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特許7496546画像処理方法、プログラム及び画像処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】画像処理方法、プログラム及び画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240531BHJP
   G06T 7/32 20170101ALI20240531BHJP
【FI】
G06T7/00 300B
G06T7/00 300D
G06T7/00 610
G06T7/32
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020093719
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021189697
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎名 浩司
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 伸行
(72)【発明者】
【氏名】石井 翔平
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/002813(WO,A1)
【文献】特開2015-194478(JP,A)
【文献】特開平10-021389(JP,A)
【文献】特開2007-293546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0284089(US,A1)
【文献】矢田 晃嗣郎,多重解像度処理を用いたエッジに基づく固有値テンプレート法の性能評価,電気学会研究会資料 次世代産業システム研究会 IIS-13-061~067,日本,一般社団法人電気学会,2013年,IIS-13-061~067,p.27-p.32
【文献】Mohammad Gharavi-Alkhansari,A Fast Globally Optimal Algorithm for Template Matching Using Low-Resolution Pruning,IEEE Transactions on Image Processing ( Volume: 10, Issue: 4, April 2001),米国,IEEE,2001年,Volume: 10, Issue: 4, April 2001,p.526-p.533,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=913587
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する画像処理方法であって、
kは自然数の変数とし、N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとし、
1回目の前記画像サーチでは、第1の圧縮率の前記対象画像の中から、前記第1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む第1候補画像を探索し、前記第1候補画像を、前記抽出画像の候補に加え、
k+1回目の前記画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の前記対象画像の中から、k回目の前記画像サーチで求められた前記抽出画像の候補を含むk+1回目の前記画像サーチに用いられる予備候補を絞り込み、k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補の中から、前記第k+1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む第k+1候補画像を探索し、前記第k+1候補画像を、前記抽出画像の新たな候補に加え、
前記画像処理方法は、
前記画像サーチを複数回行うサーチ処理と、
第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する取得処理と、
N回目の前記画像サーチで求められた第N候補画像と、前記取得処理で取得された前記相関情報と、に基づいて前記サブ候補画像を求め、前記サブ候補画像を、M回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補に加えるサブ探索処理と、を含む、
画像処理方法。
【請求項2】
前記相関情報は、前記第N候補画像と前記サブ候補画像との回転角度差に関する情報を含む、
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記モデル画像の被写体の回転対称性に基づいて前記回転角度差に関する情報を生成する生成処理を更に含む、
請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
ユーザの操作に応じて前記相関情報を決定する相関情報決定処理を更に含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項5】
それぞれ前記第k候補画像又は前記サブ候補画像を0度から設定角度以下の範囲で段階的に回転させた画像である複数の回転画像を、k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補に加える範囲拡張処理と、
前記設定角度に関する情報を取得する設定処理と、を更に含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
ユーザの操作に応じて前記設定角度を決定する設定角度決定処理を更に含む、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
N=1である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記サーチ処理では、前記画像サーチを3回以上行う、
請求項1~7のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記画像処理方法は、1つの前記モデル画像に基づいて前記抽出画像を探索する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の画像処理方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項11】
画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する画像処理システムであって、
kは自然数の変数とし、N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとし、
1回目の前記画像サーチでは、第1の圧縮率の前記対象画像の中から、前記第1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む第1候補画像を探索し、前記第1候補画像を、前記抽出画像の候補に加え、
k+1回目の前記画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の前記対象画像の中から、k回目の前記画像サーチで求められた前記抽出画像の候補を含むk+1回目の前記画像サーチに用いられる予備候補を絞り込み、k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補の中から、前記第k+1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む第k+1候補画像を探索し、前記第k+1候補画像を、前記抽出画像の新たな候補に加え、
前記画像処理システムは、
前記画像サーチを複数回行うサーチ処理部と、
第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する取得部と、
N回目の前記画像サーチで求められた第N候補画像と、前記取得部で取得された前記相関情報と、に基づいて前記サブ候補画像を求め、前記サブ候補画像を、M回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補に加えるサブ探索部と、を備える、
画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に画像処理方法、プログラム及び画像処理システムに関し、より詳細には、対象画像の中からモデル画像の特徴を含む画像を探索する画像処理方法、プログラム及び画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像検査装置は、ピラミッドアルゴリズムを用いた画像マッチングにより、検査画像(モデル画像)が対象画像のどの部分と類似しているかを検出する。ピラミッドアルゴリズムにおいては、圧縮された対象画像と圧縮された検査画像との画像マッチングを行い、画像類似度が高い部分(以下、「候補領域」と呼ぶ)を特定する。その後、より圧縮率の低い画像について、候補領域の周辺領域を対象とした画像マッチングを行う。ピラミッドアルゴリズムでは、圧縮率の低い画像の全体を対象として画像マッチングをする必要がないため、処理が高速化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-178106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような画像検査装置において、処理の更なる高速化が望まれていた。
【0005】
本開示は、処理を高速化できる画像処理方法、プログラム及び画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像処理方法は、画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する。kは自然数の変数とする。N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとする。1回目の前記画像サーチでは、第1の圧縮率の前記対象画像の中から、第1候補画像を探索し、前記第1候補画像を、前記抽出画像の候補に加える。前記第1候補画像は、前記第1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む。k+1回目の前記画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の前記対象画像の中から、k+1回目の前記画像サーチに用いられる予備候補を絞り込む。k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補は、k回目の前記画像サーチで求められた前記抽出画像の候補を含む。さらに、k+1回目の前記画像サーチでは、k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補の中から、第k+1候補画像を探索し、前記第k+1候補画像を、前記抽出画像の新たな候補に加える。前記第k+1候補画像は、前記第k+1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む。前記画像処理方法は、サーチ処理と、取得処理と、サブ探索処理と、を含む。前記サーチ処理は、前記画像サーチを複数回行う。前記取得処理は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する。前記サブ探索処理は、N回目の前記画像サーチで求められた第N候補画像と、前記取得処理で取得された前記相関情報と、に基づいて前記サブ候補画像を求め、前記サブ候補画像を、M回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補に加える。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記画像処理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本開示の一態様に係る画像処理システムは、画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する。kは自然数の変数とする。N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとする。1回目の前記画像サーチでは、第1の圧縮率の前記対象画像の中から、第1候補画像を探索し、前記第1候補画像を、前記抽出画像の候補に加える。前記第1候補画像は、前記第1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む。k+1回目の前記画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の前記対象画像の中から、k+1回目の前記画像サーチに用いられる予備候補を絞り込む。k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補は、k回目の前記画像サーチで求められた前記抽出画像の候補を含む。さらに、k+1回目の前記画像サーチでは、k+1回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補の中から、第k+1候補画像を探索し、前記第k+1候補画像を、前記抽出画像の新たな候補に加える。前記第k+1候補画像は、前記第k+1の圧縮率の前記モデル画像の特徴を含む。前記画像処理システムは、サーチ処理部と、取得部と、サブ探索部と、を備える。前記サーチ処理部は、前記画像サーチを複数回行う。前記取得部は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する。前記サブ探索部は、N回目の前記画像サーチで求められた第N候補画像と、前記取得部で取得された前記相関情報と、に基づいて前記サブ候補画像を求め、前記サブ候補画像を、M回目の前記画像サーチに用いられる前記予備候補に加える。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、処理を高速化できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る画像処理方法を表すフローチャートである。
図2図2は、同上の画像処理方法を実現する画像処理システムを含むブロック図である。
図3図3は、同上の画像処理方法の第1例で用いられる、第1の圧縮率のモデル画像である。
図4図4は、同上の画像処理方法の第1例で用いられる、第1の圧縮率の対象画像である。
図5図5は、同上の画像処理方法の第1例で用いられる、第4の圧縮率のモデル画像である。
図6図6A図6Bは、同上の画像処理方法の第1例で用いられる、第4の圧縮率の対象画像である。
図7図7は、同上の画像処理方法の第2例で用いられるモデル画像である。
図8図8は、同上の画像処理方法の第2例で用いられる対象画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る画像処理方法、プログラム及び画像処理システムX1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(1)概要
画像処理方法では、画像サーチが実行される。画像サーチは、検査対象を撮像して生成される対象画像を、予め用意されたモデル画像と比較する処理である。画像サーチを行うことで、検査対象の形状、位置、及び、向き等が判定される。一例として、画像処理方法は、工場における製品等の部材(検査対象)の製造工程において、部材の外観検査を目的として実行される。別の一例として、画像処理方法は、ある部材を他の部材と識別するために実行される。
【0013】
また、画像サーチは、複数回実行される。画像サーチの回数を、F(Fは自然数の定数)とする。複数回の画像サーチのうち少なくとも一部の画像サーチでは、処理を高速化するために、対象画像及びモデル画像の各々の圧縮画像が用いられる。画像サーチを繰り返す度に、対象画像及びモデル画像の各々の圧縮率を下げる。言い換えると、画像サーチを繰り返す度に、対象画像及びモデル画像の各々の解像度を上げる。
【0014】
1回目の画像サーチにより、対象画像のうち、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像の位置及び向きの候補がある程度絞り込まれる。抽出画像は、複数回(F回)の画像サーチにより最終的に求められる対象である。言い換えると、F回目(最後)の画像サーチにより、抽出画像が求められる。k+1回目(kは自然数の変数。すなわち、k=1、2、3、……、F)の画像サーチでは、k回目の画像サーチで絞り込まれた位置の周辺、及び、k回目の画像サーチで絞り込まれた向きと近い向き等に限定して、更なる絞り込みをする。これにより、非圧縮(高解像度)の対象画像の全体に亘って画像サーチをする場合と比較して、抽出画像を特定するまでの処理に要する時間を短縮できる。
【0015】
図1は、本実施形態の画像処理方法を表すフローチャートである。本実施形態の画像処理方法は、画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する。kは自然数の変数とする。N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとする。1回目の画像サーチ(ステップST4)では、第1の圧縮率の対象画像の中から、第1候補画像を探索し、第1候補画像を、抽出画像の候補に加える。第1候補画像は、第1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。k+1回目の画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の対象画像の中から、k+1回目の画像サーチ用の予備候補を絞り込む。k+1回目の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補を含む。さらに、k+1回目の画像サーチでは、k+1回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第k+1候補画像を探索し、第k+1候補画像を、抽出画像の新たな候補に加える。第k+1候補画像は、第k+1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。画像処理方法は、サーチ処理と、取得処理と、サブ探索処理と、を含む。サーチ処理は、画像サーチを複数回行う。取得処理は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する(ステップST1)。サブ探索処理は、N回目の画像サーチで求められた第N候補画像と、取得処理で取得された相関情報と、に基づいてサブ候補画像を求め、サブ候補画像を、M回目の画像サーチ用の予備候補に加える(ステップST6)。相関情報は、例えば、第N候補画像とサブ候補画像との回転角度差に関する情報を含む。この場合、サブ候補画像とは、第N候補画像を上記回転角度差だけ回転させた画像である。
【0016】
要するに、k回目の画像サーチにより、第k候補画像(メインの予備候補)が求められ、第k候補画像は、k+1回目の画像サーチ用の予備候補に加えられる。k+1=Mの場合、サブ候補画像も、k+1回目の画像サーチ用の予備候補に加えられる。k+1回目の画像サーチでは、k+1回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第k+1候補画像が求められる。k回目の画像サーチが最後の画像サーチの場合(つまり、k=Fの場合)、第k候補画像は、最終的なサーチ結果(抽出画像)として出力される。
【0017】
本実施形態によれば、非圧縮の対象画像の全体に亘って画像サーチをする場合と比較して、抽出画像を特定するまでの処理に要する時間を短縮できる。
【0018】
また、N回目の画像サーチでは、対象画像及びモデル画像の圧縮率が比較的大きいため、非圧縮の対象画像と非圧縮のモデル画像との間の差異に該当するデータが欠落している場合がある。そのため、非圧縮の状態ではモデル画像と合致しない画像が、第N候補画像として求められる可能性がある。この場合、第N候補画像は、N+1回目の画像サーチ用の予備候補(N+1回目の画像サーチのサーチ範囲)の1つとなり、第N候補画像は、N+1回目以降の画像サーチでモデル画像と合致しないと判断される。しかしながら、N回目の画像サーチよりも後のM回目の画像サーチでは、直前の画像サーチで求められた候補画像だけではなく、サブ候補画像もがM回目の画像サーチ用の予備候補として用いられるので、サブ候補画像が抽出画像として特定され得る。つまり、非圧縮の状態で第N候補画像がモデル画像と合致しない場合であっても、非圧縮の状態でサブ候補画像がモデル画像と合致する可能性がある。本実施形態の画像処理方法では、サブ候補画像を予備候補に加える処理が行われない場合と比較して、サブ候補画像を発見するまでに要する時間を短縮できるので、抽出画像を特定するまでに要する時間を短縮できる。
【0019】
なお、N=1であることが好ましい。本実施形態では、N=1として説明する。つまり、1回目の画像サーチで求められた第1候補画像と、相関情報と、に基づいて、サブ候補画像が求められる。サブ候補画像は、M回目の画像サーチに用いる予備候補に加えられる。M回目の画像サーチでは、M-1回目の画像サーチで求められた第M-1候補画像と、予備候補と、の中から、抽出画像の新たな候補(第M候補画像)を探索する。本実施形態では、M=4として説明する。また、本実施形態では、M回目の画像サーチは、複数回行われる画像サーチのうち、最後の画像サーチである。つまり、本実施形態では、F=Mである。
【0020】
図1に示すフローチャートは、画像処理方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0021】
画像処理方法は、画像処理システムX1により実行される。図2に示すように、画像処理システムX1は、サーチ処理部S1と、取得部51と、サブ探索部52と、を備える。サーチ処理部S1は、画像サーチを複数回行う。取得部51は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する。サブ探索部52は、N回目の画像サーチで求められた第N候補画像と、取得部51で取得された相関情報と、に基づいてサブ候補画像を求め、サブ候補画像を、M回目の画像サーチ用の予備候補に加える。
【0022】
画像処理システムX1を用いることにより、抽出画像を特定するまでの処理に要する時間を短縮できる。
【0023】
(2)画像処理システム
画像処理システムX1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、画像処理システムX1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0024】
画像処理システムX1は、サーチ処理部S1と、取得部51と、サブ探索部52と、生成処理部53と、記憶部54と、制御部55と、画像加工部56と、を備える。サーチ処理部S1は、第1サーチ部1と、第2サーチ部2と、第3サーチ部3と、第4サーチ部4と、を含む。なお、これらは、画像処理システムX1によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0025】
図2では、画像処理システムX1の外部の構成として、撮像部61と、駆動機構62と、操作部63と、が設けられている。なお、撮像部61と、駆動機構62と、操作部63と、のうち少なくとも1つが、画像処理システムX1の構成であってもよい。
【0026】
(3)撮像部
撮像部61は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部61は、検査対象(部材)を撮像する。これにより、撮像部61は、検査対象が写った画像である対象画像を生成する。検査対象は、移動装置により撮像部61の撮像範囲内に運ばれる。移動装置は、例えば、ベルトコンベアである。撮像部61が撮像するタイミングは、制御部55により制御される。
【0027】
(4)駆動機構
駆動機構62は、例えば、ロボットアーム又はエアー発生装置を含む。駆動機構62は、検査対象を移動させる。例えば、ある検査対象が画像処理システムX1により適合品であると判定されると、ロボットアームは、検査対象を保持(ピックアップ)して、次の工程がなされる場所へ移動させる。また、例えば、ある検査対象が画像処理システムX1により不適合品であると判定されると、エアー発生装置は、検査対象をエアーにより除去する。駆動機構62の動作は、制御部55により制御される。
【0028】
(5)記憶部
記憶部54は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部54は、モデル画像を記憶している。また、記憶部54は、画像処理方法に用いられる各種のパラメータを記憶している。
【0029】
(6)画像加工部
画像加工部56は、撮像部61で生成された対象画像を圧縮する(圧縮処理)。また、画像加工部56は、記憶部54からモデル画像を取得し、モデル画像を圧縮する(圧縮処理)。より詳細には、画像加工部56は、対象画像及びモデル画像をそれぞれ、ピクセル数のより小さい画像(圧縮画像)へと変換する。
【0030】
対象画像及びモデル画像はそれぞれ、二次元画像である。また、対象画像及びモデル画像はそれぞれ、デジタル画像である。本実施形態では、対象画像及びモデル画像がそれぞれ白黒画像である場合を想定して説明する。ただし、対象画像及びモデル画像はそれぞれ、グレースケール画像又はカラー画像であってもよい。
【0031】
画像加工部56は、例えば、元の画像(対象画像及びモデル画像)の縦横それぞれのピクセル数を1/2倍(iは自然数の変数)にした1/2圧縮画像を生成する。本実施形態では、画像加工部56は、1/2圧縮画像と、1/4圧縮画像と、1/8圧縮画像と、を生成する。
【0032】
また、画像加工部56は、対象画像及びモデル画像の各々の圧縮画像及び非圧縮画像から輪郭線を抽出する。輪郭線を抽出するアルゴリズムとしては、例えば、ソーベル法又はガウスのラプラシアン法等を採用すればよい。なお、モデル画像は、初めから、輪郭線のみからなる画像として提供されてもよい。
【0033】
(7)操作部
操作部63は、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェースである。操作部63は、例えば、釦、スイッチ、ディップスイッチ、タッチパネル及びタッチパネルディスプレイ等のうち少なくとも1つを含む。
【0034】
操作部63は、相関情報を決定するためのユーザの操作を受け付ける。
【0035】
また、操作部63は、後述する設定角度(第k候補画像又はサブ候補画像を回転させる回転角度)を決定するためのユーザの操作を受け付ける。
【0036】
さらに、操作部63は、画像サーチの回数を決定するためのユーザの操作を受け付ける。
【0037】
なお、操作部63は、少なくともユーザからの操作を受け付ければよく、実際に操作部63を操作する主体は、ユーザに限定されない。操作部63は、ユーザ以外の者からの操作をも受け付けてもよい。
【0038】
(8)取得部
取得部51は、操作部63から相関情報を取得する。すなわち、相関情報を決定するための操作が操作部63に対してされると、操作部63は、操作の内容に応じた信号を出力し、この信号を、取得部51が相関情報として取得する。
【0039】
つまり、本実施形態の画像処理方法は、取得部51により実行される相関情報決定処理を含み、相関情報決定処理は、ユーザの操作に応じて相関情報を決定する処理である。
【0040】
また、取得部51は、操作部63から設定角度に関する情報を取得する。すなわち、設定角度を決定するための操作が操作部63に対してされると、操作部63は、操作の内容に応じた信号を出力し、この信号を、取得部51が設定角度に関する情報として取得する。
【0041】
つまり、本実施形態の画像処理方法は、取得部51により実行される設定処理を含み、設定処理は、設定角度に関する情報を取得する処理である。また、本実施形態の画像処理方向は、取得部51により実行される設定角度決定処理を含み、設定角度決定処理は、ユーザの操作に応じて設定角度を決定する処理である。設定角度は、例えば、ユーザが操作部63を操作して指定した角度そのものである。
【0042】
(9)サーチ処理部
サーチ処理部S1は、複数のサーチ部を含む。本実施形態では、サーチ部の個数は、4つである。すなわち、サーチ処理部S1は、複数のサーチ部として、第1サーチ部1と、第2サーチ部2と、第3サーチ部3と、第4サーチ部4と、を含む。
【0043】
複数のサーチ部の各々は、画像サーチを行う。画像サーチは、検査対象を撮像して生成される対象画像を、予め用意されたモデル画像と比較する処理である。1つのモデル画像に対して、複数のサーチ部は、1回ずつ画像サーチを行う。第1サーチ部1、第2サーチ部2、第3サーチ部3、第4サーチ部4は、この順に画像サーチを行う。画像サーチの回数は、3回以上であることが好ましい。言い換えると、サーチ処理(画像サーチを複数回行う処理)では、画像サーチを3回以上行うことが好ましい。画像サーチの回数は、本実施形態では4回であるが、4回に限定されず、2回以上であればよい。
【0044】
複数のサーチ部は、それぞれ異なる圧縮率の対象画像及びモデル画像を用いて画像サーチを行う。本実施形態の画像処理方法では、画像サーチを繰り返す度に、対象画像及びモデル画像の圧縮率を下げる。すなわち、第1サーチ部1は第1の圧縮率の対象画像及びモデル画像を用いて1回目の画像サーチを行い、第2サーチ部2は第2の圧縮率の対象画像及びモデル画像を用いて2回目の画像サーチを行う。第3サーチ部3は第3の圧縮率の対象画像及びモデル画像を用いて3回目の画像サーチを行い、第4サーチ部4は第4の圧縮率の対象画像及びモデル画像を用いて4回目の画像サーチを行う。第k+1の圧縮率は、第kの圧縮率よりも小さい圧縮率である。例えば、1回目の画像サーチでは1/8圧縮画像が用いられ、2回目の画像サーチでは1/4圧縮画像が用いられ、3回目の画像サーチでは1/2圧縮画像が用いられ、4回目(最後)の画像サーチでは非圧縮画像が用いられる。つまり、圧縮率には、0(非圧縮)も含まれ得る。
【0045】
(10)サブ探索部
サブ探索部52は、1回目(N回目)の画像サーチで求められた第1(第N)候補画像と、取得部51で取得された相関情報と、に基づいて、サブ候補画像を求める。一例として、相関情報は、第1(第N)候補画像とサブ候補画像との回転角度差に関する情報を含む。この場合、サブ探索部52は、第1(第N)候補画像を上記回転角度差だけ回転させた画像を生成し、生成した画像をサブ候補画像とする。上記回転角度差に関する情報は、例えば、生成処理部53により生成される。上記回転角度差に関する情報は、操作部63に対するユーザの操作により提供されてもよい。例えば、1種類の部材のみを検査対象とする場合は、上記回転角度差に関する情報を後から変更する必要が無いので、上記回転角度差に関する情報をユーザが予め提供しても支障ない。
【0046】
上記回転角度差として、1つの角度差だけを用いてもよいし、複数の角度差を用いてもよい。例えば、上記回転角度差として、90度、180度及び270度の3つの角度差を用いてもよい。この場合、サブ探索部52は、第1候補画像をそれぞれ90度、180度及び270度回転させた3つのサブ候補画像を生成する。
【0047】
(11)生成処理部
本実施形態の画像処理方法は、生成処理部53により実行される生成処理を含み、生成処理は、モデル画像の被写体の回転対称性に基づいて上記回転角度差に関する情報を生成する処理である。例えば、モデル画像の被写体がL回回転対称(Lは自然数の定数)である場合、生成処理部53は、上記回転角度差を360/L[度]に決定する。
【0048】
例えば、図3に示すモデル画像の被写体(検査対象Ob1)は、2回回転対称なので、生成処理部53は、上記回転角度差を180度に決定する。
【0049】
モデル画像の被写体の回転対称性に関する情報は、操作部63に対するユーザの操作により提供されてもよい。あるいは、生成処理部53は、モデル画像を解析することによりモデル画像の被写体の回転対称性に関する情報を生成してもよい。
【0050】
例えば、ある検査対象Ob1が撮像部61の撮像範囲に運ばれるタイミングと、別の形状の検査対象が撮像部61の撮像範囲に運ばれるタイミングと、が予め決まっている。そこで、生成処理部53は、上記回転角度差に関する情報を、時間に応じて変更する。
【0051】
また、被写体が非回転対称である場合は、その旨を示す情報を生成処理部53が出力する。
【0052】
(12)第1例
画像処理方法により検査対象を検査する手順の第1例について、図1図3図6Bを参照して説明する。
【0053】
まず、ユーザは、操作部63を操作して相関情報を入力する。取得部51は、操作部63から相関情報を取得する(ステップST1)。撮像部61は、検査対象Ob1を撮像して対象画像を生成する(ステップST2)。
【0054】
図3は、第1の圧縮率のモデル画像を表す。図4は、第1の圧縮率の対象画像を表す。図5は、第4の圧縮率(非圧縮)のモデル画像を表す。図6A図6Bは、第4の圧縮率(非圧縮)の対象画像を表す。ただし、図3図6Bのいずれにおいても、モデル画像及び対象画像は、輪郭線(図中の網掛け部分)のみからなる画像である。画像加工部56は、対象画像を必要に応じて圧縮し、輪郭線を抽出することにより、対象画像を生成する(ステップST3)。また、モデル画像は、長方形又は正方形の画像であって、モデル画像のうち輪郭線を含まない行及び列は予め除去されている。
【0055】
なお、モデル画像及び対象画像は、図3図6Bで示す解像度よりも解像度が高いことが好ましいが、説明を簡単にするために、図3図6Bでは、比較的解像度が低い画像として表されている。
【0056】
図5に示すように、検査対象Ob1の2次元形状は、十字形である。検査対象Ob1は、中心部Ob10と、4つの突出部Ob11~Ob14と、を有する。4つの突出部Ob11~Ob14は、中心部Ob10から突出している。突出部Ob11、Ob12は、中心部Ob10を挟んで互いに反対側に設けられている。突出部Ob13、Ob14は、中心部Ob10を挟んで互いに反対側に設けられている。突出部Ob11、Ob12の突出方向は、突出部Ob13、Ob14の突出方向に対して直交している。
【0057】
図5において、4つの突出部Ob11~Ob14の長さはそれぞれ、8[pix]、9[pix]、6[pix]、6[pix]である。図5のモデル画像が第1の圧縮率に圧縮されると、図3に示すように、4つの突出部Ob11~Ob14の長さはそれぞれ、4[pix]、4[pix]、3[pix]、3[pix]となる。つまり、図3では、突出部Ob11、Ob12の長さが等しい。図3では、検査対象Ob1の2次元形状は、2回回転対称である。
【0058】
図6Bは、図6Aに対して、検査対象Ob1を180度回転させた図である。図6A図6Bのいずれの対象画像が第1の圧縮率に圧縮された場合も、図4に示す画像となる。つまり、図3図4に示す第1の圧縮率のモデル画像及び対象画像では、中心部Ob10に対して突出部Ob11が紙面上にある状態と、紙面下にある状態と、の区別がつかない。
【0059】
画像サーチでは、対象画像を走査することにより、モデル画像と対象画像とを比較する。
【0060】
(12-1)1回目の画像サーチ
1回目の画像サーチ(ステップST4)では、第1サーチ部1は、図3のモデル画像と図4の対象画像とを比較する。まず、第1サーチ部1は、対象画像のうち左上隅の領域を比較対象(比較領域R1)とする。比較領域R1の大きさは、モデル画像の大きさと等しい。第1サーチ部1は、比較領域R1の画像の各画素を、モデル画像の各画素と比較する。比較領域R1の画像とモデル画像との一致率が閾値以上であれば、第1サーチ部1は、比較領域R1の画像が、モデル画像の特徴を含む第1候補画像であると判断する。つまり、この場合に第1サーチ部1は、比較領域R1の画像を、抽出画像の候補に加える。一方で、比較領域R1の画像とモデル画像との一致率が閾値未満であれば、第1サーチ部1は、比較領域R1の画像が第1候補画像でないと判断する。
【0061】
閾値は、記憶部54に予め記憶されている。本実施形態では、閾値が100%であると仮定して説明する。つまり、本実施形態では、比較領域R1の画像とモデル画像とが完全に一致する場合に限り、第1サーチ部1は、比較領域R1の画像が第1候補画像であると判断する。
【0062】
第1サーチ部1は、比較領域R1を1[pix]ずつずらし、1[pix]ずらす度に、比較領域R1の画像とモデル画像とを比較する。例えば、比較領域R1を列方向(図4の紙面左右方向)に1[pix]ずつずらし、比較領域R1が対象画像の一端(右端又は左端)に到達すると、比較領域R1を行方向に1[pix]ずらすというプロセスを1セットとする。このプロセスを複数セット繰り返すことで、第1サーチ部1は、対象画像の全ての領域をモデル画像と比較する。図4では、領域R11が比較領域R1として選択された際に、第1サーチ部1は、比較領域R1の画像が第1候補画像であると判断する。
【0063】
また、第1サーチ部1は、複数の回転画像を、対象画像と比較する。複数の回転画像はそれぞれ、モデル画像を段階的に回転させた画像である。例えば、モデル画像を1度刻みで時計回り又は反時計回りに360度回転させることで、複数の回転画像が生成される。各回転画像に対しても上記プロセスを複数セット繰り返すことで、第1サーチ部1は、対象画像の全ての領域を回転画像と比較し、第1候補画像を探索する。
【0064】
ここで、ある位置において第1(第N)候補画像が見つかった場合、この位置における回転画像は、1回目(N回目)の画像サーチにおけるサーチ範囲から除外されてもよい。つまり、この位置における回転画像は、第1(第N)候補画像として選ばれなくてもよい。これにより、画像サーチに要する時間を短縮できる。この位置における回転画像は、4回目の画像サーチでモデル画像と比較され、抽出画像に該当するか否か判定される。
【0065】
1回目の画像サーチにより少なくとも1つの第1候補画像が見つかると、記憶部54は、第1候補画像に関する情報を記憶する。第1候補画像に関する情報は、第1候補画像の位置及び向きの情報を少なくとも含む。第1候補画像に関する情報は、第1候補画像とモデル画像との一致率を含んでいてもよい。
【0066】
上述の通り、図3図4に示す第1の圧縮率のモデル画像及び対象画像では、中心部Ob10に対して突出部Ob11が紙面上にある状態と、紙面下にある状態と、の区別がつかない。いずれの状態の場合も、領域R11が比較領域R1として選択された際に、第1サーチ部1は、比較領域R1の画像が第1候補画像であると判断する。
【0067】
少なくとも1つの領域について、当該領域の画像が第1候補画像であると判断されると(ステップST5:YES)、サブ探索部52は、サブ候補画像を生成する(ステップST6:サブ探索処理)。具体的には、サブ探索部52は、第1候補画像を180度回転させた画像を、サブ候補画像とする。
【0068】
(12-2)2回目以降の画像サーチ
次に、第2サーチ部2は、第2の圧縮率の対象画像及び第2の圧縮率のモデル画像を用いて、2回目の画像サーチを行う(ステップST7)。2回目の画像サーチでは、まず、2回目の画像サーチ用の予備候補を絞り込む。2回目の画像サーチ用の予備候補は、1回目の画像サーチで求められた第1候補画像を含む。この例では、1回目の画像サーチにより、領域R11(図4参照)に対応する画像が第1候補画像として求められている。記憶部54には、第1候補画像の位置及び向きの情報が記憶されている。そこで、この情報を用いて、第2サーチ部2は、第2の圧縮率の対象画像のうち、領域R11に対応する領域を特定し、領域R11に対応する領域の画像を、2回目の画像サーチ用の予備候補とする。第2サーチ部2は、2回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第2の圧縮率のモデル画像の特徴を含む第2候補画像を探索する。
【0069】
3回目及び4回目の画像サーチ(ステップST9、ST11)でも同様に、直前の画像サーチで求められた領域の画像(予備候補)の中から、候補画像を探索する。つまり、k+1回目(ここでは、k=1、2、3)の画像サーチでは、第k+1の圧縮率の対象画像の中から、k+1回目の画像サーチ用の予備候補(k+1回目の画像サーチのサーチ範囲)を絞り込む。さらに、k+1回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第k+1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む第k+1候補画像を探索する。
【0070】
k+1回目の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補(第k候補画像)に加えて、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補の周辺の画像を更に含む。例えば、図6Aのうち、3回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補に対応する領域を、領域R41とする。4回目の画像サーチ用の予備候補は、領域R41の画像と、領域R41の周辺の画像と、を含む。4回目の画像サーチでは、領域R41の画像と、領域R41の周辺の画像と、の中から、第4候補画像を探索する。
【0071】
領域R41の周辺の画像とは、領域R41に対して所定量だけ移動した領域の画像である。より具体的には、領域R41の周辺の画像とは、領域R41を所定ピクセル数以下の量だけ平行移動させることと、領域R41を所定の回転角以下の回転角だけ回転させることと、のうち少なくとも一方により形成される領域の画像である。
【0072】
k=1又は2のとき、k+1回目の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補と、その周辺の画像と、のみを含む。k=3のとき、k+1回目(M回目)の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補と、その周辺の画像と、に加えて、サブ候補画像をも含む。この例では、サブ候補画像は、第1候補画像を180度回転させた画像である。つまり、4回目の画像サーチ用の予備候補は少なくとも、図6Aの領域R41の画像と、領域R41の画像を180度回転させた画像、すなわち、図6Bの領域R42の画像と、を含む。
【0073】
また、k=3のとき、k+1回目(M回目)の画像サーチ用の予備候補は、複数の回転画像を更に含む。複数の回転画像はそれぞれ、第k候補画像又はサブ候補画像を0度から設定角度(第1設定値)以下の範囲で段階的に回転させた画像である。つまり、本実施形態の画像処理方法は、範囲拡張処理を含み、範囲拡張処理は、複数の回転画像を、k+1回目の画像サーチ用の予備候補に加える処理である。範囲拡張処理は、例えば、第4サーチ部4により実行される。第k候補画像及びサブ候補画像のそれぞれに基づいて、複数の回転画像が生成される。
【0074】
例えば、第3候補画像(第k候補画像)又はサブ候補画像を、第2設定値(角度を表す値)刻みで時計回り及び反時計回りに回転させることで、複数の回転画像が生成される。また、第3候補画像又はサブ候補画像と回転画像との回転角度差の上限値である第1設定値が予め指定されている。第1設定値及び第2設定値は、操作部63に対する操作に応じて決定される。すなわち、第1設定値及び第2設定値のうち少なくとも一方を決定するための操作が操作部63に対してされると、操作部63は、操作の内容に応じた信号を出力し、この信号に応じて、第4サーチ部4は、第1設定値及び第2設定値を決定する。
【0075】
第1設定値は、第1(第N)候補画像とサブ候補画像との回転角度差の1/2倍の値よりも小さい。第1設定値は、例えば、複数の値の中から選択可能である。第1設定値は、例えば、5度、15度、及び、45度の中から選択可能である。
【0076】
第2設定値は、第1設定値よりも小さい。第2設定値は、例えば、1度である。
【0077】
最後(4回目)の画像サーチにおいて(第4)候補画像が見つかると(ステップST12:YES)、サーチ処理部S1は、当該候補画像を、最終的なサーチ結果とする。つまり、サーチ処理部S1は、当該候補画像を、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像であるとする。サーチ処理部S1は、抽出画像に関する情報を出力する。例えば、サーチ処理部S1は、抽出画像に関する情報を制御部55へ出力する。抽出画像に関する情報は、例えば、抽出画像の位置及び向きの情報を含む。抽出画像に関する情報に基づいて、対象画像の撮像対象である検査対象Ob1の位置及び向き等を特定できる。抽出画像に関する情報は、抽出画像とモデル画像との一致率を含んでいてもよい。
【0078】
制御部55は、抽出画像に関する情報に基づいて、駆動機構62を制御する。駆動機構62は、例えば、検査対象Ob1を保持(ピックアップ)して、次の工程がなされる場所へ移動させる(ステップST13)。また、駆動機構62は、検査対象Ob1の向きを表す情報に基づいて、検査対象Ob1の向きを補正する。
【0079】
また、1回目の画像サーチと最後(4回目)の画像サーチとの間の(2回目及び3回目の)画像サーチにおいて候補画像が見つからなかった場合(ステップST8又はST10:NO)、少なくともサブ候補画像を4回目の画像サーチ用の予備候補に含めて、4回目の画像サーチを行う(ステップST14)。つまり、サブ候補画像とモデル画像とを比較し、第4候補画像を探索する。ここで、サブ候補画像に加えて、サブ候補画像を回転させた回転画像を4回目の画像サーチ用の予備候補に含めてもよい。
【0080】
(12-3)利点
第1例において、2回目及び3回目の画像サーチでは、直前の画像サーチで求められた抽出画像の候補と、その周辺の画像と、のみをサーチ範囲(予備候補)とする。そのため、対象画像の全体をサーチ範囲とする場合と比較して、2回目及び3回目の画像サーチに要する時間を短縮できる。なお、2回目及び3回目の画像サーチにおいて、直前の画像サーチで求められた抽出画像の候補のみをサーチ範囲とし、抽出画像の候補の周辺の画像はサーチ範囲から除外しても構わない。
【0081】
また、第1例において、4回目の画像サーチでは、サブ候補画像もがサーチ範囲(予備候補)に加えられる。サブ候補画像は、画像サーチにより直接求められるのではなく、第1候補画像から求められるので、サブ候補画像を発見するまでに要する時間を短縮できる。よって、サブ候補画像が最終的なサーチ結果(抽出画像)として出力される場合、抽出画像を特定するまでに要する時間を短縮できる。
【0082】
また、本実施形態の画像処理方法は、1つのモデル画像に基づいて抽出画像を探索する。つまり、1つのモデル画像を変換して複数の回転画像を生成する。そのため、複数の回転画像を予め用意する場合と比較して、モデル画像が占める記憶容量を小さくできる。
【0083】
(13)第2例
画像処理方法により検査対象を検査する手順の第2例について、図7図8を参照して説明する。図7は、ある圧縮率のモデル画像を表す。図8は、ある圧縮率の対象画像を表す。
【0084】
第2例では、検査対象Ob2の2次元形状は、歯車の形状である。検査対象Ob2は、円盤状の円盤部Ob20と、複数(図7では18個)の歯Ob21と、を有する。複数の歯Ob21は、円盤部Ob20の外縁に等間隔に配置されている。複数の歯Ob21のうち1つの歯Ob210は、他の歯Ob21よりも長さが短い。
【0085】
図8において、領域R8は、対象画像の全体に対応する領域である。画像サーチで探索される抽出画像として正しい画像は、領域R81の画像である。
【0086】
しかしながら、1回目の画像サーチでは、第1の圧縮率の対象画像及び第1の圧縮率のモデル画像が用いられ、第1の圧縮率は圧縮率が比較的高い。そのため、複数の歯Ob21のうち長さが短い歯Ob210とその他の歯Ob21との形状の差異が小さくなる可能性がある。その結果、1回目の画像サーチでは、領域R82の画像が抽出画像の候補(第1候補画像)として出力される可能性がある。領域R82の画像は、領域R81の画像に対して所定角度だけ回転した画像である。
【0087】
そこで、サブ探索部52は、第1候補画像(領域R81の画像)を回転させた複数の画像を生成し、生成した複数の画像をそれぞれサブ候補画像とする。複数のサブ候補画像は、例えば、第1候補画像を360/N[度]刻みで回転させた画像である。Nは歯Ob21の数である。つまり、複数のサブ候補画像は、第1候補画像を20度、40度、60度、……、340度回転させた画像である。
【0088】
ここで、歯Ob21の数Nは、モデル画像の被写体(検査対象Ob2)の回転対称性に関する情報である。歯Ob21の数Nの情報は、操作部63に対するユーザの操作により提供されてもよい。あるいは、生成処理部53は、第1(第N)の圧縮率のモデル画像を解析することにより歯Ob21の数Nを求めてもよい。
【0089】
複数のサブ候補画像のうち1つは、領域R81の画像である。よって、複数のサブ候補画像をサーチ範囲(予備候補)に含む4回目の画像サーチにおいて、領域R81の画像が抽出画像として特定される。
【0090】
第2例でも、第1例と同様に、画像サーチに要する時間を短縮できる。
【0091】
(実施形態の変形例)
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0092】
実施形態では、複数回(F回)の画像サーチのうち最後の1つ(4回目)の画像サーチでのみ、サブ候補画像が予備候補に加えられる。これに対して、N回目(実施形態では、N=1)の画像サーチよりも後であって最後の画像サーチよりも前の(2回目又は3回目の)画像サーチにおいて、サブ候補画像が予備候補に加えられてもよい。また、複数回の画像サーチのうち2以上の画像サーチでサブ候補画像が予備候補に加えられてもよい。例えば、N回目(実施形態では、N=1)の画像サーチより後の(2~4回目の)画像サーチの全てにおいてサブ候補画像が予備候補に加えられてもよい。
【0093】
画像サーチに用いる画像は、輪郭線を抽出した画像に限らない。画像サーチに用いる画像は、撮像部61で生成される生データであってもよいし、生データに対して適宜変換がされたデータであってもよい。
【0094】
画像処理方法により、抽出画像が求められる。ただし、画像処理方法により最終的に出力される情報は、抽出画像でなくてもよく、例えば、抽出画像の位置(座標)情報と向きの情報とを含んでいればよい。
【0095】
モデル画像の被写体が非回転対称である場合は、サブ候補画像を生成する処理を無効化してもよい。
【0096】
画像処理方法は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。すなわち、一態様に係るプログラムは、画像処理方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0097】
本開示における画像処理システムX1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における画像処理システムX1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0098】
また、画像処理システムX1における複数の機能が、1つの装置に集約されていることは画像処理システムX1に必須の構成ではなく、画像処理システムX1の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、画像処理システムX1の少なくとも一部の機能、例えば、サーチ処理部S1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0099】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている画像処理システムX1等の少なくとも一部の機能が、1つの装置に集約されていてもよい。例えば、画像処理システムX1と駆動機構62とに分散されている機能が、1つの装置に集約されていてもよい。
【0100】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0101】
第1の態様に係る画像処理方法は、画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する。kは自然数の変数とする。N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとする。1回目の画像サーチでは、第1の圧縮率の対象画像の中から、第1候補画像を探索し、第1候補画像を、抽出画像の候補に加える。第1候補画像は、第1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。k+1回目の画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の対象画像の中から、k+1回目の画像サーチ用の予備候補を絞り込む。k+1回目の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補を含む。さらに、k+1回目の画像サーチでは、k+1回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第k+1候補画像を探索し、第k+1候補画像を、抽出画像の新たな候補に加える。第k+1候補画像は、第k+1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。画像処理方法は、サーチ処理と、取得処理と、サブ探索処理と、を含む。サーチ処理は、画像サーチを複数回行う。取得処理は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する。サブ探索処理は、N回目の画像サーチで求められた第N候補画像と、取得処理で取得された相関情報と、に基づいてサブ候補画像を求め、サブ候補画像を、M回目の画像サーチ用の予備候補に加える。
【0102】
上記の構成によれば、抽出画像を特定するための処理を高速化できる。
【0103】
また、第2の態様に係る画像処理方法では、第1の態様において、相関情報は、第N候補画像とサブ候補画像との回転角度差に関する情報を含む。
【0104】
上記の構成によれば、回転対称な被写体を含む抽出画像を高速に求められる。
【0105】
また、第3の態様に係る画像処理方法は、第2の態様において、生成処理を更に含む。生成処理では、モデル画像の被写体の回転対称性に基づいて回転角度差に関する情報を生成する。
【0106】
上記の構成によれば、回転角度差を入力する手間を低減できる。
【0107】
また、第4の態様に係る画像処理方法は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、相関情報決定処理を更に含む。相関情報決定処理では、ユーザの操作に応じて相関情報を決定する。
【0108】
上記の構成によれば、状況に応じて相関情報を変更できる。
【0109】
また、第5の態様に係る画像処理方法は、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、範囲拡張処理と、設定処理と、を更に含む。範囲拡張処理では、複数の回転画像を、k+1回目の画像サーチ用の予備候補に加える。複数の回転画像は、それぞれ、第k候補画像又はサブ候補画像を0度から設定角度以下の範囲で段階的に回転させた画像である。設定処理では、設定角度に関する情報を取得する。
【0110】
上記の構成によれば、画像サーチの精度を高められる。
【0111】
また、第6の態様に係る画像処理方法は、第5の態様において、設定角度決定処理を更に含む。設定角度決定処理では、ユーザの操作に応じて設定角度を決定する。
【0112】
上記の構成によれば、状況に応じて設定角度を変更できる。
【0113】
また、第7の態様に係る画像処理方法では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、N=1である。
【0114】
上記の構成によれば、1回目の画像サーチが行われた結果として、第1候補画像とサブ候補画像とが、予備候補に加えられる。よって、1回目の画像サーチで予備候補に不足が生じる可能性を低減でき、画像サーチの精度を高められる。
【0115】
また、第8の態様に係る画像処理方法では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、サーチ処理では、画像サーチを3回以上行う。
【0116】
上記の構成によれば、画像サーチの精度を高められる。
【0117】
また、第9の態様に係る画像処理方法は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、1つのモデル画像に基づいて抽出画像を探索する。
【0118】
上記の構成によれば、モデル画像が占める記憶容量を小さくできる。
【0119】
第1の態様以外の構成については、画像処理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0120】
また、第10の態様に係るプログラムは、第1~9の態様のいずれか1つに係る画像処理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0121】
上記の構成によれば、抽出画像を特定するための処理を高速化できる。
【0122】
また、第11の態様に係る画像処理システム(X1)は、画像サーチを複数回行い、対象画像の中から、モデル画像の特徴を含む画像である抽出画像を探索する。kは自然数の変数とする。N、Mは自然数の定数でMはNよりも大きいとする。1回目の画像サーチでは、第1の圧縮率の対象画像の中から、第1候補画像を探索し、第1候補画像を、抽出画像の候補に加える。第1候補画像は、第1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。k+1回目の画像サーチでは、第kの圧縮率よりも圧縮率の小さい第k+1の圧縮率の対象画像の中から、k+1回目の画像サーチ用の予備候補を絞り込む。k+1回目の画像サーチ用の予備候補は、k回目の画像サーチで求められた抽出画像の候補を含む。さらに、k+1回目の画像サーチでは、k+1回目の画像サーチ用の予備候補の中から、第k+1候補画像を探索し、第k+1候補画像を、抽出画像の新たな候補に加える。第k+1候補画像は、第k+1の圧縮率のモデル画像の特徴を含む。画像処理システム(X1)は、サーチ処理部(S1)と、取得部(51)と、サブ探索部(52)と、を備える。サーチ処理部(S1)は、画像サーチを複数回行う。取得部(51)は、第N候補画像と、サブ候補画像と、の相関を表す相関情報を取得する。サブ探索部(52)は、N回目の画像サーチで求められた第N候補画像と、取得部(51)で取得された相関情報と、に基づいてサブ候補画像を求め、サブ候補画像を、M回目の画像サーチ用の予備候補に加える。
【0123】
上記の構成によれば、抽出画像を特定するための処理を高速化できる。
【0124】
上記態様に限らず、実施形態に係る画像処理システム(X1)の種々の構成(変形例を含む)は、画像処理方法及びプログラムにて具現化可能である。
【符号の説明】
【0125】
51 取得部
52 サブ探索部
S1 サーチ処理部
X1 画像処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8