IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置 図1
  • 特許-情報処理装置 図2
  • 特許-情報処理装置 図3
  • 特許-情報処理装置 図4
  • 特許-情報処理装置 図5
  • 特許-情報処理装置 図6
  • 特許-情報処理装置 図7
  • 特許-情報処理装置 図8
  • 特許-情報処理装置 図9
  • 特許-情報処理装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-13
(45)【発行日】2024-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20240214BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20240214BHJP
   G07D 11/32 20190101ALI20240214BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20240214BHJP
【FI】
G07D11/00
G07D1/00 Z
G07D11/32
G07D11/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020013955
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120805
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】武川 晃
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-066923(JP,A)
【文献】特開2013-164714(JP,A)
【文献】特開2018-036858(JP,A)
【文献】特開2008-234461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00 - 3/16,
9/00 - 13/00
G07F 19/00
G07G 1/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作表示部と、
過去に実施された日時情報及び取引処理を含む複数の取引内容情報を記憶する記憶部と、
少なくとも、利用者操作による操作日時情報に基づいて、上記操作日時情報と同じ時間帯に、同じ処理内容で繰り返し実施された反復類型取引を上記記憶部から検索する検索部と、
上記検索部による検索結果に基づいて、上記反復類型取引の選択ボタンを含む画面を上記操作表示部に表示し、上記選択ボタンが選択されると、上記反復類型取引の処理内容を反映させた複数の操作画面を自動的に切替表示する制御部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記制御部が、上記反復類型取引の処理内容を反映させた上記複数の操作画面を、当該反復類型取引の処理手順に従って、上記操作表示部に切替表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記複数の操作画面には、画面の切替動作を操作する1又は複数の操作ボタンが含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記反復類型取引の上記選択ボタン及び又は上記1又は複数の操作ボタンが、画面上で強調表示されていることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記反復類型取引の処理手順の最後の確認画面において取引内容の確認ボタンが選択されると、上記制御部が、上記反復類型取引の処理内容に基づく処理を行なうことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記検索部が、上記操作日時情報を含む所定の検索条件で設定された検索範囲に属する上記取引内容情報の中から、上記反復類型取引を検索することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記検索部が、上記操作日時情報に基づく過去の同じ曜日、及び又は、上記操作日時情報に基づく過去数日の上記取引内容情報の中から、上記反復類型取引を検索することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記複数の取引内容情報のそれぞれが、レジスタ識別番号及び利用者識別番号と対応付けられており、
上記検索部が、指定されたレジスタ識別番号及び又は利用者識別番号に基づいて、上記取引内容情報の中から上記反復類型取引を検索する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売業の店舗には、釣銭準備金として使用される現金(紙幣及び硬貨)を出金したり、又は、店舗での売上金を入金したりする現金入出金機が設置されている(特許文献1参照)。
【0003】
従来、店舗管理者やレジ担当者等の操作者は、現金入出金機で所望の情報処理(取引処理)を実施しようとするとき、操作表示部に表示されるメニュー画面から、所望の取引を選択して、当該取引を開始する。その後、当該取引手続きに従って表示される操作画面が表示され、操作者は、各操作画面に従って、所定の入力や選択を逐次行ない、当該処理を終了させている。
【0004】
例えば、レジ担当者が釣銭準備金を出金しようとするとき、レジ担当者は、メニュー画面から釣銭出金ボタンを選択し、次の操作画面上で金種別枚数を入力し、次の確認画面で金種別枚数及び出金額を確認し、更に次の確定画面で取引内容を確定させ、指定した金種別枚数の釣銭準備金を出金させている。
【0005】
釣銭出金に限らず、現金入出金機において精算集計、売上回収、売上入金等の他の取引を実行する場合も同様である。これらの各種取引は、毎日同じ時間帯で、管理者やレジ担当者等が実施している傾向もみられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-171303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、操作者は毎日同じ操作を行なうにも関わらず、目的の取引を実施するには様々な操作が必要であり、操作や入力内容を間違えてしまうことが生じ得るおそれがある。
【0008】
例えば、上述したような釣銭出金の取引を行なう場合、金種別枚数の入力を間違えてしまったり、選択すべきボタンを押し間違えてしまったりすることが生じ得る。
【0009】
そこで、本発明は、過去に実施された取引内容(処理内容)を含む情報を利用して、操作者による操作間違えを防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、本発明に係る取引処理装置は、(1)操作表示部と、(2)過去に実施された日時情報及び取引処理を含む複数の取引内容情報を記憶する記憶部と、(3)少なくとも、利用者操作による操作日時情報に基づいて、操作日時情報と同じ時間帯に、同じ処理内容で繰り返し実施された反復類型取引を記憶部から検索する検索部と、(4)検索部による検索結果に基づいて、反復類型取引の選択ボタンを含む画面を操作表示部に表示し、選択ボタンが選択されると、反復類型取引の処理内容を反映させた複数の操作画面を自動的に切替表示する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、過去に実施された取引内容(処理内容)を含む情報を利用して、操作者による操作間違えを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る取引処理装置の構成を示す構成図である。
図2】第1の実施形態に係る取引処理装置1における反復類型取引の処理動作を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態の取引処理装置1に記憶された取引及び取引内容を含む履歴情報の構成を示す構成図である。
図4】第1の実施形態における、既存のメニュー画面及び出金種別選択画面の構成を示す画面図である。
図5】第1の実施形態における、既存の金種枚数入力画面及び出金額確認画面の構成を示す画面図である。
図6】第1の実施形態における、釣銭出金の待機画面及び完了画面の構成を示す画面図である。
図7】第1の実施形態における、反復類型取引に係る選択画面及び出金種別選択画面の構成を示す画面図である。
図8】第1の実施形態における、反復類型取引に係る金種枚数入力画面及び出金額確認画面の構成を示す画面図である。
図9】第1の実施形態における反復類型取引の設定画面を示す画面図である。
図10】第2の実施形態において、反復類型取引に係る選択画面及び出金種別選択画面の構成を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る情報処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
第1の実施形態では、複数の取引処理のそれぞれを実施する取引処理装置に、本発明に係る情報処理装置を適用する場合を例示する。なお、本発明に係る情報処理装置は、取引処理装置に限定されず、過去に実施した処理内容を、ほぼ同じ時間帯などに繰り返し実施する装置に広く適用できる。
【0015】
(A-1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る取引処理装置1の構成を示す構成図である。
【0016】
図1において、取引処理装置1は、紙幣投入口101と、紙幣一時保留部103と、紙幣鑑別部105と、万券カセット107と、五千券カセット109と、千券カセット111と、回収カセット113と、リジェクト部115と、硬貨投入口117と、硬貨鑑別部119と、硬貨一時保留部121と、硬貨返却箱123と、出金ホッパ125と、硬貨回収庫127と、硬貨出金箱129と、カードリーダ部131と、操作表示部133と、制御部150と、記憶部160と、を備える。
【0017】
取引処理装置1は、例えば、百貨店やスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の店舗内に設置される現金入出金機に適用することができる。取引処理装置1において取り扱う「媒体」は、主として紙幣や硬貨等の現金である場合を想定して説明するが、これに限定されず、例えば、商品券、小切手、チケット、紙幣束、棒金等が含まれるようにしてもよい。
【0018】
取引処理装置1は、例えばレジスタ(以下、「レジ」とも呼ぶ。)で用いられる釣銭準備金としての現金(紙幣、及び又は、硬貨)を出金する釣銭出金や、レジに格納された現金(売り上げた現金や釣銭準備金)を入金する売上入金等の処理を実行することができる。取引処理装置1における取引処理は、釣銭出金、売上入金に限定されない。
【0019】
紙幣投入口101は、取引処理装置1に入金される紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入口101は、紙幣の出金口でもあり、紙幣投入口101から売上入金の取り消しにより返却される紙幣、出金される紙幣、および紙幣鑑別部105により正常ではないとしてリジェクトされた紙幣が紙幣投入口101から出金される。
【0020】
紙幣一時保留部103には、入金計数時および売上金作成時に、一時的に紙幣が集積される。また、紙幣鑑別部105は、投入された紙幣が正常な紙幣であるか否かを各種センサによって鑑別する。
【0021】
万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111は、それぞれ万券、五千券、および千券の紙幣を収納する現金収納部である。具体的には、万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111(これらのカセットを総称して各紙幣カセットとする。)には、各種紙幣が釣銭準備金として収納される。また、各紙幣カセットには、売上金として入金され、紙幣鑑別部105で正常と鑑別された各種紙幣が収納される。さらに、釣銭出金時には、各紙幣カセットから各種紙幣が出金される。
【0022】
回収カセット113は、売上回収のためのカセットである。具体的には、回収カセット113には、売上回収時に、各紙幣カセットから移動された紙幣が売上金として収納される。
【0023】
リジェクト部115には、紙幣鑑別部105によって正常な紙幣ではないと鑑別された紙幣、すなわちリジェクトされた紙幣が集積される。具体的には、リジェクト部115には、売上入金時に紙幣一時保留部103から各紙幣カセットに紙幣を搬送する過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣、各紙幣カセットから釣銭出金を行う過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣、売上回収時に各紙幣カセットから回収カセット113に紙幣を搬送する過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣などが集積される。
【0024】
硬貨投入口117は、硬貨が投入される投入口である。また、硬貨鑑別部119は、投入された硬貨が正常な硬貨であるか否かを各種センサによって鑑別する。さらに、硬貨一時保留部121には、入金計数時および売上回収時に、一時的に硬貨が集積される。
【0025】
硬貨返却箱123は、返却する硬貨を保持する箱である。例えば、計数が行われた硬貨や、売上入金の取り消しがなされた硬貨が、硬貨返却箱123へ返却される。また、出金ホッパ125(現金収納部)には、売上入金によって投入された各種硬貨が収納されており、釣銭出金時には出金ホッパ125から各種硬貨が出金される。
【0026】
硬貨回収庫127は、売上回収のためのカセットである。具体的には、硬貨回収庫127には、売上回収時に出金ホッパ125から移動された硬貨が売上金として収納される。また、硬貨出金箱129は、釣銭出金時に硬貨を出金するための硬貨出金口である。
【0027】
カードリーダ部131は、入力部の一例であり、例えば店舗管理者やレジ担当者等の操作者が有するカードに書き込まれた情報を読み取る。操作者が有するカードに書き込まれる情報として、例えば、操作者が担当するレジスタを識別するレジスタ識別番号、操作者の種別(例えば、管理者、正社員、パート等の種類)を示す情報が挙げられる。なお、カードを利用する操作者を識別するための利用者識別情報(例えば、ユーザID番号)などをカードに書き込んでもよい。
【0028】
操作表示部133は、操作者による操作を検出する操作部または入力部としての機能、および各種画面を表示する表示部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、表示部および操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0029】
制御部150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。ROMには、処理プログラム(例えば、反復類型取引プログラム、各種取引の処理プログラム等)が格納されており、CPUが各処理プログラムを実行することにより実現される。
【0030】
制御部150は、取引処理装置1の動作全般を制御する。例えば、制御部150は、各紙幣カセットおよび出金ホッパ125に収納されている現金の枚数を記憶部160に記憶させる管理部としての機能を包含する。また、制御部150は、操作者が有するカード、および暗証番号などを用いた認証が終了すると、操作者が所望の処理を選択するためのメニュー画面を操作表示部133に表示させ、メニューにおいて操作者により選択された処理を制御する。
【0031】
制御部150は、取引処理装置1で実施された日時情報及び取引内容を含む取引内容情報を履歴情報として記憶部160に記憶する。
【0032】
制御部150は、操作者の認証が成功すると、記憶部160に記憶されている履歴情報を参照して、過去に繰り返し実施された同じ取引及び同じ取引内容に関する情報を検索する検索部151を有する。
【0033】
また、制御部150は、検索部151による検索結果に基づいて、反復類型取引の選択ボタンを含む画面を操作表示部133に表示し、選択ボタンが選択されると、反復類型取引の取引内容を反映させた複数の操作画面を自動的に切替表示する表示制御部152を有する。なお、同じ取引及び同じ取引内容を検索できなかったときには、上述したように、通常のメニュー画面を操作表示部133に表示して、選択された取引処理を実施する。上述したように、取引処理装置1は、例えば売上管理や釣銭準備のために用いられる。
【0034】
(A-2)第1の実施形態の動作
第1の実施形態に係る取引処理装置1における反復類型取引の処理動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
(A-2-1)反復類型取引
ここで、「反復類型取引」とは、過去の履歴情報を参照して、操作者による操作日時情報に基づいて、操作日時情報と同じ時間帯に、同じ取引内容で繰り返し実施された取引をいう。つまり、反復類型取引は、過去において実施された、同じ取引であって、かつ、同じ取引内容のものをいう。
【0036】
「反復類型取引を用いた処理」とは、取引処理装置1において、今回の条件と同じ条件で、過去に繰り返し実施された取引がある場合に、操作表示部133上での簡単な操作で、繰り返し実施された過去の取引と同じ取引内容で、当該取引を実施することをいう。
【0037】
より具体的に、過去に繰り返し実施された取引が検索された場合、取引処理装置1の操作表示部133には、反復類型取引ボタンを含む画面が表示される。そして、操作者により上記反復類型取引ボタンが選択されると、過去に繰り返し実施された同じ取引及び同じ取引内容が反映された(表示された)操作画面が表示され、その後、当該取引手続きの手順に沿って、操作画面が自動的に遷移する。なお、取引手続の手順に沿って、最後に表示される画面は、最終的に取引内容を確認(確定)するための画面であり、操作者に取引内容の確認を求め、操作者により確認ボタンが選択される。換言すると、操作者は1回の取引ボタン(反復類型取引ボタン)の選択により、過去に繰り返し実施された同じ取引の同じ取引内容を、今回の取引及び取引内容とすることができる。このように、操作者にとっては、従来のように各操作画面上で取引内容の入力や選択をする負担が少なくなるので、操作ボタンの押し間違えを防止できる。
【0038】
過去に繰り返し実施された取引を検索するための条件(反復類型取引の検索条件)には、取引処理装置1で取引を実施した「時間帯(時刻)」、「曜日」、「レジスタ番号(レジ番号)」、「操作者(ユーザID番号)」等のいずれか又はこれらの組み合わせたものを要素とすることができる。換言すると、上記条件は、「時間帯」等のように時間的な要素、「曜日」や「祝祭日」等のように日の種類的な要素、「レジスタ番号」や「操作者(ユーザID番号)」等のように検索対象を特定する要素などを条件とすることができる。なお、反復類型取引の検索条件は、上述したものに限定されない。
【0039】
例えば、「時間帯」を条件とした場合、取引処理装置1は、過去数日あるいは過去1週間程度だけ遡った期間内であって、今回の操作時刻とほぼ同じ時間帯に、同じ取引内容の取引が過去に繰り返し実施されたか否かを検索する。より具体的には、例えば、取引処理装置1において、取引操作を行なう操作者の認証が成功すると、制御部150は、過去の取引内容情報を含んでいる履歴情報の中から前日と前々日の履歴情報を見て、今回の時刻とほぼ同じ時間帯で実施された、同じ取引及び同じ取引内容があるか否かを検索する。そして、制御部150は、前日及び前々日の同じ時間帯で実施された同じ取引及び同じ取引内容を、今回の取引及び取引内容(反復類型取引)の候補として呼び出す。
【0040】
また例えば、「曜日」を条件とした場合、取引処理装置1は、過去数週間前に遡って今回の曜日と同じ曜日であって、今回の操作時刻と略同じ時間帯に、同じ取引内容の取引が過去に繰り返し実施されたか否かを検索する。より具体的には、例えば、取引処理装置1において、取引操作を行なう操作者の認証が成功すると、制御部150は、過去の取引内容情報を含んでいる履歴情報の中から前週と前々週の同じ曜日の履歴情報を見て、今回の時刻とほぼ同じ時間帯で実施された、同じ取引及び同じ取引内容があるか否かを検索する。そして、制御部150は、前週及び前々週の同じ曜日かつ同じ時間帯で実施された同じ取引及び同じ取引内容を、今回の取引及び取引内容(反復類型取引)の候補として呼び出す。
【0041】
例えば、「レジスタ番号」を条件とした場合、取引処理装置1は、当該レジスタ番号に対応付けた実施した過去の履歴情報から、同じ取引内容の取引が過去に繰り返し実施されたか否かを検索する。より具体的には、例えば、取引処理装置1において、取引操作を行なう操作者の認証が成功すると、制御部150は、過去の取引内容情報を含んでいる履歴情報の中から、当該操作者により指定されたレジスタ番号の過去の履歴情報を見て、今回の時刻とほぼ同じ時間帯で実施された、同じ取引及び同じ取引内容があるか否かを検索する。なお、このとき、「時間帯」や「曜日」等の条件を組み合わせて条件検索してもよい。そして、制御部150は、指定されたレジスタ番号に関して、同じ時間帯で実施された同じ取引及び同じ取引内容を、今回の取引及び取引内容(反復類型取引)の候補として呼び出す。
【0042】
また例えば、「操作者(ユーザID番号、以下単に「ID番号」とも呼ぶ。)」を条件とした場合、取引処理装置1は、操作者のID番号に対応付けた実施した過去の履歴情報から、同じ取引内容の取引が過去に繰り返し実施されたか否かを検索する。より具体的には、例えば、取引処理装置1において、取引操作を行なう操作者の認証が成功すると、制御部150は、過去の取引内容情報を含んでいる履歴情報の中から、当該操作者により指定されたID番号の過去の履歴情報を見て、今回の時刻とほぼ同じ時間帯で実施された、同じ取引及び同じ取引内容があるか否かを検索する。なお、このとき、「時間帯」や「曜日」等の条件を組み合わせて条件検索してもよい。そして、制御部150は、指定されたID番号に関して、同じ時間帯で実施された同じ取引及び同じ取引内容を、今回の取引及び取引内容(反復類型取引)の候補として呼び出す。
【0043】
(A-2-2)反復類型取引の設定
次に、第1の実施形態に係る反復類型取引の設定方法の一例を説明する。
【0044】
反復類型取引の設定方法は、特に限定されず、予め設定内容が設定されていても良いし、ユーザ(管理者、操作者等)によりカスタマイズすることも可能である。ここでは、図9を用いて、取引処理装置1の操作表示部133上で、反復類型取引の設定内容を設定する場合を例示する。
【0045】
図9は、第1の実施形態に係る反復類型取引の設定画面を示す画面図である。
【0046】
図9の反復類型取引の設定画面700では、反復類型取引検索条件を曜日とする「曜日検索」、反復類型取引検索条件を時間帯とする「時間帯検索」、レジスタ番号を指定可能とする「レジスタ指定」、操作者のユーザID番号を指定可能とする「ID指定」の設定が可能であるとする。
【0047】
図9に例示するように、「曜日検索」の設定項目711、「時間帯検索」の設定項目712、「レジスタ指定」の設定項目713、「ID指定」の設定項目714には、例えばチェックボックスがあり、ユーザ(管理者、操作者等)が希望する条件設定を選択することが可能である。1つの設定項目だけでなく、複数の設定項目を設定可能としてもよい。
【0048】
図9では、「曜日検索」の設定項目711及び「時間帯検索」の設定項目712は、履歴情報から検索する範囲を指定するための「検索範囲」と、今回の操作時刻とおおよそ同じ時刻であるものとみなすための「時間幅」とを設定可能としている。
【0049】
例えば、図9の「曜日検索」の設定項目711では、「検索範囲」を「前々週」としているので、この例の場合、前週と前々週の中で、今回の操作日の曜日と同じ曜日を検索することとしている。なお、設定項目711の「検索範囲」は、「前々週」に限らず、「4週前」、「2ヶ月前」、「半年前」等のように設定できるようにしてもよい。また、図9の「曜日検索」の設定項目711では、「時間幅」を「30(分)」としているので、今回の操作時刻を中心として30分、すなわち今回の時刻の15分前から今回の時刻の15分後までの範囲を、同じ時間帯とみなすものとしている。「時間帯検索」の設定項目712の「検索範囲」及び「時間幅」も同様である。
【0050】
また、「レジスタ指定」の設定項目713及び「ID指定」の設定項目714においても、今回の操作時刻とおおよそ同じ時刻であるものとみなすための「時間幅」を設定できる。
【0051】
なお、設定項目711、設定項目712、設定項目713、設定項目714のうち複数の設定項目を設定する場合、各設定項目で「時間幅」を設定するのではなく、優先度の高い設定項目の「時間帯」のみを設定することで、「時間幅」の入力内容が設定されたものとして扱ってもよい。
【0052】
例えば、図9の例では、「曜日検索」が最も優先度が高く、その後、「時間帯検索」、「レジスタ指定」、「ID指定」の順に優先度が高いものとする。その場合に、「曜日検索」と「レジスタ指定」の設定項目711及び713を選択したとき、「曜日検索」の設定項目711で「時間幅」が設定されたのであれば、「レジスタ指定」の設定項目713で「時間幅」を設定しなくても、「曜日検索」の設定項目711で設定した「時間幅」が有効に機能するようにしてもよい。その際、例えば、「曜日検索」の設定項目711で設定された「時間幅」の設定内容が、「レジスタ指定」の設定項目713の「時間幅」に自動的に貼り付くようにしても良いし、又例えば、「曜日検索」の設定項目711で「時間幅」が設定されると、「レジスタ指定」の設定項目713の「時間幅」のテキストボックスが反転して入力できないようにしてもよい。このようにすることで、重複した「時間幅」の設定を回避できる。
【0053】
(A-2-3)反復類型取引の処理
図2は、第1の実施形態に係る取引処理装置1における反復類型取引の処理動作を示すフローチャートである。ここでは、図9に例示するように、「時間帯検索」が選択されると共に、「レジスタ指定」が選択された場合を例示する。「時間帯検索」では、「検索範囲」として「前々日」までの同じ時間帯が指定され、「時間幅」が「30(分)」と指定されたものとする。
【0054】
以下では、取引処理装置1において実施可能な取引のうち、釣銭出金を実施する場合の処理を例示する。なお、反復類型取引の処理は釣銭出金に限定されない。
【0055】
[S101~S103]
まず、取引処理装置1では、操作者によるログイン処理が行なわれる。例えば、操作者がカードをカードリーダ部131に翳し、あるいは、操作者がカードをカードリーダ部131に挿入する等して、カードの付されている記録媒体(例えば磁気ストライプ、ICチップ等)に格納されているカード情報がカードリーダ部131により読み取られる(S101)。例えば、カード情報には、操作者の種別やレジスタ番号が含まれている。そして、操作表示部133において、操作者のユーザID番号及び暗証番号が入力されて(S102)、入力されたID番号及び記憶部160に記録された暗証番号とに基づいて認証処理が実施される(S103)。なお、カードに利用者識別情報が書き込まれていない場合は、操作表示部133において、ユーザID番号及び暗証番号が入力されてもよい。
【0056】
[S104]
次に、操作者のログイン認証が成功すると、取引処理装置1では、反復類型の取引内容を検索処理が行なわれる(S104)。反復類型の取引内容が存在しない場合(検索できない場合)、処理はS105に移行し、反復類型の取引内容が存在する場合(検索できた場合)、処理はS109に移行する。
【0057】
図3は、第1の実施形態の取引処理装置1に記憶された取引及び取引内容を含む履歴情報の構成を示す構成図である。
【0058】
取引処理装置1は、取引が実施されるたびに、実施した取引及びその取引内容を履歴情報として記憶する。取引処理装置1には、図3に例示する履歴情報が記憶されているものとする。
【0059】
図3に例示する履歴情報(取引内容情報)には、取引処理装置1における実施日を示す「日付(年/月/日)」、実施時刻を示す「時刻(時:分)」、操作者を一意に識別する「ID番号」、レジスタを一意に識別する「レジ番号」、取引処理装置1で実施した取引の種類を示す「取引種別」、取引処理装置1で取引した金額を示す「金額」、取引に係る「一万円」、「五千円」、「千円」、「500円」、「100円」、「50円」、「10円」、「5円」、「1円」の金種枚数が含まれる。なお、履歴情報は、図3の例に限定されず、例えば、操作者の氏名等が含まれるようにしてもよい。
【0060】
例えば、現在の日時情報が「日付(2019/12/18)」の「時刻(9:15)」であるとする。この日時に、取引処理装置1において、レジスタ番号が「1」の情報が含まれているカードによって操作者のログイン認証が成功したものとする。
【0061】
制御部150は、図3に例示する過去の取引内容情報(履歴情報)の中から、今回の操作時刻を中心として30分、すなわち今回の時刻に対して前後15分の時間幅の範囲に、同じ取引内容の取引が繰り返し実施されている取引を検索する。
【0062】
具体的には、図3において、現在の「日付(2019/12/18)」の「時刻(9:15)」と同一時間帯に実施された取引として、本日の前日である「日付(2019/12/17)」の「時刻(9:20)」に、「ID番号:111111」の操作者が「レジ番号:1」を担当し、千円券10枚、500円2枚、100円15枚、10円20枚、5円4枚、1円10枚を釣銭準備金として釣銭出金した取引を検索する。
【0063】
さらに、本日の前々日である「日付(2019/12/16)」の「時刻(9:11)」に、「ID番号:111111」の操作者が「レジ番号:1」を担当し、千円券10枚、500円2枚、100円15枚、10円20枚、5円4枚、1円10枚を釣銭準備金として釣銭出金した取引を検索する。
【0064】
上述した前日の取引と前々日の取引とは、いずれも「釣銭出金」であり、取引種別が同一であり、さらに、前日の釣銭出金の取引内容(金種枚数)と、前々日の釣銭出金の取引内容(金種枚数)とは同一である。したがって、この例の場合、千円券10枚、500円2枚、100円15枚、10円20枚、5円4枚、1円10枚を釣銭準備金として釣銭出金した取引を反復類型取引として検索することができる。
【0065】
なお、反復類型取引を検索する際、上述した例では、過去に遡る期間を前日及び前々日として説明したが、数日前又は1週間程度の過去の履歴情報の中から反復類型取引を検索するようにしてもよい。
【0066】
そして、過去の履歴情報の中から、過去に遡って現在の時刻とおおよそ同一の時間帯で、同一の取引内容とする同一取引がある場合にはS109に移行し、同一の取引内容とする同一取引がない場合にはS105に移行する。
【0067】
なお、ここでは反復類型取引の検索条件を時間帯とする「時間帯検索」において、「時間幅」を「30(分)」に設定されると共に、「レジスタ指定」が設定された場合を説明したが、反復類型取引の設定内容が設定されていない場合は、現在の時刻とおおよそ同じ時刻に、同じ取引内容の取引が繰り返し実施されている取引を検索してもよい。
【0068】
ここで、現在の時刻とおおよそ同じ時刻とは、現在の時刻と同一の時刻に限らず、現在の時刻を基準として、その前後の所定時間の範囲内に収まっている時刻、あるいは、同一の時間帯の時間幅に収まっている時刻であればよい。このように同一時間帯とみなすための時間幅は、初期値として事前に設定されていればよい。
【0069】
[S105~S108、S111、S112]
次に、S104において反復類型の取引内容が存在しない場合の処理を、図4図6の画面図を用いて説明する。
【0070】
反復類型の取引内容が存在しない場合、従来と同様に、最初にメニュー画面が操作表示部133に表示されて、釣銭出金の選択ボタンが選択された後に、当該釣銭出金の処理手続きに従った操作画面上で、操作者が選択・入力をして、釣銭出金の処理が行なわれる。
【0071】
つまり、反復類型の取引内容が存在しない場合、操作表示部133には、図4(A)のメニュー画面510が表示される(S105)。図4(A)のメニュー画面510には、「釣銭出金」、「売上入金」、「両替」、「計数」等の取引処理装置1において実施可能な取引種別を選択するための選択ボタンが表示されており、その中から操作者が実施を希望する取引の選択ボタンを選択することができる。
【0072】
この例の場合、図4(A)のメニュー画面510において、操作者が釣銭出金ボタン511を選択する。そうすると、釣銭出金の種類を選択するため、図4(B)の出金種別選択画面520が操作表示部133に表示される(S106)。
【0073】
例えば、釣銭出金には、レジ担当者のシフトに応じて出金する金種枚数のパターンが設定されているパターン出金と、釣銭出金を実施するたびに金種枚数を指定する金種枚数指定出金とがある。図4(B)の出金種別選択画面520には、パターン出金を選択するパターン出金ボタン521と、金種枚数指定出金を選択する金種枚数指定出金ボタン522とが表示され、操作者によっていずれかの出金種別を選択可能となっている。なお、ここでは、釣銭出金の種類が2種類の場合を例示したが、3種類以上であってもよく、その場合でも、いずれかの種類を選択可能とするために、3個以上のボタンが表示されるようにしてもよい。
【0074】
この例では、図4(B)の出金種別選択画面520上で、金種枚数指定出金ボタン522が選択されたものとする。
【0075】
S107では、金種枚数を入力するため、図5(A)の金種枚数入力画面530が操作表示部133に表示される(S107)。図5(A)の金種枚数入力画面530には、金種枚数を指定するための入力部531及び532があり、操作者は、入力部531及び532を操作して金種枚数を入力する。
【0076】
そして、金種枚数の入力が終了すると、次の手続きに移行するため、操作者により確認ボタン533が選択される。そうすると、金種枚数及び出金額を確認するため、図5(B)の出金額確認画面540が操作表示部133に表示される(S108)。
【0077】
図5(B)の出金額確認画面540には、図5(A)の金種枚数入力画面530上で入力した金種枚数及び出金額(合計金額)が表示され、金種枚数及び出金額の確認が可能である。
【0078】
そして、金種枚数又は出金額に変更が必要であるときには、操作者により訂正ボタン541が選択され、図5(B)の出金額確認画面540上で、金種枚数の再入力が行なわれる。
【0079】
他方、金種枚数及び出金額の変更がないときには、図5(B)の出金額確認画面540上で、操作者により確認ボタン544が選択される(S111)。そうすると、取引処理装置1において、指定された金種枚数の釣銭出金の処理が行なわれ、その間、図6(A)の釣銭出金の待機画面550が操作表示部133に表示される。
【0080】
そして、指定された金種枚数の現金(紙幣、硬貨)が出金される(S112)。そうすると、操作者に現金を取ってもらうため、図6(B)の完了画面560が操作表示部133に表示される。
【0081】
以上のように、反復類型の取引内容が存在しない場合には、従来と同様に、操作者が操作画面上で選択や入力を行なって、釣銭出金の手続きが行なわれる。
【0082】
[S109、S110、S111、S112]
次に、S104において反復類型の取引内容が存在する場合の処理を、図7図8図6の画面図を用いて説明する。
【0083】
反復類型の取引内容が存在する場合、最初に、反復類型の取引を選択する選択ボタンを含む画面が表示される。そして、操作者により反復類型取引の選択ボタンが選択されると、その後、過去の反復類型の取引内容を反映させた操作画面が自動的に切り替わって遷移していき、釣銭出金の手続きに沿った釣銭出金の処理が行なわれる。
【0084】
つまり、反復類型の取引内容が存在する場合、操作表示部133には、図7(A)の反復類型取引の選択画面610が表示される(S109)。
【0085】
換言すると、図4(A)のメニュー画面510は表示されず、過去の同一時間帯に繰り返し実施された取引内容と同じ取引を実施できるようにするため、図7(A)に例示するように、反復類型取引選択ボタン611を含む選択画面610が表示される。ここでは、S104の反復類型検索において、取引種別として釣銭出金が検索されたため、図7(A)には「釣銭出金」と表示される。
【0086】
そして、反復類型取引選択ボタン611が選択されると、その後は、過去に繰り返し実施された取引内容を反映させた操作画面が自動的に切り替わって遷移していくことになる(S110)。つまり、操作者は、図7(A)の選択画面610上で、反復類型取引選択ボタン611を1回選択するだけで、釣銭出金の操作処理が進んでいくことになるので、ボタンの押し間違えを防ぐことができる。
【0087】
なお、メニュー画面を表示可能とするため、図7(A)の選択画面610には、メニュー画面510へ遷移するメニューボタン612が含まれている。
【0088】
操作表示部133に表示される画面の自動遷移について、より具体的に説明する。
【0089】
図7(A)の選択画面610上で反復類型取引選択ボタン611が選択されると、図7(B)の出金種別選択画面620が操作表示部133に表示される。その後、所定時間経過後に、図8(A)の金種枚数入力画面630が操作表示部133に自動的に表示され、さらに所定時間経過後に、図8(B)の出金額確認画面640が操作表示部133に自動的に表示される。
【0090】
ここで、図7(B)の出金種別選択画面620、図8(A)の金種枚数入力画面630、図8(B)の出金額確認画面640のそれぞれは、基本的には、図4(B)の出金種別選択画面520、図5(A)の金種枚数入力画面530、図5(B)の出金額確認画面540のそれぞれと同様の画面構成であるが、図7(B)の出金種別選択画面620、図8(A)の金種枚数入力画面630、図8(B)の出金額確認画面640のそれぞれには、停止ボタン621、一時停止ボタン622、スキップボタン623が設けられている。
【0091】
停止ボタン621は、画面の自動遷移を停止するためのボタンである。停止ボタン621が選択されると、画面の自動遷移が終了する。その後の画面遷移は、操作者による手動(手入力)で行なわれる。停止ボタン621は、例えば、出金種別を変更する場合や、実施しようとする取引の種類を変更しようとするときなどに有効に機能する。
【0092】
一時停止ボタン622は、自動的に切り替わっていく画面を一時的に停止するためのボタンである。一時停止ボタン622が選択されると、画面遷移が一時的に停止し、その時点の画面が操作表示部133に表示されることになる。一時停止ボタン622は、例えば、過去に繰り返し実施された取引と同一の取引(例えば釣銭出金)であるが、その取引内容(例えば、金種枚数等)を変更しようとするときなどに有効に機能する。
【0093】
スキップボタン623は、最後の画面までスキップするためのボタンである。例えば、スキップボタン623が選択されると、この例の最後の画面である、図8(B)の出金額確認画面640までスキップする。過去に繰り返し実施された取引内容(金種枚数)と同じ内容の取引を迅速に実施するようなときなどに有効に機能する。
【0094】
そして、釣銭出金の取引内容を確定させるため、図8(B)の出金額確認画面640上で、操作者により確認ボタン544が選択される(S111)。そうすると、取引処理装置1において、指定された金種枚数の釣銭出金の処理が行なわれ、その間、図6(A)の釣銭出金の待機画面550が操作表示部133に表示される。
【0095】
なお、図8(B)の出金額確認画面640においても、停止ボタン621、一時停止ボタン622、スキップボタン623が設けられている場合を例示しているが、図8(B)の画面は、釣銭出金の手続き上の最後の画面であるため、これら停止ボタン621、一時停止ボタン622、スキップボタン623が表示されないようにしてもよい。これらのボタン611,612及び613を非表示にすることで、手続きが終了したことや取引内容の確認等を操作者に意識させることができ、取引内容を確認した上で「確認」ボタン544の選択を要求できる。
【0096】
その後、指定された金種枚数の現金(紙幣、硬貨)が出金される(S112)。そうすると、操作者に現金を取ってもらうため、図6(B)の完了画面560が操作表示部133に表示される。
【0097】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、過去に繰り返し同じ取引内容で実施されている取引がある場合であって、今回も同じ取引内容の取引を実施しようとするときに、操作者が反復類型取引の選択ボタンを1度選択するだけでよいので、操作の間違えを防止することができる。
【0098】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る情報処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0099】
第2の実施形態は、基本的には、第1の実施形態で説明した構成及び動作と同じであるが、操作表示部133に表示される画面構成が第1の実施形態と異なる。したがって、以下では、第2の実施形態に係る反復類型取引における画面構成を中心に説明する。
【0100】
図10(A)は、第2の実施形態の反復類型取引に係る選択画面であり、図10(B)は第2の実施形態の反復類型取引に係る出金種別選択画面である。
【0101】
図10(A)の選択画面610Aでは、反復類型取引選択ボタン611Aが強調表示される。これにより、反復類型取引の選択を、操作者に誘導することができる。
【0102】
図10(B)の画面620Aにおいて、停止ボタン622A、一時停止ボタン622A、スキップボタン623Aが強調表示される。これにより、画面が自動的に切り替わっていくときに、停止や一時停止等の画面動作に対する操作を、操作者に意識させることができる。なお、図10(B)の画面620Aにでは、停止ボタン622A、一時停止ボタン622A、スキップボタン623Aの各ボタンが、同じ表示態様で強調されている場合を例示したが、ボタン毎に表示態様が異なっていてもよい。
【0103】
ここで、強調表示の仕方は、特に限定されず、例えば、ボタン枠の線を太線にしたり、ボタン枠の線色を「赤色」等のように意識させる色にしたり、ボタンの大きさを大きくしたり、ボタンを画面上の中央に配置させたり、ボタンを点滅させたりしてもよい。またこれらの強調表示の種類を組み合わせてもよい。
【0104】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、反復類型取引に係る各画面に設ける特定ボタンを強調表示することにより、反復類型取引を操作者に誘導させたり、自動的に遷移する画面に対する操作を意識させたりすることができる。
【0105】
(C)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0106】
(C-1)上述した第1及び第2の実施形態では、操作者の認証成功後に、操作日時情報と同じ時間帯等の反復類型取引を検索し、その反復類型取引(反復類型取引選択ボタン)を選択可能とする選択画面が表示される場合を例示した。しかし、これに限定されない。例えば、取引処理装置が、管理者や担当者等の出勤管理システムと連携可能である場合、出勤管理システムにおける管理者や担当者等の出勤日時情報と同じ時間帯等の反復類型取引を検索できるようにしてもよい。
【0107】
(C-2)反復類型取引の選択後、当該取引の処理手順に従って、操作画面が自動的に切替表示されるが、その画面切替に係る時間は、適宜設定可能であってもよい。
【0108】
例えば、図7(B)の出金種別選択画面620は、操作者にとって容易に認識可能であるので、次の図8(A)の金種枚数入力画面630への切替時間は、例えば1秒間等のように比較的短くてもよいと考えられる。他方、図8(A)の金種枚数入力画面640は、操作者が確認するために時間を要することもある。そのため、次の図8(B)の出金額確認画面640への切替時間を、例えば2秒間等のように少し長めにしてもよい。換言すると、自動的に画面切り替えする時間は、一律である必要はなく、画面毎に異なる時間が設定されていてもよい。
【0109】
(C-3)上述した第1の実施形態では、S104において反復類型の取引内容が存在する場合の処理を、図6図7図8の画面図を用いて説明したが、これらの画面図とは異なる表示、操作としてもよい。例えば、第2の実施形態で説明した強調表示を利用することができる。S104において反復類型の取引として釣銭出金が検索された場合、図7(A)の画面は表示せず、図4(A)のメニュー画面を表示させ、「釣銭出金」を強調表示することで、操作者が「釣銭出金」を選択しやすいように誘導してもよい。図4(B)の出金種別画面では、検索された取引内容が「金種枚数指定出金」であれば、「金種枚数指定出金」を強調表示して操作者を誘導してもよい。図5(A)の金種枚数入力画面では、枚数を入力する箇所を囲うなどして、操作者の入力を誘導してもよい。このように、過去に繰り返し同じ取引内容で実施されている取引がある場合は、記憶されている同じ取引や同じ取引内容を強調表示することで操作者の入力を誘導するようにしてもよい。
【0110】
(C-4)上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、情報処理装置として取引処理装置1について説明したが、これに限定されず情報検索装置、情報提供装置等を含むものとする。さらに、取引処理装置1において取引及び取引内容について説明したが、これに限定されず、情報処理装置に対し実行される処理及び処理内容を含むものとする。
【符号の説明】
【0111】
1…取引処理装置、131…カードリーダ部、133…操作表示部、150…制御部、151…検索部、152…表示制御部、160…記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10