(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
H02M3/28 K
(21)【出願番号】P 2021070217
(22)【出願日】2021-04-19
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直久
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-291028(JP,A)
【文献】特開2004-304962(JP,A)
【文献】特開2008-161031(JP,A)
【文献】特開2005-051958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流入力電圧を脈流電圧に変換する電圧変換回路と、
一次巻線および二次巻線を有するトランスと、
前記脈流電圧をスイッチングして前記一次巻線に印加する第1スイッチング素子と、
第1抵抗、第1コンデンサおよび第1ダイオードからなり、前記一次巻線の両端に接続されるクランプ型のスナバ回路と、
を備えるスイッチング電源装置であって、
前記トランスの一次側に設けられた補助巻線と、
前記第1コンデンサに充電された充電電圧をスイッチングして前記補助巻線に印加する第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記脈流電圧が所定の閾値以上となる第1期間に、前記第1スイッチング素子を駆動させる一方、前記脈流電圧が前記所定の閾値未満となる第2期間に、前記第2スイッチング素子を駆動させる
ことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記脈流電圧を分圧した分圧電圧を生成する抵抗分圧回路を備え、
前記制御部は、前記分圧電圧と予め設定された設定電圧とを比較することで、前記第1期間か前記第2期間かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
ドライブトランスまたはハイサイドゲートドライブ回路と、
第2ダイオードと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2スイッチング素子を駆動させるための駆動信号を、前記ドライブトランスまたは前記ハイサイドゲートドライブ回路を介して前記第2スイッチング素子の制御端に出力し、
前記第1コンデンサの一端は、前記第2ダイオードを介して前記補助巻線の一端に接続され、前記補助巻線の他端は、前記第2スイッチング素子の電流路を介して前記第1コンデンサの他端に接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
第2ダイオードおよび第3ダイオードをさらに備え、
前記第1コンデンサの一端は、前記第2ダイオードを介して前記補助巻線の一端に接続され、前記補助巻線の他端は、前記第2スイッチング素子の電流路の一端に接続され、前記第2スイッチング素子の前記電流路の他端は、前記第3ダイオードを介して前記第1コンデンサの他端に接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スナバ回路を備えるスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に、従来のスイッチング電源装置1Cを示す。スイッチング電源装置1Cは、交流源Eから入力された交流入力電圧を商用のブリッジダイオードBD1で全波整流し、平滑コンデンサC11で平滑して直流電圧に変換し、変換した直流電圧をスイッチング素子Q1でスイッチングしてトランスT11の一次巻線N11に印加する。スイッチング素子Q1は、駆動回路IC1の駆動信号に応じてPWM制御される。
【0003】
トランスT11の一次巻線N11に電圧が印加されると、トランスT11の二次巻線N12に電圧が誘起される。スイッチング電源装置1Cは、二次巻線N12の誘起電圧をダイオードD2で整流し、コンデンサC2で平滑することで、直流の電圧(出力電圧)に変換して出力する。
【0004】
スイッチング電源装置1Cは、一次巻線N11の側に、抵抗R1、コンデンサC1およびダイオードD1からなるクランプ型のスナバ回路を備える。スナバ回路は、スイッチング素子Q1がオンからオフに切り替わったときに、トランスT11のリーケージインダクタンスで発生するスパイク電圧を適切な値まで低下させることができる。
【0005】
一方で、スイッチング電源装置1Cは、ブリッジダイオードBD1で全波整流した脈流電圧を平滑コンデンサC11で直接平滑しているため、入力側の力率が0.5~0.55程度しかないという問題がある。
【0006】
上記の問題を解決したスイッチング電源装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
図5に、特許文献1に記載のスイッチング電源装置1Dを示す。スイッチング電源装置1Dは、π形のノイズフィルタ11と、第1回路Aおよび第2回路Bとを備える。
【0007】
第1回路Aは、ノイズフィルタ11を介して入力された交流入力電圧を整流回路12で全波整流して脈流電圧を生成し、生成した脈流電圧をスイッチング素子13でスイッチングしてトランスT21の一次巻線N21に印加する。第2回路Bは、ノイズフィルタ11を介して入力された交流入力電圧をブリッジダイオード15で全波整流し、抵抗16で電流制限しながらコンデンサ17で平滑した電圧をスイッチング素子13でスイッチングしてトランスT21の補助巻線N23に印加する。
【0008】
スイッチング電源装置1Dでは、脈流電圧が高い期間において第1回路Aが使用され、脈流電圧が低い期間において第2回路Bが使用されるため、入力側の力率が改善される。しかしながら、スイッチング電源装置1Dでは、脈流電圧が低い期間において電流制限を行う抵抗16が発熱し、電力ロスが発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、電力ロスの発生を抑制しつつ、力率を改善することが可能なスイッチング電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、
交流入力電圧を脈流電圧に変換する電圧変換回路と、
一次巻線および二次巻線を有するトランスと、
前記脈流電圧をスイッチングして前記一次巻線に印加する第1スイッチング素子と、
第1抵抗、第1コンデンサおよび第1ダイオードからなり、前記一次巻線の両端に接続されるクランプ型のスナバ回路と、
を備えるスイッチング電源装置であって、
前記トランスの一次側に設けられた補助巻線と、
前記第1コンデンサに充電された充電電圧をスイッチングして前記補助巻線に印加する第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記脈流電圧が所定の閾値以上となる第1期間に、前記第1スイッチング素子を駆動させる一方、前記脈流電圧が前記所定の閾値未満となる第2期間に、前記第2スイッチング素子を駆動させることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、脈流電圧が所定の閾値以上となる第1期間において、脈流電圧を直接平滑しないので力率は改善され、脈流電圧が所定の閾値未満となる第2期間においては、脈流電圧を用いることなく、スナバ回路の第1コンデンサに充電された充電電圧をスイッチングするので力率は改善される。また、この構成によれば、電流制限を行う抵抗を備えていないので、抵抗の発熱による電力ロスの発生を回避できる。
【0013】
前記スイッチング電源装置は、
前記脈流電圧を分圧した分圧電圧を生成する抵抗分圧回路を備え、
前記制御部は、前記分圧電圧と予め設定された設定電圧とを比較することで、前記第1期間か前記第2期間かを判定するよう構成できる。
【0014】
前記スイッチング電源装置は、
ドライブトランスまたはハイサイドゲートドライブ回路と、
第2ダイオードと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2スイッチング素子を駆動させるための駆動信号を、前記ドライブトランスまたは前記ハイサイドゲートドライブ回路を介して前記第2スイッチング素子の制御端に出力し、
前記第1コンデンサの一端は、前記第2ダイオードを介して前記補助巻線の一端に接続され、前記補助巻線の他端は、前記第2スイッチング素子の電流路を介して前記第1コンデンサの他端に接続されるよう構成できる。
【0015】
前記スイッチング電源装置は、
第2ダイオードおよび第3ダイオードをさらに備え、
前記第1コンデンサの一端は、前記第2ダイオードを介して前記補助巻線の一端に接続され、前記補助巻線の他端は、前記第2スイッチング素子の電流路の一端に接続され、前記第2スイッチング素子の前記電流路の他端は、前記第3ダイオードを介して前記第1コンデンサの他端に接続されるよう構成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電力ロスの発生を抑制しつつ、力率を改善することが可能なスイッチング電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。
【
図2】分圧電圧および設定電圧の大小関係に応じた第1および第2スイッチング素子のスイッチング期間を示す図である。
【
図3】第2実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。
【
図4】従来のスイッチング電源装置の回路図である。
【
図5】特許文献1に記載のスイッチング電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスイッチング電源装置の実施形態について説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置1Aを示す。スイッチング電源装置1Aは、フライバックコンバータである。
【0020】
スイッチング電源装置1Aは、トランスT1と、ブリッジダイオードBD1と、スナバ回路2と、直流化回路3と、第1スイッチング素子Q1と、第2スイッチング素子Q2と、絶縁型のドライブトランス4と、ダイオードD3と、駆動回路5と、抵抗分圧回路6と、制御回路7とを備える。駆動回路5および制御回路7が、本発明の「制御部」に相当する。
【0021】
トランスT1は、一次巻線N1、二次巻線N2および一次側の補助巻線N3を備える絶縁トランスである。一次巻線N1および二次巻線N2は、コイルの巻き方向が逆になっている。補助巻線N3および二次巻線N2も、コイルの巻き方向が逆になっている。トランスT1は、一次巻線N1または補助巻線N3に電圧が印加されると、二次巻線N2に電圧が誘起される。
【0022】
ブリッジダイオードBD1は、入力端が交流電源Eに接続される。ブリッジダイオードBD1の高電位側の出力端は、トランスT1の一次巻線N1の一端(黒丸側)に接続され、一次巻線N1の他端は、第1スイッチング素子Q1の電流路を介してブリッジダイオードBD1の低電位側の出力端に接続される。ブリッジダイオードBD1は、交流電源Eから供給された交流入力電圧を全波整流し、脈流電圧に変換して出力する。
【0023】
スナバ回路2は、抵抗R1、コンデンサC1およびダイオードD1からなるクランプ型のスナバ回路である。抵抗R1は本発明の「第1抵抗」に相当し、コンデンサC1は本発明の「第1コンデンサ」に相当し、ダイオードD1は本発明の「第1ダイオード」に相当する。スナバ回路2は、一次巻線N1の両端間に接続され、第1スイッチング素子Q1がオンからオフに切り替わったときに、トランスT1のリーケージインダクタンスで発生するスパイク電圧を適切な値まで低下させることができる。
【0024】
直流化回路3は、ダイオードD2およびコンデンサC2を含む。ダイオードD2は、アノードがトランスT1の二次巻線N2の他端に接続され、カソードがコンデンサC2の一端(+側)に接続される。コンデンサC2の他端(-側)は、トランスT1の二次巻線N2の一端(黒丸側)に接続される。直流化回路3は、二次巻線N2の誘起電圧をダイオードD2で整流し、コンデンサC2で平滑することで、直流の電圧(出力電圧)に変換して出力する。
【0025】
第1スイッチング素子Q1は、FET(本実施形態では、NチャネルMOSFET)で構成される。第1スイッチング素子Q1は、ゲートが制御回路7の第1出力端子に接続され、ドレインが一次巻線N1の他端およびダイオードD1のアノードに接続され、ソースがブリッジダイオードBD1の低電位側の出力端に接続される。第1スイッチング素子Q1は、ブリッジダイオードBD1から出力された脈流電圧をスイッチングして一次巻線N1に印加する。
【0026】
第2スイッチング素子Q2は、FET(本実施形態では、NチャネルMOSFET)で構成される。第2スイッチング素子Q2は、ゲートがドライブトランス4を介して制御回路7の第2出力端子に接続され、ドレインが補助巻線N3の他端に接続され、ソースがコンデンサC1およびダイオードD3を介して補助巻線N3の一端(黒丸側)に接続される。第2スイッチング素子Q2は、スナバ回路2のコンデンサC1に充電された充電電圧をスイッチングして補助巻線N3に印加する。
【0027】
ドライブトランス4は、制御回路7と第2スイッチング素子Q2との間の絶縁を確保する。なお、ドライブトランス4の代わりに、第2スイッチング素子Q2を駆動させる(オン/オフさせる)ことが可能な絶縁型のハイサイドゲートドライブ回路(IC)を用いてもよい。
【0028】
ダイオードD3は、本発明の「第2ダイオード」に相当し、アノードがコンデンサC1の一端(コンデンサC1とダイオードD1との接続点)に接続され、カソードが補助巻線N3の一端に接続される。ダイオードD3は、第1スイッチング素子Q1がオンになったときに、補助巻線N3に誘起された電圧でコンデンサC1が充電されるのを阻止する。
【0029】
駆動回路5は、PWM制御を行うためのフライバックコンバータ制御ICであり、第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2を駆動させるためのPWM制御信号(本発明の「駆動信号」に相当)を出力端子から出力する。駆動回路5は、例えば、三角波発振器と、出力電圧のフィードバック信号が入力されるフィードバック端子(図示せず)とを有し、三角波発振器が発振した三角波電圧とフィードバック端子の端子電圧とを比較することでPWM制御信号を生成する。
【0030】
抵抗分圧回路6は、直列接続された抵抗R2および抵抗R3からなり、ブリッジダイオードBD1の出力端間に接続される。抵抗分圧回路6は、脈流電圧を分圧した分圧電圧を生成する。
【0031】
制御回路7は、駆動回路5からPWM制御信号が入力される第1入力端子と、抵抗分圧回路6から分圧電圧が入力される第2入力端子と、第1スイッチング素子Q1のゲートに接続される第1出力端子と、ドライブトランス4を介して第2スイッチング素子Q2のゲートに接続される第2出力端子とを備える。
【0032】
制御回路7は、脈流電圧が所定の閾値以上となる第1期間に第1スイッチング素子Q1を駆動させる一方、脈流電圧が所定の閾値未満となる第2期間に第2スイッチング素子Q2を駆動させる。
図2に示すように、制御回路7は、分圧電圧と予め設定された設定電圧V1とを比較することで、第1期間か第2期間かを判定する。制御回路7は、分圧電圧が設定電圧V1以上となる期間を第1期間と判定し、分圧電圧が設定電圧V1未満となる期間を第2期間と判定する。
【0033】
第1期間と判定した制御回路7は、第1スイッチング素子Q1にPWM制御信号を出力する一方で、第2スイッチング素子Q2にはPWM制御信号を出力しない。第2期間と判定した制御回路7は、ドライブトランス4を介して第2スイッチング素子Q2にPWM制御信号を出力する一方で、第1スイッチング素子Q1にはPWM制御信号を出力しない。なお、ドライブトランス4は、制御回路7から入力されたPWM制御信号を、第2スイッチング素子Q2を駆動させる(オン/オフさせる)ことが可能な電圧レベルに変換して出力することができる。
【0034】
第1期間では、第1スイッチング素子Q1が脈流電圧をスイッチングして一次巻線N1に印加する。スナバ回路2のコンデンサC1は、第1スイッチング素子Q1がオンからオフに切り替わったときに発生するフライバック電圧と、トランスT1のリーケージインダクタンスで発生するスパイク電圧とを平滑する一方で、脈流電圧を直接平滑しない。これにより、第1期間において力率が改善される。
【0035】
第2期間では、第2スイッチング素子Q2がスナバ回路2のコンデンサC1に充電された充電電圧をスイッチングして補助巻線N3に印加する。コンデンサC1は、第2期間において第2スイッチング素子Q2のPWM制御が可能となる静電容量を有する。このように、第2期間では脈流電圧をスイッチングしないため、力率が改善される。
【0036】
さらに、スイッチング電源装置1Aは、電流制限を行う抵抗を備えていないので、発熱による電力ロスの発生を回避できる。
【0037】
[第2実施形態]
図3に、本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源装置1Bを示す。スイッチング電源装置1Bは、ドライブトランス4またはハイサイドゲートドライブ回路(IC)を用いることなく第2スイッチング素子Q2を駆動する点を除いて、第1実施形態に係るスイッチング電源装置1Aと共通する。
【0038】
スイッチング電源装置1Bは、本発明の「第3ダイオード」に相当するダイオードD4を備える。スイッチング電源装置1Bでは、スナバ回路2のコンデンサC1の一端(コンデンサC1とダイオードD1との接続点)がダイオードD3を介して補助巻線N3の一端に接続され、補助巻線N3の他端が第2スイッチング素子Q2の電流路(ドレイン・ソース間)を介してダイオードD4のアノードに接続される。そして、ダイオードD4のカソードがコンデンサC1の他端に接続される。
【0039】
スイッチング電源装置1Bによれば、上記の回路構成により、ドライブトランス4またはハイサイドゲートドライブ回路(IC)を用いることなく第2スイッチング素子Q2を駆動することができる。これにより、スイッチング電源装置1Bは、第1実施形態に係るスイッチング電源装置1Aと比較して、装置全体を小型化することができる。
【0040】
また、スイッチング電源装置1Bによれば、第1実施形態に係るスイッチング電源装置1Aと同様に、単一のトランスT1を用いた1コンバータ構成であっても、力率を改善することができる。
【0041】
[変形例]
以上、本発明に係るスイッチング電源装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0042】
本発明に係るスイッチング電源装置は、交流入力電圧を脈流電圧に変換する電圧変換回路と、一次巻線および二次巻線を有するトランスと、脈流電圧をスイッチングして一次巻線に印加する第1スイッチング素子と、第1抵抗、第1コンデンサおよび第1ダイオードからなり、一次巻線の両端に接続されるクランプ型のスナバ回路と、トランスの一次側に設けられた補助巻線と、第1コンデンサに充電された充電電圧をスイッチングして補助巻線に印加する第2スイッチング素子と、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を制御する制御部と、を備えていればよい。
【0043】
そして、本発明の制御部が、脈流電圧が所定の閾値以上となる第1期間に、第1スイッチング素子を駆動させる一方、脈流電圧が所定の閾値未満となる第2期間に、第2スイッチング素子を駆動させるのであれば、本発明に係るスイッチング電源装置は適宜構成を変更できる。
【0044】
上記実施形態では、駆動回路5と制御回路7とを別の構成にしているが、単一の回路として構成してもよい。
【0045】
上記実施形態では、フライバックコンバータを例に挙げて説明したが、本発明は他の方式のスイッチング電源装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1A、1B スイッチング電源装置
2 スナバ回路
3 直流化回路
4 ドライブトランス
5 駆動回路
6 抵抗分圧回路
7 制御回路