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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/06 20060101AFI20240313BHJP
   H02K 5/18 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
H02K9/06 B
H02K5/18
H02K9/06 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020055565
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021158750
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】早坂 靖
(72)【発明者】
【氏名】時崎 栄一郎
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-103704(JP,A)
【文献】実開昭59-044156(JP,U)
【文献】実開平02-068653(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/06
H02K 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを有する回転子と、該回転子と所定の間隙(エアギャップ)をもって対向配置され、ステータフレームに支持された固定子と、前記シャフトを回転支持する軸受と、該軸受を保持するエンドブラケットとを備えた回転電機であって、
前記エンドブラケットの機内又は機外側に、前記軸受への熱の流入を防ぐ断熱層を設け、
前記軸受は、前記固定子と前記回転子を挟んで軸方向の2箇所で前記シャフトを回転支持しており、
しかも、前記ステータフレームの上部に設けられた空気冷却器と、前記軸受の一方側に配置され、前記シャフトに取り付けられて前記空気冷却器に冷却空気を導入する外扇と、前記軸受の他方側に配置され、前記シャフトに取り付けられて機内の空気を循環させる内扇とを備え、
前記断熱層は、前記内扇が配置されている側の前記エンドブラケットに配置され、
更に、前記断熱層と外気を連通する外気連通配管及び/又は弁を設け、前記外気連通配管及び/又は弁を介して前記断熱層に外気を導入することで前記軸受の昇温を抑えると共に、
前記外扇の外扇ダクトより導入された冷却空気を前記外気連通配管とは別に構成された配管にて入気し、前記配管を介して入気された前記冷却空気を、前記断熱層と外気を連結する前記外気連通配管に流通させて前記エンドブラケットを冷却することで前記軸受の昇温を抑えることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機であって、
前記断熱層は、内気の排気側の前記エンドブラケットに設置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機であって、
前記断熱層は、内気から分流した分流内気から前記エンドブラケットへの入熱を、前記エンドブラケットの内気側で、かつ、前記内扇の分流した前記分流内気に晒される部位に設置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項3に記載の回転電機であって、
前記エンドブラケットの外表面にフィンが設置されていることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
シャフトを有する回転子と、該回転子と所定の間隙(エアギャップ)をもって対向配置され、ステータフレームに支持された固定子と、前記シャフトを回転支持する軸受と、該軸受を保持するエンドブラケットとを備えた回転電機であって、
前記エンドブラケットの機内又は機外側に、前記軸受への熱の流入を防ぐ断熱層を設け、
前記軸受は、前記固定子と前記回転子を挟んで軸方向の2箇所で前記シャフトを回転支持しており、
しかも、前記ステータフレームの上部に設けられた空気冷却器と、前記軸受の一方側に配置され、前記シャフトに取り付けられて前記空気冷却器に冷却空気を導入する外扇と、前記シャフトに取り付けられて機内の空気を循環させる内扇とを備え、
前記内扇は、前記外扇側に設置されていると共に、前記断熱層は、前記内扇が設置されている側の前記エンドブラケットに配置され、
更に、前記断熱層と外気を連通する外気連通配管及び/又は弁を設け、前記外気連通配管及び/又は弁を介して前記断熱層に外気を導入することで前記軸受の昇温を抑えると共に、
前記外扇の外扇ダクトより導入された冷却空気を前記外気連通配管とは別に構成された配管にて入気し、前記配管を介して入気された前記冷却空気を、前記断熱層と外気を連結する前記外気連通配管に流通させて前記エンドブラケットを冷却することで前記軸受の昇温を抑えることを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項5に記載の回転電機であって、
前記外扇からの入気を、少なくとも前記外扇側の前記軸受及び前記エンドブラケットの周囲に導くことを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転電機であって、
前記断熱層は、前記エンドブラケットの内気側又は外気側にくぼみを設け、このくぼみに断熱材を配置し、前記断熱材を前記エンドブラケットにボルト固定されるカバーで封入していることを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項7に記載の回転電機であって、
前記断熱材は、空気層、グラスウール、ロックウール、真空断熱材のいずれかであることを特徴とする回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機に係り、特に、回転子のシャフトを支持する軸受部の冷却構造を改良した回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、固定子と回転子及び回転子のシャフトを支持する軸受部等から概略構成される回転電機は、その高出力密度の増加に伴い、コイル温度の上昇と回転電機内の冷却空気温度の上昇、そして、軸受部の温度上昇が発生する。
【0003】
転がり軸受等の軸受部は、グリースや油により潤滑されるが、軸受部の温度上昇を低減することが、グリースや油の劣化を低減し軸受の潤滑寿命の延長につながる。
【0004】
上記した軸受部の温度上昇を低減するために、回転電機には各種の冷却方式が設けられている。回転電機の冷却方式として、冷却風を外部から取り入れて回転電機内の各部を冷却する開放形と、回転電機内に冷却風を導入しない全閉形がある。全閉形は、一般的に、開放形に比べ冷却能力は劣るので、特に、軸受部の冷却性能の向上が要求される。
【0005】
回転電機における軸受部の冷却性能を向上させる先行技術文献としては、特許文献1及び2を挙げることができる。
【0006】
この特許文献1には、排気側の軸受を冷却するファンと通風路を設ける回転電機が開示され、一方、特許文献2には、冷却器のファンからの吐出空気により、すべり軸受の油槽とブラケットを冷却する回転電機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5143094号公報
【文献】特開昭63-107439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、軸受冷却のファンと通風路の形成など構造が複雑となる欠点があり、一方、特許文献2に開示された構造では、ブラケットに断熱層が無いので、固定子コアからの熱伝導による軸受の昇温を低減することができないという課題がある。
【0009】
本発明上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、内気による軸受への熱伝達と回転子コアからの熱伝導を低減して軸受の昇温を抑え、軸受の潤滑寿命を向上させることができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の回転電機は、上記目的を達成するために、シャフトを有する回転子と、該回転子と所定の間隙(エアギャップ)をもって対向配置され、ステータフレームに支持された固定子と、前記シャフトを回転支持する軸受と、該軸受を保持するエンドブラケットとを備えた回転電機であって、
前記エンドブラケットの機内又は機外側に、前記軸受への熱の流入を防ぐ断熱層を設け、
前記軸受は、前記固定子と前記回転子を挟んで軸方向の2箇所で前記シャフトを回転支持しており、
しかも、前記ステータフレームの上部に設けられた空気冷却器と、前記軸受の一方側に配置され、前記シャフトに取り付けられて前記空気冷却器に冷却空気を導入する外扇と、前記軸受の他方側に配置され、前記シャフトに取り付けられて機内の空気を循環させる内扇とを備え、
前記断熱層は、前記内扇が配置されている側の前記エンドブラケットに配置され、
更に、前記断熱層と外気を連通する外気連通配管及び/又は弁を設け、前記外気連通配管及び/又は弁を介して前記断熱層に外気を導入することで前記軸受の昇温を抑えると共に、
前記外扇の外扇ダクトより導入された冷却空気を前記外気連通配管とは別に構成された配管にて入気し、前記配管を介して入気された前記冷却空気を、前記断熱層と外気を連結する前記外気連通配管に流通させて前記エンドブラケットを冷却することで前記軸受の昇温を抑えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内気による軸受への熱伝達と回転子コアからの熱伝導を低減して軸受の昇温を抑え、軸受の潤滑寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の回転電機の実施例1を示す縦断面図である。
図2】本発明の回転電機の実施例1における軸受の近傍を拡大して示す部分断面図である。
図3】本発明の回転電機の実施例2を示す縦断面図である。
図4】本発明の回転電機の実施例3を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の回転電機を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0014】
図1及び図2に、本発明の回転電機の実施例1を示す。
【0015】
図1に示すように、本実施例の回転電機1は、固定子2と、この固定子2を支えるステータフレーム3と、ステータフレーム3に固定され、固定子2及び後述する回転子6を挟んで軸方向の2箇所に配置された軸受4a、4bを保持するエンドブラケット5a、5bと、軸受4a、4bに回転保持され、固定子2と所定の間隙(エアギャップ28)をもって対向配置されると共に、シャフト8を有する回転する回転子6と、回転子6を構成する回転子コア7と、シャフト8に取り付けられると共に、一方の軸受4a側に配置され、回転電機1内の空気を循環させる内扇9と、ステータフレーム3の上部に設けられた空気冷却器11と、シャフト8に取り付けられると共に、他方の軸受4b側に配置され、空気冷却器11に冷却空気を導入する外扇12とから概略構成されている。
【0016】
空気冷却器11は、外気13が内部を流通する管群14を備え、固定子2と回転子6を冷却した内気15を除熱するものである。外扇12は送風機であり、シャフト8の他端部(内扇9が配置されている側とは反対側)に接続され、外扇ダクト16の入気口から第1の外気13aを空気冷却器11に送り込むものである。
【0017】
次に、本実施例における回転電機1の通風による冷却の構成を説明する。
【0018】
図1に示すように、内扇9は、空気冷却器11で冷却された内気15を、回転電機1内に導入し、回転子6の内部に向かう第1の内気15aと、エアギャップ28に向かう第2の内気15bと、固定子コイルエンド部29に流れる第3の内気15cとに分流して流し、これらの内気15で固定子2と回転子6を冷却する。
【0019】
また、回転子6の内部に向かう第1の内気15aは、回転子6を冷却した後、エアギャップ28に流れ、一方、エアギャップ28に向かう第2の内気15bは、エアギャップ28に流れてきた第1の内気15aと合流して固定子2を冷却し、固定子フレーム17内に流入する。
【0020】
また、固定子コイルエンド部29に流れる第3の内気15cは、固定子コイルエンド部29を冷却した後、固定子フレーム17内に流入して、第1の内気15a及び第2の内気15bと合流し、最後に、内扇9が設置されている側で、冷却空気13bの下流側の固定子コイルエンド部29を冷却し、昇温した後、内扇9により空気冷却器11へ矢印18で示すように内気が導出される。
【0021】
また、空気冷却器11は、複数の管で構成された管群14を内部に備え、固定子2と回転子6を冷却した内気15を除熱するものであることは上述したが、管群14の内部には、外扇12により導かれた二次冷媒である第1の外気13aが流され、内気15が、空気冷却器11の内部で管群14の管の間を通過する際に、管内の第1の外気13aと管壁を介して熱交換し冷却される。
【0022】
以上が、一般的な回転電機1、特に、内気15を回転子6のシャフト8と平行に一方向に流して、回転子6と固定子2を冷却する回転電機1の冷却システムの構成である。
【0023】
この回転電機1の冷却システムでは、回転子6と固定子2を冷却した後の昇温した矢印18で示す内気が、軸受4aの温度を上昇させることがある。
【0024】
このため、本実施例では、軸受4aの温度上昇に伴う過熱を防止するように、内扇9が設置されている側で、かつ、冷却空気の下流側の軸受4aを取り付けているエンドブラケット5aに、軸受4aへの熱の流入を防ぐ断熱層19を設けている。
【0025】
図2に、本実施例の回転電機1における断熱層19を設けた軸受4aの近傍を拡大して示す。
【0026】
図2に示すように、軸受4aへの熱の流入は、順に、矢印18で示す内気からエンドブラケット5aへの熱伝達、及びエンドブラケット5aから軸受4aへの熱伝導である。
【0027】
具体的には、エンドブラケット5aから外輪4c、グリース4g、ボール4dに熱が伝わり、また、固定子2からステータフレーム3を熱伝導し、エンドブラケット5aに伝わる熱もあり、シャフト8から内輪4f、ボール4d、グリース4gへ伝わる熱もある。更に、ボール4dと内輪4f、外輪4cとの摩擦熱やボール4dがグリース4gを攪拌することによって発生する熱もある。
【0028】
軸受4aの冷却は、軸受4aの潤滑材を冷却する装置を有しない場合は、外気に晒されるベアリングボックス20から外気への熱伝達が主である。特に、グリース潤滑の転がり軸受では、基本的に、その他の冷却要素はない。
【0029】
このため、本実施例では、軸受4aの温度を低減してグリース4gの劣化を抑え、軸受4aの潤滑寿命を延ばすために、軸受4aへの入熱を減らし、冷却を向上させる簡便な構造を実現している。即ち、矢印18で示した内気から分流した分流内気18aからエンドブラケット5aへの入熱を、エンドブラケット5aの内気側で、かつ、内扇9の分流内気18aに晒される部位に断熱層19を設けている。
【0030】
具体的には、エンドブラケット5aの内気側にくぼみ21を設け、このくぼみ21に断熱材24を配置し、断熱材24をエンドブラケット5aにボルト固定されるカバー22で封入している。
【0031】
なお、断熱材24は、一般的なグラスウール、ロックウール、真空断熱材のようなものでもよいが、空気層としても構わない。
【0032】
断熱材14を空気層とする場合には、くぼみ21にある空気層を覆うカバー22は、カバー22の内外周にボルト23を適切に設置して、断熱層19と分流内気18aの往来を防止することが重要である。この時、断熱層19と外気を連通する外気連通配管25や弁を設けて、断熱層19に低温の外気を導いてもよい。
【0033】
上記したエンドブラケット5aに設けたくぼみ21と断熱層19及び断熱材24は、固定子2からステータフレーム3を熱伝導してくる熱に対しても熱抵抗となり、軸受4aへの入熱を抑え、軸受4aの昇温を低減することができる。
【0034】
また、エンドブラケット5aの外表面にフィン(図示せず)を設けて、エンドブラケット5aの外表面の外気による熱伝達特性を向上させることにより、軸受4aの温度を更に低減することができる。
【0035】
また、本実施例では、冷却に回転子6と直結した空気冷却器11の入気ファンである外扇12の入気を、冷却空気13bとして用いて冷却している(図1参照)。即ち、外扇ダクト16より、外扇12の冷却空気13bを配管26にて入気し、その冷却空気13bを軸受4a、ベアリングボックス20やエンドブラケット5a、冷却フィン等に吐出することにより、軸受4aから熱を奪い、軸受4aの温度を低減することができる。
【0036】
更に、図示しないが、上記した各構成を工夫したり、組み合わせたりすることにより、軸受4aの温度を低減することができる。例えば、断熱層19を設けるエンドブラケット5aのくぼみ21を外気側に設け、このくぼみ21に断熱材24を設けて断熱層19としてもよい。これは、断熱層19をエンドブラケット5aの機外側に設けることでもある。
【0037】
これにより、断熱層19への内気の流入、流出によるエンドブラケット5aの熱伝達による昇温が防止され、軸受4aの昇温を抑え、軸受4aの潤滑寿命を向上させることが可能となる。
【0038】
また、断熱層19と外気を連結する外気連通配管25や弁を設け、ここに、外部の冷媒、空気冷却器11の冷媒、例えば、空気や水を流通させて冷却しても、軸受4aの昇温を抑え、軸受4aの潤滑寿命を向上させることができる効果が得られる。
【0039】
もっとも簡便には、外扇ダクト16より、外扇12の冷却空気13bを配管26にて入気し、配管26を入気してきた冷却空気27を断熱層19と外気を連結する外気連通配管25に流通させてエンドブラケット5aを冷却すれば、より効果的に軸受4aの昇温を抑え、軸受4aの潤滑寿命をより効果的に向上させることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施例によれば、内気による軸受4aへの熱伝達と回転子コア7からの熱伝導を低減して軸受4aの昇温を抑え、軸受4aの潤滑寿命を向上させることができる。
【実施例2】
【0041】
図3に、本発明の回転電機1の実施例2を示す。
【0042】
図3に示す実施例2の回転電機1は、図1に示す実施例1の回転電機1とほぼ同様であるが、内扇9が外扇12側に設けられている点が異なる。即ち、内扇9は、外扇12側に設置されており、しかも、断熱層19は、内扇9が設置されている側のエンドブラケット5bに配置されているものである。
【0043】
本実施例の回転電機1では、内扇9の排気側となる軸受4bは、回転子6と固定子2を冷却して昇温した分流内気18aにより、過熱されて温度上昇することがある。
【0044】
このため、実施例2の回転電機1では、内扇9の排気側となる軸受4bの過熱を防止するように、内扇9がある側で、冷却空気の下流側の軸受4bを取り付けているエンドブラケット5bに断熱層19を設けている。他の構成は、実施例1の回転電機1と同様である。
【0045】
また、実施例1と同様に、断熱層19と外気を連結する外気連通配管25や弁を設け、ここに、外部の冷媒、空気冷却器11の冷媒、例えば、空気や水を流通させて冷却しても軸受4bの昇温を低減することができる。
【0046】
もっとも簡便には、冷却ダクト16より、外扇12の冷却空気13bを配管26にて入気し、この冷却空気27を断熱層19と外気を連結する外気連通配管25に流通させてエンドブラケット5bを冷却すれば、より効果的に軸受4bの昇温を低減することができる。
【0047】
このような本実施例であっても実施例1と同様な効果が得られることは勿論、内気の排気側の軸受4bが、外扇ダクト16に近接しているので、外扇12の冷却空気13bを冷却に使う際に、配管26を短くすることができる効果もある。
【実施例3】
【0048】
図4に、本発明の回転電機1の実施例3を示す。
【0049】
図4に示す実施例3の回転電機1は、図3に示す実施例2の回転電機1とほぼ同様であるが、回転子6と直結した冷却器の入気ファンである外扇12からの外気13の入気を、軸受4b、ベアリングボックス20やエンドブラケット5b、冷却フィン30の周りに導いて軸受4から熱を奪い、軸受4の温度を低減するものである。他の構成は、実施例2の回転電機1と同様である。
【0050】
このような本実施例であっても実施例2と同様な効果が得られることは勿論、更に、軸受4bの冷却を強化することができる。
【0051】
なお、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…回転電機、2…固定子、3…ステータフレーム、4a、4b…軸受、4c…外輪、4d…ボール、4g…グリース、4f…内輪、5a、5b…エンドブラケット、6…回転子、7…回転子コア、8…シャフト、9…内扇、11…空気冷却器、12…外扇、13…外気、13a…第1の外気、13b…冷却空気、14…管群、15…内気、15a…第1の内気、15b…第2の内気、15c…第3の内気、16…外扇ダクト、17…固定子フレーム、18…内気の流れを示す矢印、18a…分流内気、19…断熱層、20…ベアリングボックス、21…くぼみ、22…カバー、23…ボルト、24…断熱材、25…外気連通配管、26…配管、27…冷却空気、28…エアギャップ、29…固定子コイルエンド部、30…冷却フィン。
図1
図2
図3
図4