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特許7496530部品装着システムおよび補充部品確認装置ならびに補充部品確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】部品装着システムおよび補充部品確認装置ならびに補充部品確認方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240531BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/08 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020175709
(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公開番号】P2022067152
(43)【公開日】2022-05-06
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 道明
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-273596(JP,A)
【文献】特表2002-512733(JP,A)
【文献】特開2014-075478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着システムであって、
相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報と、を記憶した記憶部と、
前記部品供給ユニットから部品を取り出して前記部品装着位置に装着する部品装着作業部と、
前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部と、
前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、前記部品供給ユニットから供給中の部品(以下、現在の部品。)もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨の出力を、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う補充部品確認部と、を備えた部品装着システム。
【請求項2】
上位の部品は下位の部品の代替部品として使用可能だが前記下位の部品は前記上位の部品の代替部品として使用できない関係にある場合、前記下位の部品の第2の代替部品情報は前記上位の部品を含み、前記上位の部品については第2の代替部品情報が存在しないまたは前記下位の部品を含まない第2の代替部品情報が登録されている、請求項1記載の部品装着システム。
【請求項3】
前記記憶部はさらに前記部品供給ユニットに補充される部品の代替を制限する供給部品制限情報を記憶し、
前記補充部品確認部は、前記供給部品制限情報で補充される部品が制限されている部品供給ユニットについては、前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、前記第1の代替部品情報または前記第2の代替部品情報に関係なく前記供給部品制限情報に適合する部品かどうかを判断し、適合する場合は補充を許可する旨の出力を行い、適合しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う、請求項1記載の部品装着システム。
【請求項4】
前記補充部品情報取得部は、部品の情報を表す識別子を光学的に読み取るリーダもしくは無線通信可能な記憶素子から部品の情報を読み取るリーダを含む、請求項1記載の部品装着システム。
【請求項5】
部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着装置の部品供給ユニットに補充される部品を確認する補充部品確認装置であって、
記憶部から、相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報を取得する第1の情報取得部と、
前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部と、
前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、現在の部品もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨の出力を、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う補充部品確認部と、を備えた補充部品確認装置。
【請求項6】
上位の部品は下位の部品の代替部品として使用可能だが前記下位の部品は前記上位の部品の代替部品として使用できない関係にある場合、前記下位の部品の第2の代替部品情報は前記上位の部品を含み、前記上位の部品については第2の代替部品情報が存在しないまたは前記下位の部品を含まない第2の代替部品情報が登録されている、請求項5記載の補充部品確認装置。
【請求項7】
前記第1の情報取得部は、前記記憶部から前記部品供給ユニットに補充される部品の代替を制限する供給部品制限情報を取得し、
前記補充部品確認部は、前記供給部品制限情報で補充される部品が制限されている部品供給ユニットについては、前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、前記第1の代替部品情報または前記第2の代替部品情報に関係なく前記供給部品制限情報に適合する部品かどうかを判断し、適合する場合は補充を許可する旨の出力を行い、適合しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う、請求項5記載の補充部品確認装置。
【請求項8】
前記補充部品情報取得部は、部品の情報を表す識別子を光学的に読み取るリーダもしくは無線通信可能な記憶素子から部品の情報を読み取るリーダを含む、請求項5記載の補充部品確認装置。
【請求項9】
部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着装置の部品供給ユニットに補充される部品を確認する補充部品確認方法であって、
記憶部から、相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報を取得し、
前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得し、
前記補充する部品が、現在の部品もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨を出力し、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨を出力する、補充部品確認方法。
【請求項10】
上位の部品は下位の部品の代替部品として使用可能だが前記下位の部品は前記上位の部品の代替部品として使用できない関係にある場合、前記下位の部品の第2の代替部品情報は前記上位の部品を含み、前記上位の部品については第2の代替部品情報が存在しないまたは前記下位の部品を含まない第2の代替部品情報が登録されている、請求項9記載の補充部品確認方法。
【請求項11】
さらに、前記記憶部から前記部品供給ユニットに補充される部品の代替を制限する供給部品制限情報を取得し、
前記供給部品制限情報で補充される部品が制限されている部品供給ユニットに部品を補充する場合は、前記補充する部品が前記第1の代替部品情報または前記第2の代替部品情報に関係なく前記供給部品制限情報に適合する部品かどうかを判断し、適合する場合は補充を許可する旨を出力し、適合しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う、請求項9記載の補充部品確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認する部品装着システムおよび補充部品確認装置ならびに補充部品確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品装着装置は、部品供給ユニットから供給される部品を基板に装着して実装基板を製造する。部品実装を継続して実行する過程において部品供給ユニットが保持していた部品の残数が少なくなると、部品供給ユニットに部品が補充される。ところで、複数の基板種に汎用的に実装される汎用部品などは、形状と電気特性がほぼ同じ部品が複数の部品メーカから供給されることがある。実装基板製造工場では複数の部品メーカから同じ種類の汎用部品を購入して保管しておき、在庫数などに応じて適宜切り替えながら実装基板の製造に使用することがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、部品毎に代替可能な部品の部品名を関連付けた情報を予め準備しておき、部品の使用数と在庫数に基づいて自動的に実装プログラムの部品名を変更することで、部品供給ユニットに部品を補給する際に、容易に代替部品に変更できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-311546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、形状と電気特性が同じ部品であっても電気特性の保証精度(許容差)などが異なる部品が存在する。そのため、電気特性の精度が低くてもよい部品は電気特性が同じであれば精度が高い代替部品に置き換えることができるが、逆に高い精度が要求される部品は精度が低い代替部品には置き換えできない場合がある。例えば、抵抗値は同じだが抵抗値の精度(抵抗値許容差)の異なる二つの抵抗器で説明すると、抵抗値の精度の低い抵抗器は抵抗値の精度の高い抵抗器で置き換えできるがその逆は置き換えられない場合がある。しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、代替可能な部品の情報に指定されている部品は相互に置き換えられてしまう。そこで、前述のように複雑な条件に対応した部品の代替を可能とし、部品補充作業の際に補充部品の適否を確認できるようにするためには更なる改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認することができる部品装着システムおよび補充部品確認装置ならびに補充部品確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品装着システムは、部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着システムであって、相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報と、を記憶した記憶部と、前記部品供給ユニットから部品を取り出して前記部品装着位置に装着する部品装着作業部と、前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部と、前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、前記部品供給ユニットから供給中の部品(以下、現在の部品。)もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨の出力を、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う補充部品確認部と、を備えた。
【0008】
本発明の補充部品確認装置は、部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着装置の部品供給ユニットに補充される部品を確認する補充部品確認装置であって、記憶部から、相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報を取得する第1の情報取得部と、前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部と、前記補充部品情報取得部で取得した情報で特定される部品が、現在の部品もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨の出力を、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨の出力を行う補充部品確認部と、を備えた。
【0009】
本発明の補充部品確認方法は、部品供給ユニットにセットされた部品を取り出して基板の部品装着位置に装着する部品装着装置の部品供給ユニットに補充される部品を確認する補充部品確認方法であって、記憶部から、相互に代替可能な部品を代替部品グループとして登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品を登録した第2の代替部品情報を取得し、前記部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得し、前記補充する部品が、現在の部品もしくは前記部品供給ユニットが供給する部品として指定されている指定部品と同一である場合、または、前記指定部品の前記第2の代替部品情報に登録されている場合、または、前記第2の代替部品情報が存在しない場合であって現在の部品または前記指定部品が属する代替部品グループに登録されている場合は補充を許可する旨を出力し、いずれの場合にも該当しない場合は補充を禁止する旨を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態の部品装着システムの構成説明図
図2】本発明の一実施の形態の部品装着装置の構成説明図
図3】本発明の一実施の形態の部品装着システムの構成を示すブロック図
図4】本発明の一実施の形態の部品装着システムで使用される(a)部品装着情報の例を示す図(b)代替部品グループ情報の例を示す図(c)部品情報を示す図
図5】本発明の一実施の形態の部品装着システムで使用される供給位置情報の例を示す図
図6】本発明の一実施の形態の部品装着装置により部品が装着された基板の例を示す図
図7】本発明の一実施の形態の部品装着装置による部品の装着の説明図
図8】本発明の一実施の形態の補充部品確認方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着システム、部品装着装置、情報管理装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(図2における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図2における上下方向)が示される。
【0013】
まず図1を参照して、部品装着システム1の構成を説明する。部品装着システム1は、基板に部品を装着して実装基板を生産する機能を有している。部品装着システム1は、複数の部品装着装置W1~W3を連結して構成されている。部品装着装置W1~W3は、通信ネットワーク2を介して情報管理装置3に接続されている。情報管理装置3は、部品装着システム1による実装基板の生産を管理する他、部品装着装置W1~W3に装着された部品供給ユニットへの部品の補充作業を支援する。なお、部品装着システム1が備える部品装着装置W1~W3は3台に限定されることなく、1台、2台でも、4台以上であってもよい。
【0014】
図1において、部品装着システム1は、作業者が使用するリーダTを備えている。リーダTは、情報管理装置3が備える管理無線通信部3aと無線で通信して情報の授受を行う端末通信部Taと、部品を格納するキャリアテープを巻回収納するリールなどに付されたタグに記録された情報を読み取る読み取り部Tbと、表示機能と入力機能を有するタッチパネルTcを備えている。リールなどに付されたタグがバーコードや2次元コードなどの部品の情報を表す識別子の場合、読み取り部Tbは、識別子を光学的に読み取る。また、タグがRFIDタグなどの無線通信可能な記憶素子の場合、読み取り部Tbは、記憶素子から部品の情報を読み取る。このように、リーダTは、部品の情報を表す識別子を光学的に読み取る、もしくは無線通信可能な記憶素子から部品の情報を読み取る。
【0015】
作業者は、部品供給ユニット(テープフィーダ、トレイフィーダ、スティックフィーダなど)に部品を補充する部品補充作業の際に、リーダTを使用して、部品を格納するリール、トレイ、スティックなどに付されたタグを読み取る部品照合作業を行う。リーダTは、読み取り部Tbでタグに記憶された情報を読み取って格納されている部品を特定する部品番号を認識し、端末通信部Taを介して情報管理装置3または部品装着装置に送信する。また、リーダTは、情報管理装置3または部品装着装置から送信された各種情報を受信して、表示処理してタッチパネルTcに表示する。
【0016】
次に図2を参照して、部品装着装置W1~W3の構成を説明する。部品装着装置W1~W3は同様の構成であり、ここでは部品装着装置W1について説明する。部品装着装置W1において、基台4の中央には、基板搬送部5がX軸に沿って設置されている。基板搬送部5は、上流から搬入された基板PをX軸に沿って搬送し、以下に説明する装着ヘッドによる装着作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送部5は、部品装着作業が完了した基板Pを下流に搬出する。基板搬送部5の両側(Y軸の前後方向)には、それぞれ部品供給部6が設置されている。
【0017】
それぞれの部品供給部6にX軸に沿って設けられた複数の部品供給位置には、それぞれテープフィーダ7が装着されている。テープフィーダ7は、部品を格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部6の外から基板搬送部5に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、装着ヘッドが部品をピックアップする部品取出し位置に部品を供給する。テープフィーダ7の上面であって、部品供給部6に装着された状態で作業者が操作可能な位置には、操作ボタン7aとランプ7bが設置されている。操作ボタン7aは、テープフィーダ7に部品を補充する部品補充作業などに作業者によって操作される。ランプ7bは、補充要求や部品補充許可、部品補充不許可などの情報を色や点滅により表示する。
【0018】
また、部品供給部6に設けられた部品供給位置には、トレイに載置した部品を供給するトレイフィーダ、中空のスティックに整列保持した部品を供給するスティックフィーダなども装着される。部品供給部6に装着されるテープフィーダ7、トレイフィーダ、スティックフィーダは、装着ヘッドに部品を供給する部品供給ユニットである。
【0019】
部品供給ユニットが部品供給部6に装着されると、各部品供給ユニットが有するユニット制御部と部品装着装置W1が備える部品装着装置制御部30(図3参照)とが電気的に接続される。各部品供給ユニットには固有の部品供給ユニット番号が付与されている。部品装着装置制御部30は、ユニット制御部と通信して部品供給部6のいずれの部品供給位置にいずれの部品供給ユニット番号の部品供給ユニットが装着されているかを認識する。
【0020】
図2において、基台4の上面のX軸における両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル8が配置されている。Y軸テーブル8には、同様にリニア機構を備えたビーム9がY軸に沿って移動自在に結合されている。ビーム9には、装着ヘッド10がX軸に沿って移動自在に装着されている。装着ヘッド10は、部品を保持して昇降し、鉛直軸(Z軸)回りに回転可能な複数の吸着ユニット(図示省略)を備える。吸着ユニットのそれぞれの下端部には、部品を吸着して保持する吸着ノズル(図示省略)が装着されている。
【0021】
Y軸テーブル8およびビーム9は、装着ヘッド10をX軸およびY軸に沿って移動させるXYユニット11を構成する。XYユニット11および装着ヘッド10は、部品供給部6から部品を取り出して基板Pの部品装着位置に装着する部品装着作業を実行する部品装着機構を構成する。部品装着作業において装着ヘッド10は、部品供給部6の上方に移動し、各吸着ノズルで所定の部品をそれぞれピックアップし、基板Pの上方に移動し、各吸着ノズルが保持する部品を所定の方向に回転させ、それぞれの部品装着位置に装着する一連のターンを繰り返す。
【0022】
図2において、ビーム9には、ビーム9の下面側に位置して装着ヘッド10とともに一体的に移動する基板認識カメラ12が装着されている。装着ヘッド10が移動することにより、基板認識カメラ12は基板搬送部5の装着作業位置に位置決めされた基板Pの上方に移動して、基板Pに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Pの位置を認識する。
【0023】
部品供給部6と基板搬送部5との間には、部品認識カメラ13が設置されている。部品認識カメラ13は、部品供給部6から部品を取り出した装着ヘッド10が部品認識カメラ13の上方に位置した際に、吸着ノズルに保持された部品を下方から撮像する。装着ヘッド10による部品の基板Pへの部品装着作業では、基板認識カメラ12による基板Pの認識結果と部品認識カメラ13による部品の認識結果とを加味して部品装着位置の補正が行われる。
【0024】
図2において、部品装着装置W1の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル14が設置されている。タッチパネル14は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示されるボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品装着装置W1の操作を行う。
【0025】
次に図3を参照して、部品装着システム1の構成について説明する。情報管理装置3は、管理記憶部21、部品補充作業支援部26、管理無線通信部3aを備えている。管理記憶部21(記憶部)は記憶装置であり、部品装着情報22、供給位置情報23、部品情報24、代替部品グループ情報25などを記憶している。部品補充作業支援部26は、内部処理部として、情報取得部26a、リーダ読取情報取得部26b、補充部品確認部26cを備えている。なお、情報管理装置3は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置の全てもしくは一部をサーバを介してクラウドに備えてもよい。
【0026】
部品装着情報22には、部品装着システム1において生産される実装基板の種類毎に、基板Pに装着される部品名、部品装着位置など、部品装着作業に必要な情報が記憶されている。供給位置情報23には、部品装着装置W1~W3の部品供給部6に設けられた部品供給位置毎に、装着されている部品供給ユニット(テープフィーダ7)を特定する情報、部品供給ユニットから供給される部品を特定する情報が含まれている。部品情報24は、基板Pに装着される部品毎に、部品のサイズ、電気的特性などが含まれている。代替部品グループ情報25には、相互に代替可能な部品が登録された代替部品グループに関する情報が記憶されている。
【0027】
ここで、図4(a)、図6を参照して、部品装着情報22の詳細について説明する。図6は、図4(a)に示す部品装着情報22に基づいて部品が装着された基板Pを示している。部品装着情報22には、部品装着位置40、部品装着座標41、部品名42、装着部品制限情報43が含まれている。部品装着位置40は、基板Pにおける部品の装着位置を特定する情報である。部品装着座標41は、部品の装着座標(XY座標)と装着角度(Z軸を回転軸とする角度θ)を含む情報である。部品名42は、その部品装着位置40に装着される部品を特定する情報である。図4(a)に示す部品装着情報22では、部品名42には正規部品の部品名が指定されている。正規部品は、実装基板の生産開始前に設定されている部品である。
【0028】
図4(a)、図6において、基板Pには「M01」~「M10」の10個所の部品装着位置40に部品が装着される。部品装着位置40が「M01」には部品名42が「A」の部品が装着される。以下、部品装着位置40が「M01」の部品装着位置を、単に「部品装着位置M01」と称する。また、部品名42が「A」の部品を、単に「部品A」と称する。他の部品装着位置40および部品名42も同様である。すなわち、部品装着位置M02~M05には部品Bが、部品装着位置M06~M10には部品Cがそれぞれ装着される。
【0029】
図4(a)において、装着部品制限情報43は、部品装着位置40に装着することができる部品(部品名42)を指定(制限)する情報である。装着部品制限情報43に部品名42が登録されている部品装着位置40には、登録されている部品名42の部品のみが装着可能である。例えば、部品装着位置M01の装着部品制限情報43には「A」が登録されており、正規部品である部品Aのみが装着可能である。また、部品装着位置M05の装着部品制限情報43には「B」が登録されており、正規部品である部品Bのみが装着可能である。なお、装着部品制限情報43が空欄の部品装着位置40は、部品装着情報22では装着可能な部品を制限しておらず、他の部品への代替が可能である。
【0030】
次に図4(b)を参照して、代替部品グループ情報25の詳細について説明する。代替部品グループ情報25には、代替部品グループを特定するグループ番号44と、代替部品グループ45が含まれている。図4(b)に示す例では、グループ番号44が「GR001」の代替部品グループ45には、相互に変更可能な代替部品として部品Aと部品Bが登録されている。すなわち、部品Aは部品Bと代替可能であり、部品Bも部品Aと代替可能という、双方向の代替条件である。このように、代替部品グループ情報25は、相互に代替可能な部品を代替部品グループ45として登録した第1の代替部品情報である。
【0031】
次に図4(c)を参照して、部品情報24の詳細について説明する。部品情報24には、部品名42、部品サイズ46、代替可能部品47が含まれている。部品サイズ46には、部品の長さL、幅W、高さHなどのサイズに関する情報が含まれている。代替可能部品47は、その部品に代替可能な部品(部品名42)を指定する情報である。代替可能部品47に部品が登録されている部品(下位の部品)は、登録されている部品(上位の部品)と代替することが可能である。
【0032】
例えば、部品名42が「C」の部品C(下位の部品)は、代替可能部品47として「A」と「B」が登録されており、部品Aまたは部品B(上位の部品)と代替可能である。また、部品Aと部品Bは、代替可能部品47が空欄であり、上位の部品が存在しない。すなわち、部品Cと部品Aまたは部品Bとの関係は、下位の部品は上位の部品と代替可能であるが、上位の部品は下位の部品とは代替不可能という、片方向の代替条件である。
【0033】
すなわち、片方向の代替条件とは、上位の部品と下位の部品は、サイズ、電極の位置は同じであるが、使用温度範囲、抵抗値許容差、静電容量許容差等の使用条件や許容範囲が異なる関係にあるため、一方(上位の部品)は他方(下位の部品)を代替可能であるがその逆は許されない関係である。例えば、公称抵抗値が同一の上位と下位の部品がある場合、抵抗値許容差±20%の下位の部品を抵抗値許容差±1%の上位の部品で代替は可能であるがその逆は許されない。
【0034】
このように、部品情報24は、部品(部品名42)毎に代替可能部品47(代替可能な部品)を登録した第2の代替部品情報である。そして、部品A(上位の部品)は部品C(下位の部品)の代替部品として使用可能だが部品C(下位の部品)は部品A(上位の部品)の代替部品として使用できない関係にある場合、部品C(下位の部品)の第2の代替部品情報(部品情報24の代替可能部品47)は部品A(上位の部品)を含む。また、部品A(上位の部品)については第2の代替部品情報が存在しない。または、部品C(下位の部品)を含まない第2の代替部品情報が登録されている。図4(c)の例では、部品Aの第2代替部品情報は空欄になっている。
【0035】
次に図5を参照して、供給位置情報23の詳細について説明する。供給位置情報23は、部品供給部6に設定された部品供給位置50、部品供給ユニット51、指定部品52、供給部品53、供給部品制限情報54を含んでいる。部品供給ユニット51は、部品供給位置50に装着される部品供給ユニット(テープフィーダ7、トレイフィーダ、スティックフィーダなど)を特定する情報である。
【0036】
指定部品52および供給部品53は、部品供給位置50の部品供給ユニットから供給される部品(部品名42)を特定する情報である。指定部品52は、実装基板の生産開始時点で部品供給位置50の部品供給ユニットが供給する部品として指定されている部品の部品名42である。供給部品53は、部品供給位置50の部品供給ユニットから現在供給中の部品(現在の部品)の部品名42である。部品補充作業により供給する部品が代替されると、指定部品52は更新されず、供給部品53の部品名42のみが更新される。供給部品制限情報54は、部品供給位置50の部品供給ユニットに補充される部品(部品名42)の代替を制限する情報である。
【0037】
図5において、「FP01」,「FP02」の部品供給位置50には、「TP01」,「TP02」の部品供給ユニット51が装着されている。そして、「TP01」,「TP02」の部品供給ユニット51からは部品Aが供給部品53として供給されている。以下、「FP01」の部品供給位置50を、単に「部品供給位置FP01」と称する。また、「TP01」の部品供給ユニット51を、単に「部品供給ユニットTP01」と称する。他の部品供給位置50、部品供給ユニット51も同様である。すなわち、部品供給位置FP03~FP05の部品供給ユニットTP03~TP05からは部品Bが供給され、部品供給位置FP06~FP06の部品供給ユニットTP06~TP08からは部品Cが供給されている。
【0038】
部品供給位置FP01には、供給部品制限情報54として「A」が登録されている。また、部品供給位置FP05には、供給部品制限情報54として「B」が登録されている。すなわち、部品供給位置FP01の部品供給ユニットTP01に補充可能な部品は指定部品52と同じ部品Aに限定されている。また、部品供給位置FP05の部品供給ユニットTP05に補充可能な部品は指定部品52と同じ部品Bに限定されている。すなわち、供給部品制限情報54は、部品の代替を禁止する部品代替禁止情報でもある。なお、供給部品制限情報54が空欄の部品供給位置50の部品供給ユニットは、供給部品52(現在の部品)もしくは指定部品52として指定された部品、または代替部品グループ情報25もしくは部品情報24の代替可能部品47で代替が許された部品に限り補充が許可されている。
【0039】
図3において、情報取得部26a(第1の情報取得部)は、管理記憶部21(記憶部)から、相互に代替可能な部品を代替部品グループ45として登録した第1の代替部品情報(代替部品グループ情報25)と、部品(部品名42)毎に代替可能な部品(代替可能部品47)を登録した第2の代替部品情報(部品情報24)を取得する。また、情報取得部26aは、管理記憶部21から供給位置情報23に含まれる部品供給ユニット51に補充される部品の代替を制限する供給部品制限情報54を取得する。
【0040】
リーダ読取情報取得部26bは、管理無線通信部3aを介して、部品補充作業の際に実行された部品照合作業において、リーダTが部品を格納するリールなどに付されたタグから読み取った部品の情報を取得する。すなわち、リーダT、管理無線通信部3a、およびリーダ読取情報取得部26bは、部品供給ユニット(テープフィーダ7など)に補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部を構成する。
【0041】
図3において、補充部品確認部26cは、作業者が部品供給ユニット(テープフィーダ7など)に部品を補充する部品補充作業において、部品の補充対象の部品供給ユニット(以下、「補充対象部品供給ユニット」と称する)に部品補充を要求された部品(以下、「補充部品」と称する。)が補充可能か否かを判断する。すなわち、補充部品は、補充部品情報取得部(リーダT、管理無線通信部3a、リーダ読取情報取得部26b)で取得した情報で特定される部品である。
【0042】
部品補給作業において作業者が部品補充対象のテープフィーダ7の操作ボタン7aを操作すると、部品装着装置制御部30を介して情報管理装置3に補充対象部品供給ユニットの部品供給位置50(以下、「補充対象部品供給位置」と称する。)が送信される。また、作業者がリーダTで補充部品を格納するリールに付されたタグを読み取ると、リーダTから送信された補充部品の部品名がリーダ読取情報取得部26bによって取得される。
【0043】
図3において、補充部品確認部26cは、管理記憶部21に記憶されている部品装着情報22、供給位置情報23、部品情報24、代替部品グループ情報25、および取得された補充対象部品供給位置、補充部品の部品名に基づいて、補充対象部品供給ユニットへの補充部品の補充を許可するか禁止するかを判断する。
【0044】
具体的には、補充部品確認部26cは、補充部品が補充対象部品供給位置の補充対象部品供給ユニットから供給中の供給部品53(現在の部品)と同一、または、補充対象部品供給位置の指定部品52と同一である場合(部品一致条件)は、部品補充を許可する。例えば、補充部品が部品Cで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP06の場合、供給部品53(現在の部品)が部品Cで補充部品と同一であるため(図5参照)、補充部品確認部26cは、部品一致条件において「一致」と判断し、部品補充を許可する。
【0045】
補充部品確認部26cは、補充部品が補充対象部品供給位置の指定部品52または供給部品53(現在の部品)が属する代替部品グループ45(第1の代替部品情報)に登録されている場合(条件1)、部品補充を許可する。例えば、補充部品が部品Aで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP04の場合、指定部品52と供給部品53はどちらも部品Bで補充部品とは一致しない(部品一致条件が「不一致」)(図5参照)。しかし、部品Aは部品Bが属する代替グループ45(グループ番号GR001)の登録されているため(図4(b)参照)、補充部品確認部26cは、条件1(双方向代替条件)が「Yes」と判断し、部品Bを部品Aに代替する部品補充を許可する。部品が代替されると、供給部品53は、代替された部品名42に更新される。なお、補充部品確認部26cは、指定部品52について後述する条件2が設定されている場合は条件1の判断は行わない。
【0046】
補充部品確認部26cは、補充部品が補充対象部品供給位置の指定部品52の第2の代替部品情報(部品情報24の代替可能部品47)に登録されている場合(条件2)、部品補充を許可すると判断する。例えば、補充部品が部品Bで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP07の場合、指定部品52は部品Cで補充部品とは一致しない(部品一致条件が「不一致」)(図5参照)。しかし、部品Bは部品Cの代替可能部品47に登録されているため(図4(c))、補充部品確認部26cは、条件2(片方向代替条件)が「Yes」と判断し、部品Cを部品Bに代替する部品補充を許可する。
【0047】
図3において、補充部品確認部26cは、部品装着情報22の供給部品制限情報54で補充される部品が制限されている部品供給ユニットについては、第1の代替部品情報(条件1)または第2の代替部品情報(条件2)に関係なく、補充部品が供給部品制限情報54に適合する部品かどうか(条件3)を判断する。すなわち、補充部品確認部26cは、条件3(制限条件)が設定されている部品供給位置50については、条件1(双方向代替条件)と条件2(片方向代替条件)を適用せず、条件3を適用して部品補充を許可するかどうかを判断する。そして、補充部品確認部26cは、補充部品が適合する場合(条件3が「Yes」)は補充を許可し、適合しない場合(条件3が「No」)は補充を禁止する。
【0048】
例えば、補充部品が部品Aで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP01の場合、供給部品制限情報54に「A」が登録されており、補充部品と適合する(条件3が「Yes」)(図5参照)。そこで、補充部品確認部26cは、部品Aの補充を許可する。一方、補充部品が部品Aと同一の代替部品グループに登録されている部品Bで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP01の場合、補充部品確認部26cは、供給部品制限情報54に登録されている部品Aとは一致しない(条件3が「No」ので)、部品Bの補充を許可しない。
【0049】
このように、補充部品確認部26cは、部品一致条件、条件1(双方向代替条件)、条件2(片方向代替条件)の条件に基づいて、補充を許可するかどうかを判断する。
【0050】
図5の例では、部品供給位置FP01は、条件3(制限条件)により部品の代替が制限され、部品Aの補充のみが許可される。同様に、部品供給位置FP05は、部品Bの補充のみが許可される。一方、部品供給位置FP02~FP04,FP06~FP08は、供給部品制限情報54が空欄であり部品の代替は禁止されていない。よって、これらの部品供給位置は原則として代替部品グループ情報25(条件1)に基づいて部品の代替が許可される。ただし、部品供給位置FP06~FP08のように指定部品52の部品Cの部品情報24に代替可能部品47が登録されている場合は、例外的に条件2に基づいて判断される。すなわち、部品供給位置FP06~FP08は、条件2(片方向代替条件)により部品A、部品B、のいずれかの部品の代替が許可される。
【0051】
図3において、補充部品確認部26cは、補充を許可する場合は補充を許可する旨を、補充を禁止する場合は補充を禁止する旨を、部品装着装置W1~W3あるいはリーダTに対して出力する。その出力を受信すると、部品装着装置W1~W3のタッチパネル14、テープフィーダ7のランプ7b、あるいはリーダTのタッチパネルTcは、補充しようとしている部品の補充の許可または補充の禁止を表示する。
【0052】
このように、情報管理装置3は、相互に代替可能な部品を代替部品グループ45として登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品(代替可能部品47)を登録した第2の代替部品情報を取得する情報取得部26a(第1の情報取得部)と、部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部(管理無線通信部3a、リーダ読取情報取得部26b)と、部品一致条件、条件1、条件2、条件3に基づいて、補充部品の許可または禁止を判断する補充部品確認部26cと、を備え、部品装着装置W1~W3の部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認する補充部品確認装置である。これによって、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認することができる。
【0053】
図3において、部品装着装置W1~W3は同様の構成であり、以下、部品装着装置W1について説明する。部品装着装置W1は、部品装着装置制御部30、基板搬送部5、テープフィーダ7(部品供給ユニット)、装着ヘッド10、XYユニット11、基板認識カメラ12、部品認識カメラ13、タッチパネル14を備えている。部品装着装置制御部30は、装置記憶部31、部品装着制御部36、認識部37、基板搬送制御部38を備えている。部品装着制御装置30(制御部)は、通信ネットワーク2を介して情報管理装置3と通信する。
【0054】
装置記憶部31は記憶装置であり、部品装着情報32、供給位置情報33、部品情報34、代替グループ情報35などを記憶している。部品装着情報32、供給位置情報33、部品情報34、代替グループ情報35には、情報管理装置3の管理記憶部21に記憶されている部品装着情報22、供給位置情報23、部品情報24、代替部品グループ情報25のうち、部品装着装置W1が基板Pに装着する部品の部品装着位置40の情報などが記憶されている。
【0055】
図3において、基板搬送制御部38は、基板搬送部5を制御して、上流から搬入された基板Pを装着作業位置に搬送させ、位置決めして保持させ、また下流に搬出させる。認識部37は、基板認識カメラ12が撮像した基板マークの画像を認識処理して、基板Pの位置を検出する。また、認識部37は、部品認識カメラ13が撮像した吸着ノズルに保持された部品の画像を認識処理して、部品の保持位置を検出する。
【0056】
部品装着制御部36は、部品装着情報32に基づいてテープフィーダ7(部品供給ユニット)、装着ヘッド10、XYユニット11、基板認識カメラ12、部品認識カメラ13を制御して、部品供給部6から部品を取り出して装着作業位置に保持されている基板Pの部品装着位置40に装着させる。すなわち、部品装着制御部36、認識部37、テープフィーダ7(部品供給ユニット)、装着ヘッド10、XYユニット11、基板認識カメラ12、部品認識カメラ13は、部品装着情報32に基づいて、部品供給ユニットから部品を取り出して部品装着位置40に装着する部品装着作業部39である。
【0057】
ここで図7を参照して、部品装着作業部39による基板Pへの部品装着作業について説明する。図7は、部品装着作業部39が、図5に示す供給位置情報23(供給位置情報33)に基づいて部品供給位置50に部品供給ユニット51が配置された部品供給部6から、図4(a)に示す部品装着情報22(部品装着情報32)に基づいて基板Pの部品装着位置40に部品を装着する部品装着作業を模式的に示している。部品装着作業部39は、部品装着情報32、供給位置情報33、部品情報34、代替グループ情報35に基づいて、基板Pの部品装着位置M01~M10に部品をそれぞれ装着される。
【0058】
具体的には、部品装着位置M01は装着部品制限情報43に「A」が登録されるため、部品装着作業部39は、部品供給ユニットTP01,TP02が供給する部品Aを部品装着位置M01に装着する。同様に、部品装着位置M05は装着部品制限情報43に「B」が登録されるため、部品装着作業部39は、部品供給ユニットTP03~TP05が供給する部品Bを部品装着位置M05に装着する。
【0059】
また、部品装着位置M02~M04,M06~M10の装着部品制限情報43は空欄である。さらに、部品Aと部品Bは同じ代替部品グループ45(グループ番号GR001)に登録されている。そこで、部品装着作業部39は、部品供給ユニットTP03~TP05が供給する部品Bの他、部品供給ユニットTP01,TP02が供給する部品Aのいずれかを部品装着位置M02~M04に装着する。また、部品Cの代替可能部品47として部品Aと部品Bが登録されている。そこで、部品装着作業部39は、部品供給ユニットTP06~TP08が供給する部品Cの他、部品供給ユニットTP01,TP02が供給する部品A、部品供給ユニットTP03~TP05が供給する部品Bのいずれかを部品装着位置M06~M10に装着する。
【0060】
次に図8のフローに沿って、部品装着システム1において、部品装着装置W1~W3の部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認する補充部品確認方法について説明する。まず、情報取得部26aは、管理記憶部21(記憶部)から、相互に代替可能な部品を代替部品グループ45として登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品(代替可能部品47)を登録した第2の代替部品情報と、部品供給ユニットに補充される部品の代替を制限する供給部品制限情報54を取得する(ST1)。次いで作業者がテープフィーダ7の操作ボタン7aを操作して部品補給を要求する(ST2)まで待機する(ST3において「無し」)。
【0061】
部品補給要求がある(操作ボタン7aが操作される)と(ST3において「有り」)、補充対象部品供給位置と補充対象部品供給ユニットの情報が取得され、作業者がリーダTでリールに付されたタグを読み取る(ST4)まで待機する(ST5において「無し」)。リーダTから部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得すると(ST5において「有り」)、補充部品確認部26cは、補充部品が、供給部品53(現在の部品)または補充対象部品供給位置の指定部品52と同一であるか否か(部品一致条件)を判断する(ST6)。
【0062】
補充部品が供給部品53または指定部品52と一致する場合(ST6において「一致」)、補充部品確認部26cは、部品補充許可を通知(出力)する(ST7)。この場合、部品の代替は行われず、同じ部品名42の部品が補充される。例えば、補充部品が部品Aで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP02の場合(図5)、補充部品が供給部品53(部品A)と一致する。よって、補充部品確認部26cは、ST6において「一致」と判断して部品補充許可を通知(出力)する(ST7)。
【0063】
図8において、補充部品が現在の部品または補充対象部品供給位置の指定部品52と一致しない場合(ST6において「不一致」)、補充部品確認部26cは、補充対象部品供給位置に供給部品制限情報54が登録されている否か、すなわち条件3の有無を判断する(ST8)。条件3がある場合(ST8において「有り」)、補充部品確認部26cは、供給部品制限情報54に適合する部品か否かを判断する(ST9)。適合する場合(ST9においてYes)、補充部品確認部26cは、部品補充許可を通知(出力)するとともに供給位置情報23の供給部品53も補充された部品名42に更新する(ST10)。
【0064】
図8において、条件3がない場合(ST8において「無し」)、補充部品確認部26cは、補充対象部品供給位置の指定部品52の第2の代替部品情報(代替可能部品47)があるか否かを判断する(ST11)。第2の代替部品情報がある場合(ST11において「有り」)、補充部品確認部26cは、補充部品が補充対象部品供給位置の指定部品52の第2の代替部品情報(代替可能部品47)に登録されているか否か、すなわち条件2を満たすか否かを判断する(ST12)。そして、補充部品確認部26cは、条件2を満たすと判断したら(ST12においてYes)、部品補充許可を通知する(ST10)。
【0065】
例えば、補充部品が部品Bで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP08の場合、指定部品52(部品C)の部品情報24に代替可能部品47に部品Bが登録されている(図4(c)、図5参照)ので補充部品確認部26cはST11で「有り」と判断し、ST12へ分岐して条件2を満たすかどうかを判断する。補充部品確認部26cは部品Cの代替可能部品47に部品Bが登録されているので条件2を満たすと判断し(ST12においてYes)、部品補充許可を通知する(ST10)。
【0066】
図8において、条件2がない場合(ST11において「無し」)、補充部品確認部26cは、補充部品が補充対象部品供給位置の指定部品52が属する代替部品グループ45(第1の代替部品情報)に登録されているか否か、すなわち条件1(双方向代替条件)を満たすか否かを判断する(ST13)。そして、補充部品確認部26cは、条件1を満たすと判断したら(ST13においてYes)、部品補充許可を通知(出力)する(ST10)。
【0067】
例えば、補充部品が部品Bで、補充対象部品供給ユニットが部品供給ユニットTP02の場合、指定部品52(部品A)の代替グループ45(グループ番号GR001)には部品Bが登録されている(図4(b)、図5参照)ので補充部品確認部26cは条件1を満たすと判断し(ST13においてYes)、部品補充許可を通知する(ST10)。
【0068】
図8において、条件3(ST9)、条件2(ST12)、条件1(ST13)のいずれも条件を満たさない場合(No)、補充部品確認部26cは、部品補充不許可を通知(出力)する(ST14)。
【0069】
上記説明したように、本実施の形態の部品装着システム1は、相互に代替可能な部品を代替部品グループ45として登録した第1の代替部品情報と、部品毎に代替可能な部品(代替可能部品47)を登録した第2の代替部品情報と、を記憶した管理記憶部21(記憶部)と、部品供給ユニットから部品を取り出して部品装着位置40に装着する部品装着作業部39と、部品供給ユニットに補充する部品の情報を取得する補充部品情報取得部(管理無線通信部3a、リーダ読取情報取得部26b)と、部品一致条件、条件1、条件2に基づいて、補充部品の許可または禁止を判断する補充部品確認部26cと、を備えている。これによって、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認することができる。
【0070】
なお、上記の実施形態では、作業者がリーダTで部品照合しながら部品補充作業する例で説明したが、部品補充作業は、多関節ロボットを有する自動部品補充装置(自走式のロボットなど)が実行する構成であってもよい。その場合、リーダは自動部品補充装置に内蔵され、自動部品補充装置において部品照合作業が行われる。また、補充部品確認部26cが出力する補充許可通知、または補充不許可通知は、自動部品補充装置に通知される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の部品装着システムおよび補充部品確認装置ならびに補充部品確認方法は、部品供給ユニットに補充される部品の適否を確認することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0072】
1 部品装着システム
3 情報管理装置(補充部品確認装置)
7 テープフィーダ(部品供給ユニット)
39 部品装着作業部
A,B,C 部品
M01~M10 部品装着位置
P 基板
T リーダ(補充部品情報取得部)
W1~W3 部品装着装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8