IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報取得装置 図1
  • 特許-情報取得装置 図2
  • 特許-情報取得装置 図3
  • 特許-情報取得装置 図4
  • 特許-情報取得装置 図5
  • 特許-情報取得装置 図6
  • 特許-情報取得装置 図7
  • 特許-情報取得装置 図8
  • 特許-情報取得装置 図9
  • 特許-情報取得装置 図10
  • 特許-情報取得装置 図11
  • 特許-情報取得装置 図12
  • 特許-情報取得装置 図13
  • 特許-情報取得装置 図14
  • 特許-情報取得装置 図15
  • 特許-情報取得装置 図16
  • 特許-情報取得装置 図17
  • 特許-情報取得装置 図18
  • 特許-情報取得装置 図19
  • 特許-情報取得装置 図20
  • 特許-情報取得装置 図21
  • 特許-情報取得装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-19
(45)【発行日】2024-02-28
(54)【発明の名称】情報取得装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/00 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
G06K7/00 008
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020030117
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021135635
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良一
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-228147(JP,A)
【文献】特開2015-179504(JP,A)
【文献】特開2017-162464(JP,A)
【文献】特開2018-124606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278361(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06K 7/00 - 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、
前記媒体を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、
前記載置部は、
前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、
前記情報取得面側に設けられる板状の銘板と、を備えており、
前記本体部材は、筐体に形成される筐体側開口部に嵌合され、
前記銘板は、
前記筐体と前記本体部材との境界部分を覆うように配置されおり、
前記情報取得面に設定される情報取得領域に対応した開口部と、
前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部と、を有し、
前記隙間発生部は、前記銘板の前記開口部の内側に形成される内側突起部である、
ことを特徴とする情報取得装置。
【請求項2】
媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、
前記媒体を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、
前記載置部は、
前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、
前記情報取得面側に設けられる板状の補助部材と、を備えており、
前記補助部材は、
前記情報取得面に設定される情報取得領域に対応した開口部と、
前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部と、を有し、
前記隙間発生部は、前記補助部材の前記開口部の周囲に形成される突条の表面側突起部であり、
前記表面側突起部の情報取得面側には、傾斜面が形成されている、
ことを特徴とする情報取得装置。
【請求項3】
媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、
前記媒体を載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、
前記載置部は、
前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、
前記情報取得面側に設けられる板状の補助部材と、を備えており、
前記本体部材は、
前記情報取得面に設定される情報取得領域の外側が凹んだ段差部を有しており、前記段差部が筐体に形成される筐体側開口部に嵌合されており、
前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部を有し、
前記補助部材は、開口部を有し、前記段差部が形成される領域であって前記筐体の表面に配置されている、
ことを特徴とする情報取得装置。
【請求項4】
前記隙間発生部は、前記情報取得面に形成される凸状体である、
ことを特徴とする請求項に記載の情報取得装置。
【請求項5】
前記凸状体は、平面視で楕円形を呈し、前記情報取得面に設定される情報取得領域の周囲に配置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の情報取得装置。
【請求項6】
前記凸状体は、断面視が山状を呈する突条凸部であり、
前記情報取得面は、前記凸状体が並べて配置されることによって断面視で波状を呈する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報取得装置。
【請求項7】
前記隙間発生部は、前記本体部材に形成された空気孔であり、送風機が発生した空気を、前記情報取得面側に放出する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される技術は、IC(Integrated Circuit)カードの処理装置に関するものである。この処理装置は、方形の箱状の外観を呈している。筐体の上面の一部がICカードの形状に切り抜かれており、そこに透明板が配置されてICカードの載置部が形成されている。ICカードは、この透明板上に手作業等によって載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-240739号公報(例えば、段落0009、図1など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される処理装置では、処理が完了した後で透明板からICカードを持ち上げようとした場合に、透明板とICカードとが密着しているので持ち上げ難いという問題があった。また、媒体を横にスライドすると筐体に形成される孔の内縁部にICカードの端部が引っ掛かるので、媒体をスライドして取り出すこともできなかった。そのため、特許文献1に記載される処理装置は、操作性が良いとは必ずしもいえなかった。
【0005】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、従来よりも操作性に優れている情報取得装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る情報取得装置は、媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、前記媒体を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、前記載置部は、前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、前記情報取得面側に設けられる板状の銘板と、を備えており、前記本体部材は、筐体に形成される筐体側開口部に嵌合され、前記銘板は、前記筐体と前記本体部材との境界部分を覆うように配置されおり、前記情報取得面に設定される情報取得領域に対応した開口部と、前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部と、を有し、前記隙間発生部は、前記銘板の前記開口部の内側に形成される内側突起部である、ことを特徴とする。
本発明の一態様に係る情報取得装置は、媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、前記媒体を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、前記載置部は、前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、前記情報取得面側に設けられる板状の補助部材と、を備えており、前記補助部材は、前記情報取得面に設定される情報取得領域に対応した開口部と、前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部と、を有し、前記隙間発生部は、前記補助部材の前記開口部の周囲に形成される突条の表面側突起部であり、前記表面側突起部の情報取得面側には、傾斜面が形成されている、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係る情報取得装置は、媒体に記録される情報を取得する情報取得装置であって、前記媒体を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記媒体から情報を取得する取得部と、を備え、前記載置部は、前記媒体から情報を取得するための情報取得面を形成する本体部材と、前記情報取得面側に設けられる板状の補助部材と、を備えており、前記本体部材は、前記情報取得面に設定される情報取得領域の外側が凹んだ段差部を有しており、前記段差部が筐体に形成される筐体側開口部に嵌合されており、前記媒体と前記情報取得面との間に隙間を発生させる隙間発生部を有し、前記補助部材は、開口部を有し、前記段差部が形成される領域であって前記筐体の表面に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来よりも操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報取得装置の外観斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る情報取得装置が備える接客ユニットの断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る情報取得装置が備える載置部の平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る情報取得装置が備える載置部(媒体が載置された状態)の平面図である。媒体は一部を破断させて示している。
図5図3のV-Vに対応する断面図である。
図6図5の拡大図である。
図7】変形例に係る載置部の平面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る情報取得装置が備える載置部の平面図である。
図9図8のIX-IXに対応する断面図である。
図10図9の拡大図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る情報取得装置が備える載置部の平面図である。
図12図11のXII-XIIに対応する断面図である。
図13図12の拡大図である。
図14】本発明の第4実施形態に係る情報取得装置が備える載置部の平面図である。
図15図14のXV-XVに対応する断面図である。
図16図15の拡大図である。
図17】本発明の第5実施形態に係る情報取得装置が備える接客ユニットの断面図である。
図18】本発明の第5実施形態に係る情報取得装置が備える載置部の平面図である。
図19図18の拡大図であり、(a)は情報取得面の中央部分の拡大図であり、(b)は情報取得面の隅部部分の拡大図である。
図20図18のXX-XXに対応する断面図である。
図21】比較例に係る情報取得装置の外観斜視図である。
図22】比較例に係る情報取得装置が備える載置部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
≪第1実施形態に係る情報取得装置の概要≫
図1を参照して、第1実施形態に係る情報取得装置1の概要について説明する。情報取得装置1は、媒体(図1では「カード媒体9」を例示)から情報を取得する装置である。情報取得装置1は、媒体から情報を取得する様々な場面で使用することができる。情報取得装置1は、媒体から取得した情報を用いて処理を行い、新たな情報を媒体に記録するものであってもよい。媒体に情報を記録しておく手段や媒体から情報を取得する手段は、特に限定されずに種々のものであってよい。例えば、バーコード、IC(Integrated Circuit)チップ、磁気ストライプなどを用いて情報を媒体に記録することができる。情報取得装置1は、媒体に情報を記録する手段に応じた構成になっている。
【0012】
また、媒体に記録する情報の種類や内容は限定されるものではない。媒体に記録する情報は、例えば媒体を発行する発行者が提供するサービスに応じて決定される。媒体の発行者が金融機関である場合、媒体は例えばキャッシュカードであり、媒体に記録される情報は、金融サービスの提供を受ける顧客の情報である。また、媒体の発行者が小売業者である場合、媒体は例えばポイントカードであり、媒体に記録される情報は、ポイントやポイントサービスの提供を受ける会員の情報である。また、媒体の発行者が電子マネーサービスを提供する者(例えば、大手流通会社、IT会社、交通会社など)である場合、媒体は例えば繰り返しチャージ可能なプリペイドカードである。また、媒体に記録される情報は、バリュー(金銭的な価値)や電子マネーサービスを利用する利用者の情報などであり、例えばこれらの情報は紐づけられていてもよい。
【0013】
電子マネーは、広義では現金の代替となる決済手段の一種であると定義される。近年、決済手段は多様化しており、「前払式支払い手段」、「即時支払い手段」、「後払式支払い手段」などが存在する。
「前払式支払い手段」は、利用者がバリュー(金銭的な価値)を予め発行者に支払うことにより、そのバリューが記録され、物品の購入やサービスの提供時に、その記録されているバリューの範囲内で決済を行うことができる決済手段である。前払式支払い手段に用いられる媒体は、「プリペイドカード」などと呼ばれる場合がある。
【0014】
「即時支払い手段」は、決済代金が即時に所定の預金口座から引き落とされることにより、預金口座の残高の範囲内で決済を行うことができる決済手段である。即時支払い手段に用いられる媒体は、「デビットカード」などと呼ばれる場合がある。
「後払式支払い手段」は、決済時点よりも後の時点で、所定の預金口座から決済代金が引き落とされる決済手段である。後払式支払い手段では、決済時点で預金残高が不足していたとしても、利用者の与信枠(利用可能額)の範囲内で物品の購入やサービスの提供を受けることができる。後払式支払い手段に用いられる媒体は、「クレジットカード」などと呼ばれる場合がある。
【0015】
本実施形態では、電子マネーサービスにおける「前払式支払い手段」を想定して説明を行う。なお、電子マネーは、狭義では前払式支払い手段のバリューとして定義される場合があり、以下でもそのように使用する。
【0016】
≪第1実施形態に係る情報取得装置の構成≫
図1に示す情報取得装置1は、電子マネーチャージ機である。ここでのチャージは、電子マネーの加算を意図している。前払式支払い手段では、予め支払った電子マネーの範囲内で決済するので、使い過ぎの予防に優れる。一方、例えば商品を購入するときにレジカウンターで電子マネーの不足を指摘されることがある。この場合、その場で電子マネーをチャージしたり、または現金での支払いに切り替えたりしなければならず、支払いが完了するまでの所要時間が長くなるという不都合がある。
【0017】
図1に示す情報取得装置1としての電子マネーチャージ機は、例えばレジカウンターとは別の場所に設置されている。顧客は、レジカウンターで精算を行う前に電子マネーチャージ機に立ち寄ることで、電子マネーのチャージを行うことができる。電子マネーチャージ機は、例えば、残高照会機能やチャージ機能などを備える。残高照会機能は、利用者の求めに応じて残高照会を行い、結果を表示する機能である。チャージ機能は、利用者の求めに応じて現金の投入を受け付け、投入された金額に相当する電子マネーを加算する機能である。電子マネーチャージ機を用いることによって、レジカウンターで電子マネーの不足を指摘されることを抑制できる。
【0018】
図1に示すように、情報取得装置1は、筐体2と、紙幣入出金装置3と、制御部4と、接客ユニット5とを主に備える。情報取得装置1の説明における「上下」、「左右」、「前後」は、図1の矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上定めるものであり、本発明を限定するものではない。
【0019】
筐体2は、情報取得装置1の他の構成要素を内部に収納する部材である。筐体2は、前面が開口した箱形を呈している。筐体2の前面上部には、接客ユニット5が設置されており、筐体2の前面下部からは紙幣入出金装置3の一部が前方に突出している。
【0020】
紙幣入出金装置3は、紙幣を取り扱う装置である。紙幣入出金装置3の大部分は筐体2内に収納されており、前方部分が筐体2から突出している。紙幣入出金装置3の前面上部には、紙幣入出金口3a(図1ではシャッタを閉じた状態を示している)が設けられている。紙幣入出金口3aは、紙幣の投入や排出が行われる部分であり、紙幣を蓄積可能な構造になっている。紙幣入出金口3aに投入された紙幣は、紙幣入出金装置3内に引き込まれ、金種別に振り分けられて収納される。また、釣銭が必要な場合に、紙幣入出金装置3内に収納された紙幣は、紙幣入出金口3aから釣銭として払い出される。また、紙幣入出金装置3の前面下部には、カセット3bが装着されている。カセット3bは、前後方向に挿抜可能である。カセット3bは、現金の補充や回収を行うためのものである。
【0021】
制御部4は、情報取得装置1を統括制御する。制御部4は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されている。制御部4は、図示しないROM(Read Only Memory)等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、情報取得装置1全体の制御が可能になる。制御部4は、通信部を備え、外部の情報処理装置(図示せず)と通信可能に構成されていてもよい。例えば、情報取得装置1は、取得した媒体の情報をこの情報処理装置に送信し、情報処理装置が媒体の情報を用いて何らかの処理(例えば、電子マネーの加算)を行ってもよい。情報処理装置は、例えば媒体を発行する発行者が管理するサーバである。
【0022】
接客ユニット5には、情報の取得に必要な構成要素が設けられている。接客ユニット5は、情報の取得に際して利用者によって操作される。ここでの接客ユニット5は、第一接客部5aと第二接客部5bとを備える。第一接客部5aには、タッチディスプレイ6が設けられている。第二接客部5bには、情報取得ユニット7が設けられている。
【0023】
タッチディスプレイ6は、各種の画面を表示すると共に様々な指示や情報等の入力を受け付ける電子部品である。タッチディスプレイ6は、例えば液晶パネルとタッチパッドとを組み合わせたものである。タッチディスプレイ6は、第一接客部5aの中央に配置されている。
【0024】
情報取得ユニット7は、第二接客部5bの右側に配置されている。情報取得ユニット7は、媒体から情報を取得する取得部10と、情報を記録する媒体が載置される載置部20とを備える。ここでの載置部20は、取得部10の上方に配置されている。
【0025】
取得部10は、媒体に情報を記録する手段に応じた構成になっている。例えば、バーコードによって情報が媒体に記録される場合、取得部10は、バーコードを光学的に読み取る読取部(例えば、カメラやスキャナ)として構成される。また、ICチップによって情報が媒体に格納される場合、取得部10は、ICチップから通信技術を用いて情報を取得するICリーダとして構成される。ここでは、バーコードによって情報が記録される場合を想定して説明する。図2に示すように、取得部10は、接客ユニット5の筐体5cによって上下方向から挟まれるようにして固定されている。
【0026】
図3ないし図6を参照して、載置部20について説明する。載置部20は、本体部材21と、補助部材22とを備えて構成される。載置部20には、例えば図1に示すカード媒体9が載置される(図4参照)。カード媒体9には、バーコードが付されている。
【0027】
図3に示す本体部材21は、載置部20の基礎となる部材である。取得部10(図5参照)は、カード媒体9に付されるバーコードを、本体部材21を介して読み取る。つまり、本体部材21は、媒体からバーコードを読み取るための光を通過させる。そのため、本体部材21は、取得部10によるバーコードの読み取りが可能な材質および形状である。ここでの本体部材21は、透明な板状部材であり、例えば矩形状の樹脂板やガラス板であってよい。以下では、本体部材21の上面(媒体に対向する側の面)を「情報取得面21a(図5参照)」と呼ぶ場合がある。
【0028】
図5に示すように、接客ユニット5の筐体5cには、開口部5dが形成されている。なお、開口部5dを「筐体側開口部」と呼ぶ場合がある。本体部材21は、開口部5dの形状やサイズに対応しており、筐体5cの開口部5dに嵌め込まれている。図6に示すように、本体部材21の情報取得面21aと筐体5cの表面5eとは、面一になっている。図6は、図5の符号P1で示す領域の拡大図である。また、本体部材21の厚さは、筐体5cの板厚よりも厚くなっている。そのため、筐体5cと取得部10との間には、隙間5fが形成されている。隙間5fは、ガタつき防止用および異物侵入防止用の緩衝材を設置するための空間である。
【0029】
図3に示す補助部材22は、本体部材21に付属する部材である。補助部材22は、例えば操作銘板であり、情報取得に関する内容(例えば、媒体を設置する位置や方法、情報を読み取る手順など)が記されている。情報取得に関する内容を記す位置は、媒体に接触しない場所が好ましい。ここでの補助部材22は、本体部材21に対応した矩形環状を呈しており、開口部22aを有する。補助部材22は、情報取得面21a側に配置されており、筐体5cと本体部材21との境界部分を覆い隠すように設置されている(図5参照)。つまり、補助部材22は、筐体5cと本体部材21とに跨って設置されている。
【0030】
図3に示すように、情報取得面21aには、取得部10によってバーコードを読み取ることができる領域が設定されている。以下では、この領域を「情報取得領域10a」と呼ぶことにする。情報取得領域10aは、取得部10の撮影範囲のように物理的に決められる領域であってもよいし、情報取得装置1の運用方法などによって設計者に予め決められる領域であってもよい。図3に示すように、本実施形態では情報取得領域10aとして左右方向に長い矩形の領域を想定する。補助部材22の開口部22aのサイズは、情報取得領域10aのサイズよりも大きくなっている。
【0031】
図3に示すように、補助部材22は、隙間発生部30を備える。隙間発生部30は、載置部20に媒体が載置された状態(載置せずにかざした状態であってもよい)において、媒体と情報取得面21aとの間に隙間を発生させるものである。隙間発生部30は、隙間発生部30を視認することによって、利用者が媒体と情報取得面21aとの間に隙間を発生させてしまう心理的な効果を生むものであってもよい。言い換えると、隙間発生部30は、媒体と情報取得面21aとが密着することを防止または抑制する役割を担うものである。ここでの隙間発生部30は、開口部22aの内側に形成される内側突起部である。内側突起部としての隙間発生部30は、平面視で山状(略三角形状)を呈しており、開口部22aを構成する各辺(前辺、後辺、左辺、右辺)の中央部分に形成されている。図4に示すように、載置部20にカード媒体9が載置された状態で、隙間発生部30は、カード媒体9の周縁部に接触する(つまり、カード媒体9が隙間発生部30に乗り上げる)。
【0032】
なお、載置部20の構成要素の中で、情報取得面21aおよび隙間発生部30をまとめて、「インタフェース構造」と呼ぶ場合がある。
【0033】
各部材の寸法の対応関係を説明する。ここでは、前後方向の寸法を例に挙げて説明するが、左右方向についても同様の関係になっている。なお本実施形態では、図4に示すようにカード媒体9の長手方向が左右方向となるようカード媒体9が積載されるようになっている。すなわち、カード媒体9の短手方向の長さの寸法はL3となる。
【0034】
図5に示すように、対向する一対の隙間発生部30,30間の距離L2は、情報取得領域10aの寸法L1に対して大きくなっている(つまり、L1<L2)。また、カード媒体9の寸法L3(図4参照)は、対向する一対の隙間発生部30,30間の距離L2に対して大きくなっている(つまり、L2<L3)。また、本体部材21の寸法L5は、補助部材22の開口部22aの寸法L4(図3参照)に対して大きく、また、補助部材22の寸法L6は、本体部材21の寸法L5に対して大きくなっている(つまり、L4<L5<L6)。
【0035】
なお、内側突起部としての隙間発生部30は、載置部20にカード媒体9が載置された状態で、カード媒体9の周縁部に接触する(つまり、カード媒体9が隙間発生部30に乗り上げる)ものであればよく、形状、数、配置位置などは特に限定されない。例えば、隙間発生部30は、開口部22aを構成する各辺(前辺、後辺、左辺、右辺)の少なくとも何れか一つに形成されていればよく、また、中央部分以外の位置に形成されていてもよい。また、図7に示す補助部材22Aのように、開口部22Aaの四隅の何れか(図7では四隅全部)に内側突起部としての隙間発生部30Aが形成されるものであってもよい。図7に示す載置部20Aは、第1実施形態に係る載置部20の変形例を示すものである。
【0036】
以上のように、第1実施形態に係る情報取得装置1および載置部20のインタフェース構造は、内側突起部としての隙間発生部30が補助部材22の開口部22aの内側に形成される。そのため、情報取得面21a(情報取得領域10a)にカード媒体9を置いた場合に、隙間発生部30がカード媒体9の周縁部に接触する(つまり、カード媒体9が隙間発生部30に乗り上げる)ので、カード媒体9と情報取得面21aとの間に隙間が発生する(図6参照)。したがって、カード媒体9と情報取得面21aとが密着していないので、カード媒体9を情報取得面21aから持ち上げ易く、また、開口部22aの内縁部にカード媒体9が引っ掛かり難い。その結果、第1実施形態に係る情報取得装置1および載置部20のインタフェース構造は、従来よりも操作性に優れている。
【0037】
なお、隙間発生部30が果たす機能は、媒体と情報取得面21aとの密着を完全に防止するものに限定されず、密着する可能性を低減するものを含める意図である。
【0038】
また、第1実施形態に係る情報取得装置1および載置部20のインタフェース構造では、補助部材22に情報の取得に関する内容を印刷することができる(つまり、補助部材22に操作銘板の役割を持たせることができる)。そのため、カード媒体9と印刷部分との擦れ合いの具合が低減される。また、仮に印刷部分が読み難くなったとしても補助部材22の交換が可能であるので補修が容易である。一方、情報取得面21aに情報の取得に関する内容を直接印刷した場合、カード媒体9と印刷部分とが擦れ合い、印刷が削れて表示内容が読み取れなくなるといった不具合を生じ、また補修に手間を要する。
【0039】
また、第1実施形態に係る情報取得装置1および載置部20のインタフェース構造では、補助部材22が、筐体5cと本体部材21との境界部分を覆い隠すように設置されている(図5参照)。つまり、補助部材22は、筐体5cと本体部材21とに跨って設置されている。そのため、本体部材21が外れにくくなっている。
【0040】
[第2実施形態]
≪第2実施形態に係る情報取得装置の概要≫
第1実施形態では、隙間発生部30が補助部材22の開口部22aの内側に形成されていた(つまり、内側突起部)。第2実施形態では、補助部材の表面に隙間発生部を形成する(つまり、表面側突起部)。
【0041】
≪第2実施形態に係る情報取得装置の構成≫
図8ないし図10を参照して、第2実施形態に係る情報取得装置101の構成を説明する。図8に示すように、情報取得装置101は、情報取得ユニット107を備える。情報取得ユニット107は、カード媒体9から情報を取得する取得部10(図9参照)と、カード媒体9が載置される載置部120とを備える。取得部10は、第1実施形態と同様である。載置部120は、取得部10の上方に配置されている。
【0042】
図8に示すように、載置部120は、本体部材121と、補助部材122とを備えて構成される。本体部材121は、載置部120の基礎となる部材である。取得部10は、カード媒体9に付されるバーコードを、本体部材121を介して読み取る。本体部材121は、第1実施形態と同様であり、筐体5cの開口部5dに嵌め込まれている(図9参照)。
【0043】
図8に示すように、補助部材122は、本体部材121に対応した矩形環状を呈しており、開口部122aを有する。補助部材122は、情報取得面121a側に配置されており、筐体5cと本体部材121との境界部分を覆い隠すように設置されている(図9参照)。つまり、補助部材122は、筐体5cと本体部材121とに跨って設置されている。
【0044】
図8に示すように、補助部材122は、隙間発生部130を備える。隙間発生部130は、載置部120に媒体が載置された状態(載置せずにかざした状態であってもよい)において、媒体と情報取得面121aとの間に隙間を発生させるものである。隙間発生部130は、隙間発生部130を視認することによって、利用者が媒体と情報取得面121aとの間に隙間を発生させてしまう心理的な効果を生むものであってもよい。言い換えると、隙間発生部130は、媒体と情報取得面121aとが密着することを防止または抑制する役割を担うものである。ここでの隙間発生部130は、開口部122aの周囲に形成される突条の表面側突起部である。隙間発生部130は、開口部122aを構成する各辺(前辺、後辺、左辺、右辺)に形成されている。図10に示すように、表面側突起部としての隙間発生部130は、断面視で山状(略三角形状)を呈しており、内側(情報取得面121a側)には情報取得面121aから離れることによって(上方に向かうことによって)外側上方に傾斜する傾斜面130aが形成されている。図10は、図9の符号P2で示す領域の拡大図である。ここでの傾斜面130aは、開口部122aの端面から連続して形成されている。なお、隙間発生部130は、開口部122aの端面から離れた位置に設けられていてもよい。その場合、開口部122aの端面も同様に傾斜させるものがよい。隙間発生部130は、例えば浮き出し印刷やエンボス加工などで形成することができる。なお、隙間発生部130は、開口部122aの全周に設けられていなくてもよい(開口部122aの一部に設けてもよい)。
【0045】
以上のように、第2実施形態に係る情報取得装置101および載置部120のインタフェース構造によっても、第1実施形態と略同等の効果を奏することができる。特に、開口部122aの端面から隙間発生部130に亘って傾斜されているので、開口部122aの内縁部にカード媒体9がより引っ掛かり難くなっている。
【0046】
[第3実施形態]
≪第3実施形態に係る情報取得装置の概要≫
第1,2実施形態では、補助部材22,122に隙間発生部30,130を形成していた。第3実施形態では、本体部材の表面(情報取得面)に隙間発生部を形成する。
【0047】
≪第3実施形態に係る情報取得装置の構成≫
図11ないし図13を参照して、第3実施形態に係る情報取得装置201の構成を説明する。図11に示すように、情報取得装置201は、情報取得ユニット207を備える。情報取得ユニット207は、カード媒体9から情報を取得する取得部10(図12参照)と、カード媒体9が載置される載置部220とを備える。取得部10は、第1実施形態と同様である。載置部220は、取得部10の上方に配置されている。
【0048】
図11に示すように、載置部220は、本体部材221と、補助部材222とを備えて構成される。本体部材221は、載置部220の基礎となる部材である。取得部10は、カード媒体9に付されるバーコードを、本体部材221を介して読み取る。本体部材221は、第1実施形態と同様であり、筐体5cの開口部5dに嵌め込まれている(図12参照)。
【0049】
図11に示すように、補助部材222は、本体部材221に対応した矩形環状を呈しており、開口部222aを有する。補助部材222は、情報取得面221a側に配置されている。図13に示すように、本体部材221の周縁部には、フランジが形成されることによって段差部221bが形成されている。図13は、図12の符号P3で示す領域の拡大図である。段差部221bは、第一端面221cと、第一端面221cよりも外側に位置する第二端面221eと、第一端面221cと第二端面221eとを接続する接続面221dとを備える。接続面221dは、フランジの上面である。筐体5cの裏面は、段差部221bの接続面221dに当接する。筐体5cの開口部5dの内周面および補助部材222の開口部222aの内周面は、段差部221bの第一端面221cに当接する。
【0050】
本体部材221の情報取得面221aと補助部材222の表面222bとは、面一でよく、情報取得面221aが表面222bよりも少しだけ(例えば、0.1mm~0.2mm程度)高くなっているのが好ましい。
【0051】
図11に示すように、本体部材221は、隙間発生部230を備える。隙間発生部230は、載置部220に媒体が載置された状態(載置せずにかざした状態であってもよい)において、媒体と情報取得面221aとの間に隙間を発生させるものである。隙間発生部230は、隙間発生部230を視認することによって、利用者が媒体と情報取得面221aとの間に隙間を発生させてしまう心理的な効果を生むものであってもよい。言い換えると、隙間発生部230は、媒体と情報取得面221aとが密着することを防止または抑制する役割を担うものである。ここでの隙間発生部230は、平面視で楕円形(長丸状)の凸状体である。隙間発生部230は、情報取得領域10aの周囲であって、情報取得面221aの各隅部の近くに形成されている。なお、隙間発生部230は、媒体と情報取得面221aとの間に隙間を発生させるものであればよく、形状、数、配置位置などはここで説明したものに限定されない。
【0052】
以上のように、第3実施形態に係る情報取得装置201および載置部220のインタフェース構造によっても、第1実施形態と略同等の効果を奏することができる。特に、本体部材221の情報取得面221aと補助部材222の表面222bとは、面一または情報取得面221aが表面222bよりも少しだけ高くなっているので、開口部222aの内縁部にカード媒体9がより引っ掛かり難くなっている。
【0053】
[第4実施形態]
≪第4実施形態に係る情報取得装置の概要≫
第3実施形態では、隙間発生部230が平面視で楕円形(長丸状)の凸状体であり、情報取得面221aに分散して配置されていた。第4実施形態では、本体部材の表面(情報取得面)全体に隙間発生部を形成する。
【0054】
≪第4実施形態に係る情報取得装置の構成≫
図14ないし図16を参照して、第4実施形態に係る情報取得装置301の構成を説明する。図14に示すように、情報取得装置301は、情報取得ユニット307を備える。情報取得ユニット307は、カード媒体9から情報を取得する取得部10(図15参照)と、カード媒体9が載置される載置部320とを備える。取得部10は、第1実施形態と同様である。載置部320は、取得部10の上方に配置されている。
【0055】
図14に示すように、載置部320は、本体部材321と、補助部材322とを備えて構成される。本体部材321は、載置部320の基礎となる部材である。取得部10は、カード媒体9に付されるバーコードを、本体部材321を介して読み取る。本体部材321は、筐体5cの開口部5dに嵌め込まれている(図15参照)。
【0056】
図14に示すように、補助部材322は、本体部材321に対応した矩形環状を呈しており、開口部322aを有する。補助部材322は、情報取得面321a側に配置されている。図16に示すように、本体部材321の周縁部には、フランジが形成されることによって段差部321bが形成されている。図16は、図15の符号P4で示す領域の拡大図である。段差部321bは、第一端面321cと、第一端面321cよりも外側に位置する第二端面321eと、第一端面321cと第二端面321eとを接続する接続面321dとを備える。接続面321dは、フランジの上面である。筐体5cの裏面は、段差部321bの接続面321dに当接する。筐体5cの開口部5dの内周面および補助部材322の開口部322aの内周面は、段差部321bの第一端面321cに当接する。
【0057】
本体部材321の情報取得面321aと補助部材322の表面322bとは、高さが同じでよく、情報取得面321aが表面322bよりも少しだけ(例えば、0.1mm~0.2mm程度)高くなっているのが好ましい。
【0058】
図14に示すように、本体部材321は、隙間発生部330を備える。隙間発生部330は、載置部320に媒体が載置された状態(載置せずにかざした状態であってもよい)において、媒体と情報取得面321aとの間に隙間を発生させるものである。隙間発生部330は、隙間発生部330を視認することによって、利用者が媒体と情報取得面321aとの間に隙間を発生させてしまう心理的な効果を生むものであってもよい。言い換えると、隙間発生部330は、媒体と情報取得面321aとが密着することを防止または抑制する役割を担うものである。ここでの隙間発生部330は、図15に示すように、断面視で山状を呈する突条凸部である。隙間発生部330が左右方向に並べて配置されることにより、情報取得面321aは断面視で波状(平面視で縞状)を呈する。なお、バーコードを読み取るための光を通過させる際に、光の屈折を抑えるように、突条凸部の先端は、丸みを帯びているのがよい。また、突条凸部の数や位置は特に限定されない。なお、本実施形態ではバーコードを読み取る場合を想定したが、ICチップから通信技術を用いて情報を取得する場合などでは、突条凸部の先端は、角張っていてもよい。
【0059】
以上のように、第4実施形態に係る情報取得装置301および載置部320のインタフェース構造によっても、第3実施形態と略同等の効果を奏することができる。
【0060】
[第5実施形態]
≪第5実施形態に係る情報取得装置の概要≫
第3,4実施形態では、隙間発生部230,330が情報取得面221a,321aに形成される凸状体であった。第5実施形態では、情報取得面から空気を放出し、放出される空気によって情報取得面と媒体との間に隙間を発生させる。
【0061】
≪第5実施形態に係る情報取得装置の構成≫
図17ないし図20を参照して、第5実施形態に係る情報取得装置401の構成を説明する。図17に示すように、情報取得装置401は、情報取得ユニット407を備える。情報取得ユニット407は、カード媒体9から情報を取得する取得部10と、カード媒体9が載置される載置部420と、送風機408とを備える。取得部10は、第1実施形態と同様である。載置部420は、取得部10の上方に距離をあけて(隙間を設けて)配置されている(図20参照)。送風機408は、筐体2内に設置されている。送風機408の設置場所は、情報取得ユニット407の周辺であるのが好ましい。
【0062】
図18に示すように、載置部420は、本体部材421と、補助部材422とを備えて構成される。本体部材421は、載置部420の基礎となる部材である。取得部10は、カード媒体9に付されるバーコードを、本体部材421を介して読み取る。本体部材421は、筐体5cの開口部5dに嵌め込まれている(図20参照)。
【0063】
図18に示すように、補助部材422は、本体部材421に対応した矩形環状を呈しており、開口部422aを有する。補助部材422は、情報取得面421a側に配置されている。図20に示すように、本体部材421の周縁部には、フランジが形成されることによって段差部421bが形成されている。段差部421bは、第一端面421cと、第一端面421cよりも外側に位置する第二端面421eと、第一端面421cと第二端面421eとを接続する接続面421dとを備える。接続面421dは、フランジの上面である。筐体5cの裏面は、段差部421bの接続面421dに当接する。筐体5cの開口部5dの内周面および補助部材422の開口部422aの内周面は、段差部421bの第一端面421cに当接する。
【0064】
本体部材421の情報取得面421aと補助部材422の表面422bとは、面一でよく、情報取得面421aが表面422bよりも少しだけ(例えば、0.1mm~0.2mm程度)高くなっているのが好ましい。
【0065】
図18および図19に示すように、本体部材421は、隙間発生部431,432を備える。図19(a)は、図18の符号P5で示す領域の拡大図であり、図19(b)は、図18の符号P6で示す領域の拡大図である。隙間発生部431,432は、載置部420に媒体が載置された状態(載置せずにかざした状態であってもよい)において、媒体と情報取得面421aとの間に少なくとも一時的に隙間を発生させるものである。隙間発生部431,432は、隙間発生部431,432を視認することによって、利用者が媒体と情報取得面421aとの間に隙間を発生させてしまう心理的な効果を生むものであってもよい。言い換えると、隙間発生部431,432は、媒体と情報取得面421aとが密着することを防止または抑制する役割を担うものである。図19および図20に示すように、ここでの隙間発生部431は、本体部材421の裏面側に形成されており、略半球状を呈する凹部431aと、凹部431aから本体部材421の表面側(情報取得面421a側)に延びる四つの空気孔431bとを備える。また、隙間発生部432は、本体部材421の裏面側に形成されており、略半球状を呈する凹部432aと、凹部432aから本体部材421の表面側(情報取得面421a側)に延びる空気孔432bとを備える。
【0066】
図18に示すように、隙間発生部431は、情報取得面421a(情報取得領域10a)の中央部分に設けられている。また、隙間発生部432は、情報取得領域10aの周囲であって、情報取得面221aの各隅部の近くに形成されている。
【0067】
図20に示すように、送風機408で発生した空気は、筐体5cと取得部10との間の隙間5fに導かれ(矢印Q1参照)、隙間5fを通じて本体部材421に到達する(矢印Q2参照)。本実施形態では取得部10と本体部材421との間に空間があるので、本体部材421の下面に空気が回り込むことができる。ここでの筐体5cと取得部10との間の隙間5fおよび取得部10と本体部材421との間の空間は、送風機408から送られた空気のダクト用の空間である。本体部材421に到達した空気は、隙間発生部431の凹部431aに送り込まれ、空気孔431bを通じて本体部材421の上面側(情報取得面421a側)に放出される(矢印Q3参照)。また、本体部材421に到達した空気は、隙間発生部432の凹部432aに送り込まれ、空気孔432bを通じて本体部材421の上面側(情報取得面421a側)に放出される(矢印Q4参照)。空気孔431b,432bを通じて空気が放出されている状態で媒体が情報取得面421aに載置されると、放出される空気によって情報取得面421aと媒体との間に空気の層が形成され、この空気の層によって媒体が浮き上がる。なお、送風機408で空気を送り込むタイミングは特に限定されず、利用者がカード媒体9を持ち上げるタイミングであるのがよい。
【0068】
以上のように、第5実施形態に係る情報取得装置401および載置部420のインタフェース構造によっても、第3,4実施形態と略同等の効果を奏することができる。
【0069】
[比較例]
図21および図22を参照して、ここまで説明した各実施形態に対する比較例として、隙間発生部を備えない情報取得装置901(図21参照)について説明する。図21に示す情報取得装置901は、筐体902と、紙幣入出金装置903と、接客ユニット905とを主に備える。接客ユニット905には、情報取得ユニット907が収納されている。
【0070】
情報取得ユニット907は、カード媒体9から情報を取得する取得部910と、カード媒体9が載置される載置部920とを備える。載置部920は、本体部材921と、補助部材922とを備えて構成される。本体部材921は、例えば樹脂板やガラス板であり、矩形状を呈する。補助部材922は、例えば操作銘板であり、本体部材921に対応した矩形環状を呈することによって開口部922aを有する。図22に示すように、補助部材922は、筐体905cと本体部材921とに跨って設置されている。
【0071】
図22に示すように、比較例に係る載置部920は、隙間発生部を備えない構成であるので、情報取得面921aにカード媒体9を置いた場合に、カード媒体9と情報取得面921aとが密着する。そのため、静電気などによりカード媒体9を情報取得面921aから持ち上げ難く、また、補助部材922の開口部922aの内縁部に媒体が引っ掛かり易い。したがって、比較例に係る載置部920は、操作性が悪い。
【0072】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例は、例えば以下に示すものである。
【0073】
各実施形態に係る情報取得装置1,101,201,301,401は、電子マネーチャージ機を想定して説明を行った。しかしながら、情報取得装置は、媒体が記録する情報を取得する装置であればよく、例えば現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)、入出金機、発券機、セルフ精算機、セミセルフ精算機、自動改札機、入退ゲートなどであってもよい。
【0074】
また、各実施形態では、媒体としてカード媒体9を想定していた。しかしながら、媒体は、何らかの手段を用いて情報を記録することができるものであればよく、例えば発券媒体(例えば、切符)、印刷媒体(例えば、伝票)、携帯電話機、スマートフォンなどであってもよい。
【0075】
また、各実施形態では、媒体に情報を記録する手段としてバーコードを想定していた。つまり、各実施形態では、情報をバーコードとして媒体に付すことによって媒体に情報を記録し、その情報を読み取ることによって媒体から情報を取得していた。しかしながら、媒体に情報を記録する手段はこれに限定されず、例えばICチップ、磁気ストライプなどを用いて情報が媒体に記録されていてもよい。ICチップに情報が記録されている場合、本体部材21,121,221,321,421は透明でなくてもよく、筐体の一部であってもよい。つまり、媒体への情報の記録は、印刷などの手段によって媒体に情報を直接付すことに留まらず、媒体が備える記憶手段(例えば、ICチップや磁気ストライプ)へ情報を記憶することも含むものである。
【0076】
また、各実施形態では、筐体5cの奥まった場所に取得部10を実装した場合を説明した(図6参照)。つまり、取得部10の上面が筐体5cの表面5eに対して下側に位置していた。しかしながら、取得部10の上面と筐体5cの表面5eとが面一になるように取得部10を実装することもできる。つまり、取得部10の上面と筐体5cの表面5eとに段差がなくフラットになるように取得部10を実装することができる。その場合、本体部材21,121,221,321,421は不要であり、取得部10の上面が情報取得面になる。
【符号の説明】
【0077】
1,101,201,301,401 情報取得装置
2 筐体
3 紙幣入出金装置
4 制御部
5 接客ユニット
7,107,207,307,407 情報取得ユニット
9 カード媒体(媒体)
10 取得部
10a 情報取得領域
20,20A,120,220,320,420 載置部
21,121,221,321,421 本体部材
21a,121a,221a,321a,421a 情報取得面
22,22A,122,222,322,422 補助部材
30,30A,130,230,330,431,432 隙間発生部
408 送風機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22