施形態によるATM40の構成を示す説明図である。
図9に示したように、ATM40は、通信部420、表示部430、操作部440、出金部460および制御部470を有する。
【0060】
(通信部)
通信部420は、ATM管理サーバ50と多様な情報を通信する。例えば、通信部420は、カードレスでの出金取引において、利用者により入力された取引キーをATM管理サーバ50に送信する。また、通信部420は、勘定系サーバ60における出金処理が終了したことを示す出金処理終了通知をATM管理サーバ50から受信する。
【0061】
(表示部)
表示部430は、制御部470により生成される多様が表示画面を表示する。例えば、表示部430は、取引を選択するためのメニュー画面、および取引キーの入力画面などを表示する。ここで、
図10および
図11を参照し、表示部430が表示する表示画面の具体例を説明する。
【0062】
図10は、メニュー画面90の具体例を示す説明図である。
図10に示したように、メニュー画面90は、出金ボタン92、入金ボタン93、およびカードレス取引ボタン94などを含む。出金ボタン92は、キャッシュカードの挿入を伴う出金取引のために選択されるボタンであり、入金ボタン93はキャッシュカードの挿入を伴う入金取引のために選択されるボタンである。カードレス取引ボタン94は、キャッシュカードの挿入を伴わないカードレス取引のために選択されるボタンである。利用者によりカードレス取引ボタン94が選択されると、表示部430は、取引キーの入力画面を表示する。
【0063】
図11は、取引キーの入力画面95の具体例を示す説明図である。
図11に示したように、取引キーの入力画面95は、取引キーの入力欄96および確認ボタン97を含む。利用者は、取引キーの入力欄96に取引キーを入力し、取引キーの入力後、確認ボタン97を選択する。
【0064】
(操作部)
操作部440は、利用者が操作によりATM40に情報および指示などを入力するための構成である。利用者は、操作部440を操作することにより、メニュー画面90においてカードレス取引ボタン94を選択することや、取引キーの入力画面95において取引キーを入力することができる。
【0065】
なお、本明細書においては、ATM40が利用者からの入力により取引キーを取得する例を主に説明しているが、ATM40は他の方法で取引キーを取得することも可能である。例えば、ATM40が二次元コードを読み取る機能を有してもよく、この場合、情報端末10が取引キーを示す二次元コードを表示し、ATM40が当該二次元コードを読み取ることにより、ATM40が取引キーを取得可能である。また、ATM40が非接触通信機能または無線通信機能などを有してもよく、この場合、情報端末10が取引キーを示す情報を非接触通信機能または無線通信機能などによりATM40に送信することにより、ATM40が取引キーを取得可能である。
【0066】
(出金部)
出金部460は、出金取引において現金を出金するための構成である。出金部460は、例えば、現金を収納する現金収納部、利用者が現金を取り出すための接客部、現金収納部から接客部に現金を搬送する搬送部などを有する。
【0067】
(制御部)
制御部470は、ATM40の動作全般を制御する。例えば、制御部470は、通信部420とATM管理サーバ50との通信、表示部430による画面の表示、および出金部460による現金の出金などを制御する。
【0068】
<5.ATM管理サーバの構成>
以上、本発明の一実施形態によるATM40の構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態によるATM管理サーバ50の構成を説明する。
【0069】
図12は、本発明の一実施形態によるATM管理サーバ50の構成を示す説明図である。
図12に示したように、本発明の一実施形態によるATM管理サーバ50は、通信部520および制御部570を有する。
【0070】
(通信部)
通信部520は、他の装置と多様な情報を通信する。例えば、通信部520は、カードレスでの出金取引に際してATM40から取引キーを受信し、当該取引キーを中継サーバ20に送信する。また、通信部520は、カードレスでの出金取引に際してATM40からキャッシュカードの暗証番号を受信し、指定金額および暗証番号などを利用者の口座情報と共に勘定系サーバ60に送信する。
【0071】
(制御部)
制御部570は、ATM管理サーバ50の動作全般を制御する。制御部570は、
図12に示したように、口座特定依頼部571、処理依頼部572および処理終了通知部574の機能を有する。
【0072】
口座特定依頼部571は、カードレスでの出金取引においてATM40に取引キーが入力され、ATM40から当該取引キーが通信部520により受信されると、当該取引キーを含む口座特定依頼を通信部520に中継サーバ20へ送信させる。口座特定依頼は、取引キーに対応する口座情報の特定を依頼するものである。当該口座特定依頼に応答して中継サーバ20から指定金額と共に口座情報が受信されると、口座特定依頼部571は、当該口座情報および指定金額を通信部520にATM40へ送信させる。
【0073】
処理依頼部572は、ATM40から口座情報、指定金額およびキャッシュカードの暗証番号が通信部520により受信されると、これら口座情報、指定金額およびキャッシュカードの暗証番号を含む出金処理依頼を通信部520に勘定系サーバ60へ送信させる。処理依頼部572は、カードレスでの出金取引においても、通常の出金取引においても、実質的に同一である上記の処理を実行する。
【0074】
処理終了通知部574は、勘定系サーバ60から出金処理の終了を示す出金処理終了通知が受信されると、当該出金処理終了通知をATM40および中継サーバ20に通信部520を介して送信する。
【0075】
<6.勘定系サーバの構成>
以上、本発明の一実施形態によるATM管理サーバ50の構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態による勘定系サーバ60の構成を説明する。
【0076】
図13は、本発明の一実施形態による勘定系サーバ60の構成を示す説明図である。
図13に示したように、勘定系サーバ60は、通信部620および制御部670を有する。
【0077】
通信部620は、中継サーバ20およびATM管理サーバ50と多様な情報を通信する。例えば、通信部620は、中継サーバ20からカードレス取引の利用登録のための認証依頼を受信し、認証結果を中継サーバ20に送信する。また、通信部620は、ATM管理サーバ50から出金処理依頼を受信し、出金処理終了通知をATM管理サーバ50に送信する。
【0078】
(制御部)
制御部670は、勘定系サーバ60の動作全般を制御する。制御部670は、
図13に示したように、勘定系処理部671および処理終了通知部672の機能を有する。
【0079】
勘定系処理部671は、各取引で預金勘定元帳を処理する。例えば、勘定系処理部671は、ATM管理サーバ50からの出金処理依頼に基づき、出金処理として、出金処理依頼に含まれる口座情報が示す銀行口座から指定金額の資金を引き落とす。
【0080】
処理終了通知部672は、勘定系処理部671による処理が終了したことを示す処理終了通知の送信を制御する。例えば、処理終了通知部672は、勘定系処理部671が出金処理を終了すると、出金処理終了通知を通信部620にATM管理サーバ50へ送信させる。
【0081】
<7.動作>
以上、本発明の一実施形態による情報処理システムの各構成を説明した。続いて、
図14~
図17を参照して、本発明の一実施形態による情報処理システムの動作を整理する。具体的には、
図14を参照してカードレス取引の利用登録のための動作を整理し、
図15~
図17を参照してカードレスでの出金取引の動作を整理する。
【0082】
(カードレス取引の利用登録)
図14は、カードレス取引の利用登録のための動作を示す説明図である。まず、利用者が情報端末10の対話型アプリケーション172を起動し(S102)、カードレス取引の利用登録のための所定のスタンプを対話画面において選択すると、情報端末10の通信部120がカードレス取引の利用登録のためのトリガ情報を対話型サービスサーバ30に送信する(S103)。
【0083】
そして、対話型サービスサーバ30の制御部370は、トリガ情報の送信元である情報端末10に設定された利用者IDを記憶部350から取得し、通信部320が当該利用者IDを中継サーバ20に送信する(S104)。
【0084】
中継サーバ20の利用登録部272は、対話型サービスサーバ30から利用者IDが受信されると、利用者IDを記憶部250に一時的に記憶させ、
図4を参照して説明した認証画面のURLを発行する(S105)。
【0085】
対話型サービスサーバ30の制御部370は、中継サーバ20から認証画面のURLが受信されると、
図3を参照して説明したように、当該認証画面のURLを対話画面に配置する(S106)。
【0086】
そして、利用者が情報端末10の表示部130に表示された対話画面において認証画面のURLを選択すると、制御部170がブラウザアプリケーション174を起動し、ブラウザアプリケーション174が上記URLにアクセスして取得した認証画面を表示部130が表示する。利用者は、操作部140を操作して、利用者が有する銀行口座についての店番、口座番号および暗証番号などを当該認証画面において入力し、通信部220は、利用者により入力された店番、口座番号および暗証番号を中継サーバ20に送信する(S107)。
【0087】
中継サーバ20の利用登録部272は、情報端末10から利用者の口座情報(店番、口座番号)および暗証番号が受信されると、当該口座情報および暗証番号を含む認証依頼を勘定系サーバ60に送信する(S108)。勘定系サーバ60は、認証依頼の受信に基づき、認証依頼に含まれる口座番号および暗証番号についての認証処理を実行し、認証結果を中継サーバ20に送信する(S109)。
【0088】
認証結果が成功である場合、中継サーバ20の利用登録部272は、一時的に記憶していた利用者IDと、店番、科目および口座番号などの口座情報とを関連付けて記憶部250の口座情報DBに記憶させる(S110)。そして、中継サーバ20の通信部220が利用登録の完了を示す通知を情報端末10に送信し、情報端末10の表示部130が利用登録の完了を示す画面を表示する(S111)。
【0089】
(カードレスでの出金取引)
図15~
図17は、カードレスでの出金取引の動作を示す説明図である。
図15に示したように、まず、利用者が情報端末10の対話型アプリケーション172を起動し(S202)、カードレスでの出金取引のための所定のスタンプを対話画面において選択し、指定金額を入力する(S203)。
【0090】
例えば、利用者がカードレスでの出金取引のためのトリガ情報となる所定のスタンプを対話画面において選択すると、
図18の左図に示すように、対話画面に当該スタンプM3が配置される。すると、中継サーバ20が、対話型サービスサーバ30から当該利用者の利用者IDを受信し、口座情報DBにおいて当該利用者IDに関連付けられている口座情報を特定し、勘定系サーバ60から当該口座情報が示す口座の残高情報を取得し、当該残高情報を対話型サービスサーバ30に送信する。そして、対話型サービスサーバ30が、
図18の左図に示すように、当該残高情報(図示の例では、100,000円)を含むメッセージM4を対話画面に追加する。そして、利用者が指定金額を情報端末10に入力すると、対話画面に指定金額(図示の例では、10000)を含むメッセージM5が追加される。
【0091】
その後、対話型サービスサーバ30は、情報端末10に設定された利用者IDを記憶部350から取得し(S204)、当該利用者IDおよび指定金額を中継サーバ20に送信する(S204)。
【0092】
そして、中継サーバ20の取引キー発行部273は取引キーを発行し、当該取引キー、中継サーバ20から受信された利用者IDおよび指定金額を関連付けて記憶部250の取引DBに記憶させる(S205)。さらに、中継サーバ20の通信部220が取引キーを対話型サービスサーバ30に送信すると、対話型サービスサーバ30が当該取引キーを対話画面に配置し(S206)、情報端末10が当該取引キーを含む対話画面を表示する(S207)。例えば、
図18の右図に示したように、対話画面には取引キー(図示の例では、123456)を含むメッセージM6が配置される。
【0093】
ここで、ATM40においてメニュー画面から利用者によりカードレス取引が選択されると、ATM40の表示部430が取引キーの入力画面を表示し、利用者が対話画面に表示された取引キーを取引キーの入力画面に入力する(S208)。
【0094】
取引キーが入力されると、ATM40の通信部420は、
図16に示したように、取引キーをATM管理サーバ50に送信する(S210)。そして、ATM管理サーバ50の口座特定依頼部571は、ATM40から受信された取引キーを含む口座特定依頼を通信部520に中継サーバ20へ送信させる(S211)。
【0095】
中継サーバ20の口座特定部274は、口座特定依頼に基づき、
図8を参照して説明した取引DBにおいて口座特定依頼に含まれる取引キーに関連付けて記憶されている利用者IDおよび指定金額を特定する(S212)。さらに、口座特定部274が、
図7を参照して説明した口座情報DBを参照し、特定した利用者IDに関連付けられている店番、科目および口座番号などの口座情報を特定し、通信部220が、これら口座情報を取引DBから特定された指定金額と共にATM管理サーバ50に送信する(S213)。
【0096】
ATM管理サーバ50は、口座情報および指定金額が中継サーバ20から受信されると、当該口座情報および指定金額をATM40へ送信する(S214)。そして、ATM40は、当該口座情報および指定金額を受信した後(S215)、
図17に示すように、キャッシュカードの暗証番号を入力するための画面を表示し、当該画面において利用者によりキャッシュカードの暗証番号が入力される(S220)。
【0097】
続いて、ATM管理サーバ50の処理依頼部572は、ATM40から口座情報、指定金額およびキャッシュカードの暗証番号が受信されると、これら口座情報、指定金額およびキャッシュカードの暗証番号を含む出金処理依頼を通信部520に勘定系サーバ60へ送信させる(S221)。勘定系サーバ60の勘定系処理部671は、ATM管理サーバ50からの出金処理依頼に基づき、キャッシュカードの暗証番号を用いた認証処理が成功した後、出金処理として、出金処理依頼に含まれる口座情報が示す銀行口座から指定金額の資金を引き落とす(S222)。そして、勘定系サーバ60が出金処理終了通知をATM管理サーバ50に送信し、ATM管理サーバ50が出金処理終了通知をATM40および中継サーバ20に送信する(S223)。
【0098】
なお、S221~S223に示したATM40およびATM管理サーバ50の間のやり取り(電文)、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60の間のやり取り(電文)は、キャッシュカードを用いる出金取引でのやり取りと実質的に同一(共通化、同様の仕様)とすることができる。かかる構成により、本発明の一実施形態を適用するために行われる勘定系サーバ60のシステム改修の規模を低減することが可能である。
【0099】
ATM40の出金部460は、ATM管理サーバ50からの出金処理終了通知に基づき、指定金額を出金する(S224)。また、中継サーバ20は、ATM管理サーバ50からの出金処理終了通知に基づき、出金終了を示すプッシュ通知の実行の指示を対話型サービスサーバ30に送信する(S225)。対話型サービスサーバ30は、当該指示の受信に基づき、出金終了を示すプッシュ通知を実行する(S226)。例えば、対話型サービスサーバ30は、当該ブッシュ通知の一例として、
図19に示すように出金終了を示すメッセージM7を対話画面に追加してもよい。出金終了を示すメッセージM7は、出金金額に加えて、出金が行われた場所(
図19に示した例では、AA支店)を含んでもよい。
【0100】
<8.ハードウェア構成>
以上、本発明の一実施形態を説明した。上述した取引キーの発行および口座情報の特定などの情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明する中継サーバ20のハードウェアとの協働により実現される。
【0101】
図20は、中継サーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。中継サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、を備える。また、中継サーバ20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インターフェース207と、入力装置208と、表示装置209と、音声出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、ネットワークインターフェース215とを備える。
【0102】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って中継サーバ20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。これらCPU201、ROM202およびRAM203とソフトウェアとの協働により、
図6を参照して説明した制御部270の各機能が実現され得る。
【0103】
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0104】
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサー、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。中継サーバ20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、中継サーバ20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0105】
表示装置209は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、プロジェクター装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置210は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
【0106】
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる中継サーバ20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。このストレージ装置211は、ストレージを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0107】
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、中継サーバ20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203またはストレージ装置211に出力する。また、ドライブ212は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
【0108】
ネットワークインターフェース215は、例えば、ネットワーク8に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0109】
なお、情報端末10、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60にも同様に、CPU、ROMおよびRAMなどを含むハードウェア構成が適用され得る。この場合、CPU、ROMおよびRAMとソフトウェアとの協働により上述した情報端末10、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60の各機能が実現される。
【0110】
<9.むすび>
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、利用者は、対話型サービスサーバ30が提供する対話画面上で情報端末10からATM40における出金取引を要求し、当該対話画面に追加される取引キーをATM40に入力する。ATM40は、正当な取引キーが入力された場合、キャッシュカードの挿入無しに出金処理を実行する。ここで、対話型コミュニケーションサービスは、近年、多くの利用者により慣れ親しんで利用されている。本発明の一実施形態による情報処理システムでは、このような対話型コミュニケーションサービスの利用によりカードレス取引が実現されるので、利用者の利便性を向上することが可能である。
【0111】
また、本発明の一実施形態によれば、対話画面において利用者により指定金額が入力されるので、ATM40へ指定金額が入力されることなく、カードレスでの出金取引が実現される。このため、利用者によるATM40の操作が簡易となり、利用者がATM40を利用する時間を短縮することが可能である。
【0112】
また、本発明の一実施形態によれば、取引キーとして時限式のキー情報が用いられる。このため、カードレスでの出金取引のセキュリティを向上することが可能である。
【0113】
また、本発明の一実施形態によれば、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60の間のやり取り(電文)は、キャッシュカードを用いる出金取引でのやり取りと実質的に同一とすることができる。かかる構成により、本発明の一実施形態を適用するために行われる勘定系サーバ60のシステム改修の規模を低減することが可能である。
【0114】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0115】
例えば、上記では中継サーバ20が対話型サービスサーバ30を介して取引キーを情報端末10に送信する例を説明したが、取引キーは他の経路で情報端末10に送信されてもよい。ここで、
図21を参照し、取引キーの送信経路の変形例を説明する。
【0116】
図21は、変形例による情報処理システムの構成を示す説明図である。
図21に示したように、変形例による情報処理システムは、情報端末10、中継サーバ20、対話型サービスサーバ30、ATM40、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60に加え、SMSサーバ70を備える。
【0117】
SMS(Short Message Service)サーバ70は、他の装置からの依頼によりメッセージを送信するメッセージサーバである。本変形例では、中継サーバ20の取引キー発行部273が取引キーを発行すると、中継サーバ20の通信制御部271が、取引キーの発行先である情報端末10の電話番号を宛先とし、取引キーを本文に含むメッセージの送信依頼を通信部220にSMSサーバ70へ送信させる。
【0118】
そして、SMSサーバ70は、当該送信依頼に基づいて、情報端末10に取引キーを本文に含むメッセージを送信する。このように、対話型サービスサーバ30を介さずに情報端末10に取引キーを送信することも可能である。なお、当該変形例による動作のために、カードレス取引の利用登録の際に、各利用者の口座情報に加え、各利用者の電話番号が記憶部250に記憶されることが望ましい。
【0119】
また、上記では、対話型コミュニケーションサービスを提供する事業者と金融サービスを提供する事業者が異なる態様を説明したが、対話型コミュニケーションサービスを提供する事業者と金融サービスを提供する事業者は同一であってもよい。例えば、対話型コミュニケーションサービスを提供する事業者が資金移動事業者として電子マネーサーバを運用し、サーバ型電子マネーサービスを実施している場合、当該電子マネーサーバが上述した勘定系サーバ60の代わりに金融サーバとして機能してもよい。
【0120】
また、本明細書の情報処理システムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理システムの処理における各ステップは、フローチャートに記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0121】
また、情報端末10、中継サーバ20、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末10、中継サーバ20、対話型サービスサーバ30、ATM管理サーバ50および勘定系サーバ60の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0122】
10 情報端末
120 通信部
130 表示部
140 操作部
170 制御部
172 対話型アプリケーション
174 ブラウザアプリケーション
20 中継サーバ
220 通信部
250 記憶部
270 制御部
271 通信制御部
272 利用登録部
273 取引キー発行部
274 口座特定部
30 対話型サービスサーバ
320 通信部
350 記憶部
370 制御部
40 ATM
420 通信部
430 表示部
440 操作部
460 出金部
470 制御部
50 ATM管理サーバ
520 通信部
570 制御部
571 口座特定依頼部
572 処理依頼部
574 処理終了通知部
60 勘定系サーバ
620 通信部
670 制御部
671 勘定系処理部
672 処理終了通知部
70 SMSサーバ