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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-14
(45)【発行日】2024-02-22
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240215BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20240215BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240215BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20240215BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B60R16/02 645C
B60R16/03 A
H02J7/00 P
H02J7/00 302B
F02D45/00 395
B60L1/00 L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020081562
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021175643
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内村 貴大
(72)【発明者】
【氏名】大堀 勇二
(72)【発明者】
【氏名】夏目 侑紀
(72)【発明者】
【氏名】桜井 克
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-061179(JP,A)
【文献】特開2005-047342(JP,A)
【文献】特開2013-012108(JP,A)
【文献】特開2004-142662(JP,A)
【文献】特開2004-092564(JP,A)
【文献】特開2018-127148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00-17/02
H02J 7/00
F02D 45/00
B60L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリとは独立して設けられ、複数の車載電子機器に電力を供給可能なバックアップ電源と、
一端が、前記バックアップ電源に共通して接続され、他端が、個々に前記車載電子機器に接続された複数のスイッチと、
自車両の状態または自車両の周辺環境に応じて、複数の前記スイッチのオンオフを制御するスイッチ制御部と、
を備え
自車両の状態または自車両の周辺環境についての条件と、電力を供給すべき前記車載電子機器の優先順位との関係が予め定められており、
前記スイッチ制御部は、自車両の現在の状態または自車両の現在の周辺環境における前記優先順位の高い前記車載電子機器に対応する前記スイッチをオンさせる、車両。
【請求項2】
前記車載電子機器と、前記車載電子機器に対応する前記スイッチとの間における前記車載電子機器に対応する接続ノードは、他の前記車載電子機器に接続されており、
前記車載電子機器に対応する接続ノードと、前記車載電子機器との間の電流経路は、前記車載電子機器に対応する接続ノードと、他の前記車載電子機器との間の電流経路より短い請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップ電源を有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車両においてバッテリと各種電子機器(車載電子機器)との間にスイッチを介在させ、スイッチをオフすることでバッテリから電子機器への電力の供給を停止し、バッテリの消耗を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-47342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両には、例えば、車載電子機器における瞬間的な消費電力の増加に備えるため、バッテリとは独立したバックアップ電源が、車載電子機器ごとに個々に設けられることがある。しかし、この態様では、複数のバックアップ電源を搭載するために広いスペースを要するとともに、積載重量が増加してしまう。そこで、バックアップ電源を、複数の車載電子機器で共通とすることが挙げられる。しかし、この態様では、電力を必ずしも要しない車載電子機器にまでバックアップ電源の電力が過剰に供給されることがある。
【0005】
そこで、本発明は、バックアップ電源の電力を車載電子機器に適切に供給可能な車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両は、バッテリとは独立して設けられ、複数の車載電子機器に電力を供給可能なバックアップ電源と、一端が、バックアップ電源に共通して接続され、他端が、個々に車載電子機器に接続された複数のスイッチと、自車両の状態または自車両の周辺環境に応じて、複数のスイッチのオンオフを制御するスイッチ制御部と、を備え、自車両の状態または自車両の周辺環境についての条件と、電力を供給すべき車載電子機器の優先順位との関係が予め定められており、スイッチ制御部は、自車両の現在の状態または自車両の現在の周辺環境における優先順位の高い車載電子機器に対応するスイッチをオンさせる
【0008】
また、車載電子機器と、車載電子機器に対応するスイッチとの間における車載電子機器に対応する接続ノードは、他の車載電子機器に接続されており、車載電子機器に対応する接続ノードと、車載電子機器との間の電流経路は、車載電子機器に対応する接続ノードと、他の車載電子機器との間の電流経路より短いとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バックアップ電源の電力を車載電子機器に適切に供給可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態にかかる車両の構成を示す概略図である。
図2】スイッチ選択テーブルの一例を説明する図である。
図3】スイッチの制御の一例を示す図である。
図4】スイッチ制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態にかかる車両1の構成を示す概略図である。車両1は、例えば、駆動源としてエンジンとモータとが並設されたハイブリッド電気自動車であるとする。なお、車両1は、エンジンを駆動源とするエンジン自動車であってもよいし、モータを駆動源とする電気自動車であってもよい。以後、車両1を自車両と呼ぶ場合がある。
【0013】
車両1は、バッテリ10、ヒューズボックス12a、12b、オルタネータ14、エンジン15、DC/DCコンバータ16、高電圧バッテリ17、複数の車載電子機器18、バックアップ電源装置20、自動運転スイッチ22、外気温センサ24、ジャイロセンサ26、速度センサ28、車両制御部30およびスイッチ制御部32を含む。
【0014】
複数の車載電子機器18は、例えば、ADAS40(先進運転支援システム)、VDC42(ビークルダイナミクスコントロール)、BST44(ブレーキブースター)、EPS46(電動パワーステアリング)およびスタータ48である。なお、車載電子機器18は、例示した機器に限らず、適宜選定された機器であってもよい。また、車載電子機器18の数は、例示した5個に限らず、4個以下であってもよいし、6個以上であってもよい。
【0015】
バッテリ10は、例えば、鉛蓄電池であり、補機系の低圧の電源として機能する。バッテリ10の負極は、接地されている。
【0016】
ヒューズボックス12aには、ヒューズ50a、50b、50cが設けられている。ヒューズ50aの一端は、バッテリ10の正極に接続されている。ヒューズ50aの他端は、オルタネータ14およびDC/DCコンバータ16に接続されている。オルタネータ14はエンジン15に接続されている。DC/DCコンバータ16は高電圧バッテリ17に接続されている。
【0017】
オルタネータ14は、エンジン15の回転に応じて交流電力を生成(発電)し、直流電力に変換してヒューズ50aに出力する。DC/DCコンバータ16は、高電圧バッテリ17の電圧を、バッテリ10の電圧と同レベルの電圧に降圧してヒューズ50aに出力する。つまり、ヒューズ50aのバッテリ10側端には、バッテリ10の電力とオルタネータ14による電力と高電圧バッテリ17による電力とが供給される。以後、ヒューズ50aのバッテリ10側端に接続される電源であるバッテリ10、オルタネータ14および高電圧バッテリ17を総称して、通常電源と呼ぶ場合がある。
【0018】
なお、オルタネータ14とDC/DCコンバータ16との両方がヒューズ50aに接続される態様に限らない。例えば、車両1が電気自動車またはハイブリッド電気自動車の場合、少なくともオルタネータ14が省略されて、高電圧バッテリ17に接続されるDC/DCコンバータ16のみがヒューズ50aに接続されてもよい。また、例えば、車両1がエンジン自動車である場合、高電圧バッテリ17およびDC/DCコンバータ16が省略されて、エンジン15に接続されるオルタネータ14のみがヒューズ50aに接続されてもよい。
【0019】
ヒューズ50bの一端は、ヒューズ50aのバッテリ10側端に接続されている。ヒューズ50bの他端は、ヒューズボックス12bを経由してスイッチ制御部32に接続されている。つまり、スイッチ制御部32には、ヒューズ50bを通じて通常電源の電力が供給される。スイッチ制御部32については、後に詳述する。
【0020】
ヒューズ50cの一端は、ヒューズ50aのバッテリ10側端に接続されている。ヒューズ50cの他端は、ヒューズボックス12bを経由してADAS40に接続されている。つまり、ADAS40には、ヒューズ50cを通じて通常電源の電力が供給される。
【0021】
ADAS40は、例えば、車外環境を撮像するカメラ、レーダーまたはソナーなどを利用して自車両の周辺環境の情報を取得する。また、ADAS40は、車車間通信を通じて各種の情報を取得してもよい。ADAS40は、取得した各種の情報(例えば、自車両の周辺環境の情報)に基づいてアクセル、ブレーキまたはステアリングなどを自動制御することができる。つまり、ADAS40は、自車両を自動運転することができる。なお、ADAS40は、自車両の自動運転に限らず、例えば、速度制限制御などの安全運転を支援する制御を適宜行ってもよい。
【0022】
ヒューズボックス12bには、ヒューズ50d、50e、50fが設けられている。ヒューズ50dの一端は、ヒューズボックス12aに導入されてヒューズ50aのバッテリ10側端に接続されている。ヒューズ50dの他端は、VDC42に接続されている。つまり、VDC42には、ヒューズ50dを通じて通常電源の電力が供給される。
【0023】
VDC42は、例えば、ブレーキによる制動力を制御して、自車両の横滑りなどのスリップを抑制する。VDC42は、例えば、油圧回路の電動ポンプを駆動させ、または、油圧回路のソレノイドバルブを開閉させて、ブレーキを作動させる。
【0024】
ヒューズ50eの一端は、ヒューズボックス12aに導入されてヒューズ50aのバッテリ10側端に接続されている。ヒューズ50eの他端は、BST44に接続されている。つまり、BST44には、ヒューズ50eを通じて通常電源の電力が供給される。
【0025】
BST44は、ブレーキペダルに与えられる力を倍増してブレーキパッドを押し込む力(制動力)に変換する。BST44は、例えば、ブレーキ操作に応じた電動ポンプの作動による油圧によって、ブレーキパッドを押し込む力をアシストする。
【0026】
ヒューズ50fの一端は、ヒューズボックス12aに導入されてヒューズ50aのバッテリ10側端に接続されている。ヒューズ50fの他端は、EPS46に接続されている。つまり、EPS46には、ヒューズ50fを通じて通常電源の電力が供給される。
【0027】
EPS46は、例えば、ステアリングホイールの回転に応じてステアリングモータを作動させることで操舵操作をアシストする。
【0028】
スタータ48は、バッテリ10の正極に接続されている。スタータ48には、通常電源の電力が供給される。スタータ48は、バッテリ10の電力を消費してエンジンを始動、あるいは、一時的に停止していたエンジンを再始動させる。なお、エンジンの始動または再始動の際には、スタータ48には、ヒューズが溶断されるほどの大電流が流れることがある。このため、スタータ48は、ヒューズを介さずにバッテリ10に接続されている。
【0029】
バックアップ電源装置20は、バックアップ電源60および複数のスイッチ62を含む。バックアップ電源60は、バッテリ10とは別体として(独立して)設けられており、バッテリ10とは別に電力を蓄える。バックアップ電源60は、例えば、1または直列接続された複数のコンデンサで構成される。なお、バックアップ電源60は、コンデンサで構成される態様に限らず、例えば、鉛蓄電池などのバッテリ10で構成されてもよい。
【0030】
バックアップ電源60の一端は、接地されている。バックアップ電源60の他端は、複数のスイッチ62に接続されている。バックアップ電源60は、蓄えた電力を、複数のスイッチ62を通じて複数の車載電子機器18に供給可能である。
【0031】
スイッチ62は、例えば、半導体スイッチである。複数のスイッチ62は、共通のバックアップ電源60に並列接続されている。具体的には、スイッチ62は、車載電子機器18ごとに設けられる。図1の例では、5個の車載電子機器18を例示しているため、スイッチ62が5個設けられる。以後、個々のスイッチ62を区別するために、スイッチ62a、62b、62c、62d、62eと呼ぶ場合がある。
【0032】
スイッチ62aの一端は、バックアップ電源60における接地されている端とは反対側端(他端)に接続されている。スイッチ62aの他端は、ヒューズ50cとADAS40との間の配線64aに接続されている。スイッチ62aは、通常電源の電力をADAS40に伝送する配線64aに接続されているため、ADAS40に対応付けられる。また、配線64aとスイッチ62aの他端とが接続される接続ノード66aは、配線64aにおけるADAS40の近傍に設けられる。接続ノード66aは、ADAS40と、ADAS40に対応するスイッチ62aとの間にあるため、ADAS40およびスイッチ62aに対応付けられる。
【0033】
スイッチ62bの一端は、バックアップ電源60における接地されている端とは反対側端に接続されている。スイッチ62bの他端は、ヒューズ50dとVDC42との間の配線64bに接続されている。スイッチ62bは、通常電源の電力をVDC42に伝送する配線64bに接続されているため、VDC42に対応付けられる。また、配線64bとスイッチ62bの他端とが接続される接続ノード66bは、配線64bにおけるVDC42の近傍に設けられる。接続ノード66bは、VDC42と、VDC42に対応するスイッチ62bとの間にあるため、VDC42およびスイッチ62bに対応付けられる。
【0034】
スイッチ62cの一端は、バックアップ電源60における接地されている端とは反対側端に接続されている。スイッチ62cの他端は、ヒューズ50eとBST44との間の配線64cに接続されている。スイッチ62cは、通常電源の電力をBST44に伝送する配線64cに接続されているため、BST44に対応付けられる。また、配線64cとスイッチ62cの他端とが接続される接続ノード66cは、配線64cにおけるBST44の近傍に設けられる。接続ノード66cは、BST44と、BST44に対応するスイッチ62cとの間にあるため、BST44およびスイッチ62cに対応付けられる。
【0035】
スイッチ62dの一端は、バックアップ電源60における接地されている端とは反対側端に接続されている。スイッチ62dの他端は、ヒューズ50fとEPS46との間の配線64dに接続されている。スイッチ62dは、通常電源の電力をEPS46に伝送する配線64dに接続されているため、EPS46に対応付けられる。また、配線64dとスイッチ62dの他端とが接続される接続ノード66dは、配線64dにおけるEPS46の近傍に設けられる。接続ノード66dは、EPS46と、EPS46に対応するスイッチ62dとの間にあるため、EPS46およびスイッチ62dに対応付けられる。
【0036】
スイッチ62eの一端は、バックアップ電源60における接地されている端とは反対側端に接続されている。スイッチ62eの他端は、バッテリ10とスタータ48との間の配線64eに接続されている。スイッチ62eは、通常電源の電力をスタータ48に伝送する配線64eに接続されているため、スタータ48に対応付けられる。また、配線64eとスイッチ62eの他端とが接続される接続ノード66eは、配線64eにおけるスタータ48の近傍に設けられる。接続ノード66eは、スタータ48と、スタータ48に対応するスイッチ62eとの間にあるため、スタータ48およびスイッチ62eに対応付けられる。
【0037】
接続ノード66aは、ヒューズ50cを経由して他の接続ノード66b、66c、66d、66eと電気的に接続されている。また、接続ノード66bは、ヒューズ50dを経由して他の接続ノード66a、66c、66d、66eと電気的に接続されている。また、接続ノード66cは、ヒューズ50eを経由して他の接続ノード66a、66b、66d、66eと電気的に接続されている。また、接続ノード66dは、ヒューズ50を経由して他の接続ノード66a、66b、66c、66eと電気的に接続されている。また、接続ノード66eは、他の接続ノード66a、66b、66c、66dと電気的に接続されている。
【0038】
ADAS40に対応する接続ノード66aと、ADAS40との間の電流経路は、ADAS40に対応する接続ノード66aと、他の車載電子機器18(例えば、VDC42、BST44、EPS46またはスタータ48)との間の電流経路より短くなっている。
【0039】
VDC42に対応する接続ノード66bと、VDC42との間の電流経路は、VDC42に対応する接続ノード66bと、他の車載電子機器18(例えば、ADAS40、BST44、EPS46またはスタータ48)との間の電流経路より短くなっている。
【0040】
BST44に対応する接続ノード66cと、BST44との間の電流経路は、BST44に対応する接続ノード66cと、他の車載電子機器18(例えば、ADAS40、VDC42、EPS46またはスタータ48)との間の電流経路より短くなっている。
【0041】
EPS46に対応する接続ノード66dと、EPS46との間の電流経路は、EPS46に対応する接続ノード66dと、他の車載電子機器18(例えば、ADAS40、VDC42、BST44またはスタータ48)との間の電流経路より短くなっている。
【0042】
スタータ48に対応する接続ノード66eと、スタータ48との間の電流経路は、スタータ48に対応する接続ノード66eと、他の車載電子機器18(例えば、ADAS40、VDC42、BST44またはEPS46)との間の電流経路より短くなっている。
【0043】
スイッチ62aがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62aおよび接続ノード66aを通じて、対応する車載電子機器18であるADAS40に電力(バックアップ電力)を供給することができる。つまり、スイッチ62aをオン状態とすることで、車載電子機器18の消費電力が瞬間的に増加して通常電源の供給電力が不足しても、バックアップ電力の供給によってADAS40に印加する電圧を維持することができる。
【0044】
また、スイッチ62aがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62aに対応していない他の車載電子機器18にも、スイッチ62a、接続ノード66aおよびヒューズ50cを通じて電力(バックアップ電力)を供給することができる。
【0045】
ただし、上記のように、スイッチ62aに対応するADAS40までの電流経路よりもスイッチ62aに対応していない他の車載電子機器18(VDC42、BST44、EPS46またはスタータ48)までの電流経路が長くなっている。このため、他の車載電子機器18までの電流経路における電圧降下が、ADAS40までの電流経路における電圧降下よりも大きくなっている。その結果、バックアップ電源60によって他の車載電子機器18に印加される電圧は、バックアップ電源60によってADAS40に印加される電圧より低くなる。
【0046】
例えば、配線64a、64bの抵抗値を10mΩとし、100mAの電流が流れると仮定した場合、スイッチ62aを通じてVDC42に印加される電圧は、スイッチ62aを通じてADAS40に印加される電圧に対して、約2Vだけ多く低下すると推定される。
【0047】
このように、スイッチ62aがオン状態のとき、スイッチ62aに対応する車載電子機器18であるADAS40には、他の車載電子機器(VDC42、BST44、EPS46またはスタータ48)にかかる電圧よりも高い電圧のバックアップ電力を供給することができる。換言すると、バックアップ電源60は、スイッチ62(例えば、スイッチ62a)に対応する車載電子機器18(例えば、ADAS40)に優先的にバックアップ電力を供給することができる。
【0048】
スイッチ62aに対応するADAS40には、相対的に高い電圧でバックアップ電力が供給されるため、ADAS40での消費可能な電力量を多くすることができる。
【0049】
また、スイッチ62aがオン状態のとき、スイッチ62aに対応しないVDC42などには、スイッチ62aに対応するADAS40にかかる電圧よりも低い電圧のバックアップ電力を供給することができる。換言すると、バックアップ電源60は、スイッチ62aに対応するADAS40よりも電圧が低くなるものの、スイッチ62aに対応しないVDC42、BST44、EPS46またはスタータ48にも、バックアップ電力を供給することができる。
【0050】
スイッチ62aに対応しないVDC42などには、相対的に低い電圧でバックアップ電力が供給されるため、ADAS40に比べ、VDC42などでの消費可能なバックアップ電力の電力量は低下される。
【0051】
スイッチ62aと同様に、スイッチ62bがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62bに対応するVDC42に優先的にバックアップ電力を供給することができる。また、バックアップ電源60は、VDC42以外の他の車載電子機器18にも、電圧が低くなるものの、バックアップ電力を供給できる。
【0052】
スイッチ62cがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62cに対応するBST44に優先的にバックアップ電力を供給することができる。また、バックアップ電源60は、BST44以外の他の車載電子機器18にも、電圧が低くなるものの、バックアップ電力を供給できる。
【0053】
スイッチ62dがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62dに対応するEPS46に優先的にバックアップ電力を供給することができる。また、バックアップ電源60は、EPS46以外の他の車載電子機器18にも、電圧が低くなるものの、バックアップ電力を供給できる。
【0054】
スイッチ62eがオン状態のとき、バックアップ電源60は、スイッチ62eに対応するスタータ48に優先的にバックアップ電力を供給することができる。また、バックアップ電源60は、スタータ48以外の他の車載電子機器18にも、電圧が低くなるものの、バックアップ電力を供給できる。
【0055】
また、複数のスイッチ62のいずれか1個以上がオン状態とされると、通常電源の電力によってバックアップ電源60を充電することができる。
【0056】
自動運転スイッチ22は、運転者による自動運転のオンオフ操作を受け付ける。自動運転スイッチ22は、例えば、自動運転のオン操作を受け付けると、自動運転フラグをオン状態として出力する。自動運転フラグは、例えば、自動運転のオフ操作を受け付けるまでオン状態で維持される。
【0057】
外気温センサ24は、車両1の周囲の外気温を検出する。ジャイロセンサ26は、車両1の姿勢、例えば、車両1のピッチ角またはロール角などを検出する。なお、ピッチ角は、車両1の幅方向の軸周りの角度であり、車両1の前後方向の傾きを示す。ロール角は、車両1の前後方向の軸周りの角度であり、車両1の左右方向の傾きを示す。速度センサ28は、車両1の速度(所謂、車速)を検出する。
【0058】
車両制御部30は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。車両制御部30は、詳細な説明は省略するが、駆動機構、制動機構および操舵機構など車両1全体を制御する。
【0059】
また、車両制御部30は、プログラムを実行することで、摩擦係数導出部70および再始動要求部72としても機能する。
【0060】
摩擦係数導出部70は、車両1が走行する路面の摩擦係数(μ)を導出する。例えば、摩擦係数導出部70は、各車輪の車輪速を不図示の車輪速センサから取得する。摩擦係数導出部70は、車輪速が急激に増加した車輪があった場合、その車輪がスリップしたと判断する。摩擦係数導出部70は、スリップが発生したときの駆動力に基づいて路面の摩擦係数を導出する。
【0061】
再始動要求部72は、アイドリングストップによってエンジンが一時的に停止されている状態において、所定の再始動条件が成立すると、エンジンの再始動を要求する再始動要求フラグをオンさせる。再始動要求フラグがオンされると、スタータ48が作動し、エンジンが再始動される。なお、再始動要求フラグは、エンジンの再始動が完了するとオフされる。
【0062】
スイッチ制御部32は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。
【0063】
スイッチ制御部32は、自動運転スイッチ22から自動運転フラグを取得する。また、スイッチ制御部32は、外気温センサ24から車両1の周囲の外気温を取得する。また、スイッチ制御部32は、ジャイロセンサ26から車両1のピッチ角を取得する。また、スイッチ制御部32は、速度センサ28から車速を取得する。また、スイッチ制御部32は、摩擦係数導出部70から車両1が走行している路面の摩擦係数を取得する。また、スイッチ制御部32は、再始動要求部72から再始動要求フラグを取得する。
【0064】
スイッチ制御部32は、取得した各種の情報に基づいて、自車両の状態または自車両の周辺環境を判断する。スイッチ制御部32は、自車両の状態または自車両の周辺環境に応じて、バックアップ電源装置20の複数のスイッチ62のオンオフを制御する。スイッチ制御部32は、複数のスイッチ62のうち、自車両の現在の状態または自車両の現在の周辺環境において優先して電力を供給すべき車載電子機器18に対応するスイッチ62をオンさせる。以後、自車両の状態または自車両の周辺環境を総称して、車両環境と呼ぶ場合がある。
【0065】
具体的には、スイッチ制御部32は、車両環境、車載電子機器18およびスイッチ62の関係が予め設定されたスイッチ選択テーブルを参照して、オンするスイッチ62を決定する。
【0066】
図2は、スイッチ選択テーブルの一例を説明する図である。スイッチ選択テーブルには、自車両の状態または自車両の周辺環境についての条件と、電力(バックアップ電力)を供給すべき車載電子機器18の優先順位との関係が予め定められている。図2では、優先順位が高い車載電子機器18(スイッチ62)を丸印で示している。優先順位が高い車載電子機器18とは、バックアップ電力の必要性が高い車載電子機器18に相当する。なお、後述するように、車両環境の条件に対して複数の車載電子機器18に丸印が付されているものについては、複数の丸印に対応するすべてのスイッチ62を並行してオンすることを示している。
【0067】
図2の例では、自動運転がオン状態である場合、ADAS40、VDC42、BST44およびEPS46の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、スタータ48よりも高く設定されている。これは、自動運転中では、自動運転を制御するADAS40、および、自動運転の制御対象であるVDC42、BST44およびEPS46に優先的に電力を供給すべきだからである。つまり、自動運転がオン状態である場合、スイッチ62a、62b、62c、62dがオンされ、スイッチ62eがオフされる。
【0068】
自車両の周囲の外気温が低温である場合、VDC42、BST44およびEPS46の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40およびスタータ48より高く設定されている。これは、外気温が低温のときには、VDC42、BST44およびEPS46の温度が十分に高くなっておらず、それら車載電子機器18の消費電力が大きくなるからである。つまり、外気温が低温である場合、スイッチ62b、62c、62dがオンされ、スイッチ62a、62eがオフされる。
【0069】
自車両が走行している路面の摩擦係数が低摩擦係数である場合、VDC42およびBST44の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、EPS46およびスタータ48より高く設定されている。これは、路面の摩擦係数が低摩擦係数のとき、車両1の横滑りが生じ易く、ブレーキ系統の機器を適切に作動させる必要があるからである。つまり、路面の摩擦係数が低摩擦係数の場合、スイッチ62b、62cがオンされ、スイッチ62a、62d、62eがオフされる。
【0070】
自車両が走行している路面の摩擦係数が高摩擦係数である場合、EPS46の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、VDC42、BST44およびスタータ48より高く設定されている。これは、路面の摩擦係数が高摩擦係数のときには、操舵操作に要する力が上昇するからである。つまり、路面の摩擦係数が高摩擦係数である場合、スイッチ62dがオンされ、スイッチ62a、62b、62c、62eがオフされる。
【0071】
自車両が高傾斜の坂道に居る場合、VDC42およびBST44の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、EPS46およびスタータ48より高く設定されている。これは、坂道では、ブレーキ系統の機器を適切に作動させる必要があるからである。つまり、自車両が高傾斜の坂道に居る場合、スイッチ62b、62cがオンされ、スイッチ62a、62d、62eがオフされる。
【0072】
自車両の車速が低車速の場合、EPS46の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、VDC42、BST44およびスタータ48より高く設定されている。これは、低車速のときでは、操舵操作に要する力が上昇するからである。つまり、自車両の車速が低車速の場合、スイッチ62dがオンされ、スイッチ62a、62b、62c、62eがオフされる。
【0073】
自車両の車速が高車速の場合、VDC42およびBST44の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、EPS46およびスタータ48より高く設定されている。これは、高車速のときには、適切に減速させる必要があるからである。つまり、自車両の車速が高車速の場合、スイッチ62b、62cがオンされ、スイッチ62a、62d、62eがオフされる。
【0074】
自車両が停車している状態でエンジンが再始動される場合(停車時再始動の場合)、スタータ48の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、ADAS40、VDC42、BST44およびEPS46より高く設定されている。これは、停車時再始動の場合、スタータ48での消費電力が大きいからである。つまり、停車時再始動の場合、スイッチ62eがオンされ、スイッチ62a、62b、62c、62dがオフされる。
【0075】
自車両が走行している状態でエンジンが再始動される場合(走行時再始動の場合)、ADAS40、VDC42、BST44およびEPS46の優先順位が、他の車載電子機器18、すなわち、スタータ48より高く設定されている。これは、通常電源の電力がスタータ48で消費されることで、他の車載電子機器18に供給される電力が低下し、再始動中の走行状態によっては、緊急ブレーキまたは緊急回避などが必要になる可能性があるからである。つまり、走行時再始動の場合、スイッチ62a、62b、62c、62dがオンされ、スイッチ62eがオフされる。
【0076】
スイッチ制御部32は、例えば、所定の制御タイミングとなると、スイッチ選択テーブル(図2)における条件を満たすか否かを、すべての項目について判断する。例えば、自車両の車速が低車速である条件のみが満たされた場合、スイッチ制御部32は、EPS46に対応するスイッチ62dのみをオンさせ、その他のスイッチ62をオフさせる。
【0077】
また、複数の条件が並行して満たされた場合、スイッチ制御部32は、条件が満たされた項目における優先順位が高いスイッチ62を、条件が満たされた複数の項目について論理和的に総合したすべてのスイッチ62をオンさせる。例えば、路面の摩擦係数が低摩擦係数であり、かつ、自車両の車速が低車速である場合、スイッチ制御部32は、スイッチ62b、62c、62dをオンさせ、その他のスイッチ62をオフさせる。この態様では、複数の条件を並行して満たしたとしても、必要な車載電子機器18のすべてにバックアップ電力を適切に供給することができる。
【0078】
図3は、スイッチ62の制御の一例を示す図である。図3では、自車両の車速が低車速である条件のみが満たされた場合、すなわち、スイッチ62dのみをオンさせた場合を例示している。
【0079】
スイッチ62dがオンされると、バックアップ電源60は、実線の矢印80で示すように、スイッチ62dに対応するEPS46に優先的にバックアップ電力を供給する。
【0080】
これにより、通常電源からEPS46に供給される電力が低下したとしても、優先的に供給されるバックアップ電力によって、EPS46の電圧を適切に維持させることができる。その結果、低車速で旋回操作が行われたとしても、EPS46を適切に作動させることができる。
【0081】
また、バックアップ電源60は、破線の矢印82で示すように、実線の矢印80よりも電流経路が長くなるものの、EPS46よりも優先順位が低い他の車載電子機器18(ADAS40、VDC42、BST44およびスタータ48)およびスイッチ制御部32にも補助的にバックアップ電力を供給することができる。
【0082】
これにより、優先順位が高い車載電子機器18よりもバックアップ電力の供給量が少ないものの、優先順位が低い他の車載電子機器18(ADAS40、VDC42、BST44およびスタータ48)に供給される電力の低下を抑制することができる。このため、例えば、低車速で旋回操作に加えブレーキ操作も行われた場合などにおいて、VDC42またはBST44の機能が停止されることを抑制することができる。
【0083】
図4は、スイッチ制御部32の動作の流れを説明するフローチャートである。スイッチ制御部32は、所定制御周期で訪れる所定の割り込みタイミングごとに、図4の一連の処理を繰り返す。図4のフローチャートにおいて、スイッチ制御部32は、条件を満たすか否かを順に判断していき、条件を満たした場合に各々の優先情報を取得して一時的に保持し、最後に優先情報のスイッチ62の論理和(OR)を演算することで、オンするスイッチ62を決定する。
【0084】
具体的には、スイッチ制御部32は、自動運転スイッチ22から現在の自動運転フラグを取得し、自動運転フラグがオン状態であるか否かを判断する(S100)。自動運転フラグがオン状態である場合(S100におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける自動運転の項目を参照し、自動運転時に優先的にオンするスイッチ62を示す自動運転優先情報を取得して一時的に保持し(S110)、ステップS120の処理に進む。自動運転優先情報は、例えば、スイッチ62a、62b、62c、62dを示す。自動運転フラグがオフ状態である場合(S100におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS120の処理に進む。
【0085】
ステップS120において、スイッチ制御部32は、外気温センサ24から現在の外気温を取得し、外気温が所定温度未満であるか否かを判断する(S120)。外気温が所定温度未満である場合(S120におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける外気温の項目を参照し、外気温が低温時に優先的にオンするスイッチ62を示す外気温優先情報を取得して一時的に保持し(S130)、ステップS140の処理に進む。外気温優先情報は、例えば、スイッチ62b、62c、62dを示す。外気温が所定温度以上である場合(S120におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS140の処理に進む。
【0086】
ステップS140において、スイッチ制御部32は、摩擦係数導出部70から現在の路面の摩擦係数を取得し、摩擦係数が所定の低μ閾値未満であるか否かを判断する(S140)。摩擦係数が所定の低μ閾値未満である場合(S140におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける路面が低摩擦係数であるときに優先的にオンするスイッチ62を示す低μ優先情報を取得して一時的に保持し(S150)、ステップS160の処理に進む。低μ優先情報は、例えば、スイッチ62b、62cを示す。摩擦係数が所定の低μ閾値以上である場合(S140におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS160の処理に進む。
【0087】
ステップS160において、スイッチ制御部32は、ステップS140の摩擦係数が所定の高μ閾値以上であるか否かを判断する(S160)。摩擦係数が所定の高μ閾値以上である場合(S160におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける路面が高摩擦係数であるときに優先的にオンするスイッチ62を示す高μ優先情報を取得して一時的に保持し(S170)、ステップS180の処理に進む。高μ優先情報は、例えば、スイッチ62dを示す。摩擦係数が所定の高μ閾値未満である場合(S160におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS180の処理に進む。
【0088】
ステップS180において、スイッチ制御部32は、ジャイロセンサ26から現在のピッチ角を取得し、ピッチ角が所定ピッチ角以上であるか否かを判断する(S180)。ピッチ角が所定ピッチ角以上である場合(S180におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける坂道が高傾斜時に優先的にオンするスイッチ62を示すピッチ角優先情報を取得して一時的に保持し(S190)、ステップS200の処理に進む。ピッチ各優先情報は、例えば、スイッチ62b、62cを示す。ピッチ角が所定ピッチ角未満である場合(S180におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS200の処理に進む。
【0089】
ステップS200において、スイッチ制御部32は、速度センサ28から現在の車速を取得し、車速が所定の低車速閾値未満であるか否かを判断する(S200)。車速が所定の低車速閾値未満である場合(S200におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける車速が低車速時に優先的にオンするスイッチ62を示す低車速優先情報を取得して一時的に保持し(S210)、ステップS220の処理に進む。低車速優先情報は、例えば、スイッチ62dを示す。車速が所定の低車速閾値以上である場合(S200におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS220の処理に進む。
【0090】
ステップS220において、スイッチ制御部32は、ステップS200の車速が所定の高車速閾値以上であるか否かを判断する(S220)。車速が所定の高車速閾値以上である場合(S220におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける車速が高車速時に優先的にオンするスイッチ62を示す高車速優先情報を取得して一時的に保持し(S230)、ステップS240の処理に進む。高車速優先情報は、例えば、スイッチ62b、62cを示す。車速が所定の高車速閾値未満の場合(S220におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS240の処理に進む。
【0091】
ステップS240において、スイッチ制御部32は、再始動要求部72から再始動フラグを取得し、自車両が停車時であり、かつ、再始動フラグがオン状態であるか否かを判断する(S240)。なお、スイッチ制御部32は、ステップS200の車速が、自車両が停車しているか否かを示す所定の停車閾値未満であれば停車時であると判断する。停車時であり、かつ、再始動フラグがオン状態である場合(S240におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける停車時再始動で優先的にオンするスイッチ62を示す停車時再始動優先情報を取得して一時的に保持し(S250)、ステップS260の処理に進む。停車時再始動優先情報は、例えば、スイッチ62eを示す。停車時ではない場合、または、再始動フラグがオン状態ではない場合(S240におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS260の処理に進む。
【0092】
ステップS260において、スイッチ制御部32は、自車両が走行時であり、かつ、ステップS240の再始動フラグがオン状態であるか否かを判断する(S260)。なお、スイッチ制御部32は、ステップS200の車速が、上記停車閾値以上であれば走行時であると判断する。走行時であり、かつ、再始動フラグがオン状態である場合(S260におけるYES)、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルにおける走行時再始動で優先的にオンするスイッチ62を示す走行時再始動優先情報を取得して一時的に保持し(S270)、ステップS280の処理に進む。走行時再始動優先情報は、例えば、スイッチ62a、62b、62c、62dを示す。走行時ではない場合、または、再始動フラグがオン状態ではない場合(S260におけるNO)、スイッチ制御部32は、そのままステップS280の処理に進む。
【0093】
ステップS280において、スイッチ制御部32は、ステップS110~ステップS270で取得された各優先情報のスイッチ62の論理和(OR)を演算して、オンするスイッチ62を決定する(S280)。そして、スイッチ制御部32は、決定されたスイッチ62をオンさせ(S290)、一時的に保持していた各優先情報をクリアし(S300)、一連の処理を終了する。
【0094】
以上のように、本実施形態の車両1では、一端がバックアップ電源60に共通して接続され、他端が個々に車載電子機器18に接続された複数のスイッチ62が設けられている。そして、本実施形態の車両1のスイッチ制御部32は、自車両の状態または自車両の周辺環境に応じて、複数のスイッチ62のオンオフを制御する。具体的には、スイッチ制御部32は、自車両の現在の状態または自車両の現在の周辺環境における優先順位の高い車載電子機器18に対応するスイッチ62をオンさせる。
【0095】
したがって、本実施形態の車両1では、バックアップ電源60の電力を車載電子機器18に適切に供給可能となる。
【0096】
また、本実施形態の車両1では、バックアップ電源60を車載電子機器18ごとに設けていないため、バックアップ電源60を搭載するスペースを小さくすることができ、積載重量の増加を抑制することができる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、上記実施形態のスイッチ制御部32は、所定の制御タイミングにおいて、スイッチ選択テーブル(図2)のすべての項目について条件を満たすか否かの判断を行った後に、各判断結果を総合してオンさせるスイッチ62を決定していた。しかし、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルの各項目の判断結果ごとにスイッチ62のオンオフを行ってもよい。
【0099】
また、スイッチ制御部32は、スイッチ選択テーブルの各条件のうち、いずれの条件も満たさない場合には、全てのスイッチ62をオフさせてもよい。
【0100】
また、バックアップ電源60は、車両1の停止時、または、全てのスイッチ62が長時間に亘ってオフされた場合、自然放電によって蓄電量が減少することがある。そこで、スイッチ制御部32は、車両1の起動時、または、車両1が稼働している状態で定期的に、少なくともいずれかのスイッチ62をオンさせて、通常電源の電力でバックアップ電源60を充電してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 車両
10 バッテリ
18 車載電子機器
32 スイッチ制御部
60 バックアップ電源
62、62a、62b、62c、62d、62e スイッチ
66a、66b、66c、66d、66e 接続ノード
図1
図2
図3
図4