(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】LPA発現を阻害するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240422BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20240422BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20240422BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20240422BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240422BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240422BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240422BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K31/712
A61K31/7125
A61K31/713
A61P1/16
A61P3/06
A61P9/00
A61P9/10 101
(21)【出願番号】P 2023507767
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 US2021071109
(87)【国際公開番号】W WO2022032288
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-11-08
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521359667
【氏名又は名称】ディセルナ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DICERNA PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ボブ デール
(72)【発明者】
【氏名】ドゥデク ヘンリク ティー
(72)【発明者】
【氏名】エイブラムス マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウェン
(72)【発明者】
【氏名】トゥラノフ アントン
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/059223(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/092283(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/118638(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記センス鎖が、
5’[mUs][mU][mG][mC][mC][mA][mA][fG][fC][fU][fU][mG][mG][mU][mC][mA][mU]
[mC][mU][mA][mG][mC][mA][mG][mC][mC][mG][ademA-GalNAc][ademA-GalNAc][ademA-GalNAc][mG][mG][mC][mU][mG][mC] (配列番号393)
であり、前記アンチセンス鎖が、
5’[MePhosphonate-4O-mUs][fAs][fGs][fA][fU][mG][fA][mC][mC][fA][mA][mG][mC]
[fU][mU][mG][mG][mC][mA][mAs][mGs][mG] (配列番号793)
であり、ここで、
mUsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-OMeウリジンを示し、
mUは、2‘-OMeウリジンを示し、
mGは、2‘-OMeグアノシンを示し、
mCは、2‘-OMeシトシンを示し、
mAは、2‘-OMeアデノシンを示し、
fGは、2‘-Fグアノシンを示し、
fCは、2‘-Fシトシンを示し、
fUは、2‘-Fウリジンを示し、
ademA-GalNAcは、2‘-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAcを示し、
MePhosphonate-4O-mUsは、
を示し、
fAsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-Fアデノシンを示し、
fGsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-Fグアノシンを示し、
fAは、2‘-Fアデノシンを示し、
mAsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2‘-OMeアデノシンを示し、そして、
mGsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2‘-OMeグアノシンを示す、RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
RNAiオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物であって、前記RNAiオリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖と二重鎖領域を形成するセンス鎖を含み、前記センス鎖が、
5’[mUs][mU][mG][mC][mC][mA][mA][fG][fC][fU][fU][mG][mG][mU][mC][mA][mU]
[mC][mU][mA][mG][mC][mA][mG][mC][mC][mG][ademA-GalNAc][ademA-GalNAc][ademA-GalNAc][mG][mG][mC][mU][mG][mC] (配列番号393)
であり、前記アンチセンス鎖が、
5’[MePhosphonate-4O-mUs][fAs][fGs][fA][fU][mG][fA][mC][mC][fA][mA][mG][mC]
[fU][mU][mG][mG][mC][mA][mAs][mGs][mG] (配列番号793)
であり、ここで、
mUsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-OMeウリジンを示し、
mUは、2‘-OMeウリジンを示し、
mGは、2‘-OMeグアノシンを示し、
mCは、2‘-OMeシトシンを示し、
mAは、2‘-OMeアデノシンを示し、
fGは、2‘-Fグアノシンを示し、
fCは、2‘-Fシトシンを示し、
fUは、2‘-Fウリジンを示し、
ademA-GalNAcは、2‘-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAcを示し、
MePhosphonate-4O-mUsは、
を示し、
fAsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-Fアデノシンを示し、
fGsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2’-Fグアノシンを示し、
fAは、2‘F-アデノシンを示し、
mAsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2‘-OMeアデノシンを示し、そして、
mGsは、3’-ホスホロチオエート結合を有する2‘-OMeグアノシンを示す、医薬組成物。
【請求項3】
静脈内投与に適した担体を更に含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記担体が、水を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記担体が、ホスフェート緩衝生理食塩水を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
細胞、細胞の集団、または対象における
アポリポタンパク質(a)(LPA
)遺伝子発現を減少するのに使用するための、請求項1に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、または請求項2~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記LPA
遺伝子発現を減少することが、
前記LPAのmRNAの量もしくはレベル、
前記LPA
の量もしくはレベル、またはその両方を減少させることを含む、請求項6に記載の、使用のためのRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物。
【請求項8】
前記対象が、
心臓代謝疾患、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を有する、請求項6または7に記載の、使用のためのRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物。
【請求項9】
心臓代謝疾患、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を有する対象を治療するのに使用するための、請求項1に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、または請求項2~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
第2の組成物または治療剤と組み合わせて投与される、請求項6~
9のいずれか1項に記載の、使用のためのRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アポリポタンパク質(a)(「LPA」)の発現を阻害するオリゴヌクレオチド及びその使用、特にLPA発現に関連する疾患、障害、及び/または状態を治療することに関する使用に関する。
【0002】
配列表への参照
配列表は、DRNA_C002WO_ST25.txtのファイル名であり、2021年8月5日の作成日であり、238キロバイトのサイズである、ASCII形式のテキストファイルとして明細書と同時に提出される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
リポタンパク質(a)(Lp(a))は、脂質コアとアポリポタンパク質B(apoB-100)を含む不均一な低密度リポタンパク質(LDL)様粒子であり、ジスルフィド結合を介してapoB-100に結合する独自の成分であるアポリポタンパク質(a)(apo(a))を含む。apo(a)遺伝子(LPA)は主に肝臓で発現し、発現はヒト及び非ヒト霊長類に限定される。ヒトでのLp(a)レベルは遺伝的に定義されており、食事、運動、またはその他のライフスタイルの変化によって大きく変化することはない。LPAは、存在するクリングルKIV2ドメインの数に応じて長さが異なり、その発現は存在するドメインの数と反比例する。通常のLp(a)レベルは0.1~25mg/dlの範囲であり、アメリカ合衆国の人口の約25%が30mg/dl以上のLp(a)レベルを有している。複数の研究におけるLp(a)レベルの分析は、高Lp(a)レベルが心血管疾患、脳卒中、及びアテローム性動脈硬化性狭窄を含む他の関連障害の独立した危険因子であることを示唆している。さらに、ゲノム全体の関連分析は、LPAがアテローム性動脈硬化性狭窄などの疾患の遺伝的危険因子であることも示唆している。高脂血症患者のLp(a)とLDLレベルの両方を下げるために治療用リポタンパク質アフェレーシスを使用すると、心血管イベントの大幅な減少が観察されている。
【0004】
したがって、これら及び他のLPA関連疾患に関連する療法及び治療の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、LPA発現に関連する疾患、障害、及び/または状態を治療するための組成物及び方法に関する。この開示は、部分的に、肝臓でのLPA発現を選択的に阻害する、及び/または減少させるオリゴヌクレオチドの発見と開発に基づいている。したがって、LPAのmRNA内の標的配列が同定され、これらの標的配列に結合してLPA mRNA発現を阻害するRNAiオリゴヌクレオチドが生成された。本明細書に示されるように、RNAiオリゴヌクレオチドは、肝臓におけるサル及びヒトのLPA発現を阻害した。理論に縛られることなく、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドは、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態(例えば、心臓代謝疾患、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASH)を治療するのに有用である。
【0006】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0007】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、センス鎖は、15~50個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、18~36個のヌクレオチドの長さである。
【0008】
前述のまたは関連する態様のいずれかにおいて、アンチセンス鎖は、15~30個のヌクレオチドの長さである。
【0009】
前述のまたは関連する態様のいずれかにおいて、アンチセンス鎖は22個のヌクレオチドの長さであり、アンチセンス鎖とセンス鎖は、少なくとも19個のヌクレオチドの長さ、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成する。
【0010】
前述のまたは関連する態様のいずれかにおいて、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さである。
【0011】
前述のまたは関連する態様のいずれかにおいて、センス鎖の3’末端は、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1はS2と相補的であり、LはS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成する。
【0012】
いくつかの態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0013】
他の態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と15~30個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0014】
さらに他の態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0015】
さらなる態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0016】
他の態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0017】
いくつかの態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1はS2と相補的であり、LはS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0018】
他の態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1はS2と相補的であり、LはS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0019】
さらに他の態様では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドが36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が少なくとも19個のヌクレオチドの長さ、任意選択で20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成し、センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1はS2と相補的であり、LはS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0020】
前述のまたは関連する態様のいずれかにおいて、Lはトリループまたはテトラループである。いくつかの実施形態では、Lは、テトラループである。いくつかの実施形態では、テトラループは配列5’-GAAA-3’を含む。
【0021】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、S1とS2は、1~10個のヌクレオチドの長さであり、同じ長さを有する。いくつかの実施形態では、S1とS2は、1個のヌクレオチド、2個のヌクレオチド、3個のヌクレオチド、4個のヌクレオチド、5個のヌクレオチド、6個のヌクレオチド、7個のヌクレオチド、8個のヌクレオチド、9個のヌクレオチド、または10個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、S1とS2は、6個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、ステムループは、配列5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号1197)を含む。
【0022】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、アンチセンス鎖は、1個以上のヌクレオチドの長さの3’突出配列を含む。いくつかの実施形態では、3’突出配列は2個のヌクレオチドの長さであり、任意選択で3’突出配列はGGである。
【0023】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは2’修飾を含む。いくつかの実施形態では、2’修飾は、2’-アミノエチル、2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸から選択される修飾である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドを構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、任意選択で、修飾は、2’-フルオロ及び2’-O-メチルから選択される2’-修飾である。
【0024】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0025】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素は、ホスフェート類似体を含む。いくつかの実施形態では、ホスフェート類似体は、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、またはマロニルホスホネートであり、任意選択で、ホスフェート類似体は、5’-メトキシホスホネート-4’-オキシを含む4’-ホスフェート類似体である。
【0026】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドは、1つ以上の標的化リガンドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、それぞれの標的化リガンドは、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチド、または脂質を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの標的化リガンドは、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分を含む。いくつかの実施形態では、GalNAc部分は、一価GalNAc部分、二価GalNAc部分、三価GalNAc部分、または四価GalNAc部分である。いくつかの実施形態では、ステムループのLの最大4個のヌクレオチドが、それぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートされる。
【0027】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、センス鎖は、配列番号388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、及び403のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。
【0028】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、アンチセンス鎖は、配列番号788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、及び803のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む。
【0029】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、センス鎖とアンチセンス鎖は、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む:
(a) それぞれ配列番号393と793;
(b) それぞれ配列番号388と788;
(c) それぞれ配列番号389と789;
(d) それぞれ配列番号390と790;
(e) それぞれ配列番号391と791;
(f) それぞれ配列番号392と792;
(g) それぞれ配列番号394と794;
(h) それぞれ配列番号395と795;
(i) それぞれ配列番号396と796;
(j) それぞれ配列番号397と797;
(k) それぞれ配列番号398と798;
(l) それぞれ配列番号399と799;
(m) それぞれ配列番号400と800;
(n) それぞれ配列番号401と801;
(o) それぞれ配列番号402と802;及び
(p) それぞれ配列番号403と803。
【0030】
いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号393に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号793に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号388に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号788に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号389に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号789に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号390に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号790に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号391に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号791に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号392に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号792に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号394に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号794に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号395に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号795に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号396に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号796に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号397に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号797に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号398に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号798に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号399に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号799に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号400に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号800に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号401に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号801に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号402に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号802に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号403に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号803に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖とアンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0032】
さらなる実施形態では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖とアンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0033】
他の実施形態では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖とアンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、センス鎖とアンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、アンチセンス鎖とセンス鎖が1つ以上の2’-フルオロ及び2’-O-メチルで修飾されたヌクレオチドならびに少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、RNAiオリゴヌクレオチドを提供する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、方法が、先行請求項のいずれか1つに記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたはその医薬組成物の治療有効量を対象に投与し、それによって対象を治療することを含む、方法を提供する。
【0036】
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される担体、送達剤、または賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。
【0037】
他の実施形態では、本開示は、オリゴヌクレオチドを対象に送達する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0038】
別の実施形態では、本開示は、細胞、細胞の集団、または対象におけるLPA発現を減少させるための方法であって、方法が:
i. 細胞または細胞の集団を、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物と接触させること;または
ii. 本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を対象に投与すること、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、LPA発現を減少させることは、LPAのmRNAの量もしくはレベル、LPAタンパク質の量もしくはレベル、またはその両方を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、対象は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する。いくつかの実施形態では、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態は、心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD及びNASHである。いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物は、第2の組成物または治療剤と組み合わせて投与される。
【0039】
別の態様では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、方法が、センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドの治療有効量を対象に投与することを含み、センス鎖とアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、方法を提供する。
【0040】
別の実施形態では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、方法が、表5に示される行から選択されるセンス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドまたはその医薬組成物の治療有効量を対象に投与し、それによって対象を治療することを含む、方法を提供する。
【0041】
他の実施形態では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、方法が、センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドの治療有効量を対象に投与することを含み、センス鎖とアンチセンス鎖が以下からなる群から選択される方法を提供する:
(a) それぞれ配列番号393と793;
(b) それぞれ配列番号388と788;
(c) それぞれ配列番号389と789;
(d) それぞれ配列番号390と790;
(e) それぞれ配列番号391と791;
(f) それぞれ配列番号392と792;
(g) それぞれ配列番号394と794;
(h) それぞれ配列番号395と795;
(i) それぞれ配列番号396と796;
(j) それぞれ配列番号397と797;
(k) それぞれ配列番号398と798;
(l) それぞれ配列番号399と799;
(m) それぞれ配列番号400と800;
(n) それぞれ配列番号401と801;
(o) それぞれ配列番号402と802;及び
(p) それぞれ配列番号403と803。
【0042】
いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号393に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号793に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号388に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号788に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号389に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号789に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号390に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号790に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号391に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号791に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号392に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号792に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号394に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号794に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号395に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号795に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号396に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号796に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号397に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号797に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号398に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号798に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号399に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号799に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号400に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号800に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号401に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号801に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号402に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号802に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は配列番号403に示されるヌクレオチド配列を含み、アンチセンス鎖は配列番号803に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態は、心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD及びNASHである。
【0044】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の治療のための、任意選択で心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの治療のための医薬品の製造における、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、本開示は、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の治療における、任意選択で心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの治療のための使用のための、または使用に適用可能な、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の使用を提供する。
【0046】
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載のRNAiオリゴヌクレオチドと、任意選択の薬学的に許容される担体と、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象への投与のための使用説明書を含む添付文書と、を含むキットを提供する。
【0047】
前述のまたは関連する実施形態のいずれかにおいて、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態は、心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD及びNASHである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図2】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図3】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図4】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図5】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHepG2-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図6】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図7】対照のモック処理細胞のLPAのmRNAのパーセント(%)と比較した、示されたDsiRNAをトランスフェクトしたHEK293-LPA細胞におけるLPAのmRNAの%を示すグラフを提供する。
【
図8】ホスフェート緩衝生理食塩水(PBS)で処理されたマウスと比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたマウスからの肝臓試料中のLPAのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図9】ホスフェート緩衝生理食塩水(PBS)で処理されたマウスと比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたマウスからの肝臓試料中のLPAのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図10】一般的なN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)コンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドの構造及び化学修飾パターンを示す概略図を提供する。
【
図11A】処置後28日目の、PBSで処理された非ヒト霊長類(NHP)と比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたNHPからの肝臓試料中のLPAのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図11B】処置後56日目の、PBSで処理された非ヒト霊長類(NHP)と比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたNHPからの肝臓試料中のLPAのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図11C】処置後84日目の、PBSで処理された非ヒト霊長類(NHP)と比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたNHPからの肝臓試料中のLPAのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図11D】28日目の、PBSで処理されたNHPと比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたNHPからの肝臓試料中のPLGのmRNAのパーセント(%)を示すグラフを提供する。
【
図12】経時的な、PBSで処理されたNHPと比較した、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理されたNHPからの血清中のapo(a)タンパク質の平均パーセント(%)を示すグラフを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0049】
I.定義
本明細書で使用される場合、目的の1つ以上の値に適用される「約」は、記述される参照値と類似する値を指す。特定の実施形態では、「約」は、特に明記されていない限り、または文脈から明らかでない限り、言及された参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下のいずれかの方向(より大きいまたはより小さい)の範囲内の値の範囲を指す(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0050】
本明細書で使用される場合、「投与する」、「投与すること」、「投与」などは、薬理学的に有用な様式で(例えば、対象の状態を治療するために)対象に物質(例えば、オリゴヌクレオチド)を提供することを指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、「アポリポタンパク質(a)」及び「apo(a)」と略される用語は、脂質に結合してリポタンパク質を形成するポリペプチドのアポリポタンパク質クラスのメンバーであるアポリポタンパク質(a)ポリペプチドを指す。Apo(a)は、ヒトにおけるLPA遺伝子によってコードされる多型糖タンパク質である。LPAのmRNA及びapo(a)ポリペプチドは主に肝臓で発現する。リポタンパク質(a)(Lp(a)と略される)は、肝臓で形成されるリポタンパク質のクラスであり、apo(a)に共有結合したアポリポタンパク質(apo)B-100(Apo-B100)の単一コピーを含む。ヒトでは、apo(a)には、KIV1のそれぞれの1コピー、KIV2の複数のコピー、及びKIV3~KIV10のそれぞれの1コピーから構成される、少なくとも10のサブタイプのKIVリピート、KV、及び不活性なプロテアーゼ様ドメインが含まれる。apo(a)の存在は、Lp(a)を他のすべてのリポタンパク質クラスから区別する(Marcovina et al.,(1995)Clin Chem.41(2):246-55)。本開示の目的のために、「アポリポタンパク質(a)」または「apo(a)」は、ヒト、マウス、霊長類、サル、ウシ、ニワトリ、げっ歯類、ラット、ブタ、ヒツジ、及びモルモットを含むがこれらに限定されない、任意の脊椎動物または哺乳動物由来のapo(a)ポリペプチドを指す。「Apo(a)」はまた、天然apo(a)のインビボまたはインビトロ活性の少なくとも1つを維持する天然apo(a)の断片またはバリアントを指す。Apo(a)には、Apo(a)の全長の未プロセッシング前駆体のほか、翻訳後のプロセッシングによる成熟型も含まれる。ヒトLPAのmRNA転写物の例示的な配列は、公的に入手可能(GenBankアクセッション番号NM_005577.3)であり、本明細書に開示されている(配列番号1)。カニクイザルのLPAのmRNAの例示的な配列は公的に入手可能(GenBankアクセッション番号XM_015448517.1)であり、本明細書に開示されている(配列番号2)。
【0052】
本明細書で使用される場合、「アシアロ糖タンパク質受容体」または「ASGPR」は、48kDaのメジャーサブユニット(ASGPR-1)及び40kDaのマイナーサブユニット(ASGPR-2)によって形成される二部分C型レクチンを指す。ASGPRは、主として肝細胞の類洞表面で発現し、末端ガラクトースまたはGalNAc残基を含む循環糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)の結合、内在化、及びその後の排出に主要な役割を有する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「減弱する」、「減弱する」、「減弱」などは、減少させるかまたは効果的に停止させることを指す。非限定的な例として、本明細書の治療の1つ以上は、対象におけるアテローム性動脈硬化症を含む心臓代謝疾患、脂質異常症、NAFLD及びNASHの発症または進行を減少させるかまたは効果的に停止させることができる。この減弱は、例えば、アテローム性動脈硬化症を含む心臓代謝疾患、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの1つ以上の態様(例えば、症状、組織特性、及び細胞、炎症または免疫学的活性など)の減少、アテローム性動脈硬化症を含む心臓代謝疾患、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの1つ以上の態様の検出可能な進行(悪化)がないこと、または別の方法で予想される場合に、アテローム性動脈硬化症を含む心臓代謝疾患、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの検出可能な態様がないこと、によって例示され得る。
【0054】
本明細書で使用される場合、「相補的」は、(例えば、2つの対向する核酸上のまたは単一の核酸鎖の対向する領域上の)2個のヌクレオチドが互いに塩基対を形成することを可能にする2個のヌクレオチド間の構造的関係を指す。例えば、対向する核酸のピリミジンヌクレオチドに相補的である1つの核酸のプリンヌクレオチドは、互いに水素結合を形成することにより一緒に塩基対形成し得る。いくつかの実施形態では、相補的なポリヌクレオチド鎖は、ワトソン・クリック型、または、安定した二重鎖の形成を可能にする他の任意の形で、塩基対を形成することができる。いくつかの実施形態では、2本の核酸は、本明細書に記載されるように、互いに相補的であることで相補性の領域を形成する複数のヌクレオチドの領域を有することができる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「デオキシリボヌクレオチド」は、リボヌクレオチドと比較する場合、そのペントース糖の2’位のヒドロキシルの代わりに水素を有するヌクレオチドを指す。修飾デオキシリボヌクレオチドは、糖、ホスフェート基または塩基の修飾または置換を含む、2′位以外の原子に1つ以上の修飾または置換を有するデオキシリボヌクレオチドである。
【0056】
本明細書で使用される場合、「二本鎖オリゴヌクレオチド」または「dsオリゴヌクレオチド」は、実質的に二本鎖形態であるオリゴヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、共有結合的に分離した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成される。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、共有結合した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成される。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、(例えば、ヘアピンを介して)フォールディングし、一緒に塩基対を形成するヌクレオチドの相補的な逆平行配列を提供する単一の核酸鎖から形成される。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドは、互いに完全に二本鎖である2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドは、部分的に二重鎖である(例えば、一方または両方の末端に突出を有する)2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含む。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドは、部分的に相補的であるヌクレオチドの逆平行配列を含み、したがって、内部ミスマッチまたは末端ミスマッチを含み得る1つ以上のミスマッチを有し得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に関して、「二重鎖」は、ヌクレオチドの2つの逆平行配列の相補的塩基対形成により形成される構造を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、例えば、所望の稠度または安定化効果を与えるかまたはこれらに寄与するために組成物中に含めることができる非治療剤を指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「肝細胞」または「複数の肝細胞」は、肝臓の実質組織の細胞を指す。これらの細胞は肝臓の質量の約70%~85%を構成し、血清アルブミン、FBN、及び凝固因子のプロトロンビングループ(因子3及び4を除く)を製造する。肝細胞系列細胞のマーカーとしては、トランスサイレチン(Ttr)、グルタミン合成酵素(Glul)、肝細胞核因子1a(Hnf1a)、及び肝細胞核因子4a(Hnf4a)が挙げられるが、これらに限定されない。成熟肝細胞のマーカーとしては、シトクロムP450(Cyp3a11)、フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ(Fah)、グルコース6-ホスフェート(G6p)、アルブミン(Alb)、及びOC2-2F8が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Huch et al.(2013)Nature 494:247-250を参照されたい。
【0060】
本明細書で使用される場合、「肝毒性剤」は、それ自体が肝臓に対して毒性であるか、または処理されて肝臓に対して毒性である代謝産物を形成することができる化合物、ウイルス、または他の物質を指す。肝毒性剤としては、四塩化炭素(CCl4)、アセトアミノフェン(パラセタモール)、塩化ビニル、ヒ素、クロロホルム、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン及びフェニルブタゾンなど)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書で使用される場合、「不安定なリンカー」は、(例えば、酸性pHによって)切断され得るリンカーを指す。「かなり安定なリンカー」とは、切断できないリンカーを指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、「肝臓の炎症」または「肝炎」は、肝毒性剤への曝露によって引き起こされる可能性があるような、特に損傷もしくは感染の結果として、肝臓の腫脹、機能不全及び/または疼痛をもたらす、身体的状態を指す。症状としては、黄疸(皮膚や目の黄変)、疲労、衰弱、悪心、嘔吐、食欲減退、体重減少などが挙げられ得る。肝臓の炎症は、治療せずに放置すると、線維症、肝硬変、肝不全、または肝癌に進行する可能性がある。
【0063】
本明細書で使用される場合、「肝線維症」または「肝臓の線維症」は、炎症や肝細胞死に起因する、コラーゲン(I、III、及びIV)、FBN、ウンドゥリン、エラスチン、ラミニン、ヒアルロナン、及びプロテオグリカンを含み得る細胞外マトリックスタンパク質の肝臓における過剰な蓄積を指す。肝線維症は、治療せずに放置すると、肝硬変、肝不全、または肝癌に進行する可能性がある。
【0064】
本明細書で使用される場合、「ループ」は、互いに十分に相補的な核酸の2つの逆平行領域によって挟まれている核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)の非対形成領域であって、適切なハイブリダイゼーション条件下(例えば、ホスフェート緩衝溶液中、細胞内)で、非対形成領域を挟んだ2つの逆平行領域がハイブリダイズして二重鎖(「ステム」と呼ばれる)を形成する、核酸の非対形成領域を指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、「修飾されたヌクレオチド間結合」は、ホスホジエステル結合を含む参照ヌクレオチド間結合と比較して1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチド間結合を指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、天然に存在しない結合である。典型的には、修飾ヌクレオチド間結合は、修飾ヌクレオチド間結合が存在する核酸に1つ以上の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、可溶性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善することができる。
【0066】
本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオチド」は、アデニンリボヌクレオチド、グアニンリボヌクレオチド、シトシンリボヌクレオチド、ウラシルリボヌクレオチド、アデニンデオキシリボヌクレオチド、グアニンデオキシリボヌクレオチド、シトシンデオキシリボヌクレオチド、及びチミジンデオキシリボヌクレオチドから選択される対応する参照ヌクレオチドと比較して、1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、その糖、核酸塩基、及び/またはホスフェート基に1つ以上の化学修飾を有する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、対応する参照ヌクレオチドにコンジュゲートされた1つ以上の化学部分を有する。典型的には、修飾ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドが存在する核酸に1つ以上の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、可溶性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善することができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「ニックテトラループ構造」は、センス(パッセンジャー)鎖がアンチセンス(ガイド)鎖と相補的な領域を有し、鎖の少なくとも1つ(一般にセンス鎖)が、当該少なくとも1つの鎖内に形成された隣接するステム領域を安定化するように構成されたテトラループを有する、別個のセンス及びアンチセンス鎖によって特徴付けられるRNAiオリゴヌクレオチドの構造を指す。
【0068】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、(例えば、約100個未満のヌクレオチドの長さの)短い核酸を指す。オリゴヌクレオチドは、一本鎖(ss)またはdsであり得る。オリゴヌクレオチドは二重鎖領域を有していても有していなくてもよい。一連の非限定的な例として、オリゴヌクレオチドは、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、ダイサー基質干渉RNA(dsiRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、短いsiRNA、またはss siRNAであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドは、RNAiオリゴヌクレオチドである。
【0069】
本明細書で使用される場合、「突出」は、1つの鎖または領域が、その1つの鎖または領域が二重鎖を形成する相補鎖の末端を超えて伸長していることから生じる末端の非塩基対形成ヌクレオチド(複数可)を指す。いくつかの実施形態では、突出は、dsオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端で二重鎖領域から伸長している1つ以上の非対形成ヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、突出は、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖またはセンス鎖上の3’または5’の突出である。
【0070】
本明細書で使用される場合、「ホスフェート類似体」は、ホスフェート基の静電特性及び/または立体特性を模倣する化学部分を指す。いくつかの実施形態では、ホスフェート類似体は、しばしば酵素的除去を受けやすい5’-ホスフェートの代わりにオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドに配置される。いくつかの実施形態では、5’ホスフェート類似体はホスファターゼ耐性結合を含む。ホスフェート類似体の例としては、5’-メチレンホスホネート(5’-MP)、及び5’-(E)-ビニルホスホネート(5’-VP)などの5’-ホスホネートが挙げられる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドにおいて、糖の4’位の炭素にホスフェート類似体を有する(4’-ホスフェート類似体と呼ぶ)。4’-ホスフェート類似体の例として、オキシメチル基の酸素原子が糖部分(例えば、その4’-炭素)に結合したオキシメチルホスホネートまたはその類似体がある。例えば、米国仮特許出願第62/383,207号(2016年9月2日に出願)及び同第62/393,401号(2016年9月12日に出願)を参照されたい。オリゴヌクレオチドの5’末端に対する他の修飾が開発されている(例えば、国際特許出願第WO2011/133871号;米国特許第8,927,513号;及びPrakash et al.(2015)Nucleic Acids Res.43:2993-3011を参照されたい)。
【0071】
本明細書で使用される場合、ある遺伝子(例えば、LPA)の「減少した発現」は、適切な参照(例えば、参照の細胞、細胞の集団、試料、または対象)と比較する場合の、細胞、細胞の集団、試料、または対象におけるその遺伝子によってコードされるRNA転写産物(例えば、LPAのmRNA)もしくはタンパク質の量もしくはレベルの減少、及び/またはその遺伝子の活性の量もしくはレベルの減少を指す。例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、LPAのmRNAを含むヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖を含むオリゴヌクレオチド)と細胞を接触させる行為は、dsオリゴヌクレオチドで処理されていない細胞と比較する場合、(例えば、RNAi経路によるLPAのmRNAの不活性化及びまたは分解による)LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、及び/またはapo(a)活性の量またはレベルの減少をもたらし得る。同様に、本明細書で使用される場合、「発現を減少させること」は、遺伝子(例えば、LPA)の減少した発現をもたらす行為を指す。本明細書で使用される場合、「LPA発現の減少」は、適切な参照(例えば、参照の細胞、細胞の集団、試料、または対象)と比較する場合の、細胞、細胞の集団、試料、または対象における、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、及び/またはapo(a)活性の量またはレベルの減少を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「相補性の領域」は、ヌクレオチドの逆平行配列と十分に相補的であることにより、(例えば、ホスフェート緩衝液中、細胞内などの)適切なハイブリダイゼーション条件下で2つのヌクレオチドの配列間のハイブリダイゼーションを可能にするような、核酸のヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)の配列を指す。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、mRNA標的配列に相補的な領域を有する標的化配列を含む。
【0073】
本明細書で使用される場合、「リボヌクレオチド」は、そのペントース糖として、2’位にヒドロキシル基を有するリボースを有するヌクレオチドを指す。修飾リボヌクレオチドは、リボース、ホスフェート基または塩基において、またはそれらの修飾または置換を含む、2′位以外の原子に1つ以上の修飾または置換を有するリボヌクレオチドである。
【0074】
本明細書で使用される場合、「RNAiオリゴヌクレオチド」は、(a)センス鎖(パッセンジャー)とアンチセンス鎖(ガイド)を有するdsオリゴヌクレオチドであって、アンチセンス鎖またはアンチセンス鎖の一部がアルゴノート2(Ago2)エンドヌクレアーゼによって標的mRNA(例えば、LPAのmRNA)の切断に使用されるdsオリゴヌクレオチド、または(b)一本鎖アンチセンス鎖を有するssオリゴヌクレオチドであって、そのアンチセンス鎖(またはそのアンチセンス鎖の一部)が、Ago2エンドヌクレアーゼによって標的mRNA(例えば、LPAのmRNA)の切断に使用されるssオリゴヌクレオチドのいずれかを指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、「鎖」は、ヌクレオチド間結合(例えば、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合)を介して互いに連結されたヌクレオチドの単一の連続した配列を指す。いくつかの実施形態では、鎖は、2つの自由末端(例えば、5’末端及び3’末端)を有する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「対象」は、マウス、ウサギ、及びヒトを含む任意の哺乳動物を意味する。一実施形態では、対象は、ヒトまたはNHPである。また、「個体」または「患者」は、「対象」と交換可能に用いられ得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「合成」は、人工的に合成された(例えば、機械(例えば、固相核酸合成装置)を使用して)か、またはその分子を通常生成する天然の供給源(例えば、細胞または生物)に由来していない核酸または他の分子を指す。
【0078】
本明細書で使用される場合、「標的化リガンド」とは、目的の組織または細胞の同族分子(例えば、受容体)に選択的に結合し、目的の組織または細胞に他の物質を標的化する目的で、別の物質にコンジュゲート可能な分子(例えば、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチドまたは脂質)を指す。例えば、いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドを目的の特定の組織または細胞に標的化する目的で、標的化リガンドをオリゴヌクレオチドにコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、細胞表面受容体に選択的に結合する。したがって、いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされると、細胞の表面に発現する受容体への選択的結合及びオリゴヌクレオチド、標的化リガンド、及び受容体を含む複合体の細胞によるエンドソーム内在化を介して、特定の細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を促進する。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドが細胞内の標的化リガンドから放出されるように細胞内部移行後または細胞内在化中に切断されるリンカーを介して、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「テトラループ」は、ヌクレオチドの隣接配列のハイブリダイゼーションによって形成される隣接二重鎖の安定性を増加させるループを指す。安定性の増加は、ランダムに選択されたヌクレオチドの配列からなる同等の長さのループのセットからの平均として予想される隣接したステム二重鎖のTmよりも高い、隣接したステム二重鎖の融解温度(Tm)の上昇として検出可能である。例えば、テトラループは、少なくとも2塩基対(bp)の長さの二重鎖を含むヘアピンに、10mMのNaHPO4中で、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、少なくとも約56℃、少なくとも約58℃、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、または少なくとも約75℃のTmをもたらし得る。いくつかの実施形態では、テトラループは、スタッキング相互作用によって、隣接したステム二重鎖のbpを安定化させることができる。さらに、テトラループ内のヌクレオチド間の相互作用としては、非ワトソン-クリック塩基対形成、スタッキング相互作用、水素結合、及び接触相互作用が挙げられるが、これらに限定されない(Cheong et al.(1990)Nature 346:680-82;Heus & Pardi(1991)Science 253:191-94)。いくつかの実施形態では、テトラループは、3個~6個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなり、典型的には4~5個のヌクレオチドである。特定の実施形態では、テトラループは、修飾されていてもされていなくてもよい(例えば、標的化部分にコンジュゲートされていてもいなくてもよい)3、4、5、または6個のヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。一実施形態では、テトラループは、4個のヌクレオチドからなる。テトラループでは任意のヌクレオチドを使用することができ、Cornish-Bowden(1985)Nucleic Acids Res.13:3021-3030に記載されるようにそのようなヌクレオチドの標準的なIUPAC-IUB記号を使用することができる。例えば、「N」という文字は、任意の塩基がその位置にあり得ることを意味するために使用することができ、「R」という文字は、A(アデニン)またはG(グアニン)がその位置にあり得ることを示すために使用することができ、「B」は、C(シトシン)、G(グアニン)、T(チミン)、またはU(ウラシル)がその位置にあり得ることを示すために使用できる。テトラループの例としては、UNCGファミリーのテトラループ(例えば、UUCG)、GNRAファミリーのテトラループ(例えば、GAAA)、及びCUUGテトラループが挙げられる(Woese et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8467-8471;Antao et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:5901-5905)。DNAテトラループの例としては、d(GNNA)ファミリーのテトラループ(例えば、d(GTTA))、d(GNRA)ファミリーのテトラループ、d(GNAB)ファミリーのテトラループ、d(CNNG)ファミリーのテトラループ、及びd(TNCG)ファミリーのテトラループ(例えば、d(TTCG))が挙げられる。例えば、Nakano et al.(2002)Biochem.41:4281-14292;Shinji et al.(2000)Nippon Kagakkai Koen Yokoshu 78:731を参照されたい。いくつかの実施形態では、テトラループは、ニックを有するテトラループ構造内に含まれる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療すること」は、例えば、既存の状態(例えば、疾患、障害)に関して、対象の健康及び/または生活状態を改善する目的で、または状態の発生の可能性を予防または減少させるために、対象に治療剤(例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド)を投与することによって、ケアを必要とする対象にケアを提供する行為を指す。いくつかの実施形態では、治療は、対象が経験する状態(例えば、疾患、障害)の少なくとも1つの徴候、症状、または寄与因子の頻度または重症度を減少させることを含む。
【0081】
II.LPA発現のオリゴヌクレオチド阻害剤
本開示は、とりわけ、LPA発現を阻害するオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書におけるLPA発現を阻害するオリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを標的とする。
【0082】
i.LPA標的配列
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを含む標的配列を標的とする。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、またはその一部、断片もしくは鎖(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖またはガイド鎖)は、LPAのmRNAを含む標的配列に結合またはアニールし、それによってLPA発現を阻害する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、インビボでLPA発現を阻害する目的でLPA標的配列を標的とする。いくつかの実施形態では、LPA標的配列を標的とするオリゴヌクレオチドによるLPA発現の阻害の量または程度は、オリゴヌクレオチドの効力と相関する。いくつかの実施形態では、LPA標的配列を標的とするオリゴヌクレオチドによるLPA発現の阻害の量または程度は、オリゴヌクレオチドで治療されたLPAの発現と関連する疾患、障害、または状態を有する対象または患者における治療効果の量または程度と相関する。
【0083】
複数の異なる種(例えば、ヒト、カニクイザル、及びアカゲザル;例えば、実施例1を参照されたい)のmRNAを含む、apo(a)をコードするLPAのmRNAのヌクレオチド配列の調査及び分析を通じて、ならびにインビトロ及びインビボ試験(例えば、実施例2及び実施例3を参照されたい)の結果により、LPAのmRNAの特定のヌクレオチド配列は、他のものよりもオリゴヌクレオチドに基づくLPA発現の阻害を受けやすく、したがって本明細書のオリゴヌクレオチドの標的配列として有用であることが発見された。いくつかの実施形態では、本明細書(例えば、表5)に記載のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)のセンス鎖は、LPA標的配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書(例えば、表5)に記載のdsオリゴヌクレオチドのセンス鎖の一部または領域は、LPA標的配列を含む。いくつかの実施形態では、LPA標的配列は、配列番号4~387のいずれか1つの配列を含むか、またはそれからなる。
【0084】
ii.LPA標的化配列
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、細胞内のLPAのmRNAを標的とし、LPAの発現を阻害する目的で、LPAのmRNAに対して相補的な領域を有する(例えば、LPAのmRNA標的配列内に)。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、相補的な(ワトソン・クリック)塩基対形成によってLPA標的配列に結合またはアニールする相補性の領域を有するLPA標的化配列(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖またはガイド鎖)を含む。標的化配列または相補性の領域は一般に、LPAのmRNAの発現を阻害する目的でオリゴヌクレオチド(またはその鎖)のLPAのmRNAへの結合またはアニーリングを可能にする適切な長さ及び塩基含有量のものである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補的の領域は、少なくとも約12個、少なくとも約13個、少なくとも約14個、少なくとも約15個、少なくとも約16個、少なくとも約17個、少なくとも約18個、少なくとも約19個、少なくとも約20個、少なくとも約21個、少なくとも約22個、少なくとも約23個、少なくとも約24個、少なくとも約25個、少なくとも約26個、少なくとも約27個、少なくとも約28個、少なくとも約29個、または少なくとも約30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、約12~30個(例えば、12~30個、12~22個、15~25個、17~21個、18~27個、19~27個、または15~30個)のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、は、約12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、18個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、19個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、21個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、22個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、23個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、24個のヌクレオチドの長さである。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、LPA標的配列に完全に相補的である、標的化配列または相補性の領域(例えば、二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖またはガイド鎖)を含む。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、LPA標的配列に部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号4~387のいずれか1つの配列に完全に相補的である標的化配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号4~387のいずれか1つの配列に部分的に相補的である標的化配列または相補性の領域を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列または相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、約12~約30個のヌクレオチドの長さ(例えば、12~30個、12~28個、12~26個、12~24個、12~20個、12~18個、12~16個、14~22個、16~20個、18~20個、または18~19個のヌクレオチドの長さ)である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列または相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列または相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、19個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列または相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号4~387のいずれか1つのヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列または相補性の領域を含み、任意選択で、ヌクレオチドの連続配列は、19個のヌクレオチドの長さである。
【0087】
いくつかの実施形態では、配列番号4~387のいずれか1つに示される配列の連続的なヌクレオチドに相補的であるオリゴヌクレオチドの標的化配列または相補性の領域は、アンチセンス鎖の全長にわたる。いくつかの実施形態では、配列番号4~387のいずれか1つに示される配列の連続的なヌクレオチドに相補的であるオリゴヌクレオチドの相補性の領域は、アンチセンス鎖の全長の一部にわたる。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、配列番号4~387に示される配列のヌクレオチド1~20にわたるヌクレオチドの連続ストレッチと少なくとも部分的に(例えば、完全に)相補的である相補性の領域を(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖上に)含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、対応するLPA標的配列と1つ以上の塩基対(bp)ミスマッチを有する標的化配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、対応するLPA標的配列と、最大約1、最大約2、最大約3、最大約4、最大約5などのミスマッチを有し得るが、但し、適切なハイブリダイゼーション条件下でLPAのmRNAに結合またはアニーリングする標的化配列または相補性の領域の能力、及び/またはLPA発現を減少させるかまたは阻害するオリゴヌクレオチドの能力は維持されるという条件である。代替的に、いくつかの実施形態では、標的化配列または相補性の領域は、対応するLPA標的配列との1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、または5つ以下のミスマッチを含むが、但し、適切なハイブリダイゼーション条件下でLPAのmRNAに結合またはアニーリングする標的化配列または相補性の領域の能力、及び/またはLPA発現を減少させるかまたは阻害するオリゴヌクレオチドの能力は維持されるという条件である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と1つのミスマッチを有する標的配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と2つのミスマッチを有する標的配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と3つのミスマッチを有する標的配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と4つのミスマッチを有する標的配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と5つのミスマッチを有する標的配列または相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列との1つを超えるミスマッチ(例えば、2、3、4、5つまたはそれ以上のミスマッチ)の標的配列または相補性の領域を含み、少なくとも2つ(例えば、すべて)のミスマッチは連続して配置されるか(例えば、連続して2、3、4、5もしくはそれ以上のミスマッチ)、またはミスマッチは標的化配列または相補性の領域全体の任意の位置に散在する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列との1つを超えるミスマッチ(例えば、2、3、4、5つまたはそれ以上のミスマッチ)の標的配列または相補性の領域を含み、少なくとも2つ(例えば、すべて)のミスマッチは連続して配置されるか(例えば、連続して2、3、4、5もしくはそれ以上のミスマッチ)、または少なくとも1つ以上のミスマッチしていない塩基対がミスマッチの間に位置するか、またはそれらの組み合わせである。
【0089】
iii.オリゴヌクレオチドの種類
非限定的に、RNAiオリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、miRNAなどを含む、さまざまな種類のオリゴヌクレオチド及び/または構造が、本明細書の方法においてLPAのmRNAを標的とするのに有用である。本明細書または他の箇所に記載されるオリゴヌクレオチドの種類のいずれも、LPA発現を阻害する目的で、本明細書のLPAのmRNA標的化配列を組み込むためのフレームワークとしての使用が企図される。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、ダイサー関与の上流または下流でRNA干渉(RNAi)経路に関与することによってLPA発現を阻害する。例えば、それぞれの鎖が約19~25個のヌクレオチドのサイズを有し、少なくとも1つの1~5個のヌクレオチドの3’突出を有するRNAiオリゴヌクレオチドが開発されている(例えば、米国特許第8,372,968号を参照されたい)。ダイサーによってプロセシングされて活性RNAi産物を生ずるより長いオリゴヌクレオチドも開発されている(例えば、米国特許第8,883,996を参照されたい)。さらなる研究により、一方の鎖が熱力学的に安定したテトラループ構造を有する構造を含む、少なくとも一方の鎖の少なくとも一方の末端が二重鎖の標的化領域を越えて伸長している伸長dsオリゴヌクレオチドが作製されている(例えば、米国特許第8,513,207号及び同第8,927,705号、並びに国際特許出願公開第WO2010/033225号を参照されたい)。そのような構造は、ss伸長部(分子の片側または両側の)及びds伸長部を含むことができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、ダイサーの関与(例えば、ダイサー切断)の下流でRNAi経路に関与する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の3’末端に突出(例えば、1、2、または3個のヌクレオチドの長さ)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)は、標的mRNA(例えば、LPAのmRNA)に対してアンチセンスである21個のヌクレオチドのガイド鎖と、相補的なパッセンジャー鎖とを含み、両方の鎖はアニールして19bpの二重鎖と一方または両方の3’末端に2個のヌクレオチドの突出を形成する。23個のヌクレオチドの長さのガイド鎖及び21個のヌクレオチドの長さのパッセンジャー鎖を有し、分子の右側(パッセンジャー鎖の3’末端/ガイド鎖の5’末端)に平滑端及び分子の左側(パッセンジャー鎖の5’末端/ガイド鎖の3’末端)に2個のヌクレオチドの3’ガイド鎖突出が存在するオリゴヌクレオチドを含む、より長いオリゴヌクレオチドの設計もまた企図されている。このような分子には、21bpの二重鎖領域がある。例えば、米国特許第9,012,138号;同第9,012,621号、及び同第9,193,753号を参照されたい。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、両方ともが約17~26個(例えば、17~26個、20~25個、または21~23個)のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、約19~22個のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖は等しい長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖もしくはアンチセンス鎖のいずれか、またはセンス鎖とアンチセンス鎖の両方に3’突出が存在する。いくつかの実施形態では、両方ともが約21~23個のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を有するオリゴヌクレオチドについて、センス鎖、アンチセンス鎖、またはセンス鎖とアンチセンス鎖の両方の3’突出は、1個または2個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、22個のヌクレオチドの長さのガイド鎖及び20個のヌクレオチドの長さのパッセンジャー鎖を有し、分子の右側(パッセンジャー鎖の3’末端/ガイド鎖の5’末端)に平滑端及び分子の左側(パッセンジャー鎖の5’末端/ガイド鎖の3’末端)に2個のヌクレオチドの3’ガイド鎖突出が存在する。このような分子には、20bpの二重鎖領域がある。
【0093】
本明細書の組成物及び方法との使用のための他のオリゴヌクレオチド設計としては、16-merのsiRNA(例えば、NUCLEIC ACIDS IN CHEMISTRY AND BIOLOGY,Blackburn(ed.),Royal Society of Chemistry,2006を参照されたい)、shRNA(例えば、19bpまたはそれより短いステムを有するもの;例えば、Moore et al.(2010)Methods Mol.Biol.629:141-58を参照されたい)、平滑siRNA(例えば、19bpの長さのもの;例えば、Kraynack & Baker(2006)RNA 12:163-76を参照されたい)、非対称siRNA(aiRNA;例えば、Sun et al.(2008)Nat.Biotechnol.26:1379-82を参照されたい)、非対称の短い二重鎖siRNA(例えば、Chang et al.(2009)Mol.Ther.17:725-32を参照されたい)、フォークsiRNA(例えば、Hohjoh(2004)FEBS Lett.557:193-198を参照されたい)、ss siRNA(Elsner(2012)Nat.Biotechnol.30:1063)、ダンベル型環状siRNA(例えば、Abe et al.(2007)J.Am.Chem.Soc.129:15108-09を参照されたい)、及び低分子内部セグメント化干渉RNA(siRNA;例えば、Bramsen et al.(2007)Nucleic Acids Res.35:5886-97を参照されたい)が挙げられる。LPAの発現を減少させるかまたは阻害するためにいくつかの実施形態で使用することができるオリゴヌクレオチド構造のさらなる非限定的な例は、マイクロRNA(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、及びショートsiRNAがある(例えば、Hamilton et al.(2002)EMBO J.21:4671-79を参照されたい;米国特許出願公開第2009/0099115号も参照されたい)。
【0094】
また、いくつかの実施形態では、本明細書のLPA発現を減少させるかまたは阻害するためのオリゴヌクレオチドは、一本鎖(ss)である。そのような構造としては、ss RNAi分子が挙げられ得るが、これらに限定されない。最近の取り組みにより、ss RNAi分子の活性が実証されている(例えば、Matsui et al.(2016)Mol.Ther.24:946-955を参照されたい)。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’方向に書くかまたは示した場合に特定の核酸の標的化セグメントの逆方向の相補体を含む核酸塩基配列を有し、(例えば、ギャップマーとして)細胞内でその標的RNAのRNaseHによって媒介される切断を誘導するように、または(例えば、ミクスマーとして)細胞内の標的mRNAの翻訳を阻害するように、適切な修飾が行われた、ssオリゴヌクレオチドである。本明細書で使用するためのASOは、例えば、米国特許第9,567,587号(例えば、核酸塩基(ピリミジン、プリン)の長さ、糖部分、及び核酸塩基の複素環部分の改変を含む)に示されるものを含む、当該技術分野では周知の任意の適切な方法で改変することができる。さらに、ASOは特定の標的遺伝子の発現を減少させるために何十年も使用されてきた(例えば、Bennett et al.(2017)Annu.Rev.Pharmacol.57:81-105を参照されたい)。
【0095】
iv.二本鎖オリゴヌクレオチド
本開示は、センス鎖(本明細書ではパッセンジャー鎖とも呼ばれる)とアンチセンス鎖(本明細書ではガイド鎖とも呼ばれる)を含む、LPAのmRNAを標的としてLPA発現を阻害する(例えば、RNAi経路を介して)ための二本鎖(ds)オリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖とセンス鎖とは別個の鎖であり、共有結合していない。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖とセンス鎖とは共有結合している。
【0096】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、第1の領域(R1)及び第2の領域(R2)を有し、R2は、第1のサブ領域(S1)、テトラループ(L)またはトリループ(triL)、及び第2のサブ領域(S2)を含み、LまたはtriLはS1とS2の間に位置し、S1とS2は第2の二重鎖(D2)を形成する。D2はさまざまな長さであり得る。いくつかの実施形態では、D2は約1~6bpの長さである。いくつかの実施形態では、D2は、2~6、3~6、4~6、5~6、1~5、2~5、3~5、または4~5bpの長さである。いくつかの実施形態では、D2は、1、2、3、4、5または6bpの長さである。いくつかの実施形態では、D2は6bpの長さである。
【0097】
いくつかの実施形態では、センス鎖のR1及びアンチセンス鎖は、第1の二重鎖(D1)を形成する。いくつかの実施形態では、D1は、少なくとも約15個(例えば、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、または少なくとも21個)のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、D1は、約12~30個のヌクレオチドの長さ(例えば、12~30個、12~27個、15~22個、18~22個、18~25個、18~27個、18~30個、または21~30個のヌクレオチドの長さ)の範囲である。いくつかの実施形態では、D1は、少なくとも12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、または少なくとも30個のヌクレオチドの長さ)である。いくつかの実施形態では、D1は、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個のヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、D1は、20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖を含むD1は、センス鎖及び/またはアンチセンス鎖の全長にはわたらない。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖を含むD1は、センス鎖とアンチセンス鎖いずれかまたはその両方の全長にわたる。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖を含むD1は、センス鎖とアンチセンス鎖の両方の全長にわたる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書のdsオリゴヌクレオチドは、表3に配置されるように、配列番号388~403のいずれか1つの配列を有するセンス鎖と、配列番号788~803から選択される相補配列を含むアンチセンス鎖とを含む。特定の実施形態では、センス鎖は、配列番号393の配列を含み、アンチセンス鎖は、配列番号793の配列を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)または他の核酸の構造を説明する際に配列表に示された配列を参照している場合がある点は理解されよう。そのような実施形態では、実際のオリゴヌクレオチドまたは他の核酸は、特定された配列と本質的に同じまたは同様の相補的特性を保持しながら、特定された配列と比較して1つ以上の代替的ヌクレオチド(例えば、DNAヌクレオチドのRNA対応物またはRNAヌクレオチドのDNA対応物)及び/または1つ以上の修飾ヌクレオチド及び/または1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合及び/または1つ以上の他の修飾を有し得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、本明細書のdsオリゴヌクレオチドは、25個のヌクレオチドのセンス鎖と、ダイサー酵素が作用すると、成熟RISCに組み込まれるアンチセンス鎖を生じる27個のヌクレオチドのアンチセンス鎖とを含む。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドのセンス鎖は、27個のヌクレオチドよりも長い(例えば、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、または40個のヌクレオチド)。いくつかの実施形態では、dsオリゴヌクレオチドのセンス鎖は、25個のヌクレオチドよりも長い(例えば、26個、27個、28個、29個、または30個のヌクレオチド)。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書のdsオリゴヌクレオチドは、他方の5’末端と比較して熱力学的に不安定である1つの5’末端を有する。いくつかの実施形態では、センス鎖の3’末端に平滑末端を、アンチセンス鎖の3’末端に3’突出を有する非対称なdsオリゴヌクレオチドが提供される。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖上の3’突出は、約1~8個のヌクレオチドの長さ(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個のヌクレオチドの長さ)である。典型的には、RNAiのためのdsオリゴヌクレオチドは、アンチセンス(ガイド)鎖の3’末端に2個のヌクレオチドの突出を有する。しかしながら、他の突出も可能である。いくつかの実施形態では、突出は、1から6個のヌクレオチド、任意選択で1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、2~6個、2~5個、2~4個、2~3個、3~6個、3~5個、3~4個、4~6個、4~5個、5~6個ヌクレオチドの、または1個、2個、3個、4個、5個、もしくは6個のヌクレオチドの長さを含む3’突出である。しかしながら、いくつかの実施形態では、突出は、1から6個のヌクレオチド、任意選択で1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、2~6個、2~5個、2~4個、2~3個、3~6個、3~5個、3~4個、4~6個、4~5個、5~6個ヌクレオチドの、または1個、2個、3個、4個、5個、もしくは6個のヌクレオチドの長さを含む5’突出である。
【0102】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドが修飾されている。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドは、標的mRNA(例えば、LPAのmRNA)と相補的である。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドは、標的mRNAと相補的ではない。いくつかの実施形態では、ニックの入ったテトラループ構造におけるオリゴヌクレオチドのそれぞれの3’末端の2個の末端ヌクレオチドはGGである。典型的には、dsオリゴヌクレオチドのそれぞれの3’末端の2個の末端GGヌクレオチドの一方または両方は、標的mRNAと相補的ではない。
【0103】
いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個)のミスマッチがある。センス鎖とアンチセンス鎖との間に1個を超えるミスマッチが存在する場合、それらは連続して(例えば、2個、3個、またはそれ以上が連続して)配置してもよく、または相補性の領域全体にわたって散在してもよい。いくつかの実施形態では、センス鎖の3’末端が1個以上のミスマッチを含む。一実施形態では、2個のミスマッチがセンス鎖の3’末端に組み込まれる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセンス鎖の3’末端におけるセグメントの塩基ミスマッチまたは不安定化は、dsオリゴヌクレオチドの効力を改善または増加させる。
【0104】
a.アンチセンス鎖
いくつかの実施形態では、LPAのmRNAを標的としてLPA発現を阻害するための本明細書に開示されるオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、配列番号404~803のいずれか1つに示される配列を含むかまたはそれからなるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、配列番号404~803のいずれか1つに示される配列の少なくとも約12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、または少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを含むかまたはそれからなるアンチセンス鎖を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、約40個までのヌクレオチドの長さ(例えば、40個まで、35個まで、30個まで、27個まで、25個まで、21個まで、19個まで、17個まで、または12個までのヌクレオチドの長さ)のアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも19個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも25個、少なくとも27個、少なくとも30個、少なくとも35個、または少なくとも38個のヌクレオチドの長さ)のアンチセンス鎖を有することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約12~約40個(例えば、12~40個、12~36個、12~32個、12~28個、15~40個、15~36個、15~32個、15~28個、17~22個、17~25個、19~27個、19~30個、20~40個、22~40個、25~40個、または32~40個)のヌクレオチドの長さの範囲のアンチセンス鎖を有することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、または40個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を有することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖は、「ガイド鎖」と呼ばれる。例えば、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と係合し、Ago2などのアルゴノートタンパク質と結合する、または1つ以上の類似の因子と結合し、標的遺伝子のサイレンシングを誘導するアンチセンス鎖はガイド鎖と呼ばれる。いくつかの実施形態では、ガイド鎖に相補的なセンス鎖は、「パッセンジャー鎖」と呼ばれる。
【0107】
b.センス鎖
いくつかの実施形態では、LPAのmRNAを標的としてLPA発現を阻害するための本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、配列番号4~403のいずれか1つに示されるセンス鎖配列を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号4~403のいずれか1つに示される配列の少なくとも約12個(例えば、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、または少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを含むかまたはそれからなるセンス鎖を有する。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、約40個までのヌクレオチドの長さ(例えば、40個まで、36個まで、30個まで、27個まで、25個まで、21個まで、19個まで、17個まで、または12個までのヌクレオチドの長さ)のセンス鎖(またはパッセンジャー鎖)を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも約12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも19個、少なくとも21個、少なくとも25個、少なくとも27個、少なくとも30個、少なくとも36個、または少なくとも38個のヌクレオチドの長さ)のセンス鎖を有することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約12~約40個(例えば、12~40個、12~36個、12~32個、12~28個、15~40個、15~36個、15~32個、15~28個、17~21個、17~25個、19~27個、19~30個、20~40個、22~40個、25~40個、または32~40個)のヌクレオチドの長さの範囲のセンス鎖を有することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、または40個のヌクレオチドの長さのセンス鎖を有することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、3’末端にステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は、5’末端にステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、ステムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14bpの長さの二重鎖である。いくつかの実施形態では、ステムループは、オリゴヌクレオチドを分解(例えば、酵素分解)から保護し、標的細胞、組織、もしくは器官(例えば、肝臓)、またはその両方に標的化及び/または送達することを促進または向上する。例えば、いくつかの実施形態では、ステムループのループは、標的mRNA(例えば、LPAのmRNA)への標的化、標的遺伝子発現(例えば、LPA発現)の阻害、及び/または標的細胞、組織、または器官(例えば、肝臓)、またはその両方への送達を促進、向上、または増加させる1つ以上の修飾を含むヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、ステムループ自体またはステムループへの修飾(複数可)は、オリゴヌクレオチドの固有の遺伝子発現阻害活性に実質的に影響を及ぼさないが、安定性(例えば、分解に対する保護を提供する)、及び/またはオリゴヌクレオチドの標的細胞、組織、または器官(例えば、肝臓)への送達を促進、改善、または増加させる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、(例えば、その3’末端に)S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に約10個までのヌクレオチドの長さ(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のヌクレオチドの長さ)の一本鎖ループを形成する、センス鎖を含む。いくつかの実施形態では、ループ(L)は、4個のヌクレオチドの長さである。
図10は、そのようなオリゴヌクレオチドの非限定的な例を描写する。いくつかの実施形態では、上述の構造S1-L-S2を有するステムループのループ(L)は、テトラループ(例えば、ニックを有するテトラループ構造内の)である。いくつかの実施形態では、テトラループは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、送達リガンド、及びそれらの組み合わせを含む。
【0110】
v.オリゴヌクレオチドの修飾
a.糖の修飾
いくつかの実施形態では、修飾糖(本明細書では糖類似体とも呼ばれる)は、例えば、1つ以上の修飾が糖の2’、3’、4’、及び/または5’位の炭素に生じるような、修飾デオキシリボースまたはリボース部分を含む。いくつかの実施形態では、修飾糖は、ロックド核酸(「LNA」;例えば、Koshkin et al.(1998)Tetrahedon 54:3607-30を参照されたい)、アンロックド核酸(「UNA」;例えば、Snead et al.(2013)Mol.Ther-Nucl.Acids 2:e103を参照されたい)、及び架橋化核酸(「BNA」;例えば、Imanishi & Obika(2002)Chem Commun.(Camb)21:1653-59を参照されたい)に存在するもののような非天然の代替炭素構造も含み得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、糖におけるヌクレオチドの修飾は、2’-修飾を含む。いくつかの実施形態では、2’-修飾は、2’-O-プロパルギル、2’-O-プロピルアミン、2’-アミノ、2’-エチル、2’-フルオロ(2’-F)、2’-アミノエチル(EA)、2’-O-メチル(2’-OMe)、2’-O-メトキシエチル(2’-MOE)、2’-O-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル](2’-O-NMA)、または2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸(2’-FANA)であり得る。いくつかの実施形態では、修飾は、2’-F、2’-OMe、または2’-MOEである。いくつかの実施形態では、糖における修飾は糖環の修飾を含み、糖環の1つ以上の炭素の修飾を含み得る。例えば、ヌクレオチドの糖の修飾は、糖の2’-酸素が糖の1’-炭素または4’-炭素に結合している、または2’-酸素がエチレンまたはメチレンブリッジを介して1’-炭素または4’-炭素に結合しているものを含み得る。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’-炭素と3’-炭素との結合を欠く非環式糖を有する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、例えば、糖の4’位にチオール基を有する。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、少なくとも約1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、またはそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセンス鎖は、少なくとも約1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、またはそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖は、少なくとも約1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、またはそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセンス鎖のすべてのヌクレオチドが修飾されている。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖のすべてのヌクレオチドが修飾されている。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチド(すなわち、センス鎖とアンチセンス鎖の両方)が修飾されている。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-Fまたは2’-OMe、2’-MOE、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは2’-修飾(例えば、2’-Fまたは2’-OMe)を含む。
【0114】
本開示は、異なる修飾パターンを有するオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、表3及び表4(ならびに
図10)のいずれか1つに示される修飾パターンを有するセンス鎖配列と、表3及び表4の(ならびに
図10)のいずれか1つに示される修飾パターンを有するアンチセンス鎖とを含む。いくつかの実施形態では、これらのオリゴヌクレオチドについて、センス鎖の8、9、10または11位のうちの1つ以上が2’-F基で修飾されている。他の実施形態では、これらのオリゴヌクレオチドについて、センス鎖の1~7位及び12~20位のヌクレオチドのそれぞれの糖部分が2’-OMeで修飾されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、糖部分の2’位で2’-Fで修飾されている3個のヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の2、5、及び14位の糖部分、及び任意選択で1、3、7、及び10位の3個までのヌクレオチドが、2’-Fで修飾される。他の実施形態では、アンチセンス鎖の2、5及び14位の位置のそれぞれの糖部分は、2’-Fで修飾されている。他の実施形態では、アンチセンス鎖の1、2、5及び14位の位置のそれぞれの糖部分は、2’-Fで修飾されている。さらに他の実施形態では、アンチセンス鎖の1、2、3、5、7、及び14位の位置のそれぞれの糖部分は、2’-Fで修飾されている。さらに別の実施形態では、アンチセンス鎖の1、2、3、5、10、及び14位の位置のそれぞれの糖部分は、2’-Fで修飾されている。別の実施形態では、アンチセンス鎖の2、3、5、7、10、及び14位の位置のそれぞれの糖部分は、2’-Fで修飾されている。
【0116】
b.5’末端ホスフェート
いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドの5’末端ホスフェート基は、Ago2との相互作用を増強する。しかしながら、5’-ホスフェート基を含むオリゴヌクレオチドは、ホスファターゼまたは他の酵素による分解を受けやすくなり得、インビボでのバイオアベイラビリティを制限する可能性がある。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、このような分解に耐性のある5’ホスフェートの類似体を含む。いくつかの実施形態では、ホスフェート類似体は、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、マロニルホスホネート、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド鎖の3’末端は、天然の5’-ホスフェート基の静電特性及び立体特性を模倣する化学的部分(「ホスフェート模倣体」)に結合している。
【0117】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、糖の4’位の炭素にホスフェート類似体(4’-ホスフェート類似体と呼ぶ)を有する。例えば、国際特許出願公開第WO2018/045317号を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドに4’-ホスフェート類似体を含む。いくつかの実施形態では、ホスフェート類似体は、オキシメチル基の酸素原子が(例えば、その4’-炭素で)糖部分に結合したオキシメチルホスホネートまたはその類似体である。他の実施形態では、4’-ホスフェート類似体は、チオメチル基の硫黄原子またはアミノメチル基の窒素原子が、糖部分の4’-炭素に結合したチオメチルホスホネートもしくはアミノメチルホスホネートまたはそれらの類似体である。特定の実施形態では、4’-ホスフェート類似体はオキシメチルホスホネートである。いくつかの実施形態では、オキシメチルホスホネートは、式-O-CH2-PO(OH)2または-O-CH2-PO(OR)2で表され、式中、Rは独立して、H、CH3、アルキル基、CH2CH2CN、CH2OCOC(CH3)3、CH2OCH2CH2Si(CH3)3、または保護基から選択される。特定の実施形態では、アルキル基は、CH2CH3である。より典型的には、Rは独立して、H、CH3、またはCH2CH3から選択される。
【0118】
c.修飾ヌクレオシド間結合
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を含む。いくつかの実施形態では、ホスフェートの修飾または置換は、少なくとも約1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、または少なくとも5個)の修飾ヌクレオチド間結合を含むオリゴヌクレオチドを生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つは、約1~約10個(例えば、1~10個、2~8個、4~6個、3~10個、5~10個、1~5個、1~3個、または1~2個)の修飾ヌクレオチド間結合を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の修飾ヌクレオチド間結合を含む。
【0119】
修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロジチオエート結合、ホスホロチオエート結合、ホスホトリエステル結合、チオノアルキルホスホネート結合、チオアルキルホスホトリエステル結合、ホスホロアミダイト結合、ホスホネート結合、及び/またはボラノホスファート結合であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つの少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、センス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の2位と3位、アンチセンス鎖の3位と4位、アンチセンス鎖の20位と21位、及びアンチセンス鎖の21位と22位のうちの1つ以上の間にホスホロチオエート結合を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは、センス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の2位と3位、アンチセンス鎖の20位と21位、及びアンチセンス鎖の21位と22位のそれぞれの間にホスホロチオエート結合を含む。
【0121】
d.塩基の修飾
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾核酸塩基を有する。いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基(本明細書では塩基類似体とも呼ばれる)は、ヌクレオチド糖部分の1’位に連結されている。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、窒素塩基である。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、窒素原子を含まない。例えば、米国特許出願公開第2008/0274462号を参照されたい。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、ユニバーサル塩基を含む。しかしながら、特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、核酸塩基を含まない(脱塩基)。
【0122】
いくつかの実施形態では、ユニバーサル塩基は、二重鎖中に存在する場合に二重鎖の構造を実質的に変えることなく、1つを超える種類の塩基の反対側に配置することができる修飾ヌクレオチドのヌクレオチド糖部分の1’位、またはヌクレオチド糖部分置換の同等の位置に配置された複素環部分である。いくつかの実施形態では、標的核酸と完全に相補的である参照一本鎖核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、相補的な核酸と形成される二重鎖よりも低いTmを有する標的核酸と二重鎖を形成する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ユニバーサル塩基が塩基に置き換えられて1個のミスマッチを生じている参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、ミスマッチ塩基を含む核酸と形成される二重鎖よりも高いTmを有する標的核酸と二重鎖を形成する。
【0123】
ユニバーサル結合ヌクレオチドの非限定的な例としては、イノシン、1-β-D-リボフラノシル-5-ニトロインドール、及び/または1-β-D-リボフラノシル-3-ニトロピロールが挙げられるが、これらに限定されない(米国特許出願公開第2007/0254362号;Van Aerschot et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:4363-70;Loakes et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:2361-66;及びLoakes & Brown(1994)Nucleic Acids Res.22:4039-43を参照されたい)。
【0124】
e.可逆的修飾
標的細胞に到達する前に、インビボ環境からオリゴヌクレオチドを保護する特定の修飾を行うことができるが、オリゴヌクレオチドが標的細胞のサイトゾルに到達すると、オリゴヌクレオチドの効力または活性が低下する可能性がある。分子が細胞外で望ましい特性を保持するように、可逆的な修飾を行うことができ、その後、可逆的な修飾は細胞のサイトゾル環境に入ると除去される。可逆的修飾は、例えば、細胞内酵素の作用によって、または細胞内の化学的条件によって(例えば、細胞内グルタチオンによる還元によって)除去することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、可逆的修飾ヌクレオチドは、グルタチオン感受性部分を含む。典型的に、核酸分子は、ヌクレオチド間二ホスフェート結合によって生じる負電荷をマスクし、細胞取り込み及びヌクレアーゼ耐性を改善するために、環状ジスルフィド部分によって化学的に修飾されている。米国特許出願公開第2011/0294869号、国際特許出願公開第WO2014/088920号、及び同第WO2015/188197号、ならびにMeade et al.(2014)Nat.Biotechnol.32:1256-63を参照されたい。ヌクレオチド間二ホスフェート結合のこの可逆的修飾は、サイトゾルの還元的環境(例えば、グルタチオン)によって細胞内で切断されるように設計されている。初期の例としては、中和ホスホトリエステル修飾があり、細胞内で切断可能であることが報告されている(Dellinger et al.(2003)J.Am.Chem.Soc.125:940-50を参照されたい)。
【0126】
いくつかの実施形態では、そのような可逆的修飾は、オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ及び他の過酷な環境条件(例えば、pH)に曝露されるインビボ投与(例えば、血液及び/または細胞のリソソーム/エンドソーム区画を通過する輸送)における保護を与える。細胞外空間と比較してグルタチオンのレベルが高い細胞のサイトゾルに放出されると、修飾が逆転し、切断されたオリゴヌクレオチドが得られる。可逆的なグルタチオン感受性部分を使用すると、不可逆的な化学修飾を使用して利用可能な選択肢と比較して、目的のオリゴヌクレオチドに立体的に大きな化学基を導入することが可能である。これは、これらのより大きな化学基がサイトゾルで除去されるためであり、したがって、細胞のサイトゾル内のオリゴヌクレオチドの生物活性を妨げない。その結果、これらのより大きな化学基を操作して、ヌクレアーゼ耐性、親油性、電荷、熱安定性、特異性、低下した免疫原性など、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドにさまざまな利点を与えることができる。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分の構造を操作して、その放出の動態を改変することができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、ヌクレオチドの糖に結合している。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、修飾ヌクレオチドの糖の2’-炭素に結合している。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドである場合、糖の5’-炭素に配置される。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドである場合、糖の3’-炭素に配置される。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、スルホニル基を含む。例えば、2016年8月23日に出願された、「Compositions Comprising Reversibly Modified Oligonucleotides and Uses Thereof」と題する、米国仮特許出願第62/378,635号を参照されたい。
【0128】
vi.標的化リガンド
いくつかの実施形態では、本開示のオリゴヌクレオチドを1つ以上の細胞または1つ以上の器官に標的化することが望ましい。そのような戦略は、他の器官における望ましくない影響を回避する、またはオリゴヌクレオチドから恩恵を受けない細胞、組織、または臓器へのオリゴヌクレオチドの過度の損失を回避するのに役立ち得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、組織、細胞、または器官の標的化及び/または送達を促進する(例えば、肝臓へのオリゴヌクレオチドの送達を促進する)ように修飾される。特定の実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、肝臓の肝細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を促進するように修飾される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上の標的化リガンドにコンジュゲートされた少なくとも1個のヌクレオチド(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上のヌクレオチド)を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質もしくはタンパク質の一部(例えば、抗体または抗体断片)、または脂質を含み得る。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、アプタマーである。例えば、標的化リガンドは、腫瘍血管系または神経膠腫細胞を標的化するために使用されるRGDペプチド、腫瘍血管系または腫瘍間質を標的化するためのCREKAペプチド、CNS血管系上で発現するトランスフェリン受容体を標的化するためのトランスフェリン、ラクトフェリン、もしくはアプタマー、または神経膠腫細胞上のEGFRを標的化するための抗EGFR抗体であってよい。特定の実施形態では、標的化リガンドは、1つ以上のGalNAc部分である。
【0130】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、または6個)のヌクレオチドが、それぞれ別個の標的化リガンドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの2~4個のヌクレオチドが、それぞれ別個の標的化リガンドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、センス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかの末端の2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされる(例えば、標的化リガンドはセンス鎖またはアンチセンス鎖の5’末端または3’末端の2~4個のヌクレオチドの突出または伸長部分にコンジュゲートされる)ため、標的化リガンドが歯ブラシの毛の部分に似ており、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに似た格好となっている。例えば、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の5’末端または3’末端のいずれかにステムループを含むことができ、ステムのループの1個、2個、3個、または4個のヌクレオチドを標的化リガンドに個別にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、本開示によって提供されるオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、センス鎖の3’末端にステムループを含み、ステムループのループは、トリループまたはテトラループを含み、トリループまたはテトラループをそれぞれ構成する3個または4個のヌクレオチドは、標的化リガンドに個別にコンジュゲートされている。
【0131】
GalNAcは、主として肝細胞の類洞表面で発現するASGPRに対する高親和性リガンドであり、末端ガラクトースまたはGalNAc残基を含む循環糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)の結合、内在化、及びその後の排出に主要な役割を有する。本開示のオリゴヌクレオチドにGalNAc部分をコンジュゲート(間接的または直接的に)させて、細胞で発現するASGPRにこれらのオリゴヌクレオチドを標的化するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、本開示のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ以上のGalNAc部分にコンジュゲートされ、GalNAc部分は、オリゴヌクレオチドをヒト肝臓の細胞(例えば、ヒト肝細胞)上に発現するASGPRに標的化させる。いくつかの実施形態では、GalNAc部分は、オリゴヌクレオチドを肝臓に標的化させる。
【0132】
いくつかの実施形態では、本開示のオリゴヌクレオチドは、一価のGalNAcに直接的または間接的にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つを超える一価GalNAcに直接的または間接的にコンジュゲートされる(すなわち、2個、3個、または4個の一価GalNAc部分にコンジュゲートされ、典型的には3個または4個の一価GalNAc部分にコンジュゲートされる)。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上の二価GalNAc、三価GalNAc、または四価GalNAcの部分にコンジュゲートされる。
【0133】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、または6個)のヌクレオチドが、それぞれGalNAc部分にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、テトラループの2~4個のヌクレオチドが、それぞれ別個のGalNAcにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、トリループの1~3個のヌクレオチドが、それぞれ別個のGalNAcにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、センス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかの末端の2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされる(例えば、リガンドはセンス鎖またはアンチセンス鎖の5’末端または3’末端の2~4個のヌクレオチドの突出または伸長部分にコンジュゲートされる)ため、GalNAc部分が歯ブラシの毛の部分に似ており、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに似た格好となっている。いくつかの実施形態では、GalNAc部分は、センス鎖のヌクレオチドにコンジュゲートされる。例えば、4個のGalNAc部分をセンス鎖のテトラループ内のヌクレオチドにコンジュゲートさせることができ、それぞれのGalNAc部分は1個のヌクレオチドにコンジュゲートされる。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、下記に示されるような[ademG-GalNAc]または2’-アミノジエトキシメタノール-グアニン-GalNAcと呼ばれる、グアニンヌクレオチドに結合された一価のGalNAcを含む。
【化1】
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、下記に示されるような[ademA-GalNAc]または2’-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAcと呼ばれる、アデニンヌクレオチドに結合された一価のGalNAcを含む。
【化2】
【0136】
そのようなコンジュゲーションの例を、5’から3’方向にヌクレオチド配列GAAAを含むループについて下記に示す(L=リンカー、X=ヘテロ原子)。ステム結合点が示されている。このようなループは、例えば、表5に列挙され、
図3に示されるセンス鎖の27~30位に存在し得る。化学式中、
【化3】
が、オリゴヌクレオチド鎖への結合点を表すために用いられている。
【化4】
【0137】
適切な方法または化学的手法(例えば、クリックケミストリー)を用いて標的化リガンドをヌクレオチドに連結することができる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、クリックリンカーを使用してヌクレオチドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、アセタールベースのリンカーを用いて標的化リガンドを本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つのヌクレオチドにコンジュゲートする。アセタールベースのリンカーは、例えば、国際特許出願公開第WO2016/100401号に開示されている。いくつかの実施形態では、リンカーは、不安定なリンカーである。しかしながら、他の実施形態では、リンカーは安定している。GalNAc部分がアセタールリンカーを使用してループのヌクレオチドに結合されている、5’から3’方向にヌクレオチドGAAAを含むループの例を下記に示す。このようなループは、例えば、表3または表4に列挙され、
図10に示されるセンス鎖のいずれか1つの27~30位に存在し得る。化学式中、
【化5】
は、オリゴヌクレオチド鎖への結合点である。
【化6】
【0138】
前述のように、さまざまな適切な方法または化学的合成技法(例えば、クリックケミストリー)を用いて標的化リガンドをヌクレオチドに連結することができる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、クリックリンカーを使用してヌクレオチドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、アセタールベースのリンカーを用いて標的化リガンドを本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つのヌクレオチドにコンジュゲートする。アセタールベースのリンカーは、例えば、国際特許出願公開第WO2016/100401号に開示されている。いくつかの実施形態では、リンカーは、不安定なリンカーである。しかしながら、他の実施形態では、リンカーは安定なリンカーである。
【0139】
いくつかの実施形態では、二重鎖伸長部分(例えば、3、4、5、または6bpまでの長さ)が、標的化リガンド(例えば、GalNAc部分)とdsオリゴヌクレオチドとの間に配置される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、それにコンジュゲートされたGalNAcを有しない。
【0140】
III.製剤
オリゴヌクレオチドの使用を促進するために、さまざまな製剤が開発されている。例えば、オリゴヌクレオチドは、分解を最小限に抑え、送達及び/または取り込みを促進し、または製剤中のオリゴヌクレオチドに別の有益な特性を与える製剤を使用して対象または細胞環境に送達することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ホスフェート緩衝生理食塩水などの緩衝液、リポソーム、ミセル構造、及びカプシド中に製剤化される。
【0141】
カチオン性脂質を含むオリゴヌクレオチドの製剤を使用して、細胞内へのオリゴヌクレオチドのトランスフェクションを促進することができる。例えば、リポフェクチン、カチオン性グリセロール誘導体、及びポリカチオン性分子(例えば、ポリリジン)などのカチオン性脂質を使用することができる。適切な脂質としては、オリゴフェクタミン、リポフェクタミン(Life Technologies)、NC388(Ribozyme Pharmaceuticals,Inc.,Boulder,Colo.)、またはFuGene6(Roche)が挙げられ、これらはいずれも製造者の使用説明書に従って使用することができる。
【0142】
したがって、いくつかの実施形態では、製剤は脂質ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、賦形剤は、リポソーム、脂質、複合脂質、マイクロスフェア、マイクロ粒子、ナノスフェア、またはナノ粒子を含むか、または投与を必要とする対象の細胞、組織、器官、もしくは身体に投与するための他の形で製剤化することができる(例えば、Remington:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,22nd edition,Pharmaceutical Press,2013を参照されたい)。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書の製剤は、賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、賦形剤は、活性成分の改善された安定性、改善された吸収性、改善された溶解性、及び/または治療増強効果を組成物に付与する。いくつかの実施形態では、賦形剤は、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム、ホスフェートナトリウム、トリス塩基、または水酸化ナトリウム)、またはビヒクル(例えば、緩衝液、ペトロラタム、ジメチルスルホキシド、または鉱油)である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、その貯蔵寿命を延ばすために凍結乾燥された後、使用(例えば、対象への投与)に先立って溶液とされる。したがって、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドのいずれか1つを含む組成物中の賦形剤は、凍結乾燥保護剤(例えば、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコール、もしくはポリビニルピロリドン)、または崩壊温度調節剤(例えば、デキストラン、フィコール(商標)、もしくはゼラチン)であり得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下)、経口(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。
【0145】
注射用途に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)、または分散液、及び滅菌注射溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。静脈内投与の場合、適切な担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)またはホスフェート緩衝生理食塩水(PBS)が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを本組成物に含めることが好ましいであろう。滅菌注射用溶液は、必要な量のオリゴヌクレオチドを選択された溶媒に、必要に応じて上記に列挙した成分のうちの1つまたは組み合わせと共に混合し、その後濾過滅菌することによって調製され得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約0.1%以上の治療剤を含み得るが、活性成分(複数可)のパーセンテージは、全組成物の重量または体積の約1%~約80%またはそれ以上とすることができる。溶解度、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、製品の貯蔵寿命、及び他の薬理学的考慮事項などの因子は、そのような医薬製剤の調製の分野における当業者によって想到されるものであり、したがって、さまざまな投与量及び治療レジメンが望ましい場合がある。
【0147】
いくつかの実施形態は、本明細書のオリゴヌクレオチドのいずれかの肝臓標的化送達を対象としているが、他の組織の標的化も企図される。
【0148】
IV.使用方法
i.細胞内のLPA発現の減少
本開示は、LPA発現を減少させる目的で、有効量の本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)のいずれかを細胞または細胞の集団に接触させるかまたは送達する方法を提供する。いくつかの実施形態では、LPA発現の減少は、細胞におけるLPAのmRNA、apo(a)タンパク質、またはapo(a)活性の量またはレベルの減少を測定することによって決定される。これらの方法は、本明細書に記載のステップを含むことができ、これらは記載された順序で実行されてもよいが、必ずしもそうである必要はない。しかしながら、他の順序も考えられる。さらに、個別または複数のステップを並行して、及び/または時間が重なって、及び/または個別に、または複数回繰り返されるステップで実施してもよい。さらに、方法は、追加の不特定のステップを含んでもよい。
【0149】
本明細書の方法は、任意の適切な細胞型で有用である。いくつかの実施形態では、細胞は、mRNAを発現するあらゆる細胞(例えば、肝細胞、マクロファージ、単球由来細胞、前立腺癌細胞、脳、内分泌組織、骨髄、リンパ節、肺、胆嚢、肝臓、十二指腸、小腸、膵臓、腎臓、胃腸管、膀胱、脂肪及び軟部組織、ならびに皮膚の細胞)である。いくつかの実施形態では、細胞は、対象から得られた初代細胞である。いくつかの実施形態では、初代細胞は、限られた数の継代を行っており、それにより、細胞は天然の表現型特性を実質的に維持している。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドが送達される細胞は、エクスビボまたはインビトロである(すなわち、培養中の細胞または細胞が存在する生物に送達することができる)。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを含む溶液の注入、オリゴヌクレオチドで被覆した粒子によるボンバードメント、オリゴヌクレオチドを含む溶液への細胞もしくは細胞の集団の曝露、またはオリゴヌクレオチドの存在下での細胞膜のエレクトロポレーションを含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている核酸送達方法を使用して細胞または細胞の集団に送達される。例えば、脂質媒介担体輸送、化学媒介輸送、及びホスフェートカルシウムなどのカチオン性リポソームトランスフェクションなどの、オリゴヌクレオチドを細胞に送達するための他の当該技術分野で知られている方法を使用することができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、LPA発現の減少は、LPA発現に関連する細胞もしくは細胞の集団の1つ以上の分子、特性、もしくは特性を評価するアッセイもしくは技法によって(例えば、LPA発現バイオマーカーを使用して)、または細胞もしくは細胞の集団におけるLPA発現を直接的に示す分子(例えば、LPAのmRNAもしくはapo(a)タンパク質)を評価するアッセイもしくは技法によって決定される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドがLPA発現を減少させる程度は、オリゴヌクレオチドと接触させた細胞または細胞の集団におけるLPA発現を対照細胞または細胞の集団(例えば、オリゴヌクレオチドと接触させていないか、または対照オリゴヌクレオチドと接触させた細胞または細胞の集団)と比較することによって評価される。いくつかの実施形態では、対照細胞または細胞の集団におけるLPA発現の対照の量またはレベルは、アッセイまたは技法が実施されるすべての場合において対照の量またはレベルを測定する必要がないように、予め決定される。所定のレベルまたは値は、さまざまな形態のものとすることができる。いくつかの実施形態では、所定のレベルまたは値は、中央値または平均などの単一のカットオフ値とすることができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)を細胞または細胞の集団に接触させるかまたは送達すると、LPA発現が減少する。いくつかの実施形態では、LPA発現の減少は、オリゴヌクレオチドと接触させていない、または対照オリゴヌクレオチドと接触させた細胞または細胞の集団におけるLPA発現の対照の量またはレベルと比較する。いくつかの実施形態では、LPA発現の減少は、LPA発現の対照の量またはレベルと比較して、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約70%以下、約80%以下、または約90%以下である。いくつかの実施形態では、LPA発現の対照の量またはレベルは、本明細書のオリゴヌクレオチドと接触させていない細胞または細胞の集団中のLPAのmRNA及び/またはapo(a)タンパク質の量またはレベルである。いくつかの実施形態では、本明細書の方法による細胞または細胞の集団へのオリゴヌクレオチドの送達の効果は、任意の有限期間または一定時間(例えば、分、時間、日、週、月)後に評価される。例えば、いくつかの実施形態では、LPA発現は、細胞または細胞の集団にオリゴヌクレオチドを接触させるかまたは送達した後、少なくとも約4時間、約8時間、約12時間、約18時間、約24時間;または少なくとも約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約21日間、約28日間、約35日間、約42日間、約49日間、約56日間、約63日間、約70日間、約77日間、または約84日間、またはそれ以上で、細胞または細胞の集団において決定される。いくつかの実施形態では、LPA発現は、細胞または細胞の集団にオリゴヌクレオチドを接触させるかまたは送達した後、少なくとも約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、または約6ヶ月、またはそれ以上で細胞または細胞の集団において決定される。
【0153】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、細胞内でオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを含む鎖(例えば、そのセンス鎖及びアンチセンス鎖)を発現するように操作された導入遺伝子の形態で送達される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、本明細書に開示される任意のオリゴヌクレオチドを発現するように操作された導入遺伝子を使用して送達される。導入遺伝子は、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、アデノ随伴ウイルス、もしくは単純ヘルペスウイルス)、または非ウイルスベクター(例えば、プラスミドもしくは合成mRNA)を使用して送達され得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子を対象に直接注射することができる。
【0154】
ii.医療用途
本開示はまた、LPA発現を減少させることから恩恵を受ける対象(例えば、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有するヒト)を治療するために使用するための、または使用に適合可能なオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、LPAの発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するために使用するための、または使用するように適合されたオリゴヌクレオチドを提供する。本開示はまた、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を治療するための医薬品または医薬組成物の製造における使用のための、または使用に適合可能なオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、使用のための、または使用に適合可能なオリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを標的とし、LPA発現を減少させる(例えば、RNAi経路を介して)。いくつかの実施形態では、使用のための、または使用に適合可能なオリゴヌクレオチドは、LPAのmRNAを標的とし、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、及び/またはapo(a)活性の量またはレベルを減少させる。
【0155】
さらに、本明細書の方法のいくつかの実施形態では、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有するか、またはその素因がある対象が、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)による治療のために選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、LPA発現に関連する、疾患、障害、または状態のマーカー(例えば、バイオマーカー)、例えば、これらに限定されないが、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、リポタンパク質(a)、またはそれらの組み合わせを有するか、またはその素因がある個体を選択することを含む。同様に、以下に詳述するように、本開示によって提供される方法のいくつかの実施形態は、LPA発現のマーカー(例えば、リポタンパク質(a))のベースライン値を測定または取得し、次いで、そのように取得された値を1つまたは複数の他のベースライン値または対象にオリゴヌクレオチドを投与した後に得られる値と比較して治療の有効性を評価することなどのステップを含む。
【0156】
iii.治療の方法
本開示はまた、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する、有する疑いがある、または発症するリスクがある対象を、本明細書のオリゴヌクレオチドで治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書のオリゴヌクレオチドを使用して、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の発症または進行を治療または軽減する方法を提供する。他の実施形態では、本開示は、本明細書のオリゴヌクレオチドを使用して、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象において1つ以上の治療効果を達成する方法を提供する。本明細書の方法のいくつかの実施形態では、対象は、治療有効量の本明細書のオリゴヌクレオチドのいずれか1つ以上を投与することによって治療される。いくつかの実施形態では、治療はLPA発現を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、対象は治療的に処置される。いくつかの実施形態では、対象は予防的に処置される。
【0157】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象においてLPA発現が減少して、それによって対象を治療するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、LPAのmRNAの量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、apo(a)タンパク質の量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、リポタンパク質(a)の量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、apo(a)活性の量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、トリグリセリド(TG)(例えば、1つ以上のTGまたは総TG)の量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、コレステロール(例えば、総コレステロール、LDLコレステロール、及び/またはHDLコレステロール)の量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの量またはレベルは、対象において減少する。いくつかの実施形態では、OxPLの量または活性は、対象において減少または変動する。いくつかの実施形態では、LDL-Cの量または活性は、対象において減少または変動する。いくつかの実施形態では、apoB-100の量または活性は、対象において減少または変動する。いくつかの実施形態では、以下の任意の組み合わせが対象において減少または変動する:LPA発現、LPAのmRNAの量またはレベル、apo(a)タンパク質の量またはレベル、apo(a)活性の量またはレベル、TGの量またはレベル、コレステロールの量またはレベル、OxPLの量または活性、LDL-Cの量または活性、及び/またはapoB-100の量または活性。
【0158】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるLPA発現が、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のLPA発現と比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるLPA発現は、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるLPA発現と比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0159】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるLPAのmRNAの量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のLPAのmRNAの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるLPAのmRNAの量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるLPAのmRNAの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0160】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるapo(a)タンパク質の量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のapo(a)タンパク質の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるapo(a)タンパク質の量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるapo(a)タンパク質の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0161】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるapo(a)活性の量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のapo(a)活性の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるapo(a)活性の量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるapo(a)活性の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0162】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるリポタンパク質(a)の量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のリポタンパク質(a)の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるリポタンパク質(a)の量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるリポタンパク質(a)の量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0163】
リポタンパク(a)のレベルは、ヒトの成人において広い範囲であり、0.1mg/dL未満から200mg/dLを超えるまでの血漿レベルであり、したがって、個人間で最大3桁の違いを示す(Schmidt et al.,(2016)J Lipid Res.57(8):1339-1359)。リポタンパク質(a)レベルは、米国及びカナダにおいて、30mg/dl未満が最適と考えられている(Anderson et al.,(2016)Can J Cardiol 32:1263-82)。欧州アテローム性動脈硬化学会(EAS)は、50mg/dL未満を最適として提案し、ドイツと英国ではアフェレーシスの償還のカットオフとして60mg/dl未満のリポタンパク質(a)レベルが使用されている(Tsimikas(2017)J Am Coll Cardiol.69(6):692-711)。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドでの治療のために選択されるかまたはそれで治療される対象は、約30mg/dL以上のリポタンパク質(a)の量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドでの治療のために選択されるかまたはそれで治療される対象は、30mg/dLを超えるリポタンパク質(a)の量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドでの治療のために選択されるかまたはそれで治療される対象は、約50mg/dL以上のリポタンパク質(a)の量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドでの治療のために選択されるかまたはそれで治療される対象は、約60mg/dL以上のリポタンパク質(a)の量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドでの治療のために選択されるかまたはそれで治療される対象は、30mg/dL~300mg/dLの範囲のリポタンパク質(a)の量またはレベルを有することが確認または決定される。
【0164】
一般に、ヒト患者の正常または望ましいTG範囲は、血液の150mg/dL未満であり、100mg/dL未満が理想的とみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、150mg/dL以上のTGの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、150~199mg/dLの範囲のTGの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、ボーダーラインの高TGレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200~499mg/dLの範囲のTGの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、高TGレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、500mg/dLまたはそれ以上(すなわち、500mg/dL以上)の範囲のTGの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、非常に高いTGレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、150mg/dL以上、200mg/dL以上、または500mg/dL以上であるTGの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200~499mg/dL、または500mg/dL以上のTGのレベルの量を有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200mg/dL以上であるTGの量またはレベルを有することが確認または決定される。
【0165】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるコレステロール(例えば、総コレステロール、LDLコレステロール、及び/またはHDLコレステロール)の量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のコレステロールの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるコレステロールの量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるコレステロールの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0166】
一般に、成人ヒト患者の正常または望ましいコレステロール範囲(総コレステロール)は、血液の200mg/dL未満である。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200mg/dL以上のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200~239mg/dLの範囲のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、ボーダーラインの高コレステロールレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、240mg/dL及びそれ以上(すなわち、240mg/dL以上)の範囲のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、高コレステロールレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200~239mg/dL、または240mg/dL以上のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、200mg/dL以上、または240mg/dLもしくはそれ以上のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。
【0167】
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、対象におけるLDLコレステロールの量またはレベルが、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物の投与前のLDLコレステロールの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少するように、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象に投与される。いくつかの実施形態では、対象におけるLDLコレステロールの量またはレベルは、オリゴヌクレオチドまたは医薬組成物を受けていないか、または対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物または治療を受けた対象(例えば、参照または対照対象)におけるLDLコレステロールの量またはレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または99%を超えて減少する。
【0168】
一般に、成人ヒト患者の正常または望ましいLDLコレステロール範囲は、血液の100mg/dL未満である。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、100mg/dL以上のコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、100~129mg/dLの範囲のLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは最適以上とみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、130~159mg/dLの範囲のLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または判定され、これはボーダーラインの高レベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、160~189mg/dLの範囲のLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、高LDLコレステロールレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、190mg/dL及びそれ以上(すなわち、190mg/dL以上)の範囲のLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定され、これは、非常に高いLDLコレステロールレベルとみなされる。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、100mg/dL以上、130mg/dL以上、160mg/dL以上、または190mg/dL以上、またはそれ以上、好ましくは160mg/dL以上、または190mg/dL以上またはそれ以上であるLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。いくつかの実施形態では、治療のために選択されるかまたは治療される患者は、100~129mg/dL、130~159mg/dL、160~189mg/dL、または190mg/dL及びそれ以上のLDLコレステロールの量またはレベルを有することが確認または決定される。
【0169】
対象または対象からの試料中の、LPA発現、LPAのmRNAの量またはレベル、apo(a)タンパク質の量またはレベル、apo(a)活性の量またはレベル、リポタンパク質(a)の量またはレベル、及び/またはOxPL、LDL-C、apoB-100、TG、及び/またはLDLコレステロールの量またはレベルを決定するための適切な方法は、当該技術分野で知られている。さらに、本明細書に記載の実施例は、LPA発現を決定するための例示的な方法を説明する。
【0170】
いくつかの実施形態では、LPA発現、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、apo(a)活性、OxPL、LDL-C、apoB-100、TG、LDLコレステロール、またはそれらの任意の組み合わせの量またはレベルは、細胞(例えば、肝細胞)、細胞の集団またはグループ(例えば、オルガノイド)、器官(例えば、肝臓)、血液またはその一部(例えば、血漿)、組織(例えば、肝臓組織)、試料(例えば、肝生検試料)、または対象から得られるかまたは単離される任意の他の生物学的材料において減少する。いくつかの実施形態では、LPA発現、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、apo(a)活性、OxPL、LDL-C、apoB-100、TG、LDLコレステロール、またはそれらの任意の組み合わせの量またはレベルは、対象から得られるかまたは単離される1種を超える細胞(例えば、肝細胞と1種以上の他の種類の細胞)、1つを超える細胞グループ、1つを超える器官(例えば、肝臓と1つ以上の他の器官)、1つを超える血液画分(例えば、血漿及び1つ以上の他の血液画分)、1種を超える組織(例えば、肝臓組織及び1種以上の他の種類の組織)、1種を超える試料(例えば、肝生検試料及び1種以上の他の種類の生検試料)において減少する。
【0171】
LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の例としては、バーガー病、末梢動脈疾患、冠動脈疾患、メタボリックシンドローム、急性冠症候群、大動脈弁狭窄症、大動脈弁逆流、大動脈解離、網膜動脈閉塞、脳血管疾患、腸間膜虚血、上腸間膜動脈閉塞、腎動脈狭窄、安定・不安定狭心症、急性冠症候群、ヘテロ接合体またはホモ接合体の家族性高コレステロール血症、高アポβリポタンパク血症、脳血管アテローム性動脈硬化症、脳血管疾患、及び静脈血栓症、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
それらの高い特異性のために、本明細書のオリゴヌクレオチドは、細胞、組織、または器官(例えば、肝臓)の標的遺伝子のmRNAを特異的に標的とする。疾患の予防において、標的遺伝子は、疾患の開始または維持に必要とされるもの、または疾患に罹患するリスクが高いことに関連すると同定されたものであり得る。疾患の治療において、本オリゴヌクレオチドは、疾患を示すか、または疾患を媒介する役割を担う細胞または組織と接触させることができる。例えば、LPA発現に関連する障害または状態に関連する野生型(すなわち、天然型)または変異型遺伝子の全部または一部と実質的に同一のオリゴヌクレオチドを、肝細胞やその他の肝臓細胞などの目的の細胞または組織型と接触させるか、またはそれらに導入することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、標的遺伝子は、ヒトなどの任意の哺乳動物由来の標的遺伝子であり得る。本明細書に記載の方法に従って、任意の遺伝子をサイレンシングすることができる。
【0174】
本明細書に記載の方法は、典型的には、治療有効量、すなわち、望ましい治療結果を生じることができる量の本明細書のオリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。治療許容量は、疾患または障害を治療することができる量とすることができる。任意の1人の対象に対する適切な投与量は、対象のサイズ、体表面積、年齢、投与される特定の組成物、組成物中の活性成分(複数可)、投与の時間及び経路、全体的な健康状態、及び同時に投与されている他の薬剤を含む特定の因子に応じて決められる。
【0175】
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書中の組成物のいずれか1つを、経腸的に(例えば、経口、胃栄養チューブによって、十二指腸栄養チューブによって、胃瘻造設を介して、もしくは直腸に)、非経口的に(例えば、皮下注射、静脈内注射もしくは注入、動脈内注射もしくは注入、骨内注射、筋肉内注射、脳内注射、脳室内注射、髄腔内注射)、局所(例えば、経皮、吸入、点眼薬、もしくは粘膜を介して)、または標的臓器(例えば、対象の肝臓)への直接注射によって投与される。典型的には、本明細書のオリゴヌクレオチドは、静脈内または皮下に投与される。
【0176】
非限定的の一組の例として、本開示のオリゴヌクレオチドは、典型的には、四半期ごと(3か月ごとに1回)、隔月ごと(2か月ごとに1回)、毎月または毎週投与される。例えば、オリゴヌクレオチドは、毎週、または2週間もしくは3週間の間隔で投与され得る。代替的に、オリゴヌクレオチドを毎日投与してもよい。いくつかの実施形態では、対象は、オリゴヌクレオチドの1回以上の負荷用量、続いてオリゴヌクレオチドの1回以上の維持用量を投与される。
【0177】
いくつかの実施形態では、治療される対象は、ヒトまたは非ヒト霊長類または他の哺乳動物の対象である。他の例示的な対象としては、イヌ及びネコなどの飼育動物、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、及びニワトリなどの家畜、ならびにマウス、ラット、モルモット、及びハムスターなどの動物が挙げられる。
【0178】
V.キット
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書のオリゴヌクレオチドと、使用説明書と、を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書のオリゴヌクレオチドと、キット及び/またはその任意の構成要素の使用説明書を含む添付文書と、を含む。いくつかの実施形態では、キットは、適切な容器内に、本明細書のオリゴヌクレオチド、1つ以上の対照、ならびに当該技術分野で周知のさまざまな緩衝液、試薬、酵素及びその他の標準成分を含む。いくつかの実施形態では、容器は、オリゴヌクレオチドが入れられ、場合によっては、適切に分注される、少なくとも1つのバイアル、ウェル、試験管、フラスコ、ボトル、注射器、または他の容器手段を含む。追加の構成要素が提供されるいくつかの実施形態では、キットは、この構成要素が配置される追加の容器を含む。キットはまた、オリゴヌクレオチド及び任意の他の試薬を商業販売のために厳重に封じ込めるための手段を含むことができる。このような容器としては、所望のバイアルが保持される射出成形またはブロー成形のプラスチック容器が挙げられ得る。コンテナ及び/またはキットには、使用説明書及び/または警告のラベルを含めることができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、キットは、それを必要とする対象におけるLPA発現に関連する疾患、障害、または状態を治療するか、またはその進行を遅らせるための、本明細書のオリゴヌクレオチド及び薬学的に許容される担体、またはオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物と、使用説明書と、を含む。
【実施例】
【0180】
本開示を以下の実施例に示される具体的な実施態様を参照して説明したが、本開示の真の趣旨と範囲を逸脱することなくさまざまな変更がなされたり、均等物と置き換えたりすることができることは当業者によって理解されるであろう。さらに、以下の実施例は、例示のために提示され、いかなる様式でも本開示の範囲を限定することは意図されない。さらに、状況、物質、物質の組成、プロセス、プロセスのステップまたは複数のステップを本開示の目的、趣旨及び範囲に適合させるために多くの改変がなされ得る。すべてのそのような改変は、本開示の範囲内に入ることが意図される。当該技術分野で周知の標準的な技術、または以下に具体的に説明する技術が利用される。
【0181】
実施例1:二本鎖RNAiオリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドの合成及び精製
【0182】
前述の実施例に記載のdsRNAiオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載の方法を使用して化学合成される。一般に、dsRNAiオリゴヌクレオチドは、19~23merのsiRNAについて記載された固相オリゴヌクレオチド合成法を用いて合成される(例えば、Scaringe et al.(1990)Nucleic Acids Res.18:5433-41及びUsman et al.(1987)J.Am.Chem.Soc.109:7845-45を参照されたい;米国特許第5,804,683号;同第5,831,071号;同第5,998,203号;同第6,008,400号;同第6,111,086号;同第6,117,657号;同第6,353,098号;同第6,362,323号;同第6,437,117号;及び同第6,469,158号も参照されたい)。
【0183】
標準方法(Integrated DNA Technologies;Coralville,IA)に従って、個々のRNA鎖を合成してHPLC精製する。例えば、固相ホスホラミダイト化学反応を使用してRNAオリゴヌクレオチドを合成し、脱保護し、標準技法(Damha & Olgivie(1993)Methods Mol.Biol.20:81-114;Wincott et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:2677-84)を使用してNAP-5カラム(Amersham Pharmacia Biotech;Piscataway,NJ)上で脱塩する。15分間の段階的線形勾配を使用したAmersham Source 15Qカラム(1.0cm×25cm、Amersham Pharmacia Biotech)上でイオン交換高速液体クロマトグラフィ(IE-HPLC)を使用して、オリゴマーを精製する。勾配は、90:10緩衝液A:Bから52:48緩衝液A:Bへと変動し、緩衝液Aは、pH8.5の100mMのTrisであり、緩衝液Bは、pH8.5の100mMのTris、1MのNaClである。試料を260nmでモニターし、全長オリゴヌクレオチド種に対応するピークを収集し、プールし、NAP-5カラム上で脱塩し、凍結乾燥する。
【0184】
Beckman PACE 5000(Beckman Coulter,Inc.;Fullerton,CA)上のキャピラリ電気泳動(CE)によって、それぞれのオリゴマーの純度を決定する。CEキャピラリは、100μmの内径を有し、ssDNA 100R Gel(Beckman-Coulter)を含む。典型的には、約0.6nmoleのオリゴヌクレオチドが、キャピラリに注入され、444V/cmの電場で流され、260nmにおけるUV吸光度によって検出される。変性Tris-ホウ酸塩-7M-尿素ランニング緩衝液をBeckman-Coulterから購入する。以下で説明される実験で使用するためにCEによって評価されるときに少なくとも90%純粋であるオリゴリボヌクレオチドが得られる。製造者の推奨プロトコールに従って、Voyager DE(商標)Biospectometry Work Station(Applied Biosystems;Foster City,CA)上でのマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析法によって、化合物の特性を検証する。しばしば想定される分子量の0.2%以内で、すべてのオリゴマーの相対分子量が得られる。
【0185】
二重鎖の調製
【0186】
100mMの酢酸カリウム、30mMのHEPES、pH7.5からなる二重鎖緩衝液中で、ssRNAオリゴマーを再懸濁する(例えば、濃度100μM)。相補的なセンス鎖とアンチセンス鎖を等モル量で混合して、例えば、50μMの二重鎖の最終溶液を得る。試料をRNA緩衝液(IDT)中で5分間100℃まで加熱し、使用前に室温まで冷ます。dsRNAオリゴヌクレオチドは-20℃で保存される。ssRNAオリゴマーは、凍結乾燥で、またはヌクレアーゼを含まない水中で、-80℃で保存される。
【0187】
実施例2:インビトロでのLPA発現のRNAiオリゴヌクレオチド阻害
LPAのmRNA標的配列の同定
【0188】
LPA発現のRNAiオリゴヌクレオチド阻害剤を同定するために、コンピューターベースのアルゴリズムを使用して、RNAi経路によるLPA発現の阻害をアッセイするのに適したLPAのmRNA標的配列をコンピューターで同定した。アルゴリズムは、ヒトLPAのmRNA(例えば、配列番号1;表1)の適切なLPA標的配列に対する相補性の領域をそれぞれ有するRNAiオリゴヌクレオチドガイド(アンチセンス)鎖配列を提供する。アルゴリズムによって同定されたガイド鎖配列の一部は、サルLPAのmRNA(配列番号2;表1)の対応するLPA標的配列にも相補的である。RNAiオリゴヌクレオチド(DsiRNAオリゴヌクレオチドとしてフォーマットされた)が生成され(表2)、アルゴリズムによって同定されたLPA標的配列に対する相補性の領域を有する固有のガイド鎖をそれぞれが有する。表2に提供されるDsiRNAのパッセンジャー(センス)鎖は、アルゴリズムによって同定された固有のヒトLPAのmRNA標的配列を含む。
【0189】
【0190】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【表2-13】
【表2-14】
【表2-15】
【表2-16】
【表2-17】
【表2-18】
【表2-19】
【表2-20】
【表2-21】
【表2-22】
【0191】
インビトロでの細胞ベースのアッセイ
【0192】
表2に列挙されているDsiRNAのそれぞれがLPA発現を阻害する能力は、インビトロでの細胞ベースのアッセイを使用して決定された。簡潔に述べると、ヒトLPA遺伝子を安定的に発現するヒト胎児腎293(HEK293)細胞またはHepG2細胞に、マルチウェル細胞培養プレートの別々のウェルで0.5nMの表2に列挙したDsiRNAのそれぞれをトランスフェクトした。細胞は、トランスフェクション後24時間維持され、次いで、トランスフェクトされた細胞からの残存したLPAのmRNAの量が、TAQMAN(登録商標)ベースのqPCRアッセイを使用して決定された。2つのqPCRアッセイ、3’アッセイと5’アッセイを使用して、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)にコンジュゲートしたPCRプローブを使用して測定したLPAのmRNAレベルを決定した。
【0193】
表2に列挙したDsiRNAがLPA発現を阻害する能力を評価するためのHEK293及びHepG2細胞ベースのアッセイの結果を、それぞれ
図1~4及び
図5に示す。GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチド(GalXC-LPA-3675、配列番号1188及び1189)でトランスフェクトされた細胞を陽性対照として使用した。モックトランスフェクト細胞と比較した場合、DsiRNAトランスフェクト細胞に約15%~20%以下のLPAのmRNAが残る結果をもたらしたDsiRNAは、一般に、さらなる評価のために標的mRNA発現の適切な量のノックダウンまたは減少を提供する配列を含むと考えられた。
図1~5に、DsiRNAでトランスフェクトされた細胞に残るLPAのmRNAのパーセントを、示されているように、時間を一致させた対照細胞と比較して示す(3’アッセイ=円の形;5’アッセイ=三角形の形)。
【0194】
DsiRNAヒットをさらに評価するために、表2に列挙したDsiRNAのサブセットを試験して、2つの異なるDsiRNA濃度でインビトロでの細胞ベースのアッセイを使用してLPA発現を阻害する能力を決定した(
図6及び
図7)。簡潔に述べると、ヒトLPA遺伝子を安定的に発現するHEK293細胞に、マルチウェル細胞培養プレートの別々のウェルで0.1nM及び0.5nMでDsiRNAをトランスフェクトした。細胞は、トランスフェクション後24時間維持され、次いで、トランスフェクトされた細胞からの残存したLPAのmRNAの量が、TAQMAN(登録商標)ベースのqPCRアッセイを使用して決定された。2つのqPCRアッセイ、3’アッセイと5’アッセイを使用して、ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)にコンジュゲートしたPCRプローブを使用して測定したLPAのmRNAレベルを決定した。非トランスフェクト細胞(UT)、モックトランスフェクト細胞(Mock)、及び対照オリゴヌクレオチドでトランスフェクトされた細胞(NC1、配列番号1191及び1192;NC5、配列番号1193及び1194;ならびにNC7、配列番号1195及び1196)を陰性対照として使用した。
図6及び
図7に示すように、示されたDsiRNAでトランスフェクトされたHEK293細胞に残るLPAのmRNAのパーセントは、3’アッセイ及び5’アッセイからのLPAのmRNAレベルの平均であり、時間を一致させ、モックトランスフェクトされた対照HEK293細胞に対して正規化される。
【0195】
まとめると、これらの結果は、対照細胞と比較してDsiRNAトランスフェクト細胞におけるLPAのmRNAの減少した量によって決定されるとき、ヒトLPAのmRNAを標的とするように設計されたDsiRNAが細胞内のLPA発現を阻害することを示している。これらの結果は、DsiRNAを含むヌクレオチド配列が、LPA発現を阻害するRNAiオリゴヌクレオチドを生成するのに有用であることを示している。さらに、これらの結果は、複数のLPAのmRNA標的配列が、LPA発現のRNAiを介した阻害に適していることを示している。
【0196】
実施例3:インビボでのLPA発現のRNAiオリゴヌクレオチド阻害
実施例2に記載の細胞ベースのアッセイでスクリーニングされたDsiRNAのうち、14個のDsiRNAのヌクレオチド配列が、インビボでのさらなる評価のために選択された。簡潔に述べると、14個の選択されたDsiRNAのヌクレオチド配列を使用して、36-merのパッセンジャー鎖と22-merのガイド鎖を有する、ニックの入ったテトラループGalNAcコンジュゲート構造(本明細書では「GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチド」と呼ばれる)を含む14個の対応する二本鎖RNAiオリゴヌクレオチドを生成した(表3)。さらに、GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドのパッセンジャー鎖及びガイド鎖を含むヌクレオチド配列は、修飾ヌクレオチド及びホスホロチオエート結合の明確なパターンを有する(例えば、GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドの一般構造及び化学修飾パターン(M1、M2、及びM3)の概略図については
図10を参照されたい)。テトラループを構成する3つのアデノシンヌクレオチドは、それぞれGalNAc部分(CAS番号:14131-60-3)に結合している。
【0197】
【0198】
マウス研究
【0199】
表3に列挙されるGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドをHDIマウスモデルで評価した。HDIマウスは、肝細胞でヒトLPAのmRNAを一過性に発現するように操作されていた。GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドであるLPA-3675-M2をベンチマーク対照として使用した。簡潔に述べると、6~8週齢のメスのCD-1マウス(n=5)を、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドの、0.5mg/kgの用量レベル(
図8)、または0.25mg/kg、0.5mg/kg、及び1mg/kgの用量レベル(
図9)で皮下処理した。3日(72時間)後、ユビキタスサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列の制御下で完全なヒトLPA遺伝子をコードするDNAプラスミドをマウスに流体力学的に注入(HDI)した。DNAプラスミド導入の1日後、マウスから肝臓試料を採取した。これらのマウスに由来する全RNAを、同量のPBSのみで処理したマウスと比較して、LPAのmRNAのqRT-PCR分析に供した。値は、プラスミドに含まれるNeoR遺伝子を使用して、トランスフェクション効率について正規化された。
【0200】
図8に示されるように、示されるGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドは、PBSで処理されたマウスと比較して、オリゴヌクレオチドで処理されたHDIマウスからの肝臓試料中のLPAのmRNAの量の減少によって決定されるとき、LPA発現を阻害した。GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドがLPA発現を阻害する能力をさらに評価するために、それぞれ異なる化学修飾パターン(M2及びM3)を有する2つのGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチド配列(LPA-2900及びLPA-3675)を、3つの異なる濃度(0.25mg/kg、0.5mg/kg、及び1.0mg/kg)で上述のHDIマウスにおいてLPA発現を阻害するそれらの能力について試験した。
図9に示されるように、示されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドは、用量依存的にHDIマウスにおけるLPA発現を阻害した。
【0201】
まとめると、これらの結果は、ヒトLPAのmRNAを標的とするように設計されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドが、PBSで処理した対照マウスと比較したHDIマウス肝臓のLPAのmRNAの量の減少によって決定されるとき、マウスにおけるLPA発現を阻害することを示している。これらの結果に基づいて、HDIマウスで評価された14個のGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドのうち10個が、非ヒト霊長類(NHP)でのLPA発現を阻害するそれらの能力の評価のために選択された。表4に列挙された10個のGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドは、
図10に記載されたパターンM1、M2、またはM3を有する化学的に修飾されたヌクレオチドを含む。
【0202】
【0203】
非ヒト霊長類(NHP)研究
【0204】
表4に列挙されるGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドをカニクイザル(Macaca fascicularis)で評価した。この研究では、サルの平均体重(約5.4kg)が対照群と実験群の間で同等になるように、サルをグループ分けする。それぞれのコホートには、2匹のオス対象と3匹のメス対象が含まれる。GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドは、研究0日目に皮下投与した。血液試料は、研究-8日目、-5日目、及び0日目に採取し、投与後毎週採取した。超音波ガイド下コアニードル肝生検は、研究28日目、56日目、及び84日目に採取された。それぞれの時点で、肝生検試料に由来する全RNAをqRT-PCR分析に供し、同等量のPBSで処理したサルと比較して、オリゴヌクレオチドで処理したサルのLPAのmRNAを測定した。データを正規化するために、2つの参照遺伝子、PPIB及び18S rRNAの幾何平均に対して測定を行った。
図11A(28日目)、
図11B(56日目)、及び
図11C(84日目)に示されるように、表4に列挙されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドによるNHPの処理は、PBSで処理されたNHPと比較して、オリゴヌクレオチドで処理されたNHP由来の肝臓試料におけるLPAのmRNAの量の減少によって決定されるとき、肝臓におけるLPA発現を阻害した。処理されたNHPの肝臓試料中のプラスミノーゲン(PLG)のmRNAの量も決定され、
図11Dに示されている。同じNHP研究から、LPA発現の阻害を、処理されたNHPからのapo(a)タンパク質血清をELISAによって測定することによっても決定した。
図12に示されるように、PBSで処理したNHPと比較して、GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドで処理したNHPでは、血清apo(a)タンパク質の大幅な減少が観察された。投与前の3つの試料の値を平均して100%に設定し、データは、投与前の平均と比較した相対値として報告されている。まとめると、これらの結果は、GalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドによるNHPの処理により、肝臓におけるLPAのmRNAの量が減少し、血清におけるapo(a)タンパク質の量が減少したことを示している。
【0205】
まとめると、これらの結果は、ヒトLPAのmRNAを標的とするように設計されたGalNAcコンジュゲートLPAオリゴヌクレオチドが、(処理動物におけるLPAのmRNA及びapo(a)タンパク質の量の減少によって決定されるとき)インビボでLPA発現を阻害することを示している。
【0206】
配列表
次の核酸及び/またはアミノ酸の配列は、上記の開示で言及されており、参照のために以下に提供される。
【0207】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
【表5-7】
【表5-8】
【表5-9】
【表5-10】
【表5-11】
【表5-12】
【表5-13】
【表5-14】
【表5-15】
【表5-16】
【表5-17】
【表5-18】
【表5-19】
【表5-20】
【表5-21】
【表5-22】
【表5-23】
【表5-24】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【表6-8】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
表6中の修飾:
mC、mA、mG、mU=2’-OMeリボヌクレオシド;fA、fC、fG、fU=2’-Fリボヌクレオシド;s=ホスホロチオエート;MePhosphonate-4O-mUs=
【化7】
ademA-GalNAc=アデニンヌクレオチドに結合したGalNAc:
【化8】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔2〕前記センス鎖が、15~50個のヌクレオチドの長さである、前記〔1〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔3〕前記センス鎖が、18~36個のヌクレオチドの長さである、前記〔1〕または〔2〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔4〕前記アンチセンス鎖が、15~30個のヌクレオチドの長さである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔5〕前記アンチセンス鎖が22個のヌクレオチドの長さであり、アンチセンス鎖と前記センス鎖が、少なくとも19個のヌクレオチドの長さ、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成する、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔6〕前記相補性の領域が、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さである、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔7〕前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成する、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔8〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、アンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔9〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、15~30個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔10〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、アンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔11〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、アンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔12〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔13〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔14〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔15〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が少なくとも19個のヌクレオチドの長さ、任意選択で20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔16〕Lがトリループまたはテトラループである、前記〔7〕及び〔13〕~〔15〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔17〕Lがテトラループである、前記〔16〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔18〕前記テトラループが配列5’-GAAA-3’を含む、前記〔17〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔19〕S1とS2が1~10個のヌクレオチドの長さであり、同じ長さを有する、前記〔16〕~〔18〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔20〕S1とS2が、1個のヌクレオチド、2個のヌクレオチド、3個のヌクレオチド、4個のヌクレオチド、5個のヌクレオチド、6個のヌクレオチド、7個のヌクレオチド、8個のヌクレオチド、9個のヌクレオチド、または10個のヌクレオチドの長さである、前記〔19〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔21〕S1とS2が6個のヌクレオチドの長さである、前記〔20〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔22〕前記ステムループが配列5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号190)を含む、前記〔16〕~〔21〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔23〕前記アンチセンス鎖が、1個以上のヌクレオチドの長さの3’突出配列を含む、前記〔1〕~〔22〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔24〕前記3’突出配列が2個のヌクレオチドの長さであり、任意選択で前記3’突出配列がGGである、前記〔23〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔25〕前記オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含む、先行態様のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔26〕前記修飾ヌクレオチドが、2’修飾を含む、前記〔25〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔27〕前記2’修飾が、2’-アミノエチル、2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸から選択される修飾である、前記〔26〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔28〕前記オリゴヌクレオチドを構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、任意選択で、前記修飾が、2’-フルオロ及び2’-O-メチルから選択される2’-修飾である、前記〔25〕~〔27〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔29〕前記オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾ヌクレオチド間結合を含む、先行態様のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔30〕前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合がホスホロチオエート結合である、前記〔29〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔31〕前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素が、ホスフェート類似体を含む、先行態様のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔32〕前記ホスフェート類似体が、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、またはマロニルホスホネートであり、任意選択で、前記ホスフェート類似体が、5’-メトキシホスホネート-4’-オキシを含む4’-ホスフェート類似体である、前記〔31〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔33〕前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドが、1つ以上の標的化リガンドにコンジュゲートされる、先行態様のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔34〕それぞれの標的化リガンドが、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチド、または脂質を含む、前記〔33〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔35〕それぞれの標的化リガンドがN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分を含む、前記〔33〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔36〕前記GalNAc部分が、一価GalNAc部分、二価GalNAc部分、三価GalNAc部分、または四価GalNAc部分である、前記〔35〕に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔37〕前記ステムループのLの4個までのヌクレオチドがそれぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートされる、前記〔16〕~〔32〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔38〕前記センス鎖が、配列番号388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、及び403のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔37〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔39〕前記アンチセンス鎖が、配列番号788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、及び803のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔38〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔40〕前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド:
(a) それぞれ配列番号393と793;
(b) それぞれ配列番号388と788;
(c) それぞれ配列番号389と789;
(d) それぞれ配列番号390と790;
(e) それぞれ配列番号391と791;
(f) それぞれ配列番号392と792;
(g) それぞれ配列番号394と794;
(h) それぞれ配列番号395と795;
(i) それぞれ配列番号396と796;
(j) それぞれ配列番号397と797;
(k) それぞれ配列番号398と798;
(l) それぞれ配列番号399と799;
(m) それぞれ配列番号400と800;
(n) それぞれ配列番号401と801;
(o) それぞれ配列番号402と802;及び
(p) それぞれ配列番号403と803。
〔41〕前記センス鎖が配列番号393に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号793に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔42〕前記センス鎖が配列番号388に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号788に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔43〕前記センス鎖が配列番号389に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号789に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔44〕前記センス鎖が配列番号390に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号790に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔45〕前記センス鎖が配列番号391に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号791に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔46〕前記センス鎖が配列番号392に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号792に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔47〕前記センス鎖が配列番号394に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号794に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔48〕前記センス鎖が配列番号395に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号795に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔49〕前記センス鎖が配列番号396に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号796に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔50〕前記センス鎖が配列番号397に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号797に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔51〕前記センス鎖が配列番号398に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号798に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔52〕前記センス鎖が配列番号399に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号799に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔53〕前記センス鎖が配列番号400に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号800に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔54〕前記センス鎖が配列番号401に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号801に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔55〕前記センス鎖が配列番号402に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号802に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔56〕前記センス鎖が配列番号403に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号803に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔1〕~〔39〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
〔57〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾されており、前記アンチセンス鎖が配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔58〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔59〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔60〕LPA発現を減少させるためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドがセンス鎖とアンチセンス鎖を含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、前記アンチセンス鎖と前記センス鎖が1つ以上の2’-フルオロ及び2’-O-メチルで修飾されたヌクレオチドならびに少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素がホスフェート類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
〔61〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、先行態様のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたはその医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与し、それによって前記対象を治療することを含む、前記方法。
〔62〕前記〔1〕~〔60〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される担体、送達剤、または賦形剤と、を含む医薬組成物。
〔63〕オリゴヌクレオチドを対象に送達する方法であって、前記方法が前記〔61〕に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
〔64〕細胞、細胞の集団、または対象におけるLPA発現を減少させる方法であって、前記方法が:
i. 前記細胞または前記細胞の集団を、前記〔1〕~〔60〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは前記〔62〕に記載の医薬組成物と接触させるステップ;または
ii. 前記対象に、前記〔1〕~〔83〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは前記〔85〕に記載の医薬組成物を投与するステップ、を含む、前記方法。
〔65〕前記LPA発現を減少させることが、LPAのmRNAの量もしくはレベル、LPAタンパク質の量もしくはレベル、またはその両方を減少させることを含む、前記〔64〕に記載の方法。
〔66〕前記対象が、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する、前記〔64〕または〔65〕に記載の方法。
〔67〕前記LPA発現に関連する疾患、障害、または状態が、心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD及びNASHである、前記〔66〕に記載の方法。
〔68〕前記RNAiオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物が、第2の組成物または治療剤と組み合わせて投与される、前記〔61〕及び〔63〕~〔67〕のいずれか1項に記載の方法。
〔69〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドの治療有効量を前記対象に投与することを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号4~387のうちのいずれか1つのLPAのmRNA標的配列に対する相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記方法。
〔70〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、表5に示される行から選択されるセンス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドまたはその医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与し、それによって前記対象を治療することを含む、前記方法。
〔71〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象を治療するための方法であって、前記方法が、センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドの治療有効量を前記対象に投与することを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、前記方法:
(a) それぞれ配列番号393と793;
(b) それぞれ配列番号388と788;
(c) それぞれ配列番号389と789;
(d) それぞれ配列番号390と790;
(e) それぞれ配列番号391と791;
(f) それぞれ配列番号392と792;
(g) それぞれ配列番号394と794;
(h) それぞれ配列番号395と795;
(i) それぞれ配列番号396と796;
(j) それぞれ配列番号397と797;
(k) それぞれ配列番号398と798;
(l) それぞれ配列番号399と799;
(m) それぞれ配列番号400と800;
(n) それぞれ配列番号401と801;
(o) それぞれ配列番号402と802;及び
(p) それぞれ配列番号403と803。
〔72〕前記センス鎖が配列番号393に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号793に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔73〕前記センス鎖が配列番号388に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号788に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔74〕前記センス鎖が配列番号389に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号789に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔75〕前記センス鎖が配列番号390に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号790に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔76〕前記センス鎖が配列番号391に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号791に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔77〕前記センス鎖が配列番号392に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号792に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔78〕前記センス鎖が配列番号394に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号794に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔79〕前記センス鎖が配列番号395に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号795に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔80〕前記センス鎖が配列番号396に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号796に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔81〕前記センス鎖が配列番号397に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号797に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔82〕前記センス鎖が配列番号398に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号798に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔83〕前記センス鎖が配列番号399に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号799に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔84〕前記センス鎖が配列番号400に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号800に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔85〕前記センス鎖が配列番号401に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号801に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔86〕前記センス鎖が配列番号402に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号802に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔87〕前記センス鎖が配列番号403に示されるヌクレオチド配列を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号803に示されるヌクレオチド配列を含む、前記〔71〕に記載の方法。
〔88〕前記LPA発現に関連する疾患、障害、または状態が、心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD及びNASHである、前記〔69〕~〔87〕のいずれか1項に記載の方法。
〔89〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の治療のための、任意選択で心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの治療のための医薬品の製造における、前記〔1〕~〔60〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは前記〔62〕に記載の医薬組成物の使用。
〔90〕LPA発現に関連する疾患、障害、または状態の治療における、任意選択で心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASHの治療のための使用のための、または使用に適用可能な、前記〔1〕~〔60〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドまたは前記〔62〕に記載の医薬組成物。
〔91〕前記〔1〕~〔60〕のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドと、任意選択の薬学的に許容される担体と、LPA発現に関連する疾患、障害、または状態を有する対象への投与のための使用説明書を含む添付文書と、を含むキット。
〔92〕前記LPA発現に関連する疾患、障害、または状態が心臓代謝疾患、任意選択でアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、NAFLD、及びNASHである、前記〔89〕に記載の使用、前記〔90〕に記載の使用のための、もしくは使用に適用可能な、RNAiオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物、または前記〔91〕に記載のキット。
【配列表】