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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】呼出システム、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04M9/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022077683
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2018084541の分割
【原出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2022097618
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-05-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚典
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 隆治
(72)【発明者】
【氏名】石橋 佑馬
(72)【発明者】
【氏名】大田 皓之
(72)【発明者】
【氏名】山中 睦裕
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-015974(JP,A)
【文献】特開2003-032523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00- 9/10
G08B 19/00-31/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と、前記情報端末を呼び出す呼出装置と、を有する呼出システムであって、
前記呼出装置は、
画像を撮像する撮像部と、
前記情報端末と通信可能な通信部と、を備え、
前記通信部は、所定条件の成立前に前記撮像部が撮像した第1動画像を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記第1動画像を記憶する記憶部と、表示部と、を備え、
前記表示部は、前記記憶部に記憶された前記第1動画像から再生する前記第1動画像を選択するために、前記第1動画像のサムネイル画像として前記第1動画像の先頭フレームの静止画を表示可能であり、
前記第1動画像は、前記所定条件の成立前であり、かつ、前記呼出装置が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された動画像であり、かつ、前記所定条件の成立から所定時間前までの間に録画された動画像であり、
前記通信部は、前記第1動画像と、前記第1動画像から時系列で連続し、かつ、前記所定条件の成立後に前記撮像部が撮像した第2動画像とを、前記情報端末に送信し、
前記表示部は、前記所定条件が成立してから、前記呼出装置と前記情報端末との間で音声通話が可能な状態になるまでの間、前記第1動画像と前記第2動画像とが、前記第2動画像、前記第1動画像の順に並んだ動画であるプレイバック画像を繰り返し表示する、
呼出システム。
【請求項2】
前記呼出装置は、前記情報端末を呼び出すための呼出操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記所定条件は、前記操作部が前記呼出操作を受け付ける、という条件を含む、
請求項1に記載の呼出システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の呼出システムが有する情報端末の制御方法であって、
前記呼出装置と通信する通信ステップと、
前記呼出装置の前記撮像部が撮像した画像を表示する表示ステップと、を含み、
前記表示ステップでは、前記記憶部に記憶された前記第1動画像から再生する前記第1動画像を選択するために、前記第1動画像のサムネイル画像として前記第1動画像の先頭フレームの静止画を表示可能であり、
前記第1動画像は、前記所定条件の成立前であり、かつ、前記呼出装置が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された動画像であり、かつ、前記所定条件の成立から所定時間前までの間に録画された動画像であり、
前記表示ステップでは、前記所定条件が成立してから、前記呼出装置と前記情報端末との間で音声通話が可能な状態になるまでの間、前記第1動画像と、前記第1動画像から時系列で連続しかつ前記所定条件の成立後に前記撮像部が撮像した前記第2動画像とが、前記第2動画像、前記第1動画像の順に並んだ動画であるプレイバック画像を繰り返し表示する、
制御方法。
【請求項4】
コンピュータシステムに、請求項3に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に呼出システム、制御方法、プログラムに関し、より詳細には撮像部を備えた呼出システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ(撮像部)を備えたカメラ付インターホン端末(呼出装置)がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカメラ付インターホン端末は、通話装置と、撮像素子及びレンズを有するカメラと、を備えている。カメラ付インターホン端末では、カメラによって来訪者を撮像することができる。カメラで撮像されたデータは、モニタ付インターホン端末(情報端末)に送信される。モニタ付インターホン端末では、カメラ付インターホン端末から送信されたデータを表示器に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-158038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
呼出装置において、呼出装置の使用者の姿を確認しやすくすることが望まれている。
【0006】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、その目的は、呼出装置の使用者の姿を確認しやすくすることができる呼出システム、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る呼出システムは、情報端末と、前記情報端末を呼び出す呼出装置と、を有する。前記呼出装置は、撮像部と、通信部と、を備える。前記撮像部は、画像を撮像する。前記通信部は、前記情報端末と通信可能である。前記通信部は、所定条件の成立前に前記撮像部が撮像した第1動画像を前記情報端末に送信する。前記情報端末は、前記第1動画像を記憶する記憶部と、表示部と、を備え、前記表示部は、前記記憶部に記憶された前記第1動画像から再生する前記第1動画像を選択するために、前記第1動画像のサムネイル画像として、前記第1動画像の先頭フレームの静止画を表示可能である。前記第1動画像は、前記所定条件の成立前であり、かつ、前記呼出装置が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された動画像であり、かつ、前記所定条件の成立から所定時間前までの間に録画された動画像である。前記通信部は、前記第1動画像と、前記第1動画像から時系列で連続し、かつ、前記所定条件の成立後に前記撮像部が撮像した第2動画像とを、前記情報端末に送信する。前記表示部は、前記所定条件が成立してから、前記呼出装置と前記情報端末との間で音声通話が可能な状態になるまでの間、前記第1動画像と前記第2動画像とが、前記第2動画像、前記第1動画像の順に並んだ動画であるプレイバック画像を繰り返し表示する。
【0009】
本開示の一態様に係る制御方法は、前記呼出システムが有する情報端末の制御方法であって、通信ステップと、表示ステップと、を含む。前記通信ステップでは、前記呼出装置と通信する。前記表示ステップでは、前記呼出装置の前記撮像部が撮像した画像を表示する。前記表示ステップでは、前記記憶部に記憶された前記第1動画像から再生する前記第1動画像を選択するために、前記第1動画像のサムネイル画像として前記第1動画像の先頭フレームの静止画を表示可能である。前記第1動画像は、前記所定条件の成立前であり、かつ、前記呼出装置が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された動画像であり、かつ、前記所定条件の成立から所定時間前までの間に録画された動画像である。前記表示ステップでは、前記所定条件が成立してから、前記呼出装置と前記情報端末との間で音声通話が可能な状態になるまでの間、前記第1動画像と、前記第1動画像から時系列で連続しかつ前記所定条件の成立後に前記撮像部が撮像した前記第2動画像とが、前記第2動画像、前記第1動画像の順に並んだ動画であるプレイバック画像を繰り返し表示する。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、前記制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示では、呼出装置の使用者の姿を確認しやすくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る呼出装置を含むインターホンシステムのブロック図である。
図2図2は、同上のインターホンシステムにおける親機の表示部の表示画面の一例である。
図3図3は、同上のインターホンシステムの第1動作例のタイムチャートである。
図4図4は、同上のインターホンシステムの第2動作例のタイムチャートである。
図5図5は、同上のインターホンシステムの第3動作例のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)インターホンシステムの概要
本実施形態に係るインターホンシステム10は、図1に示すように、呼出装置1(以下、子機1ともいう)と、複数台(図1では2台)の情報端末2(以下、親機2ともいう)と、を備えている。インターホンシステム10は、制御装置3と、複数台(図1では2台)のドアホン4と、複数台(図1では2台)の分岐器5と、を更に備えている。このインターホンシステム10は、例えば、マンション等の集合住宅に適用される集合住宅用のインターホンシステムである。このインターホンシステム10では、子機1と各親機2とが制御装置3を介して通信を行う。
【0014】
複数台の親機2の各々は、例えば、集合住宅の各住戸内に設置される住戸端末である。各親機2は、子機1との間で通信(例えば、通話、及び画像信号の受信等)を行うように構成されている。各親機2は、子機1の撮像部11で撮影された画像(動画)を表示する表示部22を有している。
【0015】
子機1は、例えば、ロビー等の集合住宅の共用部に設置される共用端末(ロビーインターホン)である。子機1は、各親機2との間で通信(例えば、通話、及び画像信号の送信、親機2の呼び出し等)を行うように構成されている。
【0016】
制御装置3は、子機1と各親機2との間において、呼出制御を行い、信号を中継するように構成されている。制御装置3は、例えば、集合住宅の管理室に設置されている。制御装置3は、例えば、来訪者が子機1を用いて親機2を呼び出したときに、子機1と親機2との間で送受信される信号を中継する。
【0017】
複数台のドアホン4の各々は、例えば、集合住宅の各住戸の外玄関に設置されている。複数台のドアホン4は、複数台の親機2と一対一に対応している。各ドアホン4は、対応する親機2との間で通信(例えば、通話、及び画像信号の送信等)を行うように構成されている。
【0018】
複数台の分岐器5の各々は、第2幹線62に挿入されており、第2幹線62に対して複数台の親機2を接続可能にする。本実施形態では、第2幹線62から複数の分岐線63に分岐しており、複数台の分岐器5は、第2幹線62における複数の分岐線63の分岐点にそれぞれ設けられている。これにより、各親機2は、分岐器5を介して第2幹線62に対して接続可能になる。
【0019】
子機1は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。各親機2は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。各ドアホン4は、接続線64を介して対応する親機2に接続されている。第1幹線61、第2幹線62、分岐線63及び接続線64の各々は、例えば、ツイストペアケーブルからなる。
【0020】
子機1は、画像を撮像する撮像部11と、親機2と通信可能な子機側通信部12と、を備えている。子機側通信部12は、所定条件の成立前に撮像部11が撮像した第1画像P11(図3参照)と、所定条件の成立後に撮像部11が撮像した第2画像P12(図3参照)と、を親機2に送信する。
【0021】
また、親機2は、子機1と通信可能な親機側通信部21と、子機1の撮像部11が撮像した画像を表示する表示部22と、を備えている。表示部22は、第2画像P12を表示した後に、第1画像P11を表示する(図3参照)。
【0022】
本実施形態の子機1では、所定条件が成立する前から撮像部11が画像を撮像しており、撮像した第1画像P11を親機2に送信する。これにより、親機2において、子機1の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0023】
(2)インターホンシステムの構成
(2.1)子機の構成
まず、子機1(呼出装置1)の構成について説明する。子機1は、図1に示すように、撮像部11と、子機側通信部12(通信部)と、子機側制御部13と、子機側操作部14(操作部)と、画像処理部15と、記憶部16と、センサ17と、を有している。さらに、子機1は、親機2との間で通話を実現するための通話部(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。
【0024】
撮像部11は、撮像素子を有し、被写体(来訪者等)を撮像するためのカメラである。本実施形態では、来訪者が子機1を操作する際に少なくとも来訪者の顔を撮像できるように、撮像部11の撮像エリア(視野)は、子機1の前方に設定されている。本実施形態では、撮像部11は動画を撮像するカメラである。さらに、本実施形態では、撮像部11はカラー画像を撮像するカメラである。
【0025】
撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部11は、被写体からの光をレンズ等の光学系によって撮像素子の撮像面(受光面)上に結像させ、撮像素子にて被写体からの光を電気信号に変換する。そして、撮像部11は、撮像素子の出力信号を画像信号として画像処理部15へ出力する。
【0026】
子機側通信部12は、親機2と通信するための通信インタフェースである。子機側通信部12は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。図1では、第1幹線61を1本の線で示している。子機側通信部12は、制御装置3の通信部32(後述する)を介して、親機2との間で双方向に通信可能に構成されている。子機側通信部12は、親機2に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号、画像信号及び制御信号等が含まれている。また、子機側通信部12は、通信部32を介して親機2から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号等を取得する。音声信号は、子機側制御部13を介して通話部へ出力される。
【0027】
子機側操作部14は、人(例えば来訪者等)の操作を受け付けるように構成されている。子機側操作部14は、例えば、複数の押ボタンスイッチ、及びタッチパネル等を有する入力インタフェースである。来訪者は、子機側操作部14に対して、例えば訪問先の住戸の住戸番号を入力する呼出操作を行うことにより、訪問先の住戸に設けられた親機2を呼び出す。
【0028】
画像処理部15は、撮像部11から出力される画像信号を受けて、信号処理により画像信号に含まれる画像(動画)を処理するように構成されている。画像処理部15は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のデバイスにて実現される。
【0029】
子機側制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが子機側制御部13として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0030】
子機側制御部13は、撮像部11及び子機側通信部12を制御するように構成されている。さらに、子機側制御部13は、画像処理部15を制御するように構成されている。
【0031】
子機側制御部13は、撮像部11を制御することによって、撮像部11に画像(動画)を撮像させる。本実施形態では、子機側制御部13は、所定条件が成立した場合、画像処理部15にプレイバック画像P10(図2図3参照)を生成させる。プレイバック画像P10とは、親機2との通信が開始される前に、撮像部11が撮像した動画を録画したデータである。本実施形態では、所定条件は、子機側操作部14が呼出操作を受け付ける、という条件を含む。より詳細には、所定条件は、子機側操作部14が呼出操作の最初の操作を受け付ける、という条件を含む。呼出操作とは、親機2を呼び出すための操作である。本実施形態では、呼出操作とは、子機側操作部14に訪問先の住戸番号を入力する操作である。呼出操作の最初の操作(以降、呼出操作の開始ともいう)とは、住戸番号の1文字目(頭文字)を入力する操作である。例えば、訪問先の住戸番号が“123”である場合、“1”の入力が、呼出操作の最初の操作である。
【0032】
画像処理部15は、所定条件の成立前に撮像部11が撮像した第1画像P11と、所定条件の成立後に撮像部11が撮像した第2画像P12と、を用いてプレイバック画像P10を生成する(図3参照)。ここでいう「所定条件の成立前」及び「所定条件の成立後」には、所定条件が成立した時点が含まれている。
【0033】
第1画像P11と第2画像P12との少なくとも一方は、動画である。本実施形態では、第1画像P11と第2画像P12との両方が動画である。より詳細には、第1画像P11と第2画像P12とは、時系列で連続した動画である。つまり、第1画像P11は、来訪者が子機側操作部14に対する呼出操作の開始以前に、撮像部11が撮像した動画である。第2画像P12は、来訪者が子機側操作部14に対する呼出操作の開始以降に、撮像部11が撮像した動画である。子機側制御部13が生成したプレイバック画像P10(第1画像P11、第2画像P12)は、子機側通信部12を介して親機2に送信される。
【0034】
また、子機側制御部13は、子機1と親機2とが通信可能な状態になると、撮像部11が撮像しているリアルタイムの動画であるリアルタイム画像P20を、親機2へ送信させる。
【0035】
子機側制御部13は、子機側通信部12を制御することによって、子機側通信部12に親機2への通信信号を送信させ、かつ子機側通信部12に親機2からの通信信号を受信させる。親機2への通信信号には、音声信号、画像信号及び制御信号等が含まれている。また、親機2からの通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。
【0036】
子機側制御部13は、画像処理部15を制御することによって、画像処理部15に撮像部11からの画像信号に含まれる画像(動画)を処理させる。画像処理部15にて処理された画像は、子機側通信部12から親機2に送信される。
【0037】
記憶部16は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部16は、例えばフラッシュメモリである。記憶部16は、撮像部11が撮像した画像(動画)を記憶している。なお、記憶部16に記憶されているデータ量が所定量を超えると、作成日時が古いデータから削除される。
【0038】
本実施形態では、記憶部16は、子機側制御部13の外部に設けられているが、子機側制御部13の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部16は、子機側制御部13の内蔵メモリであってもよい。
【0039】
センサ17は、例えば焦電型の赤外線センサであり、人等が動く際に生じる赤外線の変化量を検出することによって人等を検知する。センサ17は、子機1が設けられた空間における人の存在を検知するように構成されている。具体的には、センサ17の検知範囲は、子機1の子機側操作部14を操作する人(例えば来訪者)を検知できるように、子機1の前方に設定されている。なお、センサ17は、子機1の構成要素に含まれていなくてもよく、子機1とは別に設けられ、子機1に検知信号を出力するように構成されていてもよい。
【0040】
また、センサ17は赤外線センサに限らず、例えば超音波を利用した超音波センサ、可視光を利用した可視光センサ等であってもよいし、これらを組み合わせてもよい。また、人感センサの代わりに、カメラ等を用いてもよい。
【0041】
(2.2)親機の構成
次に、親機2(情報端末2)の構成について説明する。親機2は、図1に示すように、親機側通信部21(端末側通信部)と、表示部22と、親機側制御部23と、親機側操作部24と、画像処理部25と、記憶部26と、通知部27と、を有している。さらに、親機2は、子機1及びドアホン4との間で通話を実現するための通話部(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。
【0042】
親機側通信部21は、子機1及びドアホン4と通信するための通信インタフェースである。親機側通信部21は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。図1では、第2幹線62及び分岐線63を1本の線で示している。親機側通信部21は、制御装置3の通信部32を介して、子機1との間で双方向に通信可能に構成されている。親機側通信部21は、子機1に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、親機側通信部21は、通信部32を介して子機1から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号及び画像信号等を取得する。音声信号は、親機側制御部23を介して通話部へ出力され、画像信号は、親機側制御部23を介して表示部22へ出力される。
【0043】
表示部22は、画像処理部25からの画像(例えば子機1の撮像部11で撮像された動画)を表示するように構成されている。表示部22は、例えば液晶ディスプレイである。ここで、親機2がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部22と親機側操作部24とを兼ねることになる。
【0044】
親機側操作部24は、人(ここでは、住戸内の居住者)の操作を受け付けるように構成されている。親機側通信部21が居住者を呼び出すための呼出信号を受信している状態で、親機側操作部24に対して所定の操作(例えば、押操作)が行われると、子機1と親機2との間で音声通話が可能な状態となる。
【0045】
画像処理部25は、親機側通信部21にて受信した子機1からの画像信号を受けて、信号処理により画像信号に含まれる画像(動画)を処理するように構成されている。画像処理部25は、例えば、複数の画像(動画)を合成する合成処理を行うように構成されている。本実施形態では、画像処理部25は、合成処理において、過去の動画であるプレイバック画像P10とリアルタイムの画像であるリアルタイム画像P20とを合成して1つの画像(動画)を作成する。画像処理部25は、例えば、DSP又はFPGA等のデバイスにて実現される。
【0046】
親機側制御部23は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが親機側制御部23として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0047】
親機側制御部23は、親機側通信部21及び表示部22を制御するように構成されている。さらに、親機側制御部23は、画像処理部25を制御するように構成されている。
【0048】
親機側制御部23は、親機側通信部21を制御することによって、親機側通信部21に子機1への通信信号を送信させ、かつ親機側通信部21に子機1からの通信信号を受信させる。子機1への通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、子機1からの通信信号には、音声信号、画像信号及び制御信号等が含まれている。
【0049】
親機側制御部23は、表示部22を制御することによって、子機1から送られてくる画像を表示部22に表示させる。本実施形態では、図2に示すように、子機1との通信の開始前のプレイバック画像P10と、子機1との通信が開始後のリアルタイム画像P20と、を合成した1つの画像を表示部22に表示させる。図2は、表示部22の表示画面220に、プレイバック画像P10とリアルタイム画像P20との合成画像を表示させた一例である。図2では、表示画面220において、プレイバック画像P10を小さく表示し、リアルタイム画像P20を大きく表示している。親機側操作部24への操作によって、プレイバック画像P10とリアルタイム画像P20との表示領域の入れ替え、プレイバック画像P10のみの表示、リアルタイム画像P20のみの表示等が可能である。例えば、表示画面220の全体に、リアルタイム画像P20のみ、又はプレイバック画像P10のみを表示することができる。この場合、親機側操作部24への操作によって、リアルタイム画像P20の表示からプレイバック画像P10の表示への切り替え、又はプレイバック画像P10の表示からリアルタイム画像P20の表示への切り替えを行うことができる。また、親機側操作部24への操作によって、プレイバック画像P10のうち第1画像P11のみを1回又は繰り返し表示してもよいし、第2画像P12のみを1回又は繰り返し表示してもよい。また、子機1から送信されたプレイバック画像P10は、記憶部26に記憶され、後からプレイバック画像P10を見直すことができる。
【0050】
親機側制御部23は、画像処理部25を制御することによって、画像処理部25にプレイバック画像P10とリアルタイム画像P20とを合成させる合成処理を行わせる。画像処理部25にて処理(合成)された画像は、表示部22に表示される。
【0051】
記憶部26は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部26は、例えばフラッシュメモリである。記憶部26は、子機1から送られてきたプレイバック画像P10を記憶する。また、記憶部26は、子機1から送られてきたリアルタイム画像P20を記憶してもよい。本実施形態では、記憶部26は、親機側制御部23の外部に設けられているが、親機側制御部23の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部26は、親機側制御部23の内蔵メモリであってもよい。
【0052】
通知部27は、例えば呼出音を出力するように構成されている。親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、所定のタイミングで通知部27に呼出音を出力させる。言い換えると、親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、子機1からの呼び出しがあったことを通知する通知動作を通知部27に行わせる。なお、通知部27は、呼出音ではなく、音声を出力するように構成されていてもよい。
【0053】
(2.3)制御装置の構成
次に、制御装置3の構成について説明する。制御装置3は、図1に示すように、信号処理部31と、通信部32と、を有している。
【0054】
通信部32は、子機1及び親機2と通信するための通信インタフェースである。通信部32は、第1幹線61を介して子機1に接続されている。また、通信部32は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して親機2に接続されている。通信部32は、子機1の子機側通信部12との間で双方向に通信可能に構成されている。また、通信部32は、親機2の親機側通信部21との間で双方向に通信可能に構成されている。つまり、通信部32は、親機側通信部21と子機側通信部12との間の通信を中継するように構成されている。したがって、通信部32は、子機1の子機側通信部12から送信される通信信号を中継して複数台の親機2に送信する。ここで、子機1から送信される通信信号には、送信先となる親機2を特定するための情報(例えばアドレス等)が含まれている。このため、複数台の親機2のうち自己に割り当てられたアドレスと通信信号に含まれるアドレスとが一致する親機2のみが通信信号を受信することができる。また、通信部32は、複数台の親機2の各々から送信される通信信号を中継して子機1に送信する。
【0055】
信号処理部31は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが信号処理部31として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0056】
信号処理部31は、通信部32を制御するように構成されている。具体的には、信号処理部31は、通信部32を制御することによって、子機1から送信される通信信号を複数台の親機2に送信させ、かつ複数台の親機2の各々から送信される通信信号を子機1に送信させる。
【0057】
(3)インターホンシステムの動作
(3.1)第1動作例
次に、本実施形態に係るインターホンシステム10の第1動作例を図3を参照して説明する。ここでは、来訪者が子機1に呼出操作を行い、居住者が呼び出しに応答する場合を例として説明する。なお、図3における「撮像」は、撮像部11が画像(動画)を撮像している状況を表している。図3における「送信」は、撮像部11が撮像した画像を子機1から親機2に伝送する状態を表している。図3における「受信」は、子機1から送信された画像を受信する状況を表している。図3における「表示」は、親機2が受信した画像を表示部22に表示する状況を表している。なお、図3において、撮像、送信、受信、表示のそれぞれを行っている実行区間を実線で表し、撮像、送信、受信、表示のそれぞれを行っていない停止区間を破線で表している。また、図3において、撮像、表示の実行区間中のハッチングを付した区間は、第1画像P11、第2画像P12、リアルタイム画像P20それぞれを撮像又は表示している区間を表している。以下、図4及び図5についても同様である。
【0058】
訪問先の住戸の親機2を呼び出す呼出操作を行うために、来訪者が子機1に近付き、時刻t1に来訪者がセンサ17の検知範囲に進入する。センサ17が人(来訪者)を検知すると、子機側制御部13は、撮像部11に画像(動画)の撮像を開始させる。また、このとき、子機側制御部13は、撮像部11が撮像した動画を記憶部16に記憶(録画)させる。
【0059】
時刻t3において、来訪者が子機1の子機側操作部14に対して呼出操作を開始する。つまり、時刻t3において、来訪者が訪問先の住戸番号の1文字目(頭文字)を入力する。時刻t5において、呼出操作が終了する。呼出操作の終了とは、住戸番号の入力後、呼出ボタンを押す動作である。呼出操作が終了すると、子機1と、入力した住戸番号に対応する親機2と、が制御装置3を介して通信可能な状態となる。厳密には、呼出操作の終了から、子機1と親機2との通信が確立するまでタイムラグが発生するが、ここではそのタイムラグを無視して説明する。
【0060】
ここで、時刻t3において、子機側操作部14が呼出操作の最初の操作を受け付けることによって、所定条件が成立する。子機側制御部13は、所定条件が成立した場合、画像処理部15に、プレイバック画像P10を生成させる。
【0061】
画像処理部15は、所定条件の成立前に撮像部11が撮像した第1画像P11と、所定条件の成立後に撮像部11が撮像した第2画像P12と、を用いてプレイバック画像P10を生成する。第1画像P11は、来訪者が子機側操作部14に対して呼出操作を開始した時刻t3以前に、撮像部11が撮像した動画である。第2画像P12は、来訪者が子機側操作部14に対して呼出操作を開始した時刻t3以降に、撮像部11が撮像した動画である。
【0062】
本実施形態では、第1画像P11は、所定条件が成立した時刻t3の第1期間T1(例えば3秒)前の時刻t2から、所定条件が成立した時刻t3までの動画である。ここでは、時刻t2は、センサ17が人(来訪者)を検知した時刻t1よりも後の時刻であるとする。したがって、第1画像P11は、所定条件の成立前であり、かつ、子機1が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された画像である。また、第1画像P11は、所定条件の成立から所定時間(第1期間T1)前に撮像された画像である。なお、第1期間T1は、3秒に限らず、3秒とは異なる時間長であってもよい。
【0063】
本実施形態では、第2画像P12は、所定条件が成立した時刻t3から、第2期間T2(例えば2秒)後の時刻t4までの動画である。ここでは、時刻t4は、来訪者が呼出操作を終了する時刻t5よりも前の時刻であるとする。なお、第2期間T2は、2秒に限らず、2秒とは異なる時間長であってもよい。
【0064】
つまり、第1画像P11と第2画像P12とは、時系列で連続した動画である。言い換えれば、プレイバック画像P10は、所定条件が成立した時刻t3の第1期間T1前の時刻t2から、所定条件が成立した時刻t3の第2期間T2後の時刻t4までの動画である。
【0065】
画像処理部15は、記憶部16に記憶されている動画から、時刻t2から時刻t4までの動画を抽出してプレイバック画像P10を生成する。
【0066】
また、図3に示すように、本実施形態では、画像処理部15は、第1画像P11と第2画像P12との時系列の順番を入れ替えてプレイバック画像P10を生成する。つまり、プレイバック画像P10は、先頭から第2画像P12、第1画像P11の順に並ぶ。
【0067】
子機側制御部13は、画像処理部15が生成したプレイバック画像P10を、呼出操作が終了し子機1と親機2とが通信可能な状態になると、親機2へ送信させる(時刻t5)。また、子機側制御部13は、子機1と親機2とが通信可能な状態になると、撮像部11が撮像しているリアルタイムの動画であるリアルタイム画像P20を、親機2へ送信させる。
【0068】
親機2では、子機1との通信が可能な状態となり、子機1からの呼出信号を受信すると、親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあったことを通知部27に通知させる(時刻t5)。また、親機側制御部23は、子機1から送信されたプレイバック画像P10を記憶部26に記憶(録画)させる。
【0069】
親機側制御部23は、画像処理部25にプレイバック画像P10とリアルタイム画像P20との合成画像を生成させ、表示部22に合成画像を表示させる(図2参照)。プレイバック画像P10は、先頭から第2画像P12、第1画像P11の順に並んでいる。したがって、表示部22には、第2画像P12が表示(再生)された後に第1画像P11が表示(再生)される。また、プレイバック画像P10は、短時間の動画であるため、繰り返し表示される。つまり、第1画像P11と第2画像P12とが交互に繰り返し表示(再生)される。
【0070】
時刻t5以降において、表示部22に表示された画像(プレイバック画像P10とリアルタイム画像P20との合成画像)を見た居住者が、親機側操作部24に対して所定の操作(例えば押操作)を行うことで、子機1と親機2との間で音声通話が可能な状態となる。
【0071】
そして、子機1と親機2との通信終了後、センサ17の検知範囲から人(来訪者)がいなくなると、子機側制御部13は、撮像部11に撮像を停止させる。なお、子機側制御部13は、子機1と親機2との通信が終了すると、撮像部11に撮像を停止させてもよい。
【0072】
このように、本実施形態の子機1(呼出装置1)は、所定条件の成立前、つまり呼出操作の最初の操作を受け付ける前から、撮像部11が撮像を開始している。そして、子機1は、所定条件の成立前後、つまり呼出操作の最初の操作を受け付ける前後に撮像部11が撮像した画像(第1画像P11、第2画像P12)を親機2(情報端末2)に送信する。したがって、親機2のユーザ(居住者)は、子機1の使用者(来訪者)が呼出操作を行う前の姿、挙動等の確認がしやすくなる。また、第2画像P12は、来訪者が子機1に向かって呼出操作を行っている際の姿が写っているので、来訪者の顔が確認しやすくなる。
【0073】
また、プレイバック画像P10は、親機2の記憶部26に記憶され、居住者は、後から来訪者を確認することができる。例えば、親機2において、居住者の不在時に子機1からの呼び出しがあった場合、居住者は、親機側操作部24を操作して記憶部26に記憶されているプレイバック画像P10を表示部22に表示(再生)させることができる。このとき、再生させるプレイバック画像P10を選択するために、表示部22には呼出毎または来訪者毎にプレイバック画像P10のサムネイル画像が表示され、親機2のユーザ(居住者)の操作に基づいて選択されたサムネイル画像に対応するプレイバック画像P10が表示部22に表示(再生)される。プレイバック画像P10のサムネイル画像とは、プレイバック画像P10から抽出した静止画である。本実施形態では、プレイバック画像P10のサムネイル画像は、プレイバック画像P10における先頭フレームの静止画である。本実施形態では、プレイバック画像P10は、先頭から、呼出操作の開始後の第2画像P12、呼出操作の開始前の第1画像P11の順に並んでいる。したがって、プレイバック画像P10のサムネイル画像が、来訪者が呼出操作を開始したときの静止画となる。これにより、サムネイル画像に、来訪者の顔が写っている可能性が高くなり、居住者は、不在時に訪問してきた来訪者が誰であるかを確認しやすくなる。
【0074】
また、親機側制御部23は、選択されたサムネイル画像に対応するプレイバック画像P10を表示部22に表示(再生)する場合、第1画像P11、第2画像P12の順に再生する。つまり、時系列で先の第1画像P11の再生後に、第2画像P12が再生される。これにより、親機2のユーザ(居住者)は、来訪者が子機1に近付いて操作する姿を時系列で確認することができ、来訪者の挙動などを確認しやすくなる。
【0075】
なお、親機側制御部23は、選択されたサムネイル画像に対応するプレイバック画像10のうち、再生する区間の設定が可能に構成されていてもよい。例えば、親機側制御部23は、設定に応じて、第1画像P11のみを再生してもよいし、第2画像P12のみを再生してもよいし、第1画像P11及び第2画像P12の全部又は一部の区間を再生してもよい。これらの設定は、親機2で行われてもよいし、子機1、管理室親機等の外部機器等で行われてもよい。
【0076】
(3.2)第2動作例
次に、本実施形態に係るインターホンシステム10の第2動作例を図4を参照して説明する。
【0077】
訪問先の住戸の親機2を呼び出す呼出操作を行うために、来訪者が子機1に近付き、時刻t11に来訪者がセンサ17の検知範囲に進入する。センサ17が人(来訪者)を検知すると、子機側制御部13は、撮像部11に画像(動画)の撮像を開始させる。
【0078】
本動作例では、センサ17が人を検知してから(時刻t11)、第1期間T1を経過するまでの時刻t12において、呼出操作を開始(所定条件が成立)している。この場合、画像処理部15は、撮像部11が動画の撮像を開始した時刻t11から、呼出操作が開始される時刻t12までの動画を第1画像P11とする。したがって、本動作例では、第1画像P11の時間長は、第1期間T1よりも短くなる。
【0079】
また、本動作例では、来訪者が呼出操作を開始してから(時刻t12)、第2期間T2が経過した時刻t14よりも前の時刻t13において、呼出操作を終了している。この場合、子機側制御部13は、呼出操作の終了後、時刻t14まで、親機2との通信を保留させる。つまり、子機側制御部13は、所定条件が成立してから(時刻t12)、第2期間T2が経過するまで、親機2と通信を行わない。画像処理部15は、呼出操作が開始された時刻t12から第2期間T2が経過した時刻t14までの動画を第2画像P12とする。したがって、本動作例では、第2画像P12の時間長は、第1動作例と同様に第2期間T2と同じ時間長となる。
【0080】
子機側制御部13は、時刻t14において親機2との通信を開始し、呼出信号、プレイバック画像P10、リアルタイム画像P20等を送信させる。親機2では、子機1から送信されたプレイバック画像P10及びリアルタイム画像P20の合成画像が表示部22に表示される(図2参照)。
【0081】
このように、本動作例では、センサ17が人を検知してから呼出操作が開始されるまでの期間が、第1期間T1よりも短い場合であっても、第1画像P11が生成される。したがって、親機2のユーザ(居住者)は、子機1の使用者(来訪者)が呼出操作を行う前の姿、挙動等を確認することができる。
【0082】
また、本動作例では、呼出操作の開始から終了までの期間(時刻t12から時刻t13)が、第2期間T2よりも短い場合であっても、第2期間T2が経過するまで親機2との通信が保留される。これにより、第2画像P12の時間長が確保され、居住者は、呼出操作の開始後の来訪者の姿、挙動等を確認しやすくなる。
【0083】
なお、本動作例では、第2期間T2が経過する時刻t14まで、親機2との通信を保留しているが、これに限らない。子機側制御部13は、呼出操作が終了した時刻t13において、親機2との通信を開始してもよい。この場合、画像処理部15は、呼出操作が開始された時刻t12から呼出操作が終了した時刻t13までの動画を第2画像P12とする。これにより、呼出操作の終了後、子機1と親機2との通信が開始されるまでの時間を短縮することができる。また、親機2の操作によって、第2画像P12の途中でカメラの設定(例えばズーム、逆光補正等)が変更されることが抑制される。
【0084】
(3.3)第3動作例
次に、本実施形態に係るインターホンシステム10の第3動作例を図5を参照して説明する。
【0085】
複数の来訪者が続けて子機1を利用する場合がある。ここでは、第1来訪者が子機1を利用した後に、第2来訪者が子機1を利用する場合について説明する。
【0086】
時刻t21において、第1来訪者と、第1来訪者の訪問先の居住者との通話が終了して、子機1と親機2(第1親機2)との通信が終了する。このとき、第2来訪者は、子機1の傍で待っており、センサ17の検知範囲内にいるとする。したがって、子機1と第1親機2との通信終了後も、撮像部11が動画の撮像が継続される。
【0087】
第1来訪者が子機1の前から退去後、第2来訪者が子機1の前に移動し、親機2(第2親機2)を呼び出すための呼出操作を開始する(時刻t23)。
【0088】
本動作例では、子機1と第1親機2との通信が終了し、第1来訪者が子機1の前から退去した時刻t22から、第2来訪者が呼出操作を開始(所定条件が成立)する時刻t23までの期間は、第1期間T1よりも短い。この場合、画像処理部15は、第1来訪者が子機1の前から退去してから、第2来訪者が呼出操作を開始するまでの動画を第1画像P11とする。具体的には、画像処理部15は、撮像部11が撮像した画像に含まれている人を検知する人検知機能を有している。画像処理部15は、撮像部11の撮像範囲から人がいなくなると、人が子機1の前から退去したと判断する。
【0089】
本動作例では、時刻t22において、画像処理部15は、撮像部11の撮像範囲から人(第1来訪者)がいなくなったと判断する。画像処理部15は、撮像部11の撮像範囲から人がいなくなった時刻t22から、第2来訪者が呼出操作を開始した時刻t23までの動画を第1画像P11とする。したがって、本動作例では、第1画像P11の時間長は、第1期間T1よりも短くなる。
【0090】
つまり、本動作例では、第1画像P11は、所定条件の成立前であり、かつ、子機側通信部12と第1親機2との前回の通信が終了した後に撮像された画像である。具体的には、第1画像P11は、所定条件の成立前であり、かつ、子機側通信部12と第1親機2との前回の通信が終了し撮像部11の撮像範囲外へ人(第1来訪者)が移動してから撮像された画像である。
【0091】
また、時刻t24において、第2来訪者による呼出操作が終了する。時刻t25において、子機1と第2親機2とが通信可能な状態となり、子機1から呼出信号、プレイバック画像P10、リアルタイム画像P20等が送信される。親機2では、子機1から送信されたプレイバック画像P10及びリアルタイム画像P20の合成画像が表示部22に表示される(図2参照)。
【0092】
このように、本動作例では、第1画像P11は、第1来訪者が撮像部11の撮像範囲外へ移動してから、第2来訪者が呼出操作を開始するまでの動画である。したがって、第1画像P11に、第1来訪者が映ることが抑制される。
【0093】
子機1と親機2との通信の終了とは、居住者が親機2の親機側操作部24に対して通話(通信)を終了するための操作を行う場合に限らず、来訪者が親機2の呼び出しを中止する場合も含まれる。例えば、訪問先の居住者が留守である場合、来訪者は、子機側操作部14に対して、親機2の呼び出しを中止する操作を行うと、子機1と親機2との通信が終了する。
【0094】
なお、本動作例では、撮像部11の撮像範囲外へ人が移動してから、呼出操作が開始するまでの動画を第1画像P11としているが、これに限らない。第1画像P11は、前回の通信の終了(時刻t21)の所定時間後から、呼出操作の開始(時刻t23)までの動画であってもよい。言い換えれば、第1画像P11は、所定条件の成立前であり、かつ、子機側通信部12と第1親機2のとの前回の通信の終了から所定時間以上経過後に撮像された画像である。
【0095】
この場合、画像処理部15が人検知機能を有していなくてもよく、構成の簡略化を図ることができる。
【0096】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎず、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態に係るインターホンシステム10の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0097】
実施形態に係る親機2(情報端末2)と同様の機能は、親機2(情報端末2)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0098】
親機2の制御方法は、子機1(呼出装置1)と通信可能な親機2(情報端末2)の制御方法であって、通信ステップと、表示ステップと、を含む。通信ステップでは、子機1と通信する。表示ステップでは、子機1の撮像部11が撮像した画像を表示する。また、表示ステップでは、第2画像P12を表示した後に第1画像P11を表示する。
【0099】
また、プログラムは、コンピュータシステムに親機2の制御方法を実行させる。
【0100】
インターホンシステム10において、子機側制御部13、画像処理部15、親機側制御部23、画像処理部25等にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、子機側制御部13、画像処理部15、親機側制御部23、画像処理部25等の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。インターホンシステム10としての一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0101】
また、上述した例では、子機1の画像処理部15が、第1画像P11と第2画像P12とを用いてプレイバック画像P10を生成しているが、親機2の画像処理部25がプレイバック画像P10を生成してもよい。
【0102】
また、プレイバック画像P10において、先頭からの順番が第2画像P12、第1画像P11の順に限らず、先頭から第1画像P11、第2画像P12の順番であってもよい。この場合、親機2の表示部22には、第1画像P11、第2画像P12の順番に表示(再生)される。
【0103】
また、上述した例では、第1画像P11及び第2画像P12の両方が動画であったが、第1画像P11及び第2画像P12は静止画であってもよい。この場合、撮像部11は、第1画像P11として複数の静止画を撮像してもよい。また、撮像部11は、第2画像P12として複数の静止画を撮像してもよい。
【0104】
また、上述した例では、所定条件が、子機側操作部14が呼出操作(の最初の操作)を受け付ける、という条件が含まれていたが、この条件に限らない。例えば、所定条件には、子機1に設けられた近接センサが子機1の前に立った人(来訪者)を検知するという条件、子機1の画像処理部15が撮像部11が撮像した画像に含まれる人(来訪者)の顔を認識するという条件等が含まれていてもよい。
【0105】
また、上述した例では、子機1(呼出装置1)が集合住宅の共用部に設けられるロビーインターホンである場合を例に説明したが、子機1は、住戸の外玄関に設置されるドアホン(玄関子機)であってもよい。また、インターホンシステム10が適用される施設が集合住宅である場合を例に説明したが、インターホンシステム10が適用される施設は、戸建住宅であってもよいし、オフィスビル、商業施設、ホテル、病院、工場、学校、及び老人ホーム等であってもよい。
【0106】
(まとめ)
第1態様に係る呼出装置(1)は、情報端末(2)を呼び出す装置であって、撮像部(11)と、通信部(子機側通信部12)と、を備える。撮像部(11)は、画像を撮像する。通信部(12)は、所定条件の成立前に撮像部(11)が撮像した第1画像(P11)と、所定条件の成立後に撮像部(11)が撮像した第2画像(P12)と、を情報端末(2)に送信する。
【0107】
この態様によれば、所定条件が成立する前後において撮像部(11)が撮像した第1画像(P11)及び第2画像(P12)が情報端末(2)に送信されるので、情報端末(2)において、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0108】
第2態様に係る呼出装置(1)は、第1態様において、情報端末(2)を呼び出すための呼出操作を受け付ける操作部(14)を更に備える。所定条件は、操作部(子機側操作部14)が呼出操作を受け付ける、という条件を含む。
【0109】
この態様によれば、呼出装置(1)の使用者が呼出操作を行っている姿を、情報端末(2)で確認することができる。
【0110】
第3態様に係る呼出装置(1)では、第2態様において、所定条件は、操作部(14)が呼出操作の最初の操作を受け付ける、という条件を含む。
【0111】
この態様によれば、呼出装置(1)の使用者が呼出操作を行っている姿を、情報端末(2)で確認することができる。
【0112】
第4態様に係る呼出装置(1)では、第1~第3態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)と第2画像(P12)との少なくとも一方は、動画である。
【0113】
この態様によれば、呼出装置(1)の使用者の挙動を確認しやすくなる。
【0114】
第5態様に係る呼出装置(1)では、第1~第4態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)と第2画像(P12)とは、時系列で連続した動画である。
【0115】
この態様によれば、呼出装置(1)の使用者の挙動を確認しやすくなる。
【0116】
第6態様に係る呼出装置(1)では、第1~第5態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)は、所定条件の成立前であり、かつ、呼出装置(1)が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像された画像である。
【0117】
この態様によれば、第1画像(P11)は、呼出装置(1)が設けられた空間における人の存在の検知後に撮像されるので、人が映る可能性が高くなる。
【0118】
第7態様に係る呼出装置(1)では、第1~第6態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)は、所定条件の成立から所定時間(第1期間T1)前に撮像された画像である。
【0119】
この態様によれば、第1画像(P11)は、所定条件の成立から所定時間(第1期間T1)前に撮像されるので、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0120】
第8態様に係る呼出装置(1)では、第1~第7態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)は、所定条件の成立前であり、かつ、通信部(12)と情報端末(2)との前回の通信が終了した後に撮像された画像である。
【0121】
この態様によれば、第1画像(P11)に、前回の通信時に呼出装置(1)を使用していた人が映ることが抑制される。
【0122】
第9態様に係る呼出装置(1)では、第1~第8態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)は、所定条件の成立前であり、かつ、通信部(12)と情報端末(2)との前回の通信の終了から所定時間以上経過後に撮像された画像である。
【0123】
この態様によれば、第1画像(P11)に、前回の通信時に呼出装置(1)を使用していた人が映ることが抑制される。
【0124】
第10態様に係る呼出装置(1)では、第1~第9態様のいずれかにおいて、第1画像(P11)は、所定条件の成立前であり、かつ、通信部(12)と情報端末(2)との前回の通信が終了し撮像部(11)の撮像範囲外へ人が移動してから撮像された画像である。
【0125】
この態様によれば、第1画像(P11)に、前回の通信時に呼出装置(1)を使用していた人が映ることが抑制される。
【0126】
第11態様に係る呼出装置(1)では、第1~第10態様のいずれかにおいて、通信部(12)は、所定条件が成立してから所定時間(第2期間T2)後に、第1画像(P11)と第2画像(P12)とを情報端末(2)に送信する。
【0127】
この態様によれば、第2画像(P12)を撮像する時間が確保され、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0128】
第12態様に係る情報端末(2)は、端末側通信部(親機側通信部21)と、表示部(22)と、を備える。端末側通信部(21)は、第1~第11態様のいずれかの呼出装置(1)と通信可能である。表示部(22)は、呼出装置(1)の撮像部(11)が撮像した画像を表示する。また、表示部(22)は、第2画像(P12)を表示した後に第1画像(P11)を表示する。
【0129】
この態様によれば、情報端末(2)において、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0130】
第13態様に係る情報端末(2)の制御方法は、第1~第11態様のいずれかの呼出装置(1)と通信可能な制御端末の制御方法である。情報端末(2)の制御方法では、通信ステップと、表示ステップと、を含む。通信ステップでは、呼出装置(1)と通信する。表示ステップでは、呼出装置(1)の撮像部(11)が撮像した画像を表示する。また、表示ステップでは、第2画像(P12)を表示した後に第1画像(P11)を表示する。
【0131】
この態様によれば、情報端末(2)において、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【0132】
第14態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第13態様に係る情報端末(2)の制御方法を実行させる。
【0133】
この態様によれば、情報端末(2)において、呼出装置(1)の使用者の姿を確認しやすくなる。
【符号の説明】
【0134】
1 呼出装置
2 情報端末
11 撮像部
12 子機側通信部(通信部)
P11 第1画像
P12 第2画像
14 子機側操作部(操作部)
21 親機側通信部(端末側通信部)
22 表示部
図1
図2
図3
図4
図5