(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】自動アンカー挿入システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20240426BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20240426BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A61B17/17
A61B17/04
A61B17/16
(21)【出願番号】P 2021577180
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2020040685
(87)【国際公開番号】W WO2021003382
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-01-14
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルナンデス アラン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ブレスリッチ グレイディ
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155094(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0274695(US,A1)
【文献】特表2020-522328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/03
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動アンカー挿入システムであって、
第一の端部および第二の端部を有する本体と、
前記本体の前記第一の端部から延在する入力シャフト、および前記本体の前記第二の端部から延在するガイドチューブと、
前記本体内の第一のドライブシャフト陥凹部および第二のドライブシャフト陥凹部と、 前記入力シャフト内で移動可能なドリルドライブシャフトであって、第一の構成では、前記入力シャフトおよび前記ドリルドライブシャフトが、前記第一のドライブシャフト陥凹部を通って一緒に遠位に移動し、第二の構成では、前記ドリルドライブシャフトが、前記入力シャフトに対して近位に移動する、ドリルドライブシャフトと、
前記第二のドライブシャフト陥凹部内で移動可能なインサータドライブシャフトと、を備える、
自動アンカー挿入システム。
【請求項2】
前記入力シャフトの遠位端に接続されたギアをさらに備え、前記第二の構成では、前記ギアが前記第一のドライブシャフト陥凹部内のねじ山と嵌合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記入力シャフトを通って延在するピンガイドをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ピンガイド内で移動可能な前記ドリルドライブシャフトの特徴をさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第三の構成では、前記ドリルドライブシャフトの移動により前記インサータドライブシャフトが移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第三の構成では、前記ドリルドライブシャフトが第一のギアに接続され、前記インサータドライブシャフトが第二のギアを通って延在し、前記第一のギアの回転が前記第二のギアを回転する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第四の構成では、前記インサータドライブシャフトが前記第二のギア内になく、前記第一のギアの回転に応答して移動しない、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドリルドライブシャフトを前記第一のギアに接続するように構成される、前記ドリルドライブシャフトの遠位端に接続された特徴をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記インサータドライブシャフトが、近位端において前記第二のギアの正方形ドライブおよびねじ山を通って延在するようにサイズ設定および構成される遠位四角形部分を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記入力シャフトを通って延在するピンガイドをさらに備え、前記ドリルドライブシャフトの特徴が前記ピンガイド内で移動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記ガイドチューブが分岐され、前記第一のドライブシャフト陥凹部内に延在する第一のガイドチューブと、前記第二のドライブシャフト陥凹部内に延在する第二のガイドチューブとを有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
自動アンカー挿入システムの作動方法であって、
第一の端部および第二の端部を有する本体、前記本体の前記第一の端部から延在する入力シャフトおよび前記本体の前記第二の端部から延在するガイドチューブ、前記本体内の第一のドライブシャフト陥凹部および第二のドライブシャフト陥凹部、前記入力シャフト内で移動可能であって、ドリルビットに接続された、ドリルドライブシャフト、および前記第二のドライブシャフト陥凹部内で移動可能であって、アンカードライバーに接続された、インサータドライブシャフト、を提供する工程と、
前記入力シャフト
の駆動によって、前記入力シャフトおよび前記ドリルドライブシャフトを一緒に遠位方向に
移動させ、前記ドリルビットを前記ガイドチューブを通して延在させる工程と、
前記入力シャフト
の駆動によって、前記入力シャフトを前記第一のドライブシャフト陥凹部に接続
させる工程と、
前記入力シャフトの駆動によって、前記ドリルドライブシャフトを独立して近位方向に移動させ、前記ドリルビットを収縮させる工程と、
前記ドリルビットの収縮によって、前記ドリルドライブシャフトの遠位端における特徴を前記第一のドライブシャフト陥凹部内の第一のギアに接続させる工程と、
前記第一のギアに対して前記第二のドライブシャフト陥凹部で係合する第二のギアが、前記第二のギアを通って延在する前記インサータドライブシャフトを有しており、前記特徴の回転によって、前記第一のギア及び前記第二のギアを回転させる工程と、
を含む、
自動アンカー挿入システムの作動方法。
【請求項13】
前記第二のギア
の回転
によって、前記インサータドライブシャフトを前記第二のギアを通して回転させ、前記アンカードライバーを前記ガイドチューブを通して遠位に移動させる工程をさらに含む、
請求項12に記載の自動アンカー挿入システムの作動方法。
【請求項14】
前記インサータドライブシャフトが前記第二のギアを完全に通ってこれを超えて延在するまで前記第二のギアの回転を続ける工程をさらに含む、
請求項13に記載の自動アンカー挿入システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年7月2日出願の「Automated Anchor Insertion System」と題された米国仮特許出願第62/869,718号の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、ドリルガイドおよびアンカードライバーに関し、より具体的には、自動アンカー挿入システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
多くの整形外科手術および医療手術は、一つの身体を別の身体へ固定することを必要とする。このような身体は、骨、軟組織、および義肢を含み得る。一つの身体は、ねじおよび縫合糸アンカー(例えば、カニューレ式の結び目無し縫合糸アンカー、および軟質全縫合糸アンカー)など、コネクタ装置を使用して別の身体に対する位置に固定することができる。例えば、様々な整形外科手術には、縫合糸アンカーの骨内への挿入およびそれとの固定が必要である。
【0004】
縫合糸アンカーの一例は、Y-Knot(商標登録)装置などの軟質縫合糸アンカーである。例えば、米国特許第9826971号を参照のこと。軟質アンカーは通常、完全に縫合材料で作られているため、それらは「全縫合」アンカーと呼ばれることもあり、一般に繊維状構築物のアンカー本体部分(または、米国特許第9173652号に記載されているように、可撓性のウェブなどの繊維状、編組または織布タイプの構造)および、縫合糸またはフィラメント部分を含む。
【0005】
このような整形外科手術では、縫合アンカーを挿入する前に、パイロット穴が骨の中へと穿孔される。従来、標準的な単一バレルドリルガイドは、骨上の所望のパイロット穴位置(すなわち、所望のアンカー位置)に配置される。次に、電力器具に取り付けられたドリルビットをドリルガイドを通して配置して、パイロット穴を生成する。このプロセス中、以前に選択した位置からガイドが移動しないことを確実にするよう、絶えずガイドに注意を向ける必要がある。次に、電力器具が起動され、ドリルビットでパイロット穴が生成される。その後、ドリルビットを取り外し、縫合アンカーを予め装填されたドライバー(または「インサータ」)と交換する。
【0006】
ガイド配置を維持しながら、次に、アンカーがガイドに挿入され、ドライバーと共にパイロット穴に挿入される。したがって、プロセス全体を通じて、ユーザーは、ガイドの位置を維持しながら、ドリルとドライバーの使用を交互に切り替えることが必要である。ガイドの位置が失われると、パイロット穴の位置を見つけることが非常に困難である。位置が見つからない場合、新しいパイロット穴を生成しなければならない。ユーザーが、ガイドが元のパイロット穴の位置から移動していることに気づかず、アンカーがガイドに挿入された場合、アンカーは損傷する。このような場合、ユーザーは、ドライバーに装填された新しいアンカーを必要とする。
【0007】
したがって、アンカーがパイロット穴に挿入されることを確実にすることによってユーザー効率を増大させる、自動アンカー挿入システムの必要性がある。
【0008】
関連技術の説明セクションの免責条項:特定の特許/刊行物/製品が本関連技術の説明セクションまたは本開示の他の場所で説明されている範囲で、これらの説明が説明された特許/刊行物/製品が特許法上の先行技術であることを認めるものとみなされるべきではない。例えば、説明された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でない可能性があり、時間的に十分早期に開発された主題を反映していない可能性があり、および/または特許法の目的に対して先行技術に相当するほど、十分に有効ではない可能性がある。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術の説明セクションおよび/または出願全体を通して上記で議論されている範囲で、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の実施形態は、自動アンカー挿入システムを対象とする。一態様によれば、システムは、第一の端部および第二の端部を有する本体を含む。入力シャフトは、本体の第一の端部から延在し、ガイドチューブは、本体の第二の端部から延在する。システムはまた、本体内に第一のドライブシャフト陥凹部を含む。ドリルドライブシャフトは、入力シャフト内で移動可能である。第一の構成では、入力シャフトおよびドリルドライブシャフトは、第一のドライブシャフト陥凹部を通って一緒に遠位に移動し、第二の構成では、ドリルドライブシャフトは、入力シャフトに対して近位に移動する。
【0010】
別の態様によれば、システムは、第一の端部および第二の端部を有する本体を有する。入力シャフトは、本体の第一の端部から延在し、ガイドチューブは、本体の第二の端部から延在する。システムはまた、本体内に第一のドライブシャフト陥凹部および第二のドライブシャフト陥凹部を含む。ドリルドライブシャフトは、入力シャフト内で移動可能であり、インサータドライブシャフトは、第二のドライブシャフト陥凹部内で移動可能である。第一の構成では、入力シャフトおよびドリルドライブシャフトは、第一のドライブシャフト陥凹部を通って一緒に遠位に移動し、第二の構成では、ドリルドライブシャフトは、入力シャフトに対して近位に移動する。第三の構成では、ドリルドライブシャフトの移動によりインサータドライブシャフトが移動する。
【0011】
さらに別の態様によれば、本発明は、パイロット穴を生成し、アンカーを挿入するための方法である。方法は、(i)第一の端部および第二の端部を有する本体、本体の第一の端部から延在する入力シャフトおよび本体の第二の端部から延在するガイドチューブ、本体内の第一のドライブシャフト陥凹部および第二のドライブシャフト陥凹部、入力シャフト内で移動可能であって、ドリルビットに接続された、ドリルドライブシャフト、および第二のドライブシャフト陥凹部内で移動可能であって、アンカードライバーに接続された、インサータドライブシャフト、を提供する工程と、(ii)入力シャフトを駆動し、これが入力シャフトおよびドリルドライブシャフトを一緒に遠位方向に駆動し、ドリルビットをガイドチューブを通して延在させて、パイロット穴を穿孔する工程と、(iii)入力シャフトを第一のドライブシャフト陥凹部に接続する工程と、(iv)入力シャフトを駆動し、ドリルドライブシャフトを独立して近位方向に移動させることによってドリルビットを収縮させる工程と、を含む。
【0012】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。ここで添付図面を簡単に参照する。
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る、自動アンカー挿入システムの斜視図概略図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、自動アンカー挿入システムの分解図概略図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、自動アンカー挿入システムの部分断面図概略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、開始構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による、第一の穿孔構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による、第二の穿孔構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による、第一の収縮構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図8】
図8は、一実施形態による、第二の収縮構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図9】
図9は、一実施形態による、第一の挿入構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【
図10】
図10は、一実施形態による、第二の挿入構成におけるアンカーシステムの部分断面正面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様およびその特定の特徴、利点、ならびに詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかし、当然のことながら、詳細な説明および特定の非限定的な例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の精神および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0016】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は全体を通して同様の部分を指しており、
図1は、一実施形態に係る、自動アンカー挿入システム10(「アンカーシステム」または「ドリルシステム」とも呼ばれる)の斜視図概略図を示す。アンカーシステム10は、第一の端部14および第二の端部16を有する本体12を含む。
図1に示すように、入力シャフト18は、第一の端部14から近位に延在し、ガイドチューブ20は、第二の端部16から遠位に延在する。
【0017】
ここで
図2を参照すると、一実施形態による、自動アンカー挿入システム10の拡大図概略図が示されている。
図2に示す実施形態では、アンカーシステム10の本体12は、第一の外側本体部分22Aおよび第二の外側本体部分22Bの二つのピースから構成される。代替的な実施形態では、本体12は、単一の構成要素として機械加工され得ることが考えられる。
図2では、第一の外側本体部分22Aおよび第二の外側本体部分22Bは、それぞれ第一のドライブシャフト陥凹部24および第二のドライブシャフト陥凹部26を含む。第一の外側本体部分22Aおよび第二の外側本体部分22Bが接続される、あるいは結合されると、第一のドライブシャフト陥凹部24は第一のドライブシャフトチャネルを形成し、第二のドライブシャフト陥凹部26は第二のドライブシャフトチャネルを形成する。
【0018】
図2に示すように、第一のドライブシャフト陥凹部24(および第一のドライブシャフトチャネル)は、本体12(第一の外側本体部分22Aおよび第二の外側本体部分22Bを含む)の第一の端部14を通って延在する。図示した実施形態では、第一のドライブシャフト陥凹部24は、ねじ付き部分、すなわち、第一のドライブシャフト陥凹部24内に機械加工されたねじ山25を含む。第一のドライブシャフト陥凹部24は、入力シャフト18およびドリルドライブシャフト28を受容するようにサイズ設定および構成される。
図2に示すように、入力シャフト18は、ドリルドライブシャフト28に対して近位に位置付けられる。ドリルドライブシャフト28は、その近位端29と遠位端31との間にねじ山27を有するねじ付き部分を含む。
【0019】
アンカーシステム10の機能の中心となるのは、ドリルドライブシャフト28に固定されてそこから延在するドリルピン30である。入力シャフト18の遠位端32は、ドリル収縮ギア36(カラーとも呼ばれる)に取り付けられる。ドリル収縮ギア36は、第一のドライブシャフト陥凹部24のねじ山25と係合し、かつそれに結合するようサイズ設定および構成される外部ねじ山33を有する。ドリル収縮ギア36はまた、ドリルドライブシャフト28のねじ山27と係合し、かつそれに結合するように構成された内部ねじ山(図示せず)を有する。ドリルドライブシャフト28は、ドリル収縮ギア36を含む一つ以上のギア34を通って延在する。ドリルドライブシャフト28の遠位端31は、ドリル収縮ギア36および平歯車38を通って延在し、ドッグギア40に取り付けられる。したがって、ドッグギア40は、ドリルドライブシャフト28と共に移動する。
【0020】
さらに
図2を参照すると、第二のドライブシャフト陥凹部26は、インサータドライブシャフト42を受容するようにサイズ設定および構成される。インサータドライブシャフト42は、遠位四角形部分35(すなわち、四角形の断面を有する部分)および近位ねじ付き部分(ねじ山37を有する)を有する。正方形ナット(またはハブ)44は、第二のドライブシャフト陥凹部26内に固定され、インサータドライブシャフト42の近位端46は、正方形ナット44を通して回転し、正方形ナット44が近位ねじ付き部分のねじ山37と係合してこれを捕捉することを可能にする。インサータドライブシャフト42の遠位端48は、平歯車50を通して延在可能である、あるいは移動可能である。特に、
図2に示すように、平歯車50は、インサータドライブシャフト42の遠位四角形部分35を収容するための正方形ドライブ52を有する。正方形ナット44、インサータドライブシャフト42、および平歯車50は、第二のドライブシャフト陥凹部26(および第二のドライブシャフトチャネル)内にある。
【0021】
上述し、
図2に示すように、アンカーシステム10は、本体12の第二の端部16から延在するガイドチューブ20を有する。特に、ガイドチューブ20は、ガイドチューブ20が第一のガイドチューブ54および第二のガイドチューブ56に分割されるように分岐している。図示した実施形態では、第一のガイドチューブ54は、第一のドライブシャフト陥凹部24内に延在し、第二のガイドチューブ56は、第二のドライブシャフト陥凹部26内に延在する。特に、第一のガイドチューブ54は、第一のドライブシャフト陥凹部24に固定され、第二のガイドチューブ56は、第二のドライブシャフト陥凹部26に固定される。
【0022】
ここで
図3を参照すると、一実施形態による、自動アンカー挿入システム10の部分断面図視概略図が示されている。部分断面図では、第一の外側本体部分22Aが示されているが、第二の外側本体部分22Bは、
図3のミラー画像のように見える。図示の実施形態では、入力シャフト18は、第一のドライブシャフト陥凹部24内にある。
図3に示すように、入力シャフト18は、入力シャフト18がドリルドライブシャフト28の上に延在するようにカニューレ状である。言い換えれば、ドリルドライブシャフト28は、入力シャフト18内に嵌合するようにサイズ設定および構成される。
図3に示すように、入力シャフト18は、ドリルドライブシャフト28の上にドリル収縮ギア36まで延在し、ドリルドライブシャフト28は、ドリル収縮ギア36および平歯車38を通って延在し、ドッグギア40に接続される。
【0023】
さらに
図3を参照すると、インサータドライブシャフト42は、第二のドライブシャフト陥凹部26内にある。正方形ナット44は、インサータドライブシャフト42のねじ山37と係合することが示されている。インサータドライブシャフト42は、平歯車50の正方形ドライブ52を通って延在する。インサータドライブシャフト42の平歯車50は、以下で詳細に説明するように、ドリルドライブシャフト28の平歯車38に隣接しており、それと係合している場合もある。
図3に示すように、ドリルドライブシャフト28に取り付けられたドリルピン30は、以下に詳細に説明するように、外科処置中に表示を提供するために、入力シャフト18のピンガイド58を通って延在することが示されている。ピンガイド58は、入力シャフト18とドリルドライブシャフト28との間にトルクを伝達するなど、追加的な機能を有する。
【0024】
ここで
図4から
図10を参照すると、一実施形態による、様々な使用段階における自動アンカー挿入システム10の部分断面正面図の概略図が示されている。図示の実施形態では、ドリルビット100は、ドリルドライブシャフト28に取り付けられ、それから延在する。ドリルビット100は、ドリルドライブシャフト28から、第一のガイドチューブ54を通って延在する。また
図4から
図10に示すように、アンカードライバー(またはインサータ)200は、インサータドライブシャフト42に取り付けられ、それから延在することが示されている。アンカードライバー200は、インサータドライブシャフト42から第二のガイドチューブ56を通って延在する。図示した実施形態では、第二の外側本体部分22Bが示されているが、第一の外側本体部分22Aは、図示されるもののミラー画像のように見える。
【0025】
図4は、一実施形態による、開始構成におけるアンカーシステム10を示す。開始構成では、アンカーシステム10は、外科手術部位の所望の位置に配置され、ユーザーは、ドリルシステム10の並進移動および回転の完全な制御を有する。示されるように、入力シャフト18およびドリルドライブシャフト28は、ドリルピン30がピンガイド58の遠位(または遠位端39)にあるように、(ドリルドライブシャフト28のねじ山27との係合および結合を介して)ねじ付きカラー36によってこの状態に保持される、延在状態にある。開始構成では、ドッグギア40は、平歯車38から離間している、あるいは平歯車38と係合していない。
【0026】
図5は、一実施形態による、第一の穿孔構成におけるアンカーシステム10を示す。開始構成から、入力シャフト18は、ドリルドライブシャフト28を駆動し始め、ドリルビット100を第一のガイドチューブ54を通して前進させる。ユーザーは、入力シャフト18を押下して、ドリルドライブシャフト28を駆動する。圧力は、ユーザーによって入力シャフト18に、入力シャフト18に接続されたハンドピースまたはその他の電力装置(図示せず)を通して遠位方向に適用され得る。入力シャフト18がドリルドライブシャフト28を駆動するにつれて、それらは両方とも、第一のドライブシャフト陥凹部24内で回転しながら遠位に移動する。ドリル収縮ギア36は、入力シャフト18およびドリルドライブシャフト28の両方と共に回転する。
図5に示すように、ドリルピン30は、ピンガイド58の遠位(または遠位端39)に留まる。第一の穿孔構成では、ドッグギア40は、ドリルドライブシャフト28の遠位並進移動により、平歯車38からさらに遠位に移動する。一実施形態では、第一の穿孔構成(
図5)では、ドリルビット100は、媒体への穿孔動作全体のおよそ半分が終わった状態である(すなわち、パイロット穴の生成途中)。
【0027】
第一の穿孔構成から、ユーザーは、入力シャフト18を押し(すなわち、遠位方向に力を適用し)続け、これは、ドリルドライブシャフト28を駆動し続け、第一のガイドチューブ54を通してドリルビット100を、パイロット穴形成のための所望の深さまで前進させる。
図6に示すように、入力シャフト18およびドリルドライブシャフト28は、第二の穿孔構成においてそれらが下がり得る地点まで前進する。第二の穿孔構成では、ねじ付きドリル収縮ギア36は、第一のドライブシャフト陥凹部24の内部ねじ山25内に回転する。ドリル収縮ギア36のねじ山33が、第一のドライブシャフト陥凹部24の内部ねじ山25と係合すると、ドリル収縮ギア36は本体12に対して固定される。示されるように、第二の穿孔構成では、ドッグギア40は、第一の穿孔構成におけるよりも平歯車38からさらに遠位にあり、ドリルピン30は、ピンガイド58内で遠位(または遠位端39)に留まる。パイロット穴生成のための所望の深さに達すると(第二の穿孔構成において)、ユーザーは、ドリル収縮ギア36の本体12への固定のために、並進移動の制御をもはや有さない。
【0028】
第二の穿孔構成から、ユーザーは、次に、挿入プロセスを終了するために、回転入力の(入力シャフト18への)適用を続ける必要がある。アンカーシステム10は、ドリルビット100を遠位に駆動するために使用されたのと同じ回転入力を介してドリルビット100の収縮を始め、これは、アンカーシステム10を単純化し、作業のシーケンスを正しく実行しなければならないユーザーの依存性を除去する。具体的には、ドリルドライブシャフト28のねじ山27は、現在固定されているドリル収縮ギア36の内部ねじ山(図示せず)に対して回転し、これは、ドリルドライブシャフト28を入力シャフト18内に近位に引き込み、それによってドリルビット100をパイロット穴から引き出す。
図7では、アンカーシステム10は、一実施形態による、第一の収縮構成にある。第一の収縮構成では、ドリルドライブシャフト28は近位に移動する一方で、入力シャフト18は所定位置に留まり、ねじ付きドリル収縮ギア36は第一のドライブシャフト陥凹部24の内部ねじ山25に留まっている。ドリルドライブシャフト28の近位収縮は、入力シャフト18のピンガイド58内のドリルピン30の位置を介して示される。ドリルピン30は、開始構成、および第一および第二の穿孔構成におけるその位置付けと比較して、ピンガイド58内で近位に移動している。第一の収縮構成では、ドッグギア40は、第二の穿孔構成におけるその位置と比較して、平歯車38の近くに近位に移動している。
【0029】
図8は、一実施形態による、第二の収縮構成におけるアンカーシステム10を示す。第一の収縮構成から、ドリルドライブシャフト28は、それが第二の収縮構成に完全に収縮されるまで、近位方向にさらに移動する。ドリルドライブシャフト28の完全近位収縮は、入力シャフト18のピンガイド58内のドリルピン30の位置を介して示される。ドリルピン30は、第一の収縮構成におけるその位置付けと比較して、ピンガイド58内で(その近位端41に対して)近位に移動している。第二の収縮構成において、ドッグギア40は近位に移動して、平歯車38と係合している。
図8に示すように、ドッグギア40の特徴43(例えば、フランジ)は、平歯車38の特徴45(例えば、フランジ)と係合する。ドッグギア40と平歯車38の結合により、平歯車38は、ドリルドライブシャフト28の回転と共に(入力シャフト18を介して)回転し始める。ドリルドライブシャフト28の平歯車38の回転は、インサータドライブシャフト42上の平歯車50に並進移動し、正方形ナット(またはハブ)44を通して、第二のドライブシャフト陥凹部26内にインサータドライブシャフト42の回転を引き起こす。
【0030】
また
図8に示すように、平歯車50は、正方形ドライブ52を含み、インサータドライブシャフト42は、遠位四角形部分35を含み、平歯車50からインサータドライブシャフト42への回転の並進移動を可能にする。したがって、第二の(または完全)収縮構成において、インサータドライブシャフト42は、第二のドライブシャフト陥凹部26内で遠位に並進移動し始める。並進移動は、インサータドライブシャフト42の近位端46におけるねじ山37により許容される。言い換えれば、正方形ナット44は所定位置に留まり、インサータドライブシャフト42は、正方形ナット44内およびそれを通るねじ山37の回転を介して遠位に並進移動する。インサータドライブシャフト42が回転するにつれて、ねじ山37は、アンカードライバー(またはインサータ)200を第二のガイドチューブ56を通して押し出す。本プロセス全体を通して、ユーザーは、入力シャフト18上のハンドピースまたはその他の電力装置(例えば、ドリル)からの回転入力を維持する。
【0031】
図9は、一実施形態による、第一の挿入構成におけるアンカーシステム10を示す。第二の収縮構成から、ユーザーは、入力シャフト18に回転を入力し続け、インサータドライブシャフト42は、正方形ナット44を通して第二のドライブシャフト陥凹部26内で遠位に並進し続ける。
図9に示す第一の挿入構成では、インサータドライブシャフト42は、その上のねじ山37と同じピッチで回転している。
【0032】
図10は、一実施形態による、第二の挿入構成におけるアンカーシステム10を示す。第二の挿入構成では、アンカードライバー(またはインサータ)200上のアンカー(図示せず)は、パイロット穴(図示せず)の所望の挿入深さに達している。所望の挿入深さに達すると、図示するように、インサータドライブシャフト42は、平歯車50の正方形ドライブ52から係合解除される。インサータドライブシャフト42は、インサータドライブシャフト42の近位端46上のねじ山37と正方形ナット44との係合により、所望の挿入深さで保持される。
【0033】
第二の挿入構成では、入力シャフト18にどれだけの回転が適用されても、追加的な並進移動は提供されない。これにより、所望のまたは所定の深さに達したとしても、アンカーをパイロット穴に継続的に駆動または回転させるリスクを排除する。この点から、インサータドライブシャフト42上の、または第二のドライブシャフト陥凹部26内のインジケータ(図示せず)は、ユーザーに、挿入が完了したことを通知する。インジケータは、配置されたアンカーのタイプに基づいて、アンカーシステム10上の位置が変化し得る。ユーザーは、アンカーがパイロット穴に挿入された位置付けされた位置からアンカーシステム10全体を取り外す。
【0034】
自動アンカー挿入システム10は、最終的にユーザーの効率を増大させる。自動アンカー挿入システム10は、アンカーが生成されたパイロット穴に挿入されることを確実にする。自動アンカー挿入システム10は、ユーザーが、複数のデバイスを取り扱う代わりに、アンカーの位置のみに焦点を当てることを可能にする。また、自動アンカー挿入システム10は、所望の深さを超えてアンカーをパイロット穴に継続的に駆動するリスクも排除する。最も重要なことに、アンカーシステム10は、軟質アンカーおよび剛性アンカーの両方で使用可能なプラットフォームである。
【0035】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部における様々な変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。