(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】バッテリ管理システム及びバッテリ管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240607BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20240607BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20240607BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20240607BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
G06Q10/20
B60L53/65
B60L53/68
B60L53/80
H01M10/42 A
(21)【出願番号】P 2021511459
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(86)【国際出願番号】 JP2020012551
(87)【国際公開番号】W WO2020203377
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2019070128
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青砥 宏治
(72)【発明者】
【氏名】財津 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】惠比須 博充
(72)【発明者】
【氏名】篠原 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】竹村 将志
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 健一郎
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160074(JP,A)
【文献】国際公開第2010/117082(WO,A1)
【文献】特開2013-255965(JP,A)
【文献】特開2018-72241(JP,A)
【文献】特開2013-84198(JP,A)
【文献】特表2014-525229(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0264996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B60L 53/00-53/80
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、
この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、
ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、
を有するバッテリ管理システムであって、
前記サーバ装置は、
ユーザが使用中のバッテリ装置の個体識別情報と回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報とを照合することにより、回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの前記端末装置に交換催促通知を送信し、
前記端末装置は、
前記交換催促通知を受信すると、ユーザにバッテリ装置の交換を促す
メッセージを表示することを特徴とするバッテリ管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記端末装置を介して車両からバッテリ装置の
前記個体識別情報を取得し、回収対象のバッテリ装置の前記個体識別情報と照合し、両者が一致する場合に、そのユーザの前記端末装置に前記交換催促通知を送信することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
回収対象となるバッテリ装置を一覧表示する表示情報を出力することを特徴とする請求項1
または請求項2のいずれかに記載のバッテリ管理システム。
【請求項4】
サーバ装置において、バッテリ交換サービスで供用中のバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、
バッテリ装置の供用を開始する際に、そのバッテリ装置の個体識別情報を登録して、その個体識別情報に基づいて供用中のバッテリ装置を管理し、
回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報が登録された場合、
ユーザが使用中のバッテリ装置の前記個体識別情報と回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報とを照合することにより、その回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの端末装置に交換催促通知を送信し、
前記交換催促通知を受信した前記端末装置により、ユーザにバッテリ装置の交換を促す
メッセージを表示することを特徴とするバッテリ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動車両などのユーザがバッテリステーションでバッテリ装置を交換するバッテリ交換サービスにおいて、供用中のバッテリ装置を管理するバッテリ管理システム及びバッテリ管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、排気ガスによる大気汚染や燃料コストの問題を解消する観点から、電動バイクなどの電動車両が注目されている。このような電動車両では、バッテリ装置の性能向上により航続距離が伸びているが、バッテリ装置の充電が支障となって、長時間の連続走行ができないという不便がある。
【0003】
そこで、このような不便を解消するため、従来、電動車両に、着脱可能なバッテリ装置を搭載して、バッテリステーションにおいて、残量が少なくなったバッテリ装置と充電済みのバッテリ装置とを交換できるようにして、長時間の連続走行を実現するバッテリ交換サービスが知られている(特許文献1、2参照)。
【0004】
また、同様のバッテリ交換サービスにおいて、バッテリ装置やバッテリ交換装置に設けられたセンサによって、危険状態(温度レベル、電圧レベル、電流レベル、短絡などの異常)を検知すると、ロック機構を作動させて、バッテリ装置が交換できないようにする技術が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2014-525231号公報
【文献】特開2017-91426号公報
【文献】特表2017-502453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、バッテリ装置の供用を開始した後に、異常が発見されることがあるが、この異常が、製造段階での何らかの不備によるものであると、同一の製造ラインで同時期に製造されたものも、同様の異常が発生する可能性がある。そこで、このような将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリ装置を特定して、そのバッテリ装置の使用を中止して速やかに回収することが望まれる。
【0007】
しかしながら、特許文献3に開示された従来の技術は、センサにより、個々のバッテリ装置で既に発生している異常を検知するものであり、将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリ装置を特定して、そのバッテリ装置を速やかに回収することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリ装置を特定して、そのバッテリ装置を速やかに回収することができるバッテリ管理システム及びバッテリ管理方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のバッテリ管理システムは、バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、を有するバッテリ管理システムであって、前記サーバ装置は、ユーザが使用中のバッテリ装置の個体識別情報と回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報とを照合することにより、回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの前記端末装置に交換催促通知を送信し、前記端末装置は、前記交換催促通知を受信すると、ユーザにバッテリ装置の交換を促すメッセージを表示する構成とする。
【0010】
また、本開示のバッテリ管理方法は、サーバ装置において、バッテリ交換サービスで供用中のバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、バッテリ装置の供用を開始する際に、そのバッテリ装置の個体識別情報を登録して、その個体識別情報に基づいて供用中のバッテリ装置を管理し、回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報が登録された場合、ユーザが使用中のバッテリ装置の前記個体識別情報と回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報とを照合することにより、その回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの端末装置に交換催促通知を送信し、前記交換催促通知を受信した前記端末装置により、ユーザにバッテリ装置の交換を促すメッセージを表示する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、回収対象のバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、その回収対象となるバッテリ装置の返却をユーザに促して、対象となるバッテリ装置を速やかに回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るバッテリ共用システムの全体構成図
【
図2】バッテリパック2、バッテリ交換器3および管理サーバ4の概略構成を示すブロック図
【
図3】バッテリ交換時のシステムの動作状況を示す説明図
【
図4】バッテリ新規登録時のシステムの動作手順を示すシーケンス図
【
図5】バッテリ交換時のシステムの動作手順を示すシーケンス図
【
図6】バッテリ利用停止時のシステムの動作手順を示すシーケンス図
【
図7】管理端末6や保守端末7に表示される回収対象バッテリリスト画面を示す説明図
【
図8】ユーザ端末5に表示される通知画面を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、バッテリステーションに配置され、ユーザから返却されたバッテリ装置を収容して充電すると共に、返却されたバッテリ装置と交換で充電済みのバッテリ装置をユーザに貸し出す複数のバッテリ交換装置と、この複数のバッテリ交換装置とネットワークを介して接続されて、前記バッテリ交換装置でのバッテリ装置の交換状況を管理するサーバ装置と、ユーザが所持し、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された端末装置と、を有するバッテリ管理システムであって、前記サーバ装置は、 回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの前記端末装置に交換催促通知を送信し、前記端末装置は、前記交換催促通知を受信すると、ユーザにバッテリ装置の交換を促す報知動作を行う構成とする。
【0014】
これによると、回収対象のバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、その回収対象となるバッテリ装置の返却をユーザに促して、対象となるバッテリ装置を速やかに回収することができる。
【0017】
また、第2の発明は、前記サーバ装置は、前記端末装置を介して車両からバッテリ装置の前記個体識別情報を取得し、回収対象のバッテリ装置の前記個体識別情報と照合し、両者が一致する場合に、そのユーザの前記端末装置に前記交換催促通知を送信する構成とする。
【0018】
これによると、いかなる状況にあっても、回収対象のバッテリパックを利用中のユーザに対して、効率的に交換催促の報知動作を行うことができる。
【0019】
また、第3の発明は、前記サーバ装置は、対象となるバッテリ装置を一覧表示する表示情報を出力する構成とする。
【0020】
これによると、対象となるバッテリ装置を回収する作業を効率よく行うことができる。
【0021】
また、第4の発明は、サーバ装置において、バッテリ交換サービスで供用中のバッテリ装置を管理するバッテリ管理方法であって、バッテリ装置の供用を開始する際に、そのバッテリ装置の個体識別情報を登録して、その個体識別情報に基づいて供用中のバッテリ装置を管理し、回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報が登録された場合、ユーザが使用中のバッテリ装置の前記個体識別情報と回収対象となるバッテリ装置の前記個体識別情報とを照合することにより、その回収対象となるバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、そのユーザの端末装置に交換催促通知を送信し、前記交換催促通知を受信した前記端末装置により、ユーザにバッテリ装置の交換を促すメッセージを表示する構成とする。
【0022】
これによると、第1の発明と同様に、回収対象のバッテリ装置を使用中のユーザを特定して、その回収対象となるバッテリ装置の返却をユーザに促して、対象となるバッテリ装置を速やかに回収することができる。
【0023】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係るバッテリ共用システムの全体構成図である。
【0025】
このバッテリ共用システムは、電動バイクなどの電動車両1に搭載するバッテリパック2(バッテリ装置)を複数のユーザで共用するサービスを提供するものであり、バッテリ交換器3(バッテリ交換装置)と、管理サーバ4(サーバ装置)と、ユーザ端末5(端末装置)と、管理端末6と、保守端末7と、を備えている。
【0026】
バッテリ交換器3、管理サーバ4、ユーザ端末5、管理端末6、および保守端末7はインターネットなどのネットワークを介して接続されている。なお、バッテリ交換器3およびユーザ端末5は、移動体通信ネットワークや無線LANなどの無線通信でネットワーク接続される。
【0027】
電動車両1は、バッテリパック2を搭載し、バッテリパック2の電力により走行する。
図1に示す例では、電動車両を電動バイクとしたが、4輪の自動車でもよい。また、車道走行が前提となっていないモビリティ装置である電動車椅子、電動カート、テーマパークやゴルフ場等での乗用カートであってもよい。
【0028】
バッテリ交換器3は、ユーザから返却されたバッテリパック2を収容して充電すると共に、返却されたバッテリパック2と交換で充電済みのバッテリパック2をユーザに貸し出す。このバッテリ交換器3は、コンビニやガソリンスタンドなどの施設(店舗)に併設されたバッテリステーションに配置される。また、1箇所のバッテリステーションに複数のバッテリ交換器3が設置される。
【0029】
管理サーバ4は、バッテリ交換器3でのバッテリパック2の交換状況を管理する。また、管理サーバ4は、バッテリ交換器3の状態(オンラインか否か)や、このバッテリ交換器3に収容されたバッテリパック2の状態(充電済みか否か)を監視して、バッテリ交換器3やバッテリパック2の状態情報を管理端末6や保守端末7に配信する。また、管理サーバ4は、バッテリステーションなどに関する情報をユーザ端末5に配信する。
【0030】
ユーザ端末5は、スマートフォンやタブレット端末などであり、電動車両1のユーザが所持する。このユーザ端末5では、管理サーバ4から配信される画面、例えば、バッテリステーションの位置を案内する画面や、バッテリ交換の予約を行う画面を表示する。
【0031】
管理端末6は、ユーザに接客する施設や管理センタなどに設置され、管理者が操作する。この管理端末6では、管理者がユーザ登録の操作を行う。また、管理者が管理サーバ4から配信される情報を閲覧する。
【0032】
保守端末7は、メンテナンス業務を担当する専用の施設や、バッテリステーションが設けられた店舗などの施設に設置され、メンテナンス担当者が操作する。この保守端末7では、メンテナンス担当者が管理サーバ4から配信される情報を閲覧する。
【0033】
なお、本実施形態では、電動車両に搭載されるバッテリパック2を例にして説明するが、バッテリパック2が搭載されるバッテリ搭載装置は電動車両に限定されず、例えば可搬型の給電装置などでもよい。
【0034】
次に、バッテリパック2、バッテリ交換器3および管理サーバ4の概略構成について説明する。
図2は、バッテリパック2、バッテリ交換器3および管理サーバ4の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
バッテリパック2は、セル21と、センサ22と、入出力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備えている。
【0036】
センサ22は、セル21の電圧や電流や温度などを検出する。
【0037】
入出力部23は、バッテリ交換器3との間で情報の入出力を行い、例えば、シリアル番号やアラートや劣化情報などをバッテリ交換器3に出力する。
【0038】
記憶部24は、制御部25を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部24は、シリアル番号(個体識別情報)などを記憶する。このシリアル番号は、バッテリ装置の製造に関する情報(例えば、製造ロットに関する情報)と対応付けられている。例えば、シリアル番号の一部に製造年月、工場名のイニシャルなどを含むものとすることができる。なお、このシリアル番号から直接、間接を問わず、同一製造にかかるバッテリ群を特定することできれば良い。
【0039】
制御部25は、プロセッサで構成され、バッテリパック2の各部を制御する。例えば、センサ22の検出結果に基づいてセルの異常や劣化状態を検知して、アラートや劣化情報を入出力部23から出力する。
【0040】
バッテリ交換器3は、センサ31と、駆動部32と、充電部33と、通信部34と、入出力部35と、表示部36と、記憶部37と、制御部38と、を備えている。
【0041】
センサ31は、例えば、人感センサで構成することができ、バッテリ交換に訪れた人物を検知する。
【0042】
なお、バッテリ交換に訪れたユーザを識別するユーザ認証を行うようにしてもよい。この場合、カメラの撮影画像から顔認証によりユーザを識別するようにしてもよい。また、ユーザが所持するRFID(radio frequency identifier)のタグや、非接触型ICカードや、NFC(Near field communication)の機能を備えたユーザ端末5との間の通信で、ユーザを識別するようにしてもよい。また、カメラの撮影画像から、バッテリパック2に添付された2次元コードを読み取ることで、ユーザがバッテリパック2を返却しようとしていることを検知するようにしてもよい。
【0043】
駆動部32は、制御部38からの指示に応じて、バッテリパック2の返却および貸出のタイミングで開閉扉の開閉機構を駆動し、また、返却されたバッテリパック2を格納すると共に、ユーザに貸し出すバッテリパック2を排出する格納排出機構を駆動する。特に、センサ31がユーザを検知すると、バッテリ交換動作を開始し、開閉扉を開いてユーザにバッテリパック2を返却させる。
【0044】
充電部33は、スロット(トレイ)に保持されたバッテリパック2を充電する。
【0045】
通信部34は、ネットワークを介して管理サーバ4と通信を行う。
【0046】
入出力部35は、バッテリパック2との間で情報の入出力を行い、例えば、バッテリパック2のシリアル番号やアラートや劣化情報などがバッテリパック2から入力される。
【0047】
表示部36は、ユーザにバッテリパック2の交換を案内する案内画面を表示する。
【0048】
記憶部37は、制御部38を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部37は、バッテリ交換サービスの対象となるバッテリパック2に関する供用中バッテリリストや、バッテリ交換器3で貸し出すバッテリパック2およびその貸し出しの順番を規定する貸出順序リストなどを記憶する。この供用中バッテリリストや貸出順序リストは管理サーバ4から受信する。
【0049】
制御部38は、プロセッサで構成され、バッテリ交換器3の各部を制御する。例えば、供用中バッテリリストに基づいて、返却されたバッテリパック2が正規品(バッテリ交換サービスの対象となるバッテリパック2)か否かを判定する。また、貸出順序リストに基づいて、貸し出すバッテリパック2を選定して、そのバッテリパック2を貸し出す動作を駆動部32に行わせる。また、返却されたバッテリパック2および貸し出したバッテリパック2に関する返却貸出リスト(シリアル番号などを含む)を通信部34から管理サーバ4に送信する。
【0050】
管理サーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を備えている。
【0051】
通信部41は、ネットワークを介して、バッテリ交換器3、ユーザ端末5、管理端末6、および保守端末7と通信を行う。
【0052】
記憶部42は、制御部43を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部42は、ユーザ登録情報や、バッテリ交換サービスの対象となるバッテリパック2に関する供用中バッテリリストや、バッテリ交換サービスの対象から除外するバッテリパック2に関する除外バッテリリストや、バッテリパック2とその貸出先のユーザとを紐付ける紐付け情報などの管理情報を記憶する。
【0053】
制御部43は、ユーザ管理部51と、ステーション管理部52と、バッテリ管理部53と、ステーション情報提示部54と、システム管理部55と、通知管理部56と、予約管理部57と、を備えている。この制御部43は、プロセッサで構成され、制御部43の各部は、記憶部42に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
【0054】
ユーザ管理部51は、バッテリパック2を使用するユーザを管理する。例えば、管理者が、ユーザからの新規登録の申し込みを受け付けて、管理端末6を操作することで、ユーザの情報(ユーザID、氏名、住所、使用する電動車両の車種など)を登録する(ユーザ登録)。
【0055】
ステーション管理部52は、バッテリステーションおよびバッテリステーションに設置されたバッテリ交換器3を管理する。例えば、バッテリ交換器3でバッテリパック2の交換が行われると、バッテリ交換器3で貸し出すバッテリパック2およびその貸し出しの順番を規定する貸出順序リストを更新して、その貸出順序リストを通信部41からバッテリ交換器3に送信する。
【0056】
バッテリ管理部53は、供用中のバッテリパック2を管理する。例えば、供用を開始する際に、バッテリパック2のシリアル番号を供用中バッテリリストに登録する(新規登録)。また、バッテリパック2とその貸出先のユーザとを紐付ける紐付け情報を管理する。具体的には、まず、ユーザ登録を行った後に最初に貸し出したバッテリパック2とユーザとを紐付ける紐付け情報を生成し、バッテリ交換器3でバッテリパック2の交換が行われると、その交換にかかるバッテリ交換器3から受信した返却貸出リストを用いて、紐付け情報を更新する。また、管理者が管理端末6で利用停止の操作を行うことで、管理端末6で入力されたシリアル番号を除外バッテリリストに登録する。特に、バッテリパック2のシリアル番号は、バッテリパック2の製造に関する情報と直接または間接的に対応付けられているため、異常が発見されたバッテリパック2と同一の製造ラインで同時期に製造されたものを除外バッテリリストに登録することで、将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリパック2を特定して、そのバッテリパック2の使用を中止して速やかに回収できるようにする。
【0057】
ステーション情報提示部54は、バッテリステーションの情報をユーザに提示する。例えば、ユーザにバッテリステーションを案内するステーション案内画面を生成してユーザ端末5に配信して、ステーション案内画面をユーザ端末5に表示させる。このステーション案内画面では、バッテリステーションの位置と、バッテリステーションで交換可能なバッテリパック2の個数とを案内する。
【0058】
システム管理部55は、システムの状態を監視して、システムの状態を管理者やメンテナンス担当者に提示する。例えば、システムの状態を表示する管理画面を生成して管理端末6や保守端末7に配信して、管理画面を管理端末6や保守端末7に表示させる。これにより、管理者やメンテナンス担当者がシステムの状態を閲覧することができる。具体的には、各バッテリステーションに配置されたバッテリ交換器3の状態や、そのバッテリ交換器3に収容されたバッテリパック2の状態や、バッテリ交換器3で行われたバッテリ交換の状況などに関する情報を収集して(情報収集)、それらの状態情報を管理画面に表示する。また、システムの状態情報から検知された事項を、その緊急性の度合に応じて、エラー(異常)、アラート(警告)、および通常通知として管理画面に表示する。
【0059】
通知管理部56は、ユーザに対する通知(お知らせ)を管理する。具体的には、バッテリステーションの新設や閉鎖の案内や、バッテリステーションで実施される工事などのメンテナンス情報や、ネットワークの障害などによりバッテリステーションでのバッテリ交換の予約ができない旨の案内などをユーザ端末5に配信する。
【0060】
予約管理部57は、ユーザのバッテリ交換の予約を管理する。具体的には、ユーザがユーザ端末5で予約の操作を行うことで、バッテリ交換の予約を受け付ける。また、ユーザがユーザ端末5で予約のキャンセルの操作を行うことで、バッテリ交換の予約を取り消す。また、バッテリ交換の予約を受け付けた後に所定時間経過してもバッテリ交換が行われない場合には、バッテリ交換の予約を強制的に取り消す。
【0061】
次に、バッテリ交換時のシステムの動作状況について説明する。
図3は、バッテリ交換時のシステムの動作状況を示す説明図である。なお、
図3では、説明の便宜上、バッテリパック2に3桁の番号を付与しているが、実際には例えば8桁のシリアル番号がバッテリパック2に付与される。
【0062】
電動車両1には、1つまたは複数のバッテリパック2が搭載され、複数のバッテリパック2が搭載されている場合に、その複数のバッテリパック2を同時に交換する。
【0063】
バッテリ交換器3は、複数のバッテリパック2を収容する。本実施形態では、バッテリパック2を1個ずつ保持するスロット(トレイ)を複数備えたターンテーブル61(格納排出機構)が複数設けられている。
図3に示す例では、4つのスロットを備えたターンテーブル61が上下に2段設けられており、合計で8個のバッテリパック2を収容することができる。
【0064】
このバッテリ交換器3では、返却されるバッテリパック2を各ターンテーブル61に1個ずつ格納できるように、各ターンテーブル61でスロットが1個ずつ空き状態としている。バッテリパック2を2個同時に交換する場合、2つのターンテーブル61にバッテリパック2を1個ずつ返却して、2つのターンテーブル61からバッテリパック2を1個ずつ貸し出す。これにより、例えば、電動車両1のバッテリパック2の搭載個数が2個である場合、バッテリ交換器3を2段構成とすることで、同時に2個のバッテリパック2の交換が可能になる。なお、1箇所のバッテリステーションに複数(例えば4台)のバッテリ交換器3を配置するようにしてもよい。これにより、例えば、電動車両1のバッテリパック2の搭載個数が4個である場合に、4個のバッテリパック2を同時に交換することができる。
【0065】
なお、
図3に示す例では、電動車両1のバッテリパック2の搭載個数を2個としたが、搭載個数が1個の場合や3個以上の場合もある。また、バッテリ交換器3にターンテーブル61を用いた構成としたが、縦横に複数の充電池穴が設けられたロッカータイプの交換器であってもよい。さらには、水平方向あるいは垂直方向に複数のバッテリパックが配置される収納部からリフト機構等を用いてバッテリパックの格納と排出を行うような構成を採ることもできる。
【0066】
バッテリ交換器3では、バッテリパック2の交換が行われると、返却貸出リスト(交換情報)を生成して管理サーバ4に送信する。この返却貸出リストには、返却されたバッテリパック2の番号と、貸し出したバッテリパック2の番号と、時刻(タイムスタンプ)とが記載されている。
【0067】
管理サーバ4は、貸出中のバッテリパック2とその貸出先のユーザとを紐付ける紐付け情報を管理する。管理サーバ4は、バッテリ交換器3から返却貸出リストを受信すると、その返却貸出リストに基づいて紐付け情報を更新(紐付け処理)する。このような紐付け処理を行うことで、最初に貸し出したバッテリパック2にユーザ情報を登録するだけで、その後はユーザ情報が管理サーバ4側でバッテリパック2の返却貸出リストに基づいて、ユーザ情報が引き継がれて行くので、バッテリパック2の交換の度にユーザ認証などの面倒な操作を行う必要がなくなり、ユーザの負担を大幅に軽減することができる。
【0068】
また、バッテリ交換器3では、定期的にスロット管理リストを更新して管理サーバ4に送信する。このスロット管理リストには、各スロットに装着されたバッテリパック2の充電状態および空き状態が記載されている。これにより、管理サーバ4は、バッテリ交換器3でのバッテリパック2の充電状態および空き状態を管理することができる。
【0069】
また、管理サーバ4は、バッテリ交換器3において充電が完了したバッテリパック2を対象にして、そのバッテリ交換器3で貸し出すバッテリパック2を規定した貸出順序リスト(貸出指示情報)を生成してバッテリ交換器3に送信する。
【0070】
バッテリ交換器3では、管理サーバ4から受信した貸出順序リストに基づいて、貸し出すバッテリパック2を選定して貸し出す。この貸出順序リストには、バッテリパック2を優先的に貸し出す順序が規定されており、最も優先順位が高いバッテリパック2を貸し出す。
【0071】
また、管理サーバ4では、バッテリ交換器3から受信した返却貸出リストに基づいて、バッテリ交換の度に、貸出順序リストを更新してバッテリ交換器3に送信する。
【0072】
ところで、本実施形態では、貸出順序リストに基づいてバッテリパック2を貸し出すが、この貸出順序は、単純に充電が完了した順に設定するようにしてもよいが、バッテリパック2の利用に関する方針に応じて設定するようにしてもよい。例えば、バッテリパック2の劣化状態を管理サーバ4に送信して、劣化度合いが高い順に貸出順序を設定するようにしてもよい。これにより、劣化が進行したバッテリパック2の利用を促進することで、そのバッテリパック2を早期に回収して新品に交換することができる。
【0073】
次に、バッテリ新規登録時のシステムの動作手順について説明する。
図4は、バッテリ新規登録時のシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
【0074】
まず、管理端末6では、新規登録画面を表示する。そして、管理者がバッテリパック2をクレードルに装着することで、クレードルが読み取ったバッテリパック2のシリアル番号を、管理者が新規登録画面に入力する。
【0075】
管理サーバ4では、新規登録画面に入力されたシリアル番号を取得して、そのシリアル番号を供用中バッテリリストに登録する。そして、更新された供用中バッテリリストをバッテリ交換器3に送信する。
【0076】
バッテリ交換器3では、供用中バッテリリストに基づいて、返却されたバッテリパック2が正規品(バッテリ交換サービスの対象となるバッテリパック2)か否かを判定することができる。
【0077】
次に、バッテリ交換時のシステムの動作手順について説明する。
図5は、バッテリ交換時のシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
【0078】
まず、管理サーバ4では、バッテリパック2の貸出順序を規定した貸出順序リストをバッテリ交換器3に送信する。
【0079】
バッテリ交換器3では、ユーザがバッテリパック2を返却すると、供用中バッテリリストに基づいて、返却されたバッテリパック2が正規品(バッテリ交換サービスの対象となるバッテリパック2)か否かを確認する。なお、予め管理サーバ4からバッテリ交換器3に供用中バッテリリストが送信される。
【0080】
次に、バッテリ交換器3では、管理サーバ4から受信した貸出順序リストに基づいて、貸し出すバッテリパック2を選定して、そのバッテリパック2をユーザに貸し出す。
【0081】
次に、バッテリ交換器3では、返却貸出リストを管理サーバ4に送信する。この返却貸出リストには、返却されたバッテリパック2および貸し出したバッテリパック2の情報(シリアル番号など)などが含まれる。
【0082】
管理サーバ4では、バッテリ交換器3から受信した返却貸出リストに基づいて、返却されたバッテリパック2のシリアル番号が未知のものか、あるいは、重複しているか否かにより、返却されたバッテリパック2が模造品の疑いがあるか否かを確認する。なお、模造品の疑いがある場合にはアラートを出力する。
【0083】
次に、管理サーバ4では、返却されたバッテリパック2のシリアル番号を除外バッテリリストと照合して、利用を停止するバッテリパック2であるか否かを確認する。なお、シリアル番号が除外バッテリリストと一致する場合には、以降の貸出順序リストへの登録も除外し、アラートを出力するなどして回収を促すようにする。
【0084】
次に、管理サーバ4では、バッテリパック2とその貸出先のユーザIDとの紐付け情報を確認する。具体的には、オンライン状態にあるときに返却されたバッテリパック2に対する紐付け情報が存在するか否かを判定する。また、バッテリパック2が複数返却された場合には、各バッテリパック2の紐付け情報が同じユーザIDに紐付いているか否かも判定する。
【0085】
次に、管理サーバ4では、紐付け処理として、紐付け情報を更新する。この紐付け処理は、オンライン状態にあるときに返却されたバッテリパック2に紐付けられたユーザIDを、貸し出したバッテリパック2に割り当てることにより、紐付け情報を更新する。
【0086】
次に、管理サーバ4では、貸出順序リストを更新する。このとき、バッテリ交換器3に収容されたバッテリパック2のうち、充電が完了しているバッテリパック2に、所定の規則に基づいて貸出順序を設定する。そして、貸出順序リストをバッテリ交換器3に送信する。
【0087】
次に、バッテリ利用停止時のシステムの動作手順について説明する。
図6は、バッテリ利用停止時のシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
【0088】
本実施形態では、将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリパック2を、製造ロットで特定して、該当するバッテリパック2のシリアル番号を取得して、そのシリアル番号に基づいてバッテリパック2の利用を停止する。
【0089】
なお、本実施形態では、製造ロット単位でバッテリパック2の利用を停止するが、この他に、バッテリパック2の個別の異常を検知すると、そのバッテリパック2の利用を停止する。具体的には、バッテリパック2が返却された際に、バッテリパック2から異常の発生を表すアラートがバッテリパック2から出力されると、バッテリパック2の利用を停止する。また、バッテリパック2を充電する際に、バッテリ交換器3が異常電流などの異常を検知すると、バッテリパック2の利用を停止する。
【0090】
まず、管理端末6では、バッテリ一覧画面を表示する。このバッテリ一覧画面で、管理者が、検索条件として、対象となるバッテリパック2のシリアル番号を入力して、検索実行の操作を行うと、検索結果を一覧表示する。管理者は、検索結果を確認して、利用停止の操作を行う。
【0091】
管理サーバ4では、管理端末6で入力されたシリアル番号を取得して、そのシリアル番号を除外バッテリリストに登録する。
【0092】
次に、管理サーバ4では、除外バッテリリストを参照して、貸出順序リストを更新する。このとき、対象となるバッテリパック2がバッテリ交換器3に収容されている場合には、そのバッテリ交換器3の貸出順序リストから、利用停止の対象となるバッテリパック2を除外する。また、対象となるバッテリパック2の充電を停止する充電停止指示情報を生成する。そして、貸出順序リスト(貸出禁止の通知)と充電停止指示情報(充電停止の通知)とをバッテリ交換器3に送信する。
【0093】
以後、管理者がメンテナンス担当者に、対象となるバッテリパック2の回収を依頼し、メンテナンス担当者が対象となるバッテリパック2をバッテリ交換器3から回収する。
【0094】
ここで、バッテリ交換器3では、貸出順序リストに基づいて貸し出すバッテリパック2を選定し、自装置に収容されていても貸出順序リストにないバッテリパック2は貸し出さないため、利用停止の対象となるバッテリパック2を貸出順序リストから除外することで、結果的に、利用停止の対象となるバッテリパック2の貸出を禁止することができる。
【0095】
なお、本実施形態では、管理者が管理端末6で対象となるバッテリパック2の利用停止の操作を行うようにしたが、メンテナンス担当者が保守端末7で利用停止の操作を行うようにしてもよい。
【0096】
次に、管理者やメンテナンス担当者に提示する回収対象バッテリリストについて説明する。
図7は、管理端末6や保守端末7に表示される回収対象バッテリリスト画面を示す説明図である。
【0097】
管理サーバ4では、除外バッテリリストに基づいて、回収対象バッテリリストを生成して、
図7(A)に示すように、回収対象バッテリリストが表示された画面を管理端末6や保守端末7に表示する。
【0098】
この回収対象バッテリリストには、回収対象のバッテリパック2に関する情報が一覧表示される。
図7(A)に示す例では、回収対象のバッテリパック2のシリアル番号と、そのバッテリパック2の所在に関する情報が記載される。具体的には、回収対象のバッテリパック2がバッテリステーションにある場合には、そのバッテリステーションの情報(番号、名前など)と、回収対象のバッテリパック2が収容されているバッテリ交換器3の情報(番号など)と、回収対象のバッテリパック2が装着されているスロット(トレイ)の情報(番号など)などが表示される。また、回収対象のバッテリパック2をユーザが利用中である場合には、ユーザの情報(ユーザID、氏名、車種など)などが表示される。
【0099】
この回収対象バッテリリストにより、回収対象のバッテリパック2がどこにあるかを管理者やメンテナンス担当者が把握することができる。
【0100】
また、管理サーバ4では、除外バッテリリストに基づいて、メンテナンス拠点別の回収対象バッテリリストを生成して、
図7(B)に示すように、メンテナンス拠点別の回収対象バッテリリストが表示された画面を保守端末7に表示する。
【0101】
このメンテナンス拠点別の回収対象バッテリリストには、指定したメンテナンス拠点が担当するバッテリステーションにある回収対象となるバッテリパック2に関する情報が一覧表示される。
図7(B)に示す例では、バッテリステーションの情報(番号、名前など)と、回収対象のバッテリパック2が収容されているバッテリ交換器3の情報(番号など)と、回収対象のバッテリパック2が装着されているスロット(トレイ)の情報(番号など)と、回収対象のバッテリパック2のシリアル番号などが表示される。
【0102】
このメンテナンス拠点別の回収対象バッテリリストにより、メンテナンス担当者が、自分が担当するバッテリステーションに回収対象のバッテリパック2があるか否かを容易に確認することができる。これにより、メンテナンス担当者が回収対象のバッテリパック2を回収する作業を効率よく行うことができる。
【0103】
なお、本実施形態では、回収対象バッテリリストを画面表示するようにしたが、回収対象バッテリリストが印刷出力されるようにしてもよい。また、保守端末7に、メンテナンス担当者が担当するバッテリステーションに関する回収対象バッテリリストが電子メールなどで送信されるようにしてもよい。
【0104】
次に、ユーザ端末5に表示される通知画面について説明する。
図8は、通知画面を示す説明図である。
【0105】
管理サーバ4では、除外バッテリリストに基づいて、回収対象のバッテリパック2をユーザが利用中である場合には、貸出中のバッテリパック2とその貸出先のユーザ情報(ユーザID、氏名、車種など)などとを紐付ける管理情報を生成し、回収対象となるバッテリパック2を使用中のユーザを特定して、そのユーザのユーザ端末5に交換催促通知を送信し、ユーザ端末5は、交換催促通知を受信すると、ユーザにバッテリパック2の交換を催促する旨の報知動作を行う。具体的には、ユーザがバッテリ交換サービスの利用登録時に設定したユーザ情報に基づき、メール送信機能やバッテリ交換サービスに関するアプリケーション上で動作するプッシュ通知機能を利用して、ユーザの利用するユーザ端末5へ通知する。これにより、回収対象のバッテリパック2をユーザが利用中であっても、ユーザの特定と交換催促通知を効率的に行うことができる。
【0106】
本実施形態では、対象となるバッテリパック2をユーザが使用中である場合には、管理サーバ4が、交換催促通知として、通知画面を生成してユーザ端末5に配信し、ユーザ端末5に通知画面が表示される。この通知画面には、ユーザに使用中のバッテリパック2の交換を催促するメッセージが表示される。
【0107】
なお、バッテリパック2がバッテリ交換器3に返却された際には、バッテリ交換器3において、返却されたバッテリパック2のシリアル番号を取得して、そのシリアル番号を含む返却貸出リストを管理サーバ4に送信する。管理サーバ4では、返却されたバッテリパック2のシリアル番号を除外バッテリリストと照合して、両者が一致する場合にはアラートを出力する。管理者またはメンテナンス担当者は、アラートに応じて、貸出禁止および充電禁止の操作を行うとともに、メンテナンス担当者が対象となるバッテリパック2をバッテリ交換器3から回収する。
【0108】
また、上記実施形態では、ユーザへの交換催促通知に際して、除外バッテリリストに基づいて、回収対象のバッテリパック2を使用するユーザを特定する管理情報を生成する構成としたが、これ以外の種々の構成を採用することができる。例えば、電動車両1に対して、バッテリパック2のシリアル番号の読取り機能、ユーザの所持するユーザ端末5との無線接続機能(Bluetooth(登録商標)とWi-Fiなど)などを搭載し、管理サーバ4は、ユーザに対するお知らせ通知などを配信するタイミングで、ユーザ端末5を介して電動車両1からバッテリパック2のシリアル番号の読取り情報を取得し、これを管理サーバ4で登録された回収対象のバッテリパック2のシリアル番号と照合し、両者が一致する場合には、そのユーザのユーザ端末5に交換催促通知を送信する。そして、ユーザ端末5は、交換催促通知を受信すると、ユーザにバッテリパック2の交換を催促する旨の報知動作を行う。報知動作は、先の例と同様に、ユーザがバッテリ交換サービスの利用登録時に設定したユーザ情報に基づく、メール送信機能やバッテリ交換サービスに関するアプリケーション上で動作するプッシュ通知機能を利用して、ユーザの利用するユーザ端末5へ通知する。これにより、管理サーバ4において、管理中のバッテリリストで不整合が生じているような状況にあっても、回収対象のバッテリパック2を利用中のユーザに対して、効率的に交換催促の報知動作を行うことができる。
【0109】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示に係るバッテリ管理システム及びバッテリ管理方法は、将来的に異常が発生する可能性のあるバッテリ装置を特定して、そのバッテリ装置を速やかに回収することができる効果を有し、電動車両などのユーザがバッテリ交換装置でバッテリ装置を交換するバッテリ交換サービスにおいて、供用中のバッテリ装置を管理するバッテリ管理システム及びバッテリ管理方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0111】
1 電動車両
2 バッテリパック(バッテリ装置)
3 バッテリ交換器(バッテリ交換装置)
4 管理サーバ(サーバ装置)
5 ユーザ端末(端末装置)
6 管理端末
7 保守端末
31 センサ
32 駆動部
33 充電部
34 通信部
35 入出力部
36 表示部
37 記憶部
38 制御部
41 通信部
42 記憶部
43 制御部