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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】パーティション型空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20240327BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240327BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20240327BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20240327BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F7/007 101
F24F8/108 120
F24F8/80 110
F24F8/80 120
E04B2/74 541M
E04B2/74 541N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020186215
(22)【出願日】2020-11-07
(65)【公開番号】P2022076030
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-08-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月8日に株式会社アライブテック及び浜松キハン株式会社によるウェブサイト(http://h-kihan.co.jp/news/detail.php?n=Mzc=)への掲載並びに令和2年9月10日に株式会社アライブテック及び浜松キハン株式会社における販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月5日に産経新聞(株式会社産業経済新聞社)の令和2年9月5日付朝刊第4面への掲載
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月10日に中部経済新聞(株式会社中部経済新聞社)の令和2年9月10日付朝刊第5面(ウェブサイト:https://www.chukei-news.co.jp/news/2020/09/10/OK0002009100501_01/)への掲載
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507192781
【氏名又は名称】株式会社アライブテック
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 只康
(72)【発明者】
【氏名】近藤 博史
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161130(JP,A)
【文献】特開平11-159821(JP,A)
【文献】特開昭62-294831(JP,A)
【文献】特開2000-018655(JP,A)
【文献】特開2012-172885(JP,A)
【文献】特開2006-150327(JP,A)
【文献】米国特許第04867764(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/003
F24F 7/007
F24F 8/108
F24F 8/80
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向へ延びる支柱を有し、水平方向において互いに隣接する第1空間と第2空間とを仕切るパーティション本体と、
互いに反対側へ向けて開かれた吸気口および排気口を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から空気を吸入するとともに、当該空気を前記排気口から排出する送風機と、
前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から吸入された空気を清浄化するフィルターと、
前記ハウジングを前記支柱に対して回動可能に取り付ける取付部とを備え、
前記取付部で回動される前記ハウジングの回動中心線は、水平方向であって、かつ、前記吸気口および前記排気口が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置され、
前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口のそれぞれの一部が前記第1空間に配置されるとともに、他の一部が前記第2空間に配置されており、
前記ハウジング、前記送風機および前記フィルターを有する2つのファンフィルターユニットが上下二段に設けられる、パーティション型空気清浄機。
【請求項2】
前記パーティション本体は、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切壁を有し、
前記仕切壁は、平面視で前記回動中心線と同じ方向へ延びて、前記回動中心線の下方に設けられる、請求項1に記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項3】
前記仕切壁には、各種の情報を表示する表示装置が設けられる、請求項2に記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項4】
鉛直方向へ延びる支柱を有し、水平方向において互いに隣接する第1空間と第2空間とを仕切るパーティション本体と、
互いに反対側へ向けて開かれた吸気口および排気口を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から空気を吸入するとともに、当該空気を前記排気口から排出する送風機と、
前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から吸入された空気を清浄化するフィルターと、
前記ハウジングを前記支柱に対して回動可能に取り付ける取付部とを備え、
前記取付部で回動される前記ハウジングの回動中心線は、水平方向であって、かつ、前記吸気口および前記排気口が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置され、
前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口のそれぞれの一部が前記第1空間に配置されるとともに、他の一部が前記第2空間に配置されており、
前記パーティション本体は、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切壁を有し、
前記仕切壁は、平面視で前記回動中心線と同じ方向へ延びて、前記回動中心線の下方に設けられており、
前記仕切壁には、各種の注意喚起に関する情報または宣伝広告に関する情報を表示する表示装置が設けられる、パーティション型空気清浄機。
【請求項5】
前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が水平方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口の一方が前記第1空間に向けられるとともに、他方が前記第2空間に向けられる、請求項1、2または4に記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項6】
前記パーティション本体は、鉛直方向へ延びる2本の前記支柱を有し、
前記ハウジングは、2本の前記支柱の間に配置されるとともに、2つの前記取付部を介して2本の前記支柱に取り付けられる、請求項1、2、4または5のうちのいずれか1つに記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項7】
前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記ハウジングの上面は、2本の前記支柱の上端よりも下方に配置される、請求項2または6に記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項8】
前記ハウジングにおける前記吸気口が設けられた第1側壁と前記排気口が設けられた第2側壁とは、互いに平行に設けられ、
前記第1側壁の外面と前記第2側壁の外面との間隔は、前記仕切壁の厚さと略同じに定められる、請求項2または4に記載のパーティション型空気清浄機。
【請求項9】
前記送風機は、羽根車と、前記羽根車を駆動するモータと、前記モータの回転数を調整するために操作者の手で操作される操作子とを有し、
前記操作子は、前記仕切壁に設けられる、請求項2、4または8のうちのいずれか1つに記載のパーティション型空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内において2つの空間を仕切るパーティション本体を備えるパーティション型空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパーティション型空気清浄機の例が、下記特許文献1および2に開示されている。特許文献1に開示された家具(パーティション型空気清浄機)は、その表面に光触媒部材が設けられたパーティションパネルと、室内空間の空気を循環させる空気循環手段とを備える。空気循環手段が駆動されると、室内空間の空気は、光触媒部材を通してパーティションパネルの内部に取り込まれ、パーティションパネルの上部に設けられた空気吹出口から上方へ向けて排出される。一方、特許文献2に開示された空気清浄機収納型パーティション(パーティション型空気清浄機)は、パーティションを構成するメインパネルと、室内空間の空気を清浄化しながら循環させる空気清浄機とを備える。空気清浄機が駆動されると、室内空間の空気は、メインパネルの表面に設けられた吸入口を通してメインパネルの内部に取り込まれ、メインパネルの上部に設けられた排出口から上方へ向けて排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-157392号公報
【文献】特開2001-032417号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された家具では、パーティションパネルの内部に側方(水平方向)から空気が取り込まれ、特許文献2に開示された空気清浄機収納型パーティションでは、メインパネルの内部に側方(水平方向)から空気が取り込まれるので、いずれにおいても、室内空間の空気を上下方向において十分に循環させることが困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、室内空間の空気を上下方向において十分に循環させることができる、パーティション型空気清浄機を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るパーティション型空気清浄機の特徴は、鉛直方向へ延びる支柱を有し、水平方向において互いに隣接する第1空間と第2空間とを仕切るパーティション本体と、互いに反対側へ向けて開かれた吸気口および排気口を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から空気を吸入するとともに、当該空気を前記排気口から排出する送風機と、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から吸入された空気を清浄化するフィルターと、前記ハウジングを前記支柱に対して回動可能に取り付ける取付部とを備え、前記取付部で回動される前記ハウジングの回動中心線は、水平方向であって、かつ、前記吸気口および前記排気口が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置され、前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口のそれぞれの一部が前記第1空間に配置されるとともに、他の一部が前記第2空間に配置されており、前記ハウジング、前記送風機および前記フィルターを有する2つのファンフィルターユニットが上下二段に設けられることにある。
【0007】
この構成では、回動中心線においてハウジングを回動させることによって、吸気口および排気口が向けられる方向を適宜調整できる。そして、吸気口を鉛直上方へ向けた場合には、鉛直上方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直下方へ向かう空気の流れとを作ることができ、吸気口を鉛直下方へ向けた場合には、鉛直下方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直上方へ向かう空気の流れとを作ることができる。したがって、これらのいずれの場合においても、室内空間の空気を上下方向において十分に循環させることができる。また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、吸気口および排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、吸気口および排気口のそれぞれの一部が第1空間に配置されるとともに、他の一部が第2空間に配置されるので、第1空間および第2空間の両方において、ハウジングの真上の空気を真下に流すことができ、或いは、ハウジングの真下の空気を真上に流すことができる。したがって、第1空間および第2空間の下部の空気を十分に循環させることができる。また、パーティション本体の横に机が配置される場合でも、机の天板上の空気が乱され難いので、天板上の書類が舞い上がったり、会話が阻害されたりすることを抑制できる。また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、吸気口が向けられる方向を細かく調整することによって、吸気口から吸入される第1空間および第2空間のそれぞれの空気の量を細かく調整できる。ハウジングの内部に送風機およびフィルターが収容されるので、ハウジングの外部に複雑な空気流路を設ける必要がなく、簡単な構成で安価に製造できる。送風機はハウジングで保護されているので損傷を受け難く、送風機が露出している場合に比べて安全である。
【0008】
また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、2つのファンフィルターユニットにおける吸気口および排気口が向けられる方向を適宜調整することによって、使い方のバリエーションを増やすことができる。
【0009】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記パーティション本体は、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切壁を有し、前記仕切壁は、平面視で前記回動中心線と同じ方向へ延びて、前記回動中心線の下方に設けられることにある。この構成では、鉛直下方へ向けられた排気口から排出された空気を仕切壁の側面に沿わせて室内空間へ円滑に送風することができる。また、吸気口が鉛直下方へ向けられた場合には、室内空間の空気を仕切壁の側面に沿わせて吸気口へ円滑に導くことができる。
【0010】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記仕切壁には、各種の情報を表示する表示装置が設けられることにある。この構成では、表示装置で様々な情報を提供できる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るパーティション型空気清浄機の特徴は、鉛直方向へ延びる支柱を有し、水平方向において互いに隣接する第1空間と第2空間とを仕切るパーティション本体と、互いに反対側へ向けて開かれた吸気口および排気口を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から空気を吸入するとともに、当該空気を前記排気口から排出する送風機と、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から吸入された空気を清浄化するフィルターと、前記ハウジングを前記支柱に対して回動可能に取り付ける取付部とを備え、前記取付部で回動される前記ハウジングの回動中心線は、水平方向であって、かつ、前記吸気口および前記排気口が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置され、前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口のそれぞれの一部が前記第1空間に配置されるとともに、他の一部が前記第2空間に配置されており、前記パーティション本体は、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切壁を有し、前記仕切壁は、平面視で前記回動中心線と同じ方向へ延びて、前記回動中心線の下方に設けられており、前記仕切壁には、各種の注意喚起に関する情報または宣伝広告に関する情報を表示する表示装置が設けられることにある。
【0012】
この構成では、回動中心線においてハウジングを回動させることによって、吸気口および排気口が向けられる方向を適宜調整できる。そして、吸気口を鉛直上方へ向けた場合には、鉛直上方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直下方へ向かう空気の流れとを作ることができ、吸気口を鉛直下方へ向けた場合には、鉛直下方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直上方へ向かう空気の流れとを作ることができる。したがって、これらのいずれの場合においても、室内空間の空気を上下方向において十分に循環させることができる。また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、吸気口および排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、吸気口および排気口のそれぞれの一部が第1空間に配置されるとともに、他の一部が第2空間に配置されるので、第1空間および第2空間の両方において、ハウジングの真上の空気を真下に流すことができ、或いは、ハウジングの真下の空気を真上に流すことができる。したがって、第1空間および第2空間の下部の空気を十分に循環させることができる。また、パーティション本体の横に机が配置される場合でも、机の天板上の空気が乱され難いので、天板上の書類が舞い上がったり、会話が阻害されたりすることを抑制できる。また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、吸気口が向けられる方向を細かく調整することによって、吸気口から吸入される第1空間および第2空間のそれぞれの空気の量を細かく調整できる。ハウジングの内部に送風機およびフィルターが収容されるので、ハウジングの外部に複雑な空気流路を設ける必要がなく、簡単な構成で安価に製造できる。送風機はハウジングで保護されているので損傷を受け難く、送風機が露出している場合に比べて安全である。
【0013】
また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、鉛直下方へ向けられた排気口から排出された空気を仕切壁の側面に沿わせて室内空間へ円滑に送風することができる。また、吸気口が鉛直下方へ向けられた場合には、室内空間の空気を仕切壁の側面に沿わせて吸気口へ円滑に導くことができる。また、本発明に係るパーティション型空気清浄機によれば、表示装置で各種の注意喚起に関する情報または宣伝広告に関する情報を提供できる。
【0014】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が水平方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口の一方が前記第1空間に向けられるとともに、他方が前記第2空間に向けられることにある。この構成では、室内空間において、水平方向から吸気口に流入する空気の流れを作ることができるので、咳やくしゃみなどによって人から放散された飛沫を効率よく捕捉できる。これにより、ウイルス感染症の拡大リスクを軽減できる。
【0015】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記パーティション本体は、鉛直方向へ延びる2本の前記支柱を有し、前記ハウジングは、2本の前記支柱の間に配置されるとともに、2つの前記取付部を介して2本の前記支柱に取り付けられることにある。この構成では、ハウジングを2本の支柱で安定して支持できる。
【0016】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記ハウジングの上面は、2本の前記支柱の上端よりも下方に配置されることにある。
【0017】
この構成では、吸気口または排気口が鉛直上方へ向けられたときに、2本の支柱の上端部がハウジングの上面よりも上方に配置されるので、2本の支柱の上端部によってハウジングの上面を保護できる。
【0018】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記ハウジングにおける前記吸気口が設けられた第1側壁と前記排気口が設けられた第2側壁とは、互いに平行に設けられ、前記第1側壁の外面と前記第2側壁の外面との間隔は、前記仕切壁の厚さと略同じに定められることにある。
【0019】
この構成では、吸気口および排気口が向けられる方向が水平方向と一致する状態において、ハウジングの両側面と仕切壁の両側面とを略面一にすることができる。これにより、パーティション型空気清浄機の側面における気流の乱れを抑制できる。また、ハウジングは、仕切壁に対して水平方向に出っ張らないので、搬送時や保管時には、限られたスペースにコンパクトに収容できる。
【0020】
本発明に係るパーティション型空気清浄機の他の特徴は、前記送風機は、羽根車と、前記羽根車を駆動するモータと、前記モータの回転数を調整するために操作者の手で操作される操作子とを有し、前記操作子は、前記仕切壁に設けられることにある。
【0021】
この構成では、操作子を操作してモータの回転数を調整することによって、送風量を調整できる。操作子は、仕切壁に設けられるので、ハウジングを回動させたときでも、操作子の位置が変動することがなく、安定した操作性を得ることができる。
【0022】
また、パーティション型空気清浄機は、鉛直方向へ延びる支柱を有し、水平方向において互いに隣接する第1空間と第2空間とを仕切るパーティション本体と、互いに反対側へ向けて開かれた吸気口および排気口を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から空気を吸入するとともに、当該空気を前記排気口から排出する送風機と、前記ハウジングの内部に収容され、前記吸気口から吸入された空気を清浄化するフィルターと、前記ハウジングを前記支柱に対して回動可能に取り付ける取付部とを備え、前記取付部で回動される前記ハウジングの回動中心線は、水平方向であって、かつ、前記吸気口および前記排気口が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置され、前記吸気口および前記排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、前記吸気口および前記排気口のそれぞれの一部が前記第1空間に配置されるとともに、他の一部が前記第2空間に配置されていてもよい。
【0023】
この構成では、回動中心線においてハウジングを回動させることによって、吸気口および排気口が向けられる方向を適宜調整できる。そして、吸気口を鉛直上方へ向けた場合には、鉛直上方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直下方へ向かう空気の流れとを作ることができ、吸気口を鉛直下方へ向けた場合には、鉛直下方から吸気口に向かう空気の流れと、排気口から鉛直上方へ向かう空気の流れとを作ることができる。したがって、これらのいずれの場合においても、室内空間の空気を上下方向において十分に循環させることができる。また、これによれば、吸気口および排気口が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、吸気口および排気口のそれぞれの一部が第1空間に配置されるとともに、他の一部が第2空間に配置されるので、第1空間および第2空間の両方において、ハウジングの真上の空気を真下に流すことができ、或いは、ハウジングの真下の空気を真上に流すことができる。したがって、第1空間および第2空間の下部の空気を十分に循環させることができる。また、パーティション本体の横に机が配置される場合でも、机の天板上の空気が乱され難いので、天板上の書類が舞い上がったり、会話が阻害されたりすることを抑制できる。また、これによれば、吸気口が向けられる方向を細かく調整することによって、吸気口から吸入される第1空間および第2空間のそれぞれの空気の量を細かく調整できる。ハウジングの内部に送風機およびフィルターが収容されるので、ハウジングの外部に複雑な空気流路を設ける必要がなく、簡単な構成で安価に製造できる。送風機はハウジングで保護されているので損傷を受け難く、送風機が露出している場合に比べて安全である。
【0024】
また、パーティション型空気清浄機は、前記パーティション本体は、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切壁を有し、前記仕切壁は、平面視で前記回動中心線と同じ方向へ延びて、前記回動中心線の下方に設けられていてもよい。
【0025】
この構成では、鉛直下方へ向けられた排気口から排出された空気を仕切壁の側面に沿わせて室内空間へ円滑に送風することができる。また、吸気口が鉛直下方へ向けられた場合には、室内空間の空気を仕切壁の側面に沿わせて吸気口へ円滑に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機の構成(第1態様)を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機の構成(第1態様)を示す図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図3】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機の使用状態(第1態様)を示す図である。
図4】ファンフィルターユニットの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるIVB-IVB線断面図である。
図5】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機の構成(第2態様)を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機の使用状態(第2態様)を示す図である。
図7】第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機(第2態様)における仕切壁に表示装置を設けた状態を示す正面図である。
図8】第2実施形態に係るパーティション型空気清浄機の構成を示す斜視図である。
図9】第2実施形態に係るパーティション型空気清浄機の使用状態を示す図であり、(A)は第1態様を示す右側面図、(B)は第3態様を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るパーティション型空気清浄機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機10の構成を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機10の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。図3は、第1実施形態に係るパーティション型空気清浄機10の使用状態を示す図である。なお、以下の説明で用いる前後、左右、上下の各方向は、図中に矢印で示した各方向と一致している。
【0029】
図1および図2に示すパーティション型空気清浄機10は、病院や診療所の待合室、銀行やホテルのロビー、事務所および店舗などで使用されるパーティション機能を有する空気清浄機である。図3に示すように、室内空間Sにパーティション型空気清浄機10を設置すると、パーティション型空気清浄機10を挟んだ水平方向の両側に第1空間Q1および第2空間Q2が構成される。
【0030】
パーティション型空気清浄機10は、図3に示すように、室内空間Sの空気を上下方向へ送風して循環させる用途に使用でき、また、図6に示すように、室内空間Sの空気を水平方向へ送風して循環させる用途にも使用できる。さらに、図示していないが、室内空間Sの空気を水平面に対して傾斜する斜め方向へ送風して循環させる用途にも使用できる。これらの用途に応じた態様を選択的にとるために、パーティション型空気清浄機10は、後述する吸気口42および排気口44の向きを適宜変更できるように構成されている。
【0031】
図3に示す用途、すなわち室内空間Sの空気を上下方向へ送風して循環させる用途に応じた第1態様では、吸気口42および排気口44が鉛直方向における互いに反対側に向けられる。また、図6に示す用途、すなわち室内空間Sの空気を水平方向へ送風して循環させる用途に応じた第2態様では、吸気口42および排気口44が水平方向における互いに反対側に向けられる。以下では、パーティション型空気清浄機10の構成について、第1態様に基づいて説明する。
【0032】
図1および図2に示すように、パーティション型空気清浄機10は、パーティション本体12と、ファンフィルターユニット14と、2つの取付部16a,16bとを備えている。図3に示すように、パーティション本体12は、水平方向において互いに隣接する第1空間Q1と第2空間Q2とを仕切る部分であり、室内空間Sの床面F上に配置される。
【0033】
図1に示すように、パーティション本体12は、基体18と、鉛直方向へ延びる2本の支柱20a,20bと、2本の支柱20a,20bの間に配置される仕切壁22とを有している。基体18は、パーティション本体12の他の構成部分を支持する土台となる部材であり、平面視で四角形の板状に形成されている。基体18の下面における4つの角部のそれぞれには、キャスター24が設けられている。
【0034】
図1に示すように、2本の支柱20a,20bのそれぞれは、後述するファンフィルターユニット14を支持する棒状の部材であり、基体18の上面に固定されている。2本の支柱20a,20bは、基体18の前後方向中央部において、左右方向に間隔を隔てて配置されている。2本の支柱20a,20bの間隔は、ファンフィルターユニット14および仕切壁22のそれぞれの左右方向長さよりもわずかに広く定められている。
【0035】
2本の支柱20a,20bのそれぞれの前後方向長さは、ファンフィルターユニット14の上下方向長さと略同じに定められており、かつ、仕切壁22の前後方向長さと略同じに定められている。なお、図5に示すように、ファンフィルターユニット14を第1態様の位置から90度回動させた第2態様では、2本の支柱20a,20bのそれぞれの前後方向長さは、ファンフィルターユニット14の前後方向長さと略同じになる。
【0036】
2本の支柱20a,20bの上下方向長さは、仕切壁22の上下方向長さよりも長く定められている。これにより、仕切壁22の上方における2本の支柱20a,20bの間には、ファンフィルターユニット14が配置される空間Rが構成されている。図3に示すように、本実施形態における2本の支柱20a,20bの上下方向長さは、ファンフィルターユニット14を室内空間Sの上下方向中央部に配置できるように定められており、床面Fから支柱20a,20bの上端までの距離、すなわちパーティション本体12の全体の上下方向長さは、例えば、1465mmに定められている。
【0037】
仕切壁22は、図3に示す第1空間Q1と第2空間Q2とを仕切る平面視で長方形の箱状の部材である。図1に示すように、仕切壁22は、平面視で後述する回動中心線L(図1)と同じ方向へ延びて、回動中心線Lの下方に設けられている。図2(A),(B)に示すように、仕切壁22は、板状の前壁部26および後壁部28を有しており、前壁部26と後壁部28との間には、ファンフィルターユニット14に電力を供給するための導電線30等が収容される空間(図示省略)が構成されている。後壁部28の下部には、貫通孔32が形成されており、この貫通孔32に導電線30が挿通されている。
【0038】
図4は、ファンフィルターユニット14の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるIVB-IVB線断面図である。図4(B)に示すように、ファンフィルターユニット14は、ハウジング36と、ハウジング36に収容された送風機38およびフィルター40とを有している。ハウジング36は、互いに反対側へ向けて開かれた吸気口42および排気口44を有する箱状に形成されている。ハウジング36における吸気口42が設けられた第1側壁46と排気口44が設けられた第2側壁48とは、互いに平行に設けられており、第1側壁46の外面と第2側壁48の外面との間隔は、仕切壁22の厚さと略同じに定められている。
【0039】
図1に示すように、第1態様におけるハウジング36の上面、すなわち第1側壁46の外面は、2本の支柱20a,20bの上端よりも下方に配置されている。図5に示すように、第1態様のハウジング36を90度回動させた第2態様では、ハウジング36の上面は、2本の支柱20a,20bの上端と略同じ高さに配置される。なお、本実施形態では、吸気口42が設けられた第1側壁46の外面でハウジング36の上面が構成されているが、排気口44が設けられた第2側壁48の外面でハウジング36の上面が構成されてもよい。ただし、この場合には、空気の流れる方向が逆になる。
【0040】
本実施形態では、第1側壁46および第2側壁48のそれぞれが、同じ形状かつ同じ大きさの正方形に形成されており、第1側壁46と第2側壁48とは、これらの外周縁において環状の周壁50を介して繋げられている。したがって、周壁50は、前壁50a、後壁50b、左壁50cおよび右壁50dを有している。そして、左壁50cの前後方向中央部における上下方向中央部には、一方の取付部16aが設けられており、右壁50dの前後方向中央部における上下方向中央部には、他方の取付部16bが設けられている。さらに、第1側壁46の外面には、蜘蛛の巣状の保護部材51で保護されたプレフィルター52が吸気口42を覆うように設けられている。
【0041】
図4(A),(B)に示すように、吸気口42は、ハウジング36の内部に空気を取り込むための開口であり、本実施形態では平面視で円形に形成されている。排気口44は、ハウジング36の内部の空気を排出するための開口であり、本実施形態では平面視で四角形に形成されている。第1態様、すなわち吸気口42および排気口44が向けられる方向が鉛直方向と一致する態様において、吸気口42および排気口44のそれぞれの前後方向長さは、図1に示す仕切壁22の前後方向長さよりも長く定められている。したがって、図3に示すように、吸気口42および排気口44のそれぞれの一部が第1空間Q1に配置されるとともに、他の一部が第2空間Q2に配置される。
【0042】
送風機38は、吸気口42から空気を吸入するとともに、当該空気を排気口44から排出する装置であり、羽根車54と、羽根車54を駆動するモータ56と、モータ56に電力を供給するための導電線30(図2(B))と、モータ56の回転数を調整するために操作者の手で操作される操作子58(図1)とを有している。導電線30は、仕切壁22の内部空間に通して配線されている。操作子58は、円柱状に形成されて、その軸を中心として回動するように仕切壁22の表面に設けられている。本実施形態では、導電線30が挿通される貫通孔32が設けられた後壁部28の上部に操作子58が設けられている。
【0043】
羽根車54は、その中央部に設けられた吸入口54aと、その外周部に設けられた円環状の吐出口54bとを有している。羽根車54は、その吸入口54aがハウジング36の吸気口42に臨み、かつ、その吐出口54bがハウジング36の周壁50に臨むようにして、ハウジング36の内部に配置されている。モータ56は、その回転数を制御可能に構成された動力装置であり、モータ56には、導電線30が電気的に接続されている。図4(B)に示すように、モータ56は、ハウジング36の内部に設けられた架台60に固定されており、モータ56の回転軸56aは、羽根車54の中央部に固定されている。なお、羽根車54の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、遠心式、斜流式および軸流式等を適宜選択して用いることができる。
【0044】
フィルター40は、吸気口42から吸入された空気を清浄化する装置であり、HEPAフィルターおよびULPAフィルター等の高性能フィルターで構成された濾材62と、濾材62を支持する支持枠64と、濾材62の表面を保護するネット状の保護部材66とを備えている。濾材62は、平面視で正方形の板状に形成されており、排気口44に臨んでハウジング36の内部に設けられている。
【0045】
図1に示す2つの取付部16a,16bは、ファンフィルターユニット14のハウジング36を床面F(図3)よりも上方において支柱20a,20bに対して回動可能に取り付ける部分である。2つの取付部16a,16bで回動されるハウジング36の回動中心線Lは、水平方向であって、かつ、吸気口42および排気口44が向けられた各方向に対して直交する方向へ延びて配置されている。
【0046】
図1に示す一方の取付部16aは、支柱20aに対してハウジング36を任意の回動角度に回動させることができるとともに、支柱20aに対してハウジング36を任意の回動角度で固定できるように構成されている。本実施形態の取付部16aは、操作者の手の力で任意の回動角度に回動され、手の力を解除したとき、その回動角度が保持されるように構成されている。このような取付部16aの具体的な構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、円環状のスイベルトルクヒンジが取付部16aとして用いられている。スイベルトルクヒンジは、軸方向から互いに重ね合わせて連結された第1環状部材および第2環状部材を有している。第1環状部材および第2環状部材は、一定以上の回動力が付与されたときにだけ、互いに回動するように構成されている。そして、第1環状部材がハウジング36の左壁50cに固定されており、第2環状部材が左側の支柱20aに固定されている。
【0047】
図1に示す他方の取付部16bは、一方の取付部16aに対して左右対称に構成されている。そして、2つの取付部16a,16bの一方を構成するスイベルトルクヒンジの貫通孔に導電線30(図2(B))が挿通されている。
【0048】
(第1実施形態の作動)
図3に示すように、室内空間Sにパーティション型空気清浄機10を設置して、ファンフィルターユニット14の送風機38(図4(B))を駆動させると、鉛直上方に向けられた吸気口42からハウジング36の内部に空気が取り込まれ、当該空気がフィルター40を通して清浄化された後、排気口44から鉛直下方に向けて排出される。これにより、図3中の矢印で示す空気の流れ、すなわち室内空間Sの上部から下部へ向かう空気の流れを作ることができる。
【0049】
また、ファンフィルターユニット14を回動させて、吸気口42および排気口44が向けられる方向を適宜変更することによって、他の用途に応じた空気の流れを作ることができる。例えば、図6に示すように、ファンフィルターユニット14を第1態様の位置から90度回動させて第2態様にすることによって、室内空間Sの空気を水平方向へ送風することができる。
【0050】
図6に示す第2態様では、吸気口42および排気口44が向けられる方向が水平方向と一致し、吸気口42および排気口44の一方(本実施形態では排気口44)が第1空間Q1に向けられるとともに、他方(本実施形態では吸気口42)が第2空間Q2に向けられる。本実施形態において、第2態様における吸気口42の中心の高さは、椅子Nに着座した人Mの口および鼻の高さと略同じ高さに定められており、例えば、1215mmに定められている。図5に示すように、第2態様では、ハウジング36の前後方向両側面と仕切壁22の前後方向両側面とが略面一となり、ハウジング36は、仕切壁22に対して水平方向(前後方向)に出っ張らない。
【0051】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1に示す回動中心線Lにおいてハウジング36を回動させることによって、吸気口42および排気口44が向けられる方向を適宜調整できる。そして、図1に示すように、吸気口42を鉛直上方へ向けた場合には、鉛直上方から吸気口42に向かう空気の流れと、排気口44から鉛直下方へ向かう空気の流れとを作ることができる。また、図示していないが、吸気口42を鉛直下方へ向けた場合には、鉛直下方から吸気口42に向かう空気の流れと、排気口44から鉛直上方へ向かう空気の流れとを作ることができる。したがって、これらのいずれの場合でも、室内空間Sの空気を上下方向において十分に循環させることができる。
【0052】
図3に示すように、吸気口42および排気口44が向けられる方向が鉛直方向と一致するとき、吸気口42および排気口44のそれぞれの一部が第1空間Q1に配置されるとともに、他の一部が第2空間Q2に配置される。したがって、第1空間Q1および第2空間Q2の両方において、ハウジング36の真下の空気を真上に流すことができ、或いは、ハウジング36の真上の空気を真下に流すことができる。これによって、第1空間Q1および第2空間Q2の下部の空気を十分に循環させることができる。また、パーティション本体12の横に机(図示省略)が配置される場合でも、机の天板上の空気が乱され難いので、天板上の書類が舞い上がったり、会話が阻害されたりすることを抑制できる。
【0053】
図1に示すファンフィルターユニット14を回動させて吸気口42が向けられる方向を細かく調整することによって、吸気口42から吸入される第1空間Q1および第2空間Q2のそれぞれの空気の量を細かく調整できる。
【0054】
図4(B)に示すように、ハウジング36の内部に送風機38およびフィルター40が収容されるので、ハウジング36の外部に複雑な空気流路を設ける必要がなく、簡単な構成で安価に製造できる。また、送風機38はハウジング36で保護されているので損傷を受け難く、送風機38が露出している場合に比べて安全である。
【0055】
図1に示すように、ハウジング36を2本の支柱20a,20bで安定して支持できる。また、第1態様では、2本の支柱20a,20bで挟まれたハウジング36の下方に空間Rを確保できるので、吸気口42が下方へ向けられたときには、ハウジング36の下方の空気を吸気口42から取り込み易く、また、排気口44が下方へ向けられたときには、排気口44からハウジング36の下方へ向けて空気を排出し易い。
【0056】
図1に示すように、第1態様において、ハウジング36の上面は、2本の支柱20a,20bの上端よりも下方に配置されるので、2本の支柱20a,20bの上端部によってハウジング36の上面を保護できる。
【0057】
図1に示すように、仕切壁22は、平面視で回動中心線Lと同じ方向へ延びて、回動中心線Lの下方に設けられるので、鉛直下方へ向けられた排気口44から排出された空気を仕切壁22の側面に沿わせて室内空間Sへ円滑に送風することができる。また、図示していないが、吸気口42が鉛直下方へ向けられた場合には、室内空間Sの空気を仕切壁22の側面に沿わせて吸気口42へ円滑に導くことができる。
【0058】
図6に示すように、第2態様では、室内空間Sにおいて、水平方向から吸気口42に流入する空気の流れを作ることができるので、咳やくしゃみなどによって人Mから放散された飛沫を効率よく捕捉できる。これにより、ウイルス感染症の拡大リスクを軽減できる。
【0059】
図5に示すように、第2態様では、ハウジング36の前後方向両側面と仕切壁22の前後方向両側面とを略面一にすることができるので、パーティション型空気清浄機10の前後方向側面における気流の乱れを抑制できる。また、ハウジング36は、仕切壁22に対して水平方向に出っ張らないので、搬送時や保管時には、限られたスペースにコンパクトに収容できる。
【0060】
図1に示す操作子58を操作してモータ56の回転数を調整することによって、送風量を簡単に調整できる。操作子58は、仕切壁22に設けられるので、ハウジング36を回動させたときでも、操作子58の位置が変動することがなく、安定した操作性を得ることができる。
【0061】
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、第1実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1実施形態では、ハウジング36を構成する第1側壁46および第2側壁48が正方形に形成されているが、これらの形状は、特に限定されるものではなく、長方形、円形および楕円形などの他の形状に形成されてもよい。また、フィルター40を構成する濾材62の平面視形状は、第1側壁46および第2側壁48の形状に応じて、長方形、円形および楕円形などに変更されてもよい。
【0062】
図1に示すように、第1実施形態では、送風機38が操作子58を有しているが、操作子58は省略されてもよい。
【0063】
図7に示すように、仕切壁22には、液晶表示装置等の各種の情報を表示する表示装置70が設けられてもよい。この構成では、表示装置70によって様々な情報を提供できる。例えば、操作者に対しては、作動状態(電源のON-OFF状態、風向き、風量、空気循環の態様、作動を開始してからの時間など)に関する情報を提供でき、パーティション型空気清浄機10の周辺にいる人々に対しては、各種の注意喚起(ハウジングに近づかないこと、マスクを着用すること、三密状態を回避することなど)に関する情報や宣伝広告に関する情報を提供できる。なお、表示装置70に表示する画像等のデータを入力する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、SDカードやUSBメモリー等の記憶媒体を用いる手段のほか、wi-fi等の通信手段が用いられてもよい。また、表示装置70は仕切壁22の片面または両面に設けることができる。また、表示装置70は、タッチパネルで構成することでパーティション型空気清浄機80の操作子として機能させることもできる。
【0064】
図1に示すように、第1実施形態では、2本の支柱20a,20bに対して1つのファンフィルターユニット14が取り付けられているが、2本の支柱20a,20bには、少なくとも2つのファンフィルターユニット14が上下方向に並べて取り付けられてもよい。
【0065】
図8は、第2実施形態に係るパーティション型空気清浄機80の構成を示す斜視図である。図9は、第2実施形態に係るパーティション型空気清浄機80の使用状態を示す図であり、(A)は第1態様を示す右側面図、(B)は第3態様を示す右側面図である。図8に示すように、第2実施形態に係るパーティション型空気清浄機80では、ハウジング36、送風機38およびフィルター40を有する2つのファンフィルターユニット14が上下二段に設けられている。
【0066】
この構成では、2つのファンフィルターユニット14における吸気口42および排気口44が向けられる方向を適宜調整することによって、使い方のバリエーションを増やすことができる。例えば、図9(A)に示すように、2つのファンフィルターユニット14の両方の吸気口42を鉛直上方(または鉛直下方)へ向けた第1態様では、2つのフィルター40で空気を清浄化することができる。また、図9(B)に示すように、2つのファンフィルターユニット14の一方の排気口44と他方の排気口44とを互いに異なる方向へ向けた第3態様では、室内空間Sの空気をかき混ぜる効果を高めることができる。これらのほか、2つのファンフィルターユニット14の2つの排気口44同士を互いに向かい合わせ、または2つの吸気口42同士を互いに向かい合わせにすることで水平方向に放射状に強力な排気または吸気の流れを作って人の対面空間における空気を迅速に流動させることもできる。なお、パーティション型空気清浄機80は、ファンフィルターユニット14を3つ以上備えて構成することもできる。
【符号の説明】
【0067】
L…回動中心線、Q1…第1空間、Q2…第2空間、S…室内空間、10…パーティション型空気清浄機、12…パーティション本体、14…ファンフィルターユニット、16a,16b…取付部、18…基体、20a,20b…支柱、22…仕切壁、36…ハウジング、38…送風機、40…フィルター、42…吸気口、44…排気口、46…第1側壁、48…第2側壁、54…羽根車、56…モータ、58…操作子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9