(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】機器
(51)【国際特許分類】
D06F 75/14 20060101AFI20240517BHJP
C02F 5/00 20230101ALI20240517BHJP
C02F 5/10 20230101ALI20240517BHJP
C02F 5/12 20230101ALI20240517BHJP
C02F 5/14 20230101ALI20240517BHJP
【FI】
D06F75/14 Z
C02F5/00 610F
C02F5/00 620B
C02F5/10 610Z
C02F5/10 620A
C02F5/10 620B
C02F5/10 620D
C02F5/12
C02F5/14 C
(21)【出願番号】P 2022501739
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2021003191
(87)【国際公開番号】W WO2021166592
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2020028767
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】大城 智史
(72)【発明者】
【氏名】糸賀 友則
(72)【発明者】
【氏名】谷 知子
(72)【発明者】
【氏名】宇野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】古田 勤
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-114298(JP,A)
【文献】特開2019-209020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/14
C02F 5/00 - 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性物質を放出する樹脂組成物と、
前記樹脂組成物を支持する支持部材と、
前記支持部材および液体を収容するタンクと、
前記タンクに液体を供給する供給口と、
所定状態において前記供給口よりも下方に設けられ、前記タンクから液体を放出する放出口と、を備えた機器であって、
前記樹脂組成物は、水不溶性樹脂をさらに含むとともに、前記水不溶性樹脂と前記水溶性物質との比率は、前記水溶性物質が20重量パーセント~70重量パーセントの範囲内であり、
前記樹脂組成物は、前記支持部材に設けられる開口部から露出し、
前記供給口と前記樹脂組成物との距離は、前記放出口と前記樹脂組成物との距離よりも短い、
機器。
【請求項2】
前記所定状態において、前記樹脂組成物は前記供給口と前記放出口とを結ぶ線よりも下方に設けられる、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記支持部材が前記樹脂組成物を支持した状態において、
前記支持部材と前記樹脂組成物との間に隙間が形成される、
請求項
1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記支持部材は、前記樹脂組成物と接触する突起をさらに備える、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項5】
前記突起は、前記支持部材の内面に設けられ、
前記突起の高さは、0.3~0.8mmである
請求項
4に記載の機器。
【請求項6】
前記支持部材が前記樹脂組成物を支持した状態において、
前記支持部材と前記樹脂組成物との間には隙間がなく、前記支持部材と前記樹脂組成物とは密着している
請求項
1または2に記載の機器。
【請求項7】
前記開口部は、液体と接触する部分に設けられ、
前記開口部から露出する前記樹脂組成
物の表面積が、前記樹脂組成物の表面積全体に対して1~50%になるように前記開口部は構成されている
請求項
6に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体を利用する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タンクに貯留される液体を利用して、ユーザビリティを向上させる家電製品が知られている。特許文献1に記載される例では、タンクに貯留される水を利用して衣類のシワを除去するスチームアイロンの構成が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
上記のような家電製品を使用する場合、水中に存在するカルシウムおよびマグネシウムが家電製品の内面に水垢として蓄積する。特許文献1に記載のスチームアイロンでは、通水製容器の中に水垢結合防止剤を入れることにより、家電製品の内面に水垢が蓄積されることを抑制する。しかし特許文献1の構成では、タンク内の水と水垢結合防止剤とが常に接触するため、水垢結合防止剤の放出が早くなることにより、水垢の蓄積抑制効果の持続期間が短くなる可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の問題を解決するための発明であり水溶性物質を好適に放出する機器を提供することを目的とする。
【0006】
本開示に関する機器は、水溶性物質を放出する樹脂組成物と、前記樹脂組成物を支持する支持部材と、前記支持部材および液体を収容するタンクと、前記タンクに液体を供給する供給口と、所定状態において前記供給口よりも下方に設けられ、前記タンクから液体を放出する放出口と、を備えた機器であって、前記樹脂組成物は、前記支持部材に設けられる開口部から露出し、前記供給口と前記樹脂組成物との距離は、前記放出口と前記樹脂組成物との距離よりも短い。
【0007】
本開示に関する機器によれば、水溶性物質を好適に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図8】支持部材と樹脂組成物との関係を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(機器が取り得る形態の一例)
本開示に関する機器は、水溶性物質を放出する樹脂組成物と、前記樹脂組成物を支持する支持部材と、前記支持部材および液体を収容するタンクと、前記タンクに液体を供給する供給口と、所定状態において前記供給口よりも下方に設けられ、前記タンクから液体を放出する放出口と、を備えた機器であって、前記樹脂組成物は、前記支持部材に設けられる開口部から露出し、前記供給口と前記樹脂組成物との距離は、前記放出口と前記樹脂組成物との距離よりも短い。ここで所定の状態とは、供給口を放出口よりも鉛直方向で高くなるように配置した状態を例示することができる。ここで放出口は、タンクから液体を放出する部位であるが、タンク内にチューブが配置され、チューブがタンクを貫通して液体をタンクの外に放出する場合は、タンク内におけるチューブの先端を放出口とすることができる。要するにタンク内の液体をタンクから放出する際に、液体が通過するタンク以外の部分のうち、タンクに近いものをいう。
【0010】
上記機器によれば、供給口と樹脂組成物との距離が放出口と樹脂組成物の距離よりも短いため、供給口からタンクへ供給される液体が樹脂組成物と接触しやすい。このため、樹脂組成物から水溶性物質が好適に液体中に放出される。
【0011】
前記機器の一例によれば、前記所定状態において、前記樹脂組成物は前記供給口と前記放出口とを結ぶ線よりも下方に設けられる。
【0012】
上記機器によれば、樹脂組成物が供給口に近い場所に設けられる。このため、供給口からタンクへ供給される液体が樹脂組成物と接触しやすい。このため、樹脂組成物から水溶性物質が好適に液体中に放出される。
【0013】
前記機器の一例によれば、前記樹脂組成物は、水不溶性樹脂をさらに含む。
【0014】
上記機器によれば、水溶性物質を好適に保持できる。
【0015】
前記機器の一例によれば、前記支持部材は、前記樹脂組成物を支持した状態において前記支持部材と前記樹脂組成物との間に隙間が形成される。
【0016】
上記機器によれば、隙間に供給口からタンクへ供給される液体が浸入する。このため、樹脂組成物と液体とが接触しやすい。
【0017】
前記機器の一例によれば、前記支持部材は、前記樹脂組成物と接触する突起をさらに備える。
【0018】
上記機器によれば、支持部材と樹脂組成物との間の隙間が確実に形成される。
【0019】
前記機器の一例によれば、前記突起は、前記支持部材の内面に設けられ、前記突起の高さは、0.3~0.8mmである。
【0020】
上記機器によれば、突起の高さが好適に設定されるため、樹脂組成物からの水溶性物質が好適に放出される。
【0021】
前記機器の一例によれば、前記支持部材と前記樹脂組成物との間に隙間がなく密着している。
【0022】
上記機器によれば、支持部材と樹脂組成物の間への液体の浸入を制御できる。また、支持部材の開口部から露出した樹脂組成物に流動した液体が接触できる。
【0023】
前記機器の一例によれば、前記開口部は、前記液体と接触する部分に設けられ、前記開口部から露出する前記樹脂組成物の表面積が樹脂組成物全表面積に対して1~50%になるように前記開口部の大きさが構成される。
【0024】
上記機器によれば、開口部の面積が好適に設定されるため、樹脂組成物からの水溶性物質が好適な濃度で長期に渡って放出できる。
【0025】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1の機器10について説明する。
【0026】
本実施の形態の機器10は、電気的に稼働し液体を利用することで種々の効果を得る家電製品である。液体の一例は、水である。機器10は、例えばスチームアイロン、ガーメントスチーマ、エアーコンディショナ、洗濯機、食器洗浄乾燥機、および、電気ケトルである。
図1に示される家電製品の例は、スチームアイロンである。以下では、機器10をスチームアイロンとして説明する。機器10を構成する主な要素は、ハウジング11、ベース面20、および、タンク30である。なお、機器10を所定状態において配置するとは、ベース面20が水平になるように配置される状態を含む。また、機器10を所定状態において配置した場合に、ベース面20側を下方と表現する場合がある。
【0027】
ハウジング11は、機器10の外観を構成し、機器10を構成する種々の要素を収容する。ハウジング11内に収容される種々の要素は、例えば制御部、記憶部、操作部、電源部、ポンプ、および、ヒータの少なくとも1つである。制御部は、例えばマイクロコンピュータであり、ポンプおよびヒータの出力量の制御を実行する。記憶部は、例えば揮発性メモリであり、ポンプおよびヒータの制御に必要な情報を記憶する。操作部は、ボタンまたはスイッチにより構成され例えばポンプおよびヒータの出力量を変更するための操作信号を制御部に対して出力する。電源部は、電力を供給するバッテリである。機器10が外部電源と接続される場合、電源部の構成を省略できる。ポンプは、例えばタンク30の液体を気化室へ移動させる。ヒータは、気化室の液体を加熱してスチームを形成する。ヒータの一例は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。ハウジング11を構成する材料は、耐熱性を備えた任意の材料が選択される。一例では、ハウジング11を構成する材料は、ポリカーボネートである。ハウジング11には、ユーザが握ることに適した把持部12をさらに備える。
【0028】
ベース面20は、例えば衣類と接触または非接触の状態において、衣類に対してスチームを供給する。一例ではポンプが駆動され、ポンプの駆動に伴ってタンク30内の液体が気化室に供給され、気化室内の液体がヒータで加熱されることによりスチームが生成される。そして、生成されたスチームがスチーム通路を通過し、ベース面20に設けられた開口を介して外部に噴出される。
【0029】
タンク30は、ハウジング11内に設けられ内部空間Sに液体を貯留する。液体の一例は、水である。タンク30は、タンク30の内部空間Sに液体を供給する供給口31およびタンク30の内部空間Sに存在する液体を放出する放出口32を備える。供給口31は、図示しない蓋により開閉可能に構成される。放出口32は、図示しないバルブにより開閉可能に構成される。放出口32は、例えば気化室と接続される。タンク30は、耐水性を備える任意の材料により構成される。一例では、タンク30を構成する材料は、ポリカーボネートである。タンク30は、機器10に対して取り外し可能に構成されていてもよい。好ましくは、機器10が所定状態で配置された場合に、供給口31の位置は放出口32の位置よりも垂直方向に高い位置に設けられる。供給口31および放出口32の形状は、任意の形状である。一例では、供給口31および放出口32の形状は、円形状である。
【0030】
機器10は、支持部材40および樹脂組成物50をさらに備える。
図2~4を参照して、支持部材40および樹脂組成物50について説明する。支持部材40および樹脂組成物50は、タンク30の内部空間Sに設けられる。
【0031】
支持部材40は、樹脂組成物50を支持可能に構成される。支持部材40は、第1支持部材41および第2支持部材42を含む。第1支持部材41および第2支持部材42は、分離可能に構成される。支持部材40を構成する材料は、任意の材料が選択される。一例では、支持部材40を構成する材料は、不飽和ポリエステルである。支持部材40の長さは、樹脂組成物50の大きさにより決定される。一例では、支持部材40は樹脂組成物50の長さよりも所定の長さ分、長くなるように形成される。所定の長さは、例えば2mmである。
【0032】
第1支持部材41は、樹脂組成物50の下端を支持する。第1支持部材41は、タンク30に対して相対的な移動が抑制されるように、タンク30に対して固定される。固定手段は、例えば樹脂による包埋である。
【0033】
第2支持部材42は、樹脂組成物50の上端を支持する。第2支持部材42は、第1支持部材41に対して相対的な移動が抑制されるように、第1支持部材41に対して固定される。固定手段は、例えば第1支持部材41および第2支持部材42の一方に凹部、他方に凸部が設けられ、第2支持部材42をはめ込むまたは回転させることである。
【0034】
第2支持部材42は、開口部43をさらに備える。開口部43は、支持部材40の内部空間S2を開放し、樹脂組成物50の少なくとも一部がタンク30の内部空間Sに対して突出することで露出するように構成される。開口部43から突出する樹脂組成物50の長さは、例えば2~5mmの範囲内である。開口部43は、任意の形状により構成される。一例では、開口部43の形状は、円形状である。
【0035】
支持部材40は、内面40Aに内部空間S2に向けて突出する突起44をさらに備える。突起44は、第1支持部材41および第2支持部材42の少なくとも一方に設けられる。好ましくは、突起44は、第1支持部材41および第2支持部材42の両方に設けられる。より好ましくは、突起44は、第1支持部材41および第2支持部材42の両方に複数設けられる。突起44は、支持部材40の内面40Aと樹脂組成物50との間に隙間Gを形成する。突起44は、支持部材40と樹脂組成物50との間の距離が0.3~0.8mmとなるように構成される。突起44は、支持部材40の内面40Aから、0.3~0.8mm突出するように構成される。
【0036】
樹脂組成物50は、水不溶性樹脂および水溶性物質を含む。水不溶性樹脂と水溶性物質との比率は、任意の比率である。一例では、水溶性物質は、20~90重量パーセントの範囲内である。好ましくは、水溶性物質は40~70重量パーセントの範囲内である。水不溶性樹脂は、水に対して不溶の任意の材料により構成される。好ましくは、ガラス化転移温度が第1所定範囲内、かつ、融点が第2所定範囲内の材料により構成される。第1所定範囲は、例えば-130℃以上である。第1所定範囲は、例えば100℃以下である。
【0037】
第2所定範囲は、例えば-80℃以上である。第2所定範囲は、例えば250℃以下である。水不溶性樹脂を構成する材料の一例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、および、アクリル変性ポリエチレンである。
【0038】
水溶性物質は、水に溶出することで所定の作用を有する物質である。所定の作用の一例は、タンク30内における金属イオンの蓄積の抑制である。一例では、水溶性物質は、金属イオンと錯体を形成するキレート剤である。キレート剤の一例は、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/マレイン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、などのアクリル酸ナトリウム、1-ヒドロキシエタン-11-ジホスホン酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、および、シクロヘキサンジアミン四酢酸である。
【0039】
図5を参照してタンク30内部における支持部材40および樹脂組成物50の位置について説明する。
【0040】
好ましくは、第1支持部材41は機器10が所定状態に配置された場合に、放出口32が設けられるタンク30の内面30Aと同一の面に固定される。支持部材40および樹脂組成物50の少なくとも一部分は、供給口31の重心P1と放出口の重心P2とを結んだ線L1よりもベース面20側に設けられる。好ましくは、支持部材40および樹脂組成物50のすべてが線L1よりもベース面20側に設けられる。
【0041】
供給口31の重心P1と樹脂組成物50上の点P3との距離D1は、放出口32の重心P2と樹脂組成物50上の点P3との距離D2よりも短い。樹脂組成物50上の点P3は、距離D1を最短距離として構成する点である。供給口31、放出口32、および、樹脂組成物50の少なくとも1つが複数設けられる場合も、それぞれ距離D1および距離D2が定義される。好ましくは、すべての場合で距離D1は距離D2よりも短い。
【0042】
樹脂組成物50の製造方法について説明する。
【0043】
水不溶性樹脂と水溶性物質とを計量し、水不溶性樹脂と水溶性物質とを加熱混錬して樹脂組成物50のストランドが形成される。一例では、水不溶性樹脂と水溶性物質とは、等量である。加熱混錬は、例えば2軸押し出し式混錬機を使用して、200℃の条件で実行される。ストランドは、細断されペレットが形成される。ペレットを射出成型することで、所定の形状の樹脂組成物50が形成される。樹脂組成物50の所定の形状の一例は、楕円球状である。別の例では、所定の形状の一例は、板形状、球形状、円筒形状である。
図1に示される樹脂組成物50の形状は、楕円球状である。樹脂組成物50の長軸方向の長さおよび短軸方向の長さは、使用する機器10のタンク30の大きさに応じて任意に形成される。好ましくは、樹脂組成物50の長軸方向の長さは、10~40mmの範囲内である。より好ましくは、樹脂組成物50の長軸方向の長さは、20~30mmの範囲内である。好ましくは、樹脂組成物50の短軸方向の長さは、5~20mmの範囲内である。より好ましくは、樹脂組成物50の短軸方向の長さは、7~15mmの範囲内である。
【0044】
本願発明者は、本願の支持部材40および樹脂組成物50の効果を確認するための評価試験を行った。評価試験では、水溶性物質の残存率の異なる複数の樹脂組成物50を作成し、隙間Gにおける支持部材40と樹脂組成物50との間の長さが異なる複数の支持部材40に1つずつ残存率の異なる樹脂組成物50を入れて、溶出濃度を測定した。
【0045】
樹脂組成物50をビーカー内に1個ずつに投入し、350mlの水を添加した。樹脂組成物50の重量は、10gである。水を添加した10分後にビーカー内の水を採取し、水中の機能性水溶性物質の濃度を測定した。溶出濃度は、有機体の炭素の総量を計測することにより測定された。水を採取後、各比較例および実施例の樹脂組成物50を乾燥させた。乾燥の時間は24時間である。乾燥した樹脂組成物50の重量を測定し、水溶性物質の残存率を算出した。この手順を繰り返すことにより、残存率の異なる複数の樹脂組成物50を作成した。具体的には、残存率が1.0~0.3の範囲内で略0.1ごとに異なる樹脂組成物50を作成した。支持部材40は、突起44の長さが0.3~0.9mmの範囲内で略0.1mmごとに異なる。
【0046】
支持部材40において樹脂組成物50が露出する開口部43に向けて、漏斗を用いて注水した。注水は、不純物を含まない350mlの純水を30秒かけて行った。10分後に水を回収し、溶出濃度を測定して溶出濃度と残存率とをグラフにブロットした。上記の手順は、複数回実施した。表示される溶出濃度および残存率は、複数回実施した結果の平均値である。
【0047】
図6を参照して、評価試験の結果を説明する。
図6の縦軸は溶出濃度(ppm)を示す。
図6の横軸は、残存率を示す。各ドットは、残存率が所定の値であるときの溶出濃度を表す。
図6中の直線は、近似線を示す。樹脂組成物50が突起44の長さが0.9mmの支持部材40で支持されている場合には、水が樹脂組成物50の全表面に接触する場合と同様になり、残量率が減少しても溶出濃度は高い水準を維持した。一方、樹脂組成物50が突起44の長さが0.3~0.8mmの支持部材40で支持される場合、残存率1.0付近である場合は、高い溶出濃度を示す一方で、残存率が0.5程度になるにしたがって溶出濃度が低下した。
【0048】
評価試験の結果から以下の知見が得られる。
【0049】
突起44の長さが0.3~0.8mmの支持部材40で樹脂組成物50が支持される場合、残存率が高い場合には高い溶出濃度を示す一方で、残存率が低い場合には、溶出濃度が低下した。このため、初期利用時に水溶性物質の多くの放出を実現し、かつ、樹脂組成物50の使用期間を長く設定することができる。
【0050】
本実施の形態の機器10の作用について説明する。
【0051】
ユーザは、機器10に設けられるタンク30内の支持部材40に樹脂組成物50を入れる。ユーザはタンク30内に水を入れる。樹脂組成物50は、水溶性物質を少なくともタンク30内に放出する。機器10の使用後に、タンク30から水が除かれ樹脂組成物50は乾燥状態に配置される。ユーザは次回使用時に再びタンク30の内部に水を入れる。樹脂組成物50は、水溶性物質を少なくともタンク30内に徐放する。
【0052】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2の機器110について説明する。実施の形態1と異なるのは、支持部材40と樹脂組成物50の間に隙間を設けず、密着させる構成としている。さらに樹脂組成物50が開口部43より露出する面積を樹脂組成物50の全表面積に対して1~50%としている点である。これらの相違点について中心に、実施の形態2について説明する。
【0053】
本実施の形態の機器110は、電気的に稼働し液体を利用することで種々の効果を得る家電製品である。液体の一例は、水である。
図7に示される家電製品の例は、スチームジェネレーターである。以下では、機器110をスチームジェネレーターとして説明する。
【0054】
機器110を構成する主な要素は、タンク30、筐体60、ホース70、アイロン80である。一例として、機器110を所定状態に配置すると筐体60が水平になるように配置される場合について説明する。また、機器110を所定状態において配置した場合に、筐体底面側を下方と表現する場合がある。
【0055】
筐体60は、機器110の外観を構成し、機器110を構成する種々の要素を収容する。筐体60内に収容される種々の要素は、例えば制御部、記憶部、操作部、電源部、ポンプ61、および、ヒータ63の少なくとも1つである。制御部は、例えばマイクロコンピュータであり、ポンプ61およびヒータ63の出力量の制御を実行する。記憶部は、例えば揮発性メモリであり、ポンプ61およびヒータ63の制御に必要な情報を記憶する。操作部は、ボタンまたはスイッチにより構成され例えばポンプ61およびヒータ63の出力量を変更するための操作信号を制御部に対して出力する。
【0056】
電源部は、電力を供給するバッテリである。機器110が外部電源と接続される場合、電源部の構成を省略できる。ポンプ61は、例えばタンク30の液体をボイラー62へ移動させる。ヒータ63は、ボイラー62の液体を加熱してスチームを形成する。ヒータ63の一例は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。筐体を構成する材料は、耐熱性を備えた任意の材料が選択される。一例では、筐体を構成する材料は、ポリカーボネートである。
【0057】
ホース70はボイラー62のスチーム発生出口とアイロン80の気化室の双方に連結している。筐体60のボイラー62内で発生したスチームはホース70を通過してアイロン80に送られる。ホース70を構成する材料は、耐熱性を備えた材料が選択される。例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴムやシリコンや塩化ビニルゴムである。また、ホース70の外表面がガラス繊維で編組したチューブで被覆されている場合もある。
【0058】
アイロン80の外観は、ハウジングで構成され、ユーザが握ることに適した把持部12を備える。ハウジング内部を構成する要素は、例えば制御部、記憶部、操作部、および、ヒータの少なくとも1つである。制御部は、例えばマイクロコンピュータであり、ヒータの出力量の制御を実行する。記憶部は、例えば揮発性メモリであり、ヒータの制御に必要な情報を記憶する。操作部は、ボタンまたはスイッチにより構成され例えばヒータの出力量を変更するための操作信号を制御部に対して出力する。
【0059】
アイロン80の電源部は、機器110が外部電源と接続される場合、電源部の構成を省略できる。ヒータは、筐体内部のボイラー内で発生し、ホース70を通過したスチームを再加熱する。ヒータの一例は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。筐体を構成する材料は、耐熱性を備えた任意の材料が選択される。一例では、筐体を構成する材料は、ポリカーボネートである。
【0060】
アイロン80のベース面20は、例えば衣類と接触または非接触の状態において、衣類に対してスチームを供給する。一例ではポンプ61が駆動され、ポンプ61の駆動に伴ってタンク30内の液体がボイラー62に供給され、ボイラー62内の液体がヒータ63で加熱されることによりスチームが生成される。そして生成されたスチームがホース70を通過し、アイロン80の気化室で再加熱されて、ベース面20に設けられた開口を介して外部に噴出される。
【0061】
タンク30は、筐体に嵌合して設けられ内部空間Sに液体を貯留する。液体の一例は、水である。タンク30は、タンク30の内部空間Sに液体を供給する供給口31およびタンク30の内部空間Sに存在する液体を放出するチューブ90を備える。チューブ90はタンク内部からタンク外部に貫通している。タンク内におけるチューブ90の先端に放出口32を備える。供給口31は、筐体から取り外すことで給水可能に構成される。放出口32が設けられたチューブ90は例えばポンプ経路と接続される。タンク30は、耐水性を備える任意の材料により構成される。一例では、タンク30を構成する材料は、ポリカーボネートである。タンク30は、機器10に対して取り外し可能に構成されていてもよい。好ましくは、機器110が所定状態で配置された場合に、供給口31の位置は放出口32の位置よりも垂直方向に高い位置に設けられる。供給口31および放出口32の形状は、任意の形状である。一例では、供給口31は板形状であり、放出口32の形状は、チューブ90の先端の円形状である。
【0062】
機器110は、支持部材40および樹脂組成物50を備える。
図8~11を参照して、支持部材40および樹脂組成物50について説明する。支持部材40および樹脂組成物50は、タンク30の内部空間Sに設けられる。
【0063】
支持部材40は、樹脂組成物50の一部分を除いて樹脂組成物50を被覆する。支持部材40を構成する材料は、任意の材料が選択される。一例では、支持部材40を構成する材料は、熱可塑性樹脂である。支持部材40は樹脂組成物50と密着した状態で構成される。すなわち、支持部材40と樹脂組成物50とは隙間がない状態で構成される。支持部材の被覆は一定の厚さで形成される。所定の厚さは、例えば2mmである。
【0064】
支持部材40は、タンク30の供給口31に対して相対的な移動が抑制されるように、供給口31に対して固定される。固定手段は、例えば支持部材に設けたフックがある。供給口にフックを引っ掛けて固定する。
【0065】
支持部材40には、開口部43が設けられている。開口部43は、支持部材40において、タンク30に供給された液体が供給される部分に設けられる。開口部43から樹脂組成物50の少なくとも一部がタンク30の内部空間Sに対して露出するように構成される。開口部43の樹脂組成物50と開口部43以外の支持部材40は、同一面あるいは開口部43から樹脂組成物50が凸形状あるいは凹形状となるように構成される。開口部43は、任意の形状により構成される。一例では、開口部43の形状は、角形である。
【0066】
支持部材40から樹脂組成物50が露出する面積が、樹脂組成物50の表面積全体に対して1~50%の面積になるように開口部43の大きさは構成される。
【0067】
樹脂組成物50は、水不溶性樹脂および水溶性物質を含む。水不溶性樹脂と水溶性物質との比率は、任意の比率である。一例では、水溶性物質は、20~90重量パーセントの範囲内である。好ましくは、水溶性物質は40~70重量パーセントの範囲内である。水不溶性樹脂は、水に対して不溶の任意の材料により構成される。好ましくは、ガラス化転移温度が第1所定範囲内、かつ、融点が第2所定範囲内の材料により構成される。第1所定範囲は、例えば-130℃以上である。第1所定範囲は、例えば100℃以下である。第2所定範囲は、例えば-80℃以上である。第2所定範囲は、例えば250℃以下である。水不溶性樹脂を構成する材料の一例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンレテレフタレート、および、アクリル変性ポリエチレンである。
【0068】
水溶性物質は、水に溶出することで所定の作用を有する物質である。所定の作用の一例は、タンク30内における金属イオンの蓄積の抑制である。一例では、水溶性物質は、金属イオンと錯体を形成するキレート剤である。キレート剤の一例は、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/マレイン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、などのアクリル酸ナトリウム、1-ヒドロキシエタン-11-ジホスホン酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、および、シクロヘキサンジアミン四酢酸である。
【0069】
図9を参照してタンク30内部における支持部材40および樹脂組成物50の位置について説明する。
【0070】
供給口31の重心P1と樹脂組成物50上の点P3との距離D1は、放出口32の重心P2と樹脂組成物50上の点P3との距離D2よりも短い。樹脂組成物50上の点P3は、距離D1を最短距離として構成する点である。供給口31、放出口32、および、樹脂組成物50の少なくとも1つが複数設けられる場合も、それぞれ距離D1および距離D2が定義される。好ましくは、すべての場合で距離D1は距離D2よりも短い。
【0071】
樹脂組成物50の製造方法について説明する。
【0072】
水不溶性樹脂と水溶性物質とを計量し、水不溶性樹脂と水溶性物質とを加熱混錬して樹脂組成物50のストランドが形成される。一例では、水不溶性樹脂と水溶性物質とは、等量である。加熱混錬は、例えば2軸押し出し式混錬機を使用して、200℃の条件で実行される。ストランドは、細断されペレットが形成される。ペレットを射出成型することで、所定の形状の樹脂組成物50が形成される。樹脂組成物50の所定の形状の一例は、板形状である。別の例では、所定の形状の一例は、球形状、円筒形状である。
図1に示される樹脂組成物50の形状は、板形状である。樹脂組成物50の長軸方向の長さおよび短軸方向の長さは、使用する機器10のタンク30の大きさに応じて任意に形成される。好ましくは、樹脂組成物50の長軸方向の長さは、70mm以下の範囲内である。より好ましくは、樹脂組成物50の長軸方向の長さは、55mm以下である。好ましくは、樹脂組成物50の短軸方向の長さは、35mm以下である。より好ましくは、樹脂組成物50の短軸方向の長さは、30~35mmの範囲内である。好ましくは、樹脂組成物50の厚み方向の長さは、15mm以下の範囲内である。より好ましくは、樹脂組成物50の厚み方向の長さは、10mm以下の範囲内である。なお、注水時の水の跳ね返りがないように樹脂組成物50の表面加工を施してもよい。表面加工の例は溝形形成がある。
【0073】
本願発明者は、本願の支持部材40および樹脂組成物50の効果を確認するための評価試験を行った。一つ目の評価試験(評価試験1と称す)では、水溶性物質の残存率の異なる複数の樹脂組成物50を作成し、開口部の面積が異なるように支持部材40を樹脂組成物50一つずつ被覆し、溶出濃度を測定した。
【0074】
樹脂組成物50をタンク給水口に1個ずつ投入し、1700mlの水を添加した。樹脂組成物50の重量は、20gである。水を添加した10分後にビーカー内の水を採取し、水中の機能性水溶性物質の濃度を測定した。溶出濃度は、有機体の炭素の総量を計測することにより測定した。水を採取後、各比較例および実施例の樹脂組成物50を乾燥させた。乾燥の時間は24時間である。乾燥した樹脂組成物50の重量を測定し、水溶性物質の残存率を算出した。この手順を繰り返すことにより、残存率の異なる複数の樹脂組成物50を作成した。具体的には、残存率が1.0~0.25の範囲内で略0.25ごとに異なる樹脂組成物50を作成した。残存率が異なる樹脂組成物50の一つずつの全表面積に対して2~20%の開口部43になるように支持部材40を被覆した。
【0075】
支持部材40から樹脂組成物50が露出する開口部43に向けて、漏斗を用いて注水した。注水は、不純物を含まない1700mlの純水を30秒かけて行った。10分後に水を回収し、溶出濃度を測定して溶出濃度と残存率とをグラフにブロットした。上記の手順は、複数回実施した。表示される溶出濃度および残存率は、複数回実施した結果の平均値である。
【0076】
図10を参照して評価試験1の結果を説明する。
図10の縦軸は溶出濃度(ppm)を示す。
図10の横軸は、残存率を示す。各ドットは、残存率が所定の値であるときの溶出濃度を表す。
図10中の直線は、近似線を示す。
【0077】
樹脂組成物50の支持部材40に設けられた開口部43からの溶出面積比率が20%の場合は、水が樹脂組成物50の表面に接触する面積が大きい。このため、残量率が減少しても溶出濃度は高い水準を維持した。一方、樹脂組成物50の支持部材40に設けられた開口部43からの面積比率が減少するに従い、いずれの残存率においても溶出濃度が低下した。
【0078】
評価試験1の結果から以下の知見が得られる。支持部材40の開口部43からの樹脂組成物50の溶出面積比率と溶出濃度の間には比例関係がみられる。このことから、支持部材40に設けられた開口部43からの溶出面積比率を設定することによって、所定の溶出濃度の制御が可能となる。また、溶出濃度の制御により、長期的に水溶性物質を溶出でき、樹脂組成物50の使用期間を長く設定することができる。
【0079】
2つ目の評価試験では、樹脂組成物50に含まれる水溶性物質含有率が異なる複数の樹脂組成物50を作成し、開口部の面積が異なるように支持部材40を樹脂組成物50の1つずつに被覆した。そして、溶出濃度を測定した。溶出濃度の測定は一つ目の評価試験と同じ方法で行った。
【0080】
図11を参照して二つ目の評価試験(評価試験2と称す)の結果を説明する。
図11の横軸は支持部材40に設けられた開口部43からの樹脂組成物50の溶出面積比率(%)を示す。
図11の縦軸は樹脂組成物50中の水溶性物質の含有率(%)を示す。表中のデータは各条件での樹脂組成物50の初期の溶出濃度(ppm)を示す。初期の溶出濃度は、開口部43からの溶出面積比率および水溶性物質の含有率と比例関係がみられた。
【0081】
このことから、水溶性物質の含有率と開口部からの溶出面積比率を組み合わせることで、所定の溶出濃度の設定ができる。例えば、初期の溶出濃度を15~20ppm以下に設定したい場合は、開口部43の溶出面積比率を10%、水溶性物質の含有率を70~50%に設定すればよい。さらに、開口部43の溶出面積比率を3~4%で水溶性物質の含有率を40%にすれば、初期の溶出濃度を低く設定できる。初期の溶出濃度を低く設定することで、長期的に樹脂組成物50中の水溶性物質を溶出可能となり、樹脂組成物50の使用期間を長く設定することができる。
【0082】
本実施の形態の機器110の作用について説明する。
【0083】
ユーザは、機器110に設けられるタンク30内に所定の開口部から、樹脂組成物50を被覆する支持部材40を入れる。ユーザはタンク30内に水を入れる。樹脂組成物50は、水溶性物質を少なくともタンク30内に放出する。タンク30の給水口から注水された水は下部のタンク空間に溜まるので、樹脂組成物50は水に浸漬しない乾燥状態に配置される。ユーザは次回使用時に再びタンク30の内部に水を入れる。樹脂組成物50は、水溶性物質を少なくともタンク30内に徐放する。
【0084】
(変形例)
実施の形態に関する説明は本開示に関する機器が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0085】
・樹脂組成物50は、多孔質物質をさらに備えていてもよい。多孔質物質は、例えば細孔の内部に水不溶性樹脂および水溶性物質の少なくとも一部を保持する。多孔質物質は、例えば多孔質ガラス、活性炭、ゼオライト、および、ポーラスコンクリートの少なくとも1つで構成される。好ましくは、多孔質物質は多孔質ガラスである。より好ましくは、多孔質ガラスはアモルファスシリカである。多孔質物質は、例えば粒子状に形成される。多孔質物質の粒径、比表面積、細孔径、および、吸油量は、徐放性を備えるのに適した値が任意に設定される。一例では、多孔質物質の粒径は平均5μmである。一例では、多孔質物質の比表面積は、700m2/gである。一例では、多孔質物質の細孔径は11nmである。多孔質物質の吸油量は、400ml/100gである。
【0086】
・所定の作用に応じて水溶性物質を変更可能である。水溶性物質は、抗酸化作用を備える抗酸化剤、濡れ性を改良するための界面活性剤、および、抗菌剤等であってもよい。抗酸化剤は、例えばエリソルビン酸、コウジ酸、アスコルビン酸である。界面活性剤は、例えばイオン系または非イオン系の界面活性剤である。抗菌剤は、例えば臭化銅、クロム酸銅、硝酸銀、硫酸アルミニウム、ヨウ素である。
【0087】
本開示に関する機器は、例えばスチームアイロン、ガーメントスチーマ、エアーコンディショナ、洗濯機、食器洗浄乾燥機、および、電気ケトルなどの液体を利用する家庭用および業務用の家電製品に利用できる。
【符号の説明】
【0088】
10,110 :機器
20 :ベース面
30 :タンク
31 :供給口
32 :放出口
40 :支持部材
41 :第1支持部材
42 :第2支持部材
44 :突起
50 :樹脂組成物
60 :筐体
61 :ポンプ
62 :ボイラー
70 :ホース
80 :アイロン
D1 :距離
D2 :距離
G :隙間
L1 :線