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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】荷台用養生シート掛け装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/04 20060101AFI20240325BHJP
【FI】
B60P7/04 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020086804
(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公開番号】P2021181254
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 洋平
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-150872(JP,A)
【文献】特開平07-144573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台に積荷を積み込む積荷積み込み位置で、荷台に対して幅方向外側に設置され、養生シートを荷台に掛けるための荷台用養生シート掛け装置であって、
荷台の高さと略同じ高さを有する又は荷台の高さに合わせて高さを調節可能な支持ベースと、
荷台上を幅方向に横断可能な長さを有し又は荷台の幅方向の長さに合わせて長さを調節可能な一対のアームからなり、前記支持ベース上に前記支持ベースの上方に延びる起立位置と略水平方向の倒伏される倒伏位置との間で回動可能にかつ前記各アームを前記起立位置及び前記倒伏位置で回動規制可能に、回動規制部付きのヒンジを介して枢支される作動部と、
一端を前記作動部に連結されて、前記作動部と前記支持ベースとの間にガイドを介して配置され、前記作動部を前記起立位置に又は前記倒伏位置に姿勢を保持するための作動部姿勢保持用の索状部材と、前記支持ベースに設置され、前記索状部材を巻き取り又は繰り出し、前記作動部を前記起立位置に又は前記倒伏位置に姿勢を保持するための姿勢制御用の手動式又は自動式の巻上機とを有し、前記作動部を前記起立位置と前記倒伏位置との間で回動駆動する作動部駆動ユニットと、
前記支持ベースと前記作動部の上部との間に昇降可能に配設され、養生シートを把持するための把持部と、
前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間に昇降駆動する把持部駆動ユニットと、
を備え、
養生シートの一側を前記支持ベースに降下された前記把持部に把持し、前記把持部駆動ユニットにより前記把持部を前記起立位置の前記作動部の上部まで上昇させて、前記作動部駆動ユニットにより前記作動部を前記起立位置から前記倒伏位置まで回動させることにより、養生シートを荷台上に掛けるようにした、
ことを特徴とする荷台用養生シート掛け装置。
【請求項2】
把持部駆動ユニットは、一端に把持部が連結されて、支持ベースと作動部の上部との間にガイドを介して掛け回し配置され、前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間で昇降するための把持部昇降用の索状部材と、前記作動部又は前記支持ベースに設置され、前記索状部材を巻き取り又は繰り出し、前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間で昇降するための把持部昇降用の手動式又は自動式の巻上機とを有する請求項1に記載の荷台用養生シート掛け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプやトラックの荷台、貨物列車の貨物運搬車両など輸送機械の荷台に養生シートを掛けるときに使用する荷台用養生シート掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場などで発生した廃材や廃棄物をダンプやトラックで輸送する際に、ダンプやトラックの荷台に積み込んだ廃材や廃棄物の上に養生シートを掛けている。この養生シートの掛け作業では、作業者は足場や立ち馬を使用して、荷台の上に養生シートを持って上がり、荷台上の廃材や廃棄物の上で養生シートを広げ、養生シートの端部を荷台のあおりなどに固定することが一般に行われている。なお、養生シートには、合成樹脂製で、両側縁又は全周縁にはと目が取り付けられた一般にブルーシートと称せられるシートが用いられることが多い。
【0003】
このような養生シートの掛け作業に対して、重量物や長尺・幅広の貨物の輸送であるが、トラックやトレーラーの積荷上に地上でシートを掛けることのできる積載物の固縛保定用簡易型シート及びシート掛け方法が特許文献1により提案されている。
【0004】
この文献1のシートは、シート部材の左右両サイドに連設形成された複数の止めゴム取付部と、シート部材の前部に設けられた仮止め紐材取付部と、シート部材の後部に設けられたシート部材展開用のロープ取付部とから構成される。
【0005】
この文献1のシート掛け方法では、まず、積荷の積み込み作業前に、荷台前方のシートキャリアまたはキャビンの屋根上に、事前に折り畳んで準備してあるシート部材を載せる。続いて、荷台前方側の昇降ステップから登って、シート部材を積荷の上に載せて移す。シート掛け中にシート部材が飛散しないように仮止め紐材を車両に縛着固定する。次いで、地上からカギ棒を使って補助ロープを荷台後方に伸ばす。車両後方に移動してカギ棒を使用しながら補助ロープを引いてシート部材を積荷後部に広げ、積荷上に前後方向に広がったシート部材を、地上から左右両サイドに引き下ろして広げる。そして、荷台全体を覆うシート部材と車体との間に隙間が生じないようにシート部材を止めゴムで縛着固定する。
【0006】
このシート及びシート掛け方法により、トラック・トレーラーの積荷上に登らずに積荷の保定固縛作業工程を地上で行なうことを可能し、高所作業を回避して作業中の転落事故を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-127810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、建設現場でダンプやトラックの荷台にシートを掛ける作業では、足場や立ち馬を使用して、荷台に上がるため、次のような問題が指摘されている。
(1)作業者は安全上安全帯を装着しなければならない。安全帯の装着が煩わしく、また、安全帯を装着すると、作業者の動きが制限されて作業性が悪い。
(2)安全帯を装着していても、立ち馬の場合は、立ち馬ごと転倒し落下するおそれがある。
(3)この作業は安全手順が法令などにより定められており、この安全手順通りに実施する必要があるが、この安全手順通りに作業を行うと、多くの時間を要し、作業効率が低下する。
【0009】
また、特許文献1のシート及びシート掛け方法では、高所作業を回避できるので、作業者の安全性を確保できる点で利点が大きいものの、このシート及びシート掛け方法では、シートを積荷上に載せ、広げるまでに多くの手作業を要し、しかもその手作業は、とりわけ、建設現場でダンプやトラックの荷台に積み込まれる廃材や廃棄物のように不定形で凹凸箇所が多く、尖ったものも含まれる積載物の上では適用が難しい、という問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の荷台用養生シート掛け装置において、養生シートを荷台上の積荷の上に、積荷の種類に関わらず、安全に、作業者の少ない手作業で簡易かつ迅速に掛けること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、
荷台に積荷を積み込む積荷積み込み位置で、荷台に対して幅方向外側に設置され、養生シートを荷台に掛けるための荷台用養生シート掛け装置であって、
荷台の高さと略同じ高さを有する又は荷台の高さに合わせて高さを調節可能な支持ベースと、
荷台上を幅方向に横断可能な長さを有し又は荷台の幅方向の長さに合わせて長さを調節可能な一対のアームからなり、前記支持ベース上に前記支持ベースの上方に延びる起立位置と略水平方向の倒伏される倒伏位置との間で回動可能にかつ前記各アームを前記起立位置及び前記倒伏位置で回動規制可能に、回動規制部付きのヒンジを介して枢支される作動部と、
一端を前記作動部に連結されて、前記作動部と前記支持ベースとの間にガイドを介して配置され、前記作動部を前記起立位置に又は前記倒伏位置に姿勢を保持するための作動部姿勢保持用の索状部材と、前記支持ベースに設置され、前記索状部材を巻き取り又は繰り出し、前記作動部を前記起立位置に又は前記倒伏位置に姿勢を保持するための姿勢制御用の手動式又は自動式の巻上機とを有し、前記作動部を前記起立位置と前記倒伏位置との間で回動駆動する作動部駆動ユニットと、
前記支持ベースと前記作動部の上部との間に昇降可能に配設され、養生シートを把持するための把持部と、
前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間に昇降駆動する把持部駆動ユニットと、
を備え、
養生シートの一側を前記支持ベースに降下された前記把持部に把持し、前記把持部駆動ユニットにより前記把持部を前記起立位置の前記作動部の上部まで上昇させて、前記作動部駆動ユニットにより前記作動部を前記起立位置から前記倒伏位置まで回動させることにより、養生シートを荷台上に掛けるようにした、
ことを要旨とする。
【0012】
また、この荷台用養生シート掛け装置の把持部駆動ユニットは次のように具体化される。
把持部駆動ユニットは、一端に把持部が連結されて、支持ベースと作動部の上部との間にガイドを介して掛け回し配置され、前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間で昇降するための把持部昇降用の索状部材と、前記作動部又は前記支持ベースに設置され、前記索状部材を巻き取り又は繰り出し、前記把持部を前記支持ベースと前記作動部の上部との間で昇降するための把持部昇降用の手動式又は自動式の巻上機とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の荷台用養生シート掛け装置によれば、上記の構成により、養生シートの一側を支持ベースに降下された把持部に把持し、把持部駆動ユニットにより把持部を起立位置の作動部の上部まで上昇させて、作動部駆動ユニットにより作動部を起立位置から倒伏位置まで回動させることにより、養生シートを荷台上に掛けるようにしたので、養生シートを荷台上の積荷の上に、積荷の種類に関わらず、安全に、作業者の少ない手作業で簡易かつ迅速に掛けることができ、また、この装置を全体として簡単な構造で低コストに製作することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る荷台用養生シート掛け装置の構成を示す図((a)一部断面側面図(b)背面図)
図2】同養生シート掛け装置の特に支持ベースと作動部との連結構造を示す図((a)側面図(b)背面図)
図3】同養生シート掛け装置の特に支持ベースと作動部との連結構造を示す図((a)支持ベース上で作動部が起立状態の側面断面図(b)支持ベース上で作動部が回動中の状態の側面断面図)
図4】同養生シート掛け装置を用いた養生シートの掛け作業の手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に荷台用養生シート掛け装置を示している。図1に示すように、この荷台用養生シート掛け装置A(以下、本装置Aという。)は、荷台に積荷を積み込む積荷積み込み位置で、荷台に対して幅方向外側に設置されて、養生シートを荷台に掛けるためのもので、支持ベース1と、作動部2と、作動部駆動ユニット3と、把持部4と、把持部駆動ユニット5と、を備えて構成される。
なお、ここで養生シートには、合成樹脂製で、両側縁又は全周縁にはと目が取り付けられた一般にブルーシートと称せられるシートが用いられる。
【0016】
図1に示すように、支持ベース1は荷台の高さと略同じ高さを有する一対のポール11により構成される。なお、一対のポール11は同一の構成を有するので、図1では一方のポール11のみを例示している。この場合、各ポール11は円柱状のパイプ材からなる。このポール11には例えば仮設材の単管や鋼材などを使用することができる。各ポール11の上端部にはヒンジHの一部が設けられる。この場合、図2に示すように、各ポール11の上端面幅方向(左右方向)中央の直径ライン上に溝110を形成されてその両側に一対の軸受部111が設けられ、各軸受部111の両側面中心にピン挿通孔112が貫通形成される。各軸受部111の各ピン挿通孔112間にピン113(図3参照)が挿通される。また、この場合、図2に示すように、各軸受部111間の溝110の底面は側面視断面略Z形に形成される。この溝110の底面の前半部は凸段状でその上面が水平の面又は後部側から前部側に向けて若干下方傾斜した平面をなし、後述する作動部2の倒伏位置回動規制部S1になっている。また、この溝110の底面の後半部は凹段状でその上面が水平の面でこの前半部と後半部との間の段差部が鉛直面をなし、これらの面が後述する作動部2の起立位置回動規制部S2になっている。
【0017】
また、ここでは、特に図示していないが、この支持ベース1は下端に固定式の設置ベースを有する。各ポール11の下端に設置ベースとして地盤上に設置可能にプレート又はブロックが設けられる。また、各ポール11の下端は地盤に打設する基礎(コンクリート)に固定されるようにしてもよい。
【0018】
図1に示すように、作動部2は荷台上を幅方向に横断可能な長さを有する一対のアーム21からなる。なお、一対のアーム21は同一の構成を有するので、図1では一方のアーム21のみを例示している。この場合、各アーム21は各ポール11と同様に円柱状のパイプ材からなる。このアーム21には例えば仮設材の単管や鋼材などを使用することができる。各アーム21の下端部にはヒンジHの残部が設けられる。この場合、図2に示すように、各アーム21の下端部幅方向(左右方向)中央の直径ライン上に各ポール11上端部の溝110に嵌合可能に凸状に形成され、その両側面中心にピン挿通孔210を有する連結部211が突設される。また、この場合、連結部210の下端縁部は各ポール11上端部の溝110の底面に対応して側面視断面略凹凸状に形成される。連結部211の下端縁部の前半部は凹段状でその下面がピン挿通孔210を円の中心とする断面円弧状の面をなし、各アーム21の下端部が各ポール11の上端部に対して回動を許容する回動案内部Gになっている。そして、この回動案内部Gの延長上に連続する(各アーム21の)正面縁部の一部が各ポール11の上端部の前半部の倒伏位置回動規制部S1に係合される係合部S3になっている。また、この連結部210の下端縁部の後半部は凸段状でその下面が水平の面でこの前半部と後半部との間の段差部が鉛直面をなし、各ポール11の下端部後半部の起立位置回動規制部S2に係合する係合部S4になっている。さらに、各アーム21の上端部には、図1に示すように、後述するガイド50のための軸受部212が設けられる。この場合、各アーム21の上端面幅方向(左右方向)中央の直径ライン上に溝を形成されてその両側に一対の軸受部212が設けられ、各軸受部212の両側面中心にピン挿通孔が貫通形成される。各軸受部212の各ピン挿通孔間にピン213が挿通される。
【0019】
支持ベース1、作動部2はそれぞれ、このようにして構成され、図3に示すように、作動部2は支持ベース1上に支持ベース1の上方に延びる起立位置と略水平方向に倒伏される倒伏位置との間で回動可能に枢支される。この場合、各アーム21は各ポール11上に起立位置と倒伏位置との間で回動可能に回動規制部S1、S2付きのヒンジHを介して連結される。すなわち、各ポール11の上端部の一対の軸受部111間(溝110)に各アーム21の下端部の連結部211が嵌め込まれ、各軸受部111、連結部211の各ピン挿通孔112、210にピン113が挿着されて、各アーム21が各ポール11上に各ポール11の各回動規制部S2、S1により起立位置と倒伏位置との間で回動可能に取り付けられる。
【0020】
図1に示すように、作動部駆動ユニット3は作動部2を起立位置と倒伏位置との間で回動駆動するもので、一端を作動部2に連結されて、作動部2と支持ベース1との間にガイド30を介して配置され、作動部2を起立状態に又は倒伏状態に姿勢を保持するための作動部姿勢保持用の索状部材31と、支持ベース1に設置され、索状部材31を巻き取り又は繰り出し、作動部2を起立状態に又は倒伏状態に姿勢を保持するための姿勢制御用の手動式の巻上機32とを有する。
【0021】
図1に示すように、ガイド30は複数のガイドローラ301、302、303からなり、第1のガイドローラ301が各アーム21に配設され、第2、第3のガイドローラ302、303がそれぞれ、各ポール11に配置される。なお、各アーム21のガイドローラ301、各ポール11の各ガイドローラ302、303は同一の構成を有するので、図1では一方のアーム21のガイドローラ301、一方のポール11の各ガイドローラ302、303のみを例示している。図3に示すように、第1のガイドローラ301は各アーム21の背面下部でヒンジHに近接して軸受304を介して取り付けられる。この場合、第1のガイドローラ301の軸受304は一対の軸受プレートからなり、各軸受プレートは各アーム21の背面下部にヒンジHに近接して固定され、先端側が後方でかつ下方斜めに向けて直線的に突出される。第1のガイドローラ301はこの軸受304の先端に回転軸(図示省略)を介して軸支される。第2、第3の各ガイドローラ302、303はそれぞれ、各ポール11の背面上部に上下並列に軸受305、306を介して取り付けられる。この場合、第2のガイドローラ302の軸受305は一対の軸受プレートからなり、第1のガイドローラ301の軸受304の下方で各ポール11の背面上部に固定され、先端側が後方に向けて水平に、第1のガイドローラ301の軸受304の先端位置よりも各ポール11側に少し下がった位置まで突出される。第2のガイドローラ302はこの軸受305の先端に回転軸(図示省略)を介して軸支される。第3のガイドローラ303の軸受306は一対の軸受プレートからなり、第2のガイドローラ302の軸受305の下方で各ポール11の背面上部に固定され、先端側が後方に向けて水平に、第1のガイドローラ301の軸受304の先端位置よりも後方に少し突き出た位置まで突出される。第3のガイドローラ303はこの軸受306の先端に回転軸(図示省略)を介して軸支される。なお、第2、第3のガイドローラ302、303は、後方に延びる少し長い一対の軸受プレートに前後方向に並列に軸支されるものとしてもよい。
【0022】
図1に示すように、作動部姿勢保持用の索状部材31は一対のワイヤ(以下、ワイヤ31という。)からなる。なお、各ワイヤ31は同一の構成を有するので、図1では一方のワイヤ31のみを例示している。各ワイヤ31は一端が各アーム21の背面で上下方向中間部下部寄りに固定されて、他端側が各アーム21の第1のガイドローラ301、各ポール11の第2のガイドローラ302に外側から掛けられ、各ポール11の第3のガイドローラ303に内側から掛けられて下方へ延び、後述する手動式の巻上機32の巻き取り部320に巻き付けられる。このように各ワイヤ31は一端が各アーム21に固定されて各アーム21と各ポール11との間にガイド30を介して配置され、各ワイヤ31の引き動作により各アーム21を倒伏位置から起立位置まで回動させて起立状態に姿勢を保持し、各ワイヤ31の送り動作により各アーム21を起立位置から倒伏位置まで回動させて倒伏状態に姿勢を保持するようになっている。なお、第2、第3のガイドローラ302、303が、既述のように、後方に延びる少し長い一対の軸受プレートに前後方向に並列に軸支されるものとした場合は、各ワイヤ31は第2、第3のガイドローラ間に通されて、手動式の巻上機32に巻き付けられればよい。
【0023】
図1に示すように、手動式の巻上機32は一対の手動式ウィンチ(以下、手動式ウィンチ32という。)からなる。なお、各手動式ウィンチ32は同一の構成を有するので、図1では一方の手動式ウィンチ32のみを例示している。各手動式ウィンチ32はワイヤの巻き取り、繰り出しに一般に使用される小型の手動式ウィンチで、巻き取り部320を有するウィンチ本体321と、ウィンチ本体321の巻き取り部320に作動連結され、巻き取り部320の正回転方向、逆回転方向の各回転操作を行うための操作レバー322とを備える。これらのウィンチ本体321は各ポール11の背面の上下方向中間部に設置固定され、各ウィンチ本体321の巻き取り部320に、既述の各ワイヤ31の他端が連結されて巻回される。このようにして各操作レバー322による各ウィンチ本体321の巻き取り部320の正回転操作により、各ウィンチ本体321に各ワイヤ31を巻き取ることにより各ワイヤ31を引き、各アーム21を倒伏位置から起立位置まで回動させて起立状態に姿勢を保持し、各操作レバー322による各ウィンチ本体321の巻き取り部320の逆回転操作により、各ウィンチ本体321から各ワイヤ31を繰り出すことにより各ワイヤ31を送り、各アーム21を起立位置から倒伏位置まで回動させて倒伏状態に姿勢を保持するようになっている。
【0024】
図1に示すように、把持部4は養生シートを把持するためのもので、支持ベース1と作動部2の上部との間に昇降可能に配設される。この場合、把持部4は一対のフック41からなり、後述する把持部昇降用の索状部材51の一端に取り付けられる。なお、各フック41は同一の構成を有するので、図1では一方のフック41のみを例示している。
【0025】
図1に示すように、把持部駆動ユニット5は、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間に昇降駆動するもので、一端に把持部4が連結されて、支持ベース1と作動部2の上部との間にガイド50を介して掛け回し配置され、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間で昇降するための把持部昇降用の索状部材51と、作動部2又は支持ベース1に設置され、索状部材51を巻き取り又は繰り出し、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間で昇降するための把持部昇降用の自動式の巻上機52とを有する。
【0026】
図1に示すように、ガイド50は一対のガイドローラ(以下、ガイドローラ50という。)からなり、各ガイドローラ50が各アーム21の上端部の軸受212にピン213を介して取り付けられる。なお、各アーム21の各ガイドローラ50は同一の構成を有するので、図1では一方のアーム21のガイドローラ50のみを例示している。
【0027】
図1に示すように、把持部昇降用の索状部材51は、一対のワイヤ(以下、ワイヤ51という。)からなる。なお、各ワイヤ51は同一の構成を有するので、図1では一方のワイヤ51のみを例示している。各ワイヤ51は、中間部を各アーム21上端部の各ガイドローラ50に外側から巻き掛けられて、一端が各ポール11の正面側で上下方向中間部下部寄りまで延び、この一端に既述のフック41が取り付けられ、他端が各アーム21の背面で上下方向中間部下部寄りまで延び、後述する自動式の巻上機52の巻き取り部520に巻き付けられる。このように各ワイヤ51は各アーム21上端部の各ガイドローラ50に巻き掛けられて、一端側が各アーム21及び各ポール11の正面側に配置され、他端側が各アーム21の背面側に配置されて、各ワイヤ51の引き動作により一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各ポール11の下部付近から上方へ各アーム21上端部のガイドローラ50まで上昇し、各ワイヤ51の送り動作により一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各アーム21上端部のガイドローラ50から下方へ各ポール11の下部付近まで下降するようになっている。
【0028】
図1に示すように、自動式の巻上機52は一対の電動式ウィンチ(以下、電動式ウィンチ52という。)からなる。なお、各電動式ウィンチ52は同一の構成を有するので、図1では一方の電動式ウィンチ52のみを例示している。各電動式ウィンチ52はワイヤの巻き取り、繰り出しに一般に使用される小型の電動式ウィンチで、モータ駆動の巻き取り部520を有するウィンチ本体521と、ウィンチ本体521のモータの正回転、逆回転、停止の各操作を行うウィンチ本体521共通のリモコン(リモートコントローラ)522とを備える。各ウィンチ本体521が各アーム21の背面の上下方向中間部に設置固定され、一方のウィンチ本体521から下方に延ばされるケーブルに接続されたリモコン522が一方のポール11の下部付近に垂下配置される。これらのウィンチ本体521の巻き取り部520に、既述の各ワイヤ51の他端が連結されて巻回される。このようにしてリモコン522による各モータの正回転操作により、各ウィンチ本体521に各ワイヤ51を巻き取ることにより各ワイヤ51を引き、一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各ポール11の下部付近から上方へ各アーム21上端部のガイドローラ50まで上昇し、リモコン522による各モータの逆回転操作により、各ウィンチ本体521から各ワイヤ51を繰り出すことにより各ワイヤ51を送り、一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各アーム21上端部のガイドローラ50から下方へ各ポール11の下部付近まで下降するようになっている。なお、この場合、モータは電動モータであるが、油圧モータに代えることができる。
【0029】
本装置Aはこのようにして構成され、養生シートの一側を支持ベース1に降下された把持部4に把持し、把持部駆動ユニット5により把持部4を起立位置の作動部2の上部まで上昇させて、作動部駆動ユニット3により作動部2を起立位置から倒伏位置まで回動させることにより、養生シートを荷台上に掛けるようになっている。
【0030】
図4に本装置Aを用いた養生シート(ブルーシート)Cの掛け作業を具体的に示している。
なお、本装置Aは、建設現場などでダンプやトラックの荷台Bに廃材や廃棄物などの積荷を積み込む積荷積み込み位置に荷台Bに対して幅方向外側に、つまり、荷台Bの左右方向一方側に沿って、各ポール11及び各アーム21の正面を荷台Bの側面に向けて設置する。この場合、本装置Aを既述のとおり固定式の設置ベースにより設置する。また、各ポール11間の間隔をブルーシートCの長さ(横寸法)に合わせて適宜調整する。そして、各操作レバー322により各ウィンチ本体321の巻き取り部320を正回転操作して、各ウィンチ本体321に各ワイヤ31を巻き取ることにより各ワイヤ31を引き、各アーム21を倒伏位置から起立位置まで回動して起立状態に姿勢を保持する。また、この場合、各ポール11上端部の溝110の底面後半部、及び底面前半部と底面後半部との間の段差部が起立位置回動規制部でS2、各アーム21下端部の連結部211の下端部後半部及び下端部前半部と下端部後半部との間の段差部が係合部にS4なっているので、これら起立位置回動規制部S2と係合部S4との衝接係合により、各ポール11上の各アーム21の後方への回動を規制されて、各ワイヤ31の引きとともに、各アーム21の起立状態が保持される。そして、リモコン522により各モータを逆回転操作して、各ウィンチ本体521から各ワイヤ51を繰り出すことにより各ワイヤ51を送り、各ワイヤ51一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各ポール11の下部付近まで下降しておく。
【0031】
ブルーシートCの掛け作業に当たり、まず、図4(1)に示すように、ダンプやトラックを積荷積み込み位置に荷台Bを本装置Aの前に横付けにして停車する。
【0032】
次に、図4(2)に示すように、本装置AにブルーシートCを把持する。この場合、本装置Aの各フック41をブルーシートCの一側の両端又は両端側のはと目に掛けて把持する。
【0033】
続いて、図4(3)に示すように、ブルーシートCを本装置Aの上部まで引き上げる。この場合、把持部駆動ユニット5のリモコン522で各モータを正回転操作し、各ウィンチ本体521に各ワイヤ51を巻き取ることにより各ワイヤ51を引き、各ワイヤ51一端の各フック41を各ポール11及び各アーム21の正面側で各ポール11の下部付近から上方へ各アーム21上端部のガイドローラ50まで上昇させる。これにより、ブルーシートC全体が鉛直方向に延ばされて広げられる。この間に、ブルーシートCの他側を他側のはと目に結合したゴムひもやロープなどで荷台Bのあおりに固定しておく。
【0034】
次いで、図4(4)に示すように、ブルーシートCを本装置Aで荷台Bの上に掛ける。この場合、作動部駆動ユニット3の各操作レバー322により各ウィンチ本体321の巻き取り部320を逆回転操作し、各ウィンチ本体321から各ワイヤ31を繰り出すことにより各ワイヤ31を送り、各アーム21を起立位置から倒伏位置まで回動させて倒伏状態に姿勢を保持する。この場合、各アーム21下端部の連結部211の下端部前半部が回動案内部Gになっているので、各ウィンチ本体321から各ワイヤ31を送ると、各アーム21が各ポール11上端部の溝110の底面前半部上で前方に向けて回動する。そして、各ポール11上端部の溝110の底面前半部が倒伏位置回動規制部S1で、各アーム21下端部の連結部210の前半部の延長上正面部の一部が係合部S3になっているので、各アーム21が倒伏位置まで回動されると、これら倒伏位置回動規制部S1と係合部S3との衝接により、各ポール11上の各アーム21の前方への回動を規制されて、各ワイヤ31の引きとともに、各アーム21の倒伏状態が保持される。これにより、ブルーシートCの一側が荷台Bの一側に達し、ブルーシートC全体が荷台B上に積荷の上から横断的に架け渡しされる。このようにブルーシートCを荷台Bに掛ける作業は、作業者が地上にて各操作レバー322を回転操作して各アーム21を荷台Bに向けて倒すだけなので、ブルーシートCの掛け作業を安全にしかも迅速に行うことができる。
【0035】
そして、図4(5)に示すように、ブルーシートCの一側を一側のはと目に結合したゴムひもやロープなどで荷台Bのあおりに固定する。このブルーシートCの固定後、作動部駆動ユニット3の各操作レバー322により各ウィンチ本体321の巻き取り部320を正回転操作し、各ウィンチ本体321に各ワイヤ31を巻き取ることにより各ワイヤ31を引き、各アーム21を倒伏位置から起立位置まで回動させて起立状態に姿勢を保持する。この場合、各ポール11上端部の溝110の底面後半部、及び底面前半部と底面後半部との間の段差部が起立位置回動規制部S2で、各アーム21下端部の連結部210の下端部後半部及び下端部前半部と下端部後半部との間の段差部が係合部S4になっているので、これら起立位置回動規制部S2と係合部S4との衝接係合により、各ポール11上の各アーム21の後方への回動を規制されて、各ワイヤ31の引きとともに、各アーム21の起立状態が保持される。これにより、ブルーシートCの掛け作業を終了する。
【0036】
以上説明したように、本装置Aは、荷台の高さと略同じ高さを有する支持ベース1と、荷台上を幅方向に横断可能な長さを有し、支持ベース1上に支持ベース1の上方に延びる起立位置と略水平方向に倒伏される倒伏位置との間で回動可能に枢支される作動部2と、作動部2を起立位置と倒伏位置との間で回動駆動する作動部駆動ユニット3と、支持ベース1と作動部2の上部との間に昇降可能に配設され、養生シートを把持するための把持部4と、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間に昇降駆動する把持部駆動ユニット5とを備えて構成される。このようにして、本装置Aは、荷台に積荷を積み込む積荷積み込み位置で、荷台に対して幅方向外側に設置され、養生シートの一側を支持ベース1に降下された把持部4に把持し、把持部駆動ユニット5により把持部4を起立位置の作動部2の上部まで上昇させて、作動部駆動ユニット3により作動部2を起立位置から倒伏位置まで回動させることにより、養生シートを荷台上に掛けるようにした。このようにしたことで、養生シートを荷台上の積荷の上に掛ける作業を、地上から、積荷の種類に関わらず、安全に、作業者の少ない手作業で簡易かつ迅速に行うことができる。
特に建設現場でダンプやトラックの荷台に養生シートを掛ける作業に適用した場合、高所での作業にならないので、従来のような足場や立ち馬を不要とし、従来のように安全帯を装着する必要がない。また、養生シートを積荷の上から掛けるので、荷台に積み込まれる廃材や廃棄物が不定形で凹凸箇所が多く、尖ったものであっても、荷台に養生シートを簡易かつ確実に掛けることができる。本装置Aを使用することで、作業者は養生シートを本装置Aの把持部4に把持させ、養生シートを荷台に固定するだけでよい。したがって、このシート掛け作業を一人で短時間に行うことができる。
【0037】
本装置Aは、支持ベース1を一対のポール11により構成するので、支持ベース1を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0038】
本装置Aは、支持ベース1の下端に固定式の設置ベースを有し、この設置ベースにより設置するので、本装置Aを積荷の積み込み位置に簡易に安定的に据え付けることができる。また、設置ベースをプレートやブロック又は地盤に打設する基礎などにより構成するので、支持ベースを簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0039】
本装置Aは、作動部2を一対のアーム21により構成するので、作動部2を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0040】
本装置Aは、各アーム21を各ポール11上に起立位置と倒伏位置との間で回動可能に各ポール11の上端部に回動規制部S1、S2を付け、各アーム21の下端部に係合部S3、S4を付けてヒンジ結合するので、各アーム21の起立位置と倒伏位置との間の一定範囲の回動構造を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0041】
本装置Aは、作動部駆動ユニット3を、一端を作動部2に連結されて、作動部2と支持ベース1との間にガイド30を介して配置され、作動部2を起立状態に又は倒伏状態に姿勢を保持するための作動部姿勢保持用の索状部材31と、支持ベース1に設置され、索状部材31を巻き取り又は繰り出し、作動部2を起立状態に又は倒伏状態に姿勢を保持するための姿勢制御用の手動式の巻上機32とにより構成するので、作動部駆動ユニット3を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0042】
本装置Aは、把持部4にフック41を用いるので、把持部4を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0043】
本装置Aは、把持部駆動ユニット5を、一端に把持部4が連結されて、支持ベース1と作動部2の上部との間にガイド50を介して掛け回し配置され、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間で昇降するための把持部昇降用の索状部材51と、作動部2又は支持ベース1に設置され、索状部材51を巻き取り又は繰り出し、把持部4を支持ベース1と作動部2の上部との間で昇降するための把持部昇降用の自動式の巻上機52とにより構成するので、把持部駆動ユニット5を簡単な構造で低コストに形成することができる。
【0044】
したがって、本装置Aを全体として簡単な構造で低コストに製作することができる。
【0045】
なお、この実施の形態は次のように種々に変更可能である。
【0046】
この実施の形態では、支持ベース1を一対のポール11とし、荷台の高さと同じ高さを有するものとしたが、支持ベース1を例えばロック部付きの2重パイプ伸縮構造(2重管伸縮構造)又はパイプ増設方式などを採用して一対の伸縮式のポールにするなど、支持ベース1を荷台の高さに合わせて高さを調節可能なものとしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができ、様々な高さの荷台に対応することができる。また、支持ベース1は一対の板材で形成されてもよく、支持ベース1全体が一体の板材などにより形成されてもよい。
【0047】
この実施の形態では、支持ベース1を固定式としたが、支持ベース1をレールなどを用いて移動式としてもよい。この場合、本装置の設置面に荷台の側面に向けてレールを敷設して支持ベースをレール上で移動可能に構成する。このようにすることで、倒伏位置の作動部を荷台上に適切に架け渡すことができるように、支持ベースの位置を適宜調節することができる。
【0048】
この実施の形態では、作動部2を一対のアーム21とし、荷台上を幅方向に横断可能な長さを有するものとしたが、作動部2を例えばロック部付きの2重パイプ伸縮構造(2重管伸縮構造)又はパイプ増設方式などを採用して一対の伸縮式のアームにするなど、作動部2を荷台の幅に合わせて長さを調節可能なものとしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができ、様々な幅の荷台に対応することができる。また、作動部2は一対の板材で形成されてもよく、作動部2全体が一体の板材などにより形成されてもよい。
【0049】
この実施の形態では、作動部駆動ユニット3の作動部姿勢保持用の索状部材31に一対のワイヤを用いたが、ロープやチェーン、さらに紐状のものに代えることができる。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0050】
この実施の形態では、作動部駆動ユニット3の作動部31の姿勢制御用に手動式の巻上機32を用いたが、自動式の巻上機としてもよい。この場合、自動式の巻上機は一対の電動式ウィンチからなる。電動式ウィンチは、例えばワイヤの巻き取り、繰り出しに一般に使用される小型の電動式ウィンチで、モータ駆動の巻き取り部を有するウィンチ本体と、ウィンチ本体のモータの正回転、逆回転、停止の各操作を行うウィンチ本体共通のリモコン(リモートコントローラ)とを備えることが好ましい。各ウィンチ本体は各ポールの背面に設置固定され、一方のウィンチ本体から下方に延ばされるケーブルに接続されたリモコンが一方のポールの下部付近に垂下配置される。各ウィンチ本体の巻き取り部に、各ワイヤの他端が連結されて巻回される。このようにしてリモコンによる各ウィンチ本体の巻き取り部の正回転操作により、各ウィンチ本体に各ワイヤを巻き取ることにより各ワイヤを引き、各アームを倒伏位置から起立位置まで回動させて起立状態に姿勢を保持し、リモコンによる各ウィンチ本体の巻き取り部の逆回転操作により、各ウィンチ本体から各ワイヤを繰り出すことにより各ワイヤを送り、各アームを起立位置から倒伏位置まで回動させて倒伏状態に姿勢を保持するようにすればよい。この場合、モータは電動モータでも油圧モータでもよいことは勿論である。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、索状部材と作動部駆動ユニットはシリンダなどに代えてもよい。
【0051】
この実施の形態では、把持部駆動ユニット5の把持部昇降用の索状部材51に一対のワイヤを用いたが、ロープやチェーン、さらに紐状のものに代えることができる。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
この実施の形態では、把持部駆動ユニット5の把持部昇降用に自動式の巻上機52を用いたが、手動式の巻上機としてもよい。この場合、手動式の巻上機は一対の手動式ウィンチからなる。手動式ウィンチは、例えばワイヤの巻き取り、繰り出しに一般に使用される小型の手動式ウィンチで、巻き取り部を有するウィンチ本体と、ウィンチ本体の巻き取り部に作動連結され、巻き取り部の正回転方向、逆回転方向の各回転操作を行うための操作レバーとを備えることが好ましい。各ウィンチ本体は各ポールの背面に設置固定され、各ウィンチ本体の巻き取り部に、既述の各ワイヤの他端が連結されて巻回される。このようにして各操作レバーによる各ウィンチ本体の巻き取り部の正回転操作により、各ウィンチ本体に各ワイヤを巻き取ることにより各ワイヤを引き、一端の各フックを各ポール及び各アームの正面側で各ポールの下部付近から上方へ各アーム上端部のガイドローラまで上昇し、各操作レバーによる各ウィンチ本体の巻き取り部の逆回転操作により、各ウィンチ本体から各ワイヤを繰り出すことにより各ワイヤを送り、一端の各フックを各ポール及び各アームの正面側で各アーム上端部のガイドローラから下方へ各ポールの下部付近まで下降するようにすればよい。この場合、電動モータは油圧モータでもよいことは勿論である。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
この実施の形態では、養生シートCとしてブルーシートを例示したが、この養生シートは荷台に使用できるものであれば何ら限定されるものではなく、また、網目シートや飛散防止ネットなどでもよい。
【符号の説明】
【0054】
A 荷台用養生シート掛け装置(本装置)
1 支持ベース
11 ポール
110 溝
111 軸受部
112 ピン挿通孔
113 ピン
S1 倒伏位置回動規制部
S2 起立位置回動規制部
2 作動部
21 アーム
210 ピン挿通孔
211 連結部
212 軸受部
213 ピン
G 回動案内部
S3 係合部
S4 係合部
3 作動部駆動ユニット
30 ガイド
301 第1のガイドローラ
302 第2のガイドローラ
303 第3のガイドローラ
304 軸受
305 軸受
306 軸受
31 索状部材(ワイヤ)
32 手動式の巻上機
320 巻き取り部
321 ウィンチ本体
322 操作レバー
H ヒンジ
4 把持部
41 フック
5 把持部駆動ユニット
50 ガイド(ガイドローラ)
51 索状部材(ワイヤ)
52 自動式の巻上機
520 巻き取り部
521 ウィンチ本体
522 リモコン(リモートコントローラ)
B 荷台
C 養生シート(ブルーシート)
図1
図2
図3
図4