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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】睡眠呼吸障害の治療のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20240201BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A61M16/06 Z
A61M16/00 305A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019567496
(86)(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2018019226
(87)【国際公開番号】W WO2018156762
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】62/463,425
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519307908
【氏名又は名称】ソムニフィックス インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ミシャラク,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ミシャラク,アンドレ
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06 Z
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の睡眠呼吸障害を治療するためのシステムであって、
前記患者の両唇および/または顎を閉じた姿勢に維持するように構成された睡眠ストリップであって、
前記睡眠ストリップを前記患者の顔に対して接着するように構成された接着剤が設けられた前面と、
メッシュ層を第1層に対して接着するように構成された接着剤が設けられた背面と、
を含む、第1層であって、
前記前面及び前記背面を貫通して延在する開口を有し、前記開口が、前記睡眠ストリップが前記患者の前記顔に対して取り付けられた時に、前記患者の前記両唇の上方に位置付けられるように構成される、第1層と、
前記第1層の前記開口を覆う、前記背面に設けられた接着剤によって前記第1層に対して接着されたメッシュ層であって、前記メッシュ層がこれを通して空気が流れられるように構成される、メッシュ層と、を備える睡眠ストリップと、
睡眠セッション中の前記患者において安定的な呼吸パターンを促進するように構成されたデバイスと、を備える、システム。
【請求項2】
解放タブが前記第1層の周囲から延在し、かつ、前記睡眠セッションの終了後に、前記患者の前記顔からの前記睡眠ストリップの取り外しを容易にするように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記睡眠ストリップが、前記患者の前記両唇上へと着脱可能に固定されるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記睡眠ストリップが、前記患者の前記両唇上のみへと着脱可能に固定されるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記メッシュ層が、前記第1層の表面の全体にわたって延在する、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記デバイスが、持続的陽圧呼吸マシンである、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記デバイスが、下顎前方移動デバイスである、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記前面に設けられた前記接着剤が、前記開口の境界全体の周囲に配置される、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する特許出願との相互参照)
本出願は、2017年2月24日に提出した米国仮出願第62/463,425号に対する優先権を主張するものであり、該仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一部の人が軽度から重度の睡眠障害に罹患していることは、公知である。一部の人は、単に寝付くのが困難なだけであるか、あるいは、おそらくは眠り続けるのが困難なだけであるが、他の人は、一貫した健康的な呼吸パターンを維持することが困難である。睡眠時無呼吸に罹患している人は、10秒以上にわたって定期的に呼吸を停止することが知られており、場合によっては、無呼吸は、数分間にわたって続く可能性がある。これは、眠気、いら立ち、心臓血管系の欠陥および病気、および認知の欠陥および病気など、人にとっての様々な問題を引き起こす可能性がある。
【0003】
加えて、睡眠時無呼吸は、最初に検出するのが難しい可能性があることが公知であり、また効果的に治療するのが難しい可能性があることも公知である。多くの場合、睡眠時無呼吸を罹患している人は、夜間を通じて無呼吸を経験していることに気付いておらず、何が翌日の眠気を引き起こしているかに気付いていない。正式な睡眠の研究が実施されると、睡眠時無呼吸の診断を行うことができる。
【0004】
診断後の治療には、しばしばライフスタイルの変化、投薬、および行動療法が含まれる。加えて、場合によっては、持続的陽圧呼吸(continuous positive air pressure、CPAP)マシンを使用することができ、また睡眠中のより健康的な呼吸パターンを容易にし、かつ促進するためにスプリントが採用される。睡眠時無呼吸の別の一般的な治療方法は、口腔内装置療法(oral appliance therapy、OAT)であり、これは、気道の閉塞を防ぐ位置に顎を保持するために、下顎前方移動デバイス(mandibular advancement device、MAD)を使用する。
【0005】
CPAPマシンまたはMADの使用を伴うこれらのアプローチは、追加的な構成要素または追加的なデバイスと組み合わせて使用する必要なく、これらを単独で使用するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8991399号明細書
【文献】米国特許第9795175号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鼻道を通しての呼吸を促進する目的のために、また、睡眠時無呼吸または関連する睡眠障害の治療および予防を支援する目的のために、睡眠障害を有すると診断された患者などのユーザまたは患者の顔の両唇および/または顎を、リラックスし、かつ閉じた姿勢に外部から維持する能力を有するデバイスに対するニーズがある。このようなデバイスは、以前のアプローチにおける欠点を修正することによってこれらの治療のうちのいくつか、特にCPAP治療およびMAD治療の効率を向上させることになる。
【0008】
本開示は、睡眠中に人が装着するよう設計された睡眠ストリップ(例えば、顔面睡眠ストリップ)と、睡眠呼吸障害(sleep-disordered breathing、SDB)を治療するためのデバイスと、の組合せに関するものである。より詳細には、本開示は、ユーザまたは患者の口および両唇を覆うように構成された睡眠ストリップと、ユーザまたは患者の鼻道内へと加圧空気を連続的に吹き込むように構成された持続的気道陽圧デバイス、またはユーザまたは患者の顎を所定位置に保持するように構成された下顎前方移動デバイスと、の組合せに関するものである。本開示の目的は、特に睡眠時無呼吸またはいびきを誘発する呼吸パターンを防止し、かつユーザまたは患者の気道が潰れないことを確実にすることによって、ユーザまたは患者の健康的な呼吸パターンを確保し、これによりユーザまたは患者が確実に鼻道を通して呼吸することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下においては、本開示の基本的な理解を提供するために、本開示の様々な態様の一般的な概要を提示する。この概要は、本開示の広範な概観ではなく、また本開示の主要または重要な要素を特定することを意図したもの、または本開示の範囲を詳述することを意図したものでもない。以下の概要は、以下に提供されるものより、より詳細な説明の前置きとして、一般的な形態で本開示のいくつかの概念を単に提示するものである。
【0010】
本開示は、ユーザまたは患者の舌および顎が睡眠中に弛緩し、かつこれにより呼吸の停止を引き起こさないように、ユーザまたは患者の口を自然に閉じた位置に保持するように構成された睡眠ストリップと、CPAPマシンまたはMADと、の組合せに関する。睡眠ストリップは、睡眠ストリップがユーザまたは患者の顔(例えば、ユーザまたは患者の、両頬、両唇、および/または、顎)に対して確実にかつ一時的に貼り付けられるように、紙のように薄く、穴が開けられたシリコーンまたは布(例えば、ポリエステル)製のメッシュ層に対して貼り付けられた低刺激性の接着剤を含む。本開示による睡眠ストリップは、CPAPマシンまたはMADによって支援されている間にユーザまたは患者が鼻道および鼻孔を通して呼吸できるように、ユーザまたは患者の両唇を閉じた状態に保持するように構成される。睡眠「マスク」は、特許文献1および特許文献2に開示されており、これらの開示内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0011】
睡眠ストリップは、開口を有した第1層を含み、開口は、睡眠ストリップの使用中にユーザまたは患者の1つまたは複数の鼻道が閉塞し、ユーザまたは患者が経口で呼吸せざるを得なくなった場合に、口呼吸のための代替的なチャネルを提供するように構成される。開口は、第1層上の場所に配置されており、睡眠ストリップの使用中にユーザまたは患者の口を横切って、またはすぐ上にあるように構成される。睡眠ストリップは、また、透過性メッシュ層も含み、これは透過性メッシュ層が第1層の表面の少なくとも一部分を覆うように、かつ第1層の開口を覆うように、第1層を横切って配置されたメッシュを含む。
【0012】
睡眠ストリップは、ユーザまたは患者の顔の形状に適合するように構成され、また使用中ユーザまたは患者の口を横切って半固定シールを提供する。シールは完全に気密である必要はないが、睡眠中ユーザまたは患者の口への何らかの制限は、本人の呼吸のための口の使用の低減の補助となることとなる。
【0013】
睡眠ストリップがユーザまたは患者の顔に対して適切に位置付けられ、かつ貼り付けられたときには、ユーザまたは患者の呼吸は誘導され、したがって、口を通してではなく、ユーザまたは患者の鼻道を通して流れることが促進される。この呼吸法を通して、ユーザまたは患者は、例えば睡眠時無呼吸などの睡眠障害に罹患する可能性が低くなる。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態において、患者の睡眠呼吸障害を治療するための方法は、睡眠前に、患者の顔上に睡眠ストリップを定置することであって、睡眠ストリップが、患者の両唇および/または顎を閉じた姿勢に維持するように構成され、また睡眠ストリップを患者の顔に貼り付けるように構成された接着剤を備える第1層を睡眠ストリップに含み、第1層がそれを貫通して延在する開口を有し、開口が患者の両唇の上方に位置付けられ、かつメッシュ層が少なくとも第1層の開口を覆い、メッシュ層がこれを通して空気を流せるように構成される、定置することと、安定的な呼吸パターンを促進するように構成されたデバイスを、患者の顔上または口腔内に配置することと、を含む。
【0015】
一態様によれば、方法は、睡眠時無呼吸を治療するためのものであり、デバイスは、持続的陽圧呼吸マシンである。
【0016】
一態様によれば、方法は、睡眠時無呼吸を治療するためのものであり、デバイスは、下顎前方移動デバイスである。
【0017】
一態様によれば、方法は、いびきを治療するためのものであり、デバイスは、持続的陽圧呼吸マシンである。
【0018】
一態様によれば、方法は、いびきを治療するためのものであり、デバイスは、下顎前方移動デバイスである。
【0019】
一態様によれば、睡眠ストリップは、患者の両唇上のみに対して着脱可能に固定される。
【0020】
一態様によれば、メッシュ層は、第1層の前側の全体にわたって延在する。
【0021】
一態様によれば、メッシュ層は、第1層の開口を横切ってのみ位置付けられる。
【0022】
一態様によれば、接着剤は、開口の境界全体の周囲に位置付けられる。
【0023】
一態様によれば、デバイスは、睡眠ストリップの少なくとも一部分を横切って患者の顔上に配置された持続的陽圧呼吸マシンである。
【0024】
一態様によれば、デバイスは、睡眠ストリップの下で患者の顔上に配置された下顎前方移動デバイスである。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態においては、患者の睡眠呼吸障害を治療するためのシステムは、患者の睡眠呼吸障害を治療するためのシステムを含み、このシステムは、患者の両唇および/または顎を閉じた姿勢に維持するように構成された睡眠ストリップであって、睡眠ストリップが、睡眠ストリップを患者の顔に対して貼り付けるように構成された接着剤を備える第1層を備え、この第1層がこれを通して延在する開口を有し、この開口は、睡眠ストリップが患者の顔に対して貼り付けられた時に、患者の両唇上に位置付けられるように構成される第1層と、第1層のうちの少なくとも開口を覆うメッシュ層であって、これを通して空気を流せるように構成されるメッシュ層と、を含む睡眠ストリップと、睡眠セッション中に患者において安定的な呼吸パターンを促進するように構成されたデバイスと、を含む。
【0026】
一態様によれば、睡眠ストリップはまた、睡眠セッションの終了後に、患者の顔からの睡眠ストリップの取り外しを容易にするように構成された解放タブも含む。
【0027】
一態様によれば、睡眠ストリップは、患者の両唇上へと着脱可能に固定されるように構成される。
【0028】
一態様によれば、睡眠ストリップは、患者の両唇上のみへと着脱可能に固定されるように構成される。
【0029】
一態様によれば、メッシュ層は、第1層の表面の全体にわたって延在する。
【0030】
一態様によれば、メッシュ層は、第1層の開口を横切ってのみ位置付けられる。
【0031】
一態様によれば、デバイスは、持続的陽圧呼吸マシンである。
【0032】
一態様によれば、デバイスは、下顎前方移動デバイスである。
【0033】
一態様によれば、接着剤は、開口の境界全体の周囲に位置付けられる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、患者の睡眠時無呼吸を治療するための方法が開示される。この方法は、睡眠前に、睡眠時無呼吸を有すると診断された患者の顔上に睡眠ストリップを含む第1デバイスを定置するステップと、患者に関連した睡眠時無呼吸を治療するように構成された第2デバイスを配置するステップと、患者において安定的な呼吸パターンを維持するステップと、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、患者のいびきを治療するための方法が開示される。この方法は、睡眠前に、いびきを有すると診断された患者の顔上に睡眠ストリップを含む第1デバイスを定置するステップと、患者に関連したいびきを治療するように構成された第2デバイスを配置するステップと、患者において安定的な呼吸パターンを維持するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A図1Aは、ユーザの両唇が閉じた位置にある間の、ユーザの口腔内におけるMADの側面図である。
図1B図1Bは、ユーザの両唇が開いた位置にある間の、ユーザの口腔内におけるMADの側面図である。
図1C図1Cは、ユーザの両唇が開いた位置にある間の、ユーザの口腔内におけるMADの側方斜視図である。
図2A図2Aは、ユーザの顔上の鼻マスクCPAPマシンを示す側方斜視図である。
図2B図2Bは、ユーザの顔上の鼻枕CPAPマシンを示す前方斜視図である。
図2C図2Cは、ユーザの顔上のフルフェイスマスクCPAPマシンを示す側方斜視図である。
図3図3は、例示的な一実施形態による睡眠ストリップの前方斜視図である。
図4図4は、図3に示す睡眠ストリップの背側の分解組立図である。
図5図5は、図3に示す睡眠ストリップの前側の分解組立図である。
図6図6は、一態様による睡眠ストリップの背面の斜視図である。
図7図7は、別の態様による睡眠ストリップの背面の斜視図である。
図8図8は、代替的な実施形態による睡眠ストリップの後方斜視図である。
図9図9は、別の代替的な実施形態による睡眠ストリップを示す後方斜視図である。
図10A図10Aは、鼻マスクCPAPマシンおよび睡眠ストリップを含む、睡眠呼吸障害を治療するためのシステムの側方斜視図である。
図10B図10Bは、MADおよび睡眠ストリップを含む、睡眠呼吸障害を治療するためのシステムの側方斜視図である。
図11図11は、患者の睡眠時無呼吸を治療するための方法を図示するフローチャートである。
図12図12は、患者のいびきを治療するための方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示によるシステムおよび方法は、実施形態が数多くの様々な形態をとる能力を有し、かつ図面に図示され、本明細書に詳細に説明されることになり、ある一定の実施形態は、本開示が本発明の原理の例示であると考えられ、かつ本発明の広範な態様を図示され説明された実施形態に限定することを意図しないことが理解される。
【0038】
全体的に図面を参照すると、本開示は、閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea、OSA)および/またはいびきなどの睡眠障害を治療するための、図10A図10Bに示すシステム100のようなシステムに関するものである。システム100は、睡眠中に、第2デバイスと組み合わせてユーザまたは患者の顔上に装着されるように構成された睡眠ストリップを含む第1デバイスを含み、第2デバイスはOSAまたは関連する睡眠障害に関係した様々な現象のうちのいくつかを治療するのに適し、これにより第2デバイスの動作の任意の欠点を、実質的に修正する。いくつかの例においては、第2デバイスはCPAPマシンである。いくつかの追加的な例においては、第2デバイスはMADである。様々な例示的な実施形態が以下で説明される。
【0039】
図1A図1Cに示すように、MAD16は、ユーザまたは患者10の睡眠中、ユーザまたは患者10の口腔内へとMAD16を挿入して、ユーザまたは患者の口腔内においてMAD16を保持することにより、いびきおよびOSAを治療するように構成された口腔内装置である。MAD16は、一般的に、硬質アクリル材料から作製されるが、場合によっては、MAD16は、より柔らかい材料で作製される。MAD16は、特定のユーザまたは患者の上下の歯および/または上下の顎に適合するようにカスタマイズ可能であり、そして睡眠中ユーザまたは患者の気道が開放されたままになるよう、ユーザまたは患者10の下顎をその自然な位置からわずかに前方に保持するように構成される。
【0040】
MAD16は、様々な材料で作製されてもよく、またユーザまたは患者の口腔内における様々な場所に配置されるように構成されてもよい。例えば、PM Positioner(登録商標)は、アクリル材料から形成され、かつユーザまたは患者がデバイスを装着したとき、ユーザまたは患者の大臼歯の近傍において、デバイスの頬側上に配置される調節機構を有する。別の例として、SomnoDent(登録商標)SUAD(登録商標)は、金属の骨組みによって補強されたアクリル材料から形成され、かつ2つの弾性バンドを含む調節機構を有し、この調節機構は、睡眠中にユーザまたは患者の顎が意図せずに開かないように保持する。別の例として、SomnoDent(登録商標)MASデバイスは、アクリル材料から形成され、かつ上部の両側の凹状のネジ機構と、デバイスを所定の位置に保持するボールクラスプと、を有している。別の例として、EMA(登録商標)(Elastic Mandibular Advancement)デバイスは、プラスチック材料から形成され、また上部部分と、デバイスの両サイドにおいてゴム製ストラップによって上部部分に対して連結された下部部分と、を有し、異なるサイズのストラップを使用することにより、使用中にデバイスを異なるように位置し得る。別の例として、TAP(登録商標)(Thornton Adjustable Positioner)は、コバルト-クロム製の金具によって補強されたニッケルを含まず、かつアレルゲンを含まない材料から形成されたデバイスであり、上部トレイと下部トレイとを一緒に保持する、フックとソケットとからなる機構を有し、デバイスの位置は調節可能である。別の例として、Herbst Applianceは、アクリル製で、熱活性で、かつ柔らかい材料から形成され、かつユーザまたは患者の顎を前進させるためのポストとスリーブとからなる機構と、垂直方向の開度を調節可能とするようなボールとフックとからなる機構と、を有する。
【0041】
しかしながら、ユーザまたは患者10の舌13が、口蓋に対して密閉される状態になっていない場合には、MAD16は、効果的ではない。ユーザまたは患者10はMAD16を装着した上で口を自然に閉じることはしばしば困難であるので、ユーザまたは患者は、しばしば唇の不全を経験する。唇の不全は、口呼吸パターンを引き起こし、これにより、ユーザまたは患者の舌13と口蓋との間の密閉が失われてしまう。密閉が失われると、舌13が気道内へと戻り、図1Bに示すように、閉塞された気道がいびきおよび睡眠時無呼吸をもたらす。
【0042】
図1Aにおいては、MAD16は、ユーザまたは患者10の両唇12が閉じた位置にある、ユーザまたは患者10の口腔内の所定位置が示されている。ユーザまたは患者10の舌13は、ユーザまたは患者10の口腔内の位置(例えば、舌13が口蓋に対して押し付けられている)にあり、これにより、ユーザまたは患者の気道14は、開放されたままであり、ユーザまたは患者10は鼻孔11を通して呼吸することができる。図1B図1Cは、ユーザまたは患者10の両唇12が開いた位置にある、ユーザまたは患者10の口腔内の所定位置にあるMAD16を示している。ユーザまたは患者10は、MAD16を装着した上で両唇12を自然に閉じることが困難であり、このため、ユーザまたは患者10は、MAD16を使用している間は、唇の能力を維持するのが困難である。両唇12が開いた位置にあると、舌13は、気道14へと逆戻りし、これにより、気道14の下部15を塞ぐようになり、ユーザまたは患者が鼻孔11を通して安定的な呼吸パターンを維持することを困難にする、あるいは不可能にする。この結果として、いびきおよび/またはOSAが発生する、あるいは、関連する睡眠障害が発生する。したがって、MAD16の使用中に、ユーザまたは患者10が両唇12を開くと、舌13の逆戻り、そしてそれに続くユーザまたは患者10の気道の閉塞により、いびきまたは睡眠時無呼吸をもたらす場合がある。MAD16を使用する患者に、いびきまたは睡眠時無呼吸をユーザまたは患者10に対して知らせることができる人がいない場合には、ユーザまたは患者10は、睡眠不足に気付かないことになる。
【0043】
ここで図2A図2Cを参照すると、CPAPマシンは、ユーザまたは患者10の気道14(図1A図1Cに示す)が潰れたり閉塞したりしないことを確保するために、ユーザまたは患者10の鼻道内へと加圧空気を連続的に吹き込む。特定の患者の気道の潰されやすさの程度に応じて、CPAPマシンは、様々な量の加圧空気を送達してもよく、例えば、気道の潰されやすさが比較的深刻な患者は、気道の潰されやすさが比較的小さい患者が有するより大きい加圧を有することになる。加圧空気の量は、睡眠ポリグラフ検査(polysomnography、PSG)中に、気道14が開通したままになるまで、すなわち開いていて、かつ遮るものがないままになるまで、用量設定される。
【0044】
CPAPマシンには、3つの異なるアプローチがある。第1に、鼻のみを覆うように構成された鼻マスクCPAPマシン21(図2Aに示す)などの鼻マスクを使用してもよい。鼻マスク21は、三角形状のものであり、またシリコーン製のクッションを有する。鼻マスク21は、高圧空気の送達には望ましいが、口呼吸者、または温度誘発性アレルギーを有する者には効果的ではない。3つのアプローチの中では、鼻マスク21は、CPAPマシンに対する最も一般的な選択肢である。
【0045】
第2に、ユーザまたは患者10の鼻孔内へと直接的に適合するように構成されたプラスチック製インサートである、鼻枕CPAPマシン22(図2Bに示す)などの鼻枕を使用してもよい。鼻枕22は、最適な密封を生成し、そのため、比較的より低い圧力の送達のためには望ましい。鼻枕22は、口呼吸者には効果がなく、極端な鼻の乾燥および/または圧力瘡を引き起こす可能性がある。
【0046】
第3に、フルフェイスマスクCPAPマシン23(図2Cに示す)などのフルフェイスマスクを使用してもよい。フルフェイスマスク23は、現在のところ、口呼吸者に関して最良の選択肢である。しかしながら、フルフェイスマスク23は動きを制限し、ユーザまたは患者が眠っているときに望ましい呼吸パターンを維持するうえで効果的に動作するために、鼻マスク21または鼻枕22のいずれより非常に高い空気圧レベルを必要とする。フルフェイスマスクを使用する患者については、コンプライアンスが低い。
【0047】
ユーザまたは患者10が、鼻マスク21、鼻枕22、またはフルフェイスマスク23などのCPAPマシンを使用する場合に、CPAPマシンがユーザまたは患者の気道を開通状態に保っていないとき、ユーザまたは患者の鼻または口からの空気の漏れがユーザまたは患者を目覚めさせる傾向があるので、ユーザまたは患者10は気付く。具体的には、鼻マスクのユーザの場合、口を開くと、加圧空気がユーザまたは患者の鼻に入り、そして口から出る。顕著な乱流が、ユーザまたは患者10を目覚めさせることになり、そしてユーザまたは患者10に口を閉じさせて、気道内に加圧空気を受け取り続ける。あるいは、ユーザまたは患者10は、鼻マスク21、鼻枕22、またはフルフェイスマスク23を完全に取り外してしまう場合があり、この場合には、CPAPマシンによる治療は、無意味なものとなる。
【0048】
図10A図10Bに示すように、システム100は、また、睡眠ストリップ40も含む。図3図5を参照すると最も良好に理解することができるように、睡眠ストリップ40は、睡眠中にユーザまたは患者の顔上に装着されるように構成されたデバイスである。例えば、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の口および/または両唇に対して固定可能に、かつ/または着脱可能に取り付け可能になるように構成されたデバイスである。一例においては、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の両唇のみに対して、固定可能に、かつ/または着脱可能に取り付け可能になるように構成される。特定の一例によれば、睡眠ストリップ40は、例えばユーザまたは患者の上唇の赤唇または下唇の赤唇などの、ユーザまたは患者の両唇の少なくとも一部分に対して固定可能に、かつ/または着脱可能に取り付け可能になるように構成される。追加的な例としては、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の両唇または口の外側部分のみに対して固定可能に取り付け可能になるように構成される。追加的な例として、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の両唇または口の内側部分および/または外側部分に対して固定可能に、かつ/または着脱可能に取り付け可能になるように構成される。別の特定の例によれば、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の上唇および下唇を横切って、上唇および下唇の下方に、および/または上唇および下唇の周囲に、固定可能に取り付け可能になるように構成される。一例においては、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の上唇および下唇と、ユーザまたは患者の上唇および下唇の縁部を約2mmだけ超えたユーザまたは患者の顔の領域と、の双方に対して、固定可能に取り付け可能になるように構成される。
【0049】
引き続き図3図5を参照すると、睡眠ストリップ40は、接着剤を含む第1層41を含む。第1層41は、前面42と背面44とを有する。いくつかの態様においては、睡眠ストリップ40は可撓性材料から形成され、そのため機械的応力が印加され、そしてその後引き続いてこれが第1層41から除去されたときに睡眠ストリップ40は塑性応答を示す(例えば、応力が除去されたときに、メッシュ層45は、以下で説明するように、その元の形状および/または向きに戻る)。睡眠ストリップ40の第1層41は、ユーザまたは患者が睡眠ストリップ40を着用している時に上下の唇が離れないように、ユーザまたは患者の両唇が確実に所定位置に保持されるように構成される。
【0050】
第1層41の前面42は、ユーザまたは患者の口または顎に対して外部応力を印加することなく睡眠ストリップ40がユーザまたは患者の両唇、口、および/または両顎の上に快適に適合するよう、ユーザまたは患者の顔に対して接着するように構成される。第1層41の背面44は、メッシュ層45に対して接着するように構成される(以下においてより詳細に説明する)。口呼吸はユーザまたは患者がいびきをかきやすく、かつ/または無呼吸になりやすくするので、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者が睡眠中、口呼吸に完全に依存しないことを確実にするように構成される。
【0051】
睡眠ストリップ40の第1層41の前面42には、接着性物質が設けられ、この接着性物質は、睡眠ストリップ40を皮膚に対して一時的に結合するために十分に強力であるものの、皮膚を刺激せず、または皮膚に粘着性残留物を残さない。一態様によれば、接着剤は、図6に示すように、前面42の表面全体を覆う。別の態様によれば、接着剤は、図7において接着剤ストリップ51,52として示すように、前面42の一部分だけを覆う。接着剤ストリップ51,52の形状は、任意の適切な形状である。一例においては、接着剤は、透明である。別の例においては、ユーザまたは患者が睡眠ストリップ40の第1層41とメッシュ層45とを識別するのを容易にするために、接着剤はわずかに着色される。一態様によれば、接着剤は、ユーザまたは患者が発汗し始めた場合でも、所定位置にとどまる能力を有する。加えて、別の態様によれば、睡眠ストリップの接着剤は、非毒性である。接着剤の非毒性は、睡眠ストリップ40がユーザまたは患者の両唇および/または口に適用された時に、それによって毒性物質がユーザまたは患者の両唇上へと、かつ/または口腔内へと導入されないことを確実にする。睡眠ストリップ40の接着剤は、睡眠ストリップ40をユーザまたは患者の上唇および下唇へと、また顎へと固定するように構成される。一例として、睡眠ストリップ40の接着剤は、開口43のすぐ上方および下方に置かれ、例えば、接着剤は、開口43の境界全体の周囲に置かれる。別の特定の例として、接着剤は、睡眠ストリップ40を、ユーザまたは患者の両唇の上唇の赤唇および下唇の赤唇のうちの少なくとも一方に対して固定可能に取り付けるように構成される。
【0052】
第1層41は、睡眠ストリップ40を通して空気を通過させられるように構成された少なくとも1つの開口(例えば、透過部)43を有する。開口43は、また、ユーザまたは患者が非効率的な口呼吸パターンを行うことを阻止するようにも構成される。しかしながら、開口43のサイズおよび/または数は、ユーザまたは患者が無意識に口呼吸を行えるほど大きくない、または多くないことが望ましい。いくつかの態様においては、開口43は、睡眠ストリップ40上において、睡眠ストリップがユーザまたは患者に装着された際に、開口43がユーザまたは患者の両唇のすぐ上、および/または両唇の周囲に直接的に置かれるような構成で、位置決めされる。いくつかの態様においては、開口43は、第1層41上の中央位置に位置決めされる。
【0053】
患者の鼻腔(すなわち、2つの鼻孔)の入口ポイントおよび出口ポイントは、一般的には、350平方ミリメートルの面積を有しており、人間は、鼻呼吸する際には、一般に1つの鼻孔を使用する。2つの鼻孔のサイズが比較的小さいことは、空気がリサイクルされる際に、CO-O交換の最適化を補助し、最大限のOを抽出するためのより長い時間を可能にする。他方、口腔の入口ポイントおよび出口ポイント(すなわち、口)は、著しくより大きい。人が口呼吸するときには、人は、呼気時に呼吸気道内のすべての空気を吐き出すことにより、気道の潰れやすさを悪化させ、保持されるOの量を低減させる場合がある。
【0054】
開口43は、鼻呼吸が不可能になった場合に、口呼吸を可能にする。開口43は、ユーザまたは患者の鼻孔面積、鼻腔、および/または口腔に対して適合するように構成される。開口43は、鼻孔を模倣してもよい。、この場合、メッシュ層45が、フィルタとして機能し、開口43の小さなサイズは、完全な経口呼気を排除するための逆止弁として機能し、これにより、CO-O交換を改善することができる。開口43は、鼻呼吸を促進するよう、意図的に小さなものとされている。鼻が完全に詰まっており、口呼吸が困難な場合には、ユーザまたは患者または別の人は、ユーザまたは患者の顔から睡眠ストリップを取り外し得る。この取り外し能力は、血液中に過剰なレベルのCOが存在する場合に発生する高炭酸ガス血症の可能性を低減または防止する。
【0055】
空気が通過するための制限されたチャネルを提供するために開口43が存在する。開口43は、一例によれば、約125平方ミリメートル以下の断面積を有し、また任意の適切な幾何形状を有してもよい。例えば、開口43は、正方形の断面形状を有してもよい。追加的な例として、開口43は、長方形の断面形状を有してもよい。別の例として、開口43は、円形の断面形状を有してもよい。さらに別の例として、開口43は、図3図5に示すように、やや楕円形の断面形状を有してもよい。開口43がメッシュ層45によって覆われているため、睡眠ストリップ40は、ユーザまたは患者の鼻道が詰まり経口での代替的な呼吸が必要になった場合に、空気のための制限された代替的な通路を提供するように構成される。いくつかの態様においては、開口43の寸法(横向きになっている)は、約2.5~約5ミリメートルの高さ、および約12.5~約19ミリメートルの幅である。いくつかの態様においては、開口は、約3ミリメートルの高さ、および約16ミリメートルの幅を有する。いくつかの態様においては、開口の大きさは、約50平方ミリメートルである。
【0056】
一例によれば、睡眠ストリップ40の第1層41は、第1層41(例えば、第1層41の前面42上の接着剤)を使用する時まで清潔にかつ無菌に保持するために、一片のワックス紙などの接着性裏当て材料で覆われている。同様に、例えばより小さい口またはより小さい顔に適合したサイズのものなどのいくつかの例示的な実施形態においては、睡眠ストリップ40の接着剤はまた、開口43を包囲または接触してもよく、あるいは睡眠ストリップ40の開口43の位置に極めて接近していてもよい。第1層41の接着剤はまた、粘着性の残留物をほとんど残さない、またはまったく残さないように構成され、また睡眠セッションの持続時間の間、持ちこたえるようにユーザまたは患者の顔上において安定的な位置を保持する能力を有する。
【0057】
図3図5に戻って参照すると、睡眠ストリップ40はまた、メッシュ層45も含む。メッシュ層45は、紙のように薄い布、シリコーン製シート、織布紙、あるいは同様の柔らかい材料から形成される。一例として、メッシュ層45は、ポリエステルで形成される。メッシュ層45は、第1層41の背面44と接触して配置される。メッシュ層45は、伸縮可能であるように構成されているものの、引き伸ばされたときに破れたり穴が開いたりしないように十分な強度を有したものである。メッシュ層45はまた、メッシュ層45が空気をユーザまたは患者へと到達させる代替的な通路を提供するように通気性となるように構成され、これにより緊急時には(例えば、ユーザまたは患者の鼻腔が詰まり、鼻呼吸が困難または不可能になったとき)、ユーザまたは患者による口呼吸を可能にする。いくつかの態様によれば、メッシュ層45は、開口43を含めて、第1層41の背面44の全体にわたって延在する。他の態様によれば、メッシュ層45は、開口43はメッシュ層45を含むものの、メッシュ層45は睡眠ストリップ40の第1層41の背面44の全体にわたって延在しないように、睡眠ストリップ40の開口43内にのみ配置される。
【0058】
引き続き図3図5を参照すると、いくつかの実施形態においては、睡眠ストリップ40は、メッシュ層45に対して連結された少なくとも1つの解放タブ46を含む。図3図5に示すように、睡眠ストリップ40は2つの解放タブ46を含むが、睡眠ストリップ40はこの特定の実施態様に限定されない。解放タブ46は、例えば、メッシュ層45の左側または右側に配置され、あるいはメッシュ層45の左側と右側との両方に配置され、また接着剤を有しない。解放タブ46は、睡眠セッションの終了後に、ユーザまたは患者の顔からの睡眠ストリップ40の取り外しを容易にするように設計される。解放タブ46を使用するためには、ユーザまたは患者は、解放タブ46を単に引っ張ってユーザまたは患者の顔から外し、かつ離して、睡眠ストリップ40をユーザまたは患者の顔から素早くかつ容易に剥がすことができる。
【0059】
睡眠ストリップ40は、メッシュ層45を形成するために使用されている材料の強度および剛性に起因して、また睡眠ストリップ40の第1層41の効果に起因して、睡眠セッションの持続時間の間、ユーザまたは患者の両唇および顎に対してあるいはユーザまたは患者の両唇および顎の上に、もしくはこれらを横切って、確実に貼り付けられたままであることが可能であると想定される。睡眠ストリップ40の第1層41およびメッシュ層45は、低アレルゲンのものであり、かつ使用するまで無菌容器内に保管され得ることに留意されたい。睡眠ストリップ40もまた、汚れおよび他の汚染物質が睡眠ストリップ40の無菌性および/または清潔さを損なわないことを確実にするために、従来の接着性包帯と同様に、滅菌ポリプロピレンエンベロープ内に保管されてもよい。
【0060】
本開示による睡眠ストリップ40の代替的な態様は、開口43のサイズのバリエーションを含んでもよい。例えば、肺容量が大きいユーザまたは患者には、睡眠ストリップ40の開口43の標準サイズは、小さすぎる場合があり、睡眠ストリップの使用中にユーザまたは患者の鼻道が閉塞された場合に、ユーザまたは患者を酸素欠乏のために失神させる可能性がある。このように、いくつかの態様によれば、睡眠ストリップ40は、より大きな直径を有する開口43を含むか、あるいは開口43がメッシュスクリーンである場合には、メッシュスクリーンをより大きなものとしてもよく、またはわずかにより大きい空気流を許容するように追加的な小さな穴を装備してもよい。
【0061】
同様に、睡眠ストリップ40は、顔のすべての形状およびサイズに対応するよう、様々なサイズで利用可能であってもよい。睡眠ストリップ40の「万能」サイズはほとんどの人にとって適切に機能するであろうことが想定されるが、不規則な形状またはサイズの口または他の顔の特徴を有する人のためにより大きなサイズが必要な場合がある。
【0062】
ユーザまたは患者が、顔中にひげを有する場合には、睡眠ストリップ40の接着剤は、顔の毛がないユーザまたは患者に適用される場合より効果が小さいものとなる。このように、睡眠ストリップ40の代替的な実施形態は、ユーザまたは患者の顔上への睡眠ストリップ40の安定的な設置を容易なものとし得る少なくとも1つの弾性バンド(図示せず)を含むことが想定される。弾性バンドは、睡眠ストリップ40の両サイドへと貼り付けられることになると想定され、また弾性バンドをユーザまたは患者の耳の周囲へ、あるいはユーザまたは患者の頭部の後ろへと延在させることにより、睡眠ストリップ40を、ユーザまたは患者の口および/または両唇上の所定位置に保持する能力を有することが想定される。睡眠ストリップ40のこの代替的実施形態においても接着剤を依然として使用してもよいが、顔の毛が、睡眠セッションの持続時間の間、ユーザまたは患者の顔、口、および/または両唇に対して貼り付けられたままにする接着剤の能力を侵害することになるであろうことが理解される。睡眠ストリップ40の代替的な実施形態は、睡眠ストリップ40のより小さいバージョンであってもよい。より小さいバージョンは、顔の毛が接着剤を確実に侵害しないように、ユーザまたは患者の両唇に対してのみ相互作用することになる。
【0063】
ここで図8を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態は、睡眠ストリップ80に関する。睡眠ストリップ80は、後述の相違点を除いては、本明細書で開示される睡眠ストリップ40と同様である。睡眠ストリップ80は、図3図8との比較によってわかるように、睡眠ストリップ40と比較して、異なるサイズおよび/または異なる形状のものである。睡眠ストリップ80は、上述した第1層41と同様の第1層81を含む。睡眠ストリップ80もまた、ユーザまたは患者が睡眠ストリップ80をユーザまたは患者の顔、口、および/または両唇から取り外すことができるように構成された解放タブ86を含む。睡眠ストリップ80もまた、上述した睡眠ストリップ40の開口43と同様のものとし得る開口(例えば、透過部)83を含む。図8に示すように、開口83は、睡眠ストリップ80の開口83内にのみ配置されたメッシュ85を含む。図8に示す睡眠ストリップ80の開口83は、長方形の断面(例えば、正方形の断面)を有する。
【0064】
ここで図9を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態は、睡眠ストリップ90に関する。睡眠ストリップ90は、以下に説明する相違点を除いては、本明細書に開示されている睡眠ストリップ80と同様のものである。睡眠ストリップ90は、上述した第1層41と同様の第1層91を含む。睡眠ストリップ90はまた、ユーザまたは患者がユーザまたは患者の顔、口、および/または両唇から睡眠ストリップ90を取り外すことができるように構成された解放タブ96を含む。睡眠ストリップ90はまた、上述の睡眠ストリップ40の開口43と同様のものとし得る開口(例えば、透過部)93も含む。図9に示すように、開口93は、睡眠ストリップ90の開口93内にのみ配置されたメッシュ95を含む。図9に示す睡眠ストリップ90の開口93は、楕円形の断面(例えば、円形の断面)を有する。
【0065】
図10A図10Bに示すように、いくつかの実施形態においては、患者の睡眠呼吸障害(例えば、睡眠時無呼吸、いびき等の睡眠障害に関連する呼吸、など)を防止するためのシステム100は、メッシュ層45と、メッシュ層45を通して空気が透過できるように構成された開口43付きの第1層41と、を含み、かつ睡眠ストリップ40をユーザまたは患者10の顔に対して取り付けるようにも構成される、上述した睡眠ストリップ40を含む。システム100はまた、睡眠中にユーザまたは患者に対して、安定的な呼吸パターンを維持するように構成された第2デバイスを含む。いくつかの態様においては、第2デバイスは、図10Aに示すような、鼻マスク21などのCPAPマシンである。いくつかの追加的な態様においては、第2デバイスは、MAD16などのMADである。図10Bは、口腔内(図示せず)にMAD、およびユーザまたは患者10の口を覆う睡眠ストリップ40を有するユーザまたは患者10を示す。
【0066】
睡眠時無呼吸および/またはいびきなどの睡眠障害の治療および/または予防におけるシステム100の有効性を評価するために、睡眠ストリップ40と第2デバイス(CPAPマシンまたはMADなど)とを含むシステム100を使用した臨床試験が実施された。臨床試験は、システム100が、無呼吸-低呼吸指数(apnea-hypopnea index、AHI)によって測定されるような睡眠時無呼吸の重症度を改良し、かつ本明細書に開示される睡眠ストリップ40の使用を含まない患者の治療(例えば、睡眠障害の治療を行わない、あるいは、CPAPマシンまたはMADのみを使用した治療)と比較して、咽頭の潰れの重症度を低減させるという仮説をテストするために、設計された。臨床試験には、36人の被験者が含まれた(予想される試験中退者を含む)。被験者は、以下の包含基準および除外基準に基づいて決定された。包含基準としては、21~70歳の範囲の被験者の年令、被験者が1時間あたり10~50回のAHIを有する、被験者が38kg/m未満の体格指数を有する、被験者の首囲が、男性では20インチ未満、女性では17インチ未満であることが挙げられる。除外基準としては、呼吸、睡眠/覚醒、または筋肉生理学に影響を与えることが公知であるいずれかの薬剤の潜在的な被験者による服用、潜在的な被験者における同時的な睡眠障害(例えば、不眠症、ナルコレプシー、中枢性睡眠時無呼吸、および睡眠時随伴症)、潜在的な被験者が仰臥位で眠ることができないこと、および潜在的な被験者が1~2分間の期間の間、鼻呼吸を快適に行えないこと、が挙げられる。
【0067】
臨床試験には、各被験者に関してランダムな順序で決定される4つの自宅睡眠テストセッションを1か月の間に実施するレジームが含まれた。1)治療なしの睡眠セッション;2)口腔内装置(CPAPマシンまたはMADなど)のみを使用した睡眠セッション;3)口腔内装置と睡眠ストリップとを使用した睡眠セッション;4)睡眠ストリップのみを使用した睡眠セッション。テスト被験者は、睡眠ログを維持するように求められた。加えて、睡眠セッションの持続時間の間、センサが、被験者の身体に対して取り付けられた。センサは、脳波信号、心電図信号、鼻圧、酸素飽和度、いびきデシベルレベル、および胸部と腹部との動きを記録した。臨床試験によれば、システム100の使用は、AHIの20%~100%の減少をもたらす場合がある。臨床試験設計によれば、1時間あたり10回以上のAHIの減少は、臨床的に重要であると考えられる。
【0068】
いくつかの実施形態においては、睡眠障害(例えば、睡眠時無呼吸)を治療するための、図11に図示する方法1100が開示される。方法1100は、睡眠の前に、いびきを有すると診断された患者の顔上に睡眠ストリップを含む第1デバイスを定置するステップ1101を含む。方法1100はまた、患者に関連したいびきを治療するように構成された第2デバイスを配置するステップ1103も含む。方法1100はまた、患者において安定的な呼吸パターンを維持するステップも含む。方法1100において使用される睡眠ストリップは、上述の睡眠ストリップ40、睡眠ストリップ80、または睡眠ストリップ90であってもよい。
【0069】
いくつかの態様においては、方法1100は、睡眠障害(例えば、睡眠時無呼吸)に罹患した患者を診断する第1ステップを含む。例えば、第1ステップは、患者の気道の閉塞のためにOSAに罹患した患者を診断することである。OSAは、患者に短時間の呼吸停止を引き起こすものであり、またOSAは、患者の睡眠セッション中に定期的に発生する可能性がある。OSAは、男性で、65歳を上回る成人で、太り過ぎの患者で、また顎の問題(例えば、小顎症、後顎症、等)を有する患者においてより一般的であるが、場合によっては、他の患者(例えば、子供、女性、等)もまた、OSAに罹患する。OSAには様々な症状があり、OSAの診断を行うためにこれらの症状が医療従事者によって使用される。いくつかの症状は、異常に大きないびき(断続的および継続的)、あえぎまたは窒息、呼吸パターンの一時停止、異常な突然の体の動き、落ち着きのない寝返り、および頻繁な覚醒などのように、患者の睡眠中に明らかである。いくつかの症状は、睡眠不足の感覚、覚醒直後の頭痛、覚醒後の喉の渇きまたは咽頭痛、日中の疲労、日中の眠気、気分変動、記憶喪失、および集中力の低下などのように、患者の覚醒期間中に明らかである。
【0070】
いくつかの態様においては、睡眠障害(例えば、睡眠時無呼吸)に罹患した患者の診断は、睡眠ポリグラフ検査(例えば、睡眠センタにおける終夜監視される睡眠セッション)によって行われる。
【0071】
いくつかの態様においては、第2デバイスは、持続的陽圧呼吸マシンである。
【0072】
いくつかの態様においては、第2デバイスは、下顎前方移動デバイスである。
【0073】
いくつかの態様においては、方法1100は、睡眠ストリップの第1層内の開口が患者の口のすぐ上にあるように睡眠ストリップを位置付けることも含む。
【0074】
いくつかの態様においては、方法1100は、接着剤を使用して患者の上唇および下唇に対して睡眠ストリップを貼り付けることも含む。
【0075】
いくつかの態様においては、方法1100は、患者の口を睡眠ストリップで覆うことも含む。
【0076】
いくつかの態様においては、方法1100は、睡眠ストリップを用いて患者の口を横切って半固定密封を形成することも含む。
【0077】
いくつかの態様においては、方法1100のステップ1103は、睡眠時無呼吸に対するいかなる治療も行う前の患者の睡眠時無呼吸の発生率と比較して、患者の睡眠障害(例えば、睡眠時無呼吸)の発生率を、何らかの所定の閾値未満へと低下させることを含む。いくつかの態様においては、方法1100はまた、本明細書に開示された睡眠ストリップを使用しない治療と比較して、患者の睡眠時無呼吸の発生率を低下させることも含む場合がある。一例として、方法1100は、患者の睡眠時無呼吸の発生率を20%~100%低下させることを含む場合がある。特定の例として、方法1200はまた、本明細書に開示された睡眠ストリップを使用した治療を行う前の患者の睡眠時無呼吸の発生率と比較して、患者の睡眠時無呼吸の発生率を50%~90%だけ低下させることも含む場合がある。より特定の例として、方法1100はまた、睡眠ストリップを使用しない治療と比較して、患者の睡眠時無呼吸の発生率を50%だけ低下させることも含む場合がある。追加的な特定の例として、方法1100はまた、患者の睡眠障害(例えば、OSA)の発生率を、臨床的に有意でないレベルまで低下させることも含む場合がある。
【0078】
いくつかの実施形態においては、いびきを治療するための、図12に図示する方法1200が開示される。患者のいびきを治療するための方法1200は、睡眠の前に、いびきを有すると診断された患者の顔上に睡眠ストリップを含む第1デバイスを定置するステップ1201を含む。方法1200はまた、患者に関連したいびきを治療するように構成された第2デバイスを配置するステップ1203も含む。方法1200はまた、患者において安定的な呼吸パターンを維持するステップ1205も含む。方法1200において使用される睡眠ストリップは、上述した睡眠ストリップ40、睡眠ストリップ80、または睡眠ストリップ90であってもよい。
【0079】
いくつかの態様においては、いびきを治療するための方法1200は、いびきに罹患した患者を診断する第1ステップを含む。例えば、第1ステップは、患者の気道を通って空気が流れるときに、患者の喉の組織の振動に苦しむ患者を診断することを含む。振動は、患者を睡眠から覚醒させる場合があり、患者の周囲環境にいる他の人を覚醒させる場合があり、またはその両方である大きくて耳障りなノイズをもたらす可能性がある。いびきは、他の人(例えば、医療従事者、ベッドを共にするパートナー、等)の支援なしには患者が感知することが困難である可能性がある。いびきは、太り過ぎの患者、喫煙者の患者、仰向けで寝る患者、または鼻詰まりに罹患した患者において、より一般的であるが、いびきは、他の患者でも起こる可能性がある。
【0080】
いくつかの態様においては、第2デバイスは、持続的陽圧呼吸マシンである。
【0081】
いくつかの態様においては、第2デバイスは、下顎前方移動デバイスである。
【0082】
いくつかの態様においては、方法1200は、睡眠ストリップの第1層の開口が患者の口のすぐ上にあるように睡眠ストリップを位置付けることも含む。
【0083】
いくつかの態様においては、方法1200は、接着剤を使用して患者の上唇および下唇に対して睡眠ストリップを貼り付けることも含む。
【0084】
いくつかの態様においては、方法1200は、患者の口を睡眠ストリップで覆うことも含む。
【0085】
いくつかの態様においては、方法1200は、睡眠ストリップを用いて患者の口を横切って半固定密封を形成することも含む。
【0086】
いくつかの態様においては、方法1200のステップ1203は、いびきに対するいかなる治療も行う前の患者のいびきの発生率と比較して、患者のいびきの発生率を、所定のレベルまで低下させることを含む。いくつかの態様においては、いびきの発生率を低下させることは、いびきの頻度を低下させること、いびきのデシベルレベルを低下させること、あるいはその両方を含む。いくつかの態様においては、方法1200はまた、本明細書で開示される睡眠ストリップを使用しない治療と比較して、患者のいびきの発生率を低下させることも含む。一例として、方法1200は、患者のいびきの発生率を20%~100%低下させることを含む場合がある。特定の例として、方法1200はまた、本明細書に開示された睡眠ストリップを使用した治療の前の患者のいびきの発生率と比較して、50%~90%だけ患者のいびきの発生率を低下させることも含む場合がある。いくつかの態様においては、方法1200はまた、本明細書に開示された睡眠ストリップを使用しない治療と比較して、患者のいびきのデシベルレベルを低下させることも含む場合がある。例えば、方法1200はまた、本明細書に開示された睡眠ストリップを使用した治療の前の患者のいびきの発生率と比較して、患者のいびきのデシベルレベルを50%~90%だけ低下させることも含む場合がある。
【0087】
本開示のいくつかの実施形態によれば、患者の睡眠呼吸障害を治療するための方法が開示される。この方法は、睡眠前に、患者の両唇および/または顎を閉じた姿勢に維持するように構成された睡眠ストリップを、患者の顔上に定置するステップと、安定的な呼吸パターンを促進するように構成されたデバイスを、患者の顔上にあるいは口腔内に配置するステップと、を含む。睡眠ストリップは、睡眠ストリップを患者の顔に対して取り付けるように構成された接着剤を含む第1層を含み、この第1層は、この第1層を貫通して延在する開口を有し、この開口は、患者の両唇の上方に位置付けられ、睡眠ストリップは、また第1層の少なくとも開口を覆うメッシュ層を含み、このメッシュ層は、これを通して空気を流すことができるように構成される。
【0088】
一態様によれば、この方法は睡眠時無呼吸を治療するためのものであり、またデバイスは持続的陽圧呼吸マシンである。別の態様によれば、この方法は睡眠時無呼吸を治療するためのものであり、またデバイスは下顎前方移動デバイスである。別の態様によれば、この方法はいびきを治療するためのものであり、またデバイスは持続的陽圧呼吸マシンである。別の態様によれば、この方法はいびきを治療するためのものであり、またデバイスは下顎前方移動デバイスである。別の態様によれば、睡眠ストリップは患者の両唇上のみに対して着脱可能に固定される。別の態様によれば、メッシュ層は第1層の前側の全体にわたって延在する。別の態様によれば、メッシュ層は第1層の開口の上方のみに位置付けられる。別の態様によれば、接着剤は開口の境界全体の周囲に位置付けられている。別の態様によれば、デバイスは、睡眠ストリップの少なくとも一部の上方において患者の顔上に配置された持続的陽圧呼吸マシンである。別の態様によれば、デバイスは、睡眠ストリップの下方において患者の顔上に配置された下顎前方移動デバイスである。
【0089】
本明細書で使用される場合、「およそ」、「約」、「実質的に」という用語、および類似の用語は、本開示の主題が付随する技術の当業者によって、一般的かつ許容された使用法と調和した広範な意味を有することが意図される。本開示に接した当業者であれば、これらの用語が、これらの特徴の範囲を提供された厳密な数値範囲に限定することなく、説明され、かつ特許請求されるある特定の特徴の説明を可能にすることを意図したものであることが理解されるであろう。したがって、これらの用語は、説明され、かつ特許請求される主題に関する実質的でないまたは重要でない修正または変更が、添付の特許請求の範囲に列挙された本開示の範囲内であると見なされることを示すものとして解釈されるべきである。
【0090】
「連結された」、「接続された」などの用語は、本明細書においては、2つの部材を直接的にまたは間接的に互いに結合することを意味するために使用される。そのような結合は、静的(例えば、恒久的)、または動的(例えば、取り外し可能または着脱可能)とすることができる。そのような結合は、2つの部材を用いて、または2つの部材と任意の追加的な中間部材とを用いて、互いに単一の統一された物体として一体的に形成され、達成されてもよく、あるいは、2つの部材を用いて、または2つの部材と任意の追加的な中間部材とを用いて、互いに取り付けられてもよい。
【0091】
要素の位置に関する本明細書における参照(例えば、「上」、「下」、「上方」、「下方」、等)は、単に、図中の様々な要素の向きを説明するために使用されるだけである。様々な要素の向きが、他の例示的な実施形態によると異なる場合があること、そしてそのような変形形態が本開示に包含されることが意図されていることに留意されたい。
【0092】
本発明をその実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲および趣旨の中にある様々な他の実施形態および変形形態が生じ得ること、およびそのような他の実施形態および変形形態が、対応する請求項によって包含されることが意図されていることが理解されるべきである。当業者であれば、本明細書で説明された主題に関する新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、構造、形状、および比率のバリエーション、取り付け構成、材料の使用、向き、等)が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、任意のプロセスステップまたは方法ステップの順序または配列は、代替的な実施形態に応じて変更されてもよく、または再配列されてもよい。また、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件、および配置に関して、他の代用、修正、変更、および省略もまたなされてもよい。
【0093】
本明細書における実質的にあらゆる複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈または用途において適切であるように、複数から単数へと、および/または、単数から複数へと、翻訳することができる。本明細書においては、明確さのために、様々な単数/複数の順列を明示的に説明してもよい。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12