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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】電動機及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
H02K13/00 X
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021545521
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2020033756
(87)【国際公開番号】W WO2021049453
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2019164801
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中野 圭策
(72)【発明者】
【氏名】浅野 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】従野 知子
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 和雄
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-034741(JP,A)
【文献】特開2019-054698(JP,A)
【文献】特開2019-022254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するロータと、
前記回転軸に取り付けられた整流子と、
前記整流子に接する複数の通電ブラシと、
前記整流子に接する複数の補助ブラシとを備え、
前記整流子は、前記回転軸の周方向に沿って設けられた複数の整流子セグメントを有し、
前記複数の通電ブラシは、第1通電ブラシと第2通電ブラシとを含み、
前記複数の補助ブラシは、第1補助ブラシと第2補助ブラシとを含み、
前記第1補助ブラシと前記第2補助ブラシとは、ダイオードを介して電気的に接続されており、
前記第1補助ブラシは、前記第1通電ブラシが前記複数の整流子セグメントのうちの一の整流子セグメントから離れるときに、前記複数の整流子セグメントのうち当該一の整流子セグメントよりも前記ロータの回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメントに接するように配置され、
前記第2補助ブラシは、前記第2通電ブラシが前記複数の整流子セグメントのうちの他の整流子セグメントから離れるときに、前記複数の整流子セグメントのうち当該他の整流子セグメントよりも前記ロータの回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメントに接するように配置されている、
電動機。
【請求項2】
前記第1補助ブラシ及び前記第2補助ブラシの各々は、金属黒鉛質ブラシであり、
前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れると同時に前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに、前記第1補助ブラシと前記第2補助ブラシとの電位差が10V以下である、
請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記第1補助ブラシ及び前記第2補助ブラシの各々は、レジン質ブラシであり、
前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れると同時に前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに、前記第1補助ブラシと前記第2補助ブラシとの電位差が15V以下である、
請求項1に記載の電動機。
【請求項4】
前記第1補助ブラシは、前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れるときに当該第1補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントに跨って配置された1つのブラシであり、
前記第2補助ブラシは、前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに当該第2補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントに跨って配置された1つのブラシである、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項5】
前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れるときに前記第1補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、隣り合う2つの整流子セグメントであり、
前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに前記第2補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、隣り合う2つの整流子セグメントである、
請求項4に記載の電動機。
【請求項6】
前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れるときに前記第1補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、連続して並ぶ3つ以上の整流子セグメントであり、
前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに前記第2補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、連続して並ぶ3つ以上の整流子セグメントである、
請求項4に記載の電動機。
【請求項7】
前記第1補助ブラシは、互いに電気的に接続され且つ分離された一対のブラシであり、
前記第2補助ブラシは、互いに電気的に接続され且つ分離された一対のブラシである、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項8】
前記第1通電ブラシが前記一の整流子セグメントから離れるときに前記第1補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、2つ以上離れて配置されており、
前記第2通電ブラシが前記他の整流子セグメントから離れるときに前記第2補助ブラシに接する前記少なくとも2つの整流子セグメントは、2つ以上離れて配置されている、
請求項7に記載の電動機。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電動機を用いた電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動機及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機は、電気掃除機に搭載される電動送風機等の種々の製品に用いられている。電動機としては、ブラシと整流子とを用いた整流子電動機(整流子モータ)、又は、ブラシと整流子とを用いないブラシレス電動機が知られている。
【0003】
整流子電動機は、例えば、ステータと、ステータの磁力によって回転するロータと、ロータの回転軸(シャフト)に取り付けられた整流子と、整流子に摺接する通電ブラシとを備える。整流子は、ロータの回転軸の周方向に沿って等間隔に設けられた複数の整流子セグメントを有する。複数の整流子セグメントの各々には、ロータのコアに巻回された複数の巻線コイルが電気的に接続されている。
【0004】
整流子電動機では、通電ブラシと整流子とでロータの複数の巻線コイルの各々に通電を行っている。この場合、整流子の回転によって通電される巻線コイルが切り替わる際に、通電ブラシと整流子セグメントとの間にスパークが発生することがある。このようなスパークが発生すると、通電ブラシの磨耗が早まるので、電動機の寿命が低下する。
【0005】
そこで、従来、スパークを抑制して通電ブラシの長寿命化を図るために、スパークによるアーク電圧を吸収する電子部品が接続された補助ブラシを設ける技術が提案されている(例えば特許文献1、2)。具体的には、特許文献1、2に開示された整流子電動機では、一対の補助ブラシを設けて、一方の補助ブラシと他方の補助ブラシとの間にダイオードを接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平8-98485号公報
【文献】特許第6512981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2に開示された構成については、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い電動機には採用することが難しい。例えば、電気掃除機に搭載される電動機では入力電圧が20Vを超えることがあるが、このような20Vを超える高い入力電圧で駆動する電動機では、ダイオードを介して電気的に接続された一対の補助ブラシを用いてスパークを抑制することが難しい。
【0008】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い場合であっても、ダイオードを介して電気的に接続された一対の補助ブラシを用いて、通電ブラシと整流子セグメントとの間で発生するスパークを効果的に抑制することができる電動機及びこれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示に係る電動機の一態様は、回転軸を有するロータと、前記回転軸に取り付けられた整流子と、前記整流子に接する複数の通電ブラシと、前記整流子に接する複数の補助ブラシとを備え、前記整流子は、前記回転軸の周方向に沿って設けられた複数の整流子セグメントを有し、前記複数の通電ブラシは、第1通電ブラシと第2通電ブラシとを含み、前記複数の補助ブラシは、第1補助ブラシと第2補助ブラシとを含み、前記第1補助ブラシと前記第2補助ブラシとは、ダイオードを介して電気的に接続されており、前記第1補助ブラシは、前記第1通電ブラシが前記複数の整流子セグメントのうちの一の整流子セグメントから離れるときに、前記複数の整流子セグメントのうち当該一の整流子セグメントよりも前記ロータの回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメントに接するように配置され、前記第2補助ブラシは、前記第2通電ブラシが前記複数の整流子セグメントのうちの他の整流子セグメントから離れるときに、前記複数の整流子セグメントのうち当該他の整流子セグメントよりも前記ロータの回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメントに接するように配置されている。
【0010】
また、本開示に係る電気機器の一態様は、上記電動機を用いた電気機器である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い場合であっても、ダイオードを介して電気的に接続された一対の補助ブラシを用いて、通電ブラシと整流子セグメントとの間で発生するスパークを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る電動機の断面図である。
図2図2は、図1のII-II線における実施の形態に係る電動機の断面図である。
図3図3は、整流子の回転により通電ブラシと整流子セグメントとが摺接する様子を説明するための図である。
図4図4は、比較例の電動機において、通電ブラシ及び補助ブラシを通る平面で切断したときの断面図である。
図5図5は、変形例1に係る電動機において、通電ブラシ及び補助ブラシを通る平面で切断したときの断面図である。
図6図6は、変形例2に係る電動機において、通電ブラシ及び補助ブラシを通る平面で切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0015】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る電動機1の全体の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る電動機1の断面図である。図2は、図1のII-II線における同電動機1の断面図であり、通電ブラシ40及び補助ブラシ50を通る平面で切断したときの断面を示している。
【0016】
電動機1は、整流子電動機であり、図1及び図2に示すように、ステータ10と、ステータ10の磁力により回転するロータ20と、ロータ20のシャフト21に取り付けられた整流子30と、整流子30に接する通電ブラシ40と、整流子30に接する補助ブラシ50と、ステータ10及びロータ20を収納するフレーム60とを備える。
【0017】
本実施の形態における電動機1は、直流により駆動する直流電動機(DCモータ)であり、ステータ10として磁石11が用いられているとともに、ロータ20として巻線コイル22を有する電機子が用いられている。
【0018】
なお、本実施の形態における電動機1は、種々の電気機器に用いることができる。例えば、電動機1は、電気掃除機又はエアタオル等に搭載される電動送風機に用いることができる。また、電動機1は、自動車に搭載される電装機器又は電動工具等に用いることもできる。以下、電動機1の各構成部材について詳細に説明する。
【0019】
ステータ10(固定子)は、ロータ20に作用する磁力を発生させる。ステータ10は、周方向に沿ってロータ20とのエアギャップ面にN極とS極とが交互に存在するように構成されている。本実施の形態において、ステータ10は、複数の磁石11(マグネット)によって構成されている。磁石11は、トルクを発生するための磁束を作る界磁石であり、例えばS極及びN極を有する永久磁石である。複数の磁石11の各々は、上面視において、厚さが略一定の円弧形状である。複数の磁石11は、フレーム60に固定されている。
【0020】
ステータ10を構成する複数の磁石11は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に均等に存在するように配置されている。したがって、ステータ10(磁石11)が発生する主磁束の向きは、シャフト21の軸心Cの方向と交差する方向である。本実施の形態において、複数の磁石11は、ロータ20を囲むようにして周方向に沿って等間隔で配置されており、ロータ20におけるロータコア23の径方向の外周側に位置している。具体的には、N極及びS極が着磁された複数の磁石11が、N極の磁極中心とS極の磁極中心とが周方向に沿って等間隔となるように配置されている。
【0021】
ロータ20(回転子)は、ステータ10に作用する磁力を発生させる。本実施の形態において、ロータ20が発生する主磁束の向きは、シャフト21の軸心Cの方向と交差する方向である。ロータ20は、回転軸であるシャフト21を有する。また、ロータ20は、電機子であり、巻線コイル22及びロータコア23を有する。本実施の形態において、ロータ20は、インナーロータであり、ステータ10の内側に配置されている。具体的には、ロータ20は、ステータ10を構成する複数の磁石11に囲まれている。また、ロータ20は、ステータ10とエアギャップを介して配置されている。具体的には、ロータ20(ロータコア23)の外周面と各磁石11の内面との間には微小なエアギャップが存在する。
【0022】
シャフト21は、軸心Cを有する回転軸であり、ロータ20が回転する際の中心となる長尺状の棒状部材である。シャフト21の長手方向(延伸方向)は、軸心Cの方向(軸心方向)である。シャフト21は、ベアリング等の軸受けによって回転自在に保持されている。詳細は図示されていないが、例えば、シャフト21の一方の端部である第1端部21aは、フレーム60に固定されたブラケットに保持又はフレーム60に直接保持された第1軸受けに支持され、シャフト21の他方の端部である第2端部21bは、フレーム60に固定されたブラケットに保持又はフレーム60に直接保持された第2軸受けに支持されている。ブラケットは、例えば、フレーム60の開口部を覆うようにしてフレーム60に固定される。
【0023】
シャフト21は、ロータ20の中心に固定されている。シャフト21は、例えば金属棒であり、ロータコア23を貫通する状態でロータコア23に固定されている。例えば、シャフト21は、ロータコア23の中心孔に圧入したり焼き嵌めしたりすることでロータコア23に固定されている。
【0024】
巻線コイル22(ロータコイル)は、電流が流れることでステータ10に作用する磁力を発生するように巻回されている。巻線コイル22は、インシュレータ24を介してロータコア23に巻回されている。インシュレータ24は、絶縁樹脂材料等によって構成されており、巻線コイル22とロータコア23とを電気的に絶縁する。巻線コイル22は、ロータ20のスロットごとに設けられており、整流子30と電気的に接続されている。具体的には、巻線コイル22は、整流子30の整流子セグメント31と電気的に接続される。
【0025】
ロータコア23は、複数の電磁鋼板がシャフト21の長手方向に積層された積層体である。ロータコア23は、例えば、複数のティースを有する。複数のティースの各々に巻線コイル22が巻き回されている。つまり、巻線コイル22は、複数設けられている。なお、ロータコア23は、電磁鋼板の積層体に限るものではなく、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
【0026】
整流子30は、シャフト21に取り付けられている。したがって、整流子30は、ロータ20が回転することでシャフト21とともに回転する。本実施の形態において、整流子30は、シャフト21の第1端部21aに取り付けられている。
【0027】
図2に示すように、整流子30は、複数の整流子セグメント31を有する。複数の整流子セグメント31は、シャフト21の周方向に沿って設けられている。具体的には、複数の整流子セグメント31は、シャフト21を囲むように円環状に等間隔で配列されている。本実施の形態において、整流子30は、12個の整流子セグメント31を有する。
【0028】
図1に示すように、複数の整流子セグメント31の各々は、シャフト21の長手方向に延在する整流子片である。複数の整流子セグメント31の各々は、例えば、銅等の金属材料によって構成された導電端子であり、ロータ20の巻線コイル22と電気的に接続されている。一例として、整流子30は、モールド整流子であり、複数の整流子セグメント31が樹脂モールドされた構成になっている。この場合、複数の整流子セグメント31は、表面が露出するようにモールド樹脂32に埋め込まれている。なお、複数の整流子セグメント31同士は、均圧線によって互いに同電位(均圧)となるように電気的に接続されていてもよい。
【0029】
整流子30には、通電ブラシ40及び補助ブラシ50が接している。具体的には、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、整流子30の整流子セグメント31に摺接する。図示されていないが、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、ブラシホルダによって保持されている。例えば、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、ブラシホルダに収納されている。この場合、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、ブラシホルダの内部を摺動する。また、図示されていないが、電動機1には、通電ブラシ40及び補助ブラシ50を整流子30に押し当てるためにコイルバネ又はトーションバネ等のブラシバネが設けられている。ブラシバネは、バネ弾性を利用して通電ブラシ40及び補助ブラシ50に押圧を付与する。通電ブラシ40及び補助ブラシ50の各々は、ブラシバネからの押圧力を受けて常に先端部の表面が整流子30の整流子セグメント31に接触する状態になっている。通電ブラシ40及び補助ブラシ50の各々と整流子セグメント31とが摺れ合う面は摺動面となる。なお、ブラシバネは、1つの通電ブラシ40ごと及び1つの補助ブラシ50ごとに設けられているが、これに限らない。
【0030】
通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、導電性を有する導電体である。一例として、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、カーボンによって構成された長尺状の略直方体のカーボンブラシである。具体的には、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、銅等の金属を含むカーボンブラシである。例えば、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、黒鉛粉と銅紛とバインダー樹脂と硬化剤とを混錬した混錬物を粉砕して直方体に圧縮成形して焼成することで作製することができる。この場合、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、銅等の金属成分が多く含まれる(例えば金属成分が30%で炭素成分が70%)金属黒鉛質ブラシであってもよいし、ゴム弾性を有する樹脂の特性が残っている(例えば樹脂成分が20%で炭素成分が80%)レジン質ブラシであってもよい。
【0031】
通電ブラシ40は、整流子30に接することでロータ20に電力を供給する給電ブラシである。具体的には、通電ブラシ40の先端部分が整流子30の整流子セグメント31に接する。したがって、通電ブラシ40には、電源70から供給される電流が流れる電線が接続されている。例えば、通電ブラシ40は、ピグテール線等の電線を介して、電源70からの電力を受電する電極端子と電気的に接続されている。具体的には、一方の端部が電極端子に接続されたピグテール線の他方の端部が通電ブラシ40の後端部に接続されており、通電ブラシ40が整流子セグメント31に接触することで、ピグテール線を介して通電ブラシ40に供給される電機子電流が整流子セグメント31を介してロータ20の各巻線コイル22に流れる。
【0032】
通電ブラシ40は、隣接する2つの整流子セグメント31を跨って接触する状態が存在するように構成されている。つまり、ロータ20の回転方向における通電ブラシ40の幅の長さは、隣接する2つの整流子セグメント31の間隔の長さよりも大きくなっている。これにより、通電ブラシ40は、2つの整流子セグメント31の間に接続された巻線コイル22を短絡させることができる。
【0033】
例えば、図3の(a)に示すように、隣り合う2つの整流子セグメント31の両方に1つの通電ブラシ40が接している状態からロータ20の回転により整流子30の回転が進むと、図3の(b)に示すように、通電ブラシ40は、隣り合う2つの整流子セグメント31の一方から切り離されて、隣り合う2つの整流子セグメント31のうち回転方向の後方に位置する他方の整流子セグメント31のみに接する状態になる。この結果、隣り合う2つの整流子セグメント31の間の配線経路に接続された巻線コイル22を短絡させることができる。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態において、通電ブラシ40は、複数設けられている。複数の通電ブラシ40の各々が整流子30に接している。具体的には、複数の通電ブラシ40は、一対の通電ブラシ40として、第1通電ブラシ41と第2通電ブラシ42とを含んでいる。第1通電ブラシ41と第2通電ブラシ42とは、整流子30を挟持するように対向して配置される。つまり、第1通電ブラシ41と第2通電ブラシ42とは、シャフト21の軸心Cを中心に線対称に配置されている。第1通電ブラシ41及び第2通電ブラシ42の各々は、シャフト21の軸心Cと直交する方向(ラジアル方向)で整流子30の整流子セグメント31に接している。第1通電ブラシ41及び第2通電ブラシ42は、電源70に接続されている。本実施の形態において、電源70は、直流電源である。一例として、第1通電ブラシ41は、陽極側ブラシであり、第2通電ブラシ42は、陰極側ブラシである。
【0035】
補助ブラシ50は、通電ブラシ40と整流子セグメント31とが切り離されて発生するスパークを抑制するためのスパーク抑制ブラシである。本実施の形態において、補助ブラシ50には、電源70から供給される電流が流れる電線が接続されていない。つまり、補助ブラシ50には、電源70から供給される電流が直接流れることはなく、通電ブラシ40及び整流子セグメント31を介して電源70から供給される電流の一部が流れる。
【0036】
補助ブラシ50は、通電ブラシ40と同様に、隣接する2つの整流子セグメント31を跨って接触する状態が存在するように構成されている。つまり、ロータ20の回転方向における補助ブラシ50の幅の長さは、隣接する2つの整流子セグメント31の間隔の長さよりも大きくなっている。これにより、隣接する2つの整流子セグメント31の間の巻線コイル22を短絡させることができる。
【0037】
本実施の形態において、補助ブラシ50は、複数設けられている。複数の補助ブラシ50の各々が整流子30に接している。具体的には、複数の補助ブラシ50は、一対の補助ブラシ50として、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52とを含んでいる。第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々が整流子30に接している。
【0038】
第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52とは、ダイオード80を介して電気的に接続されている。つまり、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の配線経路に、ダイオード80が挿入されている。具体的には、ダイオード80の一方の端子は、第1補助ブラシ51に接続されており、ダイオード80の他方の端子は、第2補助ブラシ52に接続されている。第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々とダイオード80とは、例えば導電線等の配線によって接続されている。
【0039】
第1補助ブラシ51は、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れるときに、当該一の整流子セグメント31よりもロータ20の回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメント31に接するように配置されている。
【0040】
本実施の形態において、第1補助ブラシ51は、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れるときに第1補助ブラシ51に接する少なくとも2つの整流子セグメント31に跨って配置された1つのブラシである。この場合、第1補助ブラシ51に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31になっている。
【0041】
つまり、本実施の形態において、第1補助ブラシ51は、複数の整流子セグメント31のうち第1通電ブラシ41が離れた直後の整流子セグメント31(つまり、第1通電ブラシ41が切り離されてスパークが発生する整流子セグメント31)とこの整流子セグメント31に隣接する整流子セグメント31とに跨って接するように配置されている。
【0042】
同様に、第2補助ブラシ52は、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメント31から離れるときに、当該他の整流子セグメント31よりもロータ20の回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメント31に接するように配置されている。
【0043】
本実施の形態において、第2補助ブラシ52は、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52に接する少なくとも2つの整流子セグメント31に跨って配置された1つのブラシである。この場合、第2補助ブラシ52に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31になっている。
【0044】
つまり、本実施の形態においては、第2補助ブラシ52は、第1補助ブラシ51と同様に、複数の整流子セグメント31のうち第2通電ブラシ42が離れた直後の整流子セグメント31(つまり、第2通電ブラシ42が切り離されてスパークが発生する整流子セグメント31)とこの整流子セグメント31に隣接する整流子セグメント31とに跨って接するように配置されている。
【0045】
なお、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、同一平面上に配置されている。具体的には、通電ブラシ40及び補助ブラシ50は、シャフト21の軸心Cの方向と直交する同一平面上に配置されている。本実施の形態では、第1通電ブラシ41、第2通電ブラシ42、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52が、フレーム60内において、シャフト21の軸心Cの方向にずれることなく、同一平面上に配置されている。
【0046】
次に、本実施の形態に係る電動機1の作用効果について、比較例の電動機1Xと比較して説明する。図4は、比較例の電動機1Xにおける通電ブラシ40及び補助ブラシ50を通る平面で切断したときの断面図である。
【0047】
図4に示される比較例の電動機1Xと上記実施の形態に係る電動機1とは、補助ブラシ50の配置のみが異なる。具体的には、比較例の電動機1Xでは、補助ブラシ50は、複数の整流子セグメント31のうち通電ブラシ40が離れた直後の整流子セグメント31(つまり、通電ブラシ40が切り離されてスパークが発生する整流子セグメント31)のみに接するように配置されている。
【0048】
しかしながら、図4に示される比較例の電動機1Xの構成は、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い電動機に採用することが難しい。例えば、図4に示される比較例の電動機1Xのように、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52からなる一対の補助ブラシ50を設けて、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間にダイオード80を接続する場合、スパークが発生する前の状態において、アーク電圧(例えば金属黒鉛質ブラシの場合は約15V)>第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差、という条件を満たす必要がある。
【0049】
第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差は、入力電圧となる電源電圧-2×隣接する整流子セグメント間電圧として表されるので、例えば、図4に示される比較例の電動機1Xでは、整流子セグメント31の総数が12であるので、電源70の電圧が25Vである場合、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差は16.7Vになる。このため、図4に示される比較例の電動機1Xでは、スパークによるアーク電圧を吸収することが難しい場合がある。
【0050】
このように、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い電動機については、スパークを抑制して通電ブラシの長寿命化を図ることが難しい。
【0051】
そこで、本願発明者らが鋭意検討した結果、入力電圧が高くて整流子セグメントの数が多い電動機であっても、ダイオードが接続された一対の補助ブラシの配置を工夫することで、スパークによるアーク電圧を効果的に吸収できることを見出した。
【0052】
具体的には、本実施の形態における電動機1では、ダイオード80を介して電気的に接続された第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52とについて、第1補助ブラシ51は、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメントから離れるときに、当該一の整流子セグメント31よりもロータ20の回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメント31に接するように配置されており、また、第2補助ブラシ52は、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメントから離れるときに、当該他の整流子セグメント31よりもロータ20の回転方向の後方に位置する少なくとも2つの整流子セグメント31に接するように配置されている。
【0053】
つまり、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々は、第1通電ブラシ41及び第2通電ブラシ42が切り離されてスパークが発生するタイミングで、複数の整流子セグメント31に跨って接している。
【0054】
この構成により、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差をスパーク発生直前でのアーク電圧以下にすることができる。例えば、図2に示される実施の形態に係る電動機1では、整流子セグメント31の総数が12で、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々が跨ぐ整流子セグメント31が2つであるので、電源70の電圧が25Vである場合、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差は12.6Vになり、図4に示される比較例の電動機1Xの場合と比べて、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差を小さくすることができる。したがって、スパークが発生する前の状態において、アーク電圧(例えば金属黒鉛質ブラシの場合は約15V)>第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との間の電位差、という条件を満たすことができる。
【0055】
例えば、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々が金属黒鉛質ブラシである場合には、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れると同時に第2通電ブラシ42が他の整流子セグメントから離れるときに、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との電位差が10V以下であるとよい。
【0056】
また、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々がレジン質ブラシである場合には、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れると同時に第2通電ブラシ42が他の整流子セグメントから離れるときに、第1補助ブラシ51と第2補助ブラシ52との電位差が15V以下であるとよい。
【0057】
このように、本実施の形態に係る電動機1によれば、入力電圧が高くて(例えば20V以上)整流子セグメント31の数が多い場合であっても、ダイオード80を介して電気的に接続された一対の補助ブラシ50を用いて、通電ブラシ40と整流子セグメント31との間で発生するスパークを効果的に抑制することができる。これにより、高出力かつ長寿命の電動機を実現することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る電動機1において、第1補助ブラシ51は、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れるときに第1補助ブラシ51に接する少なくとも2つの整流子セグメント31に跨って配置された1つのブラシであり、第2補助ブラシ52は、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52に接する少なくとも2つの整流子セグメント31に跨って配置された1つのブラシである。つまり、一体物である1つの第1補助ブラシ51が複数の整流子セグメント31に跨って接しているとともに、一体物である1つの第2補助ブラシ52が複数の整流子セグメント31に跨って接している。
【0059】
これにより、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の構成を複雑にすることなく簡単な構成で、1つの補助ブラシ50で複数の整流子セグメント31に同時に接触させることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る電動機1では、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメント31から離れるときに第1補助ブラシ51に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31になっている。同様に、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31になっている。つまり、1つの第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々は、隣り合う2つの整流子セグメント31に跨っている。
【0061】
これにより、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52をあまり大きくすることなく、スパークを効果的に抑制することができる。
【0062】
(変形例)
以上、本開示に係る電動機1について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0063】
例えば、上記実施の形態では、第1通電ブラシ41が整流子セグメント31から離れるときに第1補助ブラシ51に接する整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31であったが、これに限らない。同様に、第2通電ブラシ42が整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52に接する整流子セグメント31は、隣り合う2つの整流子セグメント31であったが、これに限らない。
【0064】
具体的には、図5に示される変形例1に係る電動機1Aのように、第1通電ブラシ41が整流子セグメント31から離れるときに第1補助ブラシ51Aに接する整流子セグメント31は、連続して並ぶ3つの整流子セグメント31であってもよい。また、第2通電ブラシ42が整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52Aに接する整流子セグメント31は、連続して並ぶ3つの整流子セグメント31であってもよい。つまり、一体物である1つの第1補助ブラシ51Aが3つの整流子セグメント31に跨って接するとともに、一体物である1つの第2補助ブラシ52Aが3つの整流子セグメント31に跨って接していてもよい。なお、第1補助ブラシ51A及び第2補助ブラシ52Aに接する整流子セグメント31は、3つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、1つの第1補助ブラシ51が複数の整流子セグメント31に跨って接するとともに、1つの第2補助ブラシ52が複数の整流子セグメント31に跨って接していたが、これに限らない。具体的には、図6に示される電動機1Bのように、第1補助ブラシ51Bは、互いに電気的に接続され且つ分離された一対のブラシであり、また、第2補助ブラシ52Bは、互いに電気的に接続され且つ分離された一対のブラシであってもよい。
【0066】
この構成により、補助ブラシ50全体の数は増えてしまうものの、複数の補助ブラシ50の各々と整流子セグメント31との接触面積を小さくすることができるので、補助ブラシ50と整流子セグメント31と摺動ロスを低減することができる。なお、図6では、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の各々を2つに分割したが、3つ以上の複数に分割してもよいし、第1補助ブラシ51及び第2補助ブラシ52の一方のみを複数に分割してもよい。
【0067】
また、図6に示される変形例2に係る電動機1Bにおいて、第1通電ブラシ41が複数の整流子セグメント31のうちの一の整流子セグメントから離れるときに第1補助ブラシ51に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、2つ以上離れて配置されているとよい。同様に、第2通電ブラシ42が複数の整流子セグメント31のうちの他の整流子セグメント31から離れるときに第2補助ブラシ52に接する少なくとも2つの整流子セグメント31は、2つ以上離れて配置されているとよい。なお、図6では、第1補助ブラシ51に接する2つの整流子セグメント31は、2つ離れて配置されており、第2補助ブラシ52に接する2つの整流子セグメント31は、2つ離れて配置されている。
【0068】
また、上記実施の形態において、ステータ10は、磁石11によって構成されていたが、これに限らない。例えば、ステータ10は、ステータコアとステータコアに巻回された巻線コイルとによって構成されていてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態において、ロータ20は、コアを有していたが、これに限らない。つまり、上記実施の形態における電動機1は、コアを有さないコアレスモータに適用することもできる。例えば、上記実施の形態における電動機1は、ステータ10及びロータ20の磁束がシャフト21の軸心Cの方向に発生する扁平型のフラットモータであるコアレスモータに適用することができる。
【0070】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示は、電気掃除機又は自動車等をはじめとして、電動機が搭載される種々の製品に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1、1A、1B 電動機
10 ステータ
11 磁石
20 ロータ
21 シャフト
21a 第1端部
21b 第2端部
22 巻線コイル
23 ロータコア
24 インシュレータ
30 整流子
31 整流子セグメント
32 モールド樹脂
40 通電ブラシ
41 第1通電ブラシ
42 第2通電ブラシ
50 補助ブラシ
51、51A、51B 第1補助ブラシ
52、52A、52B 第2補助ブラシ
60 フレーム
70 電源
80 ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6