IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

特許7476509駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム
<>
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図1
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図2
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図3
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図4
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図5
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図6
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図7
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図8
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図9
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図10
  • 特許-駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B60W30/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019187070
(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公開番号】P2021062658
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清川 裕介
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 博紀
(72)【発明者】
【氏名】水谷 友一
(72)【発明者】
【氏名】立花 裕之
(72)【発明者】
【氏名】友澤 元克
(72)【発明者】
【氏名】小▲瀬▼垣 慶彦
(72)【発明者】
【氏名】大村 明寛
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 和磨
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-51822(JP,A)
【文献】特開2018-118550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得部と、
前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得部と、
前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定部と、
前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する、駐車支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記標準停止減速度を、前記駐車目標位置に前記車両を停止させる際の減速度となるように設定する、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
取得部が、車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得ステップと、
経路取得部が、前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得ステップと、
修正位置設定部が、前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定ステップと、
制御部が、前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行する制御ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する、駐車支援方法。
【請求項4】
車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得ステップと、
前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得ステップと、
前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定ステップと、
前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行するステップであって、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する、制御ステップと、
をコンピュータに実行させるための、駐車支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駐車支援装置、駐車支援方法、および駐車支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を駐車目標位置に誘導する駐車支援装置が実用化されている。例えば、車両の周囲を撮像した画像に基づき駐車スペースを決定し、車両の現在の位置から駐車スペース内に設定される駐車目標位置に車両を誘導する誘導経路を生成する。そして、誘導経路にしたがって、例えば車両の制駆動制御や操舵制御を実行して、車両を駐車スペース(駐車目標位置)に例えば自動的に誘導する。このとき、誘導中に車両と接触する虞のある障害物が発見された場合には、誘導経路を再生成する駐車支援装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-158674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両を駐車スペースに後退走行により入庫させる場合、車両は、後部を駐車スペースに向けるため、一旦、駐車スペースの前方を前進走行で通過した後、後退走行を行うのが一般的である。この場合、駐車スペースが確定した時点で、上述のような前進走行と後退走行を含む誘導経路を生成(設定)することになる。このとき、駐車スペースから離れる方向に延びる前進誘導経路の終端(切返しのための停止位置)周囲に存在する物体(例えば、障害物)が検知しきれない場合がある。そして、前進誘導経路にしたがう誘導が実行されている過程で物体が検知されると、物体と車両との接触を回避するために、不自然な挙動(誘導)が実行される場合があり、搭乗者(運転者等)に違和感や不安感を与えてしまう場合があった。したがって、経路誘導中に物体が検知された場合でも、不自然な挙動の発生を抑制し、かつスムーズに駐車目標位置までの誘導を継続することのできる駐車支援装置が提供できれば有意義である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態にかかる駐車支援装置は、例えば、車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得部と、前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得部と、前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定部と、前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行する制御部と、を含み、前記制御部は、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する。この構成によれば、例えば、物体の存在が確認できたときに、物体の所定距離手前で停止するように前進誘導経路上に修正停止位置が設定されて、前進誘導経路が修正される。また、その修正停止位置に車両を通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御が実行される。その結果、不自然な挙動の発生を抑制しつつ、その後の駐車支援を継続して実行することができる。また、例えば、急制動になることを回避しつつ、確実に修正停止位置にスムーズに停止させることができる。
【0008】
本発明の実施形態にかかる駐車支援装置の上記制御部は、例えば、上記標準停止減速度を、上記駐車目標位置に上記車両を停止させる際の減速度となるように設定するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、修正停止位置に停止させる場合でも、通常の駐車のための停止時と同様な減速停止が実現可能となり、駐車支援の全体を通して、車両のスムーズな移動(誘導)が実現できる。
【0009】
本発明の実施形態にかかる駐車支援方法は、取得部が、車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得ステップと、経路取得部が、前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得ステップと、修正位置設定部が、前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定ステップと、制御部が、前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行する制御ステップと、を含み、前記制御ステップは、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する。この構成によれば、例えば、物体の存在が確認できたときに、物体の所定距離手前で停止するように前進誘導経路上に修正停止位置が設定されて、前進誘導経路が修正される。また、その修正停止位置に車両を通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御が実行される。その結果、不自然な挙動(誘導)の発生を抑制しつつ、その後の駐車支援を継続して実行することができる。また、例えば、急制動になることを回避しつつ、確実に修正停止位置にスムーズに停止させることができる。
【0010】
発明の実施形態にかかる駐車支援プログラムは、車両に搭載された検出器で取得される前記車両の周辺状況を示す周辺情報を取得する取得ステップと、前記周辺情報に基づいて定められる前記車両の駐車目標位置に前記車両を後退姿勢で駐車させるために、前記車両の現在位置から前進誘導するための前進誘導経路および当該前進誘導経路における前進停止位置から前記車両を前記駐車目標位置に後退誘導するための後退誘導経路を取得する経路取得ステップと、前記前進誘導経路に従う前進誘導中に前記前進停止位置に到達するより前に前記車両に接触し得る物体を示す前記周辺情報を取得した場合、前記物体より所定距離手前の前記前進誘導経路上に修正停止位置を設定する修正位置設定ステップと、前記修正停止位置に前記車両を、前記物体を検知しない場合の通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行するステップであって、前記標準停止減速度を、前記物体との接触を回避するための自動制動制御で出力可能な最大減速度以下の減速度に設定するとともに、前記物体を示す前記周辺情報を取得した際の前記車両の位置が前記所定の位置より前記物体に近い場合、前記標準停止減速度以上、前記最大減速度以下の間の値で減速度を設定する、制御ステップと、をコンピュータに実行させる。この構成によれば、例えば、物体の存在が確認できたときに、物体の所定距離手前で停止するように前進誘導経路上に修正停止位置を設定する処理ができる。また、その修正停止位置に車両を通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるように所定の位置から減速を開始する制駆動制御を実行させる処理ができる。その結果、不自然な挙動(誘導)の発生を抑制しつつ、その後の駐車支援を継続して実行させることができる。また、例えば、急制動になることを回避しつつ、確実に修正停止位置にスムーズに停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態にかかる駐車支援装置を搭載する車両の車室の一部が透視された状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる駐車支援装置を搭載する車両の例示的な平面図である。
図3図3は、実施形態にかかる駐車支援装置を搭載する車両のダッシュボードを車両後方から臨む場合の例示的かつ模式的な図である。
図4図4は、実施形態にかかる駐車支援装置を含む制御システムの構成の例示的なブロック図である。
図5図5は、実施形態にかかる制御システムのCPU上で実現される駐車支援装置の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図6図6は、実施形態にかかる駐車支援装置において、駐車スペースの設定時に取得される誘導経路を示す例示的かつ模式的な図である。
図7図7は、実施形態にかかる駐車支援装置において、前進誘導経路に沿って車両を誘導する場合の車速と移動距離の関係を示す例示的かつ模式的な図である。
図8図8は、実施形態にかかる駐車支援装置において、駐車スペースの設定時に取得される誘導経路にしたがって車両を誘導している過程で検知された障害物と車両の関係を説明する例示的かつ模式的な図である。
図9図9は、実施形態にかかる駐車支援装置において、修正停止位置が設定されて、前進誘導経路が短縮された状態を示す例示的かつ模式的な図である。
図10図10は、実施形態にかかる駐車支援装置において、設定された修正停止位置に基づき、後退誘導経路が設定された状態を示す例示的かつ模式的な図である。
図11図11は、実施形態にかかる駐車支援装置による駐車支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0013】
図1は、実施形態にかかる画像処理装置を搭載する車両1の車室2aの一部が透視された状態の例示的かつ模式的な斜視図である。本実施形態にかかる駐車支援装置を搭載する車両は、内燃機関(エンジン)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよいし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置、内燃機関や電動機の駆動に必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載可能である。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式、個数、レイアウト等は、種々に設定可能である。
【0014】
図1に例示されるように、車両1の車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールである。加速操作部5は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルである。制動操作部6は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルである。変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。
【0015】
また、車室2a内には、表示装置8(表示部)や、音声出力部としての音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electroluminescent Display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員(利用者)は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員(運転者等)は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置で手指等により操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。これら表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、ダッシュボード24の車幅方向すなわち左右方向の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の不図示の操作入力部を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に不図示の音声出力装置を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。なお、モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
【0016】
また、車室2a内には、表示装置8とは別の表示装置12が設けられている。図3に例示されるように、表示装置12は、例えば、ダッシュボード24の計器盤部25に設けられ、計器盤部25の略中央で、速度表示部25aと回転数表示部25bとの間に位置されている。表示装置12の画面12aの大きさは、表示装置8の画面8a(図3)の大きさよりも小さい。この表示装置12には、主として車両1の駐車支援に関する情報(文字情報やインジケータによる表示情報等)を示す画像が表示されうる。表示装置12で表示される情報量は、表示装置8で表示される情報量より少なくてもよい。表示装置12は、例えば、LCDや、OELD等である。なお、表示装置8に、表示装置12で表示される情報が表示されてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態にかかる駐車支援装置を搭載する車両1の例示的かつ模式的な平面図である。図1および図2に示すように、車両1は、四輪自動車等であり、左右2つの前輪3Fと、左右2つの後輪3Rと、を有する。4つの車輪3の全てまたは一部が、転舵可能である。
【0018】
車体2には、複数の撮像部15として、例えば四つの撮像部15a~15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで動画データを出力することができる。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°~220°の範囲を撮影することができる。また、撮像部15の光軸は斜め下方に向けて設定されている。よって、撮像部15は、車両1が移動可能な路面や車両1が駐車可能な領域を含む車体2の周辺の外部の環境を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。
【0019】
撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eに位置され、トランクのドア2hの下方の壁部に設けられて、車両1の後方領域の状況を撮像する。撮像部15bは、例えば、車体2の右側の端部2fに位置され、右側のドアミラー2gに設けられて、車両1の右前方、右側方、右後方を含む領域の状況を撮像する。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部2cに位置され、フロントバンパ等に設けられて、車両1の前方領域の状況を撮像する。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち車幅方向の左側の端部2dに位置され、左側の突出部としてのドアミラー2gに設けられて、車両1の左前方、左側方、左後方を含む領域の状況を撮像する。画像処理装置を構成するECU14(図4参照)は、複数の撮像部15で得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方(真上や斜め上方)から見た仮想的な俯瞰画像を生成したりすることができる。
【0020】
また、車両1は、当該車両1の外部に存在する物体との距離を計測可能な複数の測距部16,17を有する。測距部16は、例えば、ミリ波レーダー等であり、車両1の進行方位(車両1の向く方向)に存在する物体との距離を計測可能である。本実施形態では、車両1は、複数の測距部16a~16dを有する。測距部16aは、例えば、車両1のリアバンパの左側の端部に設けられ、車両1の左後方に存在する物体との距離を計測可能である。また、測距部16bは、車両1のリアバンパの右側の端部に設けられ、車両1の右後方に存在する物体との距離を計測可能である。測距部16cは、車両1のフロントバンパの右側の端部に設けられ、車両1の右前方に存在する物体との距離を計測可能である。また、測距部16dは、車両1のフロントバンパの左側の端部に設けられ、車両1の左前方に存在する物体との距離を計測可能である。測距部16は、比較的長距離の物体の検出に用いられうる。
【0021】
また、車両1は、車両1から比較的近距離に存在する外部の物体との距離を計測可能な測距部17を有する。測距部17は、例えば、超音波を発射して、その反射波を捉えるソナーである。本実施形態では、車両1は、複数の測距部17a~17hを有する。測距部17a~17dは、車両1のリアバンパに設けられ、車両の後方に存在する物体との距離を計測可能である。測距部17e~17hは、車両1のフロントバンパに設けられ、車両1の前方に存在する物体との距離を計測可能である。
【0022】
測距部16は、本実施形態において、例えば車両1を駐車する際に、車両1と並ぶ障害物(例えば隣接車両や壁等)や駐車するためのスペースの奥側に存在する障害物(例えば、縁石や段差、壁、フェンス等)を検出し、その障害物までの距離を測定することができる。また、測距部17は、例えば車両1に対して障害物(物体)が所定の距離(例えば、0.3m)を超えて接近した場合、その接近する障害物(物体)を検出し、その障害物までの距離を測定することができる。特に、車両1の後方両側に配置された測距部17a,17dは、車両1が後退しながら駐車スペースに進入する場合の車両1の後方コーナ部と障害物(例えば隣接車両)との距離や、進入後さらに後方コーナ部と壁等の障害物との距離を測定するセンサ(クリアランスソナー)として機能する。ECU14は、測距部16,17の検出結果により、車両1の周囲に位置された障害物等の物体の有無や当該物体までの距離を測定することができる。すなわち、測距部16,17は、車両1の周囲に存在する物体(静止物体や移動物体)を検出する物体検出部の一例である。静止物体としては、駐車車両、壁、縁石、街路樹等であり、移動物体としては、走行車両、自転車、歩行者、動物等である。
【0023】
図4は、本実施形態にかかる駐車支援装置を含む車両1の制御システムの機能構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。図4に例示されるように、制御システムは、ECU14、モニタ装置11、測距部16,17等の他、操舵システム13、ブレーキシステム18、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22、駆動システム23等が、電気通信回線としての車内ネットワーク26を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク26は、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク26を通じて制御信号を送ることで、操舵システム13、ブレーキシステム18、駆動システム23等を制御することができる。
【0024】
また、ECU14は、車内ネットワーク26を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、測距部16,17、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果や、操作入力部10の操作信号等を、受け取ることができる。
【0025】
操舵システム13は、電動パワーステアリングシステムやSBW(Steer By Wire)システム等である。操舵システム13は、アクチュエータ13aおよびトルクセンサ13bを有する。そして、操舵システム13は、ECU14等によって電気的に制御され、アクチュエータ13aを動作させて、操舵部(ステアリングホイール等)に対して、トルクを付加して操舵力を補うことによって、車輪3を転舵する。トルクセンサ13bは、運転者が操舵部4に与えるトルクを検出し、その検出結果をECU14に送信する。
【0026】
ブレーキシステム18は、車両1のブレーキのロックを制御するABS(Anti-lock Brake System)、コーナリング時の車両1の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC:Electronic Stability Control)、ブレーキ力を増強させてブレーキをアシストする電動ブレーキシステム、およびBBW(Brake By Wire)を含む。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aおよびブレーキセンサ18bを有する。ブレーキシステム18は、ECU14等によって電気的に制御され、アクチュエータ18aを介して、車輪3に制動力を付与する。ブレーキシステム18は、左右の車輪3の回転差等から、ブレーキのロック、車輪3の空回り、および横滑りの兆候等を検出して、ブレーキのロック、車輪3の空回り、および横滑りを抑制する制御を実行する。ブレーキセンサ18bは、制動操作部6の可動部としてのブレーキペダルの位置を検出する変位センサであり、ブレーキペダルの位置の検出結果をECU14に送信する。
【0027】
舵角センサ19は、ステアリングホイール等の操舵部4の操舵量を検出するセンサである。舵角センサ19は、ホール素子等で構成され、操舵部4の回転部分の回転角度を操舵量として検出し、その検出結果をECU14に送信する。アクセルセンサ20は、加速操作部5の可動部としてのアクセルペダルの位置を検出する変位センサであり、その検出結果をECU14に送信する。
【0028】
シフトセンサ21は、変速操作部7の可動部(バー、アーム、ボタン等)の位置を検出するセンサであり、その検出結果をECU14に送信する。車輪速センサ22は、ホール素子等を有し、車輪3の回転量や単位時間当たりの車輪3の回転数を検出するセンサであり、その検出結果をECU14に送信する。
【0029】
駆動システム23は、駆動源としての内燃機関(エンジン)システムやモータシステムである。駆動システム23は、アクセルセンサ20により検出された運転者(利用者)の要求操作量(例えばアクセルペダルの踏み込み量)にしたがいエンジンの燃料噴射量や吸気量の制御やモータの出力値を制御する。また、利用者の操作に拘わらず、車両1の走行状態に応じて、操舵システム13やブレーキシステム18の制御と協働してエンジンやモータの出力値を制御しうる。例えば、駐車支援を含む通常の走行支援を実行することができる。
【0030】
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
【0031】
ECU14は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、車両1の制御全般を司る。具体的には、ECU14は、CPU(Central Processing Unit)14a、ROM(Read Only Memory)14b、RAM(Random Access Memory)14c、表示制御部14d、音声制御部14e、およびSSD(Solid State Drive)14fを備える。CPU14a、ROM14b、およびRAM14cは、同一の回路基板内に設けられていてもよい。
【0032】
CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。CPU14aは、例えば、撮像部15や測距部16,17等で取得した周辺情報に基づき、車両1および駐車スペース(駐車目標位置)の周辺の状況を認識する処理を実行することができる。また、CPU14aは、異なるタイミングで取得された車両1の周囲の周辺情報に基づき、周辺状況の変化を抽出する処理、周辺情報に基づき車両1の現在の位置を推定する処理、周辺情報の変化を反映した情報の記憶処理、記憶した情報を活用した処理、車両1を駐車目標位置に誘導する処理等を実行することができる。また、CPU14aは、撮像部15で撮像した画像を表示装置8に表示させる場合、撮像部15で得られた広角画像の撮像画像(湾曲した画像)に演算処理や画像処理を施して歪みを補正する歪み補正処理を実行したり、撮像部15が撮像した撮像画像に基づき、車両1を示す車両画像(自車アイコン)を例えば中心位置に表示する俯瞰画像(周辺画像)を生成したりすることができる。また、CPU14aは、俯瞰画像を生成する際に、仮想視点の位置を変更し、真上から車両画像を臨むような俯瞰画像や斜め方向から車両画像を臨むような俯瞰画像を生成することができる。
【0033】
ROM14bは、各種プログラムおよび当該プログラムの実行に必要なパラメータ等を記憶する。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種データを一時的に記憶する。表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部15から取得してCPU14aへ出力する撮像画像データに対する画像処理、CPU14aから取得した画像データを表示装置8,12に表示させる表示用の画像データへの変換等を実行する。音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、CPU14aから取得して音声出力装置9に出力させる音声の処理を実行する。SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がオフされた場合にあってもCPU14aから取得したデータを記憶し続ける。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
【0034】
図5は、実施形態にかかる駐車支援装置(駐車支援部30)をCPU14aで実現する場合の構成を例示的かつ模式的に示すブロック図である。CPU14aは、ROM14bから読み出した駐車支援プログラムを実行することにより、図5に示すように、取得部32、目標設定部34、経路取得部36、制御部38等のモジュールを含む駐車支援部30を実現する。また、取得部32は、操作信号取得部32a、情報取得部32b等の詳細モジュールを含む。目標設定部34は、駐車目標位置設定部34a、修正位置設定部34b等の詳細モジュールを含む。制御部38は、駆動制御部38a、制動制御部38b、操舵制御部38c等の詳細モジュールを含む。なお、取得部32、目標設定部34、経路取得部36、制御部38等は、その一部または全部を回路等のハードウェアによって構成してもよい。また、図5では、図示を省略しているが、CPU14aは、車両1の走行に必要な各種モジュールを実現することもできる。また、図5では、主として駐車支援処理を実行するCPU14aを示しているが、車両1の走行に必要な各種モジュールを実現するためのCPUを備えてもよいし、ECU14とは別のECUを備えてもよい。
【0035】
取得部32は、駐車支援処理を実行する際に必要となる各種情報を取得する。例えば、車両1に搭載された検出器で取得される車両1の周辺状況を示す周辺情報や各種処理を実行させるための要求信号等を取得する。
【0036】
操作信号取得部32aは、例えば、操作入力部10や操作部14g(図3図4参照)を介して、駐車支援を要求する要求信号や表示装置8等に提示される駐車スペースの候補から駐車を希望する駐車スペースの確定信号等の操作信号等を取得する。なお、操作信号取得部32aは、音声入力やジェスチャ入力等による要求信号や操作信号を取得するようにしてもよい。
【0037】
情報取得部32bは、車両1に搭載された検出器で取得される車両1の周辺状況を示す周辺情報を取得する。情報取得部32bは、例えば、撮像部15が撮像した撮像画像データを、表示制御部14dを介して逐次取得する。また、情報取得部32bは、車内ネットワーク26を介して送信される測距部16,17からの測距データを逐次取得する。取得部32は取得した周辺情報を、逐次、目標設定部34、経路取得部36、制御部38に提供する。なお、情報取得部32bは、撮像部15や測距部16,17等からの周辺情報の取得を、車両1が起動している場合に常時実行するようにしてもよい。また別の実施形態では、情報取得部32bは、操作信号取得部32aが駐車支援の要求信号を受信した後、駐車支援が終了するまでの期間で駐車支援に必要な周辺情報を取得するようにしてもよい。
【0038】
目標設定部34は、情報取得部32bが取得した車両1の周囲状況を示す周辺情報に基づいて、駐車支援における最終目的地である、駐車目標位置(駐車スペース)の設定や、経路取得部36が取得する誘導経路上に切返し等のための停止位置が存在する場合で、その修正が必要な場合に停止位置の設定等を行う。
【0039】
駐車目標位置設定部34aは、操作信号取得部32aが駐車支援を要求する要求信号を取得した場合、車両1の駐車が可能な駐車スペースを設定する。例えば、駐車目標位置設定部34aは、図6に示されるように、車両1が駐車場200内を低速で走行している間に、駐車スペースPの候補を探索する。駐車目標位置設定部34aは、駐車場200内を移動中に情報取得部32bが取得した周辺情報、例えば、撮像部15が撮像した撮像画像データや、測距部16,17が測定した測距データ等に基づき、駐車スペースPの候補を探索する。この場合、駐車目標位置設定部34aは、車両1の車幅や車長を考慮し、車両1が収まり、かつ車幅方向及び車長方向に所定の余裕領域を確保可能なスペースを駐車スペースPの候補として探索する。駐車目標位置設定部34aは、図6に示されるように、駐車スペースPの候補(例えば、柱Bと他車両Cの間のスペース)が取得できた場合、表示装置8に周囲の状況を示す例えば俯瞰画像とともに、駐車スペースPの候補を提示して、運転者に選択させる。駐車目標位置設定部34aは、駐車スペースPの候補が複数ある場合、表示装置8に全ての駐車スペースPを提示して運転者に選択させるようにしてもよい。この場合、駐車目標位置設定部34aは所定の優先度の高い順(例えば、自車の現在位置から最も近い順やスペースが最も広い順等)に駐車スペースPの候補を表示装置8に選択的に提示してもよい。運転者は、表示装置8に提示された駐車スペースPを、操作入力部10等を用いて選択することにより、駐車の意思表示をすることができる。なお、駐車スペースPの候補が一つの場合でも、駐車目標位置設定部34aは、その駐車スペースPを表示装置8に表示して、運転者に選択させることで、駐車の意思を確認するようにしてもよい。
【0040】
駐車目標位置設定部34aは、運転者により駐車を希望する駐車スペースPが選択された場合、車両1を選択された駐車スペースPに移動させるための、駐車目標位置Ptを決定する。駐車目標位置Ptは、車両1を駐車スペースPに移動させる場合の移動目標位置であり、例えば、図6に示されるように、車両1の後輪軸中心位置Ctに基づいて決定することができる。したがって、後輪軸中心位置Ctと駐車目標位置Ptとが一致するように、車両1を移動させれば、車両1が駐車スペースPに収まるように誘導することができる。なお、車両1を誘導する際に基準とする基準位置は、後輪軸中心位置Ct以外でもよく、例えば、車両1の前方の端部2cに設定してもよい。この場合、端部2cの位置に対応する駐車目標位置Ptが設定される。修正位置設定部34bについては、後述する。
【0041】
経路取得部36は、駐車目標位置設定部34aが設定した駐車目標位置Ptと車両1の現在の位置とに基づき、例えば、切返し回数が最小で車両1を現在の位置(支援開始位置)から駐車目標位置Ptまで誘導できる誘導経路Rを取得する。誘導経路Rは、経路取得部36で演算して取得(生成)してもよいし、車両1の位置と駐車目標位置Ptとを外部の処理装置(例えば、駐車場の管理装置等)に送信し、そこで演算された誘導経路Rを経路取得部36が受信することで取得するようにしてもよい。誘導経路Rの算出は周知の技術が利用可能であり、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の駐車支援部30は、車両1を基本的には後退姿勢で駐車スペースPに駐車させる。したがって、誘導経路Rは、図6に示されるように、車両1を現在位置から一旦前進させて、車両1の後部を駐車スペースPの入口に向けるように誘導し、その後で後退させる。したがって、誘導経路Rは、車両1の現在位置(誘導開始位置)から前進誘導するための前進誘導経路RFおよび当該前進誘導経路RFの終端である前進停止位置RS(切返し位置)から駐車目標位置Ptに向けて後退誘導するための後退誘導経路RBを含むものとする。
【0042】
制御部38は、経路取得部36が取得(生成)した誘導経路Rに沿って、車両1を移動させるための各種制御を実行する。本実施形態の制御部38は、車両1を誘導経路Rに沿って誘導する場合、例えば、操舵システム13、ブレーキシステム18、駆動システム23等を全て自動制御する完全自動制御を実行させたり、操舵システム13、ブレーキシステム18、駆動システム23等の一部の制御を自動制御する半自動制御を実行させたりする。また、制御部38は、誘導経路Rに沿って車両1が移動できるように、操舵システム13、ブレーキシステム18、駆動システムダッシュボード24等の操作案内を運転者に提供して、運転者に運転操作を実行させる手動制御を実行させることもできる。
【0043】
本実施形態では、一例として、完全自動制御で車両1を誘導する場合を説明する。駆動制御部38aは、急加速及び急減速することなく車両1が誘導経路Rに沿ってスムーズに移動するように、駆動システム23を制御してエンジン出力またはモータ出力を調整する。制動制御部38bは、急加速及び急減速することなく車両1が誘導経路Rに沿ってスムーズに移動するように、ブレーキシステム18を制御して、制動発生タイミングと制動力を調整する。操舵制御部38cは、操舵システム13を制御して、車両1が誘導経路R沿って進むように舵角を制御する。
【0044】
図7は、完全自動制御で、車両1を誘導経路Rにおける前進誘導経路RFの終端位置である前進停止位置RSまで誘導する際に車速と移動距離の関係を示す例示的かつ模式的な図である。図6において、制御部38が前進誘導経路RFに沿って車両1を誘導する場合の通常誘導制御時の車速と移動距離の関係を、図7において通常制御ラインL(実線)で示す。図7に示されるように、前進誘導経路RFに沿って車両1を誘導する場合、まず、制御部38は、駆動制御部38aと制動制御部38bとの協働により、駐車支援開始時に例えば停止している車両1を所定の加速度で誘導制限速度Shまで加速させる(加速ラインL1)。誘導制限速度Shは、例えば、5km/hである。その後、制御部38は、所定の誘導制限速度Shを維持させる(保持ラインL2)。そして、制御部38は、所定の減速度で誘導制限速度Shから速度ゼロまで減速させて、前進停止位置RSで車両1を停止させる(減速ラインL3)。ここで、減速ラインL3における所定の減速度とは、予め試験等により定めた、運転者等に制動ショックを感じさせないような減速度である。このように、制御部38は、駆動制御部38aと制動制御部38bの協働による制駆動制御を実行することにより、通常誘導制御における車速制御を実行する。他の実施形態では、制御部38は、駆動制御部38aの詳細制御のみにより、加速ラインL1、保持ラインL2、減速ラインL3に沿うような速度調整制御を実現してもよい。また、制御部38は、クリープ現象による走行と制動制御部38bの制御により加速ラインL1、保持ラインL2、減速ラインL3に沿うような速度調整制御を実現してもよい。なお、図7の場合、移動距離は、車両1の後輪軸中心位置Ctの位置で示している。したがって、車両1の前進走行時に周囲に存在し得る物体との接触を考慮すべき車両1の前方の端部2cは、後輪軸中心位置Ctから車両前方に所定の基準長H(車両1の固有値:図9参照)だけ離れた位置に存在することになる。
【0045】
図7には、制御部38による車両1の誘導制御における比較例として、急制動(緊急停止)が実行された場合の急減速ラインL4(二点鎖線)が示されている。例えば、誘導経路Rに沿う定速走行中(保持ラインL2に沿う走行中)に、位置Pxで車両1のフロントバンパに配置された測距部17(クリアランスソナー)により車両1の前方の位置、例えば、後輪軸中心位置Ctが位置Gに到達した場合に対応する前方の位置に、存在する障害物が検知されたとする。急減速ラインL4は、検知された障害物との接触を回避するために急制動が実行された場合の例を示している。前述したように、測距部17は近距離用(例えば、0.3m)の物体検出センサである。そのため、制動制御部38bは、障害物との接触を回避するために、誘導途中で誘導制限速度Sh(誘導時の最大速度)の状態から自動制動制御で出力可能な最大減速度で減速を実行することになる。この場合、急制動による停止ショックが生じる場合がある。したがって、通常誘導制御においては、急減速ラインL4以下の減速度(減速傾き)で減速するよう減速ラインL3を設定することにより、通常時(物体を検知しない場合)の制動の減速が急制動ではないと相対的に感じさせ易い制御が実現できる。本実施形態において、このときの減速ラインL3による減速度を「標準停止減速度」、と称する。
【0046】
ところで、図6で示されるように、駐車目標位置設定部34aが駐車場200内での低速走行中に、後退姿勢で駐車可能な駐車スペースPを探索する場合、取得部32は、主に車両1の側方(図6の場合、左側方)の領域に関する周辺情報を取得して駐車スペースPの探索を行う。そして、駐車スペースPが決定された場合には、車両1の現在位置から、例えば切返し回数が最小で、最短の前進誘導経路RF及び後退誘導経路RBを含む誘導経路Rを生成する。この場合、撮像部15が撮像した撮像画像データを用いて、車両1の周辺状況の確認を行うが、車両1から遠方の位置については検知精度が近傍位置に比べて低下する場合がある。したがって、誘導経路Rの生成時に、前進誘導経路RFが設定され得る車両1に対して比較的遠方の前方領域に関する周辺情報は考慮されない、または十分に考慮できない場合がある。その結果、例えば、図6において、車両1の前方に存在する柱等の障害物Wの位置の情報が十分に考慮されずに、誘導経路Rが設定されてしまう場合がある。
【0047】
このように生成された誘導経路R(前進誘導経路RF)に沿って、車両1がそのまま誘導された場合、図8に示すように、車両1(後輪軸中心位置Ct)が前進停止位置RSに到達する前に、車両1(端部2c)と障害物Wとが接触する虞がある。前述したように、車両1のフロントバンパに備えられた測距部17(クリアランスソナー)から得られる周辺情報に基づき、制御部38は、車両1の前方に障害物Wを検知した場合、急制動を実行して接触を回避することができるが、制動ショック等による不快感を車両1の運転者や搭乗者に与えてしまう場合がある。
【0048】
そこで、本実施形態の目標設定部34は、図5に示されるように、修正位置設定部34bを備える。修正位置設定部34bは、誘導経路R(前進誘導経路RF)にしたがう誘導中に車両1(後輪軸中心位置Ct)が前進停止位置RSに到達するより前に車両1(例えば端部2c)に接触し得る物体(例えば、障害物W)を示す周辺情報を例えば、撮像部15cが撮像した周辺情報に基づいて取得した場合、図9に示されるように、障害物Wより所定距離手前の前進誘導経路RF上に修正停止位置RSRを設定する。ここで、所定距離とは、例えば、車両1の前後方向のうち前方の端部2cから障害物Wまでの余裕距離α(例えば、0.5m)である。例えば、図9に示されるように、車両1の誘導処理を実行する場合の基準位置を、上述したように後輪軸中心位置Ctに基づいて実行する場合、所定距離は、後輪軸中心位置Ctから車両1の前後方向のうち前方の端部2cまでの基準長H(車両1の固有値)+余裕距離α(例えば、0.5m)になる。また、車両1の誘導のために基準位置を端部2cの位置に設定している場合、所定距離は、余裕距離αになる。取得部32は、車両1が前進誘導経路RFに沿って移動している間、誘導経路Rの生成時より精度の高い周辺情報(例えば撮像部15cの撮像画像データ)の取得が可能となる。その結果、より詳細な障害物Wの位置等がより早い段階で取得可能となり、修正位置設定部34bは、より高精度の修正停止位置RSRの設定が可能になる。
【0049】
さらに、制御部38(駆動制御部38a、制動制御部38b)は、設定した修正停止位置RSRに車両1を通常誘導制御時の標準停止減速度(=L3)で停止させるように、最初に設定した前進誘導経路RF上の所定の位置から減速を開始するように制駆動制御を実行する。つまり、駐車支援部30は、最初に設定した誘導経路R(前進誘導経路RF)に沿って誘導されている車両1の進路(方位)を変更することなく、新たに発見された障害物Wに接触しないように、前進誘導経路RFを短縮する。つまり、急な経路変更を伴うことなく(車両1が不自然な挙動を示すことなく)、スムーズな減速度(急制動とならないような減速度)で、車両1が駐車スペースPに移動するための後退走行に移行できるように一旦停止させる。このように、修正位置設定部34bは、誘導経路Rを前進誘導経路RFと同じ経路を維持しつつ、経路長の短縮のみ施した短縮前進誘導経路RFSに変更する。
【0050】
通常誘導制御における標準停止減速度で停止させるために制駆動制御の開始タイミングは、設定された修正停止位置RSR、すなわち、障害物Wの位置に基づき、基本的には標準停止減速度(減速ラインL3と同じ減速度)で、障害物Wの手前(例えば、余裕距離α)で停止できる位置を逆算して決定することができる。例えば、図7において、撮像部15cの撮像画像データに基づいて検知された障害物Wの位置に対応する位置G(後輪軸中心位置Ctが移動する位置)が定まれば、誘導制限速度Shで誘導中の車両1(後輪軸中心位置Ct)を位置Gの手前位置(余裕距離α手前の位置)である停止位置STで、標準停止減速度(=L3)で停止させるのに必要な距離が逆算できる。つまり、減速開始位置SSを決定することができる。したがって、現在の車両1(後輪軸中心位置Ct)の位置が、障害物Wの位置に対応する位置Gを基準に、所定の位置(減速開始位置SS)より手前の場合は、制御部38は、減速開始位置SSの到達を待って、破線で示す修正減速ラインL5(減速ラインL3と同じ傾き)で車両1の制駆動制御を実行する。一方、障害物Wの検知のタイミングが所定の位置(減速開始位置SS)より障害物Wに近い場合、例えば、位置SSの場合、標準停止減速度(減速ラインL3(=L5)と同じ傾きの減速度)以上、最大減速度(急減速ラインL4と同じ傾きの減速度)以下の間の値で減速度を設定する。例えば、一点鎖線で示す修正減速ラインL6を設定する。なお、障害物Wの検知が遅れるほど、修正減速ラインL6の傾きは大きくなるが、急減速ラインL4の傾き以下に制御される。したがって、運転者等に急制動による違和感や不快感を与えにくくすることができる。
【0051】
このように、本実施形態によれば、駐車支援部30は、誘導経路R(前進誘導経路RF)による誘導中に、新たに障害物Wを検知した場合、前進誘導経路RFの形状を変更することなく、当初設定した前進誘導経路RFの長さを短縮するように修正停止位置RSRを設定する。そして、設定した修正停止位置RSRに基づく短縮前進誘導経路RFSを設定する。また、修正停止位置RSRに車両1を減速ショックを軽減させた状態で停止させるように、制駆動制御を適切なタイミングで開始する。その結果、経路誘導中に障害物Wが検知されても、車両1の不自然な挙動(急な誘導経路変更や急制動等)を伴うことなく、駐車スペースP(駐車目標位置Pt)への誘導を継続して行うことができる。
【0052】
なお、経路取得部36は、当初設定した前進誘導経路RFの長さを短縮した修正停止位置RSRが設定されたことにより、当該修正停止位置RSRを基点とする修正後退誘導経路RBSを生成する。図10の場合、一例として、修正停止位置RSRを基点として、駐車目標位置Ptに向かう修正後退誘導経路RBSを示しているが、修正停止位置RSRにおける、駐車目標位置Ptに対する車両1の姿勢によっては、切返しが必要になる場合がある。この場合、制御部38は、切返しを含む新たな修正誘導経路を生成するようにしてもよい。
【0053】
以上のように構成される駐車支援装置(駐車支援部30)による駐車支援処理の流れの一例を図11のフローチャートを用いて説明する。なお、図11のフローチャートでは、車両1が駐車場200に進入した後、自動で駐車スペースPの探索が実行され、選択された駐車スペースPに自動的に車両1を誘導して駐車を完了する例を説明する。
【0054】
駐車支援部30は、操作信号取得部32aが操作入力部10や操作部14g等の操作に基づく、駐車支援を要求する要求信号を取得した場合(S100のYes)、情報取得部32bは、撮像部15、測距部16,17等の車載の検出器を用いて周辺情報を取得するとともに(取得ステップ)、駐車目標位置設定部34aは、駐車スペースPの探索を開始する(S102)。この場合、制御部38は、例えば、駆動制御部38a、制動制御部38bによる制駆動制御を実行し、所定の低速度(例えば、5km/h)以下で走行させている間に駐車スペースPの候補を探索するようにしてもよいし、音声出力装置9等を用いて低速度で移動することを運転者に案内して、運転者に車両1の移動を行わせてもよい。なお、S100において、操作信号取得部32aが駐車支援の要求信号を取得していない場合(S100のNo)、このフローを一旦終了する。
【0055】
駐車目標位置設定部34aは、駐車スペースPの候補の探索が完了した場合、表示装置8に探索結果として、少なくとも一つの駐車スペースPの候補を提示する(S104)。複数の駐車スペースPの候補が探索できた場合、その中から所定の優先順位にしたがい推奨される駐車スペースPを提示してもよい。なお、駐車スペースPが探索できなかった場合、表示装置8や音声出力装置9を用いて探索結果「ゼロ」の通知を運転者に提供し、他の領域への移動を促すようにしてもよい。
【0056】
次に、表示装置8に提示された駐車スペースPの候補から運転者によって駐車スペースPが選択された場合、すなわち、駐車支援を開始する意思を示す支援スタート信号を操作信号取得部32aが取得した場合(S106のYes)、駐車目標位置設定部34aは、選択された駐車スペースPに対して、駐車目標位置Ptの設定を行う(S108)。そして、経路取得部36は、車両1の現在位置から設定された駐車目標位置Ptに車両1(後輪軸中心位置Ct)を誘導させるための誘導経路R(図6参照)を取得(生成)する(S110:経路取得ステップ)。なお、S106において、操作信号取得部32aが支援スタート信号を取得していない場合(S106のNo)、すなわち、駐車スペースPが未選択の場合、S102に移行し、駐車スペースPの探索を継続し、他の候補の提供処理を実行する。
【0057】
なお、本実施形態において、運転者は、S100で駐車支援の要求信号を入力する場合または、S106で駐車支援の支援スタート信号を入力する場合に、今回の駐車支援の際に、車両1を駐車スペースPに後退姿勢で入庫(後退入庫)させるか、前進姿勢で入庫(前進入庫)させるかの指定を行えるようにしてもよい。また、別の実施形態では、デフォルトで後退入庫が設定され、運転者が必要に応じて前進入庫を選択できるようにしてもよい。制御部38は、後退入庫が指定され(S112のYes)、現在の車両1(後輪軸中心位置Ct)の位置が誘導経路Rの前進停止位置RSに到達していない場合(S114のNo)、前進誘導経路RFにしたがい、切返し位置に誘導するための切返し前進誘導処理を実行する(S116)。つまり、駆動制御部38a、制動制御部38bの協働により、図5において説明したような制駆動制御を実行するとともに、操舵制御部38cによる操舵制御を実行する。
【0058】
制御部38は、情報取得部32bが取得する周辺情報に基づき、前進誘導経路RFにしたがう誘導制御中に車両1に干渉する物体(障害物W等)が存在するか否か確認する(S118)。そして、干渉する物体が検知されない場合(S118のNo)、制御部38は、S114に移行し、前進停止位置RSに到達したか否かの確認を行い、以降の誘導処理を繰り返し実行する。また、図8に示されるように、干渉する物体(障害物W等)が検知された場合(S118のYes)、修正位置設定部34bは、前進停止位置の修正を行う(S120:修正位置設定ステップ)。すなわち、図9に示されるように、修正位置設定部34bは、修正停止位置RSR(短縮された短縮前進誘導経路RFS)の設定を行う。そして、制御部38は、修正停止位置RSRで車両1(後輪軸中心位置Ct)がスムーズに(急制動を伴うことなく)停止するように、駆動制御部38a、制動制御部38bを用いた修正された制駆動制御を実行し(S122:制御ステップ)、短縮前進誘導経路RFSにしたがう誘導を実行する。そして、S114に戻り、到達判定の基準を修正停止位置RSRに読み替えて、到達したか否かの判定を実行して、以降の誘導処理を繰り返し実行する。つまり、車両1は、進路変更を行うことなく、また、急制動を伴うことなく、修正停止位置RSRに到達し停止するように誘導される。
【0059】
S114において、前進停止位置RSまたは修正停止位置RSRに到達した場合(S114のYes)、制御部38は、駆動制御部38a、制動制御部38b、操舵制御部38cを協働制御して、後退入庫誘導処理を実行する(S124)。すなわち、制御部38は、後退誘導経路RB、または障害物Wの検知より設定された修正停止位置RSRを基準に再設定された修正後退誘導経路RBSにしたがう誘導を実行する。そして、制御部38は、後退走行により駐車目標位置Ptに到達したか否かの確認を行い(S126)、到達していない場合(S126のNo)、S124による後退入庫誘導処理を継続する。一方、後退走行により駐車目標位置Ptに到達した場合(S126のYes)、駐車支援部30は、誘導完了処理(駐車支援の完了処理)を実行する(S128)。駐車支援部30は、例えば、表示装置8や音声出力装置9を用いて、駐車スペースPに車両1の駐車が完了したことを示すメッセージを利用者に提供して、一連の処理を終了する。
【0060】
また、S112において、前進入庫が指定されている場合(S112のNo)、制御部38は、S110において経路取得部36により設定された、前進入庫のための誘導経路Rにしたがい、前進入庫誘導処理を実行する(S130)。そして、制御部38は、前進走行により駐車目標位置Ptに到達したか否かの確認を行い(S132)、到達していない場合(S132のNo)、S130による前進入庫誘導処理を継続する。一方、前進走行により駐車目標位置Ptに到達した場合(S132のYes)、S128に移行して、駐車支援部30は、誘導完了処理(駐車支援の完了処理)を実行する(S128)。駐車支援部30は、例えば、表示装置8や音声出力装置9を用いて、駐車スペースPに車両1の駐車が完了したことを示すメッセージを利用者に提供して、一連の処理を終了する。
【0061】
このように、実施形態の駐車支援部30によれば、経路誘導中に物体(障害物W)が検知された場合でも、車両1の不自然な挙動の発生を抑制し、かつスムーズに駐車目標位置までの車両1の誘導を継続することができる。その結果、運転者等に誘導中に不快感や不安感をより与えにくい駐車支援を実現することができる。
【0062】
なお、上述した実施形態では、車両1が並列駐車を行う場合の駐車支援について説明したが、縦列駐車を行う場合にも、本実施形態の技術が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0063】
本実施形態の駐車支援部30(CPU14a)で実行される駐車支援処理のための駐車支援プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0064】
さらに、駐車支援プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行される物体検知プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0065】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…車両、2c…端部、8…表示装置、9…音声出力装置、10…操作入力部、11…モニタ装置、12…表示装置、14…ECU、14a…CPU、15,15a,15b,15c,15d…撮像部、16,17…測距部、30…駐車支援部、32…取得部、32a…操作信号取得部、32b…情報取得部、34…目標設定部、34a…駐車目標位置設定部、34b…修正位置設定部、36…経路取得部、38…制御部、38a…駆動制御部、38b…制動制御部、38c…操舵制御部、R…誘導経路、RB…後退誘導経路、RBS…修正後退誘導経路、RF…前進誘導経路、RFS…短縮前進誘導経路、RS…前進停止位置、RSR…修正停止位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11