(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】撮像装置および実装機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
(21)【出願番号】P 2023503712
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2022006725
(87)【国際公開番号】W WO2022185957
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2021033687
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】柴田 悟
(72)【発明者】
【氏名】杉野 晋平
(72)【発明者】
【氏名】海老原 悠人
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/146732(WO,A1)
【文献】特開2014-207271(JP,A)
【文献】特開2003-307687(JP,A)
【文献】国際公開第2020/144901(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/189108(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
G02B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられ、被写体を撮像する撮像装置であって、
第1の光学系を収容する第1の鏡筒と、
第2の光学系を収容し、前記第1の光学系の光軸が前記第2の光学系の光軸と平行になるように配置された第2の鏡筒と、
前記第1の鏡筒および前記第2の鏡筒を覆って固定し、前記被写体からの光が入射する先端部と、前記先端部の反対側の基端部とを有するホルダと、
前記基端部の外周から張り出して前記移動体に固定されるフランジ部と、
前記第1の光学系および前記第2の光学系を透過した前記光を結像するイメージセンサと、
前記イメージセンサが搭載されたセンサ基板と、を備え、
前記イメージセンサは、前記ホルダの前記基端部に固定されている、
撮像装置。
【請求項2】
前記第1の光学系の光軸に沿う方向の前記第1の鏡筒の全長および前記第2の光学系の光軸に沿う前記第2の鏡筒の全長が前記ホルダに覆われる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記先端部より前記基端部が太い、
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記ホルダの前記基端部は、複数の突起を有しており、
前記イメージセンサは、前記複数の突起に接触して前記基端部に固定されている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記センサ基板は、隙間を介して前記基端部に固定される、
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記イメージセンサは、1つのイメージセンサからなる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記イメージセンサは、前記第1の光学系を透過した光を結像する第1のイメージセンサと、前記第2の光学系を透過した光を結像する第2のイメージセンサを含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ホルダの前記基端部は、複数の第1の突起と、複数の第2の突起とを有しており、
前記第1のイメージセンサは、前記複数の第1の突起に接触して前記基端部に固定されており、
前記第2のイメージセンサは、前記複数の第2の突起に接触して前記基端部に固定されている、
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記センサ基板は、前記第1のイメージセンサが搭載された第1のセンサ基板と、前記第2のイメージセンサが搭載された第2のセンサ基板とを有し、
前記第1のセンサ基板と前記第2のセンサ基板は、隙間を介して配置されている、
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1の光学系は、複数のレンズを含み、
前記第2の光学系は、複数のレンズを含む、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記フランジ部は、前記フランジ部を前記移動体に固定するための複数の固定用穴を有する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の撮像装置と、
前記移動体であり、基板に部品を実装する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、
前記センサ基板に接続された一端と、前記実装ヘッドに接続された他端とを有するフレキシブル基板と、を備え、
前記撮像装置は、前記実装ヘッドにより保持された前記部品と前記基板上の前記部品の実装位置とを撮像する、
実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置および実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に対して部品を実装する実装ヘッドを含むヘッドユニットと、実装ヘッドに対して部品を供給する部品供給部と、ヘッドユニットに設けられ、部品供給部の部品供給位置を複数の方向から撮像可能な撮像部と、撮像部により複数の方向から撮像した部品供給位置の画像に基づいて、部品供給位置における部品の水平方向の位置および鉛直方向の高さ位置を取得する制御部とを備える、部品実装装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、対象の位置計測精度をより向上させることができる撮像装置および実装機を提供することを目的とする。
【0005】
本開示に係る撮像装置は、移動体に取り付けられ、被写体を撮像する撮像装置であって、第1の光学系を収容する第1の鏡筒と、第2の光学系を収容し、前記第1の光学系の光軸が前記第2の光学系の光軸と平行になるように配置された第2の鏡筒と、前記第1の鏡筒および前記第2の鏡筒を覆って固定し、前記被写体からの光が入射する先端部と、前記先端部の反対側の基端部とを有するホルダと、前記基端部の外周から張り出して前記移動体に固定されるフランジ部と、前記第1の光学系および前記第2の光学系を透過した前記光を結像するイメージセンサと、前記イメージセンサが搭載されたセンサ基板とを備える。前記イメージセンサは、前記ホルダの前記基端部に固定されている。
【0006】
また、本開示に係る実装機は、上記撮像装置と、前記移動体であり、基板に部品を実装する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、前記センサ基板に接続された一端と、前記実装ヘッドに接続された他端とを有するフレキシブル基板と、を備える。前記撮像装置は、前記実装ヘッドにより保持された前記部品と前記基板上の前記部品の実装位置とを撮像する。
【0007】
本開示によれば、対象の位置計測精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る撮像装置を備えた部品実装装置の要部斜視図
【
図3】
図2に示した実装ヘッドを異なる方向から見た斜視図
【
図9】
図7に示したホルダをセンサ固定部側から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至る経緯)
部品実装装置は、基板上へ実装される部品の実装位置の精度を向上させるために、撮像部により部品の実装位置とノズル先端とを撮像して、撮像された複数の撮像画像のそれぞれに基づいて、部品の実装位置を3D(Dimensions)計測する。特許文献1における部品実装装置(部品実装装置)は、撮像部が複数のカメラ(例えば、ステレオカメラ)のそれぞれを備えて構成され、複数のカメラのそれぞれによって異なる複数の撮像方向から部品の実装位置を撮像する。部品実装装置は、異なる複数の撮像方向から撮像された複数の撮像画像のそれぞれに基づいて、部品の鉛直方向の高さ位置を取得し、この部品の鉛直方向の高さ位置に基づいて、部品の水平方向の位置を補正することにより、部品の実装位置における水平方向の位置および鉛直方向の高さ位置を取得する。しかし、複数のカメラのそれぞれは、高速で駆動する実装ヘッドに設置された状態で撮像を行うため、実装ヘッドの駆動時の振動により複数のカメラのそれぞれの距離が変動する可能性があった。これにより、部品実装装置は、部品の実装位置における水平方向の位置および鉛直方向の高さ位置(つまり、3D計測)の計測精度が低下し、部品が実装された実装基板で不良が発生する可能性があった。
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る撮像装置および実装機の構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る撮像装置11を備えた部品実装装置13の要部斜視図である。なお、各図においてXYZの方向は矢印の向きにしたがう。また、X軸は左右方向、Y軸は前後方向、Z軸は上下方向を示す。
【0012】
実装機の一例としての部品実装装置13は、複数の部品供給装置(不図示)のそれぞれから供給された部品15を基板17上の部品実装位置に実装する機能を有する。部品供給装置は、部品15が封入されたテープ部材であるキャリアテープを部品15の供給位置に供給するテープフィーダ、あるいは部品15を保持するパレットを部品15の供給位置に供給するトレイフィーダ等を備える。部品15は、例えばIC(Integrated Circuit)、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品等が挙げられる。部品15のサイズは、一例として400μm×200μmである。
【0013】
部品実装装置13は、架台(不図示)を有する。架台の中央には、一対の基板搬送コンベア19のそれぞれがY方向に沿う方向に互いに平行して配置される。基板搬送コンベア19は、部品実装装置13の上流側に設置された装置から搬出された基板17をY方向に搬送して、所定の部品実装位置に位置決めする。一対の基板搬送コンベア19のそれぞれは、搬送中の基板17を実装位置で停止させた状態で保持する保持機構(不図示)を備える。また、一対の基板搬送コンベア19のそれぞれは、基板17の寸法に合わせてX方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0014】
基板搬送コンベア19を挟んだ両側には、それぞれ部品供給部が配置される。部品供給部は、複数のテープフィーダのそれぞれを一括して部品装着装置に装着可能な台車(不図示)がセットされる。
【0015】
架台の上面には、一対の平行なX軸移動レール21のそれぞれがX方向に沿って配置される。一対のX軸移動レール21の間には、Y軸移動ビーム23がX方向に平行移動自在に装着される。Y軸移動ビーム23は、移動体の一例としての実装ヘッド25がY方向に移動自在に装着される。X軸移動レール21およびY軸移動ビーム23は、実装ヘッド25を移動させるヘッド移動機構27を構成する。
【0016】
実装ヘッド25は、ヘッド移動機構27を駆動することによりX方向、Y方向に移動する。これにより、実装ヘッド25は、実装ヘッド25の下端部に備えたノズル29によって、部品供給部のテープフィーダから供給された部品15を吸着して取り出し、基板搬送コンベア19に位置決めされた基板17上の所定の部品実装位置に実装する。
【0017】
図2は、
図1に示した実装ヘッド25の要部拡大図である。
【0018】
実装ヘッド25は、Y軸移動ビーム23の下面側に一体的に移動する撮像装置11備える。撮像装置11は、所謂ステレオカメラであって、2つのカメラのそれぞれを含んで構成される。撮像装置11は、実装ヘッド25により基板17の上方に移動されて、ノズル29の先端に吸着された部品15および基板17の上面を撮像する。なお、撮像装置11におけるカメラは、光学系65(
図6参照)と、イメージセンサ63(
図6参照)と、を有して構成される。イメージセンサ63は、例えばCCD(Charged-Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)などの固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換し、フレキシブル基板39を介して、変換された電気信号をメイン基板49に出力する。メイン基板49は、出力された電気信号に基づいて、撮像画像を生成する。
【0019】
撮像装置11は、2つのカメラのそれぞれにより部品15の部品実装位置とノズル29の先端とを撮像する。部品実装装置13は、撮像装置11により撮像された部品15の部品実装位置とノズル29の先端とに基づいて、部品15の部品実装位置を3D計測する。部品実装装置13は、計測結果に基づいて、部品15の部品実装位置までの実装ヘッド25の移動量(例えば、距離、角度等)を算出する。部品実装装置13は、算出された移動量に基づいて、ヘッド移動機構27を駆動して実装ヘッド25により吸着保持された部品15を部品実装位置まで移動(搬送)して、実装する。
【0020】
図3は、
図2に示した実装ヘッド25を異なる方向から見た斜視図である。
【0021】
実施の形態1に係る撮像装置11は、2つの鏡筒31(第1の鏡筒,第2の鏡筒)と、ホルダ33と、フランジ部35と、センサ基板37と、フレキシブル基板39と、を含んで構成される。
【0022】
実装ヘッド25は、1本以上のノズル装着部41のそれぞれを備えるヘッド本体部43を有する。ヘッド本体部43のY軸に沿う方向の一端側には、接続部材45(
図4参照)を介してカメラ固定部材47が固定される。カメラ固定部材47の側面には、撮像用のメイン基板49が複数の基板固定ボルト51により固定される。カメラ固定部材47は、接続部材45とメイン基板49との間に、撮像装置11が1本以上のカメラ固定ボルト53により固定される。
【0023】
図4は、
図3に示した実装ヘッド25の側面図である。
【0024】
撮像装置11は、カメラ固定部材47に固着されて実装ヘッド25に装着されて、ノズル29が装着されたノズル装着部41に近接して配置される。これにより、撮像装置11は、ノズル装着部41に近接した位置、つまり、基板17上の部品15の部品実装位置と、ノズル29の先端に吸着された部品15とを撮像装置11が同時に撮像可能な位置に配置が可能になる。
【0025】
撮像装置11は、ノズル装着部41に近接して配置されることで、部品15の部品実装位置とノズル29の先端に吸着された部品15とを同時に2つのカメラのそれぞれの撮像範囲55(つまり、画角)内に含めることができる。撮像装置11は、同一仕様の連動する2つのカメラのそれぞれの視差により、被写体(具体的に、基板17上の部品15の部品実装位置、およびノズル29の先端に吸着された部品15)までの距離を3D計測(つまり、三角測量)で測定することが可能となる。
【0026】
なお、ここでいう視差は、2つのカメラのそれぞれの撮像位置(つまり、観測位置)がずれることによって撮像空間内の被写体の位置あるいは角度等の見え方が変化することを言う。2つのカメラのそれぞれは、光軸57(
図5参照)が所定距離だけ離れて平行になるように配置される。また、このような撮像条件下において、2つのカメラのそれぞれのイメージセンサ(撮像面)は、同一平面となるように配置される。これにより、2つのカメラのそれぞれにより撮像された2枚の撮像画像のそれぞれに映る被写体の座標のずれ(差)は、視差となる。なお、視差に基づいて被写体までの距離を算出する3D計測(三角測量)の具体的な数式等は周知であるため、ここでは説明を省略する。
【0027】
これにより、部品実装装置13は、2つのカメラ(ステレオカメラ)のそれぞれによる視差を利用して得られたイメージセンサ(撮像面)から被写体までの距離に基づいて、部品15の部品実装位置とノズル29の先端の部品15の位置とを3D計測することにより計測精度を向上できる。
【0028】
【0029】
撮像装置11は、ホルダ33を有する。ホルダ33は、複数の鏡筒31のそれぞれを覆って固定する。なお、実施の形態1における撮像装置11は、一例として一対の鏡筒31のそれぞれを備えるステレオカメラである。撮像装置11は、一対の鏡筒31のそれぞれの全長が各光学系65の光軸57に沿う方向にホルダ33に覆われている。一対の鏡筒31のそれぞれは、全長がホルダ33に覆われて固定されることにより、2つのカメラのそれぞれの相対位置の変化が規制される。ホルダ33は、光軸57に沿う方向の被写体側が先端部59となり、その反対側が基端部61となる。つまり、鏡筒31は、ホルダ33の先端部59から被写体から入射する光を受光する。各鏡筒31に入射した光は、光学系65を透過して、先端部59と反対側のホルダ33に取り付けられるセンサ基板37のイメージセンサ63(
図6参照)に結像する。すなわち、2つのイメージセンサ63のうちの一方のイメージセンサ63(第1のイメージセンサ)は、一方の光学系65を透過した光を結像し、他方のイメージセンサ63(第2のイメージセンサ)は、他方の光学系65を透過した光を結像する。
【0030】
【0031】
鏡筒31は、光学系65を収容する。一対の鏡筒31に収容されたそれぞれの光学系65は、被写体から入射する光が同方向となるように、光軸57が平行となる。光学系65は、対物側レンズユニットLU1と、接眼側レンズユニットLU2と、絞り67等により構成される。対物側レンズユニットは、被写体側から第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3および第4レンズL4を有する。接眼側レンズユニットは、被写体側から第5レンズL5、第6レンズL6および第7レンズL7を有する。
【0032】
対物側レンズユニットLU1は、内筒69に収容され、先端リング71により-Z方向への離脱が規制される。接眼側レンズユニットLU2は、外筒73に収容され、被写体側より絞り67が挿入された後、内筒69が同軸で螺合されることにより、対物側レンズユニットLU1と同軸で配置されることになる。
【0033】
鏡筒31は、先端リング71と、内筒69と、外筒73とで構成される。鏡筒31は、先端リング71に対して反対側の外筒73の外周に形成された雄ねじ部75がホルダ33の雌ねじ部77に螺合することにより、ホルダ33に固定される。一対の鏡筒31のそれぞれは、ホルダ33に一体に固定されることにより、2つのカメラのそれぞれの相対位置が保持される。これにより、撮像装置11により撮像された2枚の撮像画像のそれぞれに基づく部品15の部品実装位置の3D計測精度を向上できる。
【0034】
ホルダ33は、例えばアルミ合金等を成形、切削されて、基端部61の外周が先端部59の外周より太くなるように形成される。実施の形態1におけるホルダ33は、基端部61に対してより細く形成された先端部59に配置された第1レンズL1が被写体から入射する光を取り込めるように略角錐台形に形成される(
図5参照)。
【0035】
図7は、
図5に示した撮像装置11の分解斜視図である。
【0036】
ホルダ33は、イメージセンサ63と接触する基端部61側の面が略長方形状の四隅を面取りした長円形状を有する。また、ホルダ33の先端部59側の面は、基端部61側の面より小さい面積を有し、一例として相似形の長円形状を有する。ホルダ33の先端部59側の面は、一対の鏡筒31のそれぞれが挿入可能な一対の鏡筒挿入穴79のそれぞれがX軸に沿う方向に並んで開口する。ホルダ33の外周には、ホルダ33の先端部59側から基端部61側に向かって徐々に張り出す略三角形状の補強リブ81がZ軸に沿って形成される。なお、実施の形態1における撮像装置11では、一例としてホルダ33のX軸に沿う方向の両側と、Y軸に沿う方向の片側とに合計3つの補強リブ81が設けられる例を示すが、補強リブ81の形状、位置および数はこれに限定されないことは言うまでもない。
【0037】
ホルダ33は、フランジ部35を有する。フランジ部35は、ホルダ33の被写体からの光が入射する先端部59と反対側の基端部61の外周から基端部61のX軸に沿う両側と、Y軸に沿う方向の片側(-Y方向側)とに張り出した移動体固定部83が形成される。フランジ部35は、-Y方向側に張り出した移動体固定部83がカメラ固定部材47に固定されて、実装ヘッド25と一体的に移動可能なる。移動体固定部83には、厚み方向に貫通する複数(例えば、2つ)の固定用穴85のそれぞれが形成される。また、移動体固定部83の-Y方向側の端面には、半円筒状に凹んだ一対の位置決め凹部87のそれぞれが形成される。一対の位置決め凹部87のそれぞれは、
図3に示したカメラ固定部材47からZ軸に沿う方向で垂下する位置決めピン89と係合して、カメラ固定部材47に対して位置決めされる。
【0038】
撮像装置11は、
図3に示すように、フランジ部35の一対の位置決め凹部87のそれぞれを一対の位置決めピン89に係合し、一対の固定用穴85のそれぞれに挿通されたカメラ固定ボルト53をカメラ固定部材47に螺合することにより、実装ヘッド25に対して所定の相対位置で位置決めされて固定される。撮像装置11は、フランジ部35のみを実装ヘッド25に接続することにより、実装ヘッド25の駆動(移動)時の振動(外力)により発生する撮像装置11の応力を、ホルダ33から張り出して形成されたフランジ部35で吸収する。これにより、実施の形態1における撮像装置11は、フランジ部35が形成された基端部61側で応力を吸収できるため、光学系65を収容する先端部59側にかかる応力を小さくできるとともに、鏡筒31に変形が生じにくくすることができる。したがって、撮像装置11は、実装ヘッド25の駆動(移動)による2つのカメラのそれぞれの相対位置の変化をより抑制することで、部品15の部品実装位置の計測精度を向上して、部品15をより正確な位置に実装できる。
【0039】
また、ホルダ33から張り出して形成されたフランジ部35は、上述の補強リブ81が接続される。先端部59側の面(先端面)と反対側に位置するフランジ部35の面には、扁平な略直方体形状のセンサ固定部91が形成される。センサ固定部91は、ホルダ33の一部として形成されてもよいし、フランジ部35の一部として形成されてもよく、フランジ部35と一体に形成される。つまり、実施の形態1における撮像装置11において、ホルダ33、補強リブ81、フランジ部35およびセンサ固定部91は、同一材料から成形、切削されて一体に形成される例を示すが、これに限定されなくてもよい。
【0040】
フランジ部35は、ホルダ33のX軸,-X軸に沿う両側に張り出した一対の基板固定部93のそれぞれが形成される。基板固定部93には、1つ以上の固定用穴85のそれぞれが形成される。ホルダ33に形成されたセンサ固定部91は、1つのイメージセンサ63が搭載されたセンサ基板37のそれぞれが、各光学系65を透過する光を各イメージセンサ63で受光可能に取り付けられる。センサ基板37は、イメージセンサ63がセンサ固定部91のセンサ接触面95(
図6参照)に設けられた複数の突起105のそれぞれ(
図9参照)に当接して取り付けられた状態で、フランジ部35から張り出す基板固定部93の固定用穴85に挿通された基板固定ボルトがボルト貫通穴97を貫通してセンサ固定部91に保持される。すなわち、ホルダ33の基端部61は、複数の突起105を有しており、イメージセンサ63は、複数の突起105に接触して基端部61に固定されている。これにより、イメージセンサ63は、フランジ部35を挟んで先端部59と反対側に位置し、それぞれの鏡筒31に応じ位置決めされて光学系65からの光が結像するように配置される。
【0041】
【0042】
撮像装置11は、センサ接触面95に形成された複数の突起105のそれぞれ(
図9参照)とイメージセンサ63とが当接するにより、各光学系65に対するイメージセンサ63を位置決めして取り付け可能にする。また、撮像装置11は、イメージセンサ63が複数の突起105のそれぞれにより位置決めされた状態で、センサ基板37とホルダ33のセンサ固定部91との間に隙間99が形成される。
【0043】
これにより、撮像装置11はカメラごとに別体に形成された2つのセンサ基板37を備えるため、例えばセンサ基板37に基板反りがある場合であっても、イメージセンサ63が複数の突起105のそれぞれにより位置決めされて、基板反りによるイメージセンサ63の受光面の傾きをより抑制できる。また、2つのセンサ基板37(第1のセンサ基板,第2のセンサ基板)は、
図6に示すように、隙間を介して配置されており、直接には接続されていない。これにより、一方のセンサ基板37から他方のセンサ基板37に基板反りの影響を伝えにくくすることができる。また、撮像装置11は、センサ基板37とホルダ33のセンサ固定部91との間に形成される隙間99により、センサ基板37の基板反り,傾きを吸収できる。したがって、撮像装置11は、2つのカメラのそれぞれのイメージセンサ63の位置ずれをより抑制できるため、これらのカメラにより撮像された2枚の撮像画像に基づく部品15の部品実装位置とノズル29の先端の部品15の位置との位置計測精度を向上できる。
【0044】
図9は、
図7に示したホルダ33をセンサ固定部91側から見た斜視図である。
【0045】
センサ固定部91は、それぞれの鏡筒31に被写体から入射した入射光を通過させる一対の導光部101がX軸に沿う方向に並んで設けられる。導光部101は、例えば略四角形状に形成される。なお、導光部101の形状は一例であってこれに限定されない。導光部101の外周には、イメージセンサ63の側面が当接する四角枠部103が形成される。四角枠部103のセンサ接触面95には、複数の突起105のそれぞれが設けられる。突起105は、1つの四角枠部103の四隅に、互いに略等間隔に合計4つ設けられる。イメージセンサ63は、受光面107(
図10参照)と平行であって、かつ、カメラの画角外に位置する非有効面109(
図10参照)が、これら複数の突起105のそれぞれに当接することにより、光学系65との相対位置が位置決めされる。
【0046】
図7に示すように、それぞれのセンサ基板37には、基板コネクタ111が実装される。基板コネクタ111は、
図3に示すように、フレキシブル基板39の一端が接続される。フレキシブル基板39は、他端が実装ヘッド25のカメラ固定部材47に固定されたメイン基板49の基板コネクタ111に接続される。メイン基板49は、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成された制御部である。メイン基板49は、2つのイメージセンサ63のそれぞれから出力された電気信号に基づいて、2枚の撮像画像のそれぞれを生成する。メイン基板49は、生成された2つの撮像画像のそれぞれに映る被写体に基づいて、部品15の部品実装位置とノズル29の先端の部品15の位置とを3D計測する画像処理を行う。部品実装装置13は、部品15の部品実装位置とノズル29の先端の部品15の位置とを計測した計測結果に基づいて、実装ヘッド25の駆動(移動)量(距離、角度等)を算出して、部品15を所定の部品実装位置に実装する。
【0047】
センサ基板37は、フレキシブル基板39を介してメイン基板49との間でデータの送受信が可能に接続される。つまり、センサ基板37は、実装ヘッド25に備えられたメイン基板49との間で固定的に接続されない。これにより、撮像装置11は、センサ基板37およびセンサ基板37上に搭載されたイメージセンサ63に伝達する実装ヘッド25の駆動時の振動を低減することができる。
【0048】
なお、センサ基板37とメイン基板49とを接続する接続部材は、フレキシブル基板39に限定されず、例えば、柔軟性を有し、センサ基板37およびセンサ基板37上に搭載されたイメージセンサ63に伝達する実装ヘッド25の駆動時の振動を低減可能な材料で形成されていればよい。
【0049】
【0050】
撮像装置11は、複数の突起105のそれぞれによりイメージセンサ63を位置決めすることにより、イメージセンサ63における受光面107が、光学系65の光軸57に対して所定の角度(一般的には、略垂直)に位置決めされる。また、撮像装置11は、センサ基板37に基板反りがあっても、隙間99によって基板17の傾きを吸収できる。これにより、撮像装置11は、センサ接触面95とイメージセンサ63の受光面107とを面接触させて位置決めする構造と比較して、センサ基板37に基板反り等があっても、簡易な構造で各カメラが備える光学系65に対するイメージセンサ63の位置決め精度を向上できる。
【0051】
なお、上述した撮像装置11では、各カメラが備える光学系65に対応する2つのイメージセンサ63のそれぞれと、2つのセンサ基板37のそれぞれを備える構成について説明したが、イメージセンサ63およびセンサ基板37の数は、2つに限定されなくてもよい。以下、イメージセンサ63およびセンサ基板37の数が異なる撮像装置11について説明する。
【0052】
例えば、撮像装置11は、各カメラが備える光学系65に対して、1つのイメージセンサ63と1つのセンサ基板37とを備える構成であってもよい。撮像装置11は、1つのイメージセンサ63は、1つのセンサ基板37上に搭載されて、各光学系65を透過した光を受光する。また、このような撮像装置11のホルダ33は、1つのセンサ接触面95を有し、このセンサ接触面95に形成された少なくとも4つの突起105でイメージセンサ63の位置決め可能な構成であってよい。
【0053】
例えば、撮像装置11は、各カメラが備える光学系65に対して、2つのイメージセンサ63と1つのセンサ基板37とを備える構成であってもよい。撮像装置11は、2つのイメージセンサ63は、1つのセンサ基板37上に搭載されて、各光学系65を透過した光をそれぞれ受光する。
【0054】
以上により、実施の形態1に係る撮像装置11は、実装ヘッド25(移動体の一例)に取り付けられ、光学系65を収容して被写体(例えば、部品15、基板17等のワーク)から入射する光が同方向となる複数の鏡筒31と、複数の鏡筒31のそれぞれを覆って固定するホルダ33と、光が入射するホルダ33の先端部59と反対側の基端部61の外周から張り出して実装ヘッド25に固定されるフランジ部35と、光学系65を透過した光を結像するイメージセンサ63を搭載し、先端部59からフランジ部35を挟んで反対側の基端部61で複数の鏡筒31のそれぞれの位置に応じて位置決めされてホルダ33に固定されるセンサ基板37と、を備える。
【0055】
これにより、実施の形態1に係る撮像装置11では、複数(例えば一対)の鏡筒31のそれぞれがホルダ33に覆われ、ホルダ33と一体に固定される。ホルダ33は、例えばアルミ合金等を成形、切削することにより作られる。一対の鏡筒31のそれぞれは、ホルダ33に一体に固定されることにより、光学系65の光軸57にずれが生じにくくなる。例えば、撮像装置11は、部品実装装置13の実装ヘッド25等に取り付けられた場合、ホルダ33は実装ヘッド25と共に高速動作する。このような場合、それぞれの鏡筒31には、加速度、質量に応じた慣性力が作用するが、ホルダ33により一体的に固定された鏡筒31は、慣性力による相対的な位置ずれが規制されるため、相互の光軸間にずれが生じにくくなる。これにより、一対の鏡筒31のそれぞれの間の距離(位置)が変動することによる3D計測精度の悪化が抑制できる。
【0056】
また、ホルダ33は、基端部61の外周から張り出す鍔状のフランジ部35を有する。ホルダ33は、このフランジ部35のみが移動体(例えば、実装ヘッド25)に固定される。撮像装置11は、このフランジ部35のみを移動体に接続することにより、移動体の高速動作によって生じる応力をフランジ部35で吸収することが可能となる。このように、撮像装置11は、ホルダ33に複数の鏡筒31のそれぞれを固定して複数の鏡筒31間距離の変動を抑制する作用と、フランジ部35のみを移動体に固定して応力をフランジ部35で吸収し、移動体に対する撮像装置11の変位を抑制する作用との2つの働きを有する。したがって、撮像装置11は、これらの働きを奏する構成を備えることにより計測精度の向上が可能となる。なお、移動体は、実装ヘッド25に限定されず、例えば、ロボットアーム等であってもよい。
【0057】
また、以上により、実施の形態1における撮像装置11における複数の鏡筒31のそれぞれは、光学系65の光軸57に沿う方向の全長がホルダ33に覆われる。これにより、実施の形態1における撮像装置11は、それぞれの鏡筒31の全長がホルダ33に覆われて固定される。鏡筒31は、光学系65の光軸57が、軸線に一致する円筒で形成することができる。したがって、鏡筒31は、軸線に沿う方向の両端が、ホルダ33に収容され、かつ固定されることにより、高速動作により軸線が曲がる方向に変形することが抑制される。すなわち、撮像装置11は、光学系65における光軸57の曲がりが抑制され、それぞれの光学系65より結像される像の相対位置のずれを抑制することができる。これにより、撮像装置11は、3D計測精度を向上させることができる。
【0058】
また、以上により、実施の形態1における撮像装置11におけるホルダ33は、先端部59より基端部61が太い。これにより、実施の形態1におけるホルダ33は、鏡筒31の軸線(光軸57とも言える)に直交する断面積が、軸線に沿う先端部59で小さく、基端部61で大きくなるように形成される。このように、実施の形態1における撮像装置11は、ホルダ33においてフランジ部35が形成された基端部61が太く、光学系65を収容する先端部59が細く形成されることにより、先端部59の剛性よりも基端部61の剛性を高めることができる。したがって、均質な材料で形成されるホルダ33は、各光学系65を内方に収容して固定する先端部59よりもフランジ部35が形成される基端部61側に重心が位置するように調整され、基端部61側(つまり、フランジ側)で実装ヘッド25の移動時に発生する応力を、フランジ部35が形成された基端部61側に集中させて吸収できる。つまり、撮像装置11は、先端部59に収容された2つの光学系65のそれぞれの位置変化を抑制して、2つのカメラのそれぞれの位置ずれを効率的に抑制できる。
【0059】
ここで、高速動作によって生じる応力は、撮像装置11に作用する慣性力と、撮像装置11を支える支点位置と、撮像装置11の剛性と、撮像装置11の重心位置とにより変わる。慣性力は、ホルダ33の重心に作用すると考えることができる。ホルダ33は、重心が位置する基端部61にフランジ部35が形成され、このフランジ部35が移動体に固定される。すなわち、フランジ部35に支点が存在する。ホルダ33は、均質な材料で形成されるため、断面積の大きい基端部61の剛性が、断面積の小さい先端部59よりも高い。ホルダ33は、この剛性の高い基端部61において、重心と支点とが近接するように構成されていることにより、慣性により生じる応力を、剛性の高い基端部61で支えることにより、吸収することができる。
【0060】
したがって、ホルダ33は、仮に鏡筒31を覆う先端部59に重心が位置してこの重心から離れた基端部61のフランジ部35が移動体に支持される構造、移動体に支持されるフランジ部35が鏡筒31を覆う先端部59に形成されてこのフランジ部35から離れた基端部61に重心が位置する構造と比較して、一対の鏡筒31における相対位置の変化を効果的に抑制することができる。
【0061】
これにより、撮像装置11は、実装ヘッド25の高速動作により発生する応力がフランジ部35と基端部61との接続部分に集中して、ホルダ33の変形が生じにくくなり、鏡筒31の相対位置の変化がより起きにくくなっている。
【0062】
また、以上により、実施の形態1における撮像装置11におけるホルダ33は、イメージセンサ63が接するセンサ接触面95(接触面の一例)に複数の突起105を有する。これにより、実施の形態1におけるイメージセンサ63は、これらの複数の突起105のそれぞれに当接することにより、受光面107が光学系65の光軸57に所定の角度(一般的には垂直)に位置決めされる。したがって、センサ接触面95とイメージセンサ63の受光面107とを面同士で接触させる構造と比較して、イメージセンサ63の平面度をより高精度に管理する必要がなくなる。その結果、容易な製造により、センサ接触面95の高さを高精度に位置決めでき、光学系65とイメージセンサ63との間の相対位置精度を向上できる。
【0063】
また、以上により、実施の形態1における撮像装置11におけるセンサ基板37は、隙間99を有してフランジ部35に固定される。言い換えると、
図8および
図10に示すように、センサ基板37は、隙間99を介して基端部61に固定されている。これにより、実施の形態1における撮像装置11は、センサ基板37の歪み(基板反りや凹凸等)に影響されず、光学系65とイメージセンサ63との間の相対位置精度を向上できる。
【0064】
また、以上により、実施の形態1における撮像装置11におけるセンサ基板37は、1つのイメージセンサ63を搭載し、複数の鏡筒31のそれぞれの位置に応じて固定される。これにより、実施の形態1における撮像装置11は、1枚のセンサ基板37に複数のイメージセンサ63のそれぞれが搭載されないため、センサ基板37に歪み(基板反りや凹凸等)がある場合でも、複数の鏡筒31のそれぞれに収容される光学系65のそれぞれの位置に対応してイメージセンサ63を位置決めして固定できる。したがって、撮像装置11は、イメージセンサ63の位置ずれを効率的に抑制でき、各光学系65とイメージセンサ63との間の相対位置精度をより効率的に向上できる。
【0065】
以上により、実施の形態1に係る部品実装装置13は、基板17を位置決めする基板搬送コンベア19と、吸着した部品15を基板17に実装する実装ヘッド25と、実装ヘッド25を移動させるヘッド移動機構27とを備える部品実装装置13であって、光学系65を収容して被写体より入射する光が同方向となる複数の鏡筒31と、複数の鏡筒31を覆って固定するホルダ33と、ホルダ33の光の入射する先端部59と反対側の基端部61の外周から張り出して実装ヘッド25に固定されるフランジ部35と、フランジ部35を挟んで先端部59と反対側でそれぞれの鏡筒31に応じ位置決めされ光学系65からの光が結像するイメージセンサ63を有してフランジ部35に固定されるセンサ基板37と、センサ基板37に一端が接続され他端が実装ヘッド25に固定されたメイン基板49に接続されるフレキシブル基板39と、を具備する。
【0066】
また、以上により、実施の形態1に係る部品実装装置13は、基板17に部品15を実装する実装ヘッド25と、実装ヘッド25を移動させるヘッド移動機構27と、実装ヘッド25により保持された部品15と基板17上の部品15の実装位置とを撮像する撮像装置11(撮像部の一例)と、を備える。撮像装置11は、光学系65を収容して被写体(例えば、部品15、基板17等のワーク)から入射する光が同方向となる複数の鏡筒31と、複数の鏡筒31のそれぞれを覆って固定するホルダ33と、光が入射するホルダ33の先端部59と反対側の基端部61の外周から張り出して実装ヘッド25に固定されるフランジ部35と、光学系65を透過した光を結像するイメージセンサ63を搭載し、先端部59からフランジ部35を挟んで反対側の基端部61で複数の鏡筒31のそれぞれの位置に応じて位置決めされてホルダ33に固定されるセンサ基板37と、センサ基板37に一端が接続され実装ヘッド25に他端が接続されるフレキシブル基板39と、を有する。
【0067】
これにより、実施の形態1に係る撮像装置11では、複数(例えば一対)の鏡筒31のそれぞれがホルダ33に覆われ、ホルダ33と一体に固定される。ホルダ33は、例えばアルミ合金等を成形、切削することにより作られる。一対の鏡筒31のそれぞれは、ホルダ33に一体に固定されることにより、光学系65の光軸57にずれが生じにくくなる。例えば、撮像装置11は、部品実装装置13の実装ヘッド25等に取り付けられた場合、ホルダ33は実装ヘッド25と共に高速動作する。このような場合、それぞれの鏡筒31には、加速度、質量に応じた慣性力が作用するが、ホルダ33により一体的に固定された鏡筒31は、慣性力による相対的な位置ずれが規制されるため、相互の光軸間にずれが生じにくくなる。これにより、一対の鏡筒31のそれぞれの間の距離(位置)が変動することによる3D計測精度の悪化が抑制できる。
【0068】
また、ホルダ33は、基端部61の外周から張り出す鍔状のフランジ部35を有する。ホルダ33は、このフランジ部35のみが実装ヘッド25に固定される。撮像装置11は、このフランジ部35のみを実装ヘッド25に接続することにより、実装ヘッド25の高速動作によって生じる応力をフランジ部35で吸収することが可能となる。このように、撮像装置11は、ホルダ33に複数の鏡筒31のそれぞれを固定して複数の鏡筒31間距離の変動を抑制する作用と、フランジ部35のみを実装ヘッド25に固定して応力をフランジ部35で吸収し、実装ヘッド25に対する撮像装置11の変位を抑制する作用との2つの働きを有する。したがって、撮像装置11は、これらの働きを奏する構成を備えることにより計測精度の向上が可能となる。
【0069】
なお、上記の実施の形態1では移動体が、部品実装装置の実装ヘッドである場合を例に説明したが、移動体は、この他、ロボットアーム等であってもよい。この場合、撮像装置は、ロボットのアーム先端(例えばハンド部)に取り付けられる。ロボットは、撮像装置を用いた三角測量の原理により被写体(ワーク)までの距離を検出することにより、ハンド部にワークを保持させる制御を行うことができる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示は、対象の位置計測精度をより向上させることができる撮像装置および実装機の提示として有用である。
【符号の説明】
【0072】
11 撮像装置
13 部品実装装置
15 部品
17 基板
19 基板搬送コンベア
25 実装ヘッド
27 ヘッド移動機構
31 鏡筒
33 ホルダ
35 フランジ部
37 センサ基板
39 フレキシブル基板
49 メイン基板
57 光軸
59 先端部
61 基端部
63 イメージセンサ
65 光学系
91 センサ固定部
95 センサ接触面
99 隙間
105 突起