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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】高周波処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/68 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
H05B6/68 320M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022501885
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2021005595
(87)【国際公開番号】W WO2021166869
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】P 2020027702
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】細川 大介
(72)【発明者】
【氏名】大森 義治
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】夘野 高史
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110112(JP,A)
【文献】特開2020-13759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容するように構成された加熱室と、
所定の周波数帯域における任意の周波数を有する高周波電力を発生するように動作可能な高周波発生部と、
前記加熱室に前記高周波電力に応じた入射電力を供給するように構成された給電部と、
前記入射電力と前記入射電力のうち前記加熱室から前記給電部に戻る反射電力との一方または両方を検出するように動作可能な検出部と、
前記高周波発生部を制御して前記被加熱物の加熱を制御するように動作可能な制御部と、
前記検出部により検出された情報を、前記高周波電力の前記周波数および前記加熱の開始からの経過時間とともに記憶するように動作可能な記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記高周波発生部に、前記加熱のための複数の周波数の前記高周波電力を一つずつ繰り返し発生させるにように動作可能であり、
前記制御部は、前記反射電力の時間的変化、前記入射電力に対する前記反射電力の比である反射率の時間的変化、または、前記入射電力と前記反射電力との差である電力差の時間的変化に基づいて前記被加熱物の状態を判断し、前記加熱を制御するように動作可能である、高周波処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記反射電力または前記反射率の前記時間的変化が極大値を示した後、所定時間における前記時間的変化の減少量が所定の閾値を超えた場合、前記被加熱物の加熱を終了するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記反射電力または前記反射率の前記時間的変化が緩やかになる変化を前記被加熱物からの水分の蒸発によると判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記反射電力または前記反射率が上昇してから下降し、再び上昇した後、前記反射電力または前記反射率の前記時間的変化が緩やかになると前記被加熱物からの水分の蒸発が発生したと判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記反射電力または前記反射率の前記時間的変化が大きい時間帯の後の前記時間的変化の小さい時間帯を前記被加熱物が潜熱を解放する時間帯と判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の周波数における前記反射電力または前記反射率の前記時間的変化における重なり度合いの増加を前記被加熱物の表面状態の安定化と判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の周波数における反射率の高い周波数の順序が時間経過に従って逆転する現象に基づいて前記被加熱物の状態を判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記電力差の前記時間的変化が極小値を示した後、前記電力差が時間経過に伴って上昇する変化に基づいて、少量の前記被加熱物の解凍が進行中であると判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記電力差が時間経過に伴って下降し、前記複数の周波数のそれぞれに対する前記電力差の前記時間的変化が一定となる変化に基づいて、多量の前記被加熱物の解凍が進行中であると判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記電力差が時間経過に伴って下降し、前記複数の周波数のそれぞれに対する前記電力差が時間経過に伴って互いに接近する変化に基づいて、多くの水分を含有する前記被加熱物の解凍が進行中であると判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記電力差の前記時間的変化が極大値を示した後、前記電力差が時間経過に伴って下降する変化に基づいて、前記被加熱物の沸騰が進行中であると判断して、前記加熱を制御するように動作可能である、請求項1に記載の高周波処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高周波電力発生部を備えた高周波処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高周波を用いた加熱装置は、被加熱物を収容する加熱室と、高周波発生部と、検出部と、制御部とを有する。高周波発生部は、半導体発振子を含み、所定の周波数帯域における選択された任意の周波数を発生する。検出部は、高周波発生部と加熱室との間に配置され、入射電力と反射電力とを検出する。
【0003】
入射電力とは、高周波発生部から加熱室に供給される高周波電力である。反射電力とは、加熱室に供給された入射電力のうち、加熱室から高周波発生部に戻る高周波電力である。制御部は、検出部により検出された値に基づいて、高周波電力の出力レベルおよび位相を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/188422号
【発明の概要】
【0005】
しかし、特許文献1は、入射電力と反射電力とを用いてどのように被加熱物を加熱するかを具体的に開示していない。
【0006】
従来の加熱処理は、冷凍された被加熱物がどの程度解凍されたかを検出する工程、および、被加熱物がどの程度膨張したかを検出する工程の両方または一方を含む。しかし、現状、被加熱物における解凍の検出および膨張の検出などの種々の状態検出に関して、有効な方法が必ずしも確立されているわけではない。
【0007】
本開示は、被加熱物の状態を検出することにより、被加熱物の加熱を適切に制御することを目的とする。
【0008】
本開示の一態様の高周波処理装置は、被加熱物を収容するための加熱室と、高周波発生部と、給電部と、検出部と、制御部と、記憶部とを備える。
【0009】
高周波発生部は、所定の周波数帯域における任意の周波数を有する高周波電力を発生する。給電部は、加熱室に高周波電力に応じた入射電力を供給する。検出部は、入射電力と入射電力のうち加熱室から給電部に戻る反射電力との一方または両方を検出する。制御部は、高周波発生部を制御して被加熱物の加熱を制御する。記憶部は、検出部により検出された情報を、加熱の開始からの経過時間とともに記憶する。
【0010】
制御部は、高周波発生部に、加熱のための複数の周波数の高周波電力を一つずつ繰り返し発生させる。制御部は、反射電力の時間的変化、入射電力に対する反射電力の比である反射率の時間的変化、または、入射電力と反射電力との差である電力差の時間的変化に基づいて被加熱物の加熱を制御する。
【0011】
本態様によれば、被加熱物を望み通りに加熱することができる。その結果、被加熱物における解凍の検出、または、被加熱物における膨張の検出をより高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る高周波処理装置を示す概略構成図である。
図2図2は、実施の形態の実施例1における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図3図3は、実施の形態の実施例2における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図4図4は、実施の形態の実施例3における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図5図5は、実施の形態の実施例4における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図6図6は、実施の形態の実施例5における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図7図7は、実施の形態の実施例6における反射率の時間的変化を示すグラフである。
図8図8は、実施の形態の実施例7における入射電力と反射電力との差の時間的変化を示すグラフである。
図9図9は、実施の形態の実施例8における入射電力と反射電力との差の時間的変化を示すグラフである。
図10図10は、実施の形態の実施例9における入射電力と反射電力との差の時間的変化を示すグラフである。
図11図11は、実施の形態の実施例10における入射電力と反射電力との差の時間的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の第1の態様の高周波処理装置は、被加熱物を収容するための加熱室と、高周波発生部と、給電部と、検出部と、制御部と、記憶部とを備える。
【0014】
高周波発生部は、所定の周波数帯域における任意の周波数を有する高周波電力を発生する。給電部は、加熱室に高周波電力に応じた入射電力を供給する。検出部は、入射電力と入射電力のうち加熱室から給電部に戻る反射電力との一方または両方を検出する。制御部は、高周波発生部を制御して被加熱物の加熱を制御する。記憶部は、検出部により検出された情報を、加熱の開始からの経過時間とともに記憶する。
【0015】
制御部は、高周波発生部に、加熱のための複数の周波数の高周波電力を一つずつ繰り返し発生させる。制御部は、反射電力の時間的変化、入射電力に対する反射電力の比である反射率の時間的変化、または、入射電力と反射電力との差である電力差の時間的変化に基づいて被加熱物の加熱を制御する。
【0016】
本開示の第2の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、反射電力または反射率の時間的変化が極大値を示した後、所定時間における該時間的変化の減少量が所定の閾値を超えた場合、被加熱物の加熱を終了する。
【0017】
本開示の第3の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、反射電力または反射率の時間的変化が緩やかになる変化を被加熱物からの水分の蒸発によると判断して、加熱を制御する。
【0018】
本開示の第4の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、反射電力または反射率が上昇してから下降し、再び上昇した後、反射電力または反射率の時間的変化が緩やかになると、被加熱物からの水分の蒸発が発生したと判断して、加熱を制御する。
【0019】
本開示の第5の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、反射電力または反射率の時間的変化が大きい時間帯の後の該時間的変化の小さい時間帯を被加熱物が潜熱を解放する時間帯と判断して、加熱を制御する。
【0020】
本開示の第6の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、複数の周波数における反射電力または反射率の時間的変化における重なり度合いの増加を被加熱物の表面状態の安定化と判断して、加熱を制御する。
【0021】
本開示の第7の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、複数の周波数における反射率の高い周波数の順序が時間経過に従って逆転する現象に基づいて被加熱物の状態を判断して、加熱を制御する。
【0022】
本開示の第8の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、電力差の時間的変化が極小値を示した後、電力差が時間経過に伴って上昇する変化に基づいて、250g~1.5kgの少量の被加熱物の解凍が進行中であると判断して、加熱を制御する。
【0023】
本開示の第9の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、電力差が時間経過に伴って下降し、複数の周波数のそれぞれに対する電力差の時間的変化が一定となる変化に基づいて、2kg~5kgの多量の被加熱物の解凍が進行中であると判断して、加熱を制御する。
【0024】
本開示の第10の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、電力差が時間経過に伴って下降し、複数の周波数のそれぞれに対する電力差が時間経過に伴って互いに接近する変化に基づいて、多くの水分を含有する被加熱物の解凍が進行中であると判断して、加熱を制御する。
【0025】
本開示の第11の態様の高周波処理装置において、第1の態様に基づきながら、制御部は、電力差の時間的変化が極大値を示した後、電力差が時間経過に伴って下降する変化に基づいて、被加熱物の沸騰が進行中であると判断して、加熱を制御する。
【0026】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本開示の実施の形態に係る高周波処理装置を示す概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る高周波処理装置は、加熱室1と、高周波発生部3と、増幅部4と、給電部5と、検出部6と、制御部7と、記憶部8とを備える。
【0028】
加熱室1は、負荷である食品などの被加熱物2を収容する。高周波発生部3は半導体素子で構成される。高周波発生部3は、所定の周波数帯域における任意の周波数の高周波電力を発生することができ、制御部7により指定された周波数の高周波電力を発生する。
【0029】
増幅部4は半導体素子で構成される。増幅部4は、高周波発生部3により発生された高周波電力の出力レベルを制御部7の指示に応じて増幅し、増幅された出力レベルの高周波電力を出力する。
【0030】
給電部5はアンテナとして機能し、増幅部4により増幅されたマイクロ波を入射電力として加熱室1に供給する。すなわち、給電部5は、高周波発生部3により発生されたマイクロ波に基づく入射電力を加熱室1に供給する。入射電力のうち、被加熱物2などにより消費されない電力は、加熱室1から給電部5に戻る反射電力となる。
【0031】
検出部6は例えば方向性結合器で構成される。検出部6は入射電力および反射電力の量を検出し、その情報を制御部7に通知する。すなわち、検出部6は、入射電力検出部および反射電力検出部の両方として機能する。
【0032】
検出部6は、例えば約-40dBの結合度を有し、入射電力および反射電力の約1/10000程度の電力を抽出する。抽出された入射電力および反射電力は検波ダイオード(図示せず)で整流化され、コンデンサ(図示せず)で平滑化されて、入射電力および反射電力の量に応じた情報に変換される。制御部7は、これらの情報を検出部6から受信する。
【0033】
記憶部8は半導体メモリなどで構成され、制御部7からのデータを記憶し、記憶したデータを読み出して制御部7に送信する。具体的には、記憶部8は、検出部6により検出された入射電力および反射電力の量、ならびに、反射電力に関連する情報を、マイクロ波の周波数と加熱の開始からの経過時間とともに記憶する。
【0034】
本実施の形態では、反射電力に関連する情報は、例えば反射率、すなわち、入射電力に対する反射電力の比である。反射電力に関連する情報は、入射電力と反射電力との差でもよい。以下、入射電力と反射電力との差を電力差という。
【0035】
制御部7は、CPU(Central processing unit)を含むマイクロプロセッサで構成される。制御部7は、検出部6および記憶部8からの情報に基づいて、高周波発生部3および増幅部4を制御して、被加熱物2の加熱を実行する。被加熱物2が食品の場合、高周波処理装置は加熱調理器であり、被加熱物2の加熱は食品の調理である。
【0036】
制御部7は、高周波発生部3に周波数掃引を行わせる。周波数掃引とは、所定の周波数帯域にわたって発振周波数を所定の周波数間隔で順に変える高周波発生部3の動作である。本実施の形態では、所定の周波数帯域は2400MHz~2500MHzである。
【0037】
制御部7は、周波数掃引の後に、被加熱物2の加熱に用いる複数の周波数を所定の周波数帯域から選択する。具体的には、制御部7は、周波数掃引の間に検出された入射電力および反射電力に基づいて、高周波電力による加熱の効率を算出する。制御部7は、最も効率の良い周波数およびその近くのいくつかの周波数を、複数の周波数に設定する。
【0038】
制御部7は、高周波発生部3に、設定された複数の周波数を有する高周波電力を一つずつ順に繰り返し発生させる。制御部7は、高周波発生部3に、加熱のための複数の周波数の高周波電力を一つずつ繰り返し発生させる。制御部7は、反射電力の時間的変化、入射電力に対する反射電力の比である反射率の時間的変化、または、入射電力と反射電力との差である電力差の時間的変化に基づいて被加熱物2の加熱を制御する。制御部7は、増幅部4に、こられの高周波電力を加熱のための出力レベルに増幅させる。
【0039】
制御部7は、加熱中に検出された入射電力および反射電力に基づいて、反射率の時間的変化を記憶部8に記憶させる。制御部7は、反射率の変化または電力差の変化に基づいて、加熱室1内の被加熱物2の状態およびその状態の変化を判断する。制御部7は、その結果に基づいて、加熱に使用するべき高周波電力の出力レベルの変更、および、加熱の終了を判断する。
【0040】
以下、本実施の形態における制御部7による種々の制御方法を、実施例1~実施例10として説明する。互いに矛盾しなければ、下記実施例のうちの少なくとも二つを任意に組み合わせてもよい。
【0041】
実施例1~6におけるグラフにおいて、縦軸は反射率(%)を表す。しかし、縦軸は反射電力の絶対値であってもよい。すなわち、制御部7は、反射率の代わりに反射電力に基づいて被加熱物2の加熱を制御してもよい。この場合、反射電力に関連する情報は反射電力そのものの量である。
【0042】
実施例8~10におけるグラフにおいて、縦軸は電力差(mW)を表す。ただし、電力差の単位はmWに限らない。
【0043】
(実施例1)
本実施の形態の実施例1について説明する。図2は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2400MHz、2401MHz、2402MHz、2403MHz、2404MHz、2405MHz、2406MHz、2407MHzである。
【0044】
具体的には、制御部7は、高周波発生部3に、最初の20msの間、2400MHzの周波数の高周波電力を発生させた後、次の20msの間、2401MHzの周波数の高周波電力を発生させる。すなわち、制御部7は、高周波発生部3に、高周波電力の周波数を2400MHzから2407MHzまで20msごとに1MHzずつ変えさせる。
【0045】
周波数が2409MHzに到達すると、制御部7は、周波数を2400MHzに戻し、同様の動作を高周波発生部3に行わせる。図2は、このシーケンスを約900秒間繰り返し実施して得られた反射率の時間的変化を示すグラフである。
【0046】
図2に示すように、加熱開始から約400秒後に、すべての周波数に対して反射率の時間的変化が極大値を示す。加熱開始から約500秒後に、すべての周波数に対して反射率が急激に下降する。
【0047】
反射率の時間的変化における極大値は、反射率の時間的変化の時間微分値が正から負へ変化する時点を検出することで検出することができる。反射率の急激な下降は、所定時間内における反射率の時間的変化が所定の閾値を超えることを検出することで検出することができる。
【0048】
実施例1では、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数に対して反射率の時間的変化における極大値を検出すると、増幅部4に高周波電力の出力レベルを上昇させるなどにより、加熱を促進する。制御部7は、反射率の急激な下降を検出すると、加熱を終了する。
【0049】
(実施例2)
本実施の形態の実施例2について説明する。図3は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2470MHz、2471MHz、2472MHz、2473MHz、2474MHz、2475MHz、2476MHz、2477MHz、2478MHz、2479MHzである。制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例1と同様に繰り返し発生させる。
【0050】
図3に示すように、すべての周波数に対して反射率は上昇したのち下降し、再度上昇したのち下降する。本実施例では、制御部7は、複数の周波数に対する反射率の時間的変化を示すグラフにおける「谷」に見える変化を被加熱物2からの水分の蒸発によるものと判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0051】
具体的には、図3に示す例において、被加熱物2は、加熱により膨張する洋菓子である。この種の洋菓子は、加熱されると内部の水分の温度がある程度上昇するまではその体積を維持する。しかし、内部の水分の温度がそれ以上上昇すると、その体積は膨張により急激に増大する。
【0052】
体積が膨張する際、この種の洋菓子は、その内部から急激に水分を放出しながら膨張する。水の比誘電率は非常に高いため、加熱室1内に水分が放出されると、高周波電力は水に吸収され、反射率は低下する。水の比誘電率とは、真空の誘電率に対する水の誘電率である。水の温度が25℃で、周波数が2450MHzのとき、水の比誘電率は約77である。
【0053】
この反射率の低下現象は、被加熱物2からの水分の蒸発が最大になるまで続き、その後、水分の蒸発が下降するにつれて反射率は上昇する。加熱により膨張する洋菓子は、内部の水分が外部に放出されるにつれて膨張することが知られている。
【0054】
すなわち、制御部7は、反射率に基づいて洋菓子からの水分の蒸発の度合いを検出することができる。制御部7は、その水分の蒸発の度合いに基づいて洋菓子の膨張の度合いを判断することができる。
【0055】
図3に示すように、すべての周波数に対して、反射率は加熱を開始すると上昇し始め、加熱開始から約200秒後に下降し始める。このあたりの時点で反射率の時間的変化は極大値を示す。この変化は、このあたりの時点から被加熱物2が膨張し始めていることを示している。以下、この事象を事象(a)という。
【0056】
すべての周波数に対して、加熱開始から約300秒後に反射率は再び上昇し始め、反射率の時間的変化は極小値を示す。この変化は、このあたりの時点で洋菓子から最も多くの水分が蒸発していることを示している。以下、この事象を事象(b)という。
【0057】
すべての周波数に対して、加熱開始から約500秒後の時点で、反射率の時間的変化が緩やかになっている。これは、このあたりの時点で被加熱物2が最も膨張していることを示している。以下、この事象を事象(c)という。本実施例では、制御部7は、事象(a)、(b)、(c)を検出することにより、加熱終了のタイミングを決定する。
【0058】
事象(c)だけを検出するためには、検出のための条件を、加熱に使用する複数の周波数に対して反射率の時間的変化が緩やかになったときと定義せざるを得ない。この場合、加熱開始から約200後の時点で誤検出が発生する可能性が高い。誤検出を防止するためには、事象(a)、(b)、(c)を順番に検出すればよい。
【0059】
(実施例3)
本実施の形態の実施例3について説明する。図4は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。図4に示す例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2460MHz、2461MHz、2462MHz、2463MHz、2464MHz、2465MHz、2466MHz、2467MHz、2468MHz、2469MHzである。制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例1と同様に繰り返し発生させる。
【0060】
図4に示すように、すべての周波数に対して、反射率は上昇したのち下降する。本実施例では、制御部7は、複数の周波数に対する反射率の時間的変化を示すグラフにおける「山」に見える変化を被加熱物2からの水分の蒸発によるものと判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0061】
具体的には、図4に示す例は、ある程度大きくて温度の非常に低い(例えば、1kg以内で-30℃以下)冷凍肉の塊などの被加熱物2を解凍する場合である。この種の被加熱物2は外部から加熱されても、容易にその内部の温度は上昇しない。しかし、加熱室1内の空気および加熱室1の内壁の温度は外部からの加熱により上昇する。すなわち、被加熱物2から水分が蒸発することなく、加熱室1内の温度が上昇する。
【0062】
すべての周波数に対して、加熱室1内の温度が上昇するにつれて反射率も上昇する。従って、加熱開始から被加熱物2から水分が蒸発し始めるまでの間、反射率は上昇し続ける。被加熱物2から水分が蒸発し始めると、高周波電力がその水分に吸収されることにより反射率は下降し始める。
【0063】
すなわち、反射率の時間的変化を検出することにより、被加熱物2からの水分の蒸発を検出することができる。反射率の時間的変化の程度に基づいて、被加熱物2がどれだけ解凍されたかを検出することができる。
【0064】
図4に示すように、すべての周波数に対して、加熱開始から約150秒後に反射率の時間的変化は極大値を示している。これは、この時間帯に水分が蒸発し始めることを示す。すなわち、この事象は解凍の始まりという事象(d)に対応する。
【0065】
すべての周波数に対して、加熱開始から約350秒後に反射率の時間的変化は極小値を示している。この事象は、この時間帯に最大量の水分の蒸発が発生したという事象(e)に対応する。その後の反射率の緩やかな変化は、蒸発する水分量の緩やかな変化に対応する。すなわち、この事象は、この時間帯に、被加熱物2が解凍され続けるという事象(f)に対応する。
【0066】
事象(f)だけを検出するためには、検出のための条件を、加熱に使用する複数の周波数に対して反射率が緩やかに変化し始めたときと定義せざるを得ない。この場合、加熱開始から約150秒後の時点で誤検出が発生する可能性が高い。誤検出を防止するために、事象(d)、(e)、(f)を順番に検出すればよい。
【0067】
(実施例4)
本実施の形態の実施例4について説明する。図5は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2480MHz、2482MHz、2484MHzである。制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例1と同様に繰り返し発生させる。
【0068】
図5に示す例では、すべての周波数に対して、反射率は一旦下降した後上昇する。しかし、その後は反射率の時間的変化は小さい、すなわち、すべての周波数に対して反射率がある一定の値の付近で推移する。
【0069】
この場合、制御部7は、複数の周波数に対する反射率の時間的変化を示すグラフにおける「平野」に見える変化を被加熱物2が潜熱を解放している状態と判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0070】
具体的には、図5に示す例は、大きさが非常に大きくて温度が低い(例えば、1kg以上で-30℃以下)冷凍肉の塊を解凍する場合である。この種の被加熱物2は外部から加熱されても、容易にその内部の温度は上昇しない。しかし、被加熱物2の表面が概ね解凍されると、その表面の温度は上昇し、内部の凍った水分は融解する。このため、熱吸収が平衡に達する。このとき、被加熱物2は安定状態となり、反射率はほとんど変化しない。
【0071】
図5に示すように、すべての周波数に対して、加熱開始から約600秒後までは反射率は大きく変化する。しかし、それ以降、反射率はそれまでに比べてあまり変化しない。
【0072】
制御部7は、加熱に使用する複数の周波数における反射率の時間的変化の小さい時間帯を被加熱物2が潜熱を解放する時間帯と判断することで、被加熱物2の状態を判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0073】
(実施例5)
本実施の形態の実施例5について説明する。図6は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2411MHz、2412MHz、2413MHz、2414MHz、2415MHz、2416MHz、2417MHz、2418MHzである。制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例1と同様に繰り返し発生させる。
【0074】
図6に示す例では、すべての周波数に対して反射率の時間的変化の差が大きい時間帯から、その差が小さい時間帯に遷移する。この場合、制御部7は、複数の周波数に対する反射率の時間的変化を示すグラフにおける「収斂」に見える変化を被加熱物2の表面状態の安定化と判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0075】
具体的には、図6に示す例において、被加熱物2はシュークリーム(cream puff)の外皮(shell)の生地である。以下、シュークリームの外皮の生地を単に生地という。生地の主成分は小麦粉、水、砂糖である。オーブン加熱などで生地を約200℃に加熱し、その温度が所定温度に到達すると生地が膨らみ始める。オーブン加熱とは、輻射加熱および対流加熱を用いた加熱方式である。
【0076】
しかし、一般的にオーブン加熱において、加熱室1内の温度は設定温度通りに一定とはならず、場所によってばらつきが発生する。しかし、このばらつきを検出しにくい周波数帯が存在する。この問題を解決するために、本実施の形態では、複数の周波数の高周波電力を加熱に使用する。
【0077】
図6に示す例では、加熱開始から約300秒後までは、複数の周波数における反射率の時間的変化はほとんど互いに重ならない。しかし、それ以降、複数の周波数における反射率の時間的変化はほぼ重なり合う。
【0078】
このように、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数における反射率の時間的変化における重なり度合いの増加に基づいて被加熱物2の表面状態が安定したと判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0079】
(実施例6)
本実施の形態の実施例6について説明する。図7は、本実施例における反射率の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2451MHz、2452MHz、2453MHz、2454MHzである。制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例1と同様に繰り返し発生させる。
【0080】
図7に示すように、加熱開始から約280秒後までは、加熱に使用する複数の周波数のうちの低い周波数ほど反射率が高い。これに対して、それ以降は、複数の周波数のうちの高い周波数ほど反射率が高い。すなわち、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数における反射率の高い周波数の順序が時間経過に従って逆転する現象に基づいて被加熱物2の状態を判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2の加熱を適切に制御する。
【0081】
具体的には、図7に示す例において、実施例5と同様に、被加熱物2はシュークリームの外皮の生地である。上記の通り、生地の主成分は小麦粉、水、砂糖である。オーブン加熱などで生地を約200℃に加熱し、その温度が所定温度に到達すると生地が膨らみ始める。
【0082】
しかし、一般的にオーブン加熱において、加熱室1内の温度は設定温度通りに一定とはならず、場所によってばらつきが発生する。これに加えて、加熱室1に供給された高周波電力が加熱室1内で反射を繰り返すことで、加熱室1内に定在波が形成される。この定在波の影響で、加熱室1内の温度にさらなるばらつきが発生する。
【0083】
このため、生地の内部に温度の高い部分と温度の低い部分が発生する。その結果、生地が、特定の周波数の高周波電力を吸収しやすい状態(形状、水分量、温度)になる。その後、生地の内部を熱が伝わることにより、生地の内部の状態が変化する。その結果、高周波電力を吸収し易い周波数が変化する。
【0084】
この問題を解決するために、本実施の形態では、複数の周波数の高周波電力を加熱に使用する。加熱に使用する複数の周波数における反射率の時間的変化において図7に示す変化を検出することで、制御部7は、上記のような被加熱物2の状態を判断する。制御部7は、その判断に基づいて被加熱物2を適切に制御する。
【0085】
(実施例7)
本実施の形態の実施例7について説明する。図8は、本実施例における電力差の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2400MHz、2401MHz、2402MHzである。
【0086】
具体的には、制御部7は、高周波発生部3に、最初の20msの間、2400MHzの周波数の高周波電力を発生させた後、次の20msの間、2401MHzの周波数の高周波電力を発生させる。すなわち、制御部7は、高周波発生部3に、高周波電力の周波数を2400MHzから2402MHzまで20msごとに1MHzずつ変えさせる。
【0087】
周波数が2402MHzに到達すると、制御部7は、周波数を2400MHzに戻し、同様の動作を高周波発生部3に行わせる。図8は、このシーケンスを約360秒間繰り返し実施して得られた電力差の時間的変化を示すグラフである。
【0088】
図8に示すように、加熱開始から約250秒後に、すべての周波数に対して電力差の時間的変化が極小値を示す。その後、電力差は時間の経過とともに緩やかに上昇する。
【0089】
反射率の時間的変化における極小値は、電力差の時間的変化の時間微分値が負から正へ変化する時点を検出することで検出することができる。電力差の下降は、所定時間内における電力差の時間的変化が所定の閾値を超えることを検出することで検出することができる。
【0090】
実施例7では、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数に対して電力差の時間的変化における極小値を検出すると、増幅部4に高周波電力の出力レベルを下降させるなどにより、加熱を弱めるか、または終了する。
【0091】
図8に示すような電力差の時間的変化は、250g~1.5kg程度の少量の凍結した肉塊を解凍する場合に、その解凍が進行するときに生じる。
【0092】
(実施例8)
本実施の形態の実施例8について説明する。図9は、本実施例における電力差の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2400MHz、2401MHz、2402MHzである。
【0093】
制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例7と同様に繰り返し発生させる。
【0094】
図9は、このシーケンスを約360秒間繰り返し実施して得られた電力差の時間的変化を示すグラフである。
【0095】
図9に示すように、加熱開始から電力差の値が下降し、約250秒後に、すべての周波数に対して電力差の時間的変化が一定となる。
【0096】
電力差の下降は、所定時間内における電力差の時間的変化が所定の閾値を超えることを検出することで検出することができる。
【0097】
実施例8では、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数のそれぞれに対して電力差が時間的に変化しなくなったことを検出すると、増幅部4に高周波電力の出力レベルを下降させるなどにより、加熱を弱めるか、または終了する。
【0098】
図9に示すような電力差の時間的変化は、2kg~5kg程度の多量の凍結した肉塊を解凍する場合に、その解凍が進行するときに生じる。
【0099】
(実施例9)
本実施の形態の実施例9について説明する。図10は、本実施例における電力差の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2400MHz、2401MHz、2402MHzである。
【0100】
制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例7~8と同様に繰り返し発生させる。
【0101】
図10は、このシーケンスを約360秒間繰り返し実施して得られた電力差の時間的変化を示すグラフである。
【0102】
図10に示すように、加熱開始から電力差が時間経過に伴って下降し、それぞれの周波数に対する電力差は時間経過に伴って互いに接近する。約350秒後に、すべての周波数に対する電力差はほぼ同時にゼロになる。
【0103】
実施例9では、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数のそれぞれに対する電力差における互いの差が所定の閾値より小さくなったことを検出すると、増幅部4に高周波電力の出力レベルを下降させるなどにより、加熱を弱めるか、または終了する。
【0104】
図10に示すような電力差の時間的変化は、多くの水分を含有する凍結したエビの剥き身などを解凍する場合に、その解凍が進行するときに生じる。
【0105】
(実施例10)
本実施の形態の実施例10について説明する。図11は、本実施例における電力差の時間的変化を示すグラフである。本実施例では、被加熱物2の加熱に使用する複数の周波数は、2400MHz、2401MHz、2402MHzである。
【0106】
制御部7は、高周波発生部3に、これらの周波数の高周波電力を実施例7と同様に繰り返し発生させる。
【0107】
図11に示すように、加熱開始から約250秒後に、すべての周波数に対して電力差の時間的変化が極大値を示す。その後、電力差は時間経過に伴って緩やかに下降する。
【0108】
反射率の時間的変化における極大値は、反射率の時間的変化の時間微分値が正から負へ変化する時点を検出することで検出することができる。電力差の上昇は、所定時間内における電力差の時間的変化が所定の閾値を超えることを検出することで検出することができる。
【0109】
実施例10では、制御部7は、加熱に使用する複数の周波数のそれぞれに対して電力差の時間的変化における極大値を検出すると、増幅部4に高周波電力の出力レベルを下降させるなどにより、加熱を弱めるか、または終了する。
【0110】
図11に示すような電力差の時間的変化は、液体を加熱して沸騰させる場合に、その沸騰が進行するときに生じる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示に係る高周波処理装置は、加熱調理器の他に、乾燥装置、陶芸用加熱装置、生ゴミ処理機、半導体製造装置、化学反応装置などに適用可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 加熱室
2 被加熱物
3 高周波発生部
4 増幅部
5 給電部
6 検出部
7 制御部
8 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11