(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】無線電力伝送システムにおいてデータストリームの送信を行う装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240423BHJP
H04B 5/79 20240101ALI20240423BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240423BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20240423BHJP
H02J 50/60 20160101ALN20240423BHJP
【FI】
H04M1/00 R
H04B5/79
H02J50/12
H02J50/80
H02J50/60
(21)【出願番号】P 2022118792
(22)【出願日】2022-07-26
(62)【分割の表示】P 2019552532の分割
【原出願日】2019-04-16
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0043939
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】パク ヨンチョル
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-028936(JP,A)
【文献】国際公開第2006/059454(WO,A1)
【文献】特開2005-210211(JP,A)
【文献】国際公開第2009/034606(WO,A1)
【文献】特表2015-502712(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035333(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105940591(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0058379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04B 5/48
H02J 50/12
H02J 50/80
H02J 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信装置であって、
無線電力受信装置に無線電力を送信するように構成されたコンバータと、
前記無線電力を制御するように構成された通信/コントローラと、
前記無線電力送信装置は前記無線電力受信装置に付加データ制御パケットを送信するように構成され、
前記付加データ制御パケットはデータストリームの最初に含まれ、
前記データストリームは複数の付加データトランスポート(ADT)
データパケットを含み、
前記付加データ制御パケットに対する第1応答パケットを前記無線電力受信装置から受信し、
前記第1応答パケットに基づいて前記複数のADT
データパケットの中の第1ADTデータパケットを前記無線電力受信装置に送信し、
前記無線電力受信装置から前記第1ADTデータパケットに対する第2応答パケットを受信し、
前記第2応答パケットがACK(acknowledge)を表すパケットであることに基づいて、前記無線電力送信装置は前記複数のADT
データパケットの中の第2ADTデータパケットを前記無線電力受信装置に送信し、
前記第2応答パケットが前記ACKと異なるパケットであることに基づいて、前記無線電力送信装置は前記第1ADTデータパケットを前記無線電力受信装置へ再送信し、
前記第2ADTデータパケットが送信されるとき、ADTヘッダーはタイプAヘッダーからタイプBヘッダーに、又は、タイプBヘッダーからタイプAヘッダーにトグルされ、
前記トグルされたADTヘッダーは、前記第2ADTデータパケットで送信される、無線電力送信装置。
【請求項2】
前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示す、請求項1に記載の無線電力送信装置。
【請求項3】
前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含む、請求項2に記載の無線電力送信装置。
【請求項4】
前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に前記複数のADT
データパケットを含む、請求項2に記載の無線電力送信装置。
【請求項5】
前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットの長さより大きい場合に前記データストリームに含まれる、請求項2に記載の無線電力送信装置。
【請求項6】
無線電力送信システムにおいて無線電力送信装置が無線電力を送信する方法であって、
付加データ制御パケットを無線電力受信装置に送信する段階と、
前記付加データ制御パケットはデータストリームの最初に含まれ、
前記データストリームは複数の付加データトランスポート(ADT)
データパケットを含み、
前記付加データ制御パケットに対する第1応答パケットを前記無線電力受信装置から受信する段階と、
前記第1応答パケットに基づいて前記複数のADT
データパケットの中の第1ADTデータパケットを前記無線電力受信装置に送信する段階と、
前記無線電力受信装置から前記第1ADTデータパケットに対する第2応答パケットを受信する段階とを含み、
前記第2応答パケットがACK(acknowledge)を表すパケットであることに基づいて、前記無線電力送信装置は前記複数のADT
データパケットの中の第2ADTデータパケットを前記無線電力受信装置に送信し、
前記第2応答パケットが前記ACKと異なるパケットであることに基づいて、前記無線電力送信装置は前記第1ADTデータパケットを前記無線電力受信装置へ再送信し、
前記第2ADTデータパケットが送信されるとき、ADTヘッダーはタイプAヘッダーからタイプBヘッダーに、又は、タイプBヘッダーからタイプAヘッダーにトグルされ、
前記トグルされたADTヘッダーは、前記第2ADTデータパケットで送信される、方法。
【請求項7】
前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に前記複数のADT
データパケットを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットの長さより大きい場合に前記データストリームに含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
無線電力受信装置であって、
無線電力送信装置から無線電力を受信するように構成された電力ピックアップ(power pickup)と、
前記無線電力を制御するように構成された通信/コントローラとを含み、
前記無線電力受信装置は、前記無線電力送信装置に付加データ制御パケットを送信し、
前記付加データ制御パケットは、データストリームの最初に含まれ、
前記データストリームは、複数の付加データトランスポート(ADT)
データパケット(data packets)を含み、
前記付加データ制御パケットに対する第1応答パケットを前記無線電力送信装置から受信し、
前記第1応答パケットに基づいて前記複数のADT
データパケットの中の第1ADTデータパケットを前記無線電力送信装置に送信し、
前記無線電力送信装置から前記第1ADTデータパケットに対する第2応答パケットを受信するように構成され、
前記第2応答パケットがACK(acknowledge)を表すパケットであることに基づいて、前記無線電力受信装置は前記複数のADT
データパケットの中の第2ADTデータパケットを前記無線電力送信装置に送信し、
前記第2応答パケットが前記ACKと異なるパケットであることに基づいて、前記無線電力受信装置は前記第1ADTデータパケットを前記無線電力送信装置へ再送信し、
前記第2ADTデータパケットが送信されるとき、ADTヘッダーはタイプAヘッダーからタイプBヘッダーに、又は、タイプBヘッダーからタイプAヘッダーにトグルされ、
前記トグルされたADTヘッダーは、前記第2ADTデータパケットで送信される、無線電力受信装置。
【請求項12】
前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示す、請求項11に記載の無線電力受信装置。
【請求項13】
前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含む、請求項12に記載の無線電力受信装置。
【請求項14】
前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に前記複数のADT
データパケットを含む、請求項12に記載の無線電力受信装置。
【請求項15】
前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットの長さより大きい場合に前記データストリームに含まれる、請求項12に記載の無線電力受信装置。
【請求項16】
無線電力送信システムにおいて無線電力を無線電力受信装置が受信する方法であって、
無線電力送信装置に付加データ制御(auxiliary data control)パケットを送信する段階と、
前記付加データ制御パケットがデータストリームの最初に含まれ、
前記データストリームは
複数の付加データトランスポート(ADT)
データパケットを含み、
前記付加データ制御パケットに対する第1応答パケットを前記無線電力送信装置から受信する段階と、
前記第1応答パケットに基づいて前記複数のADT
データパケットの中の第1ADTデータパケットを前記無線電力送信装置に送信する段階と、
前記無線電力送信装置から前記第1ADTデータパケットに対する第2応答パケットを受信する段階とを含み、
前記第2応答パケットがACK(acknowledge)を表すパケットであることに基づいて、前記無線電力受信装置は前記複数のADT
データパケットの中の第2ADTデータパケットを前記無線電力送信装置に送信し、
前記第2応答パケットが前記ACKと異なるパケットであることに基づいて、前記無線電力受信装置は前記第1ADTデータパケットを前記無線電力送信装置へ再送信し、
前記第2ADTデータパケットが送信されるとき、ADTヘッダーはタイプAヘッダーからタイプBヘッダーに、又は、タイプBヘッダーからタイプAヘッダーにトグルされ、
前記トグルされたADTヘッダーは、前記第2ADTデータパケットで送信される、方法。
【請求項17】
前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に前記複数のADT
データパケットを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットの長さより大きい場合に前記データストリームに含まれる、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送に関し、より詳細には、無線電力伝送システムにおいてデータストリームの送信を行う装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線電力送信技術は、電源ソースと電子機器の間に無線で電力を伝達する技術である。一例として、無線電力送信技術は、スマートフォンやタブレットなどの無線端末を無線充電パッドの上に置くことだけで無線端末機のバッテリを充電できるようにすることにより、既存の有線充電コネクタを利用する有線充電環境に比べてより優れた移動性、利便性、及び安全性を提供することができる。無線電力送信技術は、無線端末の無線充電以外にも、電気自動車、ブルートゥースイヤホンや3Dメガネなどの各種ウェアラブルデバイス(wearable device)、家電機器、家具、地中施設物、建物、医療機器、ロボット、レジャーなどの多様な分野で既存の有線電力送信環境を代替すると注目されている。
【0003】
無線電力送信方式は、非接触(contactless)電力送信方式又は無接点(no point of contact)電力送信方式、無線充電(wireless charging)方式ともいう。無線電力送信システムは、無線電力送信方式で電気エネルギーを供給する無線電力送信装置と、前記無線電力送信装置から無線で供給される電気エネルギーを受信してバッテリセルなどの受電装置に電力を供給する無線電力受信装置と、から構成される。
【0004】
無線電力送信技術は、磁気カップリング(magnetic coupling)により電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)により電力を伝達する方式、マイクロ波(microwave)により電力を伝達する方式、超音波により電力を伝達する方式などとして多様である。磁気カップリングに基づいた方式は、磁気誘導(magnetic induction)方式と磁気共振(magnetic resonance)方式とにさらに分類される。磁気誘導方式は、送信側のコイルと受信側のコイルの間の電磁結合により送信側コイルバッテリセルから発生させた磁場により受信側コイルに誘導される電流を利用してエネルギーを送信する方式である。磁気共振方式は、磁場を利用するという点で磁気誘導方式と類似している。しかしながら、磁気共振方式は、送信側のコイルと受信側のコイルに特定の共振周波数が印加されるときに共振が発生し、これにより、送信側と受信側の両端に磁場が集中する現象によりエネルギーが伝達されるという点で磁気誘導とは異なる。
【0005】
特定の標準技術に従うように実現される無線電力システムは、異物などにより過熱した場合、安全上の問題を解決することができる。ところで、技術標準又は規格に関する製品認証を受けていない非認証製品が市場で流通されており、これにより、ユーザが危険に露出する恐れがある。従って、無線電力送信装置と無線電力受信装置が無線充電の前後過程で相互に正規品であることを認証(mutual authentication)することにより、安定性と信頼性を確保する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、無線電力送信システムにおいてデータストリームの送信を行う装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、無線電力送信装置を提供する。前記装置は、無線電力受信装置と磁気カップリング(magnetic coupling)を形成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信するように構成された電力変換ユニット(power conversion unit)と、前記無線電力受信装置との通信に基づいて前記無線電力の送信制御と上位層(high level)データのトランスポート(transport)を行うように構成された通信/制御ユニットとを含む。
【0008】
一側面において、前記通信/制御ユニットは、前記上位層データのトランスポートに基づいて、一連のデータパケット(sequence of data packets)を含むデータストリーム(data stream)を前記無線電力受信装置に送信することができる。
【0009】
他の側面において、前記データストリームは、その前端に前記データストリームの制御に関連した付加データ制御(auxiliary data control)パケットを含むことができる。
【0010】
さらに他の側面において、前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示すことができる。
【0011】
さらに他の側面において、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含むことができる。
【0012】
さらに他の側面において、前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に付加データパケットを含むことができる。
【0013】
さらに他の側面において、前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットより大きい場合に前記データストリームに含まれることができる。
【0014】
本発明の他の態様によると、無線電力送信装置によるデータトランスポート方法を提供する。前記方法は、無線電力受信装置と磁気カップリング(magnetic coupling)を形成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信する段階と、前記無線電力受信装置との通信に基づいて前記無線電力受信装置への無線電力の送信制御と上位層(high level)データのトランスポート(transport)を行う段階とを含むことができる。
【0015】
一側面において、前記上位層データのトランスポートを行う段階は、一連のデータパケット(sequence of data packets)を含むデータストリーム(data stream)を前記無線電力受信装置に送信する段階を含むことができる。
【0016】
他の側面において、前記データストリームは、その前端に前記データストリームの制御に関連した付加データ制御(auxiliary data control)パケットを含むことができる。
【0017】
さらに他の側面において、前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示すことができる。
【0018】
さらに他の側面において、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含むことができる。
【0019】
さらに他の側面において、前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に付加データパケットを含むことができる。
【0020】
さらに他の側面において、前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットより大きい場合に前記データストリームに含まれることができる。
【0021】
本発明のさらに他の態様によると、無線電力受信装置を提供する。前記装置は、無線電力送信装置と磁気カップリング(magnetic coupling)を形成して前記無線電力送信装置から無線電力を受信するように構成された電力ピックアップユニット(power pickup unit)と、前記無線電力送信装置との通信に基づいて前記無線電力の送信制御と上位層(high level)データのトランスポート(transport)を行うように構成された通信/制御ユニットとを含む。
【0022】
一側面において、前記通信/制御ユニットは、前記上位層データのトランスポート基づいて、一連のデータパケット(sequence of data packets)を含むデータストリーム(data stream)を前記無線電力送信装置に送信することができる。
【0023】
他の側面において、前記データストリームは、その前端に前記データストリームの制御に関連した付加データ制御(auxiliary data control)パケットを含むことができる。
【0024】
さらに他の側面において、前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示すことができる。
【0025】
さらに他の側面において、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含むことができる。
【0026】
さらに他の側面において、前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に付加データパケットを含むことができる。
【0027】
さらに他の側面において、前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットより大きい場合に前記データストリームに含まれることができる。
【0028】
本発明のさらに他の態様によると、無線電力受信装置によるデータトランスポート方法を提供する。前記方法は、無線電力送信装置と磁気カップリング(magnetic coupling)を形成して前記無線電力送信装置から無線電力を受信する段階と、前記無線電力送信装置との通信に基づいて前記無線電力受信装置への無線電力の送信制御と上位層(high level)データのトランスポート(transport)を行う段階とを含む。
【0029】
一側面において、前記上位層データのトランスポートを行う段階は、一連のデータパケット(sequence of data packets)を含むデータストリーム(data stream)を前記無線電力送信装置に送信する段階を含むことができる。
【0030】
他の側面において、前記データストリームは、その前端に前記データストリームの制御に関連した付加データ制御(auxiliary data control)パケットを含むことができる。
【0031】
さらに他の側面において、前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示のうち前記データストリームの開始(start)を示すことができる。
【0032】
さらに他の側面において、前記データストリームの制御に関連した4種類の指示は、前記データストリームの終了(end)をさらに含むことができる。
【0033】
さらに他の側面において、前記データストリームは、前記付加データ制御パケットの次に付加データパケットを含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【0034】
さらに他の側面において、前記データストリームの開始を示す前記付加データ制御パケットは、前記データストリームの長さが1つのパケットより大きい場合に前記データストリームに含まれることができる。
【発明の効果】
【0035】
無線電力送信装置と受信装置の相互間に認証に必須の要素、例えば、無線充電証明書のフォーマット、認証機能のサポートに関する指示情報、認証関連手順と無線充電フェーズ間のタイミング、認証手順及び認証メッセージ、認証手順をサポートする下位レベルのプロトコルが本願発明により明確に提供されて、高電力の無線充電中にも安定性と信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】一実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
【
図2】他の実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
【
図3】無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施形態を示す。
【
図4】他の実施形態による無線電力送信システムのブロック図である。
【
図5】無線電力送信手順を説明するための状態遷移図である。
【
図6】一実施形態による電力制御コントロール方法を示す。
【
図7】他の実施形態による無線電力送信装置のブロック図である。
【
図8】他の実施形態による無線電力受信装置を示す。
【
図10】一実施形態によるシンクパターンの構造である。
【
図11】一実施形態によるシェアードモードで無線電力送信装置及び無線電力受信装置の動作状態を示す。
【
図12】一実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【
図13A】他の実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【
図13B】また他の実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【
図14】一実施形態による無線電力送信装置の性能パケット構造である。
【
図15】他の実施形態による無線電力送信装置の性能パケット構造である。
【
図16】一実施形態による無線電力受信装置の構成パケット構造である。
【
図17】他の実施形態による無線電力受信装置の構成パケット構造である。
【
図18】一実施形態による無線電力受信装置が無線電力送信装置の認証(authentication of PTx by PRx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【
図19】GET_DIGESTSのメッセージ構造の一例である。
【
図20】GET_DIGESTSのメッセージ構造の他の例である。
【
図21】DIGESTSが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
【
図22】GET_CERTIFICATEのメッセージ構造の一例である。
【
図23】証明書(Certificate)が送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
【
図24】無線電力送信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の例である。
【
図25】CHALLENGEメッセージ構造の一例である。
【
図26】CHALLENGE_AUTHが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
【
図27】一実施形態による無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【
図28】無線電力送信装置が送信するGET_DIGESTSのメッセージ構造の一例である。
【
図29】無線電力送信装置が送信するGET_CERTIFICATEメッセージ構造の一例である。
【
図30】無線電力受信装置の証明書(Certificate)が送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
【
図31】無線電力送信装置が送信するCHALLENGEメッセージ構造の一例である。
【
図32】無線電力受信装置のCHALLENGE_AUTHが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
【
図33】無線電力受信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の例である。
【
図34】無線電力受信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の他の例である。
【
図35】他の実施形態による無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【
図36】インバンド通信で無線電力受信装置が無線電力送信装置に送信するパケットの構造を示す図である。
【
図37】インバンド通信で無線電力送信装置が無線電力受信装置に送信するパケットの構造を示す図である。
【
図38】一実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
【
図39】他の実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
【
図40】一実施形態による拡張された制御エラーパケットの構造である。
【
図41】一実施形態による電力送信終了(end power transfer:EPT)パケットの構造である。
【
図42】一実施形態による拡張された受信電力パケットの構造である。
【
図43】一実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
【
図44】一実施形態によるデータトランスポートを示す図である。
【
図45】他の実施形態によるデータトランスポートを示す図である。
【
図46】一実施形態による無線電力受信装置に関するADTデータパケット(ADT_PRx Data Packet)の構造である。
【
図47】一実施形態による無線電力受信装置に関するADT応答パケット(ADT_PRx Response Packet)の構造である。
【
図48】一実施形態による無線電力受信装置に関するADT制御パケット(ADT_PRx Control Packet)の構造である。
【
図49】一実施形態による無線電力送信装置に関するADTデータパケット(ADT_PTx Data Packet)の構造である。
【
図50】一実施形態による無線電力送信装置に関するADT応答パケット(ADT_PTx Response Packet)の構造である。
【
図51】一実施形態による無線電力送信装置に関するADT応答/制御パケット(ADT_PTx Response/Control Packet)の構造である。
【
図52】一実施形態による無線電力送信装置に関するADT制御パケット(ADT_PTx Control Packet)の構造である。
【
図53】一実施形態によるADTデータパケット記録(write)に関する状態マシン(state mashine)を示すダイアグラムである。
【
図54】一実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【
図55】他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【
図56】また他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【
図57】一実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図58】他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図59】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図60】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図61】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図62】一実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図63】他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図64】また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図65】また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図66】また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図67】一実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力送信装置と無線電力受信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【
図68】他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力送信装置と無線電力受信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【
図69】一実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図70】他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図71】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図72】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図73】また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図74】一実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図75】他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図76】また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図77】また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【
図79】一実施形態による無線電力送信装置により開始される電力管理に関する送信シーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下で用いられる「無線電力」という用語は、物理的な電磁気伝導体を使用せずに無線電力送信装置(wireless power transmitter)から無線電力受信装置(wireless power receiver)に伝達される電場、磁場、電磁場などと関連した任意の形態のエネルギーを意味するように用いられる。無線電力は、無線電力信号(wireless power signal)と呼ばれることもあり、1次コイルと2次コイルにより囲まれる(enclosed)振動する磁束(oscillating magnetic flux)を意味することもある。例えば、移動電話機、コードレス電話機、iPod、MP3プレーヤー、ヘッドセットなどを含むデバイスを無線で充電するためにシステムにおける電力変換がここに説明される。一般に、無線電力送信の基本的な原理は、例えば、磁気カップリング(magnetic coupling)により電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)により電力を伝達する方式、マイクロウェーブ(microwave)により電力を伝達する方式、超音波により電力を伝達する方式を全て含む。
【0038】
図1は、一実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
【0039】
図1に示すように、無線電力システム10は、無線電力送信装置(wireless power transmitter)100と無線電力受信装置(wireless power receiver)200を含む。
【0040】
無線電力送信装置100は、外部の電源ソース(S)から電源が印加されて磁場を発生させる。無線電力受信装置200は、発生した磁場を利用して電流を発生させて無線で電力を受信する。
【0041】
また、無線電力システム10において無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、無線電力送信に必要な多様な情報を送受信することができる。ここで、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の通信は、無線電力送信に利用される磁場を利用するインバンド通信(in-band communication)や別途の通信キャリアを利用するアウトバンド通信(out-band communication)のいずれか1つの方式により行われる。
【0042】
ここで、無線電力送信装置100は、固定型又は移動型で提供される。固定型の例としては、室内の天井や壁面又はテーブルなどの家具に埋め込まれる(embedded)形態、室外の駐車場、バス停や地下鉄駅などにインプラント形式で設置される形態や、車両や汽車などの運送手段に設置される形態などがある。移動型の無線電力送信装置100は、移動可能な重さやサイズの移動型装置やノートパソコンのカバーなどの他の装置の一部として実現されることができる。
【0043】
また、無線電力受信装置200は、バッテリを備える各種電子機器及び電源ケーブルの代わりに無線で電源が供給されて駆動される各種家電機器を含む包括的な概念として解釈されなければならない。無線電力受信装置200の代表的な例として、移動端末(portable terminal)、携帯電話(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、個人情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯型メディアプレーヤー(PMP:Portable Media Player)、ワイブロ端末(Wibro terminal)、タブレット(tablet)、パブレット(pablet)、ノートパソコン(notebook)、デジタルカメラ、ナビゲーション端末、テレビ、電気自動車(EV:Electronic Vehicle)などがある。
【0044】
無線電力システム100において無線電力受信装置200は、1つ又は複数であり得る。
図1においては、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200が一対一で電力をやりとりすることで表現されているが、
図2に示すように、1つの無線電力送信装置100が複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することも可能である。特に、磁気共振方式で無線電力送信を行う場合は、1つの無線電力送信装置100が同時送信方式や時分割送信方式を応用して同時に複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することできる。
【0045】
また、
図1には、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200に直接電力を伝達する様子が示されているが、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間に無線電力送信距離を増大させるためのリレー(relay)又は中継器(repeater)などの別途の無線電力送受信装置が備えられることもできる。この場合、無線電力送信装置100から無線電力送受信装置に電力が伝達され、無線電力送受信装置が再び無線電力受信装置200に電力を伝達することができる。
【0046】
以下、本明細書で言及される無線電力受信機、電力受信機、受信機は、無線電力受信装置200を示す。また、本明細書で言及される無線電力伝送機、電力伝送機、伝送機は、無線電力受信送信装置100を示す。
【0047】
図3は、無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施形態を示す。
【0048】
図3には、無線電力送信システムで送信及び受信する電力量によって電子機器を分類して示した。
図3に示すように、スマート時計(Smart watch)、スマートグラス(Smart Glass)、HMD(Head Mounted Display)、及びスマートリング(Smart ring)などのウェアラブル機器及びイヤホン、リモコン、スマートフォン、PDA、タブレットパソコンなどのモバイル電子機器(又は、ポータブル電子機器)には、小電力(約5W以下又は約20W以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0049】
ノートパソコン、ロボット掃除機、TV、音響機器、掃除機、モニターなどの中/小型家電機器には中電力(約50W以下又は約200W以下)無線充電方式が適用されることができる。ミキサー、電子レンジ、電気炊飯器などの厨房用家電機器、車椅子、電動キックボード、電動自転車、電気自動車などの個人用移動機器(又は、電子機器/移動手段)には大電力(約2kW以下又は22kW以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0050】
前述した(又は、
図1に示す) 電子機器/移動手段は、後述する無線電力受信機をそれぞれ含むことができる。従って、前述した電子機器/移動手段は、無線電力送信機から無線で電力を受信して充電されることができる。
【0051】
以下では、電力無線充電方式が適用されるモバイル機器を中心に説明するが、これは、実施形態に過ぎず、本発明による無線充電方法は前述した様々な電子機器に適用できる。
【0052】
無線電力送信に関する標準(standard)は、WPC(wireless power consortium)、AFA(air fuel alliance)、PMA(power matters alliance)を含む。
【0053】
WPC標準は、基本電力プロファイル(baseline power profile:BPP)と拡張電力プロファイル(extended power profile:EPP)を定義する。BPPは、5Wの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関し、EPPは、5Wより大きく30Wより小さい範囲の電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関する。
【0054】
相異なる電力レベル(power level)を使用する様々な無線電力送信装置と受信装置が、各標準別にカバーされ、相異なる電力クラス(power class:PC)又はカテゴリに分類される。
【0055】
例えば、WPCは、無線電力送信装置と受信装置を電力クラス(power class:PC)-1、PC0、PC1、PC2に分類し、各PCに対する標準文書を提供する。PC-1標準は、5W未満の保証電力(guaranteed power)を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC-1のアプリケーションは、スマート時計のようなウェアラブル機器を含む。
【0056】
PC0標準は、5Wの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC0標準は、保証電力が30WまでであるEPPを含む。インバンド(in-band:IB)通信がPC0の必須な(mandatory)通信プロトコルであるが、オプションのバックアップチャネルとして使用されるアウトオブバンド(out-of-band:OBB)通信も使用されることができる。無線電力受信装置は、OOBのサポート有無を構成パケット(configuration packe)内のOOBフラグを設定することにより識別することができる。OOBをサポートする無線電力送信装置は、前記構成パケットへの応答として、OOBハンドオーバーのためのビットパターン(bit-pattern)を送信することによりOOBハンドオーバーフェーズ(handover phase)に進入することができる。前記構成パケットに対する応答は、NAK、ND又は新しく定義される8ビットのパターンであり得る。PC0のアプリケーションは、スマートフォンを含む。
【0057】
PC1標準は、30W~150Wの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。OOBは、PC1のための必須の通信チャネルであり、IBは、OOBへの初期化及びリンク確立(link establishment)として使用される。無線電力送信装置は、構成パケットに対する応答として、OOBハンドオーバーのためのビットパターンを送信することによりOOBハンドオーバーフェーズに進入することができる。PC1のアプリケーションはラップトップや電動工具(power tool)を含む。
【0058】
PC2標準は、200W~2kWの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関し、そのアプリケーションは厨房家電を含む。
【0059】
このように、電力レベルによってPCが区別され、同一のPC間の互換性(compatibility)をサポートするか否かは選択又は必須事項である。ここで、同一のPC間の互換性は、同一のPC間には電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置が同一のPCxを有する無線電力受信装置の充電が可能である場合、同一のPC間の互換性が維持されるとみなすことができる。これと類似して、相異なるPC間の互換性もサポートできる。ここで、相異なるPC間の互換性は、相異なるPC間にも電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置がPCy を有する無線電力受信装置の充電が可能である場合、相異なるPC間の互換性が維持されるとみなすことができる。
【0060】
PC間の互換性のサポートは、ユーザ経験(User Experience)及びインフラ構築の側面で非常に重要なイシューである。ただ、PC間の互換性の維持には以下のような様々な技術的な問題点が存在する。
【0061】
同一のPC間の互換性の場合、例えば、連続的に電力が送信される場合にのみ安定的に充電が可能なラップトップ充電(Lap-top charging)方式の無線電力受信装置は、同一のPCの無線電力送信装置であっても、不連続的に電力を送信する電動ツール方式の無線電力送信装置から電力が安定的に供給されるのに問題があり得る。また、相異なるPC間の互換性の場合、例えば、少なくとも保証電力が200Wである無線電力送信装置は最大保証電力が5Wである無線電力受信装置に電力を送信する場合、過電圧により無線電力受信装置が破損する恐れがある。その結果、PCは互換性を代表/指示する指標/基準にすることが困難である。
【0062】
以下では、互換性を代表/指示する指標/基準として「プロファイル(profile)」を新しく定義する。すなわち、同一の「プロファイル」を有する無線電力送受信装置間には互換性が維持されて安定的な電力送受信が可能であり、相異なる「プロファイル」を有する無線電力送受信装置間には電力送受信が不可能であると解釈されることができる。プロファイルは、電力クラスと関係なく(又は、独立的に)互換性があるか否か及び/又はアプリケーションによって定義されることができる。
【0063】
例えば、プロファイルは、i)、モバイル、ii)電動ツール、iii)厨房、及びiv)ウェアラブルの4つに大きく区分される。
【0064】
「モバイル」プロファイルの場合、PCはPC0及び/又はPC1、通信プロトコル/方式はIB及びOOB、動作周波数は87~205kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示としてはスマートフォン、ラップトップなどがある。
【0065】
「電動ツール」プロファイルの場合、PCはPC1、通信プロトコル/方式はIB、動作周波数は87~145kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示として電動ツールなどがある。
【0066】
「厨房」プロファイルの場合、PCはPC2、通信プロトコル/方式はNFC基盤、動作周波数は100kHz未満に定義されることができ、アプリケーションの例示としては厨房/家電機器などがある。
【0067】
「ウェアラブル」プロファイルの場合、PCはPC-1、通信プロトコル/方式はIB、動作周波数は87~205kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示としてはユーザの身体に着用するウェアラブル機器などがある。
【0068】
同一のプロファイル間には互換性の維持が必須事項であり、他のプロファイル間の互換性の維持は選択事項であり得る。
【0069】
前述したプロファイル(モバイルプロファイル、電動ツールプロファイル、厨房プロファイル、及びウェアラブルプロファイル)は、第1ないし第nのプロファイルを一般化して表現されることができ、WPC規格及び実施形態によって新しいプロファイルが追加/代替できる。
【0070】
このようにプロファイルが定義される場合、無線電力送信装置が自分と同一のプロファイルの無線電力受信装置に対してのみ選択的に電力送信を行って、より安定的に電力送信が可能となる。また、無線電力送信装置の負担が低減し、互換性のない無線電力受信装置への電力送信を試みなくなるため、無線電力受信装置の破損危険が軽減するという効果が発生する。
【0071】
「モバイル」プロファイル内のPC1は、PC0を基盤にOOBのような選択的拡張を借用することにより定義されることができ、「電動ツール」プロファイルの場合、PC1「モバイル」プロファイルが単純に変更されたバージョンとして定義されることができる。また、これまでは同一のプロファイル間の互換性の維持を目的とすると定義されたが、今後は相異なるプロファイル間の互換性維持の方向に技術が発展されることができる。無線電力送信装置又は無線電力受信装置は、多様な方式により自分のプロファイルを相手に知らせることができる。
【0072】
AFA標準は、無線電力送信装置をPTU(power transmitting unit)と称し、無線電力受信装置をPRU(power receiving unit)と称し、PTUは表1のように複数のクラスに分類され、PRUは表2のように複数のカテゴリに分類される。
【0073】
【0074】
【0075】
表1のように、クラスn PTUの最大出力電力性能(capability)は、当該クラスのPTX_IN_MAX値以上である。PRUは、当該カテゴリで指定された(specified)電力よりも大きな電力を引き出す(draw)ことはできない。
【0076】
図4は、他の実施形態による無線電力送信システムのブロック図である。
【0077】
図4に示すように、無線電力送信システム10は、無線で電力を受信するモバイル機器(Mobile Device)450及び無線で電力を送信するベースステーション(Base Station)400を含む。
【0078】
ベースステーション400は、誘導電力又は共振電力を提供する装置であり、少なくとも1つの無線電力送信装置(power transmitter)100及びシステムユニット405を含むことができる。無線電力送信装置100は、誘導電力又は共振電力を送信し、送信を制御することができる。無線電力送信装置100は、1次コイル(primary coil(s))により磁場を生成することにより、電気エネルギーを電力信号に変換する電力変換ユニット(power conversion unit)110及び適切なレベルで電力を伝達するように無線電力受信装置200との通信及び電力伝達をコントロールする通信/制御ユニット(communications & control unit)120を含むことができる。システムユニット405は、入力電力プロビジョニング(provisioning)、複数の無線電力送信装置のコントロール、及びユーザインタフェース制御などのベースステーション100のその他の動作制御を行うことができる。
【0079】
1次コイルは、交流電力(又は、電圧又は電流)を利用して電磁場を発生させることができる。1次コイルは、電力変換ユニット110から出力される特定の周波数の交流電力(又は、電圧又は電流)が印加されると、これにより特定周波数の磁場を発生させることができる。磁場は、非放射型又は放射型に発生しうるが、無線電力受信装置200は、これを受信して電流を生成する。言い換えると、1次コイルは無線で電力を送信することである。
【0080】
磁気誘導方式において、1次コイルと2次コイルは任意の適した形態を有することができ、例えば、フェライト又は非晶質金属のような高透磁率の形成物の周りに巻かれた銅線であり得る。1次コイルは、1次コア(primary core)、1次ワインディング(primary winding)、1次ループアンテナ(primary loop antenna)などと呼ばれることもできる。一方、2次コイルは、2次コア(secondary core)、2次ワインディング(secondary winding)、2次ループアンテナ(secondary loop antenna)、ピックアップアンテナ(pickup antenna)などと呼ばれることもできる。
【0081】
磁気共振方式を利用する場合、1次コイルと2次コイルはそれぞれ1次共振アンテナと2次共振アンテナの形態で提供される。共振アンテナは、コイルとキャパシタを含む共振構造を有することができる。このとき、共振アンテナの共振周波数は、コイルのインダクタンスとキャパシタのキャパシタンスにより決定される。ここで、コイルはループの形態で形成されることができる。また、ループの内部にはコアが配置されることができる。コアは、フェライトコア(ferrite core)のような物理的なコアや空芯コア(air core)を含むことができる。
【0082】
1次共振アンテナと2次共振アンテナとの間のエネルギー送信は、磁場の共振現象により行われることができる。共振現象とは、1つの共振アンテナで共振周波数に該当する近接場が発生するときに周囲に他の共振アンテナが位置する場合、両共振アンテナが互いにカップリングされて共振アンテナ間で高い効率のエネルギー伝達が起こる現象を意味する。1次共振アンテナと2次共振アンテナとの間で共振周波数に該当する磁場が発生すると、1次共振アンテナと2次共振アンテナが互いに共振する現象が発生し、これにより、一般的に1次共振アンテナで発生した磁場が自由空間に放射される場合に比べてより高い効率で2次共振アンテナに向けて磁場が集束され、従って、1次共振アンテナから2次共振アンテナに高い効率でエネルギーが伝達されることができる。磁気誘導方式は、磁気共振方式と同様に実現されるが、このときは磁場の周波数が共振周波数である必要がない。代わりに、磁気誘導方式では1次コイルと2次コイルを構成するループ間の整合が必要であり、ループ間の間隔が非常に近接しなければならない。
【0083】
図示してはいないが、無線電力送信装置1100は、通信アンテナをさらに含むこともできる。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、Wi-Fi、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0084】
通信/制御ユニット120は、無線電力受信装置200と情報を送受信することができる。通信/制御ユニット120は、IB通信モジュール又はOOB通信モジュールのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0085】
IB通信モジュールは、特定の周波数を中心周波数とする磁波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/制御ユニット120は、磁波に情報を載せて1次コイルを介して送信するか、又は情報が入っている磁波を1次コイルを介して受信することによりインバンド通信を行うことができる。このとき、二位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)又は振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式とマンチェスター(Manchester)コーディング又は非ゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)コーディングなどのコーディング方式を利用して磁波に情報を入れるか情報が入っている磁波を解析することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/制御ユニット120は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに至る距離まで情報を送受信することができる。
【0086】
OOB通信モジュールは、通信アンテナを介してアウトバンド通信を行うこともできる。例えば、通信/制御ユニット120は近距離通信モジュールとして提供されることができる。近距離通信モジュールの例としてはWi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信モジュールがある。
【0087】
通信/制御ユニット120は、無線電力送信装置100の全般的な動作を制御することができる。通信/制御ユニット120は、各種情報の演算及び処理を行い、無線電力送信装置100の各構成要素を制御することができる。
【0088】
通信/制御ユニット120は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを利用して、コンピュータやこれと類似した装置で実現されることができる。ハードウェア的に、通信/制御ユニット120は電気的な信号を処理して制御機能を行う電子回路の形態で提供され、ソフトウェア的には、ハードウェア的な通信/制御ユニット120を駆動させるプログラムの形態で提供されることができる。
【0089】
通信/制御ユニット120は、動作ポイント(operating point)をコントロールすることにより送信電力をコントロールすることができる。コントロールする動作ポイントは、周波数(又は、位相)、デューティサイクル(duty cycle)、デューティ比(duty ratio)及び電圧振幅の組み合わせに該当することができる。通信/制御ユニット120は、周波数(又は、位相)、デューティサイクル、デューティ比、及び電圧振幅のうち少なくとも1つを調節して送信電力をコントロールすることができる。また、無線電力送信装置100は一定の電力を供給し、無線電力受信装置200が共振周波数をコントロールすることにより受信電力をコントロールすることもできる。
【0090】
モバイル機器450は、2次コイル(Secondary Coil)を介して無線電力を受信する無線電力受信装置(power receiver)200と、無線電力受信装置200で受信された電力を受けて保存し、機器に供給するロード(load)455を含む。
【0091】
無線電力受信装置200は、電力ピックアップユニット(power pick-up unit)210及び通信/制御ユニット(communications & control unit)220を含むことができる。電力ピックアップユニット210は、2次コイルを介して無線電力を受信して電気エネルギーに変換する。電力ピックアップユニット210は、2次コイルを介して得られる交流信号を整流して直流信号に変換する。通信/制御ユニット220は、無線電力の送信と受信(電力伝達及び受信)を制御する。
【0092】
2次コイルは、無線電力送信装置100から送信される無線電力を受信することができる。2次コイルは、1次コイルで発生する磁場を利用して電力を受信できる。ここで、特定周波数が共振周波数である場合は、1次コイルと2次コイルとの間に磁気共振現象が発生してより効率的に電力を受信することができる。
【0093】
図4には示していないが、通信/制御ユニット220は、通信アンテナをさらに含むこともできる。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、Wi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0094】
通信/制御ユニット220は、無線電力送信装置100と情報を送受信する。通信/制御ユニット220は、IB通信モジュール又はOOB通信モジュールのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0095】
IB通信モジュールは、特定の周波数を中心周波数とする磁波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/制御ユニット220は、磁波に情報を載せて2次コイルを介して送信するか又は情報が入っている磁波を2次コイルを介して受信することによりIB通信を行うことができる。このとき、二位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)又は振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式と、マンチェスター(Manchester)コーディング又は非ゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)コーディングなどのコーディング方式を利用して磁波に情報を入れるか情報が入っている磁波を解析することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/制御ユニット220は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに至る距離まで情報を送受信することができる。
【0096】
OOBモジュールは、通信アンテナを介してアウトバンド通信を行うこともできる。例えば、通信/制御ユニット220は、近距離通信モジュールとして提供されることができる。
【0097】
近距離通信モジュールの例としては、Wi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信モジュールがある。
【0098】
通信/制御ユニット220は、無線電力受信装置200の全般的な動作を制御することができる。通信/制御ユニット220は各種の情報の演算及び処理を行い、無線電力受信装置200の各構成要素を制御することができる。
【0099】
通信/制御ユニット220は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを利用してコンピュータやこれと類似した装置で実現されることができる。ハードウェア的に、通信/制御ユニット220は電気的な信号を処理して制御機能を行う電子回路の形態で提供され、ソフトウェア的には、ハードウェア的な通信/制御ユニット220を駆動させるプログラムの形態で提供されることができる。
【0100】
ロード455はバッテリであり得る。バッテリは、電力ピックアップユニット210から出力される電力を利用してエネルギーを保存することができる。一方、モバイル機器450にバッテリが必ず含まれなければならないことはない。例えば、バッテリは、脱着が可能な形態の外部構成で提供できる。他の例としては、無線電力受信装置200に電子機器の多様な動作を駆動する駆動手段がバッテリの代わりに含まれることもできる。
【0101】
モバイル機器450は無線電力受信装置200を含むと図示され、ベースステーション400は、無線電力送信装置100を含むと図示されているが、広い意味では、無線電力受信装置200はモバイル機器450と同一視されることができ、無線電力送信装置100はベースステーション400と同一視されることもできる。
【0102】
以下、コイル又はコイル部は、コイル及びコイルに近接した少なくとも1つの素子を含んでコイルアセンブリ、コイルセル、又はセルと称することもできる。
【0103】
図5は、無線電力送信手順を説明するための状態遷移図である。
【0104】
図5に示すように、本発明の一実施形態による無線電力送信装置から受信機へのパワーの送信は、選択フェーズ(selection phase)510、ピングフェーズ(ping phase)520、識別及び構成フェーズ(identification and configuration phase)530、ネゴシエーションフェーズ(negotiation phase)540、補正フェーズ(calibration phase)550、電力送信フェーズ(power transfer phase)560、及び再ネゴシエーションフェーズ(renegotiation phase)570に大別される。
【0105】
選択フェーズ510は、パワー送信を開始するかパワー送信を維持する間、特定エラー又は特定イベントが感知されると、遷移される段階-例えば、図面符号S502、S504、S508、S510、及びS512を含む-であり得る。ここで、特定エラー及び特定イベントは、以下の説明により明確になる。また、選択フェーズ510で無線電力送信装置は、インタフェースの表面に物体が存在するか否かをモニターすることができる。もし、無線電力送信装置がインタフェースの表面に物体が存在することを感知する場合、ピングフェーズ520に遷移することができる。選択フェーズ510で無線電力送信装置は、非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)信号を送信し、送信コイル又は1次コイル(Primary Coil)の電流変化に基づいてインタフェースの表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
【0106】
選択フェーズ510で物体が感知される場合、無線電力送信装置は、無線電力共振回路(例えば、電力送信コイル及び/又は共振コンデンサ)の品質因子を測定することができる。本発明の一実施形態では、選択フェーズ510で物体が感知されると、充電領域に異物とともに無線電力受信装置が置かれているかを判断するために品質因子を測定することができる。無線電力送信装置に備えられるコイルは、環境変化によりインダクタンス及び/又はコイル内の直列抵抗成分が減少することができ、これにより品質因子値が減少することになる。測定された品質因子値を利用して異物が存在するか否かを判断するために、無線電力送信装置は、充電領域に異物が配置されていない状態で予め測定された基準品質因子値を無線電力受信装置から受信することができる。ネゴシエーションフェーズS540で受信された基準品質因子値と測定された品質因子値を比較して異物が存在するか否かを判断することができる。しかしながら、基準品質因子値が低い無線電力受信装置の場合-例えば、無線電力受信装置のタイプ、用途、及び特性などによって特定の無線電力受信装置は低い基準品質因子値を有することができる-、異物が存在する場合に測定される品質因子値と基準品質因子値との間の差が大きくなくて異物が存在するか否かを判断しにくいという問題が発生する。従って、他の判断要素をさらに考慮するか、他の方法を利用して異物が存在するか否かを判断しなければならない。
【0107】
本発明の他の実施形態では、選択フェーズ510で物体が感知されると、充電領域に異物とともに無線電力受信装置が配置されているかを判断するために特定周波数領域内(例えば、動作周波数領域)の品質因子値を測定することができる。無線電力送信装置のコイルは、環境変化によりインダクタンス及び/又はコイル内の直列抵抗成分が減少し、これにより無線電力送信装置のコイルの共振周波数が変更(シフト)されることができる。すなわち、動作周波数帯域内の最大品質因子値が測定される周波数である品質因子ピーク(peak)周波数が移動されることがある。
【0108】
フェーズ520で無線電力送信装置は、物体が感知されると、受信機を活性化(Wake up)させ、感知された物体が無線電力受信機であるか否かを識別するためのデジタルピング(Digital Ping)を送信する。ピングフェーズ520で無線電力送信装置は、デジタルピングに対する応答シグナル-例えば、信号強度パケット-を受信機から受信しないと、再び選択フェーズ510に遷移する。また、ピングフェーズ520で無線電力送信装置は、受信機からパワー送信が完了したことを示す信号-すなわち、充電完了パケット-を受信すると、選択フェーズ510に遷移することもできる。
【0109】
ピングフェーズ520が完了すると、無線電力送信装置は受信機を識別し、受信機の構成及び状態情報を収集するための識別及び構成フェーズ530に遷移する。
【0110】
識別及び構成フェーズ530で無線電力送信装置は、所望しないパケットが受信されるか(unexpected packet)、予め定義された時間の間、所望するパケットが受信されていないか(time out)、パケット送信エラーがあるか、(transmission error)、パワー送信契約が設定されないと(no power transfer contract)、選択フェーズ510に遷移することができる。
【0111】
無線電力送信装置は、識別及び構成フェーズ530で受信された構成パケット(Configuration packet)のネゴシエーションフィールド(Negotiation Field)値に基づいてネゴシエーションフェーズ540への進入が必要であるか否かを確認することができる。確認の結果、ネゴシエーションが必要である場合、無線電力送信装置はネゴシエーションフェーズ540に進入して所定のFOD検出手順を行うことができる。それに対して、確認の結果、ネゴシエーションが必要でない場合、無線電力送信装置は、直ちに電力送信フェーズ560に進入することもできる。
【0112】
ネゴシエーションフェーズ540で、無線電力送信装置は、基準品質因子値が含まれたFOD(Foreign Object Detection)状態パケットを受信することができる。または、基準ピーク周波数値が含まれたFOD状態パケットを受信することができる。または、基準品質因子値及び基準ピーク周波数値が含まれた状態パケットを受信することができる。このとき、無線電力送信装置は、基準品質因子値に基づいてFO検出のための品質係数閾値を決定することができる。無線電力送信装置は、基準ピーク周波数値に基づいてFO検出のためのピーク周波数閾値を決定することができる。
【0113】
無線電力送信装置は、決定されたFO検出のための品質係数閾値及び現在測定された品質因子値(ピングフェーズ以前に測定された品質因子値)を用いて充電領域にFOが存在するか否かを検出でき、FO検出結果に応じて電力送信を制御することができる。一例として、FOが検出された場合、電力送信が中断される可能性があるが、これに限定されない。
【0114】
無線電力送信装置は、決定されたFO検出のためのピーク周波数閾値及び現在測定されたピーク周波数値(ピングフェーズ以前に測定されたピーク周波数値)を用いて充電領域にFOが存在するか否かを検出でき、FO検出結果に応じて電力送信を制御することができる。一例として、FOが検出された場合、電力送信が中断される可能性があるが、これに限定されない。
【0115】
FOが検出された場合、無線電力送信装置は、選択フェーズ510に回帰することができる。これに対して、FOが検出されない場合、無線電力送信装置は、補正フェーズ550を経て電力送信フェーズ560に進入することもできる。詳しくは、FOが検出されていない場合、無線電力送信装置は、補正フェーズ550で受信端に受信された電力の強度を決定し、送信端で送信した電力の強度を決定するために受信端と送信端における電力損失を測定することができる。すなわち、無線電力送信装置は、補正フェーズ550で送信端の送信パワーと受信端の受信パワーとの間の差に基づいて電力損失を予測することができる。一実施形態による無線電力送信装置は、予測された電力損失を反映してFOD検出のための閾値を補正することもできる。
【0116】
電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置は、所望しないパケットが受信されるか(unexpected packet)、予め定義された時間の間、所望するパケットが受信されていないか(time out)、設定されたパワー送信契約に対する違反が発生するか(power transfer contract violation)、充電が完了した場合、選択フェーズ510に遷移することができる。
【0117】
また、電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置は、無線電力送信装置の状態変化などによってパワー送信契約を再構成する必要がある場合、再ネゴシエーションフェーズ570に遷移することができる。このとき、再ネゴシエーションが正常に完了すると、無線電力送信装置は電力送信フェーズ560に回帰することができる。
【0118】
前述したパワー送信契約は、無線電力送信装置と受信機の状態及び特性情報に基づいて設定されることができる。一例として、無線電力送信装置の状態情報は、最大送信可能なパワー量に関する情報、最大収容可能な受信機の数に関する情報などを含むことができ、受信機の状態情報は要求電力に関する情報などを含むことができる。
【0119】
図6は、一実施形態による電力制御コントロール方法を示す。
【0120】
図6において、電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、電力送受信と共に通信を並行することにより伝達される電力の量をコントロールすることができる。無線電力送信装置及び無線電力受信装置は、特定のコントロールポイントで動作する。コントロールポイントは、電力伝達が行われるとき、無線電力受信装置の出力端(output)で提供される電圧及び電流の組み合わせ(combination)を示す。
【0121】
より詳細に説明すると、無線電力受信装置は、所望するコントロールポイント(desired Control Point)-所望する出力電流/電圧、モバイル機器の特定位置の温度などを選択し、さらに、現在動作している実際のコントロールポイント(actual control point)を決定する。無線電力受信装置は、所望するコントロールポイントと実際のコントロールポイントを使用して、コントロールエラー値(control error value)を算出し、これをコントロールエラーパケットとして無線電力送信装置に送信することができる。
【0122】
そして、無線電力送信装置は、受信したコントロールエラーパケットを使用して新しい動作ポイント-振幅、周波数、及びデューティサイクル-を設定/コントロールして電力伝達を制御することができる。従って、コントロールエラーパケットは、電力伝達段階で一定時間間隔で送信/受信され、実施形態として無線電力受信装置は、無線電力送信装置の電流を低減しようとする場合は、コントロールエラー値を負の数に、電流を増加させようとする場合は、コントロールエラー値を正の数に設定して送信することができる。このように誘導モードでは、無線電力受信装置がコントロールエラーパケットを無線電力送信装置に送信することにより電力伝達を制御することができる。
【0123】
以下で説明する共振モードでは、誘導モードとは別の方式で動作することができる。共振モードでは1つの無線電力送信装置が複数の無線電力受信装置を同時にサービングできなければならない。ただ、前述した誘導モードのように電力伝達をコントロールする場合、伝達される電力が1つの無線電力受信装置との通信によりコントロールされるので、追加的な無線電力受信装置に対する電力伝達はコントロールが困難になる可能性がある。従って、本発明の共振モードでは、無線電力送信装置は、基本電力を共通に伝達し、無線電力受信装置が自体の共振周波数をコントロールすることにより受信する電力量をコントロールする方法を使用しようとする。ただ、このような共振モードの動作においても
図6で説明した方法が完全に排除されることではなく、追加的な送信電力の制御を
図6の方法で行うこともできる。
【0124】
図7は、他の実施形態による無線電力送信装置のブロック図である。これは、磁気共振方式又はシェアードモード(shared mode)の無線電力送信システムに属することができる。シェアードモードは、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間で1対多通信及び充電を行うモードを称する。シェアードモードは、磁気誘導方式又は共振方式で実現される。
【0125】
図7に示すように、無線電力送信装置700は、コイルアセンブリを覆うカバー720、電力送信機(power transmitting unit)740に電力を供給する電力アダプタ730、無線電力を送信する電力送信機740、又は電力伝達進行及び他の関連情報を提供するユーザインタフェース750のうち少なくとも1つを含むことができる。特に、ユーザインタフェース750は、オプショナルに含まれるか、無線電力送信装置700の他のユーザインタフェース750として含まれることもできる。
【0126】
電力送信機740は、コイルアセンブリ760、インピーダンスマッチング回路770、インバータ780、通信ユニット790、又は制御ユニット710のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0127】
コイルアセンブリ760は、磁場を生成する少なくとも1つの1次コイルを含み、コイルセルと呼ばれることもできる。
【0128】
インピーダンスマッチング回路770は、インバータと1次コイルとの間のインピーダンスマッチングを提供することができる。インピーダンスマッチング回路770は、1次コイル電流をブースト(boost)することに適した(suitable)周波数で共振(resonance)を発生させることができる。複数コイル(multi-coil)電力送信機740においてインピーダンスマッチング回路は、インバータから1次コイルのサブセットに信号をルーティングするマルチフレックスを追加で含むこともできる。インピーダンスマッチング回路は、「タンク回路(tank circuit)」と呼ばれることもできる。
【0129】
インピーダンスマッチング回路770は、キャパシタ、インダクタ、及びこれらの接続をスイッチングするスイッチング素子を含むことができる。インピーダンスのマッチングは、コイルアセンブリ760を介して送信される無線電力の反射波を検出し、検出された反射波に基づいてスイッチング素子をスイッチングしてキャパシタやインダクタの接続状態を調整するか、キャパシタのキャパシタンスを調整するか、インダクタのインダクタンスを調整することにより行われることができる。場合によって、インピーダンスマッチング回路770は、省略されて実施されることもでき、本明細書はインピーダンスマッチング回路770が省略された無線電力送信装置700の実施形態も含む。
【0130】
インバータ780は、DCインプットをAC信号に変換することができる。インバータ780は、可変(adjustable)周波数のパルスウェーブ及びデューティサイクルを生成するようにハーフブリッジ又はフルブリッジで駆動されることができる。また、インバータは、入力電圧レベルを調整するように複数のステージを含むこともできる。
【0131】
通信ユニット790は、電力受信機との通信を行うことができる。電力受信機は、電力送信機に対する要求及び情報を通信するためにロード(load)変調を行う。従って、電力送信機740は、通信ユニット790を使用して電力受信機が送信するデータを復調するために1次コイルの電流及び/又は電圧の振幅及び/又は位相をモニターすることができる。
【0132】
また、電力送信機740は、通信ユニット790を介してFSK(Frequency Shift Keying)方式などを使用してデータを送信するように出力電力をコントロールすることもできる。
【0133】
制御ユニット710は、電力送信機740の通信及び電力伝達をコントロールすることができる。制御ユニット710は、前述した動作ポイントを調整して電力送信を制御することができる。動作ポイントは、例えば、動作周波数、デューティサイクル、及び入力電圧のうち少なくとも1つにより決定されることができる。
【0134】
通信ユニット790及び制御ユニット710は、別個のユニット/素子/チップセットとして備えられるか、1つのユニット/素子/チップセットとして備えられることもできる。
【0135】
図8は、他の実施形態による無線電力受信装置を示す。これは、磁気共振方式又はシェアードモード(shared mode)の無線電力送信システムに属する。
【0136】
図8において、無線電力受信装置800は、電力伝達進行及び他の関連情報を提供するユーザインタフェース820、無線電力を受信する電力受信機(power receiving unit)830、ロード回路(load circuit)840、又はコイルアセンブリを支えてカバーするベース850のうち少なくとも1つを含むことができる。特に、ユーザインタフェース820は、オプショナルに含まれるか、電力受信装備の他のユーザインタフェース82として含まれることもできる。
【0137】
電力受信機830は、電力コンバータ860、インピーダンスマッチング回路870、コイルアセンブリ880、通信ユニット890、又は制御ユニット810のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0138】
電力コンバータ860は、2次コイルから受信するAC電力をロード回路に適した電圧及び電流に変換(convert)することができる。実施形態として、電力コンバータ860は、整流器(rectifier)を含む。整流器は、受信した無線電力を整流して交流から直流に変換できる。整流器は、ダイオードやトランジスタを利用して交流を直流に変換し、キャパシタと抵抗を利用してこれを平滑することができる。整流器としては、ブリッジ回路などで実現される全波整流器、半波整流器、電圧増倍器などが利用される。さらに、電力コンバータは電力受信機の反射(reflected)インピーダンスを適用(adapt)することもできる。
【0139】
インピーダンスマッチング回路870は、電力コンバータ860及びロード回路870の組み合わせと2次コイルとの間のインピーダンスマッチングを提供することができる。実施形態として、インピーダンスマッチング回路は、電力伝達を強化できる100kHz近傍の共振を発生させることができる。インピーダンスマッチング回路870は、キャパシタ、インダクタ、及びこれらの組み合わせをスイッチングするスイッチング素子で構成されることができる。インピーダンスの整合は、受信される無線電力の電圧値や電流値、電力値、周波数値などに基づいてインピーダンスマッチング回路870を構成する回路のスイッチング素子を制御することにより行われることができる。場合によって、インピーダンスマッチング回路870は省略されて実施されることもでき、本明細書は、インピーダンスマッチング回路870が省略された無線電力受信装置200の実施形態も含む。
【0140】
コイルアセンブリ880は、少なくとも1つの2次コイルを含み、オプショナルには磁場から受信機の金属部分をシールド(shield)するエレメント(element)をさらに含むこともできる。
【0141】
通信ユニット890は、電力送信機に要求(request)及び他の情報を通信するためにロード変調を行うことができる。
【0142】
このために、電力受信機830は、反射インピーダンスを変更するように抵抗又はキャパシタをスイッチングすることもできる。
【0143】
制御ユニット810は、受信電力をコントロールすることができる。このために、制御ユニット810は、電力受信機830の実際の動作ポイントと所望する動作ポイントの差を決定/算出することができる。そして、制御ユニット810は、電力送信機の反射インピーダンスの調整及び/又は電力送信機の動作ポイント調整要求を行うことにより実際の動作ポイントと所望する動作ポイントの差を調整/低減する。この差を最小化する場合、最適な電力受信を行うことができる。
【0144】
通信ユニット890及び制御ユニット810は別個の素子/チップセットとして備えられるか、1つの素子/チップセットとして備えられることもできる。
【0145】
図9は、一実施形態による通信フレーム構造を示す。これは、シェアードモードでの通信フレーム構造であり得る。
【0146】
図9に示すように、シェアードモードでは、相異なる形態のフレームが共に使用されることができる。例えば、前記シェアードモードでは、(A)のような複数のスロットを有するスロットフレーム(slotted frame)及び(B)のような特定の形態のないフリーフォーマットフレーム(free format frame)を使用することができる。より具体的に、スロットフレームは、無線電力受信装置200から、無線電力送信装置100に短いデータパケットを送信するためのフレームであり、フリーフォーマットフレームは、複数のスロットを備えないため、長いデータパケットの送信が可能なフレームであり得る。
【0147】
一方、スロットフレーム及びフリーフォーマットフレームは、当業者により様々な名称に変更されることができる。例えば、スロットフレームはチャネルフレームに、フリーフォーマットフレームはメッセージフレームなどに変更されて名付けられることができる。
【0148】
より具体的に、スロットフレームは、スロットの開始を示すシンクパターン、測定スロット、9つのスロット及び前記9つのスロットのそれぞれの前に、同一の時間間隔を有する追加的なシンクパターンを含むことができる。
【0149】
ここで、前記追加的なシンクパターンは、前述したフレームの開始を示すシンクパターンとは異なるシンクパターンである。より具体的に、前記追加的なシンクパターンは、フレームの開始を示すことではなく、隣接したスロット(すなわち、シンクパターンの両側に位置する連続する2つのスロットル)に関する情報を示すことができる。
【0150】
前記9つのスロットのうち連続する2つのスロット間には、それぞれシンクパターンが位置することができる。この場合、前記シンクパターンは、前記連続して2つのスロットに関する情報を提供する。
【0151】
また、前記9つのスロット及び前記9つのスロットのそれぞれの前に提供されるシンクパターンは、それぞれ同一の時間間隔を有することができる。例えば、前記9つのスロットは50msの時間間隔を有することができる。また、前記9つのシンクパターンも50msの時間長を有することができる。
【0152】
一方、(B)のようなフリーフォーマットフレームは、フレームの開始を示すシンクパターン及び測定スロット以外に、具体的な形態を有しない可能性もある。すなわち、前記フリーフォーマットフレームは、前記スロットフレームと異なる役割を行うためのものであり、例えば、前記無線電力送信装置と無線電力受信装置との間に長いデータパケット(例えば、追加所有者情報パケットなど)の通信を行うか、複数のコイルで構成された無線電力送信装置において、複数のコイルのうちいずれか1つのコイルを選択する役割のために使用されることもできる。
【0153】
以下では、各フレームに含まれたシンクパターン(sync pattern)について図面とともにより具体的に説明する。
【0154】
図10は、一実施形態によるシンクパターンの構造である。
【0155】
図10に示すように、シンクパターンは、プリアンブル(preamble)、スタートビット(start bit)、応答フィールド(Resonse field)、タイプフィールド(type field)、情報フィールド(info field)、及びパリティビット(parity bit)で構成される。
図10では、スタートビットがZEROに示されている。
【0156】
より具体的に、プリアンブルは連続するビットで構成され、全部0に設定されることができる。すなわち、プリアンブルは、シンクパターンの時間長を合わせるためのビットである。
【0157】
プリアンブルを構成するビットの数は、シンクパターンの長さが50msに最も近くなるように、しかしながら、50msを超過しない範囲内で、動作周波数に従属されることができる。例えば、動作周波数が100kHzである場合、シンクパターンは2つのプリアンブルビットで構成され、動作周波数が105kHzである場合、シンクパターンは3つのプリアンブルビットで構成される。
【0158】
スタートビットは、プリアンブルの次に続くビートであり、ゼロ(ZERO)を意味する。前記ゼロ(ZERO)は、シンクパターンの種類を示すビットであり得る。ここで、シンクパターンの種類は、フレームに関する情報を含むフレームシンク(frame sync)とスロットの情報を含むスロットシンク(slot sync)を含む。すなわち、前記シンクパターンは、連続するフレーム間に位置し、フレームの開始を示すフレームシンクであるか、フレームを構成する複数のスロットのうち連続するスロット間に位置し、前記連続するスロットに関する情報を含むスロットシンクであり得る。
【0159】
例えば、前記ゼロが0である場合は、該当スロットがスロットとスロットの間に位置したスロットシンクであることを意味し、1である場合は、当該シンクパターンがフレームとフレーム間に位置したフレームシンクであることを意味する。
【0160】
パリティビットは、シンクパターンの最後のビットであり、シンクパターンのデータフィールド(即ち、応答フィールド、タイプフィールド、情報フィールド)を構成するビットの個数情報を示す。例えば、パリティビットは、シンクパターンのデータフィールドを構成するビットの個数が偶数である場合は1、その他の場合(すなわち、奇数の場合)は0になり得る。
【0161】
応答(Response)フィールドは、シンクパターン以前のスロット内で、無線電力受信装置との通信に対する、無線電力送信装置の応答情報を含むことができる。例えば、応答フィールドは、無線電力受信装置と通信の実行が感知されない場合、「00」を有することができる。また、前記応答フィールドは、無線電力受信装置との通信に通信エラー(communication error)が感知された場合、「01」を有することができる。通信エラーは、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置が1つのスロットに接近を試みて、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置との間の衝突が発生した場合であり得る。
【0162】
また、応答フィールドは、無線電力受信装置からデータパケットを正確に受信しているか否かを示す情報を含むことができる。より具体的に、応答フィールドは、無線電力送信装置がデータパケットを拒否(deni)した場合、「10」(10-not acknowledge、NAK)に、無線電力送信装置が前記データパケットを確認(confirm)した場合、「11」(11-acknowledge、ACK)になり得る。
【0163】
タイプフィールドは、シンクパターンの種類を示す。より具体的に、タイプフィールドは、シンクパターンがフレームの1番目のシンクパターンである場合(すなわち、フレームの1番目のシンクのパターンであって、測定スロットの以前に位置した場合)、フレームシンクであることを示す「1」を有することができる。
【0164】
また、タイプフィールドは、スロットフレームにおいて、シンクパターンがフレームの1番目のシンクパターンではない場合、スロットシンクであることを示す「0」を有することができる。
【0165】
また、情報フィールドは、タイプフィールドが示すシンクパターンの種類によってその値の意味が決定される。例えば、タイプフィールドが1である場合(すなわち、フレームシンクを示す場合)、情報フィールドの意味はフレームの種類を示すことができる。すなわち、情報フィールドは、現在のフレームがスロットフレーム(slotted frame)であるか又はフリーフォーマットフレーム(free-format frame)であるかを示す。例えば、情報フィールドが「00」である場合はスロットフレームを示し、情報フィールドが「01」である場合はフリーフォーマットフレームを示す。
【0166】
それとは異なり、タイプフィールドが0である場合(すなわち、スロットシンクである場合)、情報フィールドはシンクパターンの後ろに位置した次のスロット(next slot)の状態を示すことができる。より具体的に、情報フィールドは、次のスロットが特定(specific)無線電力受信装置に割り当てられた(allocated)スロットである場合は「00」を、特定無線電力受信装置が一時的に使用するために、ロックされているスロットの場合は「01」を、又は任意の無線電力受信装置が自由に使用可能なスロットである場合は「10」を有することができる。
【0167】
図11は、一実施形態によるシェアードモードで無線電力送信装置及び無線電力受信装置の動作状態を示す。
【0168】
図11に示すように、シェアードモードで動作する無線電力受信装置は、選択フェーズ(Selection Phase)1100、導入フェーズ(Introduction Phase)1110、設定フェーズ(Configuration Phase)1120、ネゴシエーションフェーズ(Negotiation Phase)1130、及び電力送信フェーズ(Power Transfer Phase)1140のいずれか1つの状態で動作することができる。
【0169】
まず、一実施形態による無線電力送信装置は、無線電力受信装置を感知するために、無線電力信号を送信することができる。すなわち、無線電力信号を利用して無線電力受信装置を感知する過程をアナログピング(Analog ping)ということができる。
【0170】
一方、無線電力信号を受信した無線電力受信装置は、選択フェーズ1100に進入することができる。選択フェーズ1100に進入した無線電力受信装置は、前述したように、前記無線電力信号上にFSK信号の存在を感知することができる。
【0171】
すなわち、無線電力受信装置は、FSK信号の有無によってエクスクルーシブモード又はシェアードモードのいずれか1つの方式で通信を行うことができる。
【0172】
より具体的に、無線電力受信装置は、無線電力信号にFSK信号が含まれている場合はシェアードモードで動作し、そうでない場合はエクスクルーシブモードで動作することができる。
【0173】
無線電力受信装置がシェアードモードで動作する場合、前記無線電力受信装置は導入フェーズ1110に進入することができる。導入フェーズ1110において、無線電力受信装置は、設定フェーズ、ネゴシエーションフェーズ、及び電力送信フェーズで制御情報パケット(Control Information(CI) packet)を送信するために無線電力送信装置に制御情報パケットを送信することができる。制御情報パケットは、ヘッダ(Header)及び制御に関する情報を有することができる。例えば、制御情報パケットは、ヘッダが0X53であり得る。
【0174】
導入フェーズ1110において、無線電力受信装置は、制御情報(control information:CI)パケットを送信するためにフリースロット(free slot)を要求する試みを次の構成フェーズ、ネゴシエーションフェーズ、電力送信フェーズにわたって行う。このとき、無線電力受信装置は、フリースロットを選択し、最初のCIパケットを送信する。もし、無線電力送信装置が当該CIパケットにACKで応答すると、無線電力送信装置は構成フェーズに進入する。もし、無線電力送信装置がNACKで応答すると、他の無線電力受信装置が構成及びネゴシエーションフェーズを進行していることである。この場合、無線電力受信装置は、フリースロットの要求を再び試みる。
【0175】
もし、無線電力受信装置がCIパケットに対する応答としてACKを受信すると、無線電力受信装置は、最初のフレームシンクまで残りのスロットシンクをカウントすることによりフレーム内の個人スロット(private slot)の位置を決定する。全ての後続スロット基盤フレームにおいて、無線電力受信装置は当該スロットを介してCIパケットを送信する。
【0176】
もし、無線電力送信装置が無線電力受信装置に構成フェーズに進行することを許可すると、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の排他的使用のためのロックスロット(locked slot)シリーズを提供する。これは、無線電力受信装置が衝突なしに構成フェーズを進行することを確実にする。
【0177】
無線電力受信装置は、2つの識別データパケット(IDHIとIDLO)のようなデータパケットのシーケンスをロックスロットを使用して送信する。本フェーズを完了すると、無線電力受信装置はネゴシエーションフェーズに進入する。ネゴシエーションフェーズで、無線電力送信装置が無線電力受信装置に排他的使用のためのロックスロットを継続して提供する。これは、無線電力受信装置が衝突なしにネゴシエーションフェーズを進行することを確実にする。
【0178】
無線電力受信装置は、当該ロックスロットを使用して1つ又はそれ以上のネゴシエーションデータパケットを送信し、これはプロプライエタリデータパケット(proprietary data packet) と混合される可能性がある。結局、当該シーケンスは、特定の要求(specific request(SRQ))パケットと共に終了する。当該シーケンスを完了すると、無線電力受信装置は電力送信フェーズに進入し、無線電力送信装置はロックスロットの提供を中断する。
【0179】
電力送信状態において、無線電力受信装置は、割り当てられたスロットを使用してCIパケットの送信を行い、電力を受信する。無線電力受信装置は、レギュレータ回路を含むことができる。レギュレータ回路は通信/制御ユニットに含まれることができる。無線電力受信装置は、レギュレータ回路を介して無線電力受信装置の反射インピーダンスを自己調節(self-regulate)することができる。言い換えると、無線電力受信装置は、外部負荷により要求される量のパワーを送信するために反射するインピーダンスを調整することができる。これは、過度な電力の受信と過熱を防止することができる。
【0180】
シェアードモードにおいて、無線電力送信装置は、受信されるCIパケットに対する応答として電力を調整することを行わないことがあるので(動作モードに応じて)、この場合は過電圧状態を防止するための制御が必要になる。
【0181】
以下、無線電力送信装置と無線電力受信装置の間の認証(authentication)について開示される。無線電力送信装置と無線電力受信装置は、予め規定された同一の電力送信インタフェースと通信インタフェースにより実現されてこそ相互互換が可能となり、電力伝達が正常に行わるようになる。無線電力送信装置と受信装置が同一の製造社により製造されなくても同一の技術標準又は規格に基づいて製造された場合は相互に互換性を有する。しかしながら、同一の技術標準に従うとしても製造社ごとに実現品質が異なり、また、標準に誠実且つ正確に従わない場合、無線充電が円滑に行われることになる。特に、異物検出(foreign object detection:FOD)と過熱防止機能に問題がある製品の場合は、爆発などの安全事故の危険がある。従って、技術標準を運営する標準化団体は、公認された認証機関により各製造社の無線電力送信装置又は無線電力受信装置が標準技術を正確に従っているか(compliance)と、機器相互運用性(interoperability)が守られているかをテストして正規品を認証するサービスを提供している。
【0182】
それにもかかわらず、非認証製品が市場で流通していることを根本的に遮断することは現実的に難しいため、既に市場に流通された無線電力送信装置と無線電力受信装置が無線充電の前後過程で互いに正常であることを認証(mutual authentication)することにより安定性と信頼性を確保する必要がある。すなわち、公認された認証機関が製品の発売前に正規品認証を付与することを事前的認証手順と言えば、製品が発売された後に無線充電の動作の過程で製品間に認証手順を行うことを事後的認証手順と言う。例えば、製品間相互認証(mutual authentication)は、インバンド通信チャネルを介して行われることができ、USB-C認証と互換性がある。認証に失敗する場合、無線電力受信装置はユーザに警告し、低電力モード(low power mode)で充電を行うか、電力信号を除去することができる。
【0183】
本明細書では、標準技術としてWPCのQi標準を例示しているが、本発明の技術的思想はQi標準だけでなく、他の標準に基づく認証の実施形態まで含む。
【0184】
インバンド通信を使用する無線電力送信システムにUSB-C認証を導入することにおいて、次の表のような性能指標が導出される。すなわち、USB-Cは、無線充電認証のための1つのモデルになる。
【0185】
【0186】
表3において、PRxは無線電力受信装置を意味し、PTxは無線電力送信装置を意味する。認証は、無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証と、無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証を含む。
【0187】
フル認証を使用して無線電力送信装置を認証する場合、最大約3分までの長い時間が必要となりうるが、これは、USB-C証明書の大きなサイズ(large size)と無線電力送信システムが採用する低いビットレート(low bit rate)の通信プロトコルのためである。特に、ユーザが無線充電スポット(spot)を頻繁に変更する公共場所(public venue)においてこのようなフル認証が毎回発生する状況は、ユーザに不便を与える可能性がある。従って、認証に関連したチェーン(chain)又はパケットのサイズをコンパクトに(compact)又は単純に(simplified)定義する必要がある。もちろん、フル認証時間を合理的な時間(60秒以内)に減らしながらもUSB-C認証での128ビットのセキュリティレベル(security level, ECDSA with SHA256)を維持することが好ましい。もちろん、認証に求められる時間はトラフィックのエラーによるデータの反復送信により増加することもある。
【0188】
以下では、標準技術の認証に使用される証明書(certificate)、認証手順、認証メッセージ、そして認証手順を行う下位レベルの通信プロトコルに関する具体的な実施形態が開示される。以下で説明される全ての認証に関連した通信、プロトコル、メッセージ、パケットなどは、本願明細書に記載された通信及び制御ユニット120、220、通信ユニット790、890により生成、処理、保存、送信、加工できる。
【0189】
1.無線充電証明書
【0190】
証明書のチェーンレベルの側面で、証明書チェーン(certificate chain)のレベルが制限されることがある。例えば、証明書チェーンのレベルは3であり得る。最小限のチェーンレベルを運用しても製造社は依然として製品に自社の証明書を発行(issue)することができ、製造社と証明書発行機関(certificate authority:CA)の負担も低減することができる。証明書チェーンとは、2つ又はそれ以上の証明書のシリーズであって、各証明書はチェーン内で以前の証明書(preceding certificate)により署名される。
【0191】
証明書の種類の側面で、2種類の証明書が無線電力送信装置と受信装置との間に送信されると規定されることができる。ここで、2種類の証明書は、中間証明書(intermediate)とリーフ(leaf)証明書を含むことができる。ルート(root)証明書は、相互認証がサポートされる両者間で同一である。ルート証明書は、証明書チェーン内で最初の証明書として自己署名されたものである(self-signed)。リーフ証明書は証明書チェーンで最後の証明書であり、中間証明書は証明書チェーン内でルート証明書でもなくリーフ証明書でもない証明書である。
【0192】
証明書のフォーマットの側面で、証明書のフォーマットが、減らされた(reduced)又は単純化(simplified)フォーマットとして規定されることができる。ここで、「減らされた」又は「単純化」フォーマットは、USB-Cの証明書フォーマット(X509v3フォーマット)に比べて無線充電用に減らされた又は単純化されたフォーマットを意味することができる。例えば、中間証明書とリーフ証明書のために単純化された証明書フォーマットは、100バイトより小さくなる(例えば、80バイト)。このとき、ルート証明書は、依然としてUSB-Cの証明書フォーマットに従うことがある。以下では、単純化された証明書フォーマットを無線充電証明書フォーマット又はQi証明書フォーマットということができる。PC1のようにアウトオブバンド(OOB)通信をサポートする無線電力送信システムの場合は、より広い帯域幅を使用することができるため、USB-Cフォーマットによる無線充電証明書が提供できることは言うまでもない。
【0193】
図12は、一実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【0194】
図12に示すように、無線充電証明書フォーマットは、証明書タイプ(certificate type)、証明書長さ(certificate length)、識別情報(ID)、予備ビット(reserved)、公開鍵(public key)及び署名(signature)を含む。
【0195】
証明書タイプは、例えば、1バイトであって、該当証明書がルート証明書/中間証明書/リーフ証明書のうちいずれか1つであることを示すこともでき、無線電力送信装置に関する証明書又は無線電力受信装置に関する証明書であることを示すこともでき、2つの情報を両方とも示すこともできる。例えば、証明書タイプのビット列b3~b0が‘0000’bである場合が中間証明書を示し、‘0001’bである場合はリーフ証明書を示す。そして、証明書タイプのビット列b7~b4が‘0001’bである場合は無線電力送信装置に関する証明書を示し、‘0000’bである場合は無線電力受信装置に関する証明書を示す。従って、証明書タイプのビット列がある特定の値になると、該当証明書は、無線電力送信装置に関するものであってリーフ証明書であることを示すことができる。
【0196】
証明書の長さは、例えば、2バイトであって、該当証明書の長さをバイト単位で示すことができる。
【0197】
識別情報は、例えば、6バイトであって、無線電力送信装置の製造社コード又は無線電力受信装置の製造社コードを示すか、WPID(wireless power ID)を示すこともできる。
【0198】
予備ビットは、例えば、7バイトであり得る。公開鍵は、例えば、32バイトであり得る。署名は、例えば、32バイト又は64バイトであり得る。
【0199】
図12に示すような無線充電証明書フォーマットに基づいてインバンド通信で認証を行う場合、表4のように相互間のフル認証は1分以内で完了されることができる。
【0200】
【0201】
図12は、証明書フォーマットのサイズが80バイトである場合を例示しているが、これは例示に過ぎず、各フィールドが相異なるビット数で定義される実施形態も当業者に自明な事項として本願発明の技術的思想に該当する。
【0202】
図13Aは、他の実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【0203】
図13Aに示すように、無線充電証明書フォーマットは、証明書タイプ(certificate type)、PTx及びリーフ指示子(PTx, Leaf)、証明書長さ(certificate length)、識別情報(ID)、予備ビット(reserved)、公開鍵(public key)、及び署名(signature)を含む。
【0204】
図13Aの無線充電証明書フォーマット内でPTx及びリーフ指示子は、証明書タイプとは分離されて同一のバイト(B0)内に証明書タイプと相異なるビットに割り当てられる。
【0205】
証明書タイプは、例えば、6ビットであって、該当証明書がルート証明書/中間証明書/リーフ証明書のうちいずれか1つであることを示すこともでき、無線電力送信装置に関する証明書又は無線電力受信装置に関する証明書であることを示すこともでき、2つの情報を両方とも示すこともできる。
【0206】
PTx及びリーフ指示子は、該当証明書が無線電力送信装置に関するものであるか否かと共に、リーフ証明書であるか否かを示す。すなわち、PTx及びリーフ指示子は、該当証明書が無線電力送信装置に関するリーフ証明書であるか否かを示すことができる。
【0207】
PTx及びリーフ指示子は、例えば、2ビットであって、1ビットのPTx指示子と1ビットのリーフ指示子を含む形態で構成される。この場合、PTx指示子は、該当証明書が無線電力送信装置に関するものである場合は1を示し、無線電力受信装置に関するものである場合は0を示す。また、リーフ指示子は、1ビットであって、該当証明書がリーフ証明書に該当する場合は値が1に設定され、リーフ証明書に該当していない場合は値が0に設定されることができる。
図13Aは、各ビットが1に設定されているので、該当証明書はPTxリーフ証明書であることを示す。
【0208】
PTx及びリーフ指示子は、証明書タイプと同一のバイト(B0)内に含まれており、証明書タイプのすぐ隣のビット列に構成され、証明書タイプと相異なるビットに割り当てられる。
【0209】
証明書長さは、例えば、1バイトであって、該当証明書の長さをバイト単位で示すことができる。
【0210】
識別情報は、例えば、6バイトであって、無線電力送信装置の製造社コード又は無線電力受信装置の製造社コード(PRx manufacturer code:PRMC)を示すか、WPID(wireless power ID)を示すこともできる。または、証明書タイプ=中間証明書である場合、識別情報は無線電力送信装置の製造社コード又は無線電力受信装置の製造社コードを示し、証明書タイプ=リーフ証明書である場合、識別情報はWPIDを示すこともできる。
【0211】
予備ビットは、例えば、4バイトであり得る。公開鍵は、例えば、32バイトであり得る。署名は、例えば、64バイトであり得る。
【0212】
図13Aが同一の無線充電証明書フォーマットに基づいてインバンド通信で認証を行う場合、表5のように相互間のフル認証は60秒以内で完了することができる。
【0213】
【0214】
図13Aは、証明書フォーマットのサイズが108バイトである場合を例示しているが、これは例示に過ぎず、各フィールドが相異なるビット数で定義される実施形態も当業者に自明な事項として本願発明の技術的思想に該当する。
【0215】
商業的な性能要求事項として、認証手順はインバンド通信を使用する環境で応答者(responder)のイニシエータ(initiator)による認証を60秒以内に完了することが好ましい。また、認証手順は、インバンド通信を使用する環境で以前に認証された応答者の保安認知(secure recognition)のためのメカニズムを20秒以内に提供することが好ましい。
【0216】
図13Bは、また他の実施形態による無線充電証明書フォーマットを示すブロック図である。
【0217】
図13Bに示すように、無線充電証明書フォーマットは、無線充電標準証明書構造バージョン(Qi Authentication Certificate Structure Version)、予備ビット、PTx及びリーフ指示子(PTx Leaf)、証明書タイプ(certificate type)、署名オフセット(signature offset)、シリアル番号(serial number)、発行者ID(issuer ID)、サブジェクトID(subject ID)、公開鍵(public key)、及び署名(signature)を含む。
【0218】
無線充電証明書フォーマット内でPTx及びリーフ指示子は、証明書タイプとは分離されて同一のバイト(B0)内に証明書タイプと相異なるビットに割り当てられる。
【0219】
PTx及びリーフ指示子は、該当証明書が無線電力送信装置に関するものであるか否かと共に、リーフ証明書であるか否かを示す。すなわち、PTx及びリーフ指示子は、該当証明書が無線電力送信装置に関するリーフ証明書であるか否かを示すことができる。
【0220】
PTx及びリーフ指示子は、
図13Aとは異なって1ビットであり得る。PTx及びリーフ指示子が0であると、これは、該当証明書がリーフ証明書ではないことを示すか、無線電力受信装置のリーフ証明書であることを示すことができる。それに対して、PTx及びリーフ指示子が1であると、これは、該当証明書が無線電力送信装置のリーフ証明書であることを示すことができる。
【0221】
証明書タイプは、例えば、2ビットであって、該当証明書がルート証明書/中間証明書/リーフ証明書のうちいずれか1つであることを示すことができ、これらをすべて示すこともできる。
【0222】
2.認証機能のサポートに関する指示情報
【0223】
無線電力送信装置と無線電力受信装置のいずれか1つでも認証機能をサポートしない場合(例えば、既に発売されたレガシー(legacy)製品は新しい認証機能をサポートしないことがある)、結局、これらの間で認証手順は実行できない。すなわち、認証手順が実行されるためには、無線電力送信装置と無線電力受信装置が両方とも認証機能をサポートする必要がある。ところで、認証機能は製品のバージョンによって製造社によってサポートされることも、サポートされないこともあるため、これを確認する手順及びこの手順に使用されるメッセージが要求される。ひいては、無線電力送信装置と受信装置のうちいずれか1つの機器のみの認証機能をサポートし、他の機器はレガシー製品である場合、最小充電機能のための後方互換性(backward compatibility)が満足されなければならない。システムポリシーによって認証をサポートしない機器に対しても5W(又は、それ以下の最小電力、例えば、3W)をサポートしなければならない。
【0224】
無線電力送信装置は、性能パケット(capability packet)を利用して無線電力受信装置に認証機能をサポートするか否かを知らせることができる(無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(authentication of PTx by PRx)の場合)。一方、無線電力受信装置は、構成パケット(configuration packet)を利用して無線電力送信装置に認証機能をサポートするか否かを知らせることができる(無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)の場合)。以下、認証機能をサポートするか否かに関する指示情報(性能パケットと構成パケット)の構造に関してより詳細に開示する。
【0225】
図14は、一実施形態による無線電力送信装置の性能パケットの構造である。
【0226】
図14に示すように、対応するヘッダ(header)値が0X31である性能パケットは、3バイトであって、1番目のバイト(B
0)は、電力クラス、保証された電力値(guaranteed power value)を含み、2番目のバイト(B
1)は予備(reserved)、潜在的な電力値(potential power value)を含み、3番目のバイト(B
2)は予備(reserved)、認証(Auth)、NFCPP、NFCD、WPID、Not REs Sensを含む。具体的に、認証(Auth)は、1ビットであって、例えば、その値が0である場合は当該無線電力送信装置が認証機能をサポートしないことを示し、その値が1である場合は当該無線電力送信装置が認証機能をサポートすることを示すことができる。
【0227】
図15は、他の実施形態による無線電力送信装置の性能パケットの構造である。
【0228】
図15に示すように、対応するヘッダ(header)値が0X31である性能パケットは、3バイトであって、1番目のバイト(B
0)は、電力クラス、保証された電力値(guaranteed power value)を含み、2番目のバイト(B
1)は予備(reserved)、潜在的な電力値(potential power value)を含み、3番目のバイト(B
2)は、認証イニシエータ(Authentication Initiator:AI)、認証応答者(Authentication Responder:AR)、予備、WPID、Not REs Sensを含む。具体的に、認証イニシエータは、1ビットであって、例えば、その値が‘1b’である場合は当該無線電力送信装置が認証イニシエータとして動作できることを示す。また、認証応答者は、1ビットであって、例えば、その値が‘1b’である場合は当該無線電力送信装置が認証応答者として動作できることを示す。
【0229】
図16は、一実施形態による無線電力受信装置の構成パケットの構造である。
【0230】
図16に示すように、対応するヘッダ(header)値が0X51である構成パケットは、5バイトであって、1番目のバイト(B
0)は、電力クラス、最大電力値(maximum power value)を含み、2番目のバイト(B
1)は予備(reserved)を含み、3番目のバイト(B
2)はProp、予備、ZERO、Countを含み、4番目のバイト(B
3)は、ウィンドウサイズ(Window size)、ウインドウオフセットを含み、5番目のバイト(B
4)はNeg、極性(polarity)、深さ(Depth)、認証(Auth)、予備を含む。具体的に、認証(Auth)は、1ビットであって、例えば、その値が0である場合は当該無線電力受信装置が認証機能をサポートしないことを示し、その値が1である場合は当該無線電力受信装置が認証機能をサポートすることを示すことができる。
【0231】
図17は、他の実施形態による無線電力受信装置の構成パケットの構造である。
【0232】
図17に示すように、対応するヘッダ(header)値が0X51である構成パケットは、5バイトであって、1番目のバイト(B
0)は、電力クラス、最大電力値(maximum power value)を含み、2番目のバイト(B
1)はAI、AR、予備を含み、3番目のバイト(B
2)はProp、予備、ZERO、Countを含み、4番目のバイト(B
3)は、ウィンドウサイズ(Window size)、ウインドウオフセットを含み、5番目のバイト(B
4)はNeg、極性(polarity)、深さ(Depth)、認証(Auth)、予備を含む。具体的に、認証イニシエータは1ビットであって、例えば、その値が‘1’bである場合は当該無線電力受信装置が認証イニシエータとして動作できることを示す。また、認証応答者は1ビットであって、例えば、その値が‘1b’である場合は当該無線電力受信装置が認証応答者として動作できることを示す。
【0233】
3.認証関連手順と無線充電フェーズ間のタイミング
【0234】
認証機能をサポートするか否かを確認する手順と認証手順は、識別及び構成フェーズ(identification and configuration phase)、ネゴシエーションフェーズ、補正フェーズ(calibration phase)、電力送信フェーズ、再ネゴシエーションフェーズ、導入フェーズのうち少なくとも1つ又は複数のフェーズにわたって行われることができる。
【0235】
一例として、認証手順は、ネゴシエーションフェーズで行われることができる。ところで、ネゴシエーションフェーズでクイック認証を行う場合、インバンド通信でDIGESTSを読み出して確認する過程は約4秒がかかることがある。従って、ユーザの便宜性の側面では、認証が完了した後、充電を開始するよりは、認証の有無と関係なく、認証前でも基本電力で無線充電を提供することが考慮されることができる。これは、認証機能がない機器に対する後方互換性の側面からも好ましい。
【0236】
他の例として、認証手順は、ネゴシエーションフェーズと電力送信フェーズにわたって行われることができる。識別及び構成フェーズ中にはパケットシーケンス(packet sequence)が厳しく制御され、無線電力受信装置から送信装置への単方向通信のみが許容されるのに対して、ネゴシエーション及び電力送信フェーズ中には両方向の通信が許容される。従って、双方向通信が許容されるネゴシエーション及び電力送信フェーズで認証手順が行われることができる。ネゴシエーションフェーズで、{GET_DIGESTS,CHALLENGE}メッセージを交換する無線電力送信装置又は受信装置によりクイック認証が行われる。そして、確立された信頼(trust)に基づいて電力契約が締結されることができる。無線電力送信装置と受信装置がDIGESTSをチェックすることにより初めて互いに会うことになると、システムポリシーに基づいた初期電力契約を確立し、できるだけ早く無線電力受信装置にデフォルト(default)低電力を提供するために電力送信フェーズに進入する。電力送信フェーズ中に、{GET_CERTIFICATE,CHALLENGE}メッセージを交換する無線電力送信装置又は受信装置によりフル認証が行われる。フル認証の完了に成功すると、無線電力送信装置及び/又は受信装置は、電力契約を更新する。
【0237】
また他の例として、無線電力送信装置と受信装置は、一応認証無しに電力送信フェーズに直ちに進入した後、電力送信フェーズで認証手順を行うことができる。電力送信フェーズで認証が成功すると、再ネゴシエーションフェーズを介して電力契約を更新するか、無線電力送信装置がサポート可能な目標電力(target power)又はフルパワー(full power)を無線電力送信装置/受信装置が所望するレベルでサポートすることができる。従って、ユーザの便宜性が増大する。
【0238】
また他の例として、無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(authentication of PTx by PRx)の場合、無線電力受信装置は、無線電力送信装置が認証機能をサポートするか否かを確認する手順をネゴシエーションフェーズで行うことができる。この場合、ネゴシエーションフェーズの以前に既に初期の電力契約(initial power contract)に基づいて電力送信が進行中であり得る。ネゴシエーションフェーズで、無線電力受信装置は、クエリパケット(query packet)を送信し、その応答を確認することにより手順に従って無線電力送信装置が認証機能をサポートするか否かを確認することができる。一側面において、クエリパケットは一般要求パケット(general request packet(0x07))であり得るし、この場合、無線電力受信装置が一般要求パケットを無線電力送信装置に送信すると、無線電力送信装置は、
図14又は
図15のような認証(auth)を含む性能パケットを応答として無線電力受信装置に送信する。他の側面において、クエリパケットは、特定の要求パケット(specific request packet(0x20))であり得るし、この場合、無線電力受信装置が特定の要求パケットを無線電力送信装置に送信すると、無線電力送信装置はACK(認証機能をサポートする場合)又はNACK(認証機能をサポートしない場合)で応答する。ネゴシエーションフェーズで無線電力送信装置が認証機能をサポートすることが確認されると、無線電力受信装置は、当該無線電力送信装置(PC0)と5W以上の電力契約を確立することができる。
【0239】
無線電力受信装置が無線電力送信装置の認証機能サポートを確認すると、初めて認証手順(authentication procedure)が開始されることができる。より詳しくは、無線電力受信装置は、制御エラーパケット(CEP)を約250msの周期で送信する正常又は安定状態(stable operation point)に到達した以後に、無線電力受信装置は無線電力送信装置と認証手順を行うことができる。電力送信フェーズ中に認証手順は、既存の電力契約を更新(renew)するために使用されることができる。すなわち、無線電力受信装置は、認証手順の結果によって既存の電力契約による電力レベルを増加させるために電力契約を再ネゴシエーションすることができる。この場合、無線電力受信装置は、再ネゴシエーションパケット(renegotiation packet(0x09))を送信することにより電力管理ポリシーによって電力契約を更新することができる。例えば、認証手順(DIGESTとともに)が成功すると、無線電力受信装置は、増加された電力に電力契約を更新するか、現在の電力契約を維持することができる。それに対して、認証手順が失敗すると、無線電力受信装置は、減少した電力に電力契約を更新するか、電力信号を除去することができる。
【0240】
また他の例として、無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)の場合、無線電力送信装置は、無線電力受信装置が認証機能をサポートするか否かを確認する手順を初期化フェーズ(initialization phase)で行うことができる。ここで、初期化フェーズは、ネゴシエーションフェーズ以前のフェーズ、例えば、選択フェーズ、ピングフェーズ、識別及び設定フェーズのいずれか1つであり得る。初期化フェーズで、無線電力送信装置は、無線電力受信装置が認証機能をサポートするか否かを確認するために、無線電力受信装置から
図16又は
図17のような認証(auth)を含む構成パケットを受信する。
【0241】
無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証機能のサポートを確認すると、ネゴシエーションフェーズで認証手順(authentication procedure)が開始されることができる。このとき、初期電力契約が締結される。より詳しくは、無線電力送信装置は、無線電力受信装置からDIGESTSの受信を待機する。もし、無線電力受信装置が以前に既に認証されたことを無線電力送信装置が認知すると、認証手順が成功する。もし、無線電力送信装置がDIGESTSを認知(acknowledge)することに失敗すると、無線電力送信装置は、電力送信フェーズ中に認証手順を継続する。電力管理ポリシーによって、無線電力送信装置は、無線電力受信装置と電力契約を確立する。このとき、無線電力送信装置は、DIGESTSとして認証を通過した当該無線電力受信装置(PC0)と5W以上の電力契約を確立することができる。電力送信フェーズ中に認証手順が完了すると、無線電力送信装置は、電力レベルを増加させるために電力契約を再ネゴシエーションすることができる。
【0242】
電力送信フェーズで無線電力受信装置が制御エラーパケット(CEP、0x03)を約250msの周期で送信する正常又は安定状態(stable operation point)に到達した後に、無線電力送信装置は、無線電力受信装置と認証手順を行うことができる。電力送信フェーズ中に認証手順は、既存の電力契約を更新(renew)するために使用されることができる。すなわち、無線電力受信装置は、認証手順の結果によって既存の電力契約による電力レベルを増加させるために電力契約を再ネゴシエーションすることができる。この場合、無線電力受信装置は、再ネゴシエーションパケット(renegotiation packet(0x09))を送信することにより電力管理ポリシーによって電力契約を更新することができる。例えば、認証手順(DIGESTとともに)が成功すると、無線電力受信装置は、増加された電力に電力契約を更新するか、現在の電力契約を維持することができる。それに対して、認証手順が失敗すると、無線電力受信装置は減少した電力に電力契約を更新するか、電力信号を除去することができる。
【0243】
4.認証手順及び認証メッセージ
【0244】
以下では、認証手順(authentication procedure)及び認証手順に使用される各種メッセージに関して開示される。
【0245】
認証手順で使用されるメッセージを認証メッセージという。認証メッセージは、認証に関する情報を運搬するのに用いられる。認証メッセージには2つのタイプが存在する。1つは認証要求(authentication request)であり、他の1つは認証応答(authentication response)である。認証の要求は認証イニシエータにより送信され、認証応答は認証応答者により送信される。無線電力送信装置と受信装置は両方とも認証イニシエータと認証応答者になることができる。例えば、無線電力送信装置が認証イニシエータである場合は、無線電力受信装置は認証応答者となり、無線電力受信装置が認証イニシエータである場合は、無線電力送信装置が認証応答者になる。
【0246】
認証要求メッセージは、GET_DIGESTS(例えば、4バイト)、GET_CERTIFICATE(例えば、8バイト)、CHALLENGE(例えば、36バイト)を含む。
【0247】
認証応答メッセージは、DIGESTS(例えば、4+32バイト)、CERTIFICATE(例えば、4+証明書チェーン(3×512バイト)=1540バイト)、CHALLENGE_AUTH(例えば、168バイト)、ERROR(例えば、4バイト)を含む。
【0248】
認証メッセージは、認証パケットと呼ばれることもでき、認証データ、認証制御情報と呼ばれることもできる。また、GET_DIGEST、DIGESTSなどのメッセージは、GET_DIGESTパケット、DIGESTパケットなどと呼ばれることもできる。
【0249】
以下、このような認証メッセージに基づいて無線電力受信装置が無線電力送信装置の認証を行う手順について説明する。
【0250】
(1)無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(Authentication of PTx by PRx)
【0251】
無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(authentication of PTx by PRx)がインバンド通信に基づいて動作する場合、各段階別の要求時間は、表6又は表7のようである。
【0252】
【0253】
表6は、電力契約(power contract)がネゴシエーションフェーズ中のGET_DIGESTSの結果に基づく場合において、各認証メッセージの要求時間の一例を示す。もし、無線電力受信装置が既に無線電力送信装置に関するDIGESTを知っている場合、GET_CERTIFICATEとCERTIFICATEの送信/受信段階は省略されることができる。また、認証結果に依存して再ネゴシエーションフェーズで電力契約が更新されることができる。
【0254】
【0255】
表7は、電力契約(power contract)がネゴシエーションフェーズ中のGET_DIGESTSの結果に基づく場合において、各認証メッセージの要求時間の他の例を示す。もし、無線電力受信装置が既に無線電力送信装置に関するDIGESTを知っている場合、GET_CERTIFICATEとCERTIFICATEの送信/受信段階は省略されることができる。また、認証結果に依存して再ネゴシエーションフェーズで電力契約が更新されることができる。以下では、前記要求時間を満足させるための認証手順に関して開示される。
【0256】
図18は、一実施形態による無線電力受信装置が無線電力送信装置の認証(authentication of PTx by PRx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【0257】
図18に示すように、無線電力受信装置は、無線電力送信装置の証明書チェーンDIGESTSを取得又は検索(retrieve)するために、GET_DIGESTSを無線電力送信装置に送信する(S1800)。ここで、REQUEST=PTx’s DIGESTに設定される。段階S1800のための先決動作は、無線電力受信装置が無線電力送信装置から受信した性能パケットで認証機能のサポートを確認する動作を含むことができる。無線電力受信装置は、ネゴシエーションフェーズ又は再ネゴシエーションフェーズ中に一般要求パケットを使用してGET_DIGESTSを無線電力送信装置に送信することができる。すなわち、GET_DIGESTSは一般要求パケットに載せられて送信されることができる。
【0258】
図19は、GET_DIGESTSのメッセージ構造の一例である。
図19に示すように、GET_DIGESTSは、例えば、1バイトであって、要求(request)フィールドを含む。要求フィールドは、例えば、無線電力送信装置のDIGESTのヘッダを示すことができる。
【0259】
図20は、GET_DIGESTSのメッセージ構造の他の例である。
図20に示すように、GET_DIGESTSは、例えば、1バイトであって、予備(reserved)とスロット番号(slot number)を含む。スロット番号は、要求された証明書チェーンが保存されるスロットを識別し、例えば、3ビットであり得る。
【0260】
再び
図18において、無線電力送信装置はGET_DIGESTSに対する応答として、DIGESTSを無線電力受信装置に送信する(S1805)。DIGESTSは、認証応答者が証明書チェーンダイジェスト(digests)及びどのスロットが有効な証明書チェーンダイジェスト(digests)を含むかに関するレポートを送信するのに使用される。DIGESTSのパラメータは、証明書チェーンのハッシュ値(hash value)の32バイトであり得る。
【0261】
図21は、DIGESTSが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法を示す。
図21に示すように、DIGESTSパケットは、32バイトのDIGESTSペイロード(payload)、該当パケットがDIGESTSに関するものであることを示す1バイトのヘッダ、当該パケットの長さを示す2バイトのヘッダを含む。一方、無線電力送信装置は、このようなDIGESTSパケットを特定の長さ(例えば、3バイト)の複数の小パケット(small packet)に分割し、小パケットの最後にチェックサムを添加(add)して4バイトのDIGESTS小パケットのシーケンスで送信する。このようなシーケンスの最後の小パケットのサイズは4バイトより小さい可能性がある。小パケットはセグメントと呼ばれることもできる。
図21の例示は、1つの認証応答を最大4バイトで構成されるように無線電力送信装置の送信パケットのサイズを限定したものである。このように1つの応答メッセージを小パケットのシリーズに分割することは、無線電力受信装置が送信装置に周期的に(約250ms)送信する(拡張された)制御エラーパケット(CEP)と(拡張された)受信電力パケット(RPP)を送信するタイミングを許容するためであり、これにより、無線電力送信装置の電力送信のための動作点と異物感知が効率的に管理されることができる。
【0262】
再び
図18において、もし、無線電力送信装置が既に以前に認証されたことが確認されると(acknowledge)、認証は成功する。もし、無線電力受信装置がDIGESTSを確認しないと、無線電力受信装置は電力送信フェーズ中に認証を継続して行う。段階S1800とS1805は、ネゴシエーション又は再ネゴシエーションフェーズで行われることができる。または、段階S1800とS1805は電力送信フェーズで行われることができる。
【0263】
次に、無線電力受信装置は、無線電力送信装置の証明書チェーンを得るためにGET_CERTIFICATEを無線電力送信装置に送信する(S1810)。ここで、GET_CERTIFICATEはオフセット(offset)と長さ(length)により設定される。GET_CERTIFICATEは対象証明書チェーンのセグメント(segment)を読み出すために用いられる。
【0264】
図22は、GET_CERTIFICATEのメッセージ構造の一例である。
図22に示すように、GET_CERTIFICATEは、例えば、2バイトであって、オフセット(offset)と長さ(length)フィールドを含むことができる。ここで、オフセットは、証明書チェーンの開始位置から読み出し要求(read request)が開始される位置までのオフセットであり、その指示単位はバイトである(Offset in bytes from the start of the Certificate Chain to where the read request begins)。長さ(length)は、読み出し要求の長さであり、その指示単位はバイトである(Length in bytes of the read request)。例えば、証明書チェーンの開始位置から4バイトを読み出すために、GET_CERTIFICATEのオフセット[11...0]=00bであり、長さ=11bの値を有することができる。
【0265】
再び
図18において、無線電力送信装置はGET_CERTIFICATEに対する応答として、証明書チェーンの少なくとも一部を無線電力受信装置に送信する(S1815)。このとき、証明書チェーンの一部は、バイト単位の長さで開始される時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0266】
図23は、証明書(Certificate)が送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
図23に示すように、無線電力送信装置は、1536バイトの証明書のパケットを送信することにおいて、証明書パケットのオフセット地点から長さ4バイトの分だけの証明書を抽出し、前端には証明書であることを示すヘッダを添加し、後端にはチェックサムを添加して、トータル6バイト長の証明書のセグメントを生成して送信する。
【0267】
図24は、無線電力送信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の例である。
図24に示すように、証明書パケット(例えば、1543バイト)は、証明書チェーン(例えば、1540バイト)、証明書であることを指示するヘッダ(例えば、1バイト)、証明書パケットの長さを示すヘッダ(例えば、2バイト)を含むことができる。一方、無線電力送信装置は、このような証明書のパケットを特定の長さ(例えば、3バイト)の複数の小パケット(small packet)に分割し、小パケットの最後にチェックサムを添加(add)して4バイトの証明書小パケットのシーケンスで送信する。この場合、トータル515個のデータの塊(chunk)がそれぞれ送信される。シーケンスの最後の小パケットのサイズは4バイトより小さくなり得る。小パケットはセグメントと呼ばれることもできる。
図24の例示は、1つの認証応答を最大4バイトで構成されるように無線電力送信装置の送信パケットのサイズを限定したものである。このように1つの応答メッセージを小パケットのシリーズに分割することは、無線電力受信装置が送信装置に周期的に(約250ms)送信する(拡張された)制御エラーパケット(CEP)と(拡張された)受信電力パケット(RPP)を送信するタイミングを許容するためであり、これにより、無線電力送信装置の電力送信のための動作点と異物感知が効率的に管理されることができる。
【0268】
再び
図18において、必要な場合、無線電力受信装置は、制御エラー(control error:CE)パケット及び/又は受信電力パケット(received power packet:RPP)を無線電力送信装置に送信することができる(S1820)。段階S1810とS1820は、例えば、電力送信フェーズ(power transfer phase)で行われることができる。
【0269】
以降、無線電力受信装置は、全ての証明書チェーンを読み出すまで、段階S1810からS1820を繰り返して行うことができる。
【0270】
無線電力受信装置は、CHALLENGEを無線電力送信装置に送信する(S1825)。CHALLENGEは製品の認証を開始(initiate)するために使用される。
【0271】
図25は、CHALLENGEメッセージ構造の一例である。
図25に示すように、CHALLENGEは、例えば、32ビット(4バイト)であって、4つのNonceフィールドを含むことができる。Nonceは、認証イニシエータにより選択される二進ランダム番号(binary random number)である。
【0272】
再び
図18において、無線電力受信装置は、CHALLENGE_AUTHを取得するために無線電力送信装置にGET_CHALLENGE_AUTHを送信する(S1830)。ここで、GET_CHALLENGE_AUTHはオフセット(offset)と長さ(length)により設定されることができる。
【0273】
無線電力送信装置は、GET_CHALLENGE_AUTHに対する応答として、CHALLENGE_AUTHの一部を無線電力受信装置に送信する(S1835)。このとき、CHALLENGE_AUTHの一部はバイト単位の長さで開始される時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0274】
図26は、CHALLENGE_AUTHが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
図26に示すように、CHALLENGE_AUTHパケット(例えば、1600バイト)は、証明書チェーンハッシュ(certifiate chain hash)(例えば、32バイト)、Salt(例えば、32バイト)、コンテキストハッシュ(context hash)(例えば、32バイト)、及び署名(signature)(例えば、64バイト)を含むことができる。一方、無線電力送信装置は、GET_CHALLENGE_AUTHで指示されたオフセットと長さに基づいて、このようなCHALLENGE_AUTHパケットをオフセットから特定の長さ(例えば、4バイト)の分だけを抽出し、前端にはCHALLENGE_AUTHパケットであることを示すヘッダを添加し、後端にはチェックサムを添加してトータル6バイト長の証明書のセグメントを生成して送信する。
【0275】
再び
図18において、必要な場合、無線電力受信装置は、制御エラー(control error:CE)パケット及び/又は受信電力パケット(received power packet:RPP)を無線電力送信装置に送信することができる(S1840)。
【0276】
以降、無線電力受信装置は、全ての証明書チェーンを読み出すまで、段階S1830からS1840を繰り返して行うことができる。
【0277】
次に、認証メッセージに基づいて無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証を行う手順について説明する。
【0278】
(2)無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証(Authentication of PRx by PTx)
【0279】
無線電力送信装置による無線電力送信装置の認証(authentication of PRx by PTx)がインバンド通信に基づいて動作する場合、各段階別の要求時間は表8又は表9に示すようである。
【0280】
【0281】
表8は、電力契約(power contract)がネゴシエーションフェーズ中のGET_DIGESTSの結果に基づく場合において、各認証メッセージの要求時間の一例を示す。もし、無線電力送信装置が既に無線電力受信装置に関するDIGESTを知っている場合、GET_CERTIFICATEとCERTIFICATEの送信/受信段階は省略されることができる。また、認証結果に依存して再ネゴシエーションフェーズで電力契約が更新されることができる。
【0282】
【0283】
表9は、電力契約(power contract)がネゴシエーションフェーズ中のGET_DIGESTSの結果に基づく場合において、各認証メッセージの要求時間の一例を示す。もし、無線電力送信装置が既に無線電力受信装置に関するDIGESTを知っている場合、制御エラーパケット送信段階、通信要求段階、GET_CERTIFICATEとCERTIFICATEの送信/受信段階は省略されることができる。また、認証結果に依存して再ネゴシエーションフェーズで電力契約が更新されることができる。以下では、前記要求時間を満足させるための認証手順に関して開示する。
【0284】
図27は、一実施形態による無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【0285】
図27に示すように、無線電力送信装置は、無線電力受信装置から送信されるDIGESTSを受信する(S2700)。DIGESTSは、認証応答者が証明書チェーンダイジェスト(digests)及びどのスロットが有効な証明書チェーンダイジェストを含んでいるかに関するレポートを送信するのに使用される。DIGESTSのパラメータは、証明書チェーンのハッシュ値(hash value)の32バイトであり得る。段階S2700のための先決動作は、無線電力受信装置が無線電力送信装置から受信した性能パケット(capability packet)で認証機能のサポートを確認する動作、無線電力送信装置が無線電力受信装置にGET_DIGESTSを送信する動作を含むことができる。段階S2700は、ネゴシエーション又は再ネゴシエーションフェーズ又は電力送信フェーズで行われることができる。
【0286】
図28は、無線電力送信装置が送信するGET_DIGESTSのメッセージ構造の一例である。
図28に示すように、GET_DIGESTSは、例えば、1バイトであって、要求(request)フィールドを含む。予備(reserved)とスロット番号(slot number)を含む。スロット番号は、要求された証明書チェーンが保存されるスロットを識別し、例えば、3ビットであり得る。
【0287】
再び
図27において、電力送信フェーズ中に無線電力受信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットを無線電力送信装置に送信する(S2705)。
【0288】
無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、通信のための要求を送信する(S2710)。通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0289】
無線電力受信装置が通信を行うための要求に対してACKで応答すると(S2715)、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の証明書チェーン又はCHALLENGE_AUTH応答を得るためにGET_CERTIFICATEを無線電力受信装置に送信する(S2720)。ここで、GET_CERTIFICATEは、オフセット(offset)と長さ(length)により設定される。GET_CERTIFICATEは、対象証明書チェーンのセグメント(segment)を読み出すのに用いられる。
【0290】
図29は、無線電力送信装置が送信するGET_CERTIFICATEメッセージ構造の一例である。
図29に示すように、GET_CERTIFICATEは、例えば、2バイトであって、オフセット(offset)と長さ(length)フィールドを含むことができる。ここで、オフセットは、証明書チェーンの開始位置から読み出し要求(read request)が開始される位置までのオフセットであり、その指示単位はバイトである(Offset in bytes from the start of the Certificate Chain to where the read request begins)。長さ(length)は、読み出し要求の長さであり、その指示単位はバイトである(Length in bytes of the read request)。例えば、証明書チェーンの開始位置から40バイトを読み出すために、GET_CERTIFICATEのオフセット[7...0]=00bであり、長さ=110000bの値を有することができる。
【0291】
再び
図27において、無線電力受信装置は、GET_CERTIFICATEに対する応答として、証明書チェーンの少なくとも一部を無線電力送信装置に送信する(S2725)。このとき、証明書チェーンの一部は、バイト単位の長さで開始する時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0292】
図30は、無線電力受信装置の証明書(Certificate)が送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
図30に示すように、無線電力受信装置は、1536バイトの証明書のパケットを送信することにおいて、証明書パケットのオフセット地点から長さ40バイトの分だけの証明書を抽出し、前端には証明書であることを示すヘッダ(例えば、1バイト)を添加し、後端にはチェックサム(例えば、1バイト)を添加してトータル42バイト長の証明書のセグメントを生成して送信する。
【0293】
再び
図27において、無線電力送信装置は、全ての証明書チェーンを読み出すまで、段階S2710からS2725を繰り返して行うことができる。
【0294】
必要な場合、無線電力受信装置は、制御エラー(control error:CE)パケット及び/又は受信電力パケット(received power packet:RPP)を無線電力送信装置に送信することができる(S2730)。
【0295】
無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、通信のための要求を送信する(S2735)。通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0296】
無線電力受信装置が通信を行うための要求に対してACKで応答すると(S2740)、無線電力送信装置はCHALLENGE[n]を無線電力受信装置に送信する(S2745)。CHALLENGEは製品の認証を開始(initiate)するために使用される。
【0297】
図31は、無線電力送信装置が送信するCHALLENGEメッセージ構造の一例である。
図31に示すように、CHALLENGEは、例えば、32ビット(4バイト)であって、4つのNonceフィールドを含むことができる。Nonceは、認証イニシエータにより選択される二進ランダム番号(binary random number)である。無線電力送信装置は、8つのCHALLENGEパケットを送信することにより、トータル32バイトのNonceを無線電力受信装置に提供することができる。
【0298】
再び
図27において、無線電力送信装置は、無線電力受信装置からACKを受信した後、CHALLENGEを全て送信するまで、段階S2735からS2750を繰り返して行うことができる。
【0299】
無線電力受信装置は、制御エラーパケット及び/又は受信電力パケットを無線電力送信装置に送信することができる(S2755)。無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、通信のための要求を送信する(S2760)。通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0300】
無線電力受信装置が通信を行うための要求に対してACKで応答すると(S2765)、無線電力送信装置は、CHALLENGE_AUTHを取得するために無線電力受信装置にGET_CHALLENGE_AUTHを送信する(S2770)。ここで、GET_CHALLENGE_AUTHはオフセット(offset)と長さ(length)により設定されることができる。
【0301】
無線電力受信装置は、GET_CHALLENGE_AUTHに対する応答として、CHALLENGE_AUTHの少なくとも一部を無線電力送信装置に送信する(S2775)。このとき、CHALLENGE_AUTHの少なくとも一部は、バイト単位の長さで開始される時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0302】
図32は、無線電力受信装置のCHALLENGE_AUTHが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の一例である。
図32に示すように、CHALLENGE_AUTHパケット(例えば、160バイト)は、証明書チェーンハッシュ(certifiate chain hash)(例えば、32バイト)、Salt(例えば、32バイト)、コンテキストハッシュ(context hash)(例えば、32バイト)、及び署名(signature)(例えば、64バイト)を含むことができる。一方、無線電力送信装置は、GET_CHALLENGE_AUTHで指示されたオフセットと長さに基づいて、このようなCHALLENGE_AUTHパケットをオフセットから特定の長さ(例えば、40バイト)の分だけを抽出し、前端にはCHALLENGE_AUTHパケットであることを示すヘッダ(例えば、1バイト)を添加し、後端にはチェックサム(例えば、1バイト)を添加してトータル42バイト長の証明書のセグメントを生成して送信する。
【0303】
以降、無線電力送信装置は、全てのCHALLENGE_AUTHを読み出すまで、段階S2760からS2775を繰り返して行うことができる。
【0304】
図33は、無線電力受信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の例である。
図33に示すように、例えば、証明書パケット(例えば、Nバイト)は、証明書チェーン、証明書であることを示すヘッダ(例えば、1バイト)、証明書パケットの長さを示すヘッダ(例えば、2バイト)を含むことができる。一方、無線電力受信装置は、このような証明書のパケットを特定の長さ(例えば、M-1バイト)の複数の小パケット(small packet)に分割し、小パケットの最後に1バイトのチェックサムを添加(add)してMバイトの証明書小パケットのシーケンスで送信する。シーケンスの最後の小パケットのサイズはMバイトより小さくなり得る。小パケットはセグメントと呼ばれることもできる。
図33の例示は、1つの認証応答がMバイトで構成されるように無線電力受信装置の送信パケットのサイズを限定したものである。このように、1つの応答メッセージを小パケットのシリーズに分割することは、無線電力受信装置が送信装置に周期的に(約250ms)送信する(拡張された)制御エラーパケット(CEP)と(拡張された)受信電力パケット(RPP)を送信するタイミングを許容するためであり、これにより、無線電力送信装置の電力送信のための動作点と異物感知が効率的に管理されることができる。
【0305】
図34は、無線電力受信装置の認証応答メッセージが送信される物理的パケット構造とこれを送信する方法の他の例である。
図34に示すように、例えば、証明書パケット(例えば、1543バイト)は、証明書チェーン(例えば、1540バイト)、証明書であることを示すヘッダ(例えば、1バイト)、証明書パケットの長さを示すヘッダ(例えば、2バイト)を含むことができる。一方、無線電力受信装置は、このような証明書のパケットを特定の長さ(例えば、38バイト)の複数の小パケット(small packet)に分割し、小パケットの前端にはプリアンブル(preamble)(例えば、1バイト)を添加し、後端にはチェックサム(例えば、1バイト)を添加(add)して40バイトの証明書小パケットのシーケンスで送信する。この場合、トータル41個のデータの塊(chunk)がそれぞれ送信される。シーケンスの最後の小パケットのサイズは40バイトより小さくなり得る。小パケットはセグメントと呼ばれることもできる。
図34の例示は、1つの認証応答が40バイトで構成されるように無線電力受信装置の送信パケットのサイズを限定したものである。このように、1つの応答メッセージを小パケットのシリーズに分割することは、無線電力受信装置が送信装置に周期的に(約250ms)送信する(拡張された)制御エラーパケット(CEP)と(拡張された)受信電力パケット(RPP)を送信するタイミングを許容するためであり、これにより、無線電力送信装置の電力送信のための動作点と異物感知が効率的に管理されることができる。
【0306】
図35は、他の実施形態による無線電力送信装置が無線電力受信装置の認証(authentication of PRx by PTx)を行うときに送受信されるパケットのシーケンスを示すフローチャートである。
【0307】
図35に示すように、無線電力送信装置は、無線電力受信装置から送信されるDIGESTSを受信する(S3500)。段階S3500のための先決動作は、無線電力受信装置が無線電力送信装置から受信した性能パケット(capability packet)から認証機能のサポートを確認する動作、無線電力送信装置が無線電力受信装置にGET_DIGESTSを送信する動作を含むことができる。段階S3500は、ネゴシエーションフェーズ又は電力送信フェーズで行うことができる。
【0308】
電力送信フェーズ中に無線電力受信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットを無線電力送信装置に送信する(S3505)。
【0309】
無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、複数通信(multiple communication)のための要求を送信する(S3510)。複数通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0310】
無線電力受信装置が複数通信のための要求に対してACKで応答すると(S3515)、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の証明書チェーン又はCHALLENGE_AUTH応答を得るためにGET_CERTIFICATEを無線電力受信装置に送信する(S3520)。ここで、GET_CERTIFICATEはオフセット(offset)と長さ(length)により設定される。GET_CERTIFICATEは、対象証明書チェーンのセグメント(segment)を読み出すために用いられる。
【0311】
無線電力受信装置は、GET_CERTIFICATEに対する応答として、証明書チェーンの少なくとも一部を無線電力送信装置に送信する(S3525)。このとき、証明書チェーンの一部は、バイト単位の長さで開始される時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0312】
無線電力送信装置は、全ての証明書チェーンを読み出すまで段階S3520からS3525を繰り返して行うことができる。
【0313】
必要な場合、無線電力受信装置は、制御エラー(control error:CE)パケット及び/又は受信電力(received power packet:RPP)パケットを無線電力送信装置に送信することができる(S3530)。
【0314】
無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、複数通信のための要求を送信する(S3535)。複数通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0315】
無線電力受信装置が複数通信のための要求に対してACKで応答すると(S3540)、無線電力送信装置は、CHALLENGE[n]を無線電力受信装置に送信する(S3545)。CHALLENGEは製品の認証を開始(initiate)するために使用される。
【0316】
無線電力送信装置は、無線電力受信装置からACKを受信した後(S3550)、CHALLENGEを全て送信するまで、段階S3545からS3550を繰り返して行うことができる。
【0317】
無線電力受信装置は、制御エラーパケット及び/又は受信電力パケットを無線電力送信装置に送信することができる(S3555)。無線電力送信装置は、制御エラーパケット又は受信電力パケットに対する応答として、複数通信のための要求を送信する(S3560)。複数通信のための要求は、例えば、ビットパターン応答であり得る。
【0318】
無線電力受信装置が複数通信のための要求に対してACKで応答すると(S3565)、無線電力送信装置は、CHALLENGE_AUTHを取得するために無線電力受信装置にGET_CHALLENGE_AUTHを送信する(S3570)。ここで、GET_CHALLENGE_AUTHは、オフセット(offset)と長さ(length)により設定されることができる。
【0319】
無線電力受信装置は、GET_CHALLENGE_AUTHに対する応答として、CHALLENGE_AUTHの少なくとも一部を無線電力送信装置に送信する(S3575)。このとき、CHALLENGE_AUTHの少なくとも一部は、バイト単位の長さで開始される時点からオフセットの分だけ以後に開始されるものであり得る。
【0320】
以降、無線電力送信装置は、全てのCHALLENGE_AUTHを読み出すまで、段階S3570からS3575を繰り返して行うことができる。
【0321】
5.認証手順をサポートする下位レベルのプロトコル
【0322】
認証手順をサポートする下位レベル(low level)のパケット送信プロトコルは、インバンド通信に基づくことがあるので、インバンド通信で使用されるパケット構造を認証手順と認証メッセージに適合するように構成する必要がある。
【0323】
図36は、インバンド通信で無線電力受信装置が無線電力送信装置に送信するパケットの構造を示す図である。
図36によるパケットはASK方式で変造されることができる。
【0324】
図36に示すように、ビットレート(bit rate)は2Kbpsであり、パケットはプリアンブル、ヘッダ、メッセージ、チェックサムを含む。例えば、プリアンブルは11ビットに、ヘザーは1Bに、チェックサムは1Bに設定される(1B→11bits)。
【0325】
図37は、インバンド通信で無線電力送信装置が無線電力受信装置に送信するパケットの構造を示す図である。
図37によるパケットは、FSK方式で変調されることができる。
【0326】
図37に示すように、100kHz動作周波数でのビットレート(bit rate)は200bpsであり、パケットは、ヘッダ、メッセージ、チェックサムを含む。例えば、ヘッダは1Bに、チェックサムは1Bに設定される(1B→11bits)。
【0327】
(1)下位レベルの認証シーケンス
【0328】
1)無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(Authentication of PTx by PRx)
【0329】
無線電力受信装置が認証イニシエータである場合、無線電力送信装置は認証応答者になる。または、無線電力送信装置は、(認証)対象装置で表現されることもできる。認証イニシエータとして、無線電力受信装置は、無線電力送信装置の認証に必要なメッセージ(又は、パケット)を無線電力送信装置に要求するメッセージ(又は、パケット)として送信する。認証応答者として、無線電力送信装置は、様々なパケットのシーケンスで構成される認証応答メッセージを無線電力受信装置に送信する。このような一連のメッセージの送受信過程は、下位レベルのパケット送信プロトコルにより規定されることができる。
【0330】
図38は、一実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
図38は、無線電力受信装置が無線電力送信装置にGET_DIGESTSを送信したことに対して、無線電力送信装置が無線電力受信装置に認証応答パケット(DIGESTS)を送信する過程を示す図である。
【0331】
図38に示すように、無線電力送信装置は、シーケンスの各パケット(packet)の送信後に、無線電力受信装置からACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)が送信されることを待機する。ACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)は、
図39のような拡張された(extended)制御エラーパケット(CEP)に含まれて送信される。無線電力送信装置及び/又は受信装置は、シーケンスの全てのパケットを送信するまで下記の手順を繰り返す。
【0332】
>もし、無線電力送信装置が「ACKと持続」を受信すると、無線電力送信装置は次のパケットを送信する。
【0333】
>もし、無線電力送信装置が「ACKと中断」を受信すると、無線電力送信装置は「ACKと持続」を含む次の(next)拡張されたCEPを受信するまで待機する。
【0334】
>もし、無線電力送信装置が「NACKと持続」を受信すると、無線電力送信装置は以前のパケットを再送信する。
【0335】
>もし、無線電力送信装置が「NACKと中断」を受信すると、無線電力送信装置は「ACKと持続」を含む次の(next)拡張されたCEPを受信するまで待機する。
【0336】
図39は、他の実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
図39は、無線電力受信装置が無線電力送信装置にGET_CERTIFICATEを送信したことに対して、無線電力送信装置が無線電力受信装置に認証応答パケット(CERTIFICATE)を送信する過程を示す図である。
【0337】
図39に示すように、無線電力送信装置は、シーケンスの各パケット(packet)の送信後に、無線電力受信装置からACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)が送信されることを待機する。ACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)は、
図39のような拡張された(extended)制御エラーパケット(CEP)に含まれて送信される。無線電力送信装置及び/又は受信装置はシーケンスの全てのパケットを送信するまで下記の手順を繰り返す。
【0338】
>もし、無線電力送信装置が「ACKと持続」を受信すると、無線電力送信装置は次のパケットを送信する。例えば、パケット(1)に対しては拡張された制御エラーパケット(CEP)により「ACKと持続」を受信し、パケット(m)に対しては、
図42のような拡張された受信電力パケット(Extended RPP)により「ACKと持続」を受信することができる。
【0339】
>もし、無線電力送信装置が「ACKと中断」を受信すると、無線電力送信装置は「ACKと持続」を含む次の(next)拡張されたCEPを受信するまで待機する。例えば、パケット(n)に対して、拡張されたCEPにより「ACKと中断」を受信する。
【0340】
>もし、無線電力送信装置が「NACKと持続」を受信すると、無線電力送信装置は以前のパケットを再送信する。
【0341】
>もし、無線電力送信装置が「NACKと中断」を受信すると、無線電力送信装置は「ACKと持続」を含む次の(next)拡張されたCEPを受信するまで待機する。
【0342】
図40は、一実施形態による拡張された制御エラーパケットの構造である。
【0343】
図40に示すように、無線電力受信装置は、無線電力送信装置のパケットに対する応答として、拡張された制御、エラーパケットを送信する。このとき、拡張された制御エラーパケットは、無線電力送信装置の動作点を調整する制御エラー値を含むだけでなく、ACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)のうち少なくとも1つを含む。
【0344】
例えば、中断は1ビットであって、その値が‘1’bであると、無線電力送信装置がパケットの送信を中断することを示し、その値が‘0’bであると、無線電力送信装置がシーケンスの次のパケットを送信すること(すなわち、送信の持続(continue))を示す。ここで、無線電力受信装置が無線電力送信装置の動作点を速く調整するために短周期(short period)でCEPを送信する必要があるとき、又は全ての応答パケットを受信したとき、無線電力受信装置は、中断を‘1’に設定することにより無線電力送信装置が次のシーケンスでパケットを送信することを保留(suspend)するよう強制することができる(enforce)。
【0345】
ACK/NACKは、例えば、4ビットであって、その値が‘0000’bであるとACKを示し、その値が‘1111’bであるとNACKを示す。ACKは、無線電力受信装置がエラー条件なしにパケットの受信に成功したことを示し、NACKは、無線電力受信装置がパケット受信エラーの発生によりパケットの再送信を無線電力送信装置に要求することを示す。
【0346】
図41は、一実施形態による電力送信終了(end power transfer:EPT)パケットの構造である。
【0347】
図41に示すように、ヘッダ値0x02に対応する電力送信終了パケットは認証手順に必要なコード値を示すことができる。例えば、無線電力送信装置の認証に失敗する場合、無線電力受信装置は、EPTコード値を0x0Eのように従来のEPTコードとは異なるコード値を示すように設定することができる。新しいEPTコード値を送信することにより無線電力受信装置は電力送信を除去することができる。
【0348】
図42は、一実施形態による拡張された受信電力パケットの構造である。
【0349】
図42に示すように、拡張された受信電力パケットは24ビットであって、第1予備ビット、モード(mode)、受信電力値(received power value)、第2予備ビット、中断(stop)、ACK/NACKを含むことができる。すなわち、拡張された受信電力パケットは、無線電力送信装置のFODに関連した受信電力値を含むだけでなく、ACK/NACK又は持続(continue)/中断(stop)のうち少なくとも1つを含む。
【0350】
例えば、中断は1ビットであって、その値が‘1’bであると無線電力送信装置はパケットの送信を中断し、その値が‘0’bであると無線電力送信装置はシーケンスの次のパケットを送信する(すなわち、送信の持続(continue))。ここで、無線電力受信装置が無線電力送信装置の動作点を速く調整するために短周期(short period)でCEPを送信する必要があるとき、又は全ての応答パケットを受信したとき、無線電力受信装置は、中断を‘1’に設定することにより無線電力送信装置が次のシーケンスでパケットを送信することを保留(suspend)するよう強制することができる(enforce)。
【0351】
ACK/NACKは、例えば、4ビットであって、その値が‘0000’bであるとACKを示し、その値が‘1111’bであるとNACKを示す。ACKは、無線電力受信装置がエラー条件なしにパケットの受信に成功したことを示し、NACKは、無線電力受信装置がパケット受信エラーの発生によりパケットの再送信を無線電力送信装置に要求することを示す。
【0352】
2)無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証(Authentication of PRx by PTx)
【0353】
無線電力送信装置が認証イニシエータである場合、無線電力受信装置は認証応答者になる。または、無線電力受信装置は(認証)対象装置で表現されることもできる。認証イニシエータとして、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の認証に必要なメッセージ(又は、パケット)を無線電力受信装置に要求するメッセージ(又は、パケット)として送信する。認証応答者として、無線電力受信装置は、様々なパケットのシーケンスで構成される認証応答メッセージを無線電力送信装置に送信する。このような一連のメッセージの送受信の過程は、下位レベルのパケット送信プロトコルにより規定されることができる。
【0354】
図43は、一実施形態による下位レベルの観点から無線電力受信装置と送信装置との間のパケットの送受信シーケンスを示す図である。
図43は、無線電力送信装置が無線電力送信装置にGET_CERTIFICATEを送信したことに対して無線電力受信装置が無線電力送信装置に認証応答パケット(CERTIFICATE)を受信する過程を示す。
【0355】
図43に示すように、無線電力受信装置は、シーケンスの各パケット(packet)の送信後に、無線電力送信装置からACK/NACK(ビットパターン応答)が送信されることを待機する。ビット応答時間は、例えば、40msであり得る。無線電力送信装置及び/又は受信装置は、シーケンスの全てのパケットを送信するまで下記手順を繰り返すことができる。認証応答パケットの間で(in between)、無線電力受信装置はCEP及び/又はRPPを送信することもできる。
【0356】
>もし、無線電力受信装置が「ACK」を受信すると、無線電力受信装置は、次のパケットを送信する。例えば、パケット(1)に対してはACKを受信すると、無線電力受信装置は、次の送信タイミングにパケット(2)を送信する。
【0357】
>もし、無線電力受信装置が「NACK」を受信すると、無線電力受信装置は以前のパケットを再送信する。
【0358】
(2)下位レベルのデータ交換プロトコル(protocol for data transaction)
【0359】
以下では、データ交換プロトコル(data transaction protocol)について開示される。下位レベルのデータ交換のために本実施形態は4つの規則を考慮する。
【0360】
規則1は、無線電力受信装置がマスター(master)として動作することである。無線電力受信装置がマスター(master)として動作し、無線電力送信装置がスレーブ(slave)として動作するとき、無線電力受信装置は無線電力送信装置の通信がいつ許容されるかを決定する。
【0361】
無線電力受信装置は、無線電力送信装置が送信するデータストリームがあるか否かを問い合わせるためにデータストリーム開始(start of data stream:SOD)ADT_CTRLパケットを送信することができる。または、無線電力受信装置は、無線電力送信装置が送るパケットがあるか否かについて無線電力送信装置にポーリング(pool)をするために要求(request)が「0xFF」に設定された一般要求パケット(general request packet:GRP)を送信することができる。
【0362】
規則2は、通信エラー制御(communication error control)である。無線電力受信装置又は送信装置は、ACKを受信するまでADTパケットを再記録(re-write)することができる。また、通信エラーが発生しないとき、“ACK”ADT_CTRLパケットが送信され、通信エラーが検出(detected)されたとき、“NACK”ADT_CTRLパケットが送信される。
【0363】
規則3は、データストリームの同期化である。同期化のために、新しいADTデータパケットが送信される度にADTデータパケットのヘッダがトグルされることができる。
【0364】
規則4は、データストリームの終端(end)をマーキング(mark)するか、終端と始端(start)をマーキングすることである。具体的に、データストリームの始端(start)にデータストリームの開始(start of data stream:SOD)ADT_CTRLパケットが付加(add)されることができる。または、データストリームの終端(end)にデータストリームの終了(end of data stream:EOD)ADT_CTRLパケットが付加されることができる。ここで、SODとEODは、データストリームの長さが1パケットより大きいときに付加される。
【0365】
前記規則に基づいて、データトランスポート及びパケット構造は次のように定義されることができる。
【0366】
1)認証のための下位レベルのデータトランスポート(transport)及びパケット構造
【0367】
以下では、認証のための下位レベルデータトランスポート(data transport)及びパケット構造に関して詳しく説明される。下位レベルデータトランスポートの設計方式は、専用のマッピング(dedicated mapping)方式と、一般ビットパイプ(generic bit pipe)方式の2つの方式に大別される。一般ビットパイプ方式は、アプリケーションアグノスティック(application-agnostic)データ送信を提供し、認証以外にも今後他のアプリケーションのためにも使用できるという長所がある。
【0368】
一般ビットパイプ基盤の下位レベルデータトランスポートのための設計要件は、i)上位レベル(high level)と下位レベルとの間での相互作用(interaction)を最小化することと、ii)エラー回復(error-recovery)及び同期化された(synchronized)下位レベルデータトランスポートを保証することである。i)と関連して、上位レベルは、データストリームを符号化(encode)して下位レベルにプッシュし(push)(書き込み:write)、下位レベルから提供されるデータストリームを復号(decode)する(読み出し:read)。また、下位レベルは、複数の補助データトランスポート(auxiliary data transport:ADT)データパケットを利用してデータストリームを記録するか読み出す(write/read)。ii)と関連して、単純で強靭な(robust)通信エラー回復メカニズムは、無線電力送信装置又は受信装置がACKを受信するまでADTパケットを書き直す動作(re-write)と、通信エラーがない時までADTパケットを再読する動作(re-read)を含む。また、無線電力送信装置と受信装置との間のデータストリームの単純な同期化(synchronization)は、新しいADTデータパケットをトランスポートするとき、データパケットのヘッダをトグル(toggle)する動作を含む。
【0369】
図44は、一実施形態によるデータトランスポートを示す図である。
図44は、アップデートデータトランスポート(update data transport:UDT)である。
【0370】
図44に示すように、アップデートデータトランスポートはアップデートデータを運ぶために使用される。アップデートデータにはいくつかのデータパケットが含まれる。例えば、アップデートデータは、制御エラーパケット(CEP)、ACK又はNACKを選択的に含む受信電力パケット(RPP)、補助データトランスポート(ADT)、充電状態パケット(charge status packet:CSP)、プロプライエタリパケット(proprietary packet)、ACK又はNACKを選択的に含む再ネゴシエーション(renegotiation:RNG)パケット、予備パケット(無線電力送信装置は予備ビットに弾力的(resilient)でなければならない)を含むことができる。
【0371】
ADTは、上位レベルアプリケーションのための下位レベルデータパケット又はトランスポートであり、無線電力送信装置の性能パケットと同じ論理層パケットを含む。
【0372】
図45は、他の実施形態によるデータトランスポートを示す図である。
図45は、補助データトランスポート(ADT)である。
【0373】
図45に示すように、ADTは、無線電力受信装置に関するADT(ADT_PRx)と、無線電力送信装置に関するADT(ADT_PTx)を含む。
【0374】
無線電力受信装置に関するADTは、無線電力受信装置からのデータ又は応答(例えば、ACK、NACK、RFA)パケット又は制御パケットを運ぶ。
【0375】
無線電力送信装置に関するADTは、無線電力送信装置からのデータ又は応答(例えば、ACK、NACK、RFA)パケット又は制御パケット又はACK/NACK/RFAビットパターン応答を運ぶ。
【0376】
一例として、ADTパケットのヘッダは、上位レベルアプリケーションのための下位レベルデータパケット(例えば、無線電力受信装置の下位レベルデータパケット又は無線電力送信装置の下位レベルデータパケット)を示すことができる。上位レベルアプリケーションは、例えば、認証手順、プロプライエタリ情報の交換(proprietary information exchange)、ファームウェアアップデート、無線電力送信装置の電力性能制御(capabilities control)を含むことができる。
【0377】
他の例として、ADTパケットのヘッダは、論理層データパケット(例えば、無線電力受信装置のパケット又は無線電力送信装置のパケット)を示すことができる。また他の例として、ADTパケットのヘッダは、制御パケットを含むことができる。
【0378】
また他の例として、ADTパケットのヘッダは、ADTデータパケットを示すことができるが、この場合、ADTデータパケットのヘッダは、複数タイプのヘッダ(例えば、ヘッダAとヘッダB、このように2つのタイプのヘッダ)を含むことができる。新しいADTデータパケットが送信される度にADTデータパケットのヘッダがA→B又はB→Aにトグルされることにより、データストリームの同期化が達成できる。
【0379】
また他の例として、ADTパケットのヘッダは、ADT制御パケットを示すことができるが、この場合、ADTパケットのヘッダは、単一タイプのヘッダを含むことができる。
【0380】
以下では、下位レベルデータトランスポートとしてのADTパケット構造について開示される。前述したように、ADTは無線電力受信装置に関するADT(ADT_PRx)と無線電力送信装置に関するADT(ADT_PTx)の対(pair)で構成され、まず無線電力受信装置に関するADT(ADT_PRx)について開始される。
【0381】
図46は、一実施形態による無線電力受信装置に関するADTデータパケット(ADT_PRx Data Packet)の構造である。
【0382】
図46に示すように、ADTデータパケットは、例えば、(n+1)バイトのペイロード(payload)を含み、各ペイロードは、複数ヘッダタイプのいずれか1つに対応することができる。表10は、ADTデータパケットのペイロードサイズ(n=15の場合、最大16バイト)とヘッダの対応関係を示す。
【0383】
【0384】
表10を参照すると、特定バイトのペイロードがADTデータパケットに含まれて送信される場合、ヘッダA又はヘッダBが使用されることができる。ペイロードのサイズは、1バイトから16バイトになり得る。無線電力受信装置と無線電力送信装置は、新しいADTデータパケットを送信する時と、直前のADTデータパケットを再送信する時のヘッダ値のパターンを特定するように約束することにより相互間の同期化を図ることができる。例えば、無線電力受信装置が1バイトペイロードをADTデータパケットで送信する状況において、無線電力受信装置は、新しいADTデータパケットを送信するときは、ヘッダ値をヘッダA(=0x1C)からB(=0x1D)に、又はB(=0x1D)からA(=0x1C)にトグルさせ、直前のADTデータパケットを再送信するときは、直前のヘッダ値をそのまま維持することができる。直前のADTデータパケットを再送信する状況は、無線電力受信装置が無線電力送信装置からNACK応答を受信するか、無線電力受信装置が無線電力送信装置の復号エラーを発見したときであり得る。
【0385】
図47は、一実施形態による無線電力受信装置に関するADT応答パケット(ADT_PRx Response Packet)の構造である。
【0386】
図47に示すように、無線電力受信装置に関するADT応答パケットは、例えば、1バイトであって、その値は、ACK、NACK、RFAを示すことができる。表11は、ADT応答パケットのペイロード値とその指示内容の対応関係を示す。
【0387】
【0388】
表11において、ペイロード値が‘11111111’bであると、直前のADTで無線電力送信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力受信装置が成功して復号したことを示す(ACK)。ペイロード値が‘00000000’bであると、直前のADTにおいて無線電力送信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力受信装置が成功しなかったか、復号できなかったことを示す(NACK)。この場合、無線電力送信装置は、現在のADTで直前のADTデータパケットを再送信し、このとき、ADTデータパケットのヘッダは、直前のデータパケットの再送信に対応する値を有する(例えば、0x1C)。ペイロード値が‘00110011’bであると、無線電力受信装置が無線電力送信装置に応答データを送信するように要求したことを示す(RFA)。表11において、ペイロード値とその指示内容は例示に過ぎず、各指示内容に対応するペイロード値はいくらでも異なる値が使用されることができ、これらも本発明の技術的範囲に該当する。
【0389】
一方、無線電力受信装置に関するADT制御パケットの構造は、
図47によるADTパケット構造と同一であり得る。
【0390】
図48は、一実施形態による無線電力受信装置に関するADT制御パケット(ADT_PRx Control Packet)の構造である。
【0391】
図48に示すように、無線電力受信装置に関するADT制御パケットは、例えば、1バイトであって、その値は、ACK、NACK、SOD、EODを示すことができる。表12は、ADT制御パケットのペイロード値とその指示内容の対応関係を示す。
【0392】
【0393】
表12において、ペイロード値が‘11111111’bであると、直前のADTで無線電力送信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力受信装置が成功して復号したことを示す(ACK)。ペイロード値が‘00000000’bであると、直前のADTで無線電力送信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力受信装置が成功しなかったか、復号できなかったことを示す(NACK)。この場合、無線電力送信装置は、現在のADTで直前のADTデータパケットを再送信し、このとき、ADTデータパケットのヘッダは、直前のデータパケットの再送信に対応する値を有する(例えば、0x1C)。ペイロード値が‘00110011’bであると、ADTデータストリームの開始を要求したことを示す(SOD)。ペイロード値が‘11001100’bであると、ADTデータストリームの終了を示す(EOD)。
【0394】
表12において、ペイロード値とその指示内容は例示に過ぎず、各指示内容に対応するペイロード値はいくらでも異なる値が使用されることができ、これらも本発明の技術的範囲に該当する。
【0395】
以下では、無線電力送信装置に関するADT(ADT_PTx)について開示される。
【0396】
図49は、一実施形態による無線電力送信装置に関するADTデータパケット(ADT_PTx Data Packet)の構造である。
【0397】
図49に示すように、ADTデータパケットは、例えば、(n+1)バイトのペイロードを含み、各ペイロードは、複数のヘッダタイプのいずれか1つに対応することができる。表13は、ADTデータパケットのペイロードサイズ(n=3の場合、最大4バイト)とヘッダの対応関係を示す。
【0398】
【0399】
表13を参照すると、特定バイトのペイロードがADTデータパケットに含まれて送信される場合、ヘッダA又はヘッダBが使用されることができる。ペイロードのサイズは、1バイトから4バイトであり得る。無線電力送信装置と無線電力受信装置は、新しいADTデータパケットを送信するときと、直前のADTデータパケットを再送信するときのヘッダ値のパターンを特定するように約束することにより相互間の同期化を図ることができる。例えば、無線電力送信装置が1バイトペイロードをADTデータパケットで送信する状況において、無線電力送信装置は、新しいADTデータパケットを送信するときは、ヘッダ値をヘッダA(=0x1C)からB(=0x1D)に、又はB(=0x1D)からA(=0x1C)にトグルさせ、直前のADTデータパケットを再送信するときは、直前のヘッダ値をそのまま維持することができる。直前のADTデータパケットを再送信する状況は、無線電力送信装置が無線電力受信装置からNACK応答を受信するか、無線電力送信装置が無線電力受信装置の復号エラーを発見したときであり得る。
【0400】
図50は、一実施形態による無線電力送信装置に関するADT応答パケット(ADT_PTx Response Packet)の構造である。
【0401】
図50に示すように、無線電力送信装置に関するADT応答パケットは、例えば、1バイトであって、その値は、ACK、NACK、RFAを示すことができる。表14は、ADT応答パケットのペイロード値とその指示内容の対応関係を示す。
【0402】
【0403】
表14において、ペイロード値が‘11111111’bであると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功して復号したことを示す(ACK)。ペイロード値が‘00000000’bであると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功しなかったか、復号できなかったことを示す(NACK)。この場合、無線電力受信装置は、現在のADTで直前のADTデータパケットを再送信し、このとき、ADTデータパケットのヘッダは、直前のデータパケットの再送信に対応する値を有する(例えば、0x1C)。ペイロード値が‘00110011’bであると、無線電力送信装置が無線電力受信装置に応答データを送信するように要求したことを示す(RFA)。表14においてペイロード値とその指示内容は例示に過ぎず、各指示内容に対応するペイロード値はいくらでも異なる値が使用されることができ、これらも本発明の技術的範囲に該当する。
【0404】
図51は、一実施形態による無線電力送信装置に関するADT応答/制御パケット(ADT_PTx Response/Control Packet)の構造である。
【0405】
図51に示すように、無線電力送信装置に関するADT応答パケットは、例えば、1バイトであって、その値は、ACK、RFAを示すことができる。表15は、ADT応答パケットのペイロード値とその指示内容の対応関係を示す。
【0406】
【0407】
表15において、ペイロード値が‘11111111’bであると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功して復号したことを示す(ACK)。ペイロード値が‘00110011’bであると、無線電力送信装置が無線電力受信装置に応答データを送信するように要求したことを示す(RFA)。本実施形態によると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功しなかったか、復号できなかった場合、無線電力送信装置が別途の通信エラー信号(NACK)を送信しない。表15においてペイロード値とその指示内容は例示に過ぎず、各指示内容に対応するペイロード値はいくらでも異なる値が使用されることができ、これらも本発明の技術的範囲に該当する。
【0408】
図52は、一実施形態による無線電力送信装置に関するADT制御パケット(ADT_PTx Control Packet)の構造である。
【0409】
図52に示すように、無線電力送信装置に関するADT制御パケットは、例えば、1バイトであって、その値は、ACK、NACK、SOD、EODを示すことができる。表16は、ADT制御パケットのペイロード値とその指示内容の対応関係を示す。
【0410】
【0411】
表16において、ペイロード値が‘11111111’bであると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功して復号したことを示す(ACK)。ペイロード値が‘00000000’bであると、直前のADTで無線電力受信装置が送信したADTデータパケットの受信に無線電力送信装置が成功しなかったか、復号できなかったことを示す(NACK)。この場合、無線電力受信装置は、現在のADTで直前のADTデータパケットを再送信し、このとき、ADTデータパケットのヘッダは、直前のデータパケットの再送信に対応する値を有する(例えば、0x1C)。ペイロード値が‘00110011’bであると、ADTデータストリームの開始を要求したことを示す(SOD)。ペイロード値が‘11001100’bであると、ADTデータストリームの終了を示す(EOD)。表16においてペイロード値とその指示内容は例示に過ぎず、各指示内容に対応するペイロード値はいくらでも異なる値が使用されることができ、これらも本発明の技術的範囲に該当する。
【0412】
以下では、前述したADTのような下位レベルのデータトランスポート及びパケット構造に基づいて認証シーケンスを実現する実施形態を開示する。
【0413】
2)認証のための下位レベルのデータ交換シーケンス(ADT基盤)
【0414】
図53は、一実施形態によるADTデータパケット記録(write)に関する状態マシン(state mashine)を示すダイアグラムである。
【0415】
図53に示すように、送信側及び/又は受信側は、規則3によるデータストリームの同期化を
図53のように行う。すなわち、同期化のために新しいADTデータパケット[n]が送信される度にADTデータパケット[n]のヘッダがトグルされることができる。ADTパケットのヘッダは、ADTデータパケットを示すことができるが、この場合、ADTデータパケットのヘッダは、複数タイプのヘッダ(例えば、ヘッダAとヘッダB、このように2つのタイプのヘッダ)を含むことができる。新しいADTデータパケットの送信に成功する(ACK)度にADTデータパケットのヘッダがA→B又はB→Aにトグルされることにより、データストリームの同期化が達成されることができる。無線電力受信装置が無線電力送信装置からNACK応答を受信するか、無線電力受信装置が無線電力送信装置の復号エラーを発見したときは、直前のADTデータパケットを再送信し、この場合、直前のヘッダ値がそのまま維持される。
【0416】
2-1)無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証(Authentication of PTx by PRx)
【0417】
ADT基盤の下位レベルの認証シーケンスとして、まず、無線電力受信装置による無線電力送信装置の認証について説明される(PRx=Initiator/PTx=Responder)。
【0418】
図54は、一実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図ある。
【0419】
図54に示すように、H_AはAタイプヘッダを示し、H_bはBタイプヘッダを示す。無線電力受信装置(sender)において上位レベルの1番のデータが下位レベルに伝達されてヘッダAとともに無線電力送信装置に送信されると、無線電力送信装置の下位レベルは1番のデータを上位レベルに伝達する。1番のデータの受信に成功すると、無線電力送信装置は、1番のデータに対するACKを無線電力受信装置に送信する。無線電力受信装置は、新しい2番のデータを上位レベルから下位レベルに伝達した後、ヘッダBとともに無線電力送信装置に送信するが、このとき、無線電力送信装置が2番のデータの受信に失敗すると、NACKを無線電力受信装置に送信する。無線電力受信装置は、NACKを受信したので、これに対して2番のデータを直前のヘッダBとともに再送信する。このような方式で無線電力受信装置と無線電力送信装置は、同期を確保することができ、単純で強靭なエラー復旧及び同期化メカニズムを実現することができる。
【0420】
図55は、他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。ここで、無線電力受信装置は認証イニシエータであり、無線電力送信装置は認証応答者である。無線電力受信装置と送信装置との間のADTデータパケット交換は、前述された「(1)下位レベルの認証シーケンス」と「(2)下位レベルのデータ交換プロトコル」によって行われる。
【0421】
図55に示すように、無線電力受信装置は、上位レベルにおいてMバイトのCHALLENGEメッセージを生成して下位レベルに伝達し、下位レベルは、これをADTデータパケット(又は、トランスポート)に載せて無線電力送信装置に送信する。
【0422】
下位レベルの認証シーケンスに従ってCHALLENGEメッセージに関するADTデータパケットは数回にわたって送信されることができ、規則2(rule 2)に従ってADTデータパケットが数回にわたって送信される間、無線電力送信装置は、下位レベルから各次回のADTデータパケットに関するACK/NACKを無線電力受信装置に送信し、ADTデータパケットを上位レベルに伝達する。このような一連の過程を経て、CHALLENGEメッセージ(上位レベルの観点)又はCHALLENGEメッセージに関するADTデータパケット(下位レベルの観点)の送信が完了すると、無線電力受信装置は規則4(rule 4)に従って、CHALLENGEメッセージに関するADTデータパケットの終端にEODを付加して送信の完了を知らせる。
【0423】
一方、無線電力受信装置は、規則1(rule 1)に従って、スレーブの無線電力送信装置が送信するデータストリームがあるか否かを問い合わせる。このために、無線電力受信装置はSODを送信することができる。この場合、無線電力受信装置は、無線電力送信装置がデータパケットで応答するまで、又はタイムアウトが発生するまでSODを繰り返して送信することができる。無線電力送信装置がSODを受信すると、無線電力送信装置は、上位レベルにおいてNバイトのCHALLENGE_AUTH_RESPONSEを生成して下位レベルに伝達し、下位レベルは、これをADTデータパケット(又は、トランスポート)に載せて無線電力受信装置に送信する。
【0424】
下位レベルの認証シーケンスに従って、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケットは数回にわたって送信されることができ、規則2(rule 2)に従ってADTデータパケットが数回にわたって送信される間、無線電力受信装置は下位レベルから各回次のADTデータパケットに関するACK/NACKを無線電力送信装置に送信し、ADTデータパケットを上位レベルに伝達する。このような一連の過程を経て、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージ(上位レベルの観点)又はCHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケット(下位レベルの観点)の送信が完了すると、無線電力送信装置は、規則4(rule 4)に従って、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケットの終端にEODを付加して送信の完了を知らせる。
【0425】
図56は、また他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力受信装置と無線電力送信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【0426】
図56の実施形態は、ADTデータパケットを送信する度に規則4によるSODとEODの付加を厳格に守りながら、規則1による問合せ(又は、ポーリング)のためにSODの代わりに一般の要求パケット(GRP)を使用する点で
図55の実施形態と異なる。
【0427】
図57は、一実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【0428】
図57に示すように、認証メッセージのためのビットストリーム(例えば、35バイト)が用意されると、無線電力受信装置は、ヘッダ(例えば、1バイト)とペイロード(例えば、34バイト)で構成されるADTデータパケットを下位レベルに送信する。ここで、認証メッセージは、例えば、無線電力受信装置から送信装置に送信されるCHALLENGEメッセージであり得る。
【0429】
ADTデータパケットは16バイトまで送信可能であるので、35バイトの認証メッセージは、16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、そして3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2))に分割されて送信される。
【0430】
まず、1番目のラインにおいて、無線電力受信装置は、第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))の送信に成功してからACKを受信するが、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の送信には失敗してNACKを受信する。以降、2番目のラインにおいて、無線電力受信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))を再送信するが、これに対する応答(ACK又はNACK)の受信に失敗して、NACKを送信する。これに対して、無線電力送信装置がACKで応答すると、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の再送信が成功したことが確認されるので、無線電力受信装置は、残った3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))の送信に成功してからACKを受信する。これに対して、無線電力受信装置は、EODの送信に成功してACKを受信することにより、認証メッセージの送信を終了する。
【0431】
図58は、他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図58の実施形態は、無線電力受信装置がトータル35バイトの認証メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、そして3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)し、ADTデータパケットの再送信を行うときには以前に使用したヘッダを同様に使用(
図58ではヘッダB)することにより単純化された同期化を行い、再送信を指示する点で
図57の実施形態と異なる。
【0432】
図59は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図59の実施形態は、無線電力受信装置がトータル35バイトの認証メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、そして3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)する点で
図58の実施形態とは同一であるが、ADTデータパケットの送信開始時にSODを付加する点で
図58の実施形態とは異なる。
【0433】
図60は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図60の実施形態は、無線電力受信装置がトータル35バイトの認証メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、そして3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))に分割して送信することにおいて、第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))の送信に失敗したとき、ヘッダがトグルされてはならないにもかかわらず、ヘッダがトグルされた状態で第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))の再送信が発生する点で
図58の実施形態と異なる。ここで、無線電力送信装置のADT応答パケットの代わりにビットパターン応答が使用されることができ、これにより、ADT交換時間が減少することができる。
【0434】
図61は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図61の実施形態は、無線電力受信装置がトータル35バイトの認証メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、そして3バイトの第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))に分割して送信することにおいて、第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の送信は成功するが、第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2)))に対して何の応答もなくて送信に失敗するシナリオを説明している。
【0435】
図62は、一実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【0436】
図62に示すように、認証応答メッセージのためのビットストリーム(例えば、99バイト)が用意される。認証応答メッセージは、例えば、無線電力送信装置から受信装置に送信されるCHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージであり得る。
【0437】
PTx→PRx方向の通信プロトコル(例えば、FSK)を使用する場合、ADTデータパケットは4バイトまで送信できるので、99バイトの認証応答メッセージは、4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第23ADTデータパケット(ADT_PTx(23))、3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))に分割されて送信される。
【0438】
まず、無線電力受信装置がポーリングのためにSODを無線電力送信装置に送信すると、無線電力送信装置は、第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))の送信に成功してからACKを受信する。しかしながら、無線電力送信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の送信には失敗してNACKを受信する。以降、無線電力送信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))を再送信するが、これに対するACKの受信に失敗してNACKを送信する。これに対して、無線電力受信装置がACKで応答すると、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の再送信が成功したことが確認されるので、無線電力送信装置は第2ADTデータパケット(ADT_PTx(2))を送信する。このようなADTパケットの送信シーケンスを繰り返した後、無線電力送信装置は、最後に残った3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))の送信に成功してからACKを受信する。これに対して、無線電力送信装置はEODの送信に成功してACKを受信することにより、認証応答メッセージの送信を終了する。
【0439】
図63は、他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図63の実施形態は、無線電力送信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第23ADTデータパケット(ADT_PTx(23))、3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)し、第1ADTデータパケットの再送信を行うときには以前に使用したヘッダを同様に使用(
図62ではヘッダB)することにより単純化された同期化を行い、再送信を指示する点で
図62の実施形態と異なる。
【0440】
図64は、また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図64の実施形態は、無線電力送信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第23ADTデータパケット(ADT_PTx(23))、3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)する点で
図63の実施形態とは同一であるが、無線電力受信装置が無線電力送信装置をポーリングするのにGRPを使用し、これに対して、無線電力送信装置がSODで応答することによりADTデータパケットの送信が開始される点で
図63の実施形態と異なる。
【0441】
図65は、また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図65の実施形態は、無線電力送信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第23ADTデータパケット(ADT_PTx(23))、3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))に分割して送信することにおいて、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の送信に失敗したときにヘッダがトグルされてはならないにもかかわらず、ヘッダがトグルされた状態で第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の再送信が発生する点で
図64の実施形態と異なる。
【0442】
図66は、また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図66の実施形態は、無線電力送信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第23ADTデータパケット(ADT_PTx(23))、3バイトの第24ADTデータパケット(ADT_PTx(24))に分割して送信することにおいて、第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))の送信は成功するが、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))に対して何の応答もなくて送信に失敗するシナリオを説明している。
【0443】
2-2)無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証(Authentication of PRx by PTx)
【0444】
ADT基盤の下位レベルの認証シーケンスとして、無線電力送信装置による無線電力受信装置の認証について説明される(PTx=Initiator/PRx=Responder)。規則1に従うとき、無線電力送信装置はスレーブであるので、無線電力受信装置は無線電力送信装置の性能パケット内のAIビットに基づいて無線電力送信装置が認証イニシエータとして動作することが確認されると、無線電力送信装置にADTを提供しなければならない。
【0445】
図67は、一実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力送信装置と無線電力受信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。ここで、無線電力送信装置は認証イニシエータであり、無線電力受信装置は認証応答者である。無線電力送信装置と受信装置との間のADTデータパケット交換は、前述された「(1)下位レベルの認証シーケンス」と「(2)下位レベルのデータ交換プロトコル」により行われる。
【0446】
図67に示すように、無線電力送信装置は、無線電力受信装置により提供されるSODによりポーリングされて、上位レベルでMバイトのCHALLENGEメッセージを生成して下位レベルに伝達し、下位レベルはこれをADTデータパケット(又は、トランスポート)に載せて無線電力受信装置に送信する。この場合、無線電力受信装置は、無線電力送信装置がADTデータパケットで応答するまで、又はタイムアウトが発生するまでSODを繰り返して送信することができる。
【0447】
下位レベルの認証シーケンスに従ってCHALLENGEメッセージに関するADTデータパケットは数回にわたって送信されることができ、規則2(rule 2)に従ってADTデータパケットが数回にわたって送信される間、無線電力受信装置は下位レベルから各回次のADTデータパケットに関するACK/NACKを無線電力送信装置に送信し、ADTデータパケットを上位レベルに伝達する。このような一連の過程を経て、CHALLENGEメッセージ(上位レベルの観点)又はCHALLENGEメッセージに関するADTデータパケット(下位レベルの観点)の送信が完了すると、無線電力送信装置は規則4(rule 4)に従って、CHALLENGEメッセージに関するADTデータパケットの終端にEODを付加して送信の完了を知らせる。
【0448】
一方、無線電力受信装置は、規則1(rule 1)に従ってマスターで動作するため、自分が送信するCHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに対して別途のポーリングなしに上位レベルでNバイトのCHALLENGEメッセージを生成して下位レベルに伝達し、下位レベルはこれをADTデータパケット(又は、トランスポート)に載せて無線電力送信装置に送信する。
【0449】
下位レベルの認証シーケンスに従ってCHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケットは数回にわたって送信されることができ、規則2(rule 2)に従ってADTデータパケットが数回にわたって送信される間、無線電力送信装置は下位レベルから各回次のADTデータパケットに関するACK/NACKを無線電力受信装置に送信し、ADTデータパケットを上位レベルに伝達する。このような一連の過程を経て、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージ(上位レベルの観点)又はCHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケット(下位レベルの観点)の送信が完了すると、無線電力受信装置は、規則4(rule 4)に従って、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージに関するADTデータパケットの終端にEODを付加して送信の完了を知らせる。
【0450】
図68は、他の実施形態によるADTデータパケットの交換のとき、無線電力送信装置と無線電力受信装置の上位レベルと下位レベルの送信シーケンスを説明する図である。
【0451】
図68の実施形態は、ADTデータパケットを送信する度に規則4によるSODとEODの付加を厳格に守りながら、規則1による問合せ(又は、ポーリング)のために無線電力受信装置がSODの代わりに一般の要求パケット(GRP)を使用する点で
図67の実施形態と異なる。
【0452】
図69は、一実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【0453】
図69に示すように、認証要求メッセージのためのビットストリーム(例えば、35バイト)が用意されると、無線電力送信装置は、ヘッダ(例えば、1バイト)とペイロード(例えば、34バイト)で構成されるADTデータパケットを下位レベルから送信するために待機する。ここで、認証要求メッセージは、例えば、CHALLENGEメッセージであり得る。
【0454】
このとき、無線電力受信装置は、無線電力送信装置から送信されるデータがあるか否かを確認するためのポーリング作業を行い、その一環として無線電力受信装置は無線電力送信装置が応答するまで、又はタイムアウトが発生するまで繰り返してSODを送信する。
【0455】
SODにより無線電力送信装置に認証要求メッセージを送信する機会が与えられると、無線電力送信装置はADTデータパケットの送信を開始する。PTx→PRx方向への通信プロトコル(FSK)を使用するとき、ADTデータパケットは4バイトまで送信できるので、35バイトの認証メッセージは、4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第7ADTデータパケット(ADT_PTx(7))、3バイトの第8ADTにイーターパケット(ADT_PTx(8))に分割されて送信される。
【0456】
まず、無線電力送信装置は、第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))の送信に成功してからACKを受信するが、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の送信には失敗してNACKを受信する。以降、無線電力送信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))を再送信するが、これに対するACK応答の受信に失敗して、NACKを送信する。これに対して、無線電力受信装置がACKで応答すると、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の再送信が成功したことが確認されるので、無線電力送信装置は次の第2ADTデータパケット(ADT_PTx(2))を送信する。最後のADTデータパケットまで全て送信が完了すると、これに対して、無線電力送信装置はEODの送信に成功し、ACKを受信することにより、認証要求メッセージの送信を終了する。
【0457】
図70は、他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図70の実施形態は、無線電力送信装置がトータル35バイトの認証要求メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第7ADTデータパケット(ADT_PTx(7))、3バイトの第8ADTデータパケット(ADT_PTx(8))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)し、ADTデータパケットの再送信を行うときには以前に使用したヘッダを同様に使用(
図58ではヘッダB)することにより単純化された同期化を行い、再送信を指示する点で
図70の実施形態と異なる。
【0458】
図71は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図71の実施形態は、無線電力送信装置がトータル35バイトの認証要求メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第7ADTデータパケット(ADT_PTx(7))、3バイトの第8ADTデータパケット(ADT_PTx(8))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)する点で
図70の実施形態とは同一であるが、無線電力受信装置が無線電力送信装置をポーリングするのにGRPを使用し、これに対して無線電力送信装置がSODで応答することによりADTデータパケットの送信が開始される点で
図70の実施形態と異なる。
【0459】
図72は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図72の実施形態は、無線電力送信装置がトータル35バイトの認証要求メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第7ADTデータパケット(ADT_PTx(7))、3バイトの第8ADTデータパケット(ADT_PTx(8))に分割して送信することにおいて、無線電力送信装置がモード0でRPPを送信し、RFAビットパターンを送信することにより、ADTデータパケットの送信機会を取得する点で
図71の実施形態と異なる。また、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の送信に失敗したとき、ヘッダがトグルされてはならないにもかかわらず、ヘッダがトグルされた状態で第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))の再送信が発生する点でも
図71の実施形態と異なる。
【0460】
図73は、また他の実施形態による認証要求メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図73の実施形態は、無線電力送信装置がトータル35バイトの認証要求メッセージを4バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))、4バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))、...、4バイトの第7ADTデータパケット(ADT_PTx(7))、3バイトの第8ADTデータパケット(ADT_PTx(8))に分割して送信することにおいて、第0ADTデータパケット(ADT_PTx(0))の送信は成功するが、第1ADTデータパケット(ADT_PTx(1))に対して何の応答もなくて、送信に失敗するシナリオを説明している。
【0461】
図74は、一実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
【0462】
図74に示すように、認証応答メッセージのためのビットストリーム(例えば、99バイト)が用意されると、無線電力受信装置は、ヘッダ(例えば、1バイト)とペイロード(例えば、34バイト)で構成されるADTデータパケットを下位レベルから送信する。ここで、認証応答メッセージは、例えば、CHALLENGE_AUTH_RESPONSEメッセージであり得る。
【0463】
無線電力受信装置は、第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))の送信に成功してからACKを受信する。しかしながら、無線電力受信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の送信には失敗してNACKを受信する。以降、無線電力受信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))を再送信するが、これに対するACKの受信に失敗してNACKを送信する。これに対して無線電力送信装置がACKで応答すると、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の再送信が成功したことが確認されるので、無線電力受信値は第2ADTデータパケット(ADT_PRx(2))を送信する。このようなADTパケットの送信シーケンスを繰り返した後、無線電力送信装置は、最後に残ったADTデータパケット(ADT_PRx)の送信に成功してからACKを受信する。これに対して無線電力受信装置はEODの送信に成功してACKを受信することにより、認証応答メッセージの送信を終了する。
【0464】
図75は、他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図75の実施形態は、無線電力受信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、...、16バイトの第5ADTデータパケット(ADT_PRx(5))、3バイトの第6ADTデータパケット(ADT_PRx(6))に分割して送信することにおいて、各ADTデータパケットのヘッダを規則3に従ってトグル(ヘッダA<->ヘッダB)し、第1ADTデータパケットの再送を行うときには以前に使用したヘッダを同様に使用(
図75ではヘッダB)することにより単純化された同期化を行い、再送信を指示する点で
図75の実施形態と異なる。
【0465】
図76は、また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図76の実施形態は、無線電力受信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、...、16バイトの第5ADTデータパケット(ADT_PRx(5))、3バイトの第6ADTデータパケット(ADT_PRx(6))に分割して送信することにおいて、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の送信に失敗したときにヘッダがトグルされてはならないにもかかわらず、ヘッダがトグルされた状態で第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の再送信が発生する点で
図75の実施形態と異なる。
【0466】
図77は、また他の実施形態による認証応答メッセージに関するADTデータパケットの交換シーケンスを説明する図である。
図77の実施形態は、無線電力受信装置がトータル99バイトの認証応答メッセージを16バイトの第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))、16バイトの第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))、...、16バイトの第5ADTデータパケット(ADT_PRx(5))、3バイトの第6ADTデータパケット(ADT_PRx(6))に分割して送信することにおいて、第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))の送信は成功するが、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))に対して何の応答もなくて、送信に失敗するシナリオを説明している。
【0467】
2-3)無線電力送信装置と無線電力受信装置との間の相互同時認証(Concurrent Authentication between PRx and PTx)
【0468】
無線電力送信装置と無線電力受信装置が両方とも認証イニシエータとして動作を同時に行うことができる。
【0469】
一例として、無線電力送信装置は、無線電力受信装置から受信するパケットに対してACKを含むADTの代わりに認証関連パケットを含むADTを送信することができる。この場合、無線電力受信装置は、認証関連パケットを含むADTを受信することにより、黙示的にACKを受信したとみなして次の動作を行うことができる。すなわち、無線電力送信装置がデータ(認証関連パケット)を含むADTを送信すると、無線電力受信装置は、ACKの代わりにデータADTを受信しても直前に自分が無線電力送信装置に送信したADTデータの送信が成功したと判断することができる。ただ、無線電力送信装置は、直前に無線電力受信装置から受信したADTデータに通信エラーが発生する場合、NACKを送信することができる。もちろん、前記認証関連パケットを含むADTはACKをさらに含むこともできる。
【0470】
他の例として、無線電力受信装置は、無線電力送信装置から受信するパケットに対してACKを含むADTの代わりに認証関連パケットを含むADTを送信することができる。この場合、無線電力送信装置は、認証関連パケットを含むADTを受信することにより、黙示的にACKを受信したとみなして次の動作を行うことができる。すなわち、無線電力受信装置がデータ(認証関連パケット)を含むADTを送信すると、無線電力送信装置は、ACKの代わりにデータADTを受信しても直前に自分が無線電力受信装置に送信したADTデータの送信が成功したと判断することができる。もちろん、前記認証関連パケットを含むADTはACKをさらに含むこともできる。
【0471】
2-4)無線電力送信装置による通信開始プロトコル
【0472】
規則1に基づいて無線電力送信装置がスレーブで動作する間、無線電力受信装置は規則的なポーリングを行うことにより無線電力送信装置により開始される通信(PTx initiated communication)の機会を提供することができる。この場合、無線電力送信装置の通信開始は無線電力受信装置への依存度が高い。無線電力受信装置は、規則的に無線電力送信装置をポーリング(poll)することにより無線電力送信装置が送信するパケットを有しているかを確認することができる。この場合、
図78のようにGRPが使用されることができる。
図78に示すように、例えば、無線電力受信装置は、一般要求パケットを「0xFF」又は「00」又は「FF」に設定することにより、ポーリングを行うことができる。もし、無線電力送信装置が「0xFF」又は「00」又は「FF」に設定されたGRPを受信すると、無線電力送信装置は自分が送信しようとするいかなる種類のパケットも送信できる状態になる。
【0473】
一方、無線電力送信装置により開始される通信の機会をもっと保証するための他の案として、無線電力送信装置は、無線電力受信装置のRPP(モード‘100’bを除く)に対する応答として通信を行うための要求(request for communication:RFC)ビットパターンを送信することができる。無線電力受信装置がRFC応答を受信すると、無線電力受信装置は、自分に適当なタイミングにGRPを利用して無線電力送信装置をポーリングする。無線電力受信装置は、無線電力送信装置が管理するターゲット電力(target power)の値が変わる時点を正確にわからないのに、無線電力送信装置のRFC応答により無線電力送信装置が所望する通信開始時点を比較的良好に保証することができる。
【0474】
特に、RFCの応答期限ポーリングは、無線電力送信装置により開始される電力管理(PTx-initiated power management)に使用されることができる。無線電力送信装置により開始される電力管理により、無線電力送信装置は、現在周辺の充電条件を考慮してターゲット電力を変更(増加又は減少)することができる。
【0475】
図79は、一実施形態による無線電力送信装置により開始される電力管理に関する送信シーケンスである。
【0476】
図79に示すように、無線電力送信装置は、無線電力受信装置のRPP(mode 0)に対する応答としてRFC応答(ビットパターン)を含むアラーム(alert)を無線電力受信装置に送信する。無線電力受信装置は、要求値が「0xFF」に設定されたGRPを無線電力送信装置に送信する。以降、無線電力送信装置は、ターゲット電力パケットを無線電力受信装置に送信する。無線電力受信装置は変更されたターゲット電力によって動作モードを調整することができる。
【0477】
6.認証手順に関連したアプリケーション
【0478】
認証機能は、ユーザによりOn/Offに設定される。例えば、スマートフォンは、アプリケーションにより認証機能の活性化/非活性化をユーザに表示し、ユーザから活性化(ON)又は非活性化(OFF)に関する選択情報が入力されることにより認証機能を活性化又は非活性化することができる。
【0479】
無線電力送信及び受信装置は、非常に便利なユーザの経験とインタフェース(UX/UI)を提供することができる。すなわち、スマート無線充電サービスが提供されることができる、スマート無線充電サービスは、無線電力送信装置を含むスマートフォンのUX/UIに基づいて実現されることができる。このようなアプリケーションのために、スマートフォンのプロセッサと無線充電受信装置との間のインタフェースは、無線電力送信装置と受信装置との間の「ドロップアンドプレイ(drop and play)」双方向通信を許容する。
【0480】
一例として、ユーザは、ホテルでスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザがホテルの部屋に入って部屋内の無線充電器の上にスマートフォンを置くと、無線充電器は、スマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置することを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせる状態に進入する。このために、スマートフォンは、アラーム音を含むか、又は含まない形態でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Welcome to ### hotel.Select "Yes" to activate smart charging functions : Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、スマート充電機能を行う。
【0481】
スマート無線充電サービスは、またWiFi資格(wifi credentials)自動入力(auto-filled)を受信することを含むことができる。例えば、無線充電器は、WiFi資格をスマートフォンに送信し、スマートフォンは、適切なアプリを実行して無線充電器から受信されたWiFi資格を自動的に入力する。
【0482】
スマート無線充電サービスは、またホテルプロモーションを提供するホテルアプリケーションを実行するか、遠隔チェックイン/チェックアウト及びコンタクト情報を取得することを含むことができる。
【0483】
他の例として、ユーザは、車両内でスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザが車両に乗ってスマートフォンを無線充電器上に置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。このような過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置されることを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに身元(identity)の確認を問い合わせる状態に進入する。
【0484】
この状態で、スマートフォンは、WiFi及び/又はブルートゥースを介して自動的に自動車と接続される。スマートフォンは、アラーム音を含むか、又は含まない形態でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Welcome to your car. Select "Yes" to synch device with in-car controls : Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、車両内アプリケーション/ディスプレイソフトウェアを駆動することにより、車両内スマート制御機能を共に行うことができる。ユーザは、所望する音楽を楽しむことができ、正規のマップの位置を確認することができる。車両内アプリケーション/ディスプレイソフトウェアは、通行者のための同期化接近を提供する性能を含むことができる。
【0485】
また他の例として、ユーザは、スマート無線充電を宅内で経験することができる。ユーザが部屋に入って部屋内の無線充電器の上にスマートフォンを置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置されることを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせる状態に進入する。このために、スマートフォンはアラーム音を含むか、又は含まない形態でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Hi xxx, Would you like to activate night mode and secure the building? : Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。スマートフォンと無線充電器は、少なくともユーザのパターンを認知し、ユーザにドアと窓を閉めるか、火を消すか、アラームを設定するように勧めることができる。
【0486】
前述した本発明の実施形態による無線電力送信方法及び装置、又は受信装置及び方法は、全ての構成要素又は段階が必須なものではないので、無線電力送信装置及び方法、又は受信装置及び方法は、前述した構成要素又は段階の一部又は全部を含んで行うことができる。また、前述した無線電力送信装置及び方法、又は受信装置及び方法の実施形態は互いに組み合わされて行われることもできる。また、前述した各構成要素又は段階は、必ず説明した手順どおりに行わなければならないのではなく、後に説明された段階が先に説明された段階に先立って行われることも可能である。
【0487】
以上の説明は、本発明の技術的思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。従って、以上で説明した本発明の実施形態は互いに別個に又は組み合わされて実現されることも可能である。
【0488】
従って、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術的思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。