(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
G01N35/04 Z
(21)【出願番号】P 2023520848
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2022010485
(87)【国際公開番号】W WO2022239431
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2021079967
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】松尾 純明
(72)【発明者】
【氏名】松岡 晋弥
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-127127(JP,A)
【文献】特開平03-170062(JP,A)
【文献】特開2012-021805(JP,A)
【文献】国際公開第2018/206849(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00~35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させた反応液を測定する自動分析装置であって、
前記反応液を保持する複数の反応容器と、
使用前の前記反応容器を保持する反応容器トレイを輸送する反応容器トレイ昇降機構と、
使用済みの前記反応容器を廃棄するための反応容器廃棄部と、を備えた自動分析装置において、
前記反応容器廃棄部は、前記反応容器トレイ昇降機構と接触可能に構成され、前記反応容器トレイ昇降機構の動作を前記反応容器廃棄部への加振力へ変換する連結部を有する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記連結部は、前記反応容器トレイ昇降機構の動作経路上に突出する突起部を備える
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記反応容器トレイ昇降機構は、前記反応容器廃棄部に隣接して設けられており、
前記連結部は、前記反応容器トレイ昇降機構の昇降動作を前記反応容器廃棄部への加振力へ変換する
ことを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿といった生物学的検体中の成分の定性/定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分析の信頼性を高く維持しながら、使用済みの反応容器の蓄積を均等にすることができる自動分析装置の一例として、特許文献1には、測定が終了した反応容器が廃棄される反応容器廃棄部と、当該反応容器を、反応容器保持部から反応容器廃棄部へ移送し、当該反応容器廃棄部へ廃棄する反応容器移送機構と、制御部とを備え、制御部は、反応容器廃棄部における反応容器の廃棄が所定の位置で連続して行われないように、反応容器移送機構の動作を制御する、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検体に含まれる目的の成分を分析する装置として、分析対象である検体と試薬とが混合した反応液に光源からの光を照射して得られる単一または複数の波長の透過光や散乱光の光量を測定する自動分析装置が広く用いられている。
【0005】
自動分析装置には、生化学検査や血液学検査の分野等で生体検体中の目的成分の定量、定性分析を行う生化学分析用の装置や、検体である血液の凝固能を測定する血液凝固分析用の装置等がある。
【0006】
これら自動分析装置では、検体間の意図しない混合による分析結果への影響を防ぐため、検体と試薬を反応させる反応容器を使い捨てにすることがある。使い捨ての反応容器を用いる場合、使用済みの容器は回収して廃棄する必要がある。
【0007】
ここで、使用済みの反応容器等を自然落下により廃棄部に回収した場合には、廃棄部のある特定の場所へ反応容器が堆積する。廃棄穴は装置の意匠面のスペースを広くとるために廃棄部の開口部に対して小さく設計されていることが多いことから、廃棄穴の直下に反応容器が偏って堆積してしまう傾向がある。
【0008】
このように廃棄部内で反応容器が偏って堆積した場合、ユーザーが廃棄部を取り出す際に、堆積した反応容器が廃棄部からこぼれ落ちる可能性がある。また、反応容器には検体の残渣が残っているため、オペレータが拾い集める場合には二次感染を引き起こしてしまう等の虞がある。更には、偏って堆積することにより、廃棄穴を閉塞させてしまう虞がある。
【0009】
特許文献1では、このようなある特定の場所への反応容器等の堆積を防ぐための技術として、廃棄位置をずらす、廃棄穴を複数設ける、等の技術が開示されているが、装置レイアウトに制約があり、更なる省スペース化や部品点数削減の余地があることが明らかとなった。
【0010】
本発明の目的は、省スペース化を維持しつつ使用済みの反応容器の堆積を従来に比べて簡易に抑制することが可能な自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、自動分析装置は、反応液を保持する複数の反応容器と、使用前の反応容器を保持する反応容器トレイを輸送する反応容器トレイ昇降機構と、使用済みの反応容器を廃棄するための反応容器廃棄部と、を備え、反応容器廃棄部は、反応容器トレイ昇降機構と接触可能に構成され、反応容器トレイ昇降機構の動作を反応容器廃棄部への加振力へ変換する連結部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、省スペース化を維持しつつ使用済みの反応容器の堆積を従来に比べて簡易に抑制することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1の自動分析装置の全体構成の概略を示す図。
【
図2】実施例1に関わる自動分析装置のうち、反応容器廃棄部を含む断面を模式的に示した図。
【
図3】実施例1に係わる自動分析装置の反応容器トレイ昇降機構と反応容器廃棄部との概略を示す図。
【
図4】実施例1に係わる自動分析装置のうち、反応容器廃棄部側の連結部の構造を示す上面図。
【
図5】実施例1に係わる自動分析装置の連結部の構造を示す側面図。
【
図6】本発明の実施例2に係わる自動分析装置のうち、反応容器廃棄部側の連結部の構造を示す上面図。
【
図7】本発明の実施例2に係わる自動分析装置の連結部の構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の自動分析装置の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0015】
<実施例1>
本発明の自動分析装置の実施例1について
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0016】
図1は試薬ディスク(以下、試薬容器ホルダ、ないしドラムと称することがある)を含む自動分析装置の平面図である。
【0017】
また、以下の説明において、上下左右前後の方向は
図1中に示す上下左右前後の方向を基準とする。
【0018】
図1に示す本実施形態に係る自動分析装置1において、鉛直軸のまわりに回転自在に支持された円筒形の試薬ディスク2の外周壁の内側に沿って、複数の試薬容器(以下、試薬コンテナ、試薬ボトル、ないし単にボトルと称する場合がある)を収納し、それぞれの試薬ボトル3から所定の試薬を所定量だけ、分注ピペットによって吸引して、反応容器に分注された血液や尿といった生物学的検体に供給して分析する機能を備える。
【0019】
まず、分析を行う検体の搬送経路について説明する。
【0020】
分析を行う検体5aは、ベルトコンベヤやラックハンドラ等の検体搬送機構5によって自動分析装置1内を移動し、検体を分注する分注ピペットを備えた検体分注機構6まで搬送されて分注される。
【0021】
複数の反応容器は、反応容器トレイ7に載置された状態で自動分析装置1内に供給される。
【0022】
自動分析装置1は、前面に設けられた前面開口20を経由して、閉止位置から全開位置まで水平移動可能に支持され、1つないし複数の反応容器トレイ7(保持部材とも称する)を載置可能な引出し21内に設けられた、反応容器トレイ昇降機構21A,21Bを備える。引出し21の全開位置において反応容器トレイ昇降機構21Aに反応容器トレイ7を載置した後、引出し21を後方に押して閉じることにより、前面開口20を介して反応容器トレイ7を自動分析装置1に供給することができる。自動分析装置1に供給された反応容器トレイ7は、上面開口10を介して反応容器移送機構8に対して露出する。引出し21内には、後述する反応容器廃棄部26も載置される。
【0023】
反応容器14は反応容器トレイ7から反応容器移送機構8によって一つずつ把持された後、上昇して、インキュベータ9(培養ディスクと称することがある)へ移動させる。
【0024】
このような移動を可能とするため、反応容器移送機構8は、X軸(左右方向)、Y軸(前後方向)およびZ軸(上下方向)方向に移動可能に構成されており、その移動範囲としては、反応容器廃棄口12、反応液撹拌機構13、反応容器トレイ7およびインキュベータ9の一部の上方、の範囲を移動可能に構成されている。
【0025】
鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された円板状のインキュベータ9は、複数の反応容器14を外周近傍の円周上に係止する構成であり、インキュベータ9を回転することによって各々の反応容器14を所定位置まで移動させることができる。
【0026】
次に検体分注機構6は検体の上部領域に移動し、検体を吸引した後、インキュベータ9上の反応容器14の上部領域へ移動し、検体を反応容器14内に吐出する。この後、検体分注機構6は、図示しない洗浄機構によって分注ピペットのノズルを洗浄する。ノズルに代えて交換可能なチップを用いる場合は、図示しない交換機構によってチップを交換してもよい。
【0027】
次に、反応容器14内の検体に加える試薬の搬送経路について説明する。
【0028】
鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された円筒状、かつ内側を空洞とした試薬ディスク2は、内側空洞の外周壁に沿って複数の試薬ボトル3を放射状に保持するスロットを形成しており、試薬ディスク2を回転することで、各試薬ボトル3を円周上の所定位置へ移動させる。なお、試薬ボトル3の一部には、撹拌のための磁気粒子を多数含んだ試薬も含まれる。試薬ボトル3を一定の温度に制御するために、試薬ディスク2は断熱機能を有してもよい。
【0029】
試薬分注ピペット15は、試薬ボトル3内の試薬を吸引して所定の位置まで移動できるよう、移動可能に構成されている。まず、試薬ディスク2上の所定の種類の試薬の上部領域へ試薬分注ピペット15が移動して所定の量の試薬を吸引した後、インキュベータ9上の所定の反応容器14の上部領域へ移動して試薬を反応容器14内に排出する。
【0030】
試薬ディスク2の上部には、試薬の撹拌機構16が設けられている。この撹拌機構16には、鉛直軸のまわりに回転可能な磁気粒子撹拌アーム(スティラーとも称される)が設けられている。この磁気粒子撹拌アームは、磁気粒子を含んだ撹拌するべき試薬が入っている試薬ボトル3の上部領域へ移動し、磁気粒子撹拌アームの下端に設けられた例えばパドル状ないし螺旋状の磁気粒子撹拌機構を試薬内に下降させ、この磁気粒子撹拌機構を回転させることによって磁気粒子溶液を撹拌する。溶液内の磁気粒子が自然沈殿しないようにするために、磁気粒子撹拌アームは、試薬が分注される直前に磁気粒子を撹拌する。撹拌後、磁気粒子撹拌アームは、試薬ボトル3の上部まで上昇した後、洗浄液が入った洗浄機構17の上部領域へ移動し、洗浄液内に降下した後、磁気粒子撹拌機構を回転させ、この撹拌機構に付着している磁気粒子を取り除く。
【0031】
検体と所定の試薬を分注してから所定の反応時間が経過した後に、反応液が形成される。この反応液を反応液吸引ノズル18によって反応容器14から吸引し、さらに検出機構19へ供給する。この検出機構19は反応液を分析する。
【0032】
次に、分析された反応液を保持していた反応容器14は反応容器移送機構8によって反応容器廃棄口12の上部領域まで移動され、反応容器廃棄口12を介して反応容器14を反応容器廃棄部26(
図2等)へ廃棄する。
【0033】
装置のこれらの一連の動作は、制御部200によって制御される。
【0034】
この自動分析装置は上記動作を組み合わせ、ないし繰り返すことで、複数の分析項目に関して複数の検体を効率的に分析することができる。
【0035】
また、自動分析装置は
図1に示すような単一の分析モジュール構成とする形態に限られず、様々な同一あるいは異なる分析項目を測定可能な分析モジュールや前処理を行う前処理モジュールを搬送装置で2つ以上接続する構成とすることができる。
【0036】
次いで、反応容器廃棄部26の構成について
図2乃至
図5を用いて説明する。
図2は実施例1に関わる自動分析装置のうち、反応容器廃棄部を含む断面(
図1のA-A′断面の一部)を模式的に示した図、
図3は反応容器トレイ昇降機構と反応容器廃棄部との概略を示す図、
図4は反応容器廃棄部側の連結部の構造を示す上面図、
図5は連結部の構造を示す側面図である。
【0037】
上述の自動分析装置1では、分析開始の際などに、未使用の反応容器14が搭載された反応容器トレイ7を反応容器移送機構8がアクセス可能な位置(反応容器待機部11)に1つ以上セットする。自動分析装置1では、反応容器トレイ7に搭載された未使用の反応容器14が無くなった場合は、使用済みの反応容器トレイ7を反応容器移送機構8が反応容器待機部11から反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降動作により撤去し、新たな未使用の反応容器14が搭載された反応容器トレイ7を反応容器トレイ昇降機構21Aの昇降動作と図示しない反応容器トレイ移動機構により反応容器待機部11に移送する。
【0038】
反応容器14が搭載されていない使用済みの反応容器トレイ7がある程度の数に達したときは、反応容器トレイ昇降機構21B上の使用済みの反応容器トレイ7を引出し21から取り出す。
【0039】
図2に示すように、反応容器廃棄部26は、その上部が開口しており、
図1に示した反応容器廃棄口12の直下に設けられている反応容器廃棄部保持部材25に設置可能に構成されている。
【0040】
図3に示すように、反応容器廃棄部保持部材25は並んで2つ設けられており、装置内では2つの反応容器廃棄部26が保持可能になっている。反応容器廃棄部26は反応容器トレイ昇降機構21Bに壁23を挟んで隣接して設けられている。壁23には、2本のスリット24が設けられている。
【0041】
ここで、反応容器移送機構8が反応容器14を廃棄する箇所が常に同じである場合、反応容器廃棄部26内にて反応容器14は一定の箇所に蓄積されてしまうことになる。
【0042】
そこで、本実施例では、各々の反応容器廃棄部保持部材25内には、L字状の廃棄部側連結部材29が配置される。この廃棄部側連結部材29には、
図4に示すように、壁23のスリット24に挿入されるよう突出している突起部30が設けられている。更に、突起部30の壁23を挟んで反応容器トレイ昇降機構21B側に突出する部分には、接続部材31および突起部32が設けられている。
【0043】
更に、
図2や
図5に示すように、反応容器トレイ昇降機構21Bは、廃棄部側連結部材29の突起部32と干渉する位置に突起部32側に凸部28が設けられている昇降機構側連結部材27が取り付けられている。すなわち、突起部32は、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作経路上に突出していることになる。
【0044】
この廃棄部側連結部材29が、反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降機構側連結部材27と接触可能に構成され、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作を反応容器廃棄部26への加振力へ変換する連結部に相当する。
【0045】
そして、使用済みの反応容器トレイ7を反応容器待機部11から撤去する際の反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降動作の際、
図5に示すように昇降機構側連結部材27の凸部28が突起部32に干渉して突起部32が上下左右に揺さぶられる。この突起部32が上下左右に揺さぶられると、突起部32、接続部材31、および突起部30を介して廃棄部側連結部材29も上下左右に振動する。すなわち、連結部は、反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降動作を反応容器廃棄部26への加振力へ変換する。
【0046】
上述のようにL字状の廃棄部側連結部材29には反応容器廃棄部26が載っているため、廃棄部側連結部材29が上下左右に振動すると、同時に反応容器廃棄部26も上下左右に振動する。このため、反応容器廃棄部26内の一定の箇所に使用済みの反応容器14が偏って堆積したとしても、この振動の際に堆積した使用済みの反応容器14の山が崩れてなだらかになり、反応容器廃棄部26内で平らにならされる。
【0047】
反応容器トレイ昇降機構21Bは専用のモータにより駆動される機構のため、使用済みの反応容器トレイ7を回収する際に昇降する以外にも、反応容器廃棄部26を加振するために単独で昇降させることができる。単独で動作させる場合は、分析に影響がない範囲で昇降させることが望ましい。
【0048】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0049】
上述した本発明の実施例1の自動分析装置1は、反応液を保持する複数の反応容器14と、使用前の反応容器14を保持する反応容器トレイ7を輸送する反応容器トレイ昇降機構21Bと、使用済みの反応容器14を廃棄するための反応容器廃棄部26と、を備え、反応容器廃棄部26は、反応容器トレイ昇降機構21Bと接触可能に構成され、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作を反応容器廃棄部26への加振力へ変換する連結部を有する。
【0050】
これによって、反応容器廃棄口12の直下に反応容器14が偏って堆積したとしても、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作に伴って偏って堆積した山をなだらかにすることができ、反応容器14が偏って堆積してしまうことを従来に比べて容易に抑制することができる。また、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作に伴って偏った堆積を防げるため、追加構成が少なくて済み、装置レイアウトの制約も小さいものとすることができる。
【0051】
更に、連結部は、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作経路上に突出する突起部32を備えることで、容易に反応容器トレイ昇降機構21Bの動作を加振力に変換することができる構造とすることができる。
【0052】
また、反応容器トレイ昇降機構21Bは、反応容器廃棄部26に隣接して設けられており、連結部は、反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降動作を反応容器廃棄部26への加振力へ変換することにより、連結部の構造を最小化することができる。
【0053】
<実施例2>
本発明の実施例2の自動分析装置について
図6および
図7を用いて説明する。
図6は本実施例2に係わる自動分析装置のうち、反応容器廃棄部側の連結部の構造を示す上面図、
図7は連結部の構造を示す側面図である。
【0054】
本実施例の自動分析装置では、連結部の構造が実施例1とは異なる以外は構造、動作は同じであり、その詳細は省略する。
【0055】
図6および
図7に示すように、本実施例の自動分析装置における廃棄部側連結部材29Aは、反応容器廃棄部保持部材25内に配置されるが、スリット24に向かって突出している突起部30Aが設けられている。更に、突起部30Aの壁23を挟んで反応容器トレイ昇降機構21B側に突出する部分には、歯車31Aが設けられている。
【0056】
更に、
図7に示すように、反応容器トレイ昇降機構21Bは、廃棄部側連結部材29Aの突起部30Aの歯車31Aと干渉する位置に昇降機構側連結部材27Aが取り付けられている。すなわち、突起部30Aは、反応容器トレイ昇降機構21Bの動作経路上に突出していることになる。
【0057】
本実施例も、使用済みの反応容器トレイ7を反応容器待機部11から撤去する際の反応容器トレイ昇降機構21Bの昇降動作の際に、
図7に示すように昇降機構側連結部材27Aが歯車31Aに干渉して歯車31Aを介して突起部30Aが上下左右に揺さぶられる。この突起部30Aが上下左右に揺さぶられることで廃棄部側連結部材29Aも上下左右に振動し、同時に反応容器廃棄部26も上下左右に振動する。
【0058】
このため、反応容器廃棄部26内の一定の箇所に使用済みの反応容器14が偏って堆積したとしても、この振動の際に堆積した使用済みの反応容器14の山が崩れてなだらかになり、反応容器廃棄部26内で平らにならされる。
【0059】
その他の構成・動作は前述した実施例1の自動分析装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0060】
本発明の実施例2の自動分析装置においても、前述した実施例1の自動分析装置とほぼ同様な効果が得られる。
【0061】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0062】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…自動分析装置
2…試薬ディスク
3…試薬ボトル
5…検体搬送機構
6…検体分注機構
7…反応容器トレイ
8…反応容器移送機構
9…インキュベータ
10…上面開口
11…反応容器待機部
12…反応容器廃棄口
13…反応液撹拌機構
14…反応容器
15…試薬分注ピペット
16…撹拌機構
17…洗浄機構
18…反応液吸引ノズル
19…検出機構
21A,21B…反応容器トレイ昇降機構
23…壁
24…スリット
25…反応容器廃棄部保持部材
26…反応容器廃棄部
27,27A…昇降機構側連結部材(連結部)
28…凸部
29,29A…廃棄部側連結部材(連結部)
30,30A…突起部(連結部、突起部)
31…接続部材(連結部)
31A…歯車(連結部)
32…突起部(連結部、突起部)
100…自動分析装置
200…制御部