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特許7466060ステーションのタクトタイムの処理方法、システム、装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ステーションのタクトタイムの処理方法、システム、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023528602
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 CN2022089844
(87)【国際公開番号】W WO2022228508
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202110486108.6
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523175395
【氏名又は名称】広州明珞装備股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU MINO EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201 & Room 101, Building C3 No. 11, Kaiyuan Avenue, Huangpu Guangzhou, Guangdong 510530, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 旻▲ち▼
(72)【発明者】
【氏名】任 孝江
(72)【発明者】
【氏名】江 偉楽
(72)【発明者】
【氏名】左 志軍
(72)【発明者】
【氏名】賀 毅
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-205027(JP,A)
【文献】特開2013-211000(JP,A)
【文献】特開2008-112209(JP,A)
【文献】特開2019-016226(JP,A)
【文献】特開2020-170454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0152902(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーションのタクトタイムの処理方法であって、
予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得するステップと、
前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するステップと、
各タクトタイム内の各前記ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得するステップと、
前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定するステップと、
各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムモードを確定するステップと、
各前記ステーションの計画タクトを示す計画タクトデータを取得するステップと、
前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するステップであって、前記ステーションタクト壁は、ステーションを示す横座標とタクト時間長さを示す縦座標とからなる所定の座標系において、タクトタイム箱ひげ図シーケンス、有効タクトタイムモードシーケンス及び計画タクトデータシーケンスを示すステップと、
前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定するステップと、を含む
ことを特徴とするステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項2】
予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得する前記ステップは、
予め設定された時間帯内の、各ステーションの開始生産動作を示す時間を含む、生産動作データを取得することと、
隣接する開始生産動作の間隔時間に基づいて各前記ステーションの複数のタクトタイムデータを確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項3】
前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定する前記ステップは、
各ステーションのタクトタイムデータの上端、上位四分位数、中央値、下位四分位数及び下端を確定することと、
前記上端、前記上位四分位数、前記中央値、前記下位四分位数及び前記下端に基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項4】
前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定する前記ステップは、
前記タクトタイムデータにより示されるタクトタイムから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得ることを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項5】
各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムモードを確定する前記ステップは、
各前記ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムを当該ステーションの有効タクトタイムモードとして確定することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項6】
前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成する前記ステップは、
各ステーションのタクトタイム箱ひげ図及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記タクトタイム箱ひげ図シーケンスを確定することと、
各ステーションの有効タクトタイムモード及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記有効タクトタイムモードシーケンスを確定することと、
各ステーションの計画タクトデータ及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記計画タクトデータシーケンスを確定することと、
前記タクトタイム箱ひげ図シーケンス、前記有効タクトタイムモードシーケンス及び前記計画タクトデータシーケンスに基づいて、前記所定の座標系においてステーションタクト壁を生成することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項7】
前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定する前記ステップは、
前記ステーションタクト壁において各ステーションのタクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションのタクトタイムの変動状況を確定することを含む
ことを特徴とする請求項に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項8】
前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定する前記ステップは、
前記ステーションタクト壁において各ステーションの有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定することを含む
ことを特徴とする請求項に記載のステーションのタクトタイムの処理方法。
【請求項9】
ステーションのタクトタイムの処理システムであって、
予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得し、前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するように構成されるタクトタイム箱ひげ図確定モジュールと、
各タクトタイム内の各前記ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定し、各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて有効タクトタイムモードを確定するように構成される有効タクトタイムモード確定モジュールと、
各前記ステーションの計画タクトを示す計画タクトデータを取得し、前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するように構成されるステーションタクト壁生成モジュールと、
前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定するように構成される、変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールと、を含み、
前記ステーションタクト壁は、ステーションを示す横座標とタクト時間長さを示す縦座標とからなる所定の座標系において、タクトタイム箱ひげ図シーケンス、有効タクトタイムモードシーケンス及び計画タクトデータシーケンスを示す
ことを特徴とするステーションのタクトタイムの処理システム。
【請求項10】
前記有効タクトタイムモード確定モジュールは、
前記タクトタイムデータにより示されるタクトタイムから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得るように構成される有効タクトタイム算出手段を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のステーションのタクトタイムの処理システム。
【請求項11】
前記有効タクトタイムモード確定モジュールは、
各前記ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムを当該ステーションの有効タクトタイムモードとして確定するように構成される有効タクトタイムモード統計手段を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のステーションのタクトタイムの処理システム。
【請求項12】
前記変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールは、
前記ステーションタクト壁において各ステーションのタクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションのタクトタイムの変動状況を確定するように構成される変動状況確定手段を含む
ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のステーションのタクトタイムの処理システム。
【請求項13】
前記変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールは、
前記ステーションタクト壁において各ステーションの有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定するように構成されるボトルネックステーション特定手段を含む
ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のステーションのタクトタイムの処理システム。
【請求項14】
ステーションのタクトタイムの処理装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムが記憶されている少なくとも1つのメモリと、を含み、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは請求項1ないし8のいずれか1項に記載のステーションのタクトタイムの処理方法を実現する
ことを特徴とするステーションのタクトタイムの処理装置。
【請求項15】
プロセッサにより実行可能な命令が記憶されている不揮発性コンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記プロセッサにより実行可能な命令は、プロセッサにより実行されると、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のステーションのタクトタイムの処理方法を実行する
ことを特徴とする不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産プロセスの技術分野に関し、特にステーションのタクトタイムの処理方法、システム、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、生産製造業界において、ステーションのタクトに対する統計手段はまだ相対的に後進的である。自動化を実現していない企業は、通常、自動化のタクト統計方法を把握しておらず、人工による計時やビデオ撮影などの手段によってタクトタイムを統計することが一般的であり、いくつかのタクトを統計してから経験に基づいて平均値や他の特徴値を当該ステーションのタクトとして算出する。一方、自動化が実現されている場合、現在の一般的なやり方としてはPLCによってタクト統計を行うことであり、ステーション開始からステーション終了までいくつかの工程サイクルを累積統計してから、人工的に特徴値を算出して当該ステーションのタクトを取得する。
以上から分かるように、従来のタクト統計方法により得られるステーションタクトは、ある時間帯におけるステーションタクトの平均値しか統計していないため、ステーションタクトの変動範囲を正確に反映することができず、実際の生産状況を真実に反映することも、ボトルネックステーションの特定することもできない。したがってメーカは実際の生産状況に対してプロセス調整及び最適化を行うことができず、生産コストの低減に不利であり、生産効率及び生産品質の向上が制限されてしまう。
【0003】
用語の解釈
PLC:プログラマブル論理コントローラであり、工業環境での応用に特化して設計されたデジタル演算オペレーティング電子システムである。プログラマブルメモリを採用し、その内部に論理演算、シーケンス制御、タイマー、カウンティング及び算術演算などの操作を実行する命令を記憶し、デジタル式又はアナログ式の入出力によって様々な種類の機械機器又は生産過程を制御する。
ステーション:1つの生産ラインは複数のステーションに分けられ、各ステーションは1つの固定領域であって特定工程の作業を行うように用いられる。
CYCLE:工程サイクルであり、1つのステーションで繰り返される最初の工程から最後の工程までのサイクルを指す。
タクト:あるステーションが1つの工程サイクルを完了するのにかかる時間である。
ワーク溜まり:ステーションの作業は完了したが、次のステーションの作業が完了するまで待ってからワークを次のステーションに搬送することである。
ワーク不足:本ステーションの作業は完了したが、1つ前のステーションの作業が完了してワークが本ステーションに搬送されるまで待つことである。
箱ひげ図:一組のデータの分散状況を示す資料として用いられる統計図であり、箱のような形状をしていることから名付けられ、様々な分野でよく使われており、特に品質管理によく用いられる。箱ひげ図は、主に生データの分布特徴を表現するために用いられ、複数組のデータの分布特徴に対する比較も実現できる。
モード:統計分布において明らかな集中傾向を有する点の数値を指し、データの一般的なレベルを表す。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する課題の1つを少なくともある程度解決することを目指す。
【0005】
そのため、本発明は、ステーションのタクトタイムの処理方法、システム、装置及び記憶媒体を提供する。本発明の技術案によれば、ステーションタクトの変動範囲を正確に反映することができ、ステーションタクトの統計結果の正確度を大幅に向上させ、且つボトルネックステーションを正確に特定することができ、生産品質と生産効率の向上及び生産コストの低減へのメーカのニーズを満足する。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ステーションのタクトタイムの処理方法を提供する。当該方法は、予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得するステップと、前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するステップと、各タクトタイム内の各前記ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得するステップと、前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定するステップと、各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムモードを確定するステップと、各前記ステーションの計画タクトを示す計画タクトデータを取得するステップと、前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するステップであって、前記ステーションタクト壁は所定の座標系においてタクトタイム箱ひげ図シーケンス、有効タクトタイムモードシーケンス及び計画タクトデータシーケンスを示し、前記所定の座標系はステーションを示す横座標とタクト時間長さを示す縦座標とからなるステップと、前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定するステップと、を含む。
【0007】
本発明の一実施例において、予め設定された時間帯内の各ステーションのタクトタイムデータを取得する前記ステップは、予め設定された時間帯内の各ステーションの開始生産動作を示す時間を含む、生産動作データを取得することと、隣接する開始生産動作の間隔時間に基づいて各前記ステーションの複数のタクトタイムデータを確定することと、を含む。
【0008】
本発明の一実施例において、前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定する前記ステップは、各ステーションのタクトタイムデータの上端、上位四分位数、中央値、下位四分位数及び下端を確定することと、前記上端、前記上位四分位数、前記中央値、前記下位四分位数及び前記下端に基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定することと、を含む。
【0009】
本発明の一実施例において、前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定する前記ステップは、前記タクトタイムデータにより示されるタクトタイムから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得ることを含む。
【0010】
本発明の一実施例において、各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムモードを確定する前記ステップは、各前記ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムを当該ステーションの有効タクトタイムモードとして確定することを含む。
【0011】
本発明の一実施例において、前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成する前記ステップは、各ステーションのタクトタイム箱ひげ図及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記タクトタイム箱ひげ図シーケンスを確定することと、各ステーションの有効タクトタイムモード及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記有効タクトタイムモードシーケンスを確定することと、各ステーションの計画タクトデータ及び前記ステーションシーケンスに基づいて前記計画タクトデータシーケンスを確定することと、前記タクトタイム箱ひげ図シーケンス、前記有効タクトタイムモードシーケンス及び前記計画タクトデータシーケンスに基づいて、前記所定の座標系においてステーションタクト壁を生成することと、を含む。
【0012】
本発明の一実施例において、前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを確定する前記ステップは、前記ステーションタクト壁において各ステーションのタクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションのタクトタイムの変動状況を確定することを含む。
【0013】
本発明の一実施例において、前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを確定する前記ステップは、前記ステーションタクト壁において各ステーションの有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定することを含む。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、ステーションのタクトタイムの処理システムを提供する。当該システムは、予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得し、前記タクトタイムデータに基づいて各前記ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するように構成されるタクトタイム箱ひげ図確定モジュールと、各タクトタイム内の各前記ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、前記タクトタイムデータ、前記ワーク溜まり時間、前記ワーク不足時間及び前記故障時間に基づいて各前記ステーションの有効タクトタイムを確定し、各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて有効タクトタイムモードを確定するように構成される有効タクトタイムモード確定モジュールと、各前記ステーションの計画タクトデータを取得し、前記タクトタイム箱ひげ図、前記有効タクトタイムモード及び前記計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するように構成されるステーションタクト壁生成モジュールと、前記ステーションタクト壁に基づいて各前記ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定するように構成される、変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールと、を含む。
【0015】
本発明の一実施例において、前記有効タクトタイムモード確定モジュールは、前記タクトタイムデータにより示されるタクトタイムから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得るように構成される有効タクトタイム算出手段を含む。
【0016】
本発明の一実施例において、前記有効タクトタイムモード確定モジュールは、各前記ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムを当該ステーションの有効タクトタイムモードとして確定するように構成される有効タクトタイムモード統計手段を含む。
【0017】
本発明の一実施例において、前記変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールは、前記ステーションタクト壁において各ステーションのタクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションのタクトタイムの変動状況を確定するように構成される変動状況確定手段を含む。
【0018】
本発明の一実施例において、前記変動状況及びボトルネックステーション特定モジュールは、前記ステーションタクト壁において各ステーションの有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを比較することにより、各前記ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定するように構成されるボトルネックステーション特定手段を含む。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、ステーションのタクトタイムの処理装置を提供する。当該装置は、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムが記憶されている少なくとも1つのメモリと、を含み、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサは上述の第1の態様に記載のステーションのタクトタイムの処理方法を実現する。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、プロセッサにより実行可能なプログラムが記憶されている不揮発性コンピュータ読取可能な記憶媒体を提供し、前記プロセッサにより実行可能なプログラムは、プロセッサにより実行されるときに上述の第1の態様に記載のステーションのタクトタイムの処理方法を実行する。
【0021】
本発明の利点及び有益な効果は、一部が以下の説明において与えられ、一部が以下の説明により明らかになるか又は本発明の実践を通じて把握される。
【0022】
本発明の技術案によれば、予め設定された時間帯内の各ステーションのタクトタイムデータを取得し、各ステーションのタクトタイムデータに基づいてタクトタイム箱ひげ図を確定し、そして各タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、各ステーションの有効タクトタイムを算出して有効タクトタイムモードを確定し、さらに各ステーションの予め計画された計画タクトデータを取得し、各ステーションのタクトタイム箱ひげ図、有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を得ることにより、ステーションタクト壁に基づいて各ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定することができる。本発明の技術案によれば、ステーションタクトの変動範囲を正確に反映することができ、ステーションタクト統計結果の正確度を大幅に向上させ、且つボトルネックステーションを正確に特定することができ、生産品質と生産効率の向上及び生産コストの低減へのメーカのニーズを満足する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例に係る技術案をより明確に説明するために、以下は本発明の実施例において使用する図面について説明する。なお、以下に説明する図面は本発明の技術案による一部の実施例を分かりやすく説明するために用いられるものに過ぎない。当業者であれば創造的な労働を行わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施例により生成されるステーションタクト壁の模式図である。
図3】本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理システムの構造ブロック図である。
図4】本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。係る実施例の例が図面に示されており、図面において、最初から最後まで同一又は類似する符号は、同一又は類似する要素或いは同一又は類似する機能を有する要素を示す。以下に添付図面を参照して説明する実施例は例示的であり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明に対する制限として理解されてはいけない。以下の実施例におけるステップ番号は説明を容易にするためのものに過ぎず、ステップ間の順序に対しては何ら限定しない。実施例における各ステップの実行順序は、いずれも当業者の理解に基づいて適応的に調整されることができる。
【0025】
本発明の説明において、複数とは2つ又は2つ以上を意味する。「第1」や「第2」は、単に技術的構成を区別することを目的として記述され、相対的な重要性を指示又は暗示したり、かかる技術的構成の数を暗黙的に示したり、かかる技術的構成の前後関係を暗黙的に示したりするものとして理解されてはいけない。なお、別途で定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者が一般に理解している意味で使用される。
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理方法が示されている。該ステーションのタクトタイムの処理方法は、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのタクトタイムを処理するために用いられる。該ステーションのタクトタイムの処理方法は以下のステップを含む。
【0027】
S101において、予め設定された時間帯内の、各ステーションのタクトタイムデータを取得し、タクトタイムデータに基づいて各ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定する。
【0028】
具体的に、タクトタイムデータはタクトタイムを示す。タクトタイム箱ひげ図は、実際のタクトタイムの変動状況を示し、予め設定された時間帯における最大タクト、最小タクト、上位四分位タクト、下位四分位タクト及び中位タクトを含む。ステップS101は具体的に
め設定された時間帯内の、各ステーションの開始生産動作を示す時間を含む生産動作データを取得し、隣接する開始生産動作の間隔時間に基づいて各ステーションの複数のタクトタイムデータを確定するステップと、
ステーションのタクトタイムデータの上端、上位四分位数、中央値、下位四分位数及び下端を確定し、上端、上位四分位数、中央値、下位四分位数及び下端に基づいて各ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するステップと、を含む
【0029】
具体的に、上位コンピュータにより、PLC制御されるプロセス機器動作とステーション状態に対してミリ秒レベルでのデータ収集を行い、収集されたデータに基づいてCYCLE時系列ガントチャートを描画する。各ステーションのCYCLEにおける最初の動作(工程の1つ目の開始生産動作)から次の当該最初の動作までの時間長さを当該ステーションの1つのタクトタイムとして記録することにより、複数のタクトタイムデータ(すなわち実際のタクトタイム)が得られる。1つのステーションに対して、そのタクトタイムデータにおける上端(すなわち最大値)、下端(すなわち最小値)、中央値(一組のデータが大きさ順に並べられたときに真ん中に位置する1つの数値)及び上下2つの四分位数を確定し、2つの四分位数を連結して箱体を描いてから、上端と下端を箱体に連結し、中央値が箱体の中央に位置する。このように、当該ステーションのタクトタイム箱ひげ図が得られる。
【0030】
選択的に、あるステーションのタクトタイムデータを小さい順に並べ、その中の最小値を下端とし、最大値を上端とし、真ん中に並べられた数値を中央値とすることができる。生成されたタクトデータが偶数個であれば、中央値は唯一ではないため、真ん中の2つの数値の平均値を中央値としてもよい。類似するように、4分の1の位置に並べられた数値を下位四分位数として、4分の3の位置に並べられた数値を上位四分位数としてもよい。
【0031】
S102において、各タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、タクトタイムデータ、ワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間に基づいて各ステーションの有効タクトタイムを確定し、各ステーションの有効タクトタイムに基づいて有効タクトタイムモードを確定する。
【0032】
具体的に、1つのタクトタイムの間、ワーク溜まり、ワーク不足又は故障の状態が発生する可能性がある。そのため、各ステーションの有効タクトタイムを正確に統計するためには、各タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得する必要がある。ステップS102は具体的に
タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得するステップと、
クトタイムデータにより示されるタクトタイムから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得るステップと、
ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムを当該ステーションの有効タクトタイムモードとして確定するステップと、を含む
【0033】
具体的に、有効タクトタイム=タクトタイムデータ-故障時間-ワーク溜まり時間-ワーク不足時間である。あるステーションの複数の有効タクトタイムを算出した後、有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い数値を確認して有効タクトタイムモードとする。例えば、あるステーションのある工程サイクルの1つの実際のタクトタイムデータは60sであり、工程サイクル中には2sのワーク不足と5sのワーク溜まりが発生し且つ故障が無い場合、対応する有効タクトタイムは60-2-5=53sとなる。このように、予め設定された時間内の当該ステーションの有効タクトタイムを類推して算出する。例えば算出した有効タクトが53s、53.2s、53.5s、54s、52s、53s、58s、57s、56s、56s、53sである場合、その中で頻度が最も高い数値である53sを有効タクトタイムモードとして確定する。
【0034】
S103において、各ステーションの計画タクトデータを取得し、タクトタイム箱ひげ図、有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成する。
【0035】
具体的に、計画タクトデータは計画タクトを示す。計画タクトは、当該ステーションの当該タクトの理論的に計画された時間長さである。ステーションタクト壁を形成することにより、各ステーションの実際のタクトタイム、理論的な計画タクト及び有効タクトタイムを対比して、各ステーションの実際の生産状況を真実に表現することができる。ステーションタクト壁は、ステーションを示す横座標と、タクト時間長さを示す縦座標とからなった所定の座標系において、タクトタイム箱ひげ図シーケンス、有効タクトタイムモードシーケンス及び計画タクトデータシーケンスを示す。
【0036】
さらに、選択的な実施形態として、タクトタイム箱ひげ図、有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するステップは、具体的に以下のステップを含む。
【0037】
A1において、各ステーションのタクトタイム箱ひげ図及びステーションシーケンスに基づいてタクトタイム箱ひげ図シーケンスを確定する。
【0038】
A2において、各ステーションの有効タクトタイムモード及びステーションシーケンスに基づいて有効タクトタイムモードシーケンスを確定する。
【0039】
A3において、各ステーションの計画タクトデータ及びステーションシーケンスに基づいて計画タクトデータシーケンスを確定する。
【0040】
A4において、タクトタイム箱ひげ図シーケンス、有効タクトタイムモードシーケンス及び計画タクトデータシーケンスに基づいてステーションタクト壁を生成する。
【0041】
具体的に、図2には、本発明の一実施例により生成されるステーションタクト壁の模式図が示されている。本発明の実施例では、ステーションタクト壁によりタクトタイムの全面的なデータを表現する。ここで、横座標は、ある生産ラインにおける各ステーションのシーケンスであり、縦座標はタクト時間長さである。箱ひげ図は、実際のタクトタイムの変動状況を示しており、予め設定された時間帯内の最大タクト、最小タクト、上位四分位タクト、下位四分位タクト及び中位タクトを含む。折れ線は、各ステーションの有効タクトタイムモードからなる有効タクトタイムモードシーケンスを示して、ステーションの理想的な作業タクトを反映する。計画タクトデータシーケンス(横破線)は、当該生産ラインの理論的な計画タクトを示す。なお、同一の生産ラインのステーションにおいては通常、各ステーションの生産動作が一致するように、それらの理論的な計画タクトはすべて同じであるため、本発明の実施例では1本の直線で表す。
【0042】
S104において、ステーションタクト壁に基づいて各ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定する。
【0043】
具体的に、ボトルネックステーションは生産ラインにおいて全体の生産効率に影響するステーションであり、一般にはステーションに製品が過剰に蓄積しているように見えて、実質的にはステーションのタクトタイムが長すぎて、生産ライン全体の生産効率を制限してしまう。本発明の実施例では、ステーションタクト壁を用いて、明確かつ正確に各ステーションのタクトタイムの変動状況を表すとともにボトルネックステーションを特定することができる。ステップS104は具体的に
ステーションのタクトタイム箱ひげ図及び計画タクトデータに基づいて各ステーションのタクトタイムの変動状況を確定するステップと、
ステーションの有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいて、各ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定するステップと、を含む
【0044】
具体的に、ステーションタクト壁において、タクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを対比することにより、各ステーションの実際の生産タクトの変動状況を把握することができるとともに、実際の生産のタクト区間を特定して、実際の生産のタクトが計画タクトに達しているか否かを確認し、実際のタクトタイムの中央値が計画タクトに達しているか否かを確認することができる。それにより、大部分の実際のタクトタイムが生産ラインの計画タクトの要求を満たしているか否かを確定することができる。また、有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを対比することにより、各ステーションが理想的なタクトタイム指標に達しているか否かを把握することができるとともに、有効タクトタイムモードと計画タクトデータの差分が最も大きいステーションを、当該生産ラインにおけるボトルネックステーションとして特定することができる。
【0045】
本発明の実施例では、予め設定された時間帯内の各ステーションのタクトタイムデータを取得し、各ステーションのタクトタイムデータに基づいてタクトタイム箱ひげ図を確定し、そして各タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、各ステーションの有効タクトタイムを算出することによって有効タクトタイムモードを確定し、さらに各ステーションの予め計画された計画タクトデータを取得し、各ステーションのタクトタイム箱ひげ図、有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を得ることにより、ステーションタクト壁に基づいて各ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定することができる。本発明の実施例によれば、ステーションタクトの変動範囲を正確に表すことができ、ステーションタクト統計結果の正確度を大幅に向上させるとともにボトルネックステーションを正確に特定することができ、生産品質と生産効率の向上及び生産コストの低減へのメーカのニーズに満たしている。
【0046】
また、従来技術に対する本発明の実施例の利点は、箱ひげ図の概念をタクトタイムの統計に組み合わせて、実際のタクトタイムの変動状況を正確に表すことができる点と、ステーションタクト壁を生成することにより、ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネック状況を多次元的に表すことができる点とを更に含む。
【0047】
図3を参照すると、本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理システムが示されている。当該処理システムは、タクトタイム箱ひげ図確定モジュール310と、有効タクトタイムモード確定モジュール320と、ステーションタクト壁生成モジュール330と、変動状況及びボトルネックステーション特定モジュール340と、を含む。
【0048】
タクトタイム箱ひげ図特定モジュール310は、予め設定された時間帯内の、所定のステーションシーケンスで配置された複数のステーションのうちの各ステーションのタクトタイムを示すタクトタイムデータを取得し、タクトタイムデータに基づいて各ステーションのタクトタイム箱ひげ図を確定するように構成される。
【0049】
有効タクトタイムモード確定モジュール320は、各タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得し、タクトタイムデータ、ワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間に基づいて各ステーションの有効タクトタイムを確定し、各前記ステーションの有効タクトタイムに基づいて有効タクトタイムモードを確定するように構成される。
【0050】
ステーションタクト壁生成モジュール330は、各ステーションの計画タクトを示す計画タクトデータを取得し、タクトタイム箱ひげ図、有効タクトタイムモード及び計画タクトデータに基づいてステーションタクト壁を生成するように構成される。
【0051】
変動状況及びボトルネックステーション特定モジュール340は、ステーションタクト壁に基づいて各ステーションのタクトタイムの変動状況及びボトルネックステーションを特定するように構成される。
【0052】
さらに、選択的な実施形態では、有効タクトタイムモード確定モジュール320は、各タクトタイム内の各ステーションのワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を取得するように構成される第1の取得手段と、タクトタイムデータから当該タクトタイム内のワーク溜まり時間、ワーク不足時間及び故障時間を減算することによって有効タクトタイムを得るように構成される有効タクトタイム算出手段と、各ステーションの有効タクトタイムの中で出現頻度が最も高い有効タクトタイムをステーションの有効タクトタイムモードとして確定するように構成される有効タクトタイムモード統計手段と、を含む。
【0053】
さらに、選択的な実施形態では、変動状況及びボトルネックステーション特定モジュール340は、前記ステーションタクト壁において、各ステーションのタクトタイム箱ひげ図と計画タクトデータとを比較することにより、各ステーションのタクトタイムの変動状況を確定するように構成される変動状況確定手段と、前記ステーションタクト壁において、各ステーションの有効タクトタイムモードと計画タクトデータとを比較することにより、各ステーションがボトルネックステーションであるか否かを確定するように構成されるボトルネックステーション特定手段と、を含む。
【0054】
上述した方法実施例による内容はすべて本システム実施例に適用されることができ、本システム実施例が具体的に実現する機能は上述した方法実施例と同じであり、且つ、達成する有益な效果も上述した方法実施例が達成する有益な效果と同じである。
【0055】
図4を参照すると、本発明の一実施例によるステーションのタクトタイムの処理装置が示されている。当該処理装置は、少なくとも1つのプロセッサ410と、少なくとも1つのプログラムを記憶するための少なくとも1つのメモリ420と、を含み、上述した少なくとも1つのプログラムが上述した少なくとも1つのプロセッサ410により実行されると、上述した少なくとも1つのプロセッサ410が上述したステーションのタクトタイムの処理方法を実現する。
【0056】
ステーションのタクトタイムの処理装置はディスプレイを更に含み、当該ディスプレイは、生成されたステーションタクト壁をユーザに表示するように構成される。
【0057】
上述した方法実施例による内容はすべて本装置実施例に適用されることができ、本装置実施例が具体的に実現する機能は、上述した方法実施例と同じであり、且つ、達成する有益な效果も上述した方法実施例が達成する有益な效果と同じである。
【0058】
本発明の実施例は、不揮発性のコンピュータ読取可能な記憶媒体を更に提供し、その中にはプロセッサにより実行可能なプログラムが記憶されている。当該プロセッサにより実行可能なプログラムは、プロセッサにより実行されるとき、上述したステーションのタクトタイムの処理方法を実行する。
【0059】
本発明の実施例による不揮発性コンピュータ読取可能な記憶媒体は、本発明の方法実施例によるステーションのタクトタイムの処理方法を実行することができ、方法実施例におけるステップの任意の組み合わせを実施することができ、当該方法に対応する機能及び有益な效果を有する。
【0060】
本発明の実施例は、コンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムを更に提供し、当該コンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムはコンピュータ命令を含み、当該コンピュータ命令はコンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されている。コンピュータ機器のプロセッサはコンピュータ読取可能な記憶媒体から当該コンピュータ命令を読み取むことができ、プロセッサは当該コンピュータ命令を実行することにより、当該コンピュータ機器に図1に係る方法を実行させる。
【0061】
いくつかの選択的な実施例において、ブロック図に記載された機能/操作の発生は、操作模式図に記載された順序に従わなくてもよい。例えば、関連する機能/操作に従い、連続して示された2つのブロックは実際に、ほぼ同時に実行されるか、又は場合によって反対の順序で実行されることができる。また、本発明のフローチャートに示されて説明される実施例は、例の形で提供されて、技術に対するより全面的な理解を提供することを目的とするものである。開示された方法は、本明細書に記載の操作及び論理フローに限定されない。選択的な実施例は予想可能なものであり、その中の各操作の順序は変更され、その中で大きな操作として記述された一部のサブ操作は独立で実行される。
【0062】
なお、本発明は機能モジュールの形で説明されているが、別途で反対に説明されていない限り、上述した機能及び/又は特徴のうちの1つ又は複数は1つの物理的装置及び/又はソフトウェアモジュールに集積されてもよく、又は1つ又は複数の機能及び/又は特徴は1つの物理的装置又はソフトウェアモジュールにおいて実現されてもよい。また、各モジュールの実際の態様に関する細かい議論は、本発明を理解するために必要ではない。より明確に言えば、エンジニアであれば、本明細書に開示された装置における各機能モジュールの属性、機能及び内部関係を考慮したうえで周知技術に基づいて当該モジュールの実際の態様を把握できる。したがって、当業者は、特許請求の範囲に記載の本発明を、過度な試験を行わずに通常の技術を用いて実現することができる。さらに、開示された特定の概念は単なる解釈的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全体範囲により決められる。
【0063】
上述の機能がソフトウェア機能ユニットの形で実現されて独立した製品として販売や使用される場合には、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されることができる。このような理解に基づいて、本発明の技術案の本質は、言い換えると従来技術に寄与する部分は、更に言い換えると当該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化されることができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の各実施例による上述方法のすべて又は一部のステップがコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク機器などであり得る)により実行されるようにするためのいくつかの命令を含む。一方、前述の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読取専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0064】
フローチャートに示されるか又はここで他の形で説明される論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するために使用される実行可能な命令のシーケンスリストとして見なされてもよく、任意のコンピュータ読取可能な媒体において具体的に実装されることにより、命令実行システム、装置又は機器(例えばコンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム又は命令実行システム、装置又は機器から命令を読み取って命令を実行可能な他のシステム)が使用できるように、又はこれらの命令実行システム、装置又は機器と組み合わせられて使用できるようにすることができる。本明細書において、「コンピュータ読取可能な媒体」は任意の、プログラムを包括、格納、通信、伝播又は送信することができる装置であって、それにより命令実行システム、装置又は機器、或いは当該装置とこれらの命令実行システム、装置又は機器との組み合わせは当該プログラムを使用することができる。
【0065】
コンピュータ読取可能な媒体のより具体的な例(非限定的リスト)は、1つ又は複数の配線を有する電気接続部(電子装置)、携帯型コンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置及び携帯型光ディスク読取専用メモリ(CDROM)を含む。さらに、コンピュータ読取可能な媒体は、上述のプログラムが印刷された紙や他の適切な媒体であってもよく、なぜなら、紙や他の媒体を光学的に走査してから編集、翻訳すること、又は必要に応じて他の適切な方法で処理することによれば、プログラムを電子的に取得してコンピュータメモリに記憶することが可能である。
【0066】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせの形で実現されることができる。上述の実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶されており且つ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアにより実現されることができる。例えば、ハードウェアで実現される場合、他の実施形態と同様に当技術分野で周知の技術である、データ信号に対して論理機能を実現するための論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、のうちのいずれか又はそれらの組み合わせで実現されることができる。
【0067】
本明細書の上述の説明において、「一実施形態/実施例」、「他の実施形態/実施例」又は「いくつかの実施形態/実施例」などの用語は、実施形態又は例に記載の、具体的な構成、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語に対する概略的な表現は必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の構成、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な形で組み合わせられることができる。
【0068】
本発明の実施形態を示しながら説明したが、当業者であれば、本発明の原理及び趣旨を逸脱せずにこれらの実施形態を様々に変更、修正、置換及び変形することができ、本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等物により限定されることを理解できる。
【0069】
以上、本発明の好適な実施について具体的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。当業者であれば本発明の精神に背くことなく種々な同等の変形や置換を行うことができるが、これらの同等の変形や置換はすべて本願の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4