(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-07
(45)【発行日】2024-02-16
(54)【発明の名称】オンライン接客システム、端末装置及びオンライン接客方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2020200542
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2022-05-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 「オンライン接客システム及び端末装置」を使用した接客の案内、令和2年4月21日(送信日) 「オンライン接客システム及び端末装置」を使用した接客、令和2年4月25日(実施日) 「オンライン接客システム及び端末装置」を使用した接客に関するプレスリリース、令和2年5月13日(公開日) 「オンライン接客システム及び端末装置」を使用した接客について記載された配布物、令和2年6月27日(配布日)
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 祐未子
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 洋人
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】相崎 裕恒
【審判官】伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501044(JP,A)
【文献】特開2011-39650(JP,A)
【文献】特開2003-345807(JP,A)
【文献】特開2002-366629(JP,A)
【文献】特開2002-269409(JP,A)
【文献】特開2020-9076(JP,A)
【文献】特開2020-155124(JP,A)
【文献】特許第5963155(JP,B2)
【文献】オンラインショールーム:説明動画(Long Ver.)、YouTube,2020年7月14日、URL、https://www.youtube.com/watch?v=ZaJK5LGLcI8)
【文献】オンライン無料相談会、[online]、令和2年5月16日、SAI ARCHITECTS & DESIGN、[令和5年5月11日検索]、インターネット <URL: https://web.archive.org/web/20200516060822/http://sai1.info/consultation>
【文献】https://www.apple.com/jp/newsroom/2018/06/apple-unveils-arkit-2/
【文献】https://applech2.com/archives/ios-12-new-features-measure-app.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が使用する顧客端末と、
前記顧客を接客する担当者が使用する担当者端末と、
前記顧客端末と前記担当者端末との間で通信するための通信手段と、
を備え、
前記顧客端末は、
画像を撮像する第1の撮像装置と、
前記第1の撮像装置により撮像された画像を前記担当者端末に送信する第1の画像送信部と、
前記顧客の発声を入力する第1の入力装置と、
前記第1の入力装置により入力された音声を前記担当者端末に送信する第1の音声送信部と、
前記担当者端末から送信された画像を受信する第1の画像受信部と、
前記第1の画像受信部により受信された画像を表示する第1の表示装置と、
前記担当者端末から送信された音声を受信する第1の音声受信部と、
前記第1の音声受信部により受信された音声を出力する第1の音声出力装置と、
を備え、
前記担当者端末は、
画像を撮像する第2の撮像装置と、
前記第2の撮像装置により撮像された画像を前記顧客端末に送信する第2の画像送信部と、
前記担当者の発声を入力する第2の入力装置と、
前記第2の入力装置により入力された音声を前記顧客端末に送信する第2の音声送信部と、
前記顧客端末から送信された画像を受信する第2の画像受信部と、
前記第2の画像受信部により受信された画像を表示する第2の表示装置と、
前記顧客端末から送信された音声を受信する第2の音声受信部と、
前記第2の音声受信部により受信された音声を出力する第2の音声出力装置と、
を備え、
前記担当者端末は、更に、
事前に前記顧客から受け付けた商品に関する要望を、前記担当者の指示入力に応じて、前記担当者による前記顧客に対する接客が予定された時刻が到来する前に前記担当者に提示する要望提示部と、
前記要望提示部により前記担当者に提示された前記顧客の要望に基づいて、前記時刻が到来する前に前記担当者により選択された商品に関する情報を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に格納された前記商品に関する情報を、前記担当者の指示入力に応じて前記顧客端末に提供する商品情報提供部と、
を備え、
前記顧客端末は、更に、
前記担当者端末から送信された
前記商品に関する情報を前記第1の表示装置に表示する商品情報表示部と、
前記顧客により前記商品が使用又は配置される場所において前記第1の撮像装置により撮像された
前記場所の撮像画像を前記担当者端末に送信する撮像画像送信部と、
前記場所の撮像画像から前記場所の寸法を自動的に算出して前記担当者端末に送信する寸法算出部と、
を備え、
前記担当者端末は、
更に、前記場所の撮像画像と前記場所の寸法を前記顧客端末から取得して前記第2の表示装置に表示する
ものであり、
これにより、前記顧客に対する接客を行う担当者において、より前記顧客の要望に合った商品であって前記場所で使用又は配置することが可能なものを選択して前記顧客に提案することができるようになる
オンライン接客システム。
【請求項2】
前記担当者端末は、前記商品情報提供部により前記商品に関する情報を前記顧客端末に提供する前に、事前に前記顧客から受け付けた前記商品に関する要望を前記顧客端末に提示する画面提示部を更に備える
請求項1に記載のオンライン接客システム。
【請求項3】
前記担当者端末は、前記商品に関する動画像を前記顧客端末の前記第1の表示装置に表示させる動画配信部を更に備える
請求項1又は2に記載のオンライン接客システム。
【請求項4】
前記担当者端末は、前記顧客が前記商品の仕様を検討するために参照される詳細情報を前記顧客端末に提供する詳細情報提供部を更に備える
請求項1から3のいずれかに記載のオンライン接客システム。
【請求項5】
前記担当者端末は、前記商品の見積もりを作成して前記顧客端末に提供する見積もり提供部を更に備える
請求項1から4のいずれかに記載のオンライン接客システム。
【請求項6】
前記顧客が該オンライン接客システムを介して前記担当者による接客を受ける日時の予約を前記顧客から受け付ける予約サーバを更に備え、
前記予約サーバが前記顧客から予約を受け付けた日時が到来すると、前記担当者端末と前記顧客端末との間で通信が行われる
請求項1から5のいずれかに記載のオンライン接客システム。
【請求項7】
顧客を接客する担当者が使用する端末装置であって、
画像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により撮像された画像を顧客端末に送信する画像送信部と、
前記顧客端末から送信された画像を受信する画像受信部と、
前記画像受信部により受信された画像を表示する表示装置と、
前記担当者の発声を入力する入力装置と、
前記入力装置により入力された音声を前記顧客端末に送信する音声送信部と、
前記顧客端末から送信された音声を受信する音声受信部と、
前記音声受信部により受信された音声を出力する音声出力装置と、
事前に前記顧客から受け付けた商品に関する要望を、前記担当者の指示入力に応じて、前記担当者による前記顧客に対する接客が予定された時刻が到来する前に前記担当者に提示する要望提示部と、
前記要望提示部により前記担当者に提示された前記顧客の要望に基づいて、前記時刻が到来する前に前記担当者により選択された商品に関する情報を、前記担当者の指示入力に応じて前記顧客端末に提供する商品情報提供部と、
前記商品が前記顧客により使用又は配置される場所の撮像画像と、前記場所の撮像画像から自動的に算出された前記場所の寸法を、前記顧客端末から取得して前記表示装置に表示する画像表示部と、
を備え
、
これにより、前記顧客に対する接客を行う担当者において、より前記顧客の要望に合った商品であって前記場所で使用又は配置することが可能なものを選択して前記顧客に提案することができるようになる
端末装置。
【請求項8】
顧客を接客する担当者が使用する担当者端末が、前記担当者による前記顧客に対する接客の前に、前記顧客から受け付けた商品に関する要望を前記担当者に提示するステップと、
前記担当者端末が、前記担当者による前記顧客に対する接客の前に、前記顧客の要望に合わせて前記担当者により選択された商品に関する情報を記憶装置に格納するステップと、
前記担当者による前記顧客に対する接客のために、前記担当者端末と前記顧客が使用する顧客端末との間で通信を確立するステップと、
前記担当者端末が、前記担当者の指示入力に応じて、前記顧客の要望に合った商品に関する情報を前記記憶装置から読み出して前記顧客端末に提供するステップと、
前記顧客端末が、前記担当者端末から送信された商品に関する情報を表示装置に表示するステップと、
前記顧客端末が、前記商品が前記顧客により使用又は配置される場所の撮像画像を前記担当者端末に送信するステップと、
前記担当者端末が、前記顧客端末から送信された前記場所の撮像画像を表示装置に表示するステップと、
前記担当者端末が、前記場所の寸法を前記顧客端末から取得
して前記表示装置に表示するステップと、
を備え
、
これにより、前記顧客に対する接客を行う担当者において、より前記顧客の要望に合った商品であって前記場所で使用又は配置することが可能なものを選択して前記顧客に提案することができるようになる
オンライン接客方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オンラインで顧客を接客するためのオンライン接客システム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家具、家電、建材など、様々な分野において、商品を顧客に紹介するための展示場(ショールーム)が開設されている。顧客は、展示場において様々な商品を実際に手に取ったり、動作を確認したりすることができるので、所望の商品を効率良く見つけることができる。また、主催者側も、顧客の要望を直接聞き取りながら顧客の要望に合った商品を紹介することができるので、効率良く成約につなげることができるとともに、顧客の意見を商品の開発や販売戦略などに活用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、新型コロナウィルスの感染拡大時には、展示場の閉鎖や営業時間の短縮が余儀なくされるに至った。本発明者らは、このような事態を打開するために、特許文献1に記載された仮想展示場システムのように自動的に情報を配信するのではなく、担当者が顧客に会わずとも心のこもった接客をすることが可能なシステムの導入が必要であると考えた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、顧客をオンラインで接客することを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のオンライン接客システムは、顧客が使用する顧客端末と、顧客を接客する担当者が使用する担当者端末と、顧客端末と担当者端末との間で通信するための通信手段と、を備える。顧客端末は、顧客の発声を入力する第1の入力装置と、第1の入力装置により入力された音声を担当者端末に送信する第1の音声送信部と、担当者端末から送信された画像を受信する第1の画像受信部と、第1の画像受信部により受信された画像を表示する第1の表示装置と、担当者端末から送信された音声を受信する第1の音声受信部と、第1の音声受信部により受信された音声を出力する第1の音声出力装置と、を備える。担当者端末は、画像を撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された画像を顧客端末に送信する第2の画像送信部と、担当者の発声を入力する第2の入力装置と、第2の入力装置により入力された音声を顧客端末に送信する第2の音声送信部と、顧客端末から送信された音声を受信する第2の音声受信部と、第2の音声受信部により受信された音声を出力する第2の音声出力装置と、を備える。担当者端末は、更に、顧客の要望に基づいて選択された商品に関する情報を顧客端末に提供する商品情報提供部を備える。顧客端末は、更に、担当者端末から送信された商品に関する情報を第1の表示装置に表示する商品情報表示部を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、端末装置である。この装置は、顧客を接客する担当者が使用する端末装置であって、画像を撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された画像を顧客端末に送信する画像送信部と、担当者の発声を入力する入力装置と、入力装置により入力された音声を顧客端末に送信する音声送信部と、顧客端末から送信された音声を受信する音声受信部と、音声受信部により受信された音声を出力する音声出力装置と、顧客の要望に基づいて選択された商品に関する情報を顧客端末に提供する商品情報提供部と、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係るオンライン接客システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】実施の形態に係るオンライン接客方法の手順を示すシーケンス図である。
【
図3】実施の形態に係る担当者端末の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る顧客端末の構成を示す図である。
【
図5】実施の形態に係るオンライン接客システムにおいて顧客端末に提示される画面の例を示す図である。
【
図6】実施の形態に係るオンライン接客システムにおいて顧客端末に提示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態として、顧客をオンラインで接客することを可能とするオンライン接客システムを開示する。本実施の形態のオンライン接客システムは、顧客が使用する顧客端末と、接客の担当者が使用する担当者端末との間で、互いに相手の映像を見ながら対話することが可能な機能を提供する。これにより、担当者は、展示場などにおいて顧客と直接会って接客する場合と同様に、顧客の要望を聞きながら顧客に合った商品を紹介し、顧客の反応を表情などから読み取ることができる。また、商品を紹介する動画像を顧客に見せたり、顧客に合った商品を検索するためのツールやシステムなどをオンラインで顧客に利用させたり、顧客が商品を使用又は配置する場所にいる場合は、顧客にその場所の画像を撮像して担当者端末に送信してもらい、担当者が実際に商品を使用又は配置する場所を確認しながら適切な商品を提案したりするなど、展示場において顧客と対峙する場合とは異なるオンラインならではの接客サービスを顧客に提供することもできる。このように、本実施の形態のオンライン接客システムは、展示場などにおける接客の代替となるのみならず、顧客の利便性をより向上させ、成約率を向上させることが可能な、斬新な接客の場を提供するものである。
【0011】
図1は、実施の形態に係るオンライン接客システムの構成を概略的に示す。オンライン接客システム10は、担当者端末100、顧客端末200、通信サーバ20、情報提供サーバ30、予約サーバ40、それらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット12を備える。
【0012】
通信サーバ20は、担当者端末100と顧客端末200の間で画像データ及び音声データの送受信を仲介し、ビデオチャット機能を提供する。通信サーバ20は、画像送信のオンオフ、音声送信のオンオフ、画面の共有、ファイルの共有など、一般的なビデオチャットサービスが備える機能を備えてもよい。
【0013】
担当者端末100は、担当者の画像を撮像して顧客端末200に送信するとともに、担当者の音声を入力して顧客端末200に送信する。担当者端末100は、顧客端末200から受信した顧客の画像を表示装置に表示するとともに、顧客端末200から受信した顧客の音声をスピーカーに出力する。担当者端末100は、担当者による指示入力にしたがって、商品に関する情報、画像、動画像などを顧客端末200に提供する。担当者端末100は、商品を展示する展示場などに設置されてもよい。この場合、担当者は、担当者端末100を所持して展示場内を移動しながら、展示場に展示されている商品を顧客に紹介することができる。担当者端末100は、展示場以外のオフィスやセンターなどに設置されてもよいし、担当者の自宅などに設置されてもよい。
【0014】
一人の担当者が接客を担当してもよいし、複数の担当者が接客を担当してもよい。後者の場合、複数の担当者が同一の担当者端末100からオンライン接客システム10に参加してもよいし、それぞれ異なる担当者端末100からオンライン接客システム10に参加してもよい。これにより、より手厚く顧客を接客することができる。また、メインの担当者が接客しているときに、別の担当者が議事録を取ったり、画面を確認したり、メインの担当者に代わって顧客の質問に回答したりすることができる。
【0015】
顧客端末200は、顧客の画像を撮像して担当者端末100に送信するとともに、顧客の音声を入力して担当者端末100に送信する。顧客端末200は、担当者端末100から受信した担当者の画像を表示装置に表示するとともに、担当者端末100から受信した担当者の音声をスピーカーに出力する。顧客の画像を撮像して担当者端末100に送信する構成は省略されてもよい。顧客端末200は、顧客の自宅などに設置されたパーソナルコンピュータなどであってもよいし、顧客が所持する携帯端末などであってもよい。オン実施の形態のオンライン接客システム10によれば、自宅にいる顧客が、展示場やオフィスなどにいる担当者による接客を受けることもできるし、展示場を訪れた顧客が、展示されている商品を見ながらオフィスや自宅などにいる担当者による接客を受けることもできる。
【0016】
情報提供サーバ30は、商品に関する情報を提供する。情報提供サーバ30は、商品の仕様、特徴、価格、形状データ、画像、動画像などを保持し、担当者端末100又は顧客端末200からの要求に応じて情報を提供する。情報提供サーバ30は、所望の商品を検索するためのツール又はサービスや、商品の見積もりを作成するツール又はサービスなどを提供する。
【0017】
予約サーバ40は、顧客がオンライン接客システム10を介して担当者による接客を受ける日時の予約を顧客端末200から受け付ける。予約サーバ40は、顧客の居住地から近い展示場に所属する担当者による接客の予約を受け付けてもよい。この場合、顧客が展示場を訪れたときに、同じ担当者が接客することができるので、顧客の利便性を向上させることができる。予約サーバ40は、顧客の居住地によらず、任意の展示場や接客センターなどに所属する担当者による接客の予約を受け付けてもよい。この場合、空いている担当者を効率良く稼働させて顧客を接客することができる。本実施の形態のオンライン接客システム10によれば、展示場などの営業時間によらず顧客を接客することができるので、予約サーバ40は、早朝や夜間などの時間帯の予約を受け付けてもよい。
【0018】
予約サーバ40は、予約を受け付けると、顧客の氏名、年齢、性別などの個人情報や、商品に関する顧客の要望などを記入するためのヒアリングシートを顧客端末200に送信する。顧客は、予約日時までにヒアリングシートに記入し、顧客端末200から予約サーバ40に返送する。予約サーバ40は、顧客端末200から取得したヒアリングシートと予約日時を担当者端末100に送信する。
【0019】
図2は、実施の形態に係るオンライン接客方法の手順を示すシーケンス図である。担当者端末100は、顧客端末200から取得したヒアリングシートを担当者に提示する(S10)。ヒアリングシートは、予約サーバ40などを介して顧客端末200から取得してもよいし、顧客端末200から直接取得してもよい。担当者は、顧客の要望に合った商品を選択し、選択した商品に関する情報を準備して担当者端末100の記憶装置に格納する(S12)。また、担当者は、オンライン接客の開始前、開始時、接客中、終了時などに顧客端末200に提示する画面を作成して担当者端末100の記憶装置に格納する(S14)。
【0020】
予約サーバ40が顧客端末200から受け付けた予約日時が到来すると、担当者端末100と顧客端末200は通信サーバ20に接続し、通信を確立する(S20)。担当者は、顧客の個人情報を担当者端末100から顧客端末200に提示して誤りがないか顧客に確認し、誤りがあれば訂正する(S22)。担当者は、オンライン接客の流れ、終了時刻の目安などの概要を顧客に説明し、顧客の同意を得る(S24)。担当者は、顧客のヒアリングシートを担当者端末100から顧客端末200に提示し、顧客の要望を確認する(S26)。これにより、担当者は、顧客の要望を的確に把握し、商品の説明の流れを組み立てることができる。
【0021】
担当者は、顧客の要望に合った商品の情報を担当者端末100から顧客端末200に提供する(S28)。担当者は、商品を紹介する動画像を担当者端末100から顧客端末200に提示する(S30)。
【0022】
顧客が、商品を使用又は配置しようとしている場所にいる場合は、その場所の画像を撮像装置で撮像し(S32)、撮像した画像を顧客端末200から担当者端末100に送信することもできる(S34)。これにより、担当者は、商品が実際に使用又は配置される場所を確認することができるので、より顧客の要望に合った商品を提案することができる。商品を使用又は配置する場所の寸法を顧客が採寸して担当者端末100に送信してもよい。また、商品を使用又は配置する場所の画像から寸法を自動的に算出してもよい。これにより、担当者は、その場所で使用又は配置することが可能な商品を選択して提案することができる。
【0023】
担当者は、情報提供サーバ30により提供されるツールやサービスなどを利用して顧客に合った商品を絞り込み、商品の詳細情報を顧客端末200に提供する(S36)。担当者は、顧客に合った商品の種類や仕様などを顧客とともに検討し、商品の詳細を顧客に確認する(S38)。担当者は、顧客に合った商品の見積もりを、情報提供サーバ30などにより提供される見積もり作成ツールなどを用いて作成し、担当者端末100から顧客端末200に提供する(S40)。担当者は、顧客が商品に関する情報を更に入手するために、自宅などで実行可能なツールや、顧客に提供されるサービスやキャンペーンなどの情報を顧客端末200に提供する(S42)。
【0024】
図3は、実施の形態に係る担当者端末100の構成を示す。担当者端末100は、通信装置101、表示装置102、入力装置103、カメラ104、マイク105、スピーカー106、記憶装置107、及び処理装置110を備える。担当者端末100は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0025】
通信装置101は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置101は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置102は、処理装置110により生成される画面を表示する。表示装置102は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置103は、担当者による指示入力を処理装置110に伝達する。入力装置103は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置102及び入力装置103は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0026】
カメラ104は、画像を撮像する。カメラ104は、担当者の顔が撮像されるように設置される。マイク105は、音声を入力する。マイク105は、担当者の声が入力されるように設置される。スピーカー106は、音声を出力する。スピーカー106は、顧客端末200から受信した顧客の音声を出力する。
【0027】
記憶装置107は、処理装置110により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置107は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置107には、顧客が記入したヒアリングシートのデータ、担当者が事前に準備した商品に関する情報、顧客端末200に提示する画面のデータなどが格納される。
【0028】
処理装置110は、要望表示部111、対話制御部112、画面提示部113、商品情報提示部114、動画提示部115、配置場所情報取得部116、詳細情報提示部117、見積もり提示部118、及び補足情報提示部119を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0029】
要望表示部111は、顧客端末200から取得したヒアリングシートを記憶装置107に格納する。要望表示部111は、入力装置103からの指示入力に応じて、ヒアリングシートを記憶装置107から読み出して表示装置102に表示する(S10)。
【0030】
対話制御部112は、予約サーバ40が顧客端末200から受け付けた予約日時が到来すると、通信サーバ20に接続して顧客端末200との間の通信を確立する(S20)。対話制御部112は、オンライン接客中に、カメラ104により撮像された担当者の画像と、マイク105により入力された担当者の音声を顧客端末200に送信する。対話制御部112は、顧客端末200から受信した顧客の画像を表示装置102に表示するとともに、顧客端末200から受信した顧客の音声をスピーカー106に出力する。
【0031】
画面提示部113は、入力装置103からの指示入力に応じて、記憶装置107に格納された画面データを読み出して表示装置102に表示する。画面共有機能がオンになっている場合は、対話制御部112は、表示装置102に表示された画面データを顧客端末200に送信する。これにより、画面が顧客端末200に提示される。例えば、画面提示部113は、顧客の個人情報を顧客端末200に提示して誤りがないか顧客に確認し(S22)、オンライン接客の概要を顧客に提示し(S24)、顧客のヒアリングシートを顧客端末200に提示して顧客の要望を確認する(S26)。
【0032】
商品情報提示部114は、顧客の要望に合った商品の情報を顧客端末200に提示する(S28)。動画提示部115は、商品を紹介する動画像を顧客端末200に提示する(S30)。
【0033】
配置場所情報取得部116は、顧客が商品を使用又は配置しようとしている場所に関する情報を顧客端末200から取得する。顧客が商品を使用又は配置しようとしている場所にいる場合は、配置場所情報取得部116は、その場所の撮像画像を顧客端末200から取得する(S34)。配置場所情報取得部116は、商品を使用又は配置する場所の寸法を顧客端末200から取得してもよい。
【0034】
詳細情報提示部117は、情報提供サーバ30により提供されるツールやサービスなどを利用して絞り込まれた商品の詳細情報を顧客端末200に提示する(S36)。見積もり提示部118は、顧客に合った商品の見積もりを顧客端末200に提示する(S40)。補足情報提示部119は、顧客が商品に関する情報を更に入手するために自宅などで実行可能なツールや、顧客に提供されるサービスやキャンペーンなどの情報を顧客端末200に提示する(S42)。
【0035】
図4は、実施の形態に係る顧客端末200の構成を示す。顧客端末200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、カメラ204、マイク205、スピーカー206、記憶装置207、及び処理装置210を備える。顧客端末200は、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0036】
通信装置201は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置202は、処理装置210により生成される画面を表示する。表示装置202は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置203は、担当者による指示入力を処理装置210に伝達する。入力装置203は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置202及び入力装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0037】
カメラ204は、画像を撮像する。カメラ204は、顧客の顔が撮像されるように設置される。マイク205は、音声を入力する。マイク205は、顧客の声が入力されるように設置される。スピーカー206は、音声を出力する。スピーカー206は、担当者端末100から受信した担当者の音声を出力する。
【0038】
記憶装置207は、処理装置210により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置207は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置107には、顧客が記入したヒアリングシートのデータなどが格納される。
【0039】
処理装置210は、要望送信部211、対話制御部212、撮像画像送信部213、及び寸法算出部214を備える。これらの構成も、ハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できる。
【0040】
要望送信部211は、予約サーバ40から取得したヒアリングシートに記入する情報を入力装置203から受け付けて記憶装置207に格納する。要望送信部211は、入力装置203からの指示入力に応じて、記入済みのヒアリングシートを記憶装置207から読み出して担当者端末100に送信する(S10)。
【0041】
対話制御部212は、予約サーバ40が顧客端末200から受け付けた予約日時が到来すると、通信サーバ20に接続して担当者端末100との間の通信を確立する(S20)。対話制御部212は、オンライン接客中に、カメラ204により撮像された顧客の画像と、マイク205により入力された顧客の音声を担当者端末100に送信する。対話制御部212は、担当者端末100から受信した担当者の画像を表示装置202に表示するとともに、担当者端末100から受信した担当者の音声をスピーカー206に出力する。対話制御部212は、担当者端末100から送信された商品に関する情報を表示装置202に表示する商品情報表示部として機能する。
【0042】
撮像画像送信部213は、カメラ204により撮像された、顧客が商品を使用又は配置しようとしている場所の画像を担当者端末100に送信する(S32、S34)。寸法算出部214は、商品を使用又は配置する場所の寸法を算出して担当者端末100に送信する。
【0043】
図5は、実施の形態に係るオンライン接客システム10において顧客端末200に提示される画面の例を示す。本図は、予約日時が到来する前に顧客端末200に提示される待機画面を示す。担当者端末100は、担当者により作成された待機画面を顧客端末200に提示する。
【0044】
図6は、実施の形態に係るオンライン接客システム10において顧客端末200に提示される画面の例を示す。本図は、予約日時が到来した後に顧客端末200に提示される対話画面を示す。担当者端末100は、カメラ104により撮像された担当者の画像を顧客端末200に送信する。担当者端末100は、画面共有機能を利用して、商品に関する情報、動画像、詳細情報、見積もり、補足情報などを顧客端末200に提示する。
【0045】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 オンライン接客システム、12 インターネット、20 通信サーバ、30 情報提供サーバ、40 予約サーバ、100 担当者端末、101 通信装置、102 表示装置、103 入力装置、104 カメラ、105 マイク、106 スピーカー、107 記憶装置、110 処理装置、111 要望表示部、112 対話制御部、113 画面提示部、114 商品情報提示部、115 動画提示部、116 配置場所情報取得部、117 詳細情報提示部、118 提示部、119 補足情報提示部、200 顧客端末、201 通信装置、202 表示装置、203 入力装置、204 カメラ、205 マイク、206 スピーカー、207 記憶装置、210 処理装置、211 要望送信部、212 対話制御部、213 撮像画像送信部、214 寸法算出部。