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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】多分岐チャンバー
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
F24F13/02 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044870
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021148295
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】向 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】杉山 誠
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-130830(JP,A)
【文献】特開2005-164140(JP,A)
【文献】特開2003-139378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を分岐する多分岐チャンバーであって、
中空矩形形状を有するボディと、
前記ボディの一側面である流入面に設けられた流入口と、
前記流入面と対向する対向面に設けられた対向流出口と、
前記流入面と前記対向面とに隣接する二つの側方流出面それぞれに設けられた側方流出口と、
前記流入面と前記対向面との間に流入口からの気体を各流出口に分配する分流壁と、を備え、
前記流入面であって前記流入口の側方に設けられた流入面流出口を備え、
前記分流壁は、
前記流入面に対して所定の角度を有する傾斜壁を有する第二傾斜分流壁であり、
前記第二傾斜分流壁は、
前記対向面側が前記流入口から前記対向面に向かう垂線であって前記流入面流出口側の端部に位置する垂線よりも前記流入口の中心側に位置し、
前記流入面側が前記垂線よりも前記流入面流出口の側に位置する、多分岐チャンバー。
【請求項2】
前記分流壁は、
前記流入面と平行な平行壁を有する対向分流壁であり、
前記対向分流壁は、前記側方流出口の前記流入面側の端部よりも前記対向面側に設けられた、請求項1に記載の多分岐チャンバー。
【請求項3】
前記対向分流壁は、
前記平行壁を同一面上に揃え、所定の通風間隔を設けて複数個備えらえた請求項2記載の多分岐チャンバー。
【請求項4】
前記分流壁は、
前記流入面に対して所定の角度を有する傾斜壁を有する第一傾斜分流壁であり、
前記第一傾斜分流壁は、
前記流入面と前記対向面との間に2つ設けられ、
2つの当該第一傾斜分流壁の間の風路が流入面側から対向面側にかけて拡大するように配置された、請求項1に記載の多分岐チャンバー。
【請求項5】
前記分流壁は、
前記流入面に対して所定の角度を有する傾斜壁を有する第一傾斜分流壁であり、
前記第一傾斜分流壁は、
前記流入面と前記対向面との間に2つ設けられ、
2つの当該第一傾斜分流壁の間の風路が流入面側から対向面側にかけて拡大するように位置し、
前記対向分流壁よりも前記対向面側に配置された請求項2に記載の多分岐チャンバー。
【請求項6】
前記第二傾斜分流壁は、
前記対向分流壁及び前記第一傾斜分流壁よりも前記流入面の側に位置する、請求項5に記載の多分岐チャンバー。
【請求項7】
前記側方流出口は、
前記側方流出面に等間隔かつ同径で二個ずつ設けられ、
前記対向流出口は、
前記対向面に前記側方流出口の二個の間隔と等間隔かつ前記同径で二個設けられ、
前記流入面流出口は、
前記流入口に隣接して設けられ、
前記対向分流壁は、
前記流入口に対向する位置であって、前記流入口よりも遠方の前記側方流出口の前記流入面側端部に前記平行壁を揃えて設けられ、
前記第一傾斜分流壁は、
前記流入面流出口に対向する位置に設けられ、
前記第二傾斜分流壁は、
前記流入面流出口と前記流入口とに対向する位置に設けられる、請求項6記載の多分岐チャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多分岐チャンバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の多分岐チャンバーとして、空調機器等からダクトを通じて送風される気体を多方向に送る分岐チャンバーであって、供給口へ送風された気体を、チャンバー内に設けた開口率の異なる複数の調整壁により、複数の排出口へ均一に送風するとともに、チャンバー内での乱流による圧力低下の少ない排出を可能にするものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その従来の多分岐チャンバーについて図13を参照しながら説明する。
【0004】
図13は多分岐チャンバー101の箱体の上面を外し、その内部を表す斜視図である。箱体102内部の供給面107にある供給口103と、対向する第一排出面108にある第一排出口104と、第一排出口104以外の面の第二排出面109にある第二排出口105と、第二排出口105より供給口103側に位置する第三排出口106とを有し、第一排出口104と第二排出口105との間に、開口部を設けた第一調整壁110を、第二排出口105と第三排出口106との間に、開口部を設けた第二調整壁111を有し、第二調整壁111には第一調整壁110の開口部よりも開口率の低い開口部を設けている。また第二調整壁111の周囲には開放部112を設けている。
【0005】
上記構成で、上述した多分岐チャンバー101は、以下のように機能する。
【0006】
調整壁が無い場合、供給口103から対向する位置にある第一排出口104へ、多くの気体が排出され、第一排出口104のある第一排出面108以外の面に配置された第二排出口105から排出される風量は第一排出口104に排出される風量よりも少なくなってしまう。そのため、開口部をもつ第一調整壁110を第一排出口104と第二排出口105の間の位置に配置させることで、第一調整壁110の開口部を通過した気体を第一排出口104から排出し、第一調整壁110で通過を遮断された気体は、第一排出口でない、第二排出口105から排出させる。
【0007】
また、この第二排出口105より供給口103側に第三排出口106があるので、第二排出口105、第一排出口104へ気体を送りながら、第三排出口106へ気体を排出する必要があるところ、開口部と開放部112により第二排出口105、第一排出口104への気体の通過を確保することができ、第二調整壁111により遮断されて第三排出口106へ排出される風量、排出量の調整を行うことができる。
【0008】
そして、この第二調整壁の開口部の開口率を第一調整壁の開口部より低くすることで、
第二調整壁で遮断され易くなり、第三排出孔から排出され易くすることができる。
【0009】
これにより、風量を調整して排出量を均一化する効果を発揮するものであるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2012-37131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような従来の多分岐チャンバーにおいても、排出する流量の均一化を図ることは可能であるが、調整壁の開口部に塵埃が堆積しやすく、メンテナンスの回数が増加する傾向があった。また、高さ方向に異なる位置に排出孔を配置する必要があり、天井裏や床面などへの配置が制限されるという課題もあった。
【0012】
そこで本発明では、筐体内に設けた分流壁により、メンテナンス回数を増加させることなく、また高さ方向の配置制限を受けることなく、筐体内の空気を分流し、排出する流量の均一化を図ることができる、多分岐チャンバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そして、本発明に係る多分岐チャンバーは、中空矩形形状を有するボディと、ボディの一側面である流入面に設けられた流入口と、流入面と対向する対向面に設けられた対向流出口と、流入面と対向面とに隣接する二つの側方流出面それぞれに設けられた側方流出口と、流入面と対向面との間に流入口からの気体を各流出口に分配する分流壁を備え、流入面であって流入口の側方に設けられた流入面流出口を備え、分流壁は、流入面に対して所定の角度を有する傾斜壁を有する第二傾斜分流壁であり、第二傾斜分流壁は、対向面側が流入口から対向面に向かう垂線であって流入面流出口側の端部に位置する垂線よりも流入口の中心側に位置し、流入面側が垂線よりも流入面流出口の側に位置するものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メンテナンス回数を増加させることなく、また高さ方向の配置制限を受けることなく、筐体内の空気を分流し、排出する流量の均一化を図ることができる、多分岐チャンバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態1の多分岐チャンバーの斜視図
図2】本発明の実施の形態1の多分岐チャンバーの断面図
図3】本発明の実施の形態2、3の多分岐チャンバーの斜視図
図4】本発明の実施の形態2の多分岐チャンバーの断面図
図5】本発明の実施の形態3の多分岐チャンバーの断面図
図6】本発明の実施の形態4の多分岐チャンバーの斜視図
図7】本発明の実施の形態4の多分岐チャンバーの断面図
図8】本発明の実施の形態5、6、7、8の多分岐チャンバーの斜視図
図9】本発明の実施の形態5の多分岐チャンバーの断面図
図10】本発明の実施の形態6の多分岐チャンバーの断面図
図11】本発明の実施の形態7の多分岐チャンバーの断面図
図12】本発明の実施の形態8の多分岐チャンバーの断面図
図13】従来の多分岐チャンバーの断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付している。さらに、各図面において、本発明に直接には関係しない各部の詳細については説明を省略している。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態に係る多分岐チャンバー1の斜視図である。
【0018】
多分岐チャンバー1は、内部空間に流入した気体を、複数に分岐させて送風することで、例えば一つのファンにより供給された気体を複数の部屋に分配するために利用される。
【0019】
多分岐チャンバー1は、図1に示すように、中空矩形形状のボディ2に流入面11と対向面12と側方流出面13と、天面14と、底面15とを備えている。
【0020】
ボディ2は、多分岐チャンバー1の外郭を構成し、例えば発泡スチロールを素材とする複数の部位を組み立てて形成される。
【0021】
流入面11は、ボディ2の一側面を形成し、流入口21を備えている。
【0022】
流入口21は、円筒形状を有し、ボディ2の外部に突出するアダプターが設けられている。流入口21は、例えばアダプター及びダクトを介して接続された送風機からボディ2内部に空気を流入するための開口である。流入口21は、流入面11の幅方向における中央に流入口21の中心軸を一致させて設けられる。また、流入口21は、流入面11の高さ方向における中央に、流入口21の中心軸を一致させて設けられる。
【0023】
対向面12は、流入面11に対向する、ボディ2の一側面である。対向面12は、対向流出口22を備えている。
【0024】
対向流出口22は、円筒形状を有し、例えばボディ2外部に突出するアダプターが設けられており、アダプター及びダクトを介して接続された部屋に、ボディ2内部の空気を流出するための開口である。
【0025】
対向流出口22は、対向面12の幅方向における中央に対向流出口22の中心軸を一致させて設けられる。また、対向流出口22は、対向面12の高さ方向における中央に、対向流出口22の中心軸を一致させて設けられる。
【0026】
側方流出面13は、流入面11と対向面12とに隣接する、ボディ2の二つの側面である。側方流出面13は、一側面に設けられた側方流出面13aと、側方流出面13aに対向する位置に設けられた側方流出面13bとより構成される。
【0027】
側方流出面13aは、側方流出口23を構成する側方流出口23aを備えている。
【0028】
側方流出面13bは、側方流出口23を構成する側方流出口23bを備えている。
【0029】
側方流出口23は、対向流出口22と同一径の円筒形状を有する。側方流出口23は、例えばボディ2外部に突出するアダプターが設けられており、アダプター及びダクトを介して接続された部屋に、ボディ2内部の空気を流出するための開口である。
【0030】
側方流出口23は、側方流出面13の幅方向における中央に対向流出口22の中心軸を一致させて設けられる。また、側方流出口23は、対向面12の高さ方向における中央に、側方流出口23の中心軸を一致させて設けられる。
【0031】
流入口21、対向流出口22、二つの側方流出口23は、上記構成によりそれぞれの中心軸が同一平面上に位置することとなる。
【0032】
天面14は、流入面11と対向面12と二つの側方流出面13とに隣接する。
【0033】
底面15は、流入面11と対向面12と二つの側方流出面13とに隣接し、天面14に対向する。なお、天面14及び底面15が示す上下の関係は必ずしも名称と一致する必要は無い。つまり、多分岐チャンバー1の設置状態において、天面14が鉛直下方に、底面15が鉛直上方に位置しても問題は無い。
【0034】
続いて、図2を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。なお図2は、図1に示した多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0035】
図2に示すように、多分岐チャンバー1は、中空矩形形状のボディ2内に分流壁の一種として、対向分流壁31を備えている。
【0036】
対向分流壁31は、ボディ2と同様に発泡スチロールで形成され、矩形板形状を有する。対向分流壁31は、底面15に固定されて天面14まで突出することで、底面15と天面14とに挟持される。対向分流壁31は、流入面11と平行な平行壁34を備えており、平行壁34を流入面11と平行に配置される。
【0037】
対向分流壁31は、流入面11と対向面12の間であって、側方流出口23の流入面11側の端部に位置する垂線51よりも対向面12側に配置される。また対向分流壁31は、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央に配置される。
【0038】
本実施の形態に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b)である。
【0039】
対向流出気流41は、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31により左右方向に分割され、対向面12の方向に流れた空気を、対向流出口22より流出することで生成される。
【0040】
側方流出気流42は、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31により分割され、側方流出面13の方向に流れた空気を、側方流出口23より流出することで生成される。
【0041】
このような構成によれば、対向分流壁31の左右方向の長さを適正な長さに設定することで、各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。また、左右方向の長さではなく、流入面11から平行壁34までの距離を調節することで、少ない抵抗でありながら各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0043】
図3は、本実施の形態2に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図である。図3に示すように、実施の形態1と異なる点は、対向面12に対向流出口22(対向流出口22a、対向流出口22b)を2か所備えている点である。
【0044】
対向流出口22aは、対向面12の幅方向における中央より側方流出面13a側に、対向流出口22aの中心軸を配置させて設けられる。また、対向流出口22aは、対向面12の高さ方向における中央に、対向流出口22aの中心軸を一致させて設けられる。
【0045】
対向流出口22bは、対向面12の幅方向における中央より側方流出面13b側に、対向流出口22bの中心軸を配置させて設けられる。また、対向流出口22bは、対向面12の高さ方向における略中央に、対向流出口22bの中心軸を一致させて設けられる。
続いて、図4を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。なお図4は、図3に示した多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0046】
図4に示すように、実施の形態1と異なる点は、対向分流壁31(対向分流壁31a、対向分流壁31b、対向分流壁31c)を所定の間隔を設けて3か所備えている点である。
【0047】
対向分流壁31a、対向分流壁31b、対向分流壁31cは、流入面11と対向面12の間であって、側方流出口23の流入面11側の端部に位置する垂線51よりも対向面12側に配置される。
【0048】
対向分流壁31aは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央より側方流出面13a側に配置される。
【0049】
対向分流壁31bは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央に配置される。
【0050】
対向分流壁31cは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央より側方流出面13b側に配置される。
【0051】
本実施の形態に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b)である。
【0052】
対向流出気流41は、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31の壁間で左右方向に分割され、対向面12の方向に流れた空気を、対向流出口22より流出することで生成される。
【0053】
側方流出気流42は、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31により分割され、側方流出面13の方向に流れた空気を、側方流出口23より流出することで生成される。
【0054】
このような構成によれば、対向分流壁31の左右方向の長さを適正な長さに設定し、適正な間隔で配置することで、各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
また、左右方向の長さや間隔ではなく、流入面11から平行壁34までの距離を調節することで、少ない抵抗でありながら各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0055】
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態2と異なる点を説明する。
【0056】
本実施の形態3に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図は、実施の形態2と同じ図3である。
【0057】
続いて、図5を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。
【0058】
なお、図5は、図3に示した多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0059】
図5に示すように、実施の形態2と異なる点は、対向分流壁31を設けず、第一傾斜分流壁32(第一傾斜分流壁32a、第一傾斜分流壁32b)を2か所備えている点である。
【0060】
第一傾斜分流壁32は、流入面11と対向面12の間であって、側方流出口23の流入面11側の端部に位置する垂線51よりも対向面12側に配置される。
【0061】
また第一傾斜分流壁32は、上流側が流入口21の中心を通る垂線に対して近い側に配置され、下流側が遠い側に配置される。
【0062】
本実施の形態に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b)である。
【0063】
対向流出気流41は、流入口21より流入した空気が、第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の下流面が対向面12方向へのガイドとなり、対向面12方向に流れた空気を、対向流出口22に導くことで生成される。
【0064】
側方流出気流42は、流入口21より流入した空気が、第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の上流面が側方流出面13方向へのガイドとなり、側方流出面13方向に流れた空気を、側方流出口23に導くことで生成される。
【0065】
このような構成によれば、第一傾斜分流壁32の長さを適正な長さに設定し、適正な角度で配置することで、対向面12に複数個の対向流出口を備えた多分岐チャンバー1の各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0066】
また、長さや角度ではなく、流入面11から第一傾斜分流壁32までの距離を調節することで、少ない抵抗でありながら各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0067】
(実施の形態4)
実施の形態4では、実施の形態3と異なる点を説明する。
【0068】
図6は、本実施の形態3に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図である。図6に示すように、実施の形態3と異なる点は、側方流出面13に側方流出口23(側方流出口23a、側方流出口23b、側方流出口23c、側方流出口23d)を2か所ずつ備えている点である。
【0069】
側方流出口23aは、側方流出面13aの幅方向における中央より対向面12側に、側方流出口23aの中心軸を配置させて設けられる。
【0070】
側方流出口23bは、側方流出面13bの幅方向における中央より対向面12側に、側方流出口23bの中心軸を配置させて設けられる。
【0071】
側方流出口23cは、側方流出面13aの幅方向における中央より流入面11側に、側方流出口23cの中心軸を配置させて設けられる。
【0072】
側方流出口23dは、側方流出面13bの幅方向における中央より流入面11側に、側方流出口23dの中心軸を配置させて設けられる。
【0073】
続いて、図7を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。なお図7は、図6に示した多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
図7に示すように、実施の形態3と異なる点は、第一傾斜分流壁32(第一傾斜分流壁32a、第一傾斜分流壁32b)より流入面11側に対向分流壁31(対向分流壁31a、対向分流壁31b、対向分流壁31c)を所定の間隔を設けて3か所備えている点である。
【0074】
対向分流壁31a、対向分流壁31b、対向分流壁31cは、流入面11と対向面12の間であって、側方流出口23aと側方流出口23bの流入面11側の端部に位置する垂線51よりも対向面12側に配置され、また、第一傾斜分流壁32より流入面11側に配置される。
【0075】
また対向分流壁31aは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央より側方流出面13a側に配置される。
【0076】
また対向分流壁31bは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央に配置される。
【0077】
また対向分流壁31cは、左右方向、つまり流入面の長手方向における中央より側方流出面13b側に配置される。
【0078】
本実施の形態に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b、側方流出気流42c、側方流出気流42d)である。
【0079】
対向流出気流41は、流入口21より流入した空気が、所定の間隔を設けた各対向分流壁31の壁間で分割されたのち、その先に配置された第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の下流面が対向面12方向へのガイドとなり、対向面12方向に流れた空気を、対向流出口22に導くことで生成される。
【0080】
側方流出気流42は、対向面12側の側方流出口23aと側方流出口23bを流れる側方流出気流42a、側方流出気流42bと、流入面11側の側方流出口23cと側方流出口23dを流れる側方流出気流42c、側方流出気流42dに分かれる。
【0081】
側方流出気流42a、側方流出気流42bは、流入口21より流入した空気が、所定の間隔を設けた対向分流壁31により分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の上流面が側方流出面13方向へのガイドとなり、側方流出面13方向に導かれた空気と、流入口21より流入した空気が、側方流出面13と対向分流壁31の間を流れた空気を側方流出口23に導くことで生成される。
【0082】
側方流出気流42c、42dは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31により分割され、側方流出面13の方向に流れた空気を、側方流出口23より流出することで生成される。
【0083】
このような構成によれば、対向分流壁31の左右方向の長さを適正な長さに設定し、適正な間隔で配置し、また第一傾斜分流壁32の長さを適正な長さに設定し、適正な角度で配置することで、対向面12及び側方流出面13に複数個の対向流出口を備えた多分岐チャンバー1の各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0084】
特に、上流側では風速が比較的速く、負荷が少ないため、側方流出口23c、23dからの風量は十分得られるが、下流側では側方流出口23a、23bからの風量は、ボディ2の角部などに衝突することで、十分な風量が得られない。これに対して、対向分流壁31、第一傾斜分流壁32により、側方流出口23a、23bへ風を導き、送風の均等化を実現している。
【0085】
また、左右方向の長さや間隔や角度ではなく、流入面11からの対向分流壁31と第一傾斜分流壁32距離を調節することで、少ない抵抗でありながら各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0086】
(実施の形態5)
実施の形態5では、実施の形態4と異なる点を説明する。
【0087】
図8は、本実施の形態5に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図である。図8に示すように、実施の形態4と異なる点は、流入口21の位置を側方流出面13a側に移動させ、流入口21の隣に流入面流出口24を1箇所備えている点である。
【0088】
流入口21は、流入面11の幅方向における中央より側方流出面13a側に、流入口21の中心軸を配置させて設けられる。また、流入口21は、流入面11の高さ方向における中央に、流入口21の中心軸を一致させて設けられる。
【0089】
流入面流出口24は、流入面11の幅方向における中央より側方流出面13b側に、流入面流出口24の中心軸を配置させて設けられる。また、流入面流出口24は、流入面11の高さ方向における中央に、流入口21の中心軸を一致させて設けられる。
【0090】
続いて、図9を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。
【0091】
なお、図9は、本実施の形態5に係る多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0092】
図9に示すように、実施の形態4と異なる点は、対向分流壁31と第一傾斜分流壁32を設けず、第二傾斜分流壁33を備えている点である。
【0093】
第二傾斜分流壁33は、流入面11と対向面12の間であって、下流側が流入面11から対向面12に向かう、流入面流出口24側の端部に位置する垂線52よりも流入口21の中心側に位置し、上流側が垂線52よりも流入面流出口24の側に配置される。
【0094】
ここでは、第二傾斜分流壁33に関わる、気流の流れについてのみ説明する。
【0095】
第二傾斜分流壁33に関わる気流の流れとしては、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、流入面流出口24より流出する流入面流出気流43と、側方流出口23dより流出する側方流出気流42dである。
【0096】
流入面流出気流43は、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33の下流側から上流側に沿って流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が流入面11と側方流出面13bへのガイドとなり、流入面11方向に流れた空気を流入面流出口24に導くことで生成される。
【0097】
側方流出気流42dは、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33の下流側から上流側に沿って流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が流入面11と側方流出面13bへのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を側方流出口23d導くことで生成される。
【0098】
このような構成によれば、第二傾斜分流壁33の長さを適正な長さに設定し、適正な角度で配置することで、第二傾斜分流壁33を設けない場合、流出する流量が少なくなってしまう流入面流出口24や流入口21から遠方にある側方流出口23dに対しても、その他の各流出口同等に、流量を均等に配分することができる。
【0099】
(実施の形態6)
実施の形態6では、実施の形態5と異なる点を説明する。
【0100】
本実施の形態6に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図は、実施の形態5と同じ図8ある。
【0101】
続いて、図10を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。
【0102】
なお、図10は、本実施の形態6に係る多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0103】
図10に示すように、実施の形態5と異なる点は、対向分流壁31(対向分流壁31a、対向分流壁31b)を2か所備えており、第一傾斜分流壁32を1箇所備えている点である。
【0104】
対向分流壁31a、対向分流壁31bは、流入面11と対向面12の間であって、側方流出口23aと側方流出口23bの流入面11側の端部に位置する垂線51よりも対向面12側に配置される。
また対向分流壁31aは、流入口21の中心軸より側方流出面13a側に配置される。
また対向分流壁31bは、流入口21の中心軸より側方流出面13b側に配置される。
【0105】
第一傾斜分流壁32は、流入面11と対向面12の間であって、対向分流壁31より対向面12側に配置され、側方流出面13b側に近い側に配置される。
また第一傾斜分流壁32は、上流側が流入面流出口24の中心を通る垂線に対して近い側に配置され、下流側が遠い側に配置される。
【0106】
第二傾斜分流壁33は、流入面11と対向面12の間であって、対向分流壁31より流入面11側に配置される。
【0107】
また第二傾斜分流壁33は、下流側が流入面11から対向面12に向かう、流入面流出口24側の端部に位置する垂線52よりも流入口21の中心側に位置し、上流側が垂線52よりも流入面流出口24の側に配置される。
【0108】
本発明の本実施の形態6に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて3つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b、側方流出気流42c、側方流出気流42d)と、流入面流出口24より流出する流入面流出気流43である。
【0109】
対向流出気流41は、対向面12にある流入口21に近い側の対向流出口22aに流れる対向流出気流41aと、対向面12にある流入口21から遠い側の対向流出口22bに流れる対向流出気流41bに分かれる。
【0110】
対向流出気流41aは、流入口21より流入した空気が、所定の間隔を設けた対向分流壁31aと31bで分割され、対向面12の方向に流れた空気を、対向流出口22aより流出することで生成される。
【0111】
対向流出気流41bは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の下流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の下流面が対向面12方向へのガイドとなり、対向面12方向に流れた空気を、対向流出口22bに導くことで生成される。
【0112】
側方流出気流42は、対向面12に近く、流入口21から近傍の側方流出口23aを流れる側方流出気流42aと、対向面12に近く、流入口21から遠方の側方流出口23bを流れる側方流出気流42bと、流入面11に近く、流入口21から近傍の側方流出口23cを流れる側方流出気流42cと、流入面11に近く、流入口21から遠方の側方流出口23dを流れる側方流出気流42dに分かれる。
【0113】
側方流出気流42aは、流入口21より流入した空気が、側方流出面13aと対向分流壁31aの間を流れた空気を側方流出口23aより流出することで生成される。
【0114】
側方流出気流42bは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の下流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の上流面が側方流出面13b方向へのガイドとなり、側方流出面13b方向に導かれた空気を、側方流出口23bに導くことで生成される。
【0115】
側方流出気流42cは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31aにより分割され、側方流出面13aの方向に流れた空気を、側方流出口23cより流出することで生成される。
【0116】
側方流出気流42dは、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33の下流側から上流側に沿って流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が流入面11と側方流出面13bへのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を側方流出口23d導くことで生成される。
【0117】
流入面流出気流43は、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33の下流側から上流側に沿って流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が流入面11と側方流出面13bへのガイドとなり、流入面11方向に流れた空気を流入面流出口24に導くことで生成される。
【0118】
このような構成によれば、対向分流壁31の長さを適正な長さに設定し、適正な間隔で配置し、また第一傾斜分流壁32の長さを適正な長さに設定し、適正な角度で配置し、また第二傾斜分流壁33の長さを適正な長さに設定し、適正な角度で配置することで、流量を均等に配分することができる。つまり、流入口21が流入面11の中心位置から外れ、偏った位置に配置された場合、流入口21から遠方にある側方流出口23dや、流入面と同一面に位置する流入面流出口24の流量が少なくなってしまう傾向が強い。上記構成では、これらに対しても、その他の各流出口同等に流量を均等に配分することができる。
【0119】
また、長さや間隔や角度ではなく、流入面11からの対向分流壁31と第一傾斜分流壁32と第二傾斜分流壁33の距離を調節することで、少ない抵抗でありながら各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0120】
(実施の形態7)
実施の形態7では、実施の形態6と異なる点を説明する。
【0121】
本実施の形態7に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図は、実施の形態6と同じ図8ある。
【0122】
続いて、図11を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。
【0123】
なお、図11は、本実施の形態8に係る多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0124】
図11に示すように、実施の形態6と異なる点は、流入面流出口24を封止しており、流入面流出口24以外の流出口から、流体の流出を行っている点である。
【0125】
本発明の本実施の形態7に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b、側方流出気流42c、側方流出気流42d、側方流出気流42e)である。
【0126】
次に、対向流出気流41は、対向面12にある流入口21に近い側の対向流出口22aに流れる対向流出気流41aと、対向面12にある流入口21から遠い側の対向流出口22bに流れる対向流出気流41bに分かれる。
【0127】
対向流出気流41aは、流入口21より流入した空気が、所定の間隔を設けた対向分流壁31aと31bで分割され、対向面12の方向に流れた空気を、対向流出口22aより流出することで生成される。
【0128】
対向流出気流41bは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の上流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の下流面が対向面12方向へのガイドとなり、対向面12方向に流れた空気を、対向流出口22bに導くことで生成される。
【0129】
次に、側方流出気流42は、対向面12に近く、流入口21から近傍の側方流出口23aを流れる側方流出気流42aと、対向面12に近く、流入口21から遠方の側方流出口23bを流れる側方流出気流42bと、流入面11に近く、流入口21から近傍の側方流出口23cを流れる側方流出気流42cと、流入面11に近く、流入口21から遠方の側方流出口23dを流れる側方流出気流42dに分かれる。
【0130】
側方流出気流42aは、流入口21より流入した空気が、側方流出面13aと対向分流壁31aの間を流れた空気を側方流出口23aより流出することで生成される。
【0131】
側方流出気流42bは、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33に沿って下流側から上流側に流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が側方流出面13bへのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を側方流出口23bに導くことで生成される。
【0132】
側方流出気流42dは、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33に沿って下流側から上流側に流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が側方流出面13bへのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を側方流出口23dに導くことで生成される。
【0133】
側方流出気流42eは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の下流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の上流面が側方流出面13b方向へのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を、側方流出口23bに導くことで生成される。
【0134】
このような構成によれば、流入面流出口24が封止されたことにより、第二傾斜分流壁33から流入面流出口24方向に流れることができない流体が、対向面12方向に流れる。第一傾斜分流壁32がない場合、対向面12方向に流れた流体の大半は、対向面12にある対向流出口22に流れ、各流出口への均一な流量を流すことができなくなるが、第一傾斜分流壁32を設けることで、対向面12方向に流れた流体を、側方流出面13b方向へ流すことができる。また、側方流出面13b方向へ流れた側方流出気流42bが、第一傾斜分流壁32から分割されて、側方流出面13b方向へ流れようとする側方流出気流42eを抑制するため、側方流出面13bにある、側方流出口23bへ流れる流量が、他の流出口より大きくなることを抑制することができ、流入面流出口24を封止した状態でも、各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0135】
(実施の形態8)
実施の形態8では、実施の形態7と異なる点を説明する。
【0136】
本実施の形態8に係る多分岐チャンバー1の本体の斜視図は、実施の形態7と同じ図8ある。
【0137】
続いて、図12を参照しながら多分岐チャンバー1における風の流れについて説明する。
【0138】
なお、図12は、本実施の形態8に係る多分岐チャンバー1の(a)平面における断面図である。
【0139】
図12に示すように、実施の形態7と異なる点は、側方流出口23dを封止しており、側方流出口23dと流入面流出口24以外の流出口から、流体の流出を行っている点である。
【0140】
本発明の本実施の形態8に係る多分岐チャンバー1では、大きく分けて2つの気流の流れが存在する。即ち、上述した対向流出口22より流出する対向流出気流41(対向流出気流41a、対向流出気流41b)と、上述した側方流出口23より流出する側方流出気流42(側方流出気流42a、側方流出気流42b、側方流出気流42c、側方流出気流42d、側方流出気流42e))である。
【0141】
次に、対向流出気流41は、対向面12にある流入口21に近い側の対向流出口22aに流れる対向流出気流41aと、対向面12にある流入口21から遠い側の対向流出口22bに流れる対向流出気流41bに分かれる。
【0142】
対向流出気流41aは、流入口21より流入した空気が、所定の間隔を設けた対向分流壁31aと31bで分割され、対向面12の方向に流れた空気を、対向流出口22aより流出することで生成される。
【0143】
対向流出気流41bは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の上流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の下流面が対向面12方向へのガイドとなり、対向面12方向に流れた空気を、対向流出口22bに導くことで生成される。
【0144】
次に、側方流出気流42は、対向面12に近く、流入口21から近傍の側方流出口23aを流れる側方流出気流42aと、対向面12に近く、流入口21から遠方の側方流出口23bを流れる側方流出気流42bと、流入面11に近く、流入口21から近傍の側方流出口23cを流れる側方流出気流42cに分かれる。
【0145】
側方流出気流42aは、流入口21より流入した空気が、側方流出面13aと対向分流壁31aの間を流れた空気を側方流出口23aより流出することで生成される。
【0146】
側方流出気流42bは、流入口21より流入した空気が、第二傾斜分流壁33に沿って下流側から上流側に流れ、第二傾斜分流壁33の上流面が側方流出面13bへのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を側方流出口23bに導くことで生成される。
側方流出気流42eは、流入口21より流入した空気が、対向分流壁31bと第二傾斜分流壁33の下流端で分割されたのち、その先にある第一傾斜分流壁32の上流端で分割され、第一傾斜分流壁32の上流面が側方流出面13b方向へのガイドとなり、側方流出面13b方向に流れた空気を、側方流出口23bに導くことで生成される。
【0147】
このような構成によれば、流入面流出口24と側方流出口23dが封止されたことにより、第二傾斜分流壁33から流入面流出口24と側方流出口23dに流れることができない流体が、対向面12方向に流れる。第一傾斜分流壁32がない場合、対向面12方向に流れた流体の大半は、対向面12にある対向流出口22に流れ、各流出口への均一な流量を流すことができなくなるが、第一傾斜分流壁32を設けることで、対向面12方向に流れた流体を、側方流出面13b方向へ流すことができる。また、側方流出面13b方向へ流れた側方流出気流42bが、第一傾斜分流壁32から分割されて、側方流出面13b方向へ流れようとする側方流出気流42eを抑制するため、側方流出面13bにある、側方流出口23bへ流れる流量が、他の流出口より大きくなることを抑制することができ、流入面流出口24を封止した状態でも、各流出口に流れる流量を均等に配分することができる。
【0148】
従って、従来では流入面11には、十分な風量が得られない等の理由により、流出口を設けられなかったが、上記構成により、流入面11も有効活用して流出口を設けることが可能となり、分岐数を増加させることが可能となる。
【0149】
(その他変形例)
上記実施の形態1~8は、矛盾しない範囲で組み合わせて構成してもよい。また本実施の形態における分流壁は、直方多形状をしているがこれに限定されず、異なる形状とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明にかかる多分岐チャンバーは、筐体内に設けられた分流壁を用いて、流入面と同一面を含めた筐体の各側面に設けられた各流出口から、ダクトを通じて排出する流量の均一化が行えるものであり、例えば、流入用ダクトと同一方向に流出用ダクトを引き回す必要がある場合など、ダクトの屈曲が少なく引き回せることによる、ダクトを含めたシステム全体としての圧力損失の低減を可能とする。
【0151】
また、流入口と流出口の高さ方向の中心位置を揃えることで、筐体の低背化が実現できるため、高さ方向の設置制約の低減を可能とする。
【0152】
また、施工する部屋数に応じて、流出口の一部を封止しても、各部屋に均一な送風が行えるものであり、施工の自由度の向上を可能とするものであるので、住宅用や工業用の空調設備等に使用される分岐チャンバーとして有用である。
【符号の説明】
【0153】
1 多分岐チャンバー
2 ボディ
11 流入面
12 対向面
13、13a、13b 側方流出面
14 天面
15 底面
21 流入口
22、22a、22b 対向流出口
23、23a、23b、23c、23d 側方流出口
24 流入面流出口
31、31a、31b、31c 対向分流壁
32、32a、32b 第一傾斜分流壁
33 第二傾斜分流壁
34 平行壁
41、41a、41b 対向流出気流
42、42a、42b、42c、42d、42e 側方流出気流
43 流入面流出気流
51、52 垂線
101 多分岐チャンバー
102 箱体
103 供給口
104 第一排出口
105 第二排出口
106 第三排出口
107 供給面
108 第一排出面
109 第二排出面
110 第一調整壁
111 第二調整壁
112 開放部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13