(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/12 20200101AFI20240531BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20240531BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20240531BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
H05B47/12
H05B47/175
G10L15/00 200N
G06F3/16 630
G06F3/16 650
(21)【出願番号】P 2022115025
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2021152221の分割
【原出願日】2017-09-07
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花園 正也
(72)【発明者】
【氏名】木村 克彦
(72)【発明者】
【氏名】夏目 龍司
(72)【発明者】
【氏名】福島 実
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-080195(JP,A)
【文献】特開平05-240494(JP,A)
【文献】特開2005-311864(JP,A)
【文献】特開2005-175816(JP,A)
【文献】特開2013-087990(JP,A)
【文献】特開2006-129098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/12
H05B 47/175
G10L 15/00
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具
が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別する状態判別部と、
音声信号
の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部、及び、前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部を有するユニットと、
前記音声認識情報に基づいて前記照明器具を制御する制御部と、を備え、
前記状態判別部及び前記制御部と前記ユニットとは互いに通信ネットワークを介して通信可能に構成さ
れ、
前記照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なる
制御システム。
【請求項2】
前記音声信号は、ユーザが発する指示音声に基づいて生成される
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記指示音声は、前記ユーザ毎に設定される
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記状態判別部は、センサの測定結果に基づいて、前記照明器具の状態を判別する
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記状態判別部は、前記照明器具への電力の供給状態に基づいて、前記照明器具の状態を判別する
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記状態判別部は、前記照明器具の操作部の操作に対応する操作信号に基づいて、前記照明器具の状態を判別する
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記実行条件は、
前記音声認識部が認識可能な前記音声信号の信号強度の最小値である検出閾値に関する条件、
前記音声認識部が認識対象とする対象音声モデルに関する条件、
前記音声認識部が認識対象とするユーザに関する条件、及び
前記音声認識部が認識対象とする指示音声の入射方向に関する条件、
の少なくとも1つを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項8】
ユーザの音声に基づいて音声信号を生成する音入力部と、
照明器具が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別した状態判別結果および前記音声信号に基づいてコマンドデータを生成し、前記コマンドデータに基づいて前記照明器具を制御する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記音声信号の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部と、
前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部と、を有し、
前記照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なり、
前記音入力部は、前記ユーザが発する指示音声に基づいて、前記音声信号を生成し、
前記指示音声は、前記ユーザ毎に設定される
制御システム。
【請求項9】
ユーザの音声に基づいて音声信号を生成する音入力部と、
複数の照明器具が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別した状態判別結果および前記音声信号に基づいてコマンドデータを生成し、前記コマンドデータに基づいて前記複数の照明器具を制御する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記音声信号の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部と、
前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部と、を有し、
前記複数の照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記複数の照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なり、
前記音入力部は、前記ユーザが発する指示音声に基づいて、前記音声信号を生成し、
前記指示音声は、前記ユーザ毎に設定される
制御システム。
【請求項10】
前記状態判別結果は、センサの測定結果に基づいて判別される
請求項8又は9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記状態判別結果は、前記照明器具への電力の供給状態に基づいて判別される
請求項8又は9に記載の制御システム。
【請求項12】
前記状態判別結果は、前記照明器具の操作部の操作に対応する操作信号に基づいて判別される
請求項8又は9に記載の制御システム。
【請求項13】
前記実行条件は、
前記音声認識部が認識可能な前記音声信号の信号強度の最小値である検出閾値に関する条件、
前記音声認識部が認識対象とする対象音声モデルに関する条件、
前記音声認識部が認識対象とするユーザに関する条件、及び
前記音声認識部が認識対象とする指示音声の入射方向に関する条件、
の少なくとも1つを含む、
請求項8又は9に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具を音声によって遠隔操作する制御装置がある。
【0003】
例えば特許文献1では、照明器具の各々に、マイクと音声認識部とを有する音声制御手段が設けられている。音声認識手段は、予め照明器具の識別音声、及び照明器具の状態(点灯、消灯、調光)の命令音声を登録できるように構成されている。そして、識別音声を伴って発せられた点灯、消灯、または調光の命令音声が、音声制御手段のマイクを通じて音声認識部にてそれぞれ認識されることにより、識別音声に該当する照明器具の状態が個々に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の制御装置では、照明器具を誤った状態に制御する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、音声認識による制御精度を向上させることができる制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る制御システムは、状態判別部と、ユニットと、制御部と、を備える。前記状態判別部は、照明器具が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別する。前記ユニットは、音声信号の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部、及び、前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部を有する。前記制御部は、前記音声認識情報に基づいて前記照明器具を制御する。前記状態判別部及び前記制御部と前記ユニットとは互いに通信ネットワークを介して通信可能に構成される。前記照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なる。
【0008】
本発明の一態様に係る制御システムは、音入力部と、信号処理部と、を備える。前記音入力部は、ユーザの音声に基づいて音声信号を生成する。前記信号処理部は、照明器具が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別した状態判別結果および前記音声信号に基づいてコマンドデータを生成し、前記コマンドデータに基づいて前記照明器具を制御する。前記信号処理部は、前記音声信号の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部と、前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部と、を有する。前記照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なる。前記音入力部は、前記ユーザが発する指示音声に基づいて、前記音声信号を生成する。前記指示音声は、前記ユーザ毎に設定される。
【0009】
本発明の一態様に係る制御システムは、音入力部と、信号処理部と、を備える。前記音入力部は、ユーザの音声に基づいて音声信号を生成する。前記信号処理部は、複数の照明器具が点灯状態であるか消灯状態であるかを判別した状態判別結果および前記音声信号に基づいてコマンドデータを生成し、前記コマンドデータに基づいて前記複数の照明器具を制御する。前記信号処理部は、前記音声信号の音声認識を実行するときの実行条件を設定する条件設定部と、前記条件設定部が設定した前記実行条件で音声認識を行って音声認識情報を生成する音声認識部と、を有する。前記複数の照明器具が点灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件と、前記複数の照明器具が消灯状態である場合に前記条件設定部が設定する前記実行条件とが異なる。前記音入力部は、前記ユーザが発する指示音声に基づいて、前記音声信号を生成する。前記指示音声は、前記ユーザ毎に設定される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、音声認識による制御精度を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態における照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の照明制御システムを有する音声スイッチを示す正面図である。
【
図3】
図3は、同上の照明制御方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、同上の照明制御システムの変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態は、照明制御システム、及び装置に関する。より詳細には、本実施形態は、音声に基づいて照明器具を制御する照明制御システム、及び装置に関する。
【0013】
以下に説明する照明制御システムは、ユーザの音声に基づいて照明器具の状態(点灯、消灯、調光、調色など)を制御する。この照明制御システムは、戸建て住宅、集合住宅の各住戸、店舗、オフィス、工場、商業施設などに設置される。
【0014】
図1は、照明制御システム1の構成例を示す。照明制御システム1は、信号処理部10と、マイクロホン11(音入力部)とを備えており、照明器具2の状態を制御する。
【0015】
照明器具2は、複数のLED(Light Emitting Diode)を光源として備えており、複数のLEDは、互いに異なる発光色のLEDで構成されている。すなわち、照明器具2は、調光及び調色が可能な光源を有している。なお、調光及び調色の両方が可能な照明器具2を備えることは必須ではなく、調光及び調色のうちいずれか一方が可能な照明器具2、または点灯及び消灯のみが可能な照明器具2であってもよい。
【0016】
そして、ユーザは、照明器具2の状態を制御する場合に、制御内容を表す単語、文節、文などの指示音声を発話する。照明制御システム1は、ユーザが発した指示音声を音声認識し、認識した指示音声に対応する制御内容になるように照明器具2の状態を制御することで、照明制御を実行する。
【0017】
照明制御システム1で使用可能な指示音声は予め決められており、指示音声には、[点灯(またはオン)]、[消灯(またはオフ)]、[もっと明るく]、[もっと暗く]、[電球色]、[昼白色]などがある。ユーザは、消灯状態(完全消灯)の照明器具2を点灯させる場合に指示音声[点灯(またはオン)]を発する。また、ユーザは、点灯状態(全点灯状態、及び調光状態)の照明器具2を消灯させる場合に指示音声[消灯(またはオフ)]を発する。また、ユーザは、点灯状態の照明器具2の光出力を増加させる場合に指示音声[もっと明るく]を発する。また、ユーザは、点灯状態の照明器具2の光出力を低下させる場合に指示音声[もっと暗く]を発する。また、ユーザは、点灯状態の照明器具2を電球色に調色する場合に指示音声[電球色]を発する。また、ユーザは、点灯状態の照明器具2を昼白色に調色する場合に指示音声[昼白色]を発する。なお、指示音声は、上述の指示音声に限定されず、他の指示音声であってもよい。
【0018】
マイクロホン11は、ユーザの音声を集音して電気信号に変換し、この電気信号を音声信号として信号処理部10へ出力する。本実施形態のマイクロホン11は、アナログ-デジタル変換部(AD変換部)を有しており、アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換して出力する。
【0019】
信号処理部10は、音声認識部12と、照明制御部13と、状態判別部14と、条件設定部15と、記憶部16とを備える。
【0020】
本実施形態における照明制御システム1(信号処理部10)または照明制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本実施形態における照明制御システム1(信号処理部10)または照明制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0021】
音声認識部12は、音声信号に基づいて音声を認識して、認識した音声に対応する音声識別情報を生成する。すなわち、音声処理は、音声信号に基づいて音声を認識する音声認識処理と、認識した音声に基づいて音声識別情報を生成する情報生成処理とを有する。
【0022】
具体的に、記憶部16には、複数の指示音声の各音声モデルが予め記憶されている。そして、音声認識部12は、音声信号と記憶部16の音声モデルとを比較し、音声信号と一致または類似する音声モデルがあれば、集音された音声が表す言葉(単語、文節、文)を特定することができる。すなわち、音声認識部12は、ユーザが発した指示音声を認識することができる。
【0023】
音声認識部12は、ユーザが発した指示音声を認識した場合、認識した指示音声に対応する音声認識情報を生成する。本実施形態において、音声認識情報は、認識した指示音声に予め対応付けられているコマンドデータである。すなわち、複数のコマンドデータが、複数の指示音声のそれぞれに1対1に予め対応付けられている。記憶部16は、複数のコマンドデータと複数の指示音声との対応関係を予め記憶しており、音声認識部12は、この対応関係を参照することで、認識した指示音声に対応するコマンドデータを生成できる。
【0024】
例えば、指示音声[点灯(またはオン)]に対応するコマンドデータは、点灯コマンドである。指示音声[消灯(またはオフ)]に対応するコマンドデータは、消灯コマンドである。指示音声[もっと明るく]に対応するコマンドデータは、第1調光コマンドである。指示音声[もっと暗く]に対応するコマンドデータは、第2調光コマンドである。指示音声[電球色]に対応するコマンドデータは、第1調色コマンドである。指示音声[昼白色]に対応するコマンドデータは、第2調色コマンドである。なお、コマンドデータは、上述のコマンドデータに限定されず、他のコマンドデータであってもよい。
【0025】
照明制御部13は、音声認識部12が生成したコマンドデータに基づいて、照明器具2の状態を制御する。照明制御部13は、照明器具2と有線通信または無線通信を行い、照明器具2の状態を制御するための制御信号を照明器具2へ送信することができる。
【0026】
例えばコマンドデータが点灯コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2を消灯状態から点灯状態に移行させるために、照明器具2の光出力を増加させる点灯制御を実行する。また、コマンドデータが消灯コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2を点灯状態から消灯状態に移行させるために、照明器具2の光出力を低下させる消灯制御を実行する。また、コマンドデータが第1調光コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2の光出力を所定量だけ増加させる調光制御を実行する。また、コマンドデータが第2調光コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2の光出力を所定量だけ低下させる調光制御を実行する。また、コマンドデータが第1調色コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2の発光色が電球色になるように調色する調色制御を実行する。また、コマンドデータが第2調色コマンドである場合、照明制御部13は、照明器具2の発光色が昼白色になるように調色する調色制御を実行する。
【0027】
そして、信号処理部10は、音声認識部12による音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させるために、状態判別部14、及び条件設定部15を備えている。
【0028】
まず、状態判別部14は、照明器具2への電力の供給状態に基づいて、照明器具2の状態を判別する。
【0029】
ここで、本実施形態の照明制御システム1は、
図2に示すように、照明器具2の点灯、消灯を切り換える照明スイッチ3に内蔵されている。照明スイッチ3は、本体30の表面に操作部31を備えており、操作部31がユーザに操作されることによって照明器具2の点灯、消灯を切り換えることができる。そして、照明スイッチ3は、操作部31の操作に対応する操作信号を信号処理部10へ出力する。操作信号は、操作部31の操作が点灯操作及び消灯操作のいずれであるかを表している。
【0030】
状態判別部14は、操作信号に基づいて、操作部31に対して点灯操作または消灯操作が行われたことを検出できる。そこで、状態判別部14は、操作部31に対して点灯操作が行われた場合、照明器具2へ電力が供給されて、照明器具2が点灯状態であると判別する。また、状態判別部14は、操作部31に対して消灯操作が行われた場合、照明器具2への電力供給が停止されて、照明器具2が消灯状態であると判別する。
【0031】
条件設定部15は、状態判別部14の状態判別結果に基づいて、音声認識部12による音声認識の実行条件を適宜設定する。すなわち、音声認識部12による音声認識の実行条件は、状態判別部14の状態判別結果に応じて設定される。
【0032】
音声認識の実行条件とは、音声認識部12が音声認識を実行するために満たすことが必要な条件である。
【0033】
本実施形態における音声認識の実行条件には、例えば以下の実行条件1-4がある。
・実行条件1:音声認識部12の音声処理における検出閾値
・実行条件2:音声認識部12が認識対象とする対象音声モデル
・実行条件3:音声認識部12が認識対象とするユーザ
・実行条件4:音声認識部12が認識対象とする指示音声の入射方向
まず、実行条件1について説明する。
【0034】
実行条件1は、音声認識部12の音声処理における検出閾値である。音声認識部12の音声処理における検出閾値を設定することによって、音声認識部12の音声認識処理における音声信号の検出感度が設定される。検出閾値は、音声認識部12が認識可能な音声信号の信号強度の最小値である。本実施形態の音声信号は電圧信号であり、音声信号の信号強度は、音声信号の電圧値に相当する。音声認識部12は、音声信号の電圧値が検出閾値以上になれば音声処理を開始し、音声信号の電圧値が一定時間以上に亘って検出閾値未満になれば音声処理を停止する。すなわち、音声認識部12は、音声信号の電圧値が検出閾値になれば音声処理を実行する。
【0035】
そして、検出閾値がより小さくなれば、音声信号の検出感度がより高くなり、音声認識部12は、小さい音量の音声(電圧値が小さい音声信号)に対して音声認識を行うことができる。また、検出閾値がより大きくなれば、音声信号の検出感度がより低くなり、音声認識部12は、小さい音量の音声に対して音声認識を行いにくくなる。この検出感度の変更処理は、条件設定部15が、検出閾値に関するパラメータを変更することによって行われる。
【0036】
条件設定部15による検出閾値(音声信号の検出感度)の変更処理について、以下に例示する。なお、検出閾値は、低値及び高値のいずれかに設定される。低値は高値に比べて小さく、検出閾値が低値に設定された音声認識部12は、検出閾値が高値に設定された音声認識部12に比べて、音声信号の検出感度が高くなって、より音量が小さい音声を認識することができる。
【0037】
[検出閾値の第1設定例]
照明器具2は消灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、音声認識部12の検出閾値を低値に設定して、音声信号の検出感度を高くする。すなわち、照明器具2が消灯状態である場合、音声認識部12は、音量が小さい音声を認識することができる。したがって、音声認識部12は、指示音声[点灯(またはオン)]の音量が小さい場合でも、指示音声を認識することができる。この結果、ユーザが照明器具2を点灯させるために指示音声[点灯(またはオン)]を発したときに、照明器具2が点灯しない未点灯状態を低減させることができる。
【0038】
照明器具2は点灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、音声認識部12の検出閾値を高値に設定して、音声信号の検出感度を低くする。すなわち、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、音量が小さい音声を認識することが困難になる。したがって、音声認識部12は、テレビの音声、ユーザの会話などの指示音声以外の音声(通常音声)に誤って反応する可能性を低くすることができる。この結果、指示音声でない通常音声によって照明器具2が誤って消灯する誤消灯の発生が低減し、誤消灯によるリスクを低くすることができる。
【0039】
このように、照明制御システム1は、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0040】
また、条件設定部15は、音声信号の電圧値が上昇するときに用いる検出閾値と、音声信号の電圧値が下降するときに用いる検出閾値とを別の値にして、検出閾値との比較処理にヒステリシス特性を付与してもよい。
【0041】
[検出閾値の第2設定例]
照明器具2は消灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、音声認識部12の検出閾値を高値に設定して、音声信号の検出感度を低くする。すなわち、照明器具2が消灯状態である場合、音声認識部12は、音量が小さい音声を認識することが困難になる。したがって、音声認識部12は、ユーザが寝室で就寝しているときに、寝室内の物音、寝室外の話し声などの通常音声に反応する可能性を低くすることができる。この結果、ユーザの就寝中などに、指示音声でない通常音声によって照明器具2が誤って点灯する誤点灯の発生が低減する。
【0042】
照明器具2は点灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、音声認識部12の検出閾値を低値に設定して、音声信号の検出感度を高くする。すなわち、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、音量が小さい音声を認識することができる。したがって、音声認識部12は、指示音声[消灯(またはオフ)]の音量が小さい場合でも、指示音声を認識することができる。この結果、ユーザが照明器具2を消灯させるために指示音声[消灯(またはオフ)]を発したときに、照明器具2が消灯しない未消灯状態を低減させることができる。
【0043】
このように、照明制御システム1は、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0044】
また、条件設定部15は、音声信号の電圧値が上昇するときに用いる検出閾値と、音声信号の電圧値が下降するときに用いる検出閾値とを別の値にして、検出閾値との比較処理にヒステリシス特性を付与してもよい。
【0045】
次に、実行条件2について説明する。
【0046】
実行条件2は、音声認識部12が認識対象とする対象音声モデルである。記憶部16には、複数の指示音声の各音声モデルが予め記憶されている。そして、音声認識部12は、音声信号と記憶部16の音声モデルとを比較し、音声信号と一致する音声モデルがあれば、集音された音声が表す言葉(単語、文節、文)を特定することができる。
【0047】
しかしながら、音声認識部12が比較すべき音声モデルの数が多い場合、音声認識部12の誤認識が多くなる可能性がある。そこで、条件設定部15は、記憶部16に記憶されている複数の音声モデルのうち、音声認識部12が音声認識処理に使用可能な1つ以上の音声モデルを、対象音声モデルとして設定する。音声認識部12は、対象音声モデルに対応する指示音声のみを認識できる。
【0048】
[対象音声モデルの設定例]
照明器具2は消灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、対象音声モデルとして、指示音声[点灯(またはオン)]のみを設定する。すなわち、照明器具2が消灯状態である場合、音声認識部12は、指示音声[点灯(またはオン)]のみを認識することができる。一般に、照明器具2が消灯状態である場合に、指示音声[消灯(またはオフ)]、[もっと明るく]、[もっと暗く]、[電球色]、[昼白色]などは用いられない。そこで、音声認識部12は、照明器具2が消灯状態である場合に用いられない指示音声に対応する音声モデルを音声認識処理に用いないことによって、音声の誤認識を低減させることができる。
【0049】
さらに、音声認識部12は、対象音声モデルのみを音声認識処理に用いるので、音声認識処理における演算負荷を低減させることもできる。
【0050】
次に、実行条件3について説明する。
【0051】
実行条件3は、音声認識部12が認識対象とするユーザである。
【0052】
指示音声の音声モデルがユーザ毎に記憶部16に予め記憶されている場合、ユーザの数が多いと、音声認識部12の誤認識が多くなる可能性がある。そこで、条件設定部15は、記憶部16に記憶されているユーザ毎の音声モデルのうち、音声認識部12が音声認識処理の対象とする1人以上のユーザ(対象ユーザ)の音声モデルを、対象音声モデルとして設定する。音声認識部12は、対象音声モデル(対象ユーザの音声モデル)に対応する指示音声のみを認識できる。
【0053】
[ユーザの設定例]
照明器具2は点灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、対象音声モデルとして、父親または母親の音声モデルのみを設定する。すなわち、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、父親または母親の指示音声のみを認識することができる。したがって、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、子供の指示音声を音声認識しないので、子供の指示音声によって照明器具2が誤って消灯する誤消灯の発生が低減し、誤消灯によるリスクを低くすることができる。
【0054】
次に、実行条件4について説明する。
【0055】
実行条件4は、音声認識部12が認識対象とする指示音声の入射方向である。
【0056】
この場合、マイクロホン11は、複数のマイクロホンを有するマイクロホンアレイであり、複数のマイクロホンをアレー状に並べている。音声認識部12は、マイクロホンアレイの各出力から音声の入射方向(マイクロホン11からみたユーザの方向)を検出することができる。そこで、条件設定部15は、音声の入射方向が特定の認識対象方向である音声信号のみを音声認識の対象とする。
【0057】
[指示音声の入射方向の設定例]
照明器具2は点灯状態である、と状態判別部14が判別した場合、条件設定部15は、マイクロホン11から見てテレビが置かれている方向以外を認識特定方向とする。すなわち、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、テレビが置かれている方向以外からの指示音声のみを認識することができる。したがって、照明器具2が点灯状態である場合、音声認識部12は、テレビの音声によって誤って照明器具2が消灯する誤消灯の発生を低減させることができ、誤消灯によるリスクを低くすることができる。
【0058】
なお、検出閾値、認識対象とする対象音声モデル、認識対象とするユーザ、及び認識対象とする指示音声の入射方向による各実行条件の具体的な内容は、上記以外でもよい。また、条件設定部15は、上述の実行条件1-4を適宜組み合わせることも可能である。
【0059】
さらに、条件設定部15は、照明器具2の状態に加えて、状態判別部14の状態判別結果以外の外的要因も用いて、音声認識の実行条件を設定することが好ましい。
【0060】
外的要因には、時刻、照明器具2の照明空間における人の有無などがある。
【0061】
例えば、現在時刻が昼間の時間帯(8時-18時)に属していれば、条件設定部15は、消灯コマンドに関する音声モデルのみを対象音声モデルに設定し、他の点灯コマンド、調光コマンド、及び調色コマンドに関する指示音声を対象音声モデルから除外する。すなわち、現在時刻が昼間の時間帯(8時-18時)に属している場合、音声認識部12は、消灯コマンドに関する指示音声のみを認識することができる。したがって、現在時刻が昼間の時間帯(8時-18時)に属している場合、誤って照明器具2が点灯する誤点灯の発生が低減する。なお、現在時刻が昼間以外の時間帯(18時-8時)に属していれば、条件設定部15は、全ての音声モデルを対象音声モデルに設定することができる。
【0062】
また、照明器具2の照明空間に人が存在していなければ、条件設定部15は、消灯コマンドに関する音声モデルのみを対象音声モデルに設定し、他の点灯コマンド、調光コマンド、及び調色コマンドに関する指示音声を対象音声モデルから除外する。すなわち、照明空間に人が存在していない場合、音声認識部12は、消灯コマンドに関する指示音声のみを認識することができる。したがって、照明空間に人が存在していない場合、誤って照明器具2が点灯する誤点灯の発生が低減する。なお、照明器具2の照明空間に人が存在していれば、条件設定部15は、全ての音声モデルを対象音声モデルに設定することができる。
【0063】
また、状態判別部14は、照明器具2による照明空間の照度に基づいて、照明器具2の状態を判別してもよい。この場合、照明空間の照度を測定する照度センサが設置されており、状態判別部14は、照度センサの測定結果に基づいて照明空間の照度を検出する。そして、状態判別部14は、照明空間の照度が予め決められた照度閾値以上であれば、照明器具2が点灯状態であると判別する。また、状態判別部14は、照明空間の照度が照度閾値未満であれば、照明器具2が消灯状態であると判別する。この場合、照明器具2が照射する光及び外光の両方を考慮した照明空間の照度を検出できるので、照明空間に照射される外光の量を考慮した照明制御を行うことが可能になる。
【0064】
また、状態判別部14は、照明器具2の状態として照明器具2の調光レベルを判別してもよい。この場合、条件設定部15は、照明器具2の調光レベルに応じて音声認識の実行条件を設定する。したがって、条件設定部15は、実行条件をより細かく設定することができ、音声認識部12における音声信号の検出閾値、認識対象とする対象音声モデル、認識対象とするユーザ、認識対象とする指示音声の入射方向などをきめ細かく切り替えることができる。
【0065】
なお、照明制御システム1は、複数の照明器具2に対して、音声認識による照明制御を実行してもよい。この場合、照明制御システム1は、個別制御、グループ制御、シーン制御を実行できることが好ましい。個別制御では、複数の照明器具2のそれぞれに対して個別に照明制御が行われる。グループ制御では、2つ以上の照明器具が同時に同じ状態に制御される。シーン制御では、複数の照明器具2のそれぞれが同時に制御されて、複数の照明器具2のそれぞれが特定の状態になるように制御される。
【0066】
さらに、照明制御システム1は、音声認識部12と、照明制御部13と、状態判別部14と、条件設定部15と、記憶部16とを、2つ以上のユニットに分散させてもよい。また、照明制御システム1は、音声認識部12と、照明制御部13と、状態判別部14と、条件設定部15と、記憶部16とを、1つの筐体に収めた1つの装置で実現されてもよい。
【0067】
さらに、音声認識部12、照明制御部13、状態判別部14、条件設定部15、記憶部16のそれぞれは、1つのユニットで実現される構成、2つ以上のユニットで実現される構成のいずれでもよい。また、照明制御システム1の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0068】
上述の照明制御システム1による照明制御方法は、
図3のフローチャートに示される。
【0069】
まず、マイクロホン11が、音声を集音し、音声信号を生成して出力する(ステップS1)。
【0070】
状態判別部14が、照明器具2の状態を判別する(ステップS2)。
【0071】
条件設定部15が、状態判別部14の状態判別結果に基づいて音声認識部12による音声認識の実行条件を設定する(ステップS3)。
【0072】
音声認識部12が、音声信号に対して音声認識を実行することで指示音声を認識する。そして、音声認識部12は、認識した指示音声に対応するコマンドデータ(音声認識情報)を生成する(ステップS4)。
【0073】
照明制御部13が、コマンドデータに基づいて照明器具2を制御する(ステップS5)。
【0074】
(変形例)
図4は、本実施形態の変形例である照明制御システム1Aの構成を示す。
【0075】
本変形例において、
図1の信号処理部10は、第1ユニット101、及び第2ユニット102に分割されている。第1ユニット101は、照明制御部13、及び状態判別部14を有する。第2ユニット102は、音声認識部12、条件設定部15、及び記憶部16を有する。
【0076】
そして、照明制御システム1Aは、マイクロホン11と、通信部17と、第1ユニット101とを備える。さらに、第2ユニット102は、遠隔地のサーバ4に設けられている。サーバ4は、通信部18と、第2ユニット102とを有する。第1ユニット101の通信部17と第2ユニット102の通信部18とは、例えば電力線、無線LAN、インターネット、移動体通信網などの少なくとも1つを含む通信ネットワークNT1を介して、互いに通信可能に構成されている。
【0077】
そして、マイクロホン11が集音した音声の音声信号、及び状態判別部14の状態判別結果は、通信部17によって通信部18へ送信される。第2ユニット102では、条件設定部15が、状態判別部14の状態判別結果に基づいて音声認識の実行条件を設定し、音声認識部12が、実行条件にしたがって音声処理を実行する。音声認識部12は、ユーザが発した指示音声を認識した場合、認識した指示音声に対応するコマンドデータ(音声認識情報)を生成する。コマンドデータは、通信部18によって通信部17へ送信される。第1ユニット101では、照明制御部13が、コマンドデータに基づいて照明器具2を制御する。
【0078】
この変形例では、サーバ4が、実行条件の設定処理、及び音声処理を行う。一般に、音声処理の負荷は大きいため、この音声処理をサーバ4に行わせることで、照明制御システム1Aの演算処理の負荷を低減させることができる。
【0079】
なお、照明制御システム1Aは、マイクロホン11を備えることは必須ではない。この場合、マイクロホン11は、照明制御システム1Aとは別のユニットで構成されることが好ましい。
【0080】
また、マイクロホン11及び第2ユニット102は、1つ以上のユニットで構成されて、照明制御システム1Aと同一空間(部屋、建物、施設など)に配置されてもよい。
【0081】
また、条件設定部15は、第1ユニット101に設けられてもよい。この場合、通信部17は、条件設定部15による設定内容(音声処理の実行条件)を表す設定信号を通信部18へ送信する。そして、音声認識部12は、設定信号に基づいて音声処理の実行条件を更新する。
【0082】
また、音声認識情報は、認識した指示音声に予め対応付けられているコマンドデータ以外であってもよく、例えば、認識した指示音声のテキストデータであってもよい。
【0083】
上述のように、本発明の実施形態に係る第1の態様の照明制御システム1は、音声認識部12と、照明制御部13と、状態判別部14と、条件設定部15と、を備える。音声認識部12は、音声信号に対して音声認識を実行することで、認識した音声に対応する音声認識情報(コマンドデータ、またはテキストデータ)を生成する音声処理を実行する。照明制御部13は、音声認識情報に基づいて照明器具2を制御する。状態判別部14は、照明器具2の状態を判別する、条件設定部15は、状態判別部14の状態判別結果に基づいて音声認識部12による音声処理の実行条件を設定する。
【0084】
上述の照明制御システム1は、照明器具2の状態(点灯状態、消灯状態、調光レベルなど)に応じて、音声認識に実行条件を設定する。したがって、照明制御システム1は、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0085】
また、実施形態に係る第2の態様の照明制御システム1では、第1の態様において、音声認識部12は、音声信号の信号強度を検出閾値と比較し、信号強度が検出閾値以上であれば、音声処理を開始する。そして、条件設定部15は、状態判別結果に基づいて検出閾値を設定することが好ましい。
【0086】
したがって、照明制御システム1は、状態判別部14の状態判別結果に基づいて音声信号の検出感度を設定することができ、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0087】
また、実施形態に係る第3の態様の照明制御システム1では、第2の態様において、状態判別結果として照明器具2が点灯状態である場合、条件設定部15は、検出閾値を下げることが好ましい。
【0088】
したがって、照明制御システム1では、指示音声でない通常音声によって照明器具2が誤って消灯する誤消灯の発生が低減し、誤消灯によるリスクを低くすることができる。
【0089】
また、実施形態に係る第4の態様の照明制御システム1では、第2の態様において、状態判別結果として照明器具2が消灯状態である場合、条件設定部15は、検出閾値を下げることが好ましい。
【0090】
したがって、照明制御システム1では、ユーザの就寝中などに、指示音声でない通常音声によって照明器具2が誤って点灯する誤点灯の発生が低減する。
【0091】
また、実施形態に係る第5の態様の照明制御システム1では、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、音声認識情報は複数であって、複数の音声認識情報は、複数の音声モデルにそれぞれ対応付けられている。音声認識部12が認識した音声が複数の音声モデルのうち1つ以上の対象音声モデルに一致する場合に、音声認識部12は音声認識情報を生成する。そして、条件設定部15は、状態判別結果に基づいて対象音声モデルを設定することが好ましい。
【0092】
したがって、照明制御システム1は、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。さらに、照明制御システム1は、対象音声モデル以外の音声モデルを音声処理に用いないことによって、音声認識部12の音声処理による演算負荷を低減させることができる。
【0093】
また、実施形態に係る第6の態様の照明制御システム1では、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、状態判別部14は、照明器具2への電力の供給状態に基づいて、照明器具2の状態を判別することが好ましい。
【0094】
したがって、照明制御システム1は、照明器具2の状態を容易に判別できる。
【0095】
また、実施形態に係る第7の態様の照明制御システム1では、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、状態判別部14は、照明器具2による照明空間の照度に基づいて、照明器具2の状態を判別することが好ましい。
【0096】
したがって、照明制御システム1は、照明器具2の状態を容易に判別できる。また、照明器具2が照射する光及び外光の両方を考慮した照明空間の照度を検出できるので、照明空間に照射される外光の量を考慮した照明制御を行うことが可能になる。
【0097】
また、実施形態に係る第8の態様の照明制御システム1では、第1乃至第7の態様のいずれか1つにおいて、状態判別部14は、照明器具2の状態として照明器具2の調光レベルを判別することが好ましい。
【0098】
したがって、照明制御システム1は、実行条件をより細かく設定することができる。
【0099】
また、実施形態に係る第9の態様の照明制御システム1では、第1乃至第8の態様のいずれか1つにおいて、条件設定部15は、状態判別部14の状態判別結果以外の外的要因に基づいて、音声認識の実行条件を設定することが好ましい。
【0100】
したがって、照明制御システム1では、外的要因によって実行条件を切り替えるので、誤って照明器具2が制御される誤制御の発生がより低減する。
【0101】
また、本発明の実施形態に係る第10の態様の照明制御システム1Aは、音声信号に対して音声認識を実行する音声認識部12が認識した音声に対応する音声認識情報(コマンドデータ、またはテキストデータ)を受け取る。照明制御システム1Aは、照明制御部13と、状態判別部14と、通信部17と、を備える。照明制御部13は、音声認識情報に基づいて照明器具2を制御する。状態判別部14は、照明器具2の状態を判別する。通信部17は、音声信号及び状態判別部14の判別結果を音声認識部12へ出力し、音声認識情報を音声認識部12から受け取る。
【0102】
上述の照明制御システム1Aは、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。また、音声処理をサーバ4に行わせることで、照明制御システム1Aの演算処理の負荷を低減させることができる。
【0103】
また、本発明の実施形態に係る第11の態様の照明制御方法は、以下の各ステップを備える。
・音声信号に対して音声認識を実行することで音声を認識し、認識した音声に対応する音声認識情報(コマンドデータ、またはテキストデータ)を生成する音声処理を実行する音声認識ステップ(ステップS4)。
・音声認識情報に基づいて照明器具2を制御する照明制御ステップ(ステップS5)。
・照明器具2の状態を判別する状態判別ステップ(ステップS2)。
・状態判別ステップの状態判別結果に基づいて音声認識ステップによる音声処理の実行条件を設定する条件設定ステップ(ステップS3)。
【0104】
上述の照明制御方法は、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0105】
また、本発明の実施形態に係る第12の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第11の態様の照明制御方法を実行させる。
【0106】
上述のプログラムは、音声の誤認識を低減させて、音声認識による照明器具2の制御精度を向上させることができる。
【0107】
また、本発明の実施形態に係る別の態様の照明制御システムは、音声信号に対して音声認識を実行する音声認識部12が認識した音声に対応する音声認識情報(コマンドデータ、またはテキストデータ)を受け取る。照明制御システムは、照明制御部13と、状態判別部14と、条件設定部15と、通信部17と、を備える。照明制御部13は、音声認識情報に基づいて照明器具2を制御する。状態判別部14は、照明器具2の状態を判別する。条件設定部15は、状態判別部14の状態判別結果に基づいて音声認識部12による音声処理の実行条件を設定する。通信部17は、状態判別部14の判別結果を音声認識部12へ出力し、音声認識情報を音声認識部12から受け取る。
【0108】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0109】
1,1A 照明制御システム
11 マイクロホン
12 音声認識部
13 照明制御部
14 状態判別部
15 条件設定部
16 記憶部
17 通信部
18 通信部
2 照明器具
3 照明スイッチ
4 サーバ