(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】鉄道車両の側壁アルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具
(51)【国際特許分類】
B23K 37/04 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B23K37/04 H
(21)【出願番号】P 2022109203
(22)【出願日】2022-07-06
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】202110912985.5
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519380222
【氏名又は名称】青島理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】李長河
(72)【発明者】
【氏名】施壮
(72)【発明者】
【氏名】劉波
(72)【発明者】
【氏名】曹華軍
(72)【発明者】
【氏名】▲ろ▼秉恒
(72)【発明者】
【氏名】崔▲きん▼
(72)【発明者】
【氏名】張彦彬
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209256213(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105033448(CN,A)
【文献】米国特許第06220502(US,B1)
【文献】特開平08-058578(JP,A)
【文献】特開昭59-229283(JP,A)
【文献】特開2005-319493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の側壁を構成するための複数のアルミニウム型材を、所定のステーションで固定および自動組み立てし、組み立て後のアルミニウム型材組み合わせに対して逆位置溶接を行うと共に、前記複数のアルミニウム型材を固定したままの状態で、前記逆位置溶接されたアルミニウム型材組み合わせを、前記所定のステーションで反転させ、同所定のステーションで正位置溶接を行う、鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具であって、
昇降機構、支持反転装置、自動組み立て側壁型材装置、および自己位置決めロック装置を含み、
前記自動組み立て側壁型材装置は、鉄道車両の側壁を構成するように、前記複数のアルミニウム型材を組み合わせて、自動組み立てする装置であり、
前記支持反転装置が前記昇降機構に取り付けられ、前記自動組み立て側壁型材装置が、前記支持反転装置に取り付けられ、
前記複数のアルミニウム型材はいずれも、長手方向の両端に自己位置決め装置が取り付けられ、
前記自己位置決め装置には、凸状の自己位置決めヘッドが形成され、
前記自動組み立て側壁型材装置は、前記複数のアルミニウム型材を、その長手方向に沿った方向から見た側壁形状の支持鋼梁とその上部に取り付けられたロッドレスシリンダーレールプラットフォーム、および固定ベースを含み、前記ロッドレスシリンダーレールプラットフォームおよび前記固定ベースに、前記自己位置決めロック装置が取り付けられ、
前記自己位置決めロック装置には、自己位置決めベースおよびロック装置が含まれ、前記自己位置決めベースには外部ハウジングが含まれ、前記外部ハウジング内には対称的に配置された2つの自己位置決めサポートが設置され、前記複数のアルミニウム型材に取り付けられた前記自己位置決めヘッドの外縁形状と一致する2つの前記自己位置決めサポートの表面にローラーが設置され、2つの前記ローラーの間にV字型のスリットが形成され、前記外部ハウジングの片側に前記ロック装置が設置され、
前記複数のアルミニウム型材は、対応する前記自己位置決めロック装置の前記外部ハウジングの内側に、前記自己位置決めヘッドを挿入し、その挿入位置を前記ロック装置で固定することで、前記複数のアルミニウム型材が、前記自己位置決めロック装置に固定され、
前記自己位置決めロック装置に固定された前記複数のアルミニウム型材は、前記ロッドレスシリンダーレールプラットフォームおよび前記固定ベースを介して、位置調整および自動組み立てされ、
前記支持反転装置が、前記逆位置溶接されたアルミニウム型材組み合わせの支持および反転を行うことを特徴とする鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項2】
前記ロック装置はロックシリンダーであり、前記外部ハウジングの側面には、前記ロックシリンダーのピストンロッドが通過するための穴が設置されることを特徴とする
請求項1に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項3】
前記昇降機構は、同じ構造を有する第1の昇降機構と第2の昇降機構とを含み、前記支持反転装置の両端は、前記第1の昇降機構および前記第2の昇降機構に固定されることを特徴とする
請求項1に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項4】
前記第1の昇降機構と前記第2の昇降機構はスプロケットチェーン昇降機構であることを特徴とする
請求項3に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項5】
前記支持反転装置は、同じ構造を有する第1の支持反転機構および第2の支持反転機構を含み、前記第1の支持反転機構は、前記第1の昇降機構に取り付けられ、前記第2の支持反転機構は、前記第2の昇降機構に取り付けられることを特徴とする
請求項3に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項6】
前記第1の支持反転機構および前記第2の支持反転機構は、それぞれモーターを含み、前記モーターはカップリングに接続され、前記カップリングが軸を回転させ、前記軸が太陽歯車の回転を駆動し、大型歯車は固定されており、前記大型歯車と前記太陽歯車の間に取り付けられた円周分離120°の遊星歯車が前記太陽歯車を中心に回転し、ターンテーブルは前記遊星歯車に接続されており、支持反転接続部材は前記ターンテーブルに固定接続されており、前記支持反転接続部材の回転を実現していることを特徴とする
請求項5に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項7】
前記側壁形状の支持鋼梁は、前記複数のアルミニウム型材の長手方向に沿った方向から見た形状が、前記自己位置決め装置が取り付けられた側壁型材の組み合わせの横断面に基づいて決定されることを特徴とする
請求項1に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【請求項8】
前記自己位置決めサポートの作業面は曲面であり、前記自己位置決めサポートの作業面にはローラーボルト穴が設置され、前記ローラーボルト穴は、ボルトを介して前記ローラーに接続され、前記ローラーの軸線は水平線であることを特徴とする
請求項1に記載の鉄道車両の側壁のアルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス機器の技術分野、具体的に鉄道車両の側壁アルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書の記載は、本発明に関連する背景技術を提供するだけであり、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0003】
現在、稼働中の鉄道車両では、中空押し出しアルミニウム合金型材がキャリッジ構造の最新の材料であり、一体の大きな縦方向の長さを有する押し出しアルミニウム合金型材によって組み立てられ、溶接されている。キャリッジの重要な構造の1つとして、側壁の溶接品質は、車体の最終的な構造が設計と使用の要件を満たすことができるかどうかに直接関係し、同時に、側壁は高速列車の耐用年数とその後の安全な運行にも影響する。溶接品質に影響を与える主な要因は、中空押し出しアルミニウム合金型材の開先での酸化皮膜が溶接前にきれいに研磨されているかどうか、組み立てる時に中空押し出しアルミニウム合金型材が正確で誤差がないかどうか、溶接時に溶接パラメータを正確に制御できるかどうか、という3つの要因がある。溶接パラメータの制御は、主に溶接マニピュレータによって制御され、溶接マニピュレータは、溶接パラメータへの正確な制御を満たすことができる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0004】
中空押し出しアルミニウム合金型材を組み立てるときに正確で誤差がないかどうかの要因に対して、従来の型材の組み立ての時には、手動の介入が必要であり、1~5番号の型材を自動溶接逆位置工具に順番に吊り上げる場合、組み立て時に位置決めするために、図面に従って線を引き、オペレーターが中空押し出しアルミニウム合金型材を、型材組み立て作業ステーションに配置するのを支援した後、取り付けを実行し、すべてのソケットが正しいことを確認した後、張力装置を作動させ、同時に、上側の梁に押し付けられているプレッサーを調整して、位置決めブロックに密着できることを確保し、最後に、プレッサーをプレス状態にする。該組み立てとクランプのプロセスは順番に行われ、まず型材を、補助ラインの位置決め方法に従って取り付け、順序は、上側の梁型材、窓上部型材、窓間型材、窓下部型材、および下側の梁型材の取り付け順序であり、その組み立て時の組み立て基準は、取り付け順番上の前の型材である。該方法自体は、本質的に手動で行われるため、誤差が発生し、組み立て基準を変更すると、誤差がさらに重なり、これにより、後続の溶接中に溶接シームの均一性に影響を与え、それにより側壁の全体的な構造強度に影響を与える。取り付けが完了した後の型材のクランプと溶接の手順は、組立溶接中の論理的な関係は満たされているものの、より時間効率を高めるために改善の余地がある。
【0005】
要約すると、側壁型材の従来の組み立てプロセスでは、クレーンによって順番に5つの型材を吊り上げ、組み立てステーションに配置するが、組み立て中の組み立て基準の変化や手動による組み立ての理由により、組み立て誤差が発生し、組み立て型材の調整に時間がかかってしまう。また、誤差が解消されない場合、その後の溶接で、溶接シームの均一性に影響を及ぼし、側壁の全体的な構造強度が低下し、走行時に車体に構造的損傷を与える重大な事故が発生する。溶接工程は、逆位置組み立て溶接、次に正位置溶接であり、その間に、型材全体を反転し、側壁を空中で正位置に反転し、正位置工具に吊り上げる必要がある。側壁を吊り上げるとき、工具との衝突を避けるために、少なくとも3人の作業員が、異なる角度から観察する必要がある。反転するときに側壁型材が曲がらないように、側壁反転の下側にナイロン保護ブロックを使用する必要があり、ケーブルが反転機に絡まないように注意し、この過程は人手と時間を大幅に消費し、逆位置溶接点が変形する可能性も高くなる。逆位置溶接後の冷却により、側壁全体を固定する外力がないため、溶接シームの冷却収縮変形が発生し、その後の二次調整が必要となり、人的資源、財源、時間の3重の消費が発生するため、工程設備の改善が急務となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】朱丹.高速列車本体の側壁の組み立て溶接プロセスと品質管理[D].ハルビン工業大学、2015.
【文献】田新莉、唐衡▲ちん▼、尹▲とく▼猛、葉宏、劉宇航.B型アルミニウム合金地下鉄車の側壁の製造技術と溶接プロセス[J].溶接技術、2014、43(04):67-69
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明は、鉄道車両の側壁アルミニウム型材自動組み立て、反転、溶接工具を提供する。該組み立て、反転、溶接工具には、組み立てと反転の2つの機能があり、配置された型材をロックしている時に型材を組み立てることもでき、型材間の組み立てが正確であるだけでなく、型材組み立て中の組み立て基準の数が減り、正確な組み立てがさらに実現される。同時に、反転機能により、逆位置溶接された型材を、元のステーションで直接反転できるため、位置決めの問題が解決されるだけでなく、人手と時間が大幅に解放され、後の段階での二次火炎の調整工程が不要になる。
【0008】
即ち、従来の側壁溶接方法は、最初に逆溶接であり、溶接が完了した後、側壁全体を工具から取り外し、ガントリーで反転し、正位置工具に配置する必要があった。このプロセス中に、溶接シームが冷却して収縮し、誤差が発生する可能性があり、二番目の火炎調整として、溶接シームを再加熱し、調整して誤差を排除する必要があった。しかし、本発明では、正位置溶接と逆位置溶接が、すべて同じ工具で行われ、組み立てられた側壁はプロセス全体で固定され、工具だけを全体として反転するため、取り外す時に溶接シームの冷却と収縮が排除された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【0010】
本発明は、鉄道車両の側壁アルミニウム型材の自動組み立て、反転、溶接工具を提供し、昇降機構、支持反転装置、自動組み立て側壁型材装置、および自己位置決めロック装置を含み、前記支持反転装置が前記昇降機構に取り付けられ、前記自動組み立て側壁型材装置が、前記支持反転装置に取り付けられ、前記自動組み立て側壁型材装置は、側壁形状の支持鋼梁とその上部に取り付けられたロッドレスシリンダーレールプラットフォーム、および固定ベースを含み、前記ロッドレスシリンダーレールプラットフォームおよび前記固定ベースに前記自己位置決めロック装置が取り付けられ、前記自己位置決めロック装置には、自己位置決めベースおよびロック装置が含まれ、前記自己位置決めベースには外部ハウジングが含まれ、前記外部ハウジング内には対称的に配置された2つの自己位置決めサポートが設置され、車両のアルミニウム型材と一致する2つの前記自己位置決めサポートの表面にローラーが設置され、2つの前記ローラーの間にV字型のスリットが形成され、前記外部ハウジングの片側に前記ロック装置が設置される。
【0011】
さらなる技術的解決手段として、前記自動組み立て側壁型材装置は、主に側壁形状の支持鋼梁を本体として支持し、側壁形状の支持鋼梁にはロッドレスシリンダーレールプラットフォームと固定ベースが取り付けられる。ここで、側壁形状の支持鋼梁の設計は、自己位置決め装置が取り付けられた側壁型材の組み合わせの横断面に基づいて決定される。ロッドレスシリンダーレールプラットフォームは、組み立て用のアクティブドライブソースとして、型材の組み立てを正確に実現する。
【0012】
さらなる技術的解決手段として、ロック装置はロックシリンダーであり、外部ハウジングの側面には、ロックシリンダーのピストンロッドが通過するための穴が設置され、型材を配置した後、型材に取り付けられた自己位置決め装置をロックすることによって、昇降、反転、および組み立て中の型材の信頼性、安定性、および精度が保証される。
【0013】
さらなる技術的解決手段として、昇降機構は、同じ構造を有する第1の昇降機構と第2の昇降機構とを含み、支持反転装置の両端は、第1の昇降機構および第2の昇降機構に固定される。
【0014】
さらなる技術的解決手段として、第1の昇降機構と第2の昇降機構はスプロケットチェーン昇降機構である。
【0015】
さらなる技術的解決手段として、支持反転装置は、同じ構造を有する第1の支持反転機構および第2の支持反転機構を含み、第1の支持反転機構は、第1の昇降機構に取り付けられ、第2の支持反転機構は第2の昇降機構に取り付けられる。
【0016】
さらなる技術的解決手段として、第1の支持反転機構および第2の支持反転機構は、それぞれモーターを含み、モーターはカップリングに接続され、カップリングが軸を回転させ、軸が太陽歯車の回転を駆動し、大型歯車は固定されており、大型歯車と太陽歯車の間に取り付けられた円周分離120°の遊星歯車が太陽歯車を中心に回転し、ターンテーブルは遊星歯車に接続されており、支持反転接続部材はターンテーブルに固定接続されており、支持反転接続部材の回転を実現している。
【0017】
さらなる技術的解決手段として、自己位置決めサポートの作業面は曲面であり、自己位置決めサポートの作業面にはローラーボルト穴が設置され、ローラーボルト穴は、ボルトを介してローラーに接続され、ローラーの軸線は水平線である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1.本発明の鉄道車両のアルミニウム型材の組み立て反転溶接工具は、正位置工具と逆位置工具を1つのステーションに統合することができ、吊り上げ・反転装置を用いずに、代わりに新しい反転装置を使用することで、クランプ過程での反転を実現でき、再位置決めの工数を減らし、二次調整の必要がなくなり、人的資源、財源、時間の消費を大幅に解放した。
2.本発明における自動組み立て側壁型材装置は、完全自動化の下で側壁型材の組み立てを実現することができ、ロッドレスシリンダー型材によって開先での組み立てを正確に実現し、溶接要件を満たし、同時に、組み立て基準の変化量を減らし、誤差の蓄積を減らす。
3.本発明において、自己位置決めロック装置の自己位置決めベースは、側壁のアルミニウム型材の両端で位置決め装置の底部と協働して、各自己位置決めロック装置での各型材の正確な位置決めを実現し、また、ロックシリンダーにより固定・ロックされ、正確な位置関係が得られたら、後続の装置を組み立てて反転し、溶接マニピュレータの作業位置プログラムを作成するのに便利である。
4.本発明の鉄道車両アルミニウム型材の組み立て反転溶接工具は、型材の自動で正確な組み立てを実現でき、人力をキャンセルし、組み立て基準を減らし、組み立ての精度を向上させ、溶接により有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の一部を形成する明細書の図面は、本出願のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の例示的な実施例およびその説明は、本出願を説明するために使用され、本出願に対する制限を構成しない。
【0020】
【
図2】本発明の実施例1に係る鉄道車両本体側壁の製造工程のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例1による鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVの正面図。
【
図4】本発明の実施例1による自己位置決め装置Vが取り付けられた窓上部型材IV-2の分割図である。
【
図5】本発明の実施例1におけるアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIにおける昇降機構VII-1の不等角投影図である。
【
図6】本発明の実施例1におけるアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIにおける支持反転装置VII-2の半断面図である。
【
図7】本発明の実施例1に係る自動組み立て側壁型材装置VII-3および自己位置決めロック装置VII-4の不等角投影図である。
【
図8】本発明の実施例1の側壁形状支持鋼梁VII-3-1の設計中の幾何解析図である。
【
図9】本発明の実施例1による自己位置決めロック装置VII-4の部分分解図である。
【
図10】本発明の実施例1における自己位置決めロックベースVII-4-1の概略構造図である。
【
図11】本発明の実施例1における窓上部型材IV-2が取り付けられた自己位置決め装置Vの自己位置決めロック装置VII-4-1に配置する構造の概略図である。
【
図12】本発明の実施例1における2つの中空押し出しアルミニウム合金型材間に取り付けられた具体的な幾何学的な数値関係図である。
【
図13】本発明の実施例1の溶接カバー位置図である。
【
図14】本発明の実施例1における側壁型材の組立図である。
【
図15】本発明の実施例1における側壁型材の組立部分拡大図である。
【
図16】本発明の実施例1におけるアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIの不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は全体の概略図である。図面に示すように、主に鉄道車両アルミニウム型材自己位置決めハンドリング装置I、閉ループ研磨制御システムII、地面III、鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIV、自己位置決め装置V、アルミニウム型材の研磨、位置決め、クランプ工具VIおよびアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIを含む。
【0022】
図2は鉄道車両本体側壁の製造工程のフローチャートである。図面に示すように、側壁製造工程の第1のステップは、吊り上げ装置を使用して、材料ラックから開先が加工された中空押し出しアルミニウム合金型材をクランプしてアルミニウム型材研磨ステーションに吊り上げることであり、工程の第2のステップは、中空押し出しアルミニウム合金型材の開先に対して酸化皮膜の研磨処理することであり、工程の第3のステップは、吊り上げ装置を使用して、研磨が完了した中空押し出しアルミニウム合金型材を逆位置自動溶接ステーションに吊り上げ、型材を組み立て、自動的に溶接することであり、工程の第4のステップは、クレーン吊り上げ装置を使用して、逆位置自動溶接を完成した側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材グループを全体的に反転し、反転を完成してから、その全体を正位置自動溶接ステーションに吊り上げることであり、工程の第5のステップは、全体溶接が完成した側壁に対して平坦度検出を行うことである。
【0023】
上記は、従来の側壁製造工程フローであり、その中で、工程1では、従来のクレーン吊り上げには手動による支援が非常に必要である。工程2では、従来の研磨工具ではクランプ力が印加されず、手動研磨である。工程3では、従来の組み立て工程は、5つの中空押し出しアルミニウム合金型材を手動で組み立てることである。工程4では、側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材グループ全体を反転するとき、その反転プロセスでの取り付けと分解にも手動で参加する必要がある。したがって、次に説明する装置は、従来の工程での自動化度に対する改造である。
【0024】
図3は、鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVの正面図である。図面に示すように、鉄道車両の側壁は、主に、上側の梁型材IV-1、窓上部型材IV-2、窓間型材IV-3、窓下部型材IV-4および下側の梁型材IV-5を含む、断面が異なる5つの中空押し出しアルミニウム合金型材で構成され、これらの5つの型材の組み合わせにより、共に鉄道車両本体の側壁構造が構成される。
【0025】
図4は、自己位置決め装置Vが取り付けられた窓上部型材IV-2の分割図である。図面に示すように、長い中空押し出しアルミニウム合金型材の両側にそれぞれ自己位置決め装置Vが取り付けられる。両側の自己位置決め装置Vは、中空押し出しアルミニウム合金型材の長手方向(つまり、型材の長辺の方向)において同軸線であり、したがって、自己位置決め装置Vと窓上部型材IV-2の相対位置は固定され、間に明確な位置関係がある。鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVにおける他の4つの型材については、取り付け方法は同じであり、それらの間にも明確な位置関係がある。
【0026】
図5は、アルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIにおける昇降機構VII-1の不等角投影図である。図面に示すように、チェーンVII-1-1、上部スプロケットVII-1-2、下部スプロケットVII-1-3、ウォームギアとウォーム減速機VII-1-4、モーターVII-1-5および支持反転装置VII-2を含む。モーターVII-1-5は、カップリングを介してウォームギアとウォーム減速機VII-1-4の入力軸に接続される。モーターVII-1-5が回転すると、ウォームギアとウォーム減速機VII-1-4を介してトルク出力が増加し、トルクを2つの下部スプロケットVII-1-3に伝達する。下部スプロケットVII-1-3と上部スプロケットVII-1-2の間にチェーンVII-1-1を介してトルクを伝達し、支持反転装置VII-2はチェーンVII-1-1に接続される。したがって、チェーンVII-1-1の移動中に、チェーンVII-1-1に接続された支持反転装置VII-2は、上下の昇降を実現する。
【0027】
図6はアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIにおける支持反転装置VII-2の半断面図である。図面に示すように、モーターVII-2-1、モーターブラケットVII-2-2、段付軸VII-2-3、ハウジング板VII-2-4、中間板VII-2-5、太陽歯車VII-2-6、遊星歯車VII-2-7、大型歯車VII-2-8、ターンテーブルVII-2-9および支持反転接続部材VII-2-10を含む。モーターブラケットVII-2-2に取り付けられたモーターVII-2-1が回転すると、カップリングを介してトルクを段付軸VII-2-3に伝達し、段付軸VII-2-3はトルクを太陽歯車VII-2-6に伝達し、大型歯車VII-2-8は固定され、太陽歯車VII-2-6が回転すると、遊星歯車VII-2-7を駆動して円運動を行い、ターンテーブルVII-2-9の回転を実現し、支持反転接続部材VII-2-10を駆動して回転させる。ここで、120°の円周に合わせて3つの遊星歯車VII-2-7を配置し、装置を安定的に動作させ、力のバランスをとることを目的としている。
【0028】
図7は自動組み立て側壁型材装置VII-3および自己位置決めロック装置VII-4の不等角投影図である。図面に示すように、側壁形状の支持鋼梁VII-3-1、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2、固定ベースVII-3-3および自己位置決めロック装置VII-4を含む。ここで、1つの自動位置決めロック装置VII-4は固定ベースVII-3-3にネジで固定して取り付けられ、他の4つの自動位置決めロック装置VII-4はそれぞれロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2にネジで固定して取り付けられ、対応する図面において、
図7の左側から右側に向かって、4番目の自動位置決めロック装置VII-4が固定ベースVII-3-3に固定して取り付けられ、残りの4つの自動位置決めロック装置VII-4がそれぞれネジでロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2に固定して取り付けられる。このように設計する目的は次のとおりである。従来の型材の組み立てシーケンスは、順番に上側の梁型材IV-1、窓上部型材IV-2、窓間型材IV-3、窓下部型材IV-4、および下側の梁型材IV-5というシーケンスで組み立てられ、または、順番に下側の梁型材IV-5、窓下部型材IV-4、窓間型材IV-3、窓上部型材IV-2、上側の梁型材IV-1というシーケンスで組み立てられる。これらの2つの取り付けシーケンスは、すべて一端の型材を固定してから、順番に組み立てることであり、このように、各型材の組み立て基準をすべて変更する必要があり、組み立て基準を4回変更する必要があり、組み立てに誤差がある場合、誤差もこれにより累積される。中央の型材を固定として選択すると、該型材の両側をすべて組み立て基準として使用できるため、組み立て基準の変化量が少なくなり、3回だけ変更する必要があり、組み立ての精度が向上する。
【0029】
図8は、設計時に側壁形状の支持鋼梁VII-3-1の幾何学的解析図である。図面に示すように、鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVの横断面形状から、上側の梁型材IV-1および窓下部型材IV-4は曲面型材であり、窓上部型材IV-2、窓間型材IV-3および下側の梁型材IV-5は平面型材であることがわかる(
図3参照)。5つの曲面型材の配置位置および5つの型材上の自己位置決め装置Vの配置位置に従って、自己位置決め装置Vの外部ハウジングV-1のロック穴V-1-3からLの位置で、該自己位置決め装置Vの外部ハウジングV-1の自己位置決めヘッドV-1-2に垂直である直線にして、作成された3本の直線を交差する場合、交差角度はそれぞれαとβであり、そして、3本の直線の形状に合わせて、側壁形状の支持鋼梁VII-3-1の幾何学的形状を設計する(
図8参照)。
【0030】
図9は、自己位置決めロック装置VII-4の部分分解図である。図面に示すように、自己位置決めロックベースVII-4-1、内六角皿頭ネジVII-4-2、ロックシリンダー接続板VII-4-3、内六角皿頭ネジVII-4-4およびロックシリンダーVII-4-5を含む。ここで、自己位置決めロックベースVII-4-1の内部組み立て部品と組み立て方法は、自己位置決め装置Vの内部組み立て部品と組み立て方法と完全に同じである。その具体的な構造は
図10および11を参照し、ロックシリンダー接続板VII-4-3とロックシリンダーVII-4-5を内六角皿頭ネジVII-4-2で固定して接続し、次にロックシリンダー接続板VII-4-3を自己位置決めロックベースVII-4-1に内六角皿頭ネジVII-4-4で固定して取り付ける。自己位置決め装置Vを自己位置決めロック装置VII-4に配置すると、自己位置決め装置Vのロック穴と自己位置決めロック装置VII-4のベースロック穴が同軸位置にあり、このとき、ロックシリンダーVII-4-5が作動し、シリンダーピストンをベースロック穴とロック穴(ロック穴V-1-3)に挿入し、位置のロックを実現する。
【0031】
図10に示すように、自己位置決めロックベースVII-4-1には、自己位置決めロックベース外部ハウジングVII-4-1-1、2つの自己位置決めサポートVII-4-1-2、およびいくつかのローラーVII-4-1-3が含まれる。ローラーVII-4-1-3を自己位置決めサポートVII-4-1-2の作業面に取り付け、次に2つの自己位置決めサポートVII-4-1-2をそれぞれ自己位置決めロックベース外部ハウジングVII-4-1-1の内壁の両側に取り付ける。
図11に示すように、自己位置決め装置Vが取り付けられた窓上部型材IV-2は、自己位置決めロック装置VII-4に取り付けられ、自己位置決めロック装置VII-4のロックシリンダーVII-4-5から伸びるピストンVII-4-5-1によって二部構造の上下のロックと固定を実行する。
【0032】
図12、
図13は、それぞれ2つの中空押し出しアルミニウム合金型材間に取り付けられた具体的な幾何学的数値関係図と溶接カバー位置図である。
図12に示すように、型材間の溶接シームの形態はV字型の溶接シームであり、2つの開先間の角度は2θであり、溶接シーム間の水平距離は0-kの間に保つ必要があり、垂直方向は完全に接触し、距離は0である。決定された幾何学的関係が維持されると、
図13に従って溶接位置とカバレッジサイズを確認できる。良好な溶接カバー位置を確保するには、型材の取り付け時に非常に正確である必要があり、
図12の幾何学的な数値関係を満たした後にのみ溶接を実行できる。
【0033】
図14、
図15は、側壁型材組み立ての図面と側壁型材組み立ての部分拡大図である。
図14に示すように、自己位置決め装置Vが取り付けられた中空押し出しアルミニウム合金型材を自己位置決めロック装置VII-4に配置したら、ロックし、次に、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の正確な動きにより、型材溶接開先での組み立ての幾何学的関係を制御する。具体的な取り付け順番は以下のとおりである。まず、自己位置決め装置Vが取り付けられた窓下部型材IV-4を、固定ベースVII-3-3の自己位置決めロック装置VII-4に配置し、この位置は完全に固定されており、明確な位置関係があり、次に、自己位置決め装置Vが取り付けられた下側の梁型材IV-5をロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の自己位置決めロック装置VII-4に配置し、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の位置を正確に調整し、下側の梁型材IV-5と窓下部型材IV-4の組み立てを実現し、続いて、自己位置決め装置Vが取り付けられた窓間型材IV-3をロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の自己位置決めロック装置VII-4に配置し、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の位置を正確に調整し、窓間型材IV-3と窓下部型材IV-4の組み立てを実現し、続いて、自己位置決め装置Vが取り付けられた窓上部型材IV-2をロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の自己位置決めロック装置VII-4に配置し、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の位置を正確に調整し、窓上部型材IV-2と窓間型材IV-3の組み立てを実現し、最後に、自己位置決め装置Vが取り付けられた上側の梁型材IV-1をロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の自己位置決めロック装置VII-4に配置し、ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2の位置を正確に調整し、上側の梁型材IV-1と窓上部型材IV-2の組み立てを実現する。窓下部型材IV-4は特定の位置にあるため、窓間型材IV-3および下側の梁型材IV-5の組み立て基準は、すべて窓下部型材IV-4の自己位置決め装置Vの中心面であり、窓上部型材IV-2の組み立て基準は、窓間型材IV-3の自己位置決め装置Vの中心面であり、上側の梁型材IV-1の組み立て基準は、窓上部型材IV-2の自己位置決め装置Vの中心面であり、したがって、5つの中空押し出しアルミニウム合金型材を正確に位置決めすることを完成でき、これにより、後続のガントリー溶接ロボットアームの位置関係をプログラムすると便利である。
【0034】
図16はアルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIの不等角投影図である。図面に示すように、昇降機構VII-1は、鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVの昇降を担当し、なぜなら、従来の溶接工具には、逆位置自動溶接ステーションと正位置自動溶接ステーションが必要であり、支持反転装置VII-2は、鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIVの反転を実現し、1つのステーションでの正逆溶接を実現する役割を果たし、自動組み立て側壁型材装置VII-3は5つの型材の自動で正確な組み立てを実現し、自己位置決めロック装置VII-4は、反転する時、型材が落下せず、位置が固定されることを実現するために使用される。同時に、型材の縦方向のスパンが大きいため、アルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VIIの間に補助支持機構を設置する必要があり、既存の補助支持機構はすでにその要件を満たすことができるため、この特許では説明しない。
【符号の説明】
【0035】
鉄道車両アルミニウム型材自己位置決めハンドリング装置I
閉ループ研磨制御システムII
地面III
鉄道車両の側壁の中空押し出しアルミニウム合金型材の組み合わせIV
自己位置決め装置V
アルミニウム型材の研磨、位置決め、クランプ工具VI
アルミニウム型材の自動組み立ておよび溶接の正逆位置反転工具VII
上側の梁型材IV-1
窓上部型材IV-2
窓間型材IV-3
窓下部型材IV-4
下側の梁型材IV-5
チェーンVII-1-1
上部スプロケットVII-1-2
下部スプロケットVII-1-3
ウォームギアとウォーム減速機VII-1-4
モーターVII-1-5
支持反転装置VII-2
モーターVII-2-1
モーターブラケットVII-2-2
段付軸VII-2-3
ハウジング板VII-2-4
中間板VII-2-5
太陽歯車VII-2-6
遊星歯車VII-2-7
大型歯車VII-2-8
ターンテーブルVII-2-9
支持反転接続部材VII-2-10
側壁形状の支持鋼梁VII-3-1
ロッドレスシリンダーレールプラットフォームVII-3-2
固定ベースVII-3-3
自己位置決めロック装置VII-4
自己位置決めロックベースVII-4-1
内六角皿頭ネジVII-4-2
ロックシリンダー接続板VII-4-3
内六角皿頭ネジVII-4-4
ロックシリンダーVII-4-5