(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240325BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240325BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/30 562
(21)【出願番号】P 2019133793
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-045613(JP,A)
【文献】特開2008-263004(JP,A)
【文献】特表2015-508236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻
し、
前記キャリア載置台は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上面の上あるいは上方に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の基板処理装置において、
前記インデクサブロック、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリアを保管するためのキャリア保管棚と、
前記インデクサブロック、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、
を更に備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、
前記キャリアを保管するキャリア保管棚と、
前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、
を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、
前記キャリア保管棚および前記キャリア搬送機構は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックのうちの高さが低い方のブロック上に搭載されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記第2処理ブロックは、前記第1処理ブロックと同じ内容の処理を行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、
前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアと、前記基板バッファとの間で基板を搬送することを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、
前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、
前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアと、前記基板バッファとの間で基板を搬送し、
前記インデクサブロックは、前記インデクサ用基板搬送機構に加えて、もう1つのインデクサ用基板搬送機構を内部に備え、
前記2つのインデクサ用基板搬送機構は、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックとが配置される方向と直交する方向で、前記基板バッファを挟み込むように配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、
前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、
前記第1処理ブロックは、第1搬送機構を有し、
前記第2処理ブロックは、第2搬送機構を有し、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記第1搬送機構により前記
複数の基板載置部から基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い
、前記第1処理が行われた基板を
前記第1搬送機構により前記
複数の基板載置部に搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記第2搬送機構により前記
複数の基板載置部から基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い
、前記第2処理が行われた基板を
前記第2搬送機構により前記
複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、
前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方は、積み重ねるように配置された複数の処理層を有し、
前記基板バッファは、前記複数の処理層の階層に対応して設けられた複数のバッファ部を備え、
前記バッファ部は各々、前記インデクサブロックに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、
前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、
前記基板載置部の各々は、鉛直軸周りに配置され、1枚の基板を支えるための3つの支持ピンを有し、
前記3つの支持ピンは、前記基板載置部の各々に対して着脱可能に構成され、
前記基板載置部の各々の3つの支持ピンは、1つ上および1つ下の基板載置部の3つの支持ピンと平面視で重ならないように配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理ブロックと、
第2処理ブロックと、を備えている基板処理装置の基板搬送方法において、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記インデクサブロックによって、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送する工程と、
前記第1処理ブロックによって、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送する工程と、
前記第2処理ブロックによって、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送する工程と、
前記インデクサブロックによって、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻す工程と、
を備え
、
前記キャリア載置台は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上面の上あるいは上方に配置されていることを特徴とする基板処理装置の基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置および、基板処理装置の基板搬送方法に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置201は、
図26に示すように、インデクサブロック(以下適宜、「IDブロック」と呼ぶ)202と処理ブロック203とを備えている(例えば、特許文献1参照)。IDブロック202は、複数の基板を収納可能なキャリアCを載置するキャリア載置台216と、キャリア載置台216に載置されたキャリアCと処理ブロック203との間で基板を搬送する基板搬送ロボット(図示せず)とを備えている。処理ブロック203は、基板に対して例えばレジスト液を塗布する塗布処理を行う。
【0003】
また、基板処理装置201は、ストッカ装置(キャリアバッファ装置)208を備えている(例えば、特許文献2参照)。ストッカ装置208は、キャリア載置台216側に水平方向に延長するように配置されている。ストッカ装置208は、キャリアCを搬送するキャリア搬送機構261と、キャリアCを保管するための保管棚263とを備えている。
【0004】
なお、特許文献3には、IDブロックと処理ブロックとの間に配置された受渡ブロックを備えた基板処理システムが開示されている。受渡ブロックは、上下方向に配置された複数のバッファ部と、複数のバッファ部を挟んで配置された2つの移し換え装置とを備えている。2つの移し換え装置は、IDブロックと処理ブロックとが配置される方向(X方向)と直交する水平方向(Y方向)に配置されている。
【0005】
また、特許文献4には、塗布処理ブロック、カセットステーション(IDブロック)および現像処理ブロックがこの順番で水平方向に直線状に連結されている基板処理装置が開示されている。カセットステーションは、未処理の基板および処理済の基板のいずれかを収容する4個のカセットが配置できるように構成されている。また、塗布処理ブロックとカセットステーションとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第1載置台が設けられると共に、カセットステーションと現像処理ブロックとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第2載置台が設けられる。カセットステーションの1つの搬送機構は、それらの載置台を介して、塗布処理ブロックおよび現像処理ブロックに基板を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-022570号公報
【文献】特開2011-187796号公報
【文献】特開2016-201526号公報
【文献】特開平09-045613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基板処理装置201の処理ブロック203は、上下に積み重ねられた複数の処理層(例えば
図26の2つの処理層203A,203B)を備えている。これにより、処理層の個数に応じて、基板を並行処理することができる。しかしながら、基板処理装置201の高さに制限があり、積み重ねられる処理層にも限界がある。
【0008】
そこで、例えば、
図27に示す基板処理装置201を採用することができる。
図27に示す基板処理装置201は、水平方向に2つの処理ブロック203,205を備えている。処理ブロック203は、2つの処理層203A,203Bを備えている。処理ブロック205は、2つの処理層205A,205Bを備えている。
【0009】
このような構成の場合は次の問題がある。例えば、IDブロック202から処理層205Aに基板を搬送する場合、処理層203Aを通過させなければならない。また、処理層205Aで処理された基板をIDブロック202に戻す場合も、処理層203Aを通過させなければならない。そのため、IDブロック202と処理層205Aとの間の基板搬送が、処理層203Aのスループットを低下させるおそれがある。また、基板処理装置201全体としてもスループットを低下させるおそれがある。また、
図27に示す基板処理装置201は、制御も複雑になるおそれがある。さらに、基板処理装置1は、そのフットプリントを減少することが求められる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スループットの低下を防止し、処理層の個数を増やすことができ、さらにフットプリントを減少することができる基板処理装置および基板搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、前記キャリア載置台は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上面の上あるいは上方に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、例えばインデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックの順番に配置すると、第2処理ブロックで基板処理するために、基板処理を行わずに第1処理ブロックを通過する動作が必要になる。この点、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
【0013】
また、例えば、インデクサブロックと第1処理ブロックとの間に第1の基板バッファが設けられると共に、インデクサブロックと第2処理ブロックとの間に第2の基板バッファが設けられると仮定する。この場合、2つの基板バッファが、インデクサブロックの両側に2つの処理ブロックが配置される方向に配置されることになる。そのため、基板処理装置1がその方向に長くなる可能性がある。本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
【0014】
また、例えば、インデクサブロックの側面にキャリア載置台が配置していると、キャリア載置台が配置された分で、基板処理装置のフットプリントが大きくなる。この点、本発明によれば、キャリア載置台が、インデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックの少なくともいずれかと、平面視で重なる。そのため、基板処理装置のフットプリントの増加を抑えることができる。
【0015】
また、上述の基板処理装置において、前記インデクサブロック、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリアを保管するためのキャリア保管棚と、前記インデクサブロック、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を更に備えていることが好ましい。
【0016】
キャリア保管棚およびキャリア搬送機構が、インデクサブロックおよび2つの処理ブロックに対して水平方向に設けられると、その分で、基板処理装置のフットプリントが大きくなる。この点、キャリア保管棚およびキャリア搬送機構が、インデクサブロックおよび2つの処理ブロックの少なくともいずれかと平面視で重なるように配置される。そのため、基板処理装置のフットプリントの増加を抑えることができる。そのため、基板処理装置を限られたフットプリントに収めることができる。
【0017】
また、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、前記キャリアを保管するキャリア保管棚と、前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、前記キャリア保管棚および前記キャリア搬送機構は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックのうちの高さが低い方のブロック上に搭載されていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、キャリア保管棚およびキャリア搬送機構が、インデクサブロックおよび2つの処理ブロックに対して水平方向に設けられると、その分で、基板処理装置のフットプリントが大きくなる。この点、キャリア保管棚およびキャリア搬送機構が、2つの処理ブロックの一方と平面視で重なるように配置される。そのため、基板処理装置のフットプリントの増加を抑えることができる。また、キャリア保管棚およびキャリア搬送機構は、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックのうちの高さが低い方のブロック上に搭載されている。そのため、基板処理装置の高さを抑えることができる。
【0019】
また、上述の基板処理装置において、前記第2処理ブロックは、前記第1処理ブロックと同じ内容の処理を行うことが好ましい。これにより、並行処理する個数を増やすことができる。
【0020】
また、上述の基板処理装置において、前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアと、前記基板バッファとの間で基板を搬送することが好ましい。これにより、インデクサ用基板搬送機構は、キャリア載置台に載置されたキャリアと、基板バッファとの間で基板を搬送することができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは、インデクサ用基板搬送機構によって基板バッファに載置された基板を取り合うことができる。
【0021】
また、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアと、前記基板バッファとの間で基板を搬送し、前記インデクサブロックは、前記インデクサ用基板搬送機構に加えて、もう1つのインデクサ用基板搬送機構を内部に備え、前記2つのインデクサ用基板搬送機構は、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックとが配置される方向と直交する方向で、前記基板バッファを挟み込むように配置されていることを特徴とするものである。
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、2つの処理ブロックは、基板バッファを挟み込むように配置される。また、2つのインデクサ用基板搬送機構は、2つの処理ブロックが配置される方向と直交する方向で、基板バッファを挟み込むように配置される。これにより、基板バッファに対して水平の4方向から基板を取り合うことできる。
また、インデクサ用基板搬送機構は、キャリア載置台に載置されたキャリアと、基板バッファとの間で基板を搬送することができる。
【0022】
また、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、前記第1処理ブロックは、第1搬送機構を有し、前記第2処理ブロックは、第2搬送機構を有し、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、前記第1処理ブロックは、前記第1搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記第2処理ブロックは、前記第2搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、基板に対して第1処理および第2処理を行うことができる。第1処理ブロックから第2処理ブロックへの基板の搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに、基板バッファを介して行うことができる。そのため、インデクサブロックによる基板搬送の負荷を軽減することができる。そのため、基板搬送を効率良く行うことができ、スループットの低下を防止できる。
【0024】
また、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方は、積み重ねるように配置された複数の処理層を有し、前記基板バッファは、前記複数の処理層の階層に対応して設けられた複数のバッファ部を備え、前記バッファ部は各々、前記インデクサブロックに対して着脱可能に構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、基板バッファは複数のバッファ部を備えている。各バッファ部は、個々に、着脱可能に構成されている。そのため、個々に、バッファ部を搬送できるので、基板バッファの搬送が容易である。
【0025】
また、本発明に係る基板処理装置は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送し、前記第1処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記第2処理ブロックは、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送し、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻し、前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、前記基板載置部の各々は、鉛直軸周りに配置され、1枚の基板を支えるための3つの支持ピンを有し、前記3つの支持ピンは、前記基板載置部の各々に対して着脱可能に構成され、前記基板載置部の各々の3つの支持ピンは、1つ上および1つ下の基板載置部の3つの支持ピンと平面視で重ならないように配置されていることが好ましい。
【0026】
本発明に係る基板処理装置によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、平面視で2つの支持ピンが重なる場合、上側の支持ピンを着脱するときに、工具が下側の支持ピンに触れてしまう可能性がある。これに対し、平面視で2つの支持ピンが重ならない場合は、上側の支持ピンを着脱するときに、工具が下側の支持ピンに触れてしまう可能性が減少する。そのため、支持ピンの着脱が容易になる。よって、各バッファ部のメンテナンス性が向上する。
【0027】
また、本発明に係る基板処理装置の基板搬送方法は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理ブロックと、第2処理ブロックと、を備えている基板処理装置の基板搬送方法において、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理ブロックと前記第2処理ブロックの中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記インデクサブロックによって、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出して前記基板バッファに搬送する工程と、前記第1処理ブロックによって、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送する工程と、前記第2処理ブロックによって、前記基板バッファから基板を受け取って、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記基板バッファに搬送する工程と、前記インデクサブロックによって、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくとも一方から搬送された基板を、前記基板バッファから前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻す工程と、を備え、前記キャリア載置台は、前記第1処理ブロックおよび前記第2処理ブロックの少なくともいずれかの上面の上あるいは上方に配置されていることを特徴とするものである。
【0028】
本発明に係る基板処理装置の基板搬送方法によれば、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックが積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層の個数を増やすことができる。また、例えばインデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックの順番に配置すると、第2処理ブロックで基板処理するために、基板処理を行わずに第1処理ブロックを通過する動作が必要になる。この点、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックは各々、インデクサブロックに直接連結している。そのため、基板処理を行わずに処理ブロックを通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
【0029】
また、例えば、インデクサブロックと第1処理ブロックとの間に第1の基板バッファが設けられると共に、インデクサブロックと第2処理ブロックとの間に第2の基板バッファが設けられると仮定する。この場合、2つの基板バッファが、インデクサブロックの両側に2つの処理ブロックが配置される方向に配置されることになる。そのため、基板処理装置1がその方向に長くなる可能性がある。本発明によれば、2つの処理ブロックの両方によって基板が搬送される基板バッファが2つの処理ブロックの中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファと第2の基板バッファとが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。そのため、基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。すなわち、基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
また、例えば、インデクサブロックの側面にキャリア載置台が配置していると、キャリア載置台が配置された分で、基板処理装置のフットプリントが大きくなる。この点、本発明によれば、キャリア載置台が、インデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックの少なくともいずれかと、平面視で重なる。そのため、基板処理装置のフットプリントの増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る基板処理装置およびこの基板搬送方法によれば、スループットの低下を防止し、処理層の個数を増やすことができ、さらにフットプリントを減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。
【
図2】実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。
【
図3】実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
【
図4】インデクサブロックの基板搬送機構を示す図である。
【
図5】2つのハンドおよび進退駆動部の平面図である。
【
図8】基板載置部に4方向から進入が可能であることを説明するための図である。
【
図9】実施例1に係る基板処理装置の右側面図である。
【
図10】実施例1に係る基板処理装置の左側面図である。
【
図12】複数の基板処理装置の設置方法について説明するための図である。
【
図13】実施例1に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】基板処理装置1の効果を説明するための図である。
【
図16】実施例2に係る基板処理装置の右側面図である。
【
図17】実施例2に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図18】(a)、(b)は、バッファ部の着脱を説明するための図である。
【
図19】(a)~(d)は、基板載置部における3つの支持ピンの配置を説明するための図である。
【
図20】(a)~(d)は、支持ピンを説明するための図である。
【
図21】実施例4に係る基板処理装置の右側面図である。
【
図22】実施例4に係る基板処理装置の平面図である。
【
図23】(a)は、上下に配置される2つのオープナを示す図であり、(b)は、
図22のA-Aから見た、キャリア保管棚が2段で構成されることを説明するための図である。
【
図24】実施例5に係る基板処理装置の右側面図である。
【
図25】実施例5に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【実施例1】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。
図2は、実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。
図3は、実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
【0033】
(1)基板処理装置1の構成
図1、
図2を参照する。基板処理装置1は、IDブロック(インデクサブロック)2、第1処理ブロック3、第2処理ブロック5およびキャリアバッファ装置8を備えている。第1処理ブロック3、IDブロック2および第2処理ブロック5は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。具体的には、第1処理ブロック3は、IDブロック2に対して水平方向(X方向)に連結されている。第2処理ブロック5は、IDブロック2を挟み込むように第1処理ブロック3の反対側に配置され、IDブロック2に連結されている。
【0034】
また、基板処理装置1は、
図2に示すように、制御部9と、操作部10とを備えている。制御部9は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部9は、基板処理装置1の各構成を制御する。操作部10は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、基板処理の各種条件および基板処理装置1の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0035】
(1-1)IDブロック2の構成
IDブロック2は、
図2、
図3に示すように、4つのオープナ(キャリア載置部)11~14と、2つの基板搬送機構(ロボット)MHU1,MHU2と、単一の基板バッファBFとを備えている。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2と基板バッファBFは、IDブロック2の内部に配置される。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、本発明のインデクサ用基板搬送機構に相当する。
【0036】
(1-1-1)オープナ11~14等の構成
4つのオープナ11~14は、IDブロック2の外壁に設けられている。2つのオープナ11,12は、第1基板搬送機構MHU1がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第1基板搬送機構MHU1の周囲に配置されている。
図2において、2つのオープナ11,12は、基板搬送機構MHU1を挟み込むよう前後方向(X方向)に配置されている。2つのオープナ11,12と同様に、2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第2基板搬送機構MHU2の周囲に配置されている。2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2を挟み込むように前後方向に配置されている。
【0037】
4つのオープナ11~14は各々、
図1に示すように、載置台16、開口部18、シャッタ部材(図示しない)、およびシャッタ部材駆動機構(図示しない)を備えている。載置台16は、キャリアCを載置するために用いられる。
【0038】
キャリアCは、水平姿勢の複数(例えば25枚)の基板Wを収納することができる。キャリアC内において、複数の基板Wは、上下方向(Z方向)に配置され、隣接する2枚の基板Wの間には、隙間が設けられる。キャリアCは、例えばフープ(FOUP:Front Open Unified Pod)が用いられるが、フープ以外の容器である、例えばSMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドであってもよい。キャリアCは、例えば、基板Wを出し入れするための開口部が設けられ、基板Wが収納されるキャリア本体と、開口部を塞ぐための蓋部とを備えている。なお、載置台16は、本発明のキャリア載置台に相当する。
【0039】
開口部18は、基板Wを通すために用いられる。シャッタ部材は、開口部18の開閉を行うと共に、キャリアCのキャリア本体に対して蓋部の着脱を行う。シャッタ部材駆動部は、電動モータを備えており、シャッタ部材を駆動する。シャッタ部材は、キャリア本体から蓋部を外した後、例えば開口部18に沿って水平方向(Y方向)、あるいは下方向(Z方向)に移動される。
【0040】
載置台16は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の上方に配置されている。具体的には、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3よりも上に配置されている。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5よりも上に配置されている。なお、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3の上面または屋上に設けられていてもよい。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5の上面または屋上に設けられていてもよい。例えば、IDブロック2の側面に載置台16(オープナ)が配置していると、載置台16が配置された分で、基板処理装置1のフットプリントが大きくなる。この点、載置台16が、IDブロック2、2つの処理ブロック3,5の少なくともいずれかと、平面視で重なる。そのため、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。
【0041】
(1-1-2)基板搬送機構MHU1,MHU2の構成
図2に示すように、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5とが配置される前後方向(X方向)と直交する方向(Y方向)で、基板バッファBFを挟み込むように配置されている。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、基板バッファBFに対して基板Wを出し入れする。また、第1基板搬送機構MHU1は、2つのオープナ11,12の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送する。第2基板搬送機構MHU2は、2つのオープナ13,14の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送する。
【0042】
図4、
図5を参照する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21、進退駆動部23、および昇降回転駆動部25を備えている。2つのハンド21は各々、基板Wを保持する。2つのハンド21は個々に水平方向に進退可能である。そのため、キャリアCから1枚の基板Wを取り出したり、2枚の基板Wを同時に取り出したりすることができる。
【0043】
ハンド21は、
図5に示すように、1つの基礎部分21Aと、その基礎部分21Aから分かれた2つの先端部分21B,21Cとを有し、Y字状、U字状または二叉フォーク状に構成されている。基礎部分21Aおよび、2つの先端部分21B,21Cには、基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部27A,27B,27Cが設けられている。3つの吸着部27A~27Cは、例えば、配管を介して接続されるポンプによって吸着力が与えられるように構成されている。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21を備えているが、3つ以上のハンド21を備えていてもよい。
【0044】
進退駆動部23は、各ハンド21を移動可能に支持すると共に、各ハンド21を進退移動させる。進退駆動部23は、1つのハンド21を駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。
【0045】
昇降回転駆動部25は、進退駆動部23を昇降および回転させることで、2つのハンド21を昇降および回転させる。昇降回転駆動部25は、
図4に示すように、支柱部25Aと回転部25Bを備えている。支柱部25Aは、上下方向に延びるように設けられている。支柱部25Aは、IDブロック2の床部に固定されている。そのため、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向(XY方向)の位置は、移動されずに固定されている。回転部25Bは、進退駆動部23を鉛直軸AX1周りに回転させる。昇降回転駆動部25による昇降および回転は、電動モータによって駆動される。
【0046】
(1-1-3)基板バッファBFの構成
基板バッファBFは、複数の基板Wを載置する。基板バッファBFは、
図2に示すように、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5の中間(中央)に配置されている。これにより、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5は共に、基板バッファBFに対して基板Wを出し入れすることができる。基板バッファBFは、
図1に示すように、2つのバッファ部BU1,BU2を備えている。2つのバッファ部BU1,BU2は、上下方向に1列で配置されている。
【0047】
第1バッファ部BU1は、2つの処理層A1,B1に対応して設けられている。すなわち、第1バッファ部BU1は、第1処理ブロック3の第1処理層A1および第2処理ブロック5の第1処理層B1と同じ階層(すなわち1階)に設けられている。また、第2バッファ部BU2は、2つの処理層A2,B2に対応して設けられている。すなわち、第2バッファ部BU2は、第1処理ブロック3の第2処理層A2および第2処理ブロック5の第2処理層B2と同じ階層(すなわち2階)に設けられている。
【0048】
次に、
図6を参照しつつ、2つのバッファ部BU1,BU2について説明する。2つのバッファ部BU1,BU2は各々、複数(例えば16個)の基板載置部31を備えている。複数の基板載置部31は、隙間を設けながら上下方向に1列で配置されている。複数の基板載置部31は、2つのバッファ部BU1,BU2ごとに、上下方向の4本のフレーム33で四隅を支持されている。
【0049】
各基板載置部31は、
図6に示すように、横から見ると、薄板状に形成されている。各基板載置部31は、
図7に示すように、上から見るとX字状に形成されている。そのX字状の交差部分に対応する各基板載置部31の中央部分には、1枚の基板Wを支えるための3つの支持ピン35が設けられている。3つの支持ピン35は、鉛直軸AX2周りに等間隔(120°の間隔)で配置されている。このような構造により、
図8に示すように、ハンド21(41)が水平の4方向から基板載置部31の上方に(すなわち隣接する2つの基板載置部31の隙間に)進入することができる。これにより、ハンド21(41)は、水平の4方向の各々で、3つの支持ピン35上に基板Wを置いたり、3つの支持ピン35上から基板Wを取ったりできる。
【0050】
第1基板搬送機構MHU1の各ハンド21は、各基板載置部31に対して
図8の紙面下側から接近する。同様に、第2基板搬送機構MHU2の各ハンド21は、各基板載置部31に対して
図8の紙面上側から接近する。第1処理ブロック3の各ハンド41は、各基板載置部31に対して
図8の紙面左側から接近する。第2処理ブロック5の各ハンド41は、各基板載置部31に対して
図8の紙面右側から接近する。なお、ハンド21,41同士の干渉を防止するために、所定の方向からのハンド21(41)が特定の基板載置部31の上方に進入している場合、その他の3方向のハンド21(41)は、その特定の基板載置部31の上方に進入しないように構成されている。
【0051】
また、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2および、2つの処理ブロック3,5の2つの基板搬送機構MHU3,MHU4(後述)は各々、2つのバッファ部BU1,BU2の全ての基板載置部31に対して基板Wを置いたり、基板Wを取ったりすることができる。それにより、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2および2つの基板搬送機構MHU3,MHU4は、基板バッファBF(または所定の基板載置部31)に載置された基板Wを取り合うことができるように構成されている。
【0052】
なお、バッファ部BU1は、16個の基板載置部31を備えている。
図6に示すように、バッファ部BU1は、2つの送り部SN1,SN2および2つの戻り部RT1,RT2を備えている。2つの送り部SN1,SN2は各々、例えば4つの基板載置部31を備えている。また、2つの戻り部RT1,RT2は各々、例えば4つの基板載置部31を備えている。バッファ部BU1と同様に、バッファ部BU2は、2つの送り部SN3,SN4および2つの戻り部RT3,RT4を備えている。2つの送り部SN3,SN4は各々、例えば4つの基板載置部31を備えている。また、2つの戻り部RT3,RT4は各々、例えば4つの基板載置部31を備えている。
【0053】
(1-2)処理ブロック3,5の構成
図1、
図2を参照する。第1処理ブロック3は、2つの処理層A1,A2を備えている。2つの処理層A1,A2は、積み重ねるように上下方向に配置されている。第2処理ブロック5は、2つの処理層B1,B2を備えている。2つの処理層B1,B2は、積み重ねるように上下方向に配置されている。第1処理ブロック3(各処理層A1,A2)は、第1処理として、例えば塗布処理を行う。第2処理ブロック5(各処理層B1,B2)は、第2処理として、例えば塗布処理を行う。すなわち、第2処理ブロック5は、第1処理ブロック3で行われる処理と同じ内容の処理を行う。これにより、並行処理する個数を増やすことができる。
【0054】
2つの処理層A1,A2は各々、第3基板搬送機構MHU3、複数の塗布ユニットSC、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。2つの処理層B1,B2は各々、第4基板搬送機構MHU4、複数の塗布ユニットSC、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。搬送スペース39は、X方向に直線状に延びるように構成されている。すなわち、搬送スペース39は、X方向に長手の空間である。各基板搬送機構MHU3,MHU4は、搬送スペース39内に設けられている。塗布ユニットSCと熱処理部37は、搬送スペース39を挟み込むように配置されていると共に、搬送スペース39の長手方向に沿って配置されている。
【0055】
(1-2-1)基板搬送機構MHU3,MHU4の構成
各基板搬送機構MHU3,MHU4は、2つのハンド41、進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48を備えている。2つのハンド41、進退駆動部43および回転駆動部45はそれぞれ、例えば第1基板搬送機構MHU1の2つのハンド21、進退駆動部23、回転部25Bと同じように構成されている。すなわち、2つのハンド41は各々、基板Wを保持する。2つのハンド41は各々、1つの基礎部分と、その基礎部分から分かれた2つの先端部分とを有している。基礎部分および、2つの先端部分には、それぞれ基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部が設けられている。
【0056】
2つのハンド41は各々、進退駆動部43に移動可能に取り付けられている。進退駆動部43は、2つのハンド41を個々に進退させる。回転駆動部45は、進退駆動部43を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより、2つのハンド41の向きを変えることができる。第1移動機構47は、回転駆動部45を
図1の前後方向(X方向)に移動させることができる。第2移動機構48は、第1移動機構47を
図1の上下方向(Z方向)に移動させることができる。2つの移動機構47,48により、2つのハンド41および進退駆動部43をXZ方向に移動させることができる。
【0057】
進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48は各々、電動モータを備えている。なお、第3基板搬送機構MHU3は、本発明の第1搬送機構に相当する。第4基板搬送機構MHU4は、本発明の第2搬送機構に相当する。
【0058】
(1-2-2)塗布ユニットSCの配置
図9は、基板処理装置1の右側面図である。2つの処理層A1,A2は各々、4つの塗布ユニットSCを備えている。4つの塗布ユニットSCは、上下方向に2段×水平方向に2列で配置されている。また、2つの処理層B1,B2は各々、6つの塗布ユニットSCを備えている。6つの塗布ユニットSCは、2段×3列で配置されている。
【0059】
図9において、各処理層A1,A2の下段の2つの塗布ユニットSCは、例えば塗布ユニットBARCであり、上段の2つの塗布ユニットSCは、例えば塗布ユニットRESISTである。また、各処理層B1,B2の下段の3つの塗布ユニットSCは、例えば塗布ユニットBARCであり、上段の3つの塗布ユニットSCは、例えば塗布ユニットRESISTである。塗布ユニットBARCは、基板Wに反射防止膜を形成するものである。塗布ユニットRESISTは、基板Wにフォトレジストなどのレジスト膜を形成するものである。
【0060】
塗布ユニットSCは、
図2に示すように、保持回転部51、ノズル52およびノズル移動機構53を備えている。保持回転部51は、例えば真空吸着によって基板Wの下面を保持して、保持した基板Wを鉛直方向(Z方向)を軸として回転させる。ノズル52は、塗布液(例えば反射防止膜形成用の液、またはフォトレジスト液)を基板Wに対して吐出する。ノズル52は、配管を介して塗布液供給源に接続されており、配管には、ポンプおよび開閉弁が設けられている。ノズル移動機構53は、ノズル52を任意の位置に移動させる。保持回転部51およびノズル移動機構53は各々、例えば電動モータを備えている。
【0061】
(1-2-3)熱処理部37の配置
図10は、基板処理装置1の左側面図である。2つの処理層A1,A2は各々、15個の熱処理部37を備えている。15個の熱処理部37は、5段×3列で配置されている。また、2つの処理層B1,B2は各々、20個の熱処理部37を備えている。20個の熱処理部37は、5段×4列で配置されている。
【0062】
熱処理部37は、基板Wに対して熱処理を行うために、基板Wを載置するプレート55(
図2参照)を備えている。プレート55を加熱する場合、熱処理部37は例えばヒータを備え、プレート55を冷却する場合、熱処理部37は例えば水冷式の循環機構を備えている。熱処理部37は、例えば加熱冷却部PHPおよび冷却部CPで構成されている。加熱冷却部PHPは、加熱処理および冷却処理をこの順番で行う。冷却部CPは、基板Wを冷却する。なお、加熱冷却部PHPおよび冷却部CPの個数は任意である。また、熱処理部37は、加熱冷却部PHPおよび冷却部CPに限らず、例えば密着強化処理部PAHP、エッジ露光部EEW、および加熱部HPの少なくともいずれかであってもよい。すなわち、熱処理部37の種類は任意である。
【0063】
なお、密着強化処理部PAHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱することで、基板Wを例えばレジストとの密着性を向上させる。エッジ露光部EEWは、基板Wの周辺部の露光処理を行う。加熱部HPは、基板Wを加熱する。
【0064】
(1-3)キャリアバッファ装置8の構成
キャリアバッファ装置8は、
図1、
図3のように、キャリア搬送機構61とキャリア保管棚63とを備えている。キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63(すなわちキャリアバッファ装置8)は、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の上に搭載されている。キャリア搬送機構61は、4つのオープナ11~14の各々の載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送する。キャリア保管棚63は、キャリアCを保管する。
【0065】
図11を参照する。キャリア搬送機構61は、2つの多関節アーム65,66を備えている。第1多関節アーム65の一端には把持部67が設けられ、第2多関節アーム66の一端には把持部68が設けられている。第1多関節アーム65の他端は、支柱状の昇降駆動部69に上下方向に移動可能に支持され、第2多関節アーム66の他端は、昇降駆動部69に上下方向に移動可能に支持されている。
【0066】
2つの把持部67,68は各々、例えば、キャリアCの上面に設けられた突起部を把持するように構成されている。第1多関節アーム65は、把持部67を鉛直軸AX4周りに360度回転できるように構成されている。第1多関節アーム65は、例えば、3つのアーム部材65A~65Cを備えている。アーム部材65Aは、後述する昇降駆動部69に昇降可能に支持されている。2つのアーム部材65A,65Bは、鉛直軸AX5周りに回転可能に接続されている。また、2つのアーム部材65B,65Cは、鉛直軸AX6周りに回転可能に接続されている。なお、第2多関節アーム66は、第1多関節アーム65と同様に構成されている。第1多関節アーム65は、例えば、
図3の紙面上側のキャリアCの搬送を担当し、第2多関節アーム66は、
図3の紙面下側のキャリアCの搬送を担当してもよい。
【0067】
昇降駆動部69は、2つの多関節アーム65,66を個別に昇降できるように構成されている。そのため、第1多関節アーム65が第2多関節アーム66よりも高い位置に移動されてもよいし、第1多関節アーム65が第2多関節アーム66よりも低い位置に移動されてもよい。なお、昇降駆動部69は、2つの多関節アーム65,66を一体的に昇降させるように構成されていてもよい。2つの把持部67,68、2つの多関節アーム65,66および昇降駆動部69は各々、電動モータを備えている。
【0068】
前後駆動部70は、昇降駆動部69を支持する支持部70Aと、前後方向(X方向)に長手に延びる長手部70Bと、電動モータとを備えている。例えば、長手部70Bがレール(ガイドレール)であり、支持部70Aが台車であってもよい。この場合、電動モータによって台車(支持部70A)がレール(長手部70B)に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0069】
また、例えば電動モータ、複数のプーリ、ベルトおよびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、支持部70Aがベルトに固定されていてもよい。この場合、電動モータによってプーリが回転し、複数のプーリに掛けられたベルトが移動することによって、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。また、例えば電動モータ、ねじ軸およびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、ねじ軸と噛み合うナット部が支持部70Aに設けられていてもよい。この場合、電動モータによってねじ軸が回転されることにより、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。
【0070】
図3を参照する。キャリア保管棚63は、入力ポート71、出力ポート72、未処理基板キャリア棚73、空キャリア棚74および処理済基板キャリア棚75を備えている。入力ポート71は、未処理の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHT(Overhead Hoist Transport)から受け取るための棚である。外部搬送機構OHTは、工場内でキャリアCを搬送するものである。未処理とは、本実施例において基板処理装置1による処理が行われていないことを言う。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72は、
図3に示すように、基板処理装置1の屋上の長手方向(X方向)の一端に設けられている。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72は、長手方向に直交する短手方向(Y方向)に並んでいる。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72の上方には、外部搬送機構OHTのレール77が設けられている。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポート71のいずれかにキャリアCを搬送する。
【0071】
未処理基板キャリア棚73は、入力ポート71に載置されたキャリアCであって、2つのオープナ11,12の各載置台16のいずれにも搬送できなかった未処理の基板Wが収納されたキャリアCを載置する。空キャリア棚74は、例えばオープナ11の載置台16で基板Wが全て取り出されたキャリアCを載置する。処理済基板キャリア棚75は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCであって、2つの出力ポート72のいずれにも搬送できなかったキャリアCを載置する。処理済とは、基板処理装置1による処理が行われていることを言う。出力ポート72は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHTに引き渡すための棚である。キャリア搬送機構61は、載置台16および各棚71~75の間でキャリアCを自在に移動することができる。
【0072】
なお、キャリア搬送機構61は、2つの多関節アーム65,66および2つの把持部67,68を備えているが、1つまたは3つ以上の多関節アームおよび、1つまたは3つ以上の把持部を備えていてもよい。また、昇降駆動部69は、支持部70Aに対して鉛直軸(Z方向の軸)周りに回転駆動されるように構成されていてもよい。
【0073】
ここで、複数の基板処理装置1が設置される場合のそれらの設置方法について説明する。量産工場において、外部搬送機構OHTから基板処理装置1にキャリアCを搬入および搬出するため、外部搬送機構OHTのレール77下方には、キャリアCの受け入れ部(ポート71,72)が必要である。
図12に示すように、外部搬送機構OHTは、複数(
図12では2つ)の基板処理装置1にキャリアCを搬送する。ここで、限られた工場内スペースにおいて、外部搬送機構OHTがキャリアCを各基板処理装置1に効率良く搬送するため、レール77下方に各基板処理装置1の受け入れ部が集合して配置されていることが好ましい。そのため、キャリアCの受け入れ部のみがレール77下方に配置されるように基板処理装置1の設置位置および設置方向が決定される。例えば、量産工場内にコンパクトに配置するため、複数の基板処理装置1は、
図12に示すように、横並び(Y方向)に配置される。また、キャリアCの受け入れ部がレール77下方に配置されるように、複数の基板処理装置1は、同じ向きに設置される。
【0074】
また、レール77は、任意の位置の上方を通過するように構成されていてもよい。例えば、
図12に示すように、レール77Bは、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の少なくともいずれかの上方を通過するように構成されていてもよい。この場合、レール77Bの下方に、入力ポート71および出力ポート72が設けられる。入力ポート71および出力ポート72が搭載可能であるIDブロック2および2つの処理ブロック3の領域(XY方向)は、比較的広いので、外部搬送機構OHTのレール77Bの経路を比較的自由に設定できる。そのため、外部搬送機構OHTのレール77Bの経路に対して基板処理装置1を比較的自由に設置できる。また、キャリア保管棚63の個数および種類は適宜変更される。
【0075】
(2)基板処理装置1の動作
次に、基板処理装置1の動作について説明する。なお、
図3において、2つのオープナ11,12は、キャリアCから基板Wを取り出すために用いられ、残りの2つのオープナ13,14は、キャリアCに基板Wを収納するために用いられる。また、
図13は、実施例1に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図1、
図3を参照する。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポート71の一方にキャリアCを搬送する。キャリア搬送機構61は、外部搬送機構OHTによって搬送されたキャリアCを、入力ポート71から2つのオープナ11,12の一方(例えばオープナ11)の載置台16に搬送する。オープナ11のシャッタ部は、キャリアC(キャリア本体)から蓋部を外して保持しながら、その蓋部を移動する。これにより、開口部18が解放される。
【0077】
〔ステップS01〕IDブロック2による基板搬送(送り)
IDブロック2は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。そして、IDブロック2は、2つの処理ブロック3,5の一方が基板Wを受け取ることができる状態にする。
【0078】
具体的に説明する。オープナ11,12に対する基板Wの搬送は、第1基板搬送機構MHU1が行う。基板搬送機構MHU1は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCにハンド21を進入させて、キャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを基板バッファBFに搬送する。基板搬送機構MHU1は、処理層A1が基板Wを処理する場合は、第1バッファ部BU1の送り部SN1に搬送し、処理層B1が基板Wを処理する場合は、第1バッファ部BU1の送り部SN2に搬送する(
図9参照)。同様に、基板搬送機構MHU1は、処理層A2が基板Wを処理する場合は、第2バッファ部BU2の送り部SN3に搬送し、処理層B2が基板Wを処理する場合は、第2バッファ部BU2の送り部SN4に搬送する。
【0079】
キャリアCから全ての基板Wが取り出されると、オープナ11のシャッタ部は、キャリアCに蓋部を取り付けるために移動しながら、開口部18を遮蔽する。その後、キャリア搬送機構61は、空になったキャリアCを、2つのオープナ13,14のいずれかに搬送する。また、空になったキャリアCを2つのオープナ13,14のいずれにも搬送できない場合は、キャリア搬送機構61は、空のキャリアCを空キャリア棚74に搬送する。また、キャリア搬送機構61は、入力ポート71あるいは未処理基板キャリア棚73から未処理の基板Wが収納されたキャリアCを、空になったキャリアCの代わりに、オープナ11に搬送する。
【0080】
基板搬送機構MHU1は、オープナ11のキャリアCから全ての基板Wを取り出した後、オープナ12のキャリアCから基板Wを取り出す。そして、基板搬送機構MHU1は、オープナ12のキャリアCから全ての基板Wを取り出した後、再びオープナ11のキャリアCから基板Wを取り出す。すなわち、基板搬送機構MHU1は、原則、キャリアC単位で、2つのオープナ11,12の各キャリアCから交互に基板Wを取り出す。
【0081】
基板搬送機構MHU1は、キャリア単位で基板Wを振り分けるように構成されている。例えば、オープナ11の第1キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A1が処理する。次に、オープナ12の第2キャリアCから取り出した基板Wは、処理層B1が処理する。また、その次に、オープナ11の第3キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A2が処理する。更にその次に、オープナ12の第4キャリアから取り出した基板Wは、処理層B2が処理する。すなわち、処理層A1、処理層A2、処理層B1、処理層B2の順番を繰り返しながら、キャリア単位で基板Wが振り分けられる。
【0082】
なお、基板Wの振り分け方は、上記の方法に限定されない。例えば、第1キャリアCから取り出した基板Wは、2つの処理層A1,A2が処理し、第2キャリアCから取り出した基板Wは、2つの処理層B1,B2が処理してもよい。また、第1キャリアCから取り出した基板Wは、4つの処理層A1,A2,B1,B2が処理してもよい。この場合、IDブロック2は、2つの処理ブロック3,5の両方が基板Wを受け取ることができる状態にする。
【0083】
〔ステップS02〕各処理ブロック3,5による基板処理
第1処理ブロック3の2つの処理層A1,A2は各々、IDブロック2から基板Wを受け取って、受けとった基板Wに対して塗布処理を行う。そして、各処理層A1,A2は、塗布処理が行われた基板WをIDブロック2の基板バッファBFに搬送する。
【0084】
具体的に説明する。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、第1バッファ部BU1の送り部SN1に載置された基板Wを受け取る。そして、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBARC、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCで反射防止膜が形成された基板Wを冷却部CP、塗布ユニットRESIST、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットRESISTでレジスト膜が形成された基板Wを第1バッファ部BU1の戻り部RT1に搬送する。
【0085】
なお、処理層A2が基板Wに塗布処理を行った場合、処理層A2の基板搬送機構MHU3は、レジスト膜が形成された基板Wを第2バッファ部BU2の戻り部RT3に搬送する。
【0086】
また、第2処理ブロック5が塗布処理を行う場合について説明する。第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2は各々、IDブロック2から基板Wを受け取って、受けとった基板Wに対して塗布処理を行う。そして、各処理層B1,B2は、塗布処理が行われた基板WをIDブロック2の基板バッファBFに搬送する。
【0087】
具体的に説明する。処理層B1の基板搬送機構MHU4は、第1バッファ部BU1の送り部SN2に載置された基板Wを受け取る。そして、基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBARC、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットBARCで反射防止膜が形成された基板Wを冷却部CP、塗布ユニットRESIST、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットRESISTでレジスト膜が形成された基板Wを第1バッファ部BU1の戻り部RT2に搬送する。
【0088】
なお、処理層B2が基板Wに塗布処理を行った場合、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、レジスト膜が形成された基板Wを第2バッファ部BU2の戻り部RT4に搬送する。
【0089】
〔ステップS03〕IDブロック2による基板搬送(戻り)
IDブロック2は、第1処理ブロック3または第2処理ブロック5から搬送された基板Wを例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。基板Wを戻すキャリアCは、処理前に(すなわち取り出す前に)収納されていたキャリアCである。
【0090】
具体的に説明する。キャリア搬送機構61は、空になったキャリアCを、2つのオープナ11,12の載置台16または空キャリア棚74から、2つのオープナ13,14の一方(例えばオープナ13)の載置台16に搬送する。オープナ13,14に対する基板Wの搬送は、第2基板搬送機構MHU2が行う。
【0091】
基板搬送機構MHU2は、処理層A1で処理された基板Wを、第1バッファ部BU1の戻り部RT1からオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。なお、その他の処理層B1,A2,B2で各々塗布処理された基板Wの搬送について説明する。第1バッファ部BU1は戻り部RT2を有し、第2バッファ部BU2は2つの戻り部RT3,RT4を有する。基板搬送機構MHU2は、処理層B1で処理された基板Wを、戻り部RT2からオープナ13の載置台16のキャリアCに搬送する。また、基板搬送機構MHU2は、処理層A2で処理された基板Wを、戻り部RT3から載置台16のキャリアCに搬送する。更に、基板搬送機構MHU2は、処理層B2で処理された基板Wを、戻り部RT4から載置台16のキャリアCに搬送する。
【0092】
基板搬送機構MHU2は、オープナ13のキャリアCに全ての基板Wを収納した後、オープナ14のキャリアCに基板Wを収納する。そして、基板搬送機構MHU2は、オープナ14のキャリアCに全ての基板Wを収納した後、再び、オープナ13のキャリアCに基板Wを収納する。すなわち、基板搬送機構MHU2は、原則、キャリアC単位で、オープナ13,14の各キャリアCに交互に基板Wを収納する。
【0093】
キャリア搬送機構61は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを出力ポート72または処理済基板キャリア棚75に搬送する。また、キャリア搬送機構61は、搬送したキャリアCに代えて、2つのオープナ11,12の載置台16または空キャリア棚74から2つのオープナ13,14の一方の載置台16に、空のキャリアCを搬送する。外部搬送機構OHTは、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを、2つの出力ポート72の一方から例えば他の装置に搬送する。
【0094】
本実施例によれば、2つの処理ブロック3,5が積み重なるように配置されず、水平方向に配置されている。そのため、高さを抑えながら処理層(例えば符号A1)の個数を増やすことができる。また、
図27に示すように、例えばIDブロック202、第1処理ブロック203および第2処理ブロック205の順番に配置すると、第2処理ブロック205で基板処理するために、基板処理を行わずに第1処理ブロック3を通過する動作が必要になる。また、第2処理ブロック205からIDブロック202に基板Wを戻すときにも、第1処理ブロック203を通過する動作が必要になる。この点、2つの処理ブロック3,5は各々、IDブロック2に直接連結している。そのため、
図27に示すような、基板処理を行わずに処理ブロック203を通過させる工程を抑制することができ、それによって、スループットの低下を防止することができる。
【0095】
また、基板処理装置1は、IDブロック2、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかの上に搭載され、キャリアCを保管するためのキャリア保管棚63と、IDブロック2、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかの上に搭載され、載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送するキャリア搬送機構61とを備えている。
【0096】
キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5に対して水平方向に設けられると、その分で、基板処理装置1のフットプリントが大きくなる。この点、キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の少なくともいずれかと平面視で重なるように配置される。そのため、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。そのため、基板処理装置1を限られたフットプリントに収めることができる。
【0097】
また、
図14に示すように、本実施例の基板処理装置1は、従来の基板処理装置201のキャリアバッファ装置208に代えて、塗布ユニットSCおよび熱処理部37を設置することができる。なお、
図14において、符号201Aは、基板処理装置本体である。本体201Aは、例えばIDブロック202と処理ブロック203とを備えている。
【0098】
また、IDブロック2は、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5の中間に配置された基板バッファBFであって、複数の基板Wを載置する基板バッファBFと、例えば基板搬送機構MHU1とを内部に備えている。基板搬送機構MHU1は、載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送し、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5は、基板搬送機構MHU1によって基板バッファBFに載置された基板Wを取り合うことができるように構成されている。
【0099】
図15に示すように、IDブロック2と第1処理ブロック3との間に第1の基板バッファBF1が設けられると共に、IDブロック2と第2処理ブロック5との間に第2の基板バッファBF2が設けられると仮定する。この場合、第1の基板バッファBF1と第2の基板バッファBF2が、2つの処理ブロック3,5が配置される方向(X方向)に配置されることになる。そのため、基板処理装置1がその方向(X方向)に長くなる可能性がある。本実施例によれば、2つの処理ブロック3,5の両方によって基板Wが搬送される基板バッファBFが2つの処理ブロック3,5の中間に配置されている。すなわち、第1の基板バッファBF1と第2の基板バッファBF2とが平面視で同じ位置(すなわち1箇所)に積層される。基板処理装置1が長くなる可能性を減少させることができる。
【0100】
また、2つの処理ブロック3,5(基板搬送機構MHU3,MHU4)は、基板バッファBFを挟み込むように配置される。また、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は、2つの処理ブロック3,5が配置される方向と直交する方向で、基板バッファBFを挟み込むように配置される。これにより、基板バッファBFに対して水平の4方向から基板Wを取り合うことできる。
【0101】
本実施例では、2つの処理ブロック3,5は、例えばレジストの塗布処理を行っていた。この点、2つの処理ブロック3,5の少なくとも一方は、現像処理または洗浄処理を行ってもよい。この場合、現像処理または洗浄処理を行う液処理ユニットは、基板Wを保持しながら基板Wを回転させる保持回転部と、現像液または洗浄液を吐出するノズルと、このノズルに現像液または洗浄液を送るためのポンプ、バルブおよび配管とを備えていてもよい。
【実施例2】
【0102】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
【0103】
実施例1では、所定の塗布処理は、4つの処理層A1,A2,B1,B2の各々で行われていた。この点、実施例2では、所定の塗布処理は、2つの処理層A1,B1の組合せおよび2つの処理層A2,B2の組合せの各々で行われてもよい。
【0104】
図16を参照する。第1処理ブロック3の2つの処理層A1,A2は各々、例えば4個の塗布ユニットBARCを備えている。各処理層A1,A2は、反射防止膜形成用の液の塗布処理を行って、基板W上に反射防止膜を形成する。処理層A1は、処理層A2と同じ内容の処理を行う。また、第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2は各々、例えば6個の塗布ユニットRESISTを備えている。各処理層B1,B2は、レジスト液の塗布処理を行って、基板Wの反射防止膜上にレジスト膜を形成する。処理層B1は、処理層B2と同じ処理を行う。
【0105】
なお、2つの処理層B1,B2は各々、処理層A1の4個の塗布ユニットBARCのように、4個の塗布ユニットRESISTを備えていてもよい。また、2つの処理層A1,A2は各々、例えば6個の塗布ユニットBARCを備え、2つの処理層B1,B2は各々、例えば4個の塗布ユニットRESISTを備えていてもよい。すなわち、各処理ブロック3,5において、塗布ユニットBARCおよび塗布ユニットRESISTの個数は、任意に設定される。
【0106】
第1バッファ部BU1は、
図16に示すように、送り部SN5、戻り部RT5、およびブロック間の渡し部PS5を備えている。また、第2バッファ部BU2は、送り部SN6、戻り部RT6、およびブロック間の渡し部PS6を備えている。2つの送り部SN5,SN6は各々、5つの基板載置部31を備えている。2つの戻り部RT5,RT6は各々、5つの基板載置部31を備えている。渡し部PS5,PS6は、5つの基板載置部31を備えている。
【0107】
(3)基板処理装置1の動作
次に、基板処理装置1の動作について説明する。例えばオープナ11の載置台16には、キャリアCが搬送されている。
図17は、実施例2に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0108】
〔ステップS11〕IDブロック2による基板搬送(送り)
IDブロック2は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出して、第1処理ブロック3(各処理層A1,A2)が基板Wを受け取ることができる状態にする。今回のキャリアCから取り出した基板Wは処理層A1で処理される。そのため、基板搬送機構MHU1は、キャリアCから例えばバッファ部BU1の送り部SN5に基板Wを搬送する。なお、処理層A2が基板Wを処理する場合は、基板搬送機構MHU1は、キャリアCからバッファ部BU2の送り部SN6に基板Wを搬送する。
【0109】
〔ステップS12〕第1処理ブロック3による反射防止膜の形成
第1処理ブロック3において、処理層A1の第3基板搬送機構MHU3は、送り部SN5から基板Wを受け取る。その後、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBARC、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCで反射防止膜が形成された基板Wをバッファ部BU1の渡し部PS5に搬送する。
【0110】
なお、処理層A2が基板Wを処理する場合、処理層A2の第3基板搬送機構MHU3は、送り部SN6から基板Wを受け取る。その後、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを、冷却部CP、塗布ユニットBARC、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCで反射防止膜が形成された基板Wをバッファ部BU2の渡し部PS6に搬送する。
【0111】
〔ステップS13〕第2処理ブロック5によるレジスト膜の形成
第2処理ブロック5において、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、渡し部PS5から基板Wを受け取る。受け取った基板Wは、処理層A1の基板搬送機構MHU3が渡し部PS5に載置した基板Wである。なお、処理層A1から処理層B1への基板Wの搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いないで行われる。その後、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、反射防止膜が形成された基板Wを冷却部CP、塗布ユニットRESIST、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットRESISTでレジスト膜が形成された基板Wを第1バッファ部BU1の戻り部RT5に搬送する。
【0112】
なお、処理層A2の第3基板搬送機構MHU3が基板Wを第2バッファ部BU2の渡し部PS6に載置したとする。この場合、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、渡し部PS6から、渡し部PS6に載置した基板Wを受け取る。なお、処理層A2から処理層B2への基板Wの搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いないで行われる。その後、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、反射防止膜が形成された基板Wを冷却部CP、塗布ユニットRESIST、加熱冷却部PHPの順番に搬送する。その後、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットRESISTでレジスト膜が形成された基板Wを第2バッファ部BU2の戻り部RT6に搬送する。
【0113】
〔ステップS14〕IDブロック2による基板搬送(戻り)
IDブロック2は、第2処理ブロック5から搬送された基板Wを基板バッファBFからオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。
【0114】
具体的に説明する。例えばオープナ13の載置台16には、処理中の基板Wが収納されていた空のキャリアCが搬送されている。IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、第1バッファ部BU1の戻り部RT5からオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに処理済の基板Wを搬送する。なお、処理層A2,B2で基板Wを処理した場合、基板搬送機構MHU2は、第2バッファ部BU2の戻り部RT6から2つのオープナ13,14の一方の載置台16に載置されたキャリアCに処理済の基板Wを搬送する。
【0115】
本実施例によれば、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5を通じて、基板Wを処理することができる。また、IDブロック2を中心に2つの処理ブロック3,5で処理される。
図27に示すように、例えば、IDブロック202、第1処理ブロック203および第2処理ブロック205がこの順番で一列に配置される場合があるとする。この場合、第1処理ブロック203および第2処理ブロック205の順番で処理された基板は、第1処理ブロック203を通過してIDブロック202に戻す必要がある。本発明によれば、第2処理ブロック5は、IDブロック2と直接連結されるため、第1処理ブロック3によって基板Wを処理せずに基板Wを通過させる動作を省略することができる。
【0116】
また、例えば第1処理ブロック3から第2処理ブロック5に基板Wを搬送する場合に、各基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに、2つの処理ブロック3,5の中間に配置された基板バッファBF(バッファ部BU1,BU2)を介して、第1処理ブロック3から第2処理ブロック5に基板を搬送することでできる。そのため、各基板搬送機構MHU1,MHU2の基板搬送の負担を軽減することができる。
【実施例3】
【0117】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。
【0118】
2つのバッファ部BU1,BU2は上下方向に設けられている。その2つのバッファ部BU1,BU2は個々に、IDブロック2に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0119】
(4)基板処理装置1の構成
(4-1)各バッファ部BU1,BU2を取り付けおよび取り外しするための構成
図18(a)を参照する。IDブロック2は、骨組みであるフレーム81,82を有する。フレーム81は、第1処理ブロック3側のフレームであり、フレーム82は、第2処理ブロック5側のフレームである。フレーム81には、水平方向に突出した突出支持部83が設けられ、フレーム82には、水平方向に突出した突出支持部84が設けられている。バッファ部BU1,BU2は各々、突出支持部83と突出支持部84とを掛け渡すように配置される。各突出支持部83,84の先端には、上方向に突出する凸部85(
図18(b)参照)が設けられている。各バッファ部BU1,BU2の底面には、凹部86(
図18(b)参照)が設けられている。凸部85および凹部86は、各バッファ部BU1,BU2を位置決めするために用いられる。
【0120】
図18(a)に示すように、バッファ部BU1,BU2は各々、2つの突出支持部83,84に対して、例えば、4つのパッチン錠(draw latch)87などの留め具で取り付けられる。パッチン錠87は、受け部材88とフック可動部89とを備えている。受け部材88は、突出支持部83,84に設けられており、フック可動部89は、バッファ部BU1,BU2に設けられている。
【0121】
例えば
図18(a)に示すバッファ部BU1において、フック可動部89のレバー操作により、フック可動部89のフックを受け部材88に引っ掛けながら、バッファ部BU1を例えば突出支持部83に押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持する。これを全てのパッチン錠87で行うことで、バッファ部BU1が突出支持部83,84に取り付けられる。また、全てのパッチン錠87で、フック可動部89のレバー操作により、保持された引っ掛けおよび押し付け状態を解放する。これにより、突出支持部83,84からバッファ部BU1が取り外される。第2バッファ部BU2も、第1バッファ部BU1と同様に、取り付けおよび取り外しが行われる。
【0122】
なお、上述の説明では、各バッファ部BU1,BU2が取り付けられるために、4つのパッチン錠87が設けられていた。この点、2つ以上のパッチン錠87が設けられていればよい。また、突出支持部83は第1処理ブロック3のフレームに取り付けられ、突出支持部84は第2処理ブロック5のフレームに取り付けられていてもよい。
【0123】
(4-2)支持ピンの配置
図19(a)を参照する。基板載置部31は、3つの支持ピン35が取り付けられている。3つの支持ピン35は、鉛直軸AX2周りに配置されている。また、3つの支持ピン35は、例えば六角レンチなどのL字の工具TLで基板載置部31の下面31R側(
図20(a)参照)から操作することで、基板載置部31に対して着脱可能に構成されている。
図19(a)において、基板載置部31には、12個の孔部91が鉛直軸AX2周りに等間隔にリング状に形成されている。孔部91の個数は任意に設定される。
【0124】
図20(a)に示すように、支持ピン35は、キャップ93、シャフト(スペーサ)94および雄ねじ95を備えている。キャップ93の裏面には、雌ねじ93Aが設けられた穴部93Bが形成されている。シャフト94は、管状で構成されている。雄ねじ95は、基板載置部31の下面31R側から、孔部91、シャフト94を通される。その後、雄ねじ95は、キャップ93の穴部93Bに通されつつ、キャップ93にねじ締めされる。雄ねじ95の先端のねじ切りされた部分が雌ねじ93Aと噛み合うようになっている。ねじ締めは、例えば六角レンチなどのL字の工具TLを用いて行われる。
図20(b)に基板載置部31に取り付けられた状態の支持ピン35を示す。
【0125】
図19(a)を参照する。例えば最下段(1段目)の基板載置部31において、例えば所定の支持ピン35Aは下側に配置されている。なお、時計の針で方向を表す場合、支持ピン35Aは、鉛直軸AX2から6時の方向に配置されている。その他の支持ピン35B,35Cは、120度間隔で配置される。
図19(b)を参照する。2段目(1段目の1つ上の段)の基板載置部31において、支持ピン35Aは、左側(9時の方向)に配置されている。
図19(c)を参照する。3段目(2段目の1つ上の段)の基板載置部31において、支持ピン35Aは、上側(12時の方向)に配置されている。
図19(d)を参照する。4段目(3段目の1つ上の段)の基板載置部31において、支持ピン35Aは、右側(3時の方向)に配置されている。
図19(a)~
図19(d)では、3つの支持ピン35A~35Cを一段ごとに90°変えて配置すると、例えば支持ピン35Aが螺旋状に配置される。
【0126】
すなわち、各基板載置部31の3つの支持ピン35は、1つ上および1つ下の基板載置部31各々の3つの支持ピン35と平面視で重ならないように配置されている。具体的には、各基板載置部31の3つの支持ピン35は、1つ上および1つ下の基板載置部31の3つの支持ピン35に対して、鉛直軸AX2周りに予め設定された角度(90°)ですらして配置されている。なお、各基板載置部31の3つの支持ピン35は、最上段の場合は、1つの下の基板載置部31の3つの支持ピン35に対して、最下段の場合は、1つの上の基板載置部31の3つの支持ピン35に対して、ずらして配置される。
【0127】
予め設定された角度は、90°に限定されず、例えば30°、60°、180°であってもよい。しかし、3つの支持ピン35が120°間隔で配置される場合、予め設定された角度は、120°、240°、360°であってはならない。
【0128】
図20(c)のように、平面視で2つの支持ピン35が重なる場合、上側の支持ピン35を着脱するときに、工具が下側の支持ピン35に触れてしまう可能性がある。これに対し、
図20(d)のように、平面視で2つの支持ピン35が重ならない場合は、上側の支持ピン35を着脱するときに、工具が下側の支持ピン35に触れてしまう可能性が減少する。そのため、支持ピン35の着脱が容易になる。よって、各バッファ部BU1,BU2のメンテナンス性が向上する。また、基板載置部31がX字状に形成されていることで、操作者は、基板載置部31の中心付近に配置された支持ピン35に届きやすい。
【0129】
(5)基板処理装置1のメンテナンス方法
次に、基板処理装置1のメンテナンス方法について説明する。特に、基板処理装置1から各バッファ部BU1,BU2を取り外す動作について説明する。
【0130】
〔ステップS21〕2つのハンド21および進退駆動部23の上昇
図1において、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の各々の2つのハンド21および進退駆動部23を邪魔にならない位置に上昇させる。これにより、操作者は、IDブロック2の外壁97(
図2参照)を外した後に、IDブロック2内に入り込んで、各基板搬送機構MHU1,MHU2の支柱部25Aの横からIDブロック2の中央に配置された2つのバッファ部BU1,BU2に接近することができる。
【0131】
〔ステップS22〕各バッファ部BU1,BU2の取り外し
操作者は、
図18(a)の状態において、パッチン錠87を操作することにより、突出支持部83,84から例えばバッファ部BU1の固定を解放する。これにより、操作者は、バッファ部BU1を持ち運ぶことができる。なお、基板処理装置1からバッファ部BU1を持ち出す際に、基板Wおよび基板載置部31が水平の状態で運べるように、各基板搬送機構MHU1,MHU2の支柱部25Aの横の空間の幅が空いているように構成されていてもよい。
【0132】
各バッファ部BU1,BU2は、個々に、突出支持部83,84(すなわち基板処理装置1)に対して着脱できるように構成されている。これにより、2つのバッファ部BU1,BU2を分けて持ち運ぶことができるので、2つのバッファ部BU1,BU2の持ち運びが容易である。また、基板載置部31がX字状に形成されていることで、各バッファ部BU1,BU2を軽量にすることができる。
【0133】
また、各バッファ部BU1,BU2を突出支持部83,84(すなわち基板処理装置1)に取り付ける場合は、ステップS21,22を逆の手順で行う。すなわち、2つのバッファ部BU1,BU2を各々、突出支持部83,84に取り付ける。その後、操作者は、IDブロック2から出て、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の各々の2つのハンド21および進退駆動部23を所定の位置に戻す等の動作を行う。
【0134】
本実施例によれば、2つの処理ブロック3,5は、積み重ねるように配置された2つの処理層A1,A2(またはB1,B2)を有する。基板バッファBFは、2つの例えば処理層A1,A2の階層に対応して設けられた2つのバッファ部BU1,BU2を備えている。バッファ部BU1,BU2は各々、IDブロック2に対して着脱可能に構成されている。すなわち、基板バッファBFは2つのバッファ部BU1,BU2を備えている。各バッファ部BU1,BU2は、個々に、着脱可能に構成されている。そのため、個々に、バッファ部BU1,BU2を搬送できるので、基板バッファBFの搬送が容易である。
【実施例4】
【0135】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1~3と重複する説明は省略する。
【0136】
実施例1では、
図1に示すように、キャリアバッファ装置8は、第1処理ブロック3、IDブロック2、および第2処理ブロック5の上に搭載されていた。この点、実施例4では、
図21に示すように、キャリアバッファ装置101は、第1処理ブロック3の高さよりも低い第2処理ブロック5上に搭載されている。
【0137】
(6)基板処理装置1の構成
(6-1)IDブロック2
図21、
図22を参照する。IDブロック2は、2つのオープナ11,13を備えている。2つのオープナ11,13は、キャリアバッファ装置101側の外壁に設けられている。2つのオープナ11,13は各々、載置台16等を備えている。
【0138】
IDブロック2は、実施例1のIDブロック2と同様に、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2と、基板バッファBFとを備えている。基板バッファBFは、上下方向に配置された3つのバッファ部BU1~BU3を備えている。バッファ部BU1は、2つの送り部SN1,SN2と、3つの戻り部RT1,RT2,RT7を備えている。バッファ部BU2は、2つの送り部SN3,SN4と、3つの戻り部RT3,RT4,RT8を備えている。バッファ部BU3は、送り部SN5と、2つの戻り部RT5,RT9を備えている。送り部(符号SN5など)および戻り部(符号RT9など)は各々、複数の基板Wを載置できるように構成されている。
【0139】
また、IDブロック2は、
図22の破線で示す位置に、冷却部CPおよび検査部LSCMを備えていている。冷却部CPおよび検査部LSCMは、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の少なくとも一方の近傍に設けられている。また、冷却部CPおよび検査部LSCMは、3つのバッファ部BU1~BU3毎に設けられており、冷却部CPおよび検査部LSCMは、3つのバッファ部BU1~BU3の各々と同じ階層に設けられている。冷却部CPおよび検査部LSCMは、
図2に示す昇降回転駆動部25等に干渉しないように設けられている。
【0140】
冷却部CPは、基板Wを冷却する。冷却部CPは、プレート55と、例えば水冷式の冷却機構を備えている。検査部LSCMは、CCDカメラまたはイメージセンサを用いて、塗布後の基板Wを検査する。検査部LSCMは、CCDカメラまたはイメージセンサと、検査用プログラムを実行させる制御部(例えばCPU)を備えている。なお、冷却部CPおよび検査部LSCMは、IDブロック2ではなく、後述する5つの処理層A1~A3,B1,B2の各々に設けられていてもよい。この場合、3つの戻り部RT7,RT8,RT9は、設けられなくてもよい。
【0141】
(6-2)処理ブロック3,5の構成
図21を参照する。第1処理ブロック3は、3つの処理層A1~A3を備えている。一方、第2処理ブロック5は、2つの処理層B1~B2を備えている。処理層A1は、処理層B1およびバッファ部BU1と同じ階層(1階)に配置されている。処理層A2は、処理層B2およびバッファ部BU2と同じ階層(2階)に配置されている。処理層A3は、キャリアバッファ装置101およびバッファ部BU3と同じ階層(3階)に配置されている。
【0142】
第1処理ブロック3の各処理層A1~A3は、例えば塗布処理を行う。第2処理ブロック5の各処理層B1,B2は、例えば塗布処理を行う。すなわち、各処理層A1~A3は、各処理層B1,B2と同じ処理を行う。そのため、5つの処理層A1~A3,B1,B2によって、並列に塗布処理される。3つの処理層A1~A3は各々、例えば実施例1の処理層A1と同様に、第3基板搬送機構MHU3、複数の塗布ユニットSC、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。2つの処理層B1,B2は各々、例えば実施例1の処理層B1と同様に、第4基板搬送機構MHU4、複数の塗布ユニットSC、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。これらの詳細な説明は省略する。
【0143】
(6-3)キャリアバッファ装置101の構成
キャリアバッファ装置101(キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61)は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5のうちの高さが低い方のブロック上に搭載されている。
図21に示すように、第2処理ブロック5の高さは、第1処理ブロック3の高さよりも低い。そのため、キャリアバッファ装置101は、第2処理ブロック5上に搭載されている。また、
図21において、キャリアバッファ装置101は、第1処理ブロック3の最上の処理層A3と同じ階層に配置されている。
【0144】
なお、第2処理ブロック5とキャリアバッファ装置101の高さは、第1処理ブロック3(高い方のブロック)の高さ内であることが好ましい。また、IDブロック2も同様に、第2処理ブロック5の高さ内であることが好ましい。
【0145】
図22を参照する。キャリアバッファ装置101は、実施例1のキャリアバッファ装置8と同様に、キャリア搬送機構61とキャリア保管棚63とを備えている。キャリア搬送機構61は、2つのオープナ11,13各々の載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送する。キャリア保管棚63は、入力ポート71、出力ポート72、未処理基板キャリア棚73、空キャリア棚74および処理済基板キャリア棚75を備えている。キャリア保管棚63(各棚71~75)の種類および個数は、適宜変更される。
【0146】
(7)基板処理装置1の動作
図21を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作を説明する。本実施例のステップS31~S33は、
図13に示すステップS01~S03の項目のように動作される。なお、オープナ11は、キャリアCから基板Wを取り出すために用いられ、オープナ13は、キャリアCに基板Wを戻すために用いられる。5つの処理層A1~A3,B1,B2は各々、例えばフォトレジスト液の塗布処理を行う。
【0147】
〔ステップS31〕IDブロック2による基板搬送(送り)
外部搬送機構OHTは、入力ポート71にキャリアCを搬送する。キャリア搬送機構61は、入力ポート71からオープナ11の載置台16にキャリアCを搬送する。IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、オープナ11のキャリアCから基板Wを取り出し、取り出した基板Wを基板バッファBFに搬送する。例えば、処理層A1で基板Wを処理するとする。第1基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wをバッファ部BU1の送り部SN1に搬送する。
【0148】
なお、1つのキャリアCに収納される基板Wを最大5つの処理層A1~A3,B1,B2で分担して並行処理すれば、1つの処理層で処理する場合に比べて、最大5倍の速さで処理できる。
【0149】
〔ステップS32〕各処理ブロック3,5による基板処理
処理層A1の第3基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37(冷却部CPも含む)に搬送する。その後、第3基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって例えばフォトレジスト膜が形成された基板Wをバッファ部BU1の戻り部RT1に搬送する。
【0150】
なお、送り部SN2および戻り部RT2は、処理層B1のために用いられる。送り部SN3および戻り部RT3は、処理層A2のために用いられる。送り部SN4および戻り部RT4は、処理層B2のために用いられる。送り部SN5および戻り部RT5は、処理層A3のために用いられる。
【0151】
〔ステップS33〕IDブロック2による基板搬送(戻り)
2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU1の戻り部RT1からフォトレジスト膜が形成された基板Wを受け取り、バッファ部BU1と同じ階層(1階)において、冷却部CP、検査部LSCMの順番に搬送する。この基板搬送において、第1基板搬送機構MHU1は、第1基板搬送機構MHU1側の冷却部CPおよび検査部LSCMに基板Wを搬送する。また、第2基板搬送機構MHU2は、第2基板搬送機構MHU2側の冷却部CPおよび検査部LSCMに基板Wを搬送する。検査部LSCMによる検査が行われた基板Wは、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方によって、戻り部RT7に搬送される。
【0152】
なお、バッファ部BU1の2つの戻り部RT1,RT2に搬送された基板Wは、検査後、戻り部RT7に搬送される。バッファ部BU2の2つの戻り部RT3,RT4に搬送された基板Wは、検査後、戻り部RT8に搬送される。バッファ部BU1の戻り部RT5に搬送された基板Wは、検査後、戻り部RT9に搬送される。
【0153】
また、IDブロック2内において、3つの階層ごとに冷却部CPおよび検査部LSCMが設けられている。そのため、それらを処理ブロック3,5に設ける必要がなくなり、基板搬送機構MHU3,MHU4の搬送工程が削減でき、搬送効率が向上する。また、検査部LSCMの設置数の削減が可能となり、検査部LSCM間の校正作業を軽減することができる。さらに、処理ブロック3,5において、検査部LSCMに関係するユニット以外の熱処理部37の設置数を増加させることができるので、スループットを向上させることができる。また、例えば戻り部RT1に対して2つの基板搬送機構MHU1,MHU2が基板Wを取り合えるので、両サイドの少なくとも2つの検査部LSCMで基板検査を並行処理できる。また、必要により、他の階層の冷却部CPおよび検査部LSCMを用いることができるので、3つの階層で冷却部CPおよび検査部LSCMを融通し合うことができる。
【0154】
検査部LSCMによる基板Wの検査後、第2基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1,BU2,BU3の戻り部RT7,RT8、RT9のいずれかから検査後の基板Wを受け取り、受け取った基板Wをオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。処理後の基板Wが全て収納された後、キャリア搬送機構61は、オープナ13の載置台16から出力ポート72にキャリアCを搬送する。外部搬送機構OHTは、出力ポート72からキャリアCを搬送する。
【0155】
本実施例によれば、キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5に対して水平方向に設けられると、その分で、基板処理装置1のフットプリントが大きくなる。この点、キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、2つの処理ブロック3,5の一方(
図22では第2処理ブロック5)と平面視で重なるように配置される。そのため、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。そのため、基板処理装置1を限られたフットプリントに収めることができる。また、キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5のうちの高さが低い方のブロック(
図22では第2処理ブロック5)上に搭載されている。そのため、基板処理装置1の高さを抑えることができる。
【0156】
また、本実施例において、最大5つの処理層A1~A3,B1,B2で最大5つの並行処理を行うことができる。
【0157】
なお、本実施例において、
図22に示すように、IDブロック2には、2つのオープナ11,13が設けられていた。この点、2つのキャリアから交互に基板Wを取り出したり、2つのキャリアに交互に基板Wを収納したりするため、4つのオープナ11~14が設けられてもよい。例えば、
図23(a)に示すように、基板Wを取り出すための2つのオープナ11,12が上下に配置される。また、基板Wを収納するための2つのオープナ13,14が上下に配置される。すなわち、2つのオープナ11,12は、第1基板搬送機構MHU1のハンド21および進退駆動部23の昇降方向に沿って配置され、2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU1のハンド21および進退駆動部23の昇降方向に沿って配置される。
【0158】
また、
図23(b)は、
図22のA-Aから見た図である。
図23(b)において、キャリア保管棚63は、キャリアCを2段以上で保管できるように、上下2段以上で構成されていてもよい。なお、
図23(b)において、
図23(a)で説明した4つのオープナ11~14を示している。本実施例のキャリアバッファ装置101の側面は、壁で囲われていてもよい。また、5つの処理層A1~A3,B1,B2は各々、フォトレジスト膜を形成していたが、他の膜(例えば反射防止膜)を形成してもよい。5つの処理層A1~A3,B1,B2は各々、現像処理または洗浄処理を行ってもよい。
【実施例5】
【0159】
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。なお、実施例1~4と重複する説明は省略する。
【0160】
実施例4では、5つの処理層A1~A3,B1,B2は互いに同じ塗布処理を行っていたが、これに限定されない。実施例5では、第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3は、例えば3重の膜(下層膜、中間膜、フォトレジスト膜)を形成する。また、第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2は、例えば2重の膜(下層膜、中間膜)を形成する。
【0161】
図24を参照する。第1処理ブロック3は、3つの処理層A1~A3を備えている。第1処理層A1の各塗布ユニットSCは、下層膜を形成する。下層膜は、例えば、SOC(Spin On Carbon)膜が挙げられる。第2処理層A2の各塗布ユニットSCは、中間膜を形成する。中間膜は、例えばSOG(Spin On Glass)膜が挙げられる。第3処理層A3の各塗布ユニットSC(RESIST)は、フォトレジスト膜(上層膜)を形成する。一方、第2処理ブロック5は、2つの処理層B1,B2を備えている。第1処理層B1の各塗布ユニットSCは、下層膜を形成する。第2処理層B2の各塗布ユニットSCは、中間層を形成する。
【0162】
(8)基板処理装置1の動作
図24を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作を説明する。なお、
図25は、実施例5に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0163】
〔ステップS41〕IDブロック2による基板搬送(送り)
オープナ11の載置台16には、キャリア搬送機構61によって、キャリアCが搬送されている。第1基板搬送機構MHU1は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。第1処理ブロック3で基板Wを処理する場合、取り出した基板Wをバッファ部BU1の送り部SN1に搬送する。この場合、ステップS42に進む。一方、第2処理ブロック5で基板Wを処理する場合、取り出した基板Wをバッファ部BU1の送り部SN2に搬送する。この場合、ステップS51に進む。
【0164】
〔ステップS42〕処理層A1による下層膜の形成
ステップS42からステップS46まで、第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3が3重の膜(下層膜、中間膜およびフォトレジスト膜)を基板Wに形成する動作について説明する。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37に搬送する。その後、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって下層膜が形成された基板Wをバッファ部BU1の送り部SN11に搬送する。
【0165】
〔ステップS43〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
IDブロック2は、基板バッファBFにおいて、下層膜が形成された基板Wを処理層A1の階層から処理層A2の階層に搬送することで、処理層A2が基板Wを受け取ることができる状態にする。具体的に説明する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU1の送り部SN11から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをバッファ部BU2の送り部SN3に搬送する。
【0166】
〔ステップS44〕処理層A2による中間膜の形成
処理層A2の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2の送り部SN3から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37に搬送する。その後、処理層A2の基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって中間膜が形成された基板Wをバッファ部BU2の送り部SN13に搬送する。
【0167】
〔ステップS45〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
IDブロック2は、基板バッファBFにおいて、中間膜が形成された基板Wを処理層A2の階層から処理層A3の階層に搬送することで、処理層A3が基板Wを受け取ることができる状態にする。具体的に説明する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU2の送り部SN13から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをバッファ部BU3の送り部SN5に搬送する。
【0168】
〔ステップS46〕処理層A3によるフォトレジスト膜の形成
処理層A3の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU3の送り部SN5から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37に搬送する。その後、処理層A3の基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによってフォトレジスト膜が形成された基板Wをバッファ部BU3の戻り部RT5に搬送する。ステップS54に進む。
【0169】
〔ステップS51〕処理層B1による下層膜の形成
ステップS51からステップS53まで、第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2が2重の膜(下層膜、中間膜)を基板Wに形成する動作について説明する。処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU1の送り部SN2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37に搬送する。その後、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットSCによって下層膜が形成された基板Wをバッファ部BU1の送り部SN12に搬送する。
【0170】
〔ステップS52〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
IDブロック2は、基板バッファBFにおいて、下層膜が形成された基板Wを処理層B1の階層から処理層B2の階層に搬送することで、処理層B2が基板Wを受け取ることができる状態にする。具体的に説明する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU1の送り部SN12から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをバッファ部BU2の送り部SN4に搬送する。
【0171】
〔ステップS53〕処理層B2による中間膜の形成
処理層B2の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU2の送り部SN4から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび任意の熱処理部37に搬送する。その後、処理層B2の基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットSCによって中間膜が形成された基板Wをバッファ部BU2の戻り部RT4に搬送する。ステップS54に進む。
【0172】
〔ステップS54〕IDブロック2による基板搬送(戻り)
2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU2の戻り部RT4から中間膜が形成された基板Wを受け取り、バッファ部BU2と同じ階層(2階)において、受け取った基板Wを冷却部CP、検査部LSCMの順番に搬送する。この検査後、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、基板Wを戻り部RT8に搬送する。また、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU3の戻り部RT5からフォトレジスト膜が形成された基板Wを受け取り、バッファ部BU3と同じ階層(3階)において、受け取った基板Wを冷却部CP、検査部LSCMの順番に搬送する。この検査後、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、基板Wを戻り部RT9に搬送する。
【0173】
検査部LSCMによる基板Wの検査後、第2基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU2,BU3の戻り部RT8,RT9のいずれかから検査後の基板Wを受け取り、受け取った基板Wをオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。処理後の基板Wを収納したキャリアCは、キャリア搬送機構61によってオープナ13から搬送される。
【0174】
本実施例によれば、実施例4と同様の効果を有する。すなわち、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。そのため、基板処理装置1を限られたフットプリントに収めることができる。また、基板処理装置1の高さを抑えることができる。
【0175】
また、本実施例において、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5は、互いに異なる処理を行うことができる。
【0176】
また、ここで、2台の基板処理装置があるとする。第1基板処理装置は、IDブロックと第1処理ブロック3を備え、第2基板処理装置は、IDブロックと第2処理ブロックを備えているとする。この場合、2台の基板処理装置は、2台分の設置面積を必要とする。この点、本実施例によれば、2つの処理ブロック3,5は、IDブロック2を共有する。そのため、1つのIDブロックの設置面積が減り、2つの処理ブロック3,5を有する基板処理装置のフットプリントを減少させることができる。
【0177】
なお、本実施例において、第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3は、三層の膜を形成し、第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2は、2層の膜を形成したが、2つの処理ブロック3,5による処理は、これに限定されない。例えば、第2処理ブロック5の2つの処理層B1,B2は各々、レジスト膜を形成してもよい。この場合、処理層B1は、例えば、処理層B2と同じレジスト膜を形成してもよいし、別のレジスト膜を形成してもよい。この変形例の場合、3つの処理層A1~A3で直列処理し、2つの処理層B1,B2で並列処理される。
【0178】
また、実施例2のように、2つの処理層A1,B1で2重の膜(下層膜および中間膜)を基板Wに形成してもよい。残りの3つの処理層A3,A2,B2は、3重の膜(下層膜、中間膜およびフォトレジスト膜)を基板Wに形成してもよい。この場合、例えば、処理層A3で下層膜を形成した後、処理層A2で中間膜を形成する。その後、処理層B2でフォトレジスト膜を形成する。処理層A2から処理層B2に基板Wを搬送する場合、実施例2のように、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに搬送する。
【0179】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0180】
(1)上述した実施例1~3では、2つの処理ブロック3,5は各々、2つの処理層(例えば処理層A1,A2)を備えていた。この点、第1処理ブロック3は、1つまたは3以上の処理層を備えていてもよい。また、第2処理ブロック5は、1つまたは3以上の処理層を備えていてもよい。すなわち、2つの処理ブロック3,5の少なくとも一方は、積み重ねるように配置された複数の処理層を備えていてもよい。
【0181】
(2)上述した実施例1~3および変形例(1)では、
図3において、キャリア保管棚63は、IDブロック2上に設けられていない。この点、キャリア保管棚63は、IDブロック2上に設けられていてもよい。
【0182】
(3)上述した実施例1~3および各変形例では、載置台16は、
図1に示すように、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の上方に配置されていた。この点、載置台16は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の一方の上面の上あるいは上方に配置されていてもよい。すなわち、載置台16は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかの上面の上あるいは上方に配置されていてもよい。
【0183】
図26に示すように、例えば、IDブロック202の側面に載置台216が配置していると、載置台216が配置された分で、基板処理装置201のフットプリントが大きくなる。この点、本実施例によれば、載置台16が、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかと、平面視で重なる。そのため、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。
【0184】
(4)上述した実施例1~3および各変形例において、IDブロック2内に、冷却部CPおよび検査部LSCM(少なくとも検査部LSCM)が設けられていてもよい。冷却部CP、検査部LSCM2は、
図3の矢印ARR1,ARR2の少なくとも一方の位置に配置される。また、冷却部CP、検査部LSCMは、例えば
図1の2つの処理層A1,A2の階層ごとに設けられる。検査部LSCMは、CCDカメラまたはイメージセンサを用いて塗布膜(例えばフォトレジスト膜)を検査する。例えば、各処理ブロック3,5において、塗布処理および、加熱冷却部PHPによる塗布後のベーク処理が行われた基板Wを、IDブロック2内の冷却部CP、検査部LSCMに搬送し、検査後にキャリアCに戻すようにしてもよい。
【0185】
(5)上述した実施例4,5では、第1処理ブロック3は、3つの処理層A1~A3を備え、第2処理ブロック5は、2つの処理層B1,B2を備えていた。この点、2つの処理ブロック3,5が各々有する処理層の個数は、その他の個数に設定してもよい。ただし、実施例1のように、第1処理ブロック3の処理層の個数が、第2処理ブロック5の処理層の個数と同じであってはならない。
【0186】
(6)上述した各実施例および各変形例では、基板載置部31は、
図19(a)に示すように、X字状に形成されているが、他の形状であってもよい。例えば、長方形または正方形であってもよい。
【0187】
(7)上述した各実施例および各変形例では、
図1、
図2に示すように、1つの基板バッファBFは、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5の中間に配置されていた。必要に応じて、
図15に示すように、X方向に配置された2つの基板バッファBF1,BF2が設けられていてもよい。
【0188】
(8)上述した各実施例および各変形例では、IDブロック2は、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を備えていた。この点、IDブロック2は、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2のいずれか一方を備えた構成であってもよい。
【0189】
(9)上述した各実施例および各変形例において、
図1、
図21に示すように、操作者が運んできたキャリアCを処理するため、キャリア搬送機構61(またはキャリアバッファ装置8)に渡すための昇降機構98が設けられていてもよい。昇降機構98は、例えば第2処理ブロック5の側面に設けられている。昇降機構98は、第2処理ブロック5を挟んでIDブロック2の反対側に配置されている。昇降機構98は、載置台98Aと、載置台98Aを昇降させるための電動モータとを備えている。載置台98Aは、Y方向に水平軸周りに回転可能に昇降機構98に支持されており、キャリアCの載置面が、昇降機構98が設けられた側面と平行になるように折り畳むことができる。
【0190】
(10)上述した各実施例および各変形例では、IDブロック2には、4つのオープナ11~14が設けられていたが、オープナは4つに限定されない。例えば、IDブロック2には、2つのオープナ11,13のみが設けられていてもよい。この場合、オープナ11は基板Wを取り出すために用いられ、オープナ13は基板Wを収納するために用いられる。
【符号の説明】
【0191】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサブロック(IDブロック)
3 … 第1処理ブロック
5 … 第2処理ブロック
8,101 … キャリアバッファ装置
9 … 制御部
16 … 載置台
C … キャリア
A1,A2,A3,B1,B2 … 処理層
BF … 基板バッファ
BU1,BU2,BU3 … バッファ部
31 … 基板載置部
35 … 支持ピン
MHU1~MHU4 … 基板搬送機構
61 … キャリア搬送機構
63 … キャリア保管棚