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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】物体の構造的特徴の判定
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/04 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
G01N29/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020536684
(86)(22)【出願日】2018-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2018068083
(87)【国際公開番号】W WO2019133946
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】62/612,440
(32)【優先日】2017-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/687,730
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,618
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512323239
【氏名又は名称】ペリメトリクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】アースマン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】エラム ジョン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シーツ シェリリン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイマン ロバート
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-317348(JP,A)
【文献】特開2015-217474(JP,A)
【文献】特開平07-039550(JP,A)
【文献】国際公開第2017/145850(WO,A1)
【文献】特開2005-147995(JP,A)
【文献】特開2009-042099(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101802585(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00 - G01N 29/52
G01N 3/00 - G01N 3/62
G01N 33/00 - G01N 33/46
G01M 7/00 - G01M 7/08
G01M 99/00
G01H 1/00 - G01H 1/16
G01H 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の構造的特徴を判定するためのデバイスであって、
開放前端と長手方向軸とを有する筐体と、
前記筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツールであって、静止構成と活性化構成とを有し、前記エネルギー印加ツールの後端に固定された永久磁石を有する前記エネルギー印加ツールと、
前記筐体に対して固定位置で前記筐体の内部に搭載されて支持され、前記永久磁石の背後に搭載された電磁コイルを含む駆動機構であって、前記活性化構成において前記物体に直接的に衝撃を与えるように水平方向の方位に設定量のエネルギーを印加するために、前記エネルギー印加ツールをそれぞれ引き寄せ及び反発させることによって前記静止構成と前記活性化構成との間で前記エネルギー印加ツールを活性化するように適応された前記駆動機構と、
前記水平方向に対する前記デバイスの傾斜を測定するように適応された傾斜計とを含み、
前記駆動機構は、前記傾斜の変化に応答して前記電磁コイルの通電の時間を変更する、前記傾斜の変化に応答して前記電磁コイルの通電の数を変更する、前記傾斜の変化に応答して前記電磁コイルの複数の通電の間の遅延を変更する、前記傾斜の変化に応答して前記電磁コイルの極性を変更する、又は、その組み合わせである、デバイス。
【請求項2】
前記傾斜計は加速度計を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記エネルギー印加ツールを加速させてから減速させるように、前記電磁コイルの極性を変更する、請求項1、又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記駆動機構の前記傾斜に対する特定の解決策を選択するように又は最適な解決策を選択するように設計されたファームウェアをさらに含む、請求項1~3の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記筐体の前記開放前端から伸長するスリーブ部分であって、その自由開放端において物体接触部分を有し、前記自由開放端の前記物体接触部分の少なくとも一部と前記物体の少なくとも一部を接触させるように適応された前記スリーブ部分を更に含む、請求項1~4の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記スリーブ部分は、前記長手方向軸に実質的に平行な又は実質的に直角な方向に前記筐体の前記開放前端から伸長する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記スリーブ部分の前記物体接触部分に実質的に直角に前記スリーブ部分から伸長するタブを更に含む、請求項5、又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記スリーブ部分の前記物体接触部分が前記物体上を圧迫する場合の接触力を検知するように適応されたセンサを更に含む、請求項5~7の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記筐体中に配備された少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源から光を運ぶために前記筐体から前記スリーブ部分中に伸長する少なくとも1つのライトパイプとを更に含む、請求項5~8の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
物体の構造的特徴を測定するためのシステムであって、
中空内部と、長手方向軸と、開放前方とを有する筐体と、
前記物体にエネルギーを印加するための、前記筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツールであって、静止位置及び活性化位置を有し、測定を受ける前記物体に衝撃を与えるために前記筐体の前記開放前方を通じてエネルギーを印加する前記エネルギー印加ツールと、
前記筐体の内部に搭載され、前記エネルギー印加ツールに結合された駆動機構であって、デバイスの前記長手方向軸が実質的に水平方向の位置にあっても、前記水平方向の位置と約+/-45度未満までの角度をなしていても、実質的に同じ量の力を用いて、前記エネルギー印加ツールを引き寄せ及び反発させることによって前記物体に衝撃を与えるためのエネルギーを繰り返し印加するように適応され、検知又は測定システムと、力の量を変化させるために前記水平方向に対する前記デバイスの傾斜を測定するように適応された傾斜計とを含み、前記傾斜が許容角度でないと前記物体に衝撃を与えるエネルギーの印加が開始するのを防止する前記駆動機構と
を含む、前記デバイスと、
前記駆動機構を制御するための、及び前記デバイスにより収集された任意のデータを分析するための、前デバイスに結合されたコンピュータと
を含む、システム。
【請求項11】
前記システムは、衝突応答対時間プロファイルを生成するために、衝突応答を期間の間測定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記力センサとは別個の検知機構であって、前記エネルギー印加ツールからのエネルギー値を測定するように適応された前記検知機構を更に含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
物体の構造的特徴を判定するためのデバイスであって、
開放前端と長手方向軸とを有する筐体と、
前記筐体の前記開放前端からある距離伸長するスリーブ部分であって、前端及び後端を有する中空内部と、物体接触部分の少なくとも一部を用いて前記物体の少なくとも一部に向かって静止又は圧迫するように適応された、前記前端における前記物体接触部分とを有する前記スリーブ部分と、
前記筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツールであって、静止構成と活性化構成とを有し、前記活性化構成は前記物体に衝撃を与えるように適応される、前記エネルギー印加ツールと、
前記筐体の内部に支持された駆動機構であって、前記エネルギー印加ツールをそれぞれ引き寄せ及び反発させること及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって前記静止構成と前記活性化構成との間で前記エネルギー印加ツールを活性化するように適応された前記駆動機構と、
衝撃後に前記物体又は前記エネルギー印加ツールからの応答を検知又は測定するように適応された、前記エネルギー印加ツールに結合された検知又は測定機構と、
前記スリーブ部分の前記物体接触部分が前記物体上を圧迫する場合の接触力を検知するように適応されたセンサと、
前記水平方向に対する前記エネルギー印加ツールの傾斜を測定するように適応された傾斜計とを含み、
前記駆動機構は、前記傾斜の変化に応答して電磁コイルの通電の時間を変更する、
デバイス。
【請求項14】
前記コンピュータは、命令の予めプログラムされたセットを利用して、異なる傾斜に対して、前記検知又は測定システムによって傾斜を測定し、測定された傾斜に基づいて、前記駆動機構の通電時間及び遅延時間変更する、請求項10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
この特許協力条約国際出願は、次の米国仮特許出願:“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING STRUCTURAL CHARACTERISTICS OF AN OBJECT”という名称で2018年6月29日に出願の整理番号62/692,618、“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING STRUCTURAL CHARACTERISTICS OF AN OBJECT”という名称で2018年6月20日に出願の整理番号62/687,730、及び“SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING STRUCTURAL CHARACTERISTICS OF AN OBJECT”という名称で2017年12月30日に出願の整理番号62/612,440の利益及び優先権を主張し、前述の出願の全ての内容は、参照によりそれらの全体がこれにより組み込まれる。
【0002】
[発明の分野]
この出願は、一般的に、物体の構造的特性の評価に関し、より具体的には、その上の制御されたエネルギーの印加を使用して物体の完全性を反映する構造的特徴の評価に関する。
【背景技術】
【0003】
物体が衝撃力を受けた場合、物体を通じて応力波が伝播される。この応力波は、物体の内部構造に変形を引き起こす。物体が変形すると、それは、衝撃に関連する機械的エネルギーの一部を消散するショックアブソーバとしての機能を部分的に果たす。物体の“減衰能”と一般的に称される、機械的エネルギーを消散する物体の能力は、物体を構成する材料の種類及び構造的完全性を含む幾つかの要因に依存する。
【0004】
物体の減衰能を測定可能な計器がある。そうした計器の一例は、米国特許6,120,466号(“’466特許”)に説明されている。’466特許に開示された計器は、損失係数17と称される、物体の減衰能の客観的で定量的な測定を提供する。弾性波のエネルギーは、比較的低損失係数で比較的ゆっくりと材料内で減衰することもあるが、弾性波のエネルギーは、比較的高損失係数で比較的に急速に材料内で減衰することもある。
【0005】
物体の減衰能は、多種多様な用途において重要なパラメータである。例えば、歯科医術の分野では、健全な歯が衝撃力を受けた場合、衝撃に関連する機械的エネルギーは、歯周靭帯により主に消散される。衝撃力に関連する機械的エネルギーを消散する能力を減少させ、それ故、全体的な歯の安定性を減少させる歯周靭帯の構造の変化は、歯の損失係数を測定することによって検出できる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、水平方向から可変の角度でデバイスを保持すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって動作可能なデバイスを有する測定の、非侵襲的な方法で及び/又は非破壊的な方法を使用して物体の構造的特徴を測定するためのシステム及び方法に関する。物体の構造的特徴を判定するためのデバイスは、開放前端と長手方向軸とを有する筐体と、筐体の内部に搭載され、静止構成と活性化構成とを有するエネルギー印加ツールと、水平方向の方位に設定量のエネルギーを印加するために静止構成と活性化構成との間でエネルギー印加ツールを活性化するための、筐体の内部に支持された駆動機構と、水平方向に対するエネルギー印加ツールの傾斜を測定するように適応された傾斜計とを含む。駆動機構は、水平方向以外の傾斜において設定量のエネルギーに少なくとも近似するために、傾斜に基づいて、静止構成と活性化構成との間でエネルギー印加ツールを活性化するために印加されるエネルギーの量を変更する。駆動機構は、電磁コイルを含み得、印加されるエネルギーの量を変更し得(例えば、電圧、電流、又はそれら両方を変更すること)、コイルの駆動時間を変更し得(コイルが通電又は活性化される時間の長さを変更すること)、コイル遅延時間を変更し得(駆動アクティビティ間の時間を変更すること)、コイル通電の数(すなわち、印加される駆動パルスの数を変更すること)、コイルの極性、及び/又はそれらの組み合わせを変更し得る。電力、駆動時間、極性、及び遅延時間を変更することを含むこれらの要素は、所望の結果のために電力、駆動時間、駆動の数、極性、及びコイルの通電の駆動遅延に対するファームウェアの設定を変更することを通じて管理され得る。如何なる特定の理論に縛られることを望むことなく、所望の結果を達成するために多数の変形が用いられ得、ファームウェアは特定の解決策を選択するように、又は場合によっては最適な解決策を選択するように設計され得ると考えられる。
【0007】
物体は、エネルギー印加プロセスを受け入れ得、システムは、エネルギー印加プロセス後の物体の構造的特徴の客観的で定量的な測定を提供するように適応される。本発明のシステム及び方法は、例えば、より多くの再現可能な測定を生成するために、また、物体内に存在し得る任意の異常をより良く検出可能にするためにも、解剖学的及び非解剖学的の両方で到達しづらい物体に到達するように適応するように、動作の柔軟性を増加させる等し得る。デバイスは、物体に任意の種類のエネルギーを印加可能な任意のツール、例えば、測定を受ける物体に到達するために通過する筐体の内部に位置付けられた打診棒等、機械的エネルギー、任意の周波数の電磁エネルギー、例えば、光、音響エネルギー等の音波を物体に印加可能なツールが通過する開放端と中空内部とを有する筐体を含み得る。
【0008】
例えば、システムは、物体上で衝突作用を実施するためのデバイスを含み得る。機械的エネルギー、音エネルギー、又は電磁エネルギーを含む任意の種類のエネルギーを物体に印加可能な任意のツールを含むエネルギー印加ツールによってそれを通じてエネルギーが印加され得る開放端と中空内部とを有する筐体を有する該デバイスが位置付けられ得る。一実施形態では、筐体の内部に位置付けられた打診棒等の、物体に機械的エネルギーを印加可能なツールは、測定を受ける物体に到達するために通過する。別の実施形態では、光エネルギー等の任意の周波数の電磁エネルギー源が、例えば、筐体の内部に位置付けられ得る。更なる例では、超音波トランスデューサ等の音エネルギー源、又は任意の音響エネルギー源が筐体の内部に位置付けられ得る。
【0009】
デバイスの筐体は、長手方向軸を含み得、一般的に、デバイスの長手方向軸は、水平方向と角度をなすように、実質的に水平方向から位置付けられ得る。該角度は、例えば、任意の角度であり得、更に例えば、0度から約+/-45度まで変化し得、更に例えば、0度から約+/-30度まで変化し得る。一実施形態では、筐体の内部に位置付けられたエネルギー印加ツールの長手方向軸は、動作中に、筐体との実質的に平行な関係で全ての時間で保たれる。別の例では、ツールの先端部分が物体の接触面に実質的に直角であると共にデバイスの筐体の長手方向軸に実質的に平行な実質的な水平方向から、ツールの先端が物体の接触面に対して実質的に直角を保ちながら、筐体の長手方向軸と鋭角をなしているエネルギー印加ツールの長手方向軸まで位置付けられるエネルギー印加ツールの長手方向軸と共に、デバイスの筐体は長手方向軸を含み得る。この後続に実施形態では、エネルギー印加ツールが打診棒等の機械的ツールである場合、それは、該ツール及び筐体の長手方向軸に実質的に直角である取り外し可能なツール先端を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0010】
上及び下で説明する実施形態の内の何れかでは、デバイスはハンドピースを含み得、デバイスの長手方向軸は、水平方向と任意の角度で位置付けられ得る。該角度は、例えば、任意の角度のものであり得、更に例えば、0度から約+/-45度まで変化し得、更に例えば、0度から約+/-30度まで変化し得る。
【0011】
上述したように、エネルギー印加ツールは、測定中に駆動機構によって静止位置から活性化位置まで移動するように適応され得、活性化位置において物体に衝撃を与え得る。一般的に、エネルギー印加ツールは、各測定中に物体に繰り返し衝撃を与え得る。エネルギー印加ツール自体、機械的ツールが使用される場合には、該ツールは移動し得、測定中の衝撃において物体との物理的接触が起こり得、又は、電磁的又は音等の任意のその他のツールが使用される場合には、測定中にエネルギー自体が物体に衝撃を与え得る。これらのその他のツールが使用される場合、ツールの能動的構成と受動的構成との間にツールの物理的な移動は何らなくてもよいが、オン及びオフであるエネルギーのそれによって定義され得る。
【0012】
本発明のデバイスは、衝突計器を含み得、それは、こうした測定を受ける物体と接触して再現可能に配置可能である、筐体からある距離伸長するスリーブ部分等の少なくとも一部を含んでもよく、含まなくてもよい。打診棒等のエネルギー印加ツールは、実質的に同じ速度で毎分所定回数、衝撃を与えるようにプログラムされ得、システムによる分析のために、ツールの減速情報、又は衝撃からの物体の反応が記録又は編集される。一実施形態では、デバイス及びハードウェアは有線接続を介して通信し得る。別の実施形態では、デバイス及びハードウェアは無線接続を介して通信し得る。
【0013】
物体と接触して再現可能に配置可能な少なくとも一部を有する本発明のデバイスに対しては、該デバイスは例えば、制限された空間に存在する及び/又は場所に到達することが困難な物体に対することを含み、より再現可能な測定が可能であり得る。
【0014】
一実施形態では、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、収納又は静止の形式若しくは構成と、伸長又は活性化の形式若しくは構成との長さを有し、収納形式は、エネルギー印加ツールが打診棒である場合には、筐体の開放端から収納され、又は筐体の開放端と実質的に同一の広がりを有する。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の移動は、動作中に、前述の収納位置と伸長位置との間で筐体内で打診棒を軸方向に駆動するための、筐体の内部に搭載された駆動機構によって達せられ得る。伸長位置では、打診棒の自由端は、筐体の開放端から伸長又は突出することが可能である。デバイスは水平方向から任意の角度で保持され得る本発明を用いると、到達しづらい場所、例えば、患者の歯の大臼歯領域内の検査物体も着手され得る。別の実施形態では、静止構成は、筐体の長手方向軸に実質的に平行な形式であり得、活性化構成は、エネルギー印加ツール、例えば、筐体の内部に搭載された打診棒又は衝撃棒が、筐体の長手方向軸上のピボット点付近で前後に揺り動くことによって該長手方向軸と鋭角を形成する場合の形式であり得る。それ故、筐体の長手方向軸に実質的に平行方向の位置から、ピボット点で筐体の長手方向軸と鋭角をなす位置までエネルギー印加ツールは振動する。エネルギー印加ツールは、測定中に、水平方向に又はその他の位置の何れかに保持され得、該ツールの主要部分に実質的に直角な先端位置を有し得、静止時又は衝撃時の何れかにおいて一定の長さを維持する。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の移動は、先端が上下に順番に振動しながら、筐体の長手方向軸に実質的に平行方向の位置から、ピボット点で該軸と鋭角をなす位置まで打診棒を駆動するための、筐体の内部に搭載された駆動機構によって達せられ得る。この実施形態を使用すると、例えば、患者の歯の大臼歯領域内等、比較的アクセス不可能な場所で測定が着手され得る。
【0015】
デバイスのエネルギー印加プロセスは、複数の方法で活性化又は発動され得る。一実施形態では、それは、スイッチ機構による等、機械的な機構を介して活性化され得る。一態様では、操作者による容易な活性化のために、ハンドピース等のデバイス上の都合のよい場所にフィンガースイッチが設置され得る。別の態様では、スイッチ機構は、上述したように、スリーブを通じた物体への印加圧力によって発動され得る。別の実施形態では、デバイスのエネルギー印加プロセスは、音声制御又は足踏み制御を介して発動され得る。
【0016】
一般的に、フリップスイッチ、ロッキングスイッチ、又は押しボタンスイッチ等の外部のスイッチングデバイスは、例えば、それをオン及び/又はオフするためのスイッチングデバイスへの操作者による容易なアクセスを可能にするために測定中にそれが携帯される場合に、操作者が計器を保持する方法を制限しがちであり得、それ故、物体上の計器の位置付けを制限し得る。計器を位置付ける柔軟性を得るために、音声制御又は遠隔制御が一般的に使用され得るが、こうした音声制御又は遠隔制御はシステムを複雑にし得る。本発明では、こうした遠隔制御又は付加的な複雑さ無しに、柔軟性の同じ利点が得られ得る。
【0017】
一例示的実施形態では、上で説明したシステムの内の何れかは、開放端を有する中空内部を有する筐体と、筐体の内部での移動のために筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツール、例えば、打診棒又は衝撃棒、とを有する計器を含み得る。筐体の開放端には、筐体の延長として存在するスリーブ部分が設置され得る。
【0018】
スリーブ部分は、測定中に物体の少なくとも一部の上に静止し、圧迫し、又は接触するための物体静止、圧迫、又は接触部分で、その自由端において開放され得る。スリーブ部分による接触は、物体上のデバイスの安定性を助長する。測定中、物体上のスリーブ部分によりもたらされる力は操作者により制御され、例えば、操作者によりもたらされる不十分又は過度な力は、測定を複雑にし得、幾つかの実例では精度の低い結果を生み出しさえし得るので、物体上の適切な力が重要であり得、監視される必要があり得る。異なる操作者であっても、より良い再現性のために、スリーブ部分の接触部分による適切な接触力が操作者により印加され得ることを確保するために、筐体の内部に配備され、エネルギー印加ツールに物理的又は機械的に結合されないセンサが存在し得る。スリーブ部分の上にもたらされる力は、一般的に、測定を実施することからのエネルギー印加ツール上の何れの力とも別個であり得、該力とは別個に監視され得る。
【0019】
一実施形態では、スリーブ部分は、直ぐ上で説明したようなものである。
【0020】
別の実施形態では、スリーブの開放端が、測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触している場合に、物体の最上部の一部の上にタブが静止し得るように、スリーブは、その端の一部から突出するタブを含み得る。タブ及びスリーブは、物体に対するデバイスの繰り返し可能な位置付けを共に補助し、それ故、もたらされる結果は、タブなしよりも再現可能である。また、タブは、毎回、物体の最上部の同じ場所に実質的に繰り返し配置されるように適応され得る。物体接触スリーブ部分とタブの物体接触面とが相互に実質的に直交し、物体の異なる表面上に静止するように、タブは、スリーブの長手方向軸に実質的に平行であり得る。タブはまた、エネルギー印加の方向以外の任意の方向におけるエネルギーの印加後の物体の運動を最小限にすることも助長する。稀に、タブが例えば、歯科的インプラントトランスファーアバットメント上の安定した位置と接合し得る場合、タブなしのスリーブ部分は、アバットメント上よりも低いより安定した配置に使用され得る。
【0021】
更なる実施形態では、スリーブ部分は、タブと、物体の表面に面するように適応された側のタブの表面に実質的に直交するコンポーネント、例えば、リッジ、突起、又はその他の機構とを含み得る。例えば、歯に対しては、リッジ又は突起は、隣接する歯又はその他の直交面との間に嵌まり込み得、それ故、物体の表面に渡るタブの何れの実質的な横方向又は垂直方向の移動を阻止することを助長し得、及び/又は併行精度を更に助長し得る。動作中にリッジ又は突起が適切に設置され得るように、タブは、物体の最上部分の長さ又は幅に依存した十分な長さ又は幅のものであり得る。更に、タブ及び機構は、タブなしよりも再現可能な結果も助長する。
【0022】
タブ、又はタブ及び/若しくはコンポーネントにより達成される計器の安定性は、検査結果を混乱させ得る操作者によるぎくしゃくした作用を最小限にし得、例えば、骨構造物又は物理的若しくは産業構造物に固有の任意の欠陥は、検査者のぎくしゃくした作用によりかき消され得る。インプラント又は物理的若しくは産業構造物の安定性に、欠陥の場所及び範囲は、劇的に影響し得るので、この種の欠陥検出は重要である。一般的に、歯槽頂部又は根尖の欠陥等の病変が例えば、インプラントにおいて検出される場合、歯槽頂部及び根尖の両方に欠陥が存在する場合にはインプラントの安定性に影響を与える。従来は、費用のかかる放射線を要するプロセス以外にこの種の情報を収集する他の方法がなかった。本デバイスを用いると、この種の情報が収集され得、控えめで非侵襲的な方法で行われ得る。
【0023】
駆動機構は、電磁機構であり得、電磁コイルと、インタフェース、例えば、コイルマウントによってエネルギー印加ツール、例えば、打診棒の後端に固定された永久磁石とを含み得る。コイル、例えば、電磁コイルは、例えば、永久磁石の背後に軸方向に横たわり得る。電磁コイルはまた、強磁性コンポーネント等の金属製又は導電性のコンポーネント上に直接作用し得る。リニアモータのその他の形式も用いられ得る。
【0024】
一般的に、測定を受ける物体上にエネルギー印加ツール、例えば、機械的エネルギー印加ツールにより作られる衝撃力は、例えば、ツールの質量、ツールが走行した距離、及び水平方向に対するデバイス又はツールの傾斜の角度に依存して変化し得る。例えば、所与の質量のツールに対しては、重力が衝撃における力に貢献し得るので、水平方向の位置での衝撃力よりも、衝撃力は-45度で強くてもよく、更に例えば、衝撃力は-30度で強くてもよい。また、プラスの角度での重力は、衝撃力に貢献するよりも、衝撃力に不利に働くので、衝撃力は、+約45度でよりも、更に例えば、約+30度での衝撃力よりも、
水平方向でより強くてもよい。一般的に、1~15ニュートンの間の力が使用され得る。衝撃力の下端は最適でないことがあるので、例えば、物体上の最適量の力の行使のためにシステムを較正することによって、デバイスは、より良い結果のために実質的に水平方向の位置で、測定を受ける物体と接触して一般的に配置され得る。これは、デバイスを位置付ける能力を少々制限し得る。例えば、測定を受ける幾つかの物体は、デバイスが必要とし得る場所及び角度に到達することが難しいことがある。それ故、幾つかの実例では、より強い力が使用され得、例えば、物体上にデバイスを位置付ける幾らかの柔軟性を内蔵するためにデバイス上で10~50ニュートンが使用され得る。更に、このより強い衝撃力の範囲では、下端は、すなわち、水平方向に対してプラスの角度の傾斜でデバイスを配置した場合には、最適な測定を生成するために必要な衝撃力よりも弱くなることがある一方、上端では、幾つかの実例では所望のものよりも力が遥かに強くなることがある。しかしながら、水平方向に対してある角度でデバイスを位置付ける必要がある場合に備えた、より強い力の内蔵能力は、幾つかの状況、例えば、歯科の場、デリケートな検体の状況で使用される場合には、又は任意の検体への損傷を最小限にするためには望ましくないことがある。例えば、約20~45ニュートンの間の範囲の衝撃力は、例えば、歯科の場において、位置付けに対する幾らかの柔軟性を有するより良い結果を得るために使用される必要があり得、こうした力は、患者にとって少々不快であり得る。本発明の発明者は、デバイスが水平方向に動作しているかのように、水平方向から様々な角度で物体上に実質的に同じ力をもたらすシステムを発明した。それ故、デバイスが水平方向から約+/-45度、更に例えば、約+/-30度で動作していても、デバイスは、凡そ同じ量の衝撃力、例えば、約20~30ニュートンを依然として生成し得る。
【0025】
同様に、機械的エネルギー印加ツールではないエネルギー印加ツールに対しては、物体上に印加される力は、電磁エネルギー又は超音波等の音エネルギーを含み得、物体に衝撃を与えるエネルギーの量は、エネルギー源の強さ、エネルギーが走行した距離、及び、デバイスがエネルギー印加ツール、又は衝撃を受ける物体の表面に対するエネルギーツールである場合にはデバイスの傾斜の角度に依存し得る。特定の理論に制約されることを望むことなく、所与の強さに対して、衝撃面が力の伝搬の方向と任意の他の角度をなす場合よりも物体の衝撃面が力の伝搬の方向に直角である場合にはエネルギー源の衝撃力がより強くてもよく、衝撃の面が力の伝搬の方向に平行である場合には衝撃力は最小であり得ると推測され得る。衝撃力の下端は最適でないことがあるので、デバイスは、例えば、物体上の最適量の力の行使のためにシステムを較正することによって、より良い結果のために物体表面に対して実質的に直角な位置で、測定を受ける物体と接触して一般的に配置され得る。これは、デバイスを位置付ける能力を少々制限し得る。例えば、測定を受ける幾つかの物体は、デバイスが必要とし得る場所及び角度に到達することが困難であり得る。それ故、幾つかの実例では、より強い力が使用され得、例えば、物体上にデバイスを位置付ける幾らかの柔軟性を内蔵するために、同等の10~15ニュートンがデバイス上に使用され得る。更に、このより強い衝撃力の範囲において、力のより下端の範囲、すなわち、直角方向に対してプラスの角度の傾斜でデバイスを配置した場合には、最適な測定を生成するために必要な衝撃力よりも弱くなることがある一方、より上端では、幾つかの実例では所望のものよりも力が強くなることがある。しかしながら、直角方向に対してある角度でデバイスを位置付ける必要がある場合に備えた、より強い力の内蔵能力は、幾つかの状況、例えば、歯科の場、デリケートな検体の状況で使用される場合には、又は物体若しくは任意の検体への損傷を最小限にするためには望ましくないことがある。例えば、約20~45ニュートンの間よりも高いことがある範囲の同等の衝撃力は、例えば、歯科の場において、位置付けに対する幾らかの柔軟性を有するより良い結果を得るために使用される必要があり得、こうした力は、患者にとって少々不快であり得る。本発明の発明者は、伝搬の方向が物体の表面に対して直角であるようにデバイスが動作しているかのように、物体表面の直角方向から様々な角度で物体上に実質的に同じ力をもたらすシステムを発明した。それ故、物体表面に対して直角方向から約+/-45度、更に例えば、約+/-30度で動作していても、デバイスは、凡そ同じ量の同等の衝撃力、例えば、約20~30ニュートンを依然として生成し得る。
【0026】
また、水平方向から様々な角度でツールを位置付ける能力は、機械的な種類のものではないエネルギー源、例えば、超音波等の音エネルギー、又は電磁気にとって有利であり得、ある角度においては測定に影響を与え得、別の角度からは測定に影響を与えないことがある表面の近くの任意の欠陥が、物体のより良くより完全な結果をなお生み出し得るように、ある角度からの明確ではない又は雑音が多い応答は、別の角度からより定義又は診断され得る。また、例えば、センサにより検知されない方向において応答を歪ませることによって、測定を複雑にし得る表面における欠陥は、別の方向の衝撃がなされる場合には検出可能になり得、センサの範囲内になり得る。
【0027】
例えば、デバイス上に傾斜計が存在し得、それは、デバイスが物体に向かって保持され、動作の角度範囲外にある場合に可聴警告を発動し得、例えば、打診棒に対しては、それは、必要であれば、水平方向から+/-約45度、更に例えば、+/-約30度である場合に該警告を発動するように設定され得る。該ポイントでは、該角度は、物体の測定の結果に実質的に影響を与え得る。一実施形態では、機械的エネルギー印加ツールに対しては、動作の軸が水平方向の位置から約45度よりも大きい、更に例えば、約30度よりも大きいようにデバイスが方向付けられ、物体上のスリーブ部分の物体接触部分上に接触力が検知された場合にデバイスが活性化される場合、デバイス内のプリント回路基板(PCB)等のデバイス上に設置されたスピーカによって発せられる警告音をもたらし得る。別の実施形態では、警告サインは、点滅光又はある一定の色の光であり得る光信号によって与えられ得る。こうした状況では、デバイスが衝突計器である場合、該デバイスが許容角度に戻されるまで衝突作用は開始されないであろう。幾つかの実例では、該範囲からの上述の逸脱が検出された場合に衝突作用が開始されている場合、デバイスは、実際には動作を停止しなくてもよいが、訂正がなされ得るように、単にアラームを鳴らしていてもよい。同様のセットアップは、他の種類のエネルギー印加ツールに対しても含まれ得、角度は、接触面の直角方向に対してであり得る。上述したように、本発明のシステム及び方法は、非破壊的で非侵襲的であり、水平方向から可変の角度でデバイスを保持すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって動作可能なデバイスを含み得る。システムは、位置変更可能性を助長するための使い捨て部品及び/機構を含んでもよく、含まなくてもよい。構造的特徴を測定するための本システム及び方法は、測定の検知及びシステムの動作を妥協することなく、測定を受ける物体上の衝撃を最小限にし得、衝撃を微小にさえし得る。エネルギー印加ツールが打診棒である場合、衝撃エネルギーの量はまた、例えば、該棒の長さ、該棒の直径、該棒の重さ、又は衝撃を与える前の該棒の速度等に依存して変化し得る。一実施形態では、システムは、測定の同等以上に良い感度を提示、維持、又は提供しつつ、測定中の物体上の衝撃の力を最小限にするように、軽量である及び/又はより低速で移動可能であるエネルギー印加ツールを含む。一態様では、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、ハンドピースの重さを最小限にし、それ故、測定を受ける物体上の衝撃を最小限にするために、より軽量の材料から作られ得る。別の実施形態では、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、ハンドピースのサイズも最小限にし得、それ故、測定を受ける物体上の衝撃を最小限にするように、より短く及び/又はより小さい直径で作られ得る。更なる実施形態では、システムは、エネルギー印加ツールの加速度を小さく(lessen)し得、それ故、測定を受ける物体上の衝撃を最小限にし得る駆動機構を含み得る。例えば、駆動機構は、それが軽量であってもなくても、及び/又は長さ若しくは直径がより小さくてもそうでなくてもエネルギー印加ツールの加速度を小さくするために、より小さな駆動コイルを含み得、測定の感度を維持しつつ、動作中の物体上の衝撃力を最小限にする。これらの実施形態は、より軽量のハンドピース筐体を含む、上及び下で説明する実施形態の内の1つ以上と組み合わせ得る。測定を行う速度はまた、衝撃の初速度を増加させなく、測定中の物体上の衝撃を最小限にするようにすることが望ましくてもよい。システムは、上及び下で述べる位置変更可能性を助長するための使い捨て部品及び/又は機構を有してもよく、有さなくてもよい。
【0028】
より軽量のエネルギー印加ツール、より短い若しくはより小さい直径のエネルギー印加ツール、又はエネルギー印加ツールの加速度を小さくするためにより小さい駆動コイルを含み得る駆動機構を有する又は有しない全ての例示的実施形態を含む、上及び下で述べるシステムの内の何れかにおいて、スリーブの一部が物体と接触している間に測定がなされる場合、上述したように、例えば、操作者によりもたらされる不十分又は過度な力は、測定を複雑にし得、精度の低い結果を生み出しさえし得るので、活性化機構に加えて、物体上に操作者がもたらす力も重要であり得、監視する必要があり得る。システムは、下で述べる機構と共に、位置変更可能性を助長し、及び/又は衝撃を小さくするための使い捨て部品及び/又は機構を有してもよく、有さなくてもよい。
【0029】
例えば、機械的エネルギー印加ツールの活性化、例えば、デバイス上のフィンガースイッチ押下時に、測定を受ける物体に向かってある速度で伸長し、例えば、衝撃力を用いて測定サイクル毎に複数回、物体又は検体に打撃又は衝撃を与えるために、デバイス内の磁気コイルは、打診棒等のエネルギー印加ツールを推進する。物体上の衝撃力は、打診棒等のエネルギー印加ツールを通じて走行される応力波を創出し得、デバイス内に設置された検知デバイス又は機構の測定によって、物体との衝撃時の打診棒等のツールの減速が測定され得、分析のためにシステムの残部に送信され得る。システムは、例えば、エネルギーを打診又は印加することによって、エネルギーの印加の結果として物体から反射されたエネルギー等の衝突応答をある時間間隔で測定し得、それは、該時間間隔中に物体から反射されたエネルギーに基づいて衝突応答プロファイル、例えば、時間-エネルギープロファイル、周波数-エネルギープロファイルを創出すること、及び/又は物体の減衰能若しくはその他の特徴を判定するために衝突応答プロファイル、例えば、時間-エネルギープロファイルを評価することを含み得る。測定デバイス又は検知機構は、物体とのエネルギー印加ツールの衝突からの影響の特徴を検出し得る。一般的に、測定デバイス又は検知機構は、衝撃の特徴を検出し得るように、エネルギー印加ツールに物理的に結合され得、機能的に結合され得、さもなければ接触し得る。
【0030】
幾つかの実施形態では、物体の分析に利用される測定デバイス又は検知機構は、測定中の物体又はエネルギー印加ツールの何れかからの応答を検知及び/又は測定するためのセンサを含み得る。一態様では、駆動機構は、打診棒等のエネルギー印加ツールと結合するために筐体内に設置された検知及び/又は測定デバイス、例えば、圧電力センサ又は圧電検知素子を含み得、圧電検知素子上の圧力の変化等の、機械的エネルギーに応答した電気信号又は変化を一般的に生み出し得る。圧電ワイヤも、例えば、エネルギー印加ツール中に積載される。測定デバイスは、例えば、動作中の物体との衝撃時の打診棒の減速、又は検体上の打診棒により生じた任意の振動を測定するように適応される。圧電力センサは、物体の特性の変化を検出し得、その内部の特徴を客観的に定量化し得る。圧電力センサにより送信されたデータは、更に以下で論じられるシステムプログラムによって処理され得る。別の態様では、測定デバイス又は検知機構は、エネルギーの印加の前、最中、及び後に、打診棒等のエネルギー印加ツールの変位を検知及び/又は測定するように適応された、例えば、線形可変差動変圧器等のその他の形式の検知素子をも含み得る。線形可変差動変圧器は、非接触線形変位センサであり得る。該センサは、誘導技術を利用し得、それ故、任意の金属対象物を検知可能であり得る。また、非接触変位測定は、重力の影響を結果から省き得るように、衝撃の直前の速度及び加速度をコンピュータが判定することを可能にし得る。他の態様では、検知及び/又は測定デバイスは、金属であり得るエネルギー印加ツール、さもなければ変圧器の誘導性に影響を与え得るエネルギー印加ツール、の位置付けに起因する変圧器の電圧の変化に起因してエネルギー印加ツールの位置を検知し得る加速度計、抵抗型圧力センサ、ひずみゲージ、及び/若しくは任意のその他の適切なセンサ、又はセンサの組み合わせ。例えば、エネルギー印加ツールと結合されたデバイス内の加速度計は、もたらされる応力波に対応する信号を測定し得る。加速度計から送信されたデータは、検体の特性の変化を検出し内部特性を客観的に定量化する、較正されたコンピュータプログラムによって処理される。一般的に、エネルギー印加ツールの影響の特徴を検出するための検知機構は、物体と(スリーブ部分を通じる等した)とハンドピースとの間の接触力の検知から分離され得る。
【0031】
物体との衝撃後に、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、上述したように減速する。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の減速は、測定デバイス又は検知機構、例えば、デバイスの内部の加速・度計によって測定され得る。例えば、エネルギー印加ツールと結合されたデバイス内の加速度計は、動作中の物体との衝撃時のエネルギー印加ツールの減速、物体からの衝突応答を測定し、衝撃により生じた振動を測定し、又はもたらされる応力波に対応する信号を測定するように適応され得る。測定デバイス又は検知機構は、物体の特性の変化を検出し得、その内部の特徴を客観的に定量化し得る。測定デバイス又は検知機構により送信されたデータは、上又は下で述べるように、システムプログラムによって処理され得る。
【0032】
上で説明した測定機構はまた、センサの同様のセットアップを用いて、上で説明した機械的エネルギー印加ツール以外にも、こうしたエネルギー印加ツールが衝突作用を実施する場合には適用可能であり得る。
【0033】
打診棒等のエネルギー印加ツールは、物体を例えば、実質的に同じ速度で毎分所定回数繰り返し打撃するようにプログラムされ得、システムによる分析のために減速情報が記録又は編集され得る。スリーブ部分は、デバイスを位置付けることを助長することに加えて、それが幾つかの減衰特性を有する材料のものである場合には、敏感な測定を乱さないように、衝撃により生じた任意の振動を減衰することも助長し得る。
【0034】
電磁エネルギーに対しては、エネルギー印加ツールは、各回が実質的に同じ量のエネルギーを有する、毎分所定の回数、物体に衝撃を与えるようにプログラムされ得るパルス又はエネルギーバーストの形式であり得、物体上の影響は、システムによる分析のために記録又は編集され得る。幾つかの実例では、繰り返しされる衝撃は、実際に根底にある特性をより良く表し得る平均的な測定を提供し得る。スリーブ部分は、デバイスを位置付けることを助長するのに加えて、それが幾つかの減衰特性を有する材料のものである場合には、敏感な測定を乱さないように、衝撃により生じた任意の振動を減衰することも助長し得る。
【0035】
幾つかの実施形態では、傾斜計は、全3軸、X、Y、及びZ軸上の重力を測定する3軸デバイス等の加速度計を含み得る。発明の一実施形態では、ハンドピース等のデバイスは、Y軸(すなわち、垂直方向)の重力(G力)の値を測定するためのソフトウェアを含み得る。例えば、Y軸に対するG力が約+/-の言わば15度の閾値よりも大きい場合、ハンドピースは、ビープ音等の可聴雑音、点滅光等の光信号、又はある一定の色の光を作り得る。Y軸に対するG力が30度の閾値よりも大きい場合、ハンドピースは、より速いビープ音を発し得、又は点滅光等の光信号の場合には、それは、より速い点滅光であり得る。加速度計は、言わば100msの周期でサンプリングされ得る。閾値、それ故ビープ音又は点滅等を発動するために連続的な5つの有効測定値が必要であり得る(500ms)。15度及び30度の両閾値に対する閾値は、経験的に決定され得る。
【0036】
例えば、本発明の機構がないデバイスに対しては、動作中、同等の衝撃力が水平方向から+15度で約26ニュートンである場合、同等の衝撃力は水平方向から+32度で約26ニュートンであり得、水平方向から-15度で該衝撃力は約35ニュートンであり得る。本発明を用いると、上述した全ての角度における全ての衝撃力は、約25ニュートンであり得、又はもたらすようにプログラムされた最適な衝撃力が何であってもよい。このことは、例えば、衝撃の角度に適合させるために、駆動機構からエネルギー印加ツールへのエネルギーの印加を変更することによって達成され得る。電磁コイル等の駆動機構からのエネルギーの印加の変更例は、コイルに印加される電力(例えば、電圧、電流、又は両方を変更すること)、コイルの駆動時間(コイルが通電又は活性化される時間の長さを変更すること)、コイルの遅延時間(駆動アクティビティ間の時間を変更すること)、コイルの通電回数(すなわち、印加される駆動パルスの回数を変更すること)、コイルの極性、及び/又はそれらの組み合わせを変更することを含み得る。電力、駆動時間、極性、及び遅延時間を変更することを含むこれらの要因は、所望の結果のために電力、駆動時間、駆動の数、極性、及びコイルの通電の遅延時間に対するファームウェアの設定を変更することを通じて管理され得る。如何なる特定の理論に縛られることを望むことなく、所望の結果を達成するために多数の変形が用いられ得、ファームウェアは特定の解決策を選択するように、又は場合によっては最適な解決策を選択するように設計され得ると考えられる。
【0037】
幾つかの実施形態では、ファームウェアは、例えば、電力等のその他の設定を一定に保ちながら、駆動機構のある一定の設定、例えば、駆動時間、駆動の数、極性、及び遅延時間のみを変更するように適応され得る。電池等の特定の電力源に起因して比較的調節不可能であり得る電力の設定等、幾つかの設定は調節がより困難であり得るので、このことは望ましいことがあり得る。
【0038】
上述したように、システムは、外部のスイッチ又は遠隔制御なしにオン及びオフにされ得る。一実施形態では、ハンドピースのエネルギー印加プロセスは、スイッチ機構による等して、機械的機構を介して発動され得る。一態様では、操作者による容易な活性化のために、ハンドピース上の都合のよい場所にフィンガースイッチが設置され得る。別の態様では、スイッチ機構は、スリーブを通じた物体への印加圧力によって発動され得る。別の実施形態では、ハンドピースのエネルギー印加プロセスは、音声制御又は足踏み制御を介して発動され得る。
【0039】
一般的に、フリップスイッチ、ロッキングスイッチ、又は押しボタンスイッチ等の任意の外部のスイッチングデバイスは、それをオン及び/又はオフするためのスイッチングデバイスへの操作者による容易なアクセスを可能にするために、例えば、測定中にそれが携帯される場合に、操作者が計器を保持する方法を制限しがちであり得、それ故、物体上の計器の位置付けを制限し得る。
【0040】
一実施形態では、装置を位置付けるより多くの柔軟性を得るために、音声制御又は遠隔制御が一般的に使用され得るが、こうした音声制御又は遠隔制御はシステムを複雑にし得る。本発明では、こうした遠隔制御又は追加の複雑さ無しに、柔軟性の同じ利点が得られ得る。
【0041】
別の実施形態では、装置を位置付けるより多くの柔軟性を得るために、デバイスの活性化は、上及び下で述べるように、物体と、筐体の開放端に設置されたスリーブ部分との間の適切な接触力によって制御され得る。この適切な接触力は、以下で論じるように、システムにその他の所望の機構をも追加し得る。スリーブ部分は、測定中に物体の内の少なくとも一部の上に静止し、圧迫し、又は接触するための物体静止、圧迫、又は接触部分で、その自由端において開放され得る。スリーブ部分による接触は、物体上にデバイスを安定させることを助長する。測定中、物体上のスリーブ部分によりもたらされる力は、上で説明したシステムの様々な要因により制御され得るエネルギー印加ツールの衝撃力とは異なり、操作者により制御され、例えば、操作者によりもたらされる不十分又は過度な力は、測定を複雑にし得、精度の低い結果を生み出しさえし得るので、物体上の適切な力が重要であり得、監視される必要があり得る。異なる操作者であっても、より良い再現性のために、スリーブ部分の接触部分による適切な接触力が操作者により印加され得ることを確保するために、筐体の内部に配備され、エネルギー印加ツールに物理的又は機械的に結合されないセンサが存在し得る。
【0042】
スリーブ部分は、筐体の前方の不変部を形成し又はそれから突き出し、且つスリーブ部分が存在しない場合にエネルギー印加ツール、例えば、打診棒を損傷から保護する力伝達スリーブ類似コンポーネント、又は力伝達部材上に搭載され得、例えば、スリーブ部分は、以下で論じるように、使い捨てアセンブリの一部を形成し得る。力伝達スリーブ類似コンポーネントは、例えば、エネルギー印加ツール又は棒の周囲にあり、それは、エネルギー印加ツールを取り囲み得、筐体により前方で保持され、後方において電磁コイルの前方上に搭載される。力伝達スリーブ類似コンポーネントは、少量を摺動するように適応され得、そうすることによって、力伝達スリーブ類似コンポーネントの背面と、コイルマウント又は駆動機構のための取り付けブラケット等の相対的に固定の位置との間に設置される力センサ、例えば、力検知抵抗器、圧電センサ、ひずみゲージ等に作用し得る。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、スリーブ部分の物体接触部分が測定を受ける物体、例えば歯に向かって押し込まれた場合に発動され得、力が検出され得る。ある一定範囲内の正確な力が検出された場合、計器は、測定を開始するためにオンにされる。接触力を検出するために、センサによる線形位置測定も利用され得る。
【0043】
センサ、例えば、力センサは、筐体の内部の何れかの場所に配備され得、エネルギー印加ツール以外のデバイスの少なくとも一部と物理的に近接し得、及び/又は接触し得、及び/又は結合され得、例えば、上述したように、スリーブ部分の開放端が物体接触部分を含む場合に、それは筐体及び/又はスリーブ部分と物理的に近接し得、及び/又は接触し得、及び/又は結合され得る。発明の一実施形態では、センサは、検知のために少なくとも1つのひずみゲージを含み得る。スリーブ部分の物体接触部分が物体上に圧迫される場合に、それがカンチレバーをも変形し、それがひずみゲージにより測定され、それ故、力測定を提供するように、ひずみゲージは、デバイス筐体とスリーブ部分との間のカンチレバーに取り付け又は搭載され得る。幾つかの実施形態では、単一の又は別個のカンチレバーに搭載された複数のひずみゲージが利用され得る。カンチレバーはまた、例えば、筐体又はスリーブ部分の残部とは別個のコンポーネント上に、例えば、搭載デバイス上に存在し得る。発明の別の実施形態では、センサは、剛体面と摺動部との間に位置付けられ得る検知パッドを、剛体面に向かって摺動部が移動すると共に該パッドが圧迫又は圧搾される場合に力が測定されるように含み得る。一実施形態に従えば、剛体面は、例えば、デバイス筐体内の駆動機構中の電磁コイルを保持するコイルインタフェースであり得る。摺動部は、筐体の内部に配備され、スリーブ部分の物体接触部分に結合され、及び物体上にスリーブ部分の物体接触部分によって力がもたらされる場合に筐体の内部を摺動するように適応された力伝達スリーブ類似コンポーネントであり得る。幾つかの実施形態では、それはスリーブ部分の内部に配備され得る。摺動距離は、非常に小さくてもよく、例えば、(ミリメートル又はmmの)約0.3mmから約1mm、更に例えば、約0.5mmのオーダーであり得る。検知パッドは、層状構造物を含み得、それは、力測定を提供するために、パッドに印加された力に依存して抵抗を変化し得る“シャントモード”FSR(力検知抵抗器)と一般的に称され得る。別の実施形態に従えば、スリーブ部分の物体接触部分によって物体上に力が印加された場合に、力伝達スリーブ類似部分がばねに向かって力を伝達し得るように、力伝達スリーブ類似コンポーネントは、ばねによって前方に付勢され得る。一態様に従えば、力検知は、線形位置センサによって行われ得、それは、例えば、力伝達スリーブ類似部分が位置Xにある場合に、それをその位置に移動するために(ばねの反力に向かって)それにYの力が印加されなければならないと知られている。別の態様に従えば、力検知は、ばねに向かって押し込まれた場合に移動部分の位置を光学的に検知するための光学センサによって実施され得る。発明の更に別の実施形態では、物体上のスリーブ部分の物体接触部分の相対的な位置は、移動部分、例えば、力検知スリーブ類似コンポーネントに一端が、静的要素、例えば、筐体に他端が取り付けられ得る1つ又は複数のひずみゲージを有することによって判定され得る。発明の更なる実施形態では、デバイスは、力を直接測定するための圧電素子を含み得る。発明の更に更なる実施形態では、センサの位置に対して(移動要素に取り付けられた)磁石が移動している場合に磁場の変化を検出するためにホール効果センサが使用され得る。発明の更に別の実施形態では、力を測定するために、デジタルカリパスに見られるような静電容量リニアエンコーダシステムが使用され得る。
【0044】
力伝達スリーブ部分は、唯一のピース中にあってもよく、なくてもよい。唯一のピース中に存在する場合、駆動機構、例えば、ドライブトレインを硬直化することを助長し得る。硬直化されたドライブトレインは、例えば、測定中に口腔の内部に向かってデバイスが突き当たり得る場合に、エネルギー印加ツールの経路を乱し得る外力の影響を最小限にし得る。
【0045】
以前に述べたように、力センサは、それがエネルギー印加ツールに物理的に近接し得、及び/又は接触し得、及び/又は結合され得る限り、筐体の内部の何れかの場所に配備され得る。一実施形態では、それは、スリーブ部分に向かって筐体の前方により近く設置され得る。別の実施形態では、それは、筐体の後方に向かって設置され得る。更なる実施形態では、力センサは、筐体の中央に向かって位置付けられ得る。力センサが筐体の後方に向かって位置付けられる場合、該位置付けは、力センサがその他の場所に存在する場合よりも、上で論じた駆動機構の硬直化をより容易にし得る。一般的に、力センサが如何なる場所に設置されたとしても、エネルギー印加ツールが打診棒である場合、該棒は、センサ及び力伝達スリーブを貫通し得、すなわち、センサ及び/又は力伝達スリーブはエネルギー印加ツールを取り囲み得る。
【0046】
センサはエネルギー印加ツールに物理的又は機械的に何ら結合されないが、それはエネルギー印加ツールと通信し得、上述したように、デバイス又は計器のためのオン/オフスイッチとしての機能を果たし得る。例えば、スリーブの物体接触部分によって物体上に適切な力がもたらされた場合、それは、測定を開始するために、エネルギー印加ツールの移動を活性化するためのデバイス又は計器の活性化機構を発動し得る。それ故、上述したように、システムのオン及びオフを活性化するために、外部のスイッチ又は押しボタンは何ら必要ない。適切な力の指標は、可視又は可聴の信号により指し示され得る。
【0047】
一実施形態では、可視又は可聴信号により指し示されるように、スリーブの物体接触部分によって物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、計器は即座にオンにされ得る。別の実施形態では、可視又は可聴信号により指し示されるように、スリーブの物体接触部分によって物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、計器をオンにする前に遅延があり得る。更なる実施形態では、スリーブ部分の物体接触部分と物体との間のある一定の押力が一旦検出され、ある期間、例えば、約1秒、更に例えば、約0.5秒維持されると、測定を開始するために計器はオンにされ得る。この実施形態では、青色(green)光が先端を照らし出し、正確な範囲内の力が維持された約1秒後、更に例えば0.5秒後に衝突が開始されるであろう。
【0048】
例えば、スリーブ部分を通じて、物体上に操作者によりもたらされた適切な力は、システムのスイッチとしての機能を果たす。システムがオンにスイッチングされない場合、それが故障しているのか、それとも不十分な力若しくは過大な力がもたらされているのかを知ることが望ましいことがある。一実施形態では、力測定は、発光体等の可視出力に接続され得る。発光体は、デバイス又は計器上の任意の都合のよい場所に搭載され得、例えば、デバイス又は計器の前方に1つ又は複数のLEDが搭載され得る。一態様では、複数の光システムが含まれ得る。例えば、2つのLEDが使用され得る。正確な範囲内に力がある場合、青色光が点灯され得る。過大な力が検出された場合、LEDは赤色に変化し得、押力が減少しない限り、計器は作動しないであろう。幾つかの実施形態では、ユーザが物体上を押し込み過ぎた場合、光は、琥珀色にまず変化し得、その後赤色に変化し得る。光を赤色に変化させるのに押力が十分である場合、衝突は開始されないか、既に開始されている場合には中断され得る。また、ユーザが過大な押力に近づく場合に警告する琥珀色のLED状態があり得る。その段階では、LEDが琥珀色に点灯される場合に計器は依然として動作し得る。別の態様では、光は過小な力を何ら指し示さなくてもよく、過大な力を赤色光が差し示し得る一方で、適量の力を青色光が差し示し得る。更に別の態様では、1つの光システムが含まれ得る。例えば、光は過小な力の信号を何ら与えなくてもよく、過大な力の信号を赤色光が与えてもよい。更なる態様では、点滅赤色光が過大な力を指し示してもよく、光は過小な力を何ら指し示さなくてもよい。
【0049】
別の実施形態では、力測定は、可聴出力に接続され得る。一態様では、可聴出力は、過小な力を示すための1つのビープ音と、過大な力を示すための複数のビープ音とを含み得る。別の態様では、可聴出力は、過小な力を示すためのビープ音と、過大な力を示すための点滅赤色光付きのビープ音とを含み得る。更なる態様では、力測定は、過大な力又は過小な力を警報するための音声警報システムに接続され得る。更なる態様では、力測定は、過小な力を警報するための音声警報システムと、過大な力を警報するための音声警報及び点滅赤色光とに接続され得る。
【0050】
力センサがオン/オフスイッチとしての機能を果たす場合、測定中にスリーブ部分の物体接触部分によって適切な力がもたらされていること、及び/又は測定中に物体に向かってスリーブ部分の物体接触部分の適切な整列が得られていることを監視するためにもそれは作用し得る。例えば、電子制御システムの一部として、傾斜計が存在し得、それは、例えば、打診棒等の機械的エネルギー印加ツールに対する動作の角度範囲外にデバイスがある場合に可聴警告を発動し得、それが水平方向から+/-45度の外側である場合に警告を発動し得、更に例えば、水平方向から+/-約30度の外側である場合に警告をするようにプログラムされ得る。それ故、スリーブ部分の物体接触部分上に押力が検知された場合に、動作の軸が水平方向から+/-約45度よりも大きく、更に例えば、+/-約30度よりも大きいようにデバイスが方向付けられている場合、デバイス内のプリント回路基板(PCB)等のデバイス上に設置されたスピーカによって警告音が発せられることをもたらし得る。こうした状況では、デバイスが許容角度に戻されるまで衝突作用は開始されないであろう。幾つかの実例では、該範囲からの上述の逸脱が検出された場合に衝突作用が開始されている場合、デバイスは、実際には動作を停止しなくてもよいが、訂正がなされ得るように、単にアラームを鳴らしていてもよい。
【0051】
エネルギー印加ツールは、静止構成と活性化構成とで用いる長さを有する。移動は、上で論じたように、筐体の長手方向軸に沿った軸移動であり得、又は筐体の長手方向軸付近の振動移動に対するものであり得る。
【0052】
一実施形態では、スリーブ部分は、筐体の自由端の少なくとも長さを取り付け及び/又は取り囲み得、打診棒が軸方向に移動した場合にその伸長形式において、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の該端と実質的に同一の広がりをもって筐体からある距離突出する。それ故、この実施形態でのスリーブ部分の長さは、所望の伸長した打診棒の突出の長さに多少依存し得る。スリーブの自由端は、測定を受ける物体に向かって配置され得る。スリーブ部分による物体上の接触は、上述したように、物体上のデバイスの安定性に役立つ。別の実施形態では、スリーブ部分は、筐体の該端に取り付けられ得、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒が動作中に筐体の長手方向軸に実質的に平行であることから、ピボットにおいて該長手方向軸と鋭角をなすことまで移動する場合にそれに対して実質的に直角であり得る。スリーブ部分は、形状が実質的に円筒形であり得る。更なる実施形態では、スリーブは、筐体の延長であり得、動作中に筐体の長手方向軸に実質的に平行であることから該長手方向軸と鋭角をなすことまで打診棒が移動する場合にエネルギー印加ツール、例えば、打診棒を自由に移動可能にするために、実質的に半円筒形のものであり得る。このシステムを使用すると、例えば、患者の歯の大臼歯領域内等、比較的アクセス不可能な場所で測定が着手され得る。
【0053】
同様に、機械的エネルギー印加ツール以外に対しては、上述したことも適用可能であり得、打診棒等の機械的エネルギー印加ツールの代わりに、電磁エネルギー又は音エネルギー等のエネルギー源が筐体の内部に存在し得る。伸長及び収納する代わりに、該源は、単にオン及びオフされ得る。スリーブ部分も存在し得る。
【0054】
別の例示的実施形態では、上又は下で説明するシステムの内の何れかは、測定又はシステムの能力を妨げることなく、システムからの伝達を通じた測定を受ける物体の汚染、又は測定を受ける以前の物体からの相互汚染を排除又は最小限にすることを助長するための使い捨て機構をも含み得る。使い捨て機構は、以下で説明する又は、その内容が参照によりその全体がこれにより組み込まれる“System and Method For Determining Structural Characteristics Of An Object”という名称の米国特許9,869,606に開示されるようなそれらの内の何れかを含み得る。
【0055】
本発明はまた、水平方向から可変の角度でデバイスを保持すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって動作可能なデバイスを含む測定の、非侵襲的な方法で及び/又は非破壊的な方法を使用して、並びに、測定又はシステムの能力を妨げることなく、システムからの伝達を通じた測定を受ける物体の汚染、又は測定を受ける以前の物体からの相互汚染を排除又は最小限にすることを助長するための使い捨て機構を含むエネルギー印加ツールを使用して、物体の構造的特徴を測定するためのシステム及び方法に関する。計器は、開放端を有する中空内部を有する筐体と、筐体の内部での移動のために筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツール、例えば、打診棒又は衝撃棒とを含む。筐体は長手方向軸を有し、エネルギー印加ツールは、静止構成と活性化構成とで用いる長さを有し、デバイスの長手方向軸は、水平方向と任意の角度で位置付けられ得る。該角度は、例えば、任意の角度のものであり得、更に例えば、0度から約+/-45度まで変化し得、更に例えば、0度から約+/-30度まで変化し得る。使い捨て機構がない上で説明したシステム及び方法の異なる実施形態もここでは適用可能である。システムは、機械的ツール、電磁又は音エネルギー源等のエネルギー印加ツールの拭き取り又はオートクレーブの必要なしに、同時に、エネルギー印加ツール及び/又は筐体の処分なしに、計器の筐体の内部に如何なるものが収容され得るとしても、こうした測定を受ける物体との幾らかの接触を用いた非破壊的な測定方法を提供する。測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整するための上で説明した駆動機構も、このシステム及び方法に適用可能である。
【0056】
一例示的実施形態では、筐体は長手方向軸を有し、エネルギー印加ツールは、機械的エネルギー印加ツールである場合には静止構成及び活性化構成、他の種類のエネルギー印加ツールに対してはオン及びオフ構成で用いる長さを有する。筐体は、それから伸長するスリーブ部分を含む。スリーブ部分は、その自由端で開放され、測定の直前又は測定中に物体上に静止し、圧迫し、又は接触するための物体静止又は接触部分を有する。
【0057】
エネルギー印加ツールは駆動機構により駆動される。駆動機構は、電磁機構であり得、電磁コイルと、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の後端に固定された永久磁石とを含み得る。電磁コイルは、例えば、永久磁石の背後に軸方向に横たわり得る。他のエネルギー印加源に対しては、入力電力がエネルギー印加ツールを駆動する。
【0058】
エネルギー印加ツールは、静止構成及び活性化構成で用いる長さを有する。移動は、上で論じたように、筐体の長手方向軸に沿った軸移動であり得、又は筐体の長手方向軸付近の振動移動に対するものであり得る。
【0059】
使い捨て機構は、筐体の開放端から伸長し、及び/又は該開放端を包むスリーブ部分を含み得る。一例では、機械的エネルギー印加ツールに対しては、スリーブ部分は、中空内部と、測定中にその開放端において物体上に静止し、圧迫し、又は接触するための、物体静止又は接触部分を有する開放自由端とを含む。長さを有し、スリーブ部分の開放端に向かって配備された接触機構等の機構は、例えば、摩擦によってスリーブ部分の内部に寄り添って適合する。接触機構は、例えば、短い管状断片又は輪であり得、スリーブ部分の長手方向軸に実質的に沿ってスリーブ部分の内部を自由に移動又は摺動するように適応され、スリーブ部分の自由端を実質的に閉鎖するための閉鎖端を含み得る。接触機構は、エネルギー印加ツールの先端と測定を受ける物体の表面との間に位置付けられ得、自由に移動又は摺動することによって、それ自体を測定を受ける物体の様々な表面構成に調節し得る。自由に移動又は摺動する接触機構は、サイズが変化し得、及び/又はさもなければ、スリーブ部分の長手方向軸に沿って所望の所定距離を移動するように適応され得る。幾つかの例では、輪状の接触機構等に対しては、所望の範囲外のスリーブ部分の内部の摺動又は移動を防止するために、小さなリッジ(ridge)、停止物、又はその他の障害物等の移動停止物がスリーブ部分の内部に存在し得る。例えば、閉鎖端の少なくとも一部は、物体の表面に近接してもよく、接触機構上のエネルギー印加ツールによる衝撃の直前に物体の表面と接触してもよく、しなくてもよい。接触機構の閉鎖端上のエネルギー印加ツールによる衝撃中、接触機構の閉鎖端の外面又は閉鎖端の物体接触面の少なくとも一部は、物体の表面と密接に接触している。それ故、閉鎖端の物体接触面の少なくとも一部が、それが接触して来る物体の表面を反映するように輪郭付けられている場合、物体とのより良い接触がなされ、エネルギー印加ツールによる衝撃からのエネルギー伝達は、実質的に損なわれなくてもよい。一態様では、接触機構の閉鎖端は、物体の平面を実質的に反映するための物体に面する実質的平坦部分を有し得る少なくとも一部を含み得る。別の態様では、接触機構の閉鎖端は、物体の表面が輪郭付けられる場合に接触して来る物体の表面を反映するように輪郭付けられ得る少なくとも一部を含み得る。例えば、測定を受ける物体の表面が窪みを含む場合、接触機構は、衝撃中に閉鎖端と物体との間の接触を維持するためにそれ自体を調節するように、窪みを実質的に反映するための凹形外面を有する閉鎖端を含み得る。別の例として、物体の表面が隆起を含む場合、接触機構は、測定中に物体との接触を維持するように、隆起を実質的に反映するための凸形面を有する閉鎖端を含み得る。更なる態様では、衝撃中に物体との密接な接触が実現され得るように、閉鎖端は、幾らかの弾性を有し得、又は変形可能であり得る。
【0060】
一般的に、物体と接触機構の閉鎖端の少なくとも一部との間の接触は、接触機構が自由に移動しているにもかかわらず、物体上のデバイスの安定性を助長し得、及び/又は測定の再現性を改善し得る。
【0061】
他の実施形態では、接触機構は移動可能でなくてもよい。例えば、接触機構は、スリーブ部分中の前方開放部に固定され得、エネルギー印加ツールの先端と物体との間に直接の接触が何らないように、測定中に物体とエネルギー印加ツールとの間の介在部材としての機能を果たす。
【0062】
移動不可能なエネルギー印加ツールに対しては、摺動部分が存在してもよく、しなくてもよく、接触機構は、定置又は固定され得る。移動不可能ではあるが適合的な接触機構は、下で述べるように、移動可能な接触機構と同じ利点を有し得る。
【0063】
発明の一実施形態では、測定中、接触機構の閉鎖端は、適合的又は移動可能であり得、それ自体を物体の表面構成に調節し得、スリーブの開放端の物体接触部分は物体に適切に接触する。上で説明したセンサは、存在する場合には、スリーブ部分によって物体上に適切な接触力がもたらされることを検知及び/又は監視する。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、測定中に接触機構の閉鎖端を通じて間接的に物体を繰り返し打診する。
【0064】
発明の別の実施形態では、測定中、接触機構の閉鎖端は、適合的又は移動可能であり得、それ自体を物体の表面構成に調節し得、スリーブの開放端の物体接触部分は物体に適切に接触するが、閉鎖端の一部は、物体の不規則な表面に同時に接触するために、スリーブを超えて伸長し得る。上で説明したセンサは、存在する場合には、スリーブ部分によって物体上に適切な接触力がもたらされることを検知及び/又は監視する。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、接触機構の閉鎖端を通じて間接的に物体を繰り返し打診する。
【0065】
移動可能な接触機構は、スリーブの自由端を実質的に閉鎖する閉鎖端でスリーブ部分の内部に寄り添って適合し、且つ依然として自由に移動又は摺動する限り、任意の形状のものであり得る。上述したように、移動可能又は摺動可能である必要がなくてもよい実施形態では、接触機構は適合的であり得る。それは、成形又は鋳造され得る任意の材料で構築され得、ポリマー又は充填ポリマー材料を含み得る。軽量のために、それはまた、薄くてもよいが、摺動作用を容易にするための十分な剛性のものであり得る。幾つかの実施形態では、それは、適合的な閉鎖端又は前方部分を有し得る。
【0066】
接触機構は、その閉鎖端に薄膜をも含み得る。該膜は、接触機構の残部に取り付けられ得、又は一体的に接着され得る。該膜はまた、移動不可能な機構中ではより厚い膜であり得る。エネルギー印加ツールの動作に最小限の影響をもたらすように該膜が選択される限り、該膜が厚いか薄いかは関係ない。一態様では、該膜は、上述したように、エネルギー印加ツールによる打撃時の膜と物体との間のより良い接触のために、該膜は、幾らかの弾性又は変形可能性を有し得るが、エネルギー印加ツールにより物体にもたらされる衝撃力を依然として伝達可能であり得る。別の態様では、該膜は、それと物体との間の衝撃力のより良い伝達を可能にする任意の材料のものであり得る。
【0067】
一実施形態では、閉鎖端は、接触機構の残部と同じ材料のものであってもよく、なくてもよいポリマー薄膜を含み得、又はそれは、接触機構の残部と実質的に同じ特性を有する材料であってもよい。ポリマーは、測定に実質的に悪影響を及ぼさないように、薄膜に成形され、鋳造され、又は伸ばされることが可能な任意のポリマー材料を含み得る。別の実施形態では、閉鎖端は、インサート成形金属箔膜を含み得る。該金属は、測定に実質的に悪影響を及ぼさないように、薄膜に引き伸ばされ、鋳造され、又は成形され得る任意の金属材料であり得る。その他の実施形態では、閉鎖端は、接触機構に一体化され得る。例えば、接触機構は、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又はその他の適切な金属)を押し付けることによる等して、所望の厚さの閉鎖端を有する管状又は輪の構造に形作られ得る材料から形成され得る。
【0068】
別の例示的実施形態では、筐体は長手方向軸を有し、エネルギー印加ツールは、静止構成と活性化構成とで用いる長さを有し、デバイスの長手方向軸は、水平方向と任意の角度で位置付けられ得る。該角度は、例えば、任意の角度のものであり得、更に例えば、0度から約+/-45度まで変化し得、更に例えば、0度から約+/-30度まで変化し得る。筐体は、それから伸長するスリーブ部分を含んでも、含まなくてもよく、その自由端に開放端を有する。
【0069】
エネルギー印加ツールは、静止構成と活性化構成とで用いる長さを有する。移動は、上で論じたように、筐体の長手方向軸に沿った軸移動であり得、又は筐体の長手方向軸付近の振動移動に対するものであり得る。
【0070】
使い捨て機構は、必要に応じて、感度、再現性、又は任意の実質的な角度への計器の一般的な動作を妨げることなく、測定を受ける物体と近接及び/又は接触して来得るシステムの一部を包むためのカバーを含み得る。
【0071】
使い捨て機構は、前に述べたように、全てのその他の種類のエネルギー印加ツールに適用可能であり得る。
【0072】
カバーは、筐体、又はスリーブ部分が筐体から延伸する場合にはスリーブ部分の開放端から伸長し、及び/若しくは包む部分を含み得る。長さを有し、筐体又はスリーブ部分の開放端に向かって配備された接触機構は、摩擦によって筐体又はスリーブ部分の内部に寄り添って適合され得、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の開放端を越えて伸長し得る。接触機構は、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の自由端を閉鎖するための閉鎖端を含む。接触機構の閉鎖端は、エネルギー印加ツールの先端と物体との間に入って来、接触機構の閉鎖端の表面の一部は、測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触して来る。この例示的実施形態では、筐体又はスリーブ部分の該端は、測定中に物体と接触して来なくてもよい。接触機構は、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の内部を自由に移動又は摺動するように適応され、又は所定の移動距離に僅かに制限され得、筐体又はスリーブ部分の内部に完全には収納されない。接触機構は、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の自由端を実質的に閉鎖するための閉鎖端を含み得る。測定を受ける物体に向かったデバイスの安定性は、物体の表面の少なくとも一部の上の接触機構の閉鎖端の外面の少なくとも一部の接触によって達せられ得る。
【0073】
非可動的なエネルギー印加ツールに対しては、摺動部分は存在してもよく、存在しなくてもよく、接触機構は、定置又は固定され得るが、前述したように、可動の又は少なくとも適合可能な接触部分を有する利点がある。
【0074】
ここでまた、接触機構は、エネルギー印加ツールの先端又は端と、測定を受ける物体の表面との間に位置付けられ、適合的又は自由に移動又は摺動することによって、それ自体を測定を受ける物体の様々な表面構成に調節し得る。例えば、閉鎖端の少なくとも一部は、接触機構上のエネルギー印加ツールによる衝撃の前に、物体の表面と接触していてもよい。接触機構の閉鎖端上のエネルギー印加ツールによる衝撃中に、閉鎖端の外面又は物体接触面の少なくとも一部は、物体の表面との密接に接触したままである。それ故、閉鎖端の物体接触面の少なくとも一部が、接触して来る物体の表面を反映するように輪郭付けられ得る場合、物体とのより良い接触がなされ、エネルギー印加ツールによる衝撃からのエネルギー伝達は損なわれなくてもよい。一態様では、接触機構の閉鎖端は、物体の平面を実質的に反映するための物体に面する実質的な平坦部分を有し得る少なくとも一部を含み得る。別の態様では、接触機構の閉鎖端は、物体の表面が輪郭付けられる場合に接触して来る物体の表面を反映するように輪郭付けられ得る少なくとも一部を含み得る。例えば、測定を受ける物体の表面が窪みを含む場合、接触機構は、衝撃中に閉鎖端と物体との間の接触を維持するためにそれ自体を調節するように、窪みを実質的に反映するための凹形面を有する閉鎖端を含み得る。別の例として、物体の表面が隆起を含む場合、接触機構は、測定中に物体との接触を維持するように、隆起を実質的に反映するための凸形面を有する閉鎖端を含み得る。更なる態様では、衝撃中に物体との密接な接触が実現され得るように、閉鎖端は、幾らかの弾性を有し得、又は変形可能であり得る。
【0075】
例えば、測定中、接触機構の閉鎖端は、それ自体を物体の表面構成に調節し得、物体の表面と接触したまま留まる。エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、接触機構の閉鎖端を通じて物体を間接的に繰り返し打診する。
【0076】
接触機構は、上述したように、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の内部に寄り添って適合し、且つ必要に応じて所定の長さを自由に依然として移動又は摺動する限り、又は筐体又はスリーブ部分の自由端を閉鎖する閉鎖端を用いて、単に適合的である限り、任意の形状のものであり得る。接触機構は、例えば、短い管状断片又は輪等の任意の適切な長さのものであり得、スリーブ部分の長手方向軸に実質的に沿ってスリーブ部分の内部を自由に移動又は摺動するように適応され、スリーブ部分の自由端を実質的に閉鎖するための閉鎖端を含み得る。接触機構は、エネルギー印加ツールの先端と測定を受ける物体の表面との間に位置付けられ得、自由に移動又は摺動することによって、それ自体を測定を受ける物体の様々な表面構成に適合させるために調節し得る。接触機構に対する移動距離は、変化し得、幾つかの実例では、所定距離であり得る。幾つかの例では、輪状の接触機構等に対しては、スリーブ部分内での接触機構の移動を制約するために、小さなリッジ、停止物、又はその他の障害物等の移動停止物がスリーブ部分の内部に存在し得る。
【0077】
エネルギー印加ツールの動作に最小限の影響をもたらすように選択される限り、接触機構が移動可能であるか否か、及び膜が薄いか厚いかは関係ない。一態様では、該膜は、上述したように、エネルギー印加ツールによる打撃時の膜と物体との間のより良い接触のために、幾らかの弾性又は変形可能性を有し得るが、エネルギー印加ツールにより物体にもたらされる衝撃力を依然として伝達可能であり得る。別の態様では、該膜は、それと物体との間の衝撃力のより良い伝達を可能にする任意の材料のものであり得る。それは、成形又は鋳造され得る任意の材料で構築され得、ポリマー又は充填ポリマー材料を含み得る。上述したように、移動可能又は摺動可能であることが必要でなくてもよい実施形態では、接触機構は適合的であり得る。幾つかの実施形態では、それは、適合的な閉鎖端又は前方部分を有し得る。
【0078】
軽量のために、それはまた、薄くてもよいが、摺動作用を容易にするための十分な剛性のものであり得る。幾つかの実施形態では、それは、適合的な閉鎖端又は前方部分を有し得る。
【0079】
接触機構は、測定に実質的に影響を与えないように、その閉鎖端に薄膜を含み得る。該膜は、接触機構の残部に取り付けられ得、又は一体的に接着され得る。該膜は、エネルギー印加ツールの動作に最小限の影響をもたらすように選択され得る。一態様では、該膜は、エネルギー印加ツールによる打撃時の膜と物体との間のより良い接触のために、幾らかの弾性又は変形可能性を有し得るが、エネルギー印加ツールにより物体にもたらされる衝撃力を依然として伝達可能であり得る。別の態様では、該膜は、それと物体との間の衝撃力のより良い伝達を可能にする任意の材料のものであり得る。
【0080】
一実施形態では、閉鎖端は、接触機構の残部と同じ材料のものであってもよく、なくてもよいポリマー薄膜を含み得、又はそれは、接触機構の残部と実質的に同じ特性を有する材料であってもよい。ポリマーは、測定に実質的に悪影響を及ぼさないように、薄膜に成形され、鋳造され、又は伸ばされることが可能な任意のポリマー材料を含み得る。別の実施形態では、閉鎖端は、インサート成形金属箔膜を含み得る。該金属は、測定に実質的に悪影響を及ぼさないように、薄膜に引き伸ばされ、鋳造され、又は成形され得る任意の金属材料であり得る。該膜はまた、力/エネルギーの最適な伝達のために、エネルギー印加ツールの形状に適合するように形成され得、逆もまた然りである。幾つかの実施形態では、該膜は、ステンレス鋼箔又はシートから構築され得、例えば、押し付け及び/又は成形され得る。その他の実施形態では、閉鎖端は、接触機構に一体化され得る。例えば、接触機構は、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又はその他の適切な金属)を押し付けることによる等して、所望の厚さの閉鎖端を有する管状又は輪の構造に形作られ得る材料から形成され得る。
【0081】
これらの例示的実施形態に対しては、その機構の全ての態様を含む上で説明した力センサは、スリーブ部分の物体接触部分又は接触機構の閉鎖端により物体上に適切な力がもたらされることを検知及び/若しくは監視するために、並びに/又は適切な力がもたらされた場合に測定を開始するようにシステムを活性化するために存在してもよく、しなくてもよい。
【0082】
スリーブ部分の物体接触表面又は接触機構の何れかによりもたらされる力を検知又は監視するための力センサを有する、本明細書で説明する例示的実施形態の内の何れかのデバイスに対しては、力センサは、その他の例示的実施形態との関係で以前に例示したように、エネルギー印加ツール以外のデバイスの少なくとも一部、例えば、スリーブ部分の開放端が物体接触部分を含む場合にはスリーブ部分若しくはスリーブ部分の少なくとも一部、又はスリーブ部分が存在しない場合には筐体の少なくとも一部と物理的に近接及び/又は接触し得る。
【0083】
センサ、例えば、力センサは、エネルギー印加ツール以外のデバイスの少なくとも一部と物理的に近接し得、及び/又は接触し得、及び/又は結合し得、例えば、上述したように、それは、スリーブ部分の開放端が物体接触部分を含む場合に、筐体及び/又はスリーブ部分と物理的に近接し得、及び/又は接触し得、及び/又は結合し得る。幾つかの実施形態では、エネルギー印加ツールは力センサを貫通し得る。言い換えれば、力センサは、エネルギー印加ツールを取り囲み得る。上で説明したようなセンサの様々な実施形態もここでは適用可能であり得る。
【0084】
センサは、エネルギー印加ツールに物理的又は機械的には結合されないが、上述したように、それは、エネルギー印加ツールと電子通信し得、デバイス又は計器に対するオン/オフスイッチとしての機能を果たし得る。例えば、スリーブの物体接触部分により物体上に適切な力がもたらされた場合、それは、測定を開始するために、エネルギー印加ツールの移動を活性化するようにデバイス又は計器の活性化機構を発動し得る。それ故、上述したように、システムのオン及びオフを活性化するために外部のスイッチ又は押しボタンを何ら必要としない。適切な力の指標は、可視又は可聴信号によって指し示され得る。
【0085】
一実施形態では、可視又は可聴信号により指し示されるように、スリーブの物体接触部分によって物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、計器は即座にオンにされ得る。別の実施形態では、可視又は可聴信号により指し示されるように、スリーブの物体接触部分によって物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、計器をオンにする前に遅延があり得る。更なる実施形態では、スリーブ部分の物体接触部分と物体との間のある一定の押力が一旦検出され、ある期間、例えば、約0.5秒維持されると、測定を開始するために計器はオンにされ得る。この実施形態では、青色光が先端を照らし出し、正確な範囲内の力が維持された約0.5秒後に衝突が開始されるであろう。
【0086】
例えば、スリーブ部分を通じて、物体上に操作者によりもたらされた適切な力は、システムのスイッチとしての機能を果たす。システムがオンにスイッチングされない場合、それが故障しているのか、それとも不十分な力若しくは過大な力がもたらされているのかを知ることが望ましいことがある。一実施形態では、力測定は、発光体等の可視出力に接続され得る。発光体は、デバイス又は計器上の任意の都合のよい場所に搭載され得、例えば、デバイス又は計器の前方に1つ又は複数のLEDが搭載され得る。一態様では、複数の光システムが含まれ得る。例えば、2つのLEDが使用され得る。正確な範囲内に力がある場合、青色光が点灯され得る。過大な力が検出された場合、LEDは赤色に変化し得、押力が減少しない限り、計器は作動しないであろう。幾つかの実施形態では、ユーザが物体上を押し込み過ぎた場合、光は、琥珀色にまず変化し得、その後赤色に変化し得る。光を赤色に変化させるのに押力が十分である場合、衝突は開始されないか、既に開始されている場合には中断され得る。また、ユーザが過大な押力に近づく場合に警告する琥珀色のLED状態があり得る。その段階では、LEDが琥珀色に点灯される場合に計器は依然として動作し得る。別の態様では、光は過小な力を何ら指し示さなくてもよく、過大な力を赤色光が差し示し得る一方で、適量の力を青色光が示し得る。更に別の態様では、1つの光システムが含まれ得る。例えば、光は過小な力の信号を何ら与えなくてもよく、過大な力の信号を赤色光が与えてもよい。更なる態様では、点滅赤色光が過大な力を指し示してもよく、光は過小な力を何ら指し示さなくてもよい。
【0087】
別の実施形態では、力測定は、可聴出力に接続され得る。一態様では、可聴出力は、過小な力を指し示すための1つのビープ音と、過大な力を指し示すための複数のビープ音とを含み得る。別の態様では、可聴出力は、過小な力を指し示すためのビープ音と、過大な力を指し示すための点滅赤色光付きのビープ音とを含み得る。更なる態様では、力測定は、過大な力又は過小な力を警報するための音声警報システムに接続され得る。更なる態様では、力測定は、過小な力を警報するための音声警報システムと、過大な力を警報するための音声警報及び点滅赤色光とに接続され得る。
【0088】
力センサがオン/オフスイッチとしての機能を果たす場合、測定中にスリーブ部分の物体接触部分によって適切な力がもたらされていること、及び/又は測定中に物体に向かってスリーブ部分の物体接触部分の適切な整列が得られていることを監視するためにもそれは作用し得る。例えば、電子制御システムの一部として、傾斜計が存在し得、それは、例えば、打診棒に対する動作の角度範囲外にデバイスがある場合に可聴警告を発動し得、それが水平方向から+/-45度であり、更に例えば、+/-約30度よりも大きい場合に該警告を発動し得る。スリーブ部分の物体接触部分上に押力が検知された場合に、動作の軸が水平方向から+/-約45度よりも大きく、更に例えば、+/-約30度よりも大きいようにデバイスが方向付けられている場合、デバイス内のPCB等のデバイス上に設置されたスピーカによって発せられる警告音をもたらし得る。こうした状況では、デバイスが許容角度に戻されるまで衝突作用は開始されないであろう。幾つかの実例では、該範囲からの上述の逸脱が検出された場合に衝突作用が開始されている場合、デバイスは、実際には動作を停止しなくてもよいが、訂正がなされ得るように、単にアラームを鳴らしていてもよい。
【0089】
本発明は、水平方向から可変の角度でデバイスを保持すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって動作可能なデバイスを有する測定の、非侵襲的な方法で及び/又は非破壊的な方法の上で説明したシステム及び方法のデバイス筐体の前方部分に取り付け又は結合するように適応されたスリーブ部分を有する使い捨てアセンブリを更に含む。スリーブ部分は、前端及び後端を含み得、筐体に結合又は取り付けるための、その後端に向かった結合又は搭載コンポーネントを含み得る。一実施形態では、搭載又は結合コンポーネントは、筐体の一部又は筐体の内部の部品上への摩擦適合、嵌合バヨネット形式、さね・はぎタイプの形式、スナップフィット、クリップ、入れ子式(internesting)の針・針穴形式、掛け金、及びその他の相互接続構造であり得る。別の実施形態では、スリーブ及び筐体の搭載又は結合コンポーネントは、より良い適合又は結合の互換性のための特注のねじ状システムであり得る。
【0090】
使い捨て機構は、上又は下の全ての例示的実施形態で説明されるように、物体の構造的特徴を判定するためのシステムの部品であり得る。使い捨て機構は、デバイスの一部に取りつけるように適応され、デバイス筐体の開放前端からある距離突出し得るスリーブ部分を含み得る。スリーブ部分は、前端及び後端を有する中空内部と、デバイスの物体接触部分の少なくとも一部を用いて物体の少なくとも一部に向かって静止又は圧迫するように適応された、前端における物体接触部分とを有し、接触機構は、長手方向軸に沿ってスリーブ部分の内部を自由に移動又は摺動するように適応されてスリーブ部分の内部に配備され、接触機構は、長さを有する本体と、測定中にエネルギー印加ツールと物体との間の直接の接触を最小限にするために、スリーブ部分の開放を実質的に閉鎖するための実質的な閉鎖前端とを有する。
【0091】
別の実施形態では、デバイスの一部を包むように適応された使い捨て機構は、長手方向軸を有しデバイス筐体からある距離突出し得るスリーブ部分を含み、前端及び後端を有する中空内部と、デバイスの物体接触部分の少なくとも一部を用いて物体の少なくとも一部に向かって静止、接触、又は圧迫するように適応された、前端における物体接触部分とを有し得る。接触機構は、エネルギー印加ツールを移動するためにスリーブ部分の長手方向軸に沿ってスリーブ部分の内部を自由に移動又は摺動するように適応されて、スリーブ部分の内部に配備され得、接触機構は、長さを有する本体と、測定中にエネルギー印加ツールと物体との間の直接の接触を最小限にするために、スリーブ部分の開放前方を実質的に閉鎖するための実質的な閉鎖前端とを有する。
【0092】
上述したように、スリーブ部分の内部を自由に摺動する接触機構は、使い捨てアセンブリのスリーブ部分の前端に向かって配備され得る。一実施形態では、接触機構は、任意の形状のものであり得、例えば、それは、短い管状断片のものであり得、スリーブ部分の長さよりも短く提供された任意の寸法のものであり得る。それは、開放端と、スリーブ部分の前端を実質的に閉鎖するようにスリーブ部分の前方に向かった閉鎖端とを含み得る。軽量のために、それは十分に薄くてもよいが、摺動作用を容易にするための十分な剛性のものであり得る。別の実施形態では、接触機構は、輪に取り付けられた膜を含み得る。該輪は、スリーブ部分の内部を自由に摺動し得、該膜は、それが存在する場合には、筐体又はスリーブ部分の開口を実質的に閉鎖し得る。自由に移動又は摺動する接触機構に対する移動距離は、変化し得、幾つかの実例では所定距離であり得る。幾つかの例では、輪状の接触機構等に対しては、スリーブ部分内での接触機構の移動を制約するために、小さなリッジ、停止物、又はその他の障害物等の移動停止物がスリーブ部分の内部に存在し得る。
【0093】
一実施形態に従えば、スリーブ部分は、測定を受ける物体の表面に接触するための、その前端に向かった物体接触部分を含み得る。この実施形態では、接触機構の摺動能力は、距離的な制限を何ら含まなくてもよく、スリーブ部分の内部を自由に摺動し得る。この実施形態では、スリーブ部分は、測定を受ける物体の表面に接触するための、その前端に向かった物体接触部分を含む。
【0094】
別の実施形態に従えば、スリーブ部分は、測定中に物体の表面に接触するための物体接触部分を含まなくてもよい。この実施形態では、接触機構に対する摺動距離は、接触機構の前端がスリーブ部分よりも更に突出し得るように予め決定され得る。接触機構は、測定中に接触を提供するコンポーネントであり得る。
【0095】
更なる実施形態に従えば、スリーブは、測定を受ける物体の表面に接触するための、その前端に向かった物体接触部分と、スリーブ部分の物体接触面が測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触している場合に、スリーブと接触する物体の表面とは異なり該表面に実質的に直角方向の物体の一部又は表面上にタブが静止し得るように、スリーブ部分の長手方向軸に実質的に平行に伸長するタブとを含む。
【0096】
更なる実施形態に従えば、スリーブ部分は、接触機構の物体接触面が測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触する場合に、接触機構と接触する物体の表面とは異なり該表面に実質的に直角方向の物体の一部又は表面上にタブが静止し得るように、スリーブ部分の長手方向軸に実質的に平行に伸長するタブを含む。
【0097】
更に別の実施形態に従えば、スリーブ部分は、タブと、物体の表面に面するように適応された側のタブの表面に実質的に直交するコンポーネント、例えば、リッジ、突起、又はその他のコンポーネントとを含み得る。例えば、歯に対しては、コンポーネントは、隣接する歯又はその他の直交面との間に嵌まり込み得、それ故、物体の表面に渡るタブの何れの実質的な横方向の移動を阻止することを助長し得、及び/又は併行精度を更に助長し得る。動作中にリッジ又は突起が適切に設置され得るように、タブは、物体の最上部分の長さ又は幅に依存した十分な長さ又は幅のものであり得る。タブが不変のリーディングと干渉する稀有な実例では、インプラント固定具の埋入のために使用される幾つかのインプラント伝達アバットメントの場合のように、検査される物体上にスリーブ部分をより低く位置変更するために、平坦な使い捨てアセンブリが使用され得る。
【0098】
幾つかの実施形態では、スリーブ部分は、スリーブ部分の長手方向軸に実質的に平行に伸長するタブを含み得、接触機構の物体接触面が測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触する場合に、タブが物体の一部又は表面上に静止し得、少なくとも1つの形式を使用して物体の表面の突起、隆起、又はその他の盛り上がった部分に少なくとも部分的に適合するように、少なくとも1つの形成物(例えば、さね溝、溝、ノッチ、凹み等)を含み得る。
【0099】
一実施形態では、筐体の少なくとも一部又は筐体の内部の部品上への摩擦適合、嵌合バヨネット形式、さね・はぎタイプの形式、スナップフィット、クリップ、入れ子式の針・針穴形式、掛け金、及びその他の相互接続構造であり得る搭載コンポーネント又は結合コンポーネントを有する使い捨てアセンブリに加えて、取り付けられた使い捨てアセンブリが使用される前である場合にデバイスの活性化機構が発動されないように、付加的機構がデバイス内に含まれ得る。
【0100】
別の実施形態では、筐体の少なくとも一部又は筐体の内部の部品上への摩擦適合、嵌合バヨネット形式、さね・はぎタイプの形式、スナップフィット、クリップ、入れ子式の針・針穴形式、掛け金、及びその他の相互接続構造であり得る搭載コンポーネント又は結合コンポーネントを有する使い捨てアセンブリに加えて、搭載コンポーネントは、使い捨てアセンブリによりなされる筐体又は筐体の内部の部品への所定数の接続を可能にするコンポーネントを含み得る。
【0101】
本発明は、非破壊的で非侵襲的な方法で構造的特徴を測定するための更に別のシステム及び方法に関し、水平方向から可変の角度でデバイスを保持すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することによって動作可能なデバイスを含み得る。システムは、エネルギー印加ツールによる物体の衝撃の初速度を維持しながら、エネルギー印加ツールの走行距離を変更し得る駆動機構を含み得る。例えば、エネルギー印加ツールが打診ツールを含む場合、該距離は、約2mmから約4mmまでの範囲で変化し得る。衝撃又は接触における同じ初速度を維持しながら、例えば、約4mmから約2mmへのエネルギー印加ツールの走行距離の減少は、システムの動作を妥協することなく、より速い測定を可能にし得る。システムは、上又は下で説明する様々な例示的実施形態を含んでもよく、含まなくてもよい。例えば、システムは、以前に又は下で述べる再現性を助長するための及び/又は機構との衝撃を小さくするための使い捨て部品及び/又は機構を有してもよく、有さなくてもよい。
【0102】
この直ぐ上で述べた発明、及び本明細書で上で説明したデバイスの全てのその他の実施形態は、任意の使い捨て機構を有する又は有しないデバイス、例えば、衝突計器は、上で説明したスリーブ部分又は接触機構の物体接触面が測定を受ける物体の表面の少なくとも一部と接触するように筐体又はスリーブ部分の開放端から伸長するタブをも含み得、該タブは、上述したように、スリーブ又は接触機構と接触する物体の表面とは異なり該表面に実質的に直角な物体の一部又は表面上に静止し得る。タブとスリーブ又は接触機構とは、物体に対するデバイスの繰り返しの位置付けを共に補助する。また、タブは、物体の表面上の同じ場所に毎回繰り返し実質的に配置されるように適応され得る。
【0103】
本明細書で説明する全ての実施形態に対しては、コンポーネントは、任意の形状及びサイズのものであり得る。一態様では、例えば、物体が歯である場合、コンポーネントは、短くてもよく、隣接する歯の間に適合し得るように十分に僅かな厚さのものであり得る。別の態様では、例えば、物体が歯である場合、コンポーネントは、短くてもよく、隣接する歯の最上部分の間に適合するように形作られ得る。更に別の態様では、例えば、物体が歯であり、コンポーネントが背面に向かって静止する場合、それは、背面の主要部分をカバーする寸法のものであり得る。
【0104】
タブ及び/又はタブとコンポーネントとは、歯又は機械的若しくは産業構造物、複合物、及び同等物等の物体上に計器を繰り返し位置付けることを助長することに役立つだけでなく、タブ及び/又はタブとコンポーネントとは、上述したような歯又は機械的若しく産業構造物、複合物、及び同等物等の物体がエネルギー印加又は打診の方向に平行な方向以外の方向に移動するのを防止するのを助けるのにも役立つ。このことは、検査中の物体及び/若しくはそれが固定される基礎の不必要な任意の障害、並びに/又はこれらのその他の障害から生じ得る複雑性を最小化するのを助け、それ故、検出の感度及び/又は精度に更に貢献する。タブ又はタブ及び/若しくはコンポーネントは、スリーブ部分が物体接触部分を有しようと、それとも接触機構が物体への接触を提供しようと適用可能である。
【0105】
それから突出するタブを有しないスリーブの端は、平坦又は実質的に平坦であり得、物体の最上部と接触するタブの部分も平坦又は実質的に平坦であり得る。タブは、スリーブの端から実質的に平行方向に伸長し得る。一態様では、タブは、スリーブの端から突出する前にスリーブと距離に対して一体化され得、スリーブから突出した後にスリーブの断面の輪郭を実質的に維持する。別の態様では、タブは、スリーブの最上部分又は底部分から一様に突出し得るが、スリーブから突出した後にスリーブの最上部分又は底部分とは実質的に異なる断面の輪郭を有する。稀有な状況では、タブは、物体のより低い位置で検査することを可能にするために、全てにおいて突出しなくてもよい。
【0106】
本発明の一実施形態では、タブは、物体上にデバイスを再現可能に直接位置付けることを助長するために、使用中に接触して来る物体の表面の輪郭を実質的に反映する接触表面を有し得る。
【0107】
一態様では、タブの突出部分は、長方形の断面を有し得る。別の態様では、タブの突出部分は、若干アーチ形の最上部分を有し得る。更に別の態様では、タブの突出部分は、物体と接触して来る表面の輪郭に適合し得る。
【0108】
実施形態の内の何れかでは、タブの角は、それらが静止し得る物体上の任意の感染を避けるために、滑らかであり若しくは丸みを帯び、又は実質的に滑らかであり若しくは丸みを帯びる。
【0109】
一般的に、本デバイスは、エネルギーの印加、例えば、打診棒等の打撃を通じて物体上に振動が生成される如何なる測定を行うにも有用であり得る。該利点は、接触しない伝統的なデバイスと比較して、デバイスが打診作用中に物体と接触して保持され得ることである。
【0110】
スリーブ部分及びタブ、及び機構、並びに/又はスリーブ、タブ、及び接触機構は、振動減衰(damping)、音響減衰、又は振動減衰(attenuating)の特性を有する任意の材料で作られてもよく、スリーブは、スリーブを通じてハンドピースの筐体へ走行する任意の振動が実質的に減衰され得るような長さのものであり得る。一実施形態では、スリーブと、スリーブに隣接する筐体の端とは、同じ材料で作られてもよい。別の実施形態では、スリーブと、それが取り付けられる筐体の端とは、同様の振動減衰(attenuating)特性を有する材料で作られてもよい。更に別の実施形態では、スリーブと、それが取り付けられる筐体の端とは、異なる材料で作られてもよい。更なる実施形態では、スリーブと、それが取り付けられる筐体の端とは、異なる振動減衰(attenuating)特性を有する材料で作られてもよい。更なる実施形態では、スリーブは、その1つ以上の表面上に振動減衰(attenuating)コーティングを有する任意の材料で作られてもよい。更に別の実施形態では、スリーブ、タブ、及び/又は機構は、同様の熱膨張特性を有する異なる材料で作られてもよい。
【0111】
また、スリーブ部分、接触機構、及びタブ、並びに/又はスリーブ、タブ、及びコンポーネントは、1回の使用後に処分されることになっているそれらの実施形態で特に有用である再生利用可能な、堆肥可能な、又は生分解性のある材料で作られてもよい。
【0112】
エネルギー印加ツールは、上述したように、測定中に駆動機構によって駆動される。駆動機構は、電磁機構であり得、電磁コイルを含み得る。駆動機構は、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の後端に固定された永久磁石を含み得、電磁コイルは、この永久磁石の背後に軸方向に横たわり得る。一実施形態では、デバイスがハンドピースである場合には、筐体の後部と、任意の給電線と共に、電磁コイルは構造ユニットを形成し、該構造ユニットは、一体的に動作可能であり得、例えば、取り外し可能な適切な接続、例えば、ねじ式の接続又はプラグ式の接続によって、残留するデバイスに接続され得る。この取り外し可能な接続は、クリーニング及び修理等を容易にし得る。別の実施形態では、デバイスがハンドピースである場合には、筐体の後部と、任意の給電線と共に、電磁コイルは構造ユニットを形成し、該構造ユニットは、一体的に動作可能であり得、残留するデバイスに永久的に接続され得る。打診棒等のエネルギー印加ツールは、筐体の前部に設置され、打診棒用の搭載機構は、無摩擦のベアリングを含み得る。これらのベアリングは、筐体及び打診棒により形成される隣接のチャンバーが空気交換のために相互に連絡するように、1つ以上の軸方向の開口を含み得る。
【0113】
一実施形態では、打診棒は、上述したように、自由端から離れた端に搭載された永久磁石アンサンブルと共に、その全体の長さに渡って実質的に一定の断面構築を有し得る。駆動機構の電磁コイルは、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒の、永久磁石アンサンブルと同じ端の背後に位置し得、筐体に対する比較的小さい外径をもたらす。この実施形態では、筐体の外径は、電磁コイルの直径、打診棒等のエネルギー印加ツールの断面、筐体内の打診棒の搭載機構、及び筐体の壁の厚さによって実質的に画定され得る。しかしながら、該ツールの長さは、(最大質量のアセンブリを表す)電磁コイルがデバイス、例えば掌中のハンドピースの均衡を保ち、存在する場合には、デバイスの後方における電池を平衡せるように位置付けられ得るように設計され得る。
【0114】
デバイスそれ自体は、例えば、電池、コンデンサ、トランスデューサ、太陽電池、外部電源、及び/又は任意のその他の適切な電源等、外部の電力供給に繋がれ得、又は筐体の内部に含まれる電源により動力が与えられ得る。
【0115】
一実施形態では、駆動機構又は駆動機構の一部、例えば、電子制御基板部品と、打診棒等のエネルギー印加ツールとの間の通信は、導電性の絶縁ワイヤのリード又は線を介し得、それは、同心円状に渦巻き状に打診棒に巻き付き得、ばね弾性特性を有する。このことは、線の管理に関して最小の必要スペースをも可能にし得る。同心円状に棒に巻き付いたワイヤの撚線は、圧電センサを制御電子機器に接続する。ワイヤを同心円状に巻き付ける1つの目的は、繰り返される棒の前後の移動からのワイヤ上の圧力を最小限にすることである。幾つかの実施形態では、渦巻き状に巻き付いたワイヤにより形成され得るヘリカルスプリングは、ワイヤ接続のループ化又はねじれを回避又は防止するのに役立ち得る。
【0116】
別の実施形態では、駆動機構とエネルギー印加ツールとの間の通信は、任意の適切な無線接続を介して無線で伝送され得る。一例では、打診棒等のエネルギー印加ツールは、電磁コイルを通電し、打診棒の端の磁石を反発する磁場を創出することによって前進させられ得る。該棒は、電磁コイルに印加された電圧の極性を反転することによって収納される。磁石はまた、電磁コイルが通電していない場合に、コイルの鋼心へのその磁力を通じて、該棒をその収納位置に保持するのに役立ち得る。
【0117】
存在する場合には、ヘリカルスプリングは、撚り合わされた2本の個別のワイヤを有する撚線から構成され得、又は同軸線から構成され得る。その積載された状態において、そのプレストレスの力が摩擦力に対応し、収納位置から伸長位置へ、又は筐体の長手方向軸に実質的に平行方向の位置からピボットで該軸と鋭角をなす位置へのエネルギー印加ツール、例えば、打診棒の前進運動中にこの摩擦力に対抗する程度に、ばねは圧縮され得る。ばねのプレストレスされる経路は、それ故、ばねの力が打診棒のストローク全体に渡って実質的に一定を維持するように、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒のストロークよりも遥かに大きくてもよい。前進運動中に打診棒に対する搭載機構のベアリングの何れの不要な摩擦力も、このばねによって実質的に補償され得る。
【0118】
一実施形態では、スリーブが取り付けられる時にデバイスが実質的に一様な寸法を有し得るように、筐体は、スリーブ部分により取り囲まれた端に向かってテーパーにされ得る。別の実施形態では、筐体は、実質的に一様の寸法を有し得、スリーブは、ある一定程度それを取り囲む端の寸法を拡大し得る。更なる実施形態では、スリーブそれ自体は、物体との接触の平坦領域を増加させるために、その自由端に向かって逆テーパーを有し得る。
【0119】
一般的に、本デバイスは、物体上のエネルギー、例えば、打診棒等の打撃の印加を通じて振動が生成されることにより任意の測定を行うのに有益であり得る。例えば、時間対衝突応答プロファイルが生成され得る。評価システムは、時間対衝突応答プロファイルの形状を評価するように構成されたデータ分析器を含み得る。時間対衝突応答プロファイルは、上述したように、時間-エネルギー、時間-応力、時間-力、又は加速度プロファイルを含み得る。例えば、評価は、エネルギー印加後に物体から反射されたエネルギー最大値の数をカウントすることを含み得る。
【0120】
一般的に、本明細書で定義されるような構造的特徴は、振動減衰能;音響減衰能;例えば、物体を構成する骨格又は材料に固有の欠陥を含む欠陥;亀裂、微小亀裂、破折、微小破折;セメントシールの喪失;セメント不良;接着不良;微小漏洩;病変;虫歯;一般的な構造的完全性又は一般的な構造的安定性を含み得る。歯構造、天然歯、摩滅若しくは外傷に起因する破折を有する天然歯、少なくとも部分的に膿瘍して来ている天然歯、又は骨増生処置を受けている天然歯、補綴歯科的インプラント構造物、歯科的構造物、整形外科的構造物、又は整形外科的インプラント等の解剖学的物体に対しては、こうした特徴は、物体の健全性、又は物体が固定若しくは取り付けられ得る下にある土台の健全性を指し示し得る。物体及び/又は下にある土台の健全性は、密度若しくは骨密度、又はオッセオインテグレーションのレベル;任意の固有の若しくはその他の欠陥;又は亀裂、破折、微小破折、微小亀裂;セメントシールの喪失;セメント不良;接着不良;微小漏洩;病変;又は虫歯にも関係があり得る。一般的な物体、例えば、ハニカム若しくは重構造ハニカムを含むポリマー複合構造物、又は金属複合構造物;機体構造物、自動車、船、橋、ビル、発電設備を含むがそれに限定されない産業構造物、アーチ構造物、又はその他の同様の物理的構造物に対しては、こうした測定はまた、欠陥又は亀裂、並びに更に極細のひび又は微小亀裂等の任意の構造的完全性又は構造的安定性にも関係があり得る。
【0121】
また、衝撃力と関連する機械的エネルギーを消散するための能力を減少させ、それ故、例えば、歯の全体的な構造の安定性を減少させる、歯、又は機械的構造物が取り付けられ若しくは固定される任意の基礎の構造の変化は、理想的な無損傷のサンプルと比較したエネルギーリターンデータの評価により検出され得る。また、上述したように、本発明はまた、欠陥、亀裂、微小亀裂、破折、微小破折、漏洩、病変、セメントシールの喪失;微小漏洩;虫歯;セメント不良の構造的完全性;接着不良;一般的又は構造的安定性の検出場所の精度に一般的に寄与する。
【0122】
上述したように、デバイスは、外部の電力供給に繋がれ得、又はデバイス筐体の内部に含まれる電源により動力が与えられ得る。デバイス筐体の内部の電源により動力が与えられる場合、電力源は、充電可能であってもよく、なくてもよい。充電可能である場合、ベース充電ステーションが使用され得る。ベースステーションは、別個の独立したステーションであり得、又はそれは、本発明のシステムの一部であり得る。独立した充電ステーションに対しては、任意の既存のステーションが適用可能であり得る。充電機構は、有線又は無線であり得る。これらの充電ベースに対しては、大半の実例では、デバイスを充電するための電流のみが提供され得る。システムの一部であり得るベースステーションに対しては、デバイスを充電するためのより多くの電流が提供され得る。
【0123】
本発明は更に、本発明のシステムの一部であり得、コンピュータ、例えばPCにUSBケーブルを介して接続され得る、ベースステーションに関する。この接続は、PCとベースステーションとの間のデータ転送と、デバイスがドッキングされた場合に充電プロセス中にデバイスを充電するための電流との両方を提供し得る。この方法では、ベースステーションはまた、デバイス中の無線送受信機と通信するPC用の無線送受信機としての機能を果たすのに役立ち得る。
【0124】
デバイス毎にそれ自身の充電ベースステーションが伴うことが望ましくてもよい。このことは、複数のデバイス環境において、誤ったベースステーションと誤ったデバイスが通信する可能性を回避し得る。このことは、何れの検査の場、例えば、歯科医院においても重要であり得る。
【0125】
物体上で測定を実施する直前のシステムの準備中、デバイスは、例えば、歯科医院での患者検査のセッションを開始する前に、使用プロトコルの一部として、ベースステーションとデバイスをペアリングするために充電ベースにドッキングされる。使用プロトコルは、ソフトウェアにより制御され得る。
【0126】
上で説明した使い捨て機構又はアセンブリをデバイスが備え得る実施形態に対しては、使い捨て部分は、一般的に、デバイスを充電ベース中に配置する前にデバイスから取り外される。他の実施形態では、使い捨て部分は、デバイスとベースとの間のインタフェース中に物理的に収容され得る。
【0127】
本発明は更に、医療の場で再使用不可能で使い捨てのアセンブリ又は機構に関する。上述したように、使い捨て機構又はアセンブリは、異なる検査物体に移動する前に除染プロセスを実行する必要なしに、システムからの伝達を通じた測定を受ける物体の汚染、又は測定を受ける以前の物体からの相互汚染を除去又は最小限にすることを助長するためのものである。一旦使用されたこうした機構又はアセンブリが再使用されないことを確保するために、使い捨て機構又はアセンブリは、一回使用であるようにプログラムされ得る。一実施形態では、コンピュータチップが使用され得る。該チップは、使い捨て機構又はアセンブリ上に、例えば、使い捨てアセンブリの裏に設置されたPCB上に存在し得、如何なる不必要な物質もある患者から別の患者へ伝達され得ないように、一旦使用されると、再使用できない又は再使用されないことを確保するのに役立ち得る。使い捨て機構又はアセンブリがデバイスに結合される場合、アセンブリ又は機構内のチップは、真正を確保するために、デバイスによってチャレンジ及びレスポンスシステムを用いてインタロゲートされ得る。一旦認証されると、それは‘使用済み’と永久的にマーキングされる。それが同じデバイスであっても異なるデバイスであっても、使用されたアセンブリ又は機構がデバイス上に再度配置された場合、チャレンジ及びレスポンスは失敗し、デバイスは意図するように機能できないであろう。別の実施形態では、ある一定の結合期間後の使い捨てアセンブリ又は機構の再使用を防止するために、タイムアウト機能も使用され得る。更なる実施形態では、更なる安全のために、タイムアウト機能と共にチップが使用され得る。更なる実施形態では、使い捨て機構又はアセンブリの取り付け機構は、デバイスから一旦取り外されると、もはやデバイスに取り付け可能ではないようにするために、折られるか又は包まれる部品を含み得る。
【0128】
システムの使用の容易性を更に促進するために、物体のより良いライティングを可能にし、ユーザによる可視化を増進するために使用され得るライトパイプ又はその他のイルミネーションを用いる等して、測定を受ける物体のより良いライティングが提供され得る。幾つかの実施形態では、ライトパイプは、ハンドピースと使い捨て機構との間等、コンポーネント間の結合を助長するためにも利用され得る。
【0129】
使い捨て機構は、そう名付けられているが、一回使用であってもよく、必要であれば、再使用可能であってもよい。それ故、該機構は、熱又は化学を使用してオートクレーブ可能であり得、又は殺菌可能であり得る。使い捨ての又は再使用可能な何れかの実施形態では、様々な取り外し可能な接続が提供され得る。例えば、使い捨て機構は、例えば、任意のねじ留め、摩擦適合、嵌合バヨネット形式、さね・はぎタイプの形式、スナップフィット、クリップ、入れ子式の針・針穴形式、掛け金接続、及びその他の相互接続構造等の任意の適切な接続を通じて接続され得る。
【0130】
システムは、以前に述べたように、解剖学的及び機械的な両方の様々な物体を検査するために適用可能であり得る。天然又は修復された歯、補綴歯科的インプラント構造物、歯科的構造物、又は整形外科的インプラント等の解剖学的物体に対しては、測定又は検査は、歯又は歯構造が緩み、幾らかの僅かな移動が存在し得る場合でない限り、物体が定置されている間に一般的に実施される。ハニカム若しくは重構造ハニカムを含むポリマー複合構造物、又は金属複合構造物;機体構造物、自動車、船、橋、トンネル、列車、ビル、発電設備を含むがそれに限定されない産業構造物、アーチ構造物、又はその他の同様の物理的構造物を含み得るがそれらに限定されない機械的物体に対しては、検査はまた、定置上で又は移動中の可動物体上で実行され得る。それ故、機械的物体は、それらが定置されている又は移動している場合にも検査を受けられ得、それは、実際の作動条件の下で物体に特定の洞察を与え得る。列車等の移動物体に対しては、検査は、多くの異なる地点に渡って実施され得る。これは、一般的に物体の平均的な状態を得るために、物体上の複数の地点に渡って1つのエネルギー印加ツールを使用して実施され得、又は同じ地点上で平均的な結果を得るために、多くの別個のツール又はデバイスを使用して同じ地点上で実施され得る。多くのエネルギー印加ツールを使用して同じ地点上で測定を実施することに対しては、デバイス又はツール、例えば、物体に打撃を与える打診棒のアレイは、例えば、距離に渡って移動物体の経路に沿って連続的に位置付けられ得、ツール又はデバイス間の間隔を制御することによって、該地点に対する平均値を得るために、移動物体、例えば、列車の速度を物体の同じ地点上のエネルギーの印加の間隔に一致させることが可能であり得る。この例では、実際の動作条件の下で測定が実施され得る。一実施形態では、デバイスのアレイは、直線アレイ、垂直方向又は水平方向の何れかのアレイ、又は曲線アレイであり得る。別の態様では、アレイは、2次元アレイ、平坦、又は曲線で配列され得る。
【0131】
物体が大きい実施形態では、物体の異なる場所での測定、例えば、物体の複数の部分における衝撃は、物体をより良く表す構造的特性のより良い評価を可能にし得る。
【0132】
本発明は、水平又は垂直方向から可変の角度で動作すること、及び測定中に実質的に水平又は垂直方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することの付加的な能力を付加的に提供する。これは、測定を受ける物体の真の状態のより完全な画像を生成することを更に助長し得る。例えば、上述したように、大きな表面の欠陥が該表面の下、又は該表面上若しくは該表面近くのその他の地点の下のその他の欠陥を覆い隠すことがあるので、物体を検査する従来の方法は、これによってより容易に阻害され得る一方、任意の角度で動作する本発明の能力は、こうした困難性、例えば、ある角度で動作した場合に、より小さな欠陥を圧倒する大きな欠陥に起因する阻害の危険を緩和し得、他の角度で動作した場合に最小限にし得る。
【0133】
また、上述したように、汚染を最小限にするために、歯科的用途において、又は汚染又は相互汚染が存在する状況において、歯が患者の口腔の内部に依然として存在するのと同様に、使い捨て機構も任意の接触又は非接触エネルギー印加ツールに存在し得る。
【0134】
一般的に、エネルギー印加ツールは、異なる種類のエネルギーを印加するための任意の形式又は形状で任意の種類のものであり得る。例えば、歯科的環境で検査するために、ツールの形式又は形状は、航空機の部品に対するものよりも小さな寸法のものであり得る。印加されるエネルギーの種類も変更され得、例えば、それは、上述したように、機械的エネルギー、電磁エネルギー、超音波又は音響エネルギーであり得る。エネルギー源の何れかの種類では、より強いエネルギーは物体を潜在的に損傷し得、それ故、望ましくないので、良い結果を生み出すためにエネルギーの量を最小限にすることが望まれる。
【0135】
本発明は、幾つかの実施形態では、衝撃中に物理的接触があろうとなかろうと、測定される物体の表面により良く適合するように構成された、エネルギー印加ツールの接触部分又は先端の形状を変更することを更に含み得る。例えば、ツールの打診又は接触の面は、異なる形状を有し得、例えば、それは、平坦であり得、曲線であり得、又は測定される表面に類似に形成され得る。
【0136】
別の実施形態では、本発明は、変化に富んだ地形を有する物体のより大きな領域を測定するのに適した、エネルギー印加ツールの接触部分又は面に対する可変のサイズ及び形状を有する複数のエネルギー印加ツールのキットを含み得る。
【0137】
別の実施形態では、本発明は、エネルギー印加ツールと、物体の種類毎に検体により良く適合するように接触部分の可変のサイズ及び形状を有する、エネルギー印加ツールに対する複数の交換可能な衝撃部分とを有するキットを提供し得る。
【0138】
更なる実施形態では、本発明は、エネルギー印加ツールのアレイ又は配列を有するデバイスを含み得る。一態様では、ツールのアレイは、直線、垂直方向、又は水平方向に配列され得る。別の態様では、アレイはまた、湾曲し得る。更に別の態様では、アレイは、2次元アレイであり得、平坦であり得、又は湾曲し得る。
【0139】
デバイス及び/又は筐体の一部はまた、微生物の成長を排除、防止、妨害、又は最小化し、それ故、高温のオートクレーブプロセス又は有害な(harsh)化学物質の使用を最小限にすることを可能にする、その上にコーティングする抗菌性コーティングを有し得、こうしたツール又は計器の製作用の基板として有用な材料の種類及び数を増加させ得る。
【0140】
本発明は、中空内部、長手方向軸、及び開放前方を有する筐体と、物体にエネルギーを印加するための、筐体の内部に搭載されたエネルギー印加ツールであって、静止及び活性化位置を有し、測定を受ける物体に衝撃を与えるために筐体の開放前方を通じてエネルギーを印加する該エネルギー印加ツールと、筐体の内部で支持され、エネルギー印加ツールに結合された駆動機構であって、デバイスの長手方向軸が実質的に水平方向の位置にあっても、水平方向の位置と約+/-45度未満までの角度をなしていても、実質的に同じ量の力で物体に衝撃を与えるためにエネルギーを繰り返し印加するように適応され、検知又は測定システムを有する駆動機構とを有する駆動機構と、エネルギー印加ツールを制御するため、及びデバイスにより収集された任意のデータを分析するための、デバイスと結合されたコンピュータとを有する、オブジェクトの構的特徴を測定するためのシステムを更に含む。システムは、衝突応答対時間プロファイルへの衝突応答を期間の間測定し得る。一実施形態では、衝突応答は、エネルギー印加ツールの変位を含む。別の実施形態では、衝突応答は、エネルギーを印加した結果として物体から反射されたエネルギーを含む。
【0141】
プロファイルを生成するために使用されるシステムの実施形態は、上で説明した全ての実施形態を含み得る。生成されたプロファイルの分析は、正常の歯に対するプロファイルが損傷した歯に対するものとは異なり、損傷した歯の異なるプロファイルが異なる種類の欠陥、異なる場所の欠陥、欠陥部位の数、及びそれらの組み合わせをも表すことを明らかにする。
【0142】
本発明は、非侵襲的な方法及び/又は非破壊的な方法で物体の構造的特徴を測定するためのシステム及び方法に更に関する。検査結果は、関係し得る又は無関係であり得る異なる物体からのものであり得る。意外なことに、検査結果は、検査されている物体にのみに関係する物体の結果を予測するためだけではなく、分析及び編集される場合には、測定の累計結果は、1つの簡素な検査を用いて短時間で予測するために使用され得るモデルを生成し得、該種類の課題は、視覚的に又は放射線撮影からは識別可能ではない無関係の物体に存在する。該モデルは、物体を監視し及び/又は課題に縛られない段階へ復元するための適切な矯正措置を決定することを助長するために使用され得る。
【0143】
上述及びその他の利点を伴う本発明は、以下の発明の態様、実施形態、及び例の後続の詳細な説明から、図面の説明と共により良く理解され得る。後続の説明は、発明の様々な態様、実施形態、及び例と、それらの複数の具体的詳細を示すが、限定ではなく例証として与えられる。本発明の範囲内で多くの代用、修正、追加、又は組み換えがなされ得、発明は、そうした全ての代用、修正、追加、又は組み換えを含む。
【図面の簡単な説明】
【0144】
図1】本発明の実施形態におけるデバイスのブロック図を説明する。
図1a】本発明の実施形態のスリーブ部分付きのハンドピースの透視図を説明する。
図1b】本発明の実施形態のスリーブ部分付きのハンドピースの透視図を説明する。
図1c】スリーブ部分なしのハンドピースの端を説明する。
図1d】スリーブ部分付きのハンドピースの分解立体図を説明する。
図1e】スリーブ部分が示されない、駆動機構、力センサ、及び圧電検知ワイヤの部分を示すハンドピースの一部の分解立体図を説明する。
図1f】実質的に直角なスリーブ部分及び旋回するエネルギー印加ツール付きのデバイスのブロック図を説明する。
図1g】ライティング機構の代替的構成を説明する。
図1h】旋回するエネルギー印加ツールの動きを説明する。
図1i】旋回するエネルギー印加ツールの動きを説明する。
図1j】垂直方向に移るエネルギー印加ツールの動きを説明する。
図1k】垂直方向に移るエネルギー印加ツールの動きを説明する。
図1l】エネルギー印加ツールのアレイの例を説明する。
図1m】エネルギー印加ツールのアレイの例を説明する。
図1n】エネルギー印加ツールのアレイの例を説明する。
図2】タブ付きのスリーブ部分を説明する。
図2a】安全機構及び取り付け機構付きのスリーブ部分を説明する。
図2b】接触機構付きのスリーブ部分の長軸に沿った透視断面図を説明する。
図2c】タブなしのスリーブ部分を説明する。
図2d】可動的又は変形可能な部分付きのスリーブ部分の接触部分を説明する。
図2e】可動的又は変形可能な部分付きのスリーブ部分の接触部分を説明する。
図2f】タブ及び拡大接触面付きのスリーブ部分を説明する。
図2g】安全機構、ライティングインタフェース、及び取り付け機構付きのスリーブ部分を説明する。
図2h】接触機構及びライティングインタフェース付きのスリーブ部分の長軸に沿った透視断面図である。
図2i】適合形式を有するタブ付きのスリーブ部分の透視図を説明する。
図3】凸面部分を有する不規則表面付きの物体とのスリーブ部分の接触を説明する。
図3a】凹面部分を有する不規則表面付きの物体とのスリーブ部分の接触を説明する。
図4】物体から力センサへの接触力の伝達を説明する。
図4a】物体から力センサへの接触力の伝達を説明する。
図4b】物体から力センサへの接触力の伝達を説明する。
図5】ハンドピースのベースユニットを説明する。
図5a】ハンドピースのベースユニットを説明する。
図6】層状の力センサを説明する。
図7】物体に配置し、物体から測定するためにハンドピースを動作するフローチャートを示す。
図8】物体の測定において水平方向に方向付けられたタブを有するスリーブ部分を有する本発明のデバイスを説明する。
図8a】物体の測定において正の傾斜に方向付けられたタブを有するスリーブ部分を有する本発明のデバイスを説明する。
図8b】物体の測定において負の傾斜に方向付けられたタブを有するスリーブ部分を有する本発明のデバイスを説明する。
図8c】物体の測定における水平方向での方向付けのためのデバイス用のアダプタを説明する。
図8d】物体の測定における正の傾斜での方向付けのためのデバイス用のアダプタを説明する。
図8e】物体の測定における負の傾斜での方向付けのためのデバイス用のアダプタを説明する。
図8f】物体の測定時に水平方向に方向付けられたスリーブ部分にタブを有しない本発明のデバイスを説明する。
図8g】物体の測定時に正方向に方向付けられたスリーブ部分にタブを有しない本発明のデバイスを説明する。
図8h】物体の測定時に負方向に方向付けられたスリーブ部分にタブを有しない本発明のデバイスを説明する。
図9】移動物体を測定するためのエネルギー印加ツールのアレイの使用を説明する。
図10】正常の及び損傷した物体からのエネルギー応答を示す。
図10a】十分に接着された、及び弱く接着された複合材料からのエネルギー応答を示す。
図11】スリーブ部分及び強固に接続された力伝達コンポーネント付きのハンドピースの分解立体図を説明する。
図11a】スリーブ部分及び強固に接続された力伝達コンポーネント付きのハンドピースのブロック図を説明する。
図11b】強固に接続された力伝達コンポーネント付きのハンドピースの部分的透視図を説明する。
図11c】筐体の一部が除去された、強固に接続された力伝達コンポーネント付きのハンドピースの内部の部分的透視図を説明する。
図11d図11図11cのハンドピース中に共に強固に接続されるコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0145】
以下に記述する詳細な説明は、本発明の態様に従って提供される目下の例示的なシステム、デバイス、及び方法の説明を意図し、発明が準備又は利用され得る形式のみを表すことを意図しない。むしろ、本発明の精神及び範囲内に包含されることをも意図する異なる実施形態によって同一又は同等の機能及びコンポーネントが達成され得ることを理解すべきである。
【0146】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は、この発明が属する当業者に一般的に理解されるような同じ意味を有する。発明の実施又は検査において、本明細書に説明される方法、デバイス、及び材料と同様又は同等の何れかの方法、デバイス、及び材料が使用され得、例示的な方法、デバイス、及び材料がここで説明される。
【0147】
本明細書で言及される全ての出版物は、例えば、目下の説明される発明に関連して使用され得る出版物内で説明された設計又は方法論を説明及び開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。本文の上、下、又は全体を通じて一覧表示され又は論じられる出版物は、本出願の出願日の前にそれらの開示のために専ら提供される。先行する発明の長所によって、こうした開示に発明者は先行する資格がないとの自白と本明細書は何ら解釈されるべきではない。
【0148】
本発明は、測定の非侵襲的な方法で及び/又は非破壊的な方法を使用して、物体の構造的特徴を測定するためのシステム及び方法に関する。物体は、エネルギー印加プロセスを受け得、システムは、エネルギー印加プロセス後の物体の構造的特徴の客観的で定量的な測定を提供するように適応される。本発明のシステム及び方法は、動作の柔軟性を増加させる、例えば、到達しづらい物体に到達するように適応する、より再現可能な測定を生成する、また、物体に存在し得る任意の異常をより良く検出可能にする等のために、物体に水平方向から可変の角度を変更すること、及び測定中に実質的に水平方向の位置を模擬するためにエネルギー印加プロセスを調整することが可能である。システム及び方法は、例えば、制限された空間に存在する及び/又は場所に到達することが困難な物体に対することを含む、より再現可能な測定のためにこうした測定を受ける物体と接触して再現可能に配置されることが可能な少なくとも一部を有するデバイス、例えば、衝突計器を含み得る。上述したように、本発明のシステム及び方法は非破壊的な方法である。このことは、位置変更可能性を助長するための使い捨て部品及び/又は機構を有してもよく、有さなくてもよいシステムに適用可能である。上述したように、デバイスは、物体の構造的特徴を判定するためのデバイスの作用及び応答を活性化、入力、及び追跡するようにプログラムされ得るコンピュータ化されたハードウェア及び計装ソフトウェアを含むシステムの一部であり得る。該ハードウェアは、デバイスを制御するための、及び集積された任意のデータ、例えば、物体との衝撃時のエネルギー印加ツール、例えば、打診棒の減速を分析するためのコンピュータを含み得る。一般的に、デバイス及びハードウェアは、有線接続、無線接続、及び/又はそれらの組み合わせを介して通信し得る。活性化すると、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒は、物体に向かってある速度で伸長し、デバイスに装着された測定デバイス、例えば、圧電力センサによって、物体との衝撃時の打診棒の減速が測定され得、分析のためにシステムの残部に送信され得る。一態様では、打診棒は、物体を例えば、実質的に同じ速度で毎秒又は毎分所定回数繰り返し打撃するようにプログラムされ得、システムによる分析のために減速情報は記録又は編集される。幾つかの実施形態では、物体は毎秒4回打撃され得る。
【0149】
一般的に、物体は、物体から吹き込まれる任意のデータを収集及び分析可能なコンピュータ化されたシステムの一部を形成するデバイス、例えば、ハンドピースを介して提供されるエネルギー印加プロセスを受け入れ得る。上述したように、本発明のシステム及び方法を使用して、上述したような振動減衰能、音響減衰能、機械的及び解剖学的物体とそれらが固定され得る任意の土台との両方の構造的完全性又は構造的安定性を含む多くの異なる構造的特徴が判定され得る。天然又は修復された歯、補綴歯科的インプラント構造物、歯科的構造物、又は整形外科的インプラント等の解剖学的物体に対しては、本明細書で定義されるような構造的特徴の例は、振動減衰能、音響減衰能、又は構造的安定性を含み得、物体の健全性を指し示し得る。物体の健全性は、上述した骨密度又はオッセオインテグレーションのレベル;欠陥又は亀裂等の構造的完全性にも関係があり得る。一般な物体に対しては、こうした測定は、上でも述べた欠陥又は亀裂等のそれらの構造的完全性にも関係があり得る。飛行機、自動車、船、橋、ビル、若しくはその他の同様の物理的構造物等の物理的構造物、又はそうした構造物の構築を助長するのに適切な制振材料に対しては、本明細書で定義されるような構造的特徴の例は、振動減衰能、音響減衰能、又は構造的安定性を含み得、物体の構造的完全性の健全性を指し示し得る。
【0150】
本発明は、上及び/又は下で述べる物体の構造的特徴の効果的で繰り返し可能な測定を提供する。
【0151】
本発明の計器は、こうした目的に使用され得、例えば、解剖学的物体に加えて構築前の材料の互換性を予測すること、並びに、上述したように、構築後にセメントシールの喪失;セメント不良;接着不良;微小漏洩;虫歯等を検出することに有用であり得る。また、本発明は、構造物又は物体を構成する材料に固有の欠陥と、外傷又は摩滅又は繰り返しの荷重に起因する上で論じたような亀裂又は破折とを区別するのに有用である。骨又はインプラントの材料構築物又は物理的構造物に固有の欠陥は、例えば、骨の病変、インプラント構築物若しくはポリマー、ポリマー複合物若しくは合金、任意の種類のセラミック、又は金属複合物若しくは合金の同様の欠陥を含み得る。例えば、天然であるか修復された歯、歯科的インプラント構造物、整形外科的インプラント構造物、並びに機体構造物、複合構造物、工業材料の検査、又は医療インプラントの保全を含むがそれらに限定されない減衰特性の測定に有用である様々なその他の印加の測定は、アクセスが困難である又は液体カプラントが使用できない場所では特に有益である。ねじの緩み、歯並びに骨及び骨間隙の亀裂、剥離した修復、及び集積回路材料の損傷等の構造的完全性も測定され得る。しかしながら、上述の一覧は、網羅的であることを意図しない。
【0152】
発明の一態様では、システムは、物理的衝撃、衝突、又は繰り返しの打診の衝撃等を通じて印加された力を物体上に生成するためのエネルギー印加ツールを収容する計器と、例えば、衝撃時のエネルギー印加ツールの減速、衝撃から逆伝搬したエネルギー、エネルギー印加ツールの物理的変形、及び/若しくは任意のその他の適切な特徴、又はそれらの組み合わせ等、もたらされた印加された力の特徴を検出するための検知機構とを含み得る。
【0153】
例示的実施形態では、図1及び図11aのブロック図及び図1d及び図11の分解立体図に説明するように、計器は、エネルギー印加ツール及び検知機構を収容する筐体102を有するハンドピース100を含み得る。一般的に、ハンドピースは、携帯デバイスと称され得るが、搭載デバイス又はツール/機械的/ロボット制御の多関節デバイス等、所望の用途のためのその他の任意の適切な形式をも非限定的に含み得る。ハンドピース100は、本明細書では、例えば、デバイス又は計器とも、交換可能に称され得る。幾つかの実施形態では、説明されるようなエネルギー印加ツール110は、物体に向かう方向Aにおける軸移動のために筐体102内に搭載され得、こうした軸移動は、駆動機構140を介して達せられ得る。駆動機構140は、一般的に、磁気相互作用を通じてその位置、速度、及び/又は加速度を制御するためにエネルギー印加ツール110の少なくとも一部と相互作用する磁場を生み出すこと等によってエネルギー印加ツール110の軸方向の位置に影響を与え得る、電磁機構等の線形モータ又はアクチュエータであり得る。図1eの分解立体図に説明するように、例えば、エネルギー印加110の付近に少なくとも部分的に配備された電磁コイルは、ラッピング140bにより留められ得る電磁コイル140を用いて説明するように、測定される物体に向かってエネルギー印加ツール110を前進させるために通電させられ得る。電磁コイルはまた、例えば、後続の衝撃を準備するために、エネルギー印加ツール110を後退させるように交互に通電され得る。電磁コイルを介して推進した後、エネルギー印加ツール110の位置変更を助長する等のために、反発磁気素子等のその他の素子も含まれ得る。検知機構111等の検知機構は、以下でより詳細に論じるように、例えば、力センサ143等の別個のセンサにより一般的に検出され得る、物体に向かうハンドピース100の接触力等の外力とは一般的には別個の、エネルギー印加ツール110の力又はエネルギーを測定するためにその後使用され得る。駆動機構140及び/又は計器のその他の部分は、一般的に、電池、コンデンサ、太陽電池、トランスデューサ、外部電力源への接続、及び/又は任意の適切な組み合わせであり得る、電力源146を用いて示すような、電力源によって動力が与えられ得る。ハンドピース100に動力を与えるため、又は電力源146等の内部電力源を充電するために、図1の電力インタフェース147等の電力源への外部接続が提供され得、それは、例えば、ダイレクトコンダクティブ充電のための図1c及び図1dのような電力接点113aを含み得、又は、電力インタフェース147は、インダクティブ充電等のワイヤレス充電を利用し得る。
【0154】
幾つかのその他の実施形態では、図1fのハンドピース100のブロック図に説明するように、エネルギー印加ツール110は、筐体102の長手方向軸に直角又は実質的に直角であり得る方向Aに実質的に移動するために利用され得る。説明されるように、エネルギー印加ツール110は、例えば、駆動機構140との相互作用に適合し、且つ筐体102の軸に実質的に直角な方向Aに突出するために、実質的にL型であり得る。一例に説明するように、駆動機構140は、ピボット110aを揺さ振り、先端を方向Aに移動させるようにエネルギー印加ツール110に作用し得る。駆動機構140は、例えば、上下等2方向に交互に移動させるようにエネルギー印加ツール110に作用し得る交番磁気素子を利用し得る。別の例では、ベンド110bを用いて示されるように、L型のエネルギー印加ツール110のベンド部分は、ベンド110bの周囲の前進運動を伝えることによって、駆動機構140により印加された直線の力がエネルギー印加ツール110を先端において方向Aに押し込み得るように、屈曲及び/又は変形可能な構築物を含み得る。例えば、ベンド110bは、ベンド周囲の運動及び/又は力をも伝え得る編組の、分割型の、ばね状の、及び/又はさもなければ屈曲可能な断片を含み得る。一般的に、L型のエネルギー印加ツール110の形状は、後方部分110dから約+/-45度の間等、90度以外のその他の角度を一般的に含み得る。幾つかの実施形態では、エネルギー印加ツール110はまた、例えば、相互汚染を防止することを助長する等のために使用又は患者の間で部分110cが取り外されて処分され得るように、部分110c及び110d等の分離可能であり得る複数の部分を含み得る。一般的に、分離可能な部分は、以下で説明するように、それらが単一のエネルギー印加ツール110としての機能を果たすように、測定での使用のためにそれらを結合するためのインタフェースを含み得る。
【0155】
幾つかの実施形態では、L型のエネルギー印加ツール110は、図1h及び図1iに示すように、例えば、駆動機構140から印加された外力を用いる等して、ピボット110aで揺り動き得る。例えば、駆動機構140は、図1hに示すように、対象物体から離れる方向A´への揺り動きを生じさせるために、印加される部分140dから後方部分110dへの印加される力Dを用いる、又は図1iに示すように、エネルギー印加ツール110が方向Aに駆動されるように対象物に向かう方向A´´への揺り動きを生じさせるために、印加される部分140cから後方部分110dへの印加される力Eを用いる等して、ピボット110a付近で揺り動かすためにエネルギー印加ツール110に交互の力を印加し得る。力D及びEは、例えば、駆動機構140からの力の印加に応答し得る磁気又は金属素子を含み得るエネルギー印加ツール110上に磁力をすることによる等して、適切な方法によって印加され得る。一般的に、揺り動き運動A´及びA´´の形状及び円弧は、図1iにおいてベンド110bの周囲のベンド110cの実質的に垂直方向の方位への揺り動かしA´´を用いて示すように、対象物体の表面に対して実質的に直角な方向でエネルギー印加ツール110が対象物体に衝撃を与えるように設計され得る。後続の測定のためにデバイス100を静止するために、部分140dは、エネルギー印加ツール110を復旧又は静止状態に戻すように揺り動きA´を生じさせるために、図1hに示すように戻し力Dを印加し得る。一般的に、デバイス100の内部は、エネルギー印加ツール110と干渉することなく揺り動き運動A´及びA´´を可能にするように適応され得る。
【0156】
幾つかの実施形態では、L型のエネルギー印加ツール110は、図1k及び図1lに示すように、駆動機構140から印加された外力を用いて移され得る。例えば、駆動機構140は、図1lに示すように、対象物体からエネルギー印加ツール110を引き離すために、印加される部分140cから後方部分110dへの印加される力Eを用いる、又は図1kに示すように、エネルギー印加ツール110が方向Aに駆動されるように対象物体に向かって移させるために、印加される部分140dから後方部分110dへの印加される力Dを用いる等して、復旧又は静止状態との間で移させるために、エネルギー印加ツール110に交互の力を印加し得る。力D及びEは、例えば、駆動機構140からの力の印加に応答し得る磁気又は金属素子を含み得るエネルギー印加ツール110上に磁力を印加することによる等して、適切な方法によって印加され得る。一般的に、エネルギー印加ツール110は、ガイドピン、レール、溝、又は任意の適切な機構を用いる等して、所望の方向にのみ実質的に動くようにガイド又は制約され得る。後続の測定のためにデバイス100を静止するために、部分140cは、エネルギー印加ツール110を復旧又は静止状態に戻すように、図1lに示すように戻し力Eを印加し得る。
【0157】
幾つかの例示的実施形態では、エネルギー印加ツール110は、直線の棒型のエネルギー印加ツール110と共に、図1図1d、図1e、及び図1lに説明するように、打診棒又は衝撃棒を一般的に含み得る。一般的に、エネルギー印加ツール110の一部は、衝撃等を介した所望の量のエネルギーの物体への放出のため、及び/又は測定用のリターンエネルギーを運ぶために設計され得る。エネルギー印加ツール110は、磁場及び磁力により操縦され得る金属製の、磁性の(例えば、強磁性の)、導電性の、及び/又はその他の所望の部分又はコンポーネント等、それらを含むこと等によって、駆動機構140と相互作用するように更に設計され得る。エネルギー印加ツール110は、例えば、駆動機構140によるより容易な推進のため、及び/又は物体上の衝撃の力を制御するため等、その全体の質量又は密度を減少させるようにも設計され得る。
【0158】
打診棒又は衝撃棒等のエネルギー印加ツール110の移動を助長するために、図1d及図1e、及び図11の摺動保持器112bを用いて示すように、エネルギー印加ツール110が軸方向に自由に摺動し得るが、軸方向から離れることを制約される支持部又はベアリングが利用される。
【0159】
一般的に、測定を受ける物体上にエネルギー印加ツール110により作られる衝撃力は、エネルギー印加ツール110の質量、最初の位置からの物体との接触で走行した距離、及び水平方向に対するデバイス又はエネルギー印加ツール110の傾斜の角度に依存して変化し得る。
【0160】
幾つかの例では、エネルギー印加ツール110の所定の質量、及び同等のその他の要因に対しては、衝撃において該力に重力が貢献し得るので、衝撃力は、(夫々、スリーブ部分上120のタブ124付きの及びタブ124なしの)図8及び図8fのデバイス100を用いて説明するような水平方向における衝撃力よりも、(夫々、スリーブ部分上120のタブ124付きの及びタブ124なしの)図8b及び図8hのデバイス100を用いて説明するような、水平方向から負の傾斜においてより強くなり得る。重力からの力の貢献の増加は、一般的に、下向きに位置付けられているエネルギー印加ツール110と共にデバイス100が垂直方向の方位に到達するまで、負の傾斜の角度と共に増加し得る。他の例では、プラスの角度での重力は、衝撃力に対して貢献するよりもむしろ対抗して作用するので、衝撃力は、(夫々、スリーブ部分上120のタブ124付きの及びタブ124なしの)図8a及び図8gに示すようなデバイス100の正の傾斜と共に、より弱くなり得る。
【0161】
エネルギー印加ツール110を用いた物体へのエネルギーの印加には、1~15ニュートンの間の同等の力が使用され得る。衝撃力の下端は最適でないことがあるので、デバイス100は、一般的に、例えば、物体上の最適量の力の行使のためにシステムを較正することによって、より良い結果のために実質的に水平方向の位置で、測定を受ける物体と接触して配置され得る。このことは、デバイス100を位置付ける能力を少々制限し得る。例えば、測定を受ける幾つかの物体は、人間の歯の位置等の場所、及びデバイス100が必要とし得る角度に到達することが困難であり得る。それ故、幾つかの実例では、例えば、物体上にデバイス100を位置付ける幾らかの柔軟性を内蔵するためにデバイス100上で使用され得る、例えば、10~50ニュートンのより大きな同等の力が使用され得る。更に、このより強い衝撃力の範囲では、下端は、すなわち、図8a及び図8gに示すように水平方向に対してプラスの角度での傾斜でデバイス100を配置した場合には、最適な測定を生成するために必要な衝撃力よりも弱くなることがある一方、上端では、図8b及び図8hで説明した位置における等、幾つかの実例では、所望のものよりも遥かに力が強くなることがある。しかしながら、水平方向に対してある角度でデバイス100を位置付ける必要がある場合に備えた、より強い力の内蔵能力は、幾つかの状況、例えば、歯科の場で使用される場合には望ましくないことがある。例えば、約20~45ニュートンの間の同等の衝撃力は、例えば、歯科の場において、位置付けに対する幾らかの柔軟性を有するより良い結果を得るために、図8図8a、図8b、図8f、図8g、及び図8hで説明されるような人間の歯又はその他の物体等で使用される必要があり得、こうした力は、患者にとって少々不快であり得る。
【0162】
本発明の例示的実施形態では、システムは、デバイス100が水平方向で動作しているかのように、水平方向から様々な角度において物体上に実質的に同じ衝撃力をもたらすために利用され得る。それ故、デバイス100が約+/-45度、更に例えば、約+/-30度の間で動作していようとも、デバイス100は、凡そ同じ量の同等の衝撃力、例えば、約20~30ニュートンを生成し得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、デバイス100は、例えば、平均的なデータのセットを創出する等のために測定に対する高い再現可能性及び/一貫した角度を可能にする等のために、エネルギー印加ツール110と物体90との間で特定の角度を設定するための異なるアダプタ又は機構のセットを用い得る。図8c、図8d、及び図8eは、図8cにおける物体90に対して凡そ直角、図8dにおけるように物体90に対して正の角度(例えば、45度以下)、図8eにおけるように物体90に対して負の角度(例えば、-45度以上)等、エネルギー印加ツール110からのエネルギー放出の角度を変更するために、角度が付けられた機構を有するスリーブ部分120の異なる実施形態を説明する。スリーブ部分120等のアダプタ又は機構のセットは、例えば、より完全なデータセット、又は測定場所におけるより大きな変化を伴うデータセットを創出するために異なる角度で測定を実施するために、物体90を測定する場合に部品交換され得る。
【0164】
エネルギー印加ツール110に関連する等して、デバイス100の上又は内に傾斜計が存在し得、それは、デバイス100が物体に向かって保持され、動作の角度範囲外にある場合に可聴警告を発動し得、例えば、打診棒に対しては、それは、水平方向から+/-約45度以上、更に例えば、+/-約30度以上である場合に該警告を発動し得、該ポイントにおいて、該角度は、物体の測定の結果に実質的に影響を与え得る。
【0165】
一実施形態では、動作の軸が水平方向の位置から約45度よりも多い、更に例えば、約30度よりも大きいようにデバイス100は方向付けられ、物体上のスリーブ部分の物体接触部分上に接触力が検知された場合にデバイス100が活性化された場合、それは、図1d及び図1iに示すようなデバイス100内のプリント回路基板(PCB)108等のデバイス上に設置されたスピーカによって発せられる警告音をもたらし得る。別の実施形態では、警告サインは、点滅光又はある一定の色の光であり得る光信号によって与えられ得、それは、光源H4a等の光源から、又は図4に示すようなライトパイプ114を通じて搬送される光を有するスリーブ部分120を通じて発せられ得る。こうした状況では、デバイス100が衝突計器である場合、デバイス100が許容角度に戻されるまで衝突作用は開始されないであろう。幾つかの実例では、該範囲からの上述の逸脱が検出された場合に衝突作用が開始されている場合、デバイス100は、実際には動作を停止しなくてもよいが、訂正がなされ得るように、単にアラームを鳴らしていてもよい。
【0166】
幾つかの実施形態では、傾斜計は、全3軸、X、Y、及びZ軸上の重力を測定する3軸デバイス、2軸デバイス、又は1軸デバイス等の加速度計を含み得る。発明の一実施形態では、ハンドピース等のデバイス100は、傾斜計から提供された入力からY軸(すなわち、垂直方向)の重力(G力)の値を測定するためのソフトウェアを含み得る。例えば、Y軸に対するG力が約+/-の言わば15度の閾値よりも大きい場合、ハンドピースは、ビープ音等の可聴雑音、点滅光等の光信号、又はある一定の色の光を作り得る。Y軸に対するG力が30度の閾値よりも大きい場合、ハンドピースは、より速いビープ音を発し得、又は点滅光等の光信号の場合には、それは、より速い点滅光であり得る。加速度計は、言わば100msの周期でサンプリングされ得る。閾値、それ故ビープ音又は点滅等を発動するために連続的な5つの有効測定値が必要であり得る(500ms)。15度及び30度の両閾値に対する閾値は、経験的に決定され得る。
【0167】
例えば、本発明の機構がないデバイス100に対しては、測定中、衝撃力が水平方向から+15度で約26ニュートンである場合、衝撃力は、水平方向の位置で約32ニュートンであり、水平方向から-15度では、衝撃力は、約35ニュートンであろう。本発明を用いると、上述した全ての角度における全ての衝撃力は、約25ニュートンであり得、又は、もたらすようにプログラムされる最適な衝撃力が何であろうともよい。このことは、例えば、衝撃の角度に適合させるために、駆動機構140からエネルギー印加ツール110へのエネルギーの印加を変更することによって達成され得る。図4で説明するような電磁コイル等の駆動機構140からのエネルギーの印加の変更例は、コイルに印加される電力(例えば、電圧、電流、又は両方)、コイルの駆動時間(コイルが通電又は活性化される時間の長さ)、コイルの遅延時間(駆動アクティビティ間の時間)、コイルの通電回数(すなわち、印加される駆動パルスの回数)、コイルの極性、及び/又はそれらの組み合わせを変更することを含み得る。電力、駆動時間、極性、及び遅延時間のこの変更は、所望の結果のために電力、駆動時間、駆動の数、極性、及びコイルの通電の遅延時間に対するファームウェアの設定を変更することを通じて管理され得る。一般的に、コイルに供給される電力を変更することは、それが生成する磁場の強さを変え得、より強い場は、エネルギー印加ツール110により多くのエネルギーを一般的に与え、より弱い場は、より少なく与える。コイルの駆動時間の変更は、エネルギー印加ツール110に一般的に影響を与え得、より長い継続時間は、より多くの総エネルギーを与え、より短い継続時間は、より少なく与える。コイルの遅延時間の変更は、エネルギー印加ツール110の加速度の速さを一般的に変え得る。コイルの通電(駆動)の数の変更は、より強い駆動で印加されるエネルギーの総量を増加させること、及びより弱い駆動で印加されるエネルギーの総量を減少させることによって影響を与え得る。極性の変更は、反対方向へのエネルギー印加ツール110の運動に一般的に適用し、それ故、反対の極性の駆動は、エネルギー印加ツール110を減速し得る。如何なる特定の理論に縛られることなく、所望の結果を達成するために多数の変形が用いられ得、ファームウェアは特定の解決策を選択するように、又は場合によっては最適な解決策を選択するように設計され得る。
【0168】
幾つかの実施形態では、ファームウェアは、例えば、電力等のその他の設定を一定に保ちながら、駆動機構のある一定の設定、例えば、駆動時間、駆動の数、極性、及び遅延時間のみを変更するように適応され得る。一般的に、所与のレベルで出力電力のみを生成し得、調節可能にするためにより広域のコンポーネント又は回路を必要とし得る、電池等の特定の電力源に起因して比較的調節不可能であり得る電力の設定等、幾つかの設定は調節がより困難であり得るので、このことは望ましいことがあり得る。
【0169】
他の実施形態では、エネルギー印加ツール110は、例えば、電磁エネルギーの印加、音若しくは音響エネルギーの印加、及び/又は測定可能なリターン信号を生成し得るエネルギー印加の任意のその他の適切な形式等、エネルギー印加のその他の形式を含み得る。例えば、音トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ、スピーカ、又はその他の音響素子)を通じる等して、音響又は音エネルギーが印加され得る。幾つかの実施形態では、エネルギー印加ツール110はまた、超音波トランスデューサを用いる等して、エネルギーの印加とリターン信号の検知との両方としての役割を果たし得る。
【0170】
幾つかの実施形態では、ハンドピース又はデバイス100は、アレイ中等に複数のエネルギー印加ツール110を用い得る。図1l、図1m、及び図1nは、図1lにおける直線アレイ、図1mにおける曲線又は弧状アレイ、及び図1nにおける適合面アレイ等に、エネルギー印加ツール110のアレイ170の例を説明する。エネルギー印加ツール110のアレイは、測定のためのより大きな領域又は容量をインタロゲートするために利用され得、又は複数の場所若しくは角度からの領域をインタロゲートするために使用され得る。幾つかの実施形態では、アレイは、フェーズドアレイ測定を実施するための一時的に制御された方法においても利用され得る。例えば、エネルギー印加ツール110のアレイは、エネルギー印加ツール110を移動することなく特定の場所にエネルギーを向けるために、超音波を用いた強め合う干渉パターンを通じる等して位相効果を創出するように異なる時間に発動され得る。物体が大きい実施形態では、物体の異なる場所での測定、例えば、物体の複数の部分での衝撃は、物体をより良く表す構造的特性のより良い評価を可能にし得る。
【0171】
例示的実施形態では、ハンドピース100は、物体とのエネルギー印加ツール110の衝撃からの影響の特徴を検出するための検知機構111を更に収容し得る。一般的に、検知機構111は、衝撃の特徴を検出し得るように、エネルギー印加ツール110と物理的に結合され得、機能的に結合され得、さもなければ接触し得る。幾つかの実施形態では、検知機構111は、圧電検知素子を含み得、それは、圧電検知素子上の圧力の変化等の、物体の分析に利用され得る機械的エネルギーに応答した電気信号又は変化を一般的に生み出し得る。図1eにおいて挿入されている検知機構111を用いて示すように、圧電ワイヤは、例えば、エネルギー印加ツール100中に積載され得る。検知機構111は、例えば、金属であり得、さもなければ変圧器の誘導性に影響を与え得るエネルギー印加ツール110の位置に起因する変圧器の電圧の変化に起因してエネルギー印加ツール110の位置を検知し得る線形可変差動変圧器、加速度計、抵抗型圧力センサ、ひずみゲージ、及び/若しくは任意のその他の適切な種類のセンサ、又はセンサの組み合わせ等その他の形式の検知素子を含み得る。一般的に、検知機構111又はその一部の位置は、所望の特徴の最適な検知のために決定され得る。例えば、圧電検知素子は、エネルギー印加ツール110のより多くの量の物理的変形が検知され得るように、物体に衝撃を与える先端近く等、衝撃のポイントに実践可能な限り近くに一般的に配置され得る。検知機構111は、動作中の物体との衝撃時のエネルギー印加ツール110の減速、又は衝撃により生じた任意の振動を測定するように適応され得る。検知機構111は、物体の特性の変化を検出し得、その内部の特徴を客観的に定量化し得る。検知機構111により送信されたデータは、更に以下で論じるように、システムプログラムによって処理され得る。検知機構111は、図1図1f、図h~図1kに示されるように、物体に接触する端に近接する等、エネルギー印加ツール110の任意の適切な部分中又は該部分に近接して配備され得る。検知機構111は、図1f、図1h~図1k等のように、L型のエネルギー印加ツール110においてベンド部分110cが後方部分110dに変移するエネルギー印加ツール110のベンド110bの近く又は直後等、更に後ろに設置されてもよい。検知機構111はまた、一般的に、エネルギー印加ツール110上の力を検出するよりもむしろ、物体に向かうハンドピース100の接触力を検知するために利用され得る、図1図1d、図1e、図1f、図1h、図1i、図1j、図1k、図4a、図4b、図1l、図11a、図11b、及び図11cの力センサとは別個のセンサであり得る。力センサ143は、例えば、圧電センサ、力検知抵抗器(例えば、シャントモードFSR)、(例えば、印加された力に応答して曲がるカンチレバー上に搭載された)1つ又は複数のひずみゲージ、リニアポジションセンサ(例えば、線形位置の変化が印加された力に対応する、ばね又はその他の素子に向かって圧縮するコンポーネントの位置の変化を検知可能な光学位置センサ、磁場、又はその他)、及び/又は任意のその他の適切な種類の力センサ等の、ユーザによる物体に向かったハンドピース100の接触からもたらされる力を測定するための任意の適切なセンサを含み得る。
【0172】
幾つかの実施形態では、駆動機構140若しくは駆動機構の一部、例えば、エネルギー印加ツール110、検知機構111、又は電子機器アセンブリ144との間の通信は、打診棒の周囲に同心円状に渦巻き状に巻き付き得、ばね弾性特性を有する導電性の絶縁ワイヤのリード又は線を介し得る。このことは、線の管理に関して最小の必要スペースをも可能にし得る。例えば、エネルギー印加ツール110の周囲に同心円状に巻き付いたワイヤの撚線は、検知機構111との間で信号を搬送するのに利用され得る。ワイヤを同心円状に巻き付ける1つの目的は、繰り返されるエネルギー印加ツール110の前後の移動からのワイヤ上の応力を最小限にすることである。幾つかの実施形態では、渦巻き状に巻き付いたワイヤにより形成され得るヘリカルスプリングは、ワイヤ接続のループ化又はねじれを回避又は防止するのに役立ち得る。
【0173】
別の実施形態では、駆動機構140とエネルギー印加ツール110との間の通信は、任意の適切な無線接続を介して無線で送信され得る。一例では、打診棒等のエネルギー印加ツール110は、電磁コイルを通電し、エネルギー印加ツール110、例えば、打診棒の端の磁石を反発する磁場を創出することによって前進させられ得る。該棒は、電磁コイルに印加される電圧の極性を反転することによって収納される。磁石はまた、電磁コイルが通電していない場合に、コイルの鋼心へのその磁力を通じて、棒をその収納位置に保持するのに役立ち得る。
【0174】
存在する場合には、ヘリカルスプリングは、撚り合わされた2本の個別のワイヤを有する撚線から構成され得、又は同軸線から構成され得る。その積載された状態において、そのプレストレスの力が摩擦力に対応し、収納位置から伸長位置へ、又は筐体の長手方向軸に実質的に平行な位置からピボットで該軸と鋭角をなす位置へのエネルギー印加ツール、例えば、打診棒の前進運動中にこの摩擦力に対抗する程度に、ばねは圧縮され得る。ばねのプレストレスされる経路は、それ故、ばねの力が打診棒のストローク全体に渡って実質的に一定を維持するように、エネルギー印加ツール、例えば、打診棒のストロークよりも遥かに大きくてもよい。前進運動中に打診棒に対する搭載機構のベアリングの不要な摩擦力も、このばねによって実質的に補償され得る。
【0175】
ハンドピース100は、駆動機構140を一般的に制御し得、また、検知機構111からのデータを格納、処理、及び/又は送信し得る電子機器アセンブリ144等の機構を含み得る。電子機器アセンブリ144は、例えば、分析又は観察のためのコンピュータ又はその他のデバイスにデータを中継するための有線又は無線伝送機構を含み得る。幾つかの実施形態では、電子機器アセンブリ144は、データを送信するために、図1cの電子機器接点113等を介して、外部デバイスとインタフェースで連結し得る。
【0176】
図1d及び図1eに説明するように、検知機構111は、例えば、エネルギー印加ツール110の移動に適合するようにフレキシブルであり得る導管111a内で運ばれる有線接続等を通じて、有線の方法で電子機器アセンブリに接続し得る。導管111aは、エネルギー印加ツール110等のハンドピース100内のコンポーネントの移動からの有線接続の保護をも提供し得る。
【0177】
上述したように、ハンドピース100は、外部の電力供給に繋がれ得、又は電力源146等の筐体102の内部に含まれる電源によって動力を与えられ得る。筐体102の内部の電源により動力が与えられる場合、電力源146は、充電可能であってもよく、なくてもよい。充電可能である場合、ベース充電ステーションが使用され得る。
【0178】
図5及び図5aは、ハンドピース100を受け取るためのハンドピースレセプタクル202を含むベースステーション200を説明する。ベースステーション200は、別個の独立したステーションであり得、又はそれは、本発明のシステムの一部であり得る。独立した充電ステーションに対しては、任意の既存のステーションが適用可能であり得る。充電機構は、有線又は無線であり得る。これらの充電ベースに対しては、デバイスを充電するための電流のみが提供され得る。システムの一部であり得るベースステーションに対しては、デバイスを充電するためよりも多く電流が提供され得る。
【0179】
本発明は更に、本発明のシステムの一部であり得、コンピュータ、例えばPCにUSBケーブルを介して接続され得るベースステーションに関する。この接続は、PCとベースステーションとの間のデータ転送と、デバイスがドッキングされた場合に充電プロセス中にデバイスを充電するための電流との両方を提供し得る。この方法では、ベースステーションはまた、デバイス内の無線送受信機と通信するPC用の無線送受信機としての機能を果たすのに役立ち得る。
【0180】
図5は、電子機器接点113等のハンドピース100上の対応する接点を通じて接触し、データを転送するベース電子機器接点206付きのベースステーション200の一例を説明する。ベースステーション200は更に、ベース電力接点208等を通じてハンドピースへの充電を供給し得、それは、電力接点113a等のハンドピース100上の対応する機構との接触によって充電し得る。
【0181】
装置毎にその自身の充電ベースステーションが付随することが望ましくてもよい。このことは、複数のデバイス環境において、誤ったベースステーションと誤ったデバイスが通信する可能性を回避し得る。このことは、何れの検査の場、例えば、歯科医院においても重要であり得る。例えば、各ハンドピース100は、付随するベースステーション200を有し得る。
【0182】
物体上で測定を実施する直前のシステムの準備中、ハンドピース100は、例えば、歯科医院での患者検査のセッションを開始する前に、使用プロトコルの一部としてベースステーション200とデバイスをペアリングするためにベースステーション200にドッキングされ得る。使用プロトコルは、ソフトウェアにより制御され得る。ペアリングはまた、図1d、図5図5aに示すような制御部204及び/又はプログラミングボタン144a等を介して、ベースステーション200及びハンドピース100をペアリングモードに配置することによって達せられ得る。
【0183】
スリーブ120等の、上で説明した使い捨て機構又はアセンブリをデバイスが備え得る実施形態に対しては、使い捨て部分は、一般的に、デバイスをベースステーション200内に配置する前にデバイスから取り外される。他の実施形態では、使い捨て部分は、デバイスとベースステーション200との間のインタフェース内に物理的に収容され得る。
【0184】
幾つかの例示的実施形態では、ハンドピース100は、筐体102と共に図1a、図1b、及び図1cに説明するような開放端を有する中空内部を有する筐体と、開口部102cを有するアプリケータ端102aと、末端102bとを含み得る。一般的に、エネルギー印加ツール110又はその少なくとも一部は、開口部102cと共に図1cに示すように、筐体102の開口から出現し得る。筐体102は、説明されるような把持機構103等の操作機構をも含み得る。筐体102は、電池アクセスカバー104等、内部の部分にアクセスする等のためのその他の機構をも含み得る。
【0185】
筐体102は、上部及び下部筐体クラムシェル102d、102e、前端キャップ105、及びベース端キャップ106を用いて図1d及び図11に示すように、複数の部分又は部品を含み得る。一般的に、ハンドピース100のコンポーネントは、同心円状に配列されたその他のコンポーネントと共に形成物の凡そ中心に形成するエネルギー印加ツール110と実質的に軸方向に配列されるように、筐体102内に配列され得る。
【0186】
前端キャップ105は、エネルギー印加ツール110及び/又はその関連コンポーネントを出現可能にするために、開口部102c等の、出現するデバイスの部分のための開口部を含み得る。
【0187】
発明の別の態様では、システムは、測定される物体に対してエネルギー印加ツール110の安定した、一貫した、及び/又は再現性のある位置を助長するための機構を含み得、それは、相互汚染又はその他の浄化問題を減少させる方法で行われ得る。
【0188】
幾つかの例示的実施形態では、上及び/又は下で論じるようなスリーブ部分は、物体に接触する及び/又は衝撃を与えるエネルギー印加ツール110の一部の近くに存在又は位置付けられ得、ハンドピース100及び上で論じた関連コンポーネントと併せて利用され得ることを含み得る。図1図1a、図1b、図1d、及び図11は、筐体102のアプリケータ端102aの近くに配備されたスリーブ120を説明する。幾つかの実施形態では、スリーブ120等のスリーブ部分は、複数の使用等のために、ハンドピース100に一体化され得、又は永久的又は半永久的な方法でハンドピース100に搭載され得る。スリーブ部分は、患者に接触するシステムの一部を浄化/殺菌する必要等、相互汚染又はその他の浄化問題を減少させるのを助長するために、異なる患者及び/又は処置の間等で交換され得る取り外し可能な及び/又は使い捨ての断片でもあり得る。
【0189】
図2図2a、図2b、及び図2cは、ハンドピース100の残部から分離可能な断片であるスリーブ120の実施形態を説明する。スリーブ120は、一般的に、例えば、任意のねじ留め、摩擦適合、嵌合バヨネット形式、さね・はぎタイプの形式、スナップフィット、クリップ、入れ子式の針・針穴形式、掛け金接続、及びその他の相互接続構造等、任意の適切な接続形式を通じてハンドピース100又はその一部に結合し得る。上述した接続の何れかは、頑丈で取り外し可能であり得る。例えば、把手及びスリーブ部分に取り外し可能に接続するように構成され得る、接続が生じる、把手筐体の、例えば、携帯デバイスの端に相互接続アセンブリが配備され得る。図1b及び図2aは、図1c、図1d、及び図1lのスリーブマウント112a等のハンドピース100の一部の上にクリップ留めし得る、スリーブ120上のクリップ125を説明する。発明の一実施形態では、スリーブ部分120等のスリーブ部分は、歯科医院又は同類等の、医療の場で再使用不可能で使い捨てのアセンブリ又は機構であり得る。上述したように、使い捨てアセンブリ又は機構は、異なる検査物体に移動する前に除染プロセスを実行する必要なしに、システムからの伝達を通じた測定を受ける物体の汚染、又は測定を受ける以前の物体からの相互汚染を排除又は最小限にすることを助長するためのものである。一旦使用されたこうした機構又はアセンブリが再使用されないことを確保するために、使い捨て機構又はアセンブリは、一回使用であるようにプログラムされ得る。幾つかの施形態では、コンピュータチップが使用され得る。該チップは、使い捨て機構又はアセンブリ上に、例えば、使い捨てアセンブリの裏に設置されたPCB上に存在し得、如何なる不必要な物質もある患者から別の患者へ伝達され得ないように、一旦使用されると、再使用できない又は再使用されないことを確保するのに役立ち得る。図1及び図2aは、図1cの電子機器接点113等の接触ピンを利用し得る電子機器インタフェース142、又は無線周波数ID(RFID)、近距離無線(NFC)、Bluetooth、及び/若しくはインタフェースの任意のその他の形式等の、その他の形式の電子機器インタフェースを介する等して、ハンドピース100の電子機器とインタフェースで連結するのに利用され得るスリーブ120に結合されるデバイスを説明する。
【0190】
電子機器インタフェース142は、図1d及び図1lにスリーブマウントPCB108及びその保持器107を用いて説明するように、PCBを含み得る。電子機器接点113は、利用される場合には、前端キャップ105中の開口部を通じて筐体102から出現し得る。コネクタワイヤ108aを用いて図1lに示すように、ワイヤ接続を通じる等して、電子機器アセンブリ144から信号及び/又は電力が伝えられ得る。
【0191】
使い捨て機構又はアセンブリがデバイスに結合される場合、該アセンブリ又は機構内のチップは、真正を確保するために、デバイスによってチャレンジ及びレスポンスシステムを用いて質問され得る。一旦認証されると、それは‘使用済み’と永久的にマーキングされる。それが同じデバイスであっても異なるデバイスであっても、使用されたアセンブリ又は機構がデバイス上に再度配置された場合、チャレンジ及びレスポンスは失敗し、デバイスは意図するように機能できないであろう。別の実施形態では、ある一定の結合期間後の使い捨てアセンブリ又は機構の再使用を防止するために、タイムアウト機能も使用され得る。更なる実施形態では、更なる安全のために、タイムアウト機能と共にチップが使用され得る。更なる実施形態では、使い捨て機構又はアセンブリの取り付け機構は、デバイスから一旦取り外されると、もはやデバイスに取り付け可能ではないようにするために、折られるか又は包まれる部分を含み得る。例えば、図2aのチップ125は、スリーブ120が取り外された場合に折られるように適応され得る。
【0192】
別の実施形態に従えば、スリーブ120等のスリーブ部分は、歯科医院又は同類等の医療の場において、限定的に再使用可能で使い捨てのアセンブリ又は機構であり得る。例えば、使い捨て機構又はアセンブリはまた、限定された回数でもオートクレーブ可能であり得る。
【0193】
一般的に、スリーブ120は、測定中に、エネルギー印加ツール110の端と実質的に同一の広がりをもって筐体120のアプリケータ端102aからある距離突出し得、上で論じたように、エネルギー印加ツール110の少なくとも伸長又は推進した状態まで伸長し得る。それ故、スリーブ部分120の長さは、伸長したエネルギー印加ツール110の突出の長さに依存し得る。
【0194】
幾つかの実施形態では、図1fに説明するように、スリーブ部分は、筐体102の端に又は該端において取り付けられ得、動作時に、筐体102の長手方向軸と実質的に平行であることから、ピボット110aにおいて鋭角をなすことまでエネルギー印加ツール110、例えば、打診棒が移動する場合に筐体102に実質的に直角であり得る。スリーブ部分は、形状が実質的に円筒形であり得る。更なる実施形態では、スリーブは、筐体の延長であり得、動作中に筐体の長手方向軸に実質的に平行であることから該長手方向と鋭角をなすことまで打診棒が移動する場合にエネルギー印加ツール、例えば、打診棒を自由に移動可能にするために、実質的に半円筒形のものであり得る。このシステムを使用すると、例えば、患者の歯の大臼歯領域内等、比較的アクセス不可能な場所で測定が着手され得る。
【0195】
スリーブ120は、測定中に物体に向かったハンドピース100の繰り返しの位置付けを安定化し及び/又は助長する等、物体の表面に向かって静止又は圧迫するのに利用され得る物体接触部分123を一般的に含み得る。スリーブ部分は、エネルギー印加ツール110が入り得る開口126を有するベース部分127付きのスリーブ中空部分128を用いて示すように、中空内部で形状が実質的に円筒及び/又は円錐であり得る。物体接触部分123は、エネルギー印加ツール110がそれを通じて物体にアクセスし得る開口部を一般的に形成し得る。図2fの物体接触部分123に形成されたより小さな開口部を用いて示すように、物体に向かって静止するためのより大きな操作台を提供するため、又は図3及び図3aに変化に富んだ表面を用いて示すように、より変化に富んだ物体表面に適合し得るより大きな開口部を提供するため等、開口部のサイズは可変であり得る。
【0196】
幾つかの実施形態では、物体接触部分123の開口部は、エネルギー印加ツール110と物体との間の直接の接触を防止し得るように、外部表面における物体と内面上のエネルギー印加ツール110とに接触するための機構、例えば、接触機構を更に含み得る。これは、障壁を提供することによって、任意の汚染物質又はその他の浄化懸念が物体とエネルギー印加ツール110との間で移動することを防止するのを助長することが望ましいことがある。例えば、これは、例えば、異なる患者の間でクリーニング/殺菌/浄化することなく、エネルギー印加ツール110の繰り返しの使用を可能にし得る。該機構は、図1図1b並びに図2図2b、及び図2cに説明するような接触機構121等である。一般的に、接触機構121は、フレキシブルであり得、変形可能であり得、及び/又は、さもなければ、最小限の干渉、減衰、又はその他の不要な影響で測定中にエネルギー印加ツール110と物体の間で力を伝送するように適応され得る。
【0197】
幾つかの例示的実施形態では、図2b、図2d、及び図2eに接触機構121を用いて説明するように、接触機構121は、スリーブ120の残部とは別個のコンポーネントであり得る。別個の接触機構121は、以下でさらに論じるように、例えば、スリーブ120の残部から少なくとも半ば独立して移動し得ることが望ましいことがある。別個の接触機構121は、部分的には留められるが依然として移動し得るような半摩擦適合を用いる等して、スリーブ120内に静止し得る接触管状部分121aと共に、図2bの断面図に説明するように、スリーブ120内に摺動可能に及び/又は、さもなければ移動可能に配備され得る。接触管状部分121aは、スロット121c及び停止タブ120aを用いて説明するように、動きの制限範囲を提供する等のために、スリーブ120の対応する機構と相互作用し得る機構をも含み得る。その他の実施形態では、接触機構121は、図2hに移動停止部120b、120cを用いて説明するように、スリーブ120の長手方向軸に沿った所望の範囲を越える移動を阻止するために、停止部、リッジ、隆起、又はその他の障害物によって制約され得る。
【0198】
幾つかの実施形態では、接触機構121は、薄く、変形可能で、及び/又はそれを通じた力の伝送に最小の影響を生み出すような形状のものであり得る薄膜部分を含み得る。図2dは、薄いプラスチック膜又は金属箔等、自由に移動及び/又は変形し得る、別個の接触部分121bを用いて示したような薄膜又はその他の層を含み得る可動接触部分121aを有する接触機構の実施形態を説明する。図2e等の幾つかのその他の実施形態では、接触機構121は、変形接触部分121b´を有する接触機構121を形成する軟質プラスチックを用いる等して、変形し得、屈曲し得、及び/又はさもなければエネルギー印加ツール110の力を伝送し得る一体化部分を用いて形成され得る。可動接触部分121aはまた、力/エネルギーの最適な伝送のために、エネルギー印加ツール110の形状に適合するように形成され得、又はその逆もしかりである。幾つかの例示的実施形態では、可動接触部分121aは、金属箔、例えば、ステンレス鋼箔又はシートから構築され得、例えば、半球形状等を有するエネルギー印加ツール110の端に適合するように、例えば、押し付けられ及び/又は成形され得る。ステンレス鋼及び同様の材料等の、幾つかの金属箔又はシートは、例えば、硬性若しくは剛性等のその高強度な特徴、鋳造/形成の容易性、それを通じた伝送エネルギー又は力の減衰、医療若しくは歯科の適用に対する所望の特性、及び/又はその共通性若しくは低コストに起因して望ましいことがある。例えば、厚さが約0.1mm等の薄いステンレス鋼箔又はシートが利用され得る。
【0199】
その他の実施形態では、接触機構121の閉鎖端は接触機構121に一体化され得る。例えば、接触機構121は、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又はその他の適切な金属)を押し付けること等によって、所望の厚さの閉鎖端を有する管状又は輪構造に形作られ得る材料から形成され得る。例えば、接触機構121は、変形可能性又は可動性の特徴を提供する厚さのものであり得る閉鎖端を有する、シンブル又はカップに類似の外形をとり得る。
【0200】
例えば、接触機構の膜に適したポリマー材料は、例えば、低摩擦率、高減衰能、吸収性、生分解性、水分解性、透明性、半透明性、及び非導電性を含む以下の特性の内の1つ以上を有する任意のポリマーを含み得る。
【0201】
例えば、ステンレス鋼及び同様の金属材料等の箔又はシートに適した金属材料は、オーステナイト系であり得、所望の形状に形成される前、又は所望の形状に超塑性的に形成される前に、加工硬化され得、電解研磨され得、アニーリングされ得る。
【0202】
幾つかの実施形態では、接触機構121は、不規則又は不定な表面機構を有する表面等、物体の表面とのエネルギー印加ツール110の一定の接触を生み出すことを助長するのに利用され得る。例えば、図3及び図3aは、物体90付きのハンドピース100の使用を説明し、該物体90は、図3の凸形接触面95を有する物体90及び図3aの凹形接触面96を有する別の物体90等の非平坦の表面機構を有する。物体90の接触面94上に静止する物体接触面123は、図3において該平面の後ろへ突出する凸形接触面95と、図3aにおいて該平面の前に残留する凹形接触面96とを用いて説明するように、物体接触部分123の平面の前後何れかにエネルギー印加ツール110に対する接触点を提供し得る不規則又は不定の表面機構の付近にあり得る。物体接触面123に対して可動的である接触機構121を用いて、凸形接触面95との接触を提供するために、それは移動し得、及び/又は図3に示すように、非伸長又は収容位置Cに残留し得る。更に、図3aに示すように、可動接触機構121は、凹形接触面96との接触を提供するために伸長位置Dに移動し得る。測定中、エネルギー印加ツール110は、接触面94の形状に応じて適切な位置に接触機構121を押し込み得る初期衝撃をなし得、その位置に実質的に残留し得、又は後続の衝撃若しくはハンドピース100の位置付けにおいて異なる位置に調節させ得る。一般的に、エネルギー印加ツール110の接触又は衝撃は、物体90に変形又は損傷を生じさせず、むしろ説明したような適切に適合された接触を通じてエネルギーを印加するように制御され得る。
【0203】
幾つかの例示的実施形態では、スリーブ120は、エネルギー印加ツール110の方向Aに実質的に直角な又は直交した安定性を提供する等、付加的な安定性のための機構を含み得る。図1a、図1b、及び図2図2bは、物体接触部分123が測定を受ける物体の表面と接触している場合に、垂直面92上に静止するタブ124と、物体90の接触面94上に静止する物体接触部分123とを用いて図3及び図3aに示すように、物体の最上部の部分の上にタブ124が静止していてもよいように、物体接触部分123の近辺においてスリーブ120から突出するタブ124を有するスリーブ部分を説明する。それ故、タブ124及び物体接触部分123は共に、物体90に対してハンドピース100の繰り返しの位置付けを補助し得、より良い再現性のために、後続の測定中に、物体接触部分123は、垂直面92における物体の最上部から実質的に同じ距離で配置され得る。上述のように、図3及び図3aには人間の歯を用いて解剖学的構造物が示されているが、物体90は、解剖学的構造物、又は物理的若しくは産業構造物を含み得る。
【0204】
実施形態の何れかでは、タブ124の角は、それらが静止していてもよい物体90上の任意の感染を避けるために、滑らかであり得若しくは丸みを帯び得、又は実質的に、滑らかであり得若しくは丸みを帯び得る。その他の実施形態では、角は必ずしも丸みを帯びなくてもよいが、タブ124は滑らかであり得る。実施形態の何れかでは、物体接触部分123が測定を受ける物体90の表面の一部に接触する場合に、タブ124が物体90の表面の一部又は表面上に静止し得、図2iのさね溝として説明された形成物124aを用いる等、少なくとも1つの形成物を使用して物体の表面の突起、隆起、又はその他の盛り上がった部分に少なくとも部分的に適合するように、タブ124は、該少なくとも1つの形成物(例えば、さね溝、溝、ノッチ、凹み等)を含み得る。
【0205】
一般的に、スリーブ120又はその一部は、ハンドピース100に一貫して取り付けられ得、使用中に崩壊し得ないように十分な剛性を有することが望ましくてもよい。複数回の使用が検討される場合、スリーブ120は、一般的に、以下で論じるように、使い捨てカバーが使用されない限り、必要に応じてオートクレーブ等によって複数回の殺菌処置に耐えるように構築され得る。その他の実施形態では、使用される場合に、使い捨てカバーと共にスリーブが存在しない場合、スリーブ120は使い捨てであり得、それ故、スリーブ120中に形成され得る任意の材料で構築されてもよい。適切な材料の例は、例えば、成形され得、熱成形され得、又は鋳造され得るポリマーを含み得るが、それに限定されない。適切なポリマーは、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリブチレン;ポリスチレン;ポリエステル;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);アクリルポリマー;ポリ塩化ビニル;ポリオキシメチレン若しくはデルリン(デュポン株式会社から入手可能)等のアセタールポリマー;天然若しくは合成ゴム;ポリエーテルイミド、若しくはULTEM(登録商標)等のその他の高温ポリマー、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとの複合物であるXenoy(登録商標)、ポリカーボネートとイソフタル酸テレフタレートレソルシノール樹脂とのコポリマーであるLexan(登録商標)プラスチック等のポリマーアロイ(GEプラスチックから全て入手可能);芳香族ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシベンゾエート(硬質モノマー)、ヒドロキシナフトエート(フレキシブルモノマー)等)、芳香族ヒドロキシルアミン、及び芳香族ジアミン(それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号6,242,063、6,274,242、6,643,552、及び6,797,198に例示される)を含むグループから選択された少なくとも1つの化合物を構成要素として含む芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミド等の液晶ポリマー、末端無水物基又は側無水物を有するポリエステルイミド無水物(その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号6,730,377に例示される)、又はそれらの組み合わせを含む。これらの材料の幾つかは再生利用可能であり、又は再生利用可能に作られる。堆肥可能な又は生分解性の材料も使用され得、ポリ乳酸樹脂(L-乳酸及びD-乳酸を含む)及びポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシブチレート樹脂(PHBV)(3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシペンタン酸(3-ヒドロキシ吉草酸)のコポリマー)及びポリヒドロキシアルカノエート(PHA)コポリマー、並びにポリエステル/ウレタン樹脂等の任意の生分解性の又は堆肥可能なポリエステルを含み得る。幾つかの非堆肥可能な又は非生分解性の材料はまた、幾つかの添加物、例えば、(英国ボアハムウッドのSymphony Environmental)により供給されるD2W(登録商標)及び加国ブリティッシュコロンビアのEPI Environmental Products株式会社製のTDPA(登録商標)等の任意の酸化型生分解可能な添加物の添加によって堆肥可能又は生分解可能に作られ得る。
【0206】
また、顔料、炭素粒子、二酸化ケイ素、ガラス繊維、又はそれらの混合物で充填されたポリマーである工学プリプレグ又は複合物等のポリマー複合物も使用され得る。例えば、ポリカーボネート及びABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)の混合物がスリーブ120に使用され得る。更に例えば、炭素繊維及び/又はガラス繊維強化プラスチックも使用され得る。
【0207】
合成ゴムは、例えば、エラストマ材料であり得、Kratonから入手可能な様々なコポリマー又はブロックコポリマー(Kratons(登録商標));スチレンブタジエンゴム又はスチレンイソプレンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム、及びニトリル(アクリロニトリルブタジエン)ゴム等のポリマーを含み得るが、それらに限定されない。
【0208】
幾つかの実施形態では、スリーブ120はまた、上述したようなポリマー又は複合物等の適切な材料で更にコーティング及び/又は処理され得る金属及び/又はセラミック材料から作られてもよい。例えば、実質的に振動の減衰/吸収/反射し得る、金属及び/又はセラミック材料が利用され得る。粘弾性の及び/又はその他のコーティングはまた、振動及び/又はその他の機械的エネルギーがスリーブ120の金属及び/又はセラミックコンポーネントに移され得ないように用いられ得る。
【0209】
一実施形態では、スリーブ120又はそのコンポーネント/その一部にチタン及びニッケルチタン等のチタン合金が使用され得る。
【0210】
発明の更なる態様では、システムは、例えば、物体に向かったハンドピース100の接触圧力を検出することによる等して、物体からの信頼性のある繰り返しの測定を助長する機構を含み得る。測定中にスリーブ部分による接触が物体上のハンドピースを安定させることを助長するので、エネルギー印加ツールにより物体上にもたらされる力及び測定される任意の特徴は、物体に向けた位置に保持するために操作者がハンドピースにもたす力の影響を受け得る。例えば、操作者によりもたらされる不十分又は過度な力は、測定を複雑にし得、精度の低い結果を生み出しさえし得るので、物体上の適切な量の接触力が重要であり得、監視される必要があり得る。異なる操作者であっても、より良い再現性のために、適切な接触力が操作者により印加されることを監視することを助長し得るように、こうした接触力を測定するためにハンドピースの内部にセンサが配備され得、それは、一般的にはエネルギー印加ツール110に物理的又は電気的に結合されなくてもよい。一般的に、エネルギーの印加又は取られる測定と干渉しない、又は干渉が最小限であるように、(エネルギー印加ツール110それ自体の他に)物体に接触するハンドピース100の一部等のシステムのその他の部品からエネルギー印加ツール110を隔離することが望ましくてもよい。
【0211】
例示的実施形態では、ハンドピース100との接触を介して操作者により物体上にもたらされる力を測定する方法でセンサが配備され得る。例えば、センサは、例えば、物体とハンドピースとの間に位置付けられ得る。センサはまた、物体と接触するハンドピースの一部からの伝導又は伝送された力を受け取るように配置され得る。センサは更に、印加された力を捕らえることが可能な方法で、ハンドピースと操作者との間に位置付けられ得る。幾つかの実施形態では、ハンドピース100の一部を通じた物体との接触からの垂直抗力の伝達又は伝送に依拠し得る内力センサが利用され得る。
【0212】
図1図1d、図1e、図11、及び図11aは、スリーブ部分120等のハンドピース100の一部の接触が、力伝達スリーブ又はスリーブ類似コンポーネント等の力伝達部材130を(例えば、図2b及び図4に示した接触点129における接触を通じて)押し込み得、方向Bに力センサ143上に押し込むことによって力をその後及ぼし得る配置を説明する。力センサ143は、例えば、圧電センサ、力検知抵抗器(例えば、シャントモードFSR)、(例えば、印加された力に応答して曲がるカンチレバー上に搭載された)1つ又は複数のひずみゲージ、リニアポジションセンサ(例えば、線形位置の変化が印加された力に対応する、ばね又はその他の素子に向かって圧縮するコンポーネントの位置の変化を検知可能な光学位置センサ、磁場、又はその他)、及び/又は任意のその他の適切な種類の力センサ等の、ユーザによる物体に向かったハンドピース100の接触からもたらされる力を測定するための任意の適切なセンサを含み得る。力センサ143は更に、(力センサ143によって測定される接触力からのエネルギー印加ツール110の分離を維持する等のために)説明されるようにエネルギー印加ツール110を取り囲む輪状にあり得る、例えば、平坦な検知パッド等の任意の適切な形状又は形式、又は接触力を検知するためにハンドピース100内に位置付けられ得る楕円、多角形、若しくはその他の形状を取り得る。図1d、図1e、及び図1lの分解立体図では、力センサ143は、例えば、相対的に固定のコンポーネントとの間に挟持される。図1d及び図1eに説明されるように、力センサ143は、以下で更に論じるように駆動機構140にそれ自体が強固に搭載される駆動機構インタフェース部材141と、前端キャップ105並びに/又はスリーブマウントPCB108及びその保持器107を用いて示すような筐体の一部の開口部を通過し得る、(存在する場合には)スリーブ120、伝達スリーブ112、及びスリーブマウント112a/力伝達部材130のスタックを用いて示すような力センサ143に力を伝達するコンポーネントとの間に挟持され得る。力センサ143は、例えば、それが操作者に対して相対的に固定の位置にあるように、例えば、駆動機構140に及び/又はハンドピース100の筐体102に結合され得る駆動機構インタフェース部材141等のハンドピース100の剛体部分上に搭載することによって相対的に固定の位置に保持され得る。力センサ143は、駆動機構インタフェース部材141等の相対的に固定の部分に向かって付勢されるような物体90との接触に由来する負荷をその後検出し得る。一般的に、動作の間、力に対する完全な伝導/伝送経路が維持される限り、物体の接触と力センサ143との間の介在コンポーネント又は部分は存在してもしなくともよいと理解され得る。
【0213】
図11の分解立体図及び図11aのブロック図に説明するように、力センサ143は、駆動機構140と取り付けブラケット148との間に代替的に挟持され得、それは、ハンドピース100の本体と、前端キャップ105並びに/又はスリーブマウントPCB108及びその保持器107を用いて示したように筐体の一部の開口部を貫通し得る、(存在する場合には)スリーブ120、伝達スリーブ112、及び(それ自体が駆動機構140に強固に搭載される)スリーブマウント112a/力伝達部材130のスタックを用いて示すような力センサ143に力を伝達するコンポーネントとにそれ自体が強固に搭載される。力センサ143は、例えば、圧電センサ、力検知抵抗器(例えば、シャントモードFSR)、(例えば、印加された力に応答して曲がるカンチレバー上に搭載された)1つ又は複数のひずみゲージ、リニアポジションセンサ(例えば、線形位置の変化が印加された力に対応する、ばね又はその他の素子に向かって圧縮するコンポーネントの位置の変化を検知可能な光学位置センサ、磁場、又はその他)、及び/又は任意のその他の適切な種類の力センサ等の、ユーザによる物体に向かったハンドピース100の接触からもたらされる力を測定するための任意の適切なセンサを含み得る。力センサ143は更に、(力センサ143によって測定される接触力からのエネルギー印加ツール110の分離を維持する等のために)説明されるようにエネルギー印加ツール110を取り囲む輪状にあり得る、例えば、平坦な検知パッド等の任意の適切な形状又は形式、又は接触力を検知するためにハンドピース100内に位置付けられ得る楕円、多角形、若しくはその他の形状を取り得る。力は、取り付けブラケット148に向かって付勢されると、駆動機構140を通じて力センサ143にその後伝達される。駆動機構140及びエネルギー印加ツール110等のコンポーネントは、これらのコンポーネントの外側に(すなわち、図1dのような駆動機構140と力伝達部材130との間とは対照的に、図11dではコンポーネント150とコンポーネント152との間に)一般的に存在する屈曲支点で相互に強固に接続されるので、この配置は、例えば、これらのコンポーネントの屈曲又はずれを減少させるために望ましくてもよい。こうした潜在的な屈曲又はずれは、例えば、物体90に向かった図8a、図8b、図8g、及び図8hに説明されるように、物体の表面に対する正常な角度以外でのハンドピース100の使用において、如何なる特定の理論に縛られることなく、望ましくないことがある。駆動機構140とエネルギー印加ツール110との間の接続の剛性の増加は、例えば、ある角度で物体90に向かってハンドピース100を圧迫した場合等、物体90に向かって圧迫された場合の屈曲の又は不均一な荷重をハンドピースが受けた場合の駆動機構140及びハンドピース100からのエネルギーの伝達の任意の変化を減少させることを助長し得る。
【0214】
幾つかの実施形態では、図1c及び図1eに説明するように、物体に接触するために使用され得る図1eの力伝達部材130及び伝達スリーブ112を用いて示すような力伝達又は伝送部材は、スリーブ120無しに利用され得る。
【0215】
スリーブ部分を使用するシステムの実施形態では、力伝達部材130の一部に結合され得、又は力伝達部材130の一部を形成し得、開口部102aを介して筐体102の外に伸長し得るスリーブマウント112aの上等、力伝達部材130の上にスリーブ部分120は搭載され得る。物体との接触からの力は、図4図4a、図4b、並びに図11b及び図11cに説明するように、その後伝達され得る。説明するように、物体に向かってスリーブ部分120を保持することからの垂直抗力Eは、力伝達部材130の一部であり得又は力伝達部材130に結合され得る伝達スリーブ112に向かってスリーブ120を押し込ませ得、力伝達部材130は、方向Bの力を力センサ143上にその後及ぼし得、力センサ143は、駆動機構140に搭載され得る駆動機構インタフェース部材141等のハンドピース100の剛体及び/又は相対的に固定の部分に向かって付勢され得、駆動機構140それ自体は、図4aに説明するような駆動取り付け部140aを介して、又は駆動機構140と、筐体102に搭載され得る取り付けブラケット148との間に挟持されるとき、図11bに説明したような駆動取り付け部140aを介する等して、筐体102に搭載され得る。
【0216】
幾つかの実施形態では、ハンドピース100の一部は、剛体及び/又は相対的に固定の部分に対して可動的であり得る。このことは、物体との接触からの力の力センサへの伝達を助長するのに、及び接触力をもたらす操作者に物理的に知覚可能なフィードバックを提供するために望ましいことがある。
【0217】
幾つかの実施形態では、アセンブリの製造の容易性、部品の再現可能性等のために、複数のコンポーネントが力伝達部材130を形成するために利用され得る。例えば、説明するように、力伝達部材130は、伝達スリーブ112の個別の部品、スリーブマウント112aと、(複数の)伝達部材接点130a等において力の伝達を提供するために取り付け得又は少なくとも接触し得る力伝達ベース部分130bとを含み得る。
【0218】
図4及び図4aに説明するように、力伝達部材130と、スリーブ部分120、伝達スリーブ112、スリーブマウント112a、及び力伝達ベース部分130b等のそれに機械的に結合された部分とは、力センサ143、駆動機構インタフェース部材141、駆動機構140、及び筐体102等の相対的に固定の部分に対して方向B等に可動的であり得る。例えば、力センサ143上の力を均一に分散するため、及び/又は付勢若しくはリーフスプリング、若しくは弾力性クッションを介する等して、物体との接触が止んだ場合に力伝達部材130を方向Bに沿ってその元の位置に戻すための戻し付勢として役立つため等のために、力伝達部材130と力センサ143との間に、力センサ付勢部143a等の付勢部材が更に提供され得る。一般的に、接触力により生じる摺動距離等、力センサ143に力を伝達するコンポーネント(例えば、接触力に応答してコンポーネント151と直接結合せずB方向に移らないエネルギー印加ツール110を含まないが、図4bに説明するような、力センサ143及び駆動機構140の背後のコンポーネント153の前方のコンポーネント151)の移動は、非常に小さくてもよく、例えば、約0.3mmから約1mmまで、更なる例では、約0.5mmのオーダーであってもよい。
【0219】
図11b及び図11cに説明するように、力伝達部材130と、それに機械的に結合された部分、伝達スリーブ112、スリーブマウント112a、及び駆動機構140とは、力センサ143、取り付けブラケット148、及び筐体102等の相対的に固定の部分に対して方向B等に可動的であり得る。例えば、力センサ143上の力を均一に分散するため、及び/又は付勢若しくはリーフスプリング、若しくは弾力性クッションを介する等して、物体との接触が止んだ場合に駆動機構140を方向Bに沿ってその元の位置に戻すための戻し付勢として役立つため等のために、駆動機構140と力センサ143との間に、力センサ付勢部143a等の付勢部材が更に提供され得る。一般的に、接触力により生じる摺動距離等、力センサ143に力を伝達するコンポーネント(例えば、接触力に応答してコンポーネント150と直接結合せずB方向に移らないエネルギー印加ツール110を含まないが、図11dに説明するようなコンポーネント150)の移動は、非常に小さくてもよく、例えば、約0.3mmから約1mmまで、更なる例では、約0.5mmのオーダーであってもよい。
【0220】
安全機構122が電子機器接点113と相互作用する等、スリーブ部分120とハンドピース100との間の電気接点を有する実施形態では、スリーブ120とハンドピース100との間の移動は、スリーブマウント112a等の並行面上若しくは可動部分上の配置等によってハンドピース100上に搭載されつつスリーブ120の任意の動きを通じて接触が維持されるように、スプリングピンを用いて及び又は電気接点を配置する等して補償され得る。
【0221】
スリーブ部分120はまた、筐体102の前方上の不変部を形成し、且つスリーブ部分が存在しない場合にエネルギー印加ツール110、例えば、打診棒を損傷から保護する力伝達部材130上に搭載され得、例えば、スリーブ部分は、上及び/又は下で論じるように、使い捨てアセンブリの一部を形成する。
【0222】
幾つかの実施形態では、上で論じたように、スリーブ120及び/又はエネルギー印加ツール110は、図1fに説明するように、筐体102に実質的に直角に配備され得る。物体に向かう保持力は、説明するような方向Bにその後作用し得、スリーブ120等は、力センサ143上に力伝達部材130に向かって方向Bに圧迫し得、力センサ143は、説明するような筐体102に向かって等、相対的に定位置に向かって搭載及び/又は位置付けられ得る。
【0223】
スリーブ120の接触部分121等のスリーブ部分の物体接触部分が測定を受ける物体、例えば、歯に向かって押し込まれた場合、エネルギー印加ツール110、例えば、打診棒は、イネーブルにされ得又は発動され得、ある一定範囲内の力が検出され得る。正しい力が検出された場合、ハンドピース100は、測定を開始するためにオン又はイネーブルにされる。
【0224】
例えば、人間の歯の上での歯科処置を用いると、適切な接触力は、約3Nから約10Nまで、更なる例では、約5Nから約8Nの力であり得る。一般的に、力センサ143は、実際の接触力を読み出し得、又は実際の接触力とは異なる伝達、伝導、又は伝送された力を読み出し得、該力は、電子機器アセンブリ144を用いる等して、ハンドピース100による実際の接触力に解釈され得又は関連付けられ得る。接触力の測定は、加速度計、又は方位センサ145を用いて図1及び図11aに説明するような、方位を検出するためのその他の適切なデバイスからの入力を用いて、重力場におけるハンドピース100の方位に起因する等して更に訂正され得る。
【0225】
センサ、例えば、力センサ143は、エネルギー印加ツール110以外のハンドピース100の少なとも一部と物理的に近接及び/又は接触及び/又は結合され得、例えば、上述したように、スリーブ部分120の開放端が物体接触部分123を含み得る場合に、スリーブ部分120と物理的に近接及び/又は接触及び/又は結合され得る。発明の一実施形態では、センサは、検知用の少なくとも1つのひずみゲージを含み得る。スリーブ部分の物体接触部分が物体上に圧迫される場合に、それがカンチレバーをも変形し、それがひずみゲージにより測定され、それ故、力測定を提供するように、ひずみゲージは、デバイス筐体とスリーブ部分との間のカンチレバーに取り付け又は搭載され得る。幾つかの実施形態では、単一の又は別個のカンチレバーに搭載された複数のひずみゲージが利用され得る。カンチレバーはまた、例えば、筐体又はスリーブ部分の残部とは別個のコンポーネント上に、例えば、搭載されているデバイス上に存在し得る。一態様に従えば、力検知は、リニアポジションセンサにより行われ得、それは、例えば、力伝達スリーブ類似部分が位置Xにある場合に、それを該位置に移動するために(ばねの反力に向かって)Yの力がそれに印加されなければならないことが知られている。別の態様に従えば、力検知は、ばねに向かって押し込まれた場合に移動部分の位置を光学的に検知するための光学センサによって実施され得る。発明の更に別の実施形態では、物体上のスリーブ部分の物体接触部分の相対的位置は、移動部分、例えば、力検知スリーブ類似コンポーネントに一端が、静的要素、例えば、筐体に他端が取り付けられ得る1つ以上のひずみゲージを有することによって判定され得る。発明の更なる実施形態では、デバイスは、力を直接測定するための圧電素子を含み得る。発明の更なる実施形態では、センサの位置に対して(移動する要素に取り付けられた)磁石が移動している場合に磁界の変化を検出するためにホール効果センサが使用され得る。発明の更に別の実施形態では、力を測定するために、デジタルカリパスに見られるような静電容量リニアエンコーダシステムが使用され得る。
【0226】
検知パッドは、層状構造を含み得、それは、力測定を提供するための、パッドに印加された力に依存して抵抗を変化し得る“シャントモード”FSR(力検知抵抗器)と称され得る。FSRは、典型的には、その表面への力の印加に続いて予測可能な方法で抵抗を変化する導電性ポリマーから構成される。FSRの検知膜は、典型的には、マトリクスに浮遊する導電性粒子及び非導電性粒子の両方を含む。FSRの表面に力を印加することは、粒子を導電電極に接触させ、FSRの抵抗を変化させる。FSRは、典型的には0.5mmよりも小さい厚さ等の小さいサイズで、低コストで、良好な耐衝撃であることが望ましくてもよい。
【0227】
図6は、層状の力センサ143の一例を説明し、それは、FSR層143eの抵抗により調整される導電経路を生み出すように、FSR基板143f上のFSR層143eにより接合される2つの導電経路を有する導電トレース143cがその上にプリント又はさもなければ堆積されたベース層143hを含み得る。力伝達部材130から方向B等にFSR層143eに印加される圧力は、印加された圧力と共に減少させる等によって、その抵抗を変更し得る。相互に層を接合するため、及び/又は駆動機構インタフェース部材141等の基板への接着を提供するために、接着層143d等の接着層及び搭載される接着剤143gも含まれ得る。力センサ143は、一般的に、導電トレース143c中の導電経路への接続を拡張させる等によって電子機器アセンブリ144上のインタフェースに接続するために、図1d及び図1eに示したフレキシブルコネクタ143b等のコネクタを含み得る。
【0228】
力センサ143上にもたらされる圧力を、圧電素子に渡る電圧等の電気的特徴の変化に変換する圧電センサも利用され得る。
【0229】
リーフスプリング又は力センサバイアス143a等のその他の付勢部材上には、ひずみゲージ又はその他の同様の素子も含まれ得る。
【0230】
幾つかの例示的実施形態では、力センサは、エネルギー印加ツール110と電子通信し得、ハンドピース100に対するオン/オフスイッチ又は活性化スイッチとしての機能を果たし得る。例えば、スリーブの物体接触部分によって適切な力が物体上にもたらされた場合、それは、測定を開始するために、エネルギー印加ツール110の移動を活性化するように計器の活性化機構を発動し得る。それ故、上述したように、システムのオン及びオフを活性化するために外部のスイッチ又は押しボタンを何ら必要としない。適切な力の指標は、可視又は可聴信号によって指し示され得る。
【0231】
幾つかの実施形態では、図7のフローチャートを用いて説明するように、スリーブ部分120等の物体90とのハンドピース100の接触(300)は、該接触からの垂直抗力E等の接触力を力センサ143に伝達し得る(301)。力センサ143は、接触力又は伝達された力を測定し得、抵抗、電圧等の信号又は特徴の変化を生み出し得る(302)。信号又は特徴の変化は、電子機器アセンブリ144内等の制御機構にその後中継され得る(303)。制御機構は、接触力が許容範囲内、例えば、5~8Nにあるか否かをその後判定し得る(304)。力が該範囲内にある場合、制御機構は、エネルギー印加ツール110を動作することが可能であり(305)、及び/又は接触力が許容可能であることの信号をユーザへ出力する(306)。接触力が許容範囲外にある場合、制御機構は、圧力を変更するための信号をユーザへ出力し得(307)、及び/又はエネルギー印加ツール110を無効にし得、若しくは無効を維持し得る(308)。許容可能である場合、制御機構はまた、エネルギー印加ツール110を自動的に開始し得、測定を実施し得る(309)。その後、制御機構は、新たな測定のためにリセットされ得る。
【0232】
幾つかの実施形態では、可視又は可聴信号により示されるように、接触部分121(又は、必要に応じてスリーブ120若しくはハンドピース100のその他の部分)によって物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、エネルギー印加ツール110は、即座にオンにされ得る。図1cは、接触力についての信号を操作者に提供し得る光源114を用いて示すような操作者信号を説明する。幾つかの実施形態では、上述したように、可視又は可聴信号により示されるように、物体上に適切な接触力が一旦もたらされると、エネルギー印加ツール110を活性化する前に遅延があり得る。更なる実施形態では、物体上にある一定の押力が一旦検出され、ある期間、例えば、約0.5秒維持されると、測定を開始するために計器はオンにされ得る。
【0233】
幾つかの実施形態では、力測定は、発光体等の可視出力に接続され得る。発光体は、計器上の任意の都合のよい場所に搭載され得、例えば、光源114を用いて示すように、計器の前方に1つ又は複数のLEDが搭載され得る。例えば、複数の光システムが含まれ得る。例えば、許容可能な接触力用の青色と、許容不可な接触力用の赤色と等、2つのLEDが使用され得る。
【0234】
幾つかの実施形態では、許容可能又は許容不可な接触力を示すために、光源114からの透明又は半透明であり得る光がスリーブ120を照らし出す。
【0235】
操作者により物体上にもたらされる適切な力は、システムのスイッチとしての機能を果たす。システムがオンにスイッチングされない場合、それが故障しているのか、それとも不十分な力若しくは過大な力がもたらされているのかを知ることが望ましいことがある。幾つかの実施形態では、ユーザが物体上を押し込み過ぎた場合、光源114からの出力を介して示されるように、光は、琥珀色にまず変化し得、その後赤色に変化し得る。光を赤色に変化させるのに押力が十分である場合、衝突は開始されないか、既に開始されている場合には中断され得る。また、ユーザが過大な押力に近づく場合に警告する琥珀色のLED状態があり得る。その段階では、LEDが琥珀色に点灯される場合に計器は依然として動作し得る。別の例では、光は過小な力を何ら示さなくてもよく、過大な力を赤色光が示し得る一方で、適量の力を青色光が示し得る。更に別の例では、1つの光システムが含まれ得る。例えば、光は過小な力の信号を何ら与えなくてもよく、過大な力の信号を赤色光が与えてもよい。更なる例では、点滅赤色光が過大な力を示してもよく、光は過小な力を何ら示さなくてもよい。LEDはハンドピース100の表面上に搭載され得、又はそれらは筐体102の内部にあり得、光は、図1d及び図11にライトパイプとして示す光源114等、筐体102の表面に存在し得るライトパイプ又は光ファイバチャネルを介して伝えられ得る。幾つかの例では、ライトパイプ114は、図1dの代替的な保持器107であり得る図1gの保持器107´の内部にある、又は保持器107´に取り付けられる等、ハンドピース100の内部にあり得、又はハンドピース100に取り付けられ得る。
【0236】
幾つかの実施形態では、ライトパイプ114は、物体に向かって光をより良く搬送するため、及び/又はユーザの知覚のためにスリーブ部分120をより良く照らすため等のために、スリーブ部分120中に伸長し得る。図4図4a、図11bは、スリーブ部分120内のスロット125a中に伸長することにより示されるように、光源114aからスリーブ部分120中に光を搬送するための、ハンドピース100から伸長するライトパイプ114を説明する。ライトパイプ114から放出される光は、スリーブ部分120をその後照らし得、スリーブ部分120は、例えば、物体に向かって光を拡散するように、並びに/又は光拡散材料、添加物の含有による、並びに/又はフロスチング及び/若しくはその他の適切な処理等、物理的処理による等によって、ユーザによる容易に観察可能な方法で適合され得る。ライトパイプ114は、スリーブ部分120のスロット125a中に適合する等によって、スリーブ部分120とハンドピース100との間に付加的な配置、接続、及び/又は固定を提供するためにも利用され得る。例えば、スロット125a中に適合する1つ以上のライトパイプ114の利用は、ライトパイプ114とスロット125aとの間の適合によって(例えば、密接な適合又は摩擦適合によって)長手方向軸付近の回転への抵抗を提供することを助長し得る。
【0237】
別の実施形態では、力測定は、可聴出力に接続され得る。一例では、可聴出力は、過小な力を示すための1つのビープ音と、過大な力を示すための複数のビープ音とを含み得る。別の例では、可聴出力は、過小な力を示すためのビープ音と、光源114等を介して、又は内部の光源を用いて上で論じたような、過大な力を示すための点滅赤色光付きのビープ音とを含み得る。更なる例では、力測定は、過大な力又は過小な力を警報するための音声警報システムに接続され得る。更なる例では、力測定は、過小な力を警報するための音声警報システムと、過大な力を警報するための音声警報及び点滅赤色光とに接続され得る。
【0238】
ハンドピース100は、最初の誤った配置後に適切な力で配置を再試行するために、ハンドピース100をリセットする等のための、図1d及び図11にリセット制御144bを用いて示したようなリセットボタンをも含み得る。リセットボタン144bは、ハンドピース100を更新された状態に配置するために、電子機器アセンブリ144上の適切な制御に押し進め得る。
【0239】
力センサがオン/オフスイッチとしての機能を果たす場合、測定中に物体上に適切な力がもたらされていること、及び/又は測定中に物体に向かってハンドピース100の適切な配置が得られていることを監視するためにもそれは作用し得る。図1及び図11aの方位センサ145を用いて示すような傾斜計は、例えば、電子制御システムの一部として存在し得、それは、例えば、打診棒に対する動作の角度範囲外にデバイスがある場合に可聴警告を発動し得、それが水平方向から+/-30度である場合に該警告を発動し得る。スリーブ部分の物体接触部分上に押力が検知された場合に、動作の軸が水平方向から30度よりも大きいようにデバイスが方向付けられている場合、デバイス内のPCB等のデバイス上に設置されたスピーカによって発せられる警告音をもたらし得る。こうした状況では、デバイスが許容角度に戻されるまで衝突作用は開始されないであろう。幾つかの実例では、範囲からの上述の逸脱が検出された場合に衝突作用が開始されていない場合、デバイスは、実際には動作を停止しなくてもよいが、訂正がなされ得るように、単にアラームを鳴らしていてもよい。
【0240】
傾斜センサ及び傾斜計の一般的な実装は、加速度計、液体容量性、電解性、液体中の気泡、及び振り子型のシステムを含み得るが、それらに限定されない。伝統的な水準器及び振り子ベースの電子水準計器は、単一の軸と狭い傾斜測定範囲とにより通常制約される。しかしながら、多くの正確な水準化、角度測定、配置、及び表面平坦性のプロファイルタスクは、本質的には、2つの独立した直交単軸物体よりもむしろ2次元平面角度に関わる。2軸又は3軸傾斜計は、地球基準面に接する平面の2次元の角度の読み出しを同時に提供する微小電子機械システム(MEMs)傾斜センサを用いて典型的には構築される。
【0241】
MEMS傾斜センサは、典型的には、機能性として加速度計を用いる。概念上、加速度計が加速度を経験し、ばねがケースと同じ速度で質量を加速可能な点に質量が変位する場合に、加速度計は、ばね上の減衰した質量として振る舞う。変位は、加速度を与えるためにその後測定される。商用デバイスでは、機械的な動きを電気信号に変換するために、圧電性の、圧抵抗性の、及び/又は静電容量性のコンポーネントが一般的に使用され得る。圧電性の加速度計は、圧電セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛)又は単結晶(例えば、石英、トルマリン)を頼りにする。それらは、典型的には、より高い周波数範囲、低いパッケージ重量、高い温度範囲等、利用において好ましい特徴を提供する。圧抵抗性の加速度計は、典型的には、強い衝撃の印加が望ましい。静電容量性の加速度計は、典型的には、微小加工されたシリコンの検知素子を使用し、それらの性能は、低い周波数範囲で優れ、それらは、高い安定性と線形性を実現するために自動制御モードで動作され得る。今日の加速度計は、しばしば、プルーフマスを備えたカンチレバーを含む小型のMEMsである。デバイスに密封された残留ガスから減衰が生じる。外部の加速度計の影響を受けて、プルーフマスはそのニュートラルポジションを偏らせる。この偏りは、アナログ又はデジタルの方法で測定される。
【0242】
電子機器アセンブリ144に搭載された3軸加速度計の形式での方位センサ145の使用の一例では、ハンドピース100は、30度の下向きの傾斜と上向きの傾斜との間の角度で物体に向かって保持され、加速度計から戻された値は、駆動機構140の活性化の変更を創出するために利用された。
【0243】
以下の表は、以下の下向きの傾斜/上向きの傾斜における3軸の、加速度計から戻された値を示す。
【0244】
【表1】
【0245】
値は、印加される力を約25Nに均一にすることを助長するように、異なる傾斜でエネルギー印加ツール110を利用する場合に駆動機構140の活性化を変更するための命令のプログラムされたセットを創出するために利用された。一例では、駆動機構は、収納する前に11ミリ秒の遅延で22秒間通電され(固定のタイミング)、以下の表の異なる傾斜において、エネルギー印加ツール110から、測定された印加された力が引き起こされた。異なる傾斜に対する命令のプログラムされたセットを利用して、駆動機構140の通電時間及び遅延時間が変更され、エネルギー印加ツール110から、以下の測定された印加された力が引き起こされた。
【0246】
【表2】
【0247】
測定された力は、命令のプログラムされたセットが、第1の列の固定されたタイミングを用いるよりも25Nの対象の力に遥かに近い力の値を引き起こしたことを示す。方位センサ145により判定された傾斜に基づいた駆動機構140の活性化の変更は、それ故、測定された傾斜の角度に基づいてエネルギー印加ツール110からより一貫した印加される力を生み出すために利用され得る。
【0248】
デバイス及び/又は筐体の一部はまた、微生物の成長を排除、防止、妨害、又は最小化し、それ故、高温のオートクレーブプロセス又は有害な(harsh)化学物質の使用を最小限にすることを可能にする、その上にコーティングされた抗菌性コーティングを有し得、こうしたツール又は計器の製作用の基板として有用な材料の種類及び数を増加させ得る。
【0249】
更に、計器は、解剖学的構造物、例えば、インプラント用の材料の構築及び/又は選択に使用される機械的生体適合性材料又はバイオメティクス適合性材料等の材料の選択を助長するのに有用であり得る。正常で健全な歯に対しては、咀嚼により生成される衝突エネルギーは、健全な骨と天然歯との境界における歯周靭帯によって減衰される。しかしながら、損傷又は疾患に起因して天然歯をインプラントに置き換える場合、該靭帯は、通常失われ、インプラントは、衝突力を骨に直接伝達し得る。インプラントのアバットメントを製作するのに使用される複合物、金、及びジルコニア等の幾つかの材料は、多くの研究において効果的であることが示されている。研究は、複合樹脂、金、又はジルコニアのアバットメントを利用したアバットメントの構築後のインプラントの修復の残存力を論証しているが、該アバットメント材料の負荷への動的応答を測定するために行われるそうした学術研究はなかった。本発明の計器は、こうした目的のために使用され得、移植前に適合性又は互換性を予測するのに、又はインプラントに隣接する天然歯を保護するための適切な材料を選択するのに有用であり得る。それ故、材料の選択は、衝撃に応じてインプラントと天然歯との間の相違を最小限にし得る。
【0250】
更に、計器は、例えば、飛行機、自動車、船、橋、ビル、発電設備を含むがそれに限定されない任意の産業構造物、アーチ構造物、若しくはその他の同様の物理的構造物用の材料、又はこうした構造物の構築を助長することに適した制振材料の構築及び/又は選択に使用される、機械的又は化学的な耐久性若しくは互換性材料等の材料の選択を助長するのに有用であり得る。本発明の計器は、こうした目的に使用され得、構築後の亀裂、破折、微小亀裂、セメント不良、接着不良、又は欠陥場所の検出に加えて、構築前の材料の適合性を予測するのに有用であり得る。
【0251】
また、本発明は、構造物又は物体を構成する材料中の固有の欠陥と、外傷若しくは摩滅又は繰り返しの荷重に起因する上で論じたような亀裂又は破折等とを区別するのにも有用である。骨若しくはインプラントの材料構築物又は物理的構造物に固有の欠陥は、例えば、骨の病変、ポリマー、ポリマー複合物若しくは合金、又は金属複合物若しくは合金のインプラントの構築又は製造中の同様の欠陥を含み得る。
【0252】
スリーブ部分若しくは接触機構、並びに/又は、タブ又はタブ及び/若しくはコンポーネントによる計器の安定性はまた、検査結果を混乱させ得るぎくしゃくした作用を最小限にし得、例えば、骨構造物又は物理的若しくは産業構造物に固有の任意の欠陥は、検査者のぎくしゃくした作用によりかき消され得る。インプラント又は物理的若しくは産業構造物の安定性に、欠陥の場所及び範囲は、劇的に影響し得るので、この種の欠陥検出は重要である。一般的に、歯槽頂部又は根尖の欠陥等の病変が例えば、インプラントにおいて検出される場合、歯槽頂部及び根尖の両方に欠陥が存在する場合にはインプラントの安定性に影響を与える。従来は、費用のかかる放射線を要するプロセス以外にこの種の情報を収集する他の方法がなかった。本発明を用いると、この種の情報が収集され得、控えめな方法で行われ得る。
【0253】
本発明は更に、測定の検知及びシステムの動作を妥協することなく、測定を受ける物体上の衝撃を最小限にし、衝撃を微小にさえする、構造的特徴を測定するためのシステム及び方法に関する。一実施形態では、測定の検知を妥協することなく、より弱い衝撃力に対して、システムは、測定の良い感度を提示又は維持しつつ、測定中の物体上の衝撃の力を最小限にするように、軽量である及び/又はより低速で移動可能であるエネルギー印加ツール110を含む。一態様では、エネルギー印加ツール110、例えば、打診棒は、デバイスがハンドピースである場合にはハンドピースの重さを最小限にするために、より軽量の材料から作られ得る。別の実施形態では、エネルギー印加ツール110、例えば、打診棒は、ハンドピースのサイズも最小限にするように、より短く及び/又はより小さい直径で作られ得る。例えば、ツール110はチタンを含む材料から作られ得、又はツールは、中空シェルであり得、例えば、鉛で充填され得る。更なる実施形態では、システムは、エネルギー印加ツールの加速度を小さくし得る駆動機構を含み得る。例えば、駆動機構は、それが軽量であってもなくても、及び/又は長さ若しくは直径がより小さくてもそうでなくてもエネルギー印加ツールの加速度を、並びに測定の感度を維持しつつ、動作中の物体上の衝撃力を小さくするためにより小さな駆動コイルを含み得る。これらの実施形態は、より軽量のハンドピース筐体を含む、上で説明した実施形態の内の1つ以上と組み合わせ得る。測定を行う速度はまた、測定中の物体上の衝撃を最小限にするように、衝撃の初速度を増加させないことが望ましくてもよい。本発明は、接触において同じ初速度を維持し、それ故、システムの動作を妥協することなくより速い測定を可能にしつつ、例えば、約4mmから約2mmまで、エネルギー印加ツール110の走行距離を減少させ得る駆動機構を有する、構造的特徴を測定するための更に別のシステム及び方法に関する。システムは、前述した再現性を助長するための及び/又は機構との衝撃を小さくするための使い捨て部品及び/又は機構を有してもよく、有さなくてもよい。
【0254】
一般的に、本発明は更に、歯の健康又は物理的構造物の構造的完全性のリスクアセスメントの精度の新たな形式と、新たな方法で診断するための機会とを表す。本発明は、検体への運動エネルギー、検体により判定され得る負荷及び変位速度、衝撃時に測定される減速の管理、及び亀裂、破折、微小亀裂;微小破折;セメントシールの喪失;セメント不良;接着不良;微小漏洩;病変;虫歯;一般的な構造的完全性;一般的な構造的安定性又は欠陥場所のより正確な予測のための動的な機械的応答の分析を提供する。
【0255】
更に、クリティカルな方向の衝突負荷と共に、LC(損失係数)及びERG(エネルギーリターングラフ)等の構造的完全性の複数の指標が可能であり得る。本システムは、頬の荷重を提供する便利で容易な方法を提供し、上述した構造的特性を検査するための舌の方向等、その他の荷重方向が可能である。
【0256】
頬の荷重は、典型的には、例えば、歯により引き起こされる多くの危険な種類の荷重として重要である。一般的に、垂直方向の荷重は、歯に比較的低い応力を誘発する。しかしながら、作用及び/又は非作用の動きは、顎の横方向の運動と歯の咬合面の傾斜したジオメトリと修復との結果として側面方向の荷重を生み出す。この側面方向の荷重は、外面及び内面に、並びにマージンの下に遥かに高い応力集中を誘発し得る。それ故、本発明のシステムを使用すると、こうした検査は容易に実施され得る。端的に、システムは、補綴歯科的インプラント構造物、歯科的構造物、整形外科的構造物、又は整形外科的インプラントの構造的安定性、完全性、亀裂等の検出に適応されるだけでなく、移植又は修復後に遭遇し得る応力下での検査を通じた実際の構築及び交換プロセスでの使用にも適応され得る。
【0257】
自然の荷重は、(例えば、正弦波とは対照的に)典型的にはパルス状である。筋の、心血管の、作動、躍動、噛みしめ/歯ぎしり等の全ては、例えば、パルス状の荷重を生み出し得る。衝突荷重は、粘弾性の特性を測定し、構造物内の損傷を検出するために使用され得る。
【0258】
上述したように、本発明は、解剖学的及び非解剖学的な構造物の両方で使用され得る複合構造物及びその他の工業材料中の破折、微小破折、層間剥離等の内部の損傷の検出にも用途を有する。複合物は、一般的に、特にそれらが材料の引張強度に達する応力下にある場合に、非補強の材料よりも損傷進展に、より敏感である。本発明は、複合材料及びそれらからもたらされる構造物中の非破壊検査を通じた損傷を検出するのに有用である。
【0259】
本発明は、前述したように、解剖学的及び非解剖学的な両方の様々な物体上で検査することに適用可能であり得る。天然又は修復された歯、補綴歯科的インプラント構造物、歯科的構造物、又は整形外科的インプラント等の解剖学的物体に対しては、測定又は検査は、物体が定置されている間に一般的に実施される。ハニカム若しくは重構造ハニカムを含むポリマー複合構造物、又は金属複合構造物;機体構造物、自動車、船、橋、トンネル、列車、ビル、発電設備を含むがそれに限定されない産業構造物、アーチ構造物、又はその他の同様の物理的構造物を含み得るがそれらに限定されない機械的物体に対しては、検査はまた、移動中の移動物体上で実行され得る。
【0260】
図9は、方向Fに移動する列車90として示される移動物体の経路に沿って位置付けられたエネルギー印加ツール110のアレイ170の使用を説明する。一般的に、エネルギー印加ツール110は、移動物体の経路に沿って既知の間隔で位置付けられ得、測定のための所望の場所において列車90等の移動物体へのエネルギー放出を可能にするために、説明されるような支柱171による等して位置付けられ得る。一般的に、複数のエネルギー印加ツール110は、移動物体が通過する時に同じ場所の複数の測定を可能にするために、実質的に同じ場所へのエネルギーの放出を各々が発動するような移動物体の速度を解決する順序で、若しくは異なる場所での移動物体へエネルギー放出に一致して、又はそれらの組み合わせで等の、一時的に制御された方法で発動され得る。それ故、機械的物体は、それらが定置されている又は移動している場合にも検査を受けられ得、それは、実際の作動条件の下で物体に特定の洞察を与え得る。これは、一般的に物体の平均的な状態を得るために、物体90上の複数の地点に渡って1つのエネルギー印加ツール110を使用して実施され得、又は同じ地点上で平均的な結果を得るために、多くの別個のエネルギー印加ツール110又はデバイス100を使用して同じ地点上で実施され得る。この例では、実際の動作条件の下で測定が実施され得る。
【0261】
例えば、天然歯に向かった衝撃と関連する機械的エネルギーは、例えば、歯周靭帯により主に消散される。より具体的には、歯が衝撃を受けた場合、応力波は、歯を通じて、歯をその下にある骨に接続する機能を果たす歯周靭帯中に伝播される。それが変形するため、歯周靭帯は、衝撃に関連するかなりのエネルギーを消散するショックアブソーバとしての機能を果たす。この減衰プロセスは、周辺の骨に伝達される、もたらされる衝撃力を有利に減少させる。対照的に、歯科的インプラント補綴物は、例えば、使用される材料の性質が原因で、十分な量の機械的エネルギーを消散するための機構をしばしば何ら有しない。それ故、機械的エネルギーは、比較的僅かな減衰で、インプラント構造物から、下にある骨へ通過する傾向がある。機械的な挙動は、歯の上に比較的大きな衝撃力を与えるので、こうした挙動のこの差は、習慣的に歯ぎしりする/歯を噛みしめる人々にとって特に重大であり得る。物理的構造物に対しては、構造物中に制振材料が組み込まれようとも、組み込まれなくても、構造物に向かう衝撃と関連する機械的エネルギーは、亀裂、微小亀裂、破折、欠陥、又は任意の構造物的不安定性がない構造物に対するものとは異なる、亀裂、微小亀裂、破折、微小破折、層間剥離、欠陥、又は任意の構造物的不安定性がある場合の応答を生成し得る。
【0262】
材料が弾性の機械的エネルギーを消散する関連する範囲は、以前に論じたように損失係数を使用して特徴付けられ得る。損失係数の値は、天然歯を含む上述した物体の何れかのために、並びに、樹脂マトリックス複合物、金合金、金ラミネートと融合した磁器、二ケイ酸リチウム、ジルコニア、オールセラミックレストレーション、又は口腔内での使用に適した任意のその他の材料から作られた上部構造物等の、多種多様なインプラント支持の上部構造物のために判定され得る。インプラント支持の構造物は、典型的には、それらの天然歯の対応物よりも僅かに機械的エネルギーを消散する。しかしながら、機械的エネルギーを消散するインプラントの能力は、インプラントの周囲のオッセオインテグレーションのレベルに依存し、インプラントと取り囲む骨との間の貧弱なオッセオインテグレーションは、異常に高レベルのエネルギーの消散を生じさせ得る。それ故、エネルギーの消散は、例えば、骨リモルデリングに起因してインプラントを配置した後にまず増加するが、オッセオインテグレーションの進行と共に一般的にはその後減少する。最終的に、インプラントのエネルギーの消散(減衰)能は、オッセオインテグレーションプロセスの進行の完了と共に一定になる。上述したように、正常で健全な歯に対しては、咀嚼により生成される衝突エネルギーは、健全な骨と天然歯との境界における歯周靭帯によって減衰される。天然歯に損傷又は疾患がある場合、天然歯は、失われると共に、靭帯なしにインプラントに置き換えられる。最も多くの場合、成功裏に組み込まれたインプラントには、靭帯が何らない。この下では、インプラントは、衝突力を骨に直接伝達し得る。この喪失を補償するために、例えば、インプラントアバットメントを製作するためのジルコニア等の幾つかの複合物の使用は、多くの研究において効果的であることが示されている。本発明の計器は、解剖学的構造物、例えば、インプラントのため材料の製作若しくは構築及び/又は選択を助長することに仕え得る。アバットメント材料の負荷への動的応答の測定は、こうした目的に使用され得、移植前又は修復前にインプラントのための修復材料の適合性を予測するのに有用であり得る。
【0263】
例えば、ハンドピース100からの入力を取り扱うコンピュータは、時間対衝突応答、例えば、別々の期間に渡って幾つかのポイントで物体90から反射されたエネルギーの量が記録され得るように、メモリレジスタを更に含み得る。こうした実施形態では、物体90から戻されたエネルギーは、コンピュータに取り付けられた表示装置上に、時間の関数としてプロットされ得る。この構成は、物体90から反射されたエネルギーの時間-エネルギープロファイルをユーザが考察及び分析することを可能にする。
【0264】
時間-エネルギープロファイルの生成に加えて、圧電力センサ等の検知機構111から戻された信号についてその他の分析も実施され得る。例えば、物体90の変位に対して打診棒等のエネルギー印加ツール110に印加された力を統合することによって、衝撃と関連する仕事量が評価され得る。物体90との衝撃中に打診棒等のエネルギー印加ツール110に印加された力は、圧電力センサ等の検知機構111を使用して測定され得る。衝撃の後、仕事量は、物体90中に存在する欠陥の量に少なくとも部分的に依存する。具体的には、物体90中の欠陥は、エネルギー印加ツール110が物体90に衝撃を与えた時にその打診棒の運動エネルギーを消散し得、それによって、打診棒に戻されることが可能な弾性エネルギーの量を減少させる。
【0265】
一実施形態では、打診棒に戻された弾性エネルギーの量と、衝撃と関連する合計の仕事との比較は、物体90中に存在する構造的欠陥の量及び性質を判定するために使用され得る。別の実施形態では、ガウス分布のピーク又はその他の数学的に導かれるピークは、エネルギー、応力、又は力のデータ等の測定された衝突応答に適合され得る。残差又は平均誤差は、測定されたデータが欠陥のない物体90をどの程度近くに表すかを判定するために使用され得る。
【0266】
図10は、時間対衝突応答、例えば、歯の上で生成された時間-エネルギープロファイルの形状の例を示す。正常な歯に対しては、示されるように、滑らかな釣り鐘型の曲線が生成される。異常な歯に対しては、示されるように、様々な形状、例えば、非対称なプロファイル又は複数のピークのプロファイルを有する曲線が生成される。示されたプロファイルは歯に関連しているが、プロファイルは、解剖学的であろうが、産業上であろうが、物理的であろうが、上述した任意のその他の物体に一般化され得る。
【0267】
頬の荷重は、引き起こされるより危険な種類の応力であるので、移植された時の実際の応答と検査結果を関連付ける能力は、本発明の別の態様である。一般的に、咬合の噛みしめは、比較的低い応力を誘発し、仕事及び/又は仕事以外の動きは、遥かに高い応力を誘発し得、それは、内面に、及びセメント質-エナメル質マージンの下に最も高い応力の集中を生成し得る。それ故、本発明のシステムを使用することは、インプラント若しくは天然歯中の、又はインプラント若しくは天然歯ための材料又は構築物の最良な設計を選択することを助長し得る。これは、非解剖学的なシステムにも適用され得る。また、構造物のこの検査は、経時的にその場の構造的健全性を監視するための任意の解体的又は破壊的なプロセスなしに、構造物の寿命を通じて続き得る。
【0268】
非解剖学的物理的な検査は、歯科的構造物に対する方法と同様の方法で実行され得、例えば、複合ラミネート中の接着の非破壊的な検査。接着剤を使用して複合構造物を互いに接着することは、その他の接合方法よりも多くの利点を提供する。これらの利点は、大きな接着領域に渡る負荷の分散、重量の削減、及び異種材料を接合する能力、接着領域に渡るより高い硬質及び靭性、及び多くの場合、より低い製造コストを含む。しかしながら、接着剤を使用した場合の制限の内の1つは、組み立てられた接着接合部がその他の方法を使用する構造的条件に合致するか否かを非破壊的に判定することが不能であることであり、接着の健全性を確保するために、保守的な設計アプローチと、接着を通じて留め具を適用することを一般的に導く。本発明のシステム及び方法は、接着面上の汚染、又は接着剤の不適切な取扱い、混合、若しくは硬化に起因して、又は例えば、フルオロカーボン、シリコン、可塑剤が例えば、製造プロセスから導入され得る成形面の表面準備の不足から、接着剤の剪断強度が低い、接着剤の‘軽く触れる’接着を非破壊的に検出する能力を有する。これらの汚染物質は、接着剤と、剪断強度の減少を生じさせる接着面との間の接触角を減少させる傾向がある。結果として、形成される接着は、両基板が相互に本質的に‘軽く触れる’であろう時に負荷を支えることができないことがある。本発明は、複合構造物中の結果を検出するための非破壊的な検査を提供する。例えば、本発明は、他方が共通基準の実践によって接着される一方で、一方が表面準備技術の不足に続いて接着された2つの複合ラミネートを比較するために用いられ得る。実際の実験では、2つの事前硬化したカーボンファイバ/エポキシマトリクスラミネート305mm×305mm×1.59mm(12in×12in×0.0625in)が、121℃(250華氏)硬化でサポートされるエポキシフィルム接着剤と相互に接着された。一方の検体は、‘軽く触れる’接着をシミュレーションされたラミネートの中央の152mm×152mm(6in×6in)の領域中に適用された離型剤を有する一方で、他方の接着されたラミネートは、適用される離型剤を何ら有しなかった。接着不足を創出する離型剤を確保するために、それは、接着する前にラミネート面上に焼き付けられた。打診棒等のエネルギー印加ツール110を使用すると、図10aに示した結果は、軽く触れて接着された(弱く接着された)サンプルが、満足に接着された曲線とは異なる応答曲線を有することを示す。接着構造物では、本発明は、接着剤の厚さの差を検出することも可能であり得る。接着剤は一般的に粘弾性材料のものであるので、該剤の層が厚くなるにつれて、より多く減衰し、それ故、異なる応答がある。
【0269】
上述したように、本発明は、適用の容易性及び迅速性を提供し、微小漏洩、甚だしい再発性の虫歯、緩んだ支台/築造、支台空間中の虫歯、歯が修復不可能であろうと、甚だしい虫歯、ほぼ露髄、エナメル及び象牙質の亀裂、内部合金の破折、又は任意の生体工学的不適合、及び構造物内の移動を創出する欠陥等を非破壊的な方法で検出及び評価するために用いられ得る。これは、上述の産業上の又は物理的構造物にも当てはまる。
【0270】
発明は、具体的な態様、実施形態、及びその例に関して説明されているが、これらは、例証にすぎず、発明を限定するものではない。要約及び発明の概要中の説明を含む、発明の例証される実施形態の本明細書の説明は、網羅的であること、又は本明細書に開示される正確な形式に発明を限定することを意図しない(特に、要約又は発明の概要内の任意の特定の実施形態、機構、又は機能の包含は、そうした実施形態、機構、又は機能に発明の範囲を限定することを意図しない)。むしろ、説明は、要約又は発明の概要に説明されるそうした実施形態、機構、又は機能を含む、特に説明される任意の実施形態、機構、又は機能に発明を限定することなく、発明を理解するための内容を当業者に提供するために、例証される実施形態、機構、及び機能を説明することを意図する。発明の具体的な実施形態及び例が説明の目的のみのために本明細書に説明され、当業者が理解及び認識するであろうように、発明の精神及び範囲内で様々な同等の変更が可能である。示したように、発明の例証の実施形態の前述の説明に照らして、これらの変更が発明になされ得、発明の精神及び範囲内に含まれるべきである。それ故、発明は、その特定の実施形態を参照して本明細書に記述されているが、前述の開示において様々な変更及び代用が意図され、ある場合には、発明の実施形態の幾つかの機構は、記述されるように、発明の範囲及び精神から逸脱することなく、その他の機構の対応する使用なしに用いられるであろうことが理解されるであろう。したがって、特定の状況又は材料を発明の本質的な範囲及び精神に適合させるために、多くの変更がなされ得る。
【0271】
この明細書全体を通じて“一実施形態”、“実施形態”、又は“具体的な実施形態”又は同様の専門用語への言及は、実施形態に関連して説明される特定の機構、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ずしも全ての実施形態に存在しなくてもよいことを意味する。それ故、この、明細書全体を通じて様々な位置における句“一実施形態では”、“実施形態では”、又は“具体的な実施形態では”、又は同様の専門用語の個別の出現は、必ずしも同じ実施形態に言及していない。更に、任意の特定の実施形態の特定の機構、構造、又は特徴は、1つ以上のその他の実施形態と任意の適切な方法で組み合わせられ得る。本明細書に説明及び図示される実施形態のその他の変形及び変更が本明細書の教示に照らして可能であり、発明の精神及び範囲の一部として考慮されるべきであることは理解されるべきである。
【0272】
本明細書の説明において、発明の実施形態の完全な理解を提供するために、コンポーネント及び/又は方法の例等、多数の具体的詳細が提供される。しかしながら、具体的詳細の内の1つ以上なしに、又はその他の装置、システム、アセンブリ、方法、コンポーネント、材料、及び/又は部品等を用いて実施形態が実施されてもよいことは、当業者は分かるであろう。その他の実例では、発明の実施形態の側面を不明確にすることを避けるために、周知の構造、コンポーネント、システム、材料、又は動作は、特に詳細には図示又は説明されていない。発明は、特定の実施形態を使用することにより説明され得るが、このことは、発明を任意の特定の実施形態に限定せず、付加的な実施形態が容易に理解可能であり、この発明の一部であることを当業者は分かるであろう。
【0273】
本明細書で使用されるとき、用語“含む(comprises)”、“含む(comrising)”、“含む(includes)”、“含む(including)”、“有する(has)”、“有する(having)”、又はそれらの任意のその他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストが含むプロセス、製品、品目、又は装置は、必ずしもそれらの要素に限定されないだけでなく、明確にはリストされない、又はそうしたプロセス、製品、品目、又は装置に固有ではないその他の要素も含み得る。
【0274】
更に、本明細書に使用されるとき、用語“又は”は、特段の指示がない限り、一般的には、“及び/又は”を意図する。例えば、条件A又はBは、以下の内の何れか1つを満足する:Aが真であり(又は存在し)Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、A及びBの両方が真である(又は存在する)。後続の請求項の範囲を含む本明細書で使用されるとき、“a”又は“an”(及び先行詞が“a”又は“an”である場合の“the”)が前に付く用語は、明白に請求項内で他に示されない限り(すなわち、言及“a”又は“an”が明白に単数のみ又は複数のみを示さない限り)、そうした用語の単数及び複数の両方を含む。また、本明細書の説明で使用されるとき、“中(in)”の意味は、文脈が明白に他を命じない限り“中(in)”及び“上(on)”を含む。
図1
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図1j
図1k
図1l
図1m
図1n
図2
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
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図2i
図3
図3a
図4
図4a
図4b
図5
図5a
図6
図7
図8
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図8h
図9
図10
図10a
図11
図11a
図11b
図11c
図11d