(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】紋様画像取得装置、表示装置及びコリメート部材
(51)【国際特許分類】
G06V 40/13 20220101AFI20240123BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240123BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240123BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20240123BHJP
【FI】
G06V40/13
G06T1/00 400G
H01L27/146 D
A61B5/1172
(21)【出願番号】P 2020572406
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2019103794
(87)【国際公開番号】W WO2021035714
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲海▼ ▲暁▼泉
(72)【発明者】
【氏名】董 学
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲海▼生
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】王 迎姿
(72)【発明者】
【氏名】孟 ▲憲▼▲東▼
【審査官】淀川 滉也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208848221(CN,U)
【文献】特開2017-120778(JP,A)
【文献】特開2015-114407(JP,A)
【文献】国際公開第2016/051766(WO,A1)
【文献】特開平05-218373(JP,A)
【文献】特開2005-175417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/13
G06T 1/00
H01L 27/146
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コリメート部材と画像センサを備える紋様画像取得装置であって、
前記コリメート部材は前記画像センサの上に積層され、前記コリメート部材は、順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び前記画像センサに隣接する第2絞り層を備え、
前記レンズアレイは、光を収束し前記第1絞り層に入射させるように構成され、
前記第1絞り層は、前記第1絞り層に入射された光を透過させて前記第2絞り層に入射させ、前記第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、
前記第2絞り層は、前記第2絞り層に入射された光を透過させ、前記第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、
前記画像センサは、紋様画像を取得するために、前記画像センサに入射された光を検出するように構成され
、
前記レンズアレイはアレイ状に配列される複数のレンズユニットを備え、
少なくとも1つの前記レンズユニットの曲率半径R、口径D及び矢高hは関係式
【数1】
を満たす、紋様画像取得装置。
【請求項2】
前記第1絞り層はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔を備え、
前記複数のレンズユニットと前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている、請求項1に記載の紋様画像取得装置。
【請求項3】
前記コリメート部材の厚さは100ミクロン未満であり、
少なくとも1つの前記レンズユニットの口径は1~40ミクロンであり、
少なくとも1つの前記第1貫通孔の開口径は1~20ミクロンである、請求項
2に記載の紋様画像取得装置。
【請求項4】
前記第2絞り層はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔を備え、
前記複数の第2貫通孔と前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている、請求項2
又は3に記載の紋様画像取得装置。
【請求項5】
前記第1貫通孔は第1開口中心を有し、前記第2貫通孔は第2開口中心を有し、
前記第1貫通孔の第1開口中心と前記第1貫通孔に対応する第2貫通孔の第2開口中心とは、前記画像センサに垂直な方向に重なっている、請求項
4に記載の紋様画像取得装置。
【請求項6】
前記第1貫通孔の開口径は、前記第1貫通孔に対応する第2貫通孔の開口径の以上である、請求項
4又は
5に記載の紋様画像取得装置。
【請求項7】
前記複数のレンズユニットの数、前記複数の第1貫通孔の数及び前記複数の第2貫通孔の数は同じである、請求項
4~
6のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項8】
前記第1貫通孔は第1開口中心を有し、且つ前記第1開口中心は、前記第1貫通孔に対応するレンズユニットの焦点に位置する、請求項2~
4のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項9】
前記コリメート部材は、
前記レンズアレイと前記第1絞り層の間に位置する透明な第1充填層と、
前記第1絞り層と前記第2絞り層の間に位置する透明な第2充填層と、をさらに備える、請求項2~
8のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項10】
前記第1充填層の厚さは前記レンズユニットの焦点距離に等しい、請求項
9に記載の紋様画像取得装置。
【請求項11】
前記第1充填層の厚さと前記第2充填層の厚さの比の範囲は4~6である、請求項
9又は
10に記載の紋様画像取得装置。
【請求項12】
中間媒体をさらに備え、
前記中間媒体は前記画像センサと前記コリメート部材の間に設けられ、
前記中間媒体は、前記画像センサと前記コリメート部材を結合し、且つ前記画像センサに垂直な方向での前記画像センサと前記コリメート部材の間の間の間隔を調節するように構成される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項13】
前記複数のレンズユニットは六角形のアレイ状に配列される、請求項2~
11のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項14】
第3絞り層をさらに備え、
前記第3絞り層は、前記第2絞り層と前記画像センサの間に位置し、且つ光を透過させて前記画像センサに入射させ、前記第3絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成される、請求項1~
13のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置。
【請求項15】
表示装置であって、
表示パネルと、
前記表示パネルと積層して設けられる請求項1~
14のいずれか一項に記載の紋様画像取得装置と、を備え、
前記表示パネルは表示側及び前記表示側とは反対する裏側を備え、前記紋様画像取得装置は前記表示パネルの裏側に位置し、前記コリメート部材は前記表示パネルと前記画像センサの間に位置し、
前記紋様画像取得装置は、前記表示パネルの表示側の対象紋様から反射され前記表示パネルを通過する光を検出するように構成される、表示装置。
【請求項16】
前記表示パネルは表示領域と周辺領域を備え、
前記コリメート部材と前記画像センサは、前記表示パネルの表示領域に設けられ、前記表示パネルの裏側に位置する、請求項
15に記載の表示装置。
【請求項17】
接着フレームをさらに備え、
前記接着フレームは前記表示パネルと前記コリメート部材の間に設けられ、前記接着フレームは、前記表示パネルの周辺領域に設けられ、前記表示パネルの裏側に位置する、請求項
16に記載の表示装置。
【請求項18】
充填媒体をさらに備え、
前記充填媒体は、前記表示パネルと前記コリメート部材の間に設けられ、且つ前記表示パネルの裏側と前記コリメート部材のレンズアレイとの間の隙間に充填される、請求項
16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルは、有機発光ダイオード表示パネル、量子ドット発光ダイオード表示パネル又は液晶表示パネルを含む、請求項
15~
18のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項20】
順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び第2絞り層を備えるコリメート部材であって、
前記レンズアレイは、光を収束し前記第1絞り層に入射させるように構成され、
前記第1絞り層は、前記第1絞り層に入射された光を透過させて前記第2絞り層に入射させ、前記第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、
前記第2絞り層は、前記第2絞り層に入射された光を透過させ、前記第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され
、
前記レンズアレイはアレイ状に配列される複数のレンズユニットを備え、
少なくとも1つの前記レンズユニットの曲率半径R、口径D及び矢高hは関係式
【数2】
を満たす、コリメート部材。
【請求項21】
前記第1絞り層はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔を備え、
前記複数のレンズユニットと前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている、請求項
20に記載のコリメート部材。
【請求項22】
前記第2絞り層はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔を備え、
前記複数の第2貫通孔と前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている、請求項
21に記載のコリメート部材。
【請求項23】
前記第1貫通孔の開口径は、前記第1貫通孔に対応する第2貫通孔の開口径の以上である、請求項
22に記載のコリメート部材。
【請求項24】
前記コリメート部材は、
前記レンズアレイと前記第1絞り層の間に位置する透明な第1充填層と、
前記第1絞り層と前記第2絞り層の間に位置する透明な第2充填層と、をさらに備える、請求項
20~
23のいずれか一項に記載のコリメート部材。
【請求項25】
前記第1充填層の厚さは前記レンズユニットの焦点距離に等しい、請求項
24に記載のコリメート部材。
【請求項26】
前記第1充填層の厚さと前記第2充填層の厚さの比の範囲は4~6である、請求項
24又は
25に記載のコリメート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は紋様画像取得装置、表示装置及びコリメート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
移動端末の普及が進んでいることに伴い、ますます多くのユーザは、移動端末を使用して身元確認、電子決済等の操作を行う。皮膚紋様のパターンの唯一性により、光学撮像を組み合わせた指紋認識技術及び掌紋認識技術等は、身元確認、電子決済等のために、移動電子機器に徐々に用いられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例は、コリメート部材と画像センサを備える紋様画像取得装置を提供する。前記コリメート部材は前記画像センサの上に積層され、前記コリメート部材は、順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び前記画像センサに隣接する第2絞り層を備える。前記レンズアレイは、光を収束し前記第1絞り層に入射させるように構成され、前記第1絞り層は、前記第1絞り層に入射された光を透過させて前記第2絞り層に入射させ、前記第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、前記第2絞り層は、前記第2絞り層に入射された光を透過させ、前記第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、前記画像センサは、紋様画像を取得するために、前記画像センサに入射された光を検出するように構成される。
【0004】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記レンズアレイはアレイ状に配列される複数のレンズユニットを備え、前記第1絞り層はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔を備える。前記複数のレンズユニットと前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、少なくとも1つの前記レンズユニットの曲率半径R、口径D及び矢高hは以下の関係式を満たす。
【0006】
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記コリメート部材の厚さは100ミクロン未満であり、少なくとも1つの前記レンズユニットの口径は1~40ミクロンであり、少なくとも1つの前記第1貫通孔の開口径は1~20ミクロンである。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第2絞り層はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔を備え、前記複数の第2貫通孔と前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第1貫通孔は第1開口中心を有し、前記第2貫通孔は第2開口中心を有し、前記第1貫通孔の第1開口中心と前記第1貫通孔に対応する第2貫通孔の第2開口中心とは、前記画像センサに垂直な方向に重なっている。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第1貫通孔の開口径は、対応する第2貫通孔の開口径の以上である。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記複数のレンズユニット、前記複数の第1貫通孔及び前記複数の第2貫通孔の数は同じである。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第1貫通孔は第1開口中心を有し、且つ前記第1開口中心は、前記第1貫通孔に対応するレンズユニットの焦点に位置する。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記コリメート部材は、前記レンズアレイと前記第1絞り層の間に位置する透明な第1充填層と、前記第1絞り層と前記第2絞り層の間に位置する透明な第2充填層と、をさらに備える。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第1充填層の厚さは前記レンズユニットの焦点距離に等しい。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記第1充填層の厚さと前記第2充填層の厚さの比の範囲は4~6である。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置は、中間媒体をさらに備える。前記中間媒体は前記画像センサと前記コリメート部材の間に設けられ、前記中間媒体は、前記画像センサと前記コリメート部材を接着し、且つ前記画像センサに垂直な方向での前記画像センサと前記コリメート部材の間の間隔を調節するように構成される。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、前記複数のレンズユニットは六角形のアレイ状に配列される。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置は、第3絞り層をさらに備える。前記第3絞り層は、前記第2絞り層と前記画像センサの間に位置し、且つ光を透過させて前記画像センサに入射させ、前記第3絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成される。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示パネルと、前記表示パネルと積層して設けられる上記紋様画像取得装置とを備える表示装置をさらに提供する。前記表示パネルは表示側及び前記表示側とは反対する裏側を備え、前記紋様画像取得装置は前記表示パネルの裏側に位置し、前記コリメート部材は前記表示パネルと前記画像センサの間に位置する。前記紋様画像取得装置は、前記表示パネルの表示側の対象紋様から反射され前記表示パネルを通過する光を検出するように構成される。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置において、前記表示パネルは表示領域と周辺領域を備える。前記コリメート部材と前記画像センサは、前記表示パネルの表示領域に設けられ、前記表示パネルの裏側に位置する。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置は接着フレームをさらに備える。前記接着フレームは前記表示パネルと前記コリメート部材の間に設けられ、前記接着フレームは、前記表示パネルの周辺領域に設けられ、前記表示パネルの裏側に位置する。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置は充填媒体をさらに備える。前記充填媒体は、前記表示パネルと前記コリメート部材の間に設けられ、前記表示パネルの裏側と前記コリメート部材のレンズアレイとの間の隙間に充填される。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置において、前記表示パネルは、有機発光ダイオード表示パネル、量子ドット発光ダイオード表示パネル又は液晶表示パネルを含む。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例は、順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び第2絞り層を備えるコリメート部材をさらに提供する。前記レンズアレイは、光を収束し前記第1絞り層に入射させるように構成され、前記第1絞り層は、前記第1絞り層に入射された前記光を透過させて前記第2絞り層に入射させ、前記第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、前記第2絞り層は、前記第2絞り層に入射された前記光を透過させ、前記第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成される。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記レンズアレイはアレイ状に配列される複数のレンズユニットを備え、前記第1絞り層はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔を備え、前記複数のレンズユニットと前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0026】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、少なくとも1つの前記レンズユニットの曲率半径R、口径D及び矢高hは以下の関係式を満たす。
【0027】
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記第2絞り層はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔を備え、前記複数の第2貫通孔と前記複数の第1貫通孔は、前記第1絞り層に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記第1貫通孔の開口径は、前記第1貫通孔に対応する第2貫通孔の開口径の以上である。
【0030】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記コリメート部材は、前記レンズアレイと前記第1絞り層の間に位置する透明な第1充填層と、前記第1絞り層と前記第2絞り層の間に位置する透明な第2充填層と、をさらに備える。
【0031】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記第1充填層の厚さは前記レンズユニットの焦点距離に等しい。
【0032】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材において、前記第1充填層の厚さと前記第2充填層の厚さの比の範囲は4~6である。
【0033】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明される図面は、本開示を限定するものではなく、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】
図1Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置の概略ブロック図である。
【
図1B】
図1Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置の断面図である。
【
図2A】
図2Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材の構造模式図である。
【
図2B】
図2Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材のレンズアレイの平面模式図である。
【
図2C】
図2Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材のレンズアレイの別の平面模式図である。
【
図2D】
図2Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材の別の構造模式図である。
【
図3A】
図3Aは本開示の少なくとも1つの例示的な実施例に係るコリメート部材の具体的な構造模式図である。
【
図3B】
図3Bは本開示の少なくとも1つの例示的な実施例に係るコリメート部材の設計シミュレーション図である。
【
図3C】
図3C及び
図3Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る単層絞りを備えるコリメート部材の光シミュレーション結果図である。
【
図3D】
図3C及び
図3Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る単層絞りを備えるコリメート部材の光シミュレーション結果図である。
【
図3E】
図3Eは本開示の少なくとも1つの実施例に係る二重層絞りを備えるコリメート部材の光シミュレーション結果図である。
【
図4A】
図4Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る別の紋様画像取得装置の模式図である。
【
図4B】
図4Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る別の紋様画像取得装置の断面図である。
【
図4C】
図4Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置の画像センサの平面模式図である。
【
図5】
図5は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の模式図である。
【
図6A】
図6Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の表示パネルの模式図である。
【
図6B】
図6Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネルの表示アレイ層の模式図である。
【
図6C】
図6Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネルの表示アレイ層の別の模式図である。
【
図6D】
図6Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネルの平面模式図である。
【
図7】
図7は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の断面模式図である。
【
図8A】
図8Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の紋様シミュレーション図である。
【
図8B】
図8Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る
図8Aの紋様に対する表示装置の光シミュレーション結果図である。
【
図9A】
図9Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の表示パネルとコリメート部材との貼り付け方式の模式図である。
【
図9B】
図9Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の表示パネルとコリメート部材との別の貼り付け方式の模式図である。
【
図10】
図10は本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確、かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得る全ての他の実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0036】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。同様に、「1つ」、「一」又は「該」等の類似する用語は、数の制限を示すものではなく、少なくとも1つが存在することを示す。「備える」又は「含む」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部材が、該用語の後に列挙される素子又は部材及びそれらの同等物を含むことを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「結合」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかにかかわらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係を示すことのみに用いられ、説明対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係もそれに対応して変化する可能性がある。
【0037】
紋様認識については、例えば、光学指紋認識プロセスで、指と画像センサの間の間隔が大きい場合、指に反射された光が散乱するため、画像センサが取得した画像の不鮮明な問題をもたらし、さらに、画像センサが受光した光に基づいて認識された指紋情報は不正確になってしまう。従って、画像センサに入射された光をコリメートする必要がある。関連技術の指紋認識の技術案では、指紋の谷部と山部の情報を正確に取得するために、光をコリメートする方法は、光ファイバーコリメートと貫通孔コリメートを含む。しかしながら、関連技術の光ファイバーコリメータは全体的に厚いが(例えば、厚さが400ミクロン以上である)、通常の応用場面では、薄いコリメート構造(例えば、厚さが100ミクロン以下である)が必要である。また、貫通孔コリメート構造の製造プロセスは非常に難しく、コストが高く、且つ歩留まりが低い。
【0038】
従って、本開示の実施例は、コリメート機能を有し且つ構造がより軽くて薄い紋様画像取得装置を提供し、光学紋様の認識プロセスで認識された紋様情報の精度を向上させることができる。
【0039】
本開示の少なくとも1つの実施例は、コリメート部材と画像センサを備える紋様画像取得装置を提供する。コリメート部材は画像センサの上に積層され、コリメート部材は、順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び画像センサに隣接する第2絞り層を備える。レンズアレイは、光を収束し第1絞り層に入射させるように構成され、第1絞り層は、第1絞り層に入射された光を透過させて第2絞り層に入射させ、第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、第2絞り層は、第2絞り層に入射された光を透過させ(例えば、透過すると画像センサに入射できる)、前記第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成され、該画像センサは、紋様画像を取得するために、画像センサに入射された光を検出するように構成される。
【0040】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示パネルと、該表示パネルと積層して設けられる上記紋様画像取得装置とを備える表示装置をさらに提供する。該表示パネルは表示側及び該表示側とは反対する裏側を備え、紋様画像取得装置は表示パネルの裏側に位置し、コリメート部材は表示パネルと画像センサの間に位置する。紋様画像取得装置は、表示パネルの表示側の対象紋様から反射され表示パネルを通過する光を検出するように構成される。
【0041】
本開示の少なくとも1つの実施例は、順に積層して設けられるレンズアレイ、第1絞り層、及び第2絞り層を備えるコリメート部材をさらに提供する。レンズアレイは、光を収束し第1絞り層に入射させるように構成される。第1絞り層は、第1絞り層に入射された光を透過させて第2絞り層に入射させ、第1絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成される。第2絞り層は、第2絞り層に入射された光を透過させ、第2絞り層から透過できる光の角度を制限するように構成される。
【0042】
本開示の実施例に係るコリメート部材、紋様画像取得装置及び表示装置は、コリメート機能を有し、且つ光クロストークを減少することができ、それにより、取得された画像情報の精度を向上させ、且つ構造が軽くて薄いという優位性を有し、製造プロセスと応用場面でのニーズを満たす。
【0043】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例及びその例を詳細に説明する。
【0044】
図1Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置10の概略ブロック図であり、
図1Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置10の断面図である。
【0045】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例は紋様画像取得装置10を提供し、
図1Aと
図1Bに示すように、該紋様画像取得装置10はコリメート部材110と画像センサ120を備える。例えば、コリメート部材110は画像センサ120の上に積層され、画像センサ120の光入射経路に位置し、画像センサ120に対して、該コリメート部材110は、上から下へ順に積層して設けられるレンズアレイ111、第1絞り層112、及び第2絞り層113を備える。該第2絞り層113は画像センサ120に隣接する。例えば、レンズアレイ111は、光を収束し第1絞り層112に入射させるように構成され、第1絞り層112は、光を透過させて第2絞り層113に入射させ、該第1絞り層112から透過できる光の角度を制限するように構成され、第2絞り層113は、光を透過させて画像センサ120に入射させ、該第2絞り層113から透過できる光の角度を制限するように構成され、画像センサ120は、紋様画像を取得するために、該画像センサ120に照射された光を検出するように構成される。該画像センサ120は、適切なタイプの画像センサ、例えばCMOS又はCCDタイプの画像センサであってもよく、例えば、シリコンベースの画像センサであってもよく、例えば、製造方式は、単結晶シリコンウエハに感光画素アレイを製造して切断することであってもよく、又はガラス基板画像センサであってもよく、例えば、製造方式は、ガラス基板に感光画素アレイを製造して切断することであってもよい。
【0046】
なお、実際の状況に応じて、該紋様画像取得装置10は他の構造又は機能層を備えてもよい。紋様画像取得装置10の上記構造又は機能層については、層と層の間は直接接触してもよく、他のフィルム層又は部材が設けられてもよい。上記紋様画像取得装置10において、レンズアレイ111と、第1絞り層112と、第2絞り層113とを備えるコリメート部材110は、特定の角度範囲(すなわち、受光角であり、一般的に小さな角度である)でレンズアレイ111に入射された光をコリメート化と同様に選別することができ、選別後の光は下方の画像センサ120に到達して、画像センサ120は光の強度を検出しやすくなる。例えば、光はレンズアレイ111を通過した後、収束され、第1絞り層112に到達する。第1絞り層112は該第1絞り層112から透過した光の角度を制限することができ(例えば、該角度は0~Xであり、Xの値の範囲は、例えば、5.7°~8.5°である)、角度要件を満たす光は第1絞り層112から透過できるが、角度が大きすぎる光は第1絞り層112から透過できないため、コリメート機能を実現する。光は、第1絞り層112を通過した後、第2絞り層113に到達し、第2絞り層113は、該第2絞り層113から透過する光の角度を制限できることに加えて、さらに、レンズアレイ111の隣接するレンズユニットが収束した光を遮断して、光クロストークを防止することができる。従って、本開示の実施例に係る紋様画像取得装置10は、コリメート機能を有するだけでなく、光クロストークを効果的に防止することができ、それにより、取得した画像情報(例えば、皮膚の谷部と山部の情報)の精度を向上させ、さらに光の散乱による取得された画像の不鮮明な問題を改善することができる。
【0047】
なお、本開示の実施例では、コリメート部材110は個別の製品であってもよく、該コリメート部材110は、光をコリメートする必要がある任意の場面に適用でき、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0048】
図2Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材210の構造模式図であり、
図2Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材210のレンズアレイ210の平面模式図であり、
図2Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材210のレンズアレイ210の別の平面模式図であり、
図2Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材210の別の構造模式図である。
図2Aに示すように、例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、コリメート部材210は、順に積層して設けられるレンズアレイ211、第1絞り層212、及び第2絞り層213を備える。レンズアレイ211はアレイ状に配列される複数のレンズユニット2110を備え、第1絞り層212はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔2120を備え、該複数のレンズユニット2110と複数の第1貫通孔2120は、第1絞り層212に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0049】
なお、複数のレンズユニット2110と複数の第1貫通孔2120が第1絞り層212に垂直な方向に1対1で対応して重なっていることは、第1絞り層212上の第1貫通孔2120の正投影と、第1絞り層212上の対応するレンズユニット2110の正投影とが重なっていることを指してもよく、部分的な重なり又は完全な重なりを含み、例えば、第1貫通孔2120の正投影は対応するレンズユニット2110の正投影内に位置する等である。本開示の実施例はこれを限定せず、実際のニーズに応じて調整することができる。
【0050】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、コリメート部材210の厚さ(例えば、各フィルム層の厚さの合計、又は該コリメート部材210の総厚さ)は、100ミクロン未満であってもよく、例えば1~50ミクロンであり、さらに、例えば15~40ミクロンである。各レンズユニット2110の口径のサイズは、1~40ミクロンであってもよく、例えば15~30ミクロンであり、各第1貫通孔2120の開口径は、1~20ミクロンであってもよく、例えば8~15ミクロンである。関連技術の光ファイバーコリメータの厚さは400ミクロン以上であり、従って、本開示の実施例に係るコリメート部材210は、構造が軽くて薄いという優位性を有し、市場でのコリメート部材の厚さに対する要件を満たし、複数の応用場面に適用できる。
【0051】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図2A~2Cに示すように、レンズアレイ211はアレイ状に配列されるレンズユニット2110を備えてもよく、実際の応用ニーズに応じて、該レンズユニット2110はマイクロレンズであってもよく、マイクロレンズの直径は、ミリメートル、ミクロン又はナノメートルレベルのサイズであってもよい。例えば、該マイクロレンズは、球面レンズ、非球面レンズ又は二元光学レンズ(例えば、フレネルレンズ)等として実現され得る。例えば、
図2A~2Bに示すように、レンズユニット2110の第1絞り層212に近い一方側は平面である。例えば、各レンズユニット2110が球面レンズ又は非球面レンズである場合、レンズユニット2110の第1絞り層212から離れる一方側は曲面である。例えば、レンズユニット2110の曲面を有する一方側は入光側であり、レンズユニット2110の平面を有する一方側は出光側である。例えば、レンズアレイ211の材料は、アクリル系の紫外線(UV)硬化型樹脂、エポキシ系のUV硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等を含んでもよく、他の適切な材料であってもよく、適切な成形プロセスで製造することができ、例えば、モールドプレス成形、フォトエッチング成形等であり、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0052】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図2Aに示すように、コリメート部材210の第2絞り層213はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔2130を備え、複数の第2貫通孔2130と複数の第1貫通孔2120は、第1絞り層212に垂直な方向に1対1で対応して重なっている。
【0053】
なお、複数の第2貫通孔2130と複数の第1貫通孔2120が第1絞り層212に垂直な方向に1対1で対応して重なっていることは、第1絞り層212上の第1貫通孔2120の正投影と、第1絞り層212上の対応する第2貫通孔2130の正投影とが重なっていることを指してもよく、部分的な重なり又は完全な重なりを含み、例えば、第2貫通孔2130の正投影は対応する第1貫通孔2120の正投影内に位置する等であり、本開示の実施例はこれを限定せず、実際のニーズに応じて調整することができる。
【0054】
なお、本開示の実施例では、第1貫通孔2120と第2貫通孔2130の開口形状は限定されず、例えば、円形、正方形、六角形等の規則形状であってもよく、任意の不規則形状であってもよい。レンズアレイ211に平行な平面でのレンズユニット2110の断面形状は、例えば、円形、正方形、六角形等の規則形状であってもよく、又は任意の不規則形状であってもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、一例では、第1貫通孔2120と第2貫通孔2130の開口形状はいずれも円形であり、レンズアレイ211に平行な平面でのレンズユニット2110の断面形状も円形であり、それにより、画像センサ120に収束された光の各方向での光強度の均一性が良好になり、取得された画像情報の精度をさらに向上させることができる。
【0055】
例えば、
図2Bと
図2Cに示すように、本開示の実施例では、複数のレンズユニット2110は、行列が揃っている方式でアレイ状に配列されてもよく(
図2Bに示される)、特定の形状(例えば、六角形)でアレイ状に配列されてもよく(
図2Cに示される)、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの実施例では、レンズアレイ211が六角形でアレイ状に配列される(
図2Cに示される)レンズユニット2110を備える場合、画像センサ120に収束された光をより十分にし、取得された画像情報の精度をさらに向上させることができる。
【0056】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1貫通孔2120は第1開口中心を有し、且つ該第1開口中心は、第1貫通孔2120に対応するレンズユニット2110の焦点に位置する。なお、第1貫通孔2120が規則形状である場合、第1貫通孔2120の第1開口中心はその幾何学的中心を含んでもよく、第1貫通孔2120が不規則形状である場合、第1貫通孔2120の第1開口中心は第1貫通孔2120の図心又は面積中心であってもよく、これは、実際のニーズに応じて決められ、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの例では、第1貫通孔2120が不規則形状である場合、第1貫通孔2120の第1開口中心はレンズユニット2110の主光軸に位置してもよく、該主光軸はレンズユニット2110の光学中心を通過する。
【0057】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1貫通孔2120は第1開口中心を有し、第2貫通孔2130は第2開口中心を有し、該第1貫通孔2120の第1開口中心と、該第1貫通孔2120に対応する第2貫通孔2130の第2開口中心とは、第1絞り層212に垂直な方向に重なっている。
【0058】
なお、第1貫通孔2120の第1開口中心と、対応する第2貫通孔2130の第2開口中心とが第1絞り層212に垂直な方向に重なっていることは、例えば、第1貫通孔2120の第1開口中心と、対応する第2貫通孔2130の第2開口中心とが同軸であることを指してもよく、つまり、第1絞り層212上の第1貫通孔2120の正投影の中心と、第1絞り層212上の対応する第2貫通孔2130の正投影の中心とは重なっている。本開示の実施例はこれを限定せず、実際のニーズに応じて調整することができる。
【0059】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1貫通孔2120の開口径は、対応する第2貫通孔2130の開口径の以上である。例えば、第1貫通孔2120の開口径は1~20ミクロンであってもよく、この場合、第2貫通孔の開口径の値も1~20ミクロンであってもよく、また例えば、両者は8~15ミクロンであってもよい。本開示の実施例はこれを限定せず、実際の状況に応じて調整することができる。
【0060】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、複数のレンズユニット2110、複数の第1貫通孔2120及び複数の第2貫通孔2130は1対1で対応し、例えば、互いに対応する1つのレンズユニット2110、1つの第1貫通孔2120及び1つの第2貫通孔2130を1セットのコリメートユニットとして、受光した光から1つのコリメート光を選別することに用いることができる。従って、該実施例では、複数のレンズユニット2110、複数の第1貫通孔2120及び複数の第2貫通孔2130の数は同じである。
【0061】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1絞り層212と第2絞り層213の材料は、遮光材料、例えば、可視光(波長が約380~780nmである)を吸収する材料であってもよく、クロム、酸化クロム、黒色樹脂等が挙げられ、例えば、散乱率が低い金属フィルム等であり、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0062】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図2Aに示すように、コリメート部材210は、透明な第1充填層214と透明な第2充填層215をさらに備える。第1充填層214は、レンズアレイ211と第1絞り層214の間に位置し、第2充填層215は、第1絞り層214と第2絞り層215の間に位置する。該第1充填層214と第2充填層215の材料は、例えば、光透過率が90%以上の透明材料等であってもよく、無機材料又は有機材料であってもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0063】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、実際のニーズに応じて、製造プロセスについては、コリメート部材210に備えられるレンズアレイ211、第1絞り層212、第2絞り層213、第1充填層214及び第2充填層215は、画像センサ(
図2Aに示されていない)の上方に直接レイヤ硬化を行うことができ、それによりコリメート部材210の一体化を実現する。なお、本開示の実施例は製造プロセスの具体的なステップを限定せず、実際の状況に応じて調整することができる。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、レンズアレイ211、第1絞り層212、第2絞り層213、第1充填層214及び第2充填層215の材料はそれぞれ異なってもよいが、それらの屈折率が基本的に一致し又は相互間の差が小さいことを確保する必要がある。
【0064】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図2Dに示すように、コリメート部材210は、順に積層して設けられるレンズアレイ211、第1絞り層212、第2絞り層213、及び第3絞り層230を備えてもよい。該第3絞り層230は、第2絞り層213と画像センサ120の間に設けられ、且つ光を透過させて画像センサ120に入射させ、該第3絞り層230から透過できる光の角度を制限するように構成される。第3絞り層230の具体的な構造設計については、上記第1絞り層212と第2絞り層213の構造を参照することができ、ここで繰り返し説明しない。
【0065】
図3Aは本開示の例示的な一実施例に係るコリメート部材310の具体的な構造模式図を示し、
図3Bは本開示の例示的な一実施例に係るコリメート部材310の設計シミュレーション図を示し、
図3Cと3Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る単層絞りを備えるコリメート部材の光シミュレーション結果図を示し、
図3Eは本開示の少なくとも1つの実施例に係る二重層絞りを備えるコリメート部材の光シミュレーション結果図を示す。
【0066】
例えば、
図3Aに示すように、該コリメート部材310は、順に積層して設けられるレンズアレイ311、第1充填層314、第1絞り層312、第2充填層315、及び第2絞り層313を備える。レンズアレイ311はアレイ状に配列される複数のレンズユニット3110を備え、第1絞り層312はアレイ状に配列される複数の第1貫通孔3120を備え、第2絞り層313はアレイ状に配列される複数の第2貫通孔3130を備える。例えば、
図3Aに示すように、レンズユニット3110は、例えば、マイクロレンズ3110であってもよく、
図3AのDはマイクロレンズ3110の口径のサイズ、hはマイクロレンズ3110の矢高、Rはマイクロレンズ3110の曲率半径、fはマイクロレンズ3110の焦点距離、Hはコリメート部材310の厚さ、h1は第1充填層314の厚さ、h2は第2充填層315の厚さ、d1は第1貫通孔3120の口径のサイズ、d2は第2貫通孔3130の口径のサイズ、角度θは第1貫通孔3120の受光角(例えば、θの範囲は約5.7°~8.5°である)を示す。例えば、上記構造パラメータ間の関係は下式を満たす。
【0067】
【0068】
第1絞り層312と第2絞り層313の厚さが1ミクロン以下であり、ひいては1ミクロンよりもはるかに小さいため、無視してもよい。
【0069】
なお、本開示の上式はコリメート部材310の構造パラメータ間の具体的な関係式を示しているが、実際の操作中に、上記具体的な式に厳密に従わなくてもよく、例えば、実際の応用ニーズに応じて、又は複数回の実験結果又はシミュレーションの結果に基づいて各構造パラメータを微調整することができ、それにより、最適な効果に達する。従って、本開示の実施例は構造パラメータの具体的な値を厳密に限定しない。
【0070】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、実際の応用ニーズに応じて、例えば、コリメート部材310の厚さは、100ミクロン未満であってもよく、例えば、約1~50ミクロンであり、例えば、レンズユニット3110の口径のサイズDは約1~25ミクロンであってもよく、例えば、第1絞り層312の第1貫通孔3120の開口径d1は約1~15ミクロンであってもよい。
【0071】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1充填層314の厚さh1は、レンズユニット3110(例えば、マイクロレンズ)の焦点距離fにほぼ等しくてもよい。
【0072】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1充填層314の厚さh1と第2充填層315の厚さh2の比の範囲は4~6であってもよく、例えば、4.2~5.3である。
【0073】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1絞り層312の第1貫通孔3120の開口径d1は、対応する第2貫通孔3130の開口径d2よりも大きくてもよく、対応する第2貫通孔3130の開口径d2に等しくてもよい。
【0074】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、第1絞り層312の第1貫通孔3120は第1開口中心を有し、且つ該第1開口中心は、該第1貫通孔3120に対応するレンズユニット3110の焦点に位置する。なお、第1貫通孔3120が規則形状である場合、第1貫通孔3120の第1開口中心はその幾何学的中心を含んでもよく、第1貫通孔3120が不規則形状である場合、第1貫通孔3120の第1開口中心は第1貫通孔3120の図心又は面積中心等であってもよく、これは、実際のニーズに応じて決められ、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの例では、第1貫通孔3120が不規則形状である場合、第1貫通孔3120の第1開口中心はレンズユニット3110の主光軸に位置してもよく、該主光軸はレンズユニット3110の光学中心を通過する。
【0075】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置において、コリメート部材310の厚さは20ミクロンである。
【0076】
例えば、本開示の例示的な実施例に係るコリメート部材310において、上式及び実験結果に基づき各構造パラメータを複数回調整した後、1セットの例示的な構造パラメータが得られ、各構造パラメータは以下のように設計される。
【0077】
【0078】
第1絞り層312と第2絞り層313の厚さが無視できるので、得られるコリメート部材310の厚さはH=19μmである。実際の操作中に、第1絞り層312と第2絞り層313の厚さを考慮すると、該コリメート部材310の厚さHは約20ミクロンである。それに対応して、該コリメート部材310の設計シミュレーション図を得ることができ、
図3Bに示される。
図3Bから分かるように、該コリメート部材310のマイクロレンズ3110は受光した光を収束することができ、第1貫通孔3120は、小さい角度範囲(例えば、θ=5.7°~8.5°)内の光(例えば、
図3Bの実線1)のみを通過させることができ、第2貫通孔3130は、隣接するレンズユニット3110からの光(例えば、
図3Bの実線2)を遮断することができる。従って、本開示の実施例に係るコリメート部材310はコリメート機能を有するだけでなく、隣接するレンズユニットからの光クロストークを効果的に防止することができる。また、本開示の少なくとも1つの実施例に係るコリメート部材310の厚さHは、約19~21ミクロンだけであり、一般的なコリメート部材の通常の厚さよりもはるかに小さく、市場でのコリメート構造に対する軽くて薄いという要件を満たす。
【0079】
第2絞り層313の光クロストーク防止機能を明確に説明するために、
図3C~3Eを参照することができる。例えば、
図3Cと3Dに示すように、コリメート部材が単層絞り(例えば、第1絞り層331)のみを備える場合、該単層絞り331の各絞り(例えば、
図3Cの絞りA又は絞りB)は、例えば、レンズアレイ330から対応するレンズユニットの光を受光し、且つ該絞りから透過する光の角度を制限することができるが、隣接するレンズユニット(例えば、
図3CのC点又はD点)からの光の透過は不可避である。隣接するレンズユニットからの光を効果的に遮断するために、コリメート部材に第2層絞り332を導入することができ、
図3Eに示すように、コリメート部材が二重層絞り(例えば、第1絞り層331と第2絞り層332)を備える場合、隣接するレンズユニットからの光が第2層絞り332から透過することを効果的に防止できる。従って、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置は、取得された画像情報の精度を効果的に向上させることができる。
図4Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置40の別の概略ブロック図であり、
図4Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置40の別の断面図であり、
図4Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置40の画像センサ420の平面図である。
【0080】
例えば、
図4Aに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置40はコリメート部材410と画像センサ420を備え、該コリメート部材410は画像センサ420の上に積層される。
【0081】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図4Cに示すように、画像センサ420はアレイ状に配列される複数の撮像画素421を備えてもよい。例えば、各撮像画素421は適切な方式で実現されてもよく、例えば、フォトダイオードとスイッチングトランジスタを含んでもよく、フォトダイオードは、それに照射された光信号を電気信号に変換することができ、スイッチングトランジスタはフォトダイオードに電気的に接続して、フォトダイオードが光信号を収集する状態にあるか否か、及び光信号を収集する時間を制御することができる。例えば、フォトダイオードのタイプと設置形態は、実際の応用ニーズに応じて設定でき、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。例えば、フォトダイオードはPIN接合型フォトダイオード又はフォトトランジスタ等であってもよく、それにより、フォトダイオードの応答速度を高めることができる。例えば、撮像画素421は、コリメート部材410から透過した光を検出して、画像情報を取得するように構成される。
【0082】
なお、本開示の実施例は画像センサ420に備えられる撮像画素421の具体的な数を限定せず、例えば、1つの撮像画素421は上記1セットのコリメートユニットに対応して設けられてもよく、1つの撮像画素421は上記複数セットのコリメートユニットに対応して設けられてもよく、撮像画素の数は実際の応用ニーズに応じて設定できる。
【0083】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図4Bに示すように、画像センサ420は撮像画素421を備え、撮像画素421はスイッチングトランジスタ4201とフォトダイオード4202を備えてもよい。スイッチングトランジスタ4201、フォトダイオード4202はいずれもベース基板4211上に設けられる。例えば、スイッチングトランジスタ4201は、活性層423、ゲート電極422、第1電極4241及び第2電極4242を備える。スイッチングトランジスタ4201のゲート電極422はベース基板4211上に設けられ、第1絶縁層4291により被覆される。スイッチングトランジスタ4201の活性層423は第1絶縁層4291上に設けられ、第2絶縁層4292により被覆される。例えば、スイッチングトランジスタ4201の第1電極4241と第2電極4242は対称的に設けられ、両者が相互に交換でき、その一方がソース電極であり、他方がドレイン電極である。例えば、フォトダイオード4202は、PIN接合426、第1電極425及び第2電極427を備える。例えば、第2電極427は透明な導電性材料で製造され、例えば、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)が挙げられる。適切な構造(例えば、カップ状の構造)を用いることにより、第2電極427はさらに集光層として多重化することができ、それにより、第2電極427に入射された光をPIN接合426に最大限に入射させる。第2電極427は金属層428を介してバイアス電圧線(図示せず)に電気的に接続され、第1電極425はスイッチングトランジスタ4201の第2電極4242に電気的に接続される。例えば、金属層428はスイッチングトランジスタ4201の活性層423まで被覆でき、それにより、スイッチングトランジスタ4201の活性層423が外部の光の影響を受けるのを防止して、漏れ電流を回避する。なお、本開示の実施例では、スイッチングトランジスタ4201はトップゲート薄膜トランジスタであってもよく、ボトムゲート薄膜トランジスタであってもよく、
図4Bは、ボトムゲート薄膜トランジスタの状況を示している。上記トランジスタがトップゲート薄膜トランジスタである場合、フォトダイオード4202とスイッチングトランジスタ4201の位置を対応して調整し、又はプロセスを調整すればよい。
【0084】
なお、本開示の上記実施例では、フォトダイオード4202はPIN接合型であるが、本開示の実施例はこれに限定されず、フォトダイオード4202の受光感度が使用のニーズを満たす限り、フォトダイオード4202はPN接合型であってもよい。該画像センサ420の各フィルム層の材料は通常の材料を用いることができ、各フィルム層の説明については、通常の設計を参照することができ、ここで繰り返し説明しない。
【0085】
なお、
図4Bに示される積層構造において、各フィルム層の相対位置関係とサイズ比関係は、限定的なものではなく、例示的なものである。実際の応用において、第1絞り層411におけるフォトダイオード4202のPIN接合426の感光面の正投影は複数の第1貫通孔4110を被覆することができ、第2絞り層412におけるフォトダイオード4202のPIN接合426の感光面の正投影は複数の第2貫通孔4120を被覆することができ、これは実際のニーズに応じて設定でき、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0086】
図4Aと4Bに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置40のコリメート部材410と画像センサ420の貼り付け方式は、実際の応用ニーズに応じて設定でき、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。例えば、コリメート部材410と画像センサ420は接着の方式で貼り付けてもよい。例えば、コリメート部材410と画像センサ420が接着の方式で貼り付けられる場合、紋様画像取得装置40は中間媒体層430をさらに備えてもよい。中間媒体層430は、コリメート部材410と画像センサ420の間に設けられ、接着性を有し、且つコリメート部材410と画像センサ420を接着することができる。例えば、中間媒体層430は光学的に透明な接着剤(Optically Clear Adhesive、OCA)であってもよい。例えば、中間媒体層430は、画像センサ420に垂直な方向におけるコリメート部材410と画像センサ420の間の間隔を調節する役割をさらに果たし得る。例えば、光学的に透明な接着剤の厚さを調節することにより、画像センサ420に垂直な方向におけるコリメート部材410と画像センサ420の間の間隔を調節することができる。また例えば、中間媒体層430は、透明基板(図示せず)をさらに備えてもよく、透明基板の両側にいずれも光学的に透明な接着剤を設けることができ(例えば、透明基板は光学的に透明な接着剤に挿入できる)、それにより、中間媒体層430の間隔調節能力を向上させることができる。
【0087】
なお、実際の状況に応じて、該紋様画像取得装置40は、他の構造又は機能層をさらに備えてもよい。層と層の間は直接接触してもよく、他のフィルム層又は部材が設けられてもよい。
【0088】
図5は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置50の模式図である。例えば、
図5に示すように、本開示の少なくとも1つの実施例は、表示パネル500と、該表示パネル500と積層して設けられる紋様画像取得装置501とを備える表示装置50を提供する。例えば、紋様画像取得装置501は上記紋様画像取得装置10/40であってもよい。例えば、該表示パネル500は表示側及び該表示側とは反対する裏側を備え、該紋様画像取得装置501は表示パネル500の裏側に位置し、紋様画像取得装置501のコリメート部材510は該表示パネル500と画像センサ520の間に位置する。該紋様画像取得装置501は、表示パネル500の表示側の対象紋様(例えば、指紋、掌紋等)から反射され該表示パネル500を通過する光を検出するように構成される。
【0089】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示パネル500は有機発光ダイオード表示パネル又は量子ドット発光ダイオード表示パネルであってもよく、液晶表示パネルであってもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0090】
図6Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置60の表示パネル610の模式図であり、
図6Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネル610の表示アレイ層603の模式図であり、
図6Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネル610の表示アレイ層603の別の模式図であり、
図6Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示パネル610の平面模式図である。
【0091】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図6Aに示すように、該表示装置60は、表示パネル610と、該表示パネル610と積層して設けられるコリメート部材620、画像センサ630と、を備える。例えば、
図6Aに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例では、該表示パネル610は、上部フィルム601、薄膜パッケージ602、表示アレイ層603、可撓性ベース604、及び下部フィルム605等の構造を備える。
【0092】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、下部フィルム605は、その上に位置する他の構造及び機能層に保護及び支持機能を提供し、例えば、強度が大きいプラスチック基板又はガラス基板である。可撓性ベース604は、緩衝を提供することに用いられ、例えば、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の材料で製造される可撓性ベースである。
【0093】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示アレイ層603は可撓性ベース604上に形成され、例えば、表示アレイ層603は、所定のアレイとして配列される複数の画素ユニット621と、電気信号(走査信号、データ信号、検出信号等を含む)を提供するための信号線(ゲート線、データ線、検出線等を含む)と、を備えてもよく、各画素ユニット621は、発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)と、該発光デバイス(OLEDデバイス)を駆動して発光させるための画素駆動回路等とを備える。画素ユニット621は光101を発光し、光101は表示に用いられ、また、例えば画面内指紋検出の入射光とする。例えば、画素ユニット621の発光デバイスが作動する時に発光した光101は、表示パネルの表示側のユーザの皮膚(指又は手のひら)650から反射され、さらにユーザの皮膚紋様画像の取得に用いられる。
【0094】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、薄膜パッケージ602は表示アレイ層603に被覆されて、外部の水蒸気が表示アレイ層603に入ってその老化又は劣化を引き起こすことを防止し、それは多層薄膜パッケージであってもよく、例えば、積層された無機絶縁層と有機絶縁層等を備える。
【0095】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、上部フィルム601は、カバープレートであってもよく、例えば、ガラス又はプラスチックで製造される基板又は厚いフィルムであり、支持と保護を提供することに用いられ、例えば、ユーザがタッチ、押圧等の操作を行うことに用いられる。
【0096】
なお、必要に応じて、該表示パネル610は他の構造又は機能層をさらに備えてもよい。例えば、表示パネル610はタッチ機能を実現するためにタッチ構造を備えてもよい。該タッチ構造は、例えば、表示アレイ層603に内蔵されてもよく、又は上部フィルム601上などに形成され、例えば、静電容量式、抵抗式等であってもよい。
【0097】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図6A~6Cに示すように、表示アレイ層603はアレイ状に配列される複数の画素ユニット621を備えてもよい。例えば、各画素ユニット621は発光ダイオード622を備えてもよく、発光ダイオード622は、有機発光ダイオード、量子ドット発光ダイオードであってもよく、無機発光ダイオード622であってもよく、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0098】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図6Bと
図6Cに示すように、各発光ダイオード622は、陰極625、発光層624及び陽極623を備えてもよい。例えば、発光ダイオード622は反射電極を備えてもよく、それにより、発光ダイオード622から発光された光を表示側(例えば、上部フィルム601)に反射し、さらに発光ダイオード622の発光効率を向上させることができ、且つ画像センサ620への影響を低減させることができる。例えば、トップエミッション型の有機発光ダイオード622の場合、陽極623は反射電極を備えるように配置されてもよく、例えば、陽極623は酸化インジウムスズ(ITO)と金属層により積層して製造されてもよい。例えば、
図6Bに示すように、反射電極は開口629を有してもよく、それにより、表示側から反射された光を通過させることができる。例えば、開口629は上部フィルム601から反射された光を通過させることができ、また例えば、開口629はさらに、指の皮膚650から反射された光を通過させることができる。また、開口629の対応する箇所に陽極又は陰極が設けられないため、該箇所は発光せず、画像情報の取得への影響を回避する。
【0099】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図6Cに示すように、発光ダイオード622は反射層628をさらに備えてもよく、該反射層628は発光ダイオード622から発光された光を表示側に反射することができ、この場合、発光ダイオード622の陰極625と陽極623は透明な導電性材料又は厚さの薄い金属で製造され、それにより、陰極625と陽極623は透明又は半透明の性質を有する(例えば、陰極625と陽極623はそれぞれ透明な導電性酸化物材料と透明な合金材料で製造され得る)。例えば、反射層628は多層誘電体フィルムであってもよく、該多層誘電体フィルムは、発光ダイオード622から出射された光を反射することができ、例えば、可視光を反射することができる。例えば、実際の応用ニーズに応じて、反射層628は開口(
図6Cに示されていない)を有してもよく、それにより、表示側から反射された光を通過させることができる。また例えば、実際の応用ニーズに応じて、反射層628は特定の波帯(例えば、赤外線波帯)又は波長(例えば、976nm)の光を透過させる能力を有してもよい。
【0100】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、表示パネル610が液晶表示パネルである場合、液晶表示パネルに備えられるバックライト(すなわち、コリメート部材620に近い一方側)に1つ又は複数の開口を設けることにより、表示側から反射された光は開口を通過してコリメート部材620に到達し、さらに、コリメート部材620を透過して画像センサ630に到達することができ、それにより光検出を実現する。
【0101】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図6Dに示すように、例えば、表示パネル610は表示領域611と周辺領域612を備えてもよく、表示パネル100の周辺領域612は表示パネル610のエッジに位置する領域であってもよく、表示パネル100の表示領域611は周辺領域612により囲まれる領域であってもよい。
図4C及びその関連する詳細な説明を参照し、画像センサ420はアレイ状に配列される複数の撮像画素421を備えてもよく、いくつかの実施例では、例えば、複数の撮像画素421は表示パネル610の表示領域611にアレイ状に配列されてもよい。例えば、撮像画素421は皮膚(例えば、指、手のひら等)650から反射されコリメート部材620を透過した光を検出することができ、それにより画像情報を取得できる。
【0102】
例えば、
図6A~6Dの上記詳細な説明を参照し、画素ユニット621から出射された光が表示パネル610の表示側(例えば、上部フィルム601)のインタフェースに入射すると、光の一部は該インタフェースから反射され、他部は表示パネル610から出射され、表示パネル610から出射された光が皮膚(例えば、指、手のひら等)に入射する場合に反射され、且つ反射された光の一部は表示パネル610に戻り、これらの反射された光は、分析、認識のために撮像に用いられる。例えば、以下、
図7に示される表示装置70を例として、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置70の紋様画像取得のプロセスを具体的に説明する。
【0103】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図7に示すように、指の指紋701は凸部(すなわち指紋山部)と凹部(指紋谷部)等から形成された紋様を含み、指が表示側基板(例えば、カバープレート)711に接触すると、指紋山部は表示側基板711に接触し、指紋谷部は表示側基板711に接触せず、指紋谷部と表示側基板711の間の空気は表示側基板711と第1インタフェース712を形成し、指紋山部(すなわち、皮膚)は表示側基板711と第2インタフェース713を形成する。例えば、空気の屈折率(例えば、空気の屈折率が1である)に比べて、皮膚の屈折率(例えば、皮膚の屈折率が1.55である)は、表示側基板711の屈折率(例えば、一般的なガラスカバープレートの場合、屈折率が1.5である)に近く、従って、画素ユニット621から出射された光の第1インタフェース712での反射光の強度は、第2インタフェース713での反射光の強度よりも大きい。例えば、垂直に入射される場合、インタフェースの反射率は以下である。
【0104】
【0105】
nrは相対屈折率である。例えば、空気の屈折率、皮膚の屈折率、及び表示側基板711の屈折率はそれぞれ1、1.55及び1.5である場合、第1インタフェース712の相対屈折率nrは1.5であり、第2インタフェース713の相対屈折率nrは約0.97であり、従って、第1インタフェース712の反射光の強度と第2インタフェース713の反射光の強度との比は、(4%)/(0.023%)=173.9である。
【0106】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、インタフェース(例えば、第1インタフェース712)から反射されて表示パネル710に戻り、且つコリメート部材720を通過して画像センサ730に入射された光の強度に比べて、指皮膚から反射されて表示パネル710に戻り、且つコリメート部材720を通過して画像センサ730に入射された光の強度は弱く(例えば、ひいては無視してもよい)、従って、画像センサ730で取得された指紋画像において、指紋谷部に対応する画像領域の輝度は高く、指紋山部に対応する画像領域の輝度は低い。
【0107】
図8Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様シミュレーション図であり、
図8Bは、
図8Aの紋様に対する、
図3Aのコリメート部材310を用いた表示装置の光シミュレーション結果図である。
図8Aは皮膚紋様をシミュレーションする4つの縦縞であり、表示パネルの表示側に置かれ、表示側の表示領域に位置し、
図8Bは画像センサで検出された光束図である。
図8Aと
図8Bを比較して分かるように、皮膚山部(すなわち、
図8Aの縦縞)に対応する画像領域の光束は弱く、皮膚谷部(すなわち、
図8Aの隣接する縦縞間の空白領域)に対応する画像領域の光束は強く、それにより、画像センサに基づき検出された光強度は異なり、皮膚の谷部と山部の正確な情報を正確に得て、紋様画像の取得を実現することができる。
【0108】
図9Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置90に備えられる表示パネル900とコリメート部材910の貼り付け方式の模式図であり、
図9Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置90に備えられる表示パネル900とコリメート部材910の別の貼り付け方式の模式図である。
【0109】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図9Aに示すように、表示パネル900とコリメート部材910はフレーム貼り付けの方式で貼り付けられてもよい。例えば、
図9Aに示すように、該表示装置90は接着フレーム901を備えてもよく、接着フレーム901は表示パネル900とコリメート部材910の間に設けられる。例えば、接着フレーム901は、表示パネル900の裏側(例えば、
図6Aに示される下部フィルム605の下方)とコリメート部材910の第1充填層914との間に設けられ、表示パネル900の周辺領域(
図6の612)に位置してもよい。例えば、接着フレーム901は、表示パネル900とコリメート部材910を接着し、支持機能を提供することができる。例えば、
図9Aに示される貼り付け方式(フレーム貼り付け)の場合、レンズアレイ911に備えられる複数のレンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110の周囲の媒体は空気であってもよく、従って、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110の周囲の媒体の屈折率は1であり、この場合、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110は屈折率が約1.4~1.6(例えば、1.48~1.55)の材料で製造されてもよく、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110は、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)材料で製造されてもよく、この場合、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110の屈折率は約1.4918であり、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。
【0110】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、
図9Bに示すように、表示パネル900とコリメート部材910はさらに表面貼り付けの方式で貼り付けられてもよい。例えば、表面貼り付け方式を用いる場合、該表示パネル900は充填媒体902をさらに備えてもよく、充填媒体902は表示パネル900とコリメート部材910の間に設けられ、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110の周囲に充填される。例えば、
図9Bに示される貼り付け方式の場合、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110は屈折率が約1.7~1.9(例えば、1.75~1.85)の材料で製造されてもよく、レンズユニット(例えば、マイクロレンズ)9110の屈折率は、例えば、約1.8であってもよく、充填媒体902は屈折率が約1.2~1.4(例えば、1.25~1.35)の材料で製造されてもよく、この場合、充填媒体902の屈折率は、例えば、約1.3であってもよく、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。
【0111】
なお、コリメート部材910と表示パネル900の貼り付け方式は実際の応用ニーズに応じて選択することができ、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0112】
図10は本開示の少なくとも1つの実施例に係る紋様画像取得装置の製造方法のフローチャートである。
【0113】
図10に示すように、該紋様画像取得装置の製造方法は、
画像センサを提供するステップS101と、
画像センサ上にコリメート部材を提供するステップS102と、を含む。
【0114】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、画像センサ上にコリメート部材を提供するステップは、コリメート部材に備えられるレンズアレイ、第1絞り層、第2絞り層、第1充填層及び第2充填層に対して画像センサの上方に直接レイヤ硬化を行い、それによりコリメート部材の一体化を実現することを含む。例えば、画像センサ上に第2絞り層を形成して硬化させる。次に、第2絞り層上に第2充填層を形成して硬化させる。続いて、第2充填層上に第1絞り層を形成して硬化させる。次に、第1絞り層上に第1充填層を形成して硬化させる。最後に、第1充填層上にレンズアレイを形成して硬化させる。このようにして、各フィルム層を一体的に形成し、コリメート部材の一体化を実現することができる。
【0115】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、コリメート部材のレイヤ硬化を行うことは、コーティング、スパッタリング、プリベーク、露光、現像、ポストベーク等のプロセスを含むが、それらに限定されず、なお、本開示の実施例は製造プロセスの具体的なステップを制限せず、実際の状況に応じて調整することができる。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、黒色樹脂又は反射率が低い金属(例えば、モリブデン)を使用し、露光の方式で第1絞り層と第2絞り層を製造する。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、徐々に硬化する方式(最終的な成膜厚さが、例えば0.05ミクロンである)で第1充填層と第2充填層を製造する。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例では、露光の方式でレンズアレイの配列パターンを形成してから、ポストベークによってレンズユニットを成形する(例えば、中央が厚くて両側が薄い)。なお、コリメート部材のレンズアレイ、第1絞り層、第2絞り層、第1充填層及び第2充填層の材料はそれぞれ異なってもよいが、それらの屈折率が基本的に一致することを確保する必要がある。
【0116】
本開示については、以下を説明する必要がある。
【0117】
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0118】
(2)矛盾がない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0119】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の保護範囲は前記特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。