(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】部品実装システム及び部品実装方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240531BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2020170379
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】金子 仁
(72)【発明者】
【氏名】辻川 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】内山 宏
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-212505(JP,A)
【文献】特開平07-326895(JP,A)
【文献】特開2016-058604(JP,A)
【文献】特開平07-201932(JP,A)
【文献】特開2018-056447(JP,A)
【文献】国際公開第2019/043892(WO,A1)
【文献】特開2017-139364(JP,A)
【文献】特開2007-019139(JP,A)
【文献】特開2011-204975(JP,A)
【文献】特開2018-113336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装する実装装置と、
前記実装装置によって基板に実装された部品の位置の所定の位置からのずれ量に基づいて、前記実装装置が基板に部品を実装する実装位置を前記実装装置に補正させるための補正量を算出する算出部と、
前記補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる制御部と、
前記実装装置に前記実装位置を補正させるための入力を受け付ける入力部と、を備え、
前記制御部は、
前記実装装置が基板に部品を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、前記入力部が前記入力を受け付けたか否かを判定し、
前記入力部が前記入力を受け付けたと判定した場合、前記処理枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき前記算出部が算出した第1補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させ、
前記入力部が前記入力を受け付けていないと判定した場合、前記実装装置に前記規定枚数の基板に部品を実装させ、前記規定枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき前記算出部が算出した第2補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる、
部品実装システム。
【請求項2】
さらに、前記ずれ量に基づくずれ量情報を表示する表示部を備える、
請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記処理枚数は、前記実装装置が基板に部品を実装する実装処理を開始してから、又は、前記制御部が前記実装装置に前記実装位置を補正させてから、前記実装装置が部品を実装した基板の数であり、
前記未到達期間は、前記処理枚数が前記規定枚数に到達する前までの期間である、
請求項1又は2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
実装装置によって基板に部品を実装し、
前記実装装置によって基板に実装された部品の位置の所定の位置からのずれ量に基づいて、前記実装装置が基板に部品を実装する実装位置を前記実装装置に補正させるための補正量を算出し、
前記実装装置が基板に部品を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、前記実装装置に前記実装位置を補正させるための入力を受け付けたか否かを判定し、
前記入力を受け付けたと判定した場合、前記処理枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき算出した第1補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させ、
前記入力を受け付けていないと判定した場合、前記実装装置に前記規定枚数の基板に部品を実装させ、前記規定枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき算出した第2補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる、
部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装システム及び部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイパネル等の基板に駆動回路等の電子部品を実装するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された電子部品のボンディング装置は、アウターリードボンディング部、第1本圧着部、及び、第2本圧着部を備える。当該ボンディング装置は、アウターリードボンディング部で位置合わせを行った後、第1本圧着部及び第2本圧着部で本圧着を行う。当該ボンディング装置は、電子部品をLCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルへ圧着する際に生じる位置ずれを予め見込んで、電子部品と表示パネルとの位置合わせを行う。これにより、当該ボンディング装置は、正確なボンディングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、例えば、表示パネルに電子部品を実装し、実装された電子部品の位置の所定の位置からの位置ずれ量を、50枚の表示パネル(サンプル)について取得し、取得した50枚のサンプルのそれぞれの位置ずれ量の平均値を、実装装置が部品を実装する実装位置を補正するための補正量として算出する。
【0006】
ここで、サンプル数が少なすぎると、最適な補正量から離れた値が算出される場合がある。つまり、サンプル数が少なすぎると、精度の低い補正量が算出される虞がある。そのため、実装精度が低く、歩留まりが低下する虞がある。一方、サンプル数が多すぎると、補正されずに電子部品が実装された表示パネルが多くなる。そのため、実装精度が低いまま実装された電子部品の数が増えるため、歩留まりが低下する虞がある。
【0007】
このように、サンプル数が多すぎても少なすぎても、歩留まりが低下する虞がある。
【0008】
本発明は、歩留まりの低下を抑制できる部品実装システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る部品実装システムは、基板に部品を実装する実装装置と、前記実装装置によって基板に実装された部品の位置の所定の位置からのずれ量に基づいて、前記実装装置が基板に部品を実装する実装位置を前記実装装置に補正させるための補正量を算出する算出部と、前記補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる制御部と、前記実装装置に前記実装位置を補正させるための入力を受け付ける入力部と、を備え、前記制御部は、前記実装装置が基板に部品を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、前記入力部が前記入力を受け付けたか否かを判定し、前記入力部が前記入力を受け付けたと判定した場合、前記処理枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき前記算出部が算出した第1補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させ、前記入力部が前記入力を受け付けていないと判定した場合、前記実装装置に前記規定枚数の基板に部品を実装させ、前記規定枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき前記算出部が算出した第2補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る部品実装方法は、実装装置によって基板に部品を実装し、前記実装装置によって基板に実装された部品の位置の所定の位置からのずれ量に基づいて、前記実装装置が基板に部品を実装する実装位置を前記実装装置に補正させるための補正量を算出し、前記実装装置が基板に部品を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、前記実装装置に前記実装位置を補正させるための入力を受け付けたか否かを判定し、前記入力を受け付けたと判定した場合、前記処理枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき算出した第1補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させ、前記入力を受け付けていないと判定した場合、前記実装装置に前記規定枚数の基板に部品を実装させ、前記規定枚数の基板のそれぞれから測定された前記ずれ量に基づき算出した第2補正量に基づいて、前記実装装置に前記実装位置を補正させる。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歩留まりの低下を抑制できる部品実装システム等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る部品実装システムを示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る部品実装システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、撮像部が基板を撮像する位置を説明するための概略斜視図である。
【
図4】
図4は、部品が実装された基板を示す裏面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る検査装置が測定するずれ量を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る部品実装システムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態に係る部品実装システム等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0016】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、以下の実施の形態では、基板の搬送方向をX軸正方向とし、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。
【0017】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る部品実装システムの構成について説明する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る部品実装システム1を示す平面図である。
図2は、実施の形態に係る部品実装システム1の構成を示すブロック図である。
図3は、撮像部37が基板400を撮像する位置を説明するための概略斜視図である。
【0019】
なお、
図1においては、検査装置200及び制御装置300を、機能的なブロックとして図示している。例えば、検査装置200は、制御装置300と、無線通信可能に、又は、制御線等により有線通信可能に接続されている。また、例えば、制御装置300は、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、搬送部60等の実装装置100が備える各装置と、無線通信可能に、又は、制御線等により有線通信可能に接続されており、各装置を制御する。
【0020】
また、
図3では、基板400が載置されるステージ31、及び、バックアップステージ等の仮圧着部30が備える構成要素の一部の図示を省略している。また、
図3においては、搭載ヘッド移動機構36を、機能的なブロックとして図示している。
【0021】
部品実装システム1は、基板400に部品440を実装するシステムである。具体的には、部品実装システム1は、電極部410が形成された基板400に異方性導電部材であるACF430を貼着し、ACF430を介して基板400に部品440を実装するシステムである。本実施の形態では、部品実装システム1(より具体的には、実装装置100)は、ACF430を介して基板400に部品440を熱圧着する。
【0022】
基板400は、液晶ディスプレイパネル又は有機ELパネル等のディスプレイパネルである。本実施の形態では、基板400は、透光性を有する(より具体的には、透明である)基板である。
【0023】
電極部410は、例えば、電極により構成されている。
【0024】
部品440は、例えば、駆動回路等が形成された電子部品であって、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuits)等のフレキシブル部品が例示される。
【0025】
部品実装システム1は、実装装置100と、検査装置200と、制御装置300と、を備える。
【0026】
実装装置100は、基板400に部品440を実装する装置(システム)である。本実施の形態では、実装装置100は、基板400に部品440を熱圧着する。具体的には、実装装置100は、基板400に設けられたマーク420と、部品440の裏面に設けられたマーク421(
図4参照)との位置に基づいて、基板400に部品440を載置(仮圧着)した後に、仮圧着された部品440を基板400に熱圧着(本圧着)する。
【0027】
実装装置100は、基板搬入部10と、貼着部20と、仮圧着部30と、本圧着部40と、基板搬出部50と、搬送部60と、を備える。基板搬入部10、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50は、この順で連結されている。実装装置100は、基板400が搬送される上流側の基板搬入部10より搬入された基板400の周縁に設けられた電極部410に部品440を実装(本実施の形態では、仮圧着及び本圧着)する部品実装工程(部品圧着工程)を実行する。部品440が実装された基板400は、基板搬出部50に搬送され、基板搬出部50から、検査装置200に搬出される。
【0028】
基板搬入部10は、基台1aに設けられたステージ11を備える。ステージ11には、電極部410が形成された基板400が載置される。
【0029】
貼着部20は、基板400の電極部410に接着部材であるACF430を貼着(貼付け)する貼着工程を行う装置である。貼着部20は、ステージ21と、ステージ移動部22と、貼着機構23と、を備える。
【0030】
ステージ21は、ステージ11から搬送された基板400が載置されるステージである。
【0031】
ステージ移動部22は、ステージ21に載置された基板400を移動させる機構である。ステージ移動部22は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、を備える。ステージ移動部22は、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、ステージ21に載置された基板400を移動させる。
【0032】
貼着機構23は、基板400の電極部410にACF430を貼着する装置である。貼着機構23は、例えば、ACF430を供給する供給部と、ACF430を基板400に貼着するための貼着ツールと、を備える。貼着ツールは、例えば、基台1bの上方に配置され、供給部から供給されたACF430を、基板400の電極部410に対応する位置に貼着するための貼着ヘッドを有する。
【0033】
仮圧着部30は、基板400における、貼着部20でACF430が貼着された位置に部品440を載置する(より具体的には、仮圧着する)仮圧着工程を実行する装置である。
【0034】
仮圧着部30は、ステージ31と、ステージ移動部32と、部品供給部33と、仮圧着ツール34と、を備える。
【0035】
ステージ31は、ACF430が貼着された基板400が載置されるステージである。
【0036】
ステージ移動部32は、基板400を移動させる機構である。ステージ移動部32は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、を備える。
【0037】
ステージ移動部32は、貼着部20のステージ移動部22と同様の構造であり、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、基板400を保持して水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。
【0038】
部品供給部33は、仮圧着ツール34に部品440を供給する機構である。
【0039】
仮圧着ツール34は、ACF430を介して基板400に部品440を載置する装置である。仮圧着ツール34は、基台1b上に設けられた、
図3に示す搭載ヘッド35と、搭載ヘッド35を移動するための
図3に示す搭載ヘッド移動機構36と、
図3に示す撮像部37と、基板400を支持するための搭載支持台(いわゆるバックアップステージ)と、を備える。
【0040】
搭載ヘッド35は、部品440をピックアップ(吸着)して、ピックアップした部品440を基板400に載置するためのヘッドである。
【0041】
搭載ヘッド移動機構36は、搭載ヘッド35を移動させるための装置である。搭載ヘッド移動機構36は、例えば、搭載ヘッド35を移動させるためのモータ及びガイドにより実現される。
【0042】
撮像部37は、搭載ヘッド35が適切な位置で部品440を基板400に載置できるように、基板400及び部品440を撮像するカメラである。
【0043】
搭載ヘッド35は、搭載ヘッド移動機構36によって水平面内で自在に移動し、Z軸方向に昇降して部品供給部33が供給する部品440を上方からピックアップする。仮圧着ツール34は、撮像部37から得られる情報を用いて搭載ヘッド35でピックアップした部品440をACF430上に載置して基板400ごと搭載支持台に押し付けることで、基板400に部品440を載置する。
【0044】
本圧着部40は、仮圧着部30によって基板400に載置された部品440を基板400に本圧着(つまり、熱圧着)する本圧着工程(つまり、熱圧着工程)を実行する装置である。
【0045】
こうすることで、基板400に形成された電極部410と部品440とはACF430を介して電気的に接続される。
【0046】
本圧着部40は、ステージ41と、ステージ移動部42と、本圧着ツール43と、を備える。
【0047】
ステージ41は、部品440が仮圧着された基板400が載置されるステージである。
【0048】
ステージ移動部42は、貼着部20のステージ移動部22と同様の構造であり、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、基板400を保持して水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。ステージ移動部42は、例えば、ステージ41が保持する基板400を所定の方向に移動させ、部品440の熱圧着が行われる部品圧着位置に部品440が載置されている基板400を移動させる。
【0049】
本圧着ツール43は、部品440を基板400に熱圧着するための機構である。本圧着ツール43は、例えば、圧着ヘッドと、当該圧着ヘッドを加熱するためのヒータと、を備える。本圧着ツール43は、ヒータによって加熱された圧着ヘッドによって、ACF430を介して基板400に部品440を加熱しながら押し付けて熱圧着する。
【0050】
基板搬出部50は、基台1cに載置されたステージ51を備える。ステージ51には、本圧着部40から搬送された基板400をステージ51上に保持する。基板搬出部50において保持された基板400は、実装装置100の下流に位置する検査装置200に搬出される。
【0051】
搬送部60は、基板400を搬送する装置である。具体的には、搬送部60は、基板搬入部10に搬入された基板400を、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50へこの順に所定の作業部間で搬送する。搬送部60は、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40の前方領域(Y軸負方向側)に配置されている。
【0052】
搬送部60は、基台1a、基台1b、及び、基台1cにわたってX軸方向に延びた移動ベース61上に、上流側から順に、基板搬送機構62A、基板搬送機構62B、基板搬送機構62C、及び、基板搬送機構62Dを備える。
【0053】
基板搬送機構62A~62Dは、それぞれ基部63及び1以上のアームユニット64を備える。本実施の形態では、基板搬送機構62A~62Dがそれぞれ2基のアームユニット64を備える場合を例示している。
【0054】
基部63は、移動ベース61上に設けられ、X軸方向に自在に移動する。基部63上には、2基のアームユニット64がX軸方向に並んで設けられている。アームユニット64には、水平方向に延びた1以上のアーム状の吸着ノズルがX軸方向に並んで設けられ、当該アームには、吸着面を下方に向けた吸着パッドが設けられている。アームユニット64は、吸着ノズルに設けられた吸着パッドを介して基板400を上方から吸着して、吸着した基板400を搬送する。
【0055】
例えば、基板搬送機構62Aは、基板搬入部10のステージ11に載置された基板400を受け取り、貼着部20のステージ21に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Bは、貼着部20のステージ21から基板400を受け取り、仮圧着部30のステージ31に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Cは、仮圧着部30のステージ31から基板400を受け取り、本圧着部40のステージ41に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Dは、本圧着部40のステージ41から基板400を受け取り、基板搬出部50のステージ51に受け渡す。
【0056】
検査装置200は、基板400において部品440が実装された位置を測定(検査)する装置である。具体的には、検査装置200は、部品440が実装された位置の所定の位置からの位置ずれ(
図5に示すずれ量L)を検査する装置である。検査装置200は、例えば、カメラを備えるコンピュータである。当該コンピュータは、例えば、撮像部210及び制御装置300と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等で実現される。
【0057】
検査装置200は、撮像部210と、測定部220と、を備える。
【0058】
撮像部210は、基板400のマーク420の位置、及び、部品440のマーク421の位置を識別するためのカメラである。
【0059】
図4は、部品440が実装された基板400を示す裏面図である。なお、本実施の形態では、基板400は、透明基板であるため、
図4では、基板400の上方に位置する部品440等の構成も見えるように図示している。
【0060】
撮像部210は、例えば、基板400の下方側から基板400を撮像することで、基板400に設けられたマーク420、及び、部品440に設けられたマーク421を含む画像を生成する。
【0061】
測定部220は、撮像部210が生成した画像に基づいて、基板400において部品440が実装された位置を測定(検査)する処理部である。
【0062】
図5は、実施の形態に係る検査装置200が測定するずれ量Lを説明するための図である。
図5は、例えば、撮像部210が生成する画像の一例を模式的に示す図である。
【0063】
例えば、制御装置300は、仮圧着部30を制御することで、基板400に部品440を載置する。ここで、基板400に部品440を載置させた場合、基板400に対する部品440の位置が、所望の位置からずれる場合がある。
【0064】
例えば、制御装置300は、仮圧着部30を制御することで、
図5に示すマーク421が所定の位置450と重なるように、部品440を基板400に載置しようとする。しかしながら、実際に基板400に部品440を載置させた場合、マーク421は、所定の位置450からずれる場合がある。特に、本実施の形態では、仮圧着部30が基板400に部品440を載置した後に、本圧着部40が基板400に部品440を本圧着する。そのため、仮圧着部30が基板400に部品440を適切に載置したとしても、本圧着部40が基板400に部品440を本圧着した際に、基板400に対して部品440がずれる場合がある。
【0065】
測定部220は、例えば、撮像部210が生成した画像に基づいて、マーク421と所定の位置450とのずれ量L(例えば、距離)を測定する。
【0066】
測定部220は、測定したずれ量Lを示す情報を、制御装置300に出力する。
【0067】
例えば、部品実装システム1では、複数の基板400に対して、部品440を順次実装(仮圧着及び本圧着)する。撮像部210は、部品440が実装された複数の基板400を順次撮像することで画像を生成し、生成した画像を測定部220に順次出力する。測定部220は、取得した画像に基づいてずれ量Lを順次算出し、算出したずれ量Lを制御装置300に順次出力する。
【0068】
なお、測定部220は、2以上の画像を撮像部210から取得した場合に、2以上の画像のそれぞれに基づいて2以上のずれ量Lをまとめて算出し、算出した2以上のずれ量をまとめて制御装置300に出力してもよい。
【0069】
測定部220は、例えば、検査装置200が備えるメモリに記憶され、測定部220が実行する処理手順を示す制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、撮像部210から画像を取得し、且つ、制御装置300にずれ量Lを送信するための通信インターフェースと、により実現される。
【0070】
制御装置300は、実装装置100の各装置の動作を制御するコンピュータである。具体的には、制御装置300は、例えば、実装装置100が備える、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、搬送部60等の各装置と図示しない制御線等により通信可能に接続されており、当該各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御する。例えば、制御装置300は、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40を制御することで、各装置に基板400に対して上記した貼着、仮圧着、及び、本圧着等の所定の作業を実行させ、搬送部60を制御することで、基板400を部品実装システム1が備える各装置間で次の工程へ搬送する基板搬送作業を実行する。制御装置300は、上流側から下流側への基板400の搬送を、部品実装システム1が備える各装置間で同期して行う。
【0071】
制御装置300は、例えば、実装装置100及び検査装置200と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ、画像を表示する表示装置等で実現される。
【0072】
図2に示すように、制御装置300は、取得部310と、算出部320と、制御部340と、入力部330と、出力部350と、表示部360と、記憶部370と、を備える。
【0073】
取得部310は、検査装置200からずれ量Lを示す情報(以下、単にずれ量Lともいう)を取得する。取得部310は、例えば、検査装置200と通信するための通信インターフェースである。例えば、取得部310は、検査装置200から順次出力されるずれ量Lを取得し、取得したずれ量Lを算出部320に順次出力する。
【0074】
算出部320は、検査装置200によって測定された、実装装置100によって基板400に実装された部品440(本実施の形態は、部品440に設けられたマーク421)の位置の所定の位置450からのずれ量Lに基づいて、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装位置を補正するための補正量を算出する。具体的には、算出部320は、実装装置100が基板400に部品440を実装する際にターゲットとする位置である実装位置を補正するための補正量、より具体的には、部品440を保持する保持位置、及び、部品440を基板400に載置する際の搭載ヘッド35の位置等を補正するための補正量を算出する。補正量は、例えば、部品440を保持する保持位置を示す座標、部品440を基板400に載置する際の搭載ヘッド35の位置を示す座標、及び、搭載ヘッド移動機構36によって搭載ヘッド35を移動させる向き及び移動量(距離)を示す値である。
【0075】
算出部320は、例えば、一の基板400におけるずれ量Lに基づいて、補正量を算出する。次に、算出部320は、例えば、算出した補正量と、他の基板400におけるずれ量Lに基づいて、補正量を再度算出する。例えば、算出部320は、一の基板400におけるずれ量Lと他の基板400におけるずれ量Lとの平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、補正量を算出する。或いは、例えば、算出部320は、一の基板400におけるずれ量Lに基づいて算出した補正量と、他の基板400におけるずれ量Lに基づいて算出した補正量との平均値を、新たな補正量として算出する。
【0076】
このように、算出部320は、取得部310が順次取得したずれ量Lに基づいて、補正量を順次算出(補正)し直す。算出部320は、算出した補正量を示す情報を、制御部340及び表示部360に出力する。
【0077】
本実施の形態では、実装装置100は、部品440を基板400に載置する仮圧着部30と、仮圧着部30によって基板400に載置された部品440を基板400に熱圧着する本圧着部40と、を有する。算出部320は、検査装置200によって測定されたずれ量Lに基づいて、仮圧着部30が基板400に部品440を載置する載置位置を補正することで実装位置を補正するための補正量を基板400の品種ごとに算出する。
【0078】
入力部330は、実装装置100に実装位置を補正させるための入力を受け付ける。入力部330は、例えば、作業者の操作を受け付けるタッチパネル等のユーザインターフェースであり、作業者の操作を受け付けることで、実装装置100に実装位置を補正させるための入力(情報)を受け付ける。
【0079】
なお、入力部330は、タッチパネル等のユーザインターフェースからの情報を取得するための通信インターフェース等により実現されてもよい。
【0080】
制御部340は、出力部350を介して、実装装置100の動作を制御する処理部である。例えば、制御部340は、撮像部37が生成した画像を画像解析することで、マーク420及び421の位置を特定し、特定したマーク420及び421の位置に基づいて、基板400における部品440の実装させる位置を決定する。より具体的には、制御部340は、特定したマーク420及び421の位置に基づいて、部品440を保持している搭載ヘッド35の位置を決定する。制御装置300は、仮圧着部30を制御することで、決定した基板400における部品440の実装させる位置に、基板400に部品440を載置させる。
【0081】
また、制御部340は、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、入力部330が入力を受け付けたか否かを判定する。
【0082】
ここで、規定枚数とは、予め任意に定められる数であり、規定枚数を示す情報は、例えば、記憶部370に予め記憶されている。処理枚数とは、実装装置100が基板400に部品440を実装した数である。より具体的には、処理枚数とは、仮圧着部30が基板400に部品440を載置した数である。
【0083】
また、例えば、未到達期間は、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装処理を開始してから、又は、制御部340が実装装置100に実装位置を補正させてから、処理枚数が規定枚数に到達する前までの期間である。つまり、例えば、処理枚数とは、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装処理を開始してから、又は、制御部340が実装装置100に実装位置を補正させてから、実装装置100が部品440を実装した基板400の数である。また、例えば、未到達期間とは、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの期間である。
【0084】
制御部340は、入力部330が入力を受け付けたと判定した場合、検査装置200によって処理枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出部320が算出した補正量である第1補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる。一方、制御部340は、入力部330が入力を受け付けていないと判定した場合、実装装置100に規定枚数の基板400に部品440を実装させ、検査装置200によって規定枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出部320が算出した補正量である第2補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる。
【0085】
本実施の形態では、制御部340は、第1補正量又は第2補正量に基づいて、仮圧着部30の部品440を基板400に載置する際の搭載ヘッド35の位置を補正(変更)するように、搭載ヘッド移動機構36の動作を補正(変更)する。
【0086】
このように、制御部340は、処理枚数が規定枚数に到達したら、規定枚数の基板400におけるそれぞれのずれ量L(第1ずれ量)に基づき算出部320に算出された補正量(第1補正量)に基づいて、仮圧着部30に実装位置を補正させる。一方、制御部340は、処理枚数が規定枚数に到達していなくても、入力部330が入力を受け付けた、つまり、作業者が実装位置を補正させる指示をした場合、処理枚数の基板400におけるそれぞれのずれ量L(第2ずれ量)に基づき算出部320に算出された補正量(第2補正量)に基づいて、仮圧着部30に実装位置を補正させる。
【0087】
出力部350は、制御部340が実行する処理を示す情報を、制御装置300に出力するための通信インターフェースである。
【0088】
算出部320及び制御部340は、例えば、記憶部370に記憶され、算出部320及び制御部340のそれぞれが実行する処理手順を示す制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPUと、により実現される。
【0089】
なお、算出部320及び制御部340は、1つのCPUで実現されてもよいし、互いに異なるCPUで実現されてもよい。
【0090】
表示部360は、ずれ量Lに基づくずれ量情報を表示する表示装置である。具体的には、表示部360は、算出部320が補正量を算出する際に用いる、ずれ量Lに基づくずれ量情報を表示する。このように、表示部360は、作業者が実装位置を補正させるか否かを判断するための情報として、ずれ量Lに基づく情報であるずれ量情報を表示する。なお、表示部360は、ずれ量Lから算出部320が算出した補正量を示す補正情報を表示してもよい。
【0091】
表示部360は、例えば、液晶モニタ又は有機ELモニタ等のモニタ装置である。なお、表示部360は、外部のモニタ装置にずれ量情報を表示させる処理部及び当該外部のモニタ装置と通信するための通信インターフェース等により実現されてもよい。
【0092】
記憶部370は、基板400のサイズ、部品440の種類、実装(ACF430の貼着並びに部品440の載置及び圧着)位置、実装方向、及び、基板400を各装置間で搬送するタイミング等の各工程を実行する際に必要な各種データ、制御装置300が備える各処理部が実行する制御プログラム等を記憶する。記憶部370は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。
【0093】
[処理手順]
続いて、実施の形態に係る部品実装システム1の処理手順について詳細に説明する。
【0094】
図6は、実施の形態に係る部品実装システム1の処理手順を示すフローチャートである。
【0095】
まず、実装装置100は、基板400に部品440を実装する(ステップS101)。本実施の形態では、ステップS101では、仮圧着部30が基板400に部品440を載置し、本圧着部40が基板400に部品440を熱圧着する。
【0096】
次に、検査装置200は、基板400における部品440の位置の所定の位置からのずれ量Lを測定する(ステップS102)。例えば、検査装置200は、部品440が実装された基板400を撮像することで画像を生成し、生成した画像に基づいて、例えば、
図5に示すように、部品440に設けられたマーク421の所定の位置450からのずれ量Lを測定する。検査装置200は、測定したずれ量Lを、制御装置300に順次出力する。
【0097】
次に、算出部320は、検査装置200が測定したずれ量Lに基づいて、実装装置100が基板400に部品440を実装する位置である実装位置を補正させるための補正量を算出する(ステップS103)。算出部320は、補正量を算出する度に、実装装置100の処理枚数をカウントしてもよい。
【0098】
次に、表示部360は、ずれ量Lに基づくずれ量情報を表示する(ステップS104)。例えば、表示部360は、処理枚数が規定枚数に到達していない場合、処理枚数のずれ量Lの平均値をずれ量情報として表示する。もちろん、表示部360は、処理枚数が規定枚数に到達した場合、規定枚数のずれ量Lの平均値をずれ量情報として表示してもよい。或いは、表示部360は、処理枚数のそれぞれのずれ量Lと、当該処理枚数のそれぞれのずれ量Lから算出する補正量に用いるずれ量Lの代表値(例えば、平均値又は中央値等)と、を表示してもよい。或いは、表示部360は、ずれ量Lの時系列グラフ(横軸に時間、縦軸にずれ量Lの時間推移を示したグラフ)を表示してもよい。
【0099】
次に、制御部340は、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が、規定枚数に到達したか否かを判定する(ステップS105)。
【0100】
制御部340は、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が、規定枚数に到達していないと判定した場合、(ステップS105でNo)、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装位置を補正させるための入力を入力部330が、例えば、作業者から受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。このように、制御部340は、処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に(つまり、ステップS105でNoの場合に)、実装装置100に実装位置を補正させるための入力を入力部330が受け付けたか否かを判定する。
【0101】
制御部340は、入力部330が入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS106でNo)、処理をステップS101に戻す。
【0102】
一方、制御部340は、入力部330が入力を受け付けたと判定した場合(ステップS106でYes)、実装装置100の処理枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出部320が算出した補正量(第1補正量)に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる(ステップS107)。
【0103】
また、制御部340は、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が、規定枚数に到達したと判定した場合、(ステップS105でYes)、規定枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づく補正量(第2補正量)に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる(ステップS108)。
【0104】
ステップS107又はステップS108の後に、つまり、制御部340は、実装装置100に実装位置を補正させた後に、実装装置100が部品440を実装した基板400の処理枚数のカウントを初期化(ステップS109)して(つまり、ゼロにして)、処理をステップS101に戻す。これにより、制御部340は、ステップS104で、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装処理を開始してから、又は、制御部340が実装装置100に実装位置を補正させてから、処理枚数が規定枚数に到達する前までの期間である未到達期間であるか否かが判定できる。
【0105】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る部品実装システム1は、部品実装システム1は、基板400に部品440を実装する実装装置100と、実装装置100によって基板400に実装された部品440の位置の所定の位置からのずれ量Lに基づいて、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装位置を実装装置100に補正させるための補正量を算出する算出部320と、算出部320が算出した補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる制御部340と、実装装置100に実装位置を補正させるための入力を受け付ける入力部330と、を備える。制御部340は、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に、入力部330が入力を受け付けたか否かを判定する。制御部340は、入力部330が入力を受け付けたと判定した場合、処理枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出部320が算出した第1補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる。一方、制御部340は、入力部330が入力を受け付けていないと判定した場合、実装装置100に規定枚数の基板400に部品440を実装させ、規定枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出部320が算出した第2補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる。本実施の形態では、制御部340は、仮圧着部30における部品の載置位置を仮圧着部30に補正させることで、実装装置100に実装位置を補正させる。
【0106】
これによれば、制御部340によって、規定枚数の基板400のそれぞれから測定されるずれ量Lから算出される(例えば、規定枚数と同数のずれ量Lから算出される)補正値に基づいて実装装置100に実装位置を自動で補正させることができるとともに、処理枚数が規定枚数に到達していなくても、作業者の判断したタイミングで実装装置100に実装位置を補正させることができる。例えば、実装装置100が部品440の実装を初めて実行するような場合には、ずれ量Lが初めは大きいことが想定される。このような場合には、処理枚数が規定枚数に到達していなくても、つまり、補正量を算出するためのサンプル数が少ないような場合でも、早めに実装位置を補正した方が、歩留まりの低下を抑制できる場合がある。そこで、部品実装システム1によれば、作業者の判断したタイミングで実装装置100に実装位置を補正させることができるため、歩留まりの低下を抑制できる。
【0107】
また、例えば、部品実装システム1は、さらに、ずれ量Lに基づくずれ量情報を表示する表示部360を備える。
【0108】
これによれば、作業者は、表示部360に表示されたずれ量情報を確認できる。そのため、作業者は、実装装置100に実装位置を補正させるタイミングが適切か否かを簡便に把握できる。これにより、表示部360によれば、歩留まりの低下をさらに抑制できる。
【0109】
また、例えば、処理枚数は、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装処理(ステップS101)を開始してから、又は、制御部340が実装装置100に実装位置を補正(ステップS107)させてから、実装装置100が部品440を実装した基板400の数である。また、例えば、未到達期間は、処理枚数が規定枚数に到達する前までの期間である。
【0110】
これによれば、適切なサンプル数から算出される補正量に基づいて自動で実装装置100に実装位置を補正させ、且つ、作業者の判断したタイミングで実装装置100に実装位置を補正させることができるため、歩留まりの低下を抑制できる。
【0111】
また、実施の形態に係る部品実装方法は、実装装置100によって基板400に部品440を実装し(ステップS101)、実装装置100によって基板400に実装された部品440の位置の所定の位置からのずれ量Lに基づいて、実装装置100が基板400に部品440を実装する実装位置を補正させるための補正量を算出し(ステップS103)、実装装置100が基板400に部品440を実装した処理枚数が規定枚数に到達する前までの未到達期間に(ステップS105でNo)、実装装置100に実装位置を補正させるための入力を受け付けたか否かを判定し(ステップS106)、入力を受け付けたと判定した場合(ステップS106でYes)、処理枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出した第1補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させ(ステップS107)、入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS106でNo)、実装装置100に規定枚数の基板400に部品440を実装させ、つまり、ステップS105でYesと判定するまでステップS101~ステップS106を繰り返し実行し、規定枚数の基板400のそれぞれから測定されたずれ量Lに基づき算出した第2補正量に基づいて、実装装置100に実装位置を補正させる(ステップS108)。
【0112】
これによれば、部品実装システム1と同様の効果を奏する。
【0113】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品実装システム等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0114】
例えば、基板400は、透光性を有し、上面にマーク420を有する。これにより、基板400の下方から撮像部210が撮像してもマーク420を撮像できる。もちろん、基板400は、下面にマーク420を有してもよい。この場合、基板400は、透光性を有してもよいし、有さなくてもよい。
【0115】
また、例えば、上記実施の形態では、制御装置300の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0116】
また、制御装置300の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0117】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0118】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、基板に部品を実装することでディスプレイパネル等を生産する部品実装システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 部品実装システム
1a、1b、1c 基台
10 基板搬入部
11、21、31、41、51 ステージ
20 貼着部
22、32、42 ステージ移動部
23 貼着機構
30 仮圧着部
33 部品供給部
34 仮圧着ツール
35 搭載ヘッド
36 搭載ヘッド移動機構
37、210 撮像部
40 本圧着部
43 本圧着ツール
50 基板搬出部
60 搬送部
61 移動ベース
62A、62B、62C、62D 基板搬送機構
63 基部
64 アームユニット
100 実装装置
200 検査装置
220 測定部
300 制御装置
310 取得部
320 算出部
330 入力部
340 制御部
350 出力部
360 表示部
370 記憶部
400 基板
410 電極部
420、421 マーク
430 ACF
440 部品
450 所定の位置
L ずれ量